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特開2023-162845歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法
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  • 特開-歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法 図1
  • 特開-歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法 図2
  • 特開-歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法 図3
  • 特開-歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法 図4A
  • 特開-歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法 図4B
  • 特開-歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法 図4C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162845
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/06 20060101AFI20231101BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20231101BHJP
   A61C 1/08 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
A61C17/06 Z
H05B47/105
A61C17/06 B
A61C1/08 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073525
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000151427
【氏名又は名称】株式会社東京技研
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】庄司 欣央
(72)【発明者】
【氏名】田邉 友樹
(72)【発明者】
【氏名】新田 尚也
【テーマコード(参考)】
3K273
4C052
【Fターム(参考)】
3K273PA02
3K273PA09
3K273QA29
3K273QA30
3K273RA04
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA40
3K273UA22
4C052AA06
4C052AA07
4C052GG17
4C052LL04
4C052LL09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使い勝手がよい歯科用口腔外吸引システムを提供する。
【解決手段】歯科用口腔外吸引システム(ST)は、第1スイッチ(161)及び第2スイッチ(171)と先端面に開口する吸引口(19)と内部に設けられ吸引口(19)に開口する通気路と有する吸引アーム(1)と、通気路に接続され第1スイッチの操作に基づき動作し吸引口から吸引する吸引機(3)と、吸引アームに先端部の指向方向を照明するよう備えられ第2スイッチの操作に基づき動作する照明装置(18)と、吸引機及び照明装置の動作を制御する制御部(32)と、を備える。制御部は、吸引機及び照明装置の動作を、第1スイッチの操作のみに基づき吸引機が吸引動作中は照明装置を点灯し、吸引機が吸引停止中は照明装置を消灯させる連動モードと吸引機を動作させる第1スイッチの操作を照明装置の動作に作用させない非連動モードとで制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスイッチ及び第2のスイッチと、先端面に開口する吸引口と、内部に設けられ前記吸引口に開口する通気路と、有する吸引アームと、
前記通気路に接続され前記第1のスイッチの操作に基づいて動作し前記吸引口から空気を吸引する吸引機と、
前記吸引アームにその先端部が指向する方向を照明するよう備えられ前記第2のスイッチの操作に基づいて動作する照明装置と、
前記吸引機及び前記照明装置の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記吸引機及び前記照明装置の動作を、
前記第1のスイッチの操作のみに基づいて、前記吸引機が吸引動作実行中は前記照明装置を点灯し、前記吸引機が吸引動作停止中は前記照明装置を消灯させる連動モードと、
