(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162688
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】近距離無線通信機器の位置属性特定システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 4/029 20180101AFI20231101BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20231101BHJP
【FI】
H04W4/029
H04W64/00 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073225
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】503295518
【氏名又は名称】株式会社Geolocation Technology
(71)【出願人】
【識別番号】598127321
【氏名又は名称】株式会社ドーン
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】山本 敬介
(72)【発明者】
【氏名】下河 徹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
(57)【要約】
【課題】近距離無線通信機器の位置属性を簡易に知ることができる近距離無線通信機器の位置属性特定システムを提供する
【解決手段】同時刻グループ数演算手段163は、データ取得装置100により検出された複数の組データのうち、前記時刻が同じ組データの数を、同時刻グループ数として演算する。割合演算手段165は、前記複数の組データのうち、同じ固有機器特定データを有する組データの数を求めるとともに、求めた組データの数についての前記同時刻グループ数に対する割合を演算する。判断手段167は、前記割合演算手段の演算した割合が閾値を超えるか否かで、前記固有機器特定データを送信した近距離無線通信機器の位置変更属性を判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被接続機器が所定距離内に位置すると当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器によって、前記被接続機器との認識用の前記相互通信可能な近距離無線通信機器の固有機器特定データを取得する検出ステップを、特定の測定位置で時刻を変更して複数回実行することにより、前記時刻と前記固有機器特定データとの組データを、複数取得する組データ取得ステップ、
前記複数の組データから、同じ固有機器特定データを有する組データを同固有機器組データとして抽出し、前記固有機器組データを前記時刻が同じである組データに分類することにより同時刻検出グループの数を求め、この同時刻検出グループの数に対する前記同固有機器組の数の割合を演算する割合演算ステップ、
前記割合が所定の閾値を超えるか否かで、前記特定の近距離無線通信機器が、前記測定位置における位置変更属性を判断する位置変更属性判断ステップ、
を備えた近距離無線通信機器の位置属性特定方法。
【請求項2】
請求項1の近距離無線通信機器の位置属性特定方法において、
前記近距離無線通信機器の固有機器特定データについて、前記位置変更属性が設置型か移動型を示すデータを対応づけて記憶するステップ、
を備えた近距離無線通信機器の位置属性特定方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2の近距離無線通信機器の位置属性特定方法において、
前記近距離通信機器はWI-FI親機であり、前記固有機器特定データはSSIDおよびBSSIDであること、
を特徴とする近距離無線通信機器の位置属性特定方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2の近距離無線通信機器の位置属性特定方法において、
前記近距離通信機器は、Bluetooth子機であり、前記固有機器特定データは製造者固有データを含み、
製造者固有データとメーカ名との対比データを記憶しており、
前記製造者固有データから前記メーカ名を特定するステップ、
を備えた近距離無線通信機器の位置属性定方法。
【請求項5】
被接続機器が所定距離内に位置すると当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器によって、前記被接続機器との認識用の前記相互通信可能な近距離無線通信機器の固有機器特定データを取得する検出ステップを、特定の測定位置で時刻を変更して複数回実行することにより、前記時刻と前記固有機器特定データとの組データを、複数取得する組データ取得ステップ、
前記複数の組データから、同じ固有機器特定データを有する組データを同固有機器組データとして抽出するとともに、抽出した前記固有機器組データを前記時刻が同じである組データに分類することにより、同時刻検出グループの数および各同時刻検出グループに属する同固有機器組データの数を求めるステップ、
前記同固有機器組の数を前記同時刻検出グループの数で正規化することにより、前記特定の近距離無線通信機器が前記特定の測定位置にて固定的に設置されているか否かを判断する判断ステップ、
を備えた近距離無線通信機器の位置属性特定方法。
