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特開2023-162890移動体制御システム及び設計支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162890
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】移動体制御システム及び設計支援システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231101BHJP
【FI】
G05D1/02 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073598
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 豊
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 達也
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG14
5H301KK03
5H301KK04
5H301KK08
5H301KK18
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】移動体の待機エリアの数を削減することができる。
【解決手段】移動体制御システムは、制御部と、ノード生成部と、入れ替えノード設定部と、を備える。制御部は、所定エリアA0内を移動する複数の移動体2を制御する。ノード生成部は、所定エリアA0に対応するマップにおける任意の位置に、複数の移動体2を制御可能な複数のノードを生成する。入れ替えノード設定部は、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを、入れ替えノードNcとして設定する。制御部は、複数の移動体2のうち自動充電装置3による充電が完了した第1移動体2Aを、自動充電装置3から入れ替えノードNcへ移動させ、複数の移動体2のうち待機エリアAsで待機する第2移動体2Bを、待機エリアAsから自動充電装置3へ移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリア内を移動する複数の移動体を制御する制御部と、
前記所定エリアに対応するマップにおける任意の位置に、前記複数の移動体を制御可能な複数のノードを生成するノード生成部と、
前記複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを、入れ替えノードとして設定する入れ替えノード設定部と、を備え、
前記制御部は、前記複数の移動体のうち自動充電装置による充電が完了した第1移動体を、前記自動充電装置から前記入れ替えノードへ移動させ、前記複数の移動体のうち待機エリアで待機する第2移動体を、前記待機エリアから前記自動充電装置へ移動させる
移動体制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1移動体を前記入れ替えノードから前記待機エリアへ移動させる
請求項1に記載の移動体制御システム。
【請求項3】
前記待機エリアの数は、前記複数の移動体の数よりも前記自動充電装置の数だけ少ない
請求項1又は2に記載の移動体制御システム。
【請求項4】
前記待機エリアと前記自動充電装置との間の経路は、前記移動体が双方向に通行可能な第1経路と、前記移動体が前記自動充電装置から前記待機エリアへ向かう方向にのみ通行可能な第2経路と、を少なくとも含み、
前記入れ替えノード設定部は、前記複数のノードのうち、前記第2経路上に位置しているノードを前記入れ替えノードとして設定する
請求項1又は2に記載の移動体制御システム。
【請求項5】
前記移動体が前記入れ替えノードから前記自動充電装置までの移動に要する時間は、前記移動体が前記入れ替えノードから前記待機エリアまでの移動に要する時間に比べて短い
請求項1又は2に記載の移動体制御システム。
【請求項6】
前記移動体が前記入れ替えノードから前記待機エリアまでの移動に要する時間は、前記移動体が前記入れ替えノードから前記自動充電装置までの移動に要する時間に比べて短い
請求項1又は2に記載の移動体制御システム。
【請求項7】
前記入れ替えノード設定部は、前記入れ替えノードとして選択した第1ノードと、前記複数のノードのうちの前記自動充電装置の直近のノードとの間の経路の距離が所定値よりも長い場合、前記第1ノードと前記直近のノードとの間の分割点に第2ノードを作成し、前記第2ノードを前記入れ替えノードとして設定する
請求項1又は2に記載の移動体制御システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の移動体制御システムと、
表示部と操作部を有するルート作成ツールと、を備え、
前記移動体制御システムは、前記マップを前記表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記表示制御部は、前記複数のノードのうち前記入れ替えノードの候補となる2以上の候補ノードを前記表示部に表示させ、
前記入れ替えノード設定部は、前記2以上の候補ノードのうち、ユーザが前記操作部の操作によって選択した候補ノードを前記入れ替えノードとして設定する
設計支援システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記2以上の候補ノードを、前記複数のノードのうちの前記2以上の候補ノード以外のノードとは異なる態様で前記表示部に表示させる
請求項8に記載の設計支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体制御システム及び設計支援システムに関し、より詳細には、所定エリア内を移動する移動体を制御するための移動体制御システム及び設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定エリア内を移動する移動体を制御する制御部と、ノード生成部と、パス生成部と、を備える移動体制御システムが記載されている。ノード生成部は、所定エリアに対応するマップにおける任意の位置に、それぞれ移動体を制御可能なノードである一対の指定ノードを生成する。パス生成部は、一対の指定ノード間にパスを生成する。制御部は、所定エリアにおいてパスに対応する移動経路に沿って移動体を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-008962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような移動体制御システムにおいては、複数の移動体を充電するための自動充電装置の数が複数の移動体の数より少ない場合に、充電が完了した移動体が待機エリアに戻った後に、別の待機エリアで待機していた次に充電を行う移動体が自動充電装置に向かって移動する運用を行っていた。すなわち、特許文献1に記載されているような移動体制御システムの従来の運用においては、充電中の移動体が充電後に待機するための待機エリアと、次に充電を行う移動体が待機する別の待機エリアとが必要であった。このため、移動体の待機エリアの数を削減したいという要望があった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、移動体の待機エリアの数を削減することができる移動体制御システム及び設計支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る移動体制御システムは、制御部と、ノード生成部と、入れ替えノード設定部と、を備える。前記制御部は、所定エリア内を移動する複数の移動体を制御する。前記ノード生成部は、前記所定エリアに対応するマップにおける任意の位置に、前記複数の移動体を制御可能な複数のノードを生成する。前記入れ替えノード設定部は、前記複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを、入れ替えノードとして設定する。前記制御部は、前記複数の移動体のうち自動充電装置による充電が完了した第1移動体を、前記自動充電装置から前記入れ替えノードへ移動させ、前記複数の移動体のうち待機エリアで待機する第2移動体を、前記待機エリアから前記自動充電装置へ移動させる。
【0007】
