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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162915
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】モータ、ディスク駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/04 20060101AFI20231101BHJP
   G11B 33/12 20060101ALI20231101BHJP
   G11B 17/038 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H02K5/04
G11B33/12 313U
G11B17/038
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073629
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 尚之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和博
(72)【発明者】
【氏名】内堀 友紀
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605BB05
5H605BB14
5H605BB19
5H605CC01
5H605CC02
5H605CC03
5H605CC10
5H605DD05
5H605DD09
5H605EA07
5H605EB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】剛性を維持しつつ、ロータフランジ部の軸方向厚さを薄くするモータ、ディスク駆動装置を提供する。
【解決手段】モータ100のロータ筒部122は、ヨーク筒部31と、ハブ筒部21と、を有する。ヨーク筒部31は、ハブ筒部21の径方向内側面に配置される。ハブ筒部21は、ヨーク筒部31を介してマグネット125を保持する。ロータフランジ部123は、ロータ筒部122の軸方向一方端部から径方向外方に広がり、少なくとも第1ヨークフランジ部32を有する。第1ヨークフランジ部32は、ヨーク筒部31の軸方向一方端部から径方向外方に広がる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸に沿って延びるシャフトと、
前記シャフトの軸方向一方側で径方向に広がるベース部と、
前記ベース部よりも軸方向他方に配置され、前記シャフトを囲むステータと、
前記中心軸を中心として回転可能なロータと、
を備え、
前記ロータは、
前記ステータを囲むロータ筒部と、
前記ステータと径方向に対向するマグネットと、
前記ロータ筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がるロータフランジ部と、
を有し、
前記ロータ筒部は、ヨーク筒部と、ハブ筒部と、を有し、
前記ヨーク筒部は、前記ハブ筒部の径方向内側面に配置され、
前記ハブ筒部は、前記ヨーク筒部を介して前記マグネットを保持し、
前記ロータフランジ部は、少なくとも第1ヨークフランジ部を有し、
前記第1ヨークフランジ部は、前記ヨーク筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がる、モータ。
【請求項2】
前記ロータフランジ部は、ハブフランジ部をさらに有し、
前記ハブフランジ部は、前記ハブ筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がるとともに、前記第1ヨークフランジ部の軸方向他方端部に配置され、
前記ハブフランジ部の軸方向厚さは、前記第1ヨークフランジ部の軸方向厚さ以下である、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ロータフランジ部は、前記第1ヨークフランジ部で構成される、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記ロータは、
前記ロータ筒部の軸方向一方端部のうちの径方向内端部に配置されて周方向に延びる第1面と、
前記ロータフランジ部の軸方向一方端部のうちの径方向外端部に配置されて周方向に延びる第2面と、
の少なくともどちらかを有し、
前記第1面は、周方向から見て、径方向内方に向かうにつれて軸方向他方に向かって真っ直ぐに延び、
前記第2面は、周方向から見て、径方向外方に向かうにつれて軸方向他方に向かって真っ直ぐに延びる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項5】
前記ロータは、前記ヨーク筒部よりも軸方向他方に配置され、前記ハブ筒部から径方向内方に広がるハブ環状部をさらに有し、
前記ヨーク筒部の軸方向他方端部は、前記ハブ環状部と隙間を有して軸方向に対向する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項6】
前記ロータは、前記ヨーク筒部の軸方向他方端部から径方向内方に延びる第2ヨークフランジ部をさらに有し、
前記第2ヨークフランジ部の少なくとも一部は、前記マグネットと軸方向に重なる、請求項1に記載のモータ。
【請求項7】
前記ロータフランジ部の軸方向他方端面は、
径方向及び周方向に広がる第1軸方向他方端面と、
前記第1軸方向他方端面とは異なる径方向位置に配置されて径方向及び周方向に広がる第2軸方向他方端面と、
を含み、
前記第2軸方向他方端面は、前記第1軸方向他方端面よりも軸方向一方に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項8】
前記ロータフランジ部の軸方向他方端面は、径方向において前記第1軸方向他方端面及び前記第2軸方向他方端面間に配置されて径方向及び周方向に広がる第3軸方向他方端面をさらに含み、
前記第3軸方向他方端面は、前記第1軸方向他方端面よりも軸方向一方、且つ、前記第2軸方向他方端面よりも軸方向他方に配置される、請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記第1軸方向他方端面の表面粗さは、前記ロータフランジ部の軸方向他方端面のうちの前記第1軸方向他方端面以外の領域の表面粗さよりも低い、請求項7又は請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
前記ロータは、径方向に凹んで周方向に延びる溝部をさらに有し、
前記溝部は、前記ヨーク筒部の径方向外側面と、前記ハブ筒部の径方向内側面とのうちの少なくともどちらかに配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項11】
前記ベース部は、
軸方向一方に凹んで、前記ロータフランジ部と軸方向に対向するベース凹部と、
前記ベース凹部の軸方向他方を向く底面から軸方向他方に突出する板状のリブと、
を有し、
前記リブの径方向端部は、前記ベース凹部の径方向を向く内側面に接続される、請求項1に記載のモータ。
【請求項12】
請求項1から請求項3、請求項7から請求項8、及び、請求項10から請求項11のいずれか1項に記載のモータと、
前記モータの前記ロータに支持されるディスク状の記憶媒体と、
