(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162700
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】エレベータの設計支援システム、エレベータの設計支援方法、プログラム、及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20231101BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20231101BHJP
【FI】
B66B3/00 G
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073257
(22)【出願日】2022-04-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年4月27日、https://configurator.fujitec.co.jp 令和3年4月27日、https://youtu.be/QPQa7e_6kso 令和3年6月15日、https://youtu.be/QPQa7e_6kso
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼沢 啓太
【テーマコード(参考)】
3F303
5B050
【Fターム(参考)】
3F303CA07
3F303CA16
3F303DB11
3F303DC00
5B050AA03
5B050BA08
5B050BA09
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA01
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA12
5B050FA13
(57)【要約】
【課題】 車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることを可能にするエレベータの設計支援システムを提供する。
【解決手段】 エレベータの設計支援システムにおいては、処理部は、作成したシミュレーションデータに基づいて、表示部に、かごシミュレーション画像及び乗場シミュレーション画像の少なくとも一つを表示させ、仕様選択部は、車椅子仕様を選択可能な車椅子仕様選択部を備え、処理部は、車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを表示する表示部と、
前記表示部に、複数のエレベータ仕様を複数の候補からそれぞれ選択可能な仕様選択部を表示させる処理部と、を備え、
前記処理部は、前記仕様選択部で選択されたデータに基づいて、かご及び第1乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータを作成し、
前記処理部は、作成した前記シミュレーションデータに基づいて、前記表示部に、かごシミュレーション画像及び第1乗場シミュレーション画像の少なくとも一つを表示させる、エレベータの設計支援システムであって、
前記仕様選択部は、車椅子仕様を選択可能な車椅子仕様選択部を備え、
前記処理部は、前記車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、エレベータの設計支援システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記表示部に、前記かごシミュレーション画像又は前記第1乗場シミュレーション画像の何れか一つのみを表示させ、
前記仕様選択部は、
前記表示部に前記かごシミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部に表示されて且つかごの仕様を選択可能なかご仕様選択部と、
前記表示部に前記第1乗場シミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部に表示されて且つ乗場の仕様を選択可能な乗場仕様選択部と、を含み、
前記車椅子仕様選択部は、
前記かご仕様選択部に備えられる第1車椅子仕様選択部と、
前記乗場仕様選択部に備えられる第2車椅子仕様選択部と、を含み、
前記処理部は、前記第1車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成し、且つ、前記第2車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、請求項1に記載のエレベータの設計支援システム。
【請求項3】
前記処理部は、前記表示部に、第2乗場を追加することを選択可能な乗場追加選択部を表示させ、
前記処理部は、前記乗場追加選択部で第2乗場を追加することが選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータを作成し、
前記処理部は、前記シミュレーションデータに基づいて、前記表示部に、かごシミュレーション画像、第1乗場シミュレーション画像及び第2乗場シミュレーション画像の少なくとも一つを表示させ、
前記処理部は、前記車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、請求項1に記載のエレベータの設計支援システム。
【請求項4】
前記処理部は、前記表示部に、前記かごシミュレーション画像、前記第1乗場シミュレーション画像及び前記第2乗場シミュレーション画像のうち、何れか一つのみを表示させ、
前記仕様選択部は、
前記表示部に前記かごシミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部に表示されて且つかごの仕様を選択可能なかご仕様選択部と、
前記表示部に前記第1乗場シミュレーション画像又は前記第2乗場シミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部に表示されて且つ乗場の仕様を選択可能な乗場仕様選択部と、を含み、
前記車椅子仕様選択部は、
前記かご仕様選択部に備えられる第1車椅子仕様選択部と、
前記乗場仕様選択部に備えられる第2車椅子仕様選択部と、を含み、
前記処理部は、前記第1車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成し、且つ、前記第2車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、請求項3に記載のエレベータの設計支援システム。