前記吸引機を吸引動作させるための前記第1のスイッチの操作を前記照明装置の動作に作用させない非連動モードと、
の二つのモードで制御する歯科用口腔外吸引システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記連動モードと前記非連動モードとの切り換えを、前記吸引機が動作している状態における前記第2のスイッチの操作で行う請求項1記載の歯科用口腔外吸引システム。
【請求項3】
吸引機によって吸引アームの先端部に開口する吸引口から外気を吸引可能で、前記吸引アームに備えられた照明装置によって先端部の指向する方向を照明可能な歯科用口腔外吸引システムの動作制御方法であって、
第1のスイッチの操作のみに基づいて、前記吸引機が吸引動作実行中は前記照明装置を点灯し、前記吸引機が吸引動作停止中は前記照明装置を消灯させる連動モードと、
前記照明装置の動作を、前記第1のスイッチの操作ではなく第2のスイッチの操作のみに基づいて制御する非連動モードと、
の二つのモードで制御する歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法。
【請求項4】
前記連動モードと前記非連動モードとの切り換えを、前記吸引機が動作している状態における前記第2のスイッチの操作で行う請求項3記載の歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、複数のアームが直列かつ相対回動可能に接続された歯科用口腔外バキューム装置(以下、吸引アーム)が記載されている。この吸引アームは、先端アームの先端面に照明手段が設けられており、先端アームには、照明手段の点灯/消灯を切り替えるスイッチと、吸引動作のON/OFFを切り替えるスイッチとが備えられている。
【0003】
吸引アームは、診療室の治療チェア近くに設置され吸引機に接続される。吸引アームは、吸引機の動作によって先端アームの先端部から口腔外の空気を吸引する。吸引アームと吸引機とを含んで歯科用口腔外吸引システムが構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5627095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたような従来の吸引アームを含む歯科用口腔外吸引システムは、吸引動作のON/OFFの切り替えと照明手段の点灯/消灯の切り替えとを、先端アームに設けられた別々のスイッチで行うようになっている。
しかしながら、歯科の治療及び施術において、吸引アームで口腔外の空気を吸引するとき、多くの場合、口腔を照明する。そのため、吸引アームの操作者は、治療及び施術の際に、二つの異なるスイッチをそれぞれON/OFFする必要があり、従来の歯科用口腔外吸引システムは、使い勝手の点で改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、使い勝手がよい歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成、手順を有する。
1) 第1のスイッチ及び第2のスイッチと、先端面に開口する吸引口と、内部に設けられ前記吸引口に開口する通気路と、有する吸引アームと、
前記通気路に接続され前記第1のスイッチの操作に基づいて動作し前記吸引口から空気を吸引する吸引機と、
前記吸引アームにその先端部が指向する方向を照明するよう備えられ前記第2のスイッチの操作に基づいて動作する照明装置と、
前記吸引機及び前記照明装置の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記吸引機及び前記照明装置の動作を、
前記第1のスイッチの操作のみに基づいて、前記吸引機が吸引動作実行中は前記照明装置を点灯し、前記吸引機が吸引動作停止中は前記照明装置を消灯させる連動モードと、
前記吸引機を吸引動作させるための前記第1のスイッチの操作を前記照明装置の動作に作用させない非連動モードと、
の二つのモードで制御する歯科用口腔外吸引システムである。
2) 前記制御部は、前記連動モードと前記非連動モードとの切り換えを、前記吸引機が動作している状態における前記第2のスイッチの操作で行う1)に記載の歯科用口腔外吸引システムである。
3) 吸引機によって吸引アームの先端部に開口する吸引口から外気を吸引可能で、前記吸引アームに備えられた照明装置によって先端部の指向する方向を照明可能な歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法であって、
第1のスイッチの操作のみに基づいて、前記吸引機が吸引動作実行中は前記照明装置を点灯し、前記吸引機が吸引動作停止中は前記照明装置を消灯させる連動モードと、
前記照明装置の動作を、前記第1のスイッチの操作ではなく第2のスイッチの操作のみに基づいて制御する非連動モードと、
