(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162838
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】制御システム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/14 20060101AFI20231101BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20231101BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20231101BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20231101BHJP
H02J 3/28 20060101ALI20231101BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20231101BHJP
【FI】
H02J3/14 130
H02J3/46
H02J3/32
H02J3/38 170
H02J3/28
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073509
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 彩衣
【テーマコード(参考)】
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G066HB07
5G066HB08
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
5G066JB06
5G066KA04
5G066KA06
5G066KB05
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】気象警報を契機に機器を動作させる場合に、消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる制御システムを提供する。
【解決手段】制御システム10は、蓄電池システム31、給湯器32、燃料電池発電システム33、車両充電器34、及び、車両充放電器35のうち少なくとも二つの機器を制御する。制御システム10は、少なくとも二つの機器の動作の優先順位を決定する決定部28と、気象警報情報を取得する取得部27と、気象警報情報が取得されたことを契機に、少なくとも二つの機器が優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する出力部29とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池システム、給湯器、車載電池の充電及び放電の少なくとも一方を行う車載電池制御装置、並びに、燃料電池発電システムのうち少なくとも二つの機器を制御する制御システムであって、
前記少なくとも二つの機器の動作の優先順位を決定する決定部と、
気象警報情報を取得する取得部と、
前記気象警報情報が取得されたことを契機に、前記少なくとも二つの機器が前記優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、前記少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する出力部とを備える
制御システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記気象警報情報が取得されたことを契機に、前記少なくとも二つの機器の動作に関する通知情報を出力する
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記気象警報情報が取得されたことを契機に、前記制御システムのユーザに所定の行動を促すための提案情報を出力する
請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記指示情報は、前記少なくとも二つの機器の各々に所定の動作の開始を指示する情報である
請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記決定部は、前記制御システムのユーザが入力する情報に基づいて、前記優先順位を決定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記決定部は、前記気象警報情報が取得されたときの、季節、月、及び、時間帯の少なくとも1つに基づいて、前記優先順位を決定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記決定部は、前記少なくとも二つの機器それぞれが管理するリソースの残量に基づいて、前記優先順位を決定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
蓄電池システム、給湯器、車載電池の充電及び放電の少なくとも一方を行う車載電池制御装置、並びに、燃料電池発電システムのうち少なくとも二つの機器を制御するコンピュータが実行する制御方法であって、
前記少なくとも二つの機器の動作の優先順位を決定する決定ステップと、
気象警報情報を取得する取得ステップと、
