(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163075
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】窓シャッター
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
E06B9/17 U
E06B9/17 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073887
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】内倉 健
(72)【発明者】
【氏名】里見 智哉
(57)【要約】
【課題】
窓シャッターの全閉状態において、火災時における座板の熱変形を抑制して、下端に隙間が形成されることを可及的に防止する。
【解決手段】
躯体に持ち出し状に設けたシャッター収納部(シャッターケース6)及び左右の側枠(シャッター下地枠3+ガイドレール4)と、床面FLと、で形成される空間をシャッターカーテン5が開閉する窓シャッターにおいて、シャッターカーテン5の座板7は、屋内外方向に延びる所定の見込幅と、開口幅方向に延びる所定の見付幅と、を有するフラット部71を備えており、フラット部71の内部には、フラット部71の見付幅方向に延びる補強材73が設けてある。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に持ち出し状に設けたシャッター収納部及び左右の側枠と、躯体下面と、で形成される空間をシャッターカーテンが開閉する窓シャッターにおいて、
シャッターカーテンの座板は、屋内外方向に延びる所定の見込幅と、開口幅方向に延びる所定の見付幅と、を有するフラット部を備えており、
前記フラット部の内部には、当該フラット部の見付幅方向に延びる補強材が設けてある、
窓シャッター。
【請求項2】
前記フラット部は中空部を備えており、前記補強材は前記中空部内に設けてある、
請求項1に記載の窓シャッター。
【請求項3】
前記座板はアルミニウム製であり、前記補強材はアルミニウムよりも高い融点の金属からなる、
請求項1、2いずれか1項に記載の窓シャッター。
【請求項4】
前記フラット部は、前記補強材の下側に位置する下辺を備えており、
前記下辺の下面には、熱膨張耐火部材が設けてある、
請求項1に記載の窓シャッター。
【請求項5】
前記フラット部は中空部を備えており、前記下辺は、前記中空部の下面部である、
請求項4に記載の窓シャッター。
【請求項6】
前記中空部の下面部には、見込幅方向の中間に位置して、見付幅方向に延びる緩衝材が設けてあり、
前記熱膨張耐火部材は、前記緩衝材の屋外側に位置する屋外側熱膨張耐火部材と、前記緩衝材の屋内側に位置する屋内側熱膨張耐火部材と、からなる、
請求項5に記載の窓シャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓シャッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓シャッターは、窓開口部の屋外側の空間を開閉するシャッターであり、躯体に持ち出し状に設けた左右のガイドレール下地枠に取り付けた左右のガイドレールと、躯体に持ち出し状に設けたシャッターケースと、シャッターケース内に設けた巻取シャフトに巻取可能なシャッターカーテンと、を備え、シャッターカーテンの幅方向両端部が左右のガイドレールに案内されて窓開口部の屋外側の空間を開閉するようになっている。
【0003】
通常使用の窓シャッターでは、左右のガイドレール下地枠の上端は、シャッターケース下面に固定されており、下端は開口幅方向に延びる水切り板(下枠)によって固定されていることから(特許文献1)、シャッターカーテンは四周枠状の開口部を開閉し、窓シャッターの全閉状態において、シャッターカーテンの下端の座板は下枠内に位置するようになっている。したがって、窓シャッターの全閉状態において、座板全体が外部に露出することがなく、座板がアルミニウムから形成されている場合であっても、直接火災の熱を受ける場合に比べて変形が防止され、また、変形した場合であっても、下枠内で変形するため、全閉姿勢の窓シャッターの下端に隙間が生じ難くなっている。
【0004】
しかしながら、窓シャッターが、例えば、掃き出し窓の屋外側に設置されるような場合には、全閉姿勢時のシャッターカーテンの下端が直接床面に着床し、左右のガイドレール下地枠の下端部位間を接続する水切り板を有しないものがある。このものでは、窓シャッターの全閉状態において、シャッターカーテンの下端の座板全体が外部に露出することから、特に、座板がアルミニウム製の場合において、火災時の熱で座板が変形して床面との間に隙間が形成されるそれがあり、
全閉姿勢時の窓シャッターの防火性能に影響を与えるおそれがある。
【特許文献1】特開2013-177743
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シャッターカーテン下端の座板が床面に着床するタイプの窓シャッターにおいて、窓シャッターの全閉状態において、火災時における座板の熱変形を抑制して、下端に隙間が形成されることを可及的に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
躯体に持ち出し状に設けたシャッター収納部及び左右の側枠と、躯体下面と、で形成される空間をシャッターカーテンが開閉する窓シャッターにおいて、
シャッターカーテンの座板は、屋内外方向に延びる所定の見込幅と、開口幅方向に延びる所定の見付幅と、を有するフラット部を備えており、
前記フラット部の内部には、当該フラット部の見付幅方向に延びる補強材が設けてある、
窓シャッター、である。
1つの態様では、前記躯体下面は、典型的には床面であるが、例えば、開口部の下部を形成する下枠であってもよい。
【0007】
1つの態様では、前記フラット部は中空部を備えており、前記補強材は前記中空部内に設けてある。
なお、フラット部の内部空間は完全な中空空間でなくてもよく、例えば、内部空間の下面部に見付幅方向に延びる隙間(補強材の見込幅よりも狭い)が形成されているものでもよい。
【0008】
1つの態様では、前記座板はアルミニウム製であり、前記補強材はアルミニウムよりも高い融点の金属からなる。
【0009】
1つの態様では、前記フラット部は、前記補強材の下側に位置する下辺を備えており、
前記下辺の下面には、熱膨張耐火部材が設けてある。
1つの態様では、前記フラット部は中空部を備えており、前記下辺は、前記中空部の下面部である。
1つの態様では、前記中空部の下面部には、見込幅方向の中間に位置して、見付幅方向に延びる緩衝材が設けてあり、
前記熱膨張耐火部材は、前記緩衝材の屋外側に位置する屋外側熱膨張耐火部材と、前記緩衝材の屋内側に位置する屋内側熱膨張耐火部材と、からなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る窓シャッターにおいて、座板のフラット部に補強材を設けたことで、火災時の熱で座板が変形しようとした場合であっても、補強材によって熱変形(反り)が抑制され、窓シャッターの全閉状態において、床面との間に防火上不利な隙間が形成されることを可及的に防止するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る窓シャッターの縦断面図である。
【
図2】本実施形態に係る窓シャッターの横断面図である。
【
図3】本実施形態に係る窓シャッター(全開状態)のシャッター収納部の縦断面図である。
【
図4】本実施形態に係る窓シャッターの下方部位の縦断面図である。
【
図5】
図4の部分拡大図であり、手掛けが取り付けられたスラットを示す。
【
図6】全閉状態にある窓シャッターを屋内側から見た正面図の下方部位を示す図である。
【
図11】端部引っ掛け金具を用いたケースアングルの支持構造を示す図である。
【
図12】第1実施形態に係る中間引っ掛け金具を用いたケースアングルの支持構造(第1実施形態)を示す図である。
【
図13】端部引っ掛け金具及び第1実施形態に係る中間引っ掛け金具を用いたケースアングルの支持構造(第1実施形態)を示す正面図である。
【
図14】第1実施形態に係る中間引っ掛け金具を示す図である。
【
図15】上図は、第1実施形態に係るケースアングルの支持構造のケースアングルに取り付けられる支持部材を示す。 下図は、第2実施形態に係るケースアングルの支持構造のケースアングルに取り付けられる支持部材を示す。
【
図16】上図は、第1実施形態に係るケースアングルの支持構造のケースアングル組立体を示す。 下図は、第2実施形態に係るケースアングルの支持構造のケースアングル組立体を示す。
【
図17】第2実施形態に係る中間引っ掛け金具を用いたケースアングルの支持構造(第2実施形態)を示す図である。
【
図18】端部引っ掛け金具及び第2実施形態に係る中間引っ掛け金具を用いたケースアングルの支持構造(第2実施形態)を示す正面図である。
【
図19】第1実施形態に係る中間引っ掛け金具を示す図である。
【
図20】側枠の下方部位の側面図であり、当該下方部位に形成される隙間を示す図である。
【
図21】側枠の下方部位の断面図であり、下側から見た図である。
【
図22】側枠の下方部位の側面図であり、第1実施形態に係る隙間塞ぎ手段(第1態様)を示す。
【
図23】側枠の下方部位の側面図であり、第1実施形態に係る隙間塞ぎ手段(第2態様)を示す。
【
図25】右図は第1部材を示し、左図は第2部材を示す。
【
図26】第1部材と第2部材を組み合わせてなる隙間塞ぎ手段を示し、右図は、第1の高さ寸法を備えた第1態様を示し、左図は、第1の高さ寸法よりも高い第2の高さ寸法を備えた第2態様を示す。
【
図27】側枠の下方部位の側面図であり、第2実施形態に係る隙間塞ぎ手段(第1態様)を示す。
【
図29】側枠の下方部位の側面図であり、第2実施形態に係る隙間塞ぎ手段(第2態様)を示す。
【
図30】
図29に対応する横断面図であり、上図は、隙間塞ぎ手段の見込寸法を決定した状態を示し、下図は、隙間塞ぎ手段の見込寸法を固定した状態を示す。
【
