(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162869
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 51/16 20060101AFI20231101BHJP
B65D 43/02 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B65D51/16 200
B65D43/02 200
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073563
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】592199869
【氏名又は名称】エビス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100224627
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 稔
(72)【発明者】
【氏名】森川 淳平
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA26
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA03
3E084CB03
3E084CC05
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC05
3E084FA09
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA02
3E084KB10
(57)【要約】
【課題】使い勝手を向上することができる容器を提供する。
【解決手段】容器は、容器本体と、容器本体を密閉するように容器本体に取り付け可能かつ容器本体から取り外し可能である蓋体と、容器本体および蓋体のいずれか一方に設けられ、上下方向に交差する横方向に延びる回転中心を有するヒンジ部と、容器本体と蓋体のうちヒンジ部と同じ側に設けられ、蓋体が容器本体を密閉することを許容する第1位置と、蓋体と容器本体との間に隙間を形成する第2位置との間を、ヒンジ部の回転中心を中心にして回動可能な回動部とを備える。回動部は、第1位置から第2位置に向けて一方向に回動するとき、容器本体および蓋体の他方を押すことで、蓋体を押し上げて容器本体蓋体と容器本体との間の密閉を解除し、更に一方向に回動するとき、容器本体と蓋体との間に挿入され、第2位置に位置するとき、容器本体と蓋体との間に挟まれて隙間を維持するように、構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口を有する容器本体と、
前記容器本体を密閉するように前記容器本体に取り付け可能である一方で、前記容器本体から取り外し可能である蓋体と、
前記容器本体および前記蓋体のいずれか一方に設けられ、上下方向に交差する横方向に延びる回転中心を有するヒンジ部と、
前記容器本体と前記蓋体のうち前記ヒンジ部と同じ側に設けられ、前記蓋体が前記容器本体を密閉することを許容する第1位置と、前記蓋体と前記容器本体との間に隙間を形成する第2位置との間を、前記ヒンジ部の前記回転中心を中心にして回動可能な回動部と
を備え、
前記回動部は、前記第1位置から前記第2位置に向けて一方向に回動するとき、少なくとも一部が前記容器本体および前記蓋体の他方を押すことで、前記蓋体を押し上げて前記蓋体と前記容器本体との間の密閉を解除し、更に前記一方向に回動するとき、少なくとも一部が前記容器本体と前記蓋体との間に挿入され、前記第2位置に位置するとき、少なくとも一部が前記容器本体と前記蓋体との間に挟まれて前記隙間を維持するように、構成されている、容器。
【請求項2】
前記容器本体および前記蓋体の少なくともいずれか一方は、前記回動部が前記第2位置に位置するとき、前記回動部の前記一方向と逆向きの逆方向に回動することを規制する規制部を備える、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記容器本体および前記蓋体の一方は、前記ヒンジ部および前記回動部を有し、
前記容器本体および前記蓋体の他方は、前記回動部が嵌入可能な凹部を有し、
前記規制部は、前記凹部を画定する隆起部分によって構成されている、請求項2に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
食品を密閉型の容器に入れ冷蔵庫、冷凍庫にて、食品の乾燥、変質、汚染を防止しつつ保存することは家庭においても従来から広く行われている。このような食品保存容器は、傾きや転倒によって内部の液状物が漏れ出ないよう液密性や気密性が担保されている。一般的に、この種の保存容器において、液密性や気密性を保持するには、容器本体と蓋体の嵌め合いを強固にする傾向にあり、開封する際に大きな力が必要となる。この種の容器の一例として、特許文献1には、容器本体に回動可能に連結された回動取っ手を上側に持ち上げて回動させることで、蓋体を容器本体から取り外す容器が開示されている。
【0003】
また、保存された食品を電子レンジを用いて加熱(加温や解凍)するにあたり、別の容器に移し替えることなく保存容器ごと電子レンジに入れて加熱できる容器も種々提供されている。この種の保存容器においては、加熱に伴う容器内部の空気の膨張によって、容器の変形を生じたり突発的な蓋体の外れが生じないように、予め、蒸気弁を外したり、蓋体を外したり(蓋体をずらしたり)して、容器本体内を外部に開放する必要がある。
