(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162716
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】キャリアテープ搬送装置及びテープフィーダ
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073281
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】堀江 敦行
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353HH12
5E353HH30
5E353HH32
5E353HH34
5E353HH40
5E353HH71
5E353QQ12
5E353QQ21
(57)【要約】
【課題】共通化が可能で、薄型であっても高い送り精度を実現できるキャリテープ搬送装置及びテープフィーダを提供する。
【解決手段】キャリアテープ搬送装置は、キャリアテープの搬送方向に直交する断面が縦長であるフレームと、放射状に突出した複数のピンと中央に開口する装着穴を有し、キャリアテープの送り孔に係合させながら回転するスプロケットと、外輪を装着穴に取り付けてスプロケットを回転可能に支持するラジアル軸受と、スプロケットとフレームに挟まれたスラスト軸受と、ラジアル軸受をフレームに向かって押し付けることによりスプロケットをスラスト軸受に付勢する軸固定部と、を備える。ラジアル軸受は、スラスト軸受の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納すると共に所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送するキャリテープ搬送装置であって、
搬送されるキャリアテープを下方から支持して案内する搬送面を有し、キャリアテープの搬送方向に直交する断面が縦長であり、前記搬送方向に沿って縦横に広がった一対の側面を有するフレームと、
放射状に突出した複数のピンと中央に開口する装着穴を有し、前記キャリアテープの送り穴に係合させながら回転して前記キャリアテープを搬送するスプロケットと、
外輪と内輪を有し、前記外輪を前記装着穴に取り付けて前記フレームに対して前記スプロケットを前記キャリアテープの搬送方向に直交する回転軸を中心に回転可能に支持するラジアル軸受と、
前記スプロケットと前記フレームに挟まれたスラスト軸受と、
前記ラジアル軸受を前記フレームに向けて押し付けることにより前記スプロケットを前記スラスト軸受に付勢する軸固定部と、を備え、
前記ラジアル軸受は、前記スラスト軸受の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置されている、
キャリアテープ搬送装置。
【請求項2】
前記スプロケットは、前記装着穴よりもラジアル方向外側に前記スラスト軸受が入り込む環状溝を有する、
請求項1に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項3】
前記フレームは、一方の側面に形成された凹部と前記凹部に囲まれた位置において突出し、前記内輪に挿入される軸部とを有し、前記ラジアル軸受に装着された前記スプロケットを前記凹部に収納する、
請求項2に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項4】
軸固定部は、前記内輪をフレームに向かって押し付ける弾性部材と、前記軸部に設けられた軸穴に挿入されて固定されるとともに前記弾性部材を前記内輪に押し付ける固定部材とを有し、
前記外輪はスラスト方向に前記スプロケットに係合する係合部を有する、
請求項3に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項5】
前記固定部材はネジであり、
前記軸穴の内部にネジ山が切られたネジ部が設けられている、
請求項4に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項6】
前記スプロケットは、回転動力を伝達するギアを有する、
請求項1から5のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項7】
前記スプロケットは、
前記ピンを有する環状のスプロケットホイールと、
前記ラジアル軸受に装着されると共に前記スラスト軸受に付勢されるスプロケットベースとから構成されている、
請求項1から5のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項8】
前記スプロケットベースは、回転動力を伝達するギアを有する、
請求項7に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項9】
所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送してキャリアテープに収納された部品を部品供給位置に供給するテープフィーダであって、
請求項1から5のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置を備え、
前記キャリアテープ搬送装置によって前記キャリアテープを搬送して前記部品供給位置に前記部品を供給する、
テープフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収納したキャリアテープを搬送するキャリアテープ搬送装置及びそれを備えるテープフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャリアテープに収納された部品を搭載ヘッドで取り出して基板に搭載する部品搭載装置部品では、搭載ヘッドによる部品取り出し位置に部品を供給するテープフィーダが知られている。このテープフィーダにはキャリアテープを搬送するキャリアテープ搬送装置が組み込まれている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のキャリアテープ搬送装置は、1つのスプロケットが固定された1つの歯車をスラスト方向に並べられた2つのボールベアリングで軸支することで、キャリアテープを送り出すスプロケットの傾きを低減し、テープ送りと直角方向の送り精度を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、キャリアテープには部品サイズや形状に応じて様々な種類が存在するが、これに対応してテープフィーダも複数種類準備されている。これらのテープフィーダにおいては種類の異なるものとの間で可能な限り部品や構造の共通化を図って製造コストを低減する努力がなされており、キャリアテープ搬送装置も例外ではない。
【0006】
しかしながら従来のキャリアテープ搬送装置では同じ構造で対応できるテープフィーダの種類は限られており、製造コスト削減には限界があった。特に、大型部品用のキャリアテープはエンボス加工によって形成された部品収納部が深くなるため、スラスト方向に並べられた2つのボールベアリングを備えるキャリアテープ搬送装置では、部品収納部と干渉しない大型のスプロケットを用いたテープフィーダを使用せねばならならず、共通化の大きな妨げとなっていた。
【0007】
また、共通化を図るために1個のボールベアリングでスプロケットを軸支してキャリアテープ搬送装置を薄くすれば部品収納部と干渉しない構造も実現できるが、スプロケットが傾きやすくなるためテープ送りと直角方向の送り精度が低下したり、スプロケットの側面が隣接する部材に接触してトルク損失が生じるという問題がある。
【0008】
従って、本開示の目的は、上記従来の課題を解決することにあって、共通化が可能で、薄型であっても高い送り精度を実現できるキャリアテープ搬送装置及びそれを備えたテープフィーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のキャリアテープ搬送装置は、部品を収納すると共に所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送する。キャリテープ搬送装置は、フレームと、スプロケットと、ラジアル軸受と、スラスト軸受と、軸固定部とを備える。フレームは、搬送されるキャリアテープを下方から支持して案内する搬送面を有し、キャリアテープの搬送方向に直交する断面が縦長であり、搬送方向に沿って縦横に広がった一対の側面を有する。スプロケットは、放射状に突出した複数のピンと中央に開口する装着穴を有し、キャリアテープの送り穴に係合させながら回転してキャリアテープを搬送する。ラジアル軸受は、外輪と内輪を有し、外輪を装着穴に取り付けてフレームに対してスプロケットをキャリアテープの搬送方向に直交する回転軸を中心に回転可能に支持する。スラスト軸受は、スプロケットとフレームに挟まれ、軸固定部は、ラジアル軸受をフレームに向かって押し付けることによりスプロケットをスラスト軸受に付勢する。ラジアル軸受は、スラスト軸受の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置されている。
【0010】
本開示のテープフィーダは、所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送してキャリアテープに収納された部品を部品供給位置に供給するテープフィーダである。テープフィーダは、上述したキャリアテープ搬送装置を備え、キャリアテープ搬送装置によってキャリアテープを搬送して部品供給位置に部品を供給する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、共通化が可能で、薄型であっても高い送り精度を実現できるキャリアテープ搬送装置及びそれを備えたテープフィーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施の形態の部品搭載装置の概略図
【
図2】本開示の一実施の形態のテープフィーダの概略図
【
図3】テープフィーダの部品取り出し位置周辺の部分平面図
【
図6】キャリアテープ搬送装置のXZ平面における縦断面図
【
図15】テープフィーダのYZ平面における部分縦断面図
【
図16】変形例におけるテープフィーダのXZ平面における部分縦断面図
【
図17】変形例におけるテープフィーダのXZ平面における部分縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の第1の態様によれば、キャリアテープ搬送装置は、部品を収納すると共に所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送する。キャリテープ搬送装置は、フレームと、スプロケットと、ラジアル軸受と、スラスト軸受と、軸固定部とを備える。フレームは、搬送されるキャリアテープを下方から支持して案内する搬送面を有し、キャリアテープの搬送方向に直交する断面が縦長であり、搬送方向に沿って縦横に広がった一対の側面を有する。スプロケットは、放射状に突出した複数のピンと中央に開口する装着穴を有し、キャリアテープの送り穴に係合させながら回転してキャリアテープを搬送する。ラジアル軸受は、外輪と内輪を有し、外輪を装着穴に取り付けてフレームに対してスプロケットをキャリアテープの搬送方向に直交する回転軸を中心に回転可能に支持する。スラスト軸受は、スプロケットとフレームに挟まれ、軸固定部は、ラジアル軸受をフレームに向かって押し付けることによりスプロケットをスラスト軸受に付勢する。ラジアル軸受は、スラスト軸受の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置されている。
【0014】