図31】左図は第1部材を示し、右図は第2部材を示す。
【
図32】第1部材と第2部材を組み合わせてなる隙間塞ぎ手段を示し、左図は、第1の見込寸法を備えた第1態様を示し、右図は、第1の見込寸法よりも大きい第2の見込寸法を備えた第2態様を示す。
【
図33】側枠の下方部位の側面図であり、第3実施形態に係る隙間塞ぎ手段で隙間が塞がれる前の状態を示す。
【
図35】側枠の下方部位の側面図であり、第3実施形態に係る隙間塞ぎ手段で隙間が塞がれた状態を示す。
【
図36】
図35に対応する横断面図であり、上図は、隙間塞ぎ手段の見込寸法を決定した状態を示し、下図は、隙間塞ぎ手段の見込寸法を固定した状態を示す。
【
図37】(A)は第1ユニット(第2要素が上動した状態)を示し、(B)は第2ユニット(第4要素が上動した状態)を示し、(C)は第1ユニットと第2ユニットを組み合わせてなる隙間塞ぎ手段(第2要素及び第4要素が上動した状態)を示す。
【
図38】(A)は第1ユニットの第2要素を示し、(B)は第1ユニットの第1要素を示し、(C)は第2ユニットの第4要素を示し、(D)は第2ユニットの第3要素を示す。
【
図39】第1ユニットと第2ユニットを組み合わせてなる隙間塞ぎ手段を示し、左図は、高さ方向及び見込方向に延びる前の状態を示し、右図は、高さ方向及び見込方向に延びた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[A]窓シャッターの全体構成
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る全閉姿勢にある窓シャッターの側面図、
図2は同窓シャッターの横断面図である。窓シャッターは、窓装置の屋外側に設置されるシャッターであり、本実施形態に係る窓装置はいわゆる掃き出し窓である。掃き出し窓は、例えば、窓開口部を開閉する2枚の引戸式の扉体や折れ戸を備え、窓開口部及び扉体の下端は、屋内側空間の下端近傍にまで達している。窓開口部の屋外側はバルコニーとなっている。なお、窓開口部の屋外側は建物の1階部分のテラスであってもよい。
【0013】
窓シャッターは、窓開口部の上方に位置して、躯体(外壁W)に持ち出し状に取り付けられた左右のブラケット1と、左右のブラケット1間に支持された巻取シャフト2と、外壁Wに対して持ち出し状に取り付けられた開口幅方向左右のガイドレール下地枠3と、開口幅方向左右のガイドレール下地枠3に支持された左右のガイドレール4と、上端が巻取シャフト2に連結されたシャッターカーテン5であって、巻取シャフト2に巻き取られ/繰り出されることで、幅方向両端部がガイドレール4に案内されながら昇降して窓開口部の屋外側の空間を開閉するシャッターカーテン5と、窓開口部の上方に位置して外壁Wに持ち出し状に取り付けられており、左右のブラケット1及び巻取シャフト2に巻き取られたシャッターカーテン5を収納するシャッターケース6と、を備えている。本実施形態に係る窓シャッターは手動式であり、手動でシャッターカーテン5を昇降させて窓開口部を開閉するようになっている。
【0014】
窓シャッターのシャッターカーテン5は、建物の躯体に形成された窓装置の屋外側の空間を閉鎖するようになっており、窓シャッターによって開閉される空間は、シャッターケース6の下面と、左右の側枠(ガイドレール下地枠3+ガイドレール4)と、ベランダの床面FLと、から囲まれた空間である。すなわち、本実施形態に係る窓シャッターは、水切り板(下枠)を備えていない。
【0015】
シャッターカーテン5は、開口幅方向に延びる長尺状のスラット50を上下に連結して形成されており、下端には座板7が設けてある。シャッターカーテン5は、スラット50の幅方向両端部がガイドレール4の溝部に案内されながら昇降して開口部を開閉し、開口部全閉状態では、下端の座板7が床面FLに着床するようになっている。本実施形態に係るバルコニーの床面FLは、屋内側から屋外側に向かって下向きに緩やかに傾斜している。開口部全開状態では、シャッターカーテン5は、巻取シャフト2に巻き取られた巻取状態でシャッターケース6内に収容される(
図3参照)。本実施形態に係る窓シャッターは手動式であり、巻取シャフト2はバランススプリング(図示せず)を備えている。
【0016】
図1に示すように、本実施形態において、ベランダの床面FLと左右の側枠(ガイドレール下地枠3+ガイドレール4)の下方部位は、窓開口部の下端よりも下方に位置しており、床面FLの屋内側端部には下方壁面W´が垂直状に立ち上がり形成されいる。本実施形態において、下方壁面W´は、ガイドレール下地枠3及びシャッターケース6が取り付けられた外壁Wよりも屋内側に位置している。床面FLから下方壁面W´に亘って断面視L形状に防水層20が形成されている。外壁Wと下方壁面W´との間には空間が形成される。この空間を塞ぎ機構によって塞ぐようにしてもよく、塞ぎ機構の詳細については後述する。
【0017】
窓装置8において、窓開口部を形成する窓サッシ枠は、上枠80と、下枠81と、左右の縦枠82、83と、から形成されており、引戸式の2枚の扉体84、85によって、窓開口部を開閉するようになっている。窓サッシ枠の屋外側部位には網戸86が設けてある。
図1に示すように、本実施形態では、屋外側の扉体84は、下方壁面W´よりも屋外側に位置しており、下枠81の見込方向の略半部は下方壁面W´に対して屋外側に持ち出し状となっている。
【0018】
[B]手動操作機構
本実施形態に係る窓シャッターは手動式であり、手動操作によって、シャッターカーテン5を昇降させて、開口を開閉するようになっている。開口部全開状態(
図3参照)において、屋内側の窓開口部を少なくとも部分的に開放して(扉体84を部分的に開放させる)、手動で座板7を下方に移動させる初動力を付与してシャッターカーテン5を下方に引き出すと、巻取状態にあるシャッターカーテン5は巻取シャフト2の回転を伴って繰り出されて手動にて閉鎖していき、全閉付近まで降下した時に、手動でシャッターカーテン5を下方に押し込むことで、シャッターカーテン5の座板7が着床して開口部全閉姿勢となる。
【0019】
シャッターカーテン5の下降時に、バランススプリングは、巻取シャフト2がシャッターカーテン5を巻き取る方向(シャッターカーテン5の上昇方向)に付勢されていき、シャッターカーテン5の座板7が着床して全閉姿勢となった時に、施錠装置11が作動してロック状態となり、シャッターカーテン5の上昇が規制される。
【0020】
ロック状態において、全閉姿勢にあるシャッターカーテン5は上昇方向(巻取方向)に付勢されている(いわゆる「上がり勝手」)。紐状部材114を上方に引っ張ってレバー113を上方に回動させて施錠装置11を解錠して、紐状部材114を上方に引っ張る力によって、シャッターカーテン5に初動の力(上昇方向)を付与させると、バランススプリングの付勢力によって、シャッターカーテン5が巻取シャフト2に巻き取られながら上昇し、手動でシャッターカーテン5を開放させることで全開姿勢となる。
【0021】
本実施形態において、床面FL及び側枠(ガイドレール下地枠3+ガイドレール4)の下方部位は、窓開口部よりも下方に位置していることから、シャッターカーテン5は、窓シャッターの全閉姿勢時において、窓開口部の下端よりも上方に位置する上側部分5Aと、窓開口部の下端よりも下方に位置する下側部分5Bと、を含むことになる(
図1参照)。また、窓サッシ枠の下枠81とシャッター芯(昇降ないし全閉姿勢のシャッターカーテン5が位置する鉛直面)との隙間が制限されていることから、スラット50と下枠81との隙間から手を差し入れて、座板7を手動で床面FLまで押し込むことが困難である。すなわち、全閉付近において、窓サッシ枠の下枠81とスラット50との隙間に手が入らないと、全閉状態まで押し込むことが困難となる。
【0022】
本実施形態では、シャッターカーテン5の上側部分5Aを形成する所定のスラット50の屋内側面部に、手掛け9が設けてあり、シャッターカーテン5の下降時に、窓開口部から手掛け9を手で下方に移動させることが可能であり、シャッターカーテン5の座板7が着床した状態において、手掛け9及び手掛け9が設けられたスラット50は、窓開口部(下枠81よりも上方)に位置している。すなわち、手掛けに手を掛けて、スラットを下方に押し込んで全閉姿勢とすることができる。本実施形態では、下から4枚目のスラット50に手掛け9が設けられる(
図4参照)。本実施形態に係る手掛け9は、鋼製(ステンレス等)である。
【0023】
開口部全開状態におけるシャッターカーテン5の巻取状態を
図3に示す。開口部全閉状態におけるスラット50の屋外側が巻取シャフト2に近い側、屋内側が巻取シャフト2から遠い側に位置するようにして、シャッターカーテン5が巻取シャフト2に巻き取られている。
【0024】
図3に示すように、シャッターカーテン5は、開口部全開時の巻取状態において、頂部(シャッターケース上面に最も近い部位)からシャッターケース6の下面に位置する座板7まで延びる最外側部分5Cを含み、手掛け9は、上側部分5Aかつ最外側部分5Cを形成するスラット50の屋内側面部に設けてある。手掛け9を、上記最外側部分5Cを形成するスラット50から選択することで、シャッターカーテン5の巻取時に、手掛け9がシャッターケース6の上面板60や正面板61に接触することがなく、また、スラット50の巻き取りに支障を来すことがない。
【0025】
手掛け9は、スラット50の幅方向中央に対して幅方向端部に偏倚した位置(一方のガイドレール4に近い側)に設けてあり、窓開口部を部分的に開放した状態(扉体84を開放することで)で、屋内から手動操作が可能となっている。本実施形態において、手掛け9は、座板7に設けられた施錠装置のレバー113の上方に位置している。すなわち、施錠装置のレバー113も、スラット50の幅方向中央に対して幅方向端部に偏倚した位置(一方のガイドレール4に近い側)に設けてある。
【0026】
施錠装置11は、座板7の長さ方向両端部から出没可能な係止片11Aを備え、開口部全閉時状態において、係止片11Aがガイド溝内の被係止片11Bに下側から当接することで、ロック状態となる(
図2、