の二つのモードで制御する歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法である。
4) 前記連動モードと前記非連動モードとの切り換えを、前記吸引機が動作している状態における前記第2のスイッチの操作で行う3)に記載の歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使い勝手がよい、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る歯科用口腔外吸引システムの実施例である歯科用口腔外吸引システムSTを示す構成図である。
図2図2は、歯科用口腔外吸引システムSTが備える吸引アーム1の先端部分を示す外観図である。
図3図3は、歯科用口腔外吸引システムSTの構成を説明するためのブロック図である。
図4A図4Aは、歯科用口腔外吸引システムSTにおける動作制御方法のフローを説明するための第1のフロー図である。
図4B図4Bは、動作フローを説明するための第2のフロー図である。
図4C図4Cは、動作フローを説明するための第3のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る歯科用口腔外吸引システム及び歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法を、実施例の歯科用口腔外吸引システムST(以下、吸引システムST)及びその動作制御方法によって説明する。
【0011】
(実施例)
図1は、吸引システムSTの構成を示す図であり、図2は、吸引システムSTが備える吸引アーム1の先端部分を示す外観図であり、図3は、吸引システムSTの構成を説明するためのブロック図である。
【0012】
吸引システムSTは、吸引アーム1,弁装置4,及び吸引機3を含んで構成されている。吸引アーム1と弁装置4との間は第1通気管51で接続され、弁装置4と吸引機3との間は、第2通気管52で接続されている。
吸引機3には、さらに外部の空間へ排気するための排気管53が接続されている。
吸引アーム1及び弁装置4は、歯科診療室内に設置される。吸引機3は、通常、歯科診療室とは別の機械室などに設置され、第2通気管52は床FLの下に敷設される。
【0013】
吸引機3は、ポンプ31及び制御部32を有する。ポンプ31の動作により、第2通気管52から空気が吸引され、不図示のフィルタによって治療などで生じた切削塵埃,細菌及びウイルスなどが除去された後、排気管53から外部の空間に排出される。
制御部32は、ポンプ31を含む吸引システムSTの全体の動作を制御する。
【0014】
弁装置4は、モータ41と開閉弁(不図示)とを有し、この例において診療室の床FLの上に設置されている。弁装置4は床下に設置されていてもよい。
開閉弁は第1通気管51と第2通気管52との間の通気を、モータ41の動作によって開閉する。モータ41の動作は、制御部32によって制御される。
【0015】
吸引アーム1は、診療室の床FLに立設され、いわゆる垂直多関節型の態様を有して人手によって姿勢変換可能なアームである。
吸引アーム1は、床FL側から、台座10,第1アーム部11,第2アーム部12,第3アーム部13,第4アーム部14,先端アーム部である第5アーム部15,及びヘッド部20を有する。
台座10は床FLに固定される座の部分である。
第1アーム部11は、台座10から鉛直上方に延びる管状の支柱である。第1アーム部11は昇降機能を有していてもよい。この例において第1アーム部11は回動しないポール部材であるが便宜的に名称としてアームを用いる。
第1アーム部11の上端部には、第2アーム部12を連結する第1関節21が設けられている。
【0016】
第2アーム部12は、直管状に形成され、第1関節21に対し水平方向に延びる第1軸線CL21まわりに所定のトルク以上で回動可能なように連結されている。
第2アーム部12の先端部には、第3アーム部13を連結する第2関節22が設けられている。
【0017】
第3アーム部13は、直管状に形成され、第2関節22に対し水平方向に延びる第2軸線CL22まわりに所定のトルク以上で回動可能なように連結されている。
第3アーム部13の先端部には、第4アーム部14を連結する第3関節23が設けられている。
【0018】
第4アーム部14は、直管状に形成され、第3関節23に対し水平方向に延びる第3軸線CL23まわりに所定のトルク以上で回動可能なように連結されている。
第4アーム部14には、環状のスイッチリング16が備えられている。スイッチリング16は、周方向の一部が径方向の外方に盛り上がっており、その盛り上がった部分の先端側の面に第1のスイッチである吸引スイッチ161が取り付けられている。
【0019】
吸引スイッチ161は、例えば近接センサで構成される。吸引スイッチ161に近接して手をかざすことで、その都度、吸引信号SG6(図3参照)が制御部32に向け出力される。