【請求項6】
A)以下のa1)~a4)を備えたデータ取得装置、
a1)検出可能範囲となると近距離無線通信機器から固有機器特定データを受信する固有機器特定データ通信手段、
a2)測定位置の位置データを検出する位置検出手段、
a3)時刻を検出する時刻検出手段、
a4)前記固有機器特定データを検出すると、そのときの前記位置データ、時刻および固有機器特定データの組データを生成する組データ生成手段、
B)以下のb1)~b4)を有する近距離無線通信機器の位置属性生成装置、
b1)前記データ取得装置による前記固有機器特定データの検出を、特定位置にて、時刻を変更して複数回実行することにより得られた組データを複数記憶する組データ記憶手段、
b2)前記複数の組データのうち、前記時刻が同じ組データの数を、同時刻グループ数として演算する同時刻グループ数演算手段、
b3)前記複数の組データのうち、同じ固有機器特定データを有する組データの数を求めるとともに、求めた組データの数についての前記同時刻グループ数に対する割合を演算する割合演算手段、
b4)前記割合演算手段の演算した割合が閾値を超えるか否かで、前記固有機器特定データを送信した近距離無線通信機器の位置変更属性を判断する判断手段、
b5)前記位置変更属性を、その位置データとともに結果記憶手段に記憶する記憶制御手段、
を備えた近距離無線通信機器の位置属性特定システム。
【請求項7】
被接続機器が所定距離内に位置すると、当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器について、位置変更属性を含む位置データを生成する位置データ属性生成装置であって、
前記近距離無線通信機器の固有機器特定データおよび取得時刻の組情報を複数記憶する取得データ記憶手段であって、前記組情報は、特定の固有機器特定データについて、少なくとも、時刻が異なる組情報を複数記憶している取得データが与えられると、前記固有機器特定データのうち、前記特定の近距離無線通信機器の固有機器特定データについての検出割合を求める検出割合演算手段、
前記検出割合が閾値を超える場合には、前記特定の近距離無線通信機器は、位置変更属性が設置型であると判断する判断手段、
を備えた位置属性データ生成装置。
【請求項8】
被接続機器が所定距離内に位置すると、当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器について、第1の位置で前記被接続機器と相互通信可能な近距離無線通信機器の固有機器特定データを取得し、前記第1の位置の位置特定データと前記固有機器特定データの組データを、時刻を変えて、複数取得する組データ取得ステップ、
前記複数の組データから、特定の固有機器特定データを有する組データを特定するとともに、前記第1の位置において検出された組データ数のうち、前記特定の固有機器特定データで特定される近距離無線通信機器の組データの割合を求める割合演算ステップ、
前記割合が所定の閾値を超える場合には、前記特定の固有機器特定データで特定される近距離無線通信機器は、設置型の近距離無線通信機器であると判断する判断ステップ、
を備えた近距離無線通信機器の位置属性特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、近距離無線通信機器の位置属性特定システムに関し、特に、その位置属性の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
家出人捜索において、探偵会社は、本人が家出前に使用していたモバイル端末をフォレンジック調査し、その行動履歴から探索すべき候補場所を見いだしている。かかるフォレンジック調査において、WI-FIの接続履歴(接続先のWI-FI機器のSSIDなど)も用いられている。
【0003】
特許文献1には、端末装置が受信する無線LANアクセスポイントのMAC(Media Access Control)アドレスを元に無線LANアクセスポイントを特定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、かかるアクセスポイントについてMACアドレスから候補場所の特定をするには、その位置情報が提供されている必要があるが、提供されていない場所も多い。そうすると、前記モバイル端末を分析しても、探索する可能性のある場所がわからないという問題があった。
【0006】
かかる問題を解決するために、実際にWI-FIテスト機にて、どこでどのようなWI-FI機器からの電波が発せられているのを検出することも考えられるが、現在では、WI-FIモバイルルータなどもある。これらの移動式のWI-FI機器については、前記位置情報はそもそも、前記探索する可能性のある場所としては意味を成さない。したがって、検出するとしても位置データだけでなく、その位置変更属性(設置型or移動型)を判別する必要がある。
【0007】
かかる問題は、WI-FIだけに限られず、他の近距離無線通信機器についても同様である。
【0008】
