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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162981
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】複合体
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/04 20060101AFI20231101BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20231101BHJP
   B32B 27/42 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
C08J9/04 101
C08J9/04 CEZ
B32B5/18
B32B27/42 101
B32B27/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073734
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】390018717
【氏名又は名称】旭化成建材株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509010263
【氏名又は名称】多摩防水技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165951
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 憲悟
(74)【代理人】
【識別番号】100179866
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 純
(72)【発明者】
【氏名】三堀 寿
(72)【発明者】
【氏名】近田 昌志
(72)【発明者】
【氏名】草場 清則
(72)【発明者】
【氏名】藤本 幸一
(72)【発明者】
【氏名】大野 悟
【テーマコード(参考)】
4F074
4F100
【Fターム(参考)】
4F074AA60
4F074AA76
4F074AD04
4F074AD15
4F074BA33
4F074BA38
4F074BA39
4F074BB06
4F074BC02
4F074CA22
4F074CA29
4F074CC04Y
4F074CC04Z
4F074CC06Y
4F074CC06Z
4F074CC22X
4F074CC32X
4F074CC32Y
4F074CC32Z
4F074CE02
4F074CE16
4F074CE64
4F074DA02
4F074DA12
4F074DA32
4F074DA54
4F100AK33A
4F100AK36B
4F100AK51B
4F100BA02
4F100CA01A
4F100CA02B
4F100DJ01A
4F100DJ02A
4F100EH46
4F100EJ42
4F100JA06A
4F100JA13A
4F100JD04
4F100JJ01
4F100JK05
4F100YY00A
4F100YY00B
(57)【要約】
【課題】フェノール樹脂発泡体の高断熱性能を有しつつ、優れた圧縮特性および防水特性を有する樹脂発泡体を提供すること。
【解決手段】フェノール樹脂発泡体とポリウレア層またはポリウレアウレタン層との複合体であって、前記フェノール樹脂発泡体の表面の少なくとも一部が、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されており、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さが、0.2mm以上5.0mm以下であり、前記ポリウレア層は、ウレタン結合を有さず、前記ポリウレアウレタン層のウレア結合とウレタン結合の合計数に対するウレタン結合の数の割合が、0%より多く30%以下である、複合体。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノール樹脂発泡体とポリウレア層またはポリウレアウレタン層との複合体であって、
前記フェノール樹脂発泡体の表面の少なくとも一部が、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されており、
前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さが、0.2mm以上5.0mm以下であり、
前記ポリウレア層は、ウレタン結合を有さず、
前記ポリウレアウレタン層のウレア結合とウレタン結合の合計数に対するウレタン結合の数の割合が、0%より多く30%以下である、複合体。
【請求項2】
前記フェノール樹脂発泡体が、板状の直方体であって、
前記フェノール樹脂発泡体の厚さ方向に対する側面の対向する2面の表面が、前記ポリウレア層で被覆されている、請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
前記フェノール樹脂発泡体が、板状の直方体であって、
