(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162723
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20231101BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231101BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
G06F1/16 312J
G06F1/16 312F
G06F1/16 312E
G09F9/00 350Z
H05K5/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073301
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆
【テーマコード(参考)】
4E360
5G435
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB05
4E360AB17
4E360AB42
4E360BB12
4E360EC11
4E360GA52
4E360GB46
5G435AA18
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE02
5G435HH18
5G435KK10
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】小型化が可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、画像を表示可能な表示面と、前記表示面に沿う第1の方向に向く第1の縁と、前記第1の縁の反対側に位置する第2の縁と、を有する表示装置と、前記表示装置を収容する第1の筐体と、前記表示装置を前記第1の筐体に接着するストレッチリリーステープと、を備え、前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置と前記第1の筐体との間に位置して前記表示装置を前記第1の筐体に接着する介在部と、前記第1の方向の反対の第2の方向における前記介在部の端から前記第2の縁を横断して延びるとともに前記表示装置と前記第1の筐体との間の空間の外に位置する摘み部と、を有し、前記第1の方向における前記ストレッチリリーステープの端は、前記表示面に沿う方向において、前記第1の縁と前記第2の縁との間に位置するとともに、前記第2の縁よりも前記第1の縁に近い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示可能な表示面と、前記表示面に沿う第1の方向に向く第1の縁と、前記第1の縁の反対側に位置する第2の縁と、を有する表示装置と、
前記表示装置を収容する第1の筐体と、
前記表示装置を前記第1の筐体に接着するストレッチリリーステープと、
を備え、
前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置と前記第1の筐体との間に位置して前記表示装置を前記第1の筐体に接着する介在部と、前記第1の方向の反対の第2の方向における前記介在部の端から前記第2の縁を横断して延びるとともに前記表示装置と前記第1の筐体との間の空間の外に位置する摘み部と、を有し、
前記介在部は、前記表示装置及び前記第1の筐体のうち一方の部品に面する第1の面を有し、
前記第1の面は、前記部品に接着された第1の部分と、前記第1の部分と前記摘み部との間に位置するとともに非接着性である第2の部分と、を有し、
前記第1の方向における前記ストレッチリリーステープの端は、前記表示面に沿う方向において、前記第1の縁と前記第2の縁との間に位置するとともに、前記第2の縁よりも前記第1の縁に近い、
電子機器。
【請求項2】
第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが互いに回動可能なように、前記第2の方向における前記第1の筐体の端部と前記第2の筐体とを互いに接続する、接続部と、
をさらに備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記摘み部は、前記第1の面に連続する第2の面を有し、
前記第2の面は、接着性を有する第3の部分をさらに有する、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1の筐体は、前記表示装置に向くとともに前記介在部によって前記表示装置に接着される内面と、前記内面から突出して前記摘み部と接触する突起と、を有する、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の筐体は、壁を有し、
前記第1の縁は、前記壁に面し、
