(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162883
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】回転電機用の端末モジュール
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20231101BHJP
H01R 4/58 20060101ALI20231101BHJP
H01R 35/02 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H02K5/22
H01R4/58 C
H01R35/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073585
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】坂倉 浩二
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA04
5H605BB05
5H605CC06
5H605EC07
(57)【要約】
【課題】簡単な構成により回転電機から伝達される振動を低減できる端末モジュールを提供する。
【解決手段】端末モジュール100は、回転電機を構成するステータと、端子台80との間を電気的に接続する。端末モジュール100は、複数のバスバ10,20,30,40と、複数のバスバ10,20,30,40を覆う保持部材50とを備えている。複数のバスバ10,20,30は、第1端部11,21,31と第2端部12,22,32との間に位置し、第1方向Xに延在する長尺状の延在部13,23,33と、延在部13,23,33と第2端部12,22、32との間に位置する中間部とを有している。延在部13,23,33は、ステータから端子台80に向けて伝達される振動を低減可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機を構成するステータと、端子台との間を電気的に接続する回転電機用の端末モジュールであって、
金属板材により一体形成された複数のバスバと、
電気絶縁性の樹脂により形成されて前記複数のバスバを覆うとともに前記複数のバスバ同士の間に介在する保持部材と、を備え、
前記回転電機の軸線方向及び周方向を、それぞれ第1方向及び第2方向とするとき、
前記複数のバスバは、
前記端子台と電気的に接続される第1端部と、
前記ステータのコイルと電気的に接続される第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に位置し、前記第1方向に延在する長尺状の延在部と、
前記延在部と前記第2端部との間に位置し、前記保持部材により覆われる中間部と、を有し、前記第2方向において並んで配置される第1バスバ、第2バスバ、及び第3バスバを含んでおり、
前記延在部は、前記ステータから前記端子台に向けて伝達される振動を低減可能に構成されている、
回転電機用の端末モジュール。
【請求項2】
電気絶縁性の樹脂により形成されて前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバの各々の前記延在部を一体的に覆う連結部材を備えている、
請求項1に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項3】
前記連結部材は、前記延在部の各々が前記第1方向において貫通する複数の孔を有しており、
前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバのうち少なくとも1つの前記延在部と、前記連結部材とは、前記連結部材が当該延在部に対して前記第1方向に相対移動することを凹凸の関係により規制する規制部を有している、
請求項2に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項4】
前記規制部は、前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバのうち少なくとも1つの前記延在部から前記孔の内周面に向けて突出する凸部と、前記内周面に形成された凹部と、を含んでいる、
請求項3に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項5】
前記凸部は、前記延在部のうち前記第1方向における中央部よりも前記第1端部に近い位置に設けられている、
請求項4に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項6】
前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバの各々の前記中間部は、前記第2方向に延びる長尺状の本体部と、前記本体部から屈曲して前記第1方向において前記延在部とは反対側に延びるとともに前記第2端部に連結される脚部と、を有している、
請求項1に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項7】
前記保持部材は、前記第1バスバ、第2バスバを覆うとともに前記第1バスバと前記第2バスバとの間に介在する第1保持部と、前記第1保持部及び前記第3バスバを覆う第2保持部と、を有している、
請求項6に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項8】
前記回転電機の径方向を、第3方向とするとき、
前記第3バスバは、前記第3バスバの前記延在部と前記中間部との間に屈曲部を有しており、
前記屈曲部は、前記延在部から屈曲して前記第3方向の内側に延びる部分を有している、
請求項7に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項9】
前記第1保持部は、前記第3バスバの一部分が嵌合する溝部を有しており、
前記溝部は、前記一部分が当接する底面と、前記第2方向において前記底面の両側から立ち上がる一対の側面と、を備え、
前記一対の側面は、前記一部分を前記第2方向に挟んでいる、
請求項7または請求項8に記載の回転電機用の端末モジュール。
【請求項10】
前記複数のバスバは、前記コイルの中性線と電気的に接続される第4バスバを含んでおり、
前記第1保持部は、前記第3バスバの前記第1方向の一端面が当接される第1当接面と、前記第1方向において前記第1当接面とは反対側に位置するとともに、前記第4バスバが当接される第2当接面と、を有するベース部を備えており、
前記第2保持部は、前記第4バスバを覆っている、
請求項7に記載の回転電機用の端末モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電機用の端末モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動機と、電動機に電力を供給する電源回路との間を電気的に接続するバスバが開示されている。このバスバは、電源回路の端子台に取り付けられる一端側の端子部と、電動機のステータ端子に取り付けられる他端側の端子部と、両端子部に接合されて端子部同士の間を電気的に接続する本体部とを有している。
【0003】
本体部は、可撓性を有する導体により構成されている。
こうしたバスバによれば、電動機から伝達される振動が可撓性を有する本体部によって吸収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、こうしたバスバを備える回転電機用の端末モジュールにおいては、バスバの本体部と端子部とが別体にて設けられているため、部品点数が増加するとともに、本体部と端子部とを接合する手間を要する。
【0006】
