(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162997
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法
(51)【国際特許分類】
B61D 19/02 20060101AFI20231101BHJP
B61L 23/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B61D19/02 P
B61D19/02 E
B61L23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073761
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】石河 範明
(72)【発明者】
【氏名】野間 拓耶
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇大
(72)【発明者】
【氏名】植草 秀明
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161MM01
5H161MM15
5H161NN10
(57)【要約】
【課題】鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かの判定をより適切に行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る監視装置100は、駅のホームの鉄道車両200のドアの周辺を撮像する撮像部102と、撮像部102により取得される画像データに基づき、ドアを閉じることが可能か否かを推定する画像解析部104と、画像解析部104の推定結果に基づき、ドアを閉じることが可能か否かを判定する判定部118と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅のホームの鉄道車両のドアの周辺を撮像する撮像部と、
前記撮像部により取得される画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する判定部と、を備える、
監視装置。
【請求項2】
前記推定部は、深層学習により機械学習がされた、ニューラルネットワークを含む学習済みモデルを用いて、前記画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記ホームに前記鉄道車両が前記ドアを開いた状態で停車している間で、最新の前記画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを繰り返し推定し、
前記判定部は、前記推定部の推定結果の履歴に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記推定部は、乗客又は乗客の所持品の一部が所定基準に対して相対的に小さい量の範囲で、前記ドアの開口から前記鉄道車両の外部にはみ出している状態で前記ドアを閉じることが可能であると推定する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
所定基準に対して相対的に小さい量の範囲とは、乗客又は乗客の所持品の全体のうち、前記ドアの開口から前記鉄道車両の外部にはみ出している状態から所定基準に対して相対的に短い時間の範囲で乗客が前記鉄道車両の内部に意図的に引っ込めることが可能な程度の量の範囲である、
請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
所定基準に対して相対的に短い時間の範囲とは、前記鉄道車両の出発の合図から前記ドアが閉じ始めるまでに想定される時間の範囲である、
請求項5に記載の監視装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記推定部により前記ドアが閉じることが可能であると推定される状態が第1の基準時間に対して相対的に長く継続している場合、前記ドアを閉じることが可能であると判定する、
請求項4に記載の監視装置。
【請求項8】
前記撮像部は、第1の撮像部と、前記第1の撮像部と異なる前記ドアの周辺を撮像する第2の撮像部とを含み、
前記推定部は、前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部により取得される前記画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項9】
前記推定部は、前記第1の撮像部により取得される前記画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する第1の推定部と、前記第2の撮像部により取得される前記画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する第2の推定部とを含み、
前記判定部は、前記第1の推定部の推定結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する第1の判定部と、前記第2の推定部の推定結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する第2の判定部と、前記第1の判定部及び前記第2の判定部の判定結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する統合判定部とを含み、
前記統合判定部は、前記第1の判定部及び前記第2の判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが可能であることを表している場合に、前記ドアを閉じることが可能であると判定する、
請求項8に記載の監視装置。
【請求項10】
前記ドアの閉動作中に、前記判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが可能な状態から前記ドアを閉じることが不可能な状態に移行した場合、前記ドアの閉動作の停止を指示する信号を出力する指示部を備える、
請求項1乃至9の何れか一項に記載の監視装置。
【請求項11】
前記指示部は、前記ドアの閉動作中に、前記判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが可能な状態から前記ドアを閉じることが不可能な状態に移行した場合、前記ドアの閉動作の停止を指示する信号を前記鉄道車両に向けて出力する、
請求項10に記載の監視装置。
【請求項12】
前記指示部は、前記判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが可能な状態から前記ドアを閉じることが不可能な状態に移行した後、前記判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが不可能な状態から前記ドアを閉じることが可能な状態に移行した場合、前記ドアの閉動作の再開を指示する信号を前記鉄道車両に向けて出力する、
請求項11に記載の監視装置。
【請求項13】
前記指示部は、前記判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが可能な状態から前記ドアを閉じることが不可能な状態に移行して以降の所定の時点から第2の時間を経過する前に、前記判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが不可能な状態から前記ドアを閉じることが可能な状態に移行した場合、前記ドアの閉動作の再開を指示する信号を前記鉄道車両に向けて出力し、前記所定の時点から前記第2の時間を経過しても、前記判定部の判定結果が前記ドアを閉じることが不可能な状態を継続している場合、前記ドアの開動作を指示する信号を前記鉄道車両に出力する、
請求項12に記載の監視装置。
【請求項14】
前記画像データに基づき、前記ドアの周囲の所定の者、又は前記所定の者に関する所定の物体を検出する検出部を備え、
前記判定部は、前記推定部の推定結果、及び前記検出部の検出結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項15】
前記ホーム又は前記鉄道車両に設置され、前記撮像部の撮像範囲に光を照射可能な照明部と、
前記ドアが開かれている間で、前記照明部から光を照射させる制御部と、を備える、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記鉄道車両の前記駅への到着、又は、前記鉄道車両の前記駅からの出発指示の出力に合わせて、前記照明部を点灯させると共に、前記鉄道車両の前記ドアの全閉、又は、前記鉄道車両の前記ホームからの出発に合わせて、前記照明部を消灯させる、
請求項15に記載の監視装置。
【請求項17】
前記鉄道車両と前記ホームとの位置関係に関するデータを取得するセンサを備え、
前記制御部は、前記センサの出力に基づき、前記照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御する、
請求項16に記載の監視装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記鉄道車両の運行管理を行う運行管理システムから入力される信号に基づき、前記照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御する、
請求項16に記載の監視装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記鉄道車両から入力される、前記鉄道車両の乗務員の操作による前記ドアを開く又は閉じるための指令が出力されたことを表す信号に基づき、前記照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御する、
請求項16に記載の監視装置。
【請求項20】
前記鉄道車両の車側灯の点灯状態及び消灯状態の少なくとも一方を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づき、前記照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御する、
請求項16に記載の監視装置。
【請求項21】
監視装置が、撮像部により取得される、駅のホームの鉄道車両のドアの周辺の画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する推定ステップと、
前記監視装置が、前記推定ステップでの推定結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する判定ステップと、を含む、
監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駅のホームの鉄道車両のドアの周辺の状況を表す画像データに基づき、ドアの周辺の状況を監視する技術が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-138630号公報
【特許文献2】国際公開第2018/180311号
【特許文献3】特開2021-109632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ホームの鉄道車両のドアの周辺の画像データから、鉄道車両のドアの周辺の状況を認識することで、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを判定することができる。
【0005】
しかしながら、画像データに基づく現在の鉄道車両のドアの周辺の状況から、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを適切に判定できない場合がある。例えば、満員電車等では、出発の直前まで鉄道車両の内部の乗客や乗客の所持品等の一部がドアの開口から外にはみ出している場合がある。この場合、ドアの開口から乗客や乗客の所持品がはみ出していないことを以て、ドアを閉めることが可能であると判定すると、一向にドアを閉めることが可能な状態に移行することができず、鉄道車両の運行に支障を来す可能性がある。一方で、ドアの開口から乗客や乗客の所持品の一部がはみ出している状態を、ドアを閉めることが可能であると判定すると、その判定結果に基づきドアが閉じられ、乗車しようとしている乗客やその乗客の所持品がドアに挟み込まれてしまう可能性がある。
【0006】
そこで、上記課題に鑑み、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かの判定をより適切に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
駅のホームの鉄道車両のドアの周辺を撮像する撮像部と、
前記撮像部により取得される画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する判定部と、を備える、
監視装置が提供される。
【0008】
また、本開示の他の実施形態では、
監視装置が、撮像部により取得される、駅のホームの鉄道車両のドアの周辺の画像データに基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを推定する推定ステップと、
前記監視装置が、前記推定ステップでの推定結果に基づき、前記ドアを閉じることが可能か否かを判定する判定ステップと、を含む、
監視方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
上述の実施形態によれば、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かの判定をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図6】乗客の位置と画像解析部の推定結果との関係を説明する図である。
【
図7】画像解析部の出力(推定結果)と判定部の出力(判定結果)との関係を説明する図である。
【
図9】各判定部の出力(判定結果)と統合部の出力(判定結果)との関係を説明する図である。
【
図11】ドアの閉動作時のドアの制御方法を説明する図である。
【
図12】ドアの閉動作時のドアの制御方法を説明する図である。
【
図13】ドアの閉動作時のドアの制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【