この発明は、上記の問題点を解決して、近距離無線通信機器の位置属性を簡易に知ることができる近距離無線通信機器の位置属性特定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定方法は、被接続機器が所定距離内に位置すると当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器によって、前記被接続機器との認識用の前記相互通信可能な近距離無線通信機器の固有機器特定データを取得する検出ステップを、特定の測定位置で時刻を変更して複数回実行することにより、前記時刻と前記固有機器特定データとの組データを、複数取得する組データ取得ステップ、前記複数の組データから、同じ固有機器特定データを有する組データを同固有機器組データとして抽出し、前記固有機器組データを前記時刻が同じである組データに分類することにより同時刻検出グループの数を求め、この同時刻検出グループの数に対する前記同固有機器組の数の割合を演算する割合演算ステップ、前記割合が所定の閾値を超えるか否かで、前記特定の近距離無線通信機器が、前記測定位置における位置変更属性を判断する位置変更属性判断ステップを備えている。
【0010】
したがって、前記近距離無線通信機器について、位置データおよび位置変更属性を取得することができる。
【0011】
(2)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定方法は、前記近距離無線通信機器の固有機器特定データについて、前記位置変更属性が設置型か移動型を示すデータを対応づけて記憶する。したがって、設置型か移動型を示すデータとともに、前記近距離無線通信機器の位置データを取得することができる。
【0012】
(3)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定方法においては、前記近距離通信機器はWI-FI親機であり、前記固有機器特定データはSSIDおよびBSSIDである。したがって、設置型か移動型を示すデータとともに、前記WI-FI親機のSSID、BSSIDおよび位置データを得ることができる。
【0013】
(4)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定方法においては、前記近距離通信機器は、Bluetooth子機であり、前記固有機器特定データは製造者固有データを含み、製造者固有データとメーカ名との対比データを記憶しており、前記製造者固有データから前記メーカ名を特定するステップを備えている。したがって、設置型か移動型を示すデータとともに、前記メーカ名を特定した前記Bluetooth機器の位置データを得ることができる。
【0014】
(5)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定方法は、被接続機器が所定距離内に位置すると当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器によって、前記被接続機器との認識用の前記相互通信可能な近距離無線通信機器の固有機器特定データを取得する検出ステップを、特定の測定位置で時刻を変更して複数回実行することにより、前記時刻と前記固有機器特定データとの組データを、複数取得する組データ取得ステップ、前記複数の組データから、同じ固有機器特定データを有する組データを同固有機器組データとして抽出するとともに、抽出した前記固有機器組データを前記時刻が同じである組データに分類することにより、同時刻検出グループの数および各同時刻検出グループに属する同固有機器組データの数を求めるステップ、前記同固有機器組の数を前記同時刻検出グループの数で正規化することにより、前記特定の近距離無線通信機器が前記特定の測定位置にて固定的に設置されているか否かを判断する判断ステップを備えている。
【0015】
したがって、前記特定の測定位置にて固定的に設置されている近距離無線通信機器の位置データを取得することができる。
【0016】
(6)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定システムは、A)以下のa1)~a4)を備えたデータ取得装置、a1)検出可能範囲となると近距離無線通信機器から固有機器特定データを受信する固有機器特定データ通信手段、a2)測定位置の位置データを検出する位置検出手段、a3)時刻を検出する時刻検出手段、a4)前記固有機器特定データを検出すると、そのときの前記位置データ、時刻および固有機器特定データの組データを生成する組データ生成手段、B)以下のb1)~b4)を有する近距離無線通信機器の位置属性生成装置、b1)前記データ取得装置による前記固有機器特定データの検出を、特定位置にて、時刻を変更して複数回実行することにより得られた組データを複数記憶する組データ記憶手段、b2)前記複数の組データのうち、前記時刻が同じ組データの数を、同時刻グループ数として演算する同時刻グループ数演算手段、b3)前記複数の組データのうち、同じ固有機器特定データを有する組データの数を求めるとともに、求めた組データの数についての前記同時刻グループ数に対する割合を演算する割合演算手段、b4)前記割合演算手段の演算した割合が閾値を超えるか否かで、前記固有機器特定データを送信した近距離無線通信機器の位置変更属性を判断する判断手段、b5)前記位置変更属性を、その位置データとともに結果記憶手段に記憶する記憶制御手段を備えている。
【0017】
したがって、前記近距離無線通信機器について、位置データおよび位置変更属性を取得することができる。
【0018】
