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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162739
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】音伝達装置、遊技機および音響装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20231101BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H04R1/02 101Z
H04R1/10 104B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073336
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 太祐
(72)【発明者】
【氏名】大山 将史
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 翼
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AD40
(57)【要約】
【課題】ユーザに高品質な音を提供する。
【解決手段】音伝達装置20は、筐体の内部に配置され、振動板233を有するスピーカー230Rと、筐体に設けられ、音導管310Rが挿入される放音孔213Rと、筐体の内部に設けられ、第1開口部251と第2開口部252とを有する中空のガイド部材250と、を有し、第1開口部251は振動板233に対向し、第2開口部252は放音孔213Rに対向し、第1開口部251の開口径M1は、第2開口部252の開口径252よりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置され、振動板を有するスピーカーと、
前記筐体に設けられ、音導管が挿入される放音孔と、
前記筐体の内部に設けられ、第1開口部と第2開口部とを有する中空のガイド部材と、
を有し、
前記第1開口部は前記振動板に対向し、
前記第2開口部は前記放音孔に対向し、
前記第1開口部の開口径は、前記第2開口部の開口径よりも大きい、
音伝達装置。
【請求項2】
前記スピーカーに供給する音響信号の周波数特性を補正する
音響補正装置をさらに有する、
請求項1に記載の音伝達装置。
【請求項3】
前記第2開口部の開口径は、前記音導管の内径以下である、
請求項1に記載の音伝達装置。
【請求項4】
前記第2開口部の開口径は、前記音導管の外径以上である、
請求項1に記載の音伝達装置。
【請求項5】
前記振動板の断面が湾曲形状である
請求項1に記載の音伝達装置。
【請求項6】
前記筐体の内部には、
前記スピーカーと前記放音孔と前記ガイド部材とが2組設けられる
請求項1に記載の音伝達装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の音伝達装置を備える遊技機。
【請求項8】
イヤホンと、
音伝達装置と、
を含み、
前記イヤホンは、
可撓性のチューブを含む音導管と、
中空状の耳挿入部と、
を有し、
前記耳挿入部が前記チューブに接続され、
前記音伝達装置は、
筐体と、
前記筐体の内部に配置され、振動板を有するスピーカーと、
前記筐体に設けられ、前記音導管が挿入される放音孔と、
前記筐体の内部に設けられ、第1開口部と第2開口部とを有する中空のガイド部材と、
を有し、
前記第1開口部は前記振動板に対向し、
前記第2開口部は前記放音孔に対向し、
前記第1開口部の開口径は、前記第2開口部の開口径よりも大きい、
音響装置。
【請求項9】
前記音導管の側面には開孔部が設けられ、
前記音導管が前記放音孔に挿入された場合に、
前記開孔部は、前記ガイド部材の前記第1開口部と前記第2開口部との間に位置する
請求項8に記載の音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音伝達装置、遊技機および音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機においては、各種遊技状態に応じた様々な効果音を発するものが知られている。遊技機が設置される店舗では、様々な案内放送や、BGM、他の遊技機から効果音などが入り混じり、自遊技機の効果音を明確に聞き取ることが難しい。そこで、遊技機にイヤホンを接続して、ユーザに遊技機の効果音を聞かせることが考えられる。
ただし、遊技機にイヤホンの接続プラグが電気的に接続される構成では、外部不正機器が接続されて、不正行為が行われるおそれがある。
