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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162770
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/59 20110101AFI20231101BHJP
   H01R 13/58 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H01R12/59
H01R13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073388
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パーティウッティパット ピパッタナ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA16
5E021FB08
5E021FC02
5E021FC06
5E021GB20
5E223AB19
5E223AC04
5E223AC21
5E223BA01
5E223BA04
5E223BA08
5E223CB26
5E223CC15
5E223CD02
5E223DB09
5E223DB22
5E223EA02
(57)【要約】
【課題】フレキシブルケーブルに設けられる導電路に生じる負荷を効果的に抑制し得る。
【解決手段】コネクタ10は、ハウジング20と、ハウジング20に組み付けられるフレキシブルケーブル30と、を備えている。ハウジング20は、フレキシブルケーブル30に組み付けられるボスピン52を有している。フレキシブルケーブル30は、本体部31と、本体部31から先端方向へ張り出し、導電路が配索される第1構成部60と、本体部31から先端方向へ張り出し、ボスピン52に組み付けられる第2構成部70と、を有している。ボスピン52に、柱部53が設けられている。柱部53が破断することで、ボスピン52と本体部31との連結状態が解除される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに組み付けられるフレキシブルケーブルと、
を備え、
前記ハウジングは、前記フレキシブルケーブルに組み付けられるボスピンを有し、
前記フレキシブルケーブルは、
本体部と、
前記本体部から先端方向へ張り出し、導電路が配索される第1構成部と、
前記本体部から前記先端方向へ張り出し、前記ボスピンに組み付けられる第2構成部と、
を有し、
前記ボスピン及び前記第2構成部の少なくとも一方に、破断部が設けられ、
前記破断部が破断することで、前記ボスピンと前記本体部との連結状態が解除されるコネクタ。
【請求項2】
前記破断部は、前記第2構成部に設けられている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記破断部は、前記第2構成部における前記破断部以外の他の部分よりも幅狭な幅狭部として構成されている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第2構成部には、前記ボスピンに係止する係止孔が設けられ、
前記破断部は、前記第2構成部のうち前記係止孔の孔縁部を含む部位である請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記破断部は、前記ボスピンに設けられている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1構成部には、前記導電路が並列して配置され、
一対の前記第2構成部が、前記導電路の並列方向で前記第1構成部を挟んだ両側に配置されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハウジングにフレキシブルケーブルが取り付けられるコネクタが開示されている。フレキシブルケーブルの端部に接続された複数の端子金具が、ハウジングに収容されている。フレキシブルケーブルに設けられた補強孔が、ハウジングに設けられたボスピンに嵌合されることによって、ハウジングに対するフレキシブルケーブルの位置ずれが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/188738号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるようなコネクタの構成において、フレキシブルケーブルに引っ張り力が働いた場合に、フレキシブルケーブルにおいて導電路が設けられる部分に負荷が掛かることが想定される。そこで、フレキシブルケーブルにおいて導電路が設けられる部分に生じる負荷の程度を確認できる構成が求められている。