スイッチリング16は、第4アーム部14の所定の抵抗をもって軸線まわりに回すことができ、これにより吸引スイッチ161の周方向の位置を、操作者の好む位置に換えることができる。
【0020】
第5アーム部15は、直列に連結された第1エルボ15a,第2エルボ15b,及び第3エルボ15cを有する。第1エルボ15aは、第4アーム部14の先端部に対し第1リンク軸関節151を介して連結されている。
第1エルボ15aは、第1リンク軸関節151に対し、第4アーム部14のリンク軸CLa1まわりに所定のトルク以上で回動するように連結されている。
第1エルボ15aの先端部には、リンク軸CLa1に対し角度θaだけ傾斜したリンク軸CLa2を回動軸とする第1オフセット関節152を有する。
【0021】
このように、第5アーム部15は第1オフセット関節152と第2オフセット関節153により第1エルボ15a~第3エルボ15cが連結され、第3エルボ15cに対し第2リンク軸関節154を介してヘッド部20が連結されている。
これにより、第4アーム部14及び第5アーム部15は、ヘッド部20を、ほぼ操作者の望む姿勢にすることができ、ヘッド部20の先端を望む方向に指向可能である。
【0022】
ヘッド部20は、先端に向かうに従って外径が拡張する円錐台形状に形成されている。ヘッド部20の軸線CL20は、リンク軸CLa2と一致している。
ヘッド部20には、ハンドル17及びリリースボタン156が設けられている。ヘッド部20の先端部には、円環状の先端リング155が着脱可能に装着されている。
先端リング155は、先端側から押し込むことでヘッド部20に対し自動的にロックされ、リリースボタン156を押し込むことでロックが解除されてヘッド部20から取り外すことができる。
先端リング155の先端面の中央部には、吸引口19が開口し、吸引口19の周囲には環状の照明装置18が配置されている。
【0023】
ハンドル17は、L字形状に突出して形成され、吸引アーム1の操作者が手で握れるようになっている。
ハンドル17の先端部には、第2のスイッチである照明スイッチ171が取り付けられている。照明スイッチ171は、押しボタンスイッチであって、ハンドル17を握った手の指で押し込まれて照明信号SG7(図3参照)を制御部32に向け送出する。
【0024】
吸引アーム1の内部には、ヘッド部20から台座10に繋がる通気路AK(図2参照)が形成されている。この通気路AKは一端側が吸引口19に接続して外部空間に開口し、他端部側は、第1通気管51に接続している。
【0025】
この構成により、ポンプ31が動作すると、弁装置4の開閉弁が開状態となり、吸引口19から外気が吸引され、通気路AK,第1通気管51,弁装置4,及び第2通気管52を通って吸引機3に入り、吸引機3の内部の不図示のフィルタを通って清浄化されて排気管53から外部に排気される。
また、操作者は、ヘッド部20のハンドル17を把持して動かすことで吸引アーム1を概ね所望の姿勢にすることができる。これにより、歯科治療及び施術における口腔近傍の空気の吸引を良好に実行でき、治療に伴い口腔近傍の空間に飛散する切削粉塵や体液などの飛沫を良好に除去できる。
【0026】
照明装置18は、LEDなどの複数の発光素子を備え、照明スイッチ171の押し込み操作に基づき、点灯と消灯とが制御部32の制御によって切り換えられる。
照明装置18は、ヘッド部20が指向する方向を照明するので、歯科治療及び施術の対象となる部位を照明し、より良好な歯科治療及び施術を行うことができる。
【0027】
上述のように、吸引システムSTは、制御部32が、吸引スイッチ161と照明スイッチ171の操作に基づいて、歯科治療及び施術に好適となる吸引動作及び照明状態を制御する。この吸引システムSTにおける動作制御方法、すなわち歯科用口腔外吸引システムにおける動作制御方法について、図3及び図4A図4Cを主に参照して詳述する。
【0028】
図3に示されるように、制御部32は、中央処理装置(CPU)321,吸引動作判定部322,照明動作判定部323,連動フラグ切換部324,及び記憶部325を有する。
制御部32は、照明装置の点灯/消灯の照明動作及び吸引動作を、両動作を連動させる連動モードと連動させない非連動モードとの二つのモードで制御する。この制御は、制御部32からの指令における連動フラグのON/OFFで選択的に行う。すなわち、吸引システムSTは、連動フラグONで連動モードが実行され、連動フラグOFFで非連動モードが実行されるようになっている。
具体的な動作手順の例を、図4A図4Cのフロー図を参照して次に説明する。
【0029】
図4Aに示されるように、吸引システムSTの使用において、まず吸引システムの電源をONにする(S1)。電源スイッチは、診療室内の適宜部位に設置される。
CPU321は、記憶部325に記憶された連動フラグを、新たな連動フラグとして設定する(S2)。
工場出荷状態で、連動フラグONが記憶部325に記憶されている。従って、工場出荷後の初回の動作は連動モードで実行される。2回目以降の動作は、(S32)によって記憶部325に記憶された電源OFF直前の連動フラグ(ON及びOFFのいずれか一方)が設定される。