このため、エアチューブ型のイヤホンによって、遊技機の効果音をユーザの耳まで伝達させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5000918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ユーザに高品質な音を提供することが困難である、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る音伝達装置は、筐体と、前記筐体の内部に配置され、振動板を有するスピーカーと、前記筐体に設けられ、音導管の一端が挿入される放音孔と、前記筐体の内部に設けられ、第1開口部と第2開口部とを有する中空のガイド部材と、を有し、前記第1開口部は前記振動板に対向し、前記第2開口部は前記放音孔に対向し、前記第1開口部の開口径は、前記第2開口部の開口径よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る音響装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
図2】音響装置の音伝達装置の構成を分解斜視図である。
図3】音伝達装置の構成を示す斜視図である。
図4】音伝達装置の構成を示す分解断面図である。
図5】音伝達装置の構成を示す断面図である。
図6】第2実施形態に係る音響装置の音伝達装置の構成を分解斜視図である。
図7】音伝達装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態に係る音伝達装置について図面を参照して説明する。
なお、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0008】
図1は、第1実施形態に係る音伝達装置20を含むシステム1の構成を示すブロック図である。図に示されるように、システム1は、遊技機2およびイヤホン30を含み、遊技機2は、本体10と音伝達装置20とを含む。なお、システム1のうち、音伝達装置20およびイヤホン30とで音響装置3として概念することができる。
【0009】
遊技機2における本体10は、例えばパチンコ機であり、遊技状態やイベントの発生等に応じた各種の効果音を生成する。音伝達装置20は、本体10で生成された効果音をイヤホン30に伝達するものであり、本体10において、例えばユーザ(プレイヤ)と向かう盤面の下方、具体的には、ハンドルの付近に設けられる。
【0010】
本体10は、電気的には、バスBを介して互いに接続される制御装置101、記憶装置102および音源装置103を含む。なお、本体10における盤面の構造および遊技内容については、本願において重要ではないので、詳細については省略する。
【0011】
制御装置101は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の単数または複数の処理回路で構成され、本体10の各要素を統括的に制御する。制御装置101は、CPUのほか、DSP(Digital Signal Processor)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路によって構成されてもよい。
【0012】
記憶装置102は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成された単数または複数のメモリーであり、制御装置101が実行するプログラムと制御装置101が使用する各種のデータとを記憶する。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置102を構成してもよい。
音源装置103は、効果音を示す音響信号をデジタルで、制御装置101による制御にしたがってL、Rの2チャンネルで生成する。
【0013】
音伝達装置20は、音響補正装置201、増幅装置202、スピーカー230Lおよび230Rを含む。
音響補正装置201は、音源装置103により生成された音響信号の周波数特性を補正して出力する。イヤホン30では、高域成分が減衰してユーザに伝達する場合に、このような減衰を補償するために、音響補正装置201が、音響信号の高域成分を高めるような補正を実行する。
なお、音響補正装置201により補正された2チャンネルの音響信号は、図示省略されたDAC(Digital Analog Converter)によってアナログ信号にそれぞれ変換される。
【0014】
増幅装置202は、2チャンネルのアナログ信号をそれぞれ増幅する。スピーカー230L、230Rの各々は、それぞれ後述する筐体内に設けられる。スピーカー230Lは、アナログに変換されたLチャンネルの音響信号を、物理的な振動である音響に変換して出力し、スピーカー230Rは、アナログに変換されたRチャンネルの音響信号を音響に変換する。
【0015】
イヤホン30は、いわゆるエアチューブ型のステレオイヤホンである。詳細には、イヤホン30は、スピーカー230Lによって変換された音響を、空洞の音導管310Lおよび耳挿入部320Lを順に介してユーザの左耳に伝達させる。また、イヤホン30は、同様に、スピーカー230Rによって変換された音響を、空洞の音導管310Rおよび耳挿入部320Rを順に介してユーザの右耳に伝達させる。
【0016】
イヤホン30において、音導管310Lは、互いに接続された接続管311Lとチューブ312Lとを含み、音導管310Rは、互いに接続された接続管311Rとチューブ312Rとを含む。
