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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162671
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】光源ユニット、及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20231101BHJP
   F21V 19/02 20060101ALI20231101BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231101BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20231101BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20231101BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231101BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231101BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231101BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20231101BHJP
【FI】
F21S8/08 200
F21V19/02 300
F21V29/503 100
F21V29/76
F21V23/06
F21V23/00 160
F21S2/00 210
F21Y115:10
F21Y105:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073171
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】723014807
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 篤史
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰久
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013AA02
3K013BA01
3K013EA01
3K013FA07
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】様々な重量および寸法を有する光源部分を用いることが可能な光源ユニット、及び照明装置を提供すること、及び器具の内部における光源部分の設置位置や角度を調整可能とすることを目的とする。
【解決手段】光源ユニット100は、照明器具本体10の筐体11内に配置される光源ユニットであって、複数の発光素子43aが実装された基板43と、基板43が取り付けられるベース板47と、を有する光源部分40と、光源部分40を筐体11に取り付ける取付け部材30と、を備え、取付け部材30は、光源部分40を第1角度B1で保持する第1保持部35と、光源部分40を第2角度B2で保持する第2保持部37と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具本体の筐体内に配置される光源ユニットであって、
複数の発光素子が実装された基板と、前記基板が取り付けられるベース板と、を有する光源部分と、
前記光源部分を前記筐体に取り付ける取付け部材と、
を備え、
前記取付け部材は、前記光源部分を第1角度で保持する第1保持部と、前記光源部分を第2角度で保持する第2保持部と、を備える、
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記光源部分は側方に突出する突出部を備え、前記取付け部材は前記突出部を保持する
ことを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記突出部は締結部材で形成され、前記締結部材を前記取付け部材とともに前記ベース板に締結して前記光源部分を固定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記光源部分は略矩形状であり、対向する2辺から前記突出部が突出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記照明器具本体はソケットを備え、
前記光源部分は前記発光素子に接続された第1コネクタを備え、
前記ソケットに接続される口金と前記第1コネクタに接続される第2コネクタとをケーブルで接続した口金アッセンブリを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記ベース板は前記ケーブルを引っ掛けるケーブル引掛け部を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記口金と前記ケーブルとは、口金基板を介して接続され、
