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特開2023-162759フレキシブルプリント配線板及び電気配線
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162759
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】フレキシブルプリント配線板及び電気配線
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20231101BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20231101BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 B
H05K1/14 G
H05K3/36 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073363
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】平田 昌功
【テーマコード(参考)】
5E338
5E344
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB55
5E338CD01
5E338CD13
5E338EE27
5E338EE33
5E338EE51
5E344AA02
5E344AA23
5E344BB02
5E344BB04
5E344BB05
5E344BB10
5E344CC05
5E344CC23
5E344CD09
5E344DD02
5E344EE01
5E344EE17
5E344EE26
(57)【要約】
【課題】半田付けに因る品質の劣化を抑制することのできるフレキシブルプリント配線板及び電気配線を提供する。
【解決手段】ベースフィルム110と、ベースフィルム110の一方の面に設けられ、配線として利用される第1導体層111と、第1導体層111に電気的に繋がるように設けられ、ベースフィルム110の一方の面から他方の面に貫通するスルーホール113と、ベースフィルム110の他方の面のうち半田付けがされ得る領域付近にのみ設けられ、かつスルーホール113と電気的に繋がるように設けられて、半田付けによる電気接続部として利用される第2導体層112と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層の一方の面に設けられ、配線として利用される第1導体層と、
第1導体層に電気的に繋がるように設けられ、前記絶縁層の一方の面から他方の面に貫通するスルーホールと、
前記絶縁層の他方の面のうち半田付けがされ得る領域付近にのみ設けられ、かつ前記スルーホールと電気的に繋がるように設けられて、半田付けによる電気接続部として利用される第2導体層と、
を備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
前記半田付けがされ得る領域と前記スルーホールとの距離は20mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
第1導体層のうち前記スルーホールと接続される付近の幅が部分的に狭いことを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
請求項1または2に記載のフレキシブルプリント配線板を複数備えており、それぞれの第2導体層同士が半田付けにより電気的に接続されていることを特徴とする電気配線。
【請求項5】
請求項3に記載のフレキシブルプリント配線板を複数備えており、それぞれの第2導体層同士が半田付けにより電気的に接続されていることを特徴とする電気配線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板及び電気配線に関する。
【背景技術】
【0002】
各種装置においては、電気部品同士を電気的に接続するために配線が備えられている。例えば、多数の配線を一体的に備えるフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと称する)が好適に用いられている。FPCに備えられる配線(導体層)は、リジッド基板の配線や電線の先端に取り付けられた端子と電気的に接続される他、FPCの配線同士が電気的に接続されることもある。例えば、自動車のステアリングコラムにおいて、ステータとロータとの間にFPCからなる配線を配置する場合、長尺の配線が必要となるため、複数のFPCを接続することで電気配線を構成する場合がある。FPCに備えられる配線と、リジッド基板の配線等とを電気的に接続するために、半田付けによる接続が広く用いられている。
【0003】
図7及び図8を参照して、従来技術に係るFPCについて説明する。図7は従来技術に係るFPCの概略図であり、同図(a)はFPCの平面図の一部であり、同図(b)は同図(a)中のEE断面図である。図8はFPCの配線同士を電気的に接続する様子を示す模式的断面図である。
【0004】
FPC500は、絶縁層であるベースフィルム510と、ベースフィルム510の表面に設けられる導体層520と、導体層520を介してベースフィルム510とは反対側に設けられる絶縁層であるカバーフィルム530とを備えている。カバーフィルム530は接着剤層540によって導体層520及びベースフィルム510に接着されている。なお、ベースフィルム510上に設けられる銅箔などの金属箔がエッチングされることで、所望の配線(回路)が形成される。この配線が導体層520に相当する。そして、図7に示すように、導体層520の一部が露出されており、この露出された部分に、他の部材における配線や端子が半田付けによって電気的に接続される。