【0004】
蓋体をずらして加熱した場合には蓋体の裏面や容器本体の縁に多数の水滴がつくが、ずらし方が小さいと、この水滴により蓋体がすべり加熱中に蓋体が閉まってしまうことがある。そうなると、前記空気膨張による変形の他、加熱後の冷却に伴う内圧減少による容器変形や開封困難も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の容器では、使い勝手の観点から改善の余地がある。
【0007】
本発明は、食品を密閉保存している状態から軽い力で蓋を開封するのに併せて、容器本体の内部を外部に開放した状態を維持することのできる食品保存容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、以下のように構成する。
本発明の一態様に係る容器は、
上部に開口を有する容器本体と、
前記容器本体を密閉するように前記容器本体に取り付け可能である一方で、前記容器本体から取り外し可能である蓋体と、
前記容器本体および前記蓋体のいずれか一方に設けられ、上下方向に交差する横方向に延びる回転中心を有するヒンジ部と、
前記容器本体と前記蓋体のうち前記ヒンジ部と同じ側に設けられ、前記蓋体が前記容器本体を密閉することを許容する第1位置と、前記蓋体と前記容器本体との間に隙間を形成する第2位置との間を、前記ヒンジ部の前記回転中心を中心にして回動可能な回動部と
を備え、
前記回動部は、前記第1位置から前記第2位置に向けて一方向に回動するとき、少なくとも一部が前記容器本体および前記蓋体の他方を押すことで、前記蓋体を押し上げて前記容器本体前記蓋体と前記容器本体との間の密閉を解除し、更に前記一方向に回動するとき、前記容器本体と前記蓋体との間に挿入され、前記第2位置に位置するとき、少なくとも一部が前記容器本体と前記蓋体との間に挟まれて前記隙間を維持するように、構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、食品を密閉保存している状態から軽い力で蓋を開封するのに併せて、容器本体の内部を外部に開放した状態を維持することのできる食品保存容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る容器の分解斜視図。
【
図6】
図1に示す容器が密閉状態から開放状態に遷移している途中の状態を示す斜視図。
【
図7】本発明の第1実施形態の変形例に係る容器の分解斜視図。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る容器の密閉状態の斜視図。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る容器の開放状態の斜視図。
【
図10】本発明の第2実施形態の変形例に係る容器の密閉状態の斜視図。
【
図11】本発明の第2実施形態の変形例に係る容器の開放状態の斜視図。
【
図12】本発明の第3実施形態に係る容器の密閉状態の斜視図。
【
図13】本発明の第3実施形態に係る容器の開放状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、使い勝手を向上するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
【0012】
上述したように、従来の保存容器では、容器本体と蓋体との嵌め合いが強固であるため、蓋体を開封する際に大きな力が必要となり、お年寄りや子どもなど、力がない人にとって使い勝手が悪いという問題がある。
【0013】
また、従来の保存容器では、食品を入れて電子レンジを用いて加熱するにあたり、予め蒸気弁を外したり、蓋体を外したり(蓋体をずらしたり)して、容器本体内を外部に開放する必要があり、手間がかかり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0014】
蓋体をずらす場合には、蓋体の裏面や容器本体の縁についた水滴により、加熱中に蓋体が閉まってしまうことがあり、容器本体の内部を外部に開放した状態を維持することができないことがある。その結果、容器の変形や蓋体の開封が困難になることがあり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0015】
蒸気弁を有する保存容器では、蒸気弁において液密性や気密性を保持するために、蒸気弁の嵌め合いを強固にする傾向にあり、蒸気弁を外す際に大きな力が必要となり、お年寄りや子どもなど、力がない人にとって使い勝手が悪いという問題がある。
【0016】