第1の態様のキャリアテープ搬送装置によれば、ラジアル方向の摩擦を低減するラジアル軸受と、スラスト方向の摩擦を低減するスラスト軸受と、それぞれ、摩擦の方向ごとに異なる軸受が配置されている。これにより、キャリアテープの高い送り精度を実現することができる。また、スプロケットの装着穴にラジアル軸受の外輪が取り付けられ、ラジアル軸受は、スラスト軸受の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置されているので、キャリアテープ搬送装置のスラスト方向の幅を小さくすることができ薄型化することができる。また、薄型化されたキャリアテープ搬送装置は、ボスの深いキャリアテープを搬送することが可能となるので、大型部品用のキャリアテープのテープフィーダにも、小型部品用のキャリアテープのテープフィーダにも共通化することができる。
【0015】
本開示の第2の態様によれば、スプロケットは、装着穴よりもラジアル方向外側にスラスト軸受が入り込む環状溝を有する、第1態様に記載のキャリアテープ搬送装置を提供する。環状溝にスラストベアリングを配置するので、キャリアテープ搬送装置のスラスト方向の幅をより小さくすることができる。
【0016】
本開示の第3の態様によれば、フレームは、一方の側面に形成された凹部と凹部に囲まれた位置において突出し、内輪に挿入される軸部とを有し、ラジアル軸受に装着されたスプロケットを凹部に収納する、第1態様または第2態様に記載のキャリアテープ搬送装置を提供する。内輪に挿入される軸部がスプロケットを収納する凹部に囲まれた位置において突出しているので、キャリアテープ搬送装置のスラスト方向の幅をより小さくすることができる。
【0017】
本開示の第4の態様によれば、軸固定部は、内輪をフレームに向けて押し付ける弾性部材と、軸部に設けられた軸穴に挿入されて固定されるとともに弾性部材を内輪に押し付ける固定部材とを有し、外輪はスラスト方向にスプロケットに係合する係合部を有する、第3態様に記載のキャリアテープ搬送装置を提供する。これにより、薄型のキャリアテープ搬送装置においても、簡易な構造でスプロケットをスラスト軸受に付勢することができるので、スラスト方向のがたつきを抑制することができ、より高い送り精度を実現することができる。
【0018】
本開示の第5の態様によれば、固定部材はネジであり、軸穴の内部にネジ山が切られたネジ部が設けられている、第4態様に記載のキャリアテープ搬送装置を提供する。これにより、固定部材によって弾性部材をフレームの軸部に直接固定することができるので、キャリアテープ搬送装置のスラスト方向の幅をより小さくすることができる。
【0019】
本開示の第6の態様によれば、スプロケットは、回転動力を伝達するギアを有する、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置を提供する。キャリアテープを搬送するスプロケットに、回転動力を伝達するギアが一体化されているので、キャリアテープ搬送装置のスラスト方向の幅をより小さくすることができる。
【0020】
本開示の第7の態様によれば、スプロケットは、ピンを有する環状のスプロケットホイールと、ラジアル軸受に装着されると共にスラスト軸受に付勢されるスプロケットベースとから構成されている、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置を提供する。
【0021】
本開示の第8の態様によれば、スプロケットは、回転動力を伝達するギアを有する、第1態様から第7態様のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置を提供する。
【0022】
本開示の第9の態様によれば、所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送してキャリアテープに収納された部品を部品供給位置に供給するテープフィーダであって、第1態様から第8態様のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置を備え、キャリアテープ搬送装置によってキャリアテープを搬送して部品供給位置に部品を供給する、テープフィーダを提供する。薄型化されたキャリアテープ搬送装置を備えるので、テープフィーダの薄型化も実現することができる。
【0023】
以下、本開示に係る部品搭載装置の例示的な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0024】
(実施の形態)
本開示の実施の形態の部品搭載装置1の構成を、
図1を参照して説明する。
図1は、部品搭載装置1の概略図である。
図1では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(
図1における紙面垂直方向)、基板搬送方向に直交するY方向(
図1における左右方向)が示される。また、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(
図1における上下方向及び縦方向)が示される。また、ラジアル方向とは回転軸の径方向を示し、スラスト方向とは回転軸の軸方向を示す。
【0025】
部品搭載装置1は、基板に部品を搭載した実装基板を製造する。基台1aの上面に設けられた基板搬送機構2は、基板3をX方向に搬送して位置決めして保持する。基板搬送機構2の上方には、ヘッド移動機構(図示省略)によって水平方向(X方向、Y方向)に移動する搭載ヘッド4が設置されている。基板搬送機構2の側方において基台1aに結合された台車5の上部には、複数のテープフィーダ6がX方向に並んで取り付けられている。テープフィーダ6は、部品搭載装置1に部品を供給する部品供給装置である。
【0026】
台車5の前方側であってテープフィーダ6の下方には、部品搭載装置1に供給される部品を収納するキャリアテープ7が巻回されたリール8を回転可能に支持するリール保持部9が設置されている。テープフィーダ6は、リール8に収納されているキャリアテープ7をテープ送り方向に搬送して搭載ヘッド4による部品取り出し位置(部品供給位置)P1に部品を供給する。