【0005】
図8はFPCの配線同士を電気的に接続する様子を示している。図中、右側のFPC500と、左側のFPC500Aの基本的な構成は同一である。例えば、右側のFPC500における導体層520が露出した部分に、ペースト状の半田を塗布した状態で、左側のFPC500Aにおける導体層520が露出した部分が貼り合わせられる。この状態で、第1の加熱ツール610と第2の加熱ツール620によって、貼り合わせた部分が両面から挟み込まれた状態で加熱される。例えば、第1の加熱ツール610が315℃に加熱され、第2の加熱ツール620が400℃に加熱される。これにより、ペースト状の半田Sが溶融し、その後、第1の加熱ツール610と第2の加熱ツール620が離間することで、FPC500の導体層520とFPC500Aの導体層520が半田Sによって電気的に接続される。
【0006】
以上の半田付け工程中においては、半田部分が高温になり、熱は、特に、熱伝導性の高い導体層520を通じて半田部分から離れる方向に伝わっていく。これにより、接着剤層540の内部に気泡が生じたり、カバーフィルム530の一部が剥がれたりすることで、品質が低下してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6975053号公報
【特許文献2】特許第6636628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、半田付けに因る品質の劣化を抑制することのできるフレキシブルプリント配線板及び電気配線を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0010】
すなわち、フレキシブルプリント配線板は、
絶縁層と、
前記絶縁層の一方の面に設けられ、配線として利用される第1導体層と、
第1導体層に電気的に繋がるように設けられ、前記絶縁層の一方の面から他方の面に貫通するスルーホールと、
前記絶縁層の他方の面のうち半田付けがされ得る領域付近にのみ設けられ、かつ前記スルーホールと電気的に繋がるように設けられて、半田付けによる電気接続部として利用される第2導体層と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、半田付けが行われる際に、加熱される第2導体層の熱は、スルーホールを通じて第1導体層へと伝わるため、第1導体層に伝わる熱を抑制することができる。
【0012】
前記半田付けがされ得る領域と前記スルーホールとの距離は20mm以下であるとよい。
【0013】
第1導体層のうち前記スルーホールと接続される付近の幅が部分的に狭いとよい。
【0014】
これにより、幅の狭い部分において熱伝導を低下させることができる。
【0015】
また、本発明の電気配線は、上記のフレキシブルプリント配線板を複数備えており、それぞれの第2導体層同士が半田付けにより電気的に接続されていることを特徴とする。
【0016】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、半田付けに因る品質の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の概略図である。
図2図2は本発明の実施例に係る電気配線の概略図である。
図3図3は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の使用例を示す概略図である。
図4図4は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の使用例を示す概略図である。
図5図5は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の使用例を示す概略図である。
図6図6は本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板の変形例を示す概略図である。
図7図7は従来技術に係るフレキシブルプリント配線板の概略図である。
図8図8は従来技術に係るフレキシブルプリント配線板同士を電気的に接続する様子を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0020】
(実施例)
図1図6を参照して、本発明の実施例に係るフレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」と称する)について説明する。なお、以下に示す平面図においては、内部の主要構成の一部を透視して、点線にて示している。
【0021】
<FPCの構成>
図1を参照して、本実施例に係るFPC100の構成について説明する。図1は本発明の実施例に係るFPC100の概略図であり、同図(a)はFPC100の平面図の一部であり、同図(b)は同図(a)中のAA断面図である。
【0022】
FPC100は、絶縁層であるベースフィルム110と、ベースフィルム110の一方の面に設けられる第1導体層111と、第1導体層111を介してベースフィルム110とは反対側に設けられる絶縁層である第1カバーフィルム121とを備えている。第1カバーフィルム121は、接着剤層131によって第1導体層111及びベースフィルム110に接着されている。なお、ベースフィルム110上に設けられる銅箔などの金属箔がエッチングされることで、所望の配線(回路)が形成される。この配線が第1導体層111に相当する。このように、第1導体層111は配線として利用される。