前記記憶媒体に対して情報の読み出し及び書き込みのうちの少なくともどちらかを行うアクセス部と、
を備える、ディスク駆動装置。
【請求項13】
前記モータ、前記記憶媒体、及び前記アクセス部を収容するハウジングをさらに備え、
前記ハウジングには、空気よりも密度が低い気体が充填される、請求項12に記載のディスク駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、ディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクドライブなどのディスク駆動装置には、ディスク状の記憶媒体を回転させるスピンドルモータが搭載される。たとえば、スピンドルモータの固定部では、ベース部にシャフトが固定される。回転部は、シャフトに固定された円錐軸受部材により回転可能に支持されたハブを有する。ハブは、内周面側にロータマグネットが固定される外側円筒部を有する。外側円筒部の下端部周縁には、半径方向外側に延在するフランジ部が形成される。フランジ部は、ディスク載置部として機能する。また、ベース部の上面には、フランジ部の一部を収容する環状凹部が形成される。(たとえば特開2021-87279号公報参照)
【0003】
また、近年では、要求されるデータ容量が増加しており、そのため、モータに実装されるディスクの数も増加傾向にある。より多くのディスクを実装するためには、最下層のディスクをベース部により近付ける必要がある。これに応じてフランジ部がより下方に配置されるため、環状凹部をより深くする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-87279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、環状凹部をより深くすると、環状凹部の直下においてベース部の厚さがより薄くなる。そのため、モータ駆動時にこの薄厚部分で、振動及び騒音が発生し易い。一方、フランジ部を薄くすれば、環状凹部をより浅くできるが、フランジ部の剛性の低下により、ディスクの実装及びクランプの際にフランジ部が変形する虞がある。
【0006】
本発明は、剛性を維持しつつ、ロータフランジ部の軸方向厚さを薄くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的なモータは、シャフトと、ベース部と、ステータと、ロータと、を備える。前記シャフトは、軸方向に延びる中心軸に沿って延びる。前記ベース部は、前記シャフトの軸方向一方側で径方向に広がる。前記ステータは、前記ベース部よりも軸方向他方に配置され、前記シャフトを囲む。前記ロータは、前記中心軸を中心として回転可能である。前記ロータは、ロータ筒部と、マグネットと、ロータフランジ部と、を有する。前記ロータ筒部は、前記ステータを囲む。前記マグネットは、前記ステータと径方向に対向する。前記ロータフランジ部は、前記ロータ筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がる。前記ロータ筒部は、ヨーク筒部と、ハブ筒部と、を有する。前記ヨーク筒部は、前記ハブ筒部の径方向内側面に配置される。前記ハブ筒部は、前記ヨーク筒部を介して前記マグネットを保持する。前記ロータフランジ部は、少なくとも第1ヨークフランジ部を有する。前記第1ヨークフランジ部は、前記ヨーク筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がる。
【0008】
本発明の例示的なディスク駆動装置は、上記のモータと、ディスク状の記憶媒体と、アクセス部と、を備える。前記記憶媒体は、前記モータの前記ロータに支持される。前記アクセス部は、前記記憶媒体に対して情報の読み出し及び書き込みのうちの少なくともどちらかを行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明の例示的なモータ、ディスク駆動装置によれば、剛性を維持しつつ、ロータフランジ部の軸方向厚さを薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ディスク駆動装置の構成例を示す断面図である。
図2図2は、モータの構成例を示す断面図である。
図3図3は、図2の破線で囲まれた部分IIIの拡大図である。
図4図4は、ロータフランジ部の他の構成例を示す断面図である。
図5A図5Aは、周方向から見たリブの構成例を示す断面図である。
図5B図5Bは、リブが配置されたベース凹部の斜視図である。
図6A図6Aは、溝部の第1配置例を示す断面図である。
図6B図6Bは、溝部の第2配置例を示す断面図である。
図6C図6Cは、溝部の第3配置例を示す断面図である。
図7図7は、第1変形例に係るロータフランジ部の構成例を示す図である。
図8図8は、第2変形例に係るロータフランジ部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0012】
なお、本明細書では、ディスク駆動装置500及びモータ100において、中心軸CXと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。軸方向のうち、後述するロータ120からベース部140への向きを「軸方向一方Da1」と呼び、ベース部140からロータ120への向きを「軸方向他方Da2」と呼ぶ。
【0013】
また、中心軸CXに直交する方向を「径方向」と呼び、中心軸CXを中心とする回転方向を「周方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸CXへと近づく向きを「径方向内方Di」と呼び、中心軸CXから離れる向きを「径方向外方Do」と呼ぶ。各々の構成要素において、径方向内方Diにおける端部を「径方向内端部」と呼び、径方向外方Doにおける端部を「径方向外端部」と呼ぶ。また、各々の構成要素の側面において、径方向内方Diを向く側面を「径方向内側面」と呼び、径方向外方Doを向く側面を「径方向外側面」と呼ぶ。
【0014】
また、本明細書において、「環状」は、中心軸CXを中心とする周方向の全域に渡って切れ目の無く連続的に一繋がりとなる形状のほか、中心軸CXを中心とする全域の一部に1以上の切れ目を有する形状を含む。また、中心軸CXを中心として、中心軸CXと交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
【0015】
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
【0016】
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
【0017】
<1.ディスク駆動装置500>
図1は、ディスク駆動装置500の構成例を示す断面図である。図1は、中心軸CXを含む仮想の平面で切断されたディスク駆動装置500の断面構造を示す。
【0018】
本実施形態のディスク駆動装置500は、ハードディスクドライブである。ディスク駆動装置500は、モータ100と、記憶媒体510と、アクセス部520と、を備える。記憶媒体510は、ディスク状であって、モータ100に後述するロータ120に支持される。アクセス部520は、記憶媒体510に対して情報の読み出し及び書き込みのうちの少なくともどちらかを行う。ディスク駆動装置500では、後述するように、モータ100において、剛性を維持しつつ、ロータフランジ部123の軸方向厚さをより薄くできる。ロータフランジ部123の薄化をベース部140の厚化に還元することで、ベース部140の剛性を向上できる。また、モータ100の振動及び騒音の発生を効果的に抑制できる。
