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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162718
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20231101BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20231101BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231101BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V29/74
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073284
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕也
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 信行
(57)【要約】
【課題】照明器具の放熱性能を高める。
【解決手段】本実施形態に係る照明器具は、光源ユニット1と、複数の放熱フィン31と、光源ユニット1が上面に取り付けられ、複数の放熱フィン31が下面に取り付けられた底板42とを備える。複数の放熱フィン31は、グループ3aに含まれる複数の放熱フィン31aと、グループ3bに含まれる複数の放熱フィン31bとを含む。平面視において、放熱フィン31aの延伸方向である第1方向は、放熱フィン31bの延伸方向である第2方向と交差するように配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源ユニットと、
複数の放熱フィンと、
前記光源ユニットが上面に取り付けられ、前記複数の放熱フィンが下面に取り付けられた取付板とを備え、
前記複数の放熱フィンは、第1グループに含まれる複数の第1放熱フィンと、第2グループに含まれる複数の第2放熱フィンとを含み、
平面視において、前記第1放熱フィンの延伸方向である第1方向は、前記第2放熱フィンの延伸方向である第2方向と交差するように配置されている、照明器具。
【請求項2】
平面視において、前記第1方向と前記第2方向とは、直交している、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記放熱フィンは、1枚の板状材を折り曲げることにより作成される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記複数の第1放熱フィンは、平面視において、前記第1方向における長さが同じである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記複数の第2放熱フィンは、平面視において、前記第2方向における長さが同じである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項6】
前記取付板は、矩形状に形成されており、
前記第1方向は、前記取付板の一辺と平行である、請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第2方向は、前記取付板の前記一辺と直交する、請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記放熱フィンは、複数の固定部により、前記取付板に取り付けられている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記複数の放熱フィンは、第3グループに含まれる複数の第3放熱フィンと、第4グループに含まれる複数の第4放熱フィンとをさらに含み、
平面視において、前記第3放熱フィンの延伸方向である第3方向は、前記第4放熱フィンの延伸方向である第4方向と交差するように配置されており、
前記第1および第3放熱フィンは、前記取付板の中央部に対して対向するように配置されており、
前記第2および第4放熱フィンは、前記取付板の中央部に対して対向するように配置されている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項10】
前記放熱フィンは、放熱板を有し、
前記放熱板は、前記取付板に対して傾斜を有するように配置されている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項11】
前記放熱フィンは、対向するように配置された2つの放熱板を有し、
