IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラリオン株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162989
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20231101BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20231101BHJP
   G08G 1/0962 20060101ALI20231101BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20231101BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
G06F3/04847
G06F3/0488
G08G1/0962
G01C21/36
G09B29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073749
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100183760
【弁理士】
【氏名又は名称】山鹿 宗貴
(72)【発明者】
【氏名】塩口 拓真
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5E555
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2C032HC14
2C032HC24
2C032HC25
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC14
2F129CC28
2F129DD15
2F129DD40
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE90
2F129EE91
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
5E555AA04
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA23
5E555BA24
5E555BA85
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB23
5E555BB24
5E555BC17
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB16
5E555CB34
5E555CB55
5E555CB57
5E555CC01
5E555CC23
5E555CC24
5E555CC25
5E555DB55
5E555DC26
5E555DC27
5H181AA01
5H181BB05
5H181CC23
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】タッチ操作時の誤操作が起こりにくい情報処理装置を提供すること。
【解決手段】情報処理装置を、画面の第1の辺に沿った、画面内の第1の周辺領域に、第1の機能を割り当てるとともに、画面の第2の辺に沿った、画面内の第2の周辺領域に、第2の機能を割り当てる、機能割当部と、画面に対するユーザのタッチ操作を検出するタッチ検出部と、タッチ検出部により周辺領域外から周辺領域内へのスライド操作が検出されると、検出されたスライド操作先である周辺領域に対するタッチ操作に基づいて、スライド操作先である周辺領域に割り当てられた機能を実行する機能実行部と、を備える構成とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面の第1の辺に沿った、前記画面内の第1の周辺領域に、第1の機能を割り当てるとともに、前記画面の第2の辺に沿った、前記画面内の第2の周辺領域に、第2の機能を割り当てる、機能割当部と、
前記画面に対するユーザのタッチ操作を検出するタッチ検出部と、
前記タッチ検出部により前記周辺領域外から前記周辺領域内へのスライド操作が検出されると、検出されたスライド操作先である前記周辺領域に対するタッチ操作に基づいて、前記スライド操作先である周辺領域に割り当てられた機能を実行する機能実行部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記タッチ検出部により前記周辺領域が位置する方向のスライド操作が検出されると、検出されたスライド操作の方向に位置する前記周辺領域に、当該周辺領域に割り当てられた機能を実行するための操作子を表示する、操作子表示部、を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記機能実行部は、前記操作子に対するタッチ操作に応じて前記機能を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機能実行部は、前記操作子に対するタッチ操作の継続時間に応じて、前記機能の設定値を制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記周辺領域は、第1の区画領域と、前記第1の区画領域よりも前記画面の中心から離れた第2の区画領域を含む、複数の領域に区画され、
前記機能実行部は、前記第2の区画領域に対して第1の前記継続時間のタッチ操作が検出されると、前記第1の区画領域に対して前記第1の継続時間のタッチ操作が検出された場合よりも、前記機能の設定値を大きく変更する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の辺は、前記第2の辺の対辺であり、
前記第1の機能は、前記第2の機能の対となる機能である、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数のアプリケーションを切り替えて実行することができ、
前記機能割当部は、前記周辺領域に対し、前記アプリケーション毎に異なる機能を割り当て、
前記機能実行部により実行される機能は、実行中の前記アプリケーションに応じて切り替わる、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画面の第1の辺に沿った、前記画面内の第1の周辺領域に、第1の機能を割り当てるとともに、前記画面の第2の辺に沿った、前記画面内の第2の周辺領域に、第2の機能を割り当て、