【0005】
本開示は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、フレキシブルケーブルにおいて導電路が設けられる部分に生じる負荷の程度を確認し得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、
ハウジングと、
前記ハウジングに組み付けられるフレキシブルケーブルと、
を備え、
前記ハウジングは、前記フレキシブルケーブルに組み付けられるボスピンを有し、
前記フレキシブルケーブルは、
本体部と、
前記本体部から先端方向へ張り出し、導電路が配索される第1構成部と、
前記本体部から前記先端方向へ張り出し、前記ボスピンに組み付けられる第2構成部と、
を有し、
前記ボスピン及び前記第2構成部の少なくとも一方に、破断部が設けられ、
前記破断部が破断することで、前記ボスピンと前記本体部との連結状態が解除される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、フレキシブルケーブルにおいて導電路が設けられる部分に生じる負荷の程度を確認し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1に係るコネクタの斜視図である。
図2図2は、コネクタの分解斜視図である。
図3図3は、フレキシブルケーブルを下側から見た斜視図である。
図4図4は、コネクタの側面図である。
図5図5は、右側のボスピンを通る切断面を示す側断面図である。
図6図6は、左側のボスピンを通る切断面を示す側断面図である。
図7図7は、実施例2に係るコネクタの斜視図である。
図8図8は、図7の右側の第2構成部を拡大して示す斜視図である。
図9図9は、他の実施例に係るコネクタの第2構成部を概略的に示す平面図である。
図10図10は、他の実施例に係る図9とは異なる第2構成部を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される〔1〕~〔6〕の特徴は、矛盾しない範囲でどのように組み合わされてもよい。
【0010】
〔1〕ハウジングと、
前記ハウジングに組み付けられるフレキシブルケーブルと、
を備え、
前記ハウジングは、前記フレキシブルケーブルに組み付けられるボスピンを有し、
前記フレキシブルケーブルは、
本体部と、
前記本体部から先端方向へ張り出し、導電路が配索される第1構成部と、
前記本体部から前記先端方向へ張り出し、前記ボスピンに組み付けられる第2構成部と、
を有し、
前記ボスピン及び前記第2構成部の少なくとも一方に、破断部が設けられ、
前記破断部が破断することで、前記ボスピンと前記本体部との連結状態が解除されるコネクタ。
【0011】
上記の〔1〕のコネクタでは、フレキシブルケーブルの本体部に引っ張り力が働く等により、第2構成部に引っ張り力が働くような場合に、ボスピン及び第2構成部の少なくとも一方に設けられる破断部を破断させることができる。そして、破断部が破断することで、ボスピンと本体部との連結状態が解除されるため、このような連結状態の解除を把握することで、フレキシブルケーブルにおいて導電路が設けられる部分に一定程度の負荷が生じることを確認できる。
【0012】
〔2〕上記のコネクタにおいて、
前記破断部は、前記第2構成部に設けられている請求項1に記載のコネクタ。
【0013】
上記の〔2〕のコネクタでは、破断部がボスピンに設けられてボスピンが破断する構成に比べて、ボスピンの破片が生じなくなる。
【0014】
〔3〕上記のコネクタにおいて、
前記破断部は、前記第2構成部における前記破断部以外の他の部分よりも幅狭な幅狭部として構成されている請求項2に記載のコネクタ。
【0015】
上記の〔3〕のコネクタでは、幅狭部は、第2構成部における破断部以外の他の部分よりも幅狭であるため、破断しやすくなる。そのため、ボスピンと本体部との間の連結状態の解除を、幅狭部に着目することで、破断部の破断を特定しやすくなる。
【0016】
〔4〕上記のコネクタにおいて、
前記第2構成部には、前記ボスピンに係止する係止孔が設けられ、
前記破断部は、前記第2構成部のうち前記係止孔の孔縁部を含む部位である請求項2に記載のコネクタ。
【0017】
上記の〔4〕のコネクタでは、ボスピンと係止孔の位置を変えることで、破断部の破断強度を調整することができる。
【0018】
〔5〕上記のコネクタにおいて、
前記破断部は、前記ボスピンに設けられている請求項1に記載のコネクタ
【0019】
上記の〔5〕のコネクタでは、ボスピンの形状を変えることで破断部の破断強度を変えることができ、破断部の破断強度を調整しやすくなる。
【0020】
〔6〕上記のコネクタにおいて、
前記第1構成部には、前記導電路が並列して配置され、