前記フェノール樹脂発泡体の厚さ方向の対向する一組の2面を除く、4面の表面が、前記ポリウレア層で被覆されている、請求項1に記載の複合体。
【請求項4】
前記フェノール樹脂発泡体の全ての表面が、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されている、請求項1に記載の複合体。
【請求項5】
前記複合体の圧縮強度が、19N/cm以上55N/cm以下であり、かつ圧縮強度/密度の値が、0.6以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項6】
前記複合体の25℃、90%RHでの透湿度が、9g/(m・24h)以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項7】
前記複合体の圧縮強度が、19N/cm以上55N/cm以下であり、圧縮強度/密度の値が、0.6以下であり、かつ25℃、90%RHでの透湿度が、9g/(m・24h)以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノール樹脂発泡体とポリウレア層またはポリウレアウレタン層との複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノール樹脂発泡体は、発泡プラスチック系の断熱材の中でも高い断熱性、難燃性、及び耐熱性を有していることから、建築材料および一般産業用材料として広く用いられている。近年は、省エネルギーの観点からも、フェノール樹脂発泡体が広く使われるようになってきたが、熱伝導率の優位性等のフェノール樹脂発泡体の特徴を生かしつつも、更に、優れた圧縮強度および防水特性を併せ持つ樹脂発泡体が望まれてきた。
【0003】
圧縮強度の向上を目的として、例えば特許文献1において断熱発泡層の表面に補強防水層を設ける試みがなされている。
【0004】
しかし、特許文献1の技術は、断熱発泡層および補強防水層の種類ならびにその複合体としての構造が何ら具体的に開示されておらず、十分な圧縮強度を発現する樹脂発泡体を得ることはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-264093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、フェノール樹脂発泡体の高断熱性能を有しつつ、優れた圧縮特性および防水特性を有する樹脂発泡体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち本発明は以下の通りである。
[1]フェノール樹脂発泡体とポリウレア層またはポリウレアウレタン層との複合体であって、
前記フェノール樹脂発泡体の表面の少なくとも一部が、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されており、
前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さが、0.2mm以上5.0mm以下であり、
前記ポリウレア層は、ウレタン結合を有さず、
前記ポリウレアウレタン層のウレア結合とウレタン結合の合計数に対するウレタン結合の数の割合が、0%より多く30%以下である、複合体。
[2]前記フェノール樹脂発泡体が、板状の直方体であって、
前記フェノール樹脂発泡体の厚さ方向に対する側面の対向する2面の表面が、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されている、[1]に記載の複合体。
[3]前記フェノール樹脂発泡体が、板状の直方体であって、
前記フェノール樹脂発泡体の厚さ方向の対向する一組の2面を除く、4面の表面が、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されている、[1]に記載の複合体。
[4]前記フェノール樹脂発泡体の全ての表面が、前記ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されている、[1]に記載の複合体。
[5]前記複合体の圧縮強度が、19N/cm以上55N/cm以下であり、かつ圧縮強度/密度の値が0.6以下である[1]~[4]に記載の複合体。
[6] 前記複合体の25℃、90%RHでの透湿度が、9g/(m・24h)以下である、[1]~[4]に記載の複合体。
[7]前記複合体の圧縮強度が、19N/cm以上55N/cm以下であり、圧縮強度/密度の値が、0.6以下であり、かつ25℃、90%RHでの透湿度が、9g/(m・24h)以下である、[1]~[4]に記載の複合体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フェノール樹脂発泡体の高断熱性能を有しつつ、優れた圧縮特性および防水特性を有する複合体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態の複合体の一例を模式的に示した断面図である。
