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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163097
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】半導体光素子
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/025 20060101AFI20231101BHJP
   H01S 5/026 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
G02F1/025
H01S5/026 616
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093609
(22)【出願日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2022073132
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】301005371
【氏名又は名称】日本ルメンタム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 和樹
(72)【発明者】
【氏名】浅倉 秀明
(72)【発明者】
【氏名】山内 俊也
(72)【発明者】
【氏名】中島 良介
【テーマコード(参考)】
2K102
5F173
【Fターム(参考)】
2K102AA20
2K102BA02
2K102BA11
2K102BB01
2K102BC04
2K102CA00
2K102DA08
2K102DA11
2K102DD03
2K102EA02
2K102EA16
2K102EB29
5F173AA26
5F173AB13
5F173AD13
5F173AL15
5F173AL21
5F173AP05
5F173AP45
5F173AP82
5F173AR36
5F173AR65
5F173AR93
(57)【要約】
【課題】高信頼性の確保および寄生容量の低減を目的とする。
【解決手段】半導体光素子は、凸部12を上面に有する半導体層10と、凸部12の上に第1方向D1に延びる多重量子井戸層20と、第2方向D2の両側でメサストライプ構造14にそれぞれ接触する第1半導体層24と、半導体層10の上面にある第2半導体層26と、第2半導体層26の上方にある樹脂層34と、第2半導体層26の上にあり、樹脂層34の対応する1つの周囲にそれぞれがあり、第2半導体層26とは構成材料において異なる第3半導体層28と、半導体層10の下面にある第1電極38と、メサストライプ構造14の上端面にあるメサ電極42と、メサ電極42から第2方向D2に延びる引出電極44と、樹脂層34の一方の上方にあって引出電極44に接続するパッド電極46と、を含む第2電極40と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸部を上面に有し、前記凸部は第1方向にストライプ状に延びてメサストライプ構造の下端部を構成する半導体層と、
前記半導体層の前記凸部の上に前記第1方向に延び、前記メサストライプ構造の他の部分を構成する多重量子井戸層と、
前記第1方向に直交する第2方向の両側で前記メサストライプ構造にそれぞれ接触する一対の第1半導体層と、
前記第2方向に前記凸部の両隣で、それぞれ、前記半導体層の前記上面にある一対の第2半導体層と、
前記一対の第2半導体層の上方にある一対の樹脂層と、
前記一対の第2半導体層の上にあり、前記一対の樹脂層の対応する1つの周囲にそれぞれがあり、前記一対の第2半導体層とは構成材料において異なる一対の第3半導体層と、
前記半導体層の下面にある第1電極と、
前記メサストライプ構造の上端面にあるメサ電極と、前記メサ電極から前記第2方向に延びる引出電極と、前記一対の樹脂層の一方の上方にあって前記引出電極に接続するパッド電極と、を含む第2電極と、
を有する半導体光素子。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第1半導体層、前記一対の第2半導体層および前記一対の第3半導体層は、前記多重量子井戸層の埋め込み層を構成し、
前記埋め込み層は、一対の凹部を有し、
前記一対の樹脂層は、それぞれ、前記一対の凹部に配置されている半導体光素子。
【請求項3】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第3半導体層のそれぞれは、前記第1方向および前記第2方向を含むあらゆる周方向から、前記一対の樹脂層の対応する前記1つを囲む半導体光素子。
【請求項4】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第3半導体層のそれぞれは、前記第1方向および前記第2方向の少なくとも一方に露出する側面を有する半導体光素子。
【請求項5】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第1半導体層は、それぞれ、前記一対の第2半導体層の下に延びて、前記半導体層の前記上面に接触している半導体光素子。
【請求項6】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第2半導体層のそれぞれは、前記一対の第1半導体層の対応する1つと前記一対の樹脂層の対応する1つの間に延びている半導体光素子。