前記口金基板は、前記口金と前記ケーブルとの間に流れる電流の逆流を防止する逆接防止用ダイオードを備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の光源ユニット。
【請求項8】
前記照明器具本体はHIDランプ用の照明器具本体である、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光源ユニット。
【請求項9】
支柱と、
前記支柱に固定される照明器具本体と、
を備え、
前記照明器具本体の筐体内に、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光源ユニットが配置される、
ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット、及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路灯などにはHIDランプを搭載した照明器具が利用されていたが、近年、高効率、長寿命である発光ダイオード等の発光素子を光源とした照明器具に置き換えが進んでいる。また、光源部分を発光ダイオードに置き換えるために、従来のHIDランプ用の照明器具に、発光ダイオード製の着脱可能な光源部分を備えたランプが知られている。
(例えば、特許文献1参照)。
これらの照明装置において、照明光を出射する光源部分は、照明器具本体が有するソケットを介して照明器具本体に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録3177908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光源部分が照明器具本体のソケットを介して照明器具本体に固定される場合、ソケットに対して光源部分の重量分の荷重が作用する。従って、ソケットの強度により、固定可能な光源部分の重量および寸法に制限があるという課題があった。
また、ソケットを介して照明器具本体に固定される場合、器具ソケット位置に依存して光源部分の位置が定まるため、器具内で光源部分の位置を自由に配置することができなかった。特に道路照明においては、器具を設置する道路の幅や高さ、間隔によって照射角度を調整したいというニーズがある。
本発明は、様々な重量および寸法を有する光源部分を用いることが可能な光源ユニット、及び照明装置を提供すること及び、器具の内部における光源部分の設置位置や角度を調整可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様態は、照明器具本体の筐体内に配置される光源ユニットであって、複数の発光素子が実装された基板と、前記基板が取り付けられるベース板と、を有する光源部分と、前記光源部分を前記筐体に取り付ける取付け部材と、を備え、前記取付け部材は、前記光源部分を第1角度で保持する第1保持部と、前記光源部分を第2角度で保持する第2保持部と、を備える、ことを特徴とする光源ユニットである。
【0006】
本発明の一様態は、上記光源ユニットにおいて、前記光源部分は側方に突出する突出部を備え、前記取付け部材は前記突出部を保持することを特徴とする。
【0007】
本発明の一様態は、上記光源ユニットにおいて、前記突出部は締結部材で形成され、前記締結部材を前記取付け部材とともに前記ベース板に締結して前記光源部分を固定することを特徴とする。
【0008】
本発明の一様態は、上記光源ユニットにおいて、前記光源部分は略矩形状であり、対向する2辺から前記突出部が突出することを特徴とする。
【0009】
本発明の一様態は、上記光源ユニットにおいて、前記照明器具本体はソケットを備え、前記光源部分は前記発光素子に接続された第1コネクタを備え、前記ソケットに接続される口金と前記第1コネクタに接続される第2コネクタとをケーブルで接続した口金アッセンブリを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の一様態は、上記光源ユニットにおいて、前記ベース板は前記ケーブルを引っ掛けるケーブル引掛け部を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の一様態は、上記光源ユニットにおいて、前記口金と前記ケーブルとは、口金基板を介して接続され、前記口金基板は、前記口金と前記ケーブルとの間に流れる電流の逆流を防止する逆接防止用ダイオードを備える、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一様態は、上記光源ユニットにおいて、前記照明器具本体はHIDランプ用の器具本体であることを特徴とする。
【0013】
本発明の一様態は、支柱と、前記支柱に固定される照明器具本体と、を備え、前記照明器具本体の筐体内に、上記の光源ユニットが配置されることを特徴とする照明装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、様々な重量および寸法を有する光源部分を用いることが可能となる。また、器具の内部における光源部分の設置位置や角度を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る照明器具の側面図。
図2】照明器具本体の斜視図。
