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特開2023-162969端末装置のためのアプリケーションプログラム、端末装置によって実行される方法、及び、端末装置
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  • 特開-端末装置のためのアプリケーションプログラム、端末装置によって実行される方法、及び、端末装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162969
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】端末装置のためのアプリケーションプログラム、端末装置によって実行される方法、及び、端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/332 20190101AFI20231101BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231101BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231101BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
G06F16/332
G06F3/0481
H04N1/00 127B
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073712
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阮 竜竜
【テーマコード(参考)】
2C061
5B175
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB10
2C061CQ04
2C061CQ23
5B175DA01
5B175HB01
5C062AA05
5C062AB38
5C062AC38
5C062AF14
5E555AA13
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA09
5E555BA27
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC17
5E555BC19
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB37
5E555CB42
5E555CC05
5E555CC19
5E555DB11
5E555DB45
5E555DB53
5E555DC05
5E555DC18
5E555DC53
5E555DC63
5E555EA04
5E555EA14
5E555EA26
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させる技術を提供すること。
【解決手段】端末装置は、表示部と、1個以上の文字の入力をユーザから受け付ける受付部と、メモリに記憶されている複数個の文字列のうち、1個以上の文字に前方一致するN1個(N1は1以上の整数)の文字列が、1個以上の文字に前方一致せずに部分一致するN2個(N2は1以上の整数)の文字列よりも上位に位置する第1の画面を表示部に表示させる第1の表示制御部と、を備えてもよい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置は、
表示部と、
コンピュータと、
を備え、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
1個以上の文字の入力をユーザから受け付ける受付部と、
メモリに記憶されている複数個の文字列のうち、前記1個以上の文字に前方一致するN1個(前記N1は1以上の整数)の文字列が、前記1個以上の文字に前方一致せずに部分一致するN2個(前記N2は1以上の整数)の文字列よりも上位に位置する第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部と、
として機能させる、アプリケーションプログラム。
【請求項2】
前記複数個の文字列のそれぞれは、複数種類の画像処理装置のそれぞれのモデル名である、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項3】
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記メモリに記憶されている前記複数個の文字列のそれぞれについて、当該文字列が前記1個以上の文字に前方一致するのか否かを判断することによって、前記N1個の文字列を特定する第1の特定部と、
前記メモリに記憶されている前記複数個の文字列のそれぞれについて、当該文字列が前記1個以上の文字に部分一致するのか否かを判断することによって、N3個(前記N3は1以上の整数)の文字列を特定する第2の特定部と、
特定済みの前記N3個の文字列から特定済みの前記N1個の文字列を除外することによって、前記N2個の文字列を特定する第3の特定部と、
として機能させ、
前記第1の表示制御部は、特定済みの前記N1個の文字列が特定済みの前記N2個の文字列よりも上位に位置する前記第1の画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項4】
前記第1の表示制御部は、前記第1の画面において、前記N2個の文字列のうち、前記1個以上の文字を前方に含む文字列ほど上位に配置する、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項5】
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記1個以上の文字のそれぞれが数字である場合に、前記メモリに記憶されている前記複数個の文字列のそれぞれから数字以外の文字列を除外して、前記複数個の文字列に対応する複数個の検索用文字列を特定する第4の特定部と、
特定済みの前記複数個の検索用文字列のうち、前記1個以上の文字に前方一致するN4個(前記N4は1以上の整数)の検索用文字列に対応するN4個の文字列が、前記1個以上の文字に前方一致せずに部分一致するN5個(前記N5は1以上の整数)の検索用文字列に対応するN5個の文字列よりも上位に表示されるように、前記N4個の文字列と前記N5個の文字列とを含む第2の画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
として機能させ、
