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特開2023-162719キャリアテープ搬送装置及びテープフィーダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162719
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】キャリアテープ搬送装置及びテープフィーダ
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073285
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】堀江 敦行
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353HH12
5E353HH30
5E353HH32
5E353HH34
5E353HH40
5E353QQ03
5E353QQ07
5E353QQ09
(57)【要約】
【課題】異物による不具合を低減するキャリアテープ搬送装置及びそれを備えるテープフィーダを提供する。
【解決手段】キャリアテープ搬送装置は、部品を収納すると共に所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送する。キャリアテープ搬送装置は、搬送されるキャリアテープを下方から支持して案内する搬送面を有するフレームと、送り穴のピッチに合わせて放射状に突出した複数のピンを有し、ピンを搬送面に形成された開口部から上方に突き出しながら回転することによりピンを送り穴に係合させてキャリアテープを搬送するスプロケットと、を備える。ピンの搬送面から突き出る部分の長さよりも搬送面の下に隠れている部分の長さが長い。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納すると共に所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送するキャリアテープ搬送装置であって、
搬送されるキャリアテープを下方から支持して案内する搬送面を有するフレームと、
前記送り穴のピッチに合わせて放射状に突出した複数のピンを有し、前記ピンを前記搬送面に形成された開口部から上方に突き出しながら回転することにより前記ピンを前記送り穴に係合させて前記キャリアテープを搬送するスプロケットを備え、
前記ピンの前記搬送面から突き出る部分の長さよりも前記搬送面の下に隠れている部分の長さが長い、
キャリアテープ搬送装置。
【請求項2】
前記ピンの全長は、隣接する前記ピンの根元部分の間隔であるピン間距離よりも長い、
請求項1に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項3】
前記スプロケットの下方に、前記開口部から進入して前記スプロケットの前記ピンに挟まれた表面に残った異物がスプロケットの回転に伴って落下してくるのを受ける異物受け部を有する、
請求項1に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項4】
前記異物受け部に、異物を排出部に案内する異物ガイド部を有する、
請求項3に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項5】
前記異物ガイド部に下に凹になった部分が設けられ、前記異物ガイド部に落下した異物を集めるポケットが形成された、
請求項4に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項6】
前記排出部は前記ポケットが位置する部分に配置されている、
請求項5に記載のキャリアテープ搬送装置。
【請求項7】
所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送してキャリアテープに収納された部品を部品供給位置に供給するテープフィーダであって、
請求項1から6のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置を備え、
前記キャリアテープ搬送装置によって前記キャリアテープを搬送して前記部品供給位置に前記部品を供給する、
テープフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を収納したキャリアテープを搬送するキャリアテープ搬送装置及びそれを備えるテープフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャリアテープに収納された部品を搭載ヘッドで取り出して基板に搭載する部品搭載装置では、搭載ヘッドによる部品供給位置に部品を供給するテープフィーダが知られている。このテープフィーダにはキャリアテープを搬送するキャリアテープ搬送装置が組み込まれている。部品搭載装置は基板に搭載する部品の種類別に複数のテープフィーダが準備され、これらを隣接した状態で配置して使用する。
