(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162895
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20231101BHJP
B25B 21/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B25F5/00 B
B25B21/00 B
B25B21/00 530Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073603
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅道
(72)【発明者】
【氏名】岡本 景太
(72)【発明者】
【氏名】酒井 延頼
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AB02
3C064AC03
3C064BA11
3C064BA13
3C064BA18
3C064BA33
3C064BA35
3C064BB52
3C064BB71
3C064CA04
3C064CA06
3C064CA25
3C064CA26
3C064CA41
3C064CB17
3C064CB24
3C064CB27
3C064CB64
3C064CB68
3C064CB73
(57)【要約】
【課題】スイッチ部が故障する可能性を低減させる。
【解決手段】電動工具1は、モータ3と、スイッチ部8と、ハウジング2と、操作部5と、連動部6と、を備える。モータ3は、先端工具を回転させる。スイッチ部8は、モータ3への電力供給をオンオフする。ハウジング2は、モータ3を収容する。操作部5は、ハウジング2の外部に設けられ、操作に応じて第1位置と第2位置との間で変位する。連動部6は、操作部5の変位に応じて、第3位置と第4位置との間で変位する。ハウジング2は、スイッチ部8を収容する。スイッチ部8は、連動部6が第3位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオフ状態にし、連動部6が第4位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を回転させるモータと、
前記モータへの電力供給をオンオフするためのスイッチ部と、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングの外部に設けられ、操作に応じて第1位置と第2位置との間で変位する操作部と、
前記操作部の変位に応じて、第3位置と第4位置との間で変位する連動部と、
を備え、
前記ハウジングは、前記スイッチ部を収容し、
前記スイッチ部は、前記連動部が前記第3位置に位置する場合に前記モータへの前記電力供給をオフ状態にし、前記連動部が前記第4位置に位置する場合に前記モータへの前記電力供給をオン状態にする、
電動工具。
【請求項2】
前記ハウジングは貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記操作部と対向する位置に形成されており、
前記連動部はカバー部を有し、
前記カバー部は、前記貫通孔を塞ぐように形成されている、
前記操作部は、前記第1位置から前記第2位置に変位することで、前記貫通孔の貫通方向に沿って前記カバー部を変位させ、
前記連動部は、前記カバー部が前記操作部によって変位されることで、前記第3位置から前記第4位置に変位する、
請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記操作部は、前記第1位置から前記第2位置に変位することで、前記ハウジングの内部に向けて前記カバー部を変位させる、
請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記カバー部の主面は、前記連動部が前記第3位置に位置する場合に、前記ハウジングの表面と面一である、
請求項2に記載の電動工具。
【請求項5】
前記操作部が操作されていない場合に前記カバー部の主面が前記ハウジングの表面と面一になるように、前記連動部に力を加える弾性部材を更に備える、
請求項2に記載の電動工具。
【請求項6】
前記操作部は、前記ハウジングに対して着脱可能に構成されている、
請求項1又は4に記載の電動工具。
【請求項7】
前記連動部は、磁石を有し、
前記スイッチ部は、
前記磁石の磁気を検知する磁気センサを有し、
前記磁気センサによって検知される前記磁気に応じて前記モータへの前記電力供給をオンオフする、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項8】
前記スイッチ部は、
第5位置と第6位置との間で変位する変位部を有し、
前記変位部が前記第5位置に位置する場合に前記モータへの前記電力供給をオフ状態にし、前記変位部が前記第6位置に位置する場合に前記モータへの前記電力供給をオン状態にし、
前記連動部は、
前記第3位置に位置する場合に、前記スイッチ部の前記変位部を前記第5位置に位置させ、
前記第4位置に位置する場合に、前記スイッチ部の前記変位部を前記第6位置に位置させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項9】
前記連動部は、回転軸を中心として前記第3位置と前記第4位置との間で回転可能に構成されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項10】
前記スイッチ部としての第1スイッチ部とは別の第2スイッチ部を更に備え、
前記第2スイッチ部は、前記先端工具が前記モータに近付く側に変位した場合に、前記モータへの前記電力供給をオン状態にする、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項11】
前記スイッチ部としての第1スイッチ部とは別の第2スイッチ部を更に備え、
前記第2スイッチ部は、前記先端工具が前記モータに近付く側に変位した場合に、前記モータへの前記電力供給をオン状態にする、