【請求項5】
前記処理部は、前記表示部に、扉を開放することを選択可能な扉開放選択部を表示させ、
前記扉開放選択部で扉を開放することが選択された場合に、前記第1乗場シミュレーション画像は、扉を開放する画像となり、
前記車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、前記第1乗場シミュレーション画像は、扉が開放したときに、かごの内部の車椅子仕様の部品を表示する画像となる、請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータの設計支援システム。
【請求項6】
前記仕様選択部は、防犯窓を有する防犯窓仕様を選択可能な防犯窓仕様選択部を備え、
前記防犯窓仕様選択部で防犯窓仕様が選択された場合に、前記第1乗場シミュレーション画像は、防犯窓を有する画像となり、
前記車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、防犯窓を有する前記第1乗場シミュレーション画像は、防犯窓から、かごの内部の車いす仕様の部品を表示する画像となる、請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータの設計支援システム。
【請求項7】
請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータの設計支援システムによって実行される、エレベータの設計支援方法。
【請求項8】
請求項7に記載のエレベータの設計支援方法を、少なくとも一つのプロセッサに実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶する、サーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータの設計支援システム、エレベータの設計支援方法、プログラム、及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータの設計支援システムは、複数のエレベータ仕様を複数の候補からそれぞれ選択可能であり、選択された仕様データに基づいて、かごシミュレーション画像及び乗場シミュレーション画像を表示している(例えば、特許文献1)。ところで、車椅子仕様のエレベータである場合には、かご及び乗場にそれぞれ必要となる部品が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることを可能にするエレベータの設計支援システム、エレベータの設計支援方法、プログラム、及びサーバ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータの設計支援システムは、データを表示する表示部と、前記表示部に、複数のエレベータ仕様を複数の候補からそれぞれ選択可能な仕様選択部を表示させる処理部と、を備え、前記処理部は、前記仕様選択部で選択されたデータに基づいて、かご及び第1乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータを作成し、前記処理部は、作成した前記シミュレーションデータに基づいて、前記表示部に、かごシミュレーション画像及び第1乗場シミュレーション画像の少なくとも一つを表示させる、エレベータの設計支援システムであって、前記仕様選択部は、車椅子仕様を選択可能な車椅子仕様選択部を備え、前記処理部は、前記車椅子仕様選択部で車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する。
【0006】
エレベータの設計支援方法は、前記のエレベータの設計支援システムによって実行される。
【0007】
プログラムは、前記のエレベータの設計支援方法を、少なくとも一つのプロセッサに実行させる。
【0008】
サーバ装置は、前記のプログラムを記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るエレベータの設計支援システムの制御ブロック図
【
図4】かごシミュレーション画像を表示させた画面の図
【
図5】乗場シミュレーション画像を表示させた画面の図
【
図7】車椅子仕様ではないかごシミュレーション画像の図
【
図8】車椅子仕様ではない第1乗場シミュレーション画像の図
【
図9】車椅子仕様ではない第2乗場シミュレーション画像の図
【
図11】車椅子仕様であるかごシミュレーション画像の正面側の図
【
図12】車椅子仕様であるかごシミュレーション画像の背面側の図
【
図13】車椅子仕様である第1乗場シミュレーション画像の図
【
図14】車椅子仕様である第2乗場シミュレーション画像の図
【
図15】扉を開放したときの第1乗場シミュレーション画像の図
【
図17】防犯窓を有する第1乗場シミュレーション画像の図
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0011】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0012】
以下、エレベータの設計支援システム、サーバ装置及びプログラムにおける一実施形態について、
図1~
図17を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータの設計支援システム、サーバ装置及びプログラムの構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータの設計支援システム、サーバ装置及びプログラムの構成を限定するものではない。
【0013】
図1に示すように、エレベータの設計支援システム(以下、単に「設計支援システム」ともいう)1は、サーバ装置2と、端末装置3と、入力装置4と、出力装置5とを備えていてもよい。そして、各装置2~5は、通信手段6によって、互いに通信可能となっていてもよい。なお、通信手段6は、例えば、インターネット、Wi-Fi、ブルートゥース、無線LAN等の無線通信手段でもよく、また、例えば、有線LAN、通信ケーブル等の有線通信手段でもよい。
【0014】
端末装置3は、特に限定されないが、例えば、パソコン、タブレットコンピュータ等としてもよい。入力装置4は、特に限定されないが、例えば、マウス、キーボード、コントローラ等としてもよい。出力装置5は、特に限定されないが、例えば、VR表示器、プロジェクター、モニター等としてもよい。