【0027】
部品搭載装置1は、基板搬送機構2、搭載ヘッド4、ヘッド移動機構を制御する搭載制御部10を備えている。搭載制御部10は、テープフィーダ6のユニット制御部17に部品の供給指令を送信し、搭載ヘッド4、ヘッド移動機構を制御して、搭載ヘッド4によってテープフィーダ6が部品取り出し位置に供給する部品を取り出し、基板搬送機構2に保持させた基板3の装着点に移送搭載する部品装着作業を実行させる。このように、テープフィーダ6は、キャリアテープ7に収納された部品を部品搭載装置1に供給するテープフィーダである。キャリアテープ7に収納された部品は、例えば、チップ型の電子部品である。基台1aと台車5の上方には、作業者が作業中の搭載ヘッド4などの可動機構に触れないようにカバーする開閉自在の本体カバー11が設置されている。
【0028】
搭載制御部10は、記憶部を備える。搭載制御部10は、例えば、プロセッサまたはFPGA等の回路とメモリまたはSSD等で構成される。
【0029】
図1において、台車5の下部には、搭載ヘッド4によって部品が取り出されてテープフィーダ6の後方から排出される空のキャリアテープ7を回収する回収箱12が設置されている。台車5の後方側には、テープフィーダ6から排出された空のキャリアテープ7を回収箱12まで案内する排出シュート13が設置されている。排出シュート13には、空のキャリアテープ7を所定の長さで切断する切断部14が設置されている。テープフィーダ6から排出された空のキャリアテープ7は、切断部14によって切断されて回収箱12に回収される。
【0030】
《テープフィーダ》
次に、
図2~
図4を参照してテープフィーダ6の構成を説明する。
図2は、実施の形態のテープフィーダ6の概略図である。
図3は、テープフィーダ6の部品取り出し位置P1周辺の部分平面図である。
図4は、
図2の矢視Vの概略断面を示す説明図である。
【0031】
テープフィーダ6は、本体部60の内部に、テープ搬送路20と、露出部80と、キャリアテープ搬送装置21を備える、テープ搬送路20は、キャリアテープ7が投入される挿入口20aと、キャリアテープ7が排出される排出口20bを備える。テープフィーダ6の本体部60は、基部61、主フレーム62、及び、副フレーム63等の複数の部材で構成されている。基部61は台車5に固定される部分であり、その上に主フレーム62と副フレーム63が平行に固定されている。主フレーム62と副フレーム63はY方向から見た断面(
図4参照)が縦長の板状部材であり、主フレーム62と副フレーム63に挟まれた空間にテープ搬送路20が形成されている。主フレーム62は、キャリアテープ7をテープ搬送路20に沿って搬送するキャリアテープ搬送装置21を構成するフレームであり、複数の第1~第3スプロケット26、40、30とこれらの駆動するためのモータ25が組付けられている。
【0032】
テープ搬送路20は、挿入口20aからテープ搬送路20内に挿入されたキャリアテープ7を部品取り出し位置P1へ案内し、さらに、排出口20bへ導く。露出部80は、キャリアテープ7(
図14参照)のトップテープ7bをキャリアテープ7から剥離してキャリアテープ7に梱包され部品16を露出させる。本実施の形態の露出部80はトップテープ7bをキャリアテープ7から剥離する方式を採用しているが、カッター等でトップテープ7bを切り開く等して部品16を露出させるものでもよい。
【0033】
挿入口20aは、テープ搬送路20におけるテープ送り方向の上流側(
図2の左側)に開口している。排出口20bは、テープ送り方向の下流側(
図2の右側)に開口している。テープ搬送路20は、挿入口20aから排出口20bまで連通している。テープ搬送路20は、第2スプロケット40から第3スプロケット30の区間が上方に開放された開放区間となっている。本体部60には、この開放区間の上方を覆うテープカバー90が装着されている。
図3に示すようにテープカバー90は主フレーム62の上部と副フレーム63の上部に跨るように配置されており、部品取り出し位置P1に対応する位置には部品取り出し口90aが形成されている。主フレーム62の上部外側面上に、テープカバー90が装着されるカバー装着部62kを有する。カバー装着部62kは、例えば、凹部や段差形状である。
【0034】
また、この開放区間内に、第2スプロケット40のピン28aが露出するための開口622が主フレーム62に設けられている(
図7参照)。開口622から露出したピン28aがキャリアテープ7の送り穴7dに係合し、第2スプロケット40の回転と共にキャリアテープ7が位置決めされる。第2スプロケット40によってキャリアテープ7がテープカバー90の下方の搬送面53に沿って走行し、キャリアテープ7のポケット7cに収容された部品16が部品取り出し位置P1へ搬送される。
【0035】
搭載ヘッド4は部品取り出し口90aよりキャリアテープ7に収納された部品16を取り出す。テープカバー90には、第2スプロケット40や第3スプロケット30との干渉を回避するための逃げ穴90b、90cが形成されている。
【0036】
《キャリアテープ》
次に、
図14を参照して、キャリアテープ7を詳細に説明する。
図14は、キャリアテープ7の概略斜視図である。
【0037】
キャリアテープ7は、ベーステープ7aとトップテープ7bとを有する。ベーステープ7aにはエンボス加工によって長手方向に一列かつ等間隔で収納部7eが形成されている。この収納部7eの内側に、上方に開口したポケット7cが形成されており、各ポケット7cに部品16が収納されている。トップテープ7bはベーステープ7aの上面に貼り付けられており、ポケット7c内に部品16を封入している。ベーステープ7aのポケット7cの列と平行に並ぶ位置に、複数の送り穴7dが一列かつ等間隔のピッチPt1で並んで設けられている。部品16を収納するポケット7cの深さHbは、収納する部品の寸法に応じたサイズとなっている。また、キャリアテープ7の幅Waも部品の寸法に応じて適したサイズが選択される。