前記2つの放熱板は、互いに平行となるように配置される、請求項1に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、体育館やホールなどの天井の高い建物に設置され、照明空間を上方から照明する、いわゆる高天井用の照明器具が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ベースの下面側にはLEDが取り付けられており、ベースの上面側にはLEDが発光する際に発生する熱を放熱するための複数のフィンが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-190386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、取付板(ベース)に対して、複数の放熱フィン(フィン)が、放射状に取り付けられている。このため、取付板の中央部に放熱フィンを配置しようとすると、隣接する放熱板(第1フィンおよび第2フィン)同士の間隔が狭くなるため、取付板の中央部付近に放熱フィンを配置することが困難である。一般的に、取付板の中央部にLEDなどの光源ユニットが配置されることが多いため、取付板の中央部付近に放熱フィンができなければ、照明器具の放熱性能が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は、放熱性能を高めた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示の一実施形態に係る照明器具は、光源ユニットと、複数の放熱フィンと、前記光源ユニットが上面に取り付けられ、前記複数の放熱フィンが下面に取り付けられた取付板とを備え、前記複数の放熱フィンは、第1グループに含まれる複数の第1放熱フィンと、第2グループに含まれる複数の第2放熱フィンとを含み、平面視において、前記第1放熱フィンの延伸方向である第1方向は、前記第2放熱フィンの延伸方向である第2方向と交差するように配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、照明器具の放熱性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る照明器具を上方から見た斜視図。
図2】本実施形態に係る照明器具を下方から見た斜視図。
図3】本実施形態に係る放熱部を上方から見た平面図。
図4】本実施形態に係る放熱フィンを示す斜視図。
図5】本実施形態に係る底板の温度分布図。
図6】本実施形態に係る放熱部の他の例を上方から見た平面図。
図7】本実施形態に係る放熱部の他の例を上方から見た平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0011】
本実施形態に係る照明器具は、いわゆる高天井用の照明器具であることを例にして説明する。なお、本実施形態の照明器具は、高天井用の照明器具に限定されず、例えば、道路灯又は街路灯などの照明器具でもよい。
【0012】
また、以下の説明において、照明器具の上下、左右、前後の方向を、図1に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る照明器具は、光源ユニット1と、電源ユニット2と、放熱部3と、保持部4と、アーム6とを備えている。
【0014】
電源ユニット2は、光源ユニット1に給電する。
【0015】
放熱部3は、光源ユニット1の放熱をそれぞれ行う。
【0016】
保持部4は、光源ユニット1を保持する。保持部4は、天板41と、底板42(取付板)と、一対の第1支持部43と、一対の第2支持部44とを有する。底板42には、光源ユニット1が下面に取り付けられている。一対の第1支持部43および一対の第2支持部44は、底板42の上面を、天板41の下面に対向させた状態で、天板41および底板42を支持する。
【0017】
電源ユニット2は、天板41の上面に取り付けられる。放熱部3は、底板42の上面に取り付けられる。
【0018】
(光源ユニット)
図2に示すように、光源ユニット1は、光源に相当するLED(Light Emitting Diode)モジュールと、カバー10と、パッキン11とを有する。
【0019】
LEDモジュールは、例えば、複数個のLEDと、実装基板12とを有する。各LEDは、例えば、従来周知であるパッケージ型の白色LEDなどである。実装基板12は、矩形平板状の樹脂基板で構成されている。実装基板12は、底板42の下面に、例えば、ねじ止めにより固定されている。
【0020】
複数個のLEDは、実装基板12の下面に、縦横に並べて実装される。また、実装基板12の下面にレセプタクルコネクタが実装される。レセプタクルコネクタは、実装基板12の下面に形成される配線用の導体を介して、各LEDの電極(カソード及びアノード)と電気的に接続される。
【0021】
カバー10は、LEDモジュールを覆い隠すように保持部4に取り付けられる。カバー10は、ポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により形成されている。