前記気象警報情報が取得されたことを契機に、前記少なくとも二つの機器が前記優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、前記少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する出力ステップとを含む
制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、気象警報の発令に基づいて蓄電池を充電するHEMS(Home Energy Management System)コントローラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、気象警報を契機に機器を動作させる場合に、消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる制御システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る制御システムは、蓄電池システム、給湯器、車載電池の充電及び放電の少なくとも一方を行う車載電池制御装置、並びに、燃料電池発電システムのうち少なくとも二つの機器を制御する制御システムであって、前記少なくとも二つの機器の動作の優先順位を決定する決定部と、気象警報情報を取得する取得部と、前記気象警報情報が取得されたことを契機に、前記少なくとも二つの機器が前記優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、前記少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する出力部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る制御方法は、蓄電池システム、給湯器、車載電池の充電及び放電の少なくとも一方を行う車載電池制御装置、並びに、燃料電池発電システムのうち少なくとも二つの機器を制御するコンピュータが実行する制御方法であって、前記少なくとも二つの機器の動作の優先順位を決定する決定ステップと、気象警報情報を取得する取得ステップと、前記気象警報情報が取得されたことを契機に、前記少なくとも二つの機器が前記優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、前記少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する出力ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る制御システム等は、気象警報を契機に機器を動作させる場合に、消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、気象警報連動モードの動作例1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、気象警報連動モードの動作例2のフローチャートである。
【
図5】
図5は、気象警報連動モードの動作例3のフローチャートである。
【
図6】
図6は、提案情報の出力動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る制御システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示される制御システム10は、施設70に適用され、施設70に設置された機器を制御することができるシステムである。施設70は、例えば、戸建住宅または集合住宅などの住宅であるが、オフィスビルまたは工場などの住宅外の施設であってもよい。
【0014】
図1に示されるように、制御システム10は、制御装置20と、複数の機器30と、気象情報配信サーバ40と、機器制御サーバ50と、携帯端末60とを備える。制御装置20、及び、複数の機器30は、施設70に設置される。なお、ここでの「施設70に設置される」とは、広義の意味であり、施設70の中に設置される場合と施設70の外に設置される場合の両方を含む意図である。つまり、ここでの「施設70に設置される」は、施設70の敷地内のどこかに設置されることを意味する。
【0015】
まず、制御装置20について説明する。制御装置20は、制御装置20に通信接続された複数の機器30の制御を行う。制御装置20は、例えば、エネルギー(電力)のマネジメント機能を有するEMS(Energy Management System)コントローラであるが、エネルギーマネジメント機能を有しない他のコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。制御装置20は、入力受付部21と、表示部22と、情報処理部23と、記憶部24と、第一通信部25と、第二通信部26とを備える。
【0016】
入力受付部21は、制御システム10(施設70)のユーザなどの情報の入力(操作)を受け付ける。入力受付部21は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、ハードウェアキーなどによって実現されてもよい。
【0017】
表示部22は、画像を表示する。表示部22は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0018】
情報処理部23は、複数の機器30の制御に関連する情報処理を行う。情報処理部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部23は、機能的な構成要素として、取得部27、決定部28、及び、出力部29を備える。取得部27、決定部28、及び、出力部29の機能は、例えば、情報処理部23を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等(ハードウェア)が記憶部24に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。取得部27、決定部28、及び、出力部29の具体的な機能については後述される。