(7)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置データ属性生成装置は、被接続機器が所定距離内に位置すると、当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器について、位置変更属性を含む位置データを生成する位置データ属性生成装置であって、前記近距離無線通信機器の固有機器特定データおよび取得時刻の組情報を複数記憶する取得データ記憶手段であって、前記組情報は、特定の固有機器特定データについて、少なくとも、時刻が異なる組情報を複数記憶している取得データが与えられると、前記固有機器特定データのうち、前記特定の近距離無線通信機器の固有機器特定データについての検出割合を求める検出割合演算手段、前記検出割合が閾値を超える場合には、前記特定の近距離無線通信機器は、位置変更属性が設置型であると判断する判断手段を備えてる。
【0019】
したがって、前記近距離無線通信機器について、位置データおよび位置変更属性を取得することができる。
【0020】
(8)本発明にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定方法は、被接続機器が所定距離内に位置すると、当該被接続機器と認識用の相互通信をおこなう近距離無線通信機器について、第1の位置で前記被接続機器と相互通信可能な近距離無線通信機器の固有機器特定データを取得し、前記第1の位置の位置特定データと前記固有機器特定データの組データを、時刻を変えて、複数取得する組データ取得ステップ、前記複数の組データから、特定の固有機器特定データを有する組データを特定するとともに、前記第1の位置において検出された組データ数のうち、前記特定の固有機器特定データで特定される近距離無線通信機器の組データの割合を求める割合演算ステップ、前記割合が所定の閾値を超える場合には、前記特定の固有機器特定データで特定される近距離無線通信機器は、設置型の近距離無線通信機器であると判断するステップを備えている。
【0021】
したがって、前記近距離無線通信機器について、位置データおよび位置変更属性を取得することができる。
【0022】
本明細書において、「位置変更属性」とは、近距離無線通信機器の位置に関する属性のうち、設置型か移動型かを示す属性をいう。また、「位置属性」とは、少なくとも、位置データ及び位置変更属性を含む。
【0023】
また、本明細書において、「設置型」とは当該近距離無線通信機器の製造者が位置変更を前提とせず設置して使用するとして市場提供しているものだけでなく、もともと、前記製造者が移動的に使用するものとして市場提供したが、近距離無線通信機器の利用をコントロールできる者が、ある位置に設置して使用した結果、時間が経過してもほぼ移動しないものも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】近距離無線通信機器の位置属性特定システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】データ取得装置100を、CPUを用いて実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】データ取得装置100におけるデータ収集処理のフローチャートである。
【
図4】データ収集候補地の一例を説明する図である。
【
図5】収集したデータリストの一例を示す図である。
【
図6】位置属性生成装置160を、CPUを用いて実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図9】同BSSIDグループに分類した結果を示す図である。
【
図10】各WI-FI機器の検出結果を示す図である。
【
図11】本実施形態における演算手法の模式化図である。
【
図12】BLUETOOTH機器の場合の、収集したデータリストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
(1. 全体構成)
図1に、本発明の1実施形態にかかる近距離無線通信機器の位置属性特定システム(以下、位置属性特定システム1という)の機能ブロックを示す。位置属性特定システム1は、データ取得装置100、および近距離無線通信機器の位置属性生成装置160(以下、位置属性生成装置160という)で構成されている。
【0027】
データ取得装置100は、固有機器特定データ通信手段101、位置検出手段103、時刻検出手段105、および組データ生成手段107を備えている。
【0028】
固有機器特定データ通信手段101は、検出可能範囲となると近距離無線通信機器から固有機器特定データを受信する。位置検出手段103は測定位置の位置データを検出する。時刻検出手段105は時刻を検出する。組データ生成手段107は前記固有機器特定データを検出すると、そのときの前記位置データ、時刻および固有機器特定データの組データを生成する。
【0029】
位置属性生成装置160は、組データ記憶手段161、同時刻グループ数演算手段163、割合演算手段165、判断手段167、記憶制御手段168、および結果記憶手段169を備えている。
【0030】
組データ記憶手段161は、データ取得装置100による前記固有機器特定データの検出を、特定位置にて、時刻を変更して複数回実行することにより得られた組データを複数記憶する。同時刻グループ数演算手段163は、前記複数の組データのうち、前記時刻が同じ組データの数を、同時刻グループ数として演算する。割合演算手段165は、前記複数の組データのうち、同じ固有機器特定データを有する組データの数を求めるとともに、求めた組データの数についての前記同時刻グループ数に対する割合を演算する。判断手段167は、前記割合演算手段の演算した割合が閾値を超えるか否かで、前記固有機器特定データを送信した近距離無線通信機器の位置変更属性を判断する。記憶制御手段168は、前記位置変更属性を、その位置データとともに結果記憶手段169に記憶する。