【0022】
カバー10は、本体部101と、フランジ部102とを有する。本体部101は、上面に開口(図示省略)を有した扁平な矩形の箱状に形成されている。フランジ部102は、本体部101の上記開口の周縁から外方に突出するように、本体部101と一体に形成されている。すなわち、カバー10を上方から見たときに、フランジ部102は、矩形枠状に形成されている。このフランジ部102が、底板42に対して、ねじ止めされることにより、カバー10は、保持部4に取り付けられている。
【0023】
パッキン11は、フランジ部102と略同形で、上方から見たときに矩形枠状である。パッキン11は、例えばゴム材料又は樹脂材料により形成されている。パッキン11は、カバー10のフランジ部102と保持部4の底板42との間に介在する。パッキン11は、塵又は水滴などがカバー10内に侵入することを防止する。
【0024】
(電源ユニット)
電源ユニット2は、電源ブロックと、電源ブロックを内部に収容するケース20とを有する。
【0025】
電源ブロックは、外部電源から供給される電力(例えば、商用電源から供給される交流電力)を光源ユニット1に必要とされる電力(直流電力)に変換する電力変換回路を有する。電力変換回路は、例えば、全波整流器、力率改善回路(昇圧チョッパ回路)、及びDC/DCコンバータ(降圧チョッパ回路)などを有する。電源ブロックは、例えば、プリント配線板の表面に、電力変換回路を構成する多数の回路部品が実装されて構成される。また、電源ブロックは、先端にプラグコネクタが設けられた出力ケーブルを有する。
【0026】
ケース20は、例えば、亜鉛鋼板などの金属板に折り曲げ加工を施すことで、下面が開口した矩形の箱状に形成されている。電源ブロックの多数の回路部品が実装されたプリント配線板は、ケース20の上板の裏側にねじ止め固定されている。電源ブロックの出力ケーブルは、ケース20の開口した下面から、保持部4の天板41の中央に設けられた貫通孔、及び、保持部4の底板42の中央に設けられた貫通孔を通して、光源ユニット1内に引き込まれている。すなわち、電源ブロックの出力ケーブルは、ケース20の開口した下面から、光源ユニット1に向かってほぼ真っ直ぐ下方に延びている。そして、電源ブロックの出力ケーブルは、光源ユニット1のレセプタクルコネクタと直接、若しくは別の電線ケーブルを介して、電気的に接続される。
【0027】
また、ケース20の左側面の後方に端子台21が設けられている。端子台21は、電源ブロックと電気的に接続される。端子台21には、外部電源と繋がっている電力線(図示省略)が接続される。端子台21は、ケース20内に配置された電源ブロックと接続されている。電源ブロックは、端子台21および電力線を介して、外部電源から電力の供給を受ける。
【0028】
(放熱部)
図1図3に示すように、放熱部3は、複数の放熱フィン31から構成されている。複数の放熱フィン31は、底板42の上面に固定されている。
【0029】
各放熱フィン31は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた材料から形成されている。各放熱フィン31は、矩形板状の1枚のアルミ板(板状材)に折り曲げ加工を施すことにより、略U字状に形成されている。具体的に、各放熱フィン31は、ベース部311と、一対の放熱板312(312a,312b)とを有する。一対の放熱板312は、ベース部311の左右方向における両端縁からそれぞれ上方に延びるように形成されている。すなわち、一対の放熱板312は、互いに対向するように配置されている。
【0030】
図4に示すように、放熱板312aは、ベース部311と角度θをなすように配置されている。放熱板312bは、ベース部311と角度θをなすように配置されている。すなわち、一対の放熱板312は、ベース部311(底板42)に対して、傾斜を有するように配置されている。なお、角度θ,θは、例えば、85°程度である。
【0031】
ベース部311は、略台形板状となるように形成されている。また、ベース部311には、厚み方向に貫通する複数のボス孔313(固定部)が設けられている。複数のボス孔313は、ベース部311の長手方向に沿って設けられている。また、保持部4の底板42は、ベース部311の複数のボス孔313にそれぞれ対応するように、複数のボスを有する。各放熱フィン31は、底板42の複数のボスがベース部311の複数のボス孔313に挿入された状態で、底板42のボスをかしめることにより、底板42に固定されている。
【0032】
このように、放熱部3は、各放熱フィン31が1つ1つ折り曲げ加工により形成され、また底板42に対してかしめにより固定されている。そのため、例えば放熱部3全体がアルミダイカストによって一体に形成される場合に比べて、放熱部3の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0033】