本開示の一態様に係る設計支援システムは、前記移動体制御システムと、表示部と操作部を有するルート作成ツールと、を備える。前記移動体制御システムは、前記マップを前記表示部に表示させる表示制御部を更に備える。前記表示制御部は、前記複数のノードのうち前記入れ替えノードの候補となる2以上の候補ノードを前記表示部に表示させる。前記入れ替えノード設定部は、前記2以上の候補ノードのうち、ユーザが前記操作部の操作によって選択した候補ノードを前記入れ替えノードとして設定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、移動体の待機エリアの数を削減することができる移動体制御システム及び設計支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第1所定エリアの模式的な平面図である。
図2図2は、同上の移動体制御システム及び本実施形態に係る設計支援システムの概略構成を示すブロック図である。
図3図3は、同上の設計支援システムにおいて、表示部に表示される第1所定エリアに対応するマップを模式的に表す説明図である。
図4図4は、同上の設計支援システムにおける、入れ替えノードの設定動作を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、同上の移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第1所定エリアの模式的な平面図である。
図6図6は、同上の移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第1所定エリアの模式的な平面図である。
図7図7は、同上の移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第1所定エリアの模式的な平面図である。
図8図8は、同上の設計支援システムにおける、第1所定エリアでの移動体の充電動作を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、同上の設計支援システムにおいて、表示部に表示される第2所定エリアに対応するマップを模式的に表す説明図である。
図10図10は、同上の移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第2所定エリアの模式的な平面図である。
図11図11は、同上の移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第2所定エリアの模式的な平面図である。
図12図12は、同上の移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第2所定エリアの模式的な平面図である。
図13図13は、同上の移動体制御システムの制御対象となる移動体が配置された第2所定エリアの模式的な平面図である。
図14図14は、同上の設計支援システムにおける、第2所定エリアでの移動体の充電動作を説明するためのフローチャートである。
図15図15は、変形例1の設計支援システムにおいて、表示部に表示される第1所定エリアに対応するマップを模式的に表す説明図である。
図16図16は、同上の設計支援システムにおける、新たな入れ替えノードの設定動作を説明するためのフローチャートである。
図17図17は、変形例2の設計支援システムにおいて、表示部に表示される第3所定エリアに対応するマップを模式的に表す説明図である。
図18図18は、同上の設計支援システムにおいて、表示部に表示される第3所定エリアに対応するマップを模式的に表す説明図である。
図19図19は、同上の設計支援システムにおける、ユーザによる入れ替えノードの設定動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る移動体制御システム1について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)概要
本実施形態に係る移動体制御システム1は、図1及び図10に示すように、所定エリアA0における、複数の移動体2の自動充電装置3による充電動作を制御するためのシステムである。
【0012】
移動体2は、所定エリアA0内で荷物等の搬送物を搬送するためのロボットであり、搬送物を自動で搬送することができる。なお移動体2は、所定エリアA0内を移動するだけでなく、例えば、搬送、ピッキング、溶接、実装、陳列、接客、警備、組立及び検査等の様々な作業を実行する機能を有していてもよい。
【0013】
移動体2は、例えば車輪型のロボットである。なお、移動体2は、車輪型のロボットに限定されず、クローラ型、脚型(歩行型を含む)、飛翔型(ドローン等)、船型、潜水型であってもよい。
【0014】
移動体制御システム1は、例えば、所定エリアA0内において、第1地点から第2地点に移動体2を移動させるように、移動体2の制御を行う。この場合、例えば移動体制御システム1に含まれる群制御サーバ4が、第1地点から第2地点に至る移動経路等、移動体2の制御に必要な情報を求め、移動体2に移動の指示を与えることにより、移動体2を第1地点から第2地点に移動させる。これにより、移動体2は、群制御サーバ4からの指示に従って、所定エリアA0内を移動することが可能である。
【0015】
移動体制御システム1は、図2に示すように、制御部41と、ノード生成部42と、入れ替えノード設定部43と、を備える。
【0016】
制御部41は、所定エリアA0内を移動する複数の移動体2を制御する。
【0017】
ノード生成部42は、例えば所定エリアA0に対応するマップM0(図3及び図9参照)における任意の位置に、複数の移動体2を制御可能な複数のノードを生成する。
【0018】
入れ替えノード設定部43は、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを、入れ替えノードNcとして設定する。
【0019】
制御部41は、複数の移動体2のうち自動充電装置3による充電が完了した第1移動体2Aを、自動充電装置3から入れ替えノードNcへ移動させる。また、制御部41は、複数の移動体2のうち待機エリアAsで待機する第2移動体2Bを、待機エリアAsから自動充電装置3へ移動させる。
【0020】
本開示でいう「ノード」は、移動体制御システム1による移動体2の制御が可能な制御点である。つまり、移動体制御システム1は、ノード単位で移動体2の移動に係る制御が可能である。ノードは、移動体2の移動速度と進行方向との少なくとも一方を制御可能な制御点である。本開示でいう「移動速度」の制御は、移動速度がゼロ(0)の移動体2を加速させる「発進」、及び移動中の移動体2の移動速度をゼロ(0)まで減速する「停止」を含む。移動体制御システム1は、所定エリアA0においてノードに対応する位置にある移動体2を対象として、例えば、停止又は進行方向の変更(旋回を含む)等の動作を制御する。そのため、例えば、所定エリアA0において、一対のノードに対応する一対の地点(第1地点及び第2地点)間を移動中であって、いずれのノードに対応する位置にもない移動体2については、移動体制御システム1が停止又は進行方向の変更等の制御を行うことはできない。言い換えれば、移動体制御システム1が、ある地点に位置する移動体2について停止又は進行方向の変更等の制御を行うためには、この地点に対応するノードが設定されている必要がある。
【0021】
本実施形態では、各ノードは、所定エリアA0において、ある大きさを持つ矩形領域と対応付けられている。つまり、所定エリアA0において、各ノードに対応する地点は、「点」で表されるのではなく、ある大きさを持った「矩形領域」で表される。そのため、所定エリアA0において、あるノードに対応する矩形領域内に移動体2の一部又は中心点が位置するときに、移動体制御システム1は、このノードに対応する位置に移動体2が存在していると判断する。
【0022】
このように、移動体制御システム1がノード単位で移動体2を制御することで、基本的には、移動体2は、一対のノード間に設定される経路上を移動する。例えば、第1地点から第2地点に移動体2を移動させる場合、少なくとも第1地点に第1ノード、第2地点に第2ノードがそれぞれ設定され、これら第1ノード及び第2ノード間に設定される経路を通って、移動体2は、第1地点から第2地点に移動する。
【0023】
一例として、本実施形態の移動体制御システム1が、2台の移動体2(第1移動体2A、第2移動体2B)を制御する場合を想定する。この場合、移動体制御システム1において、自動充電装置3による第1移動体2Aの充電が完了すると、制御部41は、第1移動体2Aを自動充電装置3から入れ替えノードNcへ移動させる。その後、例えば第1移動体2Aが入れ替えノードNcに到達する等の所定の条件を満たした場合に、制御部41は、待機エリアAsで待機する第2移動体2Bを、待機エリアAsから自動充電装置3へ移動させる。つまり、本実施形態の移動体制御システム1によれば、第1移動体2Aは充電後には複数のノードのうちの少なくとも1つのノードである入れ替えノードNcにおいて一時的に待機する。このため、第1移動体2Aが充電後に待機するための専用の待機エリアを、第2移動体2Bが充電前に待機する待機エリア(待機エリアAs)と別に設ける必要がない。よって、移動体2が待機するための専用の待機エリアの数は、移動体2の台数から自動充電装置3の数を引いた個数でよく、待機エリアを移動体2の台数分設ける必要がない。したがって、本実施形態の移動体制御システム1によれば、移動体2の待機エリアの数を削減することができる。