前記画面に対するユーザのタッチ操作を検出し、
前記周辺領域外から前記周辺領域内へのスライド操作が検出されると、検出されたスライド操作先である前記周辺領域に対するタッチ操作に基づいて、前記スライド操作先である周辺領域に割り当てられた機能を実行する、処理を、コンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プログラムに実装された機能をユーザの操作に応じて実行する情報処理装置が知られている。例えば特許文献1には、この種の情報処理装置として、タッチ操作に応じて地図上の検索範囲を設定するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-304324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置に対してユーザが画面を注視せずにタッチ操作を行う場合が考えられる。この場合、タッチ操作の正確性が低いため、誤操作が発生して、ユーザの意図しない機能が実行される虞がある。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑み、タッチ操作時の誤操作が起こりにくい情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、画面の第1の辺に沿った、画面内の第1の周辺領域に、第1の機能を割り当てるとともに、画面の第2の辺に沿った、画面内の第2の周辺領域に、第2の機能を割り当てる、機能割当部と、画面に対するユーザのタッチ操作を検出するタッチ検出部と、タッチ検出部により周辺領域外から周辺領域内へのスライド操作が検出されると、検出されたスライド操作先である周辺領域に対するタッチ操作に基づいて、スライド操作先である周辺領域に割り当てられた機能を実行する機能実行部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、タッチ操作時の誤操作が起こりにくい情報処理装置及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2A】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図2B】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図2C】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図2D】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図3A】本発明の一実施形態において、情報処理装置の画面に対するユーザのタッチ操作により設定される検索範囲を示す図である。
図3B】本発明の一実施形態において、情報処理装置の画面に対するユーザのタッチ操作により設定される検索範囲を示す図である。
図4A】本発明の一実施形態において、情報処理装置の画面に対するユーザのタッチ操作に応じた機能を実行するためのGUI(Graphical User Interface)を示す図である。
図4B】本発明の一実施形態において、情報処理装置の画面に対するユーザのタッチ操作に応じた機能を実行するためのGUIを示す図である。
図4C】本発明の一実施形態において、情報処理装置の画面に対するユーザのタッチ操作に応じた機能を実行するためのGUIを示す図である。
図4D】本発明の一実施形態において、情報処理装置の画面に対するユーザのタッチ操作に応じた機能を実行するためのGUIを示す図である。
図5】本発明の一実施形態において情報処理装置のCPU(Central Processing Unit)により実行されるプログラムの処理を示すフローチャートである。
図6A】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図6B】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図6C】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図7A】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図7B】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図7C】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図8A】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図8B】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図8C】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図9A】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図9B】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図9C】本発明の一実施形態において、ナビアプリの実行時に、情報処理装置の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図10A】本発明の一実施形態で実行されるカメラアプリの処理例を説明する図である。
図10B】本発明の一実施形態で実行されるカメラアプリの処理例を説明する図である。
図10C】本発明の一実施形態で実行されるカメラアプリの処理例を説明する図である。
図10D】本発明の一実施形態で実行されるカメラアプリの処理例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置及びプログラムについて説明する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、例えばナビゲーション装置を含む車載器である。なお、情報処理装置は、車載器に限らず、スマートフォン、フィーチャフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、PND(Portable Navigation Device)、携帯ゲーム機等の他の形態の装置であってもよい。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、情報処理装置1は、制御部100、通信インタフェース部110、操作部120、表示部130、音声出力部140及び振動部150を備える。なお、図1では、本実施形態の説明に必要な主たる構成要素を図示しており、例えば情報処理装置1として必須な構成要素である筐体など、一部の構成要素については、その図示を適宜省略する。
