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特開2023-163107車両用ベルトアセンブリーおよび車両用機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163107
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】車両用ベルトアセンブリーおよび車両用機構
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20231101BHJP
   B62D 1/04 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B60R13/02 Z
B62D1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022122736
(22)【出願日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】202210453253.9
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522306860
【氏名又は名称】ヤンフェン インターナショナル オートモーティブ テクノロジー カンパニー リミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドン,シービン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シャオボー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ロッシュバッハ,トーマス
【テーマコード(参考)】
3D023
3D030
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB25
3D023BD31
3D030DA11
(57)【要約】
【課題】車両用ベルトアセンブリーおよびベルトアセンブリーを含む車両用機構を提供する。
【解決手段】ベルトアセンブリー(2)は、少なくとも2つの端部を有するベルト本体(20)を備え、そのうちの少なくとも1つはループがなく、ベルト本体(20)は、少なくとも1つの端部において固定された第1のアタッチメント(21)を備え、第1のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの端部において、ベルト本体の少なくとも1つの側面に対して段を形成し、第1のアタッチメント(21)は、ベルト本体(20)と共に、ベルトアセンブリーの第1の装着端部(22)を形成する。ベルトアセンブリーは、改善された外見および改善された正確さを有することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの端部を有するベルト本体を備える、車両用ベルトアセンブリーであって、前記少なくとも2つの端部のうちの少なくとも1つはループがなく、前記ベルト本体は、前記ベルト本体の前記少なくとも1つの端部に固定された第1のアタッチメントを備え、前記第1のアタッチメントは、前記ベルト本体の前記それぞれの端部において、前記ベルト本体の少なくとも1つの側面に対して段を形成し、前記第1のアタッチメントは、前記ベルト本体の前記それぞれの端部と共に、前記車両用ベルトアセンブリーの第1の装着端部を形成することを特徴とする、車両用ベルトアセンブリー。
【請求項2】
前記第1のアタッチメントは、前記ベルト本体の前記それぞれの端部において、前記ベルト本体の2つの互いに反対側にある側面のそれぞれに対して段を形成することを特徴とする、請求項1に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項3】
前記第1のアタッチメントは、前記ベルト本体と一体連結された、前記ベルト本体の前記それぞれの端部を囲むオーバーモールド部品であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項4】
前記第1のアタッチメントは、
‐前記ベルト本体の前記それぞれの端部において前記ベルト本体の第1の側面上に設けられ、前記第1の側面に対して第1の段を形成する、第1のアタッチメント部品と、
‐前記ベルト本体の前記それぞれの端部において、前記第1の側面の反対側の前記ベルト本体の第2の側面上に設けられ、前記第2の側面に対して第2の段を形成する、第2のアタッチメント部品とを備え、
前記第1のアタッチメント部品、前記ベルト本体の前記それぞれの端部、および前記第2のアタッチメント部品は、サンドイッチ構造を形成し、互いに固定して連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項5】