接続管311Lおよび311Rは、例えば硬質のプラスティックから構成され、後述するように音伝達装置20に接続される。
チューブ312Lおよび312Rは、可撓性を有する中空の部材、例えばビニルやポリエチレン等から構成される。
【0017】
チューブ312Lは、耳挿入部320Lに接続される。耳挿入部320Lは、弾力性を有するイヤーピースであり、チューブ312Lの中空部に連通する開口部Apを有する。装用時において、開口部Apがユーザの外耳道に向かうように、耳挿入部320Lが左耳に挿入される。
チューブ312Rは、耳挿入部320Rに接続される。耳挿入部320Rは、弾力性を有するイヤーピースであり、チューブ312Rの中空部に連通する開口部Apを有する。装用時において、開口部Apがユーザの外耳道に向かうように、耳挿入部320Rが右耳に挿入される。
【0018】
次に、音伝達装置20においてスピーカー230Lおよび230Rを収める筐体210と、音導管310L、310Rとの構成について説明する。
【0019】
図2は、筐体210の分解斜視図であり、図3は、筐体210への音導管310Lおよび310Rの接続を示す図である。図4は、筐体210の分解断面図であり、図5は、音導管310Rが接続された状態における筐体210の断面図である。
なお、図4および図5は、図3におけるA-A’線で破断した場合の断面図である。筐体210におけるスピーカー230Lおよび230Rの取り付け状態は、ほぼ共通であるので、図4および図5では、図面の複雑化を避けるために、スピーカー230Rだけを示している。
【0020】
図2に示されるように、筐体210は、箱形のトップケース211と裏蓋212とに分かれる。トップケース211および裏蓋212の材質としては、プラスティックや金属などが好適である。トップケース211の天面には放音孔213L、213Rが設けられる。放音孔213L、213Rには、それぞれ環状の部材241が設けられる。部材241の材質としては弾力性を有するゴムや硬質スポンジなどが用いられる。
【0021】
本実施形態において、環状の部材241の外径は、放音孔213L、213Rの孔径とほぼ同じであり、部材241の内径は、接続管311Lおよび311Rの外径とほぼ同じである。なお、環状の部材241の外径は、放音孔213L、213Rの孔径以下であり、部材241の内径は、接続管311Lおよび311Rの外径以上であればよい。
【0022】
スピーカー230Lおよび230Rは、平面視で円形の振動板(コーン)233を図において上側にした状態で、それぞれフレーム235を介して裏蓋212に並んで取り付けられる。
なお、フレーム235は、振動板233による振動を妨げず、かつ、振動板233に対応する領域において開孔して、スピーカー230Lまたは230Rを裏蓋212に取り付ける。
【0023】
図3に示されるようにトップケース211に裏蓋212が取り付けられた状態で、筐体210が構成される。なお、遊技機2の本体10には、筐体210の裏蓋212が取り付けられ、音導管310Lの接続管311Lが、スピーカー230Lに対応する放音孔213Lに挿入され、音導管310Rの接続管311Rが、スピーカー230Rに対応する放音孔213Rに挿入される。
【0024】
図4に示されるように、トップケース211の内部には、ガイド部材250が設けられる。ガイド部材250には、スピーカー230Rに対応する第1開口部251と、放音孔213Rに対向する第2開口部252とを有する。詳細には、ガイド部材250には、第1開口部251から第2開口部252に向かって緩やかな弧を描いて窄まる、すり鉢状の空間250aが形成される。第1開口部251の開口径M1は、第2開口部252の開口径M2よりも大きい。
第1実施形態において、第2開口部252の開口径M2は、音導管310Rの接続管311Rの内径M3以下であればよい。好ましくは、開口径M2は、内径M3と等しければよい。なお、接続管311Rのうち、部材241に挿入される部分の外径をM4とする。
【0025】
図5に示されるように、裏蓋212がトップケース211に取り付けられた状態では、ガイド部材250の底面250bがスピーカー230Rのフレーム235に当接する。また、接続管311Rが部材241に挿入されると、当該接続管311Rの先端はガイド部材250の第2開口部252に当接する。
なお、この状態において、接続管311Rの中心、第2開口部252の中心、第1開口部251の中心、および、振動板233の中心は、ほぼ一直線上にある。
【0026】
本実施形態において、振動板233の断面形状は、図4または図5において下に凸になっており、振動板233が振動した場合に発生した音響は、筐体210からの出口である第2開口部252に向かって効率良く誘導される。
裏蓋212がトップケース211に取り付けられた状態では、ガイド部材250の底面とスピーカー230Rのフレーム235とが当接し、トップケース211と接続管311Rとの隙間が部材241によって埋められて空間250aおよび接続管311Rの内部が密閉され、さらに、第2開口部252の開口径M2は、接続管311Rの内径M3以下であるので、第2開口部252から放出される音響は、ほぼすべて接続管311Rに導かれる。