【0012】
制御部100は、情報処理装置1全体を制御するものであり、CPU100A、RAM(Random Access Memory)100B、ROM(Read Only Memory)100C、入出力ポート100D及びこれらのポートを結ぶバスライン等よりなるマイクロコンピュータである。
【0013】
CPU100Aは、ROM100Cに記憶されたプログラム102を読み込み、読み込まれたプログラム102に従って情報処理装置1を制御する。CPU100Aは、機能ブロックとして、タッチ検出部100a、機能割当部100b、操作子表示部100c及び機能実行部100dを備える。
【0014】
プロセッサの一例であるCPU100Aは、例えばシングルプロセッサ又はマルチプロセッサであり、少なくとも1つのプロセッサを含む。複数のプロセッサを含む構成とした場合、CPU100Aを含む制御部100は、単一の装置としてパッケージ化されたものであってもよく、また、情報処理装置1内で物理的に分離した複数の装置で構成されてもよい。
【0015】
RAM100Bは、プログラムやデータを一時的に記憶する記憶部であり、ワークエリアを提供する。RAM100Bは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
【0016】
ROM100Cは、プログラム102をはじめとする各種プログラム及びデータを記憶する不揮発性メモリである。ROM100Cは、例えばフラッシュメモリである。
【0017】
プログラム102は、プログラム104及び複数のアプリケーション106を含む。プログラム104は、例えば、OS(Operating System)、又はOSとアプリケーション106との中間レイヤに位置するミドルウェアである。すなわち、アプリケーション106は、プログラム104よりも上位のレイヤのソフトウェアであり、プログラム104上で動作する。
【0018】
複数のアプリケーション106には、例えば、目的地までの経路案内を行うナビアプリ、駐車時に車両の俯瞰画像を表示するカメラアプリ、車両の3Dモデルを表示する3Dビューアプリ、ナビゲーション装置を含む車載器に搭載されたオーディオ機能を操作するためのオーディオアプリ、車両に装備されたエア・コンディショナの温度調整及び風量調整を行うための空調コントロールアプリが含まれる。
【0019】
例えばトリガ信号が検知されると、プログラム104上で動作させるアプリケーション106が切り替えられる。一例として、ナビアプリの実行中にギアがリバースに切り替えられると、プログラム102において、プログラム104上で動作させるアプリケーション106がナビアプリからカメラアプリに切り替えられる。
【0020】
このように、情報処理装置1は、複数のアプリケーション106を切り替えて実行できるように構成される。
【0021】
プログラム104及びアプリケーション106を含むプログラム102は、画面の第1の辺に沿った、画面内の第1の周辺領域に、第1の機能を割り当てるとともに、画面の第2の辺に沿った、画面内の第2の周辺領域に、第2の機能を割り当て、画面に対するユーザのタッチ操作を検出し、周辺領域外から周辺領域内へのスライド操作が検出されると、検出されたスライド操作先である周辺領域に対するタッチ操作に基づいて、スライド操作先である周辺領域に割り当てられた機能を実行する、処理を、コンピュータの一例であるCPU100Aに実行させるプログラムである。プログラム102の実行により、例えばユーザが画面を注視せずにタッチ操作した場合にも誤操作が起こりにくい操作環境が提供される。プログラム102の詳細は後述する。
【0022】
本実施形態において、CPU100Aの各機能ブロックは、ソフトウェアであるプログラム102により実現される。なお、CPU100Aの各機能ブロックは、一部又は全部が専用の論理回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0023】
入出力ポート100Dは、制御部100と他の構成要素(具体的には、通信インタフェース部110、操作部120、表示部130、音声出力部140及び振動部150)とを接続する。
【0024】
通信インタフェース部110は、他の端末装置との通信処理を担うインタフェースである。情報処理装置1は、通信インタフェース部110により、公衆回線やVPN(Virtual Private Network)等の閉域網の通信回線を介して他の端末装置と相互通信可能に接続される。
【0025】
操作部120は、ボタンやスイッチなど、ユーザが情報処理装置1を操作するための操作部材である。
【0026】
表示部130は、タッチパネルディスプレイ132及びタッチパネルディスプレイ132を駆動するディスプレイドライバ134を有する。タッチパネルディスプレイ132は、画面全域がタッチ操作可能に構成される。なお、「タッチパネルディスプレイ」は、単に「タッチパネル」と呼ばれてもよく、また、「タッチスクリーン」又は「タッチ画面」と呼ばれてもよい。
【0027】
タッチパネルディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)を用いて構成される。タッチパネルディスプレイ132には、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、赤外線光学イメージング方式、電磁誘導方式が採用される。タッチパネルディスプレイ132には、画面(言い換えるとタッチ操作可能な領域)をタッチする圧力を感知する感圧センサ136が内蔵される。
【0028】
音声出力部140は、スピーカ142及びスピーカ142を駆動するスピーカドライバ144を有する。スピーカドライバ144によりスピーカ142が駆動されることにより、例えば、ROM100Cや不図示の記憶媒体(HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、着脱可能なメモリカード等)に記憶されたナビゲーション音声がスピーカ142から出力される。
【0029】