前記第1のアタッチメントの前記第1のアタッチメント部品と前記第2のアタッチメント部品とは互いに係合し、前記第1のアタッチメントの前記第1のアタッチメント部品および前記第2のアタッチメント部品の一方は係合溝を有し、前記第1のアタッチメントの前記第1のアタッチメント部品および前記第2のアタッチメント部品の他方は係合突出部を有し、前記係合突出部は、プレス嵌めされて、前記ベルト本体を貫通し、前記係合溝に挿入されていることを特徴とする、請求項4に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項6】
前記第1のアタッチメントの前記第1のアタッチメント部品と前記第2のアタッチメント部品とは、前記ベルト本体を貫通する締結具によって互いに固定されていることを特徴とする、請求項4に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項7】
前記第1のアタッチメントの前記第1のアタッチメント部品および前記第2のアタッチメント部品の一方は、前記ベルト本体を貫通するねじ状スリーブを有し、前記第1のアタッチメントの前記第1のアタッチメント部品および前記第2のアタッチメント部品の他方は、ねじ状スリーブを受容するための凹所を有し、前記締結具は、前記他方のアタッチメント部品から前記ねじ状スリーブにねじ込まれるねじボルトであることを特徴とする、請求項6に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項8】
前記ベルト本体は、直線的に延び、2つの互いに反対側にある端部を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項9】
前記ベルト本体の前記少なくとも2つの端部のうちの他方の端部はループがなく、前記ベルト本体は、前記他方の端部において固定された第2のアタッチメントを備え、前記第2のアタッチメントは、前記ベルト本体の前記それぞれの他方の端部と共に、前記ベルトアセンブリーの第2の装着端部を形成し、前記第2の装着端部は装着孔を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項10】
前記第2のアタッチメントは、前記ベルト本体の前記それぞれの他方の端部において、前記ベルト本体の少なくとも1つの側面に対して段を形成し、
前記第2のアタッチメントは、前記ベルト本体と一体連結された、前記ベルト本体の前記それぞれの他方の端部を囲むオーバーモールド部品であることを特徴とする、請求項9に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項11】
前記ベルト本体は、直線的に延び、2つの互いに反対側にある端部を有し、
前記ベルト本体の第1の端部はループがなく、前記ベルト本体は前記第1の端部に固定された前記第1のアタッチメントを備え、前記第1のアタッチメントと共に前記第1の装着端部を形成し、
前記ベルト本体の第2の端部はループがなく、前記ベルト本体は、前記第2の端部に固定された前記第2のアタッチメントを備え、前記第2のアタッチメントと共に前記第2の装着端部を形成することを特徴とする、請求項9に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項12】
前記装着孔は長円形の孔であり、前記長円形の孔の長軸は、前記ベルト本体の長手方向に平行に延在することを特徴とする、請求項9に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項13】
前記ベルトアセンブリーは、車両のステアリングホイール用の装飾部材であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ベルトアセンブリー。
【請求項14】
車両用機構であって、前記車両用機構は、
‐受容溝を有する第1の受容部材と、
‐請求項1に記載の前記車両用ベルトアセンブリーであって、前記第1の装着端部を用いて前記受容溝に装着される、前記ベルトアセンブリーと、
‐前記ベルトアセンブリーが前記第1の装着端部を用いて前記受容溝に装着された後に前記受容溝に装着できる、ブロッキング部材とを備え、
前記ブロッキング部材は、前記受容溝内で前記ベルトアセンブリーの前記第1の装着端部の位置を少なくとも保持し、前記第1の受容部材および前記ブロッキング部材のうちの少なくとも一方は、前記第1の装着端部を前記受容溝から引き出す方向において前記ベルトアセンブリーの前記第1の装着端部を保持するために、前記ベルト本体の前記第1の装着端部の前記少なくとも1つの段と協働する止め具を少なくとも1つ有することを特徴とする、機構。
【請求項15】
‐前記第1の受容部材は、前記ベルト本体の第1の側面上にある前記第1の装着端部の第1の段と協働する、第1の止め具を有し、
‐前記ブロッキング部材は、前記第1の側面の反対側の前記ベルト本体の第2の側面上にある前記第1の装着端部の第2の段と協働する、第2の止め具を有することを特徴とする、請求項14に記載の車両用機構。
【請求項16】
前記車両用機構は、受容孔を有する第2の受容部材を備え、
前記ベルトアセンブリーは、請求項9に記載の前記車両用ベルトアセンブリーであり、前記第2の装着端部を用いて締結具によって前記第2の受容部材に装着され、
前記締結具は、前記装着孔を通して前記受容孔に挿入されることを特徴とする、請求項14に記載の車両用機構。
【請求項17】