【0019】
記憶部24は、情報処理部23によって実行されるコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0020】
第一通信部25は、制御装置20が気象情報配信サーバ40及び機器制御サーバ50と広域通信ネットワーク80を介して通信を行うための通信回路である。第一通信部25は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第一通信部25が行う通信の通信規格は特に限定されない。
【0021】
第二通信部26は、制御装置20が、複数の機器30のそれぞれと局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路である。第二通信部26は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第二通信部26が行う通信の通信規格は、例えば、ECHONET Lite(登録商標)であるが、第二通信部26が行う通信の通信規格は特に限定されない。
【0022】
次に、複数の機器30について説明する。複数の機器30のそれぞれは、制御装置20に通信接続され、制御装置20によって制御される。複数の機器30には、蓄電池システム31、給湯器32、燃料電池発電システム33、車両充電器34、及び、車両充放電器35の5種類の機器が含まれる。なお、制御装置20には、少なくとも二つの機器(同種の機器でもよい)が通信接続されていればよく、上記5種類の機器の全てが通信接続されていることは必須ではない。
【0023】
蓄電池システム31は、太陽光発電システム(図示せず)によって発電された電力、または、系統電源から供給される電力を蓄え、蓄えた電力を施設70に設置された機器(複数の機器30以外の機器を含む)に供給する。蓄電池システム31は、例えば、リチウムイオン電池などの蓄電池31a、及び、パワーコンディショナなどによって実現される。
【0024】
給湯器32は、例えば、ヒートポンプ式の給湯器であり、大気中の熱を利用して湯を沸かし、貯湯タンクに蓄える。また、給湯器32は、貯湯タンクに蓄えた湯を、システムキッチン、ユニットバス、及び、洗面台などの水廻り設備に供給する。
【0025】
燃料電池発電システム33は、都市ガスまたはLP(Liquefied Petroleum)ガスから取り出した水素と空気中の酸素とを化学反応させることにより発電し、発電した電力を施設70に設置された機器(複数の機器30以外の機器を含む)に供給する。給湯器32は、燃料電池発電システム33と連携し、燃料電池発電システム33が発電の際に生じる熱を利用して湯を沸かすことも可能である。
【0026】
車両充電器34は、太陽光発電システム、蓄電池システム31、燃料電池発電システム33、車両充放電器35などの施設70内の電源(分散型電源)から供給される電力、または、系統電源から供給される電力を用いて車両34a(より詳細には車両34aが備える車載電池34b)を充電する。車両充電器34は、車載電池34bの充電を制御する車載電池制御装置の一例である。
【0027】
車両34aは、制御システム10のユーザが使用する車両である。車両34aは、例えば、モータの駆動により走行するEV(Electric Vehicle)であるが、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)またはPHEV(Plug-in Hybrid EV)などと呼ばれるエンジン及びモータを併用して走行する車両であってもよい。車両34aは、例えば、四輪車であるが、二輪車または三輪車であってもよい。
【0028】
車載電池34bは、車両34aに搭載された二次電池(蓄電池)であり、車両充電器34により車両34aに搭載されたままの状態で充電される。車載電池34bは、具体的には、リチウムイオン電池などである。
【0029】
車両充放電器35は、施設70内の電源(分散型電源)から供給される電力、または、系統電源から供給される電力を用いて車両35a(より詳細には車両35aが備える車載電池35b)を充電する。また、車両充放電器35は、車載電池35bを放電させることにより施設70に設置された機器(複数の機器30以外の機器を含む)に電力を供給する。車両充放電器35は、車載電池35bの充電及び放電を制御する車載電池制御装置の一例である。車両35a、及び、車載電池35bについては、車両34a、及び、車載電池34bと同様の構成であるため詳細な説明が省略される。
【0030】
気象情報配信サーバ40は、制御装置20へ気象関連情報を配信するサーバである。気象関連情報には、天気予報情報、及び、気象警報情報などが含まれる。気象警報情報は、暴風または大雨などの警報(注意報を含む)が発令されていることを示す情報である。
【0031】
機器制御サーバ50は、ユーザが携帯端末60を用いて施設70に設置された機器(複数の機器30以外の機器を含む)を制御するときに、携帯端末60と制御装置20との間の情報の中継を行うクラウドサーバである。
【0032】