請求項6に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電動工具に関し、より詳細には、モータを備える電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レバー操作方式の電動回転工具が開示されている。特許文献1に記載されている電動回転工具は、把持部ケーシングの一部に設けたスイッチレバーと、磁気センサと、を備える。磁気センサは、スイッチレバーの変位部に設けられた磁石と対向するように配置されている。また、磁気センサは、電動モータの通電回路に接続されている。
【0003】
特許文献1に記載されている電動回転工具は、磁気センサの磁気感知動作により通電回路をON動作させて電動モータを駆動開始する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている電動回転工具(電動工具)では、把持部ケーシング(ハウジング)から露出した磁気センサ(スイッチ部)に衝撃が加わることで、磁気センサが故障する可能性があった。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、スイッチ部が故障する可能性を低減させることができる電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る電動工具は、モータと、スイッチ部と、ハウジングと、操作部と、連動部と、を備える。前記モータは、先端工具を回転させる。前記スイッチ部は、前記モータへの電力供給をオンオフする。前記ハウジングは、前記モータを収容する。前記操作部は、前記ハウジングの外部に設けられ、操作に応じて第1位置と第2位置との間で変位する。前記連動部は、前記操作部の変位に応じて、第3位置と第4位置との間で変位する。前記ハウジングは、前記スイッチ部を収容する。前記スイッチ部は、前記連動部が前記第3位置に位置する場合に前記モータへの前記電力供給をオフ状態にし、前記連動部が前記第4位置に位置する場合に前記モータへの前記電力供給をオン状態にする。
【発明の効果】
【0008】
本開示の上記態様に係る電動工具によれば、スイッチ部が故障する可能性を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る電動工具の正面図である。
【
図2】
図2は、同上の電動工具の要部の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の電動工具の一状態を示す断面図である。
【
図4】
図4は、同上の電動工具の別の状態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態2の電動工具の一状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、同上の電動工具の別の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、図面中の各方向を示す矢印は一例であり、電動工具1の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0011】
なお、本開示でいう「直交(垂直)」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で直交する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。すなわち、本開示でいう「直交」は、二者でなす角度が80度以上100度以下である場合を含む。本開示でいう「平行」についても同様に、厳密に二者が交わらない状態だけでなく、二者がある程度の差の範囲内で平行である状態も含む意味である。例えば、本開示でいう「平行」は、一方に対する他方の傾きが10度以下であることを含む。すなわち、本開示でいう「平行」は、一方と他方とでなす角度が-10度以上10度以下である場合を含む。
【0012】
実施形態において、距離などの2値の比較において、「以下」としているところは「未満」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以下」か「未満」かに技術上の差異はない。同様に、「以上」としているところは「超過」であってもよい。
【0013】
(実施形態1)
(1)概要
まず、実施形態1に係る電動工具1の概要について、
図1~
図4を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、実施形態1の電動工具1は、例えば作業者(ユーザ)が片手で把持可能な電動工具である。実施形態1の電動工具1には、例えばドライバビット等の先端工具B1が取付可能である。
【0015】
実施形態1の電動工具1は、ハウジング2と、モータ3と、操作部5と、連動部6(
図3参照)と、第1スイッチ部8(
図3参照)と、を備える。
【0016】
モータ3は、先端工具B1を回転させる。
【0017】
ハウジング2は、モータ3及び第1スイッチ部8を収容する。
【0018】
操作部5は、ハウジング2の外部に設けられている。操作部5は、ユーザの操作に応じて第1位置(
図3参照)と第2位置(
図4参照)との間で変位する。
【0019】
本開示でいう「第1位置」は、ユーザによって操作がされていない状態の操作部5の位置、及び、モータ3への電力供給がオフ状態となる操作部5の位置を含む。また、本開示でいう「第2位置」は、ユーザによって操作がされている状態の操作部5の位置、及び、モータ3への電力供給がオン状態となる操作部5の位置を含む。
【0020】
図3及び
図4に示すように、連動部6の少なくとも一部は、ハウジング2に収容されている。連動部6は、操作部5の変位に応じて、第3位置(
図3参照)と第4位置(
図4参照)との間で変位する。
【0021】
本開示でいう「第3位置」は、操作部5が第1位置に位置する場合の連動部6の位置、及び、モータ3への電力供給がオフ状態となる連動部6の位置を含む。また、本開示でいう「第4位置」は、操作部5が第2位置に位置する場合の連動部6の位置、及び、モータ3への電力供給がオン状態となる連動部6の位置を含む。
【0022】
第1スイッチ部8は、モータ3への電力供給をオンオフする。第1スイッチ部8は、連動部6が第3位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオフ状態にする。一方で、第1スイッチ部8は、連動部6が第4位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。
【0023】