図3】照明器具本体の分解斜視図。
図4】光源部分の分解斜視図。
図5】光源部分の斜視図。
図6】光源部分の平面図。
図7】口金アッセンブリの分解斜視図。
図8】照明器具本体の側面断面図(第1角度)。
図9】照明器具本体の側面断面図(第2角度)。
図10】他の実施形態に係る照明器具本体の分解斜視図。
図11】他の実施形態に係る照明器具本体の側面断面図(第1角度)。
図12】他の実施形態に係る照明器具本体の側面断面図(第2角度)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
[1.全体の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る照明装置1の側面図であり、照明装置1の構成を模式的に示す。
【0017】
この照明装置1は、主に車道等の路面Gの照明に用いられる道路灯であり、支柱3と、アーム5と、照明器具本体10と、を有する。支柱3は、車道等の路面Gに対して鉛直方向に沿って固定される柱である。アーム5は、支柱3の上端付近に対して水平方向に沿うように固定される部材である。尚、アーム5がなく、支柱3の上部に照明器具本体10を設置するポールトップ型の場合もある。本実施形態において、路面Gから支柱3が延びる方向を上方、アーム5が支柱3から延びる方向を前方、図1における紙面の手前に向かう方向を左方向と定義する。以下、上下、左右、前後といった文章中の方向は、特に説明が無い限りは上記の定義に従うものとする。
【0018】
照明器具本体10は、照明装置1において照明光を出射する部分であり、アーム5の先端に固定された状態で使用される。照明器具本体10は、光源部分40を備える。照明器具本体10は、箱型の筐体11を備え、筐体11の内部において、光源部分40が着脱可能である。照明器具本体10は、光源部分40から出射された照明光を下方に向けて出射することで、路面Gを照明する。
照明器具本体10の詳細については、後述する。
【0019】
支柱3の内部には、交流配線7、および、電源配線4が、それぞれ設けられる。交流配線7は、路面Gの地下から支柱3の内部に引き回される配線であり、外部から供給される商用の交流電力を支柱3の内部に引き込む。交流配線7は、支柱3の下部に設けられた電源装置6に接続される。電源装置6は、商用の交流電力を直流電力に変換する電源回路を内蔵しており、交流配線7から供給される交流電力を直流電力に変換し、電源配線4に対して直流電力を供給する。電源配線4は、支柱3およびアーム5の内部に引き回される配線であり、電源装置6と光源部分40とを電気的に接続する。
【0020】
図2は、照明器具本体10の斜視図であり、上方から見た照明器具本体10の内部構造を示す。図3は、照明器具本体10の分解斜視図であり、照明器具本体10のカバーを外した状態で上方から見た照明器具本体10の内部構造を示す。
【0021】
図2および図3に示すように、照明器具本体10は、箱型の筐体11の内部において、既設のソケット13を有する。ソケット13は、電源配線4によって電源装置6と電気的に接続される。また、ソケット13は、例えばE26タイプやE39タイプ等の一般的にE型口金と呼ばれるねじ込み式(回しこみ式)の口金を螺入可能な治具でもあり、支持した口金と電源装置6とを電気的に接続する。照明器具本体10は、例えば、既設のHIDランプ(High Intensity Discharge Lamps)用であるが、本実施形態において、既設のHIDランプは後述の光源ユニット100に置換されている。
【0022】
筐体11は、下方に面する照射口11aを有する。照射口11aは、筐体11が下方に向けて開口することで形成され、カバー11bによって上方から覆われる。カバー11bは、照射口11aを筐体11の内側から覆うように配置される透明な板状の部材である。カバー11bは、カバー11bの縁に沿って配置されるパッキン11cとともに、パッキン固定板11dによって筐体11に対して固定される。パッキン固定板11dは、照射口11aの縁と上下に隙間を開けて筐体11に形成され、隙間に配置したカバー11bおよびパッキン11cを挟み込む。また、パッキン固定板11dは、上方からねじ留めが可能であり、後述の取付け部材30と共締めされることにより、カバー11b、パッキン11c、および、取付け部材30を、それぞれ筐体11に対して固定する。
【0023】
照明器具本体10は、光源ユニット100、および、口金アッセンブリ50を備える。光源ユニット100は、取付け部材30、および、光源部分40を備える。図2および図3に示すように、光源ユニット100の光源部分40は、左右一対の取付け部材30を介して、筐体11に固定される。
光源部分40は、取付け部材30により、照射口11aの上方において、下方に向けて照明光を出射するように配置される。
また、光源部分40は、口金アッセンブリ50によって、ソケット13と電気的に接続される。これにより、電源装置6から供給される直流電力は光源部分40に流れ、光源部分40は照明光を出射する。
【0024】