【0015】
設計支援システム1は、例えば、本実施形態のように、データ(情報)が入力される入力部7と、データを取得する取得部8と、データを記憶する記憶部9と、データを処理する処理部10と、データを出力する出力部11と、データを表示する表示部12とを備えていてもよい。
【0016】
サーバ装置2は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、取得部8、記憶部9及び処理部10を備えていてもよい。端末装置3は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、入力部7、取得部8、記憶部9、処理部10、出力部11、及び表示部12を備えていてもよい。入力装置4は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、入力部7を備えていてもよい。出力装置5は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、表示部12を備えていてもよい。
【0017】
なお、サーバ装置2及び端末装置3は、処理部10を備える処理装置2,3ともいう。
図2に示すように、処理装置2,3は、例えば、プロセッサ13、メモリ14及び各種インターフェイス15等を備えるコンピュータである。そして、例えば、メモリ14がプログラム14a及びデータベース14bを記憶し、プロセッサ13が当該プログラム14aを実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理装置2,3の各部が実現されている。
【0018】
プロセッサ13は、コンピュータ実行可能命令の実行を可能に構成されている。プロセッサ13は、特に限定されないが、例えば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)等としてもよい。
【0019】
メモリ14は、コンピュータデータを記憶可能に構成されている。メモリ14は、プロセッサ13が処理を実行するときにデータを一時的に記憶するメモリだけでなく、データを永続的に記憶するストレージも含む。メモリ14は、特に限定されないが、例えば、半導体メモリ(各種ROM、各種RAM等)、光ディスク(CD、DVD等)、磁気ディスク(ハードディスク、MO等)、磁気テープ、フレッシュメモリを用いた記憶媒体(SDカード、USBメモリ等)等としてもよい。
【0020】
図1及び
図2に示すように、設計支援システム1は、例えば、本実施形態のように、互いに通信可能な複数の装置2~5で構成されていてもよく、また、例えば、一つの装置(例えば、端末装置3のみ)で構成されていてもよい。具体的には、設計支援システム1の記憶部9及び処理部10のそれぞれは、例えば、本実施形態のように、互いに通信可能な複数の装置2,3に分散して備えられていてもよく、また、例えば、一つの装置(例えば、端末装置3のみ)に備えられていてもよい。
【0021】
これにより、設計支援システム1の処理部10は、例えば、本実施形態のように、複数の装置(例えば、サーバ装置2及び端末装置3)のコンピュータにおけるプロセッサ13(即ち、複数のプロセッサ13)が分散して処理を実行することによって、実現されている、という構成でもよく、また、例えば、一つの装置(例えば、端末装置3)のコンピュータにおけるプロセッサ13(即ち、一つのプロセッサ13)が処理を実行することによって、実現されている、という構成でもよい。
【0022】
設計支援システム1の処理部10がサーバ装置2及び端末装置3からなる構成として、例えば、端末装置3の入力部7にデータが入力されることによって、必要に応じて、サーバ装置2の処理部10が、端末装置3へ必要なデータ(例えば、プログラム14aの一部)を送信し、端末装置3の記憶部9が当該データを一時的に記憶し、その後、端末装置3の入力部7にデータが入力されることによって、端末装置3の処理部10がデータを処理し、端末装置3の表示部12がデータを表示する、という構成でもよい。
【0023】
また、設計支援システム1の処理部10がサーバ装置2及び端末装置3からなる構成として、例えば、端末装置3の入力部7にデータが入力されるたびに、サーバ装置2の処理部10が、端末装置3へデータを送信し、そして、端末装置3の処理部10が、データに必要な処理を行い、端末装置3の表示部12が、データを表示する、という構成でもよい。
【0024】
また、設計支援システム1の処理部10が端末装置3のみからなる構成として、例えば、サーバ装置2が必要な全てのデータを端末装置3に送信することによって、端末装置3の記憶部9が必要な全てのデータを記憶しており(ダウンロードしており)、そして、端末装置3の入力部7にデータが入力されることによって、端末装置3の処理部10がデータを処理し、端末装置3の表示部12がデータを表示する、という構成でもよい。
【0025】
図3に示すように、処理部10は、例えば、データを演算する演算部10aと、設計支援システム1の各部を制御する制御部10bとを備えていてもよい。演算部10aは、例えば、本実施形態のように、データを作成するデータ作成部10cを備えていてもよい。制御部10bは、例えば、本実施形態のように、表示部12を制御する表示制御部10dを備えていてもよい。
【0026】
記憶部9は、例えば、エレベータの仕様等に関するデータを記憶していてもよい。そして、表示制御部10dは、
図4及び
図5に示すように、例えば、基本選択部16、表示選択部17、仕様選択部18、及び画像表示部19を、表示部12に表示させる、という構成でもよい。なお、取得部8は、例えば、各選択部16,17,18で選択されたデータを取得してもよい。
【0027】
データ作成部10cは、例えば、各選択部16,17,18で選択されて取得部8で取得されたデータと、記憶部9に記憶されているデータとに基づいて、かご及び乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータを作成してもよい。特に限定されないが、データ作成部10cは、例えば、複数の部品データを合成することによって、かご及び乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータを作成してもよい。
【0028】
