(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163012
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】半導体製造装置システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20231101BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073797
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】橋崎 知
(72)【発明者】
【氏名】北野 真也
(72)【発明者】
【氏名】金丸 亮介
(72)【発明者】
【氏名】山下 雄大
(72)【発明者】
【氏名】長澤 知也
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707AS24
3C707BS15
3C707BS26
3C707CT04
3C707CT05
3C707HS27
3C707KT01
3C707KT05
3C707KT11
3C707MS14
3C707MS15
3C707NS13
5F131AA02
5F131BA12
5F131BA17
5F131CA38
5F131CA54
5F131CA69
5F131DA32
5F131DA43
5F131DB02
5F131DB04
5F131DB54
5F131DB62
5F131DB76
5F131DB82
5F131DB86
5F131GA03
5F131KA14
5F131KA49
5F131KA52
5F131KB02
5F131KB52
(57)【要約】
【課題】基板と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象の状態を容易に検出することが可能な半導体製造装置システムを提供する。
【解決手段】この基板処理システム100(半導体製造装置システム)は、第1ブレード支持部31と、第1ブレード支持部31とは別個に動作する第2ブレード支持部32とを含む基板保持ハンドを備える。そして、基板搬送ロボットシステム100は、基板10と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象を撮影する撮影部60と、撮影部60により撮影された撮影画像に基づいて検査対象の状態を検出する制御部とを備える。そして、撮影部60は、第2ブレード支持部32に配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する搬送、処理、および、収納の少なくとも1つを行う半導体製造装置から前記基板を搬出することと前記半導体製造装置に対して前記基板を搬入することとのうちの少なくとも一方を行う半導体製造装置システムであって、
前記基板が載置される第1ブレードの基端を支持する第1ブレード支持部と、前記第1ブレード支持部とは別個に動作し、前記基板が載置される第2ブレードの基端を支持する第2ブレード支持部とを含む基板保持ハンドと、
前記基板と前記半導体製造装置の構成要素と前記基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象を撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された撮影画像に基づいて前記検査対象の状態を検出する制御部と、を備え、
前記撮影部は、前記第2ブレード支持部に配置されている、半導体製造装置システム。
【請求項2】
前記撮影部は、前記第2ブレード支持部と一体的に移動する、請求項1に記載の半導体製造装置システム。
【請求項3】
前記撮影部は、前記第2ブレード支持部と前記第2ブレードとの接続部分から離間した状態で前記第2ブレード支持部に配置されている、請求項1に記載の半導体製造装置システム。
【請求項4】
前記撮影部は、前記基板を搬入または搬出する際の前記第2ブレードの移動方向から見て、前記第2ブレードの端部よりも外側において前記接続部分から離間した状態で前記第2ブレード支持部の側方に配置されている、請求項3に記載の半導体製造装置システム。
【請求項5】
前記撮影部は、前記半導体製造装置が有する収納部に収納されている状態の前記基板を少なくとも含む前記検査対象を撮影し、
前記制御部は、前記収納部に収納されている状態の前記基板を撮影した前記撮影画像に基づいて、前記収納部における前記基板の配置状態を検出する、請求項1に記載の半導体製造装置システム。
【請求項6】
前記基板保持ハンドは、
前記第1ブレード支持部に支持される複数の前記第1ブレードと、
前記第2ブレード支持部に支持される1つの前記第2ブレードとを含み、
前記撮影部は、1つの前記第2ブレードの基端を支持する前記第2ブレード支持部に配置されている、請求項1に記載の半導体製造装置システム。
【請求項7】
前記基板保持ハンドを直線的に移動させる直動機構部をさらに備え、
前記直動機構部は、前記第2ブレード支持部を、前記第1ブレード支持部とは別個に直線的に移動させる、請求項1に記載の半導体製造装置システム。
【請求項8】
前記直動機構部を、昇降移動させる昇降機構部をさらに備え、
前記昇降機構部は、前記直動機構部を昇降移動させることによって前記基板保持ハンドを昇降移動させる、請求項7に記載の半導体製造装置システム。
【請求項9】
前記基板保持ハンドは、
前記第1ブレード支持部に支持される1つの前記第1ブレードと、
前記第2ブレード支持部に支持される複数の前記第2ブレードとを含み、
前記撮影部は、複数の前記第2ブレードの基端を支持する前記第2ブレード支持部に配置されている、請求項1に記載の半導体製造装置システム。
【請求項10】
前記撮影部は、
前記第1ブレード支持部に配置される第1撮影部と、
前記第1撮影部とは別個に、前記第2ブレード支持部に配置される第2撮影部とを含む、請求項1に記載の半導体製造装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、半導体製造装置システムに関し、特に、基板保持ハンドを備える半導体製造装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を保持するハンドを備える基板搬送ロボットが知られている。たとえば、特許文献1参照。
【0003】
上記特許文献1には、基板を搬出および搬入するロボットが開示されている。このロボットは、基板搭載機構、センシング用ハンド、第1アーム、および、第2アームを備える。基板搭載機構は、基板が搭載される複数のハンドフォークを有する。基板搭載機構は、第1アームに支持されている。また、センシング用ハンドは、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサを先端部分に備えている。センシング用ハンドは、基板の収納状態を検出する。また、センシング用ハンドは、収納状態の検出に加えて、基板を搬送する。そして、センシング用ハンドは、第2アームに支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のロボットでは、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサによって基板の収納状態を検出しているため、センサの検出範囲に含まれない部分の基板の変形などの状態を検出することが困難であると考えられる。また、上記特許文献1には記載されていないが、基板に対する搬送、処理、および、収納の少なくとも1つを行う半導体製造装置において、半導体製造装置の収納部の劣化状態、または、半導体製造装置における消耗品の消耗状態を含む半導体製造装置の構成要素の状態を確認する場合がある。その場合には、上記特許文献1の基板の配置状態を検出するための光学式のセンサでは、半導体製造装置の構成要素に対応するように発光素子および受光素子が配置されていないため、半導体製造装置の構成要素の状態の検出が困難であると考えられる。また、上記特許文献1には記載されていないが、基板を搬送する基板保持ハンドの状態を確認する場合がある。その場合には、上記特許文献1の基板の配置状態を検出するための光学式のセンサでは、センサが配置されている基板保持ハンド自体の位置ずれなどの状態を検出することは困難である。そのため、基板と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象の状態を容易に検出することが望まれている。