【0024】
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態に係る移動体制御システム1及び設計支援システム10の構成について、図1図3図9図10を参照して、詳細に説明する。なお、以下に示す数値、形状、構成要素の位置、複数の構成要素間の位置関係及び接続関係等は、一例であって、本開示を限定する主旨ではない。また、以下で参照する図面は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び長さが、必ずしも実際の寸法を反映しているとは限らない。
【0025】
以下では、移動体2が、車輪型の無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)である場合を例として説明する。移動体2は、所定エリアA0内を移動しつつ、搬送物の搬送を実行する。本実施形態では、搬送物は、一例として、荷物が載せられた、ロールボックスパレット等のパレットである。
【0026】
所定エリアA0は、複数の移動体2が配備された空間であって、移動体2は、群制御サーバ4からの指示を受けて、所定エリアA0内を移動する。所定エリアA0は、一例として、倉庫、工場、建設現場、店舗(ショッピングモールを含む)、物流センタ、事務所、公園、住宅、学校、病院、駅、空港又は駐車場等である。さらに、例えば、船舶、電車又は飛行機の内部等、乗り物の内部に移動体2が配備されている場合には、乗り物の内部が所定エリアA0になる。本実施形態では、所定エリアA0が物流倉庫である場合を例に説明する。以下、所定エリアA0として第1所定エリアA1(図1等参照)及び第2所定エリアA2(図10等参照)を例に移動体制御システム1及び設計支援システム10の構成について説明する。なお第1所定エリアA1及び第2所定エリアA2を表す平面図は、各エリアの一部を示したものである。
【0027】
設計支援システム10は、図1に示すように、移動体制御システム1及びルート作成ツール5を備える。また、設計支援システム10は、情報端末6を更に備える。なお、設計支援システム10が情報端末6を備えることは必須の構成ではなく、ルート作成ツール5が情報端末6の機能を有してもよい。
【0028】
移動体制御システム1は、図2に示すように、群制御サーバ4と、例えば2台の移動体2(第1移動体2A、第2移動体2B)を備える。
【0029】
群制御サーバ4は、例えば所定エリアA0の外に設置され、ルート作成ツール5、第1移動体2A、第2移動体2B及び情報端末6の各々と通信可能に接続されている。なお、本開示において「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。すなわち、群制御サーバ4と、ルート作成ツール5、第1移動体2A、第2移動体2B及び情報端末6の各々とは、互いに情報を授受することができる。
【0030】
本実施形態では一例として、群制御サーバ4と、ルート作成ツール5、第1移動体2A、第2移動体2B及び情報端末6の各々との間の通信には、ネットワークNT1を介した無線通信を採用する。無線通信の通信方式は、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した通信方式が採用される。また、ネットワークNT1は、インターネットに限らず、例えば、所定エリアA0内又は所定エリアA0の運営会社内のローカルな通信ネットワークが適用されてもよい。
【0031】
群制御サーバ4は、処理部40と、第1記憶部46と、第1通信部47と、を含む。
【0032】
処理部40は、例えば、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記憶されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、処理部40の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記憶されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。
【0033】
処理部40は、制御部41、ノード生成部42、パス生成部44及び入れ替えノード設定部43等の機能を含む。また処理部40は、マップM0を表示部に表示させる表示制御部45を更に含む。なお、これらは、処理部40によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0034】
制御部41は、所定エリアA0内を移動する第1移動体2A及び第2移動体2Bを制御する。具体的には、制御部41は、第1移動体2A及び第2移動体2Bによる搬送物の搬送動作、及び、第1移動体2A及び第2移動体2Bの充電動作を制御する。第1移動体2A及び第2移動体2Bの充電動作については、「(2.2)動作」において詳細に説明する。
【0035】
表示制御部45は、所定エリアA0に対応するマップM0を含む設定画面D1(図3参照)を表示させる。より詳細には、表示制御部45は、第1通信部47により、ルート作成ツール5との間で情報の送受信を行い、例えば、ルート作成ツール5の第1表示部51に設定画面D1を表示させる。また、表示制御部45は、第1通信部47により、情報端末6との間で情報の送受信を行い、例えば、情報端末6の第2表示部61に設定画面D1を表示させる。
【0036】
図3等に示すように、設定画面D1に含まれるマップM0は互いに直交する第1軸Ax及び第2軸Ayを含んでいる。マップM0は、所定エリアA0の平面図と、地図データに重畳して表示されるグリッド線Gr1と、を含んでいる。グリッド線Gr1は、第1軸Ax及び第2軸Ayの各々に平行に、かつ略一定の間隔で配置されている。換言すると、マップM0は、グリッド線Gr1によって、格子状に並ぶ複数のマス目に区分けされたグリッドマップを構成している。マップM0におけるマス目は、例えば、所定エリアA0において移動体2の進行方向に対する移動体2の幅寸法に対応するような寸法の正方形状であることが好ましく、一例として、移動体2の幅に対応する縦60cm、横60cmの正方形状に形成される。
【0037】
ノード生成部42は、所定エリアA0に対応するマップM0における任意の位置に、複数の移動体2を制御可能な複数のノードを生成する。なおここで言う「マップM0における任意の位置」とは、例えば、マップM0における任意のマス目を示す。なお以下の説明において、説明の簡易化のため、所定エリアA0における各ノードに対応する正方形状の領域も、「ノード」と表現する場合がある。
【0038】
具体的には、ユーザは例えばルート作成ツール5の第1操作部52を操作して、設定画面D1におけるマップM0上のノードとしたいマス目を指定する。このとき、第1操作部52は、マス目を指定するユーザの操作に応じた操作信号を出力する。ノード生成部42は、この操作信号に従って、マップM0における指定のマス目に、移動体2を制御可能なノードを生成する。
【0039】
例えば、ノード生成部42は、図3に示すように、第1所定エリアA1に対応するマップM0であるマップM1において、ノードN1~N6を含む複数のノードを生成する。
【0040】
また、ノード生成部42は、図9に示すように、第2所定エリアA2に対応するマップM0であるマップM2において、ノードN7~N12含む複数のノードを生成する。
【0041】
パス生成部44は、ノード生成部42にて生成された複数のノードのうち、一対のノード間にパスを生成する。本開示でいう「パス」は、所定エリアA0において移動体2を移動させる移動経路を規定する。すなわち、制御部41は、所定エリアA0においてパスに対応する経路に沿って移動体2を移動させる。換言すると、パス生成部44は、移動体2の移動経路を規定するパスを一対のノード間に生成する。なお本実施形態では、パスに対応する経路上において移動体2のすれ違い通行は禁止されているものとする。なお以下の説明では、説明の簡易化のため、所定エリアA0におけるパスに対応する経路も「パス」と表現することがある。
【0042】
具体的には、ユーザはルート作成ツール5の第1操作部52を操作して、設定画面D1におけるマップM0上の任意の一対のノードを選択する。このとき、第1操作部52は、一対のノードを選択するユーザの操作に応じた操作信号を出力する。パス生成部44は、この操作信号に従って、選択された一対のノードの間にパスを生成する。
【0043】