【0019】
記憶媒体510は、情報が記録される媒体である。本実施形態では、記憶媒体510の材料は、アルミニウム又はその合金である。なお、記憶媒体510の数は、本実施形態では図1に示すように10枚であるが、この例示に限定されない。記憶媒体510の数は、単数であってもよいし、10以外の複数であってもよい。記憶媒体510は、ロータ120の径方向外側面に配置され、スペーサ540を介して軸方向に積層される。記憶媒体510は、モータ100により、中心軸CXを中心として回転可能に支持される。また、ディスク駆動装置500が動作する際、記憶媒体510は、モータ100の駆動により回転する。
【0020】
アクセス部520は、複数のヘッド521と、複数のアーム522と、ヘッド移動機構523と、を有する。ヘッド521は、記憶媒体510の表面に接近して、記憶媒体510に記録された情報の読み出しと、記憶媒体510への情報の書き込みとのうちの少なくともいずれか一方を磁気的に行う。ヘッド521は、アーム522の一方端部(言い換えると、アーム522のモータ100側の端部であり、中心軸CXを基準とする径方向内端部)に配置され、アーム522に支持される。アーム522の他方端部は、アーム522のヘッド移動機構523側の端部(言い換えると、中心軸CXを基準とする径方向外端部)であり、ヘッド移動機構523に支持される。
【0021】
また、ディスク駆動装置500は、ハウジング530をさらに備える。ハウジング530は、モータ100、記憶媒体510、及びアクセス部520を収容する。ハウジング530は、底板531と、側板532と、天板533と、を有する。底板531及び天板533は、中心軸CXと垂直な方向に広がる。底板531には、モータ100が配置される。側板532は、底板531の外縁部から軸方向他方Da2に延び、モータ100、記憶媒体510、及びアクセス部520を囲む。側板532は、本実施形態では底板531と一体であるが、底板531とは別体であってもよい。天板533は、側板532の軸方向他方端部に配置され、側板532の軸方向他方端部の開口を覆う。底板531及びベース部140と、側板532及び天板533とは、ハウジング530内の気密性が損なわれないように組み合わされる。
【0022】
底板531、側板532、及び天板533は、モータ100のベース部140とともに、密閉空間をハウジング530の内部に形成する。ハウジング530(つまり上述の密閉空間)には、空気よりも密度が低い気体Gが充填される。この気体Gは、本実施形態ではヘリウムガスが用いられる。但し、この例示に限定されず、気体Gには、水素ガス、He及びH2の混合気体などが用いられてもよい。こうすれば、モータ100及び記憶媒体510の回転駆動時にロータ120及び記憶媒体510に作用する流体抵抗を低減できる。
【0023】
<2.モータ100>
次に、図1から図3を参照して、モータ100の構成を説明する。図2は、モータ100の構成例を示す断面図である。図2は、中心軸CXを含む仮想の平面で切断されたモータ100の断面構造を示す。図3は、図2の破線で囲まれた部分IIIの拡大図である。
【0024】
モータ100は、本実施形態では直流のスピンドルモータである。モータ100は、シャフト110と、ロータ120と、ステータ130と、ベース部140と、を備える。
【0025】
<2-1.シャフト110>
シャフト110は、円柱形状であり、中心軸CXに沿って延びる。中心軸CXは、軸方向に沿って延びる。前述の如く、モータ100は、シャフト110を備える。シャフト110は、中心軸CXを中心として回転可能にロータ120を支持する。シャフト110は、たとえば、ステンレスなどの金属により形成される。シャフト110の軸方向一方端部は、ベース部140に連結される。シャフト110の軸方向他方端部は、ハウジング530の天板533に固定される。
【0026】
また、シャフト110の軸方向の両端部において、シャフト110の径方向外側面には、一対のスラスト筒部111が配置される。モータ100は、一対のスラスト筒部111をさらに備える。一対のスラスト筒部111は、軸方向に延びる筒状である。各々のスラスト筒部111は、シャフト110と一体であってもよいし、別体であってもよい。各々のスラスト筒部111は、ロータ120の後述するスリーブ1と軸方向に対向し、スリーブ1との間に隙間を有する。
【0027】
なお、本実施形態では、シャフト110は、回転不能な固定軸である。但し、この例示は、シャフト110が回転可能である構成を排除しない。たとえば、シャフト110は、ロータ120ともに回転可能であってもよい。この際、シャフト110の軸方向一方端部は、軸受部材を介してベース部140に対して回転可能に支持されてもよい。
【0028】
<2-2.ロータ120>
ロータ120は、中心軸CXを中心として回転可能である。前述の如く、モータ100は、ロータ120を備える。ロータ120は、ロータ環状部121と、ロータ筒部122と、ロータフランジ部123と、クランプ部材124と、マグネット125と、を備える。
【0029】
ロータ環状部121は、中心軸CXを中心にしてシャフト110を囲む。
【0030】
ロータ筒部122は、ロータ環状部121の径方向外端部から軸方向一方Da1に延びる筒状であり、ステータ130よりも径方向外方Doに配置される。前述の如く、ロータ120は、ロータ筒部122を有する。ロータ筒部122は、ステータ130を囲む。
【0031】
本実施形態では、ロータ筒部122は、第1面1221を有する。言い換えると、ロータ120は、第1面1221を有する。第1面1221は、ロータ筒部122の軸方向一方端部のうちの径方向内端部に配置されて、周方向に延びる。第1面1221は、周方向から見て、径方向内方Diに向かうにつれて軸方向他方Da2に向かって真っ直ぐに延びる。第1面1221は、中心軸CXを囲む円環形状である。
【0032】
ロータフランジ部123は、ロータ筒部122の軸方向一方端部から径方向外方Doに広がり、周方向に延びる。前述の如く、ロータ120は、ロータフランジ部123を有する。後述するように、ロータフランジ部123は、少なくとも第1ヨークフランジ部32を有する。
【0033】
また、本実施形態では、ロータフランジ部123は、第2面1231を有する。言い換えると、ロータ120は、第2面1231を有する。第2面1231は、ロータフランジ部123の軸方向一方端部のうちの径方向内端部に配置されて、周方向に延びる。第2面1231は、周方向から見て、径方向外方Doに向かうにつれて軸方向他方Da2に向かって真っ直ぐに延びる。第2面1231は、中心軸CXを囲む円環形状である。
【0034】
なお、上述の例示に限定されず、第1面1221及び第2面1231のどちらかは省略されてもよい。つまり、ロータ120は、第1面1221及び第2面1231のうちの少なくともどちらかを有すればよい。
【0035】
こうすれば、たとえば、ロータ120の軸方向一方端部において、ロータ筒部122の径方向内方Di側の角部とロータフランジ部123の径方向外方Do側の角部とのうちの少なくともどちらかに、この角部の角を斜めに切り落とすいわゆるC面取り(chamfer)を周方向に渡って配置できる。なお、上述の径方向内方Di側の角部は、ロータ筒部122の軸方向一方端面と径方向内側面とが成す角の部分である。上述の径方向外方Do側の角部は、ロータフランジ部123の軸方向一方端面と径方向外側面とが成す角の部分である。