【0006】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、基板と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象の状態を容易に検出することが可能な半導体製造装置システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示の一の局面による半導体製造装置システムは、基板に対する搬送、処理、および、収納の少なくとも1つを行う半導体製造装置から基板を搬出することと半導体製造装置に対して基板を搬入することとのうちの少なくとも一方を行う半導体製造装置システムであって、基板が載置される第1ブレードの基端を支持する第1ブレード支持部と、第1ブレード支持部とは別個に動作し、基板が載置される第2ブレードの基端を支持する第2ブレード支持部とを含む基板保持ハンドと、基板と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象を撮影する撮影部と、撮影部により撮影された撮影画像に基づいて検査対象の状態を検出する制御部と、を備え、撮影部は、第2ブレード支持部に配置されている。
【0008】
この開示の一の局面による半導体製造装置システムは、上記のように、基板と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象を撮影する撮影部と、撮影部により撮影された撮影画像に基づいて検査対象の状態を検出する制御部と、を備える。これにより、撮影部により検査対象を撮影できるので、ハンドの先端に基板の収納状態を検出するための光学式のセンサを配置する場合に比べて、より広い範囲の検査対象の状態を撮影できる。そのため、検査対象が基板である場合には、撮影された撮影画像に基づいて、検査対象の状態を容易に検出できる。また、撮影部により撮影された撮影画像に基づいて検査対象の状態を検出することにより、検査対象に対応するように発光素子および受光素子を配置することなく、撮影画像に基づいて検査対象の状態を検出できる。そのため、検査対象が半導体製造装置の構成要素である場合にも、撮影画像に基づいて検査対象の状態を容易に検出できる。また、検査対象が基板保持ハンド自体である場合にも、撮影画像に基づいて検査対象の状態を容易に検出できる。これらの結果、基板と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象の状態を容易に検出できる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、基板と半導体製造装置の構成要素と基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象の状態を容易に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態による基板処理システムの全体構成を示したブロック図である。
【
図2】第1実施形態による基板搬送ロボット、収納容器、および、処理装置の収納部の構成を示した模式図である。
【
図3】第1ブレード支持部および第2ブレード支持部が一体的に移動した状態を示した斜視図である。
【
図4】第2ブレード支持部が第1ブレード支持部とは別個に移動した状態を示した斜視図である。
【
図5】第2ブレード支持部における撮影部の配置を説明するための正面図である。
【
図6】収納部に収納された状態の基板の撮影を説明するための側面図である。
【
図7】収納部に収納された状態の基板を撮影した撮影画像の一例を示した図である。
【
図8】基板が収納されていない状態の収納部の撮影を説明するための側面図である。
【
図9】基板が収納されていない状態の収納部を撮影した撮影画像の一例を示した図である。
【
図10】異常が検出された場合における表示装置の表示の一例を示した図である。
【
図11】第1実施形態による基板搬送方法を説明するためのフローチャート図である。
【
図12】第1実施形態による検査対象の異常検出方法を説明するためのフローチャート図である。
【
図13】第2実施形態による基板処理システムの全体構成を示したブロック図である。
【
図14】第2実施形態による基板搬送ロボットの構成を示した模式図である。
【
図15】第3実施形態による基板処理システムの全体構成を示したブロック図である。
【
図16】2つの撮影部の配置を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を具体化した本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1から
図10までを参照して、第1実施形態による基板処理システム100の構成について説明する。なお、基板処理システム100は、半導体製造装置システムの一例である。
【0013】
図1に示すように、基板処理システム100は、基板搬送ロボット101、収納容器102、複数の処理装置103、表示装置104、および、制御装置105を備える。基板処理システム100は、たとえば、半導体ウエハ、プリント基板などの基板10に対する処理を行う。基板処理システム100では、収納容器102に収納された複数の基板10に対して処理が行われる。また、収納容器102には、処理が完了した基板10が収納されてもよい。基板10は、たとえば、略円盤形状を有しており、収納容器102において鉛直方向に並んで収納される。処理装置103は、たとえば、基板10に対して、レジストの塗布、または、エッヂングなどの処理を行う。なお、収納容器102は、半導体製造装置および収納部の一例である。また、処理装置103は、半導体製造装置の一例である。
【0014】
表示装置104は、基板処理システム100の状態を示す情報が表示される。具体的には、表示装置104は、複数の処理装置103の動作状態、基板搬送ロボット101の動作状態を示す情報が表示される。表示装置104は、たとえば、液晶ディスプレイを有する。制御装置105は、基板処理システム100の全体を制御する上位の制御装置である。制御装置105は、複数の処理装置103および基板搬送ロボット101を動作させるための信号を出力する。制御装置105は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)などを有するコンピュータである。
【0015】
基板搬送ロボット101は、基板10を搬送する。基板搬送ロボット101は、基板10に対する処理を行う処理装置103から基板10を搬出することと処理装置103に対して基板10を搬入することとの少なくとも一方を行う。また、基板搬送ロボット101は、基板10を収納するための収納容器102から基板10を搬出することと収納容器102に基板10を搬入することとのうちの少なくとも一方を行う。処理装置103は、複数の基板10を収納する収納部20を有する。たとえば、基板搬送ロボット101は、収納容器102に収納されている基板10を、複数の処理装置103のうちの一の処理装置103における収納部20まで搬送する。そして、基板搬送ロボット101は、一の処理装置103において処理が終了した基板10を、一の処理装置103の収納部20から、複数の処理装置103のうちの他の処理装置103の収納部20まで搬送する。なお、収納部20は、半導体製造装置の構成要素の一例である。
【0016】
図2に示すように、基板搬送ロボット101は、基板保持ハンド30と、直動機構部40と、昇降機構部50とを備えている。
【0017】
基板保持ハンド30には、ブレード91、ブレード92、ブレード93、ブレード94、および、ブレード95の5つが配置されている。ブレード91、92、93、94、および、95の各々には、基板10が載置される。具体的には、ブレード91、92、93、94、および、95は、基板10を支持する薄板状の支持板である。ブレード91、92、93、94、および、95は、先端が二股に分かれた形状を有している。また、ブレード91、92、93、94、および、95は、略円盤形状の基板10の外周縁部の裏面を鉛直方向の下方側であるZ2方向側から支持する。ブレード91、92、93、94、および、95の各々には、1つずつ別個に基板10が載置される。なお、ブレード91、92、93、および、94は、第1ブレードの一例である。また、ブレード95は、第2ブレードの一例である。
【0018】
また、基板保持ハンド30は、第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32を含む。第1ブレード支持部31は、複数のブレード91、92、93、および、94の基端を支持する。すなわち、第1ブレード支持部31は、複数のブレード91、92、93、および、94の各々の基端を、
図2のY1方向側から支持する。そして、第2ブレード支持部32は、複数のブレード91、92、93、および、94とは別個に基板10が載置される1つのブレード95の基端を支持する。すなわち、第2ブレード支持部32は、複数のブレード95の基端を、