例えば、パス生成部44は、図3に示すように、第1所定エリアA1に対応するマップM1において、パスP1~P5を含む複数のパスを生成する。パスP1はノードN1とノードN2の間に生成されたパスであり、パスP2はノードN2とノードN3の間に生成されたパスであり、パスP3はノードN3とノードN4の間に生成されたパスであり、パスP4はノードN2とノードN5の間に生成されたパスであり、パスP5はノードN5とノードN6の間に生成されたパスである。
【0044】
また、パス生成部44は、図9に示すように、第2所定エリアA2に対応するマップM2において、パスP6~P11を含む複数のパスを生成する。パスP6はノードN7とノードN8の間に生成されたパスであり、パスP7はノードN8とノードN9の間に生成されたパスであり、パスP8はノードN9とノードN10の間に生成されたパスであり、パスP9はノードN10とノードN11の間に生成されたパスであり、パスP10はノードN10とノードN12の間に生成されたパスであり、パスP11はノードN12とノードN8の間に生成されたパスである。
【0045】
ここにおいて、ユーザは、マップM0上に設定するパスの属性を選択可能である。パスの属性には、少なくとも双方向と片方向(単方向)とがある。双方向のパスは、双方向への移動体2の移動を許容する、つまり移動体2の往復を許容するパスである。単方向のパスは、片方向への移動体2の移動のみを許容する、つまり移動体2の往復を禁止するパスである。一例として、ユーザは、ルート作成ツール5の第1操作部52を操作して、設定画面D1にプルダウンメニューを表示させた状態で、プルダウンメニュー上でパスの属性を選択する。パスの属性は、設定画面D1におけるパス中の「矢印」にて表示される。一例として、マップM1上のパスP1~P5は双方向のパスである。
【0046】
入れ替えノード設定部43は、ノードN1~N6を含む複数のノードのうち少なくとも1つのノードを入れ替えノードNcとして設定する。入れ替えノードは、自動充電装置3による充電が完了した移動体2が待機するためのノードである。
【0047】
入れ替えノードNc、及び入れ替えノード設定部43による入れ替えノードNcの設定動作については、「(2.2)動作」において詳細に説明する。
【0048】
第1記憶部46は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリ等の非一時的記録媒体にて実現される。なお第1記憶部46は、群制御サーバ4内に組み込まれる構成に限らず、例えば、群制御サーバ4がアクセス可能なクラウド(クラウドコンピューティング)等に存在してもよい。
【0049】
第1記憶部46は、例えば、所定エリアA0のマップM0に関する地図情報、各移動体2の移動経路に関する経路情報、各移動体2に関する移動体情報等を記憶する。
【0050】
第1通信部47は、ネットワークNT1及び中継装置7を介して間接的に、移動体2と通信する。中継装置7は、例えば所定エリアA0内の天井等に設けられる。
【0051】
第1通信部47は、ネットワークNT1を介して間接的に、ルート作成ツール5及び情報端末6と通信する。
【0052】
移動体2は、例えば、所定エリアA0の床面等からなる平坦な移動面G1を自律走行する。
【0053】
移動体2は、制御部21と、第2通信部22と、第2記憶部23と、走行装置24と、充放電回路25と、蓄電部26と、検知部27とを備える。
【0054】
第2通信部22は、中継装置7及び通信ネットワークNT1を介して群制御サーバ4と通信する。ここで、第2通信部22は中継装置7との間で例えば無線通信方式により通信を行う。
【0055】
走行装置24は、移動体2に設けられた複数の車輪を駆動することによって移動体2を走行させる。複数の車輪の少なくとも一部は駆動輪である。駆動輪は例えばオムニホイールのような全方向移動型車輪である。なお、駆動輪は全方向移動型車輪に限定されず、単一方向移動型車輪であってもよい。走行装置24は、制御部21から入力される制御指令に基づいて駆動輪を駆動することによって、移動体2を走行させる。
【0056】
蓄電部26は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池又は鉛蓄電池等の二次電池である。
【0057】
充放電回路25は、蓄電部26への充電と蓄電部26からの放電とを制御する。
【0058】
充放電回路25は、移動体2が自動充電装置3に接続された状態で、自動充電装置3から供給される電気エネルギを蓄電部26に蓄える。蓄電部26は、例えば移動体2が有する受電用接続部(図示せず)を介して充放電回路25と自動充電装置3とが接続されることによって充電される。なお、自動充電装置3による蓄電部26の充電はワイヤレス充電によって行われてもよい。
【0059】
また、充放電回路25は、蓄電部26から電気エネルギを放電させることによって、制御部21、第2通信部22及び走行装置24に電力を供給する。すなわち、移動体2は、蓄電部26に蓄えられた電気エネルギを利用して走行及び作業を行う。
【0060】
検知部27は、図2に示すように、検知センサ272及び位置検知部271を備える。
【0061】
検知センサ272は、移動体2の動作状態、及び移動体2の周辺状況等を検知する。
【0062】
移動体2の動作状態は、移動体2の蓄電部26の残量、移動体2が走行中か停止中かを表す状態、移動体2の速度(及び速度変化)、移動体2に作用する加速度、及び移動体2の姿勢等を含み得る。
【0063】
検知センサ272は、例えば、速度センサ(ロータリーエンコーダ等)、加速度センサ、ジャイロセンサ等のセンサを含み、これらのセンサにて移動体2の動作状態を検知する。また、検知センサ272は、例えば、イメージセンサ(カメラ)、ソナーセンサ、レーダ、及びLiDAR(Light Detection and Ranging)等のセンサを含み、これらのセンサにて移動体2の周辺状況を検知する。移動体2の周辺状況には、例えば、移動体2の進行方向の前方に存在する物体(障害物等)の有無、及び物体の位置(距離及び方位)等が含まれる。障害物には、他の移動体2及び人も含まれる。
【0064】
位置検知部271は、所定エリアA0内で移動体2が存在する現在位置に関する現在位置情報等を検知する。
【0065】
位置検知部271は、検知センサ272が検知した移動体2の周辺状況と、第1記憶部46に記憶された所定エリアA0のマップM0に関する地図情報から、移動体2の現在位置を推定する。なお、位置検知部271は、例えば、複数の発信器から電波で送信されるビーコン信号を受信する受信機を含んでもよい。この場合、複数の発信器は例えば所定エリアA0内の複数箇所に配置され、位置検知部271は、複数の発信器の位置と、受信機でのビーコン信号の受信電波強度とに基づいて、移動体2の現在位置を測定する。なお、位置検知部271は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて実現されてもよい。
【0066】
移動体2は、位置検知部271が検知した現在位置の情報を第2通信部22から群制御サーバ4へ所定の送信時間間隔(例えば1秒間隔)で定期的に送信する。
【0067】
第2記憶部23は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリ等の非一時的記録媒体にて実現される。第2記憶部23は、例えば、群制御サーバ4から取得した作業指示情報、及び検知部27の検知結果等の情報を記憶する。
【0068】
制御部21は、例えば、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記憶されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、制御部21の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記憶されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。
【0069】
制御部21は、例えば群制御サーバ4から作業を指示するための作業指示を受信すると、検知部27が検知した現在位置情報、周辺の移動体2の動作状態及び周辺状況等の検知結果に基づいて、走行装置24を制御して移動体2を自律的に走行させる。制御部21は、移動体2の走行制御を行うことによって、群制御サーバ4から指示された作業を移動体2に実施させる。
【0070】
ルート作成ツール5は、表示部(第1表示部)51及び操作部(第1操作部)52を有する。また、ルート作成ツール5は、第3通信部53と、第3記憶部54と、ルート作成部55と、を備える。ルート作成ツール5は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報端末である。