本開示の目的は、簡単な構成により回転電機から伝達される振動を低減できる回転電機用の端末モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の回転電機用の端末モジュールは、回転電機を構成するステータと、端子台との間を電気的に接続する回転電機用の端末モジュールであって、金属板材により一体形成された複数のバスバと、電気絶縁性の樹脂により形成されて前記複数のバスバを覆うとともに前記複数のバスバ同士の間に介在する保持部材と、を備え、前記回転電機の軸線方向及び周方向を、それぞれ第1方向及び第2方向とするとき、前記複数のバスバは、前記端子台と電気的に接続される第1端部と、前記ステータのコイルと電気的に接続される第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間に位置し、前記第1方向に延在する長尺状の延在部と、前記延在部と前記第2端部との間に位置し、前記保持部材により覆われる中間部と、を有し、前記第2方向において並んで配置される第1バスバ、第2バスバ、及び第3バスバを含んでおり、前記延在部は、前記ステータから前記端子台に向けて伝達される振動を低減可能に構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、簡単な構成により回転電機から伝達される振動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、回転電機用の端末モジュールの一実施形態について、端子台に取り付けられた端末モジュールを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の端末モジュールについて、ステータに取り付けられた状態を示す平面図である。
【
図4】
図4は、第1バスバ及び第2バスバを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、一次モールド体を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図7の一次モールド体の成形工程を示す図であって、第1成形型のキャビティ内に溶融樹脂が充填された状態を示す断面図である。
【
図10】
図10は、一次モールド体、第3バスバ、及び第4バスバを分離して示す斜視図である。
【
図11】
図11は、一次モールド体に第3バスバ及び第4バスバが取付けられた状態を示す平面図である。
【
図12】
図12は、一次モールド体に第3バスバ及び第4バスバが取付けられた状態を示す下面図である。
【
図13】
図13は、二次モールド体の成形工程を示す図であって、第2成形型のキャビティ内に溶融樹脂が充填された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の回転電機用の端末モジュールは、
[1]回転電機を構成するステータと、端子台との間を電気的に接続する回転電機用の端末モジュールであって、金属板材により一体形成された複数のバスバと、電気絶縁性の樹脂により形成されて前記複数のバスバを覆うとともに前記複数のバスバ同士の間に介在する保持部材と、を備え、前記回転電機の軸線方向及び周方向を、それぞれ第1方向及び第2方向とするとき、前記複数のバスバは、前記端子台と電気的に接続される第1端部と、前記ステータのコイルと電気的に接続される第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間に位置し、前記第1方向に延在する長尺状の延在部と、前記延在部と前記第2端部との間に位置し、前記保持部材により覆われる中間部と、を有し、前記第2方向において並んで配置される第1バスバ、第2バスバ、及び第3バスバを含んでおり、前記延在部は、前記ステータから前記端子台に向けて伝達される振動を低減可能に構成されている。
【0011】
同構成によれば、保持部材が、第1バスバ、第2バスバ、及び第3バスバを一体的に保持するとともに、各バスバ同士の間に介在する。したがって、保持部材によりバスバ同士が電気的に絶縁される。
【0012】
また、上記構成によれば、第1バスバ、第2バスバ、第3バスバが第1方向に延在する長尺状の延在部を有しているので、可撓性が高められる。その結果、延在部によって、ステータから端子台に向けて伝達される振動が吸収されやすくなる。したがって、簡単な構成により回転電機から伝達される振動を低減できる。
【0013】
[2]電気絶縁性の樹脂により形成されて前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバの各々の前記延在部を一体的に覆う連結部材を備えていることが好ましい。
各バスバでは、延在部の第1方向における長さが長くなるほど、延在部同士が相対的に位置ずれしやすい。この点、上記構成によれば、各バスバの延在部同士が連結部材によって一体的に連結される。これにより、各バスバの延在部が正規の位置から位置ずれすることを抑制できる。したがって、各バスバの第1端部と端子台とを接続する際の作業性を向上できる。
【0014】
[3]前記連結部材は、前記延在部の各々が前記第1方向において貫通する複数の孔を有しており、前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバのうち少なくとも1つの前記延在部と、前記連結部材とは、前記連結部材が当該延在部に対して前記第1方向に相対移動することを凹凸の関係により規制する規制部を有していることが好ましい。
【0015】
同構成によれば、第1方向において連結部材が各バスバの延在部に対して相対移動することが、規制部によって規制される。したがって、各バスバに対して連結部材の位置決めを容易に行うことができる。
【0016】
[4]前記規制部は、前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバのうち少なくとも1つの前記延在部から前記孔の内周面に向けて突出する凸部と、前記内周面に形成された凹部と、を含んでいることが好ましい。
【0017】
同構成によれば、第1方向において連結部材が各バスバの延在部に対して相対移動しようとすることが、延在部から突出する凸部と、連結部材の孔の内周面に形成された凹部との凹凸の関係により規制される。したがって、簡単な構成により規制部を具体化できる。
【0018】
[5]前記凸部は、前記延在部のうち前記第1方向における中央部よりも前記第1端部に近い位置に設けられていることが好ましい。
延在部においては、第1端部に近いほど正規の位置から位置ずれしやすい。この点、上記構成によれば、凸部は、延在部のうち第1方向における中央部よりも第1端部に近い位置に設けられている。そのため、上記中央部よりも第1端部に近い位置に連結部材が位置するようになる。これにより、各バスバの延在部が正規の位置から位置ずれすることを効果的に抑制できる。したがって、各バスバの第1端部と端子台とを接続する際の作業性を一層向上できる。
【0019】
[6]前記第1バスバ、前記第2バスバ、及び前記第3バスバの各々の前記中間部は、前記第2方向に延びる長尺状の本体部と、前記本体部から屈曲して前記第1方向において前記延在部とは反対側に延びるとともに前記第2端部に連結される脚部と、を有していることが好ましい。
【0020】
従来の端末モジュールにおいては、第2端部に連なる脚部が第3方向、すなわち回転電機の径方向に延びているため、回転電機を第3方向において小型化することが難しい。
この点、上記構成によれば、中間部の脚部は、本体部から屈曲して第1方向において第1端部とは反対側に延びている。そのため、脚部が本体部から第3方向に延びる従来のバスバに比べて、中間部の第3方向における長さを小さくできる。したがって、第3方向において端末モジュールの体格を小さくできる。
【0021】
[7]前記保持部材は、前記第1バスバ、第2バスバを覆うとともに前記第1バスバと前記第2バスバとの間に介在する第1保持部と、前記第1保持部及び前記第3バスバを覆う第2保持部と、を有していることが好ましい。
【0022】