そして、表示制御部10dは、データ作成部10cで作成されたシミュレーションデータに基づいて、画像表示部19に、かごシミュレーション画像及び乗場シミュレーション画像の少なくとも一つを表示させてもよい。なお、かごシミュレーション画像は、データ作成部10cで作成されたかごのシミュレーションデータに基づいた画像であり、乗場シミュレーション画像は、データ作成部10cで作成された乗場のシミュレーションに基づいた画像である。
【0029】
また、画像表示部19は、例えば、本実施形態のように、一つのシミュレーション画像(かごシミュレーション画像(
図4参照)又は乗場シミュレーション画像(
図5参照))のみを表示させてもよく、また、例えば、複数のシミュレーション画像(例えば、かごシミュレーション画像及び乗場シミュレーション画像の両方)を同時に表示させてもよい。
【0030】
各選択部16,17,18は、例えば、本実施形態のように、入力されるデータの種類を表示する表示機能と、操作されることによってデータが入力される入力機能とを有していてもよく、特に限定されないが、例えば、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)としてもよい。そして、例えば、マウス、タッチパネル等の入力部7によって、各選択部16,17,18でデータが選択されることによって、指示データが入力され、取得部8が当該指示データを取得する、という構成でもよい。
【0031】
基本選択部16は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、住居用、乗用、ベッド用、展望用等のエレベータの用途を選択可能なかごタイプ選択部16aと、かごの乗車定員数を選択可能な定員選択部16bと、乗車シミュレーション(人・物等の乗車物の乗車状況のシミュレーションを行うこと)を選択可能な乗車シミュレーション選択部16cとを備えていてもよい。
【0032】
また、基本選択部16は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、「仕様閲覧」(例えば、現在のエレベータ仕様を閲覧すること)、「印刷」(現在のエレベータ仕様を印刷すること)、「保存」(現在のエレベータ仕様を保存すること)、「設定」(サウンドの有無等)等も、選択可能であってもよい。
【0033】
なお、かごシミュレーション画像が画像表示部19に表示されている場合(
図4参照)と、乗場シミュレーション画像が画像表示部19に表示されている場合(
図5参照)とにおいて、基本選択部16で選択可能な項目は、例えば、本実施形態のように、同じであってもよく、また、例えば、異なっていてもよい。
【0034】
表示選択部17は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、画像表示部19に表示する画像を選択可能な表示場所選択部17aと、乗場を追加することを選択可能な乗場追加選択部17bとを備えていてもよい。そして、例えば、表示場所選択部17aで「かご」が選択された場合には、画像表示部19にかごシミュレーション画像が表示されてもよく、また、例えば、表示選択部17aで「乗場」が選択された場合には、画像表示部19に乗場シミュレーション画像が表示されてもよい。
【0035】
また、表示選択部17は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、「表示アングル」及び「アングル操作」等も、選択可能であってもよい。「表示アングル」とは、例えば、画像表示部19に表示されるシミュレーション画像のアングル(既定のアングル)のことであり、「アングル操作」とは、例えば、画像表示部19に表示されるシミュレーション画像のアングルを入力部7で変更するときの操作方法のことである。
【0036】
なお、かごシミュレーション画像が画像表示部19に表示されている場合(
図4参照)と、乗場シミュレーション画像が画像表示部19に表示されている場合(
図5参照)とにおいて、表示選択部17で選択可能な項目は、例えば、本実施形態のように、異なっていてもよく、また、例えば、同じでもよい。
【0037】
仕様選択部18は、例えば、本実施形態のように、かごシミュレーション画像が画像表示部19に表示されている場合(
図4参照)に、表示部12に表示されるかご仕様選択部18xと、乗場シミュレーション画像が画像表示部19に表示されている(
図5参照)場合に、表示部12に表示される乗場仕様選択部18yとを備えていてもよい。
【0038】
かご仕様選択部18xは、例えば、本実施形態のように、防犯窓を有する防犯窓仕様を選択可能な第1防犯窓仕様選択部18aと、停止階数を選択可能な停止階数選択部18bと、操作盤のボタンを選択可能なボタン選択部18cと、車椅子仕様(車椅子仕様であること)を選択可能な第1車椅子仕様選択部18dと、副操作盤を有する副操作盤仕様を選択可能な副操作盤仕様選択部18eとを備えていてもよい。
【0039】
また、かご仕様選択部18xは、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、「色」(かご側壁、かご扉、かご床の色等)、「天井」(かご天井の種類等)、「出入口タイプ」(出入口高さ等)、「扉勝手」(扉の開放方向等)等も選択可能であってもよい。
【0040】
乗場仕様選択部18yは、例えば、本実施形態のように、防犯窓を有する防犯窓仕様を選択可能な第2防犯窓仕様選択部18fと、車椅子仕様(車椅子仕様であること)を選択可能な第2車椅子仕様選択部18gとを備えていてもよい。
【0041】
また、乗場仕様選択部18yは、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、「三方枠」(三方枠の種類)、「色」(乗場扉、三方枠等の色等)、「建物(建物の壁・床の種類等)」、「扉勝手」(扉の開放方向等)、「出入口タイプ」(出入口高さ等)、「表示器(乗場操作盤のボタンの種類・液晶モニターの種類等)」等も選択可能であってもよい。
【0042】
このように、仕様選択部18は、複数のエレベータ仕様に対して、複数の候補からそれぞれ選択可能に構成されている。なお、本実施形態においては、かご仕様選択部18xは、かごの仕様を選択可能であり、且つ、乗場仕様選択部18yは、乗場の仕様を選択可能である、という構成であるが、例えば、かご仕様選択部18x及び乗場仕様選択部18yは、同じ選択項目を選択可能である、即ち、それぞれかご及び乗場の両方の仕様を選択可能である、という構成でもよい。
【0043】