【0031】
このように、本実施形態においては、前記固有機器特定データの検出を、特定位置にて、時刻を変更して複数回実行することにより得られた組データのうち、前記時刻が同じ組データの数を、同時刻グループ数として演算する。また、割合演算手段165は、前記複数の組データのうち、同じ固有機器特定データを有する組データの数を求めるとともに、求めた組データの数についての前記同時刻グループ数に対する割合を演算する。また、判断手段167は、前記割合演算手段の演算した割合が閾値を超えるか否かで、前記固有機器特定データを送信した近距離無線通信機器の位置変更属性を判断する。これにより、前記近距離無線通信機器について、位置データおよび位置変更属性を取得することができる。
【0032】
(2. データ取得装置100について)
図1に示すデータ取得装置100のハードウェア構成を、
図2を用いて説明する。同図は、データ取得装置100を、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例である。
【0033】
データ取得装置100は、一般的なスマートフォンの構成であり、CPU123、メモリ127、フラッシュメモリ126、表示部130、無線通信部128、操作部125、音声入出力部124、位置情報検出部122、時刻決定部125、近距離無線通信ユニット121、およびバスライン129を備えている。位置情報検出部122は、GNNS(Global Navigation Satellite System)により位置情報を検出するモジュールである。近距離無線通信ユニット121はWI-FI(登録商標)規格での通信をおこなう。本実施形態においては、OSとしてAndroidOS(商標)を採用した。
【0034】
CPU123は、フラッシュメモリ126に記憶された各プログラムにしたがいバスライン129を介して、各部を制御する。
【0035】
フラッシュメモリ126は、オペレーティングシステムプログラム126o(以下OSと略す)、メインプログラム126mを有する。
【0036】
メインプログラム126mの処理は後述する。
【0037】
本実施形態においては、近距離無線通信ユニットとして、WI-FI(登録商標)を採用したが、これに限定されない。
【0038】
(3.データ取得処理)
データ取得装置100におけるデータ取得処理について、
図3を用いて説明する。
【0039】
データ取得装置100は、操作者から開始命令を与えられると、WI-FI機器のスキャンをおこなう(ステップS1)。CPU123は、いずれかのWI-FI機器からスキャン応答があるか否か判断し(ステップS3)、かかる応答があれば、メモリ127に一時記憶しているBSSIDと同じBSSIDのWI-FI機器からのスキャン応答か否かを判断する(ステップS5)。CPU123は、同じBSSIDではない場合には、位置情報検出部122(
図2参照)から位置データ、および時刻決定部125(
図2参照)から時刻データを受け取って、スキャンした個別検出結果データとともに、組データとしてメモリ127に一時記憶する。本実施形態においては、固有機器特定データとして、SSIDおよびBSSIDを採用したが、これについては限定されない。
【0040】
CPU123は、所定時間経過したか否か判断し(ステップS9)、所定時間経過していなければ、ステップS3からステップS7の処理を繰り返す。所定時間経過していれば、メモリ127に一時記憶している組データをフラッシュメモリ126に記憶する(ステップS10)。
【0041】
なお、CPU123は、ステップS5において、同じWI-FI機器からのスキャン応答である場合には、ステップS7の処理を行わずステップS9の処理を実行する。
【0042】
上記処理により、ある計測地点にて開始命令が与えられると、当該計測地点において、検出可能なWI-FI機器の検出が可能となる。
【0043】
上記スキャン処理を同場所において、日時を変えて行う。たとえば、
図4に示すように、地点P1で時刻T11にスキャンし、地点P1で時刻T12にスキャンし、地点P1で時刻T13にスキャンする。これにより、各地点において、同位置において、時刻の異なる固有機器特定データを得ることができる。
図4において、破線で囲んだ領域がスキャン範囲である。
【0044】
なお、実際の検出は、たとえば、1回の検出で地点P1からP2へ、さらに・・・Pnと移動しつつ、おこない、これを、時刻を変えて行えばよい。たとえば、地点P1で時刻T1にスキャンし、地点P2で時刻T2にスキャンし、地点Pnで時刻Tnにスキャンする。かかるスキャンを、日時を変えて実施すればよい。
【0045】
これにより、
図5に示すように検出日時、検出位置、SSIDおよびBSSIDを含む組データを複数得ることができる。
図5においては上記のように同位置における検出日時が異なる検出を行っている。かかる組データの意義については後述する。
【0046】
(4.位置属性生成装置160のハードウェア構成)
図1に示す位置属性生成装置160のハードウェア構成を、