図2のY1方向側から支持する。そして、第2ブレード支持部32は、第1ブレード支持部31とは別個に動作する。基板保持ハンド30において、5つのブレード91、92、93、94、および、95は、鉛直方向であるZ方向に沿って、ブレード91、ブレード92、ブレード95、ブレード93、および、ブレード94が鉛直方向の上方からこの順に並んで配置されている。
【0019】
図3に示すように、基板保持ハンド30において、第1ブレード支持部31は、略直方体形状の筐体部31aを有している。また、第1ブレード支持部31は、ブレード91、92、93、および、94に接続される接続部分31bを有している。そして、第2ブレード支持部32は、筐体部32aと、アーム部32bと、接続部分32cとを有する。筐体部32aは、第1ブレード支持部31の側方のX1方向側に配置されており、略直方体形状を有する。アーム部32bは、筐体部32aから第1ブレード支持部31に向かってX2方向に延びる平板状の部材である。アーム部32bは、第1ブレード支持部31の筐体部31aに挿入されるように、X2方向側に延びている。接続部分32cは、アーム部32bのX2方向側の端部においてブレード95と接続される部分である。すなわち、アーム部32bは、第1ブレード支持部31のブレード91および92が接続される接続部分31bと、ブレード93および94が接続される接続部分31bとの間に、ブレード95が接続される接続部分32cが配置されるように、X2方向側に延びている。第1ブレード支持部31の筐体部31aは、Z方向における中央において、第2ブレード支持部32のアーム部32bが挿入されるスリット状の隙間を有する。すなわち、第1ブレード支持部31の筐体部31aは、鉛直方向であるZ方向において、ブレード91および92が接続される部分と、ブレード93および94が接続される部分との2つに分割された形状を有する。そして、筐体部31aの分割された2つの部分は、Y1方向側において互いに接続されている。また、第2ブレード支持部32の筐体部32aは、後述する直動機構部40に接続される。なお、第1ブレード支持部31では、筐体部31aが直動機構部40に接続されている。また、第1ブレード支持部31は、ブレード91、92、93、および、94のZ方向における位置を変更させる。具体的には、第1ブレード支持部31は、第2ブレード支持部32に支持されているブレード95を中心として、鉛直方向における5つのブレード91、92、93、94、および、95の互いの離間距離を変更させる。すなわち、基板保持ハンド30は、収納容器102または処理装置103の収納部20に配置された複数の基板10の鉛直方向における配置間隔に対応するように、5つのブレード91、92、93、94、および、95の互いの離間距離を変更させる。
【0020】
図2に示すように、直動機構部40は、第1部分41および第2部分42を有する。第1部分41には、第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32が接続されている。直動機構部40は、基板保持ハンド30を直線的に移動させる。また、直動機構部40は、第2ブレード支持部32を、第1ブレード支持部31とは別個に直線的に移動させる。具体的には、直動機構部40は、第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32をスライドさせるように直線的に移動させる。また、直動機構部40は、第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32を一体的に移動させるとともに、第1ブレード支持部31を移動させずに、第2ブレード支持部32を移動させる。すなわち、直動機構部40の第1部分41は、第1ブレード支持部31の筐体部31aと、第2ブレード支持部32の筐体部32aとに接続されており、筐体部31aと筐体部32aとを一体的に移動させる動作と、筐体部32aのみを移動させる動作とを切り替えて行う。
【0021】
また、直動機構部40は、第1部分41のY1方向側に基板保持ハンド30の第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32が配置された状態から、Y2方向側に基板保持ハンド30を移動させることによって、基板10を搬入または搬出する。第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32に関して、Y1方向側に配置された状態を退避状態とする。そして、
図3に示すように、直動機構部40は、5つのブレード91、92、93、94、および、95を移動させる場合には、第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32の両方を一体的に移動させる。そして、
図4に示すように、直動機構部40は、1つのブレード95のみを移動させる場合には、Y1方向側に第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32の両方が配置された状態から、第2ブレード支持部32のみをY2方向側に移動させる。すなわち、基板保持ハンド30は、5つの基板10をまとめて搬送することと、1つの基板10のみを搬送することとを切り替える。なお、Y1方向およびY2方向は、第2ブレードの移動方向の一例である。
【0022】
直動機構部40において、第1部分41は、第2部分42に対してZ方向を回転軸線として回転する。すなわち、第1部分41は、XY平面に沿って回転する。第1部分41が回転することによって、基板保持ハンド30も同様に、Z方向を回転軸線として回転する。なお、第1部分41を回転させる際には、基板保持ハンド30の第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32は、退避状態の位置に配置される。また、直動機構部40は、たとえば、サーボモータを駆動機構として有している。直動機構部40では、ベルトおよびプーリまたはボールネジなどの機構によってサーボモータの駆動力が基板保持ハンド30の移動の動力として用いられる。そして、直動機構部40は、サーボモータの回転数を取得するエンコーダを有している。直動機構部40は、制御部70による制御処理によって動作する。
【0023】
図2に示すように、昇降機構部50は、直動機構部40を昇降移動させる。昇降機構部50は、直動機構部40を昇降移動させることによって、基板保持ハンド30を昇降移動させる。具体的には、昇降機構部50は、鉛直方向であるZ方向に沿って延びるように配置されている。昇降機構部50には、直動機構部40の第2部分42が接続されている。そして、昇降機構部50が第2部分42を昇降移動させることによって、直動機構部40と基板保持ハンド30とが一体的に昇降移動する。昇降機構部50は、たとえば、サーボモータを駆動機構として有している。昇降機構部50では、ベルトおよびプーリまたはボールネジなどの機構によってサーボモータの駆動力が昇降移動の動力として用いられる。そして、昇降機構部50は、サーボモータの回転数を取得するエンコーダを有している。直動機構部40と同様に、昇降機構部50は、制御部70による制御処理によって動作する。
【0024】
図5に示すように、第1実施形態では、第2ブレード支持部32に撮影部60が配置されている。撮影部60は、第2ブレード支持部32とブレード95との接続部分32cから離間した状態で第2ブレード支持部32に配置されている。言い換えれば、撮影部60は、複数のブレード91、92、93、94、および、95を支持する第1ブレード支持部31からも、離間した状態で第2ブレード支持部32に配置されている。具体的には、撮影部60は、基板10を搬入または搬出する際のブレード95の移動方向であるY1方向およびY2方向から見て、ブレード95のX1方向における端部よりも外側において接続部分32cから離間した状態で第2ブレード支持部32に配置されている。撮影部60は、撮影部60において発生する熱が接続部分32cおよび第1ブレード支持部31の動作に影響を及ぼさないように接続部分32cから離間して配置されている。詳細には、撮影部60は、第2ブレード支持部32において、筐体部32aに配置されている。撮影部60は、筐体部32aにおいて、ブレード95の移動方向であるY2方向側を撮影するように配置されている。そして、撮影部60は、ブレード95よりも鉛直方向の上方側であるZ1方向側に配置されている。すなわち、撮影部60は、ブレード95において基板10が載置される載置面よりも上方に位置するように配置されている。また、撮影部60は、第2ブレード支持部32と一体的に移動する。すなわち、撮影部60は、直動機構部40および昇降機構部50の動作によって、第2ブレード支持部32と一体的に移動する。
【0025】
撮影部60は、制御部70による制御によって基板10と収納容器102および処理装置103の構成要素と基板保持ハンド30との少なくとも1つを含む検査対象を撮影する。撮影部60により撮影された撮影画像Pは、制御部70に出力される。撮影部60は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの複数の撮像素子を有する2次元カメラからなる。なお、撮影部60を、3次元カメラから構成してもよい。