【請求項7】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第1半導体層は、前記構成材料において、前記一対の前記第2半導体層と異なる半導体光素子。
【請求項8】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第3半導体層は、前記構成材料において、前記一対の第1半導体層と同じである半導体光素子。
【請求項9】
請求項8に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第3半導体層のそれぞれは、前記一対の第1半導体層の対応する1つと連続している半導体光素子。
【請求項10】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の樹脂層のそれぞれと前記一対の第2半導体層の対応する1つとの間に介在する無機絶縁膜をさらに有する半導体光素子。
【請求項11】
請求項10に記載された半導体光素子であって、
前記無機絶縁膜は、前記一対の樹脂層のそれぞれと前記一対の第1半導体層の対応する1つとの間にも介在する半導体光素子。
【請求項12】
請求項10に記載された半導体光素子であって、
前記無機絶縁膜は、前記一対の樹脂層のそれぞれと前記一対の第3半導体層の対応する1つとの間にも介在する半導体光素子。
【請求項13】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第1半導体層は、半絶縁性半導体からなる半導体光素子。
【請求項14】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の第2半導体層は、真性半導体からなる半導体光素子。
【請求項15】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記パッド電極と前記一対の樹脂層の前記一方との間に介在する無機スペーサをさらに有する半導体光素子。
【請求項16】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記半導体層の前記上面は、前記凸部を除いて、前記多重量子井戸層の下端より低い半導体光素子。
【請求項17】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記メサ電極の一部は、前記一対の樹脂層の上にある半導体光素子。
【請求項18】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の樹脂層は、前記半導体層の前記上面からの高さにおいて、前記一対の第1半導体層より高い半導体光素子。
【請求項19】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記半導体光素子は、電界吸収型変調器である半導体光素子。
【請求項20】
請求項19に記載された半導体光素子であって、
半導体レーザをさらに有し、
前記電界吸収型変調器および前記半導体レーザが一体的に集積された変調器集積型半導体レーザである半導体光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電界吸収型変調器(以下、EA変調器)に、埋め込めヘテロ構造(Buried Hetero-structure:BH構造)が適用されることがある。BH構造とは、光機能層を含むメサストライプ構造が半導体層(埋め込み層)で埋め込まれた構造であり、高信頼性および高速応答性を達成している。さらに、埋め込み層に凹部を形成し、当該凹部に誘電率の低い樹脂を埋め込むことで、寄生容量を低減することができる(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-9456号公報
【特許文献2】特開2022-64266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
埋め込み層の凹部は、形成プロセスで深さの制御が難しい。凹部の深さにばらつきがあると、樹脂の下地の高さが変動するので、これにより樹脂の厚みが変動して特性が変化する。特許文献1には、エッチング停止層によってエッチングを停止することが開示されているが、エッチング停止層がメサストライプ構造の直下にもあるため、電気的特性に影響を与える。引用文献2は、凹部の深さの制御についての言及がない。
【0005】
本発明は、高信頼性の確保および寄生容量の低減を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
半導体光素子は、凸部を上面に有し、前記凸部は第1方向にストライプ状に延びてメサストライプ構造の下端部を構成する半導体層と、前記半導体層の前記凸部の上に前記第1方向に延び、前記メサストライプ構造の他の部分を構成する多重量子井戸層と、前記第1方向に直交する第2方向の両側で前記メサストライプ構造にそれぞれ接触する一対の第1半導体層と、前記第2方向に前記凸部の両隣で、それぞれ、前記半導体層の前記上面にある一対の第2半導体層と、前記一対の第2半導体層の上方にある一対の樹脂層と、前記一対の第2半導体層の上にあり、前記一対の樹脂層の対応する1つの周囲にそれぞれがあり、前記一対の第2半導体層とは構成材料において異なる一対の第3半導体層と、前記半導体層の下面にある第1電極と、前記メサストライプ構造の上端面にあるメサ電極と、前記メサ電極から前記第2方向に延びる引出電極と、前記一対の樹脂層の一方の上方にあって前記引出電極に接続するパッド電極と、を含む第2電極と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図2図1に示す半導体光素子のII-II線断面図である。