【0071】
第1表示部51は、本実施形態では一例として、設定画面D1等の、ユーザに情報を提示するための画面を表示する。本開示でいう「画面」は、第1表示部51に映し出される像(画像等)である。第1表示部51は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置により実現される。
【0072】
第1操作部52は、人(ユーザ)の操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、第1操作部52は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、若しくはメカニカルなスイッチ、又はこれらの組み合わせにて実現される。
【0073】
ユーザは、第1操作部52を操作することによって、移動体2の搬送物の搬送元及び搬送先等の情報を入力することができる。また、ユーザは、第1操作部52を操作することによって、第1表示部51に表示される設定画面D1においてノード及びパスに関する選択操作、変更操作等を行うことができる。なお、設計支援システム10は、ユーザが情報端末6の第2操作部62を操作することによって、情報端末6の第2表示部61に表示される設定画面D1においてノード及びパスに関する選択操作、変更操作等を行うことができるように構成されてもよい。
【0074】
第3通信部53は、ネットワークNT1を介して群制御サーバ4と通信する。ここでは、ルート作成ツール5は、例えば、電波を媒体とする無線通信により、ルータ等を介してネットワークNT1に接続される。なお第3通信部53の通信方式は無線通信に限定されず、有線通信でもよい。
【0075】
第3記憶部54は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリ等の非一時的記録媒体にて実現される。
【0076】
ルート作成部55は、第3記憶部54に記憶された所定エリアA0の地図情報と、ユーザによって第1操作部52を通じて入力された移動体2の搬送物の搬送元及び搬送先等の情報に基づいて、移動体2の走行ルートを作成する。ルート作成部55は走行ルートのルート情報を第3記憶部54に記憶する。またルート作成部55は、群制御サーバ4と通信を行い、走行ルートの情報(経路情報)を群制御サーバ4の第1記憶部46にも記憶する。
【0077】
ルート作成部55は、作成した走行ルートを第1表示部51に出力する。これにより、ユーザは、移動体2の走行ルートを視覚的に確認することができる。
【0078】
情報端末6は、ユーザの操作を受け付ける機能、及びユーザに情報を提示(表示)する機能を有する端末である。
【0079】
情報端末6は、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。本実施形態では、一例として、情報端末6は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の端末であることとして説明する。情報端末6は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、以下に説明する機能を実現する。
【0080】
情報端末6は、第4通信部63と、第2表示部61と、第2操作部62と、を有している。
【0081】
第4通信部63は、ネットワークNT1を介して群制御サーバ4と通信する。ここでは、情報端末6は、例えば、電波を媒体とする無線通信により、ルータ等を介してネットワークNT1に接続される。
【0082】
第2表示部61は、本実施形態では一例として、設定画面D1等の、ユーザに情報を提示するための画面を表示する。なお、第2表示部61がユーザに提示する情報は、設定画面D1の他、例えば移動体2の走行状態に関する情報及び移動体2の搬送タスクに関する情報を含んでもよい。
【0083】
第2表示部61は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置により実現される。
【0084】
第2操作部62は、人(ユーザ)の操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、第2操作部62は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、若しくはメカニカルなスイッチ、又はこれらの組み合わせにて実現される。また、情報端末6がタッチパネルディスプレイを搭載している場合には、タッチパネルディスプレイが第2表示部61及び第2操作部62として機能してもよい。この場合、情報端末6は、第2表示部61に表示される各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ、ドラッグ等)が第2操作部62で検出されることをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。
【0085】
(2.2)動作
以下、本実施形態に係る移動体制御システム1及び設計支援システム10における入れ替えノード設定部43による入れ替えノードNcの設定動作、及び、第1移動体2A及び第2移動体2Bの充電動作について、図1図14を参照して、詳細に説明する。
【0086】
(2.2.1)第1所定エリアにおける入れ替えノード設定動作
以下では、第1所定エリアA1における入れ替えノードNcの設定動作について、図3及びフローチャートである図4を参照して説明する。
【0087】
第1所定エリアA1には、図1に示すように、第1移動体2A及び第2移動体2Bの各々の蓄電部26を充電するための自動充電装置3が設置されている。また、第1所定エリアA1の移動面G1上において、充電を行う移動体2が停止するための充電エリアAcが自動充電装置3を含む範囲に設けられている。また、第1所定エリアA1の移動面G1上において、充電を行う前の移動体2が待機する待機エリアAsが設けられている。なお、待機エリアAsは、充電を完了した移動体2が搬送作業の指令を受信するまで待機するエリアでもある。
【0088】
第1所定エリアA1に対応するマップM1上には、図3に示すように、ノードN1~N6、及びパスP1~P5が生成されている。上述したように、パスP1~P5は双方向のパスである。ここで、ノードN1は、充電エリアAcに対応するノードであり、充電中の移動体2が存在するノードである。つまり、第1所定エリアA1において、ノードN1に対応する矩形領域内に移動体2の一部又は中心点が位置するときに、移動体制御システム1は、充電エリアAcに移動体2が存在していると判断する。また、ノードN4は、待機エリアAsに対応するノードである。つまり、第1所定エリアA1において、ノードN4に対応する矩形領域内に移動体2の一部又は中心点が位置するときに、移動体制御システム1は、待機エリアAsに移動体2が存在していると判断する。また、ノードN2は、移動体2が充電を行う前に、所定時間の間待機する充電待機ノードNCwであるため、充電待機ノードNCwは入れ替えノードNcとして設定されない。
【0089】
入れ替えノード設定部43は、自動充電装置3を含む充電エリアAcと待機エリアAsとの間の経路(充電経路)に対応するノードN1、パスP1、ノードN2、パスP2、ノードN3、パスP3及びノードN4のうちパスP1~パスP3の各々に設定された属性を確認する(ステップST1)。
【0090】
入れ替えノード設定部43は、パスP1~パスP3の属性の確認結果から、充電経路に双方向のパスのみが含まれているか否かを確認する(ステップST2)。
【0091】
本実施形態では、上述したように、パスP1~バスP3の属性はすべて双方向である。つまり第1所定エリアA1における充電経路は、移動体2が双方向に通行可能な第1経路のみを含む(ステップST2:YES)。
【0092】
この場合、入れ替えノード設定部43は、ノードN1~N5のうち、充電経路に含まれないノードN5、N6を入れ替えノードNcの候補として選択する(ステップST3)。
【0093】
次に、入れ替えノード設定部43は、候補として選択したノードN5、N6のうち自動充電装置3に最も近い、つまり充電エリアAc(ノードN1)に最も近いノードN5を入れ替えノードNcとして設定する(ステップST4)。
【0094】
ここで、第1所定エリアA1においては、ノードN5から自動充電装置3までの距離は、ノードN5から待機エリアAsまでの距離よりも短い。この場合、移動体2の各パス上での平均移動速度が略等しい場合に、移動体2の自動充電装置3から入れ替えノードNc(ノードN5)までの移動に要する時間は、移動体2の入れ替えノードNcから待機エリアAsまでの移動に要する時間に比べて短い。
【0095】