保持部材が第1バスバ、第2バスバ、及び第3バスバを一体的に保持する場合、バスバ同士の間の隙間の断面積が小さいと、保持部材を成形する成形型と各バスバとによって形成されるキャビティ内において当該隙間を溶融樹脂が流れにくくなる。これにより、キャビティのうちバスバを挟んで上記隙間とは反対側の流路の断面積が当該隙間の断面積に比べて大きい場合には、当該隙間を流れる溶融樹脂の流動圧力と、当該流路を流れる溶融樹脂の流動圧力とに差が生じる。そのため、こうした圧力差によって、バスバが正規の位置からずれやすいといった問題がある。
【0023】
この点、上記構成によれば、まず第1バスバ及び第2バスバを第1成形型にインサートした状態で、第1成形型のキャビティ内に溶融樹脂を充填することにより、第1バスバ、第2バスバ、及び第1保持部から構成される一次モールド体が形成される。次に、一次モールド体及び第3バスバを第2成形型にインサートした状態で、第2成形型のキャビティ内に溶融樹脂を充填することにより、一次モールド体、第3バスバ、及び第2保持部から構成される二次モールド体が形成される。
【0024】
そのため、第1バスバ、第2バスバ、及び第3バスバを成形型にインサートした状態で、成形型のキャビティ内に溶融樹脂を充填する場合に比べて、第1バスバ及び第2バスバの間の間隔を大きくできる。これにより、溶融樹脂の流動圧力に差が生じることが抑制される。したがって、第1バスバ及び第2バスバの位置ずれを抑制できる。
【0025】
[8]前記回転電機の径方向を、第3方向とするとき、前記第3バスバは、前記第3バスバの前記延在部と前記中間部との間に屈曲部を有しており、前記屈曲部は、前記延在部から屈曲して前記第3方向の内側に延びる部分を有していることが好ましい。
【0026】
同構成によれば、屈曲部の第3方向における長さを変更するだけで、延在部の第1方向における高さ、すなわち、第1方向における第1端部の位置、及び延在部の第3方向における位置が調整される。これにより、一次モールド体を形成した後に第3バスバの延在部の寸法を調整できる。したがって、第1バスバ、第2バスバ、及び第3バスバを成形型にインサートした状態で、成形型のキャビティ内に溶融樹脂を充填する場合に比べて、第3バスバが位置ずれしにくい。したがって、第3バスバの位置ずれを抑制できる。
【0027】
[9]前記第1保持部は、前記第3バスバの一部分が嵌合する溝部を有しており、前記溝部は、前記一部分が当接する底面と、前記第2方向において前記底面の両側から立ち上がる一対の側面と、を備え、前記一対の側面は、前記一部分を前記第2方向に挟んでいることが好ましい。
【0028】
同構成によれば、二次モールド体を形成する際に、溶融樹脂の流動圧力により第2方向において第3バスバが一次モールド体に対して相対移動することが、溝部の一対の側面と、同溝部に嵌合した第3バスバの一部分とが干渉することにより規制される。したがって、第3バスバの位置ずれを一層抑制できる。
【0029】
[10]前記複数のバスバは、前記コイルの中性線と電気的に接続される第4バスバを含んでおり、前記第1保持部は、前記第3バスバの前記第1方向の一端面が当接される第1当接面と、前記第1方向において前記第1当接面とは反対側に位置するとともに、前記第4バスバが当接される第2当接面と、を有するベース部を備えており、前記第2保持部は、前記第4バスバを覆っていることが好ましい。
【0030】
同構成によれば、一次モールド体、第3バスバ、及び第4バスバを第2成形型にインサートした状態で、第2成形型のキャビティ内に溶融樹脂を充填することにより、一次モールド体、第3バスバ、第4バスバ、及び第2保持部から構成される二次モールド体が形成される。このとき、第4バスバは第1保持部に当接しているため、第4バスバと第1保持部との間には隙間がない。このため、第4バスバと第1保持部との間に隙間がある状態で溶融樹脂を充填する場合に比べて、第4バスバの位置ずれを抑制できる。
【0031】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の回転電機用の端末モジュールの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本明細書における「直交」は厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。
【0032】
<端末モジュール100の全体構成>
図1及び
図2に示すように、端末モジュール100は、例えばハイブリッド車両や電動車両におけるモータジェネレータ(電動発電機)等の回転電機90と、端子台80とを電気的に接続するものである。
【0033】
回転電機90は、例えば、複数相(本実施形態では、U相、V相、及びW相からなる3相)の交流で駆動されるものである。
回転電機90は、複数のスロット(図示略)が形成されたステータコア92及び同スロットに挿入されたコイル93を備える筒状のステータ91と、ステータ91の径方向内側に配置されるロータ(図示略)とから構成されている。コイル93は、3相(U相、V相、及びW相)のそれぞれに対応する3つの相コイルから構成されている。
【0034】
端子台80は、第1端子81、第2端子82、及び第3端子83と、端子81,82,83を収容するハウジング84とを有している。
各端子81,82,83の延在方向の一端81a,82a,83aは、端末モジュール100と電気的に接続されている。各端子81,82,83の延在方向の他端は、例えばバッテリからの直流電流を交流電流(本実施形態では、3相交流の電流)に変換するインバータ(いずれも図示略)に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、第1端子81がU相に対応する端子であり、第2端子82がV相に対応する端子であり、第3端子83がW相に対応する端子である。
【0035】
端末モジュール100は、ステータ91の軸線方向の一端部に配置されている。
端末モジュール100は、コイル93に電気的に接続される第1バスバ10、第2バスバ20、第3バスバ30、及び第4バスバ40と、各バスバ10,20,30,40を覆う保持部材50とを備えている。
【0036】
また、端末モジュール100は、各バスバ10,20,30を一体的に覆う連結部材70を有している。
以下、端末モジュール100の各構成について詳細に説明する。
【0037】
なお、以降では、回転電機90の軸線方向、周方向、及び径方向を、それぞれ第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zとして説明する。また、第1方向Xにおいて、ステータ91に対して端末モジュール100が配置される側を第1方向一側X1とし、その反対側を第1方向他側X2として説明する。また、第3方向Zにおいて、回転電機90の中心軸線側を第3方向内側Z1とし、その反対側を第3方向外側Z2として説明する。
【0038】
<第1バスバ10、第2バスバ20>
図4に示すように、第1バスバ10及び第2バスバ20は、それぞれ導電性の金属板材により一体形成されている。
【0039】
第1バスバ10及び第2バスバ20は、第2方向Yにおいて互いに間隔をあけて並んでいる。
なお、以降では、第2方向Yにおいて第1バスバ10に対して第2バスバ20側を第2方向一側Y1とし、その反対側を第2方向他側Y2として説明する。
【0040】
第1バスバ10は、端子台80の第1端子81に電気的に接続される第1端部11と、ステータ91のコイル93に電気的に接続される第2端部12とを有している。
また、第1バスバ10は、第1端部11と第2端部12との間に位置する延在部13と、延在部13と第2端部12との間に位置する中間部14とを有している。
【0041】
第1端部11及び延在部13は、全体として第1方向Xと、第1方向X及び第3方向Zの双方に直交する方向とに延びる平板状である。
図1及び
図4に示すように、第1端部11には、第3方向Zに貫通するとともにボルト(図示略)が挿通される締結孔11a(
図4参照)と、ナット11b(
図1参照)とが設けられている。ナット11bは、第1端部11の第3方向内側Z1の端面に固定されている。
【0042】
第1端部11と、端子台80の第1端子81(