そこで、本発明者らは、蓋体が容器本体を密閉することを許容する第1位置と、蓋体と容器本体との間に隙間を形成する第2位置との間で回動する回動部を備える容器において、以下の構成を見出した。すなわち、本発明者らは、回動部が第1位置から第2位置に向けて一方向に回動するとき、回動部の少なくとも一部が容器本体および蓋体の一方を押すことで、蓋体を押し上げて容器本体と蓋体との間の密閉を解除し、回動部が更に一方向に回動するとき、回動部の少なくとも一部が容器本体と蓋体との間に挿入され、回動部が第2位置にあるとき、回動部が容器本体と蓋体との間に挟まれてこの隙間を維持するという構成を見出した。この構成によれば、回動部を一方向に回動させることで、容器本体と蓋体との密閉を解除することと、および蓋体と容器本体との間に形成された隙間を維持することの両方を一度に行うことができる。このため、容器内の蒸気を外に逃がすために、蓋体を容器本体から取り外した後に、蓋体をずらして容器本体上に再度配置したり、容器本体にラップを取り付けたりする必要がなく、使い勝手を向上することができる。また、この構成によれば、回動部の回動により蓋体を押し上げるため、蓋体と容器本体との間に隙間を形成するためにてこの原理を利用することができる。このため、軽い力で蓋体と容器本体との間に隙間を形成することができるので、容器の使い勝手を向上することができる。すなわち、この構成によれば、食品を密閉保存している状態から軽い力で蓋体を開封するのに併せて、容器本体の内部を外部に開放した状態を維持することのできる食品保存容器を提供することができる。この新規な知見に基づき、本発明者らは、以下の発明に至った。
【0017】
本発明の一態様によれば、
上部に開口を有する容器本体と、
前記容器本体を密閉するように前記容器本体に取り付け可能である一方で、前記容器本体から取り外し可能である蓋体と、
前記容器本体および前記蓋体のいずれか一方に設けられ、上下方向に交差する横方向に延びたヒンジ部と、
前記蓋体が前記容器本体を密閉することを許容する第1位置と、前記蓋体と前記容器本体との間に隙間を形成する第2位置との間を、前記ヒンジ部の回転中心を中心にして回動可能な回動部と
を備え、
前記回動部は、前記第1位置から前記第2位置に向けて一方向に回動するとき、少なくとも一部が前記容器本体および前記蓋体の他方を押すことで、前記蓋体を押し上げて前記蓋体と前記容器本体との間の密閉を解除し、更に前記一方向に回動するとき、少なくとも一部が前記容器本体と前記蓋体との間に挿入され、前記第2位置に位置するとき、少なくとも一部が前記容器本体と前記蓋体との間に挟まれて前記隙間を維持するように、構成されている、容器を提供する。
【0018】
この構成によれば、回動部を一方向に回動させることで、容器本体と蓋体との密閉を解除することと、および蓋体と容器本体との間に形成された隙間を維持する、つまり容器本体の内部を外部に開放した状態を維持することの両方を一度に行うことができる。このため、容器内の蒸気を外に逃がすために、蓋体を容器本体から取り外した後に、蓋体をずらして容器本体上に再度配置したり、容器本体にラップを取り付けたりする必要がなく、使い勝手を向上することができる。
【0019】
また、この構成によれば、回動部の回動により蓋体を押し上げるため、蓋体と容器本体との間に隙間を形成するために、てこの原理を利用することができる。このため、食品を密閉保存している状態から、軽い力で蓋体と容器本体との間に隙間を形成することができる、つまり軽い力で蓋体を開封することができるので、容器の使い勝手を向上することができる。
【0020】
一実施形態では、前記容器本体および前記蓋体の少なくともいずれか一方は、前記回動部が前記第2位置に位置するとき、前記回動部が前記一方向と逆向きの逆方向に回動することを規制する規制部を備えてもよい。
【0021】
この構成によれば、回動部が第2位置に位置するときに、回動部が第2位置から第1位置に向けて回動することが規制されるので、回動部が意図せず第2位置から第1位置に向けて移動して、蓋体と容器本体との間の隙間がなくなることを抑制することができる。その結果、容器の使い勝手を向上することができる。
【0022】
一実施形態では、前記容器本体および前記蓋体の一方は、前記ヒンジ部および前記回動部を有し、前記容器本体および前記蓋体の他方は、前記回動部が嵌入可能な凹部を有し、
前記規制部は、前記凹部を画定する隆起部分によって構成されてもよい。
【0023】
この構成によれば、規制部と回動部とが嵌まり合うように構成するため、回動部を第2位置から移動させようとすると、回動部を規制部から外す操作が必要になる。このため、回動部が意図せず第2位置から第1位置に向けて移動して、蓋体と容器本体との間の隙間がなくなることを抑制することができる。その結果、容器の使い勝手を向上することができる。
【0024】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。この実施形態によって本開示が限定されるものではない。また、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0025】
また、以下では、説明の便宜上、通常使用時の状態を想定して「上」、「下」、「前」、「後」、「横」等の方向を示す用語を用いるが、本開示に係る容器の使用状態等を限定することを意味するものではない。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る容器1の分解斜視図である。本実施形態の容器1は、内部に食品等を収容する保存容器であり、電子レンジによる加熱調理に使用できる。
【0027】
図1を参照すると、容器1は、全体として、直方体状である。容器1は、上面視で、全体として略長方形である。
【0028】
以下の説明において、容器1の上面視における長手方向を単に長手方向Xといい、容器1の上面視における短手方向を単に短手方向Yといい、長手方向Xおよび短手方向Yの両方に直交する方向を高さ方向Zという場合がある。以下の説明において、長手方向X、短手方向Y、または長手方向Xおよび短手方向Yに交差すると共に高さ方向Zと直交する方向のそれぞれを横方向という場合がある。また、以下の説明において、横方向において、容器1の外側に向かう向きを外向きまたは側方という場合がある。