図3に示すように、取付け部材30は、左右方向に並べて設けられる、対となった2つの部材である。一対の取付け部材30は、互いに左右対称な形状である。取付け部材30は、板金を曲げることによって形成され、底部31と、立設部33と、を有する。底部31は、取付け部材30において筐体11に接する部分であり、照射口11aに略平行な面である。底部31は、前後方向に並んだ2つの切り欠きである固定部31aを有する。取付け部材30は、固定部31aがパッキン固定板11dと共締めされることにより、筐体11に対して固定される。
【0025】
立設部33は、底部31の左右方向内側の端部から上方に立ち上がる板状の部分である。立設部33には、それぞれ立設部33の上端において開口し、且つ、下方に延びる溝である、第1溝部35a、第2溝部35b、第3溝部37a、および、第4溝部37bが形成される。第1溝部35aの下端及び第2溝部35bの下端は、距離D1だけ離れて形成される。第3溝部37aの下端および第4溝部37bの下端は、同様に、距離D1だけ離れて形成される。一対の第1溝部35aおよび一対の第2溝部35bを合わせて、第1保持部35と定義する。同様に、一対の第3溝部37aおよび一対の第4溝部37bを合わせて、第2保持部37と定義する。後述するように、第1保持部35および第2保持部37は、突出部44を保持することにより、それぞれ光源部分40を保持する。
【0026】
図4は、光源部分40の分解斜視図であり、下方から見た光源部分40の各部を示す。図5は、上方から見た光源部分40の斜視図である。図6は、上方から見た光源部分40の平面図である。図4に示すように、光源部分40は、配光レンズ41、基板43、熱伝導シート45、および、ベース板47を下方から上方に重ねて構成される。
【0027】
図4に示すように、配光レンズ41は、複数個の半球状の凹凸を並べて構成される板状のレンズであり、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂等の透明性の高い材料によって構成される。基板43は、複数の発光素子43aが実装されたプリント基板である。発光素子43aは、例えば、LED(Light Emitting Diode)であり、配光レンズ41に面するように実装される。基板43は、直流電力の供給を受けることにより、基板43に実装された発光素子43aを発光させる。発光素子43aの発光により出射された照明光は、配光レンズ41によって拡散され、照射口11aを介して路面Gを照明する。本実施形態において、光源部分40は、ともに略正方形の配光レンズ41および基板43を前後方向に2枚ずつ並べた状態で保持する。
【0028】
熱伝導シート45は、熱伝導率が大きい樹脂等によって形成され、基板43およびベース板47に密着することで、基板43において発生した熱をベース板47に伝導する。ベース板47は、板金を折り曲げて構成された部材である。ベース板47において、下方に面する下面47aには熱伝導シート45、基板43、および、配光レンズ41がねじ留めによって順次重ねて固定される。
【0029】
図5に示すように、ベース板47は、下面47aの後部において上方に立ち上がる後面47b、および、下面47aの左右両端から上方に立ち上がる一対の側面47cを有する。後面47bには、L字形状の切り欠きであるケーブル引掛け部47eが左右方向に2つ並べて形成される。ケーブル引掛け部47eは、後面47bの上端において開口し、下方に延びたのちに右方向に曲がるように形成される。
【0030】
一対の側面47cには、一対の第1締結孔47fおよび一対の第2締結孔47gがそれぞれ設けられる。一対の第1締結孔47fは、互いに左右方向に重なる位置に形成される。一対の第2締結孔47gは、互いに左右方向に重なる位置に形成される。一つの側面47cに形成される第1締結孔47fおよび第2締結孔47gは、互いに距離D1だけ離れた位置に形成される。第1締結孔47fおよび第2締結孔47gは、締結部材46を締結によって取り付け可能な孔である。締結部材46は蝶ねじであり、第1締結孔47fおよび一対の第2締結孔47gに螺入される軸部と、軸部よりも幅の広い頭部と、頭部に形成される摘まみと、を有する。なお、締結部材46は六角穴付きのボルト等、蝶ねじ以外のボルトやねじであってもよい。
【0031】
図6に示すように、光源部分40は、上方からの平面視において略矩形状である。締結部材46は、第1締結孔47fおよび第2締結孔47gに対して左右方向を軸として取り付けられる。以後、一対の第1締結孔47fおよび一対の第2締結孔47gに対して取り付けられた状態の4つの締結部材46を、それぞれ突出部44と定義する。突出部44は、略矩形状の光源部分40において、左右方向に対向する2辺に位置する側面47cから左右側方にそれぞれ突出する。前後方向に並んだ2つの突出部44は、第1締結孔47fおよび一対の第2締結孔47gの位置関係により、互いに距離D1だけ離れて配置される。これにより、4つの突出部44は、第1保持部35または第2保持部37に対して上方から挿入されることで、第1保持部35または第2保持部37によって保持される。
【0032】
光源部分40において、ベース板47の上面47iには、多数の放熱フィン48が、ダボカシメもしくはバーリングカシメによって前後方向および上下方向に沿って固定される。放熱フィン48は、板金を折り曲げて形成されたフィンであり、ベース板47から伝達された熱を放熱する。
【0033】