図1参照)とは、一端81aに形成された締結孔(図示略)と、締結孔11aとにボルト(図示略)を挿通するとともに、同ボルトをナット11bに螺入することによって互いに固定されている。
【0043】
図4に示すように、延在部13は、第1端部11から連続して第1方向Xに延びる長尺状である。
延在部13は、凸部13aを有している。凸部13aは、延在部13の第2方向一側Y1の端面から突出している。凸部13aは、第1方向Xにおいて延在部13の中央部よりも第1端部11に近い位置に設けられている。
【0044】
中間部14は、延在部13から屈曲して第2方向Yに延びる中間部本体14aと、中間部本体14aから屈曲して第1方向Xに延びるとともに第2端部12に連結される脚部14bとを有している。
【0045】
中間部本体14aは、第2方向Y及び第3方向Zの双方に延びる平板状である。
脚部14bは、中間部本体14aの第3方向内側Z1の端面に連結されている。脚部14bは、中間部本体14aから第1方向Xにおいて延在部13とは反対側、すなわち第1方向他側X2に延びている。
【0046】
第2端部12は、脚部14bの第1方向他側X2の端部から屈曲して全体として第3方向内側Z1に向かって突出している。
第2端部12は、第3方向Zにおいて脚部14b側に位置する平板状の平板部12aと、先端側に位置する棒状の突起部12bとを有している。
【0047】
平板部12aには、第1方向Xに貫通する貫通孔15が設けられている。
突起部12bは、第3方向Zに延びる長尺状である。突起部12bは、平板部12aの第3方向内側Z1の端面から突出している。なお、本実施形態では、突起部12bが、コイル93のうちU相に対応するコイルの動力線(図示略)に接続される部分である。
【0048】
図4に示すように、第2バスバ20は、端子台80の第3端子83に電気的に接続される第1端部21と、ステータ91のコイル93に電気的に接続される第2端部22とを有している。
【0049】
また、第2バスバ20は、第1端部21と第2端部22との間に位置する延在部23と、延在部23と第2端部22との間に位置する中間部24とを有している。
第1端部21及び延在部23は、全体として第1方向Xと、第1方向X及び第3方向Zの双方に直交する方向とに延びる平板状である。
【0050】
図1及び
図4に示すように、第1端部21には、第3方向Zに貫通するとともにボルト(図示略)が挿通される締結孔21a(
図4参照)と、ナット21b(
図1参照)とが設けられている。ナット21bは、第1端部21の第3方向内側Z1の端面に固定されている。
【0051】
第1端部21と、端子台80の第3端子83(
図1参照)とは、一端83aに形成された締結孔(図示略)と、締結孔21aとにボルト(図示略)を挿通するとともに、同ボルトをナット21bに螺入することによって互いに固定されている。
【0052】
図4に示すように、延在部23は、第1端部21から連続して第1方向Xに延びる長尺状である。
延在部23は、凸部23aを有している。凸部23aは、延在部23の第2方向一側Y1の端面から突出している。凸部23aは、第1方向Xにおいて延在部23の中央部よりも第1端部21に近い位置に設けられている。
【0053】
中間部24は、延在部23から屈曲して第2方向Yに延びる中間部本体24aと、中間部本体24aから屈曲して第1方向Xに延びるとともに第2端部22に連結される脚部24bとを有している。
【0054】
中間部本体24aは、第2方向Y及び第3方向Zの双方に延びる平板状である。
脚部24bは、中間部本体24aの第3方向内側Z1の端面に連結されている。脚部24bは、中間部本体24aから第1方向Xにおいて延在部23とは反対側、すなわち第1方向他側X2に延びている。
【0055】
第2端部22は、脚部24bの第1方向他側X2の端部から屈曲して全体として第3方向内側Z1に向かって突出している。
第2端部22は、第3方向Zにおいて脚部24b側に位置する平板状の平板部22aと、先端側に位置する棒状の突起部22bとを有している。
【0056】
平板部22aには、第1方向Xに貫通する貫通孔25が設けられている。
突起部22bは、第3方向Zに延びる長尺状である。突起部22bは、平板部22aの第3方向内側Z1の端面から突出している。なお、本実施形態では、突起部22bが、コイル93のうちW相に対応するコイルの動力線(図示略)に接続される部分である。
【0057】
<第3バスバ30>
図5に示すように、第3バスバ30は、導電性の金属板材により一体形成されている。
第3バスバ30は、端子台80の第2端子82に電気的に接続される第1端部31と、ステータ91のコイル93に電気的に接続される第2端部32とを有している。
【0058】
また、第3バスバ30は、第1端部31と第2端部32との間に位置する延在部33と、延在部33と第2端部32との間に位置する中間部34と、延在部33と中間部34との間に位置する屈曲部35とを有している。
【0059】
第1端部31及び延在部33は、全体として第1方向Xと、第1方向X及び第3方向Zの双方に直交する方向とに延びる平板状である。
図1及び
図5に示すように、第1端部31には、第3方向Zに貫通するとともにボルト(図示略)が挿通される締結孔31a(
図5参照)と、ナット31b(
図1参照)とが設けられている。ナット31bは、第1端部31の第3方向内側Z1の端面に固定されている。
【0060】
第1端部31と、端子台80の第2端子82(
図1参照)とは、一端82aに形成された締結孔(図示略)と、締結孔31aとにボルト(図示略)を挿通するとともに、同ボルトをナット31bに螺入することによって互いに固定されている。
【0061】
図5に示すように、延在部33は、第1端部31から連続して第1方向Xに延びる長尺状である。
延在部33は、凸部33aを有している。凸部33aは、延在部33の第2方向一側Y1の端面から突出している。凸部33aは、第1方向Xにおいて延在部33の中央部よりも第1端部31に近い位置に設けられている。
【0062】
屈曲部35は、延在部33から屈曲して第3方向Zに延びる第1部分35aと、第1部分35aから屈曲して第1方向Xに延びるとともに中間部34に連結される第2部分35bとを有している。
【0063】
第1部分35aは、延在部33から屈曲して第3方向内側Z1に延びている。
第2部分35bは、第1部分35aの先端から屈曲して第1方向他側X2に延びている。
【0064】
中間部34は、第2方向Yに延びる長尺状の中間部本体34aと、中間部本体34aから屈曲して第1方向Xに延びるとともに第2端部32に連結される脚部34bとを有している。
【0065】
中間部本体34aは、全体として第1方向X及び第2方向Yの双方に延びる平板状である。中間部本体34aの第1方向一側X1の端面のうち第2方向Yの中央部に屈曲部35の第2部分35bが連結されている。
【0066】
脚部34bは、中間部本体34aの第2方向一側Y1の端部から屈曲するとともに、第1方向Xにおいて延在部33とは反対側、すなわち第1方向他側X2に延びている。
第2端部32は、脚部34bの第1方向他側X2の端部から屈曲して全体として第3方向内側Z1に向かって突出している。
【0067】
第2端部32は、第3方向Zにおいて脚部34b側に位置する平板状の平板部32aと、先端側に位置する棒状の突起部32bとを有している。
平板部32aには、第1方向Xに貫通する貫通孔36が設けられている。
【0068】
突起部32bは、第3方向Zに延びる長尺状である。突起部32bは、平板部32aの第3方向内側Z1の端面から突出している。なお、本実施形態では、突起部32bが、コイル93のうちV相に対応するコイルの動力線(図示略)に接続される部分である。
【0069】
<第4バスバ40>
図6に示すように、第4バスバ40は、導電性の金属板材により一体形成されている。
第4バスバ40は、コイル93の中性点を形成するものであり、コイル93の中性線(図示略)に接続される第3端部43A,43B,43Cと、各第3端部43A,43B,43Cが連結される中間部40Aを有している。