入れ替えノードNcとして設定されたノードN5は、図3に示すように、第1表示部51に表示されているマップM1において、他のノードと異なった態様で表示される。例えば、入れ替えノードNcは、他のノードと異なった明るさ、色、形状で表示されていてもよい。
【0096】
入れ替えノード設定部43は、設定した入れ替えノードNcに関する情報を、例えば第1記憶部46に記憶させる。
【0097】
(2.2.2)第1所定エリアにおける充電動作
次に、第1所定エリアA1における第1移動体2A及び第2移動体2Bの充電動作について、図1図5図7及びフローチャートである図8を参照して説明する。
【0098】
なお、第1移動体2A及び第2移動体2Bの初期状態として、図1に示すように、第1移動体2Aが充電エリアAcにおいて自動充電装置3によって充電されており、第2移動体2Bが待機エリアAsにおいて待機している状態を想定する。
【0099】
自動充電装置3による第1移動体2Aの充電が完了(ステップST11:YES)すると、図5に示すように、群制御サーバ4の制御部41は、第1記憶部46に記憶された入れ替えノードNcに関する情報に基づいて、第1移動体2Aを、充電エリアAc(ノードN1)から入れ替えノードNcに移動させる(ステップST12)。つまり、第1移動体2Aは充電が完了すると、ノードN1からパスP1、ノードN2、パスP4をこの順に経由して入れ替えノードNc(ノードN5)に移動する。
【0100】
制御部41は、第1移動体2Aの現在位置の情報に基づいて、第1移動体2Aが充電経路から外れたと判断した場合(ステップST13:YES)、図6に示すように、第2移動体2Bを、待機エリアAs(ノードN4)から充電エリアAc(ノードN1)に移動させる(ステップST14)。具体的には、第1移動体2AがノードN2を通りすぎて、パスP4上を移動開始すると、制御部41は、第1移動体2Aが充電経路を外れたと判断する。第2移動体2Bは、ノードN4から、パスP3、ノードN3、パスP2、ノードN2及びパスP1をこの順に経由して充電エリアAc(ノードN1)に移動する。第2移動体2Bが充電エリアAcに到達すると、自動充電装置3によって第2移動体2Bの充電が開始される。
【0101】
制御部41は、第1移動体2Aが入れ替えノードNcに到着後に、第2移動体2Bの現在位置の情報に基づいて、待機エリアAsが空いているか否かを判断する(ステップST15)。つまり、第2移動体2Bが待機エリアAsに存在するか否かを判断する。
【0102】
制御部41は、待機エリアAsが空いていると判断すると、図7に示すように、第1移動体2Aを入れ替えノードNcから待機エリアAsに移動させる(ステップST16)。具体的には、第1移動体2Aは、入れ替えノードNc(ノードN5)から、パスP4、ノードN2、パスP2、ノードN3及びパスP3をこの順に経由して待機エリアAs(ノードN4)に移動する。
【0103】
なお、制御部41は、待機エリアAsが空いているか否かの判断に加えて、第2移動体2Bが、入れ替えノードNcから待機エリアAsまでの経路(帰還経路)から外れたか否かの判断をしてもよい。この場合、制御部41は、待機エリアAsが空いており、かつ、第2移動体2Bが帰還経路から外れている場合に、第1移動体2Aを入れ替えノードNcから待機エリアAsに移動させてもよい。ここで、第1所定エリアA1においては、帰還経路は、例えば、ノードN5からパスP4、ノードN2、パスP2、ノードN3、パスP3をこの順に経由してノードN4に移動する経路である。
【0104】
また、制御部41は、第1移動体2Aが充電エリアAcから入れ替えノードNcに向かう途中であっても、待機エリアAsが空いていると判断した場合に、第1移動体2Aの移動先を入れ替えノードNcから待機エリアAsに変更してもよい。
【0105】
(2.2.3)第2所定エリアにおける入れ替えノード設定動作
以下では、第1所定エリアA1とは異なるノード及びパスが設定された第2所定エリアA2における入れ替えノードNcの設定動作について、図9及びフローチャートである図4を参照して説明する。なお、第2所定エリアA2おいて第1所定エリアA1と共通する部分については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0106】
第2所定エリアA2に対応するマップM2上には、図9に示すように、ノードN7~N12、及びパスP6~P11が生成されている。
【0107】
ノードN7は、充電エリアAcに対応するノードであり、ノードN11は、待機エリアAsに対応するノードである。また、ノードN8は、充電待機ノードNCwである。
【0108】
パスP6及びパスP9は、双方向の移動が許容されたパスである。
【0109】
パスP7は、ノードN8からノードN9に向かう方向への移動のみを許容する片方向のパスである。パスP8は、ノードN9からノードN10に向かう方向への移動のみを許容する片方向のパスである。つまり、パスP7、P8は、充電エリアAcから待機エリアAsに向かう方向への移動のみを許容するパスである。
【0110】
パスP10は、ノードN10からノードN12に向かう方向への移動のみを許容する片方向のパスである。パスP11は、ノードN12からノードN8に向かう方向への移動のみを許容する片方向のパスである。つまり、パスP10、P11は、待機エリアAsから充電エリアAcに向かう方向への移動のみを許容する片方向のパスである。
【0111】
入れ替えノード設定部43は、充電エリアAcと待機エリアAsとの間の充電経路のうち、ノードN7、パスP6、ノードN8、パスP7、ノードN9、パスP8、ノードN10、パスP9及びノードN11を含む第1充電経路のうちパスP6~P9の各々に設定された属性を確認する(ステップST1)。また、入れ替えノード設定部43は、待機エリアAsと充電エリアAcとの間の充電経路のうち、ノードN11、パスP9、ノードN10、パスP10、ノードN12、パスP11、ノードN8、パスP6及びノードN7を含む第2充電経路のうちパスP9~P11、P6の各々に設定された属性を確認する(ステップST1)。なお、第1充電経路及び第2充電経路は、パスP6、パスP6の両端のノードであるノードN7、N8、及び、パスP9、パスP9の両端のノードであるノードN10、N11を共通して含む。
【0112】
入れ替えノード設定部43は、パスP6~P11の属性の確認結果から、第1充電経路及び第2充電経路に双方向のパスのみが含まれているか否かを確認する(ステップST2)。
【0113】
本実施形態では、上述したように、パスP6、P9は双方向のパスである。また、パスP7、P8は、充電エリアAcから待機エリアAsに向かう方向への移動のみを許容するパスであり、パスP10、P11は、待機エリアAsから充電エリアAcに向かう方向への移動のみを許容する片方向のパスである。
【0114】
つまり、第2所定エリアA2における第1充電経路及び第2充電経路は、移動体2が双方向に通行可能な第1経路以外を含む(ステップST2:NO)。詳細には、第1充電経路は、第1経路と、充電エリアAcから待機エリアAsへ向かう方向にのみ通行可能な第2経路(ノードN8、パスP7、ノードN9、パスP8及びノードN10に対応)と、を含む。また第2充電経路は、第1経路と、待機エリアAsから充電エリアAcに向かう方向にのみ通行可能な第3経路(ノードN10、パスP10、ノードN12、パスP11及びノードN8に対応)を含む。
【0115】
この場合、入れ替えノード設定部43は、第2所定エリアA2内の複数のノードのうち、第2経路上に位置しているノードを入れ替えノードNcとして設定する。以下に、第2所定エリアA2における入れ替えノードNcの設定動作の詳細を記す。
【0116】
入れ替えノード設定部43は、双方向パスを除いて、待機エリアAsに最も近いパスを候補パスとして設定する(ステップST5)。第2所定エリアA2においては、候補パスは例えばパスP8及びパスP10となる。
【0117】
次に、入れ替えノード設定部43は、候補パスのうち、充電エリアAcから待機エリアAsへ向かう第1充電経路に含まれるパスを選択パスとして設定する(ステップST6)。第2所定エリアA2においては、選択パスは例えばパスP8となる。
【0118】
次に、入れ替えノード設定部43は、選択パスの両端の一対のノード(例えばノードN9及びノードN10)のうち、充電エリアAc(自動充電装置3)側のノード(例えばノードN9)を入れ替えノードNcとして設定する(ステップST7)。
【0119】
ここで、第2所定エリアA2においては、図9に示すように、ノードN9から待機エリアAsまでの距離は、自動充電装置3からノードN9までの距離よりも短い。この場合、移動体2の各パス上での平均移動速度が略等しい場合に、移動体2が入れ替えノードNc(ノードN9)から待機エリアAsまでの移動に要する時間は、移動体2が自動充電装置3から入れ替えノードNcまでの移動に要する時間に比べて短い。
【0120】