図6を用いて説明する。同図は、位置属性生成装置160を、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例である。
【0047】
位置属性生成装置160は、CPU23、メモリ27、ハートディスク26、モニタ30、通信ボード31、入力デバイス28,光学式ドライブ25、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0048】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26pが記憶される。また、ハードディスク26は、データ記憶部26d、メーカ名記憶部26cを有する。
【0049】
メインプログラム26pの処理は、後述する。
【0050】
メーカ名記憶部26cには、Bluetooth規格におけるManufacturerID(製造者固有データ)の企業IDとメーカ名との対応リストが記憶されている。
【0051】
かかる企業IDは、Bluetooth SIG に申請することにより、メンバー企業に割り当てられた固有の番号である。たとえば、アップル社は、「0x004C」である。メーカ名記憶部26cには、このような固有番号とメーカ名の対応テーブルが複数記憶されている。
【0052】
データ記憶部26dには、データ取得装置100から取得した取得データが記憶されている。ここでは、
図5に示されたデータが記憶されているものとする。
【0053】
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、LINUX(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
【0054】
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたCD-ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、CD-ROM以外に、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0055】
本実施形態においては、プログラムをCD-ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、CD-ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、CD-ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0056】
(5.位置データ生成処理)
図7に位置データ生成処理のフローチャートを示す。
【0057】
位置属性生成装置160のCPU23(
図6参照)は、
図5に示す取得データを同位置の個別検出結果データをグループ化する(
図7ステップS21)。具体的には、地点X1,Y1の個別検出結果データ、地点X2,Y2の個別検出結果データ、・・・地点Xn,Ynの個別検出結果データ、とグループ化される。ここでは、地点X1,Y1の個別検出結果データと地点X2,Y2の個別検出結果データの2つのグループにグループ化されたものとする。
【0058】
CPU23は、地点グループ数最大値Gmaxを求める(ステップS23)。この場合、地点グループ数最大値Gmax=2となる。
【0059】
CPU23は、対象地点グループ数gを初期化し(ステップS25)、g番目の地点グループについて、同時刻の個別検出結果データを抽出し、同位置の総訪問回数を求める(ステップS27)。この場合、1番目の地点グループ(地点X1,Y1の個別検出結果データ)のうち、検出時刻が同じ個別検出結果データのデータ群(同時刻データ群)の数が総訪問回数となる。ここでは、
図5の取得データから、
図8に示す同時刻データ群1~37に分類されたものとする。したがって、総訪問回数は37となる。
【0060】
なお、これ以降、
図8、
図9、
図10Aにおいては、地点X1,Y1は変わらないので表記は省力している。
【0061】
CPU23は、1番目の地点グループの個別検出結果データから、同じBSSIDの個別検出結果データを抽出し、同BSSIDグループに分類する(ステップS29)。これにより、同BSSIDである個別検出結果データに区分けすることができる。CPU23は、同BSSIDの分類数Wmaxを求める(ステップS31)。ここでは、
図9に示すような15の同BSSIDグループが得られたものとすると、Wmax=15となる。
【0062】
CPU23は対象組番号Wを初期化し(ステップS33)、1番目の地点グループの個別検出結果データから、1番目のBSSIDで特定される機器の個別検出結果データの数(以下、個別検出結果データ数という)をカウントする(ステップS35)。たとえば、1番目のBSSID「xx:xx:xx:04:82:32」の個別検出結果データが9つ存在する場合、個別検出結果データ数「9」が得られる。CPU23は、1番目のBSSIDで特定される機器の個別検出結果データ数を、ステップS27で求めた同位置の総訪問回数「37」で除算した値を得る(ステップS37)。これにより、1番目のBSSIDで特定される機器の検出割合は、「9/37=0.24」が得られる。
【0063】
CPU23は、対象組番号Wをインクリメントし(ステップS39)、同BSSIDの分類数Wmaxを越えていないかを判断する(ステップS41)。越えていない場合は、ステップS35、S37の処理を繰り返す。これにより、2~15番目のBSSIDの機器について、その割合が得られる。