前記アプリケーションプログラムは、前記1個以上の文字が数字以外の文字を含む場合に、前記コンピュータを前記第1の表示制御部として機能させる、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項6】
前記メモリは、さらに、前記複数個の文字列のそれぞれについて、当該文字列と、当該文字列がモデル名である画像処理装置が販売される地域を示す地域情報と、を関連付けて記憶し、
前記N1個の文字列のそれぞれは、前記複数個の文字列のうち、前記1個以上の文字に前方一致し、かつ、前記端末装置が現在利用されている端末利用地域を示す前記地域情報に関連付けられている文字列であり、
前記N2個の文字列のそれぞれは、前記複数個の文字列のうち、前記1個以上の文字に前方一致せず部分一致し、かつ、前記端末利用地域を示す前記地域情報に関連付けられている文字列である、
請求項2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項7】
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記端末装置の周囲に存在する画像処理装置を検索する検索部として機能させ、
前記第1の表示制御部は、検索によって見つかった前記画像処理装置のモデル名である文字列が、前記N1個の文字列と前記N2個の文字列とよりも上位に位置する前記第1の画面を前記表示部に表示させる、請求項2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項8】
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記端末装置の周囲に存在する画像処理装置を検索する検索部として機能させ、
前記第1の表示制御部は、前記第1の画面とは別に、検索によって見つかった前記画像処理装置のモデル名を含む第3の画面を前記表示部にさらに表示させる、請求項2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項9】
端末装置によって実行される方法であって、
前記端末装置は、表示部を備え、
前記方法は、
1個以上の文字の入力をユーザから受け付ける受付工程と、
メモリに記憶されている複数個の文字列のうち、前記1個以上の文字に前方一致するN1個(前記N1は1以上の整数)の文字列が、前記1個以上の文字に前方一致せずに部分一致するN2個(前記N2は1以上の整数)の文字列よりも上位に位置する第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御工程と、
を備える、方法。
【請求項10】
端末装置であって、
表示部と、
1個以上の文字の入力をユーザから受け付ける受付部と、
メモリに記憶されている複数個の文字列のうち、前記1個以上の文字に前方一致するN1個(前記N1は1以上の整数)の文字列が、前記1個以上の文字に前方一致せずに部分一致するN2個(前記N2は1以上の整数)の文字列よりも上位に位置する第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部と、
を備える、端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、文字列を表示するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示装置が開示されている。表示装置は、管理対象の複数個の機器を識別するための複数個の機器名を記憶する。表示装置は、文字の入力を受け付けると、当該文字に一致する文字を含む機器名を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-016186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、ユーザの利便性を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、端末装置のためのアプリケーションプログラムを開示する。前記端末装置は、表示部と、コンピュータと、を備えてもよい。前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、1個以上の文字の入力をユーザから受け付ける受付部と、メモリに記憶されている複数個の文字列のうち、前記1個以上の文字に前方一致するN1個(前記N1は1以上の整数)の文字列が、前記1個以上の文字に前方一致せずに部分一致するN2個(前記N2は1以上の整数)の文字列よりも上位に位置する第1の画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、端末装置は、1個以上の文字の入力を受け付ける場合に、メモリに記憶されている複数個の文字列のうち、当該1個以上の文字に前方一致するN1個の文字列を上位に表示し、当該1個以上の文字に前方一致せずに部分一致するN2個の文字列を下位に表示する。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0007】
上記のアプリケーションプログラムを格納するコンピュータ可読記録媒体、上記のアプリケーションプログラムによって実現される端末装置そのもの、及び、当該端末装置によって実行される方法も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】アプリケーションによって実行される処理のフローチャートを示す。
図3】ケースAのシーケンス図を示す。
図4】ケースBのシーケンス図を示す。
図5】アプリケーションによって実行される処理のフローチャートを示す。
図6】ケースCのシーケンス図を示す。
図7】ケースDのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、AP(Access Pointの略)6と、端末10と、プリンタ100と、を備える。端末10は、AP6によって形成されるLAN(Local Area Networkの略)に所属している。本実施例では、端末10を利用して、プリンタ100とAP6との間にWi-Fi接続を確立させることによって、プリンタ100をLANに所属させる技術を開示する。
【0010】
(端末10の構成)
端末10は、スマートフォン、タブレットPC、PDA等の可搬型の端末装置である。変形例では、端末10は、据置型の端末装置であってもよい。端末10は、操作部12と、表示部14と、通信インターフェース16と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0011】
操作部12は、ユーザからの様々な指示の入力を受け付けるためのI/Fである。ユーザは、操作部12を介して、様々な指示を端末10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネルであり、操作部12としても機能する。通信I/F16は、LANに接続されている。