前記第1の方向における前記ストレッチリリーステープの端は、前記第1の縁から離間している、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)のような電子機器は、液晶ディスプレイ(LCD)のような表示装置を有する。表示装置は、電子機器の筐体に収容され、当該筐体に固定される。例えば、表示装置を複数のストレッチリリーステープによって表示部の筐体に固定する電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解体および修理時において、表示装置が筐体から取り外されることがある。上述の従来の電子機器では、表示装置を筐体から取り外すため、ストレッチリリーステープが引っ張られて表示装置および筐体から剥がされる。
【0005】
複数のストレッチリリーステープのそれぞれには、引っ張られるための部分(剥がし代)が設けられている。そのため、筐体に剥がし代を収容するために複数の空間が設けられ、電子機器の小型化が困難となっている。
【0006】
本発明が解決する課題の一例は、小型化が可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器は、画像を表示可能な表示面と、前記表示面に沿う第1の方向に向く第1の縁と、前記第1の縁の反対側に位置する第2の縁と、を有する表示装置と、前記表示装置を収容する第1の筐体と、前記表示装置を前記第1の筐体に接着するストレッチリリーステープと、を備え、前記ストレッチリリーステープは、前記表示装置と前記第1の筐体との間に位置して前記表示装置を前記第1の筐体に接着する介在部と、前記第1の方向の反対の第2の方向における前記介在部の端から前記第2の縁を横断して延びるとともに前記表示装置と前記第1の筐体との間の空間の外に位置する摘み部と、を有し、前記介在部は、前記表示装置及び前記第1の筐体のうち一方の部品に面する第1の面を有し、前記第1の面は、前記部品に接着された第1の部分と、前記第1の部分と前記摘み部との間に位置するとともに非接着性である第2の部分と、を有し、前記第1の方向における前記ストレッチリリーステープの端は、前記表示面に沿う方向において、前記第1の縁と前記第2の縁との間に位置するとともに、前記第2の縁よりも前記第1の縁に近い。
【0008】
前記電子機器は、第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが互いに回動可能なように、前記第2の方向における前記第1の筐体の端部と前記第2の筐体とを互いに接続する、接続部と、をさらに備える。
【0009】
前記電子機器では、前記摘み部は、前記第1の面に連続する第2の面を有し、前記第2の面は、接着性を有する第3の部分をさらに有する。
【0010】
前記電子機器では、前記第1の筐体は、前記表示装置に向くとともに前記介在部によって前記表示装置に接着される内面と、前記内面から突出して前記摘み部と接触する突起と、を有する。
【0011】
前記電子機器では、前記第1の筐体は、壁を有し、前記第1の縁は、前記壁に面し、前記第1の方向における前記ストレッチリリーステープの端は、前記第1の縁から離間している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、小型化が可能な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第1実施形態の電子機器の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の表示部筐体の平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の表示部筐体の一部を拡大した平面図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態の表示部筐体の一部を拡大した平面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の表示部筐体およびストレッチリリーステープの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
以下、実施形態に係る電子機器1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0015】
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電子機器1の斜視図である。本実施形態の電子機器1は、ラップトップ型のPCである。しかしながら、電子機器1は、これに限定されず、例えばタブレットPC、スマートフォン、電子辞書、又はゲーム機であっても良い。
【0017】
図1に示すように、電子機器1は、ベース筐体2と、ヒンジ3と、表示装置4と、表示部筐体5と、を備える。なお、ベース筐体2は第2の筐体の一例であり、ヒンジ3は接続部の一例である。さらに、表示部筐体5は第1の筐体の一例である。
【0018】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、ベース筐体2の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、ベース筐体2の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、ベース筐体2の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、電子機器1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。