【0036】
このように構成することで、ロータ筒部122の軸方向一方端部及びロータフランジ部123と、ベース部140との間に十分なクリアランスを維持しつつ、ベース部140の剛性を向上できる。たとえば、ロータ筒部122の軸方向一方端部及びロータフランジ部123とのクリアランスを維持するための後述するベース凹部142がベース部140に形成されていても、上述の面取り部分を配置することで、ベース凹部142をより小さくできる。つまり、ベース凹部142により薄くなる部分(以下、薄厚部分143と呼ぶ。)をより少なくできるので、ベース部140の剛性を向上でき、モータ100の振動及び騒音の発生を抑制できる。
【0037】
また、好ましくは、ロータフランジ部123の軸方向他方端面には、段差126が配置される。たとえば、図3に示すように、ロータフランジ部123の軸方向他方端面は、第1軸方向他方端面1261と、第2軸方向他方端面1262と、を含む。第1軸方向他方端面1261は、径方向及び周方向に広がる。第2軸方向他方端面1262は、第1軸方向他方端面1261とは異なる径方向位置に配置されて、径方向及び周方向に広がる。第2軸方向他方端面1262は、第1軸方向他方端面1261よりも軸方向一方Da1に配置される。第1軸方向他方端面1261は、好ましくは第2軸方向他方端面1262よりも径方向外方Doに配置され、さらに好ましくはロータフランジ部123の軸方向他方端面の径方向外端部に配置される。
【0038】
また、ロータフランジ部123の軸方向他方端面は、第1接続面1263をさらに含む。第1接続面1263は、少なくとも軸方向及び周方向に広がり、第1軸方向他方端面1261及び第2軸方向他方端面1262を接続する。たとえば、第1接続面1263の軸方向他方端部は、第1軸方向他方端面1261の径方向内端部に接続される。第1接続面1263の軸方向一方端部は、第2軸方向他方端面1262の径方向外端部に接続される。
【0039】
こうすれば、たとえばロータフランジ部123の軸方向他方端部にディスク状の記憶媒体510などが配置される場合、第1軸方向他方端面1261上に載置される記憶媒体510が第2軸方向他方端面1262とは接触しない。従って、ディスク状の記憶媒体510が軸方向と垂直な水平面から傾くことを防止できる。よって、モータ100の駆動により記憶媒体510を回転させる際における記憶媒体510の振動及び騒音の発生を防止できる。また、ディスク状の記憶媒体510を中心軸CXに対してより水平に配置できるので、記憶媒体510に対する書き込み及び読み出しをより精度良く実施できる。従って、記憶媒体510の記憶容量を向上できる。
【0040】
図3では、段差126は、単数であるが、この例示に限定されず、複数であってもよい。図4は、ロータフランジ部123の他の構成例を示す断面図である。図4は、図3の破線で囲まれた部分IVに対応する。
【0041】
たとえば、図4では、段差126は、2段である。ロータフランジ部123の軸方向他方端面は、第3軸方向他方端面1264をさらに含む。第3軸方向他方端面1264は、径方向において第1軸方向他方端面1261及び第2軸方向他方端面1262間に配置されて、径方向及び周方向に広がる。好ましくは、第3軸方向他方端面1264は、第1軸方向他方端面1261よりも径方向内方Diに配置され、第2軸方向他方端面1262よりも径方向外方Doに配置される。
【0042】
第1接続面1263は、第1軸方向他方端面1261及び第3軸方向他方端面1264を接続する。たとえば、第1接続面1263の軸方向他方端部は、第1軸方向他方端面1261の径方向内端部に接続される。第1接続面1263の軸方向一方端部は、第3軸方向他方端面1264の径方向外端部に接続される。
【0043】
また、ロータフランジ部123の軸方向他方端面は、第2接続面1265をさらに含む。第2接続面1265は、少なくとも軸方向及び周方向に広がり、第3軸方向他方端面1264及び第2軸方向他方端面1262を接続する。たとえば、第2接続面1265の軸方向他方端部は、第3軸方向他方端面1264の径方向内端部に接続される。第2接続面1265の軸方向一方端部は、第2軸方向他方端面1262の径方向外端部に接続される。
【0044】
第3軸方向他方端面1264は、第1軸方向他方端面1261よりも軸方向一方Da1、且つ、第2軸方向他方端面1262よりも軸方向他方Da2に配置される。こうすれば、第3軸方向他方端面1264とロータフランジ部123の軸方向一方端面との軸方向における間隔(つまり軸方向厚さ)は、第2軸方向他方端面1262とロータフランジ部123の軸方向一方端面との軸方向における間隔よりも大きい。従って、ディスク状の記憶媒体510が軸方向と垂直な水平面から傾くことを防止しつつ、ロータフランジ部123の剛性を向上できる。従って、たとえば、ロータ120に記憶媒体510を取り付ける際でのロータフランジ部123の変形を防止できる。
【0045】
なお、図4の例示に限定されず、段差126は、2以上の複数であってもよい。
【0046】
上述の段差126が配置される構成において、好ましくは、第1軸方向他方端面1261の表面粗さは、ロータフランジ部123の軸方向他方端面のうちの第1軸方向他方端面1261以外の領域の表面粗さよりも低い。たとえば、第1軸方向他方端面1261の表面粗さは、第2軸方向他方端面1262の表面粗さ、及び、第3軸方向他方端面1264の表面粗さよりも粗い。
【0047】
なお、表面粗さの評価には、JIS B 0601,ISO25178などに規定された指標、測定方法を用いることができる。たとえば、表面粗さの評価には、算術平均粗さRa、最大粗さRy,十点平均粗さRzなどを採用できる。
【0048】
こうすれば、ロータフランジ部123の第1軸方向他方端面1261の表面をより滑らかにできる。従って、たとえばロータフランジ部123の軸方向他方端部にディスク状の記憶媒体510などが配置される場合、記憶媒体510のバランス調整を行い易くすることができる。さらに、バランス調整によってロータ120のバランスが向上するので、振動及び、騒音を低減することができる。
【0049】
なお、上述の例示は、段差126が省略される構成を排除しない。たとえば、ロータフランジ部123の軸方向他方端面は、フラットであってもよい。この場合、好ましくは、ロータフランジ部123の軸方向他方端面の表面粗さは、たとえば、ロータフランジ部123の軸方向一方端面の表面粗さよりも低くされる。
【0050】
クランプ部材124は、ロータフランジ部123とともに記憶媒体510を支持する。詳細には、クランプ部材124の径方向内端部は、ロータ環状部121に支持される。クランプ部材124は、軸方向においてロータフランジ部123との間に、スペーサ540を介して積層された記憶媒体510を挟む。
【0051】
マグネット125は、ロータ筒部122の内周面に固定される。前述の如く、ロータ120は、マグネット125を有する。マグネット125は、ステータ130と径方向に対向する。マグネット125では、互いに異なる磁極(N極及びS極)が周方向において交互に配列する。マグネット125は、中心軸CXを囲む環状であってもよいし、周方向に配置される複数の磁石片を含む構成であってもよい。