【0012】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム36,38に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性等によって構成される。OS(Operating Systemの略)プログラム36は、端末10の基本的な動作を制御するためのプログラムである。アプリケーション38は、プリンタ(例えば100)に印刷を実行させたり、プリンタ(例えば100)とAP(例えば6)との間に無線接続を確立させたりするためのプログラムである。以下では、OSプログラム36、アプリケーション38のことを、それぞれ、「OS36」、「アプリ38」と記載する。アプリ38は、例えば、OS36のベンダによってインターネット上に設置されるサーバ(図示省略)から端末10にインストールされる。
【0013】
メモリ34は、さらに、モデル名リスト40と、利用地域情報と、を記憶する。モデル名リスト40は、複数種類のプリンタのモデル名のそれぞれについて、当該モデル名と、当該モデル名を有するプリンタが販売される地域を示す販売地域情報と、を関連付けて記憶する。モデル名リスト40は、アプリ38が端末10にインストールされる際に、メモリ34に記憶される。利用地域情報は、端末10が現在利用されている地域を示す情報であり、例えば、端末10の初期設定時にユーザによって指定される。
【0014】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば端末10の周辺装置)である。プリンタ100は、印刷機能に加えて、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100は、モデル名「ABCX-1234」を有する。プリンタ100は、操作部112と、表示部114と、通信I/F116と、印刷実行部118と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0015】
操作部112は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示をプリンタ100に入力することができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部114は、いわゆるタッチパネルであり、操作部112としても機能する。通信I/F116は、AP6との無線接続を確立するためのI/Fである。印刷実行部118は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。
【0016】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0017】
(アプリの処理;図2
続いて、図2を参照して、CPU32がアプリ38を実行することによって実現される処理を説明する。以下では、理解の容易化のために、CPU32を処理の主体として記載することに代えて、アプリ38を処理の主体として記載する。アプリ38は、アプリ38が起動された後に表示されるホーム画面(図3の画面SC0参照)において、ユーザからWi-Fiセットアップ操作を受け付ける場合に、図2の処理を開始する。「Wi-Fiセットアップ」とは、AP6との無線接続をプリンタ100に確立させることを意味する。
【0018】
S10では、アプリ38は、検索画面SC1を表示部14に表示させる。検索画面SC1は、モデル名の入力をユーザに促すメッセージと、モデル名入力領域R1と、OKボタンB1と、を含む。
【0019】
S12では、アプリ38は、検索画面SC1において1個以上の文字の入力を受け付けたのか否かを判断する。具体的には、アプリ38は、1個以上の文字がモデル名入力領域R1に入力された後に、OKボタンB1の選択を受け付ける場合に、S12でYESと判断してS14に進む。本実施例の「文字」とは、アルファベット及び数字を意味し、記号(例えば「-」)を含まない。従って、例えば、「ABCX-123」が入力される場合には、アプリ38は、「ABCX-123」から記号「-」を削除することによって得られる文字列「ABCX123」を入力済みの文字として、S14以降の処理を実行する。
【0020】
S14では、アプリ38は、S12で入力済みの文字が数字のみからなるのか否かを判断する。アプリ38は、入力済みの文字が数字のみからなる場合に、S14でYESと判断して、S18に進み、入力済みの文字がアルファベットを含む場合に、S14でNOと判断してS16に進む。
【0021】
S16では、アプリ38は、モデル名リスト40を利用して、第1の検索用モデル名リストを生成する。具体的には、アプリ38は、モデル名リスト40に含まれる各モデル名から記号「-」を削除することによって、第1の検索用モデル名リストを生成する。
【0022】
S18では、アプリ38は、モデル名リスト40を利用して、第2の検索用モデル名リストを生成する。具体的には、アプリ38は、モデル名リスト40に含まれる各モデル名からアルファベット及び記号「-」を削除することによって、第2の検索用モデル名リストを生成する。換言すると、第2の検索用モデル名リストは、数字のみからなる各文字列である。
【0023】
S20では、アプリ38は、第1の検索用モデル名リスト(S14でNOの場合)又は第2の検索用モデル名リスト(S14でYESの場合)に対して前方一致検索を実行する。以下では、S20以降の検索で利用される第1又は第2の検索用モデル名リストのことを「対象リスト」と記載する。具体的には、まず、アプリ38は、対象リストに含まれる1個の文字列を特定する。次いで、アプリ38は、入力済みの文字(S12参照)が特定済みの文字列に前方一致するのか否かを判断する。アプリ38は、入力済みの文字が特定済みの文字列に前方一致すると判断する場合に、特定済みの文字列の元のモデル名を第1の結果テーブルに記憶する。次いで、アプリ38は、対象リストに含まれる別の1個の文字列を特定し、上記と同様の処理を実行する。アプリ38は、対象リストに含まれるすべての文字列について、上記と同様の処理を実行すると、S20の処理を終了する。
【0024】