【0038】
《キャリアテープ搬送装置》
次に、
図5を参照してキャリアテープ搬送装置21を説明する。
図5はキャリアテープ搬送装置21のYZ平面図である。
【0039】
キャリアテープ搬送装置21は、テープ搬送路20における下流側において、キャリアテープ7を部品取り出し位置P1に搬送する。キャリアテープ搬送装置21は、主フレーム62と、少なくとも1個のスプロケットと、モータ25と、モータ25の動力をスプロケットに伝達して回転させる複数の駆動ギアを備える。本実施形態のキャリアテープ搬送装置21は、第1スプロケット26、第2スプロケット40、第3スプロケット30の3個のスプロケットを備えている。
【0040】
第1スプロケット26は、主フレーム62に対してX方向に平行な水平な回転軸を中心に回転可能な状態で装着されている。第1スプロケット26は、駆動ギアとして機能する第1ギア27に同軸に固定されている。第2スプロケット40は、主フレーム62に対してX方向に平行な水平な回転軸J(
図6参照)を中心に回転可能な状態で装着されている。第3スプロケット30は、主フレーム62に対してX方向に平行な水平な回転軸を中心に回転可能な状態で装着されている。第3スプロケット30は、駆動ギアとして機能する第3ギア31に同軸に固定されている。キャリアテープ搬送装置21は、さらに、モータ25の駆動力を伝達する複数の駆動ギアを備える。
【0041】
モータ25の出力ギア25aが、第4ギア35と係合し、この第4ギア35と第5ギア32が係合する。第5ギア32は、第6ギア33に係合する。第6ギア33は、第1ギア27、及び第2ギア29に係合する。
【0042】
第2ギア29は第7ギア34に係合し、第7ギア34は第3ギア31に係合する。したがって、モータ25の回転駆動力が、出力ギア25a、第4ギア35、第5ギア32、第6ギア33、及び第1ギア27を介して第1スプロケット26へ伝えられる。また、モータ25の回転駆動力は、第6ギア33から第2ギア29を介して第2スプロケット40へ伝えられ、さらに、第2ギア29から、第7ギア34及び第3ギア31を介して第3スプロケット30へ伝えられる。これにより、1個のモータ25によって第1スプロケット26、第2スプロケット40、第3スプロケット30を駆動する。
【0043】
次に、
図4から
図9を参照して、キャリアテープ搬送装置21の主フレーム62を説明する。
図6は、キャリアテープ搬送装置21のXZ平面における縦断面図である。
図7は、キャリアテープ搬送装置21の部分拡大斜視図である。
図8は、キャリアテープ搬送装置21の分解断面図である。
図9は、主フレーム62の部分縦断面図である。
【0044】
図6及び
図9に示すように、主フレーム62は、テープ搬送路20によるキャリアテープ7の搬送方向に沿って縦横(YZ平面と平行)に広がった、側面としての第1面62Lと第2面62Rを有する。主フレーム62は、第1面62Lと第2面62Rに挟まれた厚み寸法Tが小さい板状部材である。このため、キャリアテープ7の搬送方向に直交する主フレーム62の断面(XZ断面)は縦長になっている。
【0045】
主フレーム62は、上部に、テープ搬送路20に沿ってキャリアテープ7を案内するための平坦な搬送面62gが形成されている。主フレーム62の第2面62Rには、スプロケットや駆動ギアの配置空間となる凹部が形成されている。本実施の形態の主フレーム62は第1凹部62a、第2凹部62b、第3凹部62cが形成されている。スラスト方向において、第1凹部62aの中に第2凹部62bが配置され、第2凹部62bの中に第3凹部62cが配置される。
【0046】
スラスト方向において、第2面62Rからの第3凹部62cの深さD3は、第2面62Rからの第2凹部62bの深さD2よりも大きく、第2凹部62bの深さD2は、第2面62Rからの第1凹部62aの深さD1よりも大きい。また、ラジアル方向において、第2凹部62bの長さは、第3凹部62cの長さよりも大きく、第1凹部62aの長さは、第2凹部62bの長さよりも大きい。
【0047】
第1凹部62aは第1スプロケット26、第2スプロケット40、第3スプロケット30を収納する目的で形成された凹部である。第2凹部62bは駆動ギアを収納する目的で形成された凹部である。第3凹部62cは後述する軸受板49を装着するための凹部である。このように、主フレーム62に形成されたそれぞれの凹部は、主要部品であるスプロケットや駆動ギアを主フレーム62の厚さT内に収納する。特に、第2スプロケット40に含まれる、ラジアル軸受43やスラスト軸受45も主フレーム62に形成されたそれぞれの凹部に収納される。これにより、ラジアル軸受43はスラスト軸受45の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置することができるので、キャリアテープ搬送装置21の薄型化に寄与する。
【0048】
第1凹部62a、第2凹部62b、及び第3凹部62cは、それぞれ、第2面62Rから第1面62Lに向けて、段状に連続して形成されている。第3凹部62cの中心において、第1面62Lから第2面62Rに向けて突出する軸部62dが形成されている。軸部62dは、第3凹部62cから第2凹部62bの中心部を通り第1凹部62a内にまで突出している。軸部62dは、円筒状の形状であり、内部に中空の軸穴62eと、軸穴62e内に形成されたネジ部62fとを有する。
【0049】
軸部62dの中心軸は、第2スプロケット40の回転軸Jと同一であり、第2スプロケット40は、軸部62dの周りを回転する。軸穴62eに後で説明する軸固定部50のネジ42が螺合される。ネジ42は、天面側にラジアル方向に延びるフランジ42aを有する(
図8参照)。このように、軸部62dが主フレーム62の一部であるので、テープフィーダ6のスラスト方向の外形幅をより小さくすることができる。