(2.2.4)第2所定エリアのおける充電動作
第2所定エリアA2における第1移動体2A及び第2移動体2Bの充電動作について、図10図13及びフローチャートである図14を参照して説明する。
【0121】
なお、第1移動体2A及び第2移動体2Bの初期状態として、図10に示すように、第1移動体2Aが充電エリアAcにおいて自動充電装置3によって充電されており、第2移動体2Bが待機エリアAsにおいて待機している状態を想定する。
【0122】
自動充電装置3による第1移動体2Aの充電が完了(ステップST21:YES)すると、図11に示すように、制御部41は、第1移動体2Aを、第1充電経路に沿って、充電エリアAc(ノードN7)から入れ替えノードNc(ノードN9)に移動させる(ステップST22)。つまり、第1移動体2Aは充電が完了すると、ノードN7からパスP6、ノードN8、パスP7をこの順に経由して入れ替えノードNc(ノードN9)に移動する。
【0123】
制御部41は、第1移動体2Aの現在位置の情報に基づいて、第1移動体2Aが第2充電経路から外れたと判断した場合(ステップST23:YES)、図12に示すように、第2移動体2Bを、第2充電経路に沿って、待機エリアAs(ノードN11)から充電エリアAc(ノードN7)に移動させる(ステップST24)。具体的には、第1移動体2AがノードN8を通りすぎて、パスP7上を移動開始すると、制御部41は、第1移動体2Aが第2充電経路を外れたと判断する。第2移動体2Bは、ノードN11から、パスP9、ノードN10、パスP10、ノードN12、パスP11、ノードN8、パスP6をこの順に経由してノードN7に移動する。第2移動体2BがノードN7に到達すると、自動充電装置3によって第2移動体2Bの充電が開始される。
【0124】
制御部41は、第1移動体2Aが入れ替えノードNcに到着後に、第2移動体2Bの現在位置の情報に基づいて、待機エリアAsが空いているか否かを判断する(ステップST25)。つまり、第2移動体2Bが待機エリアAsに存在するか否かを判断する。
【0125】
制御部41は、待機エリアAsが空いていると判断すると、第1移動体2Aを第1充電経路に沿って入れ替えノードNcから待機エリアAsに移動させる(ステップST26)。具体的には、第1移動体2Aは、入れ替えノードNcから、パスP8、ノードN10、パスP9をこの順に経由して待機エリアAs(ノードN11)に移動する。
【0126】
なお、制御部41は、第1移動体2Aが第1充電経路に沿って充電エリアAcから入れ替えノードNcに向かう途中であっても、待機エリアAsが空いていると判断した場合に、第1移動体2Aの移動先を入れ替えノードNcから待機エリアAsに変更してもよい。
【0127】
(3)利点
以上説明したように、例えば第1所定エリアA1及び第2所定エリアA2のような所定エリアA0において、充電が完了した第1移動体2Aが一時的に待機する入れ替えノードNcを充電経路外に設定することで、移動体2が待機するための待機エリアAsの数を移動体2の台数(本実施形態では2台)よりも自動充電装置3の数だけ少ない数(本実施形態では1箇所)とすることができる。ここで、例えば移動体制御システム1が備える複数の移動体2の数が3台であった場合は、待機エリアAsの数を2箇所とすることで、上記の同様の運用が可能となる。
【0128】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、移動体制御システム1と同様の機能は、移動体制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。
【0129】
上記実施形態に係る移動体制御方法は、制御ステップと、ノード生成ステップと、入れ替えノード設定ステップと、を含む。制御ステップでは、所定エリアA0内を移動する複数の移動体2を制御する。ノード生成ステップでは、所定エリアA0に対応するマップM0における任意の位置に、複数の移動体2を制御可能な複数のノードを生成する。入れ替えノード設定ステップでは、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを、入れ替えノードNcとして設定する。制御ステップでは、複数の移動体2のうち自動充電装置3による充電が完了した第1移動体2Aを、自動充電装置3から入れ替えノードNcへ移動させ、複数の移動体2のうち待機エリアAsで待機する第2移動体2Bを、待機エリアAsから自動充電装置3へ移動させる。また、上記実施形態に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、上述の搬送制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0130】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。ただし上記実施形態の移動体制御システム1と共通する構成要素については同じ参照符号を付して、適宜その説明を省略する。また、以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
【0131】
(4.1)変形例1
入れ替えノード設定部43は、入れ替えノードNcとして選択した第1ノードから待機エリアAsに向かう帰還経路のうち、入れ替えノードNcに隣接するパスに対応する経路(第1帰還経路)の距離が所定値よりも長い場合、第1帰還経路上の分割点に第2ノードを生成し、第2ノードを入れ替えノードNcとして設定してもよい。
【0132】
以下に第1所定エリアA1における新たな入れ替えノードNcの再設定動作について図15及びフローチャートである図16を参照して説明する。
【0133】
例えば第1所定エリアA1において、第1帰還経路は、入れ替えノードNcとして選択した第1ノード(ノードN5)と、第1所定エリアA1内の複数のノードのうちの自動充電装置3の直近のノード(ノードN2)との間のパスP4に対応する経路である。
【0134】
入れ替えノード設定部43は、入れ替えノードNc(ノードN5)設定後に、第1帰還経路に対応するパスP4の距離が所定値よりも長いか否かを判定する(ステップST31)。なお、パスP4の距離及び所定値は例えば群制御サーバ4の第1記憶部46に記録されている。
【0135】
入れ替えノード設定部43は、パスP4の距離が所定値よりも長い場合(ステップST31:YES)、図15に示すように、例えばパスP4を二分するパスP4上の分割点DPに第2ノードを作成し、第2ノードを入れ替えノードNc1として設定する(ステップST32)。なお、入れ替えノード設定部43は、パスP4の距離が所定値未満の場合は、入れ替えノードNcは第1ノード(ノードN5)のままとする。
【0136】
これにより、移動体2の第1帰還経路の移動時間を短くすることができる。
【0137】
(4.2)変形例2
設計支援システム10は、入れ替えノードNcを所定エリアA0内の複数のノードからユーザが選択できるように構成されてもよい。この場合の、具体的な入れ替えノードNcの設定手順を、図17図18及びフローチャートである図19を参照して以下に説明する。以下の説明では、一例として第3所定エリアに対応するマップM3においてユーザが入れ替えノードNcを選択する場合について説明する。
【0138】
マップM3には、ノードN13~N20、パスP12~P19が設定されている。
【0139】
まず、入れ替えノード設定部43は、ノードN13~N20のうち、例えば充電エリアAcに対応するノードN13と、待機エリアAsに対応するノードN16との間の充電経路に含まれるノードN13~N16以外のノードN17~N20の各々を候補ノードNp1~Np4として選択する(ステップST41)。
【0140】
次に、表示制御部45は、図17に示すように、ノードN13~N20のうち入れ替えノードNcの候補となる候補ノードNp1~Np4を第1表示部51に表示させる(ステップST42)。詳細には、表示制御部45は、候補ノードNp1~Np4を、ノードN13~N16とは異なる態様で第1表示部51に表示させる。例えば、候補ノードNp1~Np4は、ノードN13~N16よりも明るく表示される。また、候補ノードNp1~Np4は、マップM3上のノード及びパス以外のマス目よりも明るく表示される。つまり、候補ノードNp1~Np4は、マップM3上の候補ノードNp1~Np4以外の部分よりも明るく表示される。なお、候補ノードNp1~Np4は、ノードN13~N16と異なる色、形状等で表示されてもよい。これによって、ユーザは候補ノードNp1~Np4とノードN13~N16とを目視によって容易に判別することができる。
【0141】