S22では、アプリ38は、S20で得られた第1の結果テーブルに含まれる各モデル名をソートする。具体的には、まず、アプリ38は、端末10のメモリ34に記憶済みの利用地域情報を特定する。次いで、アプリ38は、モデル名リスト40から、第1の結果テーブルに含まれる各モデル名に関連付けられている各販売地域情報を特定する。そして、アプリ38は、利用地域情報を含まない販売地域情報に関連付けられているモデル名を第1の結果テーブルから除外する。端末10のユーザが、利用地域情報を含まない販売地域情報に関連付けられているモデル名を有するプリンタを所持している可能性は低い。本実施例では、ユーザが所持している可能性が低いプリンタのモデル名が第1の結果テーブルから除外されるので、後述の検索結果画面SC2において当該モデル名が表示されない。この結果、ユーザは、検索結果画面SC2において、自身が所持しているプリンタのモデル名を適切に選択することができる。次いで、アプリ38は、第1の結果テーブルに含まれる各モデル名をアルファベット順にソートする。このようにして、アプリ38は、ソート済みの第1の結果テーブルを生成することができる。
【0025】
S24では、アプリ38は、対象リストに対して部分一致検索を実行する。具体的には、まず、アプリ38は、対象リストに含まれる1個の文字列を特定する。次いで、アプリ38は、入力済みの文字(S12参照)が特定済みの文字列に部分一致するのか否かを判断する。アプリ38は、入力済みの文字が特定済みの文字列に部分一致すると判断する場合に、特定済みの文字列の元のモデル名を第2の結果テーブルに記憶する。なお、「部分一致検索」は、「前方一致検索」を含む。従って、この段階での第2の結果テーブルは、S20で生成される第1の結果テーブルに含まれる各モデル名も含む。次いで、アプリ38は、対象リストに含まれる別の1個の文字列を特定し、上記と同様の処理を実行する。アプリ38は、対象リストに含まれるすべての文字列について、上記と同様の処理を実行すると、S24の処理を終了する。
【0026】
S26では、アプリ38は、S24で得られた第2の結果テーブルに含まれる各モデル名をソートする。まず、アプリ38は、S22と同様に、利用地域情報を含まない販売地域情報に関連付けられているモデル名を第2の結果テーブルから除外する。アプリ38は、さらに、S22で得られたソート済みの第1の結果テーブルに含まれる各モデル名を第2の結果テーブルから除外する。このため、アプリ38は、入力済みの文字に前方一致せずに部分一致する各文字列の元の各モデル名を含む第2の結果テーブルを生成することができる。
【0027】
次いで、アプリ38は、入力済みの文字を前方に含むモデル名ほど上位に位置するように、第2の結果テーブルに含まれる各モデル名をソートする。このようにして、アプリ38は、ソート済みの第2の結果テーブルを生成することができる。ソート済みの第2の結果テーブルでは、入力済みの文字を前方に含むモデル名ほど上位に位置するので、後述の検索結果画面SC2においても、入力済みの文字を前方に含むモデル名ほど上位に位置する。入力済みの文字を前方に含むモデル名ほど、ユーザが所持するプリンタのモデル名である可能性が高い。ユーザは、モデル名を構成するすべての文字列を覚えていないが、当該モデル名の前方の部分ほど覚えている可能性が高いからである。従って、ユーザが所持しているプリンタのモデル名がより上位に表示され得るので、ユーザの利便性が向上する。
【0028】
S30では、アプリ38は、検索結果画面SC2(図3等参照)を表示部14に表示させる。具体的には、アプリ38は、S22で得られたソート済みの第1の結果テーブルに含まれる各モデル名が、S26で得られたソート済みの第2の結果テーブルに含まれる各モデル名よりも上位に位置するように、検索結果画面を生成する。そして、アプリ38は、生成済みの検索結果画面を表示部14に表示させる。S30の処理が終了すると、図2の処理が終了する。
【0029】
(ケースA;図3
続いて、図3を参照して、図2の処理によって実現される具体的なケースAを説明する。図示省略しているが、図3の初期状態では、端末10とAP6との間にはWi-Fi接続が確立されている(即ち、端末10はLANに所属している)。
【0030】
端末10は、T10において、ユーザからアプリ起動操作(例えばアプリ38のアイコンを選択する操作)を受け付けると、T12において、アプリ38を起動させる。この場合、アプリ38は、T14において、ホーム画面SC0を表示部14に表示させる。ホーム画面SC0は、プリンタ(例えば100)に印刷を実行させるための印刷ボタンB2、Wi-Fiセットアップを開始するためのセットアップボタンB3等を含む。なお、図示省略しているが、ホーム画面SC0は、さらに、スキャンボタン、コピーボタン等の他のボタンを含んでいてもよい。
【0031】
アプリ38は、T16において、ユーザからWi-Fiセットアップ操作を受け付ける(図2のトリガ)。具体的には、アプリ38は、ユーザから、ホーム画面SC0内のセットアップボタンB3の選択を受け付ける。この場合、アプリ38は、T18において、検索画面SC1(図2のS10参照)を表示部14に表示させる(S10)。
【0032】
プリンタのモデル名を構成する全ての文字列を覚えていないが、当該モデル名のうちの前方の部分のみを覚えているユーザ存在し得る。本ケースでは、アプリ38は、T20において、このようなユーザから、検索画面SC1内のモデル名入力領域R1に文字「AB」(即ち、ユーザが所持しているプリンタ100のモデル名「ABCX-1234」の前方の一部)の入力を受け付けた後に、検索画面SC1内のOKボタンB1の選択を受け付ける(S12でYES)。この場合、入力済みの文字「AB」がアルファベットを含むので(S14でNO)、アプリ38は、T22において、モデル名リスト40を利用して、第1の検索用モデル名リストを生成する(S16)。
【0033】
アプリ38は、T24において、第1の検索用モデル名リストに対して前方一致検索を実行する(S20)。具体的には、まず、アプリ38は、第1の検索用モデル名リストに含まれる1個の文字列「ABCX1234」を特定する。入力済みの文字「AB」が、文字列「ABCX1234」に前方一致するので、アプリ38は、文字列「ABCX1234」の元のモデル名「ABCX-1234」を第1の結果テーブルに記憶する。同様に、アプリ38は、モデル名「ABCY-1234」を第1の結果テーブルに記憶する。このようにして、2つのモデル名「ABCX-1234」及び「ABCY-1234」を含む第1の結果テーブルが生成される。
【0034】
アプリ38は、T26において、第1の結果テーブルに含まれる各モデル名をソートする(S22)。具体的には、まず、アプリ38は、メモリ34に記憶済みの利用地域情報「JP」を特定する。次いで、アプリ38は、モデル名リスト40から、第1の結果テーブルに含まれるモデル名「ABCX-1234」に関連付けられている販売地域情報「JP」と、第1の結果テーブルに含まれるモデル名「ABCY-1234」に関連付けられている販売地域情報「US」と、を特定する。そして、アプリ38は、利用地域情報「JP」を含まない販売地域情報「US」に関連付けられているモデル名「ABCY-1234」を第1の結果テーブルから除外する。この結果、1個のモデル名「ABCX-1234」のみを含む第1の結果テーブルが生成される。第1の結果テーブルが1個のモデル名「ABCX-1234」のみを含むので、アプリ38は、アルファベット順にモデル名のソートを実行しない。この結果、1個のモデル名「ABCX-1234」のみを含むソート済みの第1の結果テーブルが生成される。