図6参照)。より詳しくは、施錠装置11は、先端に係止部11Aを備えた左右のラッチバー110、111と、左右のラッチバー110、111の基端に設けられ、ラッチバー110、111を突出姿勢と退避姿勢との間でスライド移動させる作動機構を備えた操作部112と、を備え、ラッチバー110、111は、座板7の面部に見付幅方向に延設されたラッチバー収容部700内をスライド可能であり、係止片はスプリングによって突出姿勢を維持するように付勢されており、操作部112のレバー113の上方への回動操作に連動して、バランススプリングが縮長して係止片が退避してロック状態が解除される。
【0027】
レバー113には紐状部材の114の基端が連結されており、紐状部材114の先端には掴み部115が設けられ、掴み部115には係着手段としての磁石が設けてある。掴み部115の磁石は、例えば、手掛け9が設けられたスラット50に手掛け9に隣接して磁着されており、開口部全閉状態において、掴み部115は窓開口部の下枠81よりも上方に位置している。掴み部115が磁着されるスラット50は、手掛け9が設けられたスラット50に限定されず、窓開口部の下端よりも上方に位置する上側部分5Aを構成する他のスラット50でもよい。開口部全閉状態において、窓シャッターを開放したい場合には、掴み部115を掴んで紐状部材114を上方に引っ張ると、レバー113が上方に回動して、ロック状態が解除され、同時に、シャッターカーテン5には上昇方向の初動力が付与され、シャッターカーテン5はバランススプリングの付勢力によって、巻取シャフト2に巻き取られながら上昇していき、座板7を持ってシャッターカーテン5を持ち上げることで、窓シャッターが開放状態となる。
【0028】
手掛け9は、所定のスラット50の屋内側面部に固定手段で固定されている。本実施形態に係るスラット50は、湾曲板状の本体部500と、本体部500の上端に一体形成された上側インターロック部501と、本体部500の下端に一体形成された下側インターロック部502と、からなる。本体部500は断面視皿形状であり、屋内側に膨出するように湾曲している。スラット50の本体部500の上側部位、下側部位は、中央部位よりも屋外側(躯体から遠い側)に位置しており、すなわち、中央部位は、上側部位及び下側部位よりも屋内側(躯体に近い側)に位置している。
【0029】
図5、
図7に示すように、本実施形態に係る手掛け9は、上側水平片90と、下側水平片91と、垂直面部92と、から断面視コ字形状を備えた本体と、垂直面部92から上側水平片90及び下側水平片91と反対側に水平に延びる手掛け片93と、からなる。
【0030】
手掛け9は、上側水平片90を本体部500の上側部位(上側インターロック部の基端)に当接ないし係止させ、下側水平片91を本体部500の下側部位(下側インターロック部の基端であってもよい)に当接ないし係止させた状態で、垂直面部92が本体部500の中央部位に当接した状態で、スラット50の屋内側部位に固定手段で固定されている。
【0031】
手掛け9は、上側水平片90の先端と本体部500の上側部位との係止、下側水平片91の先端と本体部500の下側部位との係止、垂直面部92と本体部500の中央部位との連結の3ヵ所においてスラット50に当接しており、手掛け9の手掛け片93を下方に押した時に、下向きの力が良好に安定的にスラット50に伝達され、手掛け9に偏った力が作用することなく、手掛け9の耐久性もよい。
【0032】
本実施形態に係る固定手段は、平ビス94と袋ナット95からなり、固定手段の見込寸法を抑えることで、固定手段がシャッターカーテン5の巻き取り及びまぐさ部(
図3において、シャッターケース6の下面板62と躯体側下面板67の間に形成されている開口)を通る昇降に支障を与えることがないようになっている。手掛け9が取り付けられたスラット50の側面視において、平ビス94は本体部500の厚さ内に収まっており、袋ナット95は、手掛け9の手掛け片93よりも内側に収まっている。
【0033】
叙上のように構成された手動閉鎖機構において、開口部全閉状態から窓シャッターを開放する場合には、窓装置8の扉体84を開放して、窓開口部から掴み部115を掴んで紐状部材114を上方に引っ張ると、レバー113が上方に回動して、ロック状態が解除され、同時に、シャッターカーテン5には上昇方向の初動力が付与され、シャッターカーテン5はバランススプリングの付勢力によって、巻取シャフト2に巻き取られながら上昇していき、適宜、座板7を上方に持ち上げるように上昇力を作用させることで、窓シャッターが開放状態となる。開口部全開状態から窓シャッターを閉鎖する場合には、窓装置8の扉体84を開放して、窓開口部から座板7のフラット部71の屋内側部位に手を掛けて座板7及びスラット50を下方に引き下ろすように初動力を付与しつつ手動で降下させ、座板7が窓開口部の下枠81よりも下方に下降した後は、窓開口部から手掛け9に手を掛けて、スラット50を下方に押し込んで全閉状態とする。
【0034】
[C]座板構造
[C-1]第1実施形態
図8に示すように、第1実施形態に係る座板7は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、垂直状部70と、垂直状部70の下端に一体形成されたフラット部71と、からなり、概ね逆T形状の断面形状を備えている。垂直状部70は、ガイドレール4の溝幅よりも小さい厚さを備え、長さ方向の両端部位がガイドレール4の溝内に位置する見付幅寸法(長さ寸法)を備えている。フラット部71は、室内外方向に延びる所定の見込幅を備えており、見付幅方向の両端部位はガイドレール4の外側に位置している。座板7の垂直状部70がシャッター芯上に位置しており、フラット部71はシャッター芯を挟んで屋外側部位、屋内側部位に分けられ、図示に態様では、屋外側部位の見込寸法は、屋内側部位の見込寸法よりも大きい。
【0035】
垂直状部70の屋内側の面には、ラッチバーの収容部700が座板7の見付幅方向(長さ方向)に亘って形成されており、収容部700には、先端に係止部11Aを備えた左右のラッチバー110、111が収容されている。収容部700において、一方のガイドレール4に寄った側には操作部112が設けてある。垂直状部70の屋外側の面には、幅方向の左右に位置して、水平面からなる当接面(上面)を備えたストッパ701が設けてあり、開口部全開状態において、ストッパ701の当接面がシャッターケース6の下面(下面板62)に当接するようになっている(
図3)。
【0036】
フラット部71は、水平状の上面部710と、上面部710の屋外側端部、屋内側端部からそれぞれ一体的に垂下する肉厚の屋外側垂下片711、屋内側垂下片712と、上面部の見込幅方向(前後方向)の中間に位置して形成した緩衝部材714の装着部(ポケット部)713と、からなり、装着部713には、見付幅方向(座板7の長さ方向)に延びるフィン状の緩衝部材714の上端部位が装着される。緩衝部材714は、床面FLの傾斜に追従して変形できるように比較的大きい高さ寸法を備えている。座板7のフラット部71の長さ方向の端部にはカバー部材715が装着されている。
【0037】
[C-2]第2実施形態
図9に示すように、第2実施形態に係る座板7は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、垂直状部70と、垂直状部70の下端に一体形成されたフラット部72と、からなり、概ね逆T形状の断面形状を備えている。垂直状部70は、ガイドレール4の溝幅よりも小さい厚さを備え、長さ方向の両端部位がガイドレール4の溝内に位置する見付幅寸法(長さ寸法)を備えている。フラット部72は、室内外方向に延びる所定の見込幅を備えており、見付幅方向の両端部位はガイドレール4の外側に位置している。座板7の垂直状部70がシャッター芯上に位置しており、フラット部72はシャッター芯を挟んで屋外側部位、屋内側部位に分けられ、図示に態様では、屋外側部位の見込寸法は、屋内側部位の見込寸法よりも大きい。
【0038】
垂直状部70の屋内側の面には、ラッチバーの収容部700が座板7の長さ方向(開口幅方向)に亘って形成されており、収容部700には、先端に係止部11Aを備えた左右のラッチバー110、111が収容されている。収容部700において、一方のガイドレール4に寄った側には操作部112が設けてある。垂直状部70の屋外側の面には、幅方向の左右に位置して、水平面からなる当接面(上面)を備えたストッパ701が設けてあり、開口部全開状態において、ストッパ701の当接面がシャッターケース6の下面(下面板62)に当接するようになっている(
図3)。
【0039】
フラット部72は、座板7の見付幅方向(長さ方向)に延びる中空部を備えており、中空部には、フラット部72の見付幅方向に延びる長尺状の補強材73が設けてある。補強材73は、上面部730と、上面部の屋外側端部、屋内側端部から一体的に垂下する屋外側垂下片731、屋内側垂下片732と、から断面視コ字形状を備えている。補強材73の断面形状は限定されず、例えば、所定厚の長尺状のプレートであってもよい。補強材73は、見込方向の中央部位が、シャッター芯上に位置している。
【0040】
本実施形態に係る座板7はアルミニウム製であり、補強材73はアルミニウムよりも高い融点の金属(例えば、スチール)からなる。座板7のフラット部72に補強材73を設けたことで、火災時の熱で座板7が変形しようとした場合であっても、補強材73によって熱変形(反り)が抑制され、床面FLとの間に防火上不利な隙間が形成されることを可及的に防止している。
【0041】
フラット部72は、水平状の上面部720と、上面部720の屋外側端部、屋内側端部からそれぞれ一体的に垂下する肉厚の屋外側垂下片721、屋内側垂下片722と、屋外側垂下片721に離間対向して上面部720から垂下する中間垂下片723と、中間垂直片723と屋内側垂下片712とを水平に連結する下面部724と、を備えており、上面部720と、中間垂下片723と、屋内側垂下片722と、下面部724と、から中空部が形成されており、中空部に補強材73が設けてある。中空部に補強材73を収容することで、補強材73を固定することなく、座板7に設けることができる。
【0042】
図示の態様では、中間垂下片723の垂下寸法は、屋外側垂下片721、屋内側垂下片722よりも短く、中間垂下片723の下端は、屋外側垂下片721、屋内側垂下片722の下端よりも少し上に位置しており、下面部724も、屋内側垂下片722の下端よりも少し上に位置している。中空部をどのように形成するかについては、図示の態様に限定されない。