図15】画像データの監視領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0012】
[監視装置の第1例]
図1を参照して、監視装置100の第1例について説明する。
【0013】
図1は、監視装置100の構成の第1例を示す図である。
【0014】
監視装置100は、駅STに設置され、鉄道車両200が入線し停車するホームPFの状況を監視する。
【0015】
監視装置100は、撮像部102と、画像解析部104と、表示部106と、照明部108と、センサ110と、照明制御部112とを含む。
【0016】
撮像部102は、ホームPFを撮像し、ホームPFの様子を表す画像データを取得する。撮像部102は、例えば、ホームPFに常設される単眼型の監視カメラである。撮像部102は、ホームPFに停車する鉄道車両200に隣接する領域、即ち、鉄道車両200のドアDRの周辺の領域を含む撮像範囲を有する。撮像部102は、例えば、ホームPFの天井部に取り付けられる。撮像部102は、例えば、駅STの営業時間内で、1/30秒ごとに、最新のホームPFの状況を表す画像データを取得し出力する。撮像部102は、画像解析部104と一対一の通信線やローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)等を通じて通信可能に接続され、撮像部102の出力(画像データ)は、画像解析部104に取り込まれる。
【0017】
画像解析部104は、撮像部102の出力(画像データ)に基づき、画像解析を行い、ホームPFの様子を監視する。
【0018】
画像解析部104の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、画像解析部104は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ装置、補助記憶装置、高速演算装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等である。高速演算装置は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含む。インタフェース装置には、例えば、撮像部102や表示部106等の監視装置100の構成要素と通信を行うための通信インタフェースが含まれる。また、インタフェース装置には、例えば、記録媒体と接続するための外部インタフェースが含まれる。これにより、画像解析部104は、例えば、外部インタフェースを通じて、記録媒体から各種プログラムを取り込み、補助記憶装置にインストールすることができる。
【0019】
例えば、画像解析部104は、ホームPFに停車中の鉄道車両200のドアDRが開かれている状態で、所定の処理周期ごとに、撮像部102の画像データに基づき、鉄道車両200の出発に向けてドアDRを閉じることが可能か否かを推定する。ホームPFに停車中の鉄道車両200のドアDRが開かれている状態には、ドアDRが全開の状態が含まれる。これにより、例えば、鉄道車両200の乗務員は、ドアDRの全開状態において、後述の表示部106を通じて、画像解析部104の推定結果を確認しながら、鉄道車両200の出発に向けてドアDRを閉じるための操作を行うことができる。また、ホームPFに停車中の鉄道車両200のドアDRが開かれている状態には、ドアDRの閉動作が開始されてからドアDRが全閉状態になるまでの間の状態が含まれる。これにより、例えば、鉄道車両200の乗務員は、ドアDRの閉動作中において、表示部106を通じて、画像解析部104の推定結果がドアDRを閉じることが可能な状態から不可能な状態に変化するのを確認し、ドアDRの閉動作を停止させることができる。また、画像解析部104は、ホームPFに停車中の鉄道車両200のドアDRが全開状態から全閉状態に移行した後に、所定の処理周期ごとに、撮像部102の画像データに基づき、鉄道車両200が出発可能か否かを推定してもよい。これにより、例えば、鉄道車両200の乗務員や駅STの駅員は、表示部106を通じて、画像解析部104の推定結果を確認し、鉄道車両200の運転士に向けて出発の合図を出すことができる。鉄道車両200のドアDRを閉じることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かを推定するための所定の処理周期は、例えば、撮像部102の画像データの取得周期である。
【0020】
具体的には、画像解析部104は、撮像部102の画像データからホームPFの上の人を含む物体を認識する。そして、画像解析部104は、人とホームPFに停車中の鉄道車両200やドアDRとの位置関係や距離に基づき、ドアDRを閉めることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かを推定してよい。これにより、例えば、ホームPFに設置される監視カメラの画像データを用いることができることから、監視装置100の専用の撮像部を設置する必要がない。そのため、ユーザは、監視装置100の導入コストを抑制し、より容易に監視装置100を導入することができる。
【0021】
例えば、画像解析部104は、ルールベースの画像認識技術を用いて、ホームPFの上の物体を認識し、ドアDRを閉めることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かを推定する。また、画像解析部104は、学習済みモデルを用いて、撮像部102の画像データに基づき、ホームPFの上の物体を認識し、ドアDRを閉めることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かを推定してもよい。学習済みモデルは、例えば、ホーム及び鉄道車両が映っている画像データと、鉄道車両のドアを閉めることが可能か否か、或いは、鉄道車両が出発可能か否かの正解データ(ラベル)との組み合わせのデータセットによって機械学習がされたモデルである。これにより、データセットの正解データのアノテーション(ラベル)を画像データごとに設定すればよく、例えば、画像データの乗客ごとにアノテーションが必要な場合に比して、アノテーションのコストを抑制し、より容易にデータセットを準備することができる。データセットには、様々な天気や光の照射状態等の外乱要素に対応する画像データが含まれる。これにより、画像解析部104は、ホームPFが屋外にある場合の天候や太陽の位置の影響やホームPFが屋内にある場合の照明部108からの光の照射状態等の外乱要素の影響を抑制し、ドアDRを閉じることが可能か否かをより適切に推定することができる。そのため、画像解析部104の推定精度を向上させることができる。例えば、学習済みモデルは、ディープラーニング(深層学習)により機械学習がされた、ニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を含む。また、画像解析部104は、ルールベースのモデル、及び機械学習がされたモデル(学習済みモデル)の双方を組み合わせて、ドアDRを閉めることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かを推定してもよい。
【0022】
画像解析部104は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて表示部106と通信可能に接続され、画像解析部104の出力(推定結果)は、表示部106に取り込まれる。
【0023】
表示部106は、ホームPFに設置され、画像解析部104の出力を表示する。これにより、駅STの駅員や鉄道車両200の乗務員は、表示部106の表示内容を通じて、ドアDRを閉めることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かの推定結果を確認することができる。また、表示部106は、撮像部102により取得される画像を表示してもよい。この場合、表示部106は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、撮像部102と通信可能に直接接続されることで、撮像部102の画像データを取得してもよいし、画像解析部104を通じて、撮像部102の画像データを取得してもよい。例えば、ホームPFでの鉄道車両200の停車中において、表示部106には、撮像部102により取得された画像が表示されると共に、その画像に重畳して画像解析部104の推定結果が表示される。表示部106は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。
【0024】
照明部108は、所定の電源から供給される電力で点灯可能な光源(例えば、LEDライト)を有し、光源から照射される光によって、上方からホームPFを明るく照らす。照明部108は、電源との間の電力経路に設けられるスイッチ(以下、便宜的に「照明スイッチ」)によって、点灯(オン)及び消灯(オフ)が切り換えられる。照明部108のスイッチは、駅員等の操作によって手動でオン及びオフが切り換え可能である。また、照明部108のスイッチは、後述の照明制御部112からの指令により、駅員等の人の操作に依らず、オン及びオフが切り換え可能である。
【0025】
照明部108は、撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上を明るく照らすことが可能な限り、一つであってもよいし、複数であってもよい。また、照明部108が複数の場合、一つの照明スイッチによって全ての照明部108の点灯及び消灯が可能な形態であってもよいし、複数の照明部ごとに照明スイッチが設けられてもよい。また、ホームPFの予め規定される複数の区画ごとに、その区画に設置される照明部108を対象とする照明スイッチが設置されてもよい。
【0026】
センサ110は、鉄道車両200とホームPFとの位置関係に関するデータを取得し、ホームPFに鉄道車両200が存在するか否か検出する。センサ110は、例えば、ホームPFのホームドアに設置される。センサ110は、ホームPFの長手方向において、停車する鉄道車両200の停車位置に相当する範囲内に一又は複数設けられる。例えば、
図1に示すように、センサ110は、ホームPFの長手方向において、鉄道車両200の先頭の車両及び最後尾の車両のそれぞれの停車位置に対応する位置に設置される。センサ110は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて照明制御部112と通信可能に接続され、センサ110による鉄道車両200のホームPFへの入線の有無を表す検出信号は、照明制御部112に取り込まれる。これにより、照明制御部112は、センサ110の信号に基づき、鉄道車両200がホームPFに到着(入線)したかどうかや、鉄道車両200がホームPFから出発したかどうか等を認識することができる。以下、便宜的に、センサ110から出力される、ホームPFに鉄道車両200が存在しない状態を表す検出信号を「第1のセンサ信号」と称し、ホームPFに鉄道車両200が存在する状態を表す信号を「第2のセンサ信号」を称する。
【0027】
照明制御部112は、照明部108に関する制御を行う。具体的には、照明制御部112は、センサ110の出力に基づき、照明部108の点灯及び消灯に関する制御を行う。
【0028】
照明制御部112の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、照明制御部112は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM等である。補助記憶装置は、例えば、HDDやSSDやフラッシュメモリやEEPROM等である。インタフェース装置には、例えば、照明部108やセンサ110等の監視装置100の構成要素と通信を行うための通信インタフェースが含まれる。また、インタフェース装置には、例えば、記録媒体と接続するための外部インタフェースが含まれる。これにより、照明制御部112は、例えば、外部インタフェースを通じて、記録媒体から各種プログラムを取り込み、補助記憶装置にインストールすることができる。
【0029】
尚、画像解析部104及び照明制御部112の機能は、同じ情報処理装置により実現されてもよいし、3以上の情報処理装置により分散して実現されてもよい。
【0030】
例えば、照明制御部112は、ホームPFに停車中の鉄道車両200のドアDRの全開中及び閉動作中に、照明部108(光源)からの光が撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射されるように、照明部108の点灯及び消灯の制御を行う。これにより、画像解析部104が、ドアDRを閉めることが可能か否かを判定する際に、撮像部102の撮像範囲の照明条件(明るさ)を一定に保持することができる。そのため、画像解析部104は、一定の明るさで撮像された画像データを用いて、ドアDRを閉めることが可能か否かを推定することができ、その結果、照明部108が消灯されている場合に比して、推定精度を向上させることができる。よって、監視装置100は、例えば、照明部108が常時点灯されていない場合であっても、ドアDRを閉じることが可能か否かの監視を適切に実施することができる。
【0031】
また、照明制御部112は、ドアDRが全閉されてから、鉄道車両200がホームPFを出発するまでの間で、照明部108からの光が撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射されるように、照明部108の点灯及び消灯の制御を行ってもよい。これにより、画像解析部104が、鉄道車両200が出発することが可能か否かを判定する際に、撮像部102の撮像範囲の照明条件(明るさ)を一定に保持することができる。そのため、画像解析部104は、一定の明るさで撮像された画像データを用いて、鉄道車両200が出発可能であるか否かを推定することができ、その結果、照明部108が消灯されている場合に比して、推定精度を向上させることができる。よって、監視装置100は、例えば、照明部108が常時点灯されていない場合であっても、ドアDRを閉じることが可能か否かの監視を適切に実施することができる。
【0032】