【0019】
さらに、
図1では、便宜上、表示装置4の短手方向がDwがとして定義される。短手方向Dwは、ベース筐体2に対する表示装置4の傾き(開き角度)によって変わる。
図1の例では、短手方向DwがZ方向に沿っている。短手方向Dwにおける
図1での上方向は、第1の方向の一例であり、短手方向Dwにおける
図1での下方向は、第2の方向の一例である。
【0020】
ベース筐体2は、上面21を有する。上面21は、略上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面21は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。なお、上面21は、この例に限られず、凹凸を有しても良い。
【0021】
ベース筐体2は、例えば、基板、CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリ、アンテナ、及び他の種々の部品を収容する。ベース筐体2の上面21には、入力手段である複数のキー22およびタッチパッド23が設けられている。
【0022】
ヒンジ3は、ベース筐体2と表示部筐体5とが互いに回動可能なように接続するものである。ヒンジ3は、後方向(-X方向)におけるベース筐体2の端部である後端部2aに設けられる。ヒンジ3は、ベース筐体2の後端部2aと、短手方向Dwの下方向における表示部筐体5の端部である下端部5aと、を互いに接続している。なお、下端部5aは端部の一例である。
【0023】
表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイのような画像を表示可能な装置である。表示装置4は、表示面41を有する。表示面41は、略平坦に形成され画像を表示可能である。表示面41に、例えば、タッチパネルが設けられても良い。その場合、ユーザは、表示面41へのタッチ操作により表示装置4を操作することができる。
【0024】
図2は、第1実施形態の表示部筐体5の平面図である。
図2に示すように、表示装置4は、上縁42と、下縁43と、を有する。なお、上縁42は第1の縁の一例であり、下縁43は第2の縁の一例である。
【0025】
上縁42は、表示装置4の短手方向Dwにおける上方向に向く縁である。短手方向Dwは、表示面41に沿う方向である。本実施形態において、上縁42は、短手方向Dwにおける上方向の表示装置4の端部に設けられる。なお、上縁42は、この例に限られない。
【0026】
下縁43は、表示装置4の短手方向Dwにおける下方向に向く縁である。下縁43は、上縁42の反対側に位置する。本実施形態において、下縁43は、表示装置4のパネルの、短手方向Dwにおける下方向の端部に設けられる。例えば、表示装置4の基板が幅方向(Y方向)における表示装置4のパネルの略中央部分から、短手方向Dwにおける下方向に突出している。なお、下縁43は、この例に限られない。
【0027】
表示部筐体5は、ヒンジ3に回転可能に取り付けられる。本実施形態において、ヒンジ3に取り付けられた表示部筐体5は、ベース筐体2およびヒンジ3に対して回転することができる。表示部筐体5は、例えば、金属製又は樹脂製であり、略矩形(四角形)の薄い箱状に形成されている。表示部筐体5の内部の空間には、例えば、表示装置4等の種々の部品が収容されている。
【0028】
図1に示すように、表示部筐体5は、バックカバー51と、ベゼル52と、を有する。バックカバー51とベゼル52とは、表示部筐体5の厚さ方向に組み合わされ、例えば分解時において互いに分割可能である。
【0029】
図2に示すように、バックカバー51は、後壁53と、周壁54とを有する。後壁53は、表示装置4のうち表示面41の反対側に位置する背面を覆う。後壁53は、内面55と、位置決め壁56と、を有する。なお、位置決め壁56は壁の一例である。
【0030】
内面55は、表示部筐体5の内部に向く略平坦な面である。なお、内面55に、凹凸が設けられても良いし、曲面が設けられても良い。内面55は、表示装置4の背面に向いている。
【0031】
位置決め壁56は、表示装置4の上縁42に隣接する位置で、内面55から表示部筐体5の厚さ方向に突出している。表示装置44の上縁42は、位置決め壁56に面している。位置決め壁56は、上縁42に当接しても良いし、上縁42から僅かに離れていても良い。
【0032】
周壁54は、後壁53の縁から突出した枠状の壁であり、表示装置4を囲んでいる。位置決め壁56は、周壁54の内側に位置する。なお、位置決め壁56が省略され、周壁54の一部が、表示装置44の上縁42に隣接しても良い。
【0033】
ベゼル52は、バックカバー51の周壁54に取り付けられる。
図1に示すように、ベゼル52は、前面57を有する。前面57は、
図1のように電子機器1が開かれた状態において、おおよそ前方向(+X方向)に向く略平坦な面である。前面57は、当該前面57が向く方向(+X方向)と直交する方向(YZ平面)に沿って延びている。