振動部150は、バイブレータ152及びバイブレータ152を駆動するバイブレータドライバ154を有する。バイブレータ152は、例えばERM(Eccentric Rotating Mass)やLRA(Linear Resonant Actuator)、ピエゾを用いて構成される。バイブレータドライバ154によりバイブレータ152が駆動されることにより、タッチパネルディスプレイ132の画面が振動する。
【0030】
図2A図2Dは、ナビアプリの実行時に、タッチパネルディスプレイ132の画面138に表示される画像の一例を示す図である。画面138の全域がタッチ操作可能に構成される。
【0031】
なお、画像表示例を示す各図には、必要に応じて、ユーザが画面138をタッチした様子を示す手のアイコンを記す。このアイコンの指先の位置が画面138に対するユーザのタッチ位置TPである。
【0032】
CPU100Aは、画面138に対するユーザのタッチ位置TPを検出し、検出されたタッチ位置TPをXとYの2次元の座標情報として取得する。すなわち、プログラム102を実行するCPU100Aは、画面138に対するユーザのタッチ操作を検出するタッチ検出部100aとして動作する。
【0033】
画面138の左右方向がX方向に対応し、画面138の上下方向がY方向に対応する。画面138の中心を原点とした場合、Xを示す矢印が指す方向(すなわち画面138の右方向)がX方向正側であり、X方向正側と反対方向(すなわち画面138の左方向)がX方向負側である。Yを示す矢印が指す方向(すなわち画面138の上方向)がY方向正側であり、Y方向正側と反対方向(すなわち画面138の下方向)がY方向負側である。X方向とY方向は互いに直交する。
【0034】
図2Aに示されるように、ナビアプリの実行時、地図画像が画面138に表示されるとともに、画面138の中心部に車両の現在位置を示すマークMが表示される。詳細な説明は省略するが、ナビアプリは、車両に搭載されたGPS(Global Positioning System)レシーバや自律航法システムで取得される位置情報に基づきマークMを地図画像上に表示する。
【0035】
ユーザが画面138をタッチした状態で指をスライドさせることにより、タッチ位置TPが移動する。CPU100Aは、移動するタッチ位置TPをモニタすることにより、画面138に対するユーザのスライド操作を検出することができる。
【0036】
例えばユーザのタッチ位置TPが矢印R方向(図2A参照)にスライドされると、ナビアプリは、図2Bに示されるように、タッチ位置TPの基点(ここではマークMの表示位置)から現在のタッチ位置TPまでの長さを半径とする円Cを地図画像上に表示する。円Cは、マークMの表示位置(言い換えると、車両の現在位置)を中心とした、目的地の検索範囲を示す。円Cで囲われた検索範囲に符号SAを付す。
【0037】
ユーザの指が画面138から離されると、円Cの大きさが確定する。すなわち、ナビアプリは、円Cを、タッチ位置TPの基点からタッチ解除位置(すなわち、ユーザの指が画面138から離される直前の画面138上の位置)までの長さを半径とする円に確定する。
【0038】
ナビアプリは、確定された円Cが示す検索範囲SAのなかから、予め設定された検索対象(レストラン、コンビニエンスストア等)を検索し、見付かった検索対象を地図画像上に表示する。図2Cの例では、検索範囲SAのなかから検索対象が3件見付かり、これら3件の検索対象を示すマークm1~m3が地図画像上に表示される。
【0039】
ユーザがマークm1~m3の何れか1つをタッチ(図2Dの例ではマークm1をタッチ)すると、ナビアプリは、タッチされたマークが示す検索対象を目的地として設定して経路を検索し、検索された経路で案内を行う。
【0040】
このように、本実施形態によれば、ユーザは、簡単な操作で目的地を設定することができる。目的地を設定するにあたり、細かい操作が要求されないため、ユーザが画面138を注視せずにタッチ操作した場合にも誤操作が起こりにくい。
【0041】
なお、上記の如き検索操作を補助する音声や振動が発生されてもよい。例えばマークMがタッチされると、CPU100Aは、振動部150を制御して所定の振動パターンで画面138を振動させ、「指をスライドさせて検索範囲を設定してください。」、「指を離して検索範囲を確定してください。」といった音声をスピーカ142から出力させてもよい。
【0042】
検索範囲SAの設定方法には、種々のパターンが考えられる。図3A及び図3Bを用いて、検索範囲SAの設定方法を2例説明する。
【0043】
図3A及び図3Bは、画面138に対するユーザのタッチ操作により設定される検索範囲SAを示す図である。図3Aは、例1の検索範囲SAを示す。図3Bは、例2の検索範囲SAを示す。図3A及び図3Bの例では、車両が位置P1から位置P2へ移動するまでの間、ユーザが画面138をタッチし続けるものとする。
【0044】
例1の検索範囲SAは、図2A図2Dを用いて説明した方法で設定される。すなわち、例1では、図3Aのハッチング領域で示されるように、地図画像上におけるマークMの現在位置を中心とする円形内が検索範囲SAとして設定される。例1では、車両の移動とともに円形の検索範囲SAが移動する。
【0045】
例2では、図3Bのハッチング領域で示されるように、ユーザがマークMをタッチしてから指をスライドさせて画面138から指を離すまでの各時点における地図画像上のマークMの位置を中心とする全ての円形内が検索範囲SAとして設定される。例2では、車両の移動とともに検索範囲SAが広がる。
【0046】
例1では、ユーザは、検索範囲SAを現在位置からの最寄りの範囲に制限しやすい。これに対し、例2では、ユーザは、目的地検索を行いたいと思った時点を視覚的に把握しやすく、また、この時点から現在までの走行経路上に沿った範囲に、検索範囲SAを設定することができる。
【0047】
CPU100Aは、画面138に対するユーザのタッチ操作に応じて、図2A図2Dに例示される検索範囲SAの設定以外にも、ナビアプリの種々の機能を実行することができる。
【0048】
図4A図4Dは、画面138に対するユーザのタッチ操作に応じた機能を実行するためのGUIを示す図である。
【0049】
図4Aに示されるように、画面138の中心より右側に位置する三角状の領域に符号R1Rを付す。また、画面138の右辺に沿った、画面138内の周辺領域に、符号R2Rを付す。図4Bに示されるように、画面138の中心より左側に位置する三角状の領域に符号R1Lを付す。また、画面138の左辺に沿った、画面138内の周辺領域に、符号R2Lを付す。図4Cに示されるように、画面138の中心より上側に位置する三角状の領域に符号R1Uを付す。また、画面138の上辺に沿った、画面138内の周辺領域に、符号R2Uを付す。図4Dに示されるように、画面138の中心より下側に位置する三角状の領域に符号R1Dを付す。また、画面138の下辺に沿った、画面138内の周辺領域に、符号R2Dを付す。