【0050】
図5に戻って、搬送面62gには、第1凹部62aに連通する複数の開口621、622、623が形成されている。開口621では、第1スプロケット26のピン26aが搬送面62gよりも突出する。さらにその下流の開口622では、第2スプロケット40のピン28aが搬送面62gよりも突出する(
図7参照)。さらにその下流の開口623では、第3スプロケット30のピン30aが搬送面62gよりも突出する(
図5参照)。これらのピン26a、28a、30aは搬送面62gに位置するキャリアテープ7の送り穴7dに挿入される。従って、第1~第3スプロケット26、40、30が回転するとキャリアテープ7はピン26a、28a、30aに送り出され、搬送面62gに沿って移動する。第1~第3スプロケット26、40、30の下方に、各スプロケットのピンの間に入り込んだ異物を異物排出穴62h及び異物排出口62mへガイドする異物受け部59が配置されている。
【0051】
次に、
図6、8、10を参照してキャリアテープ搬送装置21を詳細に説明する。キャリアテープ搬送装置21は、さらに、ラジアル軸受43と、スラスト軸受45と、軸固定部50を備える。
【0052】
ラジアル軸受43は、第2スプロケット40と軸部62dとのラジアル方向の摩擦を低減する。ラジアル軸受43は、主フレーム62の軸部62dと第2スプロケット40のスプロケットベース19との間に配置されている。ラジアル軸受43は、内輪43aと、転動体43bと、外輪43cと、フランジ43dとを有する(
図11参照)。
【0053】
図13に示すように、内輪43aの内周面は軸部62dの外周面と接触し、外輪43cの外周面はスプロケットベース19の装着穴19aと接触する。外輪43cは第2スプロケット40と共に回転し、転動体43bが外輪43cと軸部62dに固定された内輪43aとの摩擦を低減する。
【0054】
フランジ43dは、ラジアル軸受43の外輪43cのスラスト方向の内側部分からラジアル方向外側に突出している。フランジ43dは、スプロケットベース19の内側フランジ19bと係合する。
【0055】
図10に示すように、第2スプロケット40は、スプロケットホイール28とスプロケットベース19とを有する。スプロケットベース19は、装着穴19aと、内側フランジ19bと、環状溝19cと、ネジ穴19dと、外側フランジ19eと、第2ギア29と、を有する。内側フランジ19bは、スプロケットベース19のラジアル方向の内側に形成されている。内側フランジ19bは、フランジ面19baと、フランジ面19baの反対側の底面19bbとを有する。
【0056】
装着穴19aは、スプロケットホイール28の中心穴28bと中心軸が一致する。装着穴19aにラジアル軸受43の外輪43cが取り付けられる。
【0057】
スプロケットベース19の環状溝19cは、内側フランジ19bからスラスト方向の内側に延び、さらにラジアル方向の外側に延び、さらにスラスト方向の外側に延びてラジアル方向の外側に延びる。したがって、環状溝19cは、スラスト方向の外側に向けて開口し、環状に凹んでいる。
【0058】
スプロケットベース19の環状の環状溝19cの内部にスラスト軸受45が配置されている。スラスト軸受45は、第2スプロケット40と主フレーム62とのスラスト方向の摩擦を低減する。スラスト軸受45は、環状のリテーナ45aと、リテーナ45aの中に回転可能に保持されたベアリング45bとを有する(
図12参照)。
【0059】
図10に戻って、外側フランジ19eにネジ穴19dが形成されている。外側フランジ19eのラジアル方向外側に第2ギア29が形成されている。したがって、ネジ穴19dは、環状溝19cと第2ギア29との間に形成されている。
【0060】
スプロケットホイール28は、ピン28aと、中心穴28bと、貫通穴28cとを有する。ピン28aは、キャリアテープ7の送り穴7hに係合している間、キャリアテープ7を第2スプロケット40の回転方向に搬送する。スプロケットホイール28の中心部に中心穴28bが形成され、中心穴28bに環状溝19cを囲むスプロケットベース19の外側と外側フランジ19eとが嵌合される。
【0061】
スプロケットホイール28は、スプロケットベース19の環状溝19cと第2ギア29との間でスプロケットベース19に固定されている。スプロケットホイール28に形成された貫通穴28cとスプロケットベース19のネジ穴19dとが合わされてネジ47で留められることで、スプロケットベース19とスプロケットホイール28とが固定される。これにより、第2ギア29とスプロケットホイール28とが一体化して共に回転することができる。
【0062】
図6、8及び13に示すように、キャリアテープ搬送装置21は、環状の軸受板49をさらに備える。軸受板49はスラスト軸受45と主フレーム62との間に配置される。軸受板49は、ベアリング45bからスラスト方向の外側への荷重を支持する部材である。軸受板49は、例えば、金属製の板金である。主フレーム62の強度がこの荷重に充分耐えられる場合は、主フレーム62を軸受板49として用いてもよい。
【0063】
図8及び13に示すように、軸固定部50のネジ42のフランジ42aとラジアル軸受43との間に弾性部材51が配置されている。弾性部材51は、例えば、皿バネである。ネジ42が軸穴62eに締められることで、弾性部材51がラジアル軸受43の内輪43aをラジアル方向外側に押しつける。これにより、ラジアル軸受43のフランジ43dが第2ギア29の内側フランジ19bを押しつけるので、スプロケットベース19がスラスト軸受45のベアリング45bをラジアル方向外側に押し付ける。これにより、第2スプロケット40のラジアル方向のふらつきを低減することができる。
【0064】
次に、
図15を参照して、ピン28a間に落ちた異物93の回収について説明する。
図15は、テープフィーダ6のYZ平面における部分拡大縦断面図である。異物93は、例えば、塵や、テープフィーダ6の交換作業中にキャリアテープ7から飛散した部品16などである。