図3図1に示す半導体光素子の側面図である。
図4図3に示す半導体光素子のIV-IV線断面図である。
図5】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図6】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図7】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図8】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図9】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図10】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図11】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図12】第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。
図13】第2の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図14図13に示す半導体光素子のXIV-XIV線断面図である。
図15】第3の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図16図15に示す半導体光素子のXVI-XVI線断面図である。
図17図15に示す半導体光素子のXVII-XVII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。全図において同一の符号を付した部材は同一又は同等の機能を有するものであり、その繰り返しの説明を省略する。なお、図形の大きさは倍率に必ずしも一致するものではない。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。図2は、図1に示す半導体光素子のII-II線断面図である。半導体光素子は、電界吸収型変調器(EA変調器)であるが、半導体レーザや受光素子であっても構わない。
【0010】
[半導体層]
半導体光素子は、半導体層10を有する。半導体層10は、半導体基板(例えばn-InP基板)であってもよいし、半導体基板の上にバッファ層(例えばn-InP層)がある積層体であってもよい。半導体層10は、凸部12を上面に有する。凸部12は第1方向D1にストライプ状に延びる。凸部12は、メサストライプ構造14の下端部を構成する。メサストライプ構造14は、半導体光素子の後方端面16から前方端面18に至るまで延びる。半導体層10(特に凸部12)は、第1導電型(例えばn型)の下部クラッド層として機能する。
【0011】
[多重量子井戸層]
半導体光素子は、多重量子井戸層20を有する。多重量子井戸層20は、半導体層10の凸部12の上に第1方向D1に延びる。多重量子井戸層20は、メサストライプ構造14の他の部分を構成する。半導体層10の上面は、凸部12を除いて、多重量子井戸層20の下端より低い。
【0012】
[上部クラッド層]
半導体光素子は、第2導電型(例えばp型)の上部クラッド層22を有する。上部クラッド層22は、多重量子井戸層20の上で第1方向D1にストライプ状に延びる。上部クラッド層22はp-InP層である。多重量子井戸層20と凸部12(下部クラッド層)の間や、多重量子井戸層20と上部クラッド層22との間に、他の層(例えば光閉じ込め層)が配置されてもよい。本実施形態では第1導電型をn型、第2導電型をp型として説明するが、これは逆であっても構わない。上部クラッド層22の上には、図示しないコンタクト層が配置されている。
【0013】
[第1半導体層]
半導体光素子は、一対の第1半導体層24を有する。一対の第1半導体層24は、半絶縁性半導体(例えばFe-InP)からなる。一対の第1半導体層24は、第1方向D1に直交する第2方向D2の両側で、それぞれ、メサストライプ構造14(例えば両側面の全体)に接触する。一対の第1半導体層24は、凸部12の側面に接触し、半導体層10の上面(凸部12を除く)にも接触するように延びる。
【0014】
[第2半導体層]
半導体光素子は、一対の第2半導体層26を有する。一対の第2半導体層26は、意図的に不純物を添加していない真性半導体(例えばInGaAs)からなる。一対の第2半導体層26は、構成材料において、一対の第1半導体層24と異なる。一対の第2半導体層26は、第2方向D2に凸部12の両隣で、それぞれ、半導体層10の上面にある。一対の第2半導体層26の下に、それぞれ、一対の第1半導体層24が延びる。一対の第2半導体層26は、メサストライプ構造14の上端面付近を除いて(凸部12を除いて)、半導体層10の上面を完全に覆っている。さらに、第2半導体層26は、メサストライプ構造14に隣接(接触)する第1半導体層24に、第2方向D2に隣接(接触)する。
【0015】
[第3半導体層]