【0052】
<2-3.ステータ130>
ステータ130は、シャフト110を囲む環状であって、ベース部140よりも軸方向他方Da2に配置される。前述の如く、モータ100は、ステータ130を備える。ステータ130は、ロータ120のマグネット125と径方向に対向し、電力の供給に応じてロータ120を回転させる。
【0053】
ステータ130は、ステータコア131を有する。ステータコア131は、中心軸CXを中心とする環状の磁性体が、複数積層された積層構造体であって、ベース部140に固定される。ステータコア131は、径方向外側に突出する複数のティース(図示省略)を有する。
【0054】
また、ステータ130は、導線(図示省略)がコイル状に巻回されたコイル部132をさらに有する。各々のコイル部132は、絶縁体(図示省略)を介して導線がティースに巻かれることで形成される。
【0055】
<2-4.ベース部140>
ベース部140は、シャフト110の軸方向一方Da1側で径方向に広がる。前述の如く、モータ100は、ベース部140を備える。ベース部140は、本実施形態では、シャフト110の軸方向一方端部から径方向外方に広がる。ベース部140は、たとえば鋳造にて成型され、本実施形態ではアルミダイキャストである。なお、ベース部140は、本実施形態では底板531と一体であるが、この例示に限定されず別体であってもよい。
【0056】
ベース部140には、開口141が配置される。開口141は、ベース部140を軸方向に貫通する。シャフト110の軸方向一方端部は、開口141に挿通され、ベース部140に固定される。
【0057】
また、ベース部140は、ベース凹部142をさらに有する。ベース凹部142は、軸方向一方Da1に凹んで、ロータフランジ部123と軸方向に対向する。ベース凹部142は、中心軸CXを中心とする環状の溝であり、ベース部140の軸方向他方Da2側に配置される。ベース凹部142の開口部は、ロータフランジ部123を臨む。また、ベース凹部142は、軸方向から見てロータフランジ部123の全てと重なり、ロータフランジ部123の少なくとも軸方向一方端部を収容する。
【0058】
ベース凹部142の内面は、底面1421と、径方向内方Di側の内側面1422と、径方向外方Do側の内側面1423と、を含む。底面1421及び内側面1422,1423は、中心軸CXを中心とする円環形状である。底面1421は、径方向に広がって、周方向に延びる。底面1421は、軸方向他方Da2を向き、ロータ筒部122の軸方向一方端部及びロータフランジ部123と隙間を有して軸方向に対向する。内側面1422は、底面1421の径方向内端部から軸方向他方Da2及び径方向内方Diに広がって、周方向に延びる。内側面1422は、ロータ筒部122の第1面1221と隙間を有して対向する。内側面1423は、底面1421の径方向外端部から軸方向他方Da2及び径方向外方Doに広がって、周方向に延びる。内側面1423は、ロータフランジ部123の第2面1231と隙間を有して対向する。
【0059】
ベース凹部142の内部には、リブ144が配置されてもよい。図5Aは、周方向から見たリブ144の構成例を示す断面図である。図5Bは、リブ144が配置されたベース凹部142の斜視図である。図5Aは、図3の破線で囲まれた部分IVに対応する。
【0060】
リブ144は、板状であって、ベース凹部142の軸方向他方Da2を向く底面1421から軸方向他方Da2に突出する。ベース部140は、リブ144を有する。リブ144の径方向端部は、ベース凹部142の径方向を向く内側面1422,1423に接続される。ベース凹部142内にリブ144を配置することによって、ベース凹部142の配置に伴うベース部140の剛性の低下を抑制又は防止できる。
【0061】
図5A及び図5Bでは、リブ144は、複数であって、周方向に並ぶ。好ましくは、複数のリブ144は、周方向において等間隔に配置される。但し、上述の例示は、複数のリブ144が周方向において異なる間隔で配置される構成を排除しないし、リブ144が単数である構成を排除しない。リブ144の数、形状、配置などは、ベース部140で発生し得る振動周波数、振動次数により適宜設定し得る。但し、図5A及び図5Bの例示は、ベース凹部142の内部にリブ144が配置されない構成を排除しない。
【0062】
<2-5.ロータ120の詳細な構成>
次に、ロータ120の詳細な構成を説明する。ロータ120は、スリーブ1と、ロータハブ2と、ヨーク3と、をさらに備える。
【0063】
<2-5-1.スリーブ1>
スリーブ1は、中心軸CXを囲む筒状である。スリーブ1には、シャフト110が挿通される。スリーブ1は、金属材料、樹脂材料などを用いて形成され、シャフト110によって中心軸CXを中心として回転可能に支持される。スリーブ1は、シャフト110及びスラスト筒部111と対向し、これらとの間に隙間を有する。この隙間には、潤滑油、ガスなどの流体(図示省略)が充填される。
【0064】
スリーブ1は、一対のスリーブ凹部11と、一対のエンドキャップ12と、動圧溝(図示省略)と、を有する。
【0065】
各々のスリーブ凹部11は、スリーブ1の軸方向の両端部に配置され、スリーブ1の軸方向の端部から中央部に向かって凹む。スリーブ凹部11の内部には、スラスト筒部111が収容される。
【0066】
各々のエンドキャップ12は、スリーブ1の軸方向の両端部においてスリーブ凹部11に嵌め込まれて、径方向におけるシャフト110とスリーブ1の軸方向端部との間を覆う。エンドキャップ12は、径方向に隙間を有してシャフト110を囲む環状であり、スラスト筒部111よりも軸方向の外側(スリーブ1の軸方向の中央部から端部に向かう方向)に配置される。
【0067】
また、スリーブ1の内面には、動圧溝が配置される。動圧溝は、シャフト110及びスラスト筒部111とスリーブ1との間に介在する流体に動圧を発生させるための溝である。なお、動圧溝は、シャフト110側及びスラスト筒部111側に配置されてもよい。スリーブ1とシャフト110及びスラスト筒部111とが流体を介して対向する部分のうち、動圧溝を有する部分は、流体動圧軸受として機能する。流体動圧軸受は、ロータ120を回転可能に支持する。詳細には、シャフト110に対してロータ120が回転する際、上述の部分では、動圧溝によって、流体に動圧が発生する。この動圧によって、スリーブ1とシャフト110及びスラスト筒部111との間が離間する。これにより、両者が非接触な状態で、ロータ120が回転可能に支持される。なお、上述の例示に限定されず、ロータ120を回転可能に支持する軸受部は、流体動圧軸受以外であってもよく、たとえば玉軸受、滑り軸受などであってもよい。
【0068】
<2-5-2.ロータハブ2>
ロータハブ2は、スリーブ1の径方向外端部に固定され、スリーブ1とともに、中心軸CXを中心として回転可能である。ロータハブ2は、スリーブ1と一体であってもよいし、別体であってもよい。本実施形態では、ロータハブ2には、アルミニウム系の金属材料が用いられる。こうすれば、記憶媒体510と接する部材の熱膨張率の差をより小さくできるので、駆動時の熱歪みを抑制又は防止できる。但し、この例示に限定されず、ロータハブ2には、アルミニウム系以外の金属材料、樹脂材料が用いられてもよい。
【0069】