ユーザは、第1表示部51に表示された候補ノードNp1~Np4の中から、マウス等の第1操作部52の操作によって、入れ替えノードNcとして設定する候補ノード(例えば候補ノードNp4)を選択する(ステップST43)。ユーザは、例えば、候補ノードNp1、Np2は作業者の通行路に面しており作業者との接触が懸念され、候補ノードNp3は自動充電装置3との距離が最も遠いため自動充電装置3からの移動時間が長くなる等の理由から、候補ノードNp4を選択する。
【0142】
候補ノードNp4が選択されると、表示制御部45は、図18に示すように、候補ノードNp4をマップM3上の候補ノードNp4以外の部分よりも明るく表示する。
【0143】
ユーザによって候補ノードNp4が選択されると、入れ替えノード設定部43は、候補ノードNp1~Np4のうち、候補ノードNp4を入れ替えノードNcとして設定する(ST44)。
【0144】
これにより、ユーザが所定エリアA0の状況に応じて、最適な入れ替えノードNcを選択することができる。
【0145】
(4.3)その他の変形例
ルート作成ツール5の機能の少なくとも一部が群制御サーバ4の処理部40によって実現されてもよい。
【0146】
群制御サーバ4の機能の少なくとも一部がルート作成ツール5によって実現されてもよい。例えば、「(2.2)動作」で説明した、入れ替えノードNcの設定動作をルート作成部55が行なってもよい。
【0147】
本開示における移動体制御システム1及び設計支援システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における移動体制御システム1及び設計支援システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0148】
移動体制御システム1及び設計支援システム10の少なくとも一部の機能、例えば、群制御サーバ4の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0149】
(5)まとめ
以上説明したように、第1の態様の移動体制御システム(1)は、制御部(41)と、ノード生成部(42)と、入れ替えノード設定部(43)と、を備える。制御部(41)は、所定エリア(A0)内を移動する複数の移動体(2)を制御する。ノード生成部(42)は、所定エリア(A0)に対応するマップ(M0)における任意の位置に、複数の移動体(2)を制御可能な複数のノードを生成する。入れ替えノード設定部(43)は、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを、入れ替えノード(Nc)として設定する。制御部(41)は、複数の移動体(2)のうち自動充電装置(3)による充電が完了した第1移動体(2A)を、自動充電装置(3)から入れ替えノード(Nc)へ移動させ、複数の移動体(2)のうち待機エリア(As)で待機する第2移動体(2B)を、待機エリア(As)から自動充電装置(3)へ移動させる。
【0150】
この態様によれば、第1移動体(2A)は充電後に複数のノードのうちの少なくとも1つのノードである入れ替えノード(Nc)において一時的に待機するため、第1移動体(2A)が充電後に待機するための専用の待機エリアを、第2移動体(2B)が充電前に待機する待機エリア(As)とは別に設ける必要がない。したがって、この態様によれば、移動体(2)の待機エリアの数を削減することができる。
【0151】
第2の態様の移動体制御システム(1)では、第1の態様において、制御部(41)は、第1移動体(2A)を入れ替えノード(Nc)から待機エリア(As)へ移動させる。
【0152】
この態様によれば、第1移動体(2A)が入れ替えノード(Nc)から待機エリア(As)へ移動した後は、入れ替えノード(Nc)上を他の移動体(2)が移動可能となる。
【0153】
第3の態様の移動体制御システム(1)では、第1又は第2の態様において、待機エリア(As)の数は、複数の移動体(2)の数よりも自動充電装置(3)の数だけ少ない。
【0154】
この態様によれば、移動体(2)の待機エリア(As)の数を削減することができる。
【0155】
第4の態様の移動体制御システム(1)では、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、待機エリア(As)と自動充電装置(3)との間の経路は、第1経路と、第2経路と、を少なくとも含む。第1経路は、移動体(2)が双方向に通行可能な経路である。第2経路は、移動体(2)が自動充電装置(3)から待機エリア(As)へ向かう方向にのみ通行可能な経路である。入れ替えノード設定部(43)は、複数のノードのうち、第2経路上に位置しているノードを入れ替えノード(Nc)として設定する。
【0156】
この態様によれば、第2経路に沿って自動充電装置(3)から入れ替えノード(Nc)に移動する移動体(2)が、待機エリア(As)から自動充電装置(3)に向かって移動する他の移動体(2)と同一経路上で対向することを防ぐことができる。
【0157】
第5の態様の移動体制御システム(1)では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、移動体(2)が自動充電装置(3)から入れ替えノード(Nc)までの移動に要する時間は、移動体(2)が入れ替えノード(Nc)から待機エリア(As)までの移動に要する時間に比べて短い。
【0158】
この態様によれば、自動充電装置(3)から入れ替えノード(Nc)までの移動体(2)の移動時間を短くすることができる。
【0159】
第6の態様の移動体制御システム(1)では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、移動体(2)が入れ替えノード(Nc)から待機エリア(As)までの移動に要する時間は、移動体(2)が自動充電装置(3)から入れ替えノード(Nc)までの移動に要する時間に比べて短い。
【0160】
この態様によれば、入れ替えノード(Nc)から待機エリア(As)までの移動体(2)の移動時間を短くすることができる。
【0161】
第7の態様の移動体制御システム(1)では、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、入れ替えノード設定部(43)は、入れ替えノード(Nc)として選択した第1ノードと、複数のノードのうちの自動充電装置(3)の直近のノードとの間の経路の距離が所定値よりも長い場合、第1ノードと、複数のノードのうちの自動充電装置(3)の直近のノードとの間分割点(DP)を入れ替えノード(Nc1)として設定する。
【0162】
この態様によれば、自動充電装置(3)の直近のノードまでの移動体(2)の移動時間を短くすることができる。
【0163】
第8の態様の設計支援システム(10)は、第1~第7の態様のいずれか1つの移動体制御システム(1)と、表示部(51)と操作部(52)を有するルート作成ツール(5)と、を備える。移動体制御システム(1)は、マップ(M0)を表示部(51)に表示させる表示制御部(45)を更に備える。表示制御部(45)は、複数のノードのうち入れ替えノード(Nc)の候補となる2以上の候補ノードを表示部(51)に表示させる。入れ替えノード設定部(43)は、2以上の候補ノードのうち、ユーザが操作部(52)の操作によって選択した候補ノードを入れ替えノード(Nc)として設定する。
【0164】
この態様によれば、ユーザが所定エリア(A0)の状況に応じて、最適な入れ替えノード(Nc)を選択することができる。
【0165】
第9の態様の設計支援システム(10)は、第8の態様において、表示制御部(45)は、2以上の候補ノードを、複数のノードのうちの2以上の候補ノード以外のノードとは異なる態様で表示部(51)に表示させる。
【0166】
この態様によれば、ユーザは2以上の候補ノードと、複数のノードのうちの2以上の候補ノード以外のノードとを目視によって容易に判別することができる。
【0167】
なお、第2~第7の態様は移動体制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。また、第9の態様は設計支援システム(10)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【符号の説明】
【0168】
1 移動体制御システム
2 移動体
3 自動充電装置
5 ルート作成ツール
10 設計支援システム
41 制御部
42 ノード生成部
43 入れ替えノード設定部
45 表示制御部
51 第1表示部
52 第1操作部
2A 第1移動体
2B 第2移動体
A0 所定エリア
As 待機エリア
DP 分割点
M0 マップ
Nc 入れ替えノード
Nc1 入れ替えノード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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