また、後面47bにおいて、2つのケーブル引掛け部47eの右側には、第1コネクタ49がねじ留めによって固定される。第1コネクタ49は、後述する口金アッセンブリ50の第2コネクタ59と連結可能なコネクタである。第1コネクタ49の前部からは、配線49aが延びており、第1コネクタ49は、配線49aから二股に分岐した配線である分岐配線49bにより、基板43および発光素子43aに対して電気的に接続される。図6に示すように、第1コネクタ49に対して後述の第2コネクタ59が連結される際、第2コネクタ59から延びる後述のケーブル57は、ケーブル引掛け部47eに引掛けることができる。
【0034】
図7は、口金アッセンブリ50の分解斜視図である。口金アッセンブリ50は、口金51、口金基板保持部材53、口金基板55、ケーブル57、第2コネクタ59、および、口金カバー52を有する。
【0035】
口金51は、例えば、既存のHIDランプなどに用いられるE型口金と呼ばれるねじ込み式の口金であり、ソケット13に対して螺入することで、ソケット13と電気的に接続される。これにより、口金アッセンブリ50は、口金51を介して、HIDランプ用の既設の照明器具本体10に対して取り付け可能である。また、口金51は、例えば、差し込み式の口金であってもよい。口金基板保持部材53は、例えば樹脂によって構成される中空の部材であり、口金51の内側に固定されるとともに、内部の溝53aに差し込まれた口金基板55を保持する。
【0036】
口金基板55は、逆接防止用ダイオード55a及びヒューズ55bを有するプリント基板であり、口金51及びケーブル57を電気的に接続する。逆接防止用ダイオード55aは、口金基板55に実装されるダイオードであり、電流を一方向にのみ流すことにより、口金51とケーブル57との間に流れる電流の逆流を防止する。ヒューズ55bは、口金基板55において所定の電流値以上の電流が流れた場合に回路を切断する。
【0037】
口金カバー52は、口金基板保持部材53に対してねじ留めによって固定される板状の部材である。口金カバー52は、口金基板保持部材53に対して固定されることで、口金基板保持部材53の内部に保持された口金基板55を覆い隠す。また、口金カバー52は、切り欠き状の引き出し口52aを有する。ケーブル57は、口金基板保持部材53の内側から外側に、引き出し口52aを介して引き出し可能である。
【0038】
ケーブル57は、2本の電線がチューブに挿通されることで構成され、口金基板55及び第2コネクタ59を電気的に接続する。第2コネクタ59は、第1コネクタ49に対して連結可能であり、連結によって第1コネクタ49に対して電気的に接続する。
【0039】
口金アッセンブリ50は、口金51がソケット13に差し込まれ、第2コネクタ59が第1コネクタ49に連結されることによって、ソケット13と第1コネクタ49とを電気的に接続する。これにより、基板43に対して電源装置6から直流電力が供給され、発光素子43aが発光する。
【0040】
[2.第1保持部および第2保持部の構成]
図8は、照明器具本体10の側面断面図であり、光源ユニット100の光源部分40が第1保持部35に保持された状態における照明器具本体10の内部構成を示す。図9は、照明器具本体10の側面断面図であり、光源部分40が第2保持部37に保持された状態における照明器具本体10の内部構成を示す。
【0041】
図8に示すように、第1保持部35は、突出部44を構成する締結部材46の軸部を、第1溝部35aの底部および第2溝部35bの底部によって支持することで、光源部分40を保持する。そのため、光源部分40の荷重は、取付け部材30を介して照明器具本体10の筐体11に対して作用する。また、この状態の締結部材46が増し締めされることにより、締結部材46は、取付け部材30の立設部33と光源部分40のベース板47とを固定する。このとき、左方向からの側面視において、基板43における発光素子43aの実装面は、略鉛直下方に面する。このときの光源部分40の角度を第1角度B1と定義する。
【0042】
図8に示すように、第1溝部35aの底部および第2溝部35bの底部をそれぞれ結んだ仮想線L1と、第3溝部37aの底部および第4溝部37bの底部をそれぞれ結んだ仮想線L2とは、角度差Aだけ異なる向きである。仮想線L2は、仮想線L1よりも前方が上方に向けて角度差Aだけ大きく傾斜している。
【0043】
従って、図9に示すように、第2保持部37は、突出部44を保持することにより、光源部分40を第1角度B1とは異なる第2角度B2で保持する。第2角度B2は、第1角度B1よりも角度差Aだけ光源部分40の前方が上方に向くように回転した角度である。
【0044】
光源部分40は、第1保持部35に第1角度B1で保持される場合と、第2保持部37に第2角度B2で保持される場合との間で、異なる方向に照明光を出射する。そのため、第1保持部35が光源部分40を保持する場合と、第2保持部37が光源部分40を保持する場合とでは、照射口11aから路面Gに対して照射される照射光の輝度分布および平均路面輝度等が異なる。
【0045】
本実施形態において、図8のように第1保持部35が光源部分40を保持する場合は、主に2車線の一般国道などの照明に用いる道路灯に適する。また、図9のように、第2保持部37が光源部分40を保持する場合は、三車線の一般国道、または、自動車専用道路などの照明に用いる道路灯に適する。