ここで、図3に示すように、複数の放熱フィン31は、グループ3a(第1グループ)に含まれる複数の放熱フィン31a(第1放熱フィン)と、グループ3b(第2グループ)に含まれる複数の放熱フィン31b(第2放熱フィン)と、グループ3c(第3グループ)に含まれる複数の放熱フィン31(第3放熱フィン)と、グループ3d(第4放熱フィン)に含まれる複数の放熱フィン31d(第4放熱フィン)とを含む。
【0034】
グループ3aは、底板42の右側前方に配置されている。グループ3bは、底板42の右側後方に配置されている。グループ3cは、底板42の左側後方に配置されている。グループ3dは、底板42の左側前方に配置されている。すなわち、グループ3a,3cは、底板42の中央部に対して、対向するように配置されている。グループ3b,3dは、底板42の中央部に対して、対向するように配置されている。
【0035】
また、放熱フィン31aは、放熱板312の上端が左右方向(第1方向)に延びている。放熱フィン31bは、放熱板312の上端が前後方向(第2方向)に延びている。放熱フィン31cは、放熱板312の上端が左右方向(第3方向)に延びている。放熱フィン31dは、放熱板312の上端が前後方向(第4方向)に延びている。すなわち、放熱フィン31aの延伸方向(前後方向)は、放熱フィン31bの延伸方向(左右方向)と直交(交差)している。放熱フィン31cの延伸方向(前後方向)は、放熱フィン31dの延伸方向(左右方向)と直交(交差)している。
【0036】
また、放熱フィン31a,31cは、一対の放熱板312同士の前後方向における長さが同じである。放熱フィン31b,31dは、一対の放熱板312同士の左右方向における長さが同じである。
【0037】
また、図3に示すように、底板42は、矩形状に形成されている。放熱フィン31a,31cは、放熱板312の上端が、底板42の一辺(前後方向に延びる一辺)と平行となるように形成されている。また、放熱フィン31b,31dは、放熱板312の上端が、底板42の一辺(左右方向に延びる一辺)と平行となるように形成されている。すなわち、放熱フィン31a,31cの延伸方向は、底板42の一辺(前後方向に延びる一辺)と平行となっている。放熱フィン31b,31dの延伸方向は、底板42の一辺(前後方向に延びる一辺)と直交している。
【0038】
図5は本実施形態に係る底板の温度分布図である。具体的には、図5(a)は本実施形態に係る底板42の温度分布図であり、図5(b)は本実施形態に係る放熱部3を照明器具に設けなかった場合の底板42の温度分布図である。なお、図5(a),(b)では、白色の領域の温度が高く、黒色の領域の温度が低い。また、図5(a),(b)では、領域13に光源ユニット1のLEDが配置されている。
【0039】
図5(b)では、本実施形態に係る底板42の中央部を含む領域が白くなっている。これに対して、図5(a)では、白色の領域が狭くなっている。すなわち、本実施形態に係る放熱部3を照明器具に備えることにより、放熱性能を高まっていることが分かる。
【0040】
(保持部)
上述したように、保持部4は、天板41と、底板42と、一対の第1支持部43と、一対の第2支持部44とを有する(図1および図2参照)。
【0041】
天板41は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属板により、略矩形板状に形成されている。
【0042】
底板42は、それぞれ、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた金属板により、略矩形板状に形成されている。
【0043】
第1支持部43および第2支持部44は、例えば、亜鉛鋼板などの1枚の金属板に折り曲げ加工を施すことにより形成されている。
【0044】
一対の第1支持部43は、前後方向において互いに対向するように配置されている。第1支持部43は、ねじなどにより、上端部が天板41と連結される。第1支持部43は、ねじなどにより、下端部が底板42と連結される。
【0045】
一対の第2支持部44は、左右方向において互いに対向するように配置されている。第2支持部44は、上下方向における略中央部に、貫通孔が形成されている。第2支持部44は、ねじ51により、貫通孔を介して、天板41と連結されている。第2支持部44は、ねじなどにより、下端部が底板42と連結される。
【0046】
この一対の第1支持部43および一対の第2支持部44により、天板41および底板42が固定されている。
【0047】
(アーム)
図1に示すように、アーム6は、亜鉛鋼板などの長尺の金属板が長手方向における両端で同一方向に略直角に曲げられてU字状に形成されている。
【0048】