半導体光素子は、一対の第3半導体層28を有する。一対の第3半導体層28は、半絶縁性半導体(例えばFe-InP)からなる。一対の第3半導体層28は、構成材料において、一対の第1半導体層24と同じである。一対の第3半導体層28のそれぞれは、一対の第1半導体層24の対応する1つと連続している。例えば、メサストライプ構造14の側面に沿って、第1半導体層24が立ち上がり、その上端部から第2半導体層26が連続している。また、両者間に、一対の第2半導体層26の対応する1つが介在する。
【0016】
一対の第3半導体層28は、それぞれ、一対の第2半導体層26の上で立ち上がる。一対の第3半導体層28は、一対の第2半導体層26とは構成材料において異なる。一対の第3半導体層28のそれぞれは、第1方向D1および2方向の少なくとも一方(例えば両方)に露出する側面を有する(図4参照)。
【0017】
[埋め込み層]
一対の第1半導体層24、一対の第2半導体層26および一対の第3半導体層28は、多重量子井戸層20の埋め込み層30を構成する。埋め込み層30は、メサストライプ構造14の両側にある。埋め込み層30は、メサストライプ構造14の上端面を除いて設けられている。埋め込み層30は、第2方向D2の両側で、メサストライプ構造14の両側面に接触する。埋め込み層30は、メサストライプ構造14より高くなっている。埋め込み層30は、後方端面16から前方端面18に至る。
【0018】
一対の第2半導体層26は、半導体層10の上面(凸部12を除く)に沿って水平に延び、メサストライプ構造14の隣では垂直ではなく傾斜して立ち上がる。これは、第1半導体層24の側面が傾斜していることによる。埋め込み層30は、一対の凹部32を有する。凹部32はメサストライプ構造14の両側にある。凹部32は、四方から埋め込み層30で囲まれる。
【0019】
[樹脂層]
半導体光素子は、一対の樹脂層34を有する。一対の樹脂層34は、それぞれ、一対の凹部32に配置されている。樹脂層34は、凹部32を充填するように配置されている。樹脂層34は、埋め込み層30を構成する半導体よりも誘電率の低い材料(例えば、ベンゾシクロブテン(BCB)やポリイミド)からなる。
【0020】
半導体光素子は、半導体ウエハに複数の半導体光素子を形成し、チップ化することで得られる。チップ化するときに、樹脂層34を切断することは難しいので、埋め込み層30(第3半導体層28)で劈開する。したがって、樹脂層34は、半導体光素子の端面や側面に露出しない。
【0021】
一対の樹脂層34は、それぞれ、一対の第2半導体層26の上方にある。一対の第2半導体層26のそれぞれは、一対の第1半導体層24の対応する1つと一対の樹脂層34の対応する1つの間に延びている。一対の樹脂層34は、半導体層10の上面からの高さにおいて、一対の第1半導体層24より高い。樹脂層34は、埋め込み層30より高くなっている。
【0022】
図3は、図1に示す半導体光素子の後方端面16側から見た側面図である。図4は、図3に示す半導体光素子のIV-IV線断面図である。一対の第3半導体層28のそれぞれは、一対の樹脂層34の対応する1つの周囲にある。一対の第3半導体層28のそれぞれは、第1方向D1および第2方向D2を含むあらゆる周方向から、一対の樹脂層34の対応する1つを囲む。
【0023】
[無機絶縁膜]
一対の樹脂層34のそれぞれは、無機絶縁膜36(例えば酸化シリコン膜や窒化シリコン膜)に囲まれている。無機絶縁膜36は、一対の樹脂層34のそれぞれと一対の第3半導体層28の対応する1つとの間に介在する。
【0024】
無機絶縁膜36は、凹部32の内面に沿って配置される。無機絶縁膜36は、一対の樹脂層34のそれぞれと一対の第1半導体層24の対応する1つとの間に介在する。無機絶縁膜36は、一対の樹脂層34のそれぞれと一対の第2半導体層26の対応する1つとの間に介在する。無機絶縁膜36は、埋め込み層30の一部(凹部32の周囲にある部分)の上端にも配置される(図2)。無機絶縁膜36はメサストライプ構造14の上端面には配置されない。
【0025】
[第1電極]
半導体光素子は、半導体層10の下面(裏面)にある第1電極38を有する(図2)。第1電極38は、半導体層10の下面のほぼ全面を覆う。第1電極38は、半導体層10と電気的かつ物理的に接続されて同電位になる。第1電極38および半導体層10の間に、半導体層10と同じ導電型の半導体層が介在してもよい。
【0026】
[第2電極]
半導体光素子は、第2電極40を有する。第2電極40は、全体的に同じ材料及び同じ構造で構成してもよい。第2電極40は、メサストライプ構造14の上端面にあるメサ電極42を含む。メサ電極42は、メサストライプ構造14と電気的かつ物理的に接続されている。メサ電極42と第1電極38との間に逆バイアスを印加することで、半導体光素子は、多重量子井戸層20で光を吸収する変調器として機能する。
【0027】
メサ電極42は、平面形状において、長方形になっている。メサ電極42の第1方向D1の先端は、後方端面16および前方端面18より内側にある(図1)が、それぞれの端面まで延びていても構わない。大きな寄生容量が高速駆動の妨げとなるので、メサ電極42は、寄生容量を小さくするために小面積であることが好ましい。したがって、メサ電極42は、メサストライプ構造14の上端面を超えて埋め込み層30の上に至るとしても、メサストライプ構造14に隣接する端部のみに載る程度に細いことが好ましい。ここでは、メサ電極42は樹脂層34には重ならない。
【0028】