【0034】
ベゼル52には、開口部58が設けられている。開口部58は、前面57に開口している。開口部58は、表示面41を表示部筐体5の外部に露出させる。すなわち、表示面41は、開口部58を通じて表示部筐体5の前方向(+X方向)へ向く。ベゼル52は、表示装置4の表示面41を囲んでいる。
【0035】
図3は、
図2の表示部筐体5の一部を拡大した平面図である。
図3に示すように、表示部筐体5は、突起59を有する。突起59は、表示装置4の下縁43に隣接する位置で、表示部筐体5の内面55から表示部筐体5の厚さ方向に突出している。突起59は、下縁43から離間している。
【0036】
図2に示すように、電子機器1は、ストレッチリリーステープ7をさらに備える。ストレッチリリーステープ7は、表示装置4を表示部筐体5に接着するものである。すなわち、ストレッチリリーステープ7は、表示部筐体5に収容されている。なお、本実施形態では、二つのストレッチリリーステープ7が設けられている。しかし、ストレッチリリーステープ7の数は二つに限られず、適宜変更されて良い。
【0037】
各ストレッチリリーステープ7は、互いに表示部筐体5の幅方向(Y方向)に離間して内面55に貼り付けられている。なお、各ストレッチリリーステープ7が互いに離間する方向は、表示部筐体5の幅方向に限られない。例えば、各ストレッチリリーステープ7は、互いに表示装置4の短手方向Dwに離間して表示部筐体5の内面55に貼り付けられても良い。
【0038】
各ストレッチリリーステープ7は、表示部筐体5の内面55に貼り付けられるとともに、表示装置4の短手方向Dwに沿って延びている。二つのストレッチリリーステープ7は、表示装置4の背面のY方向における両端部を、内面55に貼り付ける。
【0039】
表示装置4の短手方向Dwの上方向におけるストレッチリリーステープ7の端7aは、表示装置4の短手方向Dwにおいて表示装置4の上縁42と下縁43との間に位置するとともに、下縁43よりも上縁42に近い。言い換えると、表示装置4の短手方向Dwにおいて、ストレッチリリーステープ7の端7aと上縁42との間の距離は、端7aと下縁43との間の距離よりも短い。
【0040】
ストレッチリリーステープ7の端7aは、位置決め壁56から離間している。また、ストレッチリリーステープ7の端7aは、表示装置4の上縁42から離間している。なお、ストレッチリリーステープ7は、上縁42まで延びていても良いし、上縁42を横断して延びていても良い。
【0041】
ストレッチリリーステープ7は、介在部71を有する。介在部71は、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、表示装置4と表示部筐体5の内面55との間に位置して表示装置4を表示部筐体5の内面55に接着する部分である。すなわち、介在部71は、表示装置4に向く表示部筐体5の内面55と表示装置4とを接着している。
【0042】
介在部71は、第1接着面711を有する。なお、第1接着面711は、第1の面の一例である。第1接着面711は、介在部71の一方の面であり、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、介在部71における表示装置4に面している。なお、第1接着面711は、これに限られず、例えば、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、表示部筐体5の内面55に面しても良い。
【0043】
第1接着面711は、第1接着エリア711aと、非接着エリア711bと、を有する。なお、第1接着エリア711aは第1の部分の一例であり、非接着エリア711bは第2の部分の一例である。
【0044】
第1接着エリア711aは、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、表示装置4又は表示部筐体5と接着する部分である。すなわち、第1接着エリア711aは、接着性を有している。
【0045】
第1接着エリア711aは、ストレッチリリーステープ7の端7aを含み、非接着エリア711bよりも表示装置4の短手方向Dwにおいて上方に設けられている。なお、第1接着エリア711aの範囲は適宜変更されて良い。
【0046】
非接着エリア711bは、第1接着面711における非接着性の部分である。非接着エリア711bは、例えば、第1接着面711に非接着性の層を貼り付けることで形成される。なお、非接着エリア711bを形成する方法は、これに限らない。例えば、第1接着面711の一部にニス等を塗ることで、非接着エリア711bが形成されても良い。
【0047】
非接着エリア711bは、表示装置4の下縁43と第1接着エリア711aとの間に設けられている。このため、非接着エリア711bは、第1接着エリア711aよりもヒンジ3に近い。本実施形態の非接着エリア711bは、上縁42よりも下縁43に近い。なお、非接着エリア711bの範囲は適宜変更されて良い。
【0048】