携帯端末60は、携帯型の情報端末であり、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。ユーザは、複数の機器30の制御、及び、制御に関する通知を受けるためのユーザインタフェースとして、制御装置20だけでなく携帯端末60を使用することができる。携帯端末60を上記ユーザインタフェースとして機能させるために、携帯端末60には、あらかじめ専用のアプリケーションプログラムがインストールされる。
【0033】
[気象警報連動モードの動作例1]
制御装置20は、気象情報配信サーバ40から気象警報情報を受信(取得)したとき(気象警報が発令されているとき)に、気象警報連動モードの動作を行うことができる。気象警報連動モードの動作においては、複数の機器30は、近い将来の停電(暴風または大雨などに起因する停電)に備えた所定の動作を自動的に行う。例えば、蓄電池システム31は蓄電池31aの充電を行い、給湯器32は湯の沸き上げを行い、燃料電池発電システム33は起動処理(発電が可能な状態に遷移するための、電力を使用する処理)を行う。車両充電器34は車載電池34bの充電を行い、車両充放電器35は車載電池35bの充電を行う。
【0034】
しかしながら、蓄電池システム31、給湯器32、燃料電池発電システム33、車両充電器34、及び、車両充放電器35が一斉に動作を開始すると、施設70における消費電力が契約で定められた上限を超えてしまったり、施設70内の分電盤(図示せず)のブレーカが作動して電力供給が遮断されてしまったりする可能性がある。つまり、施設70における消費電力が過度に増大してしまう可能性がある。
【0035】
そこで、制御システム10においては、複数の機器30に対して優先順位が定められ、気象警報情報が取得されると、複数の機器30は優先順位にしたがって順番に動作を開始する。以下、このような気象警報連動モードの動作例1について説明する。
図2は、気象警報連動モードの動作例1のフローチャートである。
【0036】
制御システム10のユーザは、複数の機器30のうち気象警報が発令されたときに動作させる少なくとも二つの機器と、少なくとも二つの機器に対する優先順位とを指定する情報を制御装置20に入力し、入力受付部21は、このような入力を受け付ける(S11)。決定部28は、ユーザが入力した情報に基づいて優先順位を決定する(S12)。決定部28は、具体的には、少なくとも二つの機器に対する優先順位を示す設定情報を記憶部24に記憶する。
【0037】
その後、気象情報配信サーバ40が気象警報情報を配信すると、取得部27は、当該気象警報情報を、第一通信部25を介して取得する(S13)。
【0038】
出力部29は、気象警報情報が取得されたことを契機に、少なくとも二つの機器の動作に関する通知を行うための通知情報を表示部22へ出力する(S14)。この結果、表示部22には、気象警報連動モードの動作が開始されることを示す通知画面が表示される(S15)。
図3は、通知画面の一例を示す図である。
【0039】
図3の例では、通知画面には、気象警報連動モードの動作の対象となる少なくとも二つの機器と優先順位とが表示されている。しかしながら、通知画面には、少なくとも気象警報連動モードの動作が開始されることを示すメッセージが表示されればよい。
【0040】
なお、通知画面の表示に代えて、または、通知画面の表示に加えて、制御装置20が備えるスピーカ(図示せず)から電子音または音声メッセージ等が出力されてもよい。また、気象警報連動モードの動作において映像または音声による通知が行われることは必須ではなく、通知(ステップS14及びS15の処理)は省略されてもよい。
【0041】
次に、出力部29は、ステップS12において記憶部24に記憶された優先順位情報を参照し、少なくとも二つの機器が決定部28によって決定された優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する(S16)。指示情報の出力は、気象警報情報が取得されたことを契機に行われる処理である。指示情報は、より詳細には、第二通信部26によって少なくとも二つの機器の各々へ送信される。
【0042】
指示情報は、具体的には、少なくとも二つの機器の各々に所定の動作の開始を指示する情報である。上述のように所定の動作は機器によって異なり、具体的には、蓄電池システム31による蓄電池31aの充電、給湯器32による湯の沸き上げ、燃料電池発電システム33の起動処理、車両充電器34による車載電池34bの充電、及び、車両充放電器35による車載電池35bの充電などである。
【0043】
この結果、気象警報連動モードにおいて少なくとも二つの機器が優先順位に基づいて順番に所定の動作を行うことから、施設70における消費電力が過度に増大してしまうことが抑制される。
【0044】
なお、少なくとも二つの機器が順番に所定の動作を行うとは、基本的には、1つの機器の所定の動作が完了してから次の機器の所定の動作が開始されることを意味し、少なくとも二つの機器のそれぞれが所定の動作を行う期間が重複しないことを意味する。具体的には、蓄電池システム31による蓄電池31aの充電が完了する(蓄電残量が所定値に達する)と、給湯器32の湯の沸き上げが開始されるというような意味である。しかしながら、施設70における消費電力が過大とならない範囲で、少なくとも二つの機器が所定の動作を行う期間が部分的に重なっていてもよい。
【0045】
以上説明したように、制御システム10は、ユーザが入力する情報に基づいて、優先順位を決定し、気象警報情報が取得されたことを契機に、少なくとも二つの機器が優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する。このような制御システム10は、施設70における消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる。