第2電極40は、メサ電極42から第2方向D2に延びる引出電極44を含む。引出電極44は、第1方向D1の幅において、メサ電極42よりも細い。引出電極44の一部は樹脂層34と重畳する。ここでは、樹脂層34の、メサストライプ構造14に隣接する端部のみが引出電極44と重畳する。第2電極40は、一対の樹脂層34の一方の上方にあって引出電極44に接続するパッド電極46を含む。パッド電極46は、第1方向D1の幅において、引出電極44よりも広い。パッド電極46は、ワイヤボンディングされるようになっている。
【0029】
[作用効果]
半導体光素子は、少なくとも二つの利点を有する。まず、メサストライプ構造14の両側は半導体(埋め込み層30)に接触している。そのため、メサストライプ構造14の側面が無機材料や樹脂に接触している構造と比較して、メサストライプ構造14に含まれる半導体の劣化を防止することができ、信頼性が向上する。
【0030】
次に、埋め込み層30に凹部32が設けられており、そこに樹脂層34が配置されているので、容量成分を低減することができ、優れた高速応答性を実現している。詳しくは、引出電極44の一部およびパッド電極46と半導体層10との間には樹脂層34が配置されている。そのため、これらの電極を起因とする寄生容量を低減することができる。
【0031】
例えば、凹部32がなくパッド電極46の下に埋め込み層30が配置されている構造を想定する。この場合、パッド電極46と半導体層10との間には寄生容量が発生する。寄生容量は、パッド電極46と半導体層10との距離、パッド電極46の面積、そして両者間の層の誘電率に依存する。パッド電極46と半導体層10との間には、半導体(埋め込み層30)がある。従って、寄生容量の大きさは、埋め込み層30の誘電率で決まる。
【0032】
本実施形態では、パッド電極46と半導体層10との間に、半導体(埋め込み層30)より誘電率が小さい樹脂層34があるので、寄生容量を小さくすることができる。そのため、優れた高速応答を達成することができる。
【0033】
さらに、メサストライプ構造14の両側に樹脂層34が配置されているために、高周波駆動時における容量を低減することが可能となる。メサストライプ構造14に高周波電圧を印加したときに、電界はメサストライプ構造14の内部だけではなくその両脇にも広がる。メサストライプ構造14の両側がすべて埋め込み層30(半導体層)であった場合と比較して、誘電率が低い樹脂層34が配置されていることで、メサストライプ構造14の両脇の電界分布領域を低誘電率化できる。これは、動作の高速化に寄与する。本効果を得るためには、メサストライプ構造14の側面に配置される埋め込み層30の厚さは、10μm以下が望ましく、樹脂層34がない場合と比較して10%以上の帯域向上効果を得るために、5μm以下とすることがさらに望ましい。
【0034】
一対の樹脂層34がメサストライプ構造14の両側に配置されることは、パッド電極46を起因とする寄生容量を下げるだけではなく、メサストライプ構造14の両側に広がる電界分布領域の低容量化にも寄与する。その結果、高速応答性に優れた半導体光素子を提供することができる。
【0035】
さらに、埋め込み層30が第2半導体層26を含むので、凹部32の製造性に優れている。後述する製造方法で詳細に説明するが、第2半導体層26は、第1半導体層24および第3半導体層28と異なる材料であるため、凹部32の形成時にエッチング停止層として機能する。
【0036】
本実施形態においては、エッチング停止層として機能する第2半導体層26は、メサストライプ構造14の下方には配置されていない。多重量子井戸層20の下方の凸部12と半導体層10との間に、異なるバンドギャップを持つ層が含まれないために、電気的に影響を与えない。
【0037】
多重量子井戸層20を中心に導波する光は、埋め込み層30に広がる。第2半導体層26がメサストライプ構造14に近いと、光学的な影響を与える恐れがある。そのため、第2半導体層26は、多重量子井戸層20の側面から300nm以上離れた位置にあることが望ましい。また、第2半導体層26がエッチング停止層として機能しつつ、光学特性への影響を抑えるためには、第2半導体層26の厚さは5nm以下が好ましい。
【0038】
樹脂層34は、厚い方が、パッド電極46を起因とする寄生容量を低減することができる。しかし、樹脂層34が凹部32の周囲の埋め込み層30から盛り上がると、パッド電極46とメサ電極42との間に大きな段差(高低差)が生じる。その結果、引出電極44において電極の不連続(段切れ)が生じる恐れがある。そこで、盛り上がらないように樹脂層34を厚くするために、凹部32を深くすることが望ましい。凹部32の深さは、第2半導体層26の位置で決まる。一つの指針として、第2半導体層26を、半導体層10の上面(凸部12を除く)で、多重量子井戸層20の下端より低く配置することが好ましい。
【0039】
以上のように、半導体光素子は、埋め込み構造の利点である信頼性を保ちつつ、光学的・電気的特性への影響を与えることなく、容量成分の低減が可能になっており、これらは動作の高速化に寄与する。
【0040】
[製造方法]
図5図12は、第1の実施形態に係る半導体光素子の製造方法を説明する図である。本実施形態では、半導体光素子の多面取り製造を行うために、半導体層10をウエハ状で用意する。
【0041】
図5に示すように、半導体層10上に、多重量子井戸層20および上部クラッド層22を含む半導体多層を形成する。その形成方法は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法であっても、他の方法であっても構わない。また、メサストライプ構造14となる領域を覆うエッチングマスク48を形成する。
【0042】