ロータハブ2は、ハブ筒部21と、ハブフランジ部22と、ハブ環状部23と、を有する。ハブ筒部21は、軸方向に延びる筒状であり、ステータ130よりも径方向外方Doに配置される。ハブフランジ部22は、ハブ筒部21の軸方向一方端部から径方向外方Doに広がる。ハブ環状部23は、ヨーク3(特に、後述するヨーク筒部31)よりも軸方向他方に配置され、ハブ筒部21の軸方向他方端部から径方向内方Diに広がる。ロータ120は、ハブ環状部23を有する。ハブ環状部23の径方向内端部は、スリーブ1に接続される。
【0070】
<2-5-3.ヨーク3>
ヨーク3は、ロータハブ2(特にハブフランジ部22)よりも剛性が高い磁性体材料を用いて形成される。本実施形態では、ヨーク3の材料は、フェライト系又はマルテンサイト系のステンレス鋼である。本実施形態では、ヨーク3は、接着剤Bによりロータハブ2に固定される。但し、上述の例示に限定されず、ヨーク3は、ロータハブ2と一体成型されてもよい。
【0071】
ヨーク3は、ヨーク筒部31と、第1ヨークフランジ部32と、第2ヨークフランジ部33と、を有する。
【0072】
ヨーク筒部31は、ハブ筒部21の径方向内側面に配置される。ヨーク筒部31の径方向内側面には、マグネット125が配置される。本実施形態では、ヨーク筒部31は、中心軸CXを中心とする筒状であって、ステータ130を囲む。但し、上述の例示に限定されず、ヨーク筒部31は、軸方向に延びる複数のヨーク片が周方向に並ぶ構成であってもよい。
【0073】
ヨーク筒部31は、ハブ筒部21とともに、ロータ筒部122を構成する。言い換えると、ロータ筒部122は、ヨーク筒部31と、ハブ筒部21と、を有する。ハブ筒部21は、ヨーク筒部31を介して、マグネット125を保持する。
【0074】
好ましくは、ヨーク筒部31の軸方向他方端部は、ハブ環状部23と隙間を有して軸方向に対向する。
【0075】
こうすれば、たとえば接着剤Bを用いてヨーク筒部31をハブ筒部21の径方向内側面に固定する際、両者間からはみ出る接着剤Bを上述の隙間に溜めることができる。従って、接着剤Bがヨーク筒部31よりも径方向内方Diにはみ出てモータ100の他の部分(ステータ130など)に付着することを抑制できる。特に、コイル部132及びロータ120(たとえばハブ環状部23)間に接着剤Bが介在することで生じる、ロータ120の回転不良及びスタックなどを防止できる。
【0076】
また、ヨーク筒部31をハブ筒部21の径方向内側面に配置する際、第1ヨークフランジ部32を少なくともハブ筒部21の軸方向一方端部に接触させることができる。また、ハブフランジ部22が第1ヨークフランジ部32の軸方向他方端部に配置される場合、確実に、ハブフランジ部22に対して第1ヨークフランジ部32を軸方向に接触させることができる。従って、ロータフランジ部123の剛性をより確実に向上できる。
【0077】
ヨーク筒部31は、ハブ筒部21の径方向内端部に圧入され、接着剤Bを介してハブ筒部21の径方向内端部に固定される。但し、上述の例示に限定されず、ヨーク筒部31は、焼き嵌めにより、ハブ筒部21の径方向内端部に配置されてもよい。また、これらの際、接着剤Bは省略されてもよい。或いは、ヨーク筒部31は、ハブ筒部21と一体成型されてもよい。
【0078】
ここで、ハブ筒部21の径方向内側面、及び、ヨーク筒部31の径方向外側面のうちの少なくともどちらかには、径方向に凹んで周方向に延びる溝部1222が配置されてもよい。ロータ120は、溝部1222を有する。図6Aは、溝部1222の第1配置例を示す断面図である。図6Bは、溝部1222の第2配置例を示す断面図である。図6Cは、溝部1222の第3配置例を示す断面図である。図6Aから図6Cは、図3の破線で囲まれた部分VIに対応する。
【0079】
たとえば、図6Aでは、溝部1222は、ハブ溝部211を有する。ハブ溝部211は、ハブ筒部21の径方向内側面に配置され、径方向外方Doに凹んで、周方向に延びる。ハブ溝部211は、周方向に渡って一繋がりの環状であってもよいし、周方向に延びる円弧形状であってもよい。
【0080】
図6Aでは、ヨーク筒部31は、圧入又は焼き嵌めによってハブ筒部21の径方向内側面に配置され、接着剤Bによりハブ筒部21の径方向内側面に接続される。ハブ溝部211には、ハブ筒部21及びヨーク筒部31間に介在する接着剤Bの一部が収容される。
【0081】
また、図6Aでは、ハブ溝部211は、複数であって、軸方向に並ぶ。但し、この例示に限定されず、ハブ溝部211は、単数であってもよい。
【0082】
次に、図6B及び図6Cでは、溝部1222は、ヨーク溝部311を有する。ヨーク溝部311は、ヨーク筒部31の径方向外側面に配置され、径方向内方Diに凹んで、周方向に延びる。ヨーク溝部311は、周方向に渡って一繋がりの環状であってもよいし、周方向に延びる円弧形状であってもよい。
【0083】
図6Bでは、ヨーク筒部31は、圧入又は焼き嵌めによってハブ筒部21の径方向内側面に配置され、接着剤Bによりハブ筒部21の径方向内側面に接続される。ヨーク溝部311には、ハブ筒部21及びヨーク筒部31間に介在する接着剤Bの一部が収容される。
【0084】
また、図6Cでは、ヨーク筒部31は、ハブ筒部21と一体成型される。ヨーク溝部311には、ハブ筒部21の一部212が収容される。
【0085】
また、図6B及び図6Cでは、ヨーク溝部311は、複数であって、軸方向に並ぶ。但し、この例示に限定されず、ヨーク溝部311は、単数であってもよい。
【0086】
なお、図6Aから図6Cの例示に限定されず、溝部1222は、ハブ溝部211及びヨーク溝部311の両方を有してもよい。また、溝部1222は、ハブ溝部211及びヨーク溝部311の少なくともどちらかとともに、少なくとも軸方向に延びる単数又は複数の溝をヨーク筒部31の径方向外側面及びハブ筒部21の径方向内側面の少なくともどちらかにさらに有してもよい。或いは、溝部1222は、ハブ溝部211及びヨーク溝部311の少なくともどちらかに代えて、少なくとも軸方向に延びる単数又は複数の溝をヨーク筒部31の径方向外側面及びハブ筒部21の径方向内側面の少なくともどちらかに有してもよい。
【0087】
また、溝部1222の断面形状は、図6Aから図6Cの例示に限定されない。断面形状は、半円形状であってもよいし、三角形,矩形などのn角形状(nは3以上の正の整数)であってもよい。
【0088】
溝部1222の配置により、ハブ筒部21の径方向内側面にヨーク筒部31が配置し易くなる。たとえば、ハブ筒部21の径方向内側面にヨーク筒部31を圧入する際、溝部1222の配置によって両者の接触面積が低減する。従って、ハブ筒部21に対するヨーク筒部31の圧入抵抗を軽減できる。よって、ヨーク筒部31が圧入し易くなるとともに、圧入抵抗によるハブ筒部21,ヨーク筒部31の変形を防止できる。
【0089】
また、図6A及び図6Bのように接着剤Bを用いてハブ筒部21の径方向内側面にヨーク筒部31を固定する場合、接着剤Bを溝部1222に溜めることができる。従って、両者間に接着剤Bを十分に介在させることができる。よって、ハブ筒部21に対するヨーク筒部31の固定強度を向上できる。
【0090】
図6Cのようにヨーク筒部31を金型に設置してハブ筒部21をインサート成形する場合、溝部1222は、ヨーク筒部31の径方向外側面に配置される。この場合、両者間の接触面積の増大により、ハブ筒部21に対するヨーク筒部31の密着性を向上できる。また、溝部1222には、ハブ筒部21の一部212が嵌り込んで配置される。従って、溝部1222に対するハブ筒部21の一部212の嵌合構造により、ハブ筒部21に対するヨーク筒部31の固定強度を向上できる。