実施形態1の電動工具1によれば、第1スイッチ部8がハウジング2の内部に設けられているため、第1スイッチ部8がハウジング2の外部に露出している場合と比べて、第1スイッチ部8に衝撃が加わることを低減することができる。したがって、実施形態1の電動工具1によれば、第1スイッチ部8が故障する可能性を低減させることができる。
【0024】
(2)詳細
以下、実施形態1に係る電動工具1の詳細な構成について、
図1~
図4を参照して説明する。
【0025】
(2.1)電動工具
図1に示すように、電動工具1は、ハウジング2と、モータ3と、伝達機構41と、出力軸42と、保持部43と、操作部5と、連動部6(
図3参照)と、表示部71と、操作部72と、正逆切替スイッチ73と、信号コネクタ74と、電源コネクタ75と、第1スイッチ部8(
図3参照)と、弾性部材9(
図3参照)と、連結軸91(
図2参照)と、第2スイッチ部10(
図3参照)を備える。実施形態1では、先端工具B1が電動工具1の構成に含まれない場合を例示するが、電動工具1は先端工具B1を構成に含んでいてもよい。
【0026】
なお、本開示では、出力軸42の軸心Ax1と平行な方向を上下方向と規定する。出力軸42からモータ3に近付く向きを上向きとし、モータ3から出力軸42に近付く向きを下向きとする。
【0027】
(2.2)ハウジング
図1に示すように、ハウジング2は、上下方向に沿って延びた筒状に形成されている。なお、本開示でいう「筒状」は、円筒状、楕円筒状、及び、角筒状を含み得る。
【0028】
実施形態1のハウジング2は、モータ3と、伝達機構41と、出力軸42の少なくとも一部と、連動部6(
図3参照)の少なくとも一部と、第1スイッチ部8(
図3参照)と、弾性部材9(
図3参照)と、第2スイッチ部10(
図3参照)と、を収容している。
【0029】
実施形態1のハウジング2は、第1本体部21と、第2本体部22と、第3本体部23と、貫通孔24(
図2参照)と、凹部25(
図2参照)と、を有する。
【0030】
第1本体部21は、上面を有する角筒状に形成されている。第1本体部21の下面は円形状の開口である。
図3に示すように、実施形態1の第1本体部21は、連動部6の少なくとも一部と、第1スイッチ部8と、弾性部材9と、第2スイッチ部10と、を収容している。
【0031】
図2に示すように、第1本体部21は、第1面211と第2面212と、を有する。第1面211と第2面212とは平行な面である。
【0032】
本開示では、第1面211と第2面212とが並ぶ方向を前後方向と規定する。第2面212から第1面211に近付く向きを前向きとし、第1面211から第2面212に近付く向きを後向きとする。前後方向は上下方向と直交する。また、上下方向及び前後方向と直交する方向を左右方向と規定する。言い換えると、前後方向及び左右方向は、出力軸42の軸心Ax1を中心とする仮想円の径方向である。
【0033】
実施形態1の第1本体部21には、貫通孔24と凹部25が形成されている(
図2参照)。
【0034】
実施形態1の貫通孔24は、左右方向における第1本体部21の端部に形成されている。貫通孔24は、左右方向において操作部5と対向する位置に形成されている。貫通孔24は、第1本体部21(ハウジング2)を、第1本体部21の厚み方向に沿って貫通している。貫通孔24の形状は、側面視において矩形状である。
【0035】
実施形態1の凹部25は、左右方向における第1本体部21の端部であって、貫通孔24の上方に形成されている。凹部25は、第1本体部21(ハウジング2)の内部に向かって窪んでいる。凹部25の形状は、側面視において矩形状である。
【0036】
実施形態1の凹部25は、底壁250と、前壁251と、後壁253とを有する。底壁250は、断面形状がハウジング2の内部側に凸形状のU字状の曲板状に形成されている。前後方向において、前壁251と後壁253とは対向している。
【0037】
前壁251は、隙間を空けて後壁253の前方に位置している。前壁251には穴252が形成されている。穴252は、前方に向かって窪んでいる。穴252の形状は、前後方向からの平面視において丸状である。穴252は、内周面にねじ山が形成されている。すなわち、穴252は、ねじ穴である。穴252は、連結軸91の後述する軸部912の前端と嵌合する。
【0038】
後壁253には、貫通孔254が形成されている。貫通孔254は、前後方向に沿って、後壁253を貫通している。貫通孔254の形状は、前後方向からの平面視において丸状である。貫通孔254及び穴252は、前後方向からの平面視において重なっている。貫通孔254には、連結軸91の軸部912が通される。
【0039】
図1に示すように、第2本体部22は、第1本体部21の下端から下方に突出している。第2本体部22は、円筒状に形成されている。第2本体部22は、モータ3と、伝達機構41の少なくとも一部を収容している。
【0040】
第2本体部22の側周面には、複数の凸部221が形成されている。複数の凸部221は、第2本体部の側周面から外向きに突出している。第2本体部22は、ユーザが把持する把持部として機能する。また、複数の凸部221は、ユーザが第2本体部22を把持した際に、滑り止めとして機能する。
【0041】
図1に示すように、第3本体部23は、第2本体部22の下端から下方に突出している。第3本体部23は、円筒状に形成されている。第3本体部23は、伝達機構41の少なくとも一部と、出力軸42の少なくとも一部と、を収容している。
【0042】
(2.3)連結軸
図2に示すように、連結軸91は、ねじ又はボルト等の締結部材である。連結軸91は、頭部911と軸部912とを有する。
【0043】
実施形態1の頭部911の形状は、前後方向からの平面視において、円形状である。なお、頭部911の形状は、前後方向からの平面視において、多角形状であってもよい。
【0044】
実施形態1の軸部912は、頭部911の中心部から前方に突出している。実施形態1の軸部912は、前後方向に沿って延びる円柱状に形成されている。実施形態1の軸部912の先端(前端)部分の外周面には、ねじ山が形成されている。軸部912は、ハウジング2の貫通孔254と、操作部5の後述する貫通孔551を貫通した状態で、ハウジング2の穴252と嵌合する。
【0045】
連結軸91は、ハウジング2と操作部5とを連結する部材である。連結軸91をハウジング2から取り外すことで、操作部5がハウジング2から取り外される。
【0046】
(2.4)信号コネクタ