アーム6は、長手方向の両端部が、一対の第2支持部44に取り付けられている。具体的には、アーム6の長手方向の両端部には、貫通孔61およびスリット62が形成されている。また、一対の第2支持部44は、貫通孔61およびスリット62に対応する位置に、ねじ穴(図示省略)が形成されている。この貫通孔61およびスリット62を介して、第2支持部44に形成された各ねじ穴に、ねじ52,53をそれぞれ締結することにより、アーム6と第2支持部44とを固定することができる。
【0049】
また、アーム6は、ねじ53を外した状態において、ねじ52を中心に、スリット62に沿って、前後方向に回動可能となっている。具体的には、ねじ52を貫通孔61に締結した状態で、本照明器具の照射方向を調整し、本照明器具の照射方向が定まった後に、スリット62を介してねじ53を締結することで、アーム6と第2支持部44とを固定することができる。
【0050】
上述したように、アーム6は、ねじ52,53によって、第2支持部44に連結される。第1支持部43は、天板41の前側中央および後側中央に連結され、底板42の前側中央および後側中央に連結される。第2支持部44は、天板41の左側中央および右側中央に連結され、底板42の左側中央および右側中央に連結される。この構成により、本照明器具の荷重のバランスが安定する。
【0051】
本実施形態の照明器具は、アーム6のボルト挿通孔63に挿通される一対の吊りボルトにナットが締め付けられることで建物の天井に設置される。ただし、本実施形態の照明器具は、アーム6が吊りボルトから外れたとしても照明器具が落下しないように、ワイヤなどでさらに支持されていることが好ましい。
【0052】
以上に説明したように、本実施形態に係る照明器具は、光源ユニット1と、複数の放熱フィン31と、光源ユニット1が上面に取り付けられ、複数の放熱フィン31が下面に取り付けられた底板42(取付板)とを備える。複数の放熱フィン31は、グループ3a(第1グループ)に含まれる複数の放熱フィン31a(第1放熱フィン)と、グループ3b(第2グループ)に含まれる複数の放熱フィン31b(第2放熱フィン)とを含む。平面視において、放熱フィン31aの延伸方向である左右方向(第1方向)は、放熱フィン31bの延伸方向である前後方向(第2方向)と直交(交差)するように配置されている。
【0053】
この構成によると、グループ3aに含まれる複数の放熱フィン31aの延伸方向である左右方向と、グループ3bに含まれる複数の放熱フィン31bの延伸方向である前後方向とが交差している。上述したように、特許文献1では、複数の放熱フィンが放射状に配置されるため、取付板の中央部付近に放熱フィンを配置することが困難である。これに対して、本実施形態では、複数の放熱フィン31を複数のグループに分け、グループごとに放熱フィン31の延伸方向が揃うように配置されるため、底板42の中央部付近にも放熱フィン31を配置することが可能となる。さらに、放熱フィン31aの延伸方向と放熱フィン31bの延伸方向とが交差しているため、底板42全体に放熱フィン31を配置することが可能となる。したがって、照明器具の放熱性能を向上させることができる。
【0054】
また、放熱フィン31aの延伸方向(第1方向)は、放熱フィン31bの延伸方向(第2方向)と直交している。これにより、グループ3aの放熱フィン31aとグループ3bの放熱フィン31bとを近接して配置することができるため、照明器具の放熱性能を高めることができる。
【0055】
また、放熱フィン31は、1枚の板状材を折り曲げることにより作成される。これにより、放熱フィンの作成が容易となる。
【0056】
また、放熱フィン31a,31cは、前後方向における長さが同じである。これにより、放熱板の面積を広くなるため、放熱フィンの放熱性能を高めることができる。また、一対の放熱板が同じ形状となるため、放熱フィンの作成が容易となる。
【0057】
また、放熱フィン31b,31dは、前後方向における長さが同じである。これにより、放熱板の面積が広くなるため、放熱フィンの放熱性能を高めることができる。また、一対の放熱板が同じ形状となるため、放熱フィンの作成が容易となる。
【0058】
また、底板42は、矩形状に形成されている。放熱フィン31a,31cの延伸方向は、底板42の一辺(前後方向に延びる一辺)と平行である。これにより、底板に放熱フィンを多く配置することができるため、放熱部の放熱性能を向上させることができる。また、放熱フィンを底板の一辺に沿って配置すればよいので、放熱フィンの配置が容易となる。
【0059】
また、底板42は、矩形状に形成されている。放熱フィン31b,31dの延伸方向は、底板42の一辺(前後方向に延びる一辺)と直交する。これにより、底板に放熱フィンを多く配置することができるため、放熱部の放熱性能を向上させることができる。また、放熱フィンを底板の一辺(左右方向に延びる一辺)に沿って配置すればよいので、放熱フィンの配置が容易となる。
【0060】