次に、本実施形態に係るエレベータの設計支援方法の一例について、
図6~
図17を参照しながら説明する。なお、エレベータの設計支援方法は、以下の方法に限定されない。また、特に限定されないが、
図6、
図10、
図13、
図14、及び
図16において、選択部16,17,18での選択方法は、マウスポインタ(矢印で図示している)を用いて図示している。
【0044】
図6(a)に示すように、乗場追加選択部17bで乗場を追加することが選択されることによって、例えば、基準階である第1乗場に対して、他階である第2乗場が追加されてもよい。そして、データ作成部10c(
図3参照)は、例えば、かご、第1乗場及び第2乗場のそれぞれの3次元空間におけるシミュレーションデータを作成する。
【0045】
また、第2乗場が追加された場合には、例えば、
図6(b)に示すように、乗場追加選択部17bが消去されてもよい。そして、表示場所選択部17aは、例えば、
図6(b)に示すように、「かご」、「第1乗場(基準階乗場)」及び「第2乗場(他階乗場)」から、画像表示部19に表示する画像を選択可能になってもよい。
【0046】
これにより、表示場所選択部17aで「かご」が選択された場合には、
図7に示すように、画像表示部19にかごシミュレーション画像が表示され、表示選択部17aで「第1乗場」が選択された場合には、
図8に示すように、画像表示部19に第1乗場シミュレーション画像が表示され、表示選択部17aで「第2乗場」が選択された場合には、
図9に示すように、画像表示部19に第2乗場シミュレーション画像が表示される。
【0047】
なお、第1乗場シミュレーション画像は、データ作成部10cで作成された第1乗場のシミュレーションに基づいた画像であり、第2乗場シミュレーション画像は、データ作成部10cで作成された第2乗場のシミュレーションに基づいた画像である。また、
図7~
図9のシミュレーション画像は、車椅子仕様ではないエレベータのシミュレーションに基づいた画像である。
【0048】
特に限定されないが、
図8に示すように、第1乗場は、例えば、最下階の乗場であって、乗場操作盤に一つのボタン(上昇かごの呼びボタン)のみを備えていてもよく、また、
図9に示すように、第2乗場は、例えば、最下階及び最上階以外の乗場であって、乗場操作盤に二つのボタン(上昇かごの呼びボタン、下降かごの呼びボタン)を備えていてもよい。また、特に限定されないが、
図8及び
図9に示すように、第1乗場及び第2乗場間で、扉及び三方枠の仕様と、建物の壁及び床の仕様とが、異なっていてもよい。
【0049】
画像表示部19にかごシミュレーション画像が表示されている場合に(
図4及び
図7参照)、例えば、
図10に示すように、かご仕様選択部18xの第1車椅子仕様選択部18dで、車椅子仕様が選択されてもよい。これにより、データ作成部10c(
図3参照)は、画像表示部19にシミュレーション画像が表示されているかごだけでなく、その他の第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する。
【0050】
したがって、画像表示部19に表示されるかごシミュレーション画像は、
図11及び
図12に示すように、車椅子仕様の部品を備えている画像となる。なお、正面アングルの画像である
図11においては、車椅子仕様の部品は、破線領域内に図示される第1副操作盤及び第1手すりであり、背面アングルの画像である
図12においては、車椅子仕様の部品は、破線領域内に図示される第2副操作盤、第2手すり及び背面鏡である。
【0051】
そして、例えば、表示場所選択部17a(
図4~
図6参照)で「第1乗場」が選択されることによって、画像表示部19に表示される第1乗場シミュレーション画像は、
図13に示すように、車椅子仕様の部品を備えている画像となる。なお、
図13においては、車椅子仕様の部品は、破線領域内に図示される車椅子用操作盤である。
【0052】
また、例えば、表示場所選択部17a(
図4~
図6参照)で「第2乗場」が選択されることによって、画像表示部19に表示される第2乗場シミュレーション画像は、
図14に示すように、車椅子仕様の部品を備えている画像となる。なお、
図14においては、車椅子仕様の部品は、破線領域内に図示される車椅子用操作盤である。
【0053】
このように、データ作成部10cは、画像表示部19にシミュレーション画像が表示されているかごだけでなく、画像表示部19にシミュレーション画像が表示されていない第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する。これにより、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることができる。しかも、例えば、かごを車椅子仕様にすることが選択された場合に、第1及び第2乗場も車椅子仕様にすることを忘れることを防止することができる。
【0054】
また、画像表示部19に第1乗場シミュレーション画像が表示されている場合に(
図5及び
図8参照)、例えば、乗場仕様選択部18yの第2車椅子仕様選択部18g(
図5参照)で、車椅子仕様が選択されてもよい。これにより、データ作成部10cは、画像表示部19にシミュレーション画像が表示されている第1乗場だけでなく、画像表示部19にシミュレーション画像が表示されていないかご及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する。
【0055】
したがって、当該シミュレーションデータに基づいて表示される各シミュレーション画像は、
図11~
図14に示すように、車椅子仕様の部品を備えている画像となる。これにより、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることができる。しかも、例えば、第1乗場を車椅子仕様にすることが選択された場合に、かご及び第2乗場も車椅子仕様にすることを忘れることを防止することができる。
【0056】
また、画像表示部19に第2乗場シミュレーション画像が表示されている場合に(
図8参照)、例えば、乗場仕様選択部18yの第2車椅子仕様選択部18gで、車椅子仕様が選択されてもよい。これにより、データ作成部10cは、画像表示部19にシミュレーション画像が表示されている第2乗場だけでなく、画像表示部19にシミュレーション画像が表示されていないかご及び第1乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する。