前記締結具はねじボルトであり、前記受容孔はねじ孔であることを特徴とする、請求項16に記載の車両用機構。
【請求項18】
前記第2の受容部材は、互いに反対側にある第1および第2の側面を有するプレート形状部分を有し、前記プレート形状部分は、前記第1の側面に装着面を有し、前記受容孔が前記プレート形状部分を貫通し、前記プレート形状部分の前記第2の側面から突出する円筒部分の中に延び、
前記ベルト本体が張った状態では、前記ベルトアセンブリーの前記第2の装着端部は、前記装着面上に着座し、前記第2の装着端部のうちの、前記第2の受容部材を向く面は、前記装着面と内角を形成し、前記締結具を動作させることによって、前記ベルト本体の張力を調節するために前記内角を変更できることを特徴とする、請求項16に記載の車両用機構。
【請求項19】
前記第2の受容部材は、前記プレート形状部分からその前記第1の側面に向かって曲げられたガイド部分を有し、前記ガイド部分は、前記ベルト本体を張った状態で案内するように構成されていることを特徴とする、請求項18に記載の車両用機構。
【請求項20】
前記ガイド部分はガイド溝を有し、前記ガイド溝は、横向きに延びるガイド縁部と、前記ガイド縁部から突出する2つのガイドレッグとを有し、前記ガイド縁部は、前記ベルト本体の2つの側面のうちの一方を前記張った状態で案内するように構成されており、各ガイドレッグは、前記ベルト本体の長手方向の縁部の一方を前記張った状態で案内するように構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の車両用機構。
【請求項21】
前記第2の受容部材は、前記プレート形状部分からその前記第2の側面に向かって曲げられた装着部分を有し、前記装着部分は、前記第2の受容部材を装着するように構成されていることを特徴とする、請求項18に記載の車両用機構。
【請求項22】
前記車両用機構は車両用ステアリングホイールであり、前記第1の受容部材は、前記ステアリングホイールのリムと関連付けられ、前記第2の受容部材は、前記ステアリングホイールの中央のハブと関連付けられることを特徴とする、請求項16に記載の車両用機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両用ベルトアセンブリーおよびベルトアセンブリーを含む車両用機構に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、実際の公知のベルトアセンブリー1の部分斜視図である。ベルトアセンブリー1は可撓性のベルト本体11を有し、ベルト本体11は、ループを形成するように、端部で折りたたまれ、少なくとも1本、特に少なくとも2本の、縫い糸13によって縫われている。金属ピン12などのアタッチメントにベルト本体が巻き付けられ、ループ状に保持されている。このような公知のベルトアセンブリーは正確さが低い。ベルトアセンブリーの長さは簡単には制御できない。ベルトアセンブリーは必要とする空間が大きいことがある。さらに、そのベルトアセンブリーでは、縫い糸が露出されており、そのことはベルトアセンブリーの外見に有益ではない。ベルト本体に模様があるときは、その模様が縫い糸によって悪影響を受ける場合がある。
【0003】
特許文献1には、車両のステアリングホイール用のベルトアセンブリーが開示されており、そのアセンブリーでは、ベルト本体が、その端部のそれぞれにループを形成するように、折りたたまれ、縫い糸によって縫われており、シート様の金属アタッチメントにベルト本体が巻き付けられ、ループ状に保持されている。そのベルトアセンブリーは、前の段落で言及した欠点を有することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案第214355853号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、本発明によるベルトアセンブリーによって先行技術のベルトアセンブリーの欠点のうちの少なくとも1つを克服できる、改善型の車両用ベルトアセンブリーおよびベルトアセンブリーを含む車両用機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、車両用ベルトアセンブリーに関し、そのベルトアセンブリーは、少なくとも2つの端部を有するベルト本体を備え、それら端部のうちの少なくとも1つはループがなく、ベルト本体は、ベルト本体の少なくとも1つの端部に固定された第1のアタッチメントを備え、第1のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの端部において、ベルト本体の少なくとも1つの側面に対して段を形成し、第1のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの端部と共に、ベルトアセンブリーの第1の装着端部を形成する。
【0007】