【0046】
なお、上記の気象警報連動モードの動作例1においては、決定部28による優先順位の決定は、気象警報情報が取得される前に行われた。しかしながら、決定部28による優先順位の決定は、気象警報情報が取得された後に行われてもよい。例えば、上記通知画面が、少なくとも二つの機器と、少なくとも二つの機器に対する優先順位とを指定するための入力画面としての機能を有していれば、ユーザは通知画面が表示されているときに上記ステップS11の入力を行い、決定部28は、当該入力の直後(つまり、気象警報情報が取得された後)に優先順位を決定することができる。
【0047】
[気象警報連動モードの動作例2]
気象警報連動モードの動作例1では、決定部28は、ユーザが入力した情報に基づいて優先順位を決定した。ここで、決定部28は、あらかじめ定められたアルゴリズムにしたがって優先順位を決定してもよい。例えば、以下のように制御システム10の設計者等によって定められた優先順位を示す優先順位情報が記憶部24にあらかじめ記憶されていてもよい。
【0048】
優先順位1:燃料電池発電システム33の起動処理
優先順位2:車両充放電器35による車載電池35bの充電
優先順位3:蓄電池システム31による蓄電池31aの充電
優先順位4:給湯器32による湯の沸き上げ
優先順位5:車両充電器34による車載電池34bの充電
【0049】
また、優先順位は季節ごとにあらかじめ定められており、気象警報情報が取得されたときの季節に基づいて優先順位が決定されてもよい。以下、このような気象警報連動モードの動作例2について説明する。
図4は、気象警報連動モードの動作例2のフローチャートである。
【0050】
気象情報配信サーバ40が気象警報情報を配信すると、取得部27は、当該気象警報情報を、第一通信部25を介して取得する(S21)。
【0051】
決定部28は、気象警報情報が取得されたことを契機に、現在の季節を特定する(S22)。例えば、決定部28は、現在の日付(年月日)と時刻とを管理しており、気象警報情報が取得されたときの日付に基づいて季節を特定する。季節は、例えば、春:3月~5月、夏:6月~8月、秋:9月~11月、冬:12月~2月などである。
【0052】
決定部28は、特定した現在の季節に基づいて優先順位を決定する(S23)。例えば、記憶部24には、季節ごとに優先順位が定められた優先順位情報が記憶されている。この優先順位は、季節が夏である場合には、蓄電池システム31による蓄電池31aの充電が最も優先され、季節が冬である場合には、給湯器32による湯沸しが最も優先さる、といったように定められる。季節ごとの優先順位は制御システム10の設計者等によって適宜定められる。
【0053】
次に、出力部29は、通知情報を表示部22へ出力する(S24)。この結果、表示部22には、気象警報連動モードの動作が開始されることを示す通知画面(例えば、
図3)が表示される(S25)。ステップS24及びS25の処理は、ステップS14及びS15と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0054】
次に、出力部29は、ステップS23において決定部28によって決定された優先順位に基づいて複数の機器30が順番に動作を開始するように、複数の機器30の各々に指示情報を出力する(S26)。指示情報の出力は、気象警報情報が取得されたことを契機に行われる処理である。指示情報は、より詳細には、第二通信部26によって複数の機器30の各々へ送信される。指示情報は、具体的には、複数の機器30の各々に所定の動作の開始を指示する情報である。
【0055】
以上説明したように、制御システム10は、気象警報情報が取得されたときの季節に基づいて優先順位を決定し、気象警報情報が取得されたことを契機に、複数の機器30が優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、複数の機器30の各々に指示情報を出力する。このような制御システム10は、施設70における消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる。
【0056】
なお、月(1月~12月のいずれか)ごとに優先順位が定められた優先順位情報が記憶部24に記憶されていれば、決定部28は、気象警報情報が取得されたときの月に基づいて優先順位を決定することができる。同様に、時間帯ごとに優先順位が定められた優先順位情報が記憶部24に記憶されていれば、決定部28は、気象警報情報が取得されたときの時間帯(例えば、昼間か夜間か)に基づいて優先順位を決定することができる。このように、決定部28は、気象警報情報が取得されたときの、季節、月、及び、時間帯の少なくとも1つに基づいて優先順位を決定することができる。
【0057】
[気象警報連動モードの動作例3]
ところで、上記5種類の機器のうち、燃料電池発電システム33を除く4種類の機器(蓄電池システム31、給湯器32、車両充電器34、及び、車両充放電器35)は、リソース(電力または湯)の残量を管理する機器であると考えることができる。これらの機器の優先順位は、リソースの残量に基づいて決定されてもよい。以下、このような気象警報連動モードの動作例3について説明する。
図5は、気象警報連動モードの動作例3のフローチャートである。以下の動作例3は、複数の機器30に燃料電池発電システム33が含まれていない場合の動作例として説明される。
【0058】