【0003】
そして、生産する基板種が変更されると不要なテープフィーダを交換する作業が行われる。部品搭載装置で取り扱う部品のサイズは大小さまざまであり、小さいものでは0.4mm×0.2mm以下の微小部品がある。キャリアテープを搬送する搬送面には開口部が形成され、この開口部からキャリアテープ搬送装置のスプロケットのピンが突出している。このため、交換作業中にキャリアテープから飛散した部品が開口部からテープフィーダ内に落下する場合があり、このようなトラブルを想定した構造を採用したものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-67848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構造では、開口部の大きさが大きいので、部品がテープフィーダ内に落下しやすい。そこで、開口部の大きさをスプロケットのピンの回転を邪魔しない程度の大きさに小さくすることが考えられる。しかしながら、開口部の大きさを小さくすると、スプロケットのピンの間に挟まった異物がピンと開口部の縁との間に挟まってスプロケットの回転を止めてしまう不具合が発生する場合がある。
【0006】
従って、本開示の目的は、上記従来の課題を解決することにあって、異物による不具合を低減するキャリアテープ搬送装置及びそれを備えるテープフィーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のキャリアテープ搬送装置は、部品を収納すると共に所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送する。キャリアテープ搬送装置は、搬送されるキャリアテープを下方から支持して案内する搬送面を有するフレームと、送り穴のピッチに合わせて放射状に突出した複数のピンを有し、ピンを搬送面に形成された開口部から上方に突き出しながら回転することによりピンを送り穴に係合させてキャリアテープを搬送するスプロケットと、を備える。ピンの搬送面から突き出る部分の長さよりも搬送面の下に隠れている部分の長さが長い。
【0008】
本開示のテープフィーダは、所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送してキャリアテープに収納された部品を部品供給位置に供給するテープフィーダである。テープフィーダは、上述したキャリアテープ搬送装置を備え、キャリアテープ搬送装置によってキャリアテープを搬送して部品供給位置に部品を供給する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、異物による不具合を低減する部品搬送装置及びそれを備えたテープフィーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施の形態の部品搭載装置の概略図
図2】本開示の一実施の形態のテープフィーダの概略図
図3】テープフィーダの部品供給位置周辺の部分平面図
図4図2の矢視Vの概略断面を示す説明図
図5】キャリアテープの概略斜視図
図6】キャリアテープ搬送装置の部分拡大斜視図
図7】キャリアテープ搬送装置のYZ平面図
図8】キャリアテープ搬送装置のXZ平面における縦断面図
図9】スプロケットの部分側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の第1態様によれば、キャリアテープ搬送装置は、部品を収納すると共に所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送する。キャリアテープ搬送装置は、搬送されるキャリアテープを下方から支持して案内する搬送面を有するフレームと、送り穴のピッチに合わせて放射状に突出した複数のピンを有し、ピンを搬送面に形成された開口部から上方に突き出しながら回転することによりピンを送り穴に係合させてキャリアテープを搬送するスプロケットと、を備える。ピンの搬送面から突き出る部分の長さよりも搬送面の下に隠れている部分の長さが長い。
【0012】
第1態様のキャリアテープ搬送装置によれば、開口部から内部に異物が侵入してスプロケットのピン間に残った場合でも、ピンの搬送面から突き出る部分の長さよりも搬送面の下に隠れている部分の長さが長いので、異物が搬送面の下まで落ちやすい。これにより、ピンと開口部の縁との間に異物が挟まってキャリアテープを送れなくなるといった不具合を低減することができる。
【0013】