【0065】
主フレーム62の内部において、第2スプロケット40は、ピン28aの先端を異物受け部59に囲まれている。異物受け部59は、主フレーム62と内カバー38との間に配置されている。第2スプロケット40の下方において、第2スプロケット40の回転と共に主フレーム62内に入った異物93をポケット59aへ案内する第1異物ガイド部59bが設けられている。第1異物ガイド部59bは、異物受け部59の上面の一部であり、第2スプロケット40のそれぞれのピン28aの先端を結ぶ円に沿って形成されている。
【0066】
ポケット59aは、第1異物ガイド部59bから下方に凹んだ凹部であり、主フレーム62に形成された、外部と連通する異物排出穴62hと接続されている。ピン28a間に落ちた異物93は第2スプロケット40と共に回転し、ポケット59aに集められる。作業者は、異物排出穴62hを通じてポケット59aに集められた異物93を回収することができる。
【0067】
第3スプロケット30の下方には、異物受け部59によって第2異物ガイド部59cが形成されている。第2異物ガイド部59cは、第3スプロケット30の回転と共に主フレーム62内に落ちた異物93を異物排出口62mへ案内する。第2異物ガイド部59cは、異物受け部59の上面の一部であり、下方に傾斜している。第3スプロケット30から第2異物ガイド部59cに落ちた異物93は、自重によって第2異物ガイド部59cに沿って移動し、異物排出口62mから主フレーム62の外部へ放出される。
【0068】
次に、
図16を参照して、キャリアテープ搬送装置21の共有化について説明する。
図16は、別の種類のテープフィーダ6Aの断面を示す説明図である。テープフィーダ6Aは、ポケット7Aaの深さHbが長いキャリアテープ7Aを搬送する専用のテープフィーダである。ポケット7Aaの深さHbは、搬送面53から第2スプロケット40の回転軸Jまでの距離Rsよりも長い。
【0069】
キャリアテープ搬送装置21のスラスト方向の幅が小さいので、このようにポケット7Aaの深さHbが長いキャリアテープ7Aを搬送するテープフィーダ6Aにおいてもキャリアテープ搬送装置21を用いることができ、異なる種類のテープフィーダにおいても部品の共有化を促進することができる。
【0070】
また、
図17に示すように、キャリアテープ7Bのポケット7Baの深さが長く、ポケット7Baに収容される部品の重量が重い場合、テープフィーダ6Bは2つのキャリアテープ搬送装置21を備え、2つのキャリアテープ搬送装置21でキャリアテープ7Bを搬送する。このようなテープフィーダ6Bにおいて、2つの第2スプロケット40が主フレーム62及び副フレーム63にそれぞれ線対称に配置される。モータ25の動力が動力伝達軸70を介して副フレーム63に配置された第2スプロケット40に伝えられる。このように、重量の重い部品を収容するキャリアテープ7Bを搬送する専用のテープフィーダにおいてもキャリアテープ搬送装置21を用いることができ、異なる種類のテープフィーダにおいても部品の共有化を促進することができる。
【0071】
本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21は、部品16を収納すると共に所定のピッチで送り穴7dが設けられたキャリアテープ7を搬送する。キャリアテープ搬送装置21は、主フレーム62と、第2スプロケット40と、ラジアル軸受43と、スラスト軸受45と、軸固定部50とを備える。主フレーム62は、搬送されるキャリアテープ7を下方から支持して案内する搬送面62gを有し、キャリアテープ7の搬送方向に直交する断面が縦長であり、搬送方向に沿って縦横に広がった一対の第1面62L及び第2面62Rを有する。第2スプロケット40は、放射状に突出した複数のピン28aと中央に開口する装着穴19aを有し、キャリアテープ7の送り穴7dに係合させながら回転してキャリアテープ7を搬送する。ラジアル軸受43は、外輪43cと内輪43aを有し、外輪43cを装着穴19aに取り付けて主フレーム62に対して第2スプロケット40をキャリアテープ7の搬送方向に直交する回転軸Jを中心に回転可能に支持する。スラスト軸受45は、第2スプロケット40と主フレーム62に挟まれ、軸固定部50は、ラジアル軸受43を主フレーム62に向かって押し付けることにより第2スプロケット40をスラスト軸受45に付勢する。ラジアル軸受43は、スラスト軸受45の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置されている。
【0072】
ラジアル方向の摩擦を低減するラジアル軸受43とスラスト方向の摩擦を低減するスラスト軸受45と、それぞれ、摩擦の方向ごとに異なる軸受が配置されている。これにより、キャリアテープ7の高い送り精度を実現するとともにトルク損失を低減することができる。また、第2スプロケット40の装着穴19aにラジアル軸受43の外輪43cが取り付けられ、ラジアル軸受43は、スラスト軸受45の少なくとも一部とラジアル方向において重なる位置に配置されているので、キャリアテープ搬送装置21のスラスト方向の幅を小さくすることができ薄型化することができる。また、薄型化されたキャリアテープ搬送装置21は、ポケット7cの深いキャリアテープ7を搬送することが可能となるので、大型部品用のキャリアテープのテープフィーダにも、小型部品用のキャリアテープのテープフィーダにも共通化することができる。
【0073】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、ラジアル軸受43とスラスト軸受45はラジアル方向において重なる位置に配置されている。これにより、ラジアル軸受43とスラスト軸受45とが収容されている主フレーム62の幅を小さくすることができ、この結果、テープフィーダ6を小型化することができる。