本発明によるベルトアセンブリーでは、ベルトアセンブリーのそれぞれの端部において、先行技術で行われていたようにベルト本体が折りたたまれ、縫い糸によって縫われ、ループを形成することが必要ない。対照的に、第1のアタッチメントは、相対移動なしに、ベルト本体の平坦なそれぞれの端部と平面接触状態にあり、その端部と固定して連結されてよい。本発明によるベルトアセンブリーは、その第1の装着端部で、改善された外見を有することができる。本発明によるベルトアセンブリーは、改善された正確さを有することができる。例えば、その長さを正確に決定することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの端部において、ベルト本体の2つの互いに反対側にある側面のそれぞれに対して段を形成してよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの端部において、ベルト本体の2つの互いに反対側にある側面のうちの一方だけに対して単一の段を形成してよく、ベルト本体の他方の側面に対して段を形成しない。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの端部を囲むオーバーモールド部品でよく、そのオーバーモールド部品はベルト本体と一体連結されている。第1のアタッチメントは、射出成形プロセスによってコスト効率良く形成できる。生産プロセスで、ベルト本体のそれぞれの端部が射出成形されてよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントは、
‐ベルト本体のそれぞれの端部においてベルト本体の第1の側面上に設けられ、第1の側面に対して第1の段を形成する、第1のアタッチメント部品と、
‐ベルト本体のそれぞれの端部において、第1の側面の反対側のベルト本体の第2の側面上に設けられ、第2の側面に対して第2の段を形成する、第2のアタッチメント部品とを含んでよく、
第1のアタッチメント部品、ベルト本体のそれぞれの端部、および第2のアタッチメント部品は、サンドイッチ構造を形成し、互いに固定して連結されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントの第1のアタッチメント部品と第2のアタッチメント部品とは互いに係合してよく、第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の一方は係合溝を有し、第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の他方は係合突出部を有し、係合突出部は、プレス嵌めされて、ベルト本体を貫通し、係合溝に挿入されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントの第1のアタッチメント部品と第2のアタッチメント部品とは、ベルト本体を貫通する締結具によって互いに固定されてよい。締結具は、例えば、ボルト、リベット、ピン、めくら栓(expansion plug)などでよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の一方は、ベルト本体を貫通するねじ状スリーブを有してよく、第1のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の他方は、ねじ状スリーブを受容するための凹所を有してよく、締結具は、他方のアタッチメント部品からねじ状スリーブにねじ込まれるねじボルトである。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の少なくとも一方は、ベルト本体と接合されてよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のアタッチメントの第1のアタッチメント部品と第2のアタッチメント部品とは、互いに接合および/または溶着されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、ベルト本体は、直線的に延び、2つの互いに反対側にある端部を有してよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、ベルト本体の少なくとも2つの端部のうちの他方の端部はループがなくてよく、ベルト本体は、他方の端部において固定された第2のアタッチメントを備えてよく、第2のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの他方の端部と共に、ベルトアセンブリーの第2の装着端部を形成する。任意選択で、第2の装着端部は装着孔を有してよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの他方の端部において、ベルト本体の少なくとも1つの側面に対して段を形成してよい。例えば、第2のアタッチメントは、ベルト本体の1つの側面のみに対して単一の段をまたはベルト本体の2つの側面のそれぞれに対して段を形成してよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2のアタッチメントは、ベルト本体のそれぞれの他方の端部を囲むオーバーモールド部品でよく、そのオーバーモールド部品はベルト本体と一体連結されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2のアタッチメントは、