【0027】
したがって、本実施形態では、スピーカー230Rから発生した音響が、集音を高めた状態で音導管310Rに導かれる一方で、外部に漏れる音が抑えられるので、音導管310Rを介してユーザに高品質な音を提供することができる。
ここではRチャンネルのスピーカー230Rやガイド部材250等について説明したが、Lチャンネルについても同様な構成となっている。このため、本実施形態によれば、LおよびRチャンネルの高品質なステレオ音をユーザに提供することが可能になる。
【0028】
また、チューブ312R(312L)を介して音響を耳挿入部320R(320L)に伝達する構成では、高域成分が減衰する場合がある。本実施形態では、音響補正装置201が、音響信号の高域成分を高めるので、上記減衰が補償されて、高品質な音を提供することが可能になる。
なお、音響補正装置201は、高域成分の補償に限られず、音響信号の低域成分を強調するなど様々な補正が可能である。
【0029】
音響補正は、イヤホン挿入の有無に応じて、音響信号を生成する本体10で行う構成が一般的である。しかしながら、パチンコ機等の遊技機の場合、電気接続式のプラグ/ジャックを使うことができない。このため、一般的な構成では、イヤホン挿入の有無を検知する機構や、その検知情報を本体10に伝達する構成などが必要になるので、構成の複雑化を招き、高コストになる。
これに対して、本実施形態では、音響補正装置201を音伝達装置20に内蔵しているので、イヤホン挿入の有無の検出自体が不要になる。このため、本実施形態では、本体10と音伝達装置20とを含む遊技機2でみれば、一般的な構成と比較して、シンプルな構成になり、低コスト化を図ることができる。
【0030】
第2実施形態に係る音響装置3について説明する。図6は、第2実施形態に係る音響装置3の音伝達装置20における筐体210の分解断面図であり、図7は、筐体210および音導管310Rの断面図である。
第2実施形態に係る音響装置3が第1実施形態と相違する点は、ガイド部材250における第2開口部252の開口径M2が接続管311Rの外径M4よりも大きい点、および、接続管311Rの側面に1または複数の開孔部302が設けられた点にある。なお、開孔部302は、図において複数設けられているが、1つでもよい。
【0031】
図7に示されるように、接続管311Rが部材241に挿入されると、ガイド部材250の第2開口部252に当接することなく、空間250aまで進入する。なお、接続管311Rが進入した際に、接続管311Rの先端が振動板233に接触するのを避けるために、例えば図7に示されるように、接続管311Rの後端の外径が、すなわちチューブ312Rが接続される端部の外径が、部材241の内径より大きくなっている。
【0032】
接続管311Rが、部材241に挿入されて、筐体210に押し込まれた場合に、開孔部302は、第1開口部251と第2開口部252との間に位置する。このため、第2実施形態では、スピーカー230Rから発生した音響が、接続管311Rの先端だけでなく、開孔部302を介して導かれるので、接続管311Rの先端だけで収音される第1実施形態と比較して、より多くの音を効率良く収音することができる。したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態と比較して、大音量化することができる。
第2実施形態において、ガイド部材250の底面250bとスピーカー230Rのフレーム235とが当接する点、および、トップケース211と接続管311Rとの隙間が部材241によって埋められて密閉される点は、第1実施形態と同様である。
よって、第2実施形態によれば、音導管310Rを介してユーザに高品質な音を大音量で提供することができる。
【0033】
なお、第2実施形態において、Lチャンネルについても、Rチャンネルと同様な構成であるので、LおよびRチャンネルの高品質なステレオ音をユーザに提供することが可能になる。
【0034】
第1実施形態および第2実施形態(以下「実施形態等」という)において、例えば音導管310Lの接続管311Lが、部材241に挿入されるが、部材241がトップケース211に取り付けられた構成でみれば、部材241を筐体210の放音孔とみなすことができる。
【0035】
また、実施形態等において、スピーカー230R(230L)の振動板233は、第1開口部251に対して凹の形状に湾曲しているので、振動板233で振動させる空気の容積をかせぐことができ、高音質化に貢献できる。
なお、実施形態等において、振動板233の形状については、第1開口部251に対して凹の形状に限られず、例えば凸の形状であってもよいし、凹凸の複合形状であってもよい。
【0036】
実施形態等において、音導管310R(310L)については、接続管311R(311L)とチューブ312R(312L)とに分けたが、区別することがなく、一体のものとして概念することも可能である。
【0037】
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0038】