【0026】
制御部70は、基板搬送ロボット101の動作を制御する。制御部70は、たとえば、CPU、RAM、および、ROMなどを有するコンピュータである。また、制御部70は、SSD(Solid State Drive)などのフラッシュメモリを含む記憶装置を有している。制御部70は、予め記憶装置に記憶されているプログラムおよびパラメータに基づいて基板搬送ロボット101の各部の動作を制御する。
【0027】
通信部80は、複数の処理装置103の各々と通信を行う。また、通信部80は、上位の制御装置105と通信を行う。通信部80は、LAN(Local Area Network)などによる通信を行う通信モジュールを含む。すなわち、制御部70は、通信部80を介して基板搬送ロボット101の外部と通信を行う。
【0028】
(検査対象の状態の検出)
次に、
図6から
図9までを参照して、制御部70による検査対象の状態の検出について説明する。
【0029】
第1実施形態では、制御部70は、撮影部60により撮影された撮影画像Pに基づいて検査対象の状態を検出する。検査対象は、収納部20および収納容器102に配置された基板10と、収納容器102および処理装置103の構成要素と、基板保持ハンド30との少なくとも1つを含む。たとえば、収納容器102における構成要素は、収納容器102において基板10が載置される部分である。処理装置103の構成要素は、処理装置103における収納部20などの機器、および、消耗品などである。すなわち、制御部70は、撮影部60により撮影された撮影画像Pに対して画像解析の処理を行うことによって、収納部20および収納容器102における基板10の配置状態の検出、収納容器102および処理装置103を構成する機器などの構成要素における異常または劣化の検出、基板保持ハンド30における異常または劣化の検出、および、処理装置103を含む基板処理システム100の各部の消耗品の消耗度合いの検出などの処理を行う。
【0030】
図6に示すように、撮影部60は、たとえば、処理装置103が有する収納部20に収納されている状態の基板10を検査対象として撮影する。すなわち、制御部70は、収納部20に収納されている状態の基板10の配置状態を、検査対象の状態として検出する。具体的には、処理装置103の収納部20から複数の基板10を搬出する場合に、制御部70は、まず、収納部20に収納された状態の複数の基板10の全体を撮影する。この時に、収納部20のZ方向における大きさが撮影部60の視野よりも大きい場合には、制御部70は、昇降機構部50を動作させながら、撮影部60による複数回の撮影を行う。この時には、基板保持ハンド30の第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32の両方がY2方向側の退避状態の位置に配置される。
【0031】
図7に示すように、制御部70は、収納部20に収納されている状態の基板10を撮影した撮影画像Pに基づいて、収納部20における基板10の配置状態を検出する。たとえば、制御部70は、画像解析することにより撮影画像Pのうちから基板10を検出することによって、収納部20における基板10の配置位置を検出する。また、制御部70は、撮影画像Pに対して画像解析を行うことにより、検出された基板10の水平面に沿った形状、および、水平面から反るように湾曲した形状を検出する。
【0032】
制御部70は、撮影画像Pに基づいて検出された基板10の配置状態に基づいて、基板保持ハンド30の移動を制御する。具体的には、検出された基板10の配置状態に基づいて、ブレード91、92、93、94、および、95に基板10が載置されるように、直動機構部40および昇降機構部50の動作を制御する。すなわち、制御部70は、検出された基板10の配置状態に基づいて、ブレード91、92、93、94、および、95の移動経路を制御する。また、制御部70は、検出された基板10の配置状態に基づいて、搬出または搬入が行えない基板10の変形を検出した場合には、通信部80を介して、搬出または搬入の異常が生じていることを示す異常検出信号を外部に出力する。なお、制御部70は、搬入または搬出の異常が生じた場合に、基板保持ハンド30の動作を停止させるようにしてもよい。また、制御部70は、搬入または搬出の異常が生じた場合に、異常が検出された基板10を避けながら、基板10の搬出または搬入の動作を継続するようにしてもよい。
【0033】
図8に示すように、撮影部60は、処理装置103の構成要素を検査対象として撮影する。制御部70は、たとえば1日に1度などの所定の間隔ごとに定期的に行わるメンテナンス処理において、予め設定された複数の検査対象の撮影を行う。そして、制御部70は、メンテナンス処理において、直動機構部40および昇降機構部50を動作させることにより、撮影部60の位置を変更しながら複数の検査対象を撮影する。また、検査対象が基板10の搬送経路に含まれない場合にも、制御部70は、直動機構部40および昇降機構部50の動作を制御して、検査対象を撮影する位置に撮影部60が配置されるように、第2ブレード支持部32を移動させる。
【0034】
たとえば、撮影部60は、基板10が収納されていない状態の収納部20を検査対象として撮影する。処理装置103において、収納部20は、複数の基板10を収納する。複数の基板10は、収納部20において、互いに所定の間隔を隔てた状態で鉛直方向であるZ方向に並べて配置されている。また、収納部20は、基板10が載置される複数の基板載置部21を有する。基板載置部21は、収納部20の内側面において、水平方向に沿って突出している。
【0035】
ここで、基板載置部21は、繰り返しの使用によって劣化する。具体的には、基板載置部21において、欠損、または、割れなどの異常が生じる場合がある。また、基板載置部21の位置ずれの異常が生じる場合がある。これらの場合には、収納部20に載置される基板10において、位置ずれなどの異常が生じる。
【0036】
そこで、
図9に示すように、制御部70は、予め設定されている基準画像と撮影された撮影画像Pとを比較することによって基板載置部21における異常の検出を行う。たとえば、制御部70は、基準画像をテンプレートとしたパターンマッチング処理を行うことによって、撮影画像Pにおける異常部分の検出を行う。また、基準画像は、たとえば、収納部20における部品交換、または、保守点検を行うごとに、撮影部60により撮影され、制御部70により記憶装置に記憶される。
【0037】
なお、制御部70は、検査対象として処理装置103の構成要素の撮影を行う場合に、撮影部60を検査対象に近接させる。すなわち、撮影部60が検査対象に近接するように、第2ブレード支持部32を検査対象に近接させる。また、この時に、制御部70は、第1ブレード支持部31は、検査対象に近接させない。すなわち、制御部70は、検査対象の撮影を行う場合に、撮影部60が配置されている第2ブレード支持部32を検査対象に近接させるとともに、第1ブレード支持部31を第2ブレード支持部32よりも検査対象から離間させる。具体的には、処理装置103の収納部20の撮影を行う場合には、制御部70は、第1ブレード支持部31を退避状態の配置としたまま、第2ブレード支持部32のみを検査対象に近接させる。これにより、
図8の撮影画像Pでは、ブレード91、92、93、94、および、95が含まれているのに対して、
図9の撮影画像Pでは、ブレード91、92、93、および、94は含まれず、ブレード95のみが含まれている。そして、制御部70は、検査対象である処理装置103の構成要素において異常が検出された場合には、通信部80を介して、処理装置103に対して異常が検出されたことを示す異常検出信号を出力する。
【0038】
また、
図7に示すように、撮影部60により撮影された撮影画像Pには、基板保持ハンド30が含まれる。制御部70は、撮影画像Pに基づいて基板保持ハンド30の状態を検出する。具体的には、撮影画像Pには、基板保持ハンド30のブレード91、92、93、94、および、95が含まれる。制御部70は、たとえば1日に1度などの所定の間隔ごとに定期的に行わるメンテナンス処理において、予め設定された複数の検査対象として、基板保持ハンド30のブレード91、92、93、94、および、95の撮影を行う。そして、制御部70は、撮影画像Pに基づいて、ブレード91、92、93、94、および、95の位置ずれ、または、欠損などの異常を検出する。制御部70は、検査対象である基板保持ハンド30において異常が検出された場合には、通信部80を介して、処理装置103に対して異常が検出されたことを示す異常検出信号を出力する。
【0039】