‐ベルト本体のそれぞれの他方の端部においてベルト本体の第1の側面上に設けられた、第1のアタッチメント部品と、
‐ベルト本体のそれぞれの他方の端部において、第1の側面の反対側のベルト本体の第2の側面上に設けられた、第2のアタッチメント部品とを含んでよく、
第1のアタッチメント部品、ベルト本体のそれぞれの他方の端部、および第2のアタッチメント部品は、サンドイッチ構造を形成し、互いに固定して連結されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、第2のアタッチメントの第1のアタッチメント部品と第2のアタッチメント部品とは互いに係合してよく、第2のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の一方は係合溝を有し、第2のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の他方は係合突出部を有し、係合突出部は、プレス嵌めされて、ベルト本体を貫通し、係合溝に挿入されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2のアタッチメントの第1のアタッチメント部品と第2のアタッチメント部品とは、ベルト本体を貫通する締結具によって互いに固定されてよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の一方は、ベルト本体を貫通するねじ状スリーブを有してよく、第2のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の他方は、ねじ状スリーブを受容するための凹所を有してよく、締結具は、他方のアタッチメント部品からねじ状スリーブにねじ込まれるねじボルトである。
【0025】
いくつかの実施形態では、第2のアタッチメントの第1のアタッチメント部品および第2のアタッチメント部品の少なくとも一方は、ベルト本体と接合されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、ベルト本体の第1の端部はループがなくてよく、固定された第1のアタッチメントを備え、第1のアタッチメントと共に第1の装着端部を形成し、ベルト本体の第2の端部はループがなくてよく、固定された第2のアタッチメントを備え、第2のアタッチメントと共に第2の装着端部を形成する。
【0027】
いくつかの実施形態では、ベルト本体の端部のそれぞれは、固定された第1のアタッチメントを備えてよく、アタッチメントと共に第1の装着端部を形成する。
【0028】
いくつかの実施形態では、装着孔は長円形の孔でよく、長円形の孔の長軸は、ベルト本体の長手方向に平行に延在する。
【0029】
いくつかの実施形態では、ベルトアセンブリーは、車両用の機能部材または装飾部材でよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ベルトアセンブリーは、車両座席の背もたれのために構成されていてよく、背もたれフレームが、ベルトアセンブリーの2つの装着端部との連結のための2つの受容部材を備えてよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、ベルトアセンブリーは、車両のサイドドアのために構成されていてよく、サイドドアのシートメタル部分が、ベルトアセンブリーの2つの装着端部との連結のために2つの受容部材を備えてよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ベルトアセンブリーは、車両のステアリングホイール用の装飾部材でよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの端部のうちの他方の端部は、アタッチメントを備えなくてよく、装着端部を形成しない。例えば、他方の端部は、ベルトアセンブリーによって車両内で吊すことができる布帛製の装飾部品を備えてよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの端部のうちの他方の端部は、第1の装着端部とは異なる装着端部を備えてよく、その異なる装着端部は第1の装着端部と同じ外形を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの端部のうちの他方の端部は、第1の装着端部とは異なる装着端部を備えてよく、その異なる装着端部は、第1の装着端部とは異なる外形を有する。いくつかの実施形態では、アタッチメント、したがって、対応する装着端部は、2つの互いに反対側にある平坦な側面を有してよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、アタッチメントは、1部片でもよく複数部片を備えてもよいブロック体でよく、ブロック体は拡張面積および厚さを有してよく、ブロック体の厚さ方向はベルト本体の厚さ方向に相当する。任意選択で、ブロック体は、一体射出成形部品または鋳造金属部品でよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第2の装着端部の装着孔は非円形の孔でよい。