図2図2は、本実施形態の複合体の別の一例を模式的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、フェノール樹脂発泡体の周囲が耐衝撃性を有するポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されることで、高断熱性能を有しつつも、これまで実現し得なかった、優れた圧縮特性および防水特性を有する、複合体を見出したものである。
【0011】
本実施形態の複合体について、圧縮強度、透湿度、密度および熱伝導率は、実施例に記載の方法によって求める。フェノール樹脂発泡体の密度、熱伝導率および独立気泡率は、実施例に記載の方法によって求める。別段の記載のない限り、複合体およびフェノール樹脂発泡体の密度は、JIS K7222に従い測定した見掛け全体密度を指す。別段の記載のない限り、熱伝導率は、23℃の熱伝導率を指す。別段の記載のない限り、透湿度は、25℃、90%RHでの透湿度を指す。
【0012】
本実施形態において、「厚さ」方向は、積層体の縦、横および高さの三辺のうち最も短い辺の方向を指す。本実施形態では、「第1」、「第2」などの用語を用いる場合があるが、これらは、ある要素を他の要素と区別することのみを意図しており、ある要素の位置、大きさまたは量の大小などを限定するものではない。添付の図面は、本発明の理解を容易にすることを優先した模式図であるため、図中の各要素の縮尺は正確ではない。
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
【0014】
・複合体
本実施形態の複合体は、フェノール樹脂発泡体とポリウレア層またはポリウレアウレタン層との複合体であり、フェノール樹脂発泡体の表面の少なくとも一部が、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被覆されている。
【0015】
・フェノール樹脂発泡体
本実施形態の複合体を構成するフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂組成物を発泡および硬化させて得られる構造体である。本実施形態の複合体における「フェノール樹脂発泡体」は、フェノール樹脂発泡体自体と、フェノール樹脂発泡体の表面の少なくとも一部に面材またはサイディングを有する場合を含む概念である。
【0016】
フェノール樹脂発泡体の密度は、特に限定されないが、典型的には、20kg/m以上80kg/m以下であり、好ましくは35kg/m以上70kg/m以下であり、より好ましくは45kg/m以上65kg/m以下である。フェノール樹脂発泡体の密度が20kg/m以上であると圧縮強度および曲げ強さ等の機械的強度が確保でき、板状のフェノール樹脂発泡体の取り扱い時の破損を低減することができる。一方、フェノール樹脂発泡体の密度が80kg/m以下であると、フェノール樹脂発泡板中のフェノール樹脂部分の伝熱が増大しにくいため、断熱性能を保つことができる。なお、フェノール樹脂発泡体の密度は、主に、発泡剤の割合、発泡性フェノール樹脂組成物の温度、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程における予成形のタイミング、発泡剤の添加量と酸性硬化剤として用いられる有機酸の添加量との比、温度や滞留時間等の硬化条件などの変更により所望の値に調整できる。
【0017】
フェノール樹脂発泡体の厚さは、特に限定されず、適宜設定することができる。フェノール樹脂発泡体の厚さは、好ましくは30mm以上200mm以下である。厚さは、好ましくは30mm以上200mm以下であり、より好ましくは35mm以上200mm以下、さらに好ましくは40mm以上200mm以下である。
【0018】
フェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、特に限定されないが、典型的には、85%以上であり、好ましくは90%以上である。また、独立気泡率は、例えば、99%以下、98%以下または97%以下である。独立気泡率は断熱性能の目安となるため、85%以上であると断熱性能が良好となり好ましい。
【0019】
独立気泡率は主に、フェノール樹脂の反応性や温度の調整、更には硬化温度条件などの変更により所望の値に調整できる。
【0020】
フェノール樹脂発泡体の熱伝導率は、特に限定されないが、典型的には、0.026W/(m・K)以下であり、好ましくは0.016W/(m・K)以上0.025W/(m・K)以下であり、より好ましくは0.016W/(m・K)以上0.024W/(m・K)以下であり、さらに好ましくは0.016W/(m・K)以上0.023W/(m・K)である。
【0021】
フェノール樹脂発泡体の形状は、特に限定されず、任意の形状とすることができる。フェノール樹脂発泡体の形状は、例えば、直方体(例えば、板状、層状、シート状など)、直方体以外の多面体(例えば、正四面体、正八面体、正十二面体、正二十面体などの正多面体)、球体、角錐、円錐、トーラス体、中空円筒、中実円筒(円柱)、不定形などが挙げられる。一実施形態では、フェノール樹脂発泡体は、直方体である。別の実施形態では、フェノール樹脂発泡体は、板状の直方体である。
【0022】
フェノール樹脂発泡体は、一体成形品でもよいし、複数のフェノールフォームの端材を組み合わせたものでもよい。
【0023】