【0050】
周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dの何れか1つが第1の周辺領域の一例であり、また、第1の周辺領域以外の何れか1つの周辺領域が第2の周辺領域の一例である。
【0051】
図4Aに示されるように、ユーザのタッチ位置TPが画面138の中心から矢印R方向にスライドされて領域R1Rに入ると、画面138の右辺に沿った周辺領域R2Rに、操作子20Rがオーバレイ表示される。
【0052】
図4Bに示されるように、ユーザのタッチ位置TPが画面138の中心から矢印L方向にスライドされて領域R1Lに入ると、画面138の左辺に沿った周辺領域R2Lに、操作子20Lがオーバレイ表示される。
【0053】
図4Cに示されるように、ユーザのタッチ位置TPが画面138の中心から矢印U方向にスライドされて領域R1Uに入ると、画面138の上辺に沿った周辺領域R2Uに、操作子20Uがオーバレイ表示される。
【0054】
図4Dに示されるように、ユーザのタッチ位置TPが画面138の中心から矢印D方向にスライドされて領域R1Dに入ると、画面138の下辺に沿った周辺領域R2Dに、操作子20Dがオーバレイ表示される。
【0055】
CPU100Aは、画面138の周辺領域に表示された操作子に対するユーザのタッチ操作に応じて機能を実行する。
【0056】
なお、ユーザのタッチ位置TPが画面138の何れかの周辺領域までスライドされると、これを報知する音声をスピーカ142から出力させてもよく、また、これを報知する振動パターンで画面138を振動させてもよい。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態においてCPU100Aにより実行されるプログラム102の処理を示すフローチャートである。図5に示される処理では、ユーザのタッチ操作に応じて画面138の周辺領域に操作子が表示され、表示された操作子に対するユーザのタッチ操作に応じて機能が実行される。
【0058】
図5では、ナビアプリの実行時の処理例を説明する。この処理例を、図6A図6C図7A図7C図8A図8C及び図9A図9Cの画像表示例を参照しつつ説明する。
【0059】
CPU100Aは、例えば、アプリケーション106の実行(画面138に表示されないバックグラウンドでのアプリケーション106の実行は除く。)が開始されると、図5に示されるフローチャートの処理の実行を開始する。
【0060】
ここで、ROM100Cは、各周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dに対し、アプリケーション106毎に異なる機能を対応付けた対応情報を保持する。
【0061】
例えば、ナビアプリに対しては、上記の対応情報において、周辺領域R2Rと検索設定機能とが対応付けられ、周辺領域R2Lと検索キャンセル機能とが対応付けられ、周辺領域R2Uとズームイン機能とが対応付けられ、周辺領域R2Dとズームアウト機能とが対応付けられる。
【0062】
例えば、空調コントロールアプリに対しては、上記の対応情報において、周辺領域R2Rと設定温度のプラス機能とが対応付けられ、周辺領域R2Lと設定温度のマイナス機能とが対応付けられ、周辺領域R2Uと風量アップ機能とが対応付けられ、周辺領域R2Dと風量ダウン機能とが対応付けられる。
【0063】
CPU100Aは、実行を開始したアプリケーション106(ここではナビアプリ)の対応情報をROM100Cから取得し、取得された対応情報に従い、各周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dに対して機能(ここでは、それぞれ、検索設定機能、検索キャンセル機能、ズームイン機能、ズームアウト機能)を割り当てる(ステップS101)。
【0064】
第1の周辺領域(周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dの何れか1つの周辺領域)に割り当てられる機能は、第1の機能の一例である。第2の周辺領域(第1の周辺領域以外の何れか1つの周辺領域)に割り当てられる機能は、第2の機能の一例である。すなわち、プログラム102を実行するCPU100Aは、画面138の第1の辺に沿った、画面138内の第1の周辺領域に、第1の機能を割り当てるとともに、画面138の第2の辺に沿った、画面138内の第2の周辺領域に、第2の機能を割り当てる、機能割当部100bとして動作する。
【0065】
CPU100Aは、マークMに対するユーザのタッチ操作を検出すると(ステップS102:YES)、マークMを基点としたスライド操作が行われたか否かを判定する(ステップS103)。
【0066】
また、CPU100Aは、マークMに対するユーザのタッチ操作を検出すると、図5に示される処理と並行して、マークMを中心とした円Cの描画処理を行う。
【0067】
CPU100Aは、マークMから領域R1Rへのスライド操作を検出すると(ステップS103:YES及びステップS104:右側)、図6Aに示されるように、操作子20Rを周辺領域R2Rに表示する(ステップS105)。操作子20Rは、周辺領域R2Rに割り当てられた機能(ここでは、検索設定機能)を実行するための操作子である。
【0068】
このように、CPU100Aは、タッチ検出部100aにより周辺領域が位置する方向(上記の例では、周辺領域R2Rが位置する右方向)のスライド操作が検出されると、検出されたスライド操作の方向に位置する周辺領域に、当該周辺領域に割り当てられた機能を実行するための操作子(上記の例では、操作子20R)を表示する、操作子表示部100cとして動作する。
【0069】
CPU100Aは、ユーザのタッチ位置TPが領域R1Rを超えて周辺領域R2Rまでスライドされ(図6B参照)、且つ周辺領域R2R上でタッチが解除されたか否かを判定する(ステップS106)。周辺領域R2R上でタッチが解除されると(ステップS106:YES)、CPU100Aは、検索設定機能を実行する(ステップS107)。
【0070】
検索設定機能の実行が開始されると、図6Cに示されるように、検索対象の設定画面が画面138に表示される。ユーザは、設定画面上にリストされた検索対象をタッチすることで、検索対象を設定することができる。
【0071】