【0038】
本発明の第2の態様は車両用機構に関し、その車両用機構は、
‐受容溝を有する第1の受容部材と、
‐本発明の実施形態のうちのいずれか1つに記載のベルトアセンブリーであって、その第1の装着端部を用いて受容溝に挿入される、ベルトアセンブリーと、
‐ベルトアセンブリーがその第1の装着端部を用いて受容溝に挿入された後に受容溝に挿入できる、ブロッキング部材と
を備え、
ブロッキング部材は、受容溝内でベルトアセンブリーの第1の装着端部の位置を少なくとも保持し、第1の受容部材およびブロッキング部材のうちの少なくとも一方は、第1の装着端部を受容溝から引き出す方向にベルトアセンブリーの第1の装着端部を保持するために、ベルトアセンブリーの第1の装着端部の少なくとも1つの段と協働する止め具を少なくとも1つ有する。
【0039】
言い換えれば、ブロッキング部材は、第1の装着端部の引き出す方向に垂直な2次元において受容溝内で第1の装着端部を確実に位置決めでき、第1の受容部材に設けられた少なくとも1つの止め具および/またはブロッキング部材は、引き出す方向において第1の装着端部を位置決めすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の受容部材は、ベルト本体の第1の側面上にある第1の装着端部の第1の段と協働する、第1の止め具を有してよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、ブロッキング部材は、第1の側面の反対側のベルト本体の第2の側面上にある第1の装着端部の第2の段と協働する、第2の止め具を有してよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、車両用機構は、受容孔を有する第2の受容部材を含んでよく、ベルトアセンブリーは、その第2の装着端部を用いて締結具によって第2の受容部材に装着され、締結具は、装着孔を通して受容孔に挿入される。
【0043】
いくつかの実施形態では、締結具は、ねじボルト、ピン、めくら栓などでよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、受容孔はねじ孔でよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、第2の受容部材は、互いに反対側にある第1および第2の側面を有するプレート形状部分を有してよく、プレート形状部分は、その第1の側面に装着面を有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、受容孔は、プレート形状部分を貫通し、好ましくは、プレート形状部分の第2の側面から突出する円筒部分の中に延びる。
【0047】
いくつかの実施形態では、ベルト本体が張った状態では、ベルトアセンブリーの第2の装着端部は、装着面上に着座でき、第2の装着端部のうちの、第2の受容部材を向く面は、装着面と内角を形成し、内角は、締結具を動作させることによって、ベルト本体の調節するために変更可能である。
【0048】
いくつかの実施形態では、第2の受容部材は、プレート形状部分からその第1の側面に向かって曲げられたガイド部分を有してよく、ガイド部分は、ベルト本体を張った状態で案内するように構成されている。
【0049】
いくつかの実施形態では、ガイド部分はガイド溝を有してよく、ガイド溝は、横向きに延びるガイド縁部と、ガイド縁部から延びる2つのガイドレッグとを有してよく、ガイド縁部は、ベルト本体の2つの側面のうちの一方を張った状態で案内するように構成されており、各ガイドレッグは、ベルト本体の長手方向の縁部の一方を張った状態で案内するように構成されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、第2の受容部材は、プレート形状部分から第2の側面に向かって曲げられた装着部分を有してよく、装着部分は、第2の受容部材を装着するように構成されている。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の受容部材および/もしくは第2の受容部材ならびに/またはブロッキング部材は、金属製、プラスチック製または複合材料製でよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、車両用機構は、車両用ステアリングホイールでよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1の受容部材は、ステアリングホイールのリムと関連付けられてよく、かつ/または第2の受容部材は、ステアリングホイールの中央のハブと関連付けられてよい。
【0054】
本発明は、本発明の実施形態のいずれか1つによる車両用ベルトアセンブリーを備える自動車、または本発明の実施形態のいずれか1つによる車両用機構も含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、車両は、専ら内燃機関によって動作可能な車両、ハイブリッド車または純粋電気自動車(BEV)などの乗用車でよい。