図6に示すように、エッチングマスク48で覆われていない領域をエッチングし、メサストライプ構造14を形成する。ここでは、半導体層10の一部もエッチングして凸部12を形成している。
【0043】
図7に示すように、半導体層10の上で、メサストライプ構造14の両側に、第1半導体層24を形成する。第1半導体層24の構成材料はInPとした。形成方法は、MOCVD法であっても、他の方法であっても構わない。第1半導体層24は、半導体層10の上面及びメサストライプ構造14の側面に形成される。メサストライプ構造14に沿って立ち上がる第1半導体層24の側面は、上方に向けて、メサストライプ構造14に近づくように傾く。
【0044】
図8に示すように、第2半導体層26を第1半導体層24の上に形成する。第2半導体層26の構成材料はInGaAsとした。形成方法は、MOCVD法であっても、他の方法であっても構わない。第2半導体層26は、第1半導体層24の表面形状に沿って形成される。第2半導体層26は、第1半導体層24と比較して非常に薄いため、メサストライプ構造14の頂点までは及ばない。
【0045】
図9に示すように、第2半導体層26の上に第3半導体層28を形成する。第3半導体層28の構成材料はInPとした。形成方法は、MOCVD法であっても、他の方法であっても構わない。結晶成長は、第3半導体層28がメサストライプ構造14より高くなるまで行うが、メサストライプ構造14と同じ高さで止めてもよい。
【0046】
第1半導体層24と第3半導体層28は、メサストライプ構造14の上端部の隣で接触する。両者は同じInPからなるので、実際にはその界面は明確には見られない。そのため、図2では両者の界面を図示していないが、図9では、説明のために両者の界面を図示した。
【0047】
第2半導体層26は、メサストライプ構造14の上端部に隣接して、第1半導体層24を完全に覆ってもよい。その場合、第1半導体層24と第3半導体層28は接しないが、半導体光素子の特性には影響は及ぼさない。その後、エッチングマスク48を除去する。
【0048】
図10に示すように、エッチングマスク50を形成する。エッチングマスク50は、凹部32となる領域を除き、メサストライプ構造14の上端面および第3半導体層28を覆う。
【0049】
図11に示すように、エッチングを行って、第3半導体層28の一部を除去する。第3半導体層28の構成材料はInPである。第2半導体層26の構成材料はInPとは異なっており、選択エッチングを利用することでエッチングを第2半導体層26の表面で止めることができる。エッチングにより、凹部32が形成される。凹部32の深さ(底面の位置)は、正確に、第2半導体層26の表面となる。第2半導体層26の材料は、InGaAs、InGaAsPおよびInGaAlAsのいずれであっても構わない。その後、エッチングマスク50を除去する。
【0050】
図12に示すように、凹部32を含む表面全体に無機絶縁膜36を形成する。無機絶縁膜36は、埋め込み層30の上端、凹部32の内面、そしてメサストライプ構造14の上端面のすべてを覆う。その後、凹部32に樹脂層34を形成する。樹脂層34は無機絶縁膜36より高くなるように形成する。
【0051】
メサストライプ構造14の上端面で無機絶縁膜36を除去し(スルーホール形成)、第2電極40を形成する(図2参照)。第1電極38を半導体層10の下面(裏面)に形成する。その後、半導体ウエハを劈開する工程を経て、半導体光素子が得られる。
【0052】
[第2の実施形態]
図13は、第2の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。図14は、図13に示す半導体光素子のXIV-XIV線断面図である。
【0053】
無機スペーサ252が、パッド電極246と一対の樹脂層234の一方との間に介在する。無機スペーサ252は、例えば窒化シリコンからなり、樹脂層234よりもパッド電極246との密着性が高い。無機スペーサ252によって、パッド電極246を第1電極238から遠ざけて、パッド電極246を起因とする寄生容量をさらに低減する効果がある。無機スペーサ252は、平面形状において、パッド電極246より大きい。無機スペーサ252は、引出電極244の一部とも重畳する。
【0054】
無機スペーサ252は、端部がメサ電極242と重畳してもよいし、メサストライプ構造214に隣接する埋め込み層230の上まで延びていても構わない。引出電極244およびメサ電極242の一部が無機スペーサ252と重畳すれば、これらの領域の電極を起因とする寄生容量を低減することができる。逆に、無機スペーサ252は、パッド電極246より小さくても構わないが、パッド電極246を起因とする寄生容量の低減効果は弱くなる。
【0055】
メサ電極242の一部は、一対の樹脂層234の上にある。そのため、メサ電極242を起因とする寄生容量を低減することができる。第1の実施形態と比較して、メサ電極242が大きくなっているので、寄生容量が大きくなるが、位置ずれに対するトレランス(耐性)が高く、製造性に優れる。細いメサ電極242は、製造時のフォトマスクの位置合わせ精度の影響で、メサストライプ構造214の上端面からずれる恐れがある。
【0056】
[第3の実施形態]
図15は、第3の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。図16は、図15に示す半導体光素子のXVI-XVI線断面図である。図17は、図15に示す半導体光素子のXVII-XVII線断面図である。
【0057】