図1に示すように、信号コネクタ74は、ハウジング2(第1本体部21)の上面に設けられている。信号コネクタ74には、信号線が接続される。信号線は、電動工具1と外部装置とを接続する線である。実施形態1の電動工具1は、信号線を介して、例えば締付作業の良否判定に関する情報の授受を行う。なお、電動工具1が信号コネクタ74を備えることは必須ではない。例えば、電動工具1は、信号コネクタ74の代わりに外部装置と無線通信可能な通信部を備えていてもよい。
【0047】
(2.5)電源コネクタ
図1に示すように、電源コネクタ75は、ハウジング2(第1本体部21)の上面に設けられている。電源コネクタ75は、左右方向において信号コネクタ74と並ぶように配置されている。電源コネクタ75には、電源線が接続される。電源線は、電動工具1と外部電源とを接続する線である。実施形態1の電動工具1は、電源線を介して、外部電源から電力が供給される。なお、電動工具1が電源コネクタ75を備えることは必須ではない。例えば、電動工具1は、電源コネクタ75の代わりに、電池パックを装着可能な装着部を備えていてもよい。
【0048】
(2.6)モータ
実施形態1のモータ3は、外部電源から供給される電力を回転駆動力に変換する。モータ3は、例えばインナーロータ型のブラシレスモータである。モータ3のロータは、上下方向に平行な回転軸を中心として回転する。
図3に示すように、実施形態1のモータ3には、貫通孔31が形成されている。実施形態1の貫通孔31は、モータ3の中心を上下方向に沿って貫通している。
【0049】
(2.7)伝達機構
図1に示すように、伝達機構41は、ハウジング2(第2本体部22)の内部空間においてモータ3の下方に配置されている。伝達機構41は、モータ3が発生させる回転駆動力を、出力軸42に伝達する機構である。実施形態1の伝達機構41は、減速機構と、クラッチ機構とを有する。
【0050】
減速機構は、例えば遊星歯車機構である。減速機構は、モータ3の回転速度及びトルクを、締付作業に必要な回転速度及びトルクに変換する。
【0051】
クラッチ機構は、締付トルクが所定値以上となった場合に、モータ3から出力軸42への回転駆動力の伝達を遮断する。クラッチ機構は、例えば電子クラッチにより実現されてもよい。
【0052】
なお、伝達機構41が減速機構及びクラッチ機構を有することは必須ではない。また、伝達機構41は、出力軸42に回転打撃を加えるインパクト機構を有していてもよい。
【0053】
(2.8)出力軸
図1に示すように、出力軸42は、伝達機構41の下方に配置されている。出力軸42には、伝達機構41を介して、モータ3が発生させる回転駆動力が伝達される。モータ3のロータが回転することにより、出力軸42は軸心Ax1を中心として回転する。
【0054】
出力軸42の先端(下端)には、ドライバビット等の先端工具B1が着脱可能に構成されている。例えば、ドライバビットが出力軸42に取り付けられている場合、ドライバビットが締結部材(ねじ等)に当てられた状態でドライバビットが回転することにより、締結部材を締め付ける又は緩めるといった作業が可能となる。
【0055】
(2.9)保持部
図1に示すように、保持部43は、出力軸42の先端(下端)部分に設けられている。保持部43は、出力軸42に先端工具B1が取り付けられている場合に、出力軸42に対して先端工具B1を保持するための機構である。
【0056】
(2.10)表示部
図1に示すように、表示部71は、第1本体部21(ハウジング2)の第1面211に設けられている。実施形態1の表示部71は、2桁の7セグメントLED(Light Emitting Diode)にて実現されている。例えば、表示部71は、電動工具1が締め付けた締結部品の数を表示する。
【0057】
(2.11)操作部
図1に示すように、操作部72は、第1本体部21(ハウジング2)の第1面211に設けられている。実施形態1の操作部72は、3つのボタン721にて実現されている。実施形態1の電動工具1は、3つのボタン721に対するユーザの操作に応じて、動作モードを切り替える。
【0058】
実施形態1の電動工具1は、例えば、第1モード、第2モード、又は第3モードのいずれかの動作モードで動作する。第1モードは、操作部5がユーザに操作された場合に、出力軸42が回転する動作モードである。第2モードは、先端工具B1がモータ3に近付く向きに(上向きに)押し付けられた場合に、出力軸42が回転する動作モードである。第3モードは、操作部5がユーザに操作された場合、又は、先端工具B1がモータ3に近付く向きに押し付けられた場合に、出力軸42が回転する動作モードである。なお、第1モードは、先端工具B1がモータ3に近付く向きに押し付けられても出力軸42が回転しない動作モードである。一方、第2モードは、操作部5がユーザに操作されても出力軸42が回転しない動作モードである。
【0059】
(2.12)正逆切替スイッチ
図1に示すように、正逆切替スイッチ73は、左右方向における第1本体部21(ハウジング2)の端部(右端)に設けられている。正逆切替スイッチ73は、出力軸42の回転方向を正転と逆転とで切り替えるスイッチである。
【0060】
(2.13)操作部
図1に示すように、操作部5は、左右方向におけるハウジング2の端部(左端)に設けられている。上述のように、実施形態1の操作部5は、連結軸91(
図3参照)によってハウジング2に取り付けられている。連結軸91をハウジング2から取り外すことで、操作部5をハウジング2から取り外すことが可能である。すなわち、実施形態1の操作部5は、ハウジング2に対して着脱可能に構成されている。例えばユーザが電動工具1を第2モードで使用する場合に、操作部5をハウジング2から取り外した状態で電動工具1を使用することができるため、利便性を向上させることができる。
【0061】
操作部5は、ユーザの操作に応じて、連結軸91の軸部912を中心として第1位置と第2位置との間で回転可能に構成されている。実施形態1の操作部5は、ユーザに操作されていない場合、
図3に示すような第1位置に位置する。実施形態1の操作部5は、ユーザに操作されることにより、軸部912を中心として反時計回りに回転し、第1位置から第2位置に変位する。
【0062】
操作部5は、基部51と、縁部52と、第1突出部53と、第2突出部54と、取付部55と、を有する。
【0063】
基部51は、平板状に形成されている。実施形態1の基部51は、左右方向においてハウジング2の側周面と隙間を空けて対向している。