本開示の第2の態様によれば、ピンの全長は、隣接するピンの根元部分の間隔であるピン間距離よりも長い、第1態様に記載の部品搬送装置を提供する。これにより、さらに、異物が搬送面の下まで落ちやすくなり、ピンと開口部の縁との間に挟まってキャリアテープを送れなくなるといった不具合を低減することができる。
【0014】
本開示の第3の態様によれば、スプロケットの下方に、開口部から進入してスプロケットのピンに挟まれた表面に残った異物がスプロケットの回転に伴って落下してくるのを受ける異物受け部を有する、第1態様または第2態様に記載の部品搬送装置を提供する。異物受け部によって異物がキャリアテープ搬送装置内部の想定外の場所へ移動することを防止することができる。
【0015】
本開示の第4の態様によれば、異物を排出部に案内する異物ガイド部を有する、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の部品搬送装置を提供する。これにより、キャリアテープ搬送装置内部に侵入した異物を確実に排出することができる。
【0016】
本開示の第5の態様によれば、異物ガイド部に下に凹になった部分が設けられ、異物ガイド部に落下した異物を集めるポケットが形成された、第4態様に記載の部品搬送装置を提供する。これにより、キャリアテープ搬送装置内部に侵入した異物が装置内部で自由に移動するのを抑制することができる。
【0017】
本開示の第6の態様によれば、排出部はポケットが位置する部分に配置されている、第5態様に記載の部品搬送装置を提供する。これにより、キャリアテープ搬送装置内に進入した異物を確実に排出することができる。
【0018】
本開示の第7の態様によれば、所定のピッチで送り穴が設けられたキャリアテープを搬送してキャリアテープに収納された部品を部品供給位置に供給するテープフィーダであって、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載のキャリアテープ搬送装置を備え、キャリアテープ搬送装置によってキャリアテープを搬送して部品供給位置に部品を供給する、テープフィーダを提供する。これにより、異物による不具合を低減するテープフィーダを実現することができる。
【0019】
以下、本開示に係る部品搭載装置の例示的な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0020】
(実施の形態)
本開示の実施の形態の部品搭載装置1の構成を、図1を参照して説明する。図1は、部品搭載装置1の概略図である。図1では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図1における紙面垂直方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図1における左右方向)が示される。また、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(図1における上下方向及び縦方向)が示される。また、ラジアル方向とは回転軸の径方向を示し、スラスト方向とは回転軸の軸方向を示す。
【0021】
部品搭載装置1は、基板に部品を搭載した実装基板を製造する。基台1aの上面に設けられた基板搬送機構2は、基板3をX方向に搬送して位置決めして保持する。基板搬送機構2の上方には、ヘッド移動機構(図示省略)によって水平方向(X方向、Y方向)に移動する搭載ヘッド4が設置されている。基板搬送機構2の側方において基台1aに結合された台車5の上部には、複数のテープフィーダ6がX方向に並んで取り付けられている。テープフィーダ6は、部品搭載装置1に部品を供給する部品供給装置である。
【0022】
台車5の前方側であってテープフィーダ6の下方には、部品搭載装置1に供給される部品を収納するキャリアテープ7が巻回されたリール8を回転可能に支持するリール保持部9が設置されている。テープフィーダ6は、リール8に収納されているキャリアテープ7をテープ送り方向に搬送して搭載ヘッド4による部品供給位置P1に部品を供給する。
【0023】
部品搭載装置1は、基板搬送機構2、搭載ヘッド4、ヘッド移動機構を制御する搭載制御部10を備えている。搭載制御部10は、テープフィーダ6のユニット制御部17に部品の供給指令を送信し、搭載ヘッド4、ヘッド移動機構を制御して、搭載ヘッド4によってテープフィーダ6が部品供給位置P1に供給する部品を取り出し、基板搬送機構2に保持させた基板3の装着点に移送搭載する部品装着作業を実行させる。このように、テープフィーダ6は、キャリアテープ7に収納された部品を部品搭載装置1に供給するテープフィーダである。キャリアテープ7に収納された部品は、例えば、チップ型の電子部品である。基台1aと台車5の上方には、作業者が作業中の搭載ヘッド4などの可動機構に触れないようにカバーする開閉自在の本体カバー11が設置されている。