【0030】
(S2)の実行後、CPU321は、電源OFFの入力有無を監視し判定する(S3A)。
(S3A)でNOと判定されたら、CPU321は、吸引スイッチ161及び照明スイッチ171のいずれかの入力の有無を監視し判定する(S3B)。
吸引スイッチ161が操作されて(S3B)で吸引スイッチ入力有と判定されたら、フロー1へ進む。
照明スイッチ171が操作されて(S3B)で照明スイッチ入力有と判定されたら、フロー2へ進む。
スイッチ操作がなく(S3B)でNOと判定されたら、(S3A)へ戻り手順を繰り返す。
(S3A)でYESと判定されたら(S32)へ移行する。
次に、フロー1の動作を図4Bを参照して説明する。吸引スイッチ161に入力されると吸引信号SG6(図3参照)が制御部32に入来し、(S3B)で吸引スイッチ入力有と判定されフロー1に進む。
【0031】
(フロー1)
まず、吸引動作判定部322は、その時点の吸引動作状態がONかOFFかを判定する(S4)。
CPU321は、(S4)で吸引動作がONと判定されたら、ポンプ31の動作を停止して吸引を停止し、弁装置4のモータ41を動作させて弁を閉じる(S5)。
【0032】
照明動作判定部323は、(S4)で吸引動作がONと判定されたら、その時点の照明状態が点灯か消灯かを判定する(S7)。
照明が点灯していると判定したら、CPU321は照明を消灯し(S8)、フロー3へ移行する。
照明が消灯していると判定したら、CPU321は照明の消灯を維持し(S9)、フロー3へ移行する。
【0033】
一方、(S4)において、吸引動作判定部322によって吸引動作がOFFと判定されたら、CPU321はポンプ31を動作させて吸引を開始し、弁装置4のモータ41を動作させて弁を開ける(S10)。
【0034】
次いで、連動フラグ切換部324は、連動フラグがONかOFFかを判定する(S11)。
連動フラグがOFFと判定したら、照明動作判定部323は、その時点の照明状態が点灯か消灯かを判定する(S12)。
照明が点灯していると判定されたら、CPU321は点灯を維持し(S13)フロー3へ移行する。
照明が消灯していると判定されたら、CPU321は消灯を維持し(S14)フロー3へ移行する。
【0035】
連動フラグがONと判定したら、照明動作判定部323は、その時点の照明状態が点灯か消灯かを判定する(S15)。
照明が消灯していると判定したら、CPU321は照明を点灯し(S16)、フロー3へ移行する。
照明が点灯していると判定したら、CPU321は照明の点灯を維持し(S17)、フロー3へ移行する。
【0036】
このように、吸引システムSTは、連動モードで吸引スイッチ161が操作されて吸引を開始した場合は照明スイッチを操作することなく照明が自動で点灯する。
また、非連動モードでは、吸引スイッチ161が操作されて吸引を開始した場合、照明状態がそのまま維持される。
また、連動モード及び非連動モードのいずれにおいても、吸引スイッチ161が操作されて吸引が停止した場合、照明が点灯していれば消灯し、消灯していればその消灯が維持される。
、吸引を停止した場合は照明スイッチを操作することなく照明が自動で消灯する。
次に、フロー2の動作を図4Cを参照して説明する。照明スイッチ171に入力されると照明信号SG7(図3参照)が制御部32に入来し、(S3B)で照明スイッチ入力有と判定されフロー2に進む。
【0037】
(フロー2)
まず、吸引動作判定部322は、その時点の吸引動作状態がONかOFFかを判定する(S18)。
連動フラグ切換部324は、(S18)で吸引動作がONと判定されたら、連動フラグがONかOFFかを判定する(S19)。
【0038】
(S19)で連動フラグがONと判定された場合、照明状態は必ず点灯であり、CPU321は、照明を消灯し(S21)、連動フラグ切換部324は連動フラグをOFFに切り換えて(S22)、フロー3へ移行する。
【0039】
(S19)で連動フラグがOFFと判定されたら、照明動作判定部323は、その時点の照明状態が点灯か消灯かを判定する(S24)。
CPU321は、(S24)で点灯と判定されたら、照明を消灯し(S25)、連動フラグ切換部324は連動フラグのOFFを維持し(S261)、フロー3へ移行する。
CPU321は、(S24)で消灯と判定されたら、照明を点灯し(S27)、連動フラグ切換部324は連動フラグをONに切り換えて(S262)、フロー3へ移行する。
【0040】
一方、(S18)で吸引動作がOFFと判定されたら、照明動作判定部323は、その時点の照明状態が点灯か消灯かを判定する(S28)。
CPU321は、(S28)で点灯と判定されたら、照明を消灯し(S29)、連動フラグは切り換えずに維持してフロー3へ移行する。
CPU321は、(S28)で消灯と判定されたら、照明を点灯し(S30)、連動フラグは切り換えずに維持してフロー3へ移行する。