図4に示すように、基部51の厚み方向は、操作部5が第2位置に位置する場合に左右方向に沿っている。なお、実施形態1では、左右方向に沿って基部51からハウジング2に近付く向きを右向きと規定し、左右方向に沿ってハウジング2から基部51に近付く向きを左向きと規定する。
【0064】
縁部52は、基部51の縁に沿って形成されている。縁部52は、基部51からハウジング2に近付く向きに突出している。縁部52は、操作部5が第2位置に位置する場合に、基部51から右向きに突出している。
【0065】
取付部55は、基部51の上端から、所定向きに突出している。より具体的には、取付部55は、基部51の上端から、ハウジング2(第1本体部21)の凹部25に向かって突出している。取付部55は、操作部5が第2位置に位置する場合に、基部51の上端から右向きに突出している。
図3に示すように、操作部5が第1位置に位置する場合、取付部55の上面と凹部25の上壁とが接触する。言い換えると、取付部55の上面が凹部25の上壁に接触する位置が、操作部5の第1位置である。
【0066】
取付部55には、貫通孔551が形成されている。貫通孔551は、取付部55を前後方向に沿って貫通する孔である。貫通孔551には、連結軸91の軸部912が通される。
【0067】
第2突出部54は、取付部55の下方に配置されている。より具体的には、第2突出部54は、取付部55の下方かつ第1突出部53の上方に配置されている。第2突出部54は、基部51から所定向きに突出している。より具体的には、第2突出部54は、基部51からハウジング2の貫通孔24に向かって突出する円柱状に形成されている。より具体的には、第2突出部54は、下端に近付くにつれて突出量が大きくなる円柱状に形成されている。第2突出部54は、操作部5が第2位置に位置する場合に、基部51から右向きに突出している。
【0068】
第2突出部54の先端面(右面)541は、平面視において円形状である。実施形態1の先端面541は、右上を向いている。先端面541は、第1位置及び第2位置において、連動部6の後述するカバー部62の主面621と接触して対向している。第2突出部54(操作部5)は、第1位置から第2位置に変位することで、貫通孔24の貫通方向に沿ってカバー部62を変位させる。言い換えると、第2突出部54は、第1位置から第2位置に変位することで、ハウジング2の内部に向けて(右向きに)カバー部62を変位させる。ハウジング2の外部に向けてカバー部62を変位させる構成と比べて、操作部5及び連動部6の構成をシンプルにすることができる。
【0069】
第1突出部53は、第2突出部54の下方に配置されている。より具体的には、第1突出部53は、第2突出部54の下方かつ縁部52の下端の上方に配置されている。第1突出部53は、基部51から所定向きに突出している。より具体的には、第1突出部53は、基部51からハウジング2の第2本体部22に向かって突出する円柱状に形成されている。第2突出部54は、操作部5が第2位置に位置する場合に、基部51から右向きに突出している。実施形態1の第2突出部54は、操作部5が第2位置に位置する場合に、ハウジング2の第2本体部22の側周面及び凸部221の少なくとも一方と接触する。言い換えると、第2突出部54が第2本体部22の側周部及び凸部221の少なくとも一方と接触する位置が、操作部5の第2位置である。
【0070】
(2.14)連動部
図3及び
図4に示すように、連動部6の少なくとも一部は、ハウジング2(第1本体部21)に収容されている。上述のように、連動部6は、操作部5の変位に応じて、第3位置(
図3参照)と第4位置(
図4参照)との間で変位する。具体的には、連動部6は、操作部5が第1位置にある場合に第3位置に位置し、操作部5が第2位置にある場合に第4位置に位置する。
【0071】
実施形態1の連動部6は、ハウジング2の内部において左右方向の端部(左端)に配置されている。連動部6は、曲板状に形成されている。連動部6は、屈曲部61と、カバー部62と、延長部63と、先端部64と、突出部65と、磁石66と、を有する。
【0072】
屈曲部61は、U字状に屈曲した板状に形成されている。実施形態1の屈曲部61は、操作部5から遠ざかる向き(右向き)に凸状になるように屈曲している。屈曲部61は、ハウジング2の凹部25の底壁250に沿うように屈曲している。
【0073】
カバー部62は、屈曲部61の下端から右下向きに突出している。カバー部62は、ハウジング2の貫通孔24を塞ぐようにして形成されている。より具体的には、カバー部62は、第3位置に位置する場合に、ハウジング2の貫通孔24を塞ぐようにして形成されている。カバー部62がハウジング2の貫通孔24を塞ぐように形成されているため、ハウジング2の内部に砂や埃等が入ることを低減することができる。
【0074】
上述のように、カバー部62は、操作部5(第2突出部54)が第1位置から第2位置に変位することにより、ハウジング2の内部に向けて変位する。連動部6は、カバー部62が操作部5の第2突出部54によって変位されることで、第3位置から第4位置に変位する。
【0075】
カバー部62は、主面621と、貫通孔622とを有する。
【0076】
貫通孔622は、カバー部62を前後方向に沿って貫通している。貫通孔622は、連結軸92が通されている。連結軸92は、前後方向に沿って延びる円柱状の軸である。連結軸92は、貫通孔622に通された状態で、ハウジング2に固定されている。言い換えると、連動部6は、連結軸92によってハウジング2に取り付けられている。連動部6は、連結軸92(回転軸)を中心として第3位置と第4位置との間で回転可能に構成されている。より具体的には、操作部5がユーザによって操作されることにより、回転軸を中心として反時計回りに、第3位置から第4位置に変位する。連動部6が回転軸を中心とした回転方向に変位する構成とすることで、例えば連動部6が平行移動するように変位する構成と比べて、シンプルな構成とすることができる。
【0077】
主面621は、ハウジング2の外部を向く面である。主面621は、ハウジング2の貫通孔24に周囲を囲われている。主面621は、カバー部62(連動部6)が第3位置に位置している場合に、ハウジング2の表面(側周面)と面一となるように配置されている。カバー部62の主面621とハウジング2の表面とが面一となるため、例えば操作部5がハウジング2から取り外されている場合に、ユーザが主面621(カバー部62)に誤って触れることで、電動工具1が誤作動する可能性を低減することができる。