フェノール樹脂発泡体が、その表面の少なくとも一部に面材またはサイディングを有する場合、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層は、その面材またはサイディングの表面(すなわち、面材またはサイディングのフェノール樹脂発泡体側とは反対側の面)上を被覆していても良いし、面材またはサイディングを有しないフェノール樹脂発泡体部分を被覆していても良いし、これらの組合せ、すなわち、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層が、面材またはサイディングを有しないフェノール樹脂発泡体部分と、面材またはサイディングの表面とを被覆していても良い。
【0024】
・ポリウレア層またはポリウレアウレタン層
本実施形態のポリウレア層またはポリウレアウレタン層は、フェノール樹脂発泡体の表面の少なくとも一部を被覆している。ポリウレア層またはポリウレアウレタン層は、複合体に圧縮特性と防水特性を付与する。
【0025】
本明細書では、ウレア結合のみが存在し、ウレタン結合が存在しない場合を「ポリウレア層」と称する。
【0026】
本実施形態の複合体では、ポリウレアウレタン層は、ウレア結合とウレタン結合を有し、ウレア結合とウレタン結合の合計数に対するウレタン結合の数の割合が0%より多く30%以下である。ウレタン結合の割合が30%以下であると、複合体の圧縮強度が向上する。ウレア結合の数とウレタン結合の数の比は、後述する第2剤におけるアミノ基と水酸基の合計数に対する水酸基の数の割合によって調整できる。
【0027】
ポリウレアウレタン層のウレタン結合の割合は、0%より多く30%以下であり、好ましくは5~25%であり、より好ましくは10~20%である。
【0028】
ポリウレア層またはポリウレアウレタン層のウレタン結合の割合は、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層をフェノール樹脂発泡体から剥離した後、固体13C核磁気共鳴法(NMR)等の公知の方法により測定することができる。
【0029】
ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さは、0.2mm以上5.0mm以下である。ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さが0.2mm未満の場合、十分な圧縮強度が得られない上、塗膜の形成が難しくなる。ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さが5.0mmを超えると、熱伝導率が悪化するとともにコスト的に不利となる。一実施形態では、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さは、0.2mm以上、0.5mm以上、1.0mm以上、1.5mm以上、2.0mm以上、2.5mm以上、3.0mm以上、3.5mm以上、4.0mm以上または4.5mm以上である。別の実施形態では、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さは、5.0mm以下、4.5mm以下、4.0mm以下、3.5mm以下、3.0mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下、1.5mm以下、1.0mm以下または0.5mm以下である。さらに別の実施形態では、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さは、0.5mm以上3.0mm以下である。
【0030】
ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さは、複合体のポリウレア層またはポリウレアウレタン層で被膜されている面に対して垂直に切断し、更に切断面からポリウレア層またはポリウレアウレタン層のみを剥離し、ノギスを用いて測定することで求められる。
【0031】
ポリウレア層またはポリウレアウレタン層は、フェノール樹脂発泡体の表面の少なくとも一部を被覆していればよい。フェノール樹脂発泡体の、外部環境に露出している面または部分をポリウレア層またはポリウレアウレタン層が被覆することで防水特性が高まる。ポリウレア層またはポリウレアウレタン層は、フェノール樹脂発泡体の表面の全部を被覆していてもよい。また、フェノール樹脂発泡体が板状の直方体である場合、フェノール樹脂発泡体の厚さ方向に対する側面4面のうち、任意の1面、2面(対向する2面または対向しない2面)、3面または4面を被覆していてもよい。また、フェノール樹脂発泡体が板状の直方体である場合、フェノール樹脂発泡体の厚さ方向の対向する2面のうち、1面または2面を被覆していてもよい。また、フェノール樹脂発泡体が板状の直方体である場合、フェノール樹脂発泡体の厚さ方向の対向する2面のうち、1面または2面を被覆し、さらに、厚さ方向に対する側面4面のうち、任意の1面、2面(対向する2面または対向しない2面)、3面または4面を被覆していてもよい。
【0032】
また、フェノール樹脂発泡体の厚さ方向に対する側面の1面以上をポリウレア層またはポリウレアウレタン層が被覆することで、厚さ方向に対する複合体の圧縮強度も向上する。
【0033】