【0043】
フラット部72の下面部724の見込幅方向(前後方向)の中間に位置して、緩衝部材の装着部(ポケット部)725が形成されており、装着部725には、見付幅方向(座板7の長さ方向)に延びるフィン状の緩衝部材726の上端部位が装着される。図示の態様では、緩衝部材726は、緩衝部材714よりも小さい寸法となっているが、緩衝部材726の形状や寸法は、限定されず、緩衝部材714のように長くてもよい。座板7のフラット部72の長さ方向の端部にはカバー部材727が装着されており、中空部の見付幅方向の端部が塞がれている。
【0044】
[C-3]第3実施形態
図10に示すように、第3実施形態に係る座板7は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、垂直状部70と、垂直状部70の下端に一体形成されたフラット部74と、からなり、概ね逆T形状の断面形状を備えている。垂直状部70は、ガイドレール4の溝幅よりも小さい厚さを備え、長さ方向の両端部位がガイドレール4の溝内に位置する見付幅寸法(長さ寸法)を備えている。フラット部74は、室内外方向に延びる所定の見込幅を備えており、見付幅方向の両端部位はガイドレール4の外側に位置している。座板7の垂直状部70がシャッター芯上に位置しており、フラット部74はシャッター芯を挟んで屋外側部位、屋内側部位に分けられ、図示に態様では、屋外側部位の見込寸法は、屋内側部位の見込寸法よりも小さい。なお、フラット部74の見込幅の中央部位から垂直状部70が立ち上がるようにしてもい。
【0045】
垂直状部70の屋内側の面には、ラッチバーの収容部700が座板7の長さ方向(開口幅方向)に亘って形成されており、収容部700には、先端に係止部11Aを備えた左右のラッチバー110、111が収容されている。収容部700において、一方のガイドレール4に寄った側には操作部112が設けてある。垂直状部70の屋外側の面には、幅方向の左右に位置して、水平面からなる当接面(上面)を備えたストッパ701が設けてあり、開口部全開状態において、ストッパ701の当接面がシャッターケース6の下面(下面板62)に当接するようになっている(
図3)。
【0046】
フラット部74は、座板7の見付幅方向(長さ方向)に延びる中空部を備えており、中空部には、フラット部74の見付幅方向に延びる長尺状の補強材75が設けてある。補強材75は、上面部750と、上面部750の屋外側端部、屋内側端部から一体的に垂下する屋外側垂下片751、屋内側垂下片752と、から断面視コ字形状を備えている。補強材75の断面形状は限定されず、例えば、所定厚の長尺状のプレートであってもよい。
【0047】
座板7はフラット部74を含みアルミニウム製であり、補強材75はアルミニウムよりも高い融点の金属(例えば、スチール)からなる。座板7のフラット部74に補強材75を設けたことで、火災時の熱で座板7が変形しようとした場合であっても、補強材75によって熱変形(反り)が抑制され、床面FLとの間に防火上不利な隙間が形成されることを可及的に防止している。
【0048】
図示の態様において、第3実施形態に係るフラット部74の高さ寸法は、第2実施形態に係るフラット部72の高さ寸法よりも大きく、見込幅寸法は、フラット部72の見込幅寸法よりも小さい。
【0049】
フラット部74は、水平状の上面部740と、上面部740の屋外側端部、屋内側端部からそれぞれ一体的に垂下する肉厚の屋外側垂下片741、屋内側垂下片742と、屋外側垂下片741の下方部位と屋内側垂下片742の下方部位を水平に連結する下面部743と、を備えており、上面部740と、屋外側垂下片741と、屋内側垂下片742と、下面部743と、から中空部が形成されており、中空部に補強材75が設けてある。中空部に補強材75を収容することで、補強材75を固定することなく、座板7に設けることができる。なお、中空部をどのように形成するかについては、図示の態様に限定されない。
【0050】
下面部743は、屋外側垂下片741、屋内側垂下片742の下端よりも少し上に位置しており、下面部743の下側には、見込幅方向に3つのポケット部が形成されている。フラット部74の下面部743の見込幅寸法(前後方向)の中間に位置して形成した緩衝部材の装着部(ポケット部)744が設けてあり、装着部744には、開口幅方向に延びるフィン状の緩衝部材745の上端部位が装着される。図示の態様では、緩衝部材745は、緩衝部材714よりも小さい寸法となっているが、緩衝部材745の形状や寸法は、限定されず、緩衝部材714のように長くてもよい。
【0051】
下面部743において、装着部744の屋外側には屋外側ポケット部、屋内側には屋内側ポケット部が形成されており、屋外側ポケット部には、屋外側熱膨張耐火部材746が設けられ、屋内側ポケット部には、屋内側熱膨張耐火部材747が設けられる。座板7のフラット部74の長さ方向の端部にはカバー部材748が装着されており、中空部の見付幅方向の端部が塞がれている。
【0052】
座板7のフラット部74の中空部の下面部743には、見込幅方向の中間に位置して、見付幅方向(座板7の長さ方向)に延びる緩衝部材745が設けてあり、屋外側熱膨張耐火部材746が緩衝部材745の屋外側に位置し、屋内側熱膨張耐火部材747が緩衝部材745の屋内側に位置しており、緩衝部材745を前後方向から挟み込むように設けてある。屋外側熱膨張耐火部材746がシャッター芯に対して屋外側に位置し、屋内側熱膨張耐火部材747がシャッター芯に対して屋内側に位置している。
【0053】
座板7の下面部743に、緩衝部材745に隣接して熱膨張耐火部材746、747を設けたことで、仮に、座板7が熱変形(反り)した場合であっても(本実施形態では、補強材75によって反りが抑制されいる点に留意されたい)、熱膨張耐火部材746、747が発泡して、座板7の下面部743と床面FLとの隙間を塞ぎ、床面FLとの間に防火上不利な隙間が形成されることを可及的に防止する。
【0054】
また、火災時には、熱膨張耐火部材746、747は、緩衝部材745を屋内外から挟み込むように発泡して、座板7の下面部743と床面FLとの隙間を塞ぎ、床面FLとの間に防火上不利な隙間が形成されることを可及的に防止し、火災時の熱で緩衝部材745が溶融したような場合であっても、溶融した緩衝部材745に着火するようなことを可及的に防止する。なお、熱膨張耐火部材の配置態様は限定されず、例えば、見込幅方向に平設された熱膨張耐火部材746、747の一方の熱膨張耐火部材のみを設けたものであっても、火災時に隙間を塞ぐ効果を奏する。
【0055】
[D]ケース支持構造
[D-1]シャッターケース
シャッターケース6は、上面板60、正面板61、下面板62、左右の側面板(図示せず)を備え、躯体(外壁W)に固定した骨組に対して支持させて、連結することでボックス状に形成されている。本実施形態に係るシャッターケース6の構成部材は、鋼製(スチール、ステンレス等)である。
図3に示すように、シャッターケース6内には巻取シャフト2が設けられ、窓シャッターの全開状態では、シャッターカーテン5が巻取シャフト2に巻装された状態で、シャッターケース6内に収容される。下面板62の躯体側に、シャッターカーテン5が昇降する開口が形成されており、窓シャッターの全開状態では、シャッターカーテン5の下端の座板7が上記開口に位置するようになっている。
【0056】
[D-2]骨組
シャッターケース6の骨組は、左右のブラケット1と、左右のブラケット1間を架け渡すように連結された複数本のケースアングルと、からなる。ブラケット1は、シャッターケース6の断面形状・寸法に対応した形状・寸法を備えた略台形状の面部10と、面部10の周縁において、面部10に対して立ち上がり状に折り曲げ形成された後片100、上片101、前片102、下片103と、からなる。
【0057】
図3に示すように、本実施形態に係る複数本のケースアングルは、断面視において、シャッターケース6の上側・屋内側(外壁Wに近い側)で巻取シャフト2の長さ方向に水平に延びる第1ケースアングル63と、シャッターケース6の上側・屋外側(外壁Wから遠い側)で巻取シャフト2の長さ方向に水平に延びる第2ケースアングル64と、シャッターケース6の下側・屋内側(外壁Wに近い側)で巻取シャフト2の長さ方向に水平に延びる第3ケースアングル65と、シャッターケース6の下側・屋外側(外壁Wから遠い側)で巻取シャフト2の長さ方向に水平に延びる第4ケースアングル66と、を含む。
【0058】
第1ケースアングル63の長さ方向端部は、左右のブラケット1の後片100の上端部位に連結されており、第2ケースアングル64の長さ方向端部は、左右のブラケット1の前片102の上端部位に連結されており、第3ケースアングル65の長さ方向端部は、下片103の屋内側部位に連結されており、第4ケースアングル66の長さ方向端部は、前片102の下端部位に連結されている。
【0059】
左右のブラケット1と第1ケースアングル63、第2ケースアングル64、第3ケースアングル65、第4ケースアングル66から組み立てられた骨組は、第1ケースアングル63を介して、躯体の外壁Wの所定部位に幅方向に離間して固定した複数の引っ掛け金具に連結される。
【0060】
[D-3]第1ケースアングル
第1ケースアングル63は、シャッターケース6の見付幅方向に延びる長尺部材であって、垂直に延びる背面部630と、背面部630の上端から屋外側(外壁Wから離れる方向)に延びる上片631と、上片631の先端から下方に垂下する垂下片632と、背面部630の下端から屋外側(外壁Wから離れる方向)に延びる下片633と、から形成されている。第1ケースアングル63は、いわゆるC型ケースアングルである。
【0061】
第1ケースアングル63の上片631には、シャッターケース6の上面板60の先端部位600(外壁Wに近い部位)が載置されるようになっている。第1ケースアングル63の上片631の基端部位(背面部630との角部)には、引っ掛け金具に対応して、切り欠き部634(
図16参照)が形成されており、第1ケースアングル63の上側の掛止部となっている。