次にフロー3の動作を、図4Aを参照して説明する。
【0041】
(フロー3)
CPU321は、電源OFFの入力有無を常時監視し判定する(S31)。入力がない場合は(S3B)へ戻る。
CPU321は、(S31)で入力有と判定したら、その時点の連動フラグ(ON及びOFFのいずれか一方)を記憶部325に記憶する(S32)。
【0042】
次いで、吸引動作判定部322は、吸引動作がONかOFFかを判定する(S33)。
(S33)でOFFと判定されたら、照明動作判定部323は、照明状態が点灯か消灯かを判定する(S34)。
(S33)でONと判定されたら、CPU321は吸引動作を停止(OFF)し(S35)、(S34)へ進む。
【0043】
(S34)で消灯と判定されたら、CPU321は電源をOFFにして(S36)動作を終了する。
(S34)で点灯と判定されたら、CPU321は照明を消灯し(S37)、(S36)を実行し動作を終了する。
【0044】
上述のように、制御部32は、連動フラグがONの連動モードになっているとき、操作者が照明スイッチ171の操作をすることなく、吸引スイッチ161の操作入力のみで、吸引動作のON及びOFFと照明のON及びOFFとを連動させる。すなわち、吸引システムSTは、連動モードにおいて、吸引スイッチ161のみの操作で、吸引動作開始で照明は必ず点灯し、吸引動作停止で照明は必ず消灯するように制御される。吸引動作実行中は、照明は点灯で維持され、吸引動作停止中は照明は消灯で維持される。
【0045】
これにより、吸引システムSTは、吸引動作と照明状態との連動した切り換えが、一方の吸引スイッチ161の操作のみで自動的に行われるので、操作者の負担は少なく、使い勝手がよく、歯科治療又は施術の効率が向上する。
【0046】
また、制御部32は、吸引動作実行中に照明スイッチ171が操作された場合に、連動フラグがONであれば照明は必ず点灯しているので消灯して連動フラグをOFFにし、連動フラグがOFFで消灯状態であれば、点灯して連動フラグをONにする。
そのため、吸引システムSTは、連動フラグの切り換えのためのスイッチを独立して設けなくても連動フラグの切り換えが可能であり、コストアップが抑制され使い勝手も向上する。
【0047】
また、吸引システムSTは、非連動モードでは、吸引動作のON/OFFに関わらず照明を独立して点灯/消灯させることができる。非連動モードでは、第1のスイッチである吸引スイッチ161による吸引機3を吸引動作させるための操作を、照明装置18の動作に作用させないようになっている。
これにより、吸引システムSTは、照明装置としての使い方も可能で使い勝手が大変よい。
【0048】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよい。
【0049】
吸引スイッチ161及び照明スイッチ171の形式は、近接センサ及び押しボタンスイッチに限定されない。
フロー1~3は、一例であって、同様の動作を実行可能な範囲で変形可能である。
制御部32は吸引機3に備えられていなくてもよい。制御部32の設置場所は限定されない。例えば、弁装置4に備えられていてもよい。
【0050】
吸引アーム1は、床FLの上に設置されるものに限定されない。例えば、歯科診療室の天井に対し吊り下げるように設置されるものであってもよい。
また、歯科診療室内を移動可能な筐体内に吸引機3を収容し、その筐体の上部に吸引アーム1を取り付けて、吸引機3と吸引アーム1とを筐体内の通気路で連結して、吸引アーム1と吸引機3を一体化した可動型システムとしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 吸引アーム
10 台座
11 第1アーム部
12 第2アーム部
13 第3アーム部
14 第4アーム部
15 第5アーム部(先端アーム部)
15a~15c 第1エルボ~第3エルボ
151 第1リンク軸関節
152 第1オフセット関節
153 第2オフセット関節
154 第2リンク軸関節
155 先端リング
156 リリースボタン
16 スイッチリング
161 吸引スイッチ
17 ハンドル
171 照明スイッチ
18 照明装置
19 吸引口
20 ヘッド部
21 第1関節
22 第2関節
23 第3関節
3 吸引機
31 ポンプ
32 制御部
321 中央処理装置(CPU)
322 吸引動作判定部
323 照明動作判定部
324 連動フラグ切換部
325 記憶部
4 弁装置
41 モータ
51 第1通気管
52 第2通気管
53 排気管
AK 通気路
CLa1,CLa2 リンク軸
CL20 軸線
CL21~CL23 第1~第3軸線
FL 床
SG6 吸引信号
SG7 照明信号
ST 歯科用口腔外吸引システム(吸引システム)
θa 角度
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C