【0035】
次いで、アプリ38は、T30において、第1の検索用モデル名リストに対して部分一致検索を実行する(S24)。具体的には、まず、アプリ38は、第1の検索用モデル名リストに含まれる1個の文字列「ABCX1234」を特定する。入力済みの文字「AB」が文字列「ABCX1234」に部分一致するので、アプリ38は、文字列「ABCX1234」の元のモデル名「ABCX-1234」を第2の結果テーブルに記憶する。同様に、アプリ38は、モデル名「ABCY-1234」、「CABD-1234」、及び、「CDAB-4123」を第2の結果テーブルに記憶する。このようにして、4つのモデル名「ABCX-1234」、「ABCY-1234」、「DABC-1234」、及び、「CDAB-4123」を含む第2の結果テーブルが生成される。
【0036】
アプリ38は、T32において、第2の結果テーブルに含まれる各モデル名をソートする(S26)。具体的には、まず、アプリ38は、利用地域情報「JP」を含まない販売地域情報「US」に関連付けられているモデル名「ABCY-1234」を第2の結果テーブルから除外する。アプリ38は、さらに、ソート済みの第1の結果テーブルに含まれるモデル名「ABCX-1234」を第2の結果テーブルから除外する。次いで、アプリ38は、入力済み文字「AB」を前方に含むモデル名ほど上位に位置するように、第2の結果テーブルに含まれる各モデル名をソートする。具体的には、アプリ38は、「DABC-1234」、「CDAB-4123」の順にソートする。この結果、2個のモデル名「DABC-1234」及び「CDAB-4123」を含むソート済みの第2の結果テーブルが生成される。
【0037】
アプリ38は、T40において、検索結果画面SC2を表示部14に表示させる(S30)。検索結果画面SC2は、入力済みの文字「AB」が記述されたモデル名入力領域R1を含む。検索結果画面SC2では、ソート済みの第1の結果テーブルに含まれるモデル名「ABCX-1234」が、ソート済みの第2の結果テーブルに含まれる2個のモデル名「DABC-1234」及び「CDAB―4123」よりも上位に位置する。
【0038】
アプリ38は、T42において、ユーザから、検索結果画面SC2内の最上位のモデル名「ABCX-1234」の選択を受け付けると、T44において、手法画面SC3を表示部14に表示させる。手法画面SC3は、当該モデル名を有するプリンタ100とAP(例えば6)との間にWi-Fi接続を確立させるための手法(本ケースでは、プリンタのボタンの押下)をユーザに通知する画面である。アプリ38は、モデル名リスト40に含まれるモデル名毎に、当該モデル名を有するプリンタとAPとの間にWi-Fi接続を確立させるための手法を予め記憶している。そして、アプリ38は、選択済みのモデル名に対応する手法を示す手法画面SC3を表示部14に表示させる。
【0039】
ユーザは、手法画面SC3を見た後に、T50において、モデル名「ABCX-1234」を有するプリンタ100のボタンを押下する。この場合、T52において、端末10とプリンタ100との間でWi-Fiセットアップ処理が実行される。Wi-Fiセットアップ処理は、例えば、AP6によって形成される無線ネットワークのSSID(Service Set Identifierの略)及びパスワード(図示省略)が端末10からプリンタ100に送信される処理を含む。この結果、プリンタ100は、T54において、端末10から受信されたSSID及びパスワードを利用して、AP6とのWi-Fi接続を確立することができる。このために、端末10は、AP6を介して、プリンタ100に印刷を実行させることができる。
【0040】
(ケースAの効果)
上記の構成によると、アプリ38は、文字の入力を受け付ける場合(図2のS12でYES、図3のT20、図4のT120)に、メモリ34に記憶されているモデル名リスト40に含まれる複数個のモデル名のうち、入力済みの文字に前方一致するモデル名(ケースAでは、1個のモデル名「ABCX-1234」、ケースBでは、2個のモデル名「ABCX-1234」、「DABC-1234」)を上位に表示し、入力済みの文字に前方一致せずに部分一致するモデル名(ケースAでは、2個のモデル名「DABC-1234」、「CDAB-4123」、ケースBでは1個のモデル名「CDAB-4123」)を下位に表示する。従って、ユーザは、自身が所持しているプリンタ100のモデル名「ABCX-1234」を適切に選択することができる。このため、ユーザの利便性が向上する。
【0041】
(ケースB;図4
続いて、図4を参照して、ケースBを説明する。ケースBは、ユーザによって入力される文字が数字のみからなる点が、ケースAとは異なる。ケースBの初期状態はケースAの初期状態と同様である。T110~T118の処理は、図3のT10~T18の処理と同様である。
【0042】
プリンタのモデル名を構成する全ての文字列を覚えていないが、当該モデル名のうちの数字の部分のみを覚えているユーザが存在し得る。本ケースでは、アプリ38は、T120において、このようなユーザから、検索画面SC1内のモデル名入力領域R1に文字「123」(即ち、ユーザが所持しているプリンタ100のモデル名「ABCX-1234」の数字の部分の一部)の入力を受け付けた後に、検索画面SC1内のOKボタンB1の選択を受け付ける(図2のS12でYES)。この場合、入力済みの文字「123」が数字のみからなるので(S14でYES)、アプリ38は、T122において、モデル名リスト40を利用して、第2の検索用モデル名リストを生成する(S18)。
【0043】
T124の処理は、入力済みの文字が「123」である点、及び、第2の検索用モデル名リストが利用される点を除いて、図3のT24の処理と同様である。この結果、T124において、3個のモデル名「ABCX-1234」、「ABCY-1234」、及び、「CABD-1234」を含む第1の結果テーブルが生成される。T126の処理は、図3のT26の処理と同様である。この結果、2個のモデル名「ABCX-1234」及び「DABC-1234」を含むソート済みの第1の結果テーブルが生成される。
【0044】
T130の処理は、入力済みの文字が「123」である点、及び、第2の検索用モデル名リストが利用される点を除いて、図3のT30の処理と同様である。この結果、4個のモデル名「ABCX-1234」、「ABCY-1234」、「DABC-1234」、及び、「CDAB-4123」を含む第2の結果テーブルが生成される。T132の処理は、図3のT32の処理と同様である。この結果、1個のモデル名「CDAB-4123」を含むソート済みの第2の結果テーブルが生成される。