【0029】
容器1は、上部に開口10aを有する容器本体10と、容器本体10を密閉するように容器本体10に取り付け可能である一方で、容器本体10から取り外し可能な蓋体20とを有する。
【0030】
容器本体10は、略直方体の有底筒状である。容器本体10の材料は、例えば、ポリプロピレンである。容器本体10は、長方形状の底部11と、底部11の外縁部、つまり四辺から上方に立ち上がった筒状の本体側壁部12と、本体側壁部12の上端部から側方に延びた本体フランジ部13とを備える。底部11と本体側壁部12とは、容器本体10が食品等を収容する収容空間を画定する。また、本体側壁部12の上端部により、開口10aが画定されている。本体側壁部12の上端部の内周面には、後述する蓋体20の蓋側壁部22が嵌め合わされる受け部12aが全周にわたって設けられている。
【0031】
本体フランジ部13は、本体側壁部12の上端部を取り囲むように設けられた枠状である。本体フランジ部13のうち、長手方向Xに互いに間隔を開けて配置され、短手方向Yに延びる一対の短辺のそれぞれには傾斜部13aが設けられている。傾斜部13aは、全体として長手方向Xの一方側、つまり側方に向かって、下方に傾斜して延びている。傾斜部13aは、長手方向Xの他方側の端部では上側に湾曲した曲面状であり、他の部分では、平面状である。傾斜部13aが延びる方向(上側に湾曲した曲面状の部分においては、曲面の接線方向)と、長手方向Xとの間の角度θ(
図3に示す)は、45度以下であることが好ましい。傾斜部13aには、後述するフラップ40が嵌め合わされるように下方に窪んだ凹部14が配置されている。本実施形態の凹部14は、本発明の規制部の一例である。
【0032】
蓋体20は、略長方形の板状である。蓋体20の材料は、例えばポリプロピレンである。蓋体20は、長方形の板状の蓋平面部21と、蓋平面部21の外縁部、つまり四辺から立ち上がった筒状の蓋側壁部22と、蓋側壁部22の上端部から側方に延びた蓋フランジ部23とを備える。蓋平面部21は、蓋体20が容器本体10に取り付けられたときに、開口10aを上側から覆う。蓋フランジ部23は、蓋側壁部22の上端部を取り囲むように設けられた枠状である。
【0033】
蓋側壁部22の外形は、本体側壁部12の受け部12aの内形と概ね相似形である。蓋側壁部22の外形寸法は、本体側壁部12の受け部12aの内形寸法よりも僅かに大きい。これにより、蓋側壁部22が弾性変形した状態で蓋側壁部22と本体側壁部12とが嵌まり合うため、容器1の密閉性を確保できる。本実施形態の蓋体20は、容器本体10の内側に嵌まる所謂内嵌合の蓋である。言い換えれば、本実施形態の容器1は、内嵌合構造の容器である。
【0034】
本実施形態では、蓋体20にヒンジ部30が設けられている。ヒンジ部30は、薄肉の樹脂からなる所謂フィルムヒンジである。ヒンジ部30は、蓋フランジ部23の短手方向Yに延びる一対の短辺の一方に設けられている。ヒンジ部30は、短手方向Yに延びる回転中心を有している。
【0035】
蓋体20には、ヒンジ部30を介して、フラップ40が接続されている。具体的には、フラップ40の一端部は、ヒンジ部30に回動可能に接続されており、ヒンジ部30から長手方向Xの側方に延びている。これにより、フラップ40は、ヒンジ部30の回転中心を中心として回動可能である。本実施形態では、蓋体20とヒンジ部30とフラップ40とは、樹脂で一体に成形されている。本実施形態のフラップ40は、本発明の回動部の一例である。
【0036】
フラップ40の幅(短手方向Yの寸法)は、長手方向Xの側方に向かって、つまりヒンジ部30から離れるにしたがって、徐々に狭くなっている。言い換えれば、フラップ40の幅は、ヒンジ部30に接続される基端部から先端部に向かって、徐々に狭くなっている。本実施形態のフラップ40は、上面視で略半円形の板状である。
【0037】
フラップ40の対向する一対の主面のうち容器本体10の本体フランジ部13に対向する主面には、本体フランジ部13に向かって突出した突起部41が設けられている。突起部41は、短手方向Yに延び、略半楕円形の断面形状を有する突条である。具体的には、
図3に示すように、突起部41は、短手方向Yに直交する断面において、全体として下側に湾曲した形状を有している。本実施形態では、突起部41は、短手方向Yに直交する断面において、半楕円形状を有している。
【0038】
蓋体20は、容器本体10を密閉するように容器本体10に取り付け可能である一方で、蓋体20と容器本体10との間に隙間が形成されるように容器本体10に取り付け可能である。以下の説明において、蓋体20が容器本体10を密閉するように容器本体10に取り付けられている容器1の状態を密閉状態という場合がある。同様に、蓋体20と容器本体10との間に隙間が形成されるように蓋体20が容器本体10に取り付けられている容器1の状態を開放状態という場合がある。
【0039】
図2は、密閉状態の容器1の斜視図である。
図3は、
図2のIII-III線に沿った断面図である。
図4は、開放状態の容器1の斜視図である。
図5は、
図4のV-V線に沿った断面図である。
【0040】
図2および
図3を参照すると、容器1が密閉状態にあるとき、蓋側壁部22と本体側壁部12の受け部12aとが嵌まり合っている。これにより、蓋体20が容器本体10を密閉している。
【0041】