具体的には、照明制御部112は、センサ110の出力に基づき、鉄道車両200がホームPFに到着(入線)したと判断すると、照明スイッチにオン指令を出力し、照明部108を点灯させてよい。センサ110が1つの場合、照明制御部112は、センサ110の出力が第1のセンサ信号から第2のセンサ信号に移行したときに、鉄道車両200がホームPFに到着したと判断できる。また、センサ110が複数の場合、照明制御部112は、全てのセンサ110の出力が第1のセンサ信号の状態から、少なくとも一つのセンサ110の出力が第2のセンサ信号の状態に移行したときに、鉄道車両200がホームPFに到着したと判断できる。これにより、照明制御部112は、鉄道車両200がホームPFに到着しドアDRが開かれる直前のタイミングから照明部108を点灯させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRが開かれている状態において、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯を開始させることができる。
【0033】
また、照明制御部112は、センサ110の出力に基づき、鉄道車両200がホームPFを出発した、或いは、ホームPFを離れたと判断すると、照明スイッチにオフ指令を出力し、照明部108を消灯させてよい。センサ110が1つの場合、照明制御部112は、センサ110の出力が第2の信号から第1の信号に移行したときに、鉄道車両200がホームPFから出発した、或いは、ホームPFを離れたと判断できる。また、センサ110が複数の場合、照明制御部112は、全てのセンサ110の出力が第2のセンサ信号の状態から、少なくとも一つのセンサ110の出力が第1のセンサ信号の状態に移行したときに、鉄道車両200がホームPFから出発したと判断できる。また、照明制御部112は、全てのセンサ110の出力が第2の信号の状態から第1の信号の状態に移行すると、鉄道車両200がホームPFを離れたと判断できる。これにより、照明制御部112は、鉄道車両200が出発した直後に、照明部108を消灯させることができる。そのため、ドアDRが全閉されてから鉄道車両200が出発するまでの間で、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することができる。また、照明制御部112は、ドアDRが閉じられた後まで照明部108の点灯を継続させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRの開かれた状態において、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯及び消灯を制御することができる。
【0034】
尚、照明部108が点灯している状態、即ち、照明スイッチのオンの状態で点灯スイッチが入力されると、照明スイッチは、オンの状態を維持し、その結果、照明部108は、点灯している状態を維持する。また、照明制御部112は、照明部108が点灯しているか否かを判定し、消灯されている場合に、上記の制御を実施してもよい。この際、照明スイッチが複数ある場合、照明スイッチごとに、対応する照明部108が点灯しているか否か、即ち、照明スイッチがオン常置であるか否かを判定し、点灯していない照明部108を対象として、上記の制御を実施する。これにより、常時点灯されている照明部108を点灯したままに維持することができる。
【0035】
このように、本例では、監視装置100は、センサ110の出力に基づき、鉄道車両200の到着や出発等のタイミングを把握し、それに合わせて、照明部108の点灯及び消灯の制御を行うことができる。これにより、例えば、エネルギ効率の向上や地球環境保護等の観点によって、照明部108が常時点灯でない場合であっても、監視装置100は、画像解析部104の処理に合わせて、撮像部102により取得される画像データの照明条件を一定に維持することができる。そのため、監視装置100は、照明部108の消灯を許容しつつ、ドアDRを閉じることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かの推定精度を向上させることができる
【0036】
[監視装置の第2例]
次に、
図2を参照して、監視装置100の第2例について説明する。
【0037】
以下、上述の第1例と異なる部分を中心に説明し、上述の第1例と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
【0038】
図2は、監視装置100の構成の第2例を示す図である。
【0039】
監視装置100は、上述の第1例と異なり、センサ110が省略され、撮像部102と、画像解析部104と、表示部106と、照明部108と、照明制御部112とを含む。
【0040】
本例では、監視装置100は、運行管理システム300と通信可能に接続される。
【0041】
運行管理システム300は、鉄道車両200を含む、管理対象のエリア内で運行される複数の鉄道車両の運行管理を行う。運行管理システム300は、例えば、駅STを含む、上記のエリア内の複数の駅ごとの管理装置と、管理対象の複数の鉄道車両と、最上位の管理装置としての統合管理装置とを含む。
【0042】
運行管理システム300は、例えば、統合管理装置と、駅STの管理装置及び鉄道車両200のそれぞれとの間の通信に基づき、鉄道車両200の駅ST(ホームPF)への到着を把握し到着時刻を記録する。また、運行管理システム300は、例えば、統合管理装置、と、駅STの管理装置及び鉄道車両200のそれぞれとの間の通信に基づき、鉄道車両200の駅ST(ホームPF)からの出発を把握し出発時刻を記録する。これにより、運行管理システム300は、鉄道車両200の駅STへの到着時刻、及び駅STからの出発時刻を管理することができる。
【0043】
照明制御部112は、運行管理システム300から入力される、鉄道車両200の運行状況に関する情報に基づき、照明部108の点灯及び消灯の制御を行う。
【0044】
具体的には、照明制御部112は、駅ST(ホームPF)への鉄道車両200の到着を表す信号が運行管理システム300から入力されると、照明部108を点灯させてよい。これにより、照明制御部112は、鉄道車両200がホームPFに到着しドアDRが開かれる直前のタイミングから照明部108を点灯させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRの全開中及び閉動作中に、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯を開始させることができる。
【0045】
また、照明制御部112は、駅ST(ホームPF)からの鉄道車両200の出発を表す信号が運行管理システム300から入力されると、照明部108を消灯させてよい。これにより、照明制御部112は、鉄道車両200が出発した直後に、照明部108を消灯させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRが全閉されてから鉄道車両200が出発するまでの間で、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯を継続させることができる。また、照明制御部112は、ドアDRが閉じられた後まで照明部108の点灯を継続させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRが開かれた状態において、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯及び消灯を制御することができる。
【0046】
このように、本例では、監視装置100は、運行管理システム300から入力される、鉄道車両200の運行状況に関する情報に基づき、鉄道車両200の到着や出発等のタイミングを把握し、それに合わせて、照明部108の点灯及び消灯の制御を行う。これにより、監視装置100は、上述の第1例と同様、照明部108の消灯を許容しつつ、ドアDRを閉じることが可能か否か、或いは、鉄道車両200が出発可能か否かの推定精度を向上させることができる。
【0047】
また、本例では、監視装置100は、既存の運行管理システム300からの情報を用いることができる。そのため、ユーザは、監視装置100のコストを抑制することができると共に、監視装置100の機能を比較的容易に導入することができる。
【0048】
[監視装置の第3例]
次に、
図3を参照して、監視装置100の第3例について説明する。
【0049】
以下、上述の第1例や第2例と異なる部分を中心に説明し、上述の第1例や第2例と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
【0050】
図3は、監視装置100の構成の第3例を示す図である。
【0051】
図3に示すように、監視装置100は、上述の第1例や第2例と同様、撮像部102と、画像解析部104と、表示部106と、照明部108と、照明制御部112とを含む。また、監視装置100は、上述の第1例や第2例と異なり、ドア動作情報取得部114を含む。
【0052】
ドア動作情報取得部114は、鉄道車両200のドアDRやホームPFに設置されるホームドアの動作に関する情報を取得する。ドアDRの動作に関する情報は、例えば、鉄道車両200の乗務員の操作によって、ドアDRの開指令や閉指令を出力する指令部206(
図10参照)の出力情報である。また、ドアDRの動作に関する情報は、ドアDRを制御する制御部212(
図10参照)から出力される、ドアDRの制御に関する情報であってもよい。ホームドアの動作に関する情報は、例えば、駅STの駅員の操作によって、ホームドアの可動式の開口部の開指令や閉指令を出力する指令部の出力情報である。また、ホームドアの動作に関する情報は、ホームドアを制御する制御部から出力される、ドアDRの制御に関する情報であってもよい。ドア動作情報取得部114は、例えば、鉄道車両200との間で通信を行い、鉄道車両200からドアDRの動作に関する情報を受信する通信部124(
図10参照)である。また、ドア動作情報取得部114は、例えば、ホームドアシステムからホームドアの開口部の開指令及び閉指令やホームドアの制御に関する情報を取得し、照明制御部112に伝送する伝送部である。
【0053】
照明制御部112は、ドア動作情報取得部114により取得される、ドアDRやホームドアの動作に関する情報に基づき、照明部108の点灯及び消灯の制御を行う。
【0054】
具体的には、照明制御部112は、ドア動作情報取得部114により取得される、ドアDRの動作に関する情報がドアDRの開動作を表している場合、照明部108を点灯させてよい。ドアDRの動作に関する情報がドアDRの開動作を表している場合とは、ドアDRの動作に関する情報がドアDRの開動作の開始、その最中、或いは、完了の何れかを表している場合を意味する。これにより、照明制御部112は、ドアDRの開かれている状態(全開状態)において、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯を開始させることができる。
【0055】
また、照明制御部112は、ドア動作情報取得部114により取得される、ホームドアの動作に関する情報がホームドアの開口部の開動作を表している場合、照明部108を点灯させてもよい。ホームドアの動作に関する情報がホームドアの開口部の開動作を表している場合とは、ホームドアの動作に関する情報がホームドアの開動作の開始、その最中、或いは、完了の何れかを表している場合を意味する。これにより、監視装置100は、ドアDRが開く直前のホームドアの開動作に合わせて、照明部108を点灯させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRの開かれている状態(全開状態)において、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯を開始させることができる。
【0056】
また、照明制御部112は、ドア動作情報取得部114により取得される、ドアDRの動作に関する情報がドアDRの閉動作を表している場合、照明部108を消灯させてよい。ドアDRの動作に関する情報がドアDRの閉動作を表している場合とは、ドアDRの動作に関する情報がドアDRの閉動作の開始、その最中、或いは、完了の何れかを表している場合を意味する。これにより、照明制御部112は、少なくともドアDRの閉動作の開始時点まで照明部108の点灯を継続させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRが開かれている状態(全開状態)で、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯及び消灯を制御することができる。
【0057】
また、照明制御部112は、ドア動作情報取得部114により取得される、ホームドアの動作に関する情報がホームドアの開口部の閉動作を表している場合、照明部108を消灯させてよい。ホームドアの動作に関する情報がホームドアの閉動作を表している場合とは、ホームドアの動作に関する情報がホームドアの閉動作の開始、その最中、或いは、完了の何れかを表している場合を意味する。これにより、照明制御部112は、少なくとも、ドアDRが全閉された後のホームドアの閉動作の開始時点まで照明部108の点灯を継続させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRが開かれている状態で、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯及び消灯を制御することができる。
【0058】
このように、本例では、監視装置100は、ドアDRやホームドアの動作に関する情報に基づき、ドアDRやホームドアの開口部の開動作や閉動作を把握し、それに合わせて、照明部108の点灯及び消灯の制御を行う。これにより、監視装置100は、照明部108の消灯を許容しつつ、ドアDRを閉じることが可能か否かの推定精度を向上させることができる。
【0059】
また、本例では、監視装置100は、既存の鉄道車両200やホームドアシステムからの情報を用いることができる。そのため、ユーザは、監視装置100のコストを抑制することができると共に、監視装置100の機能を比較的容易に導入することができる。
【0060】
[監視装置の第4例]
次に、
図4を参照して、監視装置100の第4例について説明する。
【0061】
以下、上述の第1例~第3例と異なる部分を中心に説明し、上述の第1例~第3例と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
【0062】