【0024】
搭載制御部10は、記憶部を備える。搭載制御部10は、例えば、プロセッサまたはFPGA等の回路とメモリまたはSSD等で構成される。
【0025】
図1において、台車5の下部には、搭載ヘッド4によって部品が取り出されてテープフィーダ6の後方から排出される空のキャリアテープ7を回収する回収箱12が設置されている。台車5の後方側には、テープフィーダ6から排出された空のキャリアテープ7を回収箱12まで案内する排出シュート13が設置されている。排出シュート13には、空のキャリアテープ7を所定の長さで切断する切断部14が設置されている。テープフィーダ6から排出された空のキャリアテープ7は、切断部14によって切断されて回収箱12に回収される。
【0026】
《テープフィーダ》
次に、図2図4を参照してテープフィーダ6の構成を説明する。図2は、実施の形態のテープフィーダ6の概略図である。図3は、テープフィーダ6の部品供給位置P1周辺の部分平面図である。図4は、図2の矢視Vの概略断面を示す説明図である。
【0027】
テープフィーダ6は、本体部60の内部に、テープ搬送路20と、露出部80と、キャリアテープ搬送装置21を備える、テープ搬送路20は、キャリアテープ7が投入される挿入口20aと、キャリアテープ7が排出される排出口20bを備える。テープフィーダ6の本体部60は、基部61、主フレーム62、及び、副フレーム63等の複数の部材で構成されている。基部61は台車5に固定される部分であり、その上に主フレーム62と副フレーム63が平行に固定されている。主フレーム62と副フレーム63はY方向から見た断面(図4参照)が縦長の板状部材であり、主フレーム62と副フレーム63に挟まれた空間にテープ搬送路20が形成されている。主フレーム62は、キャリアテープ7をテープ搬送路20に沿って搬送するキャリアテープ搬送装置21を構成するフレームであり、複数の第1~第3スプロケット26、28、30とこれらの駆動するためのモータ25が組付けられている。
【0028】
テープ搬送路20は、挿入口20aからテープ搬送路20内に挿入されたキャリアテープ7を部品供給位置P1へ案内し、さらに、排出口20bへ導く。露出部80は、キャリアテープ7(図5参照)のトップテープ7bをキャリアテープ7から剥離してキャリアテープ7に梱包され部品16を露出させる。本実施の形態の露出部80はトップテープ7bをキャリアテープ7から剥離する方式を採用しているが、カッター等でトップテープ7bを切り開く等して部品16を露出させるものでもよい。
【0029】
挿入口20aは、テープ搬送路20におけるテープ送り方向の上流側(図2の左側)に開口している。排出口20bは、テープ送り方向の下流側(図2の右側)に開口している。テープ搬送路20は、挿入口20aから排出口20bまで連通している。テープ搬送路20は、第2スプロケット28から第3スプロケット30の区間が上方に開放された開放区間となっている。本体部60には、この開放区間の上方を覆うテープカバー90が装着されている。図3に示すようにテープカバー90は主フレーム62の上部と副フレーム63の上部に跨るように配置されており、部品供給位置P1に対応する位置には部品取り出し口90aが形成されている。主フレーム62の上部外側面上に、テープカバー90が装着されるカバー装着部62kを有する。カバー装着部62kは、例えば、凹部や段差形状である。
【0030】
また、この開放区間内に、第2スプロケット28のピン28aが露出するための開口部622が主フレーム62に設けられている(図6参照)。開口部622から露出したピン28aがキャリアテープ7の送り穴7dに係合し、第2スプロケット28の回転と共にキャリアテープ7が位置決めされる。第2スプロケット28によってキャリアテープ7がテープカバー90の下方の搬送面62gに沿って走行し、キャリアテープ7のポケット7cに収容された部品16が部品供給位置P1へ搬送される。
【0031】
搭載ヘッド4は部品取り出し口90aよりキャリアテープ7に収納された部品16を取り出す。テープカバー90には、第2スプロケット28や第3スプロケット30との干渉を回避するための逃げ穴90b、90cが形成されている。
【0032】
《キャリアテープ》
次に、図5を参照して、キャリアテープ7を詳細に説明する。図5は、キャリアテープ7の概略斜視図である。
【0033】