【0070】
中間部40Aは、全体として第2方向Yに延びている。
中間部40Aは、第3端部43Aと第3端部43Bとの間に位置する第1中間部41と、第3端部43Bと第3端部43Cとの間に位置する第2中間部42とを有している。
【0071】
第1中間部41は、第2方向Y及び第3方向Zの双方に延びる平板状である。
第2中間部42は、第1中間部41の第2方向一側Y1の端部から第1方向一側X1に立ち上がるとともに第2方向一側Y1に向かって延びている。
【0072】
第3端部43A,43B,43Cは、第2方向他側Y2から第2方向一側Y1に向けて順に並んでいる。第3端部43A,43B,43Cは、第2方向Yにおいて互いに等間隔に並んでいる。
【0073】
第3端部43A,43Bは、第1中間部41の第3方向内側Z1の端面から全体として第3方向内側Z1に向かって突出している。
第3端部43A,43Bは、第3方向Zにおいて第1中間部41側に位置する平板状の平板部43aと、先端側に位置する棒状の突起部43bとを有している。
【0074】
平板部43aには、第1方向Xに貫通する貫通孔44が設けられている。
突起部43bは、第3方向Zに延びる長尺状である。突起部43bは、平板部43aの第3方向内側Z1の端面から突出している。
【0075】
第3端部43Cは、第2中間部42の第1方向他側X2の端面から屈曲するとともに、全体として第3方向内側Z1に向かって突出している。
第3端部43Cは、第3方向Zにおいて第2中間部42側に位置する傾斜部43cと、先端側に位置する棒状の突起部43dとを有している。
【0076】
傾斜部43cは、第3方向Zにおいて第2中間部42から離れるほど、第2方向一側Y1に向かうように傾斜している。
突起部43dは、第3方向Zに延びる長尺状である。突起部43dは、傾斜部43cの第3方向内側Z1の端面から突出している。
【0077】
なお、本実施形態では、突起部43b,43dが、コイル93の中性線(図示略)に接続される部分である。
<保持部材50の基本構成>
図1から
図8に示すように、保持部材50は、電気絶縁性を有する樹脂材料により形成されており、バスバ10,20,30,40を覆っている。
【0078】
保持部材50は、第1バスバ10及び第2バスバ20を覆うとともに両バスバ10,20との間に介在する第1保持部51と、第1保持部51、第3バスバ30、及び第4バスバ40を覆う第2保持部57とを有している。
【0079】
また、保持部材50は、第1方向Xにおいて貫通孔15,25,36,44と連通する複数の連通孔60を有している。連通孔60は、第1保持部51に形成された第1孔61a,61bと、第2保持部57に形成された第2孔62とを有している。
【0080】
以下、保持部材50の各構成について詳細に説明する。
<第1保持部51>
図4、
図7及び
図8に示すように、第1保持部51は、ベース部51Aと、延在部13,23を覆う第1囲繞部52と、第2端部12,22を覆う第2囲繞部53とを有している。
【0081】
ベース部51Aは、第2方向Yに延びるとともに、第1バスバ10及び第2バスバ20の中間部14,24の全体を一括して覆っている。
図11に示すように、ベース部51Aは、第3バスバ30における中間部34の第1方向他側X2の端面が当接される第1当接面C1を有している。第1当接面C1は、中間部34に沿って延在している。第1当接面C1は、ベース部51Aの第1方向一側X1(
図11の紙面直交方向における手前側)の端面51aに設けられている。
【0082】
図8及び
図12に示すように、第1方向Xにおいて、ベース部51Aの端面51aとは反対側の端面51bには、第4バスバ40の中間部40Aが嵌合する嵌合凹部54Aが形成されている。嵌合凹部54Aの底面は、中間部40Aの第1方向一側X1の端面が当接される第2当接面C2を構成している。
【0083】
図4及び
図7に示すように、第1囲繞部52は、ベース部51Aの端面51aから第1方向一側X1に突出するとともに、延在部13,23を部分的に覆っている。
図7、
図10及び
図11に示すように、第1囲繞部52は、第1方向一側X1の端面に第3バスバ30の屈曲部35が嵌合する第1溝部55を有している。第1溝部55は、第1囲繞部52の第2方向Yの中央部に位置している。
【0084】
第1溝部55は、第3バスバ30の屈曲部35の第1部分35aが当接する底面55aと、第2方向Yにおいて底面55aの両側から第1方向一側X1に立ち上がる一対の側面55bとを有している。
【0085】
図11に示すように、一対の側面55bは、第2方向Yにおいて屈曲部35の第1部分35aを挟んでいる。一対の側面55b同士の間の距離は、第1部分35aの幅よりも僅かに大きい。
【0086】
図4、
図7及び
図8に示すように、第2囲繞部53は、ベース部51Aから第3方向内側Z1に突出するとともに、第2端部12,22の平板部12a,22aを覆っている。
図8及び
図12に示すように、第2囲繞部53の第1方向他側X2の端面53bには、嵌合凹部54Aに連なるとともに第4バスバ40の第3端部43A,43Bが嵌合する嵌合凹部54Bが形成されている。嵌合凹部54Bの底面は、第3端部43A,43Bの第1方向一側X1の端面が当接される第3当接面C3を構成している。
【0087】
図4、
図7及び
図8に示すように、第2囲繞部53には、第1孔61a,61bが2つずつ設けられている。第1孔61a,61bは、第2方向他側Y2から第2方向一側Y1に向かって交互に設けられている。各第1孔61aは、第1方向Xにおいて第1バスバ10の貫通孔15と、第2バスバ20の貫通孔25とに連通している。
【0088】
図7及び
図8に示すように、第1保持部51の第3方向内側Z1の端面には、第3バスバ30の中間部34及び第2端部32の一部が嵌合する第2溝部56が設けられている。第2溝部56は、第1方向Xにおいてベース部51Aから第2囲繞部53に連なって延びている。第2溝部56は、第3バスバ30の中間部34の脚部34bが当接する底面56aと、第2方向Yにおいて底面56aの両側から第3方向内側Z1に立ち上がる一対の側面56bとを有している。
【0089】
図11及び
図12に示すように、一対の側面56bは、第2方向Yにおいて中間部34の脚部34b及び第2端部32の平板部32aを挟んでいる。一対の側面56b同士の間の距離は、脚部34b及び平板部32aの幅よりも僅かに大きくされている。
【0090】
<第2保持部57の構成>
図1及び
図3に示すように、第2保持部57は、第2方向Yに延びるベース部58と、第3バスバ30の一部を覆う第3囲繞部59とを有している。
【0091】
図1から
図8に示すように、ベース部58は、第3バスバ30の第2端部32の平板部32aを覆っている。また、ベース部58は、第1保持部51の第1方向他側X2の端面を覆うとともに、第4バスバ40の中間部40Aと、第3端部43A,43B,43Cの一部とを覆っている。詳しくは、ベース部58は、第3端部43A,43Bの平板部43aと、第3端部43Cの傾斜部43cを覆っている。
【0092】
図3に示すように、ベース部58には、第2孔62が5つ形成されている。
図1及び
図3から
図8に示すように、各第2孔62は、第1バスバ10の貫通孔15、第2バスバ20の貫通孔25、第3バスバ30の貫通孔36、及び第4バスバ40の2つの貫通孔44と第1方向Xにおいて連通している。貫通孔15,25に連通する第2孔62は、第1孔61aとも第1方向Xにおいて連通している。
【0093】
図1及び
図5に示すように、第3囲繞部59は、ベース部58から第1方向一側X1に突出している。第3囲繞部59は、第3バスバ30の屈曲部35の第2部分35bの一部と、中間部34を覆っている。また、第3囲繞部59とベース部58とによって、第1保持部51の第2溝部56が埋められている(
図1参照)。
【0094】
<連結部材70>
図1、
図2及び
図14に示すように、連結部材70は、電気絶縁性を有する樹脂材料により形成されており、バスバ10,20,30の各々の延在部13,23,33を一体的に覆っている。