また、複数の放熱フィン31は、グループ3c(第3グループ)に含まれる複数の放熱フィン31c(第3放熱フィン)と、グループ3d(第4グループ)に含まれる複数の放熱フィン31d(第4放熱フィン)とを含む。平面視において、放熱フィン31cの延伸方向である前後方向(第3方向)は、放熱フィン31dの延伸方向である左右方向(第4方向)と直交(交差)するように配置されている。放熱フィン31a,31cは、底板42の中央部に対して対向するように配置されている。放熱フィン31b,31dは、底板42の中央部に対して対向するように配置されている。複数の放熱フィン31をさらに多くのグループに分けることにより、底板42の中央部付近に放熱フィン31を配置することがさらに容易となる。したがって、照明器具の放熱性能を向上させることができる。
【0061】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0062】
なお、複数の放熱フィン31は、図6のように配置してもよい。図6では、図1と比較すると、グループ3a~3dの放熱フィン31a~31dの延伸方向が異なる。具体的には、グループ3aの放熱フィン31aおよびグループ3cの放熱フィン31cは、左上から右下に延びている。グループ3bの放熱フィン31bおよびグループ3dの放熱フィン31dは、右上から左下に延びている。
【0063】
また、図6に示すように、各グループにおいて、複数の放熱フィン31の延伸方向における長さは同一でなくてもよい。例えば、図6では、グループ3aには、放熱フィン31aと放熱フィン31a’とで延伸方向の長さが異なる。図6では、各グループにおいて、底板42の中央部および底板42の端部に配置される放熱フィン31の延伸方向における長さが、他の放熱フィン31よりも短くなっている。これにより、底板42により多くの放熱フィンが配置可能である。このように、各グループの放熱フィン31の延伸方向における長さは、底板42の形状や他のグループの放熱フィン31の形状等により、適宜選択することができる。
【0064】
また、上記実施形態において、複数の放熱フィン31は、グループ3a~3dにグループ分けされているが、放熱フィン31のグループ数は、2、3または5以上であってもよい。例えば、複数の放熱フィン31は、図7のように配置してもよい。図7は放熱フィン31のグループ数が8である場合を示している。この場合、グループ3a,3bの間、グループ3b,3cの間、グループ3c,3dの間およびグループ3d,3aの間に、グループ3e~3hがそれぞれ配置されている。グループ3e~3hには、複数の放熱フィン31e~31hがそれぞれ配置されている。図7では、底板42の中央部に配置される放熱フィン31の延伸方向における長さが、他の放熱フィン31よりも短くなっている。これにより、底板42により多くの放熱フィンが配置可能である。
【0065】
また、上記実施形態において、放熱板312a,312bは、互いに平行となるように配置してもよい。この場合、角度θ(放熱板312aとベース部311とのなす角度)=180°-角度θ(放熱板312bとベース部311とのなす角度θ)となる。これにより、放熱フィン31同士を隣接して配置することができるため、照明器具の放熱性能を高めることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、天板41および底板42が、矩形状に形成されているが、これに限られず、多角形状や円形であってもよい。
【0067】
また、上記実施形態において、照明器具に、外部に配置された通信装置(図示省略)と、電波や赤外線を媒体として無線通信を行う無線通信部を備えてもよい。この場合、無線通信部は、通信装置から無線信号を受信する。そして、電源ユニット2の電力変換回路は、無線通信部が受信した通信信号に応じて、光源ユニットの点灯状態を制御する。例えば、通信信号には、光源ユニット1のON/OFFや調光レベルなどを示す情報が含まれており、電力変換回路は、通信信号に応じて、光源ユニット1の点灯状態を制御する。なお、この無線通信部は、第1支持部43や第2支持部44の外側に設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示の照明器具は、体育館やホールなどの天井の高い建物に設置され、照明空間を上方から照明する、いわゆる高天井用の照明器具として用いることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 光源ユニット
2 電源ユニット
3 放熱部
3a~3d グループ(第1~第4グループ)
31 放熱フィン
31a~31d 放熱フィン(第1~第4放熱フィン)
311 ベース部
312 放熱板
313 ボス孔(固定部)
4 保持部
42 底板(取付板)
6 アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7