【0091】
なお、上述の例示は、ハブ筒部21の径方向内側面、及び、ヨーク筒部31の径方向外側面の両方に溝部1222が配置されない構成を排除しない。
【0092】
次に、第1ヨークフランジ部32は、ヨーク筒部31の軸方向一方端部から径方向外方Doに広がり、周方向に延びる。本実施形態では、第1ヨークフランジ部32は、中心軸CXを囲む環状である。また、第1ヨークフランジ部32は、接着剤Bを介して、ハブ筒部21の軸方向一方端部に固定される。但し、この例示に限定されず、第1ヨークフランジ部32は、軸方向においてハブ筒部21の軸方向一方端部と直接に接してもよい。或いは、第1ヨークフランジ部32は、ハブフランジ部22と一体成型されてもよい。
【0093】
本実施形態では、第1ヨークフランジ部32は、ハブフランジ部22とともにロータフランジ部123を構成する。ロータフランジ部123が第1ヨークフランジ部32を有することで、剛性を維持しつつ、ロータフランジ部123の軸方向厚さをより薄くできる。従って、ベース部140のうちのロータフランジ部123近傍の薄厚部分143の軸方向厚さをより厚くできる。なお、薄厚部分143は、たとえば、ベース凹部142の底面1421とベース部140の軸方向一方端面との間の部分である。ロータフランジ部123の薄化をベース部140の厚化に還元することで、ベース部140の剛性を向上できる。さらに、モータ100を駆動する際、ベース部140の薄厚部分143が振動することを抑制できるので、モータ100の振動及び騒音の発生を効果的に抑制できる。
【0094】
また、ロータフランジ部123は、ハブフランジ部22をさらに有する。ハブフランジ部22は、第1ヨークフランジ部32の軸方向他方端部に配置される。好ましくは、ハブフランジ部22の軸方向厚さW1は、第1ヨークフランジ部32の軸方向厚さW2以下である(図3参照)。なお、軸方向厚さW1は、ハブフランジ部22の最も軸方向他方Da2側の部分と軸方向一方端面との間の軸方向における間隔である。たとえば、図3では、軸方向厚さW1は、第1軸方向他方端面1261とハブフランジ部22の軸方向一方端面との軸方向間隔である。軸方向厚さW2は、第1ヨークフランジ部32の軸方向他方端面と軸方向一方端面との間の軸方向における間隔である。軸方向厚さW2は、たとえば、0.6mm以上且つ1.2mm以下とされる。好ましくは、軸方向厚さW2は、0.8mm以上且つ1.1mm以下とされる。この範囲であれば、剛性を維持しつつ、ロータフランジ部123を薄くできる。なお、W2<0.6mmであると、剛性が維持し難い。W2>1.2mmであると、ベース部140の薄厚部分143の薄化により、振動及び騒音が生じる虞がある。
【0095】
軸方向厚さW1が第1ヨークフランジ部32の軸方向厚さW2以下のハブフランジ部22を第1ヨークフランジ部32の軸方向他方端部に配置することにより、ロータフランジ部123の軸方向厚さの増大を抑制しつつ、ロータフランジ部123の軸方向他方側にハブフランジ部22を配置できる。従って、ロータフランジ部123の軸方向他方側の部分(つまりハブフランジ部22)に、軸方向一方側の部分(第1ヨークフランジ部32)とは異なる材料を用いることができる。このように構成することで、たとえばロータフランジ部123の軸方向他方端部にディスク状の記憶媒体510などが配置される場合、記憶媒体510と熱膨張係数が近い材料をハブフランジ部22に用いることができる。従って、記憶媒体510及びハブフランジ部22の熱膨張係数の違いに起因するロータフランジ部123の熱歪みを抑制できる。
【0096】
また、ハブフランジ部22よりも剛性の高い材料を第1ヨークフランジ部32に用いることで、ロータフランジ部123の軸方向厚さの増大を抑制しつつ、ロータフランジ部123の剛性を維持又は向上できる。
【0097】
但し、上述の例示は、W1>W2である構成を排除しない。
【0098】
第2ヨークフランジ部33は、ヨーク筒部31の軸方向他方端部から径方向内方Diに延び、周方向に広がる。ロータ120は、第2ヨークフランジ部33を有する。本実施形態では、第2ヨークフランジ部33は、中心軸CXを囲む環状である。第2ヨークフランジ部33は、マグネット125よりも軸方向他方Da2に配置される。
【0099】
第2ヨークフランジ部33の少なくとも一部は、マグネット125と軸方向に重なり、たとえばマグネット125の軸方向他方端部に配置される。こうすれば、マグネット125の磁束を第2ヨークフランジ部33内に通すことができるので、マグネット125の磁束漏れを抑制できる。また、マグネット125の軸方向他方端部を第2ヨークフランジ部33と接触させることにより、マグネット125を配置する際に、その軸方向における位置決めを容易に実施できる。さらに、第2ヨークフランジ部33の配置により、たとえば接着剤Bを用いてヨーク筒部31をハブ筒部21の径方向内側面に固定する際、両者間からはみ出る接着剤Bが第2ヨークフランジ部33よりも径方向内方にはみ出ることを抑制できる。従って、接着剤Bがモータ100の他の部分(ステータ130など)に付着することをさらに抑制できる。
【0100】
<3.実施形態の変形例>
次に、実施形態の第1変形例及び第2変形例について説明する。以下では、上述の実施形態と異なる構成について説明する。また、上述の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。なお、上述の実施形態、第1変形例、及び第2変形例は、特に矛盾を生じない範囲において任意に組み合わせることができる。
【0101】
<3-1.第1変形例>
図7は、第1変形例に係るロータフランジ部123の構成例を示す図である。図7は、図2の破線で囲まれた部分IIIに対応する。
【0102】
第1変形例では、ロータフランジ部123は、第1ヨークフランジ部32で構成される。つまり、ロータフランジ部123は、第1ヨークフランジ部32のみを有する。ロータフランジ部123及びロータハブ2は、ハブフランジ部22を有さない。こうすれば、ロータフランジ部123の軸方向厚さをさらに薄くできる。従って、ベース凹部142の軸方向幅をより小さくできる。よって、薄厚部分143の厚化により、ベース部140の剛性をさらに向上できる。
【0103】
<3-2.第2変形例>
図8は、第2変形例に係るロータフランジ部123の構成例を示す図である。図8は、図2の破線で囲まれた部分IIIに対応する。
【0104】
第2変形例では、ヨーク3は、たとえば摩擦撹拌接合、溶接などにより、ロータハブ2の軸方向一方端部に接続される。ロータ筒部122は、少なくともヨーク筒部31で構成される。また、ロータフランジ部123は、第1ヨークフランジ部32で構成される。
【0105】
図8では、ヨーク筒部31は、ハブ筒部21の軸方向一方端部から軸方向一方Da1に延びる。なお、図8の例示に限定されず、ハブ筒部21は省略されてもよい。ヨーク筒部31は、ハブ環状部23の径方向外端部から軸方向一方Da1に延びてもよい。
【0106】
第3変形例によれば、ベース凹部142の軸方向幅を小さくでき、ベース部140の剛性をさらに向上できる。さらに、ロータ筒部122及びロータフランジ部123の剛性を向上できる。従って、ディスク状の記憶媒体510の実装、及び、クランプ部材124でロータフランジ部123との間に記憶媒体510を挟み込む際に作用する力によるロータ筒部122及びロータフランジ部123の変形を防止できる。
【0107】