キャリアテープ7は、ベーステープ7aとトップテープ7bとを有する。ベーステープ7aにはエンボス加工によって長手方向に一列かつ等間隔で収納部7eが形成されている。この収納部7eの内側に、上方に開口したポケット7cが形成されており、各ポケット7cに部品16が収納されている。トップテープ7bはベーステープ7aの上面に貼り付けられており、ポケット7c内に部品16を封入している。ベーステープ7aのポケット7cの列と平行に並ぶ位置に、複数の送り穴7dが一列かつ等間隔のピッチPt1で並んで設けられている。部品16を収納するポケット7cの深さHbは、収納する部品の寸法に応じたサイズとなっている。また、キャリアテープ7の幅Waも部品の寸法に応じて適したサイズが選択される。
【0034】
《キャリアテープ搬送装置》
次に、図2及び図7を参照してキャリアテープ搬送装置21を説明する。図7は、キャリアテープ搬送装置21のYZ平面図である。
【0035】
キャリアテープ搬送装置21は、テープ搬送路20における下流側において、キャリアテープ7を部品供給位置P1に搬送する。キャリアテープ搬送装置21は、主フレーム62と、少なくとも1個のスプロケットと、モータ25と、モータ25の動力をスプロケットに伝達して回転させる複数の駆動ギアを備える。本実施形態のキャリアテープ搬送装置21は、第1スプロケット26、第2スプロケット28、第3スプロケット30の3個のスプロケットを備えている。
【0036】
第1スプロケット26は、主フレーム62に対してX方向に平行な水平な回転軸を中心に回転可能な状態で装着されている。第2スプロケット28は、主フレーム62に対してX方向に平行な水平な回転軸J(図4参照)を中心に回転可能な状態で装着されている。第3スプロケット30は、主フレーム62に対してX方向に平行な水平な回転軸を中心に回転可能な状態で装着されている。
【0037】
キャリアテープ搬送装置21は、さらに、モータ25の駆動力を伝達する複数の駆動ギアを備え、モータ25の出力が、これら複数のギアを介して、第1スプロケット26、第2スプロケット28、及び第3スプロケット30にそれぞれ伝えられる。
【0038】
次に、図8を参照して、キャリアテープ搬送装置21の主フレーム62を説明する。図8は、キャリアテープ搬送装置21のXZ平面における縦断面図である。
【0039】
図8に示すように、主フレーム62は、テープ搬送路20によるキャリアテープ7の搬送方向に沿って縦横(YZ平面と平行)に広がった、側面としての第1面62Lと第2面62Rを有する。主フレーム62は、第1面62Lと第2面62Rに挟まれた厚み寸法Tが小さい板状部材である。このため、キャリアテープ7の搬送方向に直交する主フレーム62の断面(XZ断面)は縦長になっている。
【0040】
主フレーム62は、上部に、テープ搬送路20に沿ってキャリアテープ7を案内するための平坦な搬送面62gが形成されている。搬送面62gには、各スプロケットのピンが突出する複数の開口部が形成されている。例えば、開口部622では、第2スプロケット28のピン28aが搬送面62gよりも突出する。さらにその下流の開口部623では、第3スプロケット30のピン30aが搬送面62gよりも突出する。
【0041】
これらのピン28a、30aは搬送面62gに位置するキャリアテープ7の送り穴7dに挿入される。従って、第1~第3スプロケット26、28、30が回転するとキャリアテープ7は各スプロケットのピンに送り出され、搬送面62gに沿って移動する。第1~第3スプロケット26、28、30の下方に、各スプロケットのピンの間に入り込んだ異物を異物排出穴62h及び異物排出口62mへガイドする異物受け部59が配置されている。
【0042】
次に、図7及び図8を参照して、ピン28a間に落ちた異物93の回収について説明する。異物93は、例えば、塵や、テープフィーダ6の交換作業中にキャリアテープ7から飛散した部品16などである。
【0043】
異物受け部59は、各開口部から進入して各スプロケットのピンに挟まれてスプロケット表面に残った異物93がスプロケットの回転に伴って落下してくるのを受ける。例えば、主フレーム62の内部において、第2スプロケット28は、ピン28aの先端を異物受け部59に囲まれている。異物受け部59は、主フレーム62と内カバー38との間に配置されている。
【0044】
異物受け部59は、異物93を排出部としての異物排出穴62h及び異物排出口62mにそれぞれ案内する第1異物ガイド部59bと第2異物ガイド部59cを有する。第1異物ガイド部59bは、例えば、第2スプロケット28の回転と共に主フレーム62内に入った異物93を、第2スプロケット28の下方に配置されたポケット59aへ案内する。第1異物ガイド部59bは、異物受け部59の上面の一部であり、第2スプロケット28のそれぞれのピン28aの先端を結ぶ円に沿って形成されている。
【0045】
ポケット59aは、第1異物ガイド部59bから下方に凹んだ凹部であり、主フレーム62に形成された、外部と連通する異物排出穴62hと接続されている。ピン28a間に落ちた異物93は第2スプロケット28と共に回転し、第1異物ガイド部59bに落下して、ポケット59aに集められる。異物排出穴62hは、ポケット59aが位置する部分に配置され、例えば、ポケット59aの下部に配置されている。作業者は、異物排出穴62hを通じてポケット59aに集められた異物93を回収することができる。