半導体光素子は、変調器集積型半導体レーザであり、EA変調器354および半導体レーザ356を有し、両者は一体的に集積されている。
【0058】
半導体光素子は、半導体レーザ356とEA変調器354の両者に跨るメサストライプ構造314を有する。半導体レーザ356は、メサストライプ構造314の一部を含む。半導体レーザ356は、EA変調器354に向けて連続光を出射するようになっている。半導体レーザ356の後方(EA変調器354とは反対側)にある、半導体光素子の後方端面316には、図示しない誘電体高反射膜が形成されているが、低反射膜が形成されても構わない。
【0059】
半導体レーザ356は、DFB(Distributed Feedback)レーザ、FP(Fabry-Perot)レーザ、DBR(Distributed Bragg Reflector)レーザおよびDR(Distributed Reflector)レーザのいずれであってもよく、1.3μm帯または1.55μm帯で発振するようになっている。ただし、波長帯はこれに限定はされず他の波長帯であっても構わない。
【0060】
半導体レーザ356は、多重量子井戸層320と、その上に設けられた回折格子層358を備えている。回折格子層358の上には上部クラッド層322が設けられ、回折格子間にもクラッド層が介在する。多重量子井戸層320の上下にはそれぞれ図示しない光閉じ込め層が設けられ、上部クラッド層322の上には図示しないコンタクト層が設けられる。半導体レーザ356はレーザ電極360を有する。レーザ電極360と第1電極338との間に電圧を印加することで、半導体レーザ356は連続光を発振する。
【0061】
半導体レーザ356は、埋め込み層330に凹部332を有しない。半導体レーザ356には直流電流が注入されるために、寄生容量は問題とならない。むしろ放熱性の観点で、メサストライプ構造314の側面はすべて半導体である埋め込み層330の方が好ましい。また、第2半導体層326は5nm以下としているために、半導体レーザ356の機能に与える影響はほとんどない。
【0062】
EA変調器354は、メサストライプ構造314の他の一部を含む。メサストライプ構造314は、半導体光素子を小型化するために、第2方向D2において半導体光素子の中心位置からずれている。EA変調器354のパッド電極346は、ワイヤボンディングのために、ある程度の面積を必要とする。ワイヤボンディングをするための電極は一つで十分であり、メサストライプ構造314を挟んだ逆側には広い電極は不要である。そのため、第1の実施形態と比較して左側の領域を小さくすることで、半導体光素子が小型化されている。これに伴い、一つの半導体ウエハから取得できる素子数を増加させることができ、コスト低減が可能になる。
【0063】
なお、第2の実施形態に示す半導体光素子の構造を、第3の実施形態のEA変調器354に適用しても構わない。その他の構成は、メサストライプ構造314が第2方向D2の中心に位置しない点を除いて、第1の実施形態に示した半導体光素子と同一である。
【0064】
[実施形態の概要]
(1)凸部12を上面に有し、前記凸部12は第1方向D1にストライプ状に延びてメサストライプ構造14の下端部を構成する半導体層10と、前記半導体層10の前記凸部12の上に前記第1方向D1に延び、前記メサストライプ構造14の他の部分を構成する多重量子井戸層20と、前記第1方向D1に直交する第2方向D2の両側で前記メサストライプ構造14にそれぞれ接触する一対の第1半導体層24と、前記第2方向D2に前記凸部12の両隣で、それぞれ、前記半導体層10の前記上面にある一対の第2半導体層26と、前記一対の第2半導体層26の上方にある一対の樹脂層34と、前記一対の第2半導体層26の上にあり、前記一対の樹脂層34の対応する1つの周囲にそれぞれがあり、前記一対の第2半導体層26とは構成材料において異なる一対の第3半導体層28と、前記半導体層10の下面にある第1電極38と、前記メサストライプ構造14の上端面にあるメサ電極42と、前記メサ電極42から前記第2方向D2に延びる引出電極44と、前記一対の樹脂層34の一方の上方にあって前記引出電極44に接続するパッド電極46と、を含む第2電極40と、を有する半導体光素子。
【0065】
一対の第1半導体層24、一対の第2半導体層26および一対の第3半導体層28に加えて、一対の樹脂層34によって、寄生容量を低減することができる。さらに、一対の第3半導体層28が、一対の第2半導体層26とは構成材料において異なる。そのため、一対の第3半導体層28のエッチングを、その下にある一対の第2半導体層26で止めることが容易になる。これにより、一対の樹脂層34の下地の高さのばらつきを抑えて、高信頼性を確保することができる。
【0066】
(2)(1)に記載された半導体光素子であって、前記一対の第1半導体層24、前記一対の第2半導体層26および前記一対の第3半導体層28は、前記多重量子井戸層20の埋め込み層30を構成し、前記埋め込み層30は、一対の凹部32を有し、前記一対の樹脂層34は、それぞれ、前記一対の凹部32に配置されている半導体光素子。
【0067】
(3)(1)又は(2)に記載された半導体光素子であって、前記一対の第3半導体層28のそれぞれは、前記第1方向D1および前記第2方向を含むあらゆる周方向から、前記一対の樹脂層34の対応する前記1つを囲む半導体光素子。
【0068】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の第3半導体層28のそれぞれは、前記第1方向D1および前記第2方向の少なくとも一方に露出する側面を有する半導体光素子。