フェノール樹脂発泡体の同一面または異なる面の表面を被覆しているポリウレア層またはポリウレアウレタン層は、厚さ、組成などが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0034】
図1は、本実施形態の複合体の一例を模式的に示した断面図である。この図1の複合体1は、フェノール樹脂発泡体10が、板状の直方体であって、フェノール樹脂発泡体10の厚さ方向に対する側面の対向する2面の表面が、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層20で被覆されている。この図1の例では、フェノール樹脂発泡体10は、厚さ方向の対向する一組の2面上に面材11を有する。
【0035】
図2は、本実施形態の複合体の別の一例を模式的に示した斜視図である。この図2の複合体1は、フェノール樹脂発泡体が、板状の直方体であって、フェノール樹脂発泡体の厚さ方向の対向する一組の2面を除く、4面(すなわち側面全て)の表面が、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層20で被覆されている。この図2の例では、フェノール樹脂発泡体は、厚さ方向の対向する一組の2面上に面材11を有する。
【0036】
複合体の厚さ方向の23℃における熱伝導率は、好ましくは0.026W/(m・K)以下であり、より好ましくは0.016W/(m・K)以上0.025W/(m・K)以下であり、更に好ましくは0.016W/(m・K)以上0.024W/(m・K)以下であり、特に好ましくは0.016W/(m・K)以上0.023W/(m・K)である。熱伝導率は、主にフェノール樹脂発泡体の性能に依存し、例えば、フェノール樹脂発泡体製造時のフェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、気泡核剤の割合、硬化条件、発泡条件、更には、ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さ等により調整できる。
【0037】
複合体の圧縮強度は、19N/cm以上55N/cm以下であることが好ましく、より好ましくは25N/cm以上55N/cm以下である。複合体の圧縮強度は、例えば、フェノール樹脂発泡体製造時のフェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、気泡核剤の割合、硬化条件、発泡条件等及びポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さにより調整できる。
【0038】
複合体の密度は、30~200(kg/m)であることが好ましく、より好ましくは40~150(kg/m)である。複合体の密度は、例えば、フェノール樹脂発泡体製造時のフェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、気泡核剤の割合、硬化条件、発泡条件等及びポリウレア層またはポリウレアウレタン層の厚さにより調整できる。
【0039】
複合体の圧縮強度(N/cm)を密度(kg/m)で除した値は、0.60以下であることが好ましく、更に好ましくは0.50以下、更に好ましくは0.45以下である。圧縮強度を密度で除した値が0.60以下であれば、圧縮強度に優れた複合体を得る事が可能である。
【0040】
複合体の防水特性は、透湿度で評価することができる。複合体の透湿度は、9g/(m・24h)以下であることが好ましく、より好ましくは8g/(m・24h)以下であり、さらに好ましくは7g/(m・24h)以下である。透湿度が、9g/(m・24h)以下であれば、複合体の吸水を抑制でき、複合体の寸法変化を抑えられる。ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の被覆により、防水特性を高めることができる。
【0041】
フェノール樹脂発泡体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。フェノール樹脂発泡体は、例えば、フェノール樹脂と、界面活性剤と、発泡剤と、酸性硬化剤とを含む発泡性フェノール樹脂組成物を発泡および硬化させて得ることができる。また、フェノール樹脂発泡体は、例えば、特開2020-139088号公報、国際公開第2019/208811号などに記載の製造方法などによって得ることができる。また、旭化成建材社製のネオマ(登録商標)フォームをフェノール樹脂発泡体として好適に用いることができる。
【0042】
フェノール樹脂発泡体は、その任意の表面に面材を有しても良い。面材としては、可撓性を有する面材が用いられる。可撓性面材としては、例えば、特開2020-139088号公報、国際公開第2019/208811号などに記載の面材が挙げられる。
【0043】
ポリウレア層またはポリウレアウレタン層の形成方法としては、例えば、ポリイソシアネートプレポリマーを含む第1剤と、ポリアミンおよびポリオールを含む第2剤とを用いて形成する方法が挙げられる。
【0044】
・第1剤
第1剤が含むポリイソシアネートプレポリマーの市販品としては、例えば、製品名:リムクイック15主剤(多摩防水技研社製)などが挙げられる。
【0045】