【0057】
したがって、当該シミュレーションデータに基づいて表示される各シミュレーション画像は、
図11~
図14に示すように、車椅子仕様の部品を備えている画像となる。これにより、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることができる。しかも、例えば、第2乗場を車椅子仕様にすることが選択された場合に、かご及び第1乗場も車椅子仕様にすることを忘れることを防止することができる。
【0058】
また、例えば、
図13に示すように、画像表示部19に第1乗場シミュレーション画像が表示されている場合に、表示制御部10d(
図3参照)は、例えば、表示部12に、扉を開放することを選択可能な扉開放選択部20を表示させていてもよい。特に限定されないが、扉開放選択部20は、例えば、本実施形態のように、画像表示部19に表示される第1乗場シミュレーション画像の乗場操作盤のボタンとして表示してもよい。
【0059】
そして、
図13に示すように、扉開放選択部20で扉を開放することが選択された場合に、画像表示部19に表示される第1乗場シミュレーション画像は、
図15に示すように、扉を開放する画像(即ち、動画)となる。このとき、当該第1乗場シミュレーション画像は、扉が開放したときに、かごの内部の車椅子仕様の部品を表示する画像となる。
【0060】
これにより、扉が開放したときに、第1乗場の乗客が感じる状況を、第1乗場シミュレーション画像で確認することができる。なお、
図15においては、かごの内部の車椅子仕様の部品は、破線領域内に図示される第1副操作盤、第1手すり、第2手すり、及び背面鏡である。
【0061】
また、例えば、
図14に示すように、画像表示部19に第2乗場シミュレーション画像が表示されている場合に、表示制御部10d(
図3参照)は、例えば、表示部12に、扉を開放することを選択可能な扉開放選択部20を表示させていてもよい。特に限定されないが、扉開放選択部20は、例えば、本実施形態のように、画像表示部19に表示される第2乗場シミュレーション画像の乗場操作盤のボタンとして表示してもよい。
【0062】
そして、
図14に示すように、扉開放選択部20で扉を開放することが選択された場合に、図示していないが、画像表示部19に表示される第2乗場シミュレーション画像は、扉を開放する画像(即ち、動画)となる。このとき、当該第2乗場シミュレーション画像は、扉が開放したときに、かごの内部の車椅子仕様の部品を表示する画像となる。これにより、扉が開放したときに、第2乗場の乗客が感じる状況を、第2乗場シミュレーション画像で確認することができる。
【0063】
また、例えば、
図16に示すように、乗場仕様選択部18yの第2防犯窓仕様選択部18fで防犯窓仕様が選択された場合に、画像表示部19に表示される第1乗場シミュレーション画像は、
図17に示すように、防犯窓を有する画像となる。このとき、当該乗場シミュレーション画像は、防犯窓から、かごの内部の車いす仕様の部品を表示する画像となる。
【0064】
これにより、乗場の乗客が防犯窓を介して感じる状況を、第1乗場シミュレーション画像で確認することができる。なお、
図17においては、かごの内部の車椅子仕様の部品は、破線領域内に図示される第1副操作盤、第1手すり、及び背面鏡である。
【0065】
例えば、本実施形態のように、第2防犯窓仕様選択部18fで、防犯窓仕様が選択された場合に、データ作成部10cは、かご扉と、乗場のうち、少なくとも画像表示部19に表示されている乗場シミュレーションの乗場の乗場扉とを防犯窓仕様で作成する、という構成でもよい。また、例えば、第2防犯窓仕様選択部18fで、防犯窓仕様が選択された場合に、データ作成部10cは、かご扉と全ての乗場の乗場扉とを防犯窓仕様で作成する、という構成でもよい。
【0066】
また、例えば、第1防犯窓仕様選択部18aで、防犯窓仕様が選択された場合に、データ作成部10cは、かご扉と少なくとも一つの乗場の乗場扉とを防犯窓仕様で作成する、という構成でもよい。また、例えば、第1防犯窓仕様選択部18aで、防犯窓仕様が選択された場合に、データ作成部10cは、かご扉と全ての乗場の乗場扉とを防犯窓仕様で作成する、という構成でもよい。
【0067】
なお、例えば、かご仕様選択部18xの第1防犯窓仕様選択部18aで、防犯窓仕様が選択された場合に、データ作成部10cは、かご扉のみを防犯窓仕様で作成する一方で、乗場仕様選択部18yの第2防犯窓仕様選択部18fで、防犯窓仕様が選択された場合に、データ作成部10cは、画像表示部19に表示されている乗場シミュレーションの乗場の乗場扉のみを防犯窓仕様で作成する、という構成でもよい。
【0068】
[1]
以上のように、エレベータの設計支援システム1は、本実施形態のように、データを表示する表示部12と、前記表示部12に、複数のエレベータ仕様を複数の候補からそれぞれ選択可能な仕様選択部18を表示させる処理部10と、を備え、前記処理部10は、前記仕様選択部18で選択されたデータに基づいて、かご及び第1乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータを作成し、前記処理部10は、作成した前記シミュレーションデータに基づいて、前記表示部12に、かごシミュレーション画像及び第1乗場シミュレーション画像の少なくとも一つを表示させる、エレベータの設計支援システム1であって、前記仕様選択部18は、車椅子仕様を選択可能な車椅子仕様選択部18d,18gを備え、前記処理部10は、前記車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、という構成が好ましい。
【0069】
斯かる構成によれば、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータは、車椅子仕様で作成される。これにより、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることを可能にする。
【0070】
[2]