図4は、監視装置100の構成の第4例を示す図である。
【0063】
図4に示すように、監視装置100は、上述の第1例~第3例と同様、撮像部102と、画像解析部104と、表示部106と、照明部108と、照明制御部112とを含む。また、監視装置100は、上述の第1例~第3例と異なり、車側灯検知部116を含む。
【0064】
撮像部102は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、車側灯検知部116と通信可能に接続され、撮像部102の出力(画像データ)は、車側灯検知部116に取り込まれる。
【0065】
車側灯検知部116は、鉄道車両200の車側灯の点灯及び消灯の少なくとも一方を検知する。鉄道車両200の車側灯は、点灯している場合、ドアDRが開いている状態を表し、消灯している場合、ドアDRが閉じている状態を表す。
【0066】
車側灯検知部116の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、車側灯検知部116は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM等である。補助記憶装置は、例えば、HDDやSSDやフラッシュメモリやEEPROM等である。インタフェース装置には、例えば、撮像部102や照明制御部112等の監視装置100の構成要素と通信を行うための通信インタフェースが含まれる。また、インタフェース装置には、例えば、記録媒体と接続するための外部インタフェースが含まれる。これにより、車側灯検知部116は、例えば、外部インタフェースを通じて、記録媒体から各種プログラムを取り込み、補助記憶装置にインストールすることができる。
【0067】
尚、画像解析部104、照明制御部112、及び車側灯検知部116の機能は、同じ情報処理装置により実現されてもよいし、2つの情報処理装置により実現されてもよいし、4以上の情報処理装置により分散して実現されてもよい。
【0068】
例えば、車側灯検知部116は、撮像部102の画像データに基づき、画像データに映っている鉄道車両200の車側灯を認識し、その点灯及び消灯の少なくとも一方を検知する。車側灯の点灯及び消灯を検知する場合、車側灯検知部116は、車側灯の点灯を検知していることを表す検知情報と、車側灯の消灯を検知していることを表す検知情報とを出力する。また、車側灯の点灯のみを検知する場合、車側灯検知部116は、車側灯の点灯を検知していることを表す検知情報と、車側灯の点灯を検知していないことを表す検知情報とを出力する。また、車側灯の消灯のみを検知する場合、車側灯検知部116は、車側灯の消灯を検知していることを表す検知情報と、車側灯の消灯を検知していないことを表す検知情報とを出力する。画像解析部104の場合と同様、車側灯検知部116は、ルールベースの画像認識技術を用いて、画像データに映っている鉄道車両200の車側灯を認識し、その点灯状態や消灯状態を検知してよい。また、画像解析部104の場合と同様、車側灯検知部116は、学習済みモデルを用いて、撮像部102の画像データに基づき、画像データに映っている鉄道車両200の車側灯を認識し、その点灯及び消灯の少なくとも一方を検知してもよい。学習済みモデルは、例えば、ホーム及び鉄道車両が映っている画像データと、その画像データの中の車側灯に相当する画像領域、及び車側灯の点灯或いは消灯のラベルを含む正解データとの組み合わせのデータセットによって機械学習がされたモデルである。例えば、学習済みモデルは、ディープラーニング(深層学習)により機械学習がされた、ニューラルネットワークを含む。また、画像解析部104の場合と同様、車側灯検知部116は、ルールベースのモデル、及び機械学習がされたモデル(学習済みモデル)の双方を組み合わせて、鉄道車両200の車側灯の点灯及び消灯の少なくとも一方を検知してもよい。車側灯検知部116は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて照明制御部112と通信可能にされ、車側灯検知部116の出力(検知結果)は、照明制御部112に取り込まれる。
【0069】
照明制御部112は、車側灯検知部116から入力される検知情報に基づき、照明部108の点灯及び消灯の制御を行う。
【0070】
具体的には、照明制御部112は、車側灯検知部116の検知情報が車側灯の消灯している状態から車側灯の点灯している状態に移行すると、照明部108を点灯させてよい。これにより、照明制御部112は、鉄道車両200のドアDRが開かれている状態で、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯を開始させることができる。
【0071】
また、照明制御部112は、車側灯検知部116の検知情報が車側灯の点灯している状態から車側灯の消灯している状態に移行すると、照明部108を消灯させてよい。これにより、照明制御部112は、少なくともドアDRが全閉状態になるまで照明部108の点灯を継続させることができる。そのため、照明制御部112は、ドアDRが開かれている状態において、照明部108からの光を撮像部102の撮像範囲を含むホームPFの上に照射することが可能なように、照明部108の点灯及び消灯を制御することができる。
【0072】
このように、本例では、監視装置100は、車側灯の点灯及び消灯を表す検知情報に基づき、ドアDRやホームドアの開口部の開動作や閉動作を把握し、それに合わせて、照明部108の点灯及び消灯の制御を行う。これにより、監視装置100は、照明部108の消灯を許容しつつ、ドアDRを閉じることが可能か否かの推定精度を向上させることができる。
【0073】
また、本例では、監視装置100は、既存の撮像部102の画像データを用いて車側灯の点灯及び消灯を検知し、その検知情報を用いることができる。そのため、ユーザは、監視装置100のコストを抑制することができると共に、監視装置100の機能を比較的容易に導入することができる。
【0074】
[監視装置の第5例]
次に、
図5~
図7を参照して、監視装置100の第5例について説明する。
【0075】
以下、上述の第1例~第4例と異なる部分を中心に説明し、第1例~第4例と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
【0076】
図5は、監視装置100の構成の第5例を示す図である。
図6は、乗客の位置と画像解析部104の推定結果との関係を説明する図である。
図7は、画像解析部104の出力(推定結果)と判定部118の出力(判定結果)との関係を説明する図である。
【0077】
図5に示すように、監視装置100は、上述の第1例~第4例と同様、撮像部102と、画像解析部104と、表示部106とを含む。また、監視装置100は、上述の第1例~第4例と異なり、判定部118を含む。
【0078】
画像解析部104は、ホームPFに停車中の鉄道車両200のドアDRが開かれている状態で、所定の処理周期ごとに、撮像部102の出力(画像データ)に基づき、停車中の鉄道車両200の開かれているドアDRを閉じることが可能か否かを推定する。
【0079】
例えば、
図6に示すように、画像解析部104は、鉄道車両200とホームPFの乗客との距離が所定基準に対して相対的に近づいている場合、ドアDRを閉めることが不可能であると推定する(
図6中の左から2番目)。画像解析部104は、乗客M或いは乗客Mの所持品の一部がドアDRの開口から鉄道車両200の外部に、所定基準に対して相対的に大きくはみ出している場合、ドアDRを閉めることが不可能であると推定する(
図6中の左から3番目)。一方、画像解析部104は、鉄道車両200とホームPF上の乗客Mとの距離が所定基準に対して相対的に離れている場合、ドアDRを閉めることが可能であると推定する(
図6中の左から1番目)。また、画像解析部104は、ドアDRの開口から乗客Mが鉄道車両200の内部に完全に入っている場合、ドアDRを閉じることが可能であると推定する(
図6中の左から5番目)。また、画像解析部104は、鉄道車両200の乗客或いは乗客の所持品の一部がドアDRの開口から鉄道車両200の外部に、所定基準に対して相対的に小さくはみ出している状態でドアDRを閉じることが可能であると推定する。所定基準は、乗客又は乗客の所持品の全体のうち、鉄道車両200の内部からはみ出している状態から相対的に短い時間で乗客が鉄道車両200の内部に意図的に引っ込めることが可能な程度の量の最大値に相当する。相対的に短い時間とは、例えば、鉄道車両200の発車の合図(例えば、発車ベル)からドアDRが閉じられるまでに想定される時間である。例えば、所定基準に対して相対的に小さいはみ出し量とは、鉄道車両200の混雑率が100%を大きく超えるような状況で、ドアDRの開口部からはみ出した状態で出発を待つ乗客やその乗客の荷物の一部のはみ出し量に相当する。これにより、混雑率が100%を大きく超える鉄道車両200について、ドアDRの開口部からはみ出している乗客やその乗客の荷物の存在に起因して、いつまでもドアDRを閉めることが可能という推定結果が得られないような事態を抑制することができる。
【0080】
例えば、画像解析部104は、上述の第1例~第4例と同様、ルールベースの画像認識技術を用いて、ホームPFの上の物体を認識し、ドアDRを閉めることが可能か否かを推定する。また、画像解析部104は、上述の第1例~第4例と同様、学習済みモデルを用いて、撮像部102の画像データに基づき、ホームPFの上の物体を認識し、ドアDRを閉めることが可能か否かを推定してもよい。学習済みモデルは、例えば、上述の第1例~第4例と同様、ホーム及び鉄道車両が映っている画像データと、鉄道車両200のドアを閉めることが可能か否か、或いは、鉄道車両が出発可能か否かの正解データとの組み合わせのデータセットによって機械学習がされたモデルである。この際、鉄道車両のドアから乗客やその乗客の所持品の一部が僅かにはみ出している様子が映っている画像データに対して、鉄道車両が出発可能であるとの正解データ(ラベル)が対応付けられる。これにより、画像解析部104は、学習済みモデルを用いて、ドアDRの開口部から乗客や乗客の所持品の一部が僅かにはみ出している状況を、ドアDRを閉じることが可能であると推定することができる。
【0081】
画像解析部104は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、判定部118と通信可能に接続され、画像解析部104の出力(推定結果)は、判定部118に取り込まれる。
【0082】
判定部118は、画像解析部104の出力に基づき、ホームPFに停車中の鉄道車両200の開かれている状態のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。これにより、判定部118は、画像解析部104の推定結果を考慮しつつ、画像解析部104の推定結果とは異なる判定結果を出力することができる。そのため、例えば、ドアDRの開口部から乗客や乗客の所持品の一部がはみ出している状況で、画像解析部104によりドアDRを閉じることが可能との推定結果が得られても、他の情報を考慮して、推定結果と異なる判定結果を出力することができる。よって、監視装置100は、鉄道車両200の運行の遅れを抑制しつつ、鉄道車両200のドアDRを閉じる際の安全性を確保することができる。
【0083】
判定部118の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、判定部118は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM等である。補助記憶装置は、例えば、HDDやSSDやフラッシュメモリやEEPROM等である。インタフェース装置には、例えば、画像解析部104や表示部106等の監視装置100の構成要素と通信を行うための通信インタフェースが含まれる。また、インタフェース装置には、例えば、記録媒体と接続するための外部インタフェースが含まれる。これにより、判定部118は、例えば、外部インタフェースを通じて、記録媒体から各種プログラムを取り込み、補助記憶装置にインストールすることができる。
【0084】
尚、画像解析部104及び判定部118の機能は、同じ情報処理装置により実現されてもよいし、3以上の情報処理装置により分散して実現されてもよい。
【0085】
例えば、判定部118は、ホームPFに停車中の鉄道車両200のドアDRが開かれた状態での画像解析部104による推定結果の履歴に基づき、ドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0086】
具体的には、
図7に示すように、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態から可能な状態に移行し且つその状態の継続時間が時間T1に対して相対的に長い場合、ドアDRを閉じることが可能であると判定する。判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態での継続時間が時間T1以上である場合に、ドアDRを閉じることが可能と判定してもよいし、時間T1を超えている場合に、ドアDRを閉じることが可能と判定してもよい。画像解析部104の出力として、ドアDRを閉じることが可能である状態がある程度継続する場合、仮に、乗客や乗客の所持品の一部がドアDRの開口から僅かにはみ出している状況でも、その乗客は、出発を待っていると判断できるからである。一方、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態から可能な状態に移行し且つその状態の継続時間が時間T1に対して相対的に短い場合、ドアDRを閉じることが不可能であると判定する。画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能である状態であっても、その継続時間が短い場合、ドアDRの開口を通過している乗客やその乗客の所持品の一部がドアDRの開口からはみ出している可能性があるからである。
【0087】
本例(
図7)では、時間T1は、画像解析部104及び判定部118の処理周期の8回分の時間に相当する。つまり、本例では、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態から可能な状態に移行し且つその状態である連続回数が規定回数N1(正の整数)に対して相対的に大きい場合、ドアDRを閉じることが可能であると判定する。一方、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態から可能な状態に移行し且つその状態である連続回数が規定回数N1に対して相対的に小さい場合、ドアDRを閉じることが不可能であると判定する。本例では、規定回数N1は、"8"である。