・第2剤
第2剤の市販品としては、例えば、製品名:リムクイック15硬化剤(多摩防水技研社製)などが挙げられる。
【0046】
第1剤と第2剤の配合比率は、例えば、容積比で1:1である。
【0047】
例えば、第1剤と第2剤は、別々に約60℃に加温して粘度を100mP・sに下げ、同じ温度に加温されたホースにて10MPaで吹付するガンまで圧送され、ガンの先端で混合されスプレー塗工する。
【0048】
ポリウレア層またはポリウレアウレタン層は、例えば、第1剤と第2剤を攪拌しながら加温して反応させることによって得られる。そして、第1剤は、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートと水酸基を2個以上有するポリオールとの反応によって得られるポリイソシアネートプレポリマーを含む。第2剤は、アミノ(-NH)基を2個以上有するポリアミンと、任意に、水酸基を2個以上有するポリオールとを含み、ポリアミンのアミノ基の数と、ポリオールの水酸基の数の合計数に対する水酸基の数の割合が、0~30%である。得られるポリウレア層またはポリウレアウレタン層の、ウレタン結合の数の割合は、第2剤におけるアミノ基と水酸基の合計量に対する水酸基の数の割合よって調整することができる。
【0049】
ポリイソシアネートプレポリマーを形成するポリイソシアネートは、イソシアネート基を2個以上有する。イソシアネート基の数は、例えば2~5個であり、好ましくは、2~3個である。
【0050】
ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネートなどが挙げられる。
【0051】
芳香族系イソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)などが挙げられる。
【0052】
脂肪族イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などが挙げられる。
【0053】
ポリイソシアネートプレポリマーを形成するポリオールは、水酸基を2個以上有する。水酸基の数は、例えば2~5個であり、好ましくは、2~3個である。
【0054】
水酸基を2個以上有するポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリマーポリオールなどが挙げられる。水酸基を2個以上有するポリオールの市販品としては、例えば、日油社製の商品名ユニオール D-1000、D-1500、D-2000、D-3000、D-4000、T-1500、T-3000、T-4000、T-5000などが挙げられる。
【0055】
ポリイソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートのイソシアネート基の一部とポリオールの反応させることで得られる。
【0056】
ポリイソシアネートプレポリマーにおける分子量42のイソシアネート基の割合(NCO濃度)は、例えば、8重量%以上かつ16重量%以下である。
【0057】
また、第1剤には、ポリイソシアネートプレポリマーおよび可塑剤の合計量に対して、0~10%程度の可塑剤を添加することもできる。
【0058】
可塑剤としては、特に限定されず、公知の可塑剤を使用することができる。可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、エーテル系可塑剤などを使用することができる。
【0059】
フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルなどが挙げられる。また、特開2020-133168号公報に記載の可塑剤も挙げられる。
【0060】
また、ハロゲンリン酸エステル、ハロゲン縮合リン酸エステル、非ハロゲンリン酸エステル、非ハロゲン縮合リン酸エステルなどの難燃性可塑剤を使用することができる。難燃性可塑剤を用いることでポリウレア層またはポリウレアウレタン層の酸素指数を上げて自己消火性を付与することもできる。
【0061】
第2剤のアミノ基を2個以上有するポリアミンのアミノ基の数は、例えば、2~5個であり、好ましくは、2~3個である。
【0062】
ポリアミンとしては、例えば、芳香族系ジアミン、脂肪族系ジアミンなどが挙げられる。
【0063】
芳香族系ジアミンとしては、例えば、2,4-ジエチル-6-メチル-1,3-ベンゼンジアミン、2,6-ジエチル-4-メチル-1,3-ベンゼンジアミン、4,6-ジエチル-2-メチル-1,3-ベンゼンジアミン、2,5-ジエチル-4-メチル-1,3-ベンゼンジアミン、などが挙げられる。
【0064】
脂肪族系ジアミンとしては、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシトリメチレンジアミン(別名:ポリトリメチレンエーテルジアミン)、ポリオキシテトラメチレンジアミン(別名:ポリテトラメチレンエーテルジアミン)などが挙げられる。
【0065】
ポリアミンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0066】
第2剤のポリオールは、水酸基を2個以上有する。ポリオールの水酸基の数は、例えば、2~5個であり、好ましくは、2~3個である。