【0069】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の第1半導体層24は、それぞれ、前記一対の第2半導体層26の下に延びて、前記半導体層10の前記上面に接触している半導体光素子。
【0070】
(6)(1)から(5)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の第2半導体層26のそれぞれは、前記一対の第1半導体層24の対応する1つと前記一対の樹脂層34の対応する1つの間に延びている半導体光素子。
【0071】
(7)(1)から(6)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の第1半導体層24は、前記構成材料において、前記一対の前記第2半導体層26と異なる半導体光素子。
【0072】
(8)(1)から(7)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の第3半導体層28は、前記構成材料において、前記一対の第1半導体層24と同じである半導体光素子。
【0073】
(9)(8)に記載された半導体光素子であって、前記一対の第3半導体層28のそれぞれは、前記一対の第1半導体層24の対応する1つと連続している半導体光素子。
【0074】
(10)(1)から(9)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の樹脂層34のそれぞれと前記一対の第2半導体層26の対応する1つとの間に介在する無機絶縁膜36をさらに有する半導体光素子。
【0075】
(11)(10)に記載された半導体光素子であって、前記無機絶縁膜36は、前記一対の樹脂層34のそれぞれと前記一対の第1半導体層24の対応する1つとの間にも介在する半導体光素子。
【0076】
(12)(10)又は(11)に記載された半導体光素子であって、前記無機絶縁膜36は、前記一対の樹脂層34のそれぞれと前記一対の第3半導体層28の対応する1つとの間にも介在する半導体光素子。
【0077】
(13)(1)から(12)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の第1半導体層24は、半絶縁性半導体からなる半導体光素子。
【0078】
(14)(1)から(13)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の第2半導体層26は、真性半導体からなる半導体光素子。
【0079】
(15)(1)から(14)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記パッド電極246と前記一対の樹脂層234の前記一方との間に介在する無機スペーサ252をさらに有する半導体光素子。
【0080】
(16)(1)から(15)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記半導体層10の前記上面は、前記凸部12を除いて、前記多重量子井戸層20の下端より低い半導体光素子。
【0081】
(17)(1)から(16)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記メサ電極242の一部は、前記一対の樹脂層234の上にある半導体光素子。
【0082】
(18)(1)から(17)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の樹脂層34は、前記半導体層10の前記上面からの高さにおいて、前記一対の第1半導体層24より高い半導体光素子。
【0083】
(19)(1)から(18)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記半導体光素子は、電界吸収型変調器である半導体光素子。
【0084】
(20)(19)に記載された半導体光素子であって、半導体レーザ356をさらに有し、前記電界吸収型変調器354および前記半導体レーザ356が一体的に集積された変調器集積型半導体レーザである半導体光素子。
【0085】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態を説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 半導体層、12 凸部、14 メサストライプ構造、16 後方端面、18 前方端面、20 多重量子井戸層、22 上部クラッド層、24 第1半導体層、26 第2半導体層、28 第3半導体層、30 埋め込み層、32 凹部、34 樹脂層、36 無機絶縁膜、38 第1電極、40 第2電極、42 メサ電極、44 引出電極、46 パッド電極、48 エッチングマスク、50 エッチングマスク、214 メサストライプ構造、230 埋め込み層、234 樹脂層、238 第1電極、242 メサ電極、244 引出電極、246 パッド電極、252 無機スペーサ、314 メサストライプ構造、316 後方端面、320 多重量子井戸層、322 上部クラッド層、326 第2半導体層、330 埋め込み層、332 凹部、338 第1電極、346 パッド電極、354 EA変調器、356 半導体レーザ、358 回折格子層、360 レーザ電極、D1 第1方向、D2 第2方向。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17