【0023】
そして、本実施例に係るFPC100においては、第1導体層111に電気的に繋がるように設けられ、かつベースフィルム110の一方の面から他方の面に貫通するスルーホール(ビア)113を備えている。また、本実施例に係るFPC100においては、ベースフィルム110の他方の面のうち半田付けがされ得る領域付近にのみ設けられ、かつスルーホール113と電気的に繋がるように設けられて、半田付けによる電気接続部として利用される第2導体層112を備えている。なお、スルーホール113の内周面と第1導体層111の表面と第2導体層112の表面に銅メッキ113aが施されることによって、これらは電気的に接続される。
【0024】
更に、本実施例に係るFPC100においては、ベースフィルム110を介して第1カバーフィルム121とは反対側に設けられる絶縁層である第2カバーフィルム122を備えている。この第2カバーフィルム122は接着剤層132によってベースフィルム110と第2導体層112に接着されている。
【0025】
そして、第2導体層112は、その一部のみが第2カバーフィルム122によって覆われ、その大部分が露出されている。この露出された部分の全体が、半田付けがされ得る領域に相当する。この半田付けがされ得る領域とスルーホール113との距離Hは20mm以下となるように構成される。なお、ベースフィルム110、第1カバーフィルム121、及び第2カバーフィルム122の材料としては、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、及びポリエチレンテレフタレート等を適用することができる。
【0026】
<本実施例に係るFPCの優れた点>
本実施例に係るFPC100によれば、半田付けが行われる際に、加熱される第2導体層112の熱は、スルーホール113を通じて第1導体層111へと伝わる。第2導体層112と第1導体層111との間の熱抵抗は、スルーホール113の熱抵抗と、ベースフィルム110のうち第1導体層111と第2導体層112に挟み込まれた部位の熱抵抗である。スルーホール113及びベースフィルム110の熱抵抗は導体層に比べて大きいため、従来のように導体層のみを通じて熱が伝わる場合に比べて、熱の伝わりを抑制することが可能となる。従って、第1導体層111に伝わる熱を抑制することができる。また、本実施例においては、半田付けがされ得る領域とスルーホール113との距離Hが20mm以下となるように構成されている。そのため、第2導体層112の熱は、FPC100の内部深くまで伝わることなく、スルーホール113を通じて第1導体層111へと伝わるため、熱の伝わり方を抑制することができる。以上より、接着剤層131,132の内部に気泡が生じたり、第1カバーフィルム121や第2カバーフィルム122が剥がれたりすることを抑制することができる。従って、半田付けに因る品質の劣化を抑制することができる。また、半田付けを行う際に、温度を低下させる必要もないので、安定的に半田付けを行うことができる。更に、従来の製作工程及び設備で半田付けが可能であり、特殊な工程や設備も不要なのでコストが増加することもない。
【0027】
<FPC100の適用例>
<<適用例1>>
図2及び図3を参照して、本実施例に係るFPC100の適用例1を説明する。ここでは、複数のFPC100により電気配線を構成する場合を説明する。図2は本発明の実施例に係る電気配線の概略図である。
【0028】
長尺の電気配線が必要な場合、一般的に、製法上長さに限度のあるFPC100を複数接続することにより、長尺の電気配線を得ることができる。すなわち、本実施例に係る電気配線においては、複数のFPC同士がそれぞれ接続されることで構成される。図2には、2つのFPC100,100Aを接続した付近の状態が示されている。同図(a)は2つのFPC100,100Aを接続した付近の様子を示す平面図であり、同図(b)は同図(a)中のBB断面図である。FPC100,100Aの構成については、上記実施例で説明した通りであり、両者の基本的な構成は同一である。
【0029】
例えば、FPC100における第2導体層112が露出した部分に、ペースト状の半田を塗布した状態で、FPC100Aにおける第2導体層112が露出した部分が貼り合わせられる。この状態で、背景技術の中で説明したように、2つの加熱ツールによって、貼り合わせた部分が両面から挟み込まれた状態で加熱される。これにより、ペースト状の半田が溶融し、その後、2つの加熱ツールが離間して、FPC100の第2導体層112とFPC100Aの導体層112が半田Sによって電気的に接続される。このように、第2導体層112同士が半田付けにより電気的に接続される。上記の通り、本実施例においては、半田付けの際に、FPC100,100Aにおける各々の第1導体層111に熱が伝わり難いので、品質の劣化が抑制される。
【0030】
なお、図2においては、2つのFPC100,100Aを互いに直交するように接続する場合を例示しているが、複数のFPCを直線的に接続して長尺化を図ることもできる。
【0031】
図3は、自動車のステアリングコラムに備えられる回転コネクタ10の概略構成を示している。回転コネクタ10は、第1ケース11と、第1ケース11に対して回転可能に設けられる第2ケース12とを備えている。第1ケース11は、ケース本体部11aとコネクタ部11bとを一体に備えている。また、第2ケース12は、ケース本体部12aとコネクタ部12bとを一体に備えている。この第1ケース11及び第2ケース12の内部にFPC100が備えられる。なお、FPC100は透視して点線にて示している。FPC