容器1が密閉状態にあるとき、フラップ40は、容器本体10と干渉しないように、ヒンジ部30から側方に延びている。以下の説明において、容器1が密閉状態であることを許容するように、つまり蓋体20が容器本体10を密閉することを許容するように、容器本体10に干渉しないフラップ40の位置を第1位置という場合がある。
【0042】
図4および
図5を参照すると、容器1が開放状態にあるとき、蓋側壁部22が本体側壁部12の受け部12aから外れて、蓋体20と容器本体10との間に隙間Sが形成されている。
【0043】
容器1が開放状態にあるとき、フラップ40は、長手方向Xの側方(
図5において左側)に向かって、下方に傾斜するように、ヒンジ部30から延びている。フラップ40と蓋体20とは、ヒンジ部30で屈曲するように接続されている。また、容器1が開放状態にあるとき、フラップ40は、容器本体10と蓋体20との間に挟まれている。言い換えれば、容器1が開放状態にあるとき、フラップ40は、先端部において凹部14に嵌まることで本体フランジ部13に支持されるとともに、基端部においてヒンジ部30を介して蓋体20を支持している。これにより、容器1が開放状態にあるとき、蓋体20と容器本体10との間に形成された隙間Sが維持されるようになっている。以下の説明において、容器1が開放状態であることを許容する、つまり蓋体20と容器本体10との間に隙間Sを形成し、隙間Sを維持するフラップ40の位置を第2位置という場合がある。
【0044】
本実施形態のフラップ40は、第1位置と第2位置との間を、ヒンジ部30の回転中心を中心にして回動可能である。以下の説明において、フラップ40がヒンジ部30の回転中心を中心にして第1位置から第2位置に回動する方向(
図3および5において反時計回り)、つまりフラップ40が容器本体10に近づく方向を一方向という場合がある。また、フラップ40がヒンジ部30の回転中心を中心にして第2位置から第1位置に回動する方向(
図3および5において時計回り)、つまりフラップ40が容器本体10から離れる方向を逆方向という場合がある。
【0045】
前述したように、容器1が開放状態にあるとき、つまりフラップ40が第2位置にあるとき、フラップ40は、凹部14に嵌まっている。フラップ40が凹部14に嵌まっているとき、凹部14の係止壁14aにより、フラップ40が逆方向に回動することが規制されている。係止壁14aは、凹部14を画定する壁のうち長手方向Xの一方側に位置した隆起部分である。本実施形態の係止壁14aは、本発明の規制部の一例である。
【0046】
(フラップ40の動作)
フラップ40は、容器1が密閉状態であるときに、第1位置から第2位置に回動することで、容器1を開放状態にするように構成されている。以下、
図3から
図6を参照して、容器1を密閉状態から開放状態に遷移させるときの、フラップ40の動作を説明する。
図6は、容器1が密閉状態から開放状態に遷移している途中の状態を示す容器1の縦断面図である。
【0047】
図2および
図3に示すように、容器1が密閉状態にある場合に、フラップ40を押し下げて(図中矢印F1参照)、ヒンジ部30の回転中心を中心にしてフラップ40を一方向に回動させると(図中矢印R1参照)、突起部41が本体フランジ部13と接触する。より詳細には、突起部41は、本体フランジ部13の傾斜部13aの曲面状の部分と接触する。
【0048】
この状態から更にフラップ40を押し下げる、つまりフラップ40を更に一方向に回動させると、
図6に示すように、フラップ40は、本体フランジ部13の傾斜部13aとフラップ40との接触部Cを支点として回動し(図中矢印R2参照)、蓋体20が上方に押し上げられる(図中矢印F2参照)。このとき、突起部41は、傾斜部13aに接触しながら、傾斜部13aに沿って上側かつ長手方向Xの一方側(
図6において右側)に向かって滑って移動する。つまり、本体フランジ部13と突起部41とが接触した後では、フラップ40が一方向に回動するにしたがって、接触部Cは、傾斜部13a内で上側かつ長手方向Xの他方側に移動する。同様に、本体フランジ部13と突起部41とが接触した後では、フラップ40が一方向に回動するにしたがって、接触部Cは、突起部41内で基端部から先端部に向かって移動する。本実施形態では、フラップ40が第1位置から第2位置に回動する間において、接触部Cとフラップ40の先端部との間の距離が、接触部Cとヒンジ部30との間の距離よりも長くなるように構成されている。
【0049】
そして、フラップ40を更に押し下げる、つまりフラップ40を更に一方向に回動させると、蓋体20と容器本体10との密閉が解除される。言い換えれば、蓋体20と容器本体10との間に隙間S(
図5に示す)が形成される。
【0050】
その後、フラップ40を更に押し下げる、つまりフラップ40を更に一方向に回動させると、フラップ40は、先端部が傾斜部13aの平面状の部分に接触しながら、第2位置に向けて回動し、
図4および
図5に示すように、本体フランジ部13に設けられた凹部14に嵌まる。これにより、容器1は開放状態になる。
【0051】
本実施形態の容器1によれば、密閉状態にある容器1においてフラップ40を一方向に回動させることで、容器本体10と蓋体20との密閉を解除することと、および蓋体20と容器本体10との間に形成された隙間Sを維持する、つまり容器本体10の内部を外部に開放した状態を維持することの両方を一度に行うことができる。このため、容器1内の蒸気を外に逃がすために、蓋体20を容器本体10から取り外した後に、蓋体20をずらして容器本体10上に再度配置したり、容器本体10にラップを取り付けたりする必要がなく、使い勝手を向上することができる。