【0067】
水酸基を2個以上有するポリオールとしては、例えば、第1剤で例示したポリオールが挙げられる。また、第2剤のポリオールは、第1剤のポリオールと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0068】
第2剤のポリオールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
また、第2剤には、ポリアミン、ポリオールおよび可塑剤の合計量に対して、0~10%程度の可塑剤を添加することもできる。
【0070】
可塑剤としては、特に限定されず、公知の可塑剤を使用することができる。可塑剤としては、例えば、第1剤で例示した可塑剤が挙げられる。第1剤と第2剤の可塑剤は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0071】
第2剤は、老化防止剤、反応触媒、消泡剤および顔料などをさらに含んでいてもよい。
【0072】
第2剤のポリアミンのアミノ基の数と、ポリオールの水酸基の数と合計数に対する水酸基の数の割合は、0~30%である。水酸基の割合が30%を超える場合、ポリウレアウレタン層中のウレア結合の割合が少なくなり、ポリウレアウレタン層の十分な強度が得られない。一方、水酸基の割合が30%以下であると、ポリウレアウレタン層中にウレア結合が一定量存在するため、強度の点で性能が高まる。一実施形態では、第2剤のポリアミンのアミノ基の数と、ポリオールの水酸基の数と合計数に対する水酸基の数の割合は、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上または25%以上である。別の実施形態では、第2剤のポリアミンのアミノ基の数と、ポリオールの水酸基の数と合計数に対する水酸基の数の割合は、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下または5%以下である。
【実施例0073】
以下に、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
実施例で合成したフェノール樹脂の水分量と粘度は、以下のように測定した。
【0075】
<フェノール樹脂の水分量>
水分量を測定した脱水メタノール(関東化学社製)に、フェノール樹脂を3質量%から7質量%の範囲で溶解して溶液とした。その溶液の水分量から脱水メタノール中の水分を差し引いて、フェノール樹脂の水分量を求めた。測定にはカールフィッシャー水分計(京都電子工業社製、MKC-510)を用いた。
【0076】
<フェノール樹脂の粘度>
フェノール樹脂の粘度は、回転粘度計(東機産業社製、R-100型、ローター部は3°×R-14)を用いて、40℃で3分間安定させた後の測定値を粘度とした。
【0077】
<フェノール樹脂の合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド3500kgと99質量%フェノール2510kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えながら昇温して、反応を行った。オストワルド粘度が6.0×10-5/s(25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を570kg(ホルムアルデヒド仕込み量の15モル%に相当)添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50重量%水溶液でpHを6.3に中和した。その中和した反応液を、60℃で脱水処理して粘度及び水分量を測定したところ、粘度は、6,100mPa・s、水分量は、5.1質量%であった。
【0078】
(実施例1)
<フェノール樹脂発泡体の製造>
特開2021-192962号公報の実施例1のフェノールフォームの製造において、発泡核剤としてのフェノール樹脂発泡体粉4.0質量部の代わりに、発泡剤に対して0.3質量%の窒素を発泡核剤として利用したこと以外は、同様にして厚さ45mmのフェノール樹脂発泡体を得た。
【0079】
後述の方法でフェノール樹脂発泡体の密度および独立気泡率をそれぞれ測定したところ、密度は29kg/mであり、独立気泡率は94%であった。
【0080】
<複合体の製造>
次に、第1剤としてリムクイック15主剤(多摩防水技研社製)を、第2剤としてアミノ基と水酸基の比率が80:20であるリムクイック15硬化剤(多摩防水技研社製)を別々に約60℃に加温して粘度を100mP・sに下げ、容積比1:1で同じ温度に加温されたホースにて10MPaで吹付するガンまで圧送し、ガンの先端で混合されスプレー塗工することでフェノール樹脂発泡体の表面全てにポリウレアウレタン層を厚さ0.5mmで形成した複合体を得た。
【0081】
<フェノール樹脂発泡体の独立気泡率>
フェノール樹脂発泡体の独立気泡率をASTM-D-2856(C法)に従い測定した。具体的には、複合体からポリウレア層またはポリウレアウレタン層を除去し、フェノール樹脂発泡体から表面材を取り除いた後、直径35mm~36mmの円柱形試料をコルクボーラーで刳り貫き、空気比較式比重計(東京サイエンス社製、1,000型)を用いて試料容積を測定した。また、試料質量とフェノール樹脂硬化体の密度から壁(気泡やボイド以外の部分)の容積を計算した。また、試料の外寸から見かけの容積を計算した。そして、試料容積から壁の容積を差し引いた値を、見かけの容積で除した値を独立気泡率とした。ここで、フェノール樹脂の密度は1.3kg/Lとした。