このように、CPU100Aは、タッチ検出部100aにより周辺領域外から周辺領域内へのスライド操作(上記の例では、周辺領域R2Rへのスライド操作)が検出されると、検出されたスライド操作先である周辺領域に対するタッチ操作に基づいて(より詳細には、当該周辺領域に表示された操作子に対するタッチ操作に応じて)、スライド操作先である周辺領域に割り当てられた機能(上記の例では、検索設定機能)を実行する機能実行部100dとして動作する。
【0072】
CPU100Aは、マークMから領域R1Lへのスライド操作を検出すると(ステップS103:YES及びステップS104:左側)、図7Aに示されるように、操作子20Lを周辺領域R2Lに表示する(ステップS108)。操作子20Lは、周辺領域R2Lに割り当てられた機能(ここでは、検索キャンセル機能)を実行するための操作子である。
【0073】
ステップS108においても、CPU100Aは、ステップS105と同様に、操作子表示部100cとして動作する。
【0074】
CPU100Aは、ユーザのタッチ位置TPが領域R1Lを超えて周辺領域R2Lまでスライドされ(図7B参照)、且つ周辺領域R2L上でタッチが解除されたか否かを判定する(ステップS109)。周辺領域R2L上でタッチが解除されると(ステップS109:YES)、CPU100Aは、検索キャンセル機能を実行する(ステップS110)。
【0075】
検索キャンセル機能が実行されると、図7Cに示されるように、画面138の表示がタッチ操作前の表示に戻る。
【0076】
ステップS110においても、CPU100Aは、ステップS107と同様に、機能実行部100dとして動作する。
【0077】
CPU100Aは、マークMから領域R1Uへのスライド操作を検出すると(ステップS103:YES及びステップS104:上側)、図8Aに示されるように、操作子20Uを周辺領域R2Uに表示する(ステップS111)。操作子20Uは、周辺領域R2Uに割り当てられた機能(ここでは、ズームイン機能)を実行するための操作子である。
【0078】
ステップS111においても、CPU100Aは、ステップS105と同様に、操作子表示部100cとして動作する。
【0079】
CPU100Aは、ユーザのタッチ位置TPが領域R1Uを超えて周辺領域R2Uまでスライドされた(図8B参照)か否かを判定する(ステップS112)。周辺領域R2Uまでスライドされると(ステップS112:YES)、CPU100Aは、ズームイン機能を実行する(ステップS113)。
【0080】
ズームイン機能の実行時、CPU100Aは、周辺領域R2Uを複数の区画領域に区画する。図8Cの例では、周辺領域R2Uは、Y方向に三分割される。画面138の中心に近い順から、区画領域R21U、R22U、R23Uと記す。区画領域R21U上の操作子を操作子21Uと記し、区画領域R22U上の操作子を操作子22Uと記し、区画領域R23U上の操作子を操作子23Uと記す。
【0081】
CPU100Aは、操作子21U~23Uに対するタッチの継続時間に応じて、地図画像の縮尺を拡大(ズームイン)する。具体的には、CPU100Aは、タッチの継続時間が長いほど、地図画像の縮尺を拡大する。
【0082】
また、操作子毎に異なる倍率(タッチが継続する間の単位時間当たりの地図画像の拡大率であり、1倍を超える倍率)が設定される。操作子21U~23Uのうち、操作子21Uに対して最も小さい倍率が設定され、次いで、操作子22Uに対して小さい倍率が設定され、操作子23Uに対して最も大きい倍率が設定される。
【0083】
例えば、ユーザが操作子23Uをn秒間タッチし続けた場合、地図画像の縮尺は、n倍に拡大される。これに対し、ユーザが操作子21Uをn秒間タッチし続けた場合、地図画像の縮尺は、n倍(n<n)に拡大される。
【0084】
このように、機能実行部100dとして動作するCPU100Aは、操作子に対するタッチ操作の継続時間に応じて、機能の設定値(上記の例では、地図画像の拡大率)を制御する。また、周辺領域は、第1の区画領域(例えば操作子21U)と、第1の区画領域よりも画面138の中心から離れた第2の区画領域(例えば操作子23U)を含む、複数の領域に区画される。機能実行部100dとして動作するCPU100Aは、第2の区画領域に対して第1の継続時間のタッチ操作が検出されると、第1の区画領域に対して第1の継続時間のタッチ操作が検出された場合よりも、機能の設定値を大きく変更する。
【0085】
CPU100Aは、マークMから領域R1Dへのスライド操作を検出すると(ステップS103:YES及びステップS104:下側)、図9Aに示されるように、操作子20Dを周辺領域R2Dに表示する(ステップS114)。操作子20Dは、周辺領域R2Dに割り当てられた機能(ここでは、ズームアウト機能)を実行するための操作子である。
【0086】
ステップS114においても、CPU100Aは、ステップS105と同様に、操作子表示部100cとして動作する。
【0087】
CPU100Aは、ユーザのタッチ位置TPが領域R1Dを超えて周辺領域R2Dまでスライドされた(図9B参照)か否かを判定する(ステップS115)。周辺領域R2Dまでスライドされると(ステップS115:YES)、CPU100Aは、ズームアウト機能を実行する(ステップS116)。
【0088】
ズームアウト機能の実行時も、CPU100Aは、周辺領域R2Dを複数の区画領域(画面138の中心に近い順から、区画領域R21D、R22D、R23D)に区画する。区画領域R21D上の操作子を操作子21Dと記し、区画領域R22D上の操作子を操作子22Dと記し、区画領域R23D上の操作子を操作子23Dと記す。
【0089】
CPU100Aは、操作子21D~23Dに対するタッチの継続時間に応じて、地図画像の縮尺を縮小(ズームアウト)する。具体的には、CPU100Aは、タッチの継続時間が長いほど、地図画像の縮尺を縮小する。
【0090】
また、操作子毎に異なる倍率(タッチが継続する間の単位時間当たりの地図画像の縮小率であり、1倍未満の倍率)が設定される。操作子21D~23Dのうち、操作子21Dに対して最も大きい倍率が設定され、次いで、操作子22Dに対して大きい倍率が設定され、操作子23Dに対して最も小さい倍率が設定される。操作子21D~23Dのうち、操作子21Dに対して設定される倍率が1倍に最も近い値(例えば0.8倍)となり、操作子23Dに対して設定される倍率が0倍に最も近い値(例えば0.5倍)となる。
【0091】