図3に示すように、ストレッチリリーステープ7は、摘み部72をさらに有する。摘み部72は、剥がし代とも称される。摘み部72は、表示部筐体5に表示装置4が収容された状態において、表示装置4の短手方向Dwの下方向における介在部71の端71aから表示装置4の下縁43を横断して表示装置4と表示部筐体5との間の空間の外まで延びている。すなわち、非接着エリア711bは、第1接着エリア711aと摘み部72との間に位置する。
【0049】
非接着エリア711bから連続する摘み部72の一方の表面は、例えば、非接着性になっている。摘み部72の他方の表面は、接着性を有し、突起59に貼り付いている。なお、摘み部72の両面が接着性を有しても良い。摘み部72の一部は、表示部筐体5の突起59と接触して表示部筐体5の内面55から離間している。
【0050】
電子機器1を解体および修理する際、表示装置4が表示部筐体5から取り外されることがある。この場合、作業者は表示部筐体5を分解して当該表示部筐体5に収容されている表示装置4を外部に露出させる。作業者は、表示装置4の下縁43を横断して延びているストレッチリリーステープ7の摘み部72を摘まんで引っ張る。
【0051】
ストレッチリリーステープ7は、引っ張られることで、接着力を低下させる。このため、ストレッチリリーステープ7は、摘み部72を作業者に引っ張られたことで接着力が低下して表示装置4の背面および表示部筐体5の内面55から剥がれる。これにより、表示装置4は表示部筐体5から取り外される。
【0052】
以上のように、表示装置4を表示部筐体5から容易に取り外し可能なストレッチリリーステープ7が、表示装置4を表示部筐体5に接着する。一方、従来の電子機器では、例えば、四つのストレッチリリーステープにより表示装置を表示部筐体に接着することがある。
【0053】
上記従来の電子機器では、二つのストレッチリリーステープの摘み部が表示装置の下縁を横断して延びており、他の二つのストレッチリリーステープの摘み部が表示装置の上縁を横断して延びている。このため、上記従来の電子機器では、ストレッチリリーステープの摘み部を収容するための空間が、表示装置の上縁近傍および下縁近傍に設けられる。このため、表示装置の上縁近傍におけるベゼルの幅が太くなってしまうことがある。
【0054】
一方、本実施形態の電子機器1では、ストレッチリリーステープ7は、表示装置4の上縁42を横断して延びてはいない。すなわち、表示部筐体5は、ストレッチリリーステープ7の摘み部72を収容するための空間を表示装置4の下縁43近傍に設けているが、上縁42の近傍には設けない。このため、表示部筐体5は、表示装置4の上縁42近傍の空間を小さくすることが可能となる。従って、表示装置4の上縁42近傍におけるベゼル52の幅を細くすることができる。よって、電子機器1は小型化が可能となる。
【0055】
また、ストレッチリリーステープ7の端7aは、表示装置4の短手方向Dwにおいて表示装置4の上縁42と下縁43との間に位置するとともに、下縁43よりも上縁42に近い位置に配置されている。本実施形態では、ストレッチリリーステープ7の介在部71は、上縁42の近傍と、下縁43と、の間に亘って、表示装置4と表示部筐体5とを接着する。そのため、ストレッチリリーステープ7は、表示装置4の十分な領域を表示部筐体5の内面55に接着することができる。これにより、例えば、電子機器1では、表示装置4の上縁42を横断して延びる摘み部を有する他のストレッチリリーステープは不要となる。
【0056】
また、電子機器1が開閉されるとき、ユーザは、表示装置4の短手方向Dwの上方向における表示部筐体5の端部を把持し、表示部筐体5をヒンジ3まわりに回動させる。このとき、ヒンジ3において、表示部筐体5の回動に対する抵抗が発生する。ユーザが表示部筐体5の端部に与える外力と、ヒンジ3における抵抗と、によって、ヒンジ3近傍において表示部筐体5が湾曲することがある。
【0057】
表示部筐体5が湾曲した場合、表示装置4と表示部筐体5との剛性の差により、表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位が生じる。ヒンジ3近傍に位置する表示装置4の下縁43近傍において、表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位が大きくなる。もしストレッチリリーステープ7の第1接着面711の全域が接着性を有するならば、表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位により、下縁43近傍において表示装置4がストレッチリリーステープ7から剥がれる虞がある。
【0058】
しかし、本実施形態の電子機器1では、ストレッチリリーステープ7の非接着エリア711bが第1接着エリア711aと摘み部72との間に位置する。言い換えると、非接着エリア711bが、下縁43近傍に設けられる。そのため、表示装置4の下縁43近傍において表示装置4は、ストレッチリリーステープ7と接着しない。これにより、表示装置4の下縁43における表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位により、表示装置4がストレッチリリーステープ7から剥がれることが抑制される。さらに、表示装置4がストレッチリリーステープ7から剥がれることにより発生する異音が抑制される。