【0062】
図13、
図18に示すように、本実施形態に係る複数の引っ掛け金具は、左右の端部引っ掛け金具12と、中間引っ掛け金具13と、からなる。第1ケースアングル63の長さ方向の両端部は、左右の端部引っ掛け金具12に掛止され、長さ方向中央部位は、中間引っ掛け金具13に掛止される。
【0063】
図16に示すように、第1ケースアングル63の背面部630の長さ方向中央部位には支持部材14が固定されており、第1ケースアングル63と支持部材14が一体化されている。支持部材14は、第1ケースアングル63の下片633よりも下方に位置する下方部位を備え、支持部材14の下方部位が、中間引っ掛け金具13の下側の被係止部に係止されるようになっている。
【0064】
[D-4] 端部引っ掛け金具
端部引っ掛け金具12は、躯体(外壁W)に固定された面部120と、面部120の上端に折り返し状に一体形成された被掛止片121と、面部120の下方部位に折り返した上向き傾斜片122と、を備え、第1ケースアングル63の上側を被掛止片121に掛止させ、ブラケット1の後片100を面部120に当接もしくは近接させ、後片100の下端の上向き傾斜片1000を傾斜片122に当接させて螺子で固定するようになっている。このような端部引っ掛け金具12は公知であり、端部引っ掛け金具の構成については、特開2017-31597を参照することができる。
【0065】
第1ケースアングル63の上片631には、シャッターケース6の上面板60の先端部位600(外壁Wに近い部位)が載置されることから、シャッターケース6の荷重が作用することになる。仮に、第1ケースアングル63の長さ方向の中央部位が躯体から離れる方向に変位すると、シャッターケース6の倒れを招くおそれがある。本実施形態では、シャッターケース6の荷重が作用する第1ケースアングル63を長さ方向両端及び中央部位で引っ掛け金具で支持することで、シャッターケース6の保持力を向上させている。
【0066】
[D-5]中間引っ掛け金具を用いた第1ケースアングルの支持構造
中間引っ掛け金具13は、躯体(外壁W)に固定された面部130と、面部130の上端に折り返し状に一体形成された被掛止片131と、被掛止片131の下側に位置して面部130に形成した被係止部と、を備えており、第1ケースアングル63の上側を被掛止片131に掛止させ、下側を被係止部に係止させるようになっている。上述のように、第1ケースアングル63の背面部630の長さ方向中央部位には支持部材14が固定されており、支持部材14は、第1ケースアングル63の下片633よりも下方に位置する下方部位を備え、支持部材14の下方部位が中間引っ掛け金具13の下側の被係止部に係止されるようになっている(
図16参照)。
【0067】
[D-5-1]第1実施形態
図14に示すように、第1実施形態に係る中間引っ掛け金具13は、縦長方形状の面部130と、面部130の上端に折り返し状に一体形成された被掛止片131と、被掛止片131の下側に位置して面部130に形成した開口132と、開口132の下方に位置して、面部130から立ち上がり状に延びる突出片133と、を備えている。中間引っ掛け金具13の面部130に立ち上がり状に突出形成した突出片133が下側の被係止部となっている。
【0068】
図15上図に示すように、第1実施形態に係る支持部材14は、横長方形状の面部140と、面部140の下端において、下方に向かって躯体(外壁W)から離間するように傾斜する傾斜片141と、傾斜片141の下端から躯体(外壁W)に向かって延びる下片142と、下片142の先端から下方に延びる折曲片143と、から形成されている。
【0069】
図16上図に示すように、第1ケースアングル63の背面部630の長さ方向中央部位に支持部材14の面部140が当接して重なった状態で固定されている(図示の態様ではリベットで固定されているが、他の手段、例えば、溶接でもよい)。支持部材14の下方部位(傾斜片141、下片142、折曲片143)は、第1ケースアングル63の下片633の下方に位置している。
【0070】
図12に示すように、第1実施形態において、支持部材14の下片142の先端の折曲片143の下端が、中間引っ掛け金具13の面部130に形成された開口132内に位置しており、下片142の基端側部位(躯体から遠い側、傾斜片141に近い側)が、中間引っ掛け金具13の突出片133の上端に支持されており、第1ケースアングル63に作用するシャッターケース6の荷重を支えるようになっている。さらに、支持部材14の折曲片143の垂下面と外壁Wが当接することで、より安定した支持状態となる。
【0071】
第1ケースアングル63は、上側の切り欠き部634において被掛止片131に掛止されており、第1ケースアングル63と一体化された支持部材14の下片142の基端側に突出片133の上端が下方から係止ないし当接しており、上側の被掛止片131が開くように変形(例えば、火災時の熱による熱変形)して、第1ケースアングル63及び支持部材14が躯体から離間する方向に変位しようとした場合であっても、下片142と突出片133の係止状態が維持され、下側の係止状態が外れることがないようになっている。さらに、仮に、第1ケースアングル63の下方部位(支持部材14の下方部位)が躯体から離間した場合には、支持部材14の下方部位の折曲片143が突出片133に引っ掛かるようになっている。
【0072】
[D-5-2]第2実施形態
図19に示すように、第2実施形態に係る中間引っ掛け金具13は、縦長方形状の面部130と、面部130の上端に折り返し状に一体形成された被掛止片131と、被掛止片131の下側に位置して面部130に形成した開口132と、を備えている。上記下側の被係止部は、中間引っ掛け金具13の面部130に形成された開口132の下縁部からなる。
【0073】
図15下図に示すように、第2実施形態に係る支持部材14は、横長方形状の面部140と、面部140の下端において、下方に向かって躯体から離間するように傾斜する傾斜片141と、傾斜片141の下端から躯体に向かって延びる下片142と、からなる。
【0074】
図16下図に示すように、第1ケースアングル63の背面部630の長さ方向中央部位に支持部材14の面部140が当接して重なった状態で固定されている(図示の態様ではリベットで固定されているが、他の手段、例えば、溶接でもよい)。支持部材14の下方部位(傾斜片141、下片142)は、第1ケースアングル63の下片633の下方に位置している。
【0075】
図17に示すように、第2実施形態において、支持部材14の下片142の先端側部位(躯体に近い側、傾斜片141から遠い側)が、中間引っ掛け金具13の面部130に形成された開口132の下縁部に係止され、支持されており、第1ケースアングル63に作用するシャッターケース6の荷重を支えるようになっている。
【0076】
第1ケースアングル63は、上側の切り欠き部634において被掛止片131に掛止されており、第1ケースアングル63と一体化された支持部材14の下片142の先端部位が開口132の下縁部に上方から係止ないし当接している。
【0077】
[E]窓シャッターの側枠
本実施形態に係る窓シャッターの側枠は、外壁Wから持ち出し状に設けたガイドレール下地枠3と、ガイドレール下地枠3の先端側に連結されたガイドレール4と、からなる。本実施形態に係るガイドレール下地枠3、ガイドレール4はアルミ形材から形成されるが、ガイドレール下地枠3、ガイドレール4の材質は限定されない。以下に、本実施形態に係るガイドレール下地枠3、ガイドレール4の構成について具体的に説明する。
【0078】
[E-1]ガイドレール下地枠
ガイドレール下地枠3は、開口部の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、
図21に示すように、外壁Wに固定される基端側見付面30と、基端側見付面30の外側から外壁Wから離間するように見込方向に延びる外側見込辺31と、基端側見付面30の内側から外壁Wから離間するように見込方向に延びる内側見込辺32と、内側見込辺32の先端から外側見込辺31から離間する方向に延びる中間見付辺33と、中間見付辺33の先端から外壁Wから離間するように見込方向に延びる先端見込片34と、からなる。外側見込辺31が側枠の見付面を形成し、外側見込辺31の先端には係止片310が一体形成されている。先端見込片34は、ガイドレール4との連結片となっている。
【0079】
ガイドレール下地枠3の下方部位の内部には、断面視コ字形状の補強部材15が固定されている。補強部材15は、見付辺150と、見込方向に延びる外側の見込辺151と、内側の見込辺152とを備え、見付辺150をガイドレール下地枠3の基端側見付面30の内面に当接させ、外側の見込辺151をガイドレール下地枠3の外側見込辺31の内面に当接もしくは近接させ、内側の見込辺152をガイドレール下地枠3の内側見込辺32の内面に当接させた状態でビスで固定されている。
【0080】
[E-2]ガイドレール
ガイドレール4は、開口部の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、
図21に示すように、外壁Wから遠い側の側辺(屋外側見付辺)40と、外壁Wに近い側の側辺(屋外側見付辺)41と、底辺42と、から平面視略コ字状の形状を有しており、対向する側辺40、41間にシャッターカーテン5の幅方向両端部を受け入れて上下方向に案内するガイド溝が形成されている。
【0081】
側辺40の基端側には、底辺42を越えて開口部から離間する方向に延びる延出辺400が一体形成されており、側辺40と延出辺400とから側枠の見付面が形成されている。延出辺400の端部は屋内側に折り曲げられて係合片401が一体形成されている。側辺41には、屋内側に向かって延出する延出片410が一体形成されており、延出片410がガイドレール下地枠3との連結片となっている。
【0082】
[E-3]側枠
ガイドレール下地枠3とガイドレール4から側枠が形成される。ガイドレール下地枠3は、基端側見付面30を外壁Wに当接させて高さ方向に亘って複数本の螺子300で躯体(外壁W)に固定することで、外壁Wに対して持ち出し状に設けられている。補強部材15の高さ寸法は、防水層20の立ち上がり部の高さ寸法(上端の高さ位置Lを