本開示のひとつの態様(態様1)に係る音伝達装置(20)は、筐体(210)と、筐体(210)の内部に配置され、振動板(233)を有するスピーカー(230R)と、筐体(210)に設けられ、音導管(310R)が挿入される放音孔(213)と、筐体(210)の内部に設けられ、第1開口部(251)と第2開口部(252)とを有する中空のガイド部材(250)と、を有し、第1開口部(251)は振動板(233)に対向し、第2開口部(252)は放音孔(213)に対向し、第1開口部(251)の開口径(M1)は、第2開口部(252)の開口径(M2)よりも大きい。
態様1によれば、スピーカー(230R)の振動板(233)から発せられた音は、振動板(233)に対向する第1開口部(251)から、径の小さい第2開口部(252)に誘導される。このため、振動板(233)によって振動される空気を効率良く音導管(310R)に導くことができ、ユーザに高品質な音を提供することが可能になる。
なお、音導管(310R)は、スピーカー(230R)から発せられた音をユーザの耳まで伝達させる管経路である。
【0039】
態様1の具体例である態様2において、スピーカー(230R)に供給する音響信号の周波数特性を補正する音響補正装置(201)をさらに有する。
態様2によれば、振動板(233)および音導管(310R)を順に介してユーザの耳に伝達する過程で音質劣化が発生しても、その劣化を音響補正装置(201)により補償することができる。
【0040】
態様1の具体例である態様3において、第2開口部(252)の開口径(M2)は、音導管(310R)の内径(M3)以下である。態様3によれば、開口径(M2)が開口径(M3)以上の大きさである構成と比較して、第2開口部(252)に誘導された音を、音導管(310R)に確実に導くことができる。
【0041】
態様1の具体例である態様4において、第2開口部(252)の開口径(M2)は、音導管(310R)の外径(M4)以上である。態様4によれば、音導管(310R)が放音孔(213)よりも先のガイド部材(250)の空間(250a)まで挿入可能になる。
【0042】
態様1の具体例である態様5では、振動板(233)の断面が湾曲形状である。湾曲形状としては、第1開口部(251)に向かって凸の形状と、第1開口部(251)に対して凹の形状との2通りがある。
態様1の具体例である態様6では、筐体(210)の内部には、スピーカー(230L/230R)と放音孔(213L/213R)とガイド部材(250/250)とが2組設けられる。態様6によれば、ステレオ音をユーザに伝達することが可能になる。
態様7に係る遊技機(2)は、態様1乃至6のいずれかに係る音伝達装置(20)を有する。
【0043】
本開示の別の態様(態様8)に係る音響装置(3)は、イヤホン(30)と、音伝達装置(20)と、を含み、イヤホン(30)は、可撓性のチューブ(312R)を含む音導管(310R)と、中空状の耳挿入部(320R)と、を有し、耳挿入部(320R)がチューブ(312R)に接続され、音伝達装置(20)は、筐体(210)と、筐体(210)の内部に配置され、振動板(233)を有するスピーカー(230R)と、筐体(210)に設けられ、音導管(310R)が挿入される放音孔(213)と、筐体(210)の内部に設けられ、第1開口部(251)と第2開口部(252)とを有する中空のガイド部材(250)と、を有し、第1開口部(251)は振動板(233)に対向し、第2開口部(252)は放音孔(213)に対向し、第1開口部(251)の開口径(M1)は、第2開口部(252)の開口径(M2)よりも大きい。
態様8によれば、スピーカー(230R)の振動板(233)から発せられた音は、振動板(233)に対向する第1開口部(251)から、径の小さい第2開口部(252)に誘導される。このため、振動板(233)によって振動される空気を、音導管(310R)を介して耳挿入部(320R)に効率良く導くことができ、ユーザに高品質な音を提供することが可能になる。
【0044】
態様8の具体例である態様9では、音導管(310R)の側面には開孔部(302)が設けられ、音導管(310R)が放音孔(213)に挿入された場合に、開孔部(302)は、ガイド部材(250)の第1開口部(251)と第2開口部(252)との間に位置する。
態様9によれば、振動板(233)から発せられた音が、音導管(310R)の先端に加え、開孔部(302)を介して、チューブ(312R)および耳挿入部(320R)に伝達される。このため、より多くの音を効率良く収音することができるので、ユーザに高品質な音を大音量で提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0045】
1…システム、2…遊技機、3…音響装置、20…音伝達装置、30…イヤホン、201…音響補正装置、210…筐体、213…放音孔、230L、230R…スピーカー、233…振動板、250…ガイド部材、251…第1開口部、252…第2開口部、302…開孔部、311L、311R…接続管、312L、312R…チューブ、320L、320R…耳挿入部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7