【0059】
以上のように、本実施形態の電子機器1は、表示装置4と、表示部筐体5と、ストレッチリリーステープ7と、を備える。表示装置4は、画像を表示可能な表示面41と、表示面41に沿う表示装置4の短手方向Dwの上方向に向く上縁42と、上縁42の反対側に位置する下縁43と、を有する。表示部筐体5は、表示装置4を収容する。ストレッチリリーステープ7は、表示装置4を表示部筐体5に接着する。さらに、ストレッチリリーステープ7は、介在部71と、摘み部72と、を有する。介在部71は、表示装置4と表示部筐体5との間に位置して表示装置4を表示部筐体5に接着する。摘み部72は、表示装置4の短手方向Dwの下方向における介在部71の端71aから下縁43を横断して延びるとともに表示装置4と表示部筐体5との間の空間の外に位置する。介在部71は、表示装置4及び表示部筐体5のうち一方の部品に面する第1接着面711を有する。第1接着面711は、表示装置4又は表示部筐体5に接着された第1接着エリア711aと、第1接着エリア711aと摘み部72との間に位置するとともに非接着性である非接着エリア711bと、を有する。ストレッチリリーステープ7の端7aは、表示面41に沿う方向において、上縁42と下縁43との間に位置するとともに、下縁43よりも上縁42に近い。
【0060】
電子機器1を解体および修理する場合、作業者は表示装置4と表示部筐体5とを接着しているストレッチリリーステープ7を剥がすことによって、表示部筐体5から表示装置4を取り外す。ストレッチリリーステープ7を表示装置4および表示部筐体5から剥がす際、作業者はストレッチリリーステープ7の摘み部72を摘まんで引っ張り、ストレッチリリーステープ7の接着力を低減又は消失させる。
【0061】
本実施形態の電子機器1では、摘み部72は表示装置4の下縁43を横断して延びている。また、ストレッチリリーステープ7の端7aが下縁43よりも上縁42に近い位置に配置されることで、ストレッチリリーステープ7は表示装置4の十分な領域を表示部筐体5に接着することができ、上縁42を横断して延びる摘み部を有する他のストレッチリリーステープは不要となる。そのため、表示部筐体5は、摘み部72を収容するための空間を下縁43の近傍に設ければ、上縁42の近傍の空間を小さくすることができる。これにより、上縁42の近傍における表示部筐体5のベゼル52の幅を細くすることが可能となり、電子機器1は小型化可能となる。
【0062】
また、例えば、外力により表示部筐体5が湾曲したとき、表示装置4と表示部筐体5との剛性の差により、表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位が生じる。下縁43の近傍において、表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位が大きくなる場合がある。しかし、本実施形態の電子機器1では、非接着性の非接着エリア711bが、接着性の第1接着エリア711aと摘み部72との間に位置する。すなわち、下縁43の近傍において、ストレッチリリーステープ7は部品に接着されない。そのため、表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位により下縁43の近傍でストレッチリリーステープ7の剥離が生じること、そして当該剥離による異音が生じることが抑制される。
【0063】
また、本実施形態では、電子機器1は、ベース筐体2と、ヒンジ3と、をさらに備える。ヒンジ3は、ベース筐体2と表示部筐体5とが互いに回動可能なように、ベース筐体2と表示部筐体5の下端部5aとを互いに接続する。
【0064】
ベース筐体2を表示部筐体5に対して回動させる場合、ユーザは、例えば、表示装置4の短手方向Dwの上方向における表示部筐体5の端部を把持して、表示部筐体5にトルクを与える。このとき、ヒンジ3において当該トルクに対する抵抗が生じ、ヒンジ3の近傍において表示部筐体5が大きく湾曲することがある。下縁43は、ヒンジ3の近傍に位置する。このため、表示部筐体5が湾曲したとき、下縁43の近傍において表示装置4と表示部筐体5との相対的な変位が大きくなる場合がある。しかし、本実施形態の電子機器1では、第1接着面711が非接着性の非接着エリア711bを有するため、ストレッチリリーステープ7の剥離により異音が生じることが抑制される。
【0065】
また、本実施形態では、表示部筐体5は、内面55と、突起59と、を有する。内面55は、表示装置4に向くとともに介在部71によって表示装置4に接着される。突起59は、内面55から突出して摘み部72と接触する。突起59は、摘み部72に接触することで、摘み部72を内面55から離間させる。これにより、作業者がストレッチリリーステープ7の摘み部72を摘まみやすくなる。
【0066】
また、本実施形態では、表示部筐体5は、位置決め壁56を有する。上縁42は、位置決め壁56に面する。ストレッチリリーステープ7の端7aは、上縁42から離間している。表示装置4が表示部筐体5に取り付けられる際、作業者は、上縁42を位置決め壁56に当接させることで、表示装置4の短手方向Dwの上方向における表示装置4の位置を所望の位置に設定することができる。このとき、作業者は、表示装置4のうち上縁42を除く部分が表示部筐体5から離間するように表示装置4を表示部筐体5に対して斜めに傾けることで、表示装置4の位置決め前に表示装置4がストレッチリリーステープ7に付着することを抑制できる。