図10に示すように、たとえば、基板処理システム100では、制御部70から出力された異常検出信号に基づいて、基板処理システム100の表示装置104に、異常が検出されたことを示す異常検出表示104aが表示される。
図10では、複数の処理装置103のうちの1つの処理装置103において、収納部20の異常が検出された例を示している。また、基板処理システム100では、異常検出信号が出力された場合に、基板搬送ロボット101および処理装置103の動作を停止させるようにしてもよい。また、制御部70は、異常が検出された撮影画像Pを記憶装置に記憶させるようにしてもよい。この場合に、異常が検出された撮影画像Pを含む複数の撮影画像Pを動画像として記憶するようにしてもよい。
【0040】
(基板搬送方法の制御処理)
次に、
図11を参照して、基板搬送ロボット101の基板搬送方法の動作について説明する。この基板搬送方法では、収納部20に配置された状態の基板10を検査対象として、基板10の状態が検出される。なお、以下では、収納部20からの基板10の搬出動作について説明する。基板搬送方法の制御処理は、制御部70によって実行される。
【0041】
まず、ステップS1において、直動機構部40および昇降機構部50を動作させることにより、撮影部60を移動させながら、収納部20に収納されている基板10の撮影が行われる。この時に、収納部20に収納されている基板10の全体を撮影するように、昇降機構部50により鉛直方向に沿って撮影部60を移動させながら撮影が行われることにより、複数の撮影画像Pが撮影される。
【0042】
次に、ステップS2において、撮影画像Pに対する画像解析が実行されることによって、収納部20に配置された状態の基板10の状態が検出される。具体的には、撮影画像Pに基づいて、収納部20における基板10の配置位置および形状が、基板10の配置状態として検出される。
【0043】
次に、ステップS3において、収納部20において検出された基板10の状態に異常が含まれるか否かの判断が行われる。基板10の状態に異常が含まれると判断された場合には、ステップS4に進む。基板10の状態に異常が含まれると判断されない場合には、ステップS5に進む。
【0044】
ステップS4では、異常が検出されたことを示す異常検出信号が出力される。また、ステップS5では、ステップS2において検出された基板10の状態に基づいて、直動機構部40および昇降機構部50の動作を制御することによって、収納部20から基板10の搬出が行われる。収納部20から搬出された基板10は、基板10を収納する収納容器102に搬入されてもよいし、基板10が収納されていた処理装置103とは異なる処理装置103の収納部20に対して搬入されてもよい。
【0045】
(検査対象の異常検出方法)
次に、
図12を参照して、処理装置103の構成要素および基板保持ハンド30における異常検出方法について説明する。この異常検出方法の制御処理は、たとえば、1日に1回などの所定の期間ごとに定期的にメンテナンス処理において実行される。検査対象の異常検出方法の制御処理は、制御部70によって実行される。
【0046】
まず、ステップS11において、撮影部60によって検査対象の撮影が行われる。たとえば、検査対象は、基板10が載置されていない状態の収納部20である。また、処理装置103が複数の収納部20を有する場合には、複数の収納部20の各々が撮影される。また、複数の処理装置103の各々の収納部20ごとに撮影が行われる。また、検査対象は、基板保持ハンド30であってもよい。そして、撮影部60による撮影によって、撮影画像Pが取得される。
【0047】
次に、ステップS12において、撮影画像Pに基づいて、検査対象の異常が検出される。具体的には、予め設定されている基準画像と、ステップS11において取得された撮影画像Pとを比較することによって、検査対象の異常が検出される。なお、検査対象が複数の場合には、複数の検査対象の各々に対応するように、複数種類の基準画像が予め設定されて記憶されている。基準画像は、たとえば、検査対象の保守または交換を行うごとに撮影された撮影画像Pである。また、基準画像は、以前のメンテナンス処理時に撮影された撮影画像Pであってもよい。
【0048】
次に、ステップS13において、検査対象に異常が検出されたか否かが判断される。検査対象に異常が検出された場合には、ステップS14に進む。検査対象に異常が検出されない場合には、検査対象の異常検出方法の制御処理が終了される。
【0049】
ステップS14では、検出された異常に基づいて、異常が検出されたことを示す異常検出信号が出力される。異常検出信号は、たとえば、通信部80を介して、基板処理システム100の上位の制御装置105に送信される。そして、制御装置105によって、表示装置104に異常が検出されたことを示す情報である異常検出表示104aが表示される。
【0050】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0051】
基板処理システム100は、基板10と収納容器102および処理装置103の構成要素と基板保持ハンド30との少なくとも1つ含む検査対象を撮影する撮影部60と、撮影部60により撮影された撮影画像Pに基づいて検査対象の状態を検出する制御部70と、を備える。これにより、撮影部60により検査対象を撮影できるので、ハンドの先端に基板10の収納状態を検出するための光学式のセンサを配置する場合に比べて、より広い範囲の検査対象の状態を撮影できる。そのため、検査対象が基板10である場合には、撮影された撮影画像Pに基づいて、検査対象の状態を容易に検出できる。また、撮影部60により撮影された撮影画像Pに基づいて検査対象の状態を検出することにより、検査対象に対応するように発光素子および受光素子を配置することなく、撮影画像Pに基づいて検査対象の状態を検出できる。そのため、検査対象が収納容器102および処理装置103の構成要素である場合にも、撮影画像Pに基づいて検査対象の状態を容易に検出できる。また、検査対象が基板保持ハンド30自体である場合にも、撮影画像Pに基づいて検査対象の状態を容易に検出できる。これらの結果、基板10と収納容器102および処理装置103の構成要素と基板保持ハンド30との少なくとも1つを含む検査対象の状態を容易に検出できる。
【0052】
基板処理システム100は、基板10が載置されるブレード91、92、93、および、94の基端を支持する第1ブレード支持部31と、第1ブレード支持部31とは別個に動作し、基板10が載置されるブレード95の基端を支持する第2ブレード支持部32とを含む基板保持ハンド30を備える。そして、撮影部60は、第2ブレード支持部32に配置されている。これにより、検査対象が基板10と、収納容器102および処理装置103の構成要素の少なくとも一方である場合は、第2ブレード支持部32に配置された撮影部60を検査対象に近接するように移動させることができるため、撮影部60により検査対象を拡大して詳細に撮影できる。そのため、検査対象が詳細に撮影された撮影画像Pに基づいて、検査対象の状態を精度よく検出できる。また、第2ブレード支持部32が、第1ブレード支持部31とは別個に動作するため、第1ブレード支持部31および第1ブレード支持部31に支持されるブレード91、92、93、および、94が撮影画像Pに写り込むことを抑制できる。そのため、第1ブレード支持部31またはブレード91、92、93、および、94が撮影画像Pに写り込むことに起因して、検査対象の状態の検出が困難になることを抑制できる。
【0053】
撮影部60は、第2ブレード支持部32と一体的に移動する。これにより、第2ブレード支持部32を移動させることにより撮影部60を移動させることができる。そのため、第2ブレード支持部32を移動させる構成とは別個に撮影部60を移動させるための構成を備える場合に比べて、装置構成が複雑化することを抑制できる。
【0054】
撮影部60は、第2ブレード支持部32とブレード95との接続部分32cから離間した状態で第2ブレード支持部32に配置されている。ここで、撮影部60において生じる熱に起因して、基板保持ハンド30の動作に異常が生じる場合がある。これに対して、第1実施形態では、撮影部60を、第2ブレード支持部32とブレード95との接続部分32cから離間した状態で第2ブレード支持部32に配置することにより、撮影部60からの熱に起因して、基板保持ハンド30の動作に異常が生じることを抑制できる。また、第1実施形態のように、第1ブレード支持部31により支持されるブレード91、92、93、および、94と第2ブレード支持部32により支持されるブレード95とが、鉛直方向に沿って並んで配置されている場合には、撮影部60を接続部分32cから離間させることにより、第1ブレード支持部31の接続部分31bと第2ブレード支持部32の接続部分32cとの両方から撮影部60を離間した状態で配置できる。そのため、第1ブレード支持部31の接続部分31bと第2ブレード支持部32の接続部分32cとの両方において、撮影部60において生じる熱に起因する異常を抑制できる。たとえば、第1実施形態のように、第1ブレード支持部31を、複数のブレード91、92、93、および、94の基端を支持するとともに、複数のブレード91、92、93、および、94の鉛直方向における位置を変更させるように構成する場合には、撮影部60の熱に起因して、第1ブレード支持部31におけるブレード91、92、93、および、94の移動に異常が生じることを抑制できる。