気象情報配信サーバ40が気象警報情報を配信すると、取得部27は、当該気象警報情報を、第一通信部25を介して取得する(S31)。
【0059】
決定部28は、気象警報情報が取得されたことを契機に、複数の機器30のそれぞれにリソースの残量を問い合わせることで、複数の機器30のそれぞれのリソースの残量を特定する(S32)。リソースの残量とは、蓄電残量または残湯量である。
【0060】
決定部28は、特定したリソースの残量に基づいて優先順位を決定する(S33)。決定部28は、例えば、リソースの残量をパーセンテージで表した場合に、残量が少ないリソースに関する所定の動作ほど、高い優先順位に決定する。
【0061】
次に、出力部29は、通知情報を表示部22へ出力する(S34)。この結果、表示部22には、気象警報連動モードの動作が開始されることを示す通知画面(例えば、
図3)が表示される(S35)。ステップS34及びS35の処理は、ステップS14及びS15と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0062】
次に、出力部29は、ステップS33において決定部28によって決定された優先順位に基づいて複数の機器30のうち複数の機器30が順番に動作を開始するように、複数の機器30の各々に指示情報を出力する(S36)。指示情報の出力は、気象警報情報が取得されたことを契機に行われる処理である。指示情報は、より詳細には、第二通信部26によって複数の機器30の各々へ送信される。指示情報は、具体的には、複数の機器30の各々に所定の動作の開始を指示する情報である。
【0063】
以上説明したように、制御システム10は、気象警報情報が取得されたときの複数の機器30それぞれが管理するリソースの残量に基づいて優先順位を決定し、気象警報情報が取得されたことを契機に、複数の機器30が優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、複数の機器30の各々に指示情報を出力する。このような制御システム10は、施設70における消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる。
【0064】
[提案情報の出力動作]
制御システム10は、気象警報情報が取得されたことを契機に、制御システム10のユーザに所定の行動を促すための提案情報を出力してもよい。
図6は、提案情報の出力動作のフローチャートである。
【0065】
気象情報配信サーバ40が気象警報情報を配信すると、取得部27は、当該気象警報情報を、第一通信部25を介して取得する(S41)。
【0066】
出力部29は、気象警報情報が取得されたことを契機に、停電等への備えとしての所定の行動をユーザに促すための提案情報を表示部22へ出力する(S42)。この結果、表示部22には、提案画面が表示される(S43)。
図7は、提案画面の一例を示す図である。
【0067】
図7の例では、提案画面には、バスタブに湯を貯めることを促すメッセージが表示されている。つまり、所定の行動とは、例えば、バスタブに湯を貯める行動である。
【0068】
提案画面に表示されるメッセージは特に限定されず、例えば、既にバスタブに湯が貯められている場合には、(節電のために)湯張りの自動設定の解除を促すメッセージが表示されてもよい。また、季節が夏である場合には、提案画面には、冷蔵庫で製氷を行うことを促すメッセージが表示されてもよい。提案画面には、炊飯器によって炊飯を行うことを促すメッセージが表示されてもよい。
【0069】
このように、制御システム10は、気象警報情報が取得されたことを契機に、制御システム10のユーザに所定の行動を促すための提案情報を出力することができる。なお、提案情報の出力動作は、上記気象警報連動モードの動作例1~3と任意に組み合わされてよい。
【0070】
なお、ステップS43においては、提案画面の表示に代えて、または、提案画面の表示に加えて、制御装置20が備えるスピーカ(図示せず)から電子音または音声メッセージ等が出力されてもよい。
【0071】
[変形例]
上記動作例1においては、優先順位を決定するための情報の入力は、制御装置20の入力受付部21に対して行われたが、携帯端末60に対して行われてもよい。
【0072】
例えば、携帯端末60に優先順位を決定するための情報が入力されると、携帯端末60は、入力された情報の内容を含む優先順位決定要求を機器制御サーバ50へ送信し、機器制御サーバ50は、受信した優先順位決定要求を制御装置20へ送信する。制御装置20の決定部28は、第一通信部25によって受信された優先順位決定要求に基づいて優先順位を決定し、記憶部24に優先順位情報を記憶する。
【0073】
このように、制御システム10(決定部28)は、携帯端末60へのユーザの情報の入力に基づいて優先順位を決定することができる。
【0074】
また、上記実施の形態では、通知画面、及び、提案画面は、制御装置20の表示部22に表示されたが、携帯端末60に表示されてもよい。
【0075】
例えば、出力部29は、気象警報情報が取得されたことを契機に、通知情報または提案情報を出力する。第一通信部25は、出力された通知情報または提案情報を機器制御サーバ50へ送信し、機器制御サーバ50は、受信した通知情報または提案情報を携帯端末60へ送信する。通知情報または提案情報を受信した携帯端末60は、通知画面または提案画面を表示する。
【0076】
このように、制御システム10は、携帯端末60に、通知画面または提案画面を表示することができる。
【0077】
[効果等]