【0064】
ステップS41にて、W>Wmaxとなると、CPU23は、対象グループ数gをインクリメントし(ステップS43)、g>Gmaxか否か判断する(ステップS45)。この場合、g=2で越えていないので、ステップS27以下の処理を繰り返す。
【0065】
ステップS45にて対象地点グループ数gがGmaxを越えると、処理を終了する。
【0066】
これにより、
図10Aに示すような同BSSIDグループについて、検出割合を求めることができる。
【0067】
CPU23は、かかる全ての同BSSIDグループについて、その検出割合が閾値を超えているか否か判断し、閾値を超えている場合には設置型、越えていない場合には移動型であると判断する(図示せず)。本実施形態においては、閾値を0.5としたが、これは任意である。これにより、
図10Bに示す判断結果が得られる。
【0068】
図11に、本実施形態における演算手法を模式化した図を示す。全データ(
図5)を同地点グループに分けて、各同地点グループについて、同BSSIDグループに分けて、特定BSSID検出回数を求める。また、各同地点グループについて、同時刻グループに分けて同時刻グループ数(総訪問回数)を求める。各BSSIDについて、特定BSSID検出回数を同時刻グループ数で除算することで、各BSSIDの機器検出割合が得られる。
【0069】
このような、検出割合を求めることで、検出した近距離無線通信機器が移動型か、設置型であるのかを判断することができる。これは設置型の場合は、時刻を変えても同位置で繰り返しスキャンされるが、移動型は、時刻が変われば、同位置での検出がされない可能性が高いからである。また、単純に検出回数でなく、同時刻グループ数(総訪問回数)で正規化したのは、各計測値地点における計測回数が異なっても、正確な位置変更属性を得ることができる。
【0070】
本実施形態においては、
図7のステップS29において、
図5の取得データを一旦、同BSSIDグループに分けてから、同BSSIDグループに属する組データの数をカウントするようにした。しかし、抽出のやり方は、これに限定されず、グループを作成しつつ、カウントするようにしてもよい。具体的には、
図5の取得データを先頭から既に同BSSIDのグループがあるか否か判断し、ある場合にはその同BSSIDグループの数としてカウントし、ない場合には新しい同BSSIDグループを作成してカウントすればよい。そして、全データの分類が終わると、同BSSIDグループの全てについて、割合演算ステップを実行すればよい。
【0071】
なお、このように、データ収集装置が検出する位置はスキャン位置であり、当該近距離無線通信機器の実際、固定されている位置ではない。近距離無線通信機器のより正確な位置については、近隣で3点測位して、よりエリアを絞り込んでもよい。かかる3点測位により正確な箇所を求める方法については周知なので、説明は省略する。
【0072】
また、本実施形態においては、検出時刻の単位である「分」が異なる場合には、特定時刻が異なると判断したが、ある程度の幅であれば、同時刻であるとしてもよい。たとえば、同日の「0:35」「0:38」「0:40」は、時刻が同じと判断してもよい。
【0073】
本実施形態においてはBSSIDでグループ化したが、SSIDでグループ化してもよい。ただし、WI-FI機器のSSIDについてはメーカで共通であるため、同じ機器であると誤判断してしまうおそれがある。
【0074】
また、SSIDは通常、メーカにより製造時に機器名が設定されており、かかる機器名から固定的に使用される機器か否かは、ある程度推定可能である。したがって、メーカ設定のSSIDが移動を選定するモバイル端末であるのか、固定を前提とする無線LANの機器なのかを、補助的に判断するようにしてもよい。なおWI-FI機器の持ち主はSSIDを任意に変更可能であるので、それだけでは、位置変更属性を正確に判断できないおそれがある。
【0075】
本実施形態においては、異なる位置で検出を行ったので同地点グループに分類し、分類した組データについて、前記割合を求めるようにしたが、1の地点のみで検出するようにしてもよい。この場合、位置データは1つなので、
図5のテーブルには位置データはなくてもよい。
【0076】
本実施形態においては、近距離無線通信機器としてWI-FI機器の場合を例として説明したが、Bluetooth(登録商標)機器など、他の近距離無線通信機器についても同様に適用できるBluetooth(登録商標)の場合には、固有機器特定データとして、製造者固有データを用いればよい。
【0077】
図12にBLUETOOTH機器の場合の組データを示す。
【0078】
また、その場合には、製造者固有データとメーカ名との対比データを別途記憶しておき、前記製造者固有データから前記メーカ名を特定させてもよい。これにより、ある近距離無線通信機器がリコール対象である場合に、メーカーが各近距離無線通信機器へ通知する場合に、広告地域を詳細に決定することができる。
【0079】
(6.他の実施形態)
上記説明では、計測位置を計測範囲が重複しない地点とした(
図4参照)。これにより、固定式の近距離無線通信機器であれば、別の計測位置で検出されないので、より正確な検出が可能である。ただし、かかる計測位置の特定については、これに限定されず、スキャン範囲が重複するように計測位置を設けてもよい。このようなスキャン範囲が重複する場合には、固定式であっても、異なる地点でスキャンされるが、固定式であれば、ある程度の頻度で検出されるので、誤検出の問題はほぼない。