【0095】
連結部材70は、第1バスバ10を覆う第1部分71、第3バスバ30を覆う第2部分72、及び第2バスバ20を覆う第3部分73を有している。
第2部分72は、第3方向Zにおいて第1部分71及び第3部分73の間に位置している。
【0096】
第1部分71、第2部分72、及び第3部分73は、第2方向Yに並ぶとともに、第2方向Yにおいて隣り合うもの同士が互いに連結されている。
第1部分71、第2部分72、及び第3部分73は、第1方向Xにおいて延在部13,33,23の各々が貫通する孔71a,72a,73aを有している。
【0097】
図14に示すように、孔71aの内周面71bには、同内周面71bに向けて突出する凸部13aと対応する位置に凹部71cが形成されている。同様に、孔72a,73aの内周面(図示略)には、同内周面に向けて突出する凸部33a,23aと対応する位置に凹部(図示略)が形成されている。なお、第2部分72及び第3部分73の凹部は、第1部分71の凹部71cと同様の構成を備えている。そのため、以降では、第1部分71の凹部71cについてのみ説明し、第2部分72及び第3部分73の凹部についての説明を省略している。
【0098】
凹部71cには、凸部13aが嵌合している。凹部71c及び凸部13aは、互いに係合することで第1部分71、すなわち連結部材70が延在部13に対して第1方向Xに相対移動することを規制するように構成されている。
【0099】
なお、凸部13aと凹部71cが、[本開示の実施形態の説明]に記載の規制部に相当する。
<端末モジュール100の製造方法>
次に、
図9から
図13を参照して、端末モジュール100の製造方法について説明する。なお、
図9は、
図8の9X-9X線に沿った断面図に対応する図であり、
図13は、
図11の13X-13X線に沿った断面図に対応する図である。
【0100】
まず、
図9に示すように、第2バスバ20の貫通孔25に位置決め用のピン114を挿通させる。また、図示は省略するが、第1バスバ10の貫通孔15に位置決め用のピン114を挿通させる。この状態で、第1成形型110の上型111及び下型112を型締めする。これにより、第1成形型110にインサートされた第1バスバ10及び第2バスバ20がキャビティ113に対して位置決めされる。
【0101】
続いて、第1成形型110のキャビティ113内に溶融樹脂R1を充填する。これにより、第1バスバ10、第2バスバ20、及び第1保持部51から構成される一次モールド体101が形成される。このとき、第1保持部51には、貫通孔15,25の各々に連通する第1孔61aが形成される。また、第1保持部51には、図示しないピンにより第1孔61bが形成される。
【0102】
次に、
図10に示すように、第3バスバ30及び第4バスバ40を一次モールド体101に取り付ける。
図10及び
図11に示すように、屈曲部35の第1部分35aを第1溝部55に嵌合させるとともに、中間部34の脚部34b及び第2端部32の平板部32aを第2溝部56に嵌合させる。これにより、第3バスバ30が一次モールド体101に対して位置決めされる。
【0103】
このとき、第3バスバ30の中間部本体34aの第1方向他側X2の端面は、ベース部51Aの端面51a(第1当接面C1)に当接している(
図13参照)。また、屈曲部35の第1部分35aは、第1溝部55の底面55aに当接している(
図1参照)。また、脚部34bの第3方向外側Z2の端面は、底面56aに当接している。
【0104】
ここで、屈曲部35の第3方向Zにおける長さを調整してもよい。具体的には、屈曲部35の第1部分35aの第3方向Zにおける長さを変更する。これにより、延在部33の第1方向Xにおける高さ、すなわち、第1方向Xにおける第1端部31の位置、及び延在部33の第3方向Zにおける位置が調整される。
【0105】
なお、第1方向Xにおける第1端部31の位置は、第1方向Xにおける第1端部11,21の位置と同一に調整される(
図1参照)。また、延在部33の第3方向Zにおける位置は、第3方向Zにおいて第1バスバ10の延在部13と、第2バスバ20の延在部23との間に位置するように調整される(
図11参照)。これにより、延在部13,23,33、ひいては第1端部11,21,31が、第2方向Yに並ぶようになる。
【0106】
図10及び
図12に示すように、第4バスバ40を第1保持部51の嵌合凹部54A,54Bに取り付ける。これにより、第4バスバ40が一次モールド体101に対して正規の取り付け位置に位置決めされる。このとき、ベース部51Aの第2当接面C2及び第2囲繞部53の第3当接面C3に対して第4バスバ40の第1方向一側X1の端面が当接した状態となる。
【0107】
なお、
図13に示すように、第3バスバ30と第4バスバ40が、一次モールド体101に取り付けられた状態において、第3バスバ30、第2バスバ20、及び第4バスバ40は、第1方向Xにおいて互いに間隔をあけて配置されている。また、同様に、第3バスバ30、第1バスバ10(図示略)、及び第4バスバ40は、第1方向Xにおいて互いに間隔をあけて配置されている。
【0108】
次に、第2バスバ20の貫通孔25に位置決め用のピン124を挿通させる。また、図示は省略するが、第3バスバ30及び第4バスバ40の貫通孔36,44に位置決め用のピン124を挿通させる。この状態で、
図13に示すように、第2成形型120の上型121及び下型122を型締めする。これにより、第2成形型120にインサートされた一次モールド体101、第3バスバ30、及び第4バスバ40がキャビティ123に対して位置決めされる。
【0109】
続いて、第2成形型120のキャビティ123内に溶融樹脂R2を充填する。これにより、一次モールド体101、第3バスバ30、第4バスバ40、及び第2保持部57から構成される二次モールド体102が形成される。このとき、
図13に示すように、第2保持部57には、貫通孔15及び貫通孔25に連通する第1孔61a、貫通孔36、及び2つの貫通孔44に連通する第1孔61bの各々に連通する第2孔62が形成される。
【0110】
なお、このとき、第2端部12、第3端部43A、第2端部22、第3端部43B、第2端部32、及び第3端部43Cは、第2方向他側Y2から第2方向一側Y1に向かって順に配置されるとともに、第2方向Yにおいて互いに等間隔に並んでいる(
図1から
図3参照)。
【0111】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)第1バスバ10は、第1端部11と第2端部12との間に位置し、第1方向Xに延在する長尺状の延在部13を有している。第2バスバ20は、第1端部21と第2端部22との間に位置し、第1方向Xに延在する長尺状の延在部23を有している。第3バスバ30は、第1端部31と第2端部32との間に位置し、第1方向Xに延在する長尺状の延在部33を有している。延在部13,23,33は、ステータ91から端子台80に向けて伝達される振動を低減可能に構成されている。
【0112】
同構成によれば、保持部材50が、第1バスバ10、第2バスバ20、及び第3バスバ30を一体的に保持するとともに、各バスバ10,20,30同士の間に介在する。したがって、保持部材50によりバスバ10,20,30同士が電気的に絶縁される。
【0113】
また、上記構成によれば、第1バスバ10、第2バスバ20、第3バスバ30が第1方向Xに延在する長尺状の延在部13,23,33を有しているので、可撓性が高められる。その結果、延在部13,23,33によって、ステータ91から端子台80に向けて伝達される振動が吸収されやすくなる。したがって、簡単な構成により回転電機90から伝達される振動を低減できる。
【0114】
(2)電気絶縁性の樹脂により形成されて第1バスバ10、第2バスバ20、及び第3バスバ30の各々の延在部13,23,33を一体的に覆う連結部材70を備えている。