【0046】
[3.光源部分の設置時の動作]
以上のように構成された光源ユニット100について、光源部分40が作業者によって照明器具本体10に対して設置される際の動作を以下に説明する。なお、動作の開始時点においては、照明器具本体10、取付け部材30、光源部分40、および、口金アッセンブリ50は、それぞれ連結していない状態である。また、照明器具本体10、光源部分40、および、口金アッセンブリ50の各々を構成する要素部品は、それぞれ組み立てられた状態である。
【0047】
作業者は、始めに、一対の取付け部材30と光源部分40とを連結させる。すなわち、作業者は、第1保持部35の第1溝部35aおよび第2溝部35b、または、第2保持部37の第3溝部37aおよび第4溝部37bに対し、4つの突出部44を奥まで挿入する。このとき、作業者は、照明装置1の使用目的および周囲の環境に応じて、突出部44の挿入先を選択する。これにより、光源部分40は、第1保持部35または第2保持部37に保持される。次に、作業者は、4つの突出部44を構成する締結部材46を増し締めする。これにより、一対の取付け部材30と光源部分40とは、互いに固定される。
【0048】
次に、作業者は、取付け部材30の固定部31aおよびパッキン固定板11dをねじによって共締めし、一対の取付け部材30と照明器具本体10とを連結させる。これにより、取付け部材30と筐体11とが固定され、光源部分40は、照射口11aに対して所定の位置関係で固定される。すなわち、光源部分40は、照明器具本体10に対して固定される。
【0049】
なお、上述の一対の取付け部材30と光源部分40との連結、および、一対の取付け部材30と照明器具本体10との連結は、順不同に実行可能である。
【0050】
次に、作業者は、口金51をソケット13に対して螺入して固定することにより、口金アッセンブリ50と照明器具本体10とを連結させる。これにより、ソケット13と口金51は電気的に接続される。
【0051】
次に、作業者は、第2コネクタ59を第1コネクタ49に対して連結する。このとき、作業者は、ケーブル57が発光素子43aから出射する照射光を遮蔽しないように、余ったケーブル57をケーブル引掛け部47eに引掛ける。第2コネクタ59が第1コネクタ49に連結することにより、基板43は電源装置6から直流電力の供給を受け、発光素子43aは点灯する。このように、口金51をソケット13に対して螺入した後に、第1コネクタ49と第2コネクタ59とを連結させることにより、ケーブル57はねじれにくくなる。
【0052】
[4.効果等]
以上説明したように、本実施形態によれば、次の効果を奏する。
【0053】
光源ユニット100は、照明器具本体10の筐体11内に配置される光源ユニットであって、複数の発光素子43aが実装された基板43と、基板43が取り付けられるベース板47と、を有する光源部分40と、光源部分40を筐体11に取り付ける取付け部材30と、を備える。取付け部材30は、光源部分40を第1角度B1で保持する第1保持部35と、光源部分40を第2角度B2で保持する第2保持部37と、を備える。
これにより、光源部分40の重量分の荷重を筐体11によって受けることができ、光源部分40の重量や寸法の自由度が大きくなる。
また、取付け部材30を介して、光源部分40が照明器具本体10に対して取り付けられる角度を容易に変更できるため、周囲の環境や使用目的にあわせた照明を容易に実現できる。
また、筐体11の形状にあわせて取付け部材30の形状を変更することにより、光源部分40を様々な照明器具本体10に対して取り付けることができる。そのため、光源部分40を複数種類の照明器具本体10用の光源部分40の間で共通化でき、光源部分40の製造費用を低減できる。
【0054】
本実施形態では、光源部分40は側方に突出する突出部44を備え、取付け部材30は突出部44を保持する。
これにより、光源部分40は、取付け部材30を介して照明器具本体10に容易に取り付けることができる。
【0055】
本実施形態では、突出部44は締結部材46で形成され、締結部材46を取付け部材30とともにベース板47に締結して光源部分40を固定する。
これにより、光源部分40は取付け部材30に対して容易に固定され、光源部分40の強度が増す。
【0056】
本実施形態では、光源部分40は略矩形状であり、対向する2辺から突出部44が突出する。
これにより、光源部分40は、突出部44を介して対向する2辺を取付け部材30に保持される。従って、光源部分40は安定して保持される。
また、略矩形状の対向する2辺に突出部44が設けられることにより、取付け部材30に対する光源部分40の取り付けが容易になる。
【0057】
本実施形態では、照明器具本体10はソケット13を備え、光源部分40は発光素子43aに接続された第1コネクタ49を備える。光源部分40は、ソケット13に接続される口金51と第1コネクタ49に接続される第2コネクタ59とをケーブル57で接続した口金アッセンブリ50を備える。
これにより、光源部分40は、ソケット13に対して大きな荷重をかけることなく、照明器具本体10に対して複数の角度で取り付け可能となる。
また、光源部分40と別体の口金アッセンブリ50を有する構成とすることにより、対応するソケット13のサイズごとに、複数種類の光源部分40に対して口金アッセンブリ50を共通化することができる。従って、光源部分40の製造費用を低減できる。