【0046】
第3スプロケット30の下方には、異物受け部59によって第2異物ガイド部59cが形成されている。第2異物ガイド部59cは、第3スプロケット30の回転と共に主フレーム62内に落ちた異物93を異物排出口62mへ案内する。第2異物ガイド部59cは、異物受け部59の上面の一部であり、下方に傾斜している。第3スプロケット30から第2異物ガイド部59cに落ちた異物93は、自重によって第2異物ガイド部59cに沿って移動し、異物排出口62mから主フレーム62の外部へ放出される。
【0047】
次に、図9を参照して、スプロケットのピンの長さについて説明する。図9は、スプロケットの部分側面図である。ここでは、第2スプロケット28のピン28aの長さについて説明するが、第1スプロケット26のピンや、第3スプロケット30のピン30aについても同様の構成でもよい。
【0048】
第2スプロケット28のピン28aの上部は、キャリアテープ7の搬送面62gよりも上方に飛び出る。キャリアテープ7の搬送面62gから上方に飛び出る部分のピン28aの長さLp1よりも、搬送面62gよりも飛び出ない部分Lp2の長さの方が長い。言い換えると、キャリアテープ7の搬送面62gから突き出ている第2スプロケット28のピン28aの長さLp1よりも、第2スプロケット28のピン底28dからキャリアテープ7の搬送面62gまでの長さLp2の方が長い。これにより、2つのピン28a間に異物93が落ちたとしても、ピン28aの長さLp2が長いので、異物93が搬送面62gよりも下方に侵入し、開口部622の縁とピン28aとの間に挟まるのを低減することができる。
【0049】
また、第2スプロケット28のピン28aの全長Lp3は、部品16の最大寸法よりも大きい。言い換えると、第2スプロケット28のピン先端28eまでの半径Rtと第2スプロケット28のピン底28dの半径Rbの差でもあるLp3は、部品16の最大寸法よりも大きい。これにより、部品16が異物93として2つのピン28a間に落ちたとしても、開口部622の縁とピン28aとの間に挟まるのをより低減することができる。
【0050】
また、第2スプロケット28のピン28aの全長Lp3は、隣接するピン28aの根元部分の間隔であるピン間距離Dpよりも長い。これにより、異物93が開口部622内に侵入して第2スプロケット28のピン28a間に残った場合でも、ピン28aと開口部622の縁に異物93が挟まってキャリアテープ7を送れなくなるといったトラブルをより回避することができる。また、異物93を第2スプロケット28のピン28a間に捕捉する能力が高くなり、キャリアテープ搬送装置21の内部で行方不明になる可能性を低減することができる。
【0051】
本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21は、部品16を収納すると共に所定のピッチPt1で送り穴7dが設けられたキャリアテープ7を搬送する。キャリアテープ搬送装置21は、主フレーム62と、第2スプロケット28と、を備える。主フレーム62は、搬送されるキャリアテープ7を下方から支持して案内する搬送面62gを有する。第2スプロケット28は、送り穴7dのピッチPt1に合わせて放射状に突出した複数のピン28aを有し、ピン28aを搬送面62gに形成された開口部622から上方に突き出しながら回転することによりピン28aを送り穴7dに係合させてキャリアテープ7を搬送する。ピン28aの搬送面62gから突き出る部分の長さLP1よりも搬送面62gの下に隠れている部分の長さLp2が長い。
【0052】
開口部622から内部に異物としての異物93が侵入して第2スプロケット28のピン28a間に残った場合でも、ピン28aの長さLp2の長さLp1よりも長いので、異物93が搬送面の下まで落ちやすい。これにより、ピン28aと開口部622の縁との間に異物93が挟まってキャリアテープ7を送れなくなるといったトラブルを回避することができる。
【0053】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、ピン28aの全長Lp3は、隣接するピン28aの根元部分の間隔であるピン間距離Dpよりも長い。これにより、ピン28aと開口部622の縁との間に異物93が挟まるのをより低減することができる。さらに、異物93を第2スプロケット28のピン28a間に捕捉する能力が高くなり、キャリアテープ搬送装置21の内部で異物93が行方不明になる可能性を低減する。