【0088】
また、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態から不可能な状態に移行し且つその状態の継続時間が時間T2(>0)に対して相対的に長い場合、ドアDRを閉じることが不可能であると判定してよい。例えば、ドアDRの閉動作の開始後、画像解析部104の出力として、ドアDRを閉じることが不可能な状態がある程度継続する場合、駆け込み乗車等が発生している可能性があるからである。一方、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態から不可能な状態に移行し且つその状態の継続時間が時間T2に対して相対的に長い場合、ドアDRを閉じることが可能であると判定してよい。
【0089】
図7の場合と同様、時間T2は、画像解析部104及び判定部118の処理周期の所定回数分の時間に相当してよい。つまり、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態から不可能な状態に移行し且つその状態である連続回数が規定回数N2(正の整数)に対して相対的に大きい場合、ドアDRを閉じることが不可能であると判定してよい。一方、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態から不可能な状態に移行し且つその状態である連続回数が規定回数N2に対して相対的に小さい場合、ドアDRを閉じることが可能であると判定してよい。
【0090】
尚、時間T2や規定回数N2は、0(ゼロ)であってもよい。つまり、判定部118は、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態から不可能な状態に移行した場合、直ぐに、ドアDRを閉じることが不可能であると判定してもよい。これにより、監視装置100は、乗客の安全性をより優先しつつ、乗客の安全性と鉄道車両200の運行の遅れの抑制とのバランスを図ることができる。
【0091】
判定部118は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、表示部106と通信可能に接続され、判定部118の判定結果は、表示部106に取り込まれる。
【0092】
表示部106は、判定部118の出力(判定結果)を表示する。これにより、駅STの駅員や鉄道車両200の乗務員は、表示部106の表示内容を通じて、ドアDRを閉めることが可能か否かの判定結果を確認することができる。また、表示部106は、撮像部102により取得される画像を表示してもよい。この場合、表示部106は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、撮像部102と通信可能に直接接続されることで、撮像部102の画像データを取得してもよいし、画像解析部104及び判定部118を通じて、画像データを取得してもよい。例えば、ホームPFでの鉄道車両200の停車中において、表示部106には、撮像部102により取得された画像が表示されると共に、その画像に重畳して判定部118の判定結果が表示される。
【0093】
このように、本例では、判定部118は、画像解析部104の推定結果に基づき、ドアDRを閉じることが可能か否かを判定することができる。これにより、監視装置100は、画像解析部104の推定結果を尊重しつつ、他の情報等も考慮して、鉄道車両200の運行の遅れの抑制と乗客の安全性とのバランスをより適切に図ることができる。
【0094】
また、本例では、画像解析部104は、鉄道車両200の乗客或いは乗客の所持品の一部がドアDRの開口から鉄道車両200の外部に、所定基準に対して相対的に小さくはみ出している場合、ドアDRを閉じることが可能であると推定することができる。これにより、例えば、混雑率が100%を大きく超えるような鉄道車両200において、乗客が自身の体や所持品の一部をドアDRの開口から外にはみ出しながら出発を待っているような状況を、ドアDRを閉じることが可能と推定することができる。そのため、混雑率が100%を大きく超えるような鉄道車両200について、ドアDRを閉じることが可能であるとの推定結果が得られず、その結果、鉄道車両200の運行に遅れが生じるような事態を抑制することができる。
【0095】
また、本例では、判定部118は、画像解析部104の推定結果の履歴に基づき、ドアDRを閉じることが可能か否かを判定することができる。これにより、判定部118は、画像解析部104の推定結果の履歴から、ドアDRに乗客や乗客の所持品を挟むような状況であるか否かを判断し、ドアDRを閉じることが可能か否かを判定することができる。そのため、監視装置100は、鉄道車両200の運行の遅れの抑制と乗客の安全性とのバランスをより適切に図ることができる。
【0096】
[監視装置の第6例]
次に、
図8、
図9を参照して、監視装置100の第6例について説明する。
【0097】
図8は、監視装置100の構成の第6例を示す図である。
図9は、各判定部118a~118cの出力(判定結果)と統合部120の出力(判定結果)との関係を示す図である。
【0098】
尚、
図9では、後述の判定部118a~118cが"判定部(a)"~"判定部(c)"として表現されている。
【0099】
図8に示すように、監視装置100は、上述の第5例と同様、撮像部102と、画像解析部104と、判定部118と、表示部106とを含む。
【0100】
撮像部102は、上述の第5例と異なり、撮像部102a~102cを含む。
【0101】
撮像部102a~102cは、それぞれ、ホームPFを撮像し、ホームPFの様子を表す画像データを取得する。撮像部102a~102cは、それぞれ、ホームPFに停車する鉄道車両200に隣接する領域、即ち、鉄道車両200のドアDRの周辺の領域を含む撮像範囲を有する。撮像部102a~102cは、互いに、異なる撮像範囲を有するように設置される。互いに異なる撮像範囲には、ホームPFにおける鉄道車両200の異なるドアDR付近の範囲が含まれる。これにより、例えば、撮像部102a~102cは、ホームPFの一部領域ごとのより高画質の画像データを取得することができる。そのため、画像解析部104は、撮像部102a~102cの画像データを用いて、ドアDRを閉じることが可能か否かの推定精度を向上させることができる。また、例えば、鉄道車両200の車両数が相対的に多い場合であっても、撮像部102a~102cを用いて、全てのドアDR付近の様子を表す画像データを取得することができる。撮像部102a~102cは、例えば、ホームPFの天井部に取り付けられる。撮像部102a~102cは、例えば、駅STの営業時間内で、1/30秒ごとに、最新のホームPFの状況を表す画像データを取得し出力する。撮像部102a~102cは、それぞれ、画像解析部104a~104cと一対一の通信線やローカルネットワーク等を通じて通信可能に接続され、撮像部102a~102cの出力(画像データ)は、それぞれ、画像解析部104a~104cに取り込まれる。
【0102】
尚、撮像部102は、2つの撮像部のみを含んでもよいし、3以上の撮像部を含んでもよい。
【0103】
画像解析部104は、上述の第5例と異なり、画像解析部104a~104cを含む。
【0104】
尚、画像解析部104は、撮像部102に含まれる撮像部の数に合わせて、2つの画像解析部のみを含んでもよいし、3以上の画像解析部を含んでもよい。
【0105】
画像解析部104a~104cのそれぞれの機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、画像解析部104a~104cは、それぞれ、上述の第1例~第5例の画像解析部104と同様、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、高速演算装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。
【0106】
尚、画像解析部104a~104cの機能は、同じ情報処理装置により実現されてもよいし、2つの情報処理装置により実現されてもよいし、4以上の情報処理装置により分散して実現されてもよい。
【0107】
画像解析部104aは、撮像部102aにより取得される画像データに基づき、上述の第5例の画像解析部104と同様に、撮像部102aの撮像範囲内の鉄道車両200のドアDRを閉じることが可能か否かを推定する。
【0108】
画像解析部104bは、撮像部102bにより取得される画像データに基づき、上述の第5例の画像解析部104と同様に、撮像部102bの撮像範囲内の鉄道車両200のドアDRを閉じることが可能か否かを推定する。
【0109】
画像解析部104cは、撮像部102cにより取得される画像データに基づき、上述の第5例の画像解析部104と同様に、撮像部102cの撮像範囲内の鉄道車両200のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0110】
画像解析部104a~104cは、それぞれ、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、判定部118a~118cと通信可能に接続され、画像解析部104a~104cの出力は、それぞれ、判定部118a~118cに取り込まれる。
【0111】
判定部118は、上述の第5例と異なり、判定部118a~118cと、統合部120とを含む。
【0112】
尚、判定部118は、撮像部102に含まれる撮像部の数、及び画像解析部104に含まれる画像解析部の数に合わせて、2つの判定部のみを含んでもよいし、3以上の判定部を含んでもよい。
【0113】
判定部118a~118c及び統合部120のそれぞれの機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、判定部118a~118c、及び統合部120は、それぞれ、上述の第1例~第5例の判定部118と同様、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、高速演算装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。
【0114】
尚、判定部118a~118c及び統合部120の機能は、同じ情報処理装置により実現されてもよいし、2つの情報処理装置により実現されてもよいし、3つの情報処理装置により実現されてもよいし、5以上の情報処理装置により分散して実現されてもよい。
【0115】
判定部118aは、画像解析部104aの推定結果に基づき、上述の第5例の判定部118と同様に、撮像部102aの撮像範囲内のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0116】
判定部118bは、画像解析部104bの推定結果に基づき、上述の第5例の判定部118と同様に、撮像部102bの撮像範囲内のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0117】
判定部118cは、画像解析部104cの推定結果に基づき、上述の第5例の判定部118と同様に、撮像部102cの撮像範囲内のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0118】
判定部118a~118cは、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、統合部120と通信可能に接続され、判定部118a~118cのそれぞれの出力は、統合部120に取り込まれる。
【0119】
統合部120は、判定部118a~118cのそれぞれの判定結果を統合し、鉄道車両200のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する(
図9参照)。
【0120】
図9に示すように、統合部120は、判定部118a~118cの出力(判定結果)の全てが、対象の範囲(撮像部102a~102cの何れかの撮像範囲)内のドアDRを閉じることが可能な状態である場合に、ドアDRを閉じることが可能であると判定する。一方、統合部120は、判定部118a~118cの出力(判定結果)の少なくとも一つが、対象の範囲内のドアDRを閉じることが不可能な状態である場合、ドアDRを閉じることが不可能であると判定する。
【0121】
統合部120は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、表示部106と通信可能に接続され、統合部120の出力は、表示部106に取り込まれる。
【0122】
表示部106は、判定部118の出力(判定結果)、具体的には、統合部120の出力(判定結果)を表示する。また、表示部106は、撮像部102a~102cの少なくとも一つの画像を表示してもよい。また、表示部106は、判定部118a~118cのそれぞれの判定結果の一部又は全部を表示してもよい。
【0123】
このように、本例では、監視装置100は、撮像部102a~102cの画像データを用いて、ドアDRを閉じることが可能か否かを推定することができる。これにより、監視装置100は、ドアDRを閉じることが可能か否かの推定精度を向上させたり、車両数が相対的に多い鉄道車両200に対応する形で、ドアDRを閉じることが可能か否かを判定したりすることができる。
【0124】
[監視装置の第7例]
次に、
図10~
図13を参照して、監視装置100の第7例について説明する。
【0125】
<構成>
図10は、監視装置100の構成の第7例を示す図である。
【0126】
図10に示すように、監視装置100は、上述の第5例と同様、撮像部102と、画像解析部104と、判定部118と、表示部106とを含む。また、監視装置100は、上述の第5例、第6例と異なり、ドア制御部122と、通信部124とを含む。
【0127】
判定部118は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、ドア制御部122と通信可能に接続され、判定部118の出力は、ドア制御部122に取り込まれる。
【0128】