例えば、ユーザが操作子23Dをn秒間タッチし続けた場合、地図画像の縮尺は、n倍に縮小される。これに対し、ユーザが操作子21Dをn秒間タッチし続けた場合、地図画像の縮尺は、n倍(n<n)にしか縮小されない。
【0092】
このように、ステップS116においても、CPU100Aは、ステップS113と同様に、機能実行部100dとして動作する。
【0093】
附言するに、周辺領域R2Uが沿う画面138の上辺(第1の辺の一例)は、周辺領域R2Dが沿う画面138の下辺(第2の辺の一例)の対辺である。周辺領域R2Uに割り当てられたズームイン機能(第1の機能の一例)と、周辺領域R2Dに割り当てられたズームアウト機能(第2の機能の一例)は、共通の設定値を、プラス側に変更する機能とマイナス側に変更する機能であり、対となる機能となっている。
【0094】
対となる機能を画面138の対辺沿いの周辺領域に割り当てることにより、ユーザは、機能の設定値をより直感的に変更することができる。
【0095】
本実施形態によれば、ユーザは、画面138の中心から辺付近まで指をスライドさせて離すという単純な動作で、アプリケーション106の機能を情報処理装置1に実行させることができる。そのため、ユーザが画面138を注視せずにタッチ操作した場合にも誤操作が起こりにくい。
【0096】
また、スライド操作先である周辺領域が画面138の辺という物理的構造の付近に位置する。そのため、ユーザは、画面138を注視せずとも、周辺領域の位置を把握しやすい。この点からも、ユーザが画面138を注視せずにタッチ操作した場合にも誤操作が起こりにくい。
【0097】
また、マークMの表示位置を基点としたスライド操作が行われなければ、操作子が画面138に表示されない。そのため、地図画像等の表示物を画面138により多く表示させることができる。
【0098】
なお、周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dの何れの周辺領域にも属さない位置でタッチが解除された場合、CPU100Aは、図5のフローチャートの処理を終了するとともに、図2Cに示されるように、その時点での円Cを確定し、検索範囲SAのなかから検索対象を検索し、見付かった検索対象を地図画像上に表示する。CPU100Aは、検索対象を示すマークに対するタッチ操作に応じて目的地を設定し、経路を検索して案内を行う。
【0099】
ナビアプリ以外のアプリの実行時の処理例を説明する。図10A図10Dを用いて、カメラアプリの実行時の処理例を説明する。
【0100】
例えば、ギアがリバースに切り替えられると、カメラアプリが実行される。図10Aは、カメラアプリの実行時に画面138に表示される車両の俯瞰画像の一例である。
【0101】
CPU100Aは、図5のステップS101と同様に、カメラアプリの対応情報をROM100Cから取得し、取得された対応情報に従い、各周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dに対して機能を割り当てる。
【0102】
例えば領域R1Rへのスライド操作が検出されると、CPU100Aは、図5のステップS105と同様に、操作子20Rを周辺領域R2Rに表示する(図10B参照)。この場合、操作子20Rは、カメラアプリの設定を行うための操作子である。
【0103】
操作子20Rには、各種の設定項目がリストされる。周辺領域R2Rまでスライドされ、且つ操作子20R内の何れかの設定項目上の位置でタッチが解除されると、CPU100Aは、該当項目の設定機能を実行する。
【0104】
例えば領域R1Uへのスライド操作が検出されると、CPU100Aは、図5のステップS111と同様に、操作子20Uを周辺領域R2Uに表示する(図10C参照)。この場合、操作子20Uは、俯瞰画像のズームイン機能を実行するための操作子である。
【0105】
周辺領域R2Uまでスライド操作されると、CPU100Aは、図5のステップS113と同様に、俯瞰画像のズームイン機能を実行する。
【0106】
例えば領域R1Dへのスライド操作が検出されると、CPU100Aは、図5のステップS114と同様に、操作子20Dを周辺領域R2Dに表示する(図10D参照)。この場合、操作子20Dは、俯瞰画像のズームアウト機能を実行するための操作子である。
【0107】
周辺領域R2Dまでスライド操作されると、CPU100Aは、図5のステップS116と同様に、俯瞰画像のズームアウト機能を実行する。
【0108】
なお、図8C及び図9Cの例と同様に、周辺領域R2U及びR2Dは、異なる倍率が設定された複数の領域に区画されてもよい。ユーザは、タッチする区画領域に応じて俯瞰画像のズームイン及びズームアウトの速度を変えることができる。
【0109】
3Dビューアプリの実行時の処理例を説明する。操作部120に対する操作に応じて3Dビューアプリの実行が開始される。3Dビューアプリの実行が開始されると、例えば車両の3Dモデルが画面138に表示される。
【0110】
CPU100Aは、図5のステップS101と同様に、3Dビューアプリの対応情報をROM100Cから取得し、取得された対応情報に従い、各周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dに対して機能を割り当てる。例えば、周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dのそれぞれに対し、車両の3Dモデルを右回転、左回転、上回転、下回転させる機能が割り当てられる。
【0111】
各領域R1R、R1L、R1U、R1Dへのスライド操作が検出されると、CPU100Aは、スライド操作の方向に位置する周辺領域に操作子を表示する。表示された操作子までスライド操作されると、CPU100Aは、画面138に表示中の車両の3Dモデルを回転させる。一例として、周辺領域R2Rに表示された操作子までスライド操作されると、画面138に表示中の車両の3Dモデルが右回転する。
【0112】
画面138の右辺に沿った周辺領域R2Rに右回転の機能が割り当てられ、また、画面138の左辺に沿った周辺領域R2Lに左回転の機能が割り当てられ、また、画面138の上辺に沿った周辺領域R2Uに上回転の機能が割り当てられ、また、画面138の下辺に沿った周辺領域R2Dに下回転の機能が割り当てられる。画面138内における周辺領域が位置する方向とこれに対応する回転方向とが一致するため、ユーザは、3Dモデルの回転操作を直感的に行うことができる。
【0113】
オーディオアプリの実行時の処理例を説明する。操作部120に対する操作に応じてオーディオアプリの実行が開始される。オーディオアプリの実行が開始されると、例えばオーディオアプリ用のコントローラが画面138に表示される。