【0055】
撮影部60は、基板10を搬入または搬出する際のブレード95の移動方向から見て、ブレード95の端部よりも外側において接続部分32cから離間した状態で第2ブレード支持部32の側方に配置されている。これにより、撮影部60がブレード95の端部よりも外側に離間した位置に配置されているため、接続部分32cから十分に離間した位置に撮影部60を配置できる。そのため、撮影部60からの熱に起因して基板保持ハンド30の動作に異常が生じることを効果的に抑制できる。また、撮影部60が、ブレード95よりも側方の外側に離間した位置に配置されているため、撮影部60によって、第2ブレード支持部32に支持されるブレード95自身を撮影できる。そのため、撮影部60により撮影された撮影画像Pに基づいて、ブレード95の位置ずれなどの異常を検出できる。
【0056】
撮影部60は、処理装置103が有する収納部20および収納容器102に収納されている状態の基板10を少なくとも含む検査対象を撮影し、制御部70は、収納部20および収納容器102に収納されている状態の基板10を撮影した撮影画像Pに基づいて、収納部20および収納容器102における基板10の配置状態を検出する。ここで、基板10の配置状態を確認するために基板10が載置されるブレード91、92、93、94、および、95の先端部分に光学式のセンサを配置する場合には、ブレード91、92、93、94、および、95の先端部分まで延びるようにセンサに接続される信号線を配置する必要がある。一般に、基板10が載置されるブレード91、92、93、94、および、95は、比較的薄い形状を有しているため、信号線の配置作業が作業者にとって負担となる。これに対して、第1実施形態では、制御部70は、収納部20および収納容器102に収納されている状態の基板10を撮影した撮影画像Pに基づいて、収納部20および収納容器102における基板10の配置状態を検出する。これにより、ブレード91、92、93、94、および、95の先端に光学式のセンサを配置することなく、ブレード95の基端を支持する第2ブレード支持部32に配置された撮影部60により撮影された撮影画像Pに基づいて基板10の配置状態を検出できる。そのため、ブレード91、92、93、94、および、95の先端部分まで信号線を配置する必要がなくなるため、作業者の負担を軽減できる。
【0057】
基板保持ハンド30は、第1ブレード支持部31に支持される複数のブレード91、92、93、および、94と、第2ブレード支持部32に支持される1つのブレード95を含み、撮影部60は、1つのブレード95の基端を支持する第2ブレード支持部32に配置されている。これにより、1つのブレード95の基端を支持している第2ブレード支持部32に撮影部60が配置されているため、複数のブレード91、92、93、および、94の基端を支持している第1ブレード支持部31よりも、第2ブレード支持部32を小さくできる。そのため、第1ブレード支持部31に撮影部60が配置されている場合に比べて、比較的狭い場所にまで撮影部60を入り込ませるように第2ブレード支持部32を移動させることができるので、比較的狭い場所に配置されている検査対象に対して撮影部60を近接させて撮影を行うことができる。その結果、比較的狭い場所に配置されている検査対象の詳細な撮影画像Pを取得できるので、検査対象が比較的狭い場所に配置されている場合にも、検査対象の状態を精度よく検出できる。
【0058】
基板処理システム100は、基板保持ハンド30を直線的に移動させる直動機構部40を備え、直動機構部40は、第2ブレード支持部32を、第1ブレード支持部31とは別個に直線的に移動させる。これにより、直動機構部40によって直線的なスライド移動により基板保持ハンド30を移動させることができるので、鉛直方向の下方側から基板保持ハンド30を支えた状態で安定した移動を行うことができる。また、水平多関節または垂直多関節のロボットアームを有するリンク機構により基板保持ハンド30を直線的に移動させる場合には、リンクを折り畳むようにして動作させる必要があるため、移動方向に対して交差する横方向における物理的な干渉を考慮する必要がある。これに対して、基板保持ハンド30を直動機構部40により直線的に移動させる場合には、横方向における物理的な干渉を抑制できるので、ロボットアームを有するリンク機構に比べてより狭い位置に入り込むように基板保持ハンド30を直線的に移動させることができる。その結果、検査対象が比較的狭い位置に配置されている場合にも、撮影部60を近接させて詳細な撮影画像Pを撮影できるので、検査対象の状態を精度よく検出できる。
【0059】
直動機構部40を、昇降移動させる昇降機構部50を備え、昇降機構部50は、直動機構部40を昇降移動させることによって基板保持ハンド30を昇降移動させる。これにより、鉛直方向における高さ位置が互いに異なる収納部20同士の間において、基板保持ハンド30により基板10を搬送できる。また、検査対象の配置されている位置が鉛直方向において互いに異なる場合にも、昇降機構部50により基板保持ハンド30を昇降移動させることができるので、鉛直方向における位置が互いに異なる検査対象に対して撮影部60を近接させて撮影できる。そのため、鉛直方向において検査対象の位置が異なる場合にも、検査対象の状態を精度よく検出できる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、
図13および
図14を参照して、本開示の第2実施形態による基板処理システム200の構成について説明する。この第2実施形態では、1つのブレード95が配置されている第2ブレード支持部32に撮影部60が配置されている上記第1実施形態とは異なり、複数のブレード292、ブレード293、ブレード294、および、ブレード295が配置されている第2ブレード支持部232に撮影部260が配置されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
図13に示すように、第2実施形態の基板処理システム200は、基板搬送ロボット201を備える。また、基板搬送ロボット201は、基板保持ハンド230、第1アーム241、第2アーム242、昇降機構部250、および、撮影部260を備えている。基板保持ハンド230は、第1ブレード支持部231および第2ブレード支持部232を含む。また、昇降機構部250は、昇降軸251を含む。なお、基板処理システム200は、半導体製造装置システムの一例である。
【0062】
図14に示すように、基板搬送ロボット201は、第1実施形態の基板搬送ロボット101と異なり、水平多関節ロボットである。すなわち、基板搬送ロボット201は、直動機構部40の替わりに、水平多関節ロボットアームである第1アーム241および第2アーム242を備えている。第1アーム241および第2アーム242は、それぞれ2つずつのリンクを有している。2つのリンクは互いに水平方向に沿って回転可能に接続されている。また、第1アーム241および第2アーム242は、昇降機構部250に接続されている。昇降機構部250の昇降軸251に対して、第1アーム241および第2アーム242の一方の端部が水平方向に沿って回転可能に接続されている。昇降機構部250は、昇降軸251を鉛直方向に沿って移動させることによって、第1アーム241および第2アーム242を昇降移動させる。第1アーム241および第2アーム242と昇降機構部250とは、サーボモータの駆動力により動作する。
【0063】
そして、第1アーム241および第2アーム242の他方側の端部には、基板保持ハンド230が配置されている。具体的には、第1アーム241の他方側の端部には第1ブレード支持部231が配置されている。そして、第2アーム242の他方側の端部には、第2ブレード支持部232が配置されている。第1ブレード支持部231は、第1アーム241に対して水平方向に回転可能に接続されている。また、第2ブレード支持部232は、第2アーム242に対して水平方向に回転可能に構成されている。
【0064】
第2実施形態では、第1ブレード支持部231は、1つのブレード291の基端を支持している。また、第2ブレード支持部232は、複数のブレード292、ブレード293、ブレード294、および、ブレード295の各々の基端を支持している。なお、ブレード291は、第1ブレードの一例である。また、ブレード292、293、294、および、295は、第2ブレードの一例である。
【0065】