図20に示す)よりも大きく、立ち上がり部よりも上方に位置する上方部位を備え、上方部位の見付辺150は、基端側見付面30と当接しており、螺子301を用いて、基端側見付面30と見付辺150が一体で躯体(外壁W)に固定されている。ガイドレール下地枠3の外側見込辺31の係止片310に、ガイドレール4の係合片401を係止させ、ガイドレール下地枠3の先端見込片34(連結片)にガイドレール4の延出片410(連結片)を当接させて重ねた状態で螺子340で固定して一体化する。
【0083】
ガイドレール下地枠3とガイドレール4からなる側枠は当業者において良く知られており、ガイドレール下地枠3とガイドレール4の形状や連結構成は図示の態様に限定されるものではない。左右の側枠の上方部位はシャッターケース6の下方部位(躯体側下面板67)に当接している。左右の側枠の下方部位には水切り板(下枠)は設けられていない。側枠の下端は、床面FLに当接(部分的な当接を含む)ないし近接(部分的な近接を含む)している。
【0084】
本実施形態に係る窓シャッターにおいて、側枠の下方部位には、底部塞ぎ部材16が設けてある。
図24に示すように、底部塞ぎ部材16は、底面部160を備え、底面部160は、側枠断面形状・寸法と略同じ形状・寸法を備えており、側枠の下端を覆うようになっている。底面部160には、2つの立ち上がり片161、162が形成されており、立ち上がり片161を側枠の見込面(外側見込辺31)の下端部位に外側から当接させてリベット(ビスでもよい)で固定されており、立ち上がり片162を側枠の見付片(中間見付辺33)の下端部位に外側から当接させてリベット(ビスでもよい)で固定されている。本実施形態に係る底部塞ぎ部材16は鋼製(ステンレス等)である。
【0085】
[F]窓シャッターの側枠の下方部位の隙間塞ぎ手段
本実施形態において、下方壁面W´は、ガイドレール下地枠3及びシャッターケース6が取り付けられた外壁Wよりも屋内側に位置している。本実施形態に係る側枠の下方部位は、窓装置8よりも下方に位置しており、かかる下方部位は、下方壁面W´から屋外側に離間しており、左右の側枠の下方部位と下方壁面W´との間に隙間が形成されている。より詳しくは、下方壁面W´の上端から外壁Wにかけて、躯体中間下面W´´が形成されており、左右の側枠の下方部位には、側枠の基端側見付面(ガイドレール下地枠3の基端側見付面30)、下方壁面W´、床面FL、躯体中間下面W´´から形成される側面視縦長方形状の隙間が形成され、隙間の屋外側が基端側見付面30によって規定され、隙間の屋内側が下方壁面W´によって規定され、隙間の下側が床面FLによって規定され、隙間の上側が躯体中間下面W´´によって規定される(
図20参照)。このような隙間が形成されることによって、光漏れの発生、外観から隙間が見えることによる意匠性の低下、といった課題が生じ得る。したがって、隙間塞ぎ手段によって、この隙間を塞ぐことが望ましい。本実施形態では、隙間塞ぎ手段について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の3種類の手段を開示する。
【0086】
[F-1] 第1実施形態
図22~
図26を参照しつつ、隙間塞ぎ手段の第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30の下方部位に固定される第1部材17と、第1部材17に対して高さ位置が調整可能な第2部材18と、からなる。第1実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、高さ寸法が可変であるため、特に、隙間の高さ寸法が現場によって異なる場合、床面FLの開口幅方向の傾斜によって、左右の隙間の高さ寸法が異なる場合に有効に対応することができる。
【0087】
図25右図に示すように、第1部材17は高さ方向に延びる長尺部材であって、見付辺170と、見付辺170の一端から延びる第1見込辺171と、第1見込辺171の先端から見付辺170に対向するように見付方向に延びる中間見付辺172と、中間見付辺172の先端から見付辺170から離間する方向に見込方向に延びる第2見込辺173と、からなり、上端縁174、下端縁175を備えている。見付辺170には、高さ方向に間隔を存して2つの孔1700が形成されており、固定手段176(ボルトとナット)のボルトを挿通させるようになっている。
【0088】
第1部材17の見付辺170の見付幅は、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30の見付幅と略同幅であり、中間見付辺172の見付幅は、見付辺170の見付幅よりも短尺である。第1見込辺171、中間見付辺172と、第2見込辺173から第1部材17の見込部(隙間塞ぎ手段の第1見込部)が形成され、第1見込辺171の見込寸法と第2見込辺173の見込寸法の合計が、第1部材17の見込寸法である。
【0089】
図25左図に示すように、第2部材18は高さ方向に延びる長尺部材であって、全体として見込方向に延びており、第1見込辺180と、第1見込辺180の端部から見付方向に延びる中間見付辺181と、中間見付辺181の端部から第1見込辺180とは反対側に見込方向に延びる第2見込辺182と、からなり(第2部材18全体を隙間塞ぎ手段の第2見込部とする)、上端縁183、下端縁184を備えている。第1見込辺180には、高さ方向に間隔を存して2つの孔1800が形成されており、螺子185を挿通させるようになっている。第2部材18の見込寸法は、第1見込辺180の見込寸法と第2見込辺182の見込寸法の合計である。
【0090】
本実施形態において、第1部材17と第2部材18の高さ寸法は略同一であり、第1部材17の見込部(第1見込辺171、中間見付辺172と、第2見込辺173)と第2部材18は、略同一の断面形状・寸法を備えており、第1部材17の見込寸法と第2部材18の見込寸法は略同じである。第1部材17及び第2部材18の高さ寸法は、想定される隙間の高さ寸法よりも低い高さであり、第1部材17及び第2部材18の見込寸法は、想定される隙間の見込幅よりも小さい寸法である。
【0091】
第1部材17の第1見込辺171と第2部材18の第1見込辺180、第1部材17の中間見付辺172と第2部材18の中間見付辺181、第1部材17の第2見込辺173と第2部材18の第2見込辺182は、それぞれ略同幅であり、第1部材17の見込部の外面に第2部材18が重なることで隙間塞ぎ手段が構成されており、第1部材17に対して第2部材18が高さ方向にスライド可能となっている。
【0092】
図26右図は、第1部材17の見込部と第2部材18が全高に亘って重なっている第1態様を示しており、第1部材17の上端縁174と第2部材18の上端縁183は一致しており、第1部材17の下端縁175と第2部材18の下端縁184は一致している。
【0093】
図26左図は、右図の態様から、第2部材18が第1部材17の見込部に対して上方にスライド移動した状態の第2態様を示し、第1部材17の見込部と第2部材18が高さ方向に部分的に重なっている。第2部材18の上端縁183は第1部材178の上端縁174よりも高い位置にあり、第1部材17の下端縁175は第2部材18の下端縁184よりも低い位置にある。
【0094】
図26右図において、隙間塞ぎ手段は第1態様にあって、第1の高さ寸法を備え、
図26左図において、隙間塞ぎ手段は第2態様にあって、第1の高さ寸法よりも高い第2の高さ寸法を備え、第1態様及び第2態様において、隙間塞ぎ手段の見込幅は同一である。
図22において、隙間塞ぎ手段は第1態様にあり、
図23において、隙間塞ぎ手段は第2態様にある。
【0095】
図24に示すように、第1部材17は、見付辺170をガイドレール下地枠3の基端側見付面30の外面に当接させた状態で、固定手段176(ボルトとナット)で固定されている。図示の態様では、補強部材15の見付辺150が基端側見付面30の内面に当接しており、固定手段176で見付辺150と基端側見付面30と見付辺170が一体で固定されている。第1部材17の第1見込辺171は、ガイドレール下地枠3の外側見込辺31と略面一(第2部材18の第1見込辺180の厚さ分、内側に位置している)で下方壁面W´に向かって延びており、第2見込辺173の先端と下方壁面W´は離間している。ガイドレール下地枠3の基端側見付面30に固定した第1部材17の見込部に対して、第2部材18が重ね合わせてあり、第2部材18の第1見込辺180は、ガイドレール下地枠3の外側見込辺31と面一であり、第2部材18の第2見込辺182の先端は、第2見込辺173の先端と一致しており、下方壁面W´から離間している。なお、第2部材18の第1見込辺180をガイドレール下地枠3の外側見込辺31と面一にせずに、外側見込辺31にそって延びていてもよい。
【0096】
図22は、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30に固定した第1部材17の見込部に対して、第2部材18を全高に亘って重ねた状態(
図26右図の第1態様に対応)を示し、第1部材17及び第2部材18の上端縁174、183と隙間の上端(躯体中間下面W´´)との間に隙間が形成されている。
【0097】
図23は、
図22の状態から、第1部材17の見込部に対して第2部材18を上方にスライド移動させた状態(
図26左図の第2態様に対応)を示し、第2部材18の上端縁183を隙間の上端(躯体中間下面W´´)に近接ないし当接させた状態を示す。第2部材18の高さ位置を決定した状態で、螺子185によって、第2部材18の第1見込辺180を第1部材17の第1見込辺171に固定する。第1実施形態に係る隙間塞ぎ手段の高さ寸法の調整後に、さらに、隙間塞ぎ部手段(第2見込辺173、182の端部)と下方壁面W´との間を気密部材19で高さ方向に亘って塞いでいる。なお、隙間塞ぎ手段の上端と躯体中間下面W´´との間、隙間塞ぎ手段の下端と床面FLとの間にシール材を設けて塞ぐようにしてもよい。
【0098】
[F-2] 第2実施形態
図27~