【0056】
前述の技術的特徴、以下に言及することになる技術的特徴および図面にのみ示される技術的特徴は、組み合わせられる技術的特徴が互いに相反しない限り、適宜、互いに組み合わせることができる。考えられる特徴の組み合わせはいずれも、本願に明示的に記録される技術的内容である。同じ1つの表現の中の下位特徴のいずれか1つは、独立して利用でき、必ずしも他の下位特徴と一緒に利用されるとは限らない。
【0057】
ここで、概略的な図面を参照しながら、例示的な実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】公知のベルトアセンブリーの部分斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるベルトアセンブリーの平面図である。
図3】本発明の一実施形態による、図2のベルトアセンブリーを含むステアリングホイールの斜視図である。
図4】ベルトアセンブリーの装着端部の領域における、ベルトアセンブリーの長手方向中央線に沿った、図3のステアリングホイールの部分断面図である。
図5】ベルトアセンブリーの装着端部の領域における、ベルトアセンブリーの長手方向中央線に沿った、図3のステアリングホイールの部分断面図である。
図6図3の車両用機構の第2の受容部材の斜視図である。
図7】第1の装着端部の領域における、本発明の第2の実施形態によるベルトアセンブリーの長手方向部分断面図である。
図8】第1の装着端部の領域における、本発明の第3の実施形態によるベルトアセンブリーの長手方向部分断面図である。
図9】本発明の第4の実施形態によるベルトアセンブリーの平面図である。
図10】本発明の第5の実施形態によるベルトアセンブリーの平面図である。
図11】本発明の第6の実施形態によるベルトアセンブリーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
添付の図面を参照しながら例示的な実施形態をより詳細に説明する。図面では、同じ参照符号は同一かまたは機能的に同一の構成要素を指すことがある。図のいずれか1つを参照しながら実施形態を説明する際に、他の図を参照することがある。ある図の説明で言及する構成要素および/または参照符号がそのある図に現れない場合は、他の図の、同一かまたは機能的に同一の、構成要素および/または対応する参照符号を参照してよい。
【0060】
まず、図2から図6を参照すると、本発明の第1の実施形態による車両用ベルトアセンブリー2および本発明の一実施形態によるステアリングホイール6が記載されている。ステアリングホイールは、ベルトアセンブリー2を含む、車両用の例示的な車両用機構である。車両(図示せず)は、自動車、特に、乗用車でよい。
【0061】
ベルトアセンブリー2は可撓性のベルト本体20を含み、ベルト本体20は、直線的に延び、実質的に一定の幅を有し、2つの互いに反対側にある端部を有する。ベルト本体20は、2つの端部のそれぞれに固定されたアタッチメント21、23を備える。アタッチメント21、23は、プラスチック射出成形プロセスによって、オーバーモールド部品の形態で、ベルト本体20のそれぞれの端部と一体連結されており、それゆえ、ベルトアセンブリー2の第1の装着端部22および第2の装着端部24が形成される。第2の装着端部24には装着孔25がある。装着孔25は長円形の貫通孔として形成されてよく、長円形の貫通孔の長軸は、ベルト本体20の長手方向に実質的に平行に延在してよい。いくつかの実施形態では、車両の安全ベルトと同じかまたは同様の材料をベルト本体20の材料として用いてよい。いくつかの実施形態では、ベルト本体20の材料は、実質的に弾性がなくてもよく、所定の弾性があってもよい。
【0062】
ベルトアセンブリー2の2つの装着端部22、24の構造の詳細は図4および図5で見ることができる。図4は、ベルトアセンブリー2をステアリングホイール6で例示的に利用したときの、ベルトアセンブリー2の第1の装着端部22の領域における、ベルトアセンブリー2の長手方向中央線に沿った長手方向部分断面図であり、図5は、ステアリングホイール6で例示的に利用したときの、ベルトアセンブリー2の第2の装着端部24の領域における、ベルトアセンブリー2の長手方向中央線に沿った長手方向部分断面図である。
【0063】
図4に示すように、ベルトアセンブリー2の第1の装着端部22では、オーバーモールド部品の形態の第1のアタッチメント21は、ベルト本体20の第1の端部に、ベルト本体20の2つの側面のそれぞれに対して段を形成することができる。同様に、図5に示すように、ベルトアセンブリー2の第2の装着端部24では、オーバーモールド部品の形態の第2のアタッチメント23は、第1の端部の反対側のベルト本体20の第2の端部に、ベルト本体20の2つの側面のそれぞれに対して段を形成することができる。第2の装着端部24の段が任意選択であることが理解できる。図示しない実施形態では、第2の装着端部24には段がなくてよい。
【0064】