ドア制御部122は、判定部118の出力(判定結果)に基づき、鉄道車両200のドアDRを制御する。具体的には、ドア制御部122は、通信部124と一対一の通信線やローカルネットワークを通じて通信可能に接続され、通信部124を通じて、鉄道車両200のドアDRの制御機能(後述の制御部212)に向けて制御指令を送信する。これにより、ドア制御部122は、ドアDRの制御を行うことができる。
【0129】
ドア制御部122の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、ドア制御部122は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM等である。補助記憶装置は、例えば、HDDやSSDやフラッシュメモリやEEPROM等である。インタフェース装置には、例えば、判定部118や通信部124等の監視装置100の構成要素と通信を行うための通信インタフェースが含まれる。また、インタフェース装置には、例えば、記録媒体と接続するための外部インタフェースが含まれる。これにより、ドア制御部122は、例えば、外部インタフェースを通じて、記録媒体から各種プログラムを取り込み、補助記憶装置にインストールすることができる。
【0130】
尚、画像解析部104、判定部118、及びドア制御部122の機能は、同じ情報処理装置により実現されてもよいし、2つの情報処理装置により実現されてもよいし、4以上の情報処理装置により分散して実現されてもよい。
【0131】
通信部124は、所定の通信回線を通じて、鉄道車両200の通信部202との間で通信を行う。例えば、通信部124は、ローカル5G(5th Generation)に対応巣ル通信モジュールである。この場合、通信部202は、通信部124と同様に、ローカル5Gに対応する通信モジュールである。また、通信部124は、通信部202との組み合わせで機能巣ルトランスポンダ装置の地上子であってもよい。通信部124は、ドア制御部122の出力(制御指令)を鉄道車両200(通信部202)に送信する。
【0132】
鉄道車両200は、ドアDRの制御に関する構成として、通信部202と、伝送部204と、指令部206と、通知部208と、伝送部210と、制御部212とを含む。
【0133】
通信部202は、所定の通信回線を通じて、監視装置100の通信部124との間で通信を行う。通信部202は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて伝送部204と通信可能に接続され、監視装置100から受信する信号(例えば、ドア制御部122からの制御指令)を伝送部204に出力する。
【0134】
伝送部204は、鉄道車両200の内部の通信回線を通じて、各種信号やデータを受信し指定される宛先の機器(或いは機器群)に伝送する。
【0135】
例えば、伝送部204は、通信部202により受信されるドア制御部122からのドアDRに関する制御指令を中継し、鉄道車両200の各車両200Bの伝送部210を通じて制御部212に伝送する。
【0136】
また、例えば、伝送部204は、指令部206からのドアDRの開指令や閉指令を中継し、各車両200Bの伝送部210を通じて制御部212に伝送する。
【0137】
また、例えば、伝送部204は、伝送部210を通じて制御部212から受信される、ドアDRの状態を表す信号を中継し、通知部208に伝送する。これにより、通知部208は、例えば、監視装置100からの制御指令によって、指令部206からの動作が介入により制御された後のドアDRの状態を運転台200Aの運転士や車掌等の鉄道車両200の乗務員に通知することができる。
【0138】
指令部206は、運転台200Aに設けられ、車掌等の鉄道車両200の乗務員により操作される。指令部206は、車掌等の操作によって、ドアDRを開くための開指令や閉じるための閉指令を、伝送部204を通じて制御部212に出力する。これにより、制御部212は、指令部206の操作に応じたドアDRの開閉を実現することができる。
【0139】
尚、指令部206は、ドアDRの開指令及び閉指令のうちの開指令のみを出力可能な構成や閉指令のみを出力可能な構成であってもよい。
【0140】
通知部208は、運転台200Aに設けられ、運転士や車掌等の鉄道車両200の乗務員に各種情報を通知する。
【0141】
通知部208は、例えば、鉄道車両200の乗務員に視覚的に情報を通知する表示装置や灯火装置を含む。また、通知部208は、鉄道車両200の乗務員に聴覚的に情報を通知する音出力装置である。音出力装置は、例えば、スピーカやアラームやブザー等である。
【0142】
例えば、通知部208は、伝送部204,210を通じて制御部212から受信される信号に基づき、駅STに停車中の鉄道車両200のドアDRの開閉状態に関する通知を行う。
【0143】
伝送部210は、それぞれの車両200Bに設けられ、伝送部204から受信される情報を中継し、制御部212に伝送したり、制御部212から受信される情報を中継し、伝送部204に伝送したりする。
【0144】
制御部212は、ドアDRごとに設けられ、その対象のドアDRのアクチュエータ(例えば、電動モータや電磁ソレノイド)に制御指令を出力し、ドアDRの開閉動作を直接制御する。
【0145】
例えば、制御部212は、制御対象のドアDRが鉄道車両200の右側面及び左側面のうちの駅STのホームPF側の側面にあり、且つ、指令部206からの開指令が受信された場合に、ドアDRを開く。同様に、制御部212は、制御対象のドアDRが鉄道車両200の右側面及び左側面のうちの駅STのホームPF側の側面にあり、且つ、指令部206からの閉指令が受信された場合に、ドアDRを閉じる。
【0146】
制御部212は、例えば、次の駅STでドアDRを開くことを許可する旨を示す信号(以下、「開許可信号」)の受信の有無によって、制御対象のドアDRが鉄道車両200のホーム側の側面にあるか否かを判断する。開許可信号は、例えば、鉄道車両200の先頭の車両200B及び最後尾の車両200Bに設けられる、鉄道車両200の左右の側面のドアDRのそれぞれに対応する2つのスイッチのオン操作によって出力される。具体的には、鉄道車両200の左側面のドアDRに対応するスイッチがオン操作されると、左側面のドアDRに対応する制御部212に開許可信号が入力される。一方、鉄道車両200の右側面のドアDRに対応するスイッチがオン操作されると、右側面のドアDRに対応する制御部212に開許可信号が入力される。鉄道車両200の乗務員は、鉄道車両200が次に停車する駅のホームが鉄道車両200の右側であるか左側であるかによって、2つのスイッチの何れか一方をオン操作する。
【0147】
また、例えば、制御部212は、伝送部210から受信される、監視装置100(ドア制御部122)からの制御指令に応じて、その制御指令で指定されるドアDRの動作を実現するようにドアDRの制御を行う。これにより、ドア制御部122は、制御部212を宛先とする制御指令を出力することで、ドアDRの動作を制御することができる。
【0148】
<制御方法の概要>
図11、
図12は、ドアDRの閉動作時のドアDRの制御方法の一例を説明する図である。
【0149】
尚、本例では、上述の時間T2や規定回数N2が0(ゼロ)である場合を例示するが時間T2や規定回数N2は、0より大きい値に設定されてもよい。
【0150】
図11、
図12に示すように、ドア制御部122は、ドアDRの閉動作中に、判定部118の出力がドアDRを閉じることが可能な状態から不可能な状態に移行すると、ドア閉動作停止指令を出力する。ドア閉動作停止指令は、通信部124を通じて、鉄道車両200の制御部212に向けて送信される。これにより、例えば、鉄道車両200の制御部212は、ドアDRに乗客や乗客の所持品が挟まれてしまった場合に、監視装置100(ドア制御部122)からのドア閉動作停止指令に応じて、ドアDRの閉動作を停止させることができる。また、鉄道車両200の制御部212は、ドア閉動作停止指令に応じて、ドアDRの閉動作を停止させると共に、僅かにドアDRを開く方向に動作させてもよい。これにより、例えば、鉄道車両200の制御部212は、ドアDRに乗客や乗客の所持品が挟まれてしまった場合に、ドアDRを僅かに開く方向に動作させて、乗客や乗客の所持品を挟まれた状態から開放することができる。また、鉄道車両200の通知部208は、伝送部204,210を通じて受信される、制御部212からの信号に応じて、ドアDRの閉動作が停止されたことを通知すると共に、ドアDRから乗客が離れるように促す放送の指示を行ってもよい。これにより、車掌等の鉄道車両200の乗務員は、ドアDRに挟まれている乗客に向けて、鉄道車両200から離れるように促す放送を行うことができる。
【0151】
図11に示すように、ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態に移行した後、時間T3(>0)が経過する前に、判定部118の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行すると、ドア閉動作再開指令を出力する。ドア閉動作再開指令は、通信部124を通じて、鉄道車両200の制御部212に向けて送信される。これにより、例えば、鉄道車両200の制御部212は、ドアDRに乗客や乗客の所持品が挟まれた状態が解消した場合に、監視装置100(ドア制御部122)からのドア閉動作再開指令に応じて、ドアDRの閉動作を再開させることができる。
【0152】
一方、
図12に示すように、ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態に移行した後、時間T3が経過する前に、判定部118の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行しない場合、ドア全開指令を出力する。ドア全開指令は、通信部124を通じて、鉄道車両200の制御部212に向けて送信される。これにより、例えば、鉄道車両200の制御部212は、ドアDRに乗客や乗客の所持品が挟まれた状態が解消しない場合に、監視装置100(ドア制御部122)からのドア全開指令に応じて、ドアDRに開動作を行わせてドアDRを全開させることができる。
【0153】
本例(
図11、
図12)では、時間T3は、画像解析部104及び判定部118の処理周期の所定回数分の時間に相当する。つまり、本例では、ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態に移行した後、規定回数N3の判定処理の間に、判定部118の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行すると、ドア閉動作再開指令を出力する。一方、ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態に移行した後、規定回数N3の判定処理の間に、判定部118の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行しない場合、ドア全開指令を出力する。
【0154】
例えば、判定部118は、ドアDRの閉動作停止中に、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行し且つその状態の継続時間が時間T4(<T3)に対して相対的に長い場合、ドアDRを開くことが可能であると判定する。一方、判定部118は、ドアDRの閉動作停止中に、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行し且つその状態の継続時間が時間T4に対して相対的に短い場合、ドアDRを閉じることが不可能であると判定する。これにより、例えば、ドアDRから乗客が離れていない状況で、ドアDRの閉動作が再開し、再度、ドアDRに乗客や乗客の所持品の一部が挟まれてしまうような事態を抑制することができる。また、判定部118は、ドアDRの閉動作停止中に、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態である場合、ドアDRを閉じることが不可能であると判定する。
【0155】
本例(
図11)では、時間T4は、画像解析部104及び判定部118の処理周期の3回分の時間に相当する。つまり、本例では、判定部118は、ドアDRの閉動作停止中に、画像解析部104の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行し且つその状態である連続回数が規定回数N4(>0)に対して相対的に大きい場合、ドアDRを閉じることが可能であると判定する。本例では、規定回数N4は、"3"である。
【0156】
<制御方法の処理フロー>
図13は、ドアDRの閉動作時のドアDRの制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【0157】
本フローチャートは、ドアDRの閉動作時に所定の処理周期毎に繰り返し実行される。
【0158】
図13に示すように、ステップS102にて、ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態に移行したか否かを判定する。ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態に移行した場合、ステップS104に進み、移行していない場合、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0159】
ステップS104にて、ドア制御部122は、ドア閉動作停止指令を出力する。
【0160】
ドア制御部122は、ステップS104の処理が完了すると、ステップS106に進む。
【0161】
ステップS106にて、ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが可能である状態に移行したか否かを判定する。ドア制御部122は、判定部118の出力がドアDRを閉じることが可能な状態に移行している場合、ステップS108に進み、移行していない場合、ステップS110に進む。
【0162】
ステップS108にて、ドア制御部122は、ドア閉動作再開指令を出力する。
【0163】
ドア制御部122は、ステップS108の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0164】