一対の前記第2構成部が、前記導電路の並列方向で前記第1構成部を挟んだ両側に配置されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【0021】
上記の〔6〕のコネクタでは、フレキシブルケーブルにおいて導電路の並列方向の一方側に偏った引っ張り力が掛かった場合でも、いずれかの第2構成部側の破断部で適切に破断を生じさせてボスピンと本体部との連結状態の解除を確認することができる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示のコネクタを具体化した実施例1を、図1図6を参照して説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本実施例1において、前後の方向については、図4~6における左方を前方と定義し、右方を後方と定義する。上下の方向については、図4~6にあらわれる向きをそのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図1における斜め右上方を左方と定義し、斜め左下方を右方と定義する。
【0023】
図1図2に示すように、本実施例1のコネクタ10は、ハウジング20と、フレキシブルケーブル30と、端子金具90(図5図6参照)と、を備えている。フレキシブルケーブル30は、端子金具90(図5図6参照)が接続され、ハウジング20に組み付けられている。
【0024】
ハウジング20は、ロアハウジング40と、アッパハウジング50と、を有している。ハウジング20は、ロアハウジング40とアッパハウジング50とを互いに合体して構成される。
【0025】
ロアハウジング40は、合成樹脂製である。ロアハウジング40は、図2に示すように、左右方向に長い扁平形状をなしている。ロアハウジング40には、複数の端子収容凹部41が設けられている。端子収容凹部41は、前後方向に長い形状をなしている。複数の端子収容凹部41は、左右方向に並列して配されている。ロアハウジング40の前端には、複数の端子収容凹部41にそれぞれ対応し、前後方向に貫通する複数の端子挿入孔42が設けられている。
【0026】
アッパハウジング50は、合成樹脂製である。アッパハウジング50は、図2に示すように、左右方向に扁平な形状をなしている。図1に示すように、アッパハウジング50の上面における後端側には、左右一対の平坦部51が設けられている。平坦部51は、上方に向く水平な露出面を有している。平坦部51には、ボスピン52が設けられている。左右一対のボスピン52は、アッパハウジング50において、左右方向で重なる位置に配されている。ボスピン52は、外部に露出している。
【0027】
図1に示すように、ボスピン52は、フレキシブルケーブル30に組み付けられる。ボスピン52は、平坦部51の露出面から上方に突出している。ボスピン52は、図5に示すように、柱部53と、延出部54と、を有している。柱部53は、平坦部51から上方に伸びる円柱状である。延出部54は、柱部53の先端から後方へ延出している。延出部54の先端は、平面視で後方に凸となる湾曲形状である。延出部54の下面は、水平面である。
【0028】
図5に示すように、ハウジング20には、ロアハウジング40の後端とアッパハウジング50の後端とによって構成されるスリット状の開口部21が設けられている。開口部21は、左右方向に細長い形状である。開口部21には、後述するフレキシブルケーブル30の接続端部32が挿通される。ハウジング20において、開口部21の上方側(アッパハウジング50側)に、平坦部51及びボスピン52が設けられている。
【0029】
フレキシブルケーブル30は、可撓性を有する薄膜状の絶縁体であるベースフィルムに、導電路や回路を形成したものである。フレキシブルケーブル30の具体例としては、フレキシブルプリント基板(Flexible printed circuits)やフレキシブルフラットケーブル(Flexible flat cable)などがある。フレキシブルケーブル30の前端部には、複数の端子金具90が溶接等により接続される。
【0030】
フレキシブルケーブル30は、本体部31と、第1構成部60と、一対の第2構成部70と、接続端部32と、を有している。本体部31は、フレキシブルケーブル30の後端部側(端子金具90が接続される部分とは反対側)の部分を構成している。本体部31には、導電路(図示略)が配索されている。
【0031】
第1構成部60は、図2に示すように、ハウジング20に組み付けられる前の状態において、本体部31から先端方向(前方)へ張り出している。第1構成部60には、導電路(図示略)が配索されている。例えば、第1構成部60には、複数の導電路(図示略)が、前後方向に沿って延びるように配索されている。第1構成部60に配索される複数の導電路(図示略)は、左右方向に並列されている。
【0032】