【0052】
本実施形態の容器1は、フラップ40の回動により蓋体20を押し上げるように構成されている。具体的には、本体フランジ部13の傾斜部13aとフラップ40の突起部41との接触部Cを支点とするてこの原理を利用して蓋体20を押し上げて、蓋体20と容器本体10との間に隙間Sを形成することができる。このため、軽い力で蓋体20と容器本体10との間に隙間Sを形成することができるので、容器1の使い勝手を向上することができる。
【0053】
本実施形態の容器1によれば、フラップ40が第2位置に位置するときに、凹部14によりフラップ40が第2位置から第1位置に向けて逆方向に回動することが規制される。このため、フラップ40が意図せず第2位置から第1位置に向けて移動して、蓋体20と容器本体10との間の隙間Sがなくなることを抑制することができる。その結果、容器1の使い勝手を向上することができる。
【0054】
本実施形態の容器1によれば、凹部14とフラップ40とが嵌まり合うように構成されているため、フラップ40を第2位置から移動させるには、蓋体20を上方に移動させて、フラップ40を凹部14から外す操作が必要になる。このため、フラップ40が意図せず第2位置から第1位置に向けて移動して、蓋体20と容器本体10との間の隙間Sがなくなることを抑制することができる。その結果、容器1の使い勝手を向上することができる。
【0055】
フラップ40の幅(本実施形態では短手方向Yの寸法)が、ヒンジ部30に接続される基端部から先端部にわたって一定である場合、ユーザがフラップ40を押すときに、フラップ40の先端部の幅方向(本実施形態では短手方向Y)における端を押すと、ユーザがフラップ40を押す力が蓋体20に効率よく伝わらないことがある。これに対して、本実施形態の容器1によれば、フラップ40の幅は、基端部から先端部に向かって、徐々に狭くなっている。このため、フラップ40の幅が基端部から先端部にわたって一定である場合と比較して、先端部においてユーザがフラップ40を押す位置を制限できる。このため、ユーザがフラップ40を押す力が蓋体20に効率よく伝わらないことを抑制することができる。その結果、蓋体20を容器本体10から容易に取り外すことができ、容器1の使い勝手を向上することができる。
【0056】
本実施形態の容器1によれば、傾斜部13aが延びる方向と、長手方向Xとの間の角度θは、45度以下であるため、接触部Cにおいてフラップ40が傾斜部13aから受ける反作用の上向きの成分は、フラップ40が傾斜部13aから受ける反作用の横向き(具体的には、長手方向Xの外向き)の成分よりも大きくなる。これにより、フラップ40をヒンジ部30の回転中心を中心にして回動させたときに、突起部41が傾斜部13aに沿って上側に移動しやすくなる。その結果、フラップ40が全体として上側に移動するので、蓋体20を容易に押し上げることができる。
【0057】
本実施形態の容器1によれば、フラップ40をヒンジ部30の回転中心を中心にして回動させたとき、下側に湾曲した形状の突起部41が、傾斜部13aの平面状の部分または上側に湾曲した曲面状の部分に接触するため、フラップ40と本体フランジ部13とは、接触部Cにおいて線接触する。このため、フラップ40と本体フランジ部13とが接触部Cにおいて面接触する場合と比較して、接触部Cにおいて生じる摩擦力が小さくなるため、突起部41が本体フランジ部13に沿って滑らかに移動することができる。その結果、蓋体20を容器本体10から容易に取り外すことができ、容器1の使い勝手を向上することができる。
【0058】
突起部41の下側に湾曲した曲面状の部分は、長手方向Xの一方側(
図3において左側)から他方側(
図3において右側)に向けて湾曲して延びる円弧状の面であって、曲率中心から曲面上の異なる位置までの距離(曲率半径)が異なる面である。曲率中心から曲面上の一方側の位置までの距離よりも曲率中心から曲面上の他方側の位置までの距離の方が長くなっている。言い換えれば、曲率中心から曲面上の位置までの距離は、一方側から他方側に向かって長くなっている。この異なる距離は、フラップ40を回転させたときの力の上向きの分力が大きくなるように本体フランジ部13等に接触する距離に設定される。
【0059】
仮に、フラップ40を押し上げることでフラップ40が第1位置から第2位置に回動するように構成すると、例えばテーブルに置かれた容器1の蓋体20を開ける場合に、フラップ40を押し上げると容器本体10が蓋体20に引っ張られて容器1ごとテーブルから浮いてしまい、蓋体20を容器本体10からうまく取り外せないことがある。これに対して、本実施形態の容器1では、フラップ40を押し下げることで蓋体20が容器本体10から押し上がるため、容器本体10が蓋体20を取り外すときに、容器本体10が蓋体20に引っ張られて移動することがなく、蓋体20を容器本体10から容易に取り外すことができる。その結果、容器1の使い勝手を向上することができる。
【0060】
本実施形態では、突起部41は、短手方向Yに直交する断面において、半楕円形状であったが、これに限定されない。突起部41は、短手方向Yに直交する断面において、半円形状であってもよい。
【0061】
また、本実施形態では、突起部41は、短手方向Yに直交する断面において、全体として湾曲していたが、これに限定されない。突起部41は、フラップ40が第1位置から第2位置に回動するときに、本体フランジ部13と接触する範囲、つまり突起部41と本体フランジ部13との接触部Cが突起部41内で移動する範囲において湾曲していればよい。突起部41は、接触部Cで生じる摩擦力が過度に大きくならないように滑らかな曲面を有していることが好ましい。