【0067】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態の表示部筐体5およびストレッチリリーステープ7Aの一部を拡大した平面図である。
図4に示すように、第2実施形態のストレッチリリーステープ7Aは、下記に説明される構成を除き、前記第1実施形態のストレッチリリーステープ7Aと同様の構成を備えている。よって、第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の構成に基づく効果が得られる。
【0068】
第2実施形態のストレッチリリーステープ7Aでは、摘み部72Aは、第1接着面711に連続する第2接着面721を有する。言い換えると、ストレッチリリーステープ7Aの一方の表面のうち、介在部71に含まれる部分が第1接着面711であり、摘み部72Aに含まれる部分が第2接着面721である。なお、第2接着面721は第2の面の一例である。
【0069】
第2接着面721は、接着性を有する第2接着エリア721aを有する。なお、第2接着エリア721aは第3の部分の一例である。ストレッチリリーステープ7Aにおいて、第2接着エリア721aは、非接着エリア711bよりも表示装置4の短手方向Dwの下方に位置する。
【0070】
第2接着エリア721aは、第2接着面721の全域に設けられても良いし、第2接着面721の一部に設けられても良い。すなわち、第2接着面721に、非接着性の部分が設けられても良い。
【0071】
図5は、第2実施形態の表示部筐体5およびストレッチリリーステープ7Aの断面図である。
図5は、作業者が表示部筐体5にストレッチリリーステープ7Aを貼り付ける様子を示している。
【0072】
図5に示すように、未使用のストレッチリリーステープ7Aには、一般的に第1接着面711および第2接着面721にセパレーターSが貼られている。電子機器1を組み立てる際、作業者は表示部筐体5の内面55にストレッチリリーステープ7Aを貼り付ける。この時、作業者は、ストレッチリリーステープ7Aを真っすぐに内面55に貼るために、ストレッチリリーステープ7Aを
図5の矢印に示すように短手方向Dwにおける下方向に引っ張りながら内面55に貼り付ける。
【0073】
セパレーターSは、ストレッチリリーステープ7Aよりも伸びにくい。このため、例えば、ストレッチリリーステープ7Aに第2接着エリア721aが設けられていない場合、作業者がストレッチリリーステープ7Aを引っ張ると、セパレーターSは伸びないが、ストレッチリリーステープ7Aが伸びてしまう。そのため、ストレッチリリーステープ7Aが表示部筐体5に収まりきらない虞がある。
【0074】
しかし、本実施形態のストレッチリリーステープ7Aでは、摘み部72Aに第2接着エリア721aが設けられている。これにより、作業者がストレッチリリーステープ7Aを引っ張った場合、セパレーターSが第2接着エリア721aと接着していることにより、ストレッチリリーステープ7Aが伸びてしまうことを抑制できる。
【0075】
以上のように、本実施形態のストレッチリリーステープ7Aでは、摘み部72Aは、第1接着面711に連続する第2接着面721を有する。第2接着面721は、接着性を有する第2接着エリア721aをさらに有する。
【0076】
未使用のストレッチリリーステープ7Aには、一般的に、セパレーターSが貼られている。セパレーターSは、例えば、非接着性の非接着エリア711bを横断して延び、接着性の第1接着エリア711aおよび第2接着エリア721aに付着している。ストレッチリリーステープ7Aを表示部筐体5に貼る際、作業者はストレッチリリーステープ7Aを引っ張りながら表示部筐体5に貼り付ける。セパレーターSが非接着エリア711bを横断して第1接着エリア711aおよび第2接着エリア721aに付着するよう延びているため、作業者がストレッチリリーステープ7Aを引っ張った時、セパレーターSは第1接着エリア711aと非接着エリア711bとのあいだでストレッチリリーステープ7Aが伸長してしまうことを抑制できる。これにより、ストレッチリリーステープ7Aの伸長により下縁43を横断して延びる摘み部72Aが長くなってしまうことが抑制される。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 電子機器
2 ベース筐体(第2の筐体)
3 ヒンジ(接続部)
4 表示装置
41 表示面
42 上縁(第1の縁)
43 下縁(第2の縁)
5 表示部筐体(第1の筐体)
5a 下端部(端部)
55 内面
56 位置決め壁(壁)
59 突起
7、7A ストレッチリリーステープ
7a 端
71 介在部
71a 端
711 第1接着面(第1の面)
711a 第1接着エリア(第1の部分)
711b 非接着エリア(第2の部分)
72、72A 摘み部
721 第2接着面(第2の面)
721a 第2接着エリア(第3の部分)