基板搬送ロボット201は、第1ブレード支持部231の1のブレード291により1つの基板10を搬送する動作と、第2ブレード支持部232の複数のブレード292、293、294、および、295により複数の基板10を同時に搬送する動作とを行う。
【0066】
第2実施形態では、撮影部260は、複数のブレード292、293、294、および、295を支持する第2ブレード支持部232に配置されている。具体的には、撮影部260は、第2ブレード支持部232において鉛直方向の上方側であるZ1方向側に配置されている。すなわち、撮影部260は、複数のブレード292、293、294、および、295の全体よりも鉛直方向の上方側に配置されている。
【0067】
制御部70は、撮影部260によって撮影された撮影画像Pに基づいて、検査対象の状態を検出する。制御部70による検査対象の状態の検出の制御処理は、第1実施形態と同様である。
【0068】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0069】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0070】
基板保持ハンド230は、第1ブレード支持部231に支持される1つのブレード291と、第2ブレード支持部232に支持される複数のブレード292、293、294、および、295を含み、撮影部260は、複数のブレード292、293、294、および、295の基端を支持する第2ブレード支持部232に配置されている。これにより、第2ブレード支持部232の複数のブレード292、293、294、および、295によって、一括して複数の基板10を搬送する場合に、搬送される複数の基板10を、第2ブレード支持部232に配置された撮影部260によって容易に撮影できる。そのため、複数の基板10を一括して搬送する場合に、撮影部260により撮影された撮影画像Pに基づいて、搬送される複数の基板10の配置状態を容易に検出できる。なお、第2実施形態によるその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
[第3実施形態]
次に、
図15および
図16を参照して、本開示の第3実施形態による基板処理システム300の構成について説明する。この第3実施形態では、1つの撮影部60が配置されている上記第1実施形態とは異なり、2つの撮影部361および撮影部362が配置されている。なお、上記第1および第2実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0072】
図15に示すように、第3実施形態の基板処理システム300は、基板搬送ロボット301を備える。基板搬送ロボット301には、撮影部361および撮影部362が配置されている。なお、基板処理システム300は、半導体製造装置システムの一例である。また、撮影部361および撮影部362は、それぞれ、第1撮影部および第2撮影部の一例である。
【0073】
撮影部361および撮影部362は、第1実施形態の撮影部60と同様に、2次元カメラである。そして、撮影部361および撮影部362は、同様に、検査対象の状態を検出するために検査対象を撮影する。
【0074】
図16に示すように、第3実施形態では、撮影部361は、第1ブレード支持部31に配置されており、撮影部362は、第2ブレード支持部32に配置されている。なお、撮影部362の第2ブレード支持部32における配置は、第1実施形態の撮影部60と同様である。すなわち、第3実施形態では、検査対象を撮影するために、第2ブレード支持部32に配置される撮影部362に加えて、第1ブレード支持部31に配置されるもう1つの撮影部361が配置されている。
【0075】
撮影部361は、第1ブレード支持部31の筐体部31aに配置されている。具体的には、第1ブレード支持部31に対して、撮影部362が配置されている一方側の側方とは反対側の他方側の側方に配置されている。ここで言う一方側の側方は、
図16のX1方向側であり、他方側の側方は、
図16のX2方向側である。
【0076】
また、撮影部362は、第1実施形態の撮影部60と同様に、接続部分32cから離間した位置に配置されている。そして、撮影部361は、撮影部362とは反対の方向に、撮影部362の離間距離と略等しい大きさだけ接続部分32cから離間した状態で、第1ブレード支持部31に配置されている。すなわち、複数のブレード91、92、93、94、および、95の横方向であるX方向において、撮影部361および撮影部362の各々は、ブレード91、92、93、94、および、95から略等しい距離分離間した位置に配置されている。また、撮影部361および撮影部362の鉛直方向であるZ方向における配置は、略等しい。したがって、撮影部361の視野と、撮影部362の視野とは、互いに、複数のブレード91、92、93、94、および、95に対して対称となっている。これにより、複数のブレード91、92、93、94、および、95の左右方向の両側から、広い視野の撮影画像Pを撮影できる。
【0077】
制御部70は、撮影部361および撮影部362によって撮影された撮影画像Pに基づいて、検査対象の状態を検出する。制御部70による検査対象の状態の検出の制御処理は、第1実施形態と同様である。
【0078】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0079】
[第3実施形態の効果]
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0080】
基板処理システム300は、第1ブレード支持部31に配置される撮影部361と、撮影部361とは別個に、第2ブレード支持部32に配置される撮影部362とを含む。これにより、第1ブレード支持部31に撮影部361が配置されており、第1ブレード支持部31と別個に動作する第2ブレード支持部32に撮影部362が配置されているため、互いに異なる視野を有するように撮影部361および撮影部362を配置できる。そのため、撮影部が1つの場合に比べてより広い視野を有する撮影画像Pを撮影できる。そのため、より広い範囲に渡って配置されている検査対象の状態の検出を容易に行うことができる。また、第3実施形態その他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0081】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0082】
たとえば、上記第1および第3実施形態では、第1ブレード支持部31に複数のブレード91、92、93、および、94が支持され、第2ブレード支持部32に1つのブレード95が支持される例を示し、上記第2実施形態では、第1ブレード支持部231に1つのブレード291が支持され、第2ブレード支持部232に複数のブレード95が支持される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、第1ブレード支持部が1つの第1ブレードを支持するとともに、第2ブレード支持部が1つの第2ブレードを支持するようにしてもよい。また、第1ブレード支持部が複数の第1ブレードを支持するとともに、第2ブレード支持部が複数の第2ブレードを支持するようにしてもよい。また、撮影部が配置される第2ブレード支持部に支持される第2ブレードの個数を、第1ブレード支持部に支持される第1ブレードの個数よりも小さくしてもよい。また、第1ブレードの個数より第2ブレードの個数を大きくしてもよい。
【0083】
また、上記第1および第3実施形態では、鉛直方向に沿って並んで配置されている複数のブレード91、92、93、94、および、95のうち、鉛直方向の中間に配置されているブレード95が第2ブレード支持部32に支持されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、鉛直方向に沿って並んで配置されている複数のブレードのうち、一番下方に配置されている1つのブレードを、第2ブレード支持部に支持されるように構成してもよい。すなわち、複数のブレードのうち、最も下方に配置されているブレードのみが、他の複数のブレードと別個に動作するようにしてもよい。また、鉛直方向において最も上方に配置されたブレードを、第2ブレード支持部に支持されるようにしてもよい。
【0084】
また、上記第1実施形態では、基板搬送ロボット101の動作を制御する制御部70が、撮影画像Pに基づいて検査対象の状態を検出する処理を実行する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ロボットは、検査対象の状態を検出する処理を行わず、撮影された撮影画像をそのまま出力するようにしてもよい。すなわち、基板保持ハンドの動作を制御する制御部とは別個の制御部によって、撮影画像に基づいて検査対象の状態を検出する処理が実行されるようにしてもよい。たとえば、基板処理システムの上位の制御装置において、検査対象の状態を検出する制御処理を実行するようにしてもよい。また、撮影画像に基づいて検査対象の状態を検出する処理は、基板処理システムとは別個に配置されている遠隔制御システムにおいて実行されてもよい。