【0045】
アプリ38は、T140において、検索画面SC1において、検索結果画面SC2を表示部14に表示させる(S30)。検索結果画面SC2は、入力済みの文字「123」が記述されたモデル名入力領域R1を含む。検索結果画面SC2では、ソート済みの第1の結果テーブルに含まれる2個のモデル名「ABCX-1234」及び「DABC-1234」が、ソート済みの第2の結果テーブルに含まれる1個のモデル名「CDAB―4123」よりも上位に位置する。T142~T154の処理は、図3のT42~T54の処理と同様である。
【0046】
(ケースBの効果)
ケースBでも、ケースAと同様に、ユーザの利便性を向上させることができる。特に、ケースBでは、アプリ38は、検索画面SC1内のモデル名入力領域R1に数字のみが入力されても、第2の検索用モデル名リストを利用して、前方一致検索及び部分一致検索を適切に実行することができる。
【0047】
(対応関係)
端末10、プリンタ100、アプリ38が、それぞれ、「端末装置」、「画像処理装置」、「アプリケーションプログラム」の一例である。ソート済みの第1の結果テーブルに含まれるモデル名(図2のS22参照)、ソート済みの第2の結果テーブルに含まれるモデル名(S26参照)、ソート前の第2の結果テーブルに含まれるモデル名(S24参照)が、それぞれ、「N1個の文字列(及びN4個の文字列)」、「N2個の文字列(及びN5個の文字列)」、「N3個の文字列」の一例である。第2の検索用モデル名リストが、「複数の検索用文字列」の一例である。第2の検索用モデル名リストに含まれる入力済みの文字に前方一致する文字列、第2の検索用モデル名リストに含まれる部分一致する文字列のうち前方一致しない文字列が、それぞれ、「N4個の検索用文字列」、「N5個の検索用文字列」の一例である。図3のT40で表示される検索結果画面SC2、図4のT140で表示される検索結果画面SC2が、それぞれ、「第1の画面」、「第2の画面」の一例である。利用地域情報によって示される利用地域、販売地域情報が、それぞれ、「端末利用地域」、「地域情報」の一例である。
【0048】
図2のS12の処理、S30の処理が、それぞれ、「受付部」、「第1(及び第2)の表示制御部」によって実行される処理の一例である。S20の処理、S24の処理、S26の処理、S18の処理が、それぞれ、「第1の特定部」、「第2の特定部」、「第3の特定部」、「第4の特定部」によって実行される処理の一例である。
【0049】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。第2実施例では、第1実施例の構成に加えて、端末10の周囲に存在する装置の検索が実行される。
【0050】
(アプリの処理;図5
図5を参照して、CPU32がアプリ38を実行することによって実現される処理を説明する。図5では、図2と同様の処理には同様のステップ番号が付されている。以下では、図2と同様の処理の説明を省略し、図2の処理との相違点について説明する。
【0051】
S130では、アプリ38は、通信I/F16を介して、Probe Requestをブロードキャストによって送信する。以下では、Requestのことを「Req」と記載する。Probe Reqは、端末10の周囲に存在する親局(例えばWi-Fi Direct(登録商標)のGroup Owner)として動作する装置を検索するための信号である。
【0052】
S132では、アプリ38は、端末10の周囲に存在する装置からモデル名が受信されることを監視する。端末10の周囲に存在する親局として動作する装置によってProbe Reqが受信されると、当該装置は、親局として動作する当該装置によって形成される無線ネットワークのSSIDであって、当該装置のモデル名を含むSSIDを含むProbe Responseを、Probe Reqに対する応答として端末10に送信する。以下では、Responseのことを「Res」と記載する。アプリ38は、SSIDProbe Resが受信される場合に、S132でYESと判断して、S134に進む。一方、アプリ38は、Probe Resが受信されない場合に、S132でNOと判断してS136に進む。
【0053】
S134では、アプリ38は、受信済みのProbe Resに含まれるSSIDから、モデル名を抽出し、当該モデル名をメモリ34に記憶する。具体的には、アプリ38は、受信済みのProbe Resに含まれるSSIDが、モデル名リスト40に記憶されている文字列のいずれかと一致する場合に、当該SSIDをモデル名として抽出して、当該モデル名をメモリ34に記憶する。
【0054】
S136では、アプリ38は、S130においてProbe Reqを送信してから一定時間が経過したのか否かを判断する。アプリ38は、Probe Reqを送信してから一定時間が経過する場合に、S136でYESと判断してS140に進む。一方、アプリ38は、Probe Reqを送信してから一定時間が経過していない場合、S132の監視に戻る。
【0055】
S140では、アプリ38は、検索結果画面SC2(図6図7参照)を表示部14に表示させる。特に、アプリ38は、S134で受信済みのモデル名を、第1の結果テーブル及び第2の結果テーブルに含まれる各モデル名よりも優先的に表示させる。「優先的に表示させる」ことの具体的な態様については後述する。S140の処理が終了すると、図5の処理が終了する。
【0056】
(具体的なケース;図6
続いて、図6を参照して、図5の処理によって実現される具体的なケースを説明する。図示省略しているが、図6の初期状態では、端末10とAP6との間にはWi-Fi接続が確立されている(即ち、端末10はLANに所属している、図1参照)。T210~T218の処理は、図3のT10~T18の処理と同様である。また、図示省略しているが、プリンタ100は、Wi-Fi接続が確立されていない状態で電源がONされると、親局として動作する状態に移行する。親局として動作するプリンタ100によって形成される無線ネットワークのSSIDは、プリンタ100のモデル名「ABCX-1234」を含む。
【0057】
モデル名「ABCX-1234」を有するプリンタ100を所持するユーザが、当該モデル名に含まれない文字を誤って入力する場合も想定される。本ケースでは、アプリ38は、T220において、ユーザから、検索画面SC1内のモデル名入力領域R1に、プリンタ100のモデル名「ABCX-1234」に含まれない文字「DA」の入力を受け付けた後に、検索画面SC1内のOKボタンB1の選択を受け付ける(図5のS12でYES)。この場合、入力済みの文字「DA」がアルファベットを含むので(S14でYES)、アプリ38は、T222において、モデル名リスト40を利用して、第1の検索用モデル名リストを生成する(S16)。第1の検索用モデル名リストは、すでに説明した通りである。