【0082】
<複合体の熱伝導率>
JIS A 1412-2:1999に準拠し、以下の方法で23℃の環境下における複合体の厚さ方向の熱伝導率を測定した。具体的な手順は以下の通りである。
300mm角の複合体を作成し、試片を23±1℃・湿度50±2%の雰囲気に入れた。その後、24時間ごとに重量の経時変化を測定し、24時間経過後の重量変化が0.2質量%以下になるまで、状態の確認および調節を行った。状態調節された複合体試片を、同じく23±1℃・湿度50±2%の雰囲気に置かれた熱伝導率装置に導入した。熱伝導率測定装置が、複合体試片が置かれていた23±1%・湿度50±2%にコントロールされた室内に置かれていない場合には、前述の雰囲気において状態の確認および調節を行った試片を、速やかにポリエチレン製の袋に入れて袋を閉じて、1時間以内に袋から出して、速やかに熱伝導率を測定した。
熱伝導率測定は、23℃の熱伝導率は低温板13℃、高温板33℃の条件で、試験体1枚・対象構成方式の測定装置(英弘精機社、商品名「HC-074/FOX304」)を用い行った。
【0083】
<複合体の圧縮強度>
以下の方法で環境温度23±2℃、環境湿度50±5%の環境下における複合体の破断時の応力を測定した。
フェノール樹脂発泡体を100mm角に切断し表面にポリウレア層またはポリウレアウレタン層を被覆することで試験片とした。各試験片の幅、長さ及び厚さはJIS K 7248又はJIS B 7507に規定するノギスによって測定した。圧縮試験機は株式会社島津製作所製オートグラフAG-20kNXDを、ロードセルは20kNを、各々使用した。試験片を、環境温度23±2℃、環境湿度50±5%の環境下で48時間以上状態を調整した後、圧縮試験機にセットし、初荷重20N、圧縮速度20mm/minで、試片の上面から、初荷重20N圧縮時点の変形量を0として試片が破断した際の荷重を計測した。各試験片について、計測した荷重値を面積で割ることで、圧縮応力(N/cm)を算出した後、5試料についての測定結果の平均値を算出した。
【0084】
<複合体の密度>
フェノール樹脂発泡体を100mm角に切断し表面にポリウレア層またはポリウレアウレタン層を被覆することで試験片とした。各試験片の幅、長さ及び厚さはJIS K 7248又はJIS B 7507に規定するノギスによって測定した。該試験片の重量と体積から密度を算出した。
【0085】
<複合体の透湿度>
以下の方法で25℃、90%RHの環境下における複合体の透湿度を測定した。具体的な手順は、発泡積層体を300mm角に切断し、表面にポリウレア層またはポリウレアウレタン層を被覆することで試験片とした。試片を23±1℃・湿度50±2%の雰囲気に入れた。その後、24時間ごとに重量の経時変化を測定し、24時間経過後の重量変化が0.2質量%以下になるまで、状態の確認および調節を行った。状態調節された複合体試片を25℃、90%RHで24時間静置し、重量変化した値を試片の表面積で除した値を透湿度とした。
【0086】
(実施例2~3)
表1に示すように、ポリウレアウレタン層の厚さを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、複合体を製造した。
【0087】
(実施例4)
フェノール樹脂発泡体の厚さ方向の上下面をポリウレアウレタン層で被覆せず、厚さ方向に対する側面4面全てをポリウレアウレタン層で被覆したこと以外は、実施例1と同様にして、複合体を製造した。
【0088】
(実施例5)
フェノール樹脂発泡体の厚さ方向の上下面と、厚さ方向に対する側面4面のうち対向する2面をポリウレアウレタン層で被覆せず、側面のうち対向する2面をポリウレアウレタン層で被覆したこと以外は、実施例1と同様にして、複合体を製造した。
【0089】
(実施例6)
第2剤としてアミノ基と水酸基の比率が100:0である硬化剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体の表面全てにポリウレア層を厚さ0.5mmで形成した複合体を製造した。
【0090】
(実施例7)
第2剤としてアミノ基と水酸基の比率が70:30である硬化剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体の表面全てにポリウレアウレタン層を厚さ0.5mmで形成した複合体を製造した。
【0091】
(比較例1)
フェノール樹脂発泡体の表面をポリウレアウレタン層でまったく被覆しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体を得た。
【0092】
実施例1~7の複合体及び比較例1のフェノール樹脂発泡体について、熱伝導率、圧縮強度、密度、および圧縮強度/密度に関して測定を行った。その結果を表1に示す。また、実施例の複合体のポリウレア層またはポリウレアウレタン層の配置および厚さをまとめた結果を表1に合わせて示す。
【0093】
【表1】
図1
図2