【0085】
また、上記第1実施形態では、撮影部60は、第2ブレード支持部32と一体的に移動するように配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、第2ブレード支持部に対して移動可能に撮影部を配置するようにしてもよい。たとえば、第2ブレード支持部に対して、撮影部の撮影方向を変更可能に配置するようにしてもよい。
【0086】
また、上記第1実施形態では、撮影部60が第2ブレード支持部32の接続部分32cから離間した状態で第2ブレード支持部32に配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、撮影部を、第2ブレード支持部の第2ブレードとの接続部分に隣接するように配置してもよい。
【0087】
また、上記第1実施形態では、処理装置103が有する収納部20に収納されている状態の基板10を撮影した撮影画像Pに基づいて、収納部20における基板10の配置状態が検出される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、撮影部ではなく、ハンドに配置された光学式のセンサを用いることによって収納部に収納されている状態の基板の配置状態が検出されるようにしてもよい。
【0088】
また、上記第1実施形態では、撮影部60がブレード91、92、93、94、および、95の側方に配置され、上記第2実施形態では、撮影部260が、ブレード292、293、294、および、295の上方に配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、撮影部を、第2ブレード支持部において第2ブレードの下方に配置するようにしてもよい。また、基板保持ハンドが直動機構部によって直線的に移動される場合に、撮影部を第2ブレードの上方または下方に配置するようにしてもよい。また、基板保持ハンドがロボットアームを有するリンク機構によって移動される場合に、撮影部を第2ブレード支持部の側方または下方に配置するようにしてもよい。
【0089】
また、上記第1実施形態では、処理装置103の構成要素として収納部20の異常を検出する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、半導体製造装置の構成要素として、処理装置において基板に対して処理を行うための電極または溶液などの消耗品の消耗度合いの状態を検出するようにしてもよい。また、検査対象として、基板に対する処理を行う処理装置、および基板に対する収納を行う収納容器のみならず、基板の搬送を行う搬送装置の構成要素を検査対象としてもよい。また、処理装置、収納容器、および、搬送装置における異物の検知を検査対象としてもよい。
【0090】
また、上記第1実施形態では、収納部20に配置されている基板10の配置状態を検出する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、撮影画像に基づいて、基板保持ハンドに保持されている状態の基板の配置状態を検出するようにしてもよい。また、基板保持ハンドに保持されている状態の基板の欠損または変形などの異常を検出するようにしてもよい。また、収納容器に配置されている基板の状態を検出するようにしてもよい。
【0091】
また、上記第1実施形態では、第1ブレード支持部31および第2ブレード支持部32の2つのブレード支持部を備える例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、3つ以上の複数のブレード支持部を備えていてもよい。その場合に、複数のブレード支持部のうちの第2ブレード支持部のみに撮影部が配置されていてもよいし、少なくとも第2ブレード支持部を含む複数のブレード支持部のいくつかに撮影部を配置するようにしてもよい。
【0092】
また、上記第1実施形態では、基板保持ハンド30の第2ブレード支持部32に1つの撮影部60が配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、第2ブレード支持部に複数の撮影部が配置されていてもよい。
【0093】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0094】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0095】
(項目1)
基板に対する搬送、処理、および、収納の少なくとも1つを行う半導体製造装置から前記基板を搬出することと前記半導体製造装置に対して前記基板を搬入することとのうちの少なくとも一方を行う半導体製造装置システムであって、
前記基板が載置される第1ブレードの基端を支持する第1ブレード支持部と、前記第1ブレード支持部とは別個に動作し、前記基板が載置される第2ブレードの基端を支持する第2ブレード支持部とを含む基板保持ハンドと、
前記基板と前記半導体製造装置の構成要素と前記基板保持ハンドとの少なくとも1つを含む検査対象を撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された撮影画像に基づいて前記検査対象の状態を検出する制御部と、を備え、
前記撮影部は、前記第2ブレード支持部に配置されている、半導体製造装置システム。
【0096】
(項目2)
前記撮影部は、前記第2ブレード支持部と一体的に移動する、項目1に記載の半導体製造装置システム。
【0097】
(項目3)
前記撮影部は、前記第2ブレード支持部と前記第2ブレードとの接続部分から離間した状態で前記第2ブレード支持部に配置されている、項目1または2に記載の半導体製造装置システム。
【0098】
(項目4)
前記撮影部は、前記基板を搬入または搬出する際の前記第2ブレードの移動方向から見て、前記第2ブレードの端部よりも外側において前記接続部分から離間した状態で前記第2ブレード支持部の側方に配置されている、項目3に記載の半導体製造装置システム。
【0099】
(項目5)
前記撮影部は、前記半導体製造装置が有する収納部に収納されている状態の前記基板を少なくとも含む前記検査対象を撮影し、
前記制御部は、前記収納部に収納されている状態の前記基板を撮影した前記撮影画像に基づいて、前記収納部における前記基板の配置状態を検出する、項目1~4のいずれか1項に記載の半導体製造装置システム。
【0100】
(項目6)
前記基板保持ハンドは、
前記第1ブレード支持部に支持される複数の前記第1ブレードと、
前記第2ブレード支持部に支持される1つの前記第2ブレードとを含み、
前記撮影部は、1つの前記第2ブレードの基端を支持する前記第2ブレード支持部に配置されている、項目1~5のいずれか1項に記載の半導体製造装置システム。
【0101】
(項目7)
前記基板保持ハンドを直線的に移動させる直動機構部をさらに備え、
前記直動機構部は、前記第2ブレード支持部を、前記第1ブレード支持部とは別個に直線的に移動させる、項目1~6のいずれか1項に記載の半導体製造装置システム。
【0102】
(項目8)
前記直動機構部を、昇降移動させる昇降機構部をさらに備え、
前記昇降機構部は、前記直動機構部を昇降移動させることによって前記基板保持ハンドを昇降移動させる、項目7に記載の半導体製造装置システム。
【0103】
(項目9)
前記基板保持ハンドは、
前記第1ブレード支持部に支持される1つの前記第1ブレードと、
前記第2ブレード支持部に支持される複数の前記第2ブレードとを含み、
前記撮影部は、複数の前記第2ブレードの基端を支持する前記第2ブレード支持部に配置されている、項目1~5のいずれか1項に記載の半導体製造装置システム。
【0104】
(項目10)
前記撮影部は、
前記第1ブレード支持部に配置される第1撮影部と、
前記第1撮影部とは別個に、前記第2ブレード支持部に配置される第2撮影部とを含む、項目1~9のいずれか1項に記載の半導体製造装置システム。
【符号の説明】
【0105】
10 基板
20 収納部(半導体製造装置の構成要素)
30、230 基板保持ハンド
31、231 第1ブレード支持部
32、232 第2ブレード支持部
32c 接続部分
40 直動機構部
50 昇降機構部
60、260 撮影部
70 制御部
91~94、291 ブレード(第1ブレード)
95、292~295 ブレード(第2ブレード)
100、200、300 基板処理システム(半導体製造装置システム)
102 収納容器(半導体製造装置、収納部)
103 処理装置(半導体製造装置)
361 撮影部(第1撮影部)
362 撮影部(第2撮影部)