一方、ステップS110にて、ドア制御部122は、ドア閉動作停止指令の出力から(即ち、判定部118の出力がドアDRを閉じることが不可能な状態に移行してから)時間T3が経過したか否かを判定する。ドア制御部122は、ドア閉動作停止指令の出力から時間T3が経過している場合、ステップS112に進み、経過していない場合、ステップS106に戻る。
【0165】
ステップS112にて、ドア制御部122は、ドア全開指令を出力する。
【0166】
ドア制御部122は、ステップS112の処理が完了すると、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0167】
このように、本例では、監視装置100は、ドアDRの閉動作中に、判定部118のドアDRを閉じることが不可能であるとの判定結果に応じて、ドアDRの閉動作を介入により停止させることができる。これにより、駆け込み乗車等によって、乗客や乗客の所持品がドアDRに挟まってしまうような状況で、ドアDRを停止させることができる。そのため、乗客の安全性を確保することができる。
【0168】
また、本例では、監視装置100は、ドアDRの閉動作の停止後、ある程度の時間内で、判定部118の判定結果がドアDRを閉じることが可能な状態に移行すると、ドアDRの閉動作を再開させることができる。これにより、乗客の安全性を確保しつつ、鉄道車両200の運行の遅延を抑制することができる。
【0169】
[監視装置の第8例]
次に、
図14、
図15を参照して、監視装置100の第8例について説明する。
【0170】
図14は、監視装置100の構成の第8例を示す図である。
図15は、画像データIMGの監視領域の一例を示す図である。
【0171】
図14に示すように、監視装置100は、上述の第6例と同様、撮像部102a~102cと、画像解析部104a~104cと、判定部118a~118c及び統合部120と、表示部106とを含む。また、監視装置100は、物体検出部126を含む。
【0172】
撮像部102a~102cは、それぞれ、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、物体検出部126a~126cと通信可能に接続され、撮像部102a~102cの画像データは、それぞれ、物体検出部126a~126cに取り込まれる。
【0173】
物体検出部126は、物体検出部126a~126cを含む。
【0174】
尚、物体検出部126は、撮像部102に含まれる撮像部の数に合わせて、2つの物体検出部のみを含んでもよいし、3以上の物体検出部を含んでもよい。
【0175】
物体検出部126aの機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、物体検出部126aは、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、高速演算装置、及びインタフェース装置等を含むコンピュータ(情報処理装置)を中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM等である。補助記憶装置は、例えば、HDDやSSDやフラッシュメモリやEEPROM等である。高速演算装置は、例えば、GPUやFPGAやASIC等を含む。インタフェース装置には、例えば、撮像部102aや判定部118a等の監視装置100の構成要素と通信を行うための通信インタフェースが含まれる。また、インタフェース装置には、例えば、記録媒体と接続するための外部インタフェースが含まれる。これにより、物体検出部126aは、例えば、外部インタフェースを通じて、記録媒体から各種プログラムを取り込み、補助記憶装置にインストールすることができる。以下、物体検出部126b,126cについても同様であってよい。
【0176】
物体検出部126aは、撮像部102aの画像データに基づき、撮像部102aの撮像範囲のうちの鉄道車両200に隣接する部分に相当する領域(以下、便宜的に「監視領域」)の特定の者(以下、「特定者」)を検出する。例えば、
図15に示すように、撮像部102aの画像データの中で、鉄道車両200に隣接するホームPF上の監視領域に相当する画像領域AR1が予め設定され、物体検出部126aは、画像領域AR1内の特定者を検出する。以下、物体検出部126b,126cについても同様であってよい。
【0177】
特定者は、鉄道車両200への乗車に一般的に想定される基準よりも長い時間を要する者(乗客)である。特定者は、例えば、杖や松葉杖や車椅子等を使用する足の不自由な人を含む。この場合、物体検出部126aは、杖等を使用している人を全体として検出(認識)することにより、足の不自由な人の存在を検出してよい。また、物体検出部126aは、杖や松葉杖や車椅子を検出(認識)することにより、足の不自由な人の存在を検出してもよい。また、特定者は、例えば、白杖を使用したり、盲導犬を同伴したりする目の不自由な障害者を含む。この場合、物体検出部126aは、白杖を使用する人や盲導犬を同伴する人を全体として検出(認識)することにより、目の不自由な障害者の存在を検出する。また、物体検出部126aは、白杖や盲導犬を検出(認識)することにより、目の不自由な障害者の存在を検出してもよい。また、特定者は、足の不自由な人(障害者)を含む。また、特定者は、例えば、ベビーカーを使用する(押す)人を含む。この場合、物体検出部126aは、ベビーカーを使用する人を全体として検出(認識)することにより、ベビーカーを使用する人の存在を検出する。また、物体検出部126aは、ベビーカーを検出(認識)することにより、ベビーカーを使用する人の存在を検出してもよい。以下、物体検出部126b,126cについても同様であってよい。
【0178】
例えば、物体検出部126aは、画像解析部104と同様に、ルールベースの画像認識技術を用いて、撮像部102aの画像データ内の領域の特定者の存在やその位置を検出(認識)する。また、物体検出部126aは、画像解析部104と同様に、学習済みモデルを用いて、撮像部102aの画像データ内の監視領域の特定者の存在やその位置を検出(認識)してもよい。学習済みモデルは、例えば、特定者が映っている画像データと、画像データ内の特定者の位置(画像領域)を示す正解データとの組み合わせのデータセットによって機械学習がされたモデルである。例えば、学習済みモデルは、ディープラーニング(深層学習)により機械学習がされた、ニューラルネットワークを含む。また、物体検出部126aは、ルールベースのモデル、及び機械学習がされたモデル(学習済みモデル)の双方を組み合わせて、撮像部102aの画像データ内の監視領域の特定者の存在やその位置を検出(認識)してもよい。以下、物体検出部126b,126cについても同様であってよい。
【0179】
物体検出部126aは、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、判定部118aと通信可能に接続され、物体検出部126aの出力(検出結果)は、判定部118aに取り込まれる。
【0180】
物体検出部126bは、撮像部102bの画像データに基づき、撮像部102aの撮像範囲のうちの鉄道車両200に隣接する領域(監視領域)の特定者を検出する。
【0181】
物体検出部126bは、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、判定部118bと通信可能に接続され、物体検出部126bの出力(検出結果)は、判定部118bに取り込まれる。
【0182】
物体検出部126cは、撮像部102cの画像データに基づき、撮像部102aの撮像範囲のうちの鉄道車両200に隣接する領域(監視領域)の特定者を検出する。
【0183】
物体検出部126cは、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、判定部118cと通信可能に接続され、物体検出部126cの出力(検出結果)は、判定部118cに取り込まれる。
【0184】
尚、物体検出部126a~126cの機能は、同じ情報処理装置により実現されてもよいし、2つの情報処理装置により実現されてもよいし、4以上の情報処理装置により分散して実現されてもよい。
【0185】
判定部118aは、画像解析部104aの推定結果及び物体検出部126aの検出結果に基づき、撮像部102aの撮像範囲内のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0186】
例えば、判定部118aは、上述の第6例と同様の方法で、画像解析部104aの推定結果に基づき、ドアDRを閉じることが可能か否かを判定する際に、物体検出部126aによる特定者の検出の有無を考慮する。
【0187】
具体的には、判定部118aは、画像解析部104aの推定結果に基づきドアDRを閉じることが可能か否かを判定するための基準を、物体検出部126aの検出結果を考慮して変化させてよい。より具体的には、判定部118aは、物体検出部126aによる特定者の検出の有無によって、上述の時間T1や規定回数N1を可変させてよい。例えば、時間T1や規定回数N1は、物体検出部126aにより特定者が検出されていない場合よりも検出されている場合の方が大きくなるように設定される。これにより、判定部118aは、撮像部102aに存在する特定者が鉄道車両200の乗客であると仮定したときに、特定者が鉄道車両200に乗車するのに要する相対的に長い時間を考慮して、ドアDRを閉じることができるか否かを判定することができる。また、判定部118aは、物体検出部126aにより特定者が検出されている場合、その特定者の種類に応じて、上述の時間T1や規定回数N1を可変させてもよい。特定者の種類によって、鉄道車両200の乗車に要すると想定される時間に差異が生じうるからである。また、判定部118aは、物体検出部126aにより特定者が検出されている場合、その特定者の鉄道車両200に対する位置や実際の移動速度に応じて、上述の時間T1や規定回数N1を可変させてもよい。特定者の鉄道車両200に対する位置や実際の移動速度に応じて、鉄道車両200の乗車に要すると想定される時間に差異が生じうるからである。また、物体検出部126aにより複数の種類の特定者が検出されている場合、判定部118aは、複数の種類の特定者のそれぞれに対応する時間T1や規定回数N1のうちの最も大きい時間T1や規定回数N1を採用してよい。また、判定部118aは、物体検出部126aにより検出される特定者の位置の履歴に基づき、特定者の実際の移動速度を取得してよい。以下、判定部118b,118cについても同様であってよい。
【0188】
判定部118bは、画像解析部104bの推定結果及び物体検出部126bの検出結果に基づき、撮像部102bの撮像範囲内のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0189】
判定部118cは、画像解析部104cの推定結果及び物体検出部126cの検出結果に基づき、撮像部102cの撮像範囲内のドアDRを閉じることが可能か否かを判定する。
【0190】
表示部106は、上述の第5例~第7例と同様、判定部118の出力(判定結果)を表示する。また、表示部106は、物体検出部126a~126cの少なくとも一つの検出結果を表示してもよい。この場合、表示部106は、一対一の通信線やローカルネットワークを通じて、物体検出部126a~126cの少なくとも一つと通信可能に直接接続されることで、検出結果を取得してもよいし、判定部118を通じて、検出結果を取得してもよい。
【0191】
このように、本例では、監視装置100は、物体検出部126(物体検出部126a~126c)による特定者に関する検出結果を考慮して、ドアDRを閉じることが可能か否かを判定することができる。これにより、監視装置100は、通常よりも鉄道車両200への乗車に時間を要する特定者の存在の有無等を考慮して、より適切にドアDRを閉じることが可能か否かを判定することができる。そのため、監視装置100は、鉄道車両200の運行遅延の抑制と、乗客の安全性との両立をより適切に図ることができる。
【0192】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
【0193】
上述の実施形態の内容は、適宜、組み合わせられたり変形や変更が加えられたりしてもよい。
【0194】
例えば、上述の実施形態において、上述の第1例~第4例の内容と、上述の第5例~第8例の内容とは組み合わせられてもよい。
【0195】
また、上述の実施形態の第1例~第4例、第7例やその変形例において、撮像部102は、上述の第6例や第8例の場合と同様に、複数の撮像部を含んでもよい。この場合、画像解析部104や判定部118にも、それぞれ、複数の画像解析部や複数の判定部が含まれてよい。同様に、上述の第8例において、複数の撮像部(例えば、撮像部102a~102c)は、1つの撮像部102に置換されてもよい。この場合、複数の物体検出部、複数の画像解析部、及び複数の判定部は、それぞれ、1つの物体検出部126、1つの画像解析部104、及び1つの判定部118に置換されてよい。
【0196】
また、上述の実施形態の第6例、第8例やその変形例において、複数の画像解析部、及び複数の判定部は、それぞれ、1つの画像解析部104、及び1つの判定部118に集約されてもよい。この場合、画像解析部104や判定部118は、複数の撮像部の全ての画像データを対象として、統合的に、ドアDRをとじることが可能か否かの推定や判定を行ってよい。
【0197】
[作用]
次に、本実施形態に係る監視装置の作用について説明する。
【0198】
本実施形態では、監視装置は、撮像部と、推定部と、判定部と、を備える。監視装置は、例えば、監視装置100である。撮像部は、例えば、撮像部102である。推定部は、例えば、画像解析部104である。判定部は、例えば、判定部118である。具体的には、撮像部は、駅のホームの鉄道車両のドアの周辺を撮像する。また、推定部は、撮像部により取得される画像データに基づき、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを推定する。そして、判定部は、推定部の推定結果に基づき、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを判定する。
【0199】
これにより、監視装置は、推定部の推定結果に加えて、他の条件も考慮して、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かの判定することができる。そのため、監視装置は、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かの判定をより適切に行うことができる。