【0062】
(第1実施形態の変形例)
図7は、本実施形態の変形例に係る容器1の分解斜視図である。
図7に示す変形例では、蓋側壁部22は、蓋平面部21の外縁部、つまり四辺から下方に向けて延びた筒状であり、蓋フランジ部23は、蓋側壁部22の下端部から側方に延びている。また、本変形例では、蓋体20の蓋側壁部22が嵌め合わされる受け部12aが、本体側壁部12の上端部の外周面に、全周わたって設けられている。本変形例では、蓋体20の蓋側壁部22が容器本体10の本体側壁部12に設けられた受け部12aに外側から嵌まることで、蓋体20が容器本体10を密閉する。つまり、本変形例の蓋体20は、容器本体10の外側に嵌まる所謂外嵌合の蓋である。言い換えれば、本変形例の容器1は、外嵌合構造の容器である。
【0063】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態について、特に言及してない事項については、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態の図面では、第1実施形態のものと同一又は同様の要素には、同一の符号を付している。
【0064】
図8は、第2実施形態に係る密閉状態の容器101の斜視図である。
図9は、第2実施形態に係る開放状態の容器101の斜視図である。
【0065】
本実施形態の容器本体10は、傾斜部13aおよび凹部14を備えていない点を除いて、第1実施形態の容器本体10と概ね同様の構成を有しており、その詳細な説明を省略する。
【0066】
図8および
図9を参照すると、本実施形態のヒンジ部30は、蓋フランジ部23の4つの角部のうち1つの角部に配置されている。本実施形態のヒンジ部30は、高さ方向Zに直交するとともに、長手方向Xおよび短手方向Yの両方に交差する方向に延びる回転中心を有している。
【0067】
本実施形態のフラップ140は、全体として板状である。フラップ140は、半円形の外形を有する環状の操作部141と、ヒンジ部30を介して操作部141と反対側に延びた作動部142とを備える。作動部142には、容器101が密閉状態にあるときに容器本体10とは反対側の面から立ち上がって設けられた第1係止片142aと、第1係止片142aの根元の部分からヒンジ部30と反対側に延びる第2係止片142bとが設けられている。本実施形態では、操作部141のヒンジ部30と反対側の端部とヒンジ部30との間の距離は、作動部142のヒンジ部30と反対側の端部とヒンジ部30との間の距離よりも大きい。
【0068】
図8に示すように、容器101が密閉状態にあるとき、つまりフラップ140が第1位置にあるとき、フラップ140の操作部141は、ヒンジ部30から側方に延びている。この状態から、フラップ140を押し上げて、ヒンジ部30の回転中心を中心にしてフラップ140を一方向に回動させると(図中矢印R3参照)、作動部142が本体フランジ部13と接触する。
【0069】
この状態から更にフラップ140を押し上げる、つまりフラップ140を更に一方向に回動させると、フラップ140の作動部142が本体フランジ部13を押す力の反作用により、蓋体20が上方に押し上げられる。
【0070】
そして、フラップ140を更に押し上げる、つまりフラップ140を更に一方向に回動させると、蓋体20と容器本体10との密閉が解除される。言い換えれば、蓋体20と容器本体10との間に隙間が形成される。
【0071】
その後、フラップ140を更に押し上げる、つまりフラップ140を更に一方向に回動させると、
図9に示すように、フラップ140は、第2位置に至り、フラップ140の作動部142が蓋体20と容器本体10の本体フランジ部13との間に挿入されて、蓋体20と容器本体10との間に形成された隙間が維持される。これにより、容器101は開放状態になる。フラップ140は、第2位置にあるとき、第1係止片142aにおいて本体フランジ部13に支持されることで容器本体10に支持されるとともに、ヒンジ部30を介して蓋体20を支持している。言い換えれば、フラップ140の一部は、容器本体10と蓋体20との間に挟まれている。また、フラップ140が第2位置にあるとき、フラップ140が逆方向に回動しようとすると、フラップ140の第2係止片142bと本体フランジ部13とが干渉する。つまり、フラップ140が第2位置にあるとき、第2係止片142bと本体フランジ部13によりフラップ140が逆方向に回動することが規制されている。本実施形態では、第2係止片142bおよび本体フランジ部13により、本発明の規制部が構成されている。
【0072】
第2実施形態の容器101によれば、第1実施形態の容器1と同様の作用効果を奏する。
【0073】
(第2実施形態の変形例)
図10は、本発明の第2実施形態の変形例に係る密閉状態の容器101の斜視図である。
図11は、第2実施形態の変形例に係る開放状態の容器101の斜視図である。
【0074】
図10に示すように、本変形例では、本体フランジ部13の4つの角部のうち対角線上にある2つの角部に、上側に突出した凸部13bが設けられている。容器本体10に蓋体20を取り付けて、容器101が密閉状態にするとき、フラップ140の作動部142が凸部13bに押されることで、フラップ140は、ヒンジ部30の回転中心を中心にして逆方向に回動する。その結果、容器101が密閉状態であるとき、フラップ140の操作部141は、ヒンジ部30から下方に延びている。また、凸部13bには、穴部13cが設けられており、作動部142の先端部、つまりヒンジ部30とは反対側の端部には、穴部13cに嵌まり合う第3係止片142cが設けられている。