図示しない変形例では、オーバーモールド部品の代わりに、ベルト本体20の第1の端部において、第1のアタッチメント21は、ベルト本体20の1つの側面上でのみ、射出成形部品(側方射出成形部品)の形態でベルト本体20と一体連結されており、したがって、本変形例によれば、ベルトアセンブリー2の第1の装着端部22は、ベルト本体20の1つの側面(第1の側面26または第2の側面27)上にのみ、段を1つだけ有する。
【0065】
図2に示す実施形態では、第1の装着端部22と第2の装着端部24とは異なる外形を有する。図示しない変形例では、第1の装着端部を修正して、図2に示す第2の装着端部24と同じ外形にしてよい。図2の第1の装着端部22と同様に、修正された第1の装着端部には装着孔がない。
【0066】
図示しない別の変形例では、ベルト本体20は、その第1の端部に、図2に示すような第1のアタッチメント21を備えてよく、それゆえ、ベルトアセンブリーは第1の装着端部を有し、ベルト本体20は、その第2の端部に、図2に示すような第2のアタッチメント23を備えなくてよく、したがって、ベルトアセンブリーは第2の装着端部を有しない。そこでは、ベルト本体20の第2の端部は、自由端として構成されてもよく、布帛製の装飾部品など、装飾部品を備えてもよい。
【0067】
図3は、車両用のステアリングホイール6を提供する、本発明の一実施形態によるベルトアセンブリー2を含む車両用機構の斜視図であり、ベルトアセンブリー2はステアリングホイール6の装飾部材を形成する。ステアリングホイール6は、リム61および中央ハブ62を有し、それらは2つのスポーク63によって連結されており、スポーク63には様々な動作要素が設けられていてよい。中央ハブ62では、構造ユニット(図示せず)が装着されよく、その構造ユニットは、運転者用エアバッグおよび車両ホーン用のホーン起動デバイスを含んでよい。
【0068】
図3および図4に示すように、ベルトアセンブリー2は、その第1の装着端部22を用いて、ステアリングホイール6のリム61に分離可能なように装着されてよい。そのために、ステアリングホイール6のリム61は、第1の受容部材3を備えてよい。第1の受容部材3は、リム61の骨組みの一体部品でもよく、骨組み上の射出成形部品でもよく、別個の構成要素としてリム61に装着されてもよい。第1の受容部材3は、受容溝30と、受容溝30の溝壁から延びる突出部とを有してよく、その突出部は第1の止め具31を形成してよい。ベルトアセンブリー2は、その第1の装着端部22を用いて、第1の受容部材3の受容溝30に挿入できる。第1の止め具31は、ベルト本体20の第1の側面26上にある、第1の装着端部22の第1の段221と協働することができる。ベルトアセンブリー2がその第1の装着端部22を用いて第1の受容部材3の受容溝30に挿入された後に、受容溝30中にブロッキング部材4を挿入することができる。ブロッキング部材4は、第1の装着端部22が受容溝30内で、第1の装着端部22を受容溝30から引き出す方向に垂直な方向に移動できないように、受容溝30内でベルトアセンブリー2の第1の装着端部22の位置を保持することができる。ブロッキング部材4は、第2の止め具41を有してよく、第2の止め具41は、第1の側面26の反対側のベルト本体20の第2の側面27上にある、第1の装着端部22の第2の段222と協働してよい。第2の止め具41は、ブロッキング部材4の段として構成されてよい。第1の装着端部22は、2つの止め具31、41および第1の装着端部22の2つの段221、222の協働によって、受容溝30から引き出すことができず、それゆえ、受容溝30にしっかりと保持することができる。ブロッキング部材4は、ステアリングホイール6のリム61に任意の適切な手法で保持されてよい。例えば、ブロッキング部材4は、ねじ連結またはスナップ嵌め連結によって、リム61に分離可能なように保持されてよい。ベルトアセンブリー2を交換する必要がある場合は、ブロッキング部材4をリム61から分離してよく、次いで、受容溝30から第1の装着端部22を取り出してよい。
【0069】
図3および図5に示すように、ベルトアセンブリー2は、その第2の装着端部24を用いて、ステアリングホイール6の中央でハブ62に分離可能なように装着できる。そのために、ハブ62は第2の受容部材5を備えてよい。図5は、ステアリングホイール6の中央のハブ62における、ベルトアセンブリー2の第2の装着端部24の連結構造を示す。図6は例示的な第2の受容部材5の斜視図である。
【0070】
第2の受容部材5は、互いに反対側にある第1の側面および第2の側面を有するプレート様部分51を有してよく、プレート様部分51はその第1の側面上に装着面54を有する。受容孔55がプレート様部分51を貫通し、プレート様部分51の第2の側面から突出する円筒部分56の中に延びる。第2の装着端部24がねじボルト7によって第2の受容部材5に装着されるときは、受容孔55はねじ孔でよく、ねじボルト7は、第2の装着端部24の装着孔25を通して受容孔55中にねじ込まれる。
【0071】
第2の受容部材5は、プレート様部分51からその第1の側面に向かって曲げられたガイド部分52を有してよく、ガイド部分52は、ベルト本体20を張った状態で案内するように構成されている。ガイド部分52はガイド溝50を有してよく、ガイド溝50は、横向きに延びるガイド縁部58と、ガイド縁部58から延びる2つのガイドレッグ57とを有してよい。ガイド縁部58は