【0074】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、第2スプロケット40は、主フレーム62に対向する第1面19Lのラジアル軸受43よりもラジアル方向外側に離れた位置に、スラスト軸受45が入り込む環状溝19cを有する。
【0075】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、主フレーム62は、一方の側面である第2面62Rに形成された第1凹部62a及び第2凹部62bと、第1凹部62a及び第2凹部62bに囲まれた位置において突出し、ラジアル軸受43の内輪43aに挿入される軸部62dとを有する。ラジアル軸受43に装着された第2スプロケット40を第1凹部62a及び第2凹部62bに収納する、
【0076】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、軸固定部50は、ラジアル軸受43の内輪43aを主フレーム62に向かって押し付ける弾性部材51と、軸部62dに設けた軸穴62eに挿入されて固定されるとともに弾性部材51を内輪43aに押し付けるネジ42とを有する。ラジアル軸受43の外輪にはスラスト方向に第2スプロケット40に係合するフランジ43dを設けている。
【0077】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、第2スプロケット40は、回転動力を伝達する第2ギア29を有する。回転動力を伝達するギアとキャリアテープ7を搬送するスプロケットとが一体になっているので、キャリアテープ搬送装置21を小型化することができる。
【0078】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、第2スプロケット40は、ピン28aを有する環状のスプロケットホイール28と、ラジアル軸受43に装着されると共にスラスト軸受45に付勢されるスプロケットベース19から構成されている。
【0079】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、スプロケットベース19は、回転動力を伝達する第2ギア29を有する。このように、スプロケットベース19と第2ギア29とが一体となっている。
【0080】
また、本実施の形態のテープフィーダ6は、所定のピッチPt1で送り穴7dが設けられたキャリアテープ7を搬送してキャリアテープ7に収納された部品16を部品供給位置P1に供給する。テープフィーダ6は、上述したキャリアテープ搬送装置21を備え、キャリアテープ搬送装置21によってキャリアテープ7を搬送して部品供給位置P1に部品16を供給する。
【0081】
テープフィーダ6はキャリアテープ搬送装置21を備えることで、同様に、薄型であっても高い送り精度を実現することができる。
【0082】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0083】
上記実施の形態において、第2スプロケット40において、ラジアル軸受43がスラスト軸受45の少なくとも一部とラジアル方向において重なる構成として説明したがこれに限られない。第1スプロケット26においても、ラジアル軸受43がスラスト軸受45の少なくとも一部とラジアル方向において重なる構成であってもよい。
【0084】
なお、上述した様々な実施の形態および変形例のうちの任意の実施の形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示に係るキャリアテープ搬送装置は、部品を収納したキャリアテープを部品供給位置に向けて搬送するキャリアテープ搬送装置及びそれを備えたテープフィーダに適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 部品搭載装置
1a 基台
2 基板搬送機構
3 基板
4 搭載ヘッド
5 台車
6 テープフィーダ
7、7A キャリアテープ
7a ベーステープ
7b トップテープ
7c、7Aa ポケット
7d 送り穴
7e 収納部
8 リール
9 リール保持部
10 搭載制御部
11 本体カバー
12 回収箱
13 排出シュート
14 切断部
15 リーダ装置
16 部品
17 制御部
19 スプロケットベース
19a 装着穴
19b 内側フランジ
19ba フランジ面
19bb 底面
19c 環状溝
19d ネジ穴
19e 外側フランジ
19L 第1面
19R 第2面
20 テープ搬送路
20a 挿入口
20b 排出口
21 キャリアテープ搬送装置
25 モータ
26 第1スプロケット
26a ピン
27 第1ギア
28 スプロケットホイール
28a ピン
28b 中心穴
28c 貫通穴
28e 座部
28L 第1面
28R 第2面
29 第2ギア
30 第3スプロケット
30a ピン
31 第3ギア
35 第4ギア
32 第5ギア
33 第6ギア
34 第7ギア
38 内カバー
40 第2スプロケット
42 ネジ
42a フランジ
43 ラジアル軸受
43a 内輪
43b 転動体
43c 外輪
43d フランジ
45 スラスト軸受
45a リテーナ
45b ベアリング
47 ネジ 軸固定ネジ
49 軸受板
50 軸固定部
51 弾性部材
53 搬送面
59 異物受け部
59a ポケット
59b 第1異物ガイド部
59c 第2異物ガイド部
60 本体部
61 基部
62 主フレーム
62a 第1凹部
62b 第2凹部
62c 第3凹部
62d 軸部
62e 軸穴
62f ネジ部
62g 搬送面
62h 異物排出穴
62k カバー装着部
62m 異物排出口
62L 第1面
62R 第2面
63 副フレーム
70 動力伝達軸
80 露出部
90 テープカバー
90a 部品取り出し口
90b、90c 逃げ穴
93 異物
621、622、623 開口
D1、D2、D3 深さ
Hb 深さ
J 回転軸
P1 部品取り出し位置
Rs 距離