また、上記[1]のエレベータの設計支援システム1においては、本実施形態のように、前記処理部10は、前記表示部12に、前記かごシミュレーション画像又は前記第1乗場シミュレーション画像の何れか一つのみを表示させ、前記仕様選択部18は、前記表示部12に前記かごシミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部12に表示されて且つかごの仕様を選択可能なかご仕様選択部18xと、前記表示部12に前記第1乗場シミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部12に表示されて且つ乗場の仕様を選択可能な乗場仕様選択部18yと、を含み、前記車椅子仕様選択部18d,18gは、前記かご仕様選択部18xに備えられる第1車椅子仕様選択部18dと、前記乗場仕様選択部18yに備えられる第2車椅子仕様選択部18gと、を含み、前記処理部10は、前記第1車椅子仕様選択部18dで車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成し、且つ、前記第2車椅子仕様選択部18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、という構成が好ましい。
【0071】
斯かる構成によれば、表示部12に、かごシミュレーション画像が表示されているときに、かごの仕様を選択可能なかご仕様選択部18xが表示され、また、表示部12に、乗場シミュレーション画像が表示されているときに、乗場の仕様を選択可能な乗場仕様選択部18yが表示される。これにより、仕様選択部18で選択した仕様が、表示部12のシミュレーション画像で表示される。
【0072】
そして、かご仕様選択部18xは、第1車椅子仕様選択部18dを備えており、第1車椅子仕様選択部18dで車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータが車椅子仕様で作成される。これにより、表示部12でシミュレーション画像が表示されていない乗場のシミュレーションデータも、車椅子仕様で作成される。
【0073】
また、乗場仕様選択部18yは、第2車椅子仕様選択部18gを備えており、第2車椅子仕様選択部18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご及び第1乗場の両方のシミュレーションデータが車椅子仕様で作成される。これにより、表示部12でシミュレーション画像が表示されていないかごのシミュレーションデータも、車椅子仕様で作成される。
【0074】
[3]
また、上記[1]のエレベータの設計支援システム1においては、本実施形態のように、前記処理部10は、前記表示部12に、第2乗場を追加することを選択可能な乗場追加選択部17bを表示させ、前記処理部10は、前記乗場追加選択部17bで第2乗場を追加することが選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータを作成し、前記処理部10は、前記シミュレーションデータに基づいて、前記表示部12に、かごシミュレーション画像、第1乗場シミュレーション画像及び第2乗場シミュレーション画像の少なくとも一つを表示させ、前記処理部10は、前記車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、という構成が好ましい。
【0075】
斯かる構成によれば、乗場追加選択部17bで第2乗場を追加することが選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の3次元空間におけるシミュレーションデータが、作成される。そして、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータは、車椅子仕様で作成される。これにより、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることを可能にする。
【0076】
[4]
また、上記[3]のエレベータの設計支援システム1においては、本実施形態のように、前記処理部10は、前記表示部12に、前記かごシミュレーション画像、前記第1乗場シミュレーション画像及び前記第2乗場シミュレーション画像のうち、何れか一つのみを表示させ、前記仕様選択部18は、前記表示部12に前記かごシミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部12に表示されて且つかごの仕様を選択可能なかご仕様選択部18xと、前記表示部12に前記第1乗場シミュレーション画像又は前記第2乗場シミュレーション画像が表示されている場合に、前記表示部12に表示されて且つ乗場の仕様を選択可能な乗場仕様選択部18yと、を含み、前記車椅子仕様選択部18d,18gは、前記かご仕様選択部18xに備えられる第1車椅子仕様選択部18dと、前記乗場仕様選択部18yに備えられる第2車椅子仕様選択部18gと、を含み、前記処理部10は、前記第1車椅子仕様選択部18dで車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成し、且つ、前記第2車椅子仕様選択部18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、という構成が好ましい。
【0077】
斯かる構成によれば、表示部12に、かごシミュレーション画像が表示されているときに、かごの仕様を選択可能なかご仕様選択部18xが表示され、また、表示部12に、第1乗場シミュレーション画像又は第2乗場シミュレーション画像が表示されているときに、乗場の仕様を選択可能な乗場仕様選択部18yが表示される。これにより、仕様選択部18で選択した仕様が、表示部12のシミュレーション画像で表示される。
【0078】
そして、かご仕様選択部18xは、第1車椅子仕様選択部18dを備えており、第1車椅子仕様選択部18dで車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータが車椅子仕様で作成される。これにより、表示部12でシミュレーション画像が表示されていない第1乗場及び第2乗場のシミュレーションデータも、車椅子仕様で作成される。
【0079】
また、乗場仕様選択部18yは、第2車椅子仕様選択部18gを備えており、第2車椅子仕様選択部18gで車椅子仕様が選択された場合に、かご、第1乗場及び第2乗場の全てのシミュレーションデータが車椅子仕様で作成される。これにより、表示部12でシミュレーション画像が表示されていないかご及び乗場のシミュレーションデータも、車椅子仕様で作成される。