【0080】
本実施形態においては、データ取得装置100にて、同じ位置での重複BSSIDのデータを排除するようにしたが、このような処理をせずに、取得データを位置属性生成装置160に送信し、位置属性生成装置160で、前記同じ位置での重複BSSIDをするようにしてもよい。
【0081】
この場合、データ取得装置100では、
図3のステップS5,S7の処理を行わず、
図7ステップS21の前に、同じ位置での重複BSSIDを排除する処理を行えばよい。
【0082】
また、計測位置で停止することなく、移動しながら、
図3のデータ取得処理をしてもよい。この場合、
図5の組データとして時刻がほぼ近い組データが取得されるが、これらについては取得データから排除するようにしてもよい。かかる移動しながらのデータ収集であれば、たとえば、データ取得装置100にて以下のような処理を実行すればよい。
【0083】
収集作業者は、データ取得装置100のプログラムを起動し、処理開始スイッチをオンにする。つきに、データ取得装置100のCPU123は、
図3に示すデータ取得処理(
図3データ取得処理ステップという)をおこなう。これにより、その位置におけるBSSIDが検出される。
【0084】
CPU123は、データ取得装置100の位置情報に変化があったか否かを判断し(以下、位置変化判断ステップという)、位置情報に変化があれば、
図3データ取得処理を行う。
【0085】
また、CPU123は、位置変化判断ステップにて、位置情報に変化がない場合は、処理開始スイッチがオフになったかを判断する。オフであれば処理を終了する。これに対して、処理開始スイッチがオンであれば、前記位置変化判断ステップへ戻り、処理を繰り返す。
【0086】
このように移動しながらの検出も可能である。
【0087】
上記のように近距離無線通信機器の位置属性が判別すると、この情報を用いて、家出人が家出前に使用していたモバイル端末から、日時とともその移動履歴を求めることもできる。たとえば、前記移動履歴はこれを地図上に表示することもできる。すなわち、設置型の近距離無線通信機器が特定できるため、前記ある携帯端末をフォレンジック調査し、その行動履歴をある程度推測することが可能となる。
【0088】
本発明は以下のような利用も可能である。今日、近距離無線通信機器があちこちに設置されている。たとえば、前者の代表例は、無線LANのアクセスポイントであるWI-FI(登録商標)の親機であり、後者の代表例は、通行人のスマホへとクーポンやセール情報を送信するbeaconである。
【0089】
上記近距離無線通信機器について、災害時などではこれを本来の利用者以外に開放するという利用形態も検討されている。これにより、前者であれば、たとえば、携帯電話の基地局が使用できないとしても、WI-FI(登録商標)によりインターネットに接続することが可能となる。後者であれば、通信可能範囲に入れば、飲食物の配給情報などを提供することができる。
【0090】
このような場合に、設置型の近距離無線通信機器のつながる位置がわかることで、前記利用を促進することができる。
【0091】
また、近距離無線通信機器が移動型か設置型かを見分けることは近距離無線通信機器の種類特定に有意となる。例えば、近距離無線通信機器のメーカーがリコール対象機器の広告媒体を適切に設定するにあたって 自社メーカーの近距離無線通信機器が設けられていく位置を把握することで適切なアナウンスを行うことが可能となる。また、その際は、メーカ名までわかるとよい。そのため、WI-FI機器の場合も、BLUETOOTH機器と同様に、SSIDの機種名とメーカ名の対応テーブルを記憶しておき、メーカ名を判別して記憶するようにしてもよい。
【0092】
本実施形態においては、
図7ステップS37の演算割合を求めてから、かかる値が閾値を越えているか否かを判断するようにしたが、同BSSIDグループのカウント数が判明した段階で、閾値を超える個別検出結果データ数の値を求めて、位置変更属性の判断をするようにしてもよい。
【0093】
本実施形態においては、設置型である位置属性の近距離無線通信機器を検出することを目的とする場合について説明したが、移動型の近距離無線通信機器の位置データがわかることで、以下のような活用手法もある。
【0094】
移動型デバイスを捜索する際に大量のスキャンデータから移動型デバイスのみを表示させることで移動型デバイスを発見しやすくなる。また、移動型デバイスの移動経路を調査する際に設置型デバイスの情報がノイズとなり精度が悪化することを抑制することができる。さらに、スキャナを位置固定し、様々な地点に配置して継続的にデータ取得することにより、車載Wi-Fiや移動型のBluetoothデバイス等の移動経路の調査ができる。
【0095】
このように、位置属性は、設置型と、移動型はともに、判断することは有意義である。
【0096】
上記実施形態においては、
図1に示す機能を実現するために、CPU23を用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路などのハードウェアによって実現してもよい。なお、プログラムの一部の処理を、オペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。