接続端部32は、第1構成部60から先端方向(前方)に張り出している。接続端部32は、第1構成部60よりも左右方向に幅広である。接続端部32の左右方向の幅は、フレキシブルケーブル30における第1構成部60及び一対の第2構成部70が並ぶ部分の左右の幅と同じになっている。接続端部32の先端には、櫛歯状の複数の先端部33が設けられている。先端部33には、端子金具90が接続される。
【0033】
一対の第2構成部70は、図2に示すように、ハウジング20に組み付けられる前の状態において、第1構成部60と左右方向で並んで本体部31から先端方向(前方)へ張り出している。一対の第2構成部70は、第1構成部60の左右両側に配されている。第2構成部70は、導電路が配索されていない。第2構成部70は、ボスピン52に組み付けられる。
【0034】
第2構成部70には、一対のボスピン52にそれぞれ係止する一対の係止孔71が設けられている。係止孔71は、第2構成部70の先端(前端)に設けられている。
【0035】
本体部31、第1構成部60、一対の第2構成部70、および接続端部32は、長方形状のフレキシブルケーブルに一対のL字状の切り込み35を入れることで形成することができる。一対の第2構成部70は、ハウジング20に組み付けられる前の状態において、第1構成部60の導電路(図示略)の並列方向(左右方向)で、第1構成部60を挟んだ両側に配置されている。第1構成部60と第2構成部70は、離間している。第1構成部60及び第2構成部70は、個別に収縮可能に並列して配置されている。そのため、本体部31に引っ張り力が働く等により、第2構成部70に引っ張り力が働くような場合に、第1構成部60に引っ張り力が生じにくくなり、第1構成部60に設けられる導電路に生じる負荷を効果的に抑制し得る。
【0036】
図3に示すように、フレキシブルケーブル30における第1構成部60を除く部分に、補強板80が設けられている。すなわち、本体部31、一対の第2構成部70、および接続端部32に、補強板80が設けられている。補強板80は、本体部31、一対の第2構成部70、および接続端部32のそれぞれの下面に配されている。
【0037】
ボスピン52の柱部53は、本開示の「破断部」の一例に相当する。柱部53が破断することで、ボスピン52と第2構成部70との組み付け状態が解除され、ボスピン52と本体部31との連結状態が解除される。ボスピン52は、例えば第2構成部70に後方側に引っ張られて柱部53が上下に分断することで破断する。
【0038】
フレキシブルケーブル30の本体部31に引っ張り力が働く等により、第2構成部70に引っ張り力が働くような場合に、ボスピン52の柱部53を破断させることができる。そして、ボスピン52が破断することで、ボスピン52と本体部31との連結状態が解除されるため、このような連結状態の解除を把握することで、フレキシブルケーブル30において導電路が設けられる部分に一定程度の負荷(例えば導電路の強度を保証する程度の負荷)が生じることを確認できる。
【0039】
柱部53の破断強度は、例えば柱部53の径を変更することで調整することができる。例えば、柱部53の径を大きくするほど、柱部53の破断強度が大きくなる。柱部53の径を小さくするほど、柱部53の破断強度が小さくなる。したがって、柱部53の形状の設計を行いやすくなる。
【0040】
次に、コネクタ10の組立工程について説明する。まず、端子金具90が接続されたフレキシブルケーブル30の接続端部32を、ロアハウジング40内に配置する。続いて、アッパハウジング50をロアハウジング40に組み付ける。これにより、ハウジング20が形成され、接続端部32の複数の先端部33と端子金具90がハウジング20内に収容される。接続端部32の後端と、第1構成部60及び第2構成部70は、ハウジング20の開口部21よりも後方に位置する。
【0041】
続いて、図5図6に示すように、一対の第2構成部70の係止孔71を、それぞれ一対のボスピン52に係止する。図5図7に示すように、一対の第2構成部70は、板面が水平に保たれ、本体部31と同一平面上に位置する。一対の第2構成部70は、曲がった状態にならない。第1構成部60は、本体部31及び第2構成部70に対して下方に配される。第1構成部60と第2構成部70によって段差が構成される。第1構成部60は、第2構成部70がボスピン52に組み付けられた状態で、本体部31に対して曲がった状態となる曲がり部61を具備する。具体的には、曲がり部61は、前方に向かって下り傾斜になっている。
【0042】
図5図7に示すように、接続端部32は、本体部31及び第2構成部70に対して一段下がった配置となる。接続端部32の板面は、本体部31の板面、及び第2構成部70板面に対して平行に配される。
【0043】