【0114】
CPU100Aは、図5のステップS101と同様に、オーディオアプリの対応情報をROM100Cから取得し、取得された対応情報に従い、各周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dに対して機能を割り当てる。例えば、周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dのそれぞれに対し、選局チャンネルアップ機能、選局チャンネルダウン機能、音量アップ機能、音量ダウン機能が割り当てられる。
【0115】
各領域R1R、R1L、R1U、R1Dへのスライド操作が検出されると、CPU100Aは、スライド操作の方向に位置する周辺領域に操作子を表示する。表示された操作子までスライド操作されると、CPU100Aは、対応する機能を実行する。
【0116】
例えば、周辺領域R2Rに表示された操作子までスライド操作されると、スピーカ142から出力される音の大きさがアップする。操作子に対するタッチの継続時間が長いほど、音量がアップする。また、周辺領域R2Lに表示された操作子までスライド操作されると、スピーカ142から出力される音の大きさがダウンする。操作子に対するタッチの継続時間が長いほど、音量がダウンする。
【0117】
例えば、周辺領域R2Uに表示された操作子までスライド操作されると、選局チャンネルが周波数の高いチャンネルに変更される。操作子に対するタッチの継続時間が一定時間超える毎に、選局チャンネルが周波数のより高いチャンネルに変更される。また、周辺領域R2Dに表示された操作子までスライド操作されると、選局チャンネルが周波数の低いチャンネルに変更される。操作子に対するタッチの継続時間が一定時間超える毎に、選局チャンネルが周波数のより低いチャンネルに変更される。
【0118】
周辺領域R2Rに割り当てられた音量アップ機能と、周辺領域R2Lに割り当てられた音量ダウン機能は、共通の設定値を、プラス側に変更する機能とマイナス側に変更する機能であり、対となる機能となっている。また、周辺領域R2Uに割り当てられた選局チャンネルアップ機能と、周辺領域R2Dに割り当てられた選局チャンネルダウン機能も、共通の設定値を、プラス側に変更する機能とマイナス側に変更する機能であり、対となる機能となっている。
【0119】
オーディオアプリにおいても、対となる機能を画面138の対辺沿いの周辺領域に割り当てることにより、ユーザは、機能の設定値をより直感的に変更することができる。
【0120】
空調コントロールアプリの実行時の処理例を説明する。操作部120に対する操作に応じて空調コントロールアプリの実行が開始される。空調コントロールアプリの実行が開始されると、例えば空調用のコントローラが画面138に表示される。
【0121】
CPU100Aは、図5のステップS101と同様に、空調コントロールアプリの対応情報をROM100Cから取得し、取得された対応情報に従い、各周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dに対して機能を割り当てる。例えば、周辺領域R2R、R2L、R2U、R2Dのそれぞれに対し、風量アップ機能、風量ダウン機能、設定温度アップ機能、設定温度ダウン機能が割り当てられる。
【0122】
各領域R1R、R1L、R1U、R1Dへのスライド操作が検出されると、CPU100Aは、スライド操作の方向に位置する周辺領域に操作子を表示する。表示された操作子までスライド操作されると、CPU100Aは、対応する機能を実行する。
【0123】
例えば、周辺領域R2Rに表示された操作子までスライド操作されると、エア・コンディショナの設定温度がアップする。操作子に対するタッチの継続時間が長いほど、設定温度がアップする。また、周辺領域R2Lに表示された操作子までスライド操作されると、エア・コンディショナの設定温度がダウンする。操作子に対するタッチの継続時間が長いほど、設定温度がダウンする。
【0124】
例えば、周辺領域R2Uに表示された操作子までスライド操作されると、エア・コンディショナの風量がアップする。操作子に対するタッチの継続時間が長いほど、風量がアップする。また、周辺領域R2Dに表示された操作子までスライド操作されると、エア・コンディショナの風量がダウンする。操作子に対するタッチの継続時間が長いほど、風量がダウンする。
【0125】
周辺領域R2Rに割り当てられた設定温度アップ機能と、周辺領域R2Lに割り当てられた設定温度ダウン機能は、共通の設定値を、プラス側に変更する機能とマイナス側に変更する機能であり、対となる機能となっている。また、周辺領域R2Uに割り当てられた風量アップ機能と、周辺領域R2Dに割り当てられた風量ダウン機能も、共通の設定値を、プラス側に変更する機能とマイナス側に変更する機能であり、対となる機能となっている。
【0126】
空調コントロールアプリにおいても、対となる機能を画面138の対辺沿いの周辺領域に割り当てることにより、ユーザは、機能の設定値をより直感的に変更することができる。
【0127】
このように、機能実行部100dとして動作するCPU100Aは、画面138の周辺領域に対し、アプリケーション106毎に異なる機能を割り当てる。そのため、機能実行部100dにより実行される機能は、実行中のアプリケーション106に応じて切り替わる。
【0128】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
【0129】
上記の実施形態では、タッチ位置TPの基点から現在のタッチ位置TPまでの長さを半径とする円Cが検索範囲SAとして設定されるが、検索範囲SAの形状は円形に限らない。例えば、タッチ位置TPの基点を重心位置とする多角形(三角形、四角形等)内の範囲や、上記基点と現在のタッチ位置TPを頂点とする多角形内の範囲が検索範囲SAとして設定されてもよい。
【符号の説明】
【0130】
1 :情報処理装置
100 :制御部
100A :CPU
100B :RAM
100C :ROM
100D :入出力ポート
100a :タッチ検出部
100b :機能割当部
100c :操作子表示部
100d :機能実行部
102 :プログラム
104 :プログラム
106 :アプリケーション
110 :通信インタフェース部
120 :操作部
130 :表示部
140 :音声出力部
150 :振動部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D