【0058】
T224の処理は、入力済みの文字が「DA」である点を除いて、図3のT24の処理と同様である。この結果、T224において、1個のモデル名「DABC-1234」、が第1の結果テーブルに記憶される。モデル名リスト40において、モデル名「DABC-1234」に販売地域情報「JP、US」が関連付けられているので、モデル名「DABC-1234」は第1の結果テーブルから除外されない。第1の結果テーブルが1個のモデル名のみを含むので、アプリ38は、アルファベット順のソートを実行しない。この結果、1個のモデル名「DABC-1234」のみを含むソート済みの第1の結果テーブルが生成される。
【0059】
T230の処理は、入力済みの文字が「DA」である点を除いて、図3のT30の処理と同様である。この結果、3個のモデル名「CDA-2345」、「DABC-1234」、「CDAB-4123」が第2の結果テーブルに記憶される。T232の処理は、図3のT32の処理と同様である。この結果、2個のモデル名「CDA-2345」、「CDAB-4123」を含むソート済みの第2の結果テーブルが生成される。
【0060】
アプリ38は、T240において、Probe Reqをブロードキャストによって送信する(S130)。
【0061】
プリンタ100は、T240において、端末10からProbe Reqを受信すると、T242において、SSID「ABCX-1234」を含むProbe Resを端末10に送信する。
【0062】
アプリ38は、T242において、プリンタ100からSSID「ABCX-1234」を含むProbe Resを受信すると(S132でYES)、T244において、Probe Resに含まれるSSIDからモデル名「ABCX-1234」を抽出し、当該モデル名「ABCX-1234」をメモリ34に記憶する(S134)。
【0063】
その後、他の装置からProbe Resが受信されることなく、T240においてProbe Reqを送信してから、一定時間が経過する(S136でYES)。この場合、アプリ38は、T250において、検索結果画面SC2を表示部14に表示させる(S140)。検索結果画面SC2は、入力済みの文字「DA」が記述されたモデル名入力領域R1を含む。検索結果画面SC2では、第1の結果テーブルに含まれる1個のモデル名「DABC-1234」が、ソート済みの第2の結果テーブルに含まれる2個のモデル名「CDA-2345」、「CDAB―4123」よりも上位に位置する。さらに、検索結果画面SC2では、T244で記憶済みのモデル名「ABCX-1234」(即ち周囲の装置の検索によって見つかったプリンタ100のモデル名)が、上記の3個のモデル名よりも上位に位置する。T252~T264の処理は、図3のT42~T54の処理と同様である。
【0064】
(第2実施例の効果)
第2実施例でも、第1実施例と同様に、ユーザの利便性を向上させることができる。また、第2実施例の構成によると、検索結果画面SC2において、第1の結果テーブル及び第2の結果テーブルに含まれないモデル名であっても、検索で見つかったプリンタのモデル名は、これらのモデル名よりも上位に位置する。検索で見つかったプリンタ100は端末10の周囲に存在するプリンタであるので、ユーザが当該プリンタとAPとのWi-Fi接続の確立を望む可能性が高い。従って、プリンタ100を所持するユーザが、プリンタ100のモデル名「ABCX-1234」に含まれない文字を誤って入力しても、検索結果画面SC2においてモデル名「ABCX-1234」が含まれる。特に、検索結果画面SC2において、プリンタ100のモデル名「ABCX-1234」が上位に位置するので、ユーザは、自身が所持しているプリンタ100のモデル名「ABCX-1234」を適切に選択することができる。このため、ユーザの利便性が向上する。図5のS130及びS132の処理が、「検索部」によって実行される処理の一例である。
【0065】
(第3実施例)
(具体的なケース;図7
続いて、図7を参照して、図5の処理によって実現される第3実施例の具体的なケースを説明する。図7の初期状態は、図6の初期状態と同様である。図7のT310~T344の処理は、図6のT210~T244の処理と同様である。
【0066】
アプリ38は、T350において、検索結果画面SC2を表示部14に表示させる(S140)。検索結果画面SC2は、入力済みの文字「DA」が記述されたモデル名入力領域R1を含む。図7では隠れて見えないが、検索結果画面SC2では、第1の結果テーブルに含まれる1個のモデル名「DABC-1234」が、ソート済みの第2の結果テーブルに含まれる2個のモデル名「CDA-2345」、「CDAB―4123」よりも上位に位置する。さらに、アプリ38は、検索結果画面SC2に重ねて、通知画面SC4を表示部14に表示させる。通知画面SC4は、T344で記憶済みのモデル名「ABCX-1234」を有するプリンタ100のWi-Fiセットアップを望むのか否かをユーザに問い合わせるメッセージと、YESボタンB4と、NOボタンB5と、を含む。
【0067】
アプリ38は、T352において、通知画面SC4内のYESボタンB4の選択を受け付けると、T354において、手法画面SC3を表示部14に表示させる。T354~T364の処理は、図3のT44~T54の処理と同様である。なお、図示省略しているが、通知画面SC4内のNOボタンB5が選択される場合には、アプリ38は、通知画面SC4の表示を停止する。
【0068】
(第3実施例の効果)
第3実施例でも、第1実施例と同様に、ユーザの利便性を向上させることができる。また、第3実施例の構成によると、第1の結果テーブル及び第2の結果テーブルに含まれないモデル名であっても、検索で見つかったプリンタのモデル名を含む通知画面SC4が検索結果画面SC2に重ねて表示される。検索で見つかったプリンタは端末10の周囲に存在するプリンタであるので、ユーザが当該プリンタとAPとのWi-Fi接続の確立を望む可能性が高い。従って、プリンタ100を所持するユーザが、プリンタ100のモデル名「ABCX-1234」に含まれない文字を誤って入力しても、通知画面SC4が表示される。プリンタ100のモデル名「ABCX-1234」を含む通知画面SC4が表示されるので、ユーザは、自身が所持しているプリンタ100に適切にWi-Fi接続を確立させることができる。このため、ユーザの利便性が向上する。図7のT350で表示される通知画面SC4が、「第3の画面」の一例である。
【0069】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0070】