以上説明したように、制御システム10は、蓄電池システム31、給湯器32、車載電池の充電及び放電の少なくとも一方を行う車載電池制御装置、並びに、燃料電池発電システム33のうち少なくとも二つの機器を制御する制御システムである。制御システム10は、少なくとも二つの機器の動作の優先順位を決定する決定部28と、気象警報情報を取得する取得部27と、気象警報情報が取得されたことを契機に、少なくとも二つの機器が優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する出力部29とを備える。車載電池制御装置は、上記実施の形態の車両充電器34または車両充放電器35である。
【0078】
このような制御システム10は、気象警報を契機に機器を動作させる場合に、消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる。
【0079】
また、例えば、出力部29は、気象警報情報が取得されたことを契機に、少なくとも二つの機器の動作に関する通知情報を出力する。
【0080】
このような制御システム10は、気象警報を契機に機器を動作させることを通知することができる。
【0081】
また、例えば、出力部29は、気象警報情報が取得されたことを契機に、制御システム10のユーザに所定の行動を促すための提案情報を出力する。
【0082】
このような制御システム10は、気象警報を契機にユーザに所定の行動を促すことができる。
【0083】
また、例えば、指示情報は、少なくとも二つの機器の各々に所定の動作の開始を指示する情報である。
【0084】
このような制御システム10は、気象警報を契機に機器に所定の動作を開始させることができる。
【0085】
また、例えば、決定部28は、制御システム10のユーザが入力する情報に基づいて、優先順位を決定する。
【0086】
このような制御システム10は、ユーザの所望の優先順位にしたがって少なくとも二つの機器を順番に動作させることができる。
【0087】
また、例えば、決定部28は、気象警報情報が取得されたときの、季節、月、及び、時間帯の少なくとも1つに基づいて、優先順位を決定する。
【0088】
このような制御システム10は、気象警報情報が取得されたときの、季節、月、及び、時間帯の少なくとも1つに基づく優先順位にしたがって少なくとも二つの機器を順番に動作させることができる。
【0089】
また、例えば、決定部28は、少なくとも二つの機器それぞれが管理するリソースの残量に基づいて、優先順位を決定する。
【0090】
このような制御システム10は、少なくとも二つの機器それぞれが管理するリソースの残量に基づく優先順位にしたがって少なくとも二つの機器を順番に動作させることができる。
【0091】
また、蓄電池システム31、給湯器32、車載電池の充電及び放電の少なくとも一方を行う車載電池制御装置、並びに、燃料電池発電システム33のうち少なくとも二つの機器を制御するコンピュータ(制御システム10または制御装置20等)が実行する制御方法は、少なくとも二つの機器の動作の優先順位を決定する決定ステップと、気象警報情報を取得する取得ステップと、気象警報情報が取得されたことを契機に、少なくとも二つの機器が優先順位に基づいて順番に動作を開始するように、少なくとも二つの機器の各々に指示情報を出力する出力ステップとを含む。
【0092】
このような制御方法は、気象警報を契機に機器を動作させる場合に、消費電力が過度に増大してしまうことを抑制することができる。
【0093】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0094】
例えば、上記実施の形態における気象警報連動モードの動作例1~3は任意に組み合わされてもよい。例えば、動作例1及び2を組み合わせて得られる構成として、ユーザの入力に基づいて、優先順位が季節、月、または、時間帯ごとに定められる構成が考えられる。上記実施の形態に係る制御システムは、動作例1~3に対応する3種類の優先順位の決定方法の1つをユーザが選択できる構成を有してもよい。
【0095】
また、上記実施の形態では、制御システムは、複数の装置によって実現された。この場合、制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、制御装置が実行する処理の一部または全部は、機器制御サーバによって実行されてもよい。
【0096】
また、制御システムは、単一の装置によって実現されてもよく、例えば、上記実施の形態の制御装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0099】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0100】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0101】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る制御装置として実現されてもよい。また、本発明は、制御システムなどのコンピュータする制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0102】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
10 制御システム
27 取得部
28 決定部
29 出力部
30 機器
31 蓄電池システム
32 給湯器
33 燃料電池発電システム
34 車両充電器(車載電池制御装置)
34b、35b 車載電池
35 車両充放電器(車載電池制御装置)