以上のように、本開示のコネクタ10は、ボスピン52に、本開示の「破断部」の一例である柱部53が設けられている。柱部53が破断することで、ボスピン52と本体部31との連結状態が解除される。これにより、フレキシブルケーブル30の本体部31に引っ張り力が働く等により、第2構成部70に引っ張り力が働くような場合に、ボスピン52の柱部53を破断させることができる。そして、ボスピン52が破断することで、ボスピン52と本体部31との連結状態が解除されるため、このような連結状態の解除を把握することで、フレキシブルケーブル30において導電路が設けられる部分に一定程度の負荷が生じることを確認できる。
【0044】
さらに、本開示のコネクタ10では、本開示の「破断部」がボスピン52に設けられている。これにより、ボスピン52の形状を変えることでボスピン52の破断強度を変えることができ、ボスピン52の破断強度を調整しやすくなる。
【0045】
さらに、本開示のコネクタ10では、第1構成部60に、導電路が並列して配置されている。一対の第2構成部70が、導電路の並列方向で第1構成部60を挟んだ両側に配置されている。これにより、フレキシブルケーブル30において導電路の並列方向の一方側に偏った引っ張り力が掛かった場合でも、いずれかの第2構成部70側のボスピン52で適切に破断を生じさせてボスピン52と本体部31との連結状態の解除を確認することができる。
【0046】
[実施例2]
図7図8は、実施例2のコネクタを説明する図面である。実施例2は、破断部の構成が実施例1と異なっている。それ以外の構成は、実施例1と同じであり、詳しい説明を省略する。
【0047】
本開示のコネクタを具体化した実施例2のコネクタ210を、図7図8を参照して説明する。実施例2のコネクタ210では、図7図8に示すように、第2構成部70は、幅狭部262を有している。幅狭部262は、第2構成部70の幅狭部262以外の他の部分(幅狭部262に前方及び後方でそれぞれ隣接する部位)よりも左右方向の幅が小さい幅狭である。幅狭部262は、本開示の「破断部」の一例に相当する。幅狭部262は、第2構成部70において、係止孔71と本体部31との間に設けられている。
【0048】
幅狭部262は、第2構成部70における幅狭部262以外の他の部分よりも幅狭であるため、破断しやすくなる。そのため、ボスピン52と本体部31との間の連結状態の解除を、幅狭部262に着目することで、第2構成部70の破断を特定しやすくなる。
【0049】
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
【0050】
上記実施例2では、第2構成部70の幅狭部262を本開示の「破断部」の一例として例示したが、その他の形状の部分を本開示の「破断部」としてもよい。例えば、図9に示すように、第2構成部70に設けられた一対の切り欠き部373を含む幅狭部372を、本開示の「破断部」としてもよい。例えば、図10に示すように、第2構成部70に設けられた一対の貫通孔473を含む幅狭部472を、本開示の「破断部」としてもよい。例えば、上記実施例1のように、幅が一定の第2構成部70を本開示の「破断部」としてもよい。
【0051】
上記実施例1では、ボスピン52の柱部53が本開示の「破断部」の一例に相当する例を開示したが、第2構成部70のうち係止孔71の孔縁部を含む部位が本開示の「破断部」の一例に相当する構成であってもよい。これにより、ボスピン52と係止孔71の位置を変えることで、破断部(係止孔71の孔縁部を含む部位)の破断強度を調整することができる。例えば、係止孔71を第2構成部70の先端付近に形成することで、係止孔71から先端側に亀裂が入りやすくなる。
【0052】
上記実施例1では、第2構成部70が、本体部31に一体的に構成されていたが、本体部31とは別部材として本体部31に組み付けられる構成であってもよい。
【0053】
上記実施例1では、ハウジング20が、ロアハウジング40とアッパハウジング50の分割構造になっていたが、一体的な構成であってもよい。
【0054】
上記実施例1では、ボスピン52の先端(延出部54)が、後方に張り出す形状であったが、軸周りの全体に張り出す傘状であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
10…コネクタ
20…ハウジング
21…開口部
30…フレキシブルケーブル
31…本体部
32…接続端部
33…先端部
35…切り込み
40…ロアハウジング
41…端子収容凹部
42…端子挿入孔
50…アッパハウジング
51…平坦部
52…ボスピン
53…柱部(破断部)
54…延出部
60…第1構成部
61…曲がり部
70…第2構成部
71…係止孔
80…補強板
90…端子金具
210…コネクタ
262…幅狭部(破断部)
372…幅狭部(破断部)
373…切り欠き部
472…幅狭部(破断部)
473…貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10