図11に示すように、フラップ140は、第2位置にあるとき、第3係止片142cと穴部13cとが嵌まり合うことで容器本体10に支持されるとともに、ヒンジ部30を介して蓋体20を支持している。言い換えれば、フラップ140の一部は、容器本体10と蓋体20との間に挟まれている。容器101が開放状態のとき、つまりフラップ140が第2位置にあるとき、第3係止片142cと穴部13cとが嵌まり合うことで、フラップ140が逆方向に回動することが規制されている。本変形例では、第3係止片142cおよび穴部13cにより、本発明の規制部が構成されている。
【0075】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態について、特に言及してない事項については、第1実施形態と同様である。また、第3実施形態の図面では、第1実施形態のものと同一又は同様の要素には、同一の符号を付している。
【0076】
図12は、第3実施形態に係る密閉状態の容器201の斜視図である。
図13は、第3実施形態に係る開放状態の容器201の斜視図である。
【0077】
本実施形態では、容器本体10にヒンジ部30が設けられている。ヒンジ部30は、本体フランジ部13の短手方向Yに延びる一対の短辺の両方に設けられている。ヒンジ部30は、短手方向Yに延びる回転中心を有している。
【0078】
本実施形態のフラップ240は、全体として板状である。フラップ240は、略矩形状の操作部241と、ヒンジ部30を介して操作部241と反対側に延びた作動部242とを備える。作動部242には、容器201が密閉状態にあるときに蓋体20とは反対側の面から立ち上がって設けられた第1係止片242aと、第1係止片242aの根元の部分からヒンジ部30と反対側に延びる第2係止片242bとが設けられている。本実施形態では、操作部241のヒンジ部30と反対側の端部とヒンジ部30との間の距離は、作動部242のヒンジ部30と反対側の端部とヒンジ部30との間の距離よりも大きい。
【0079】
図12に示すように、容器201が密閉状態にあるとき、つまりフラップ240が第1位置にあるとき、フラップ240の操作部241は、ヒンジ部30から側方に延びている。この状態から、フラップ240を押し下げて、ヒンジ部30の回転中心を中心にしてフラップ240を一方向に回動させると(図中矢印R4参照)、作動部242が蓋フランジ部23と接触する。
【0080】
この状態から更にフラップ240を押し下げる、つまりフラップ240を更に一方向に回動させると、フラップ240の作動部242が蓋フランジ部23を押す力により、蓋体20が上方に押し上げられる。
【0081】
そして、フラップ240を更に押し下げる、つまりフラップ240を更に一方向に回動させると、蓋体20と容器本体10との密閉が解除される。言い換えれば、蓋体20と容器本体10との間に隙間が形成される。
【0082】
その後、フラップ240を更に押し下げる、つまりフラップ240を更に一方向に回動させると、
図13に示すように、フラップ240は、第2位置に至り、フラップ240の作動部242が蓋体20の蓋フランジ部23と容器本体10との間に挿入されて、蓋体20と容器本体10との間に形成された隙間が維持される。これにより、容器201は開放状態になる。
【0083】
フラップ240は、第2位置にあるとき、ヒンジ部30を介して容器本体10に支持されるとともに、第1係止片242aにおいて蓋フランジ部23を支持することで蓋体20を支持している。言い換えれば、フラップ240の一部は、容器本体10と蓋体20との間に挟まれている。
【0084】
フラップ240が第2位置にあるとき、フラップ240が逆方向に回動しようとすると、フラップ240の第2係止片242bと蓋フランジ部23とが干渉する。つまり、フラップ240が第2位置にあるとき、第2係止片242bと蓋フランジ部23とによりフラップ240が逆方向に回動することが規制されている。本実施形態では、第2係止片242bおよび蓋フランジ部23により、本発明の規制部が構成されている。
【0085】
第3実施形態の容器201によれば、第1実施形態の容器1と同様の作用効果を奏する。
【0086】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は前記第1~第3実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、第1~第3実施形態で記載した内容の一部を削除または置換したものを、この発明の一実施形態としてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 容器
10 容器本体
10a 開口
11 底部
12 本体側壁部
12a 受け部
13 本体フランジ部
13a 傾斜部
14 凹部
14a 係止壁(規制部)
20 蓋体
21 蓋平面部
22 蓋側壁部
23 蓋フランジ部
30 ヒンジ部
40 フラップ(回動部)
41 突起部
101 容器
140 フラップ(回動部)
141 操作部
142 作動部
142a 第1係止片
142b 第2係止片
142c 第3係止片
201 容器
240 フラップ(回動部)
241 操作部
242 作動部
242a 第1係止片
242b 第2係止片