図32を参照しつつ、隙間塞ぎ手段の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30の下方部位に固定される第1部材27と、第1部材27に対して見込方向の位置が調整可能な第2部材28と、からなる。第2実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、見込寸法が可変であるため、特に、隙間の見込寸法が現場によって異なる場合に有効に対応することができる。
【0099】
図31左図に示すように、第1部材27は高さ方向に延びる長尺部材であって、見付辺270と、左右の見込辺271、272と、から断面視コ字形状を備えている。第1部材27の見付辺270には、上側に第1孔2700、第2孔2701、第3孔2702が高さ方向に間隔を存して形成されており、下側に第3孔2702、第2孔2701、第1孔2700が高さ方向に間隔を存して形成されている。第1部材27の見込辺271、272を隙間塞ぎ手段の第1見込部とする。
【0100】
図31右図に示すように、第2部材28は高さ方向に延びる長尺部材であって、見付辺280と、左右の見込辺281、282と、から断面視H形状を備えている。第2部材28の見付辺280には、上下に間隔を存して螺子孔2800が形成されている。第2部材28の見込辺281、282を隙間塞ぎ手段の第2見込部とする。
【0101】
第1部材27と第2部材28は、同じ高さ寸法を備えており、その高さ寸法は隙間の高さ寸法と略同じである。第2部材28の見込辺281、282の外面間の寸法は、第1部材27の見込辺271、272の内面間の寸法と略同じ(僅かに小さい)であり、第1部材27と第2部材28は、第2部材28の見込辺281、282の外面が第1部材27の見込辺271、272の内面に見込方向にスライド可能に重なった状態で第2実施形態に係る隙間塞ぎ手段を構成しており、第2部材28が第1部材27に対して見込方向にスライド移動することで、隙間塞ぎ手段の見込寸法が可変となっている。
【0102】
第1部材27と第2部材28を組み合わせてなる第2実施形態に係る隙間塞ぎ手段において、
図32左図が、見込寸法が最も小さい状態(第1部材27の見付辺270と第2部材28の見付辺280の距離が最も短い)である第1態様を示し、この状態において、第2部材28の見付辺280が第1部材27の見付辺270から離間する方向に移動することで、隙間塞ぎ手段の見込寸法が大きくなって、
図32右図に示す第2態様となる。
図27、
図28において、隙間塞ぎ手段は第1態様にあり、
図29、
図30において、隙間塞ぎ手段は第2態様にある。
【0103】
第2実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、見込方向に延びる3種類の螺子を備えている。第1螺子21は、第1部材27を側枠(ガイドレール下地枠3の基端側見付面30)に固定する螺子であり、第2螺子22は、第1部材27に対する第2部材28の見込方向の位置を調整する螺子であり、第3螺子23は、第1部材27(基端側見付面30)と位置調整された第2部材28を固定する螺子である。
【0104】
ガイドレール下地枠3の基端側見付面30(及び、図示の態様では、補強部材15の見付辺150)には、第1部材27の見付辺270の上側に形成した第1孔2700、第2孔2701、第3孔2702、下側に形成した第3孔2702、第2孔2701、第1孔2700にそれぞれ一致して、第1孔、第2孔、第3孔が形成されている。
【0105】
第1部材27は、見付辺270をガイドレール下地枠3の基端側見付面30に当接させた状態で、第1螺子21で固定されており、第1螺子21は、見付辺270の第1孔2700に螺合している。第1孔2700は螺子孔であり、第1孔2700に対応する基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第1孔は挿通孔である。第1螺子21によって、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30、基端側見付面30の内面に当接した見付辺150、基端側見付面30の外面に当接した見付辺270が一体化される(
図28参照)。第1部材27の一方の見込辺271は、ガイドレール下地枠3の外側見込辺31と面一である。なお、
図28では、ガイドレール4がガイドレール下地枠3に取り付けられた状態を示しているが、実際の設置手順では、隙間塞ぎ手段を取り付けた後に、ガイドレール4が取り付けられる点に留意されたい。
【0106】
第1部材27の見付辺270に形成された第2孔2701は螺子孔であって、第2孔2701に対応する基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第2孔は挿通孔である。第2螺子22は、基端側見付面30の第2孔を挿通し、第2孔2701に螺合しており、第2螺子22の軸部の先端は、第2部材28の見込辺見付辺に当接している。隙間塞ぎ手段が、
図32に示す第1態様の状態において、第2螺子22を締めることで、第2螺子22の軸部が第2部材28の見込辺見付辺を押すようになっており、基端側見付面30に固定された第1部材27に対して、第2部材28を見込方向にスライド移動させて見込寸法を増大するようになっている(
図30上図)。
【0107】
第1部材27の見付辺270に形成された第3孔2702は挿通孔であって、第3孔2702に対応する基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第3孔は挿通孔である。第1部材27の第3孔2702と第2部材28の螺子孔2800は一致しており、第3螺子23を、基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第3孔、見付辺270に形成した第3孔2702を挿通させて、軸部の先端側部位を第2部材28の螺子孔2800に螺合させることで、第1部材27に対する第2部材28の位置が固定され(図示の態様では、第3螺子23の頭部が見付辺150に当接している)、隙間塞ぎ手段の見込寸法が決定される(
図30下図)。なお、第3螺子23は任意要素であって、第3螺子23が無くても、隙間塞ぎ手段の位置が維持される。
【0108】
第2部材28の見込辺281、282の第1部材27から遠い側の半部と、見付辺280で囲まれた断面視コ字形状の空間には、全高に亘って気密部材29が嵌め込まれている。外圧が作用したい状態では、気密部材29は部分的に第2部材28の見込辺281、282の端部よりも突出している(
図28、
図32)。第2螺子22で第2部材28を押し込むことで、気密部材29を下方壁面W´に密着させるようになっている(
図30)。なお、隙間塞ぎ手段の上端と躯体中間下面W´´との間、隙間塞ぎ手段の下端と床面FLとの間にシール材を設けて塞ぐようにしてもよい。図示の態様では、第1部材27の見込辺271、272と見込み寸法と第2部材28の見込辺281、282の見込寸法は同じであるが、第1部材27、第2部材28のいずれか一方の見込寸法が大きく、他方の見込寸法が小さくてもよい。図示の態様では、第2部材8の見付辺80は、見込辺281、282の見込幅の中央に位置しているが、屋外側、屋内側のいずれかに偏倚してもよい。
【0109】
[F-3] 第3実施形態
図33~
図39を参照しつつ、隙間塞ぎ手段の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、高さ寸法及び見込寸法が可変であり、隙間の高さ寸法が現場によって異なる場合、床面FLの開口幅方向の傾斜によって、左右の隙間の高さ寸法が異なる場合、隙間の見込寸法が現場によって異なる場合の全てに有効に対応することができる。
【0110】
第3実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、第1ユニット37と、第1ユニット37に対して見込方向の位置が調整可能な第2ユニット38と、からなる。第1ユニット37は、第1要素43と、第1要素43に対して高さ方向の位置が調整可能な第2要素44と、からなる。第2ユニット38は、第3要素45と、第3要素45に対して高さ方向の位置が調整可能な第4要素46と、からなる。第1ユニット37の第2要素44の上動に従動して、第2ユニット38の第4要素46が上動するようになっている。本実施形態において、第1要素43,第2要素44、第3要素45、第4要素46は、全て同じ高さ寸法であり、隙間の高さ寸法よりも低い寸法となっている。
【0111】
図38(B)に示すように、第1要素43は、高さ方向に延びる長尺部材であって、見付辺430と、左右の見込辺431、432と、から断面視コ字形状を備えており、また、上端縁433、下端縁434を備えている。第1要素43の見付辺430には、上側に第1孔4300、第2孔4301、第3孔4302が高さ方向に間隔を存して形成されており、下側に第3孔4302、第2孔2301、第1孔4300が高さ方向に間隔を存して形成されている。
【0112】
図38(A)に示すように、第2要素44は、高さ方向に延びる長尺部材であって、見付辺440と、左右の見込辺441、442と、から断面視コ字形状を備えており、また、上端縁443、下端縁444を備えている。第2要素44の見付辺440には、上下に縦長孔4400が形成されている。
【0113】
第1要素43と第2要素44は、同じ高さ寸法を備えている。第1要素43の見込辺431、432の外面間の寸法は、第2要素44の見込辺441、442の外面間の寸法と略同じ(僅かに小さい)であり、第2要素44の断面視コ字状の内面に、第1要素43の断面視コ字状の外面を重ねることで、断面視コ字形状を備えた第1ユニット37が形成されている。第1要素43の見付辺430に形成した第1孔4300、第2孔4301、第3孔4302と、第2要素44の見付辺440に形成した縦長孔4400は一致している。第2要素44は、第1要素43に対して、第2要素44の見込辺441、442の外面が第1要素43の見込辺431、432の内面に重なった状態で高さ方向にスライド可能となっている。
図37(A)は、第1要素43に対して第2要素44が上方にスライド移動した状態を示している。
【0114】