各バスバ10,20,30では、延在部13,23,33の第1方向Xにおける長さが長くなるほど、延在部13,23,33同士が相対的に位置ずれしやすい。この点、上記構成によれば、各バスバ10,20,30の延在部13,23,33同士が連結部材70によって一体的に連結される。これにより、各バスバ10,20,30の延在部13,23,33が正規の位置から位置ずれすることを抑制できる。したがって、各バスバ10,20,30の第1端部11,21,31と端子台80とを接続する際の作業性を向上できる。
【0115】
(3)連結部材70は、延在部13,23,33が第1方向Xにおいて貫通する複数の孔71a,72a,73aを有している。第1バスバ10の延在部13は、規制部としての凸部13aを有している。連結部材70は、規制部としての凹部71cを有している。
【0116】
同構成によれば、第1方向Xにおいて連結部材70が各バスバ10,20,30の延在部13,23,33に対して相対移動することが、規制部によって規制される。したがって、各バスバ10,20,30に対して連結部材70の位置決めを容易に行うことができる。
【0117】
(4)規制部は、第1バスバ10の延在部13から孔71aの内周面71bに向けて突出する凸部13aと、内周面71bに形成された凹部71cとを有している。
同構成によれば、第1方向Xにおいて連結部材70が各バスバ10,20,30の延在部13,23,33に対して相対移動しようとすることが、延在部13から突出する凸部13aと、連結部材70の孔71aの内周面71bに形成された凹部71cとの凹凸の関係により規制される。したがって、簡単な構成により規制部を具体化できる。
【0118】
(5)凸部13a(23a,33a)は、延在部13(23,33)のうち第1方向Xにおける中央部よりも第1端部11(21,31)に近い位置に設けられている。
延在部13,23,33においては、第1端部11,21,31に近いほど正規の位置から位置ずれしやすい。この点、上記構成によれば、凸部13aは、延在部13のうち第1方向Xにおける中央部よりも第1端部11に近い位置に設けられている。そのため、上記中央部よりも第1端部11に近い位置に連結部材70が位置するようになる。これにより、各バスバ10,20,30の延在部13,23,33が正規の位置から位置ずれすることを効果的に抑制できる。したがって、各バスバの第1端部11,21,31と端子台80とを接続する際の作業性を一層向上できる。
【0119】
(6)第1バスバ10、第2バスバ20、及び第3バスバ30の各々の中間部14,24,34は、第2方向Yに延びる長尺状の中間部本体14a,24a,34aと、中間部本体14a,24a,34aから屈曲して第1方向Xにおいて延在部13,23,33とは反対側に延びるとともに第2端部12,22,32に連結される脚部14b,24b,34bとを有している。
【0120】
従来の端末モジュールにおいては、第2端部12,22,32に連なる脚部が第3方向Zに延びているため、回転電機90を第3方向Zにおいて小型化することが難しい。
この点、上記構成によれば、中間部14,24,34の脚部14b,24b,34bは、中間部本体14a,24a,34aから屈曲して第1方向Xにおいて第1端部11,21,31とは反対側に延びている。そのため、脚部14b,24b,34bが中間部本体14a,24a,34aから第3方向Zに延びる従来のバスバに比べて、中間部14,24,34の第3方向Zにおける長さを小さくできる。したがって、第3方向Zにおいて端末モジュール100の体格を小さくできる。
【0121】
(7)保持部材50は、第1バスバ10、第2バスバ20を覆うとともに第1バスバ10と第2バスバ20との間に介在する第1保持部51と、第1保持部51及び第3バスバ30を覆う第2保持部57とを有している。
【0122】
保持部材50が第1バスバ10、第2バスバ20、及び第3バスバ30を一体的に保持する場合、バスバ10,20,30同士の間の隙間の断面積が小さいと、保持部材50を成形する成形型と各バスバ10,20,30とによって形成されるキャビティ内において当該隙間を溶融樹脂が流れにくくなる。これにより、キャビティのうちバスバ10,20,30を挟んで上記隙間とは反対側の流路の断面積が当該隙間の断面積に比べて大きい場合には、当該隙間を流れる溶融樹脂の流動圧力と、当該流路を流れる溶融樹脂の流動圧力とに差が生じる。そのため、こうした圧力差によって、バスバ10,20,30が正規の位置からずれやすいといった問題がある。
【0123】
この点、上記構成によれば、まず第1バスバ10及び第2バスバ20を第1成形型110にインサートした状態で、第1成形型110のキャビティ113内に溶融樹脂R1を充填することにより、第1バスバ10、第2バスバ20、及び第1保持部51から構成される一次モールド体101が形成される。次に、一次モールド体101及び第3バスバ30を第2成形型120にインサートした状態で、第2成形型120のキャビティ123内に溶融樹脂R2を充填することにより、一次モールド体101、第3バスバ30、及び第2保持部57から構成される二次モールド体102が形成される。
【0124】
そのため、第1バスバ10、第2バスバ20、及び第3バスバ30を成形型にインサートした状態で、成形型のキャビティ内に溶融樹脂を充填する場合に比べて、第1バスバ10及び第2バスバ20の間の間隔を大きくできる。これにより、溶融樹脂R1の流動圧力に差が生じることが抑制される。したがって、第1バスバ10及び第2バスバ20の位置ずれを抑制できる。
【0125】
(8)第3バスバ30は、第3バスバ30の延在部33と中間部34との間に屈曲部35を有している。屈曲部35は、延在部33から屈曲して第3方向内側Z1に延びる第1部分35aを有している。
【0126】
同構成によれば、屈曲部35の第3方向Zにおける長さを変更するだけで、延在部33の第1方向Xにおける高さ、すなわち、第1方向Xにおける第1端部31の位置、及び延在部33の第3方向Zにおける位置が調整される。これにより、一次モールド体101を形成した後に第3バスバ30の延在部33の寸法を調整できる。したがって、第1バスバ10、第2バスバ20、及び第3バスバ30を成形型にインサートした状態で、成形型のキャビティ内に溶融樹脂を充填する場合に比べて、第3バスバ30が位置ずれしにくい。したがって、第3バスバ30の位置ずれを抑制できる。
【0127】
(9)第1保持部51は、第3バスバ30の屈曲部35の第1部分35aが嵌合する第1溝部55を有している。第1溝部55は、第1部分35aが当接する底面55aと、第2方向Yにおいて底面55aの両側から立ち上がる一対の側面55bとを備えている。一対の側面55bは、第1部分35aを第2方向Yに挟んでいる。また、第1保持部51は、第3バスバ30の脚部34b及び平板部32aが嵌合する第2溝部56を有している。第2溝部56は、脚部34bが当接する底面56aと、第2方向Yにおいて底面56aの両側から立ち上がる一対の側面56bとを備えている。一対の側面56bは、脚部34b及び平板部32aを第2方向Yに挟んでいる。
【0128】
同構成によれば、二次モールド体102を形成する際に、溶融樹脂R2の流動圧力により第2方向Yにおいて第3バスバ30が一次モールド体101に対して相対移動することが、第1溝部55の一対の側面55bと、同第1溝部55に嵌合した第3バスバ30の第1部分35aとが干渉することにより規制される。同様に、第2方向Yにおいて第3バスバ30が一次モールド体101に対して相対移動することが、第2溝部56の一対の側面56bと、同第2溝部56に嵌合した第3バスバ30の脚部34b及び平板部32aとが干渉することにより規制される。したがって、第3バスバ30の位置ずれを一層抑制できる。
【0129】
(10)複数のバスバは、コイル93の中性線と電気的に接続される第4バスバ40を有している。第1保持部51は、第3バスバ30の第1方向Xの一端面が当接される第1当接面C1と、第1方向Xにおいて第1当接面C1とは反対側に位置するとともに、第4バスバ40が当接される第2当接面C2及び第3当接面C3とを有するベース部51Aを備えている。第2保持部57は、第4バスバ40を覆っている。