100は、その一端がコネクタ部11bに接続され、その他端がコネクタ部12bに接続されている。また、FPC100は、第1ケース11及び第2ケース12の内部において、十分な隙間を有する状態で、例えば渦巻状に巻かれることで、第1ケース11に対する第2ケース12の回転に支障を与えないように構成されている。以上のように構成される回転コネクタ10に用いられるFPCにおいては、長尺化が要求される場合がある。そこで、上記のように、複数のFPCを接続することで、長尺化することができる。
【0032】
<<適用例2>>
図4を参照して、本実施例に係るFPC100の適用例2を説明する。ここでは、FPC100とリジッド基板とを接続する場合を説明する。図4は本発明の実施例に係るFPCの使用例を示す概略図である。
【0033】
FPC100は、リジッド基板200に対して接続される場合がある。図4には、FPC100とリジッド基板200とを接続した付近の状態が示されている。同図(a)はこれらを接続した付近の様子を示す平面図であり、同図(b)は同図(a)中のCC断面図である。FPC100の構成については、上記実施例で説明した通りである。
【0034】
リジッド基板200は、基板本体210と、基板本体210の表面に設けられる配線220とを備えている。例えば、FPC100における第2導体層112が露出した部分に、ペースト状の半田を塗布した状態で、リジッド基板200の配線220の一部が貼り合わせられる。この状態で、背景技術の中で説明したように、2つの加熱ツールによって、貼り合わせた部分が両面から挟み込まれた状態で加熱される。これにより、ペースト状の半田が溶融し、その後、2つの加熱ツールが離間して、FPC100の第2導体層112とリジッド基板200の配線220が半田Sによって電気的に接続される。上記の通り、本実施例においては、半田付けの際に、FPC100における第1導体層111に熱が伝わり難いので、品質の劣化が抑制される。
【0035】
<<適用例3>>
図5を参照して、本実施例に係るFPC100の適用例3を説明する。ここでは、FPC100と端子付き電線とを接続する場合を説明する。図5は本発明の実施例に係るFPCの使用例を示す概略図である。
【0036】
FPC100においては、端子付き電線が接続される場合がある。図5には、FPC100と端子付き電線300とを接続した付近の状態が示されている。同図(a)はこれらを接続した付近の様子を示す平面図であり、同図(b)は同図(a)中のDD断面図である。FPC100の構成については、上記実施例で説明した通りである。
【0037】
端子付き電線300は、電線310と、電線310の先端に取り付けられた端子320とを備えている。例えば、FPC100における第2導体層112が露出した部分に、ペースト状の半田を塗布した状態で、端子320の一部が貼り合わせられる。この状態で、背景技術の中で説明したように、2つの加熱ツールによって、貼り合わせた部分が両面から挟み込まれた状態で加熱される。これにより、ペースト状の半田が溶融し、その後、2つの加熱ツールが離間して、FPC100の第2導体層112と端子320が半田Sによって電気的に接続される。上記の通り、本実施例においては、半田付けの際に、FPC100における第1導体層111に熱が伝わり難いので、品質の劣化が抑制される。
【0038】
<FPCの変形例>
図6を参照して、FPCの変形例を説明する。図6は本発明の実施例に係るFPCの変形例を示す概略図である。図6においては、FPCの平面図の一部を示している。
【0039】
図6(a)に示すように、第1導体層111のうちスルーホール113と接続される付近の幅が部分的に狭い細線部111aを設ける構成を採用することもできる。これにより、細線部111aにおいては熱抵抗が高くなるため、第2導体層112の熱が、細線部111aの部分で伝わり難くすることができる。これにより、品質の劣化をより一層抑制することができる。
【0040】
また、図6(b)に示すように、第1導体層111と第2導体層112は、電気的な接続の信頼性を高めるために、複数のスルーホール113により電気的に接続される構成を採用することもできる。なお、このような構成を採用する場合には、少なくとも半田付けがされ得る領域から最も近いスルーホール113について、当該スルーホール113と半田付けがされ得る領域との距離が20mm以下となるようにすればよい。勿論、複数のスルーホール113について、半田付けがされ得る領域までの距離を20mm以下にするのが望ましいことは言うまでもない。また、複数のスルーホール113を設ける構成を採用した場合においても、図6(a)に示す細線部111aの構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0041】
10 回転コネクタ
11 第1ケース
11a ケース本体部
11b コネクタ部
12 第2ケース
12a ケース本体部
12b コネクタ部
100,100A FPC(フレキシブルプリント配線板)
110 ベースフィルム
111 第1導体層
111a 細線部
112 第2導体層
113 スルーホール
121 第1カバーフィルム
122 第2カバーフィルム
131,132 接着剤層
200 リジッド基板
210 基板本体
220 配線
300 端子付き電線
310 電線
320 端子
S 半田
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8