【0078】
なお、本開示でいう「面一」は、厳密に同一平面にある場合だけでなく、略同一平面にある場合、つまり実質的に面一である場合も含んでいる。例えば、AがBと面一であるという場合、AとBとは完全には同一平面になくてもよい。つまり、AがBと面一であるという場合、AはBと略同一平面にあればよく、AがBより僅かに突出している(出っ張っている)か、AがBより僅かに凹んでいてもよい。例えば、カバー部62の主面621は、ハウジング2の表面より僅かに凹んでいてもよい。
【0079】
延長部63は、屈曲部61の上端から上向きに突出している。延長部63は平板状に形成されている。連動部6が第4位置に位置している場合、延長部63の厚み方向は左右方向と平行である。
【0080】
先端部64は、延長部63の上端から上向きに突出している。先端部64は平板状に形成されている。連動部6が第4位置に位置している場合、先端部64の厚み方向は左右方向と平行である。先端部64は、延長部63と比べて厚みが大きい。先端部64は、磁石66を保持している。
【0081】
磁石66は、例えばネオジム磁石、フェライト磁石又はプラスチック磁石等の永久磁石である。磁石66は、連動部6が第4位置に位置する場合に、第1スイッチ部8と左右方向において対向するように配置されている。より具体的には、磁石66は、連動部6が第4位置に位置する場合に、僅かな隙間を挟んで第1スイッチ部8と対向するように配置されている。第1スイッチ部8と接触しないように磁石66が保持(配置)されているため、磁石66又は先端部64が第1スイッチ部8に接触して第1スイッチ部8が故障する可能性を低減することができる。
【0082】
突出部65は、延長部63から左向きに突出している。突出部65は、円柱状に形成されている。実施形態1の突出部65の側周部は、螺旋形状のばねである弾性部材9に巻き付かれている。
【0083】
(2.15)弾性部材
図3及び
図4に示すように、実施形態1の弾性部材9は、螺旋形状のばねである。上述のように、弾性部材9は、連動部6の突出部65の周囲に巻き付いている。弾性部材9の右端は連動部6の延長部63と接触し、弾性部材の左端はハウジング2(第1本体部21)と接触している。
【0084】
弾性部材9は、操作部5がユーザによって操作されていない場合、すなわち、操作部5が第1位置に位置する場合又は操作部5がハウジング2から取り外されている場合に、連動部6が第3位置に位置するように連動部6に力(弾性力)を加える。言い換えると、弾性部材9は、操作部5がユーザによって操作されていない場合に、カバー部62の主面621がハウジング2の表面(側周面)と面一となるように、連動部6の延長部63に力を加える。弾性部材9の弾性力によってカバー部62の主面621とハウジング2の表面とが面一となるように構成することで、カバー部62の主面621とハウジング2の表面とが面一となる状態を保持することができる。
【0085】
(2.16)第1スイッチ部
図3及び
図4に示すように、実施形態1の第1スイッチ部8は、連動部6が第4位置に位置する場合に、連動部6の磁石66と対向するように配置されている。
【0086】
実施形態1の第1スイッチ部8は、磁石66の磁気を検知する磁気センサを有する。第1スイッチ部8は、磁気センサによって検知される磁気に応じてモータ3への電力供給をオンオフする。第1スイッチ部8に連動部6を接触させることなくモータ3への電力供給をオンオフすることができるため、第1スイッチ部8が故障する可能性を低減することができる。
【0087】
第1スイッチ部8は、第1スイッチ部8と磁石66との距離が第1閾値距離以上の場合にモータ3への電力供給をオフ状態に、第1スイッチ部8と磁石66との距離が第1閾値距離未満の場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。実施形態1において、連動部6が第3位置に位置する場合、第1スイッチ部8と磁石66との距離は第1閾値距離以上である。また、実施形態1において、連動部6が第4位置に位置する場合、第1スイッチ部8と磁石66との距離は第1閾値距離未満である。したがって、第1スイッチ部8は、上述のように、連動部6が第3位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオフ状態にし、連動部6が第4位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。
【0088】
(2.17)第2スイッチ部
図3及び
図4に示すように、第2スイッチ部10は、モータ3の上方に配置されている。第2スイッチ部10は、先端工具B1がモータ3に近付く側に(上向きに)変位した場合に、モータ3への電力供給をオン状態にする。
【0089】
実施形態1の電動工具1は、保持部11と、磁石12と、駆動軸13と、を更に備える。
【0090】
保持部11は、モータ3の上方に配置されている。保持部11は磁石12を保持している。より具体的には、保持部11は、上下方向において磁石12が第2スイッチ部10と対向するように磁石12を保持している。保持部11は、凹部111を有する。凹部111は保持部11の下面に形成されている。凹部111は上向きに窪んでいる。
【0091】
駆動軸13は、モータ3の貫通孔31を通る軸である。駆動軸13は、保持部11の下方かつ出力軸42(
図1参照)の上方に位置している。
【0092】
駆動軸13は、ユーザによって先端工具B1(出力軸42)がモータ3に近付く側に(上向きに)押されると、保持部11側(上向き)に変位する。駆動軸13が上向きに変位すると、駆動軸13の上端が保持部11の凹部111に挿入される。さらに駆動軸13が上向きに変位することで、駆動軸13は、保持部11を上向きに変位させる。すなわち、ユーザによって先端工具B1がモータ3に近付く側に押されると、保持部11に保持された磁石12が第2スイッチ部10に近付く。
【0093】
第2スイッチ部10は、磁石12の磁気を検知する磁気センサを有する。第2スイッチ部10は、磁気センサによって検知される磁気に応じてモータ3への電力供給をオンオフする。第2スイッチ部10は、第2スイッチ部10と磁石12との距離が第2閾値距離以上の場合にモータ3への電力供給をオフ状態に、第2スイッチ部10と磁石12との距離が第2閾値距離未満の場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。第2スイッチ部10は、ユーザによって先端工具B1がモータ3に近付く側に押されて、第2スイッチ部10と磁石12との距離が第2閾値距離未満になると、モータ3への電力供給をオン状態にする。