【0054】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、第2スプロケット28の下方に、開口部622から進入して第2スプロケット28のピン28aに挟まれた表面に残った異物93が第2スプロケット28の回転に伴って落下してくるのを受ける異物受け部59を有する。
【0055】
特許文献1の構造では、テープフィーダ内に落下した部品等の異物がテープフィーダ内部の隙間で自由に移動する恐れがあり、行方不明になった異物が故障の原因になる恐れがあった。本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、異物受け部59によって異物93がキャリアテープ搬送装置21の内部の想定外の場所へ移動することを防止することができる。
【0056】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21は、異物受け部59に、異物93を異物排出穴62h及び異物排出口62mに案内する第1及び第2異物ガイド部59b、59cを有する。特許文献1において、テープフィーダの内部に侵入した異物をテープフィーダの外部に取り出すことが煩雑であったが、第1及び第2異物ガイド部59b、59cにより、キャリアテープ搬送装置21の内部に侵入した異物93を確実にかつ容易に排出することができる。
【0057】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、第1異物ガイド部59bに下に凹になった部分が設けられ、第1異物ガイド部59bに落下した異物93を集めるポケット59aが形成されている。これにより、キャリアテープ搬送装置21の内部に侵入した異物93が装置内部で自由に移動するのをさらに抑制することができる。
【0058】
また、本実施の形態のキャリアテープ搬送装置21において、異物排出穴62hはポケット59aが位置する部分に配置されている。これにより、キャリアテープ搬送装置21の内部に侵入した異物93を確実に排出することができる。
【0059】
また、本実施の形態のテープフィーダ6は、所定のピッチPt1で送り穴7dが設けられたキャリアテープ7を搬送してキャリアテープ7に収納された部品16を部品供給位置P1に供給する。テープフィーダ6は、上述したキャリアテープ搬送装置21を備え、キャリアテープ搬送装置21によってキャリアテープ7を搬送して部品供給位置P1に部品16を供給する。
【0060】
テープフィーダ6はキャリアテープ搬送装置21を備えることで、同様に、異物による不具合を低減することができる。
【0061】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0062】
上記実施の形態において、第2スプロケット28において、ピン28aの搬送面62gから突き出る部分の長さLp1よりも搬送面62gの下に隠れている部分の長さLp2が長い構成を説明したがこれに限られない。第1スプロケット26及び第3スプロケット30も第2スプロケット28と同様の構成にすることができる。
【0063】
なお、上述した様々な実施の形態および変形例のうちの任意の実施の形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本開示に係る部品搬送装置は、部品を部品供給位置に向けて搬送する部品搬送装置及びそれを備えるテープフィーダに適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 部品搭載装置
1a 基台
2 基板搬送機構
3 基板
4 搭載ヘッド
5 台車
6 テープフィーダ
7 キャリアテープ
7a ベーステープ
7b トップテープ
7c ポケット
7d 送り穴
7e 収納部
8 リール
9 リール保持部
10 搭載制御部
11 本体カバー
12 回収箱
13 排出シュート
14 切断部
15 リーダ装置
16 部品
17 ユニット制御部
20 テープ搬送路
20a 挿入口
20b 排出口
21 キャリアテープ搬送装置
25 モータ
26 第1スプロケット
28 第2スプロケット
28a ピン
28d ピン底
28e ピン先端
30 第3スプロケット
30a ピン
38 内カバー
59 異物受け部
59a ポケット
59b 第1異物ガイド部
59c 第2異物ガイド部
60 本体部
61 基部
62 主フレーム
62g 搬送面
62h 異物排出穴
62k カバー装着部
62m 異物排出口
62L 第1面
62R 第2面
63 副フレーム
80 露出部
90 テープカバー
90a 部品取り出し口
90b、90c 逃げ穴
93 異物
622、623 開口部
Hb 深さ
J 回転軸
P1 部品供給位置
Pt1 ピッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9