図38(D)に示すように、第3要素45は高さ方向に延びる長尺部材であって、見付辺450と、左右の見込辺451、452と、から断面視H形状を備えており、また、上端縁453、下端縁454を備えている。第3要素45の見付辺450には、高さ方向に間隔を存して2つの螺子孔4500が形成されている。
【0115】
図38(C)に示すように、第4要素46は高さ方向に延びる長尺部材であって、見付辺460と、左右の見込辺461、462と、から断面視コ字形状を備えており、見込辺461、462の上端には、水平状の折り曲げ片4610、4620が形成されている。第4要素46の上端、下端は、それぞれ、上端縁463、下端縁464となっている。
【0116】
第3要素45と第4要素46は、同じ高さ寸法を備えている。第3要素45の見込辺451、452の外面間の寸法は、第4要素46の見込辺461、462の外面間の寸法と略同じ(僅かに小さい)であり、第4要素46の断面視コ字状の内面に、第3要素45の断面視H形状の外面を重ねることで、第2ユニット38が形成されている。第4要素46は、第3要素45に対して、第4要素46の見込辺461、462の内面が第3要素45の見込辺451、452の外面に重なった状態で高さ方向にスライド可能となっている。
図37(B)は、第3要素45に対して第4要素46が上方にスライド移動した状態を示している。
【0117】
第1ユニット37と第2ユニット38を組み合わせて、第1要素43、第2要素44、第3要素45、第4要素46の上端縁433、443、453、463、下端縁434、444、454、464を一致させた状態において、第1ユニット37の第1要素43の上端縁433、第2要素44の上端縁443に第2ユニット38の第4要素46の折り曲げ片4610、4620が載置している(
図39左図)。この状態において、第1ユニット37の第2要素44を持ち上げると、第2ユニット38の第4要素46の折り曲げ片4610、4620が押しあげられて、第2要素44と第4要素46が一体で上動するようになっている(
図37(C))。
【0118】
第3実施形態に係る隙間塞ぎ手段は、見込方向に延びる3種類の螺子を備えている。第1螺子21は、第1ユニット37(第1要素43)を側枠(ガイドレール下地枠3の基端側見付面30)に固定する螺子であり、第2螺子22は、第1ユニット37に対する第2ユニット38(第3要素45)の見込方向の位置を調整する螺子であり、第3螺子23は、第1ユニット37(基端側見付面30)と位置調整された第2ユニット38(第3要素45)を固定する螺子である。
【0119】
ガイドレール下地枠3の基端側見付面30(及び、図示の態様では、補強部材15の見付辺150)には、第1ユニット37の第1要素43の見付辺430の上側に形成した第1孔4300、第2孔4301、第3孔4302、下側に形成した第3孔4302、第2孔4301、第1孔4300にそれぞれ一致して、第1孔、第2孔、第3孔が形成されている。
【0120】
第1ユニット37は、第2要素44の見付辺440がガイドレール下地枠3の基端側見付面30に当接した状態で、第1螺子21によって、第1要素43の見付辺430をガイドレール下地枠3の基端側見付面30に固定することで、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30に固定されている。第1ユニット37の一方の見込面(第2要素44の一方の見込辺441)は、ガイドレール下地枠3の外側見込辺31と面一である。第1孔4300は螺子孔であり、第1孔4300に対応する基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第1孔は挿通孔であり、また、第1孔4300は、第1ユニット37の第2要素44の見付辺440の縦長孔4400と一致している。第1螺子21は、基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第1孔、第2要素44の見付辺440に形成した縦長孔4400を挿通し、見付辺430の第1孔4300に螺合している。
【0121】
第1螺子21を締め付けることによって、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30、基端側見付面30の内面に当接した見付辺150、基端側見付面30の外面に当接した第1ユニット37の見込辺(見付辺440+見付辺430)が一体化される(
図34参照)。なお、
図34では、ガイドレール4がガイドレール下地枠3に取り付けられた状態を示しているが、実際の設置手順では、隙間塞ぎ手段を取り付けた後に、ガイドレール4が取り付けられる点に留意されたい。
【0122】
第1螺子21は、第1要素43に対する第2要素44の高さ方向の位置が決定した後に締め付ける点に留意されたい。第1要素43を第1螺子21で仮保持した状態で、第1要素43に対して第2要素44を上方にスライド移動させて、第2要素44と第4要素46を一体で上動させて隙間塞ぎ手段の高さ寸法を決定し、第1螺子21を締め付けることで、第2要素44の見付辺440が、ガイドレール下地枠3の基端側見付面30と第1要素43の見付辺430との間で挟持されて、第2要素44の高さ位置が固定され、同時に、第4要素46の高さ位置が固定される。
【0123】
第1ユニット37の第1要素43の見付辺430に形成された第2孔4301は螺子孔であって、第2孔4301に対応する基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第2孔は挿通孔であり、また、第2孔4301は、第1ユニット37の第2要素44の見付辺440の縦長孔4400と一致している。第2螺子22は、基端側見付面30の第2孔を挿通しており、第2螺子22の軸部は、縦長孔4400、第2孔4301に螺合して、先端が第2ユニット38の第3要素45の見付辺450に当接している。
【0124】
第3実施形態に係る隙間塞ぎ手段において、見込寸法が小さい状態(
図33、
図34、
図39左図)において、第2螺子22を締めることで、第2螺子22の軸部が第2ユニット38の第3要素45の見付辺450を押すようになっており、基端側見付面30に固定された第1ユニット37に対して、第2ユニット38(第3要素45)を見込方向にスライド移動させて見込寸法を増大させ、第2ユニット38の第4要素46の見付辺460を下方壁面W´に当接させるようになっている(
図36上図)。なお、第4要素36の見付辺460に気密部材(シール材)を設けてもよい。
【0125】
第1ユニット37の第1要素43の見付辺430に形成された第3孔4302は挿通孔であって、第3孔4302に対応する基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第3孔は挿通孔であり、第3孔4302は、第1ユニット37の第2要素44の見付辺440の縦長孔4400と一致している。第1ユニット37の第1要素43の見付辺430に形成した第3孔4302と第2ユニット38の第3要素45の見込辺45に形成した螺子孔4500は一致しており、第3螺子23を、基端側見付面30(及び補強部材15の見付辺150)の第3孔、第1ユニット37の第2要素44の見付辺440に形成した縦長孔4400、第1要素43の見付辺430に形成した第3孔4302を挿通させて、軸部を第2ユニット38の第3要素45の見付辺450の螺子孔4500に螺合させることで、第1ユニット37に対する第2ユニット38の位置を固定し、隙間塞ぎ手段によって隙間が塞がれる(
図36下図)。なお、隙間塞ぎ手段の躯体側見付面(見付辺460)と下方壁面W´との間、隙間塞ぎ手段の上端と躯体中間下面W´´との間、隙間塞ぎ手段の下端と床面FLとの間、にシール材を設けて塞ぐようにしてもよい。第1要素43の見込辺431、432、第2要素44の見込辺441、442を、隙間塞ぎ手段の第1見込部とし、第3要素45の見込辺451、452、第4要素46の見込辺461、462を、隙間塞ぎ手段の第2見込部とする。図示の態様では、第1ユニット37の見込部(第1要素43の見込辺431、432)の見込寸法と、第2ユニット38の見込部(第3要素45見込辺451、452)の見込寸法は同じであるが、第1ユニット37の見込部(第1要素43の見込辺431、432)、第2ユニット38の見込部(第3要素45見込辺451、452)のいずれか一方の見込寸法が大きく、他方の見込寸法が小さくてもよい。図示の態様では、第3要素45の見付辺450は、見込辺451、452の見込幅の中央に位置しているが、屋外側、屋内側のいずれかに偏倚してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 ブラケット
2 巻取シャフト
3 ガイドレール下地枠(側枠)
30 基端側見付面
4 ガイドレール(側枠)
5 シャッターカーテン
5A 上側部分
5B 下側部分
5C 最外側部分
50 スラット
500 本体部
501 上側インターロック部
502 下側インターロック部
6 シャッターケース(シャッター収納部)
60 上面板
63 第1ケースアングル
630 背面部
631 上片
633 下片
7 座板
70 垂直状部
71 フラット部
72 フラット部
724 下面部
73 補強材
74 フラット部
743 下面部
745 緩衝部材
746 屋外側熱膨張耐火部材
747 屋内側熱膨張耐火部材
75 補強材
8 窓装置
81 下枠
9 手掛け
90 上側水平片
91 下側水平片
92 垂直面部
93 手掛け片
11 施錠装置
112 操作部(レバー錠)
113 レバー(レバー錠)
114 紐状部材
115 掴み部
12 端部引っ掛け金具
13 中間引っ掛け金具
130 面部
131 被掛止片
132 開口
133 突出片
14 支持部材
140 面部
141 傾斜片
142 下片
143 折曲片
20 防水層
17 第1部材(隙間塞ぎ手段)
18 第2部材(隙間塞ぎ手段)
19 気密部材(シール材)
27 第1部材(隙間塞ぎ手段)
28 第2部材(隙間塞ぎ手段)
29 気密部材(シール材)
37 第1ユニット(隙間塞ぎ手段)
38 第2ユニット(隙間塞ぎ手段)
43 第1要素
44 第2要素
45 第3要素
46 第4要素
FL 床面
W 外壁(躯体)
W´ 下方壁面
W´´ 躯体中間下面