【0094】
実施形態1の電動工具1によれば、異なる2種類の操作方法にて先端工具B1を回転させることができるため、利便性を向上させることができる。また、操作部5がハウジング2から取り外されている状態であっても、電動工具1を使用することができる。
【0095】
(3)変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0096】
実施形態1では、操作部5と連動部6とが別体である場合を例示したが、操作部5と連動部6とは一体的に構成されていてもよい。
【0097】
操作部5は、ユーザに操作されることにより、軸部912を中心として時計回りに回転し、第1位置から第2位置に変位する構成であってもよい。また、操作部5は、ユーザに操作されることにより、例えば左右方向に沿って平行移動し、第1位置から第2位置に変位する構成であってもよい。また、連動部6は、操作部5がユーザに操作されることにより、連結軸92(回転軸)を中心として時計回りに回転し、第3位置から第4位置に変位する構成であってもよい。また、連動部6は、操作部5がユーザに操作されることにより、例えば左右方向に沿って平行移動し、第3位置から第4位置に変位する構成であってもよい。
【0098】
実施形態1では、連動部6が第3位置に位置している場合の磁石66(先端部64)と第1スイッチ部8との距離は、連動部6が第4位置に位置している場合の磁石66と第1スイッチ部8との距離より大きい場合を例示した。しかし、連動部6が第3位置に位置している場合の磁石66(先端部64)と第1スイッチ部8との距離は、連動部6が第4位置に位置している場合の磁石66と第1スイッチ部8との距離より小さくてもよい。この場合、第1スイッチ部8は、第1スイッチ部8と磁石66との距離が第1閾値距離未満の場合にモータ3への電力供給をオフ状態にし、第1スイッチ部8と磁石66との距離が第1閾値距離以上の場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。
【0099】
(実施形態2)
実施形態2の電動工具1は、第1スイッチ部8の代わりに第1スイッチ部8aを備える点で実施形態1の電動工具1と相違する。
【0100】
図5及び
図6に示すように、実施形態2の第1スイッチ部8aは、連動部6の先端部64の右方に配置されている。
【0101】
第1スイッチ部8aは、例えばマイクロスイッチ又はリミットスイッチ等の機械的動作によってモータ3の電力供給をオンオフするスイッチである。第1スイッチ部8aは、本体部81と、変位部82と、を有する。
【0102】
本体部81は、例えば直方体状に形成されている。
【0103】
実施形態2の変位部82は例えば押ボタンである。変位部82は、本体部81の左面から左方に突出している。変位部82は、例えば円柱状に形成されている。変位部82は、第5位置(
図5参照)と第6位置(
図6参照)との間で変位する。実施形態2の変位部82は、左右方向に沿って平行移動することで、第5位置と第6位置との間で変位する。
【0104】
本開示でいう「第5位置」は、連動部6が第3位置に位置する場合の変位部82の位置、及び、モータ3への電力供給がオフ状態となる変位部82の位置を含む。また、本開示でいう「第6位置」は、連動部6が第4位置に位置する場合の変位部82の位置、及び、モータ3への電力供給がオン状態となる変位部82の位置を含む。
【0105】
実施形態2の第1スイッチ部8aは、変位部82が第5位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオフ状態にし、変位部82が第6位置に位置する場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。言い換えると、実施形態2の第1スイッチ部8aは、変位部82が本体部81側に押し込まれている場合にモータ3への電力供給をオフ状態にし、変位部82が本体部81側に押し込まれていない場合にモータ3への電力供給をオン状態にする。
【0106】
図5に示すように、連動部6の先端部64は、連動部6が第3位置に位置する場合に、第1スイッチ部8aの変位部82を本体部81側へ押し込み、変位部82を第5位置に位置させる。一方、
図6に示すように、連動部6の先端部64は、連動部6が第4位置に位置する場合に、第1スイッチ部8aの変位部82から離れた状態となる。連動部6の先端部64が第1スイッチ部8aの変位部82から離れている場合、変位部82は第6位置に位置する。言い換えると、連動部6の先端部64は、連動部6が第4位置に位置する場合に、変位部82を第6位置に位置させる。
【0107】
実施形態2の電動工具1によれば、例えばマイクロスイッチ等の比較的安価なスイッチを第1スイッチ部8aとして用いるため、製造コストを下げることができるという利点がある。
【0108】
以下、実施形態2の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0109】
第1スイッチ部8aは、変位部82が本体部81側に押し込まれている場合にモータ3への電力供給をオン状態にし、変位部82が本体部81側に押し込まれていない場合にモータ3への電力供給をオフ状態にしてもよい。この場合、連動部6の先端部64は、連動部6が第3位置に位置する場合に第1スイッチ部8aの変位部82から離れ、連動部6が第4位置に位置する場合に変位部82を本体部81側へ押し込む。
【0110】
第1スイッチ部8aの変位部82は、上下方向若しくは前後方向に沿って平行移動すること、又は、回転移動することで、第5位置と第6位置との間で変位するように構成されていてもよい。
【0111】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る電動工具(1)は、モータ(3)と、スイッチ部(第1スイッチ部8;第1スイッチ部8a)と、ハウジング(2)と、操作部(5)と、連動部(6)と、を備える。モータ(3)は、先端工具(B1)を回転させる。スイッチ部は、モータ(3)への電力供給をオンオフする。ハウジング(2)は、モータ(3)を収容する。操作部(5)は、ハウジング(2)の外部に設けられ、操作に応じて第1位置と第2位置との間で変位する。連動部(6)は、操作部(5)の変位に応じて、第3位置と第4位置との間で変位する。ハウジング(2)は、スイッチ部を収容する。スイッチ部は、連動部(6)が第3位置に位置する場合にモータ(3)への電力供給をオフ状態にし、連動部(6)が第4位置に位置する場合にモータ(3)への電力供給をオン状態にする。