<4.総括>
以下では、これまでに説明した実施形態及びその変形例について総括的に述べる。
【0108】
たとえば、本明細書に開示されているモータは、
軸方向に延びる中心軸に沿って延びるシャフトと、
前記シャフトの軸方向一方側で径方向に広がるベース部と、
前記ベース部よりも軸方向他方に配置され、前記シャフトを囲むステータと、
前記中心軸を中心として回転可能なロータと、
を備え、
前記ロータは、
前記ステータを囲むロータ筒部と、
前記ステータと径方向に対向するマグネットと、
前記ロータ筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がるロータフランジ部と、
を有し、
前記ロータ筒部は、ヨーク筒部と、ハブ筒部と、を有し、
前記ヨーク筒部は、前記ハブ筒部の径方向内側面に配置され、
前記ハブ筒部は、前記ヨーク筒部を介して前記マグネットを保持し、
前記ロータフランジ部は、少なくとも第1ヨークフランジ部を有し、
前記第1ヨークフランジ部は、前記ヨーク筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がる構成(第1の構成)とされる。
【0109】
なお、上記第1の構成のモータは、
前記ロータフランジ部は、ハブフランジ部をさらに有し、
前記ハブフランジ部は、前記ハブ筒部の軸方向一方端部から径方向外方に広がるとともに、前記第1ヨークフランジ部の軸方向他方端部に配置され、
前記ハブフランジ部の軸方向厚さは、前記第1ヨークフランジ部の軸方向厚さ以下である構成(第2の構成)にしてもよい。
【0110】
或いは、上記第1の構成のモータは、ロータフランジ部は、前記第1ヨークフランジ部で構成される構成(第3の構成)にしてもよい。
【0111】
また、上記第1から第3のいずれかの構成のモータは、
前記ロータは、
前記ロータ筒部の軸方向一方端部のうちの径方向内端部に配置されて周方向に延びる第1面と、
前記ロータフランジ部の軸方向一方端部のうちの径方向外端部に配置されて周方向に延びる第2面と、
の少なくともどちらかを有し、
前記第1面は、周方向から見て、径方向内方に向かうにつれて軸方向他方に向かって真っ直ぐに延び、
前記第2面は、周方向から見て、径方向外方に向かうにつれて軸方向他方に向かって真っ直ぐに延びる構成される構成(第4の構成)にしてもよい。
【0112】
また、上記第1から第4のいずれかの構成のモータは、
前記ロータは、前記ヨーク筒部よりも軸方向他方に配置され、前記ハブ筒部から径方向内方に広がるハブ環状部をさらに有し、
前記ヨーク筒部の軸方向他方端部は、前記ハブ環状部と隙間を有して軸方向に対向する構成(第5の構成)にしてもよい。
【0113】
また、上記第1から第5のいずれかの構成のモータは、
前記ロータは、前記ヨーク筒部の軸方向他方端部から径方向内方に延びる第2ヨークフランジ部をさらに有し、
前記第2ヨークフランジ部の少なくとも一部は、前記マグネットと軸方向に重なる構成(第6の構成)にしてもよい。
【0114】
また、上記第1から第6のいずれかの構成のモータは、
前記ロータフランジ部の軸方向他方端面は、
径方向及び周方向に広がる第1軸方向他方端面と、
前記第1軸方向他方端面とは異なる径方向位置に配置されて径方向及び周方向に広がる第2軸方向他方端面と、
を含み、
前記第2軸方向他方端面は、前記第1軸方向他方端面よりも軸方向一方に配置される構成(第7の構成)にしてもよい。
【0115】
なお、上記第7の構成のモータは、
前記ロータフランジ部の軸方向他方端面は、径方向において前記第1軸方向他方端面及び前記第2軸方向他方端面間に配置されて径方向及び周方向に広がる第3軸方向他方端面をさらに含み、
前記第3軸方向他方端面は、前記第1軸方向他方端面よりも軸方向一方、且つ、前記第2軸方向他方端面よりも軸方向他方に配置される構成(第8の構成)にしてもよい。
【0116】
また、上記第7又は第8の構成のモータは、
前記第1軸方向他方端面の表面粗さは、前記ロータフランジ部の軸方向他方端面のうちの前記第1軸方向他方端面以外の領域の表面粗さよりも低い構成(第9の構成)にしてもよい。
【0117】
また、上記第1から第9のいずれかの構成のモータは、
前記ロータは、径方向に凹んで周方向に延びる溝部をさらに有し、
前記溝部は、前記ヨーク筒部の径方向外側面と、前記ハブ筒部の径方向内側面とのうちの少なくともどちらかに配置される構成(第10の構成)にしてもよい。
【0118】
また、上記第1から第10のいずれかの構成のモータは、
前記ベース部は、
軸方向一方に凹んで、前記ロータフランジ部と軸方向に対向するベース凹部と、
前記ベース凹部の軸方向他方を向く底面から軸方向他方に突出する板状のリブと、
を有し、
前記リブの径方向端部は、前記ベース凹部の径方向を向く内側面に接続される構成(第11の構成)にしてもよい。
【0119】
また、たとえば、本明細書に開示されているディスク駆動装置は、
上記第1から第11のいずれかの構成のモータと、
前記モータの前記ロータに支持されるディスク状の記憶媒体と、
前記記憶媒体に対して情報の読み出し及び書き込みのうちの少なくともどちらかを行うアクセス部と、
を備える構成(第12の構成)とされる。
【0120】
なお、上記第12の構成のディスク駆動装置は、
前記モータ、前記記憶媒体、及び前記アクセス部を収容するハウジングをさらに備え、
前記ハウジングには、空気よりも密度が低い気体が充填される構成(第13の構成)にしてもよい。
【0121】
<5.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、ロータを精度良く回転させるモータ、及び、該モータによってディスクを駆動する装置に有用である。
【符号の説明】
【0123】
100・・・モータ、110・・・シャフト、111・・・スラスト筒部、120・・・ロータ、121・・・ロータ環状部、122・・・ロータ筒部、1221・・・第1面、1222・・・溝部、123・・・ロータフランジ部、1231・・・第2面、124・・・クランプ部材、125・・・マグネット、126・・・段差、1261・・・第1軸方向他方端面、1262・・・第2軸方向他方端面、1263・・・第1接続面、1264・・・第3軸方向他方端面、1265・・・第2接続面、130・・・ステータ、131・・・ステータコア、132・・・コイル部、140・・・ベース部、141・・・開口、142・・・ベース凹部、1421・・・底面、1422、1423・・・内側面、143・・・薄厚部分、144・・・リブ、1・・・スリーブ、11・・・スリーブ凹部、12・・・エンドキャップ、2・・・ロータハブ、21・・・ハブ筒部、211・・・ハブ溝部、212・・ハブ筒部の一部、22・・・ハブフランジ部、23・・ハブ環状部、3・・・ヨーク、31・・・ヨーク筒部、311・・・ヨーク溝部、32・・・第1ヨークフランジ部、33・・・第2ヨークフランジ部、500・・・ディスク駆動装置、510・・・記憶媒体、520・・・アクセス部、521・・・ヘッド、522・・・アーム、523・・・ヘッド移動機構、530・・・ハウジング、531・・・底板、532・・・側板、533・・・天板、540・・・スペーサ、CX・・・中心軸、G・・・気体、B・・・接着剤、Da1・・・軸方向一方、Da2・・・軸方向他方、Di・・・径方向内方、Do・・・径方向外方
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8