(変形例1)メモリ34は、モデル名リスト40を記憶しなくてもよい。例えば、モデル名リスト40は、端末10とは異なるサーバ(図示省略)のメモリに記憶されていてもよい。この場合、アプリ38は、図2のS12でYESの判断される場合に、当該サーバのメモリ内のモデル名リスト40を参照して、対象リスト(即ち第1又は第2の検索用モデル名リスト)を生成してもよい。本変形例では、サーバのメモリが、「メモリ」の一例である。
【0071】
(変形例2)メモリ34は、モデル名リスト40に代えて、例えば、端末10にインストール可能なソフトウェアを識別するための識別情報の一覧のリストを記憶してもよい。そして、アプリ38は、当該リストの中から、入力済みの文字と前方一致又は部分一致する識別情報を特定してもよい。本変形例では、上記のリストに含まれる識別情報が、「複数個の文字列」の一例である。一般的に言うと、「複数個の文字列」は、「画像処理装置のモデル名」でなくてもよい。
【0072】
(変形例3)アプリ38が、「N2個の文字列」を特定する手法は、実施例の構成に限定されず、例えば、アプリ38は、以下の(3-1)、(3-2)のようにして、「N2個の文字列」を特定してもよい。
【0073】
(3-1)アプリ38は、部分一致検索を実行し、その後、部分一致検索で見つかった「N3個の文字列」の中から、前方一致するN1個の文字列と、前方一致せずに部分一致するN2個の文字列と、を特定してもよい。具体的には、まず、アプリ38は、図2のS20及びS22の処理を省略して、S24の処理を実行することによって、入力済みの文字に部分一致(即ち「前方一致も含む」)するモデル名(「N3個の文字列」の一例)を特定する。次いで、アプリ38は、入力済みの文字に部分一致するモデル名のそれぞれについて、当該モデル名が入力済みの文字に前方一致するのか否かを判断することによって、「N1個の文字列」を特定してもよい。さらに、アプリ38は、「N3個の文字列」から「N1個の文字列」を除外することによって、N2個の文字列を特定してもよい。
【0074】
(3-2)アプリ38は、S24の処理に代えて、入力済みの文字に前方一致せずに部分一致する文字列を検索する処理を実行してもよい。具体的には、アプリ38は、まず、S20及びS22の処理を実行することによって、入力済みの文字に前方一致する「N1個の文字列」を特定する。次いで、アプリ38は、S24において、対象リストから、入力済みの文字に前方一致せずに部分一致する文字列を特定し、これらの文字列の元のモデル名を第2の結果テーブルに記憶してもよい。
【0075】
(変形例4)アプリ38は、入力済みの文字に前方一致せずに部分一致する各モデル名を、アルファベット順にソートしてもよい。
【0076】
(変形例5)アプリ38は、図2のS14~S18の処理を省略可能である。この場合、アプリ38は、モデル名リスト40に含まれる各モデル名(即ち文字列)について、入力済みの文字に前方一致、及び部分一致するモデル名を特定してもよい(S20~S26)。本変形例では、「第4の特定部」及び「第2の表示制御部」を省略可能である。また、別の変形例では、予め、第1及び第2の検索用モデル名リストをメモリ34に記憶していてもよい。この場合、アプリ38は、S16の処理に代えて、メモリ34に記憶済みの第1の検索用モデル名リストを特定してもよい。同様に、アプリ38は、S18の処理に代えて、メモリ34に記憶済みの第2の検索用モデル名リストを特定してもよい。
【0077】
(変形例6)メモリ34は、利用地域情報を記憶しなくてもよい。また、モデル名リスト40は、各モデル名に関連付けて、販売地域情報を記憶しなくてもよい。また、別の変形例では、メモリ34は、利用地域情報に代えて、端末10が現在利用している言語(例えば日本語、英語等)を示す利用言語情報を記憶してもよい。また、モデル名リスト40は、販売地域情報に代えて、サポート言語情報を記憶してもよい。アプリ38は、利用言語情報を含まないサポート言語情報に関連付けられているモデル名を、第1(及び第2)の結果テーブルから除外してもよい。本変形例では、利用言語情報が、「端末利用地域を示す地域情報」の一例であり、サポート言語情報が、「画像処理装置が販売される地域を示す地域情報」の一例である。また、別の変形例では、モデル名リスト40において、各モデル名に関連付けられている販売地域情報から、サポート言語情報を特定してもよい。
【0078】
(変形例7)アプリ38が、端末10の周囲に存在するプリンタを検索する手法は、上記の実施例の形態(即ちProbe Reqの送信及びProbe Resの受信)に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)通信を介して実行されてもよい。
【0079】
(変形例8)アプリ38は、図2のS12において、例えば、数字及びアルファベットの双方を含む文字「1234ABCX」の入力を受け付ける場合に、入力済みの文字「1234ABCX」を変形して、「ABCX1234」を入力済み文字とみなして、S14以降の処理を実行してもよい。モデル名が数字から始まることはないからである。即ち、アプリ38は、アルファベットよりも先に数字が入力される場合に、数字とアルファベットとの順番を入れ替えてから、S14以降の処理を実行してもよい。また、別の変形例では、例えば、数字及びアルファベットの双方を含む文字「1234ABCX」の入力を受け付ける場合に、数字が先に記述される文字列「1234ABCX」と、アルファベットが先に記述される文字列「ABCX1234」と、のそれぞれを入力済み文字とみなして、それぞれについてS14以降の処理を実行してもよい。即ち、アプリ38は、数字及びアルファベットの双方を含む文字の入力を受け付ける場合に、数字が先に記述される文字列と、アルファベットが先に記述される文字列と、のそれぞれについて、S14以降の処理を実行してもよい。
【0080】
(変形例9)上記の実施例では、図2図7の各処理は、ソフトウェア(例えばアプリ38、プログラム136)等によって実現されたが、上記の各処理の少なくとも1つが、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0081】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0082】
2:通信システム、6:AP、10:端末、12,112:操作部、14,114:表示部、16,116:通信I/F、30,130:制御部、32,132:CPU、34,134:メモリ、36:OSプログラム、38:アプリケーション、40:モデル名リスト、118:印刷実行部、136:プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7