【0130】
同構成によれば、一次モールド体101、第3バスバ30、及び第4バスバ40を第2成形型120にインサートした状態で、第2成形型120のキャビティ123内に溶融樹脂R2を充填することにより、一次モールド体101、第3バスバ30、第4バスバ40、及び第2保持部57から構成される二次モールド体102が形成される。このとき、第4バスバ40は第1保持部51に当接しているため、第4バスバ40と第1保持部51との間には隙間がない。このため、第4バスバ40と第1保持部51との間に隙間がある状態で溶融樹脂R2を充填する場合に比べて、第4バスバ40の位置ずれを抑制できる。
【0131】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0132】
・端末モジュール100は、コイル93に電気的に接続されたバスバの温度を検出することによりコイル93の温度を検知する温度センサを有するものであってもよい。この場合、温度センサの配置は、端末モジュール100のステータ91への搭載要件によって適宜選択できる。例えば、温度センサを端末モジュール100の第2方向一側Y1の端部に設けてもよいし、第2方向他側Y2の端部に設けるようにしてもよい。
【0133】
・各バスバ10,20,30,40の形状は、本実施形態で例示したものに限定されず、本開示の作用効果を奏する範囲内で、ステータ91への搭載要件に合わせて適宜変更してもよい。例えば、第4バスバ40の第2中間部42は、第1中間部41の第2方向一側Y1の端部から立ち上がるものでなくてもよく、第2方向Y及び第3方向Zの双方に延びる平板状であってもよい。
【0134】
・第4バスバ40の数は、本実施形態で例示したように1つに限定されず、例えば2つ以上であってもよい。また、第4バスバ40を省略してもよい。この場合、第1保持部51から嵌合凹部54A,54Bを省略することができる。
【0135】
・第1保持部51は、第1孔61a,61bの他に、例えば治具や位置決め用のピンによって形成される孔を有していてもよい。また、同様に、第2保持部57は、第2孔62の他に、例えば治具や位置決め用のピンによって形成される孔を有していてもよい。
【0136】
・第2保持部57は、本実施形態で例示したように第1方向Xにおいて第1孔61a,61bと連通する第2孔62を有するものに限定されない。すなわち、第2保持部57から第1方向Xにおいて第1孔61a,61bと連通する第2孔62を省略してもよい。
【0137】
・貫通孔15,25,36,44の数及び配置は、本実施形態で例示したものに限定されず、各バスバ10,20,30,40の形状に合わせて適宜変更してもよい。
・連通孔60は、第2孔62を有するものに限定されない。すなわち、第2保持部57から第2孔62を省略してもよい。この場合、第3バスバ30から貫通孔36を省略することができる。また、この場合、二次モールド体102を形成する際には、例えば第1方向Xの両側から第3バスバ30を治具により挟むようにすればよい。
【0138】
・第1孔61a,61bを省略してもよい。この場合、第1バスバ10及び第2バスバ20から貫通孔15,25を省略することができる。また、この場合、一次モールド体101を形成する際には、例えば第1方向Xの両側から第1バスバ10及び第2バスバ20を治具により挟むようにすればよい。
【0139】
・第1保持部51から第1溝部55を省略してもよい。
・第1保持部51から第2溝部56を省略してもよい。
・第3バスバ30から屈曲部35を省略してもよい。この場合であっても、第3バスバ30は、延在部33が第3方向Zにおいて第1バスバ10の延在部13と、第2バスバ20の延在部23との間に位置するものであればよい。
【0140】
・保持部材50は、第1保持部51と第2保持部57とを有するものに限定されない。すなわち、端末モジュール100は、各バスバが保持部材50によって一括して保持されるものであってもよい。
【0141】
・バスバ10,20,30は、中間部14,24,34の脚部14b,24b,34bが、中間部本体14a,24a,34aから屈曲して第1方向Xにおいて延在部13,23,33とは反対側に延びるものでなくてもよい。例えば、脚部14b,24b,34bは、中間部本体14a,24a,34aから屈曲して第3方向内側Z1に延びるものであってもよい。
【0142】
・凸部13a,23a,33aは、延在部13,23,33のうち第1方向Xにおける中央部よりも第1端部11,21,31に近い位置に設けられるものに限定されない。例えば、凸部13a,23a,33aを上記中央部に設けるようにしてもよいし、第1方向Xにおいて上記中央部よりも中間部14,24,34に近い位置に設けるようにしてもよい。
【0143】
・凸部13a,23a,33aの数及び配置は、以下のように変更してもよい。例えば、凸部13a,23a,33aのうちいずれか1つを省略してもよいし、凸部13a,23a,33aのうちいずれか2つを省略してもよい。また、本実施形態では、凸部13a,23a,33aが延在部13,23,33の第2方向一側Y1の端面から突出するものを例示したが、例えば、第2方向他側Y2の端面から突出するように変更してもよいし、第2方向Yの両側の端面から1つずつ突出するように変更してもよい。
【0144】
・凸部13a,23a,33aは省略してもよい。この場合、連結部材70の孔71a,72a,73aから凹部を省略できる。
・連結部材70を省略してもよい。
【0145】
・複数のバスバの配置は、本実施形態で例示したものに限定されず、ステータ91への搭載要件に合わせて適宜変更することができる。この場合であっても、複数のバスバが第1方向Xにおいて互いに間隔をあけて配置されるとともに、第2方向Yにおいて並んで配置されるものであればよい。
【符号の説明】
【0146】
C1 第1当接面
C2 第2当接面
C3 第3当接面
R1,R2 溶融樹脂
X 第1方向
X1 一側
X2 他側
Y 第2方向
Y1 一側
Y2 他側
Z 第3方向
Z1 内側
Z2 外側
10 第1バスバ
11 第1端部
11a 締結孔
11b ナット
12 第2端部
12a 平板部
12b 突起部
13 延在部
13a 凸部
14 中間部
14a 中間部本体
14b 脚部
15 貫通孔
20 第2バスバ
21 第1端部
21a 締結孔
21b ナット
22 第2端部
22a 平板部
22b 突起部
23 延在部
23a 凸部
24 中間部
24a 中間部本体
24b 脚部
25 貫通孔
30 第3バスバ
31 第1端部
31a 締結孔
31b ナット
32 第2端部
32a 平板部
32b 突起部
33 延在部
33a 凸部
34 中間部
34a 中間部本体
34b 脚部
35 屈曲部
35a 第1部分
35b 第2部分
36 貫通孔
40 第4バスバ
40A 中間部
41 第1中間部
42 第2中間部
43A,43B,43C 第3端部
43a 平板部
43b 突起部
43c 傾斜部
43d 突起部
44 貫通孔
50 保持部材
51 第1保持部
51A ベース部
51a 端面
51b 端面
52 第1囲繞部
53 第2囲繞部
53b 端面
54A,54B 嵌合凹部
55 第1溝部
55a 底面
55b 側面
56 第2溝部
56a 底面
56b 側面
57 第2保持部
58 ベース部
59 第3囲繞部
60 連通孔
61a,61b 第1孔
62 第2孔
70 連結部材
71 第1部分
71a 孔
71b 内周面
71c 凹部
72 第2部分
72a 孔
73 第3部分
73a 孔
80 端子台
81 第1端子
81a 一端
82 第2端子
82a 一端
83 第3端子
83a 一端
84 ハウジング
90 回転電機
91 ステータ
92 ステータコア
93 コイル
100 端末モジュール
101 一次モールド体
102 二次モールド体
110 第1成形型
111 上型
112 下型
113 キャビティ
114 ピン
120 第2成形型
121 上型
122 下型
123 キャビティ
124 ピン