【0112】
この態様によれば、スイッチ部(第1スイッチ部8;第1スイッチ部8a)がハウジング(2)の内部に設けられているため、スイッチ部がハウジング(2)の外部に露出している場合と比べて、スイッチ部に衝撃が加わることを低減することができる。したがって、スイッチ部が故障する可能性を低減させることができる。
【0113】
第2の態様に係る電動工具(1)では、第1の態様において、ハウジング(2)は貫通孔(24)を有する。貫通孔(24)は、操作部(5)と対向する位置に形成されている。連動部(6)はカバー部(62)を有する。カバー部(62)は、貫通孔(24)を塞ぐように形成されている。操作部(5)は、第1位置から第2位置に変位することで、貫通孔(24)の貫通方向に沿ってカバー部(62)を変位させる。連動部(6)は、カバー部(62)が操作部(5)によって変位されることで、第3位置から第4位置に変位する。
【0114】
この態様によれば、カバー部(62)がハウジング(2)の貫通孔(24)を塞ぐように形成されているため、ハウジング(2)の内部に砂や埃等が入ることを低減することができる。
【0115】
第3の態様に係る電動工具(1)では、第2の態様において、操作部(5)は、第1位置から第2位置に変位することで、ハウジング(2)の内部に向けてカバー部(62)を変位させる。
【0116】
この態様によれば、ハウジング(2)の外部に向けてカバー部(62)を変位させる構成と比べて、操作部(5)及び連動部(6)の構成をシンプルにすることができる。
【0117】
第4の態様に係る電動工具(1)では、第2又は第3の態様において、カバー部(62)の主面(621)は、連動部(6)が第3位置に位置する場合に、ハウジング(2)の表面と面一である。
【0118】
この態様によれば、カバー部(62)の主面(621)とハウジング(2)の表面とが面一となるため、例えば操作部(5)がハウジング(2)から取り外されている場合に、ユーザが主面(621)に誤って触れることで、電動工具(1)が誤作動する可能性を低減することができる。
【0119】
第5の態様に係る電動工具(1)は、第2から第4のいずれかの態様において、弾性部材(9)を更に備える。弾性部材(9)は、操作部(5)が操作されていない場合にカバー部(62)の主面(621)がハウジング(2)の表面と面一になるように、連動部(6)に力を加える。
【0120】
この態様によれば、弾性部材(9)の弾性力によってカバー部(62)の主面(621)とハウジング(2)の表面とが面一となるため、カバー部(62)の主面(621)とハウジング(2)の表面とが面一となる状態を保持することができる。
【0121】
第6の態様に係る電動工具(1)では、第1から第5のいずれかの態様において、操作部(5)は、ハウジング(2)に対して着脱可能に構成されている。
【0122】
この態様によれば、例えば先端工具(B1)を押し込むことで動作する電動工具(1)である場合に、ユーザは操作部(5)をハウジング(2)から取り外した状態で電動工具(1)を使用することができるため、利便性を向上させることができる。
【0123】
第7の態様に係る電動工具(1)では、第1から第6のいずれかの態様において、連動部(6)は、磁石(66)を有する。スイッチ部(第1スイッチ部8)は、磁石(66)の磁気を検知する磁気センサを有する。スイッチ部は、磁気センサによって検知される磁気に応じてモータ(3)への電力供給をオンオフする。
【0124】
この態様によれば、スイッチ部(第1スイッチ部8)に連動部(6)を接触させることなくモータ(3)への電力供給をオンオフすることができるため、スイッチ部が故障する可能性を低減することができる。
【0125】
第8の態様に係る電動工具(1)では、第1から第6のいずれかの態様において、スイッチ部(第1スイッチ部8a)は、第5位置と第6位置との間で変位する変位部(82)を有する。スイッチ部は、変位部(82)が第5位置に位置する場合にモータ(3)への電力供給をオフ状態にし、変位部(82)が第6位置に位置する場合にモータ(3)への電力供給をオン状態にする。連動部(6)は、第3位置に位置する場合に、スイッチ部の変位部(82)を第5位置に位置させる。連動部(6)は、第4位置に位置する場合に、スイッチ部の変位部(82)を第6位置に位置させる。
【0126】
この態様によれば、例えばマイクロスイッチ等の比較的安価なスイッチをスイッチ部(第1スイッチ部8a)として用いることで、製造コストを下げることができるという利点がある。
【0127】
第9の態様に係る電動工具(1)では、第1から第8のいずれかの態様において、連動部(6)は、回転軸(連結軸92)を中心として第3位置と第4位置との間で回転可能に構成されている。
【0128】
この態様によれば、連動部(6)が回転軸(連結軸92)を中心とした回転方向に変位する構成とすることで、例えば連動部(6)が平行移動するように変位する構成と比べて、シンプルな構成とすることができる。
【0129】
第10の態様に係る電動工具(1)は、第1から第9のいずれかの態様において、スイッチ部としての第1スイッチ部(8;8a)とは別の第2スイッチ部(10)を更に備える。第2スイッチ部(10)は、先端工具(B1)がモータ(3)に近付く側に変位した場合に、モータ(3)への電力供給をオン状態にする。
【0130】
この態様によれば、異なる2種類の操作方法にて先端工具(B1)を回転させることができるため、利便性を向上させることができる。また、操作部(5)がハウジング(2)から取り外されている状態であっても、電動工具(1)を使用することができる。
【0131】
第1の態様以外の構成については、電動工具(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 電動工具
2 ハウジング
24 貫通孔
3 モータ
5 操作部
6 連動部
62 カバー部
66 磁石
621 主面
8、8a 第1スイッチ部(スイッチ部)
82 変位部
9 弾性部材
92 連結軸(回転軸)
10 第2スイッチ部
B1 先端工具