【0200】
また、本実施形態では、推定部は、深層学習により機械学習がされた、ニューラルネットワークを含む学習済みモデルを用いて、画像データに基づき、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを推定してもよい。
【0201】
これにより、監視装置は、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを具体的に推定することができる。
【0202】
また、本実施形態では、推定部は、ホームに鉄道車両がドアを開いた状態で停車している間で、最新の画像データに基づき、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを繰り返し推定してもよいし。そして、判定部は、推定部の推定結果の履歴に基づき、ドアを閉じることが可能か否かを判定してもよい。
【0203】
これにより、監視装置は、推定部のピンポイントの推定結果に加えて、推定結果の履歴を考慮して、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かの判定をより適切に行うことができる。
【0204】
また、本実施形態では、推定部は、乗客又は乗客の所持品の一部が所定基準に対して相対的に小さい量の範囲で、鉄道車両のドアの開口から鉄道車両の外部にはみ出している状態で鉄道車両のドアを閉じることが可能であると推定してもよい。
【0205】
これにより、監視装置は、例えば、混雑状況が非常に高い鉄道車両の出発を待っている乗客の一部や乗客の所持品の一部が鉄道車両の外部にはみ出している状況で、鉄道車両のドアを閉じることが可能であると推定することができる。そのため、監視装置は、例えば、混雑状況が非常に高い鉄道車両のドアを閉じることができない状況が継続することによる鉄道車両の運行の遅延を抑制することができる。
【0206】
また、本実施形態では、所定基準に対して相対的に小さい量の範囲とは、乗客又は乗客の所持品の全体のうち、ドアの開口から鉄道車両の外部にはみ出している状態から所定基準に対して相対的に短い時間の範囲で乗客が鉄道車両の内部に意図的に引っ込めることが可能な程度の量の範囲であってもよい。
【0207】
これにより、監視装置は、例えば、混雑状況が非常に高い鉄道車両の出発を待っている乗客の一部や乗客の所持品の一部が鉄道車両の外部にはみ出している状況を鉄道車両のドアを閉じることができる状況であると具体的に推定することができる。
【0208】
また、本実施形態では、所定基準に対して相対的に短い時間の範囲とは、鉄道車両の出発の合図からドアが閉じ始めるまでに想定される時間の範囲であってもよい。
【0209】
これにより、監視装置は、例えば、混雑状況が非常に高い鉄道車両の出発を待っている乗客の一部や乗客の所持品の一部が鉄道車両の外部にはみ出している状況を鉄道車両のドアを閉じることができ状況であると具体的に推定することができる。
【0210】
また、本実施形態では、判定部は、推定部により鉄道車両のドアが閉じることが可能であると推定される状態が第1の基準時間に対して相対的に長く継続している場合、鉄道車両のドアを閉じることが可能であると判定してもよい。
【0211】
これにより、監視装置は、例えば、混雑状況が非常に高い鉄道車両において乗客が自身の一部や所持品の一部を鉄道車両の外部にはみ出して待っている状況で、鉄道車両のドアを閉じることが可能であると具体的に判定することができる。
【0212】
また、本実施形態では、撮像部は、第1の撮像部と、第1の撮像部と異なるドアの周辺を撮像する第2の撮像部とを含んでもよい。第1の撮像部及び第2の撮像部は、例えば、撮像部102a~102cのうちの何れか2つである。そして、推定部は、第1の撮像部及び第2の撮像部により取得される画像データに基づき、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを推定してもよい。
【0213】
これにより、監視装置は、複数の撮像部(第1の撮像部及び第2の撮像部)の画像データを用いて、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かをより適切に推定することができる。また、監視装置は、鉄道車両の長さが比較的長い場合であっても、第1の撮像部及び第2の撮像部によって、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを適切に推定することができる。
【0214】
また、本実施形態では、推定部は、第1の撮像部により取得される画像データに基づき、ドアを閉じることが可能か否かを推定する第1の推定部と、第2の撮像部により取得される画像データに基づき、ドアを閉じることが可能か否かを推定する第2の推定部とを含んでもよい。第1の推定部及び第2の推定部は、例えば、画像解析部104a~104cの何れか2つである。また、判定部は、第1の推定部の推定結果に基づき、ドアを閉じることが可能か否かを判定する第1の判定部と、第2の推定部の推定結果に基づき、ドアを閉じることが可能か否かを判定する第2の判定部と、第1の判定部及び第2の判定部の判定結果に基づき、ドアを閉じることが可能か否かを判定する統合判定部とを含んでもよい。第1の判定部及び第2の判定部は、例えば、判定部118a~118cの何れか2つである。統合判定部は、例えば、統合部120である。そして、統合判定部は、第1の判定部及び第2の判定部の判定結果がドアを閉じることが可能であることを表している場合に、ドアを閉じることが可能であると判定してもよい。
【0215】
これにより、監視装置は、複数の撮像部(第1の撮像部及び第2の撮像部)の画像データに基づき、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを具体的に判定することができる。
【0216】
また、本実施形態では、監視装置は、指示部を備えてもよい。指示部は、例えば、ドア制御部122である。具体的には、指示部は、鉄道車両のドアの閉動作中に、判定部の判定結果がドアを閉じることが可能な状態からドアを閉じることが不可能な状態に移行した場合、ドアの閉動作を指示する信号を出力してよい。
【0217】
これにより、監視装置は、例えば、ドアの閉動作中に鉄道車両への駆け込み乗車等が発生した場合に、駅員や鉄道車両の乗務員にドアの閉動作の停止を促したり、鉄道車両の制御部に対してドアの閉動作を要求したりすることができる。
【0218】
また、本実施形態では、指示部は、鉄道車両のドアの閉動作中に、判定部の判定結果がドアを閉じることが可能な状態からドアを閉じることが不可能な状態に移行した場合、ドアの閉動作の停止を指示する信号を鉄道車両に向けて出力してもよい。
【0219】
これにより、監視装置は、例えば、ドアの閉動作中に鉄道車両への駆け込み乗車等が発生した場合に、鉄道車両の制御部を通じて、鉄道車両のドアの閉動作を停止させることができる。
【0220】
また、本実施形態では、指示部は、判定部の判定結果がドアを閉じることが可能な状態からドアを閉じることが不可能な状態に移行した後、判定部の判定結果がドアを閉じることが不可能な状態からドアを閉じることが可能な状態に移行した場合、ドアの閉動作の再開を指示する信号を鉄道車両に向けて出力してもよい。
【0221】
これにより、監視装置は、ドアを閉じることが可能な状態に復帰したのに合わせて、鉄道車両の制御部を通じて、自動で、鉄道車両のドアの閉動作を再開させることができる。
【0222】
また、本実施形態では、指示部は、判定部の判定結果がドアを閉じることが可能な状態からドアを閉じることが不可能な状態に移行して以降の所定の時点から第2の時間を経過する前に、判定部の判定結果がドアを閉じることが不可能な状態からドアを閉じることが可能な状態に移行した場合、ドアの閉動作の再開を指示する信号を鉄道車両に向けて出力し、所定の時点から第2の時間を経過しても、判定部の判定結果がドアを閉じることが不可能な状態を継続している場合、ドアの開動作を指示する信号を鉄道車両に出力してもよい。
【0223】
これにより、監視装置は、ドアを閉じることが可能な状態にある程度短い時間で復帰する状況では、ドアの閉動作を再開させる一方、ドアを閉じることが不可能な状態が比較底長い時間継続する状況では、ドア開くことができる。そのため、監視装置は、例えば、駆け込み乗車等によって、乗客自身や乗客の所持品のドアへの挟み込みが発生し且つその状態がある程度の時間が経過しても解消しない場合に、ドアを開いて、ドアを閉じることが不可能な状態を解消させることができる。
【0224】
また、本実施形態では、監視装置は、検出部を備えてもよい。検出部は、例えば、物体検出部126である。具体的には、検出部は、撮像部の画像データに基づき、鉄道車両のドアの周囲の所定の者、又は所定の者に関する所定の物体を検出してよい。所定の者は、鉄道車両への乗車に一般的に想定される基準よりも長い時間を要する者(乗客)である。所定の者は、例えば、杖や松葉杖や車椅子等を使用する足の不自由な人、白杖を使用したり、盲導犬を同伴したりする目の不自由な障害者、ベビーカーを使用する(押す)人である。所定の物体は、例えば、杖、松葉杖、車椅子、白杖、盲導犬、ベビーカー等である。そして、判定部は、推定部の推定結果、及び検出部の検出結果に基づき、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを判定してもよい。
【0225】
これにより、監視装置は、例えば、鉄道車両への乗車に一般的に想定される基準よりも長い時間を要する、特定の者の存在を考慮して、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを判定することができる。そのため、監視装置は、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かをより適切に判定することができる。
【0226】
また、本実施形態では、監視装置は、照明部と、制御部とを備えてもよい。照明部は、例えば、照明部108である。制御部は、例えば、照明制御部112である。具体的には、照明部は、ホーム又は鉄道車両に設置され、撮像部の撮像範囲に光を照射可能であってよい。そして、制御部は、鉄道車両のドアが開かれている間で、照明部から光を照射させてもよい。
【0227】
これにより、監視装置は、照明部からの光によって、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを判定することが必要な期間で、より鮮明な画像データを取得することができる。そのため、監視装置は、撮像部の画像データを用いて、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かをより適切に推定することができる。
【0228】
また、本実施形態では、制御部は、鉄道車両の駅への到着、又は、鉄道車両の駅からの出発指示の出力に合わせて、照明部を点灯させると共に、鉄道車両のドアの全閉、又は、鉄道車両のホームからの出発に合わせて、照明部を消灯させてもよい。
【0229】
これにより、監視装置は、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを判定することが必要な期間で、より鮮明な画像データを取得しつつ、鉄道車両のドアを閉じることが可能か否かを判定する必要のない期間で照明部を消灯させることができる。
【0230】
また、本実施形態では、監視装置は、センサを備えてもよい。センサは、例えば、センサ110である。具体的には、センサは、鉄道車両とホームとの位置関係に関するデータを取得してよい。そして、制御部は、センサの出力に基づき、照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御してもよい。
【0231】
これにより、監視装置は、センサの出力を用いて、鉄道車両の駅(ホーム)への到着、及びホームからの出発に合わせた照明部の点灯や消灯の制御を行うことができる。
【0232】
また、本実施形態では、制御部は、鉄道車両の運行管理を行う運行管理システムから入力される信号に基づき、照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御してもよい。運行管理システムは、例えば、運行管理システム300である。
【0233】
これにより、監視装置は、運行管理システムの出力を用いて、鉄道車両の駅(ホーム)への到着、及びホームからの出発に合わせた照明部の点灯や消灯の制御を行うことができる。
【0234】
また、本実施形態では、制御部は、鉄道車両から入力される、鉄道車両の乗務員の操作によるドアを開く又は閉じるための指令が出力されたことを表す信号に基づき、照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御してもよい。
【0235】
これにより、監視装置は、鉄道車両から入力される、鉄道車両の乗務員の操作によるドアを開く又は閉じるための指令が出力されたことを表す信号を用いて、鉄道車両のドアの開閉に合わせた照明部の点灯や消灯の制御を行うことができる。
【0236】
また、本実施形態では、監視装置は、検知部をそなえてもよい。検知部は、例えば、車側灯検知部116である。具体的には、検知部は、鉄道車両の車側灯の点灯状態及び消灯状態の少なくとも一方を検知してよい。そして、制御部は、検知部の検知結果に基づき、照明部の点灯及び消灯の少なくとも一方を制御してもよい。
【0237】
これにより、監視装置は、車側灯が点灯状態や消灯状態の検知結果を用いて、鉄道車両のドアの開閉に合わせた照明部の点灯や消灯の制御を行うことができる。
【0238】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0239】
100 監視装置
102 撮像部
102a~102c 撮像部
104 画像解析部
104a~104c 画像解析部
106 表示部
108 照明部
110 センサ
112 照明制御部
114 ドア動作情報取得部
116 車側灯検知部
118 判定部
118a~118c 判定部
120 統合部
122 ドア制御部
124 通信部
126 物体検出部
126a~126c 物体検出部
200 鉄道車両
200A 運転台
200B 車両
202 通信部
204 伝送部
206 指令部
208 通知部
210 伝送部
212 制御部
300 運行管理システム
DR ドア
PF ホーム
ST 駅