【0080】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか一つのエレベータの設計支援システム1においては、本実施形態のように、前記処理部10は、前記表示部12に、扉を開放することを選択可能な扉開放選択部20を表示させ、前記扉開放選択部20で扉を開放することが選択された場合に、前記第1乗場シミュレーション画像は、扉を開放する画像となり、前記車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、前記第1乗場シミュレーション画像は、扉が開放したときに、かごの内部の車椅子仕様の部品を表示する画像となる、という構成でもよい。
【0081】
斯かる構成によれば、第1乗場シミュレーション画像において、扉が開放したときに、かごの内部の車椅子仕様の部品が表示される。これにより、扉が開放したときに、乗場の乗客が感じる状況を、シミュレーション画像で確認することを可能にする。
【0082】
[6]
また、上記[1]~[5]の何れか1つのエレベータの設計支援システム1においては、本実施形態のように、前記仕様選択部18は、防犯窓を有する防犯窓仕様を選択可能な防犯窓仕様選択部18a,18fを備え、前記防犯窓仕様選択部18a,18fで防犯窓仕様が選択された場合に、前記第1乗場シミュレーション画像は、防犯窓を有する画像となり、前記車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、防犯窓を有する前記第1乗場シミュレーション画像は、防犯窓から、かごの内部の車いす仕様の部品を表示する画像となる、という構成が好ましい。
【0083】
斯かる構成によれば、第1乗場シミュレーション画像において、防犯窓から、かごの内部の車椅子仕様の部品が、表示される。これにより、乗場の乗客が防犯窓を介して感じる状況を、シミュレーション画像で確認することを可能にする。
【0084】
[7]
また、エレベータの設計支援方法は、本実施形態のように、上記[1]~[6]の何れか1つのエレベータの設計支援システム1によって実行される、という方法が好ましい。
【0085】
斯かる方法によれば、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることを可能にする。
【0086】
[8]
また、プログラム14aは、本実施形態のように、上記[7]のエレベータの設計支援方法を、少なくとも一つのプロセッサ13に実行させる、という構成が好ましい。
【0087】
斯かる構成によれば、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることを可能にする。
【0088】
[9]
また、サーバ装置2は、本実施形態のように、上記[8]のプログラム14aを記憶する、という構成が好ましい。
【0089】
斯かる構成によれば、車椅子仕様のエレベータを容易にシミュレーションすることを可能にする。
【0090】
なお、設計支援システム1、サーバ装置2、プログラム14a、及び設計支援方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、設計支援システム1、サーバ装置2、プログラム14a、及び設計支援方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0091】
(A)上記実施形態に係る設計支援システム1においては、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、かごと複数の乗場の全てとのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、という構成である。しかしながら、設計支援システム1は、斯かる構成に限られない。例えば、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、かごと複数の乗場の一部とのシミュレーションデータを車椅子仕様で作成する、という構成でもよい。
【0092】
(B)また、上記実施形態に係る設計支援システム1においては、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、第1乗場シミュレーション画像は、扉が開放したときに、かごの内部の車椅子仕様の部品を表示する画像となる、という構成である。しかしながら、設計支援システム1は、斯かる構成に限られない。例えば、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、第1乗場シミュレーション画像は、扉が開放したときに、かごの内部の車椅子仕様の部品を表示していない画像となる、という構成でもよい。
【0093】
(C)また、上記実施形態に係る設計支援システム1においては、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、防犯窓を有する第1乗場シミュレーション画像は、防犯窓からかごの内部の車いす仕様の部品を表示する画像となる、という構成である。しかしながら、設計支援システム1は、斯かる構成に限られない。例えば、車椅子仕様選択部18d,18gで車椅子仕様が選択された場合に、防犯窓を有する第1乗場シミュレーション画像は、防犯窓からかごの内部の車いす仕様の部品を表示していない画像となる、という構成でもよい。
【0094】
(D)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示したシステム、方法、プログラム、及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
1…設計支援システム、2…サーバ装置(処理装置)、3…端末装置(処理装置)、4…入力装置、5…出力装置、6…通信手段、7…入力部、8…取得部、9…記憶部、10…処理部、10a…演算部、10b…制御部、10c…データ作成部、10d…表示制御部、11…出力部、12…表示部、13…プロセッサ、14…メモリ、14a…プログラム、14b…データベース、15…インターフェイス、16…基本選択部、16a…かごタイプ選択部、16b…定員選択部、16c…乗車シミュレーション選択部、17…表示選択部、17a…表示場所選択部、17b…乗場追加選択部、18…仕様選択部、18a…第1防犯窓仕様選択部、18b…停止階数選択部、18c…ボタン選択部、18d…第1車椅子仕様選択部、18e…副操作盤仕様選択部、18f…第2防犯窓仕様選択部、18g…第2車椅子仕様選択部、18x…かご仕様選択部、18y…乗場仕様選択部、19…画像表示部、20…扉開放選択部