【0058】
本実施形態では、ベース板47はケーブル57を引っ掛けるケーブル引掛け部47eを備える。
これにより、余ったケーブル57が照射光を遮蔽することを防止できる。たとえば、光源部分40が保持される位置が、第1保持部35と第2保持部37との間で大きく異なる場合などに、余ったケーブル57を容易に収納できる。
【0059】
本実施形態では、口金51とケーブル57とは、口金基板55を介して接続され、口金基板55は、口金51とケーブル57との間に流れる電流の逆流を防止する逆接防止用ダイオード55aを備える。
これにより、口金51とソケット13、または、第1コネクタ49と第2コネクタ59が、逆向きに接続された場合に、光源部分40に電流が流れなくなる。従って、口金アッセンブリ50は、逆接による光源部分40の故障を防止できる。
【0060】
本実施形態では、照明器具本体10はHIDランプ用の器具本体である。
これにより、光源部分40は、既設のHIDランプと取り換えられることにより、HIDランプ用の既設の照明器具本体10に対して容易且つ安価に取り付けが可能である。
また、光源部分40の角度を変更可能であるため、照明器具本体10それ自体の角度が変更できない場合であっても、周囲の環境や用途にあわせた照明を実現できる。
【0061】
本実施形態では、照明装置1は、支柱3と、支柱3に固定される照明器具本体10と、を備え、照明器具本体10の筐体11内に、光源ユニット100が配置される。
これにより、光源部分40の重量や寸法の自由度が大きい照明装置1を提供できる。
また、光源部分40が照明器具本体10に対して取り付けられる角度を容易に変更できるため、周囲の環境や使用目的にあわせた照明を容易に実現できる照明装置1を提供できる。
【0062】
[5.他の実施形態]
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。そこで、以下に他の実施形態を例示する。
【0063】
第1実施形態では、第1保持部35は、一対の第1溝部35aおよび一対の第2溝部35bによって構成され、第2保持部37は、一対の第3溝部37aおよび一対の第4溝部37bによって構成されると説明した。また、突出部44は、締結部材46によって構成され、第1保持部35および第2保持部37に挿入されることで支持されると説明した。しかし、これは一例である。
【0064】
図10は、他の実施形態に係る照明器具本体10の分解斜視図である。図11は、他の実施形態に係る照明器具本体10の側面断面図であり、突出部144が第1保持部135に保持される場合の照明器具本体10の内部構造を示す。図12は、他の実施形態に係る照明器具本体10の側面断面図であり、突出部144が第2保持部137に保持される場合の照明器具本体10の内部構造を示す。
【0065】
例えば、図10に示すように、第1保持部135および第2保持部137は、立設部33を外側に折り曲げて形成されていてもよく、突出部144は、ベース板47の側面47cを左右方向外側に折り曲げて形成されていてもよい。
【0066】
この場合、図11および図12に示すように、第1保持部135および第2保持部137は、突出部144に対して下方から当接することで保持する。また、突出部144は、第1保持部135および第2保持部137に対して蝶ねじ146によって螺合される。図11に示すように、第1保持部135と第2保持部137とは、互いに角度差Aだけ角度が異なる板状部分である。従って、第1保持部135が突出部144を保持する場合の光源部分40の角度である第1角度B1と、第2保持部137が突出部144を保持する場合の光源部分40の角度である第2角度B2とは、互いに角度差Aだけ異なる角度となる。
【0067】
また、第1実施形態において、光源ユニット100の光源部分40は略矩形状であると説明した。しかし、これは一例である。例えば、V字形状に折れ曲がった形状の光源部分40であってもよい。また、第1実施形態において、一対の取付け部材30が左右方向に2つ並べて設けられると説明したが、これは一例である。例えば、一対の取付け部材30は、前後方向に並べて筐体11に固定される構成としてもよい。また、第1実施形態において、取付け部材30は第1保持部35及び第2保持部37を有すると説明したが、取付け部材30は、第3角度で光源部分40を保持する第3保持部のように、3つ以上の保持部を有してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 照明装置
3 支柱
10 照明器具本体
11 筐体
13 ソケット
30 取付け部材
35 第1保持部
37 第2保持部
40 光源部分
43 基板
43a 発光素子
44 突出部
46 締結部材
47 ベース板
47e ケーブル引掛け部
49 第1コネクタ
50 口金アッセンブリ
51 口金
55 口金基板
55a 逆接防止用ダイオード
57 ケーブル
59 第2コネクタ
100 光源ユニット
135 第1保持部
137 第2保持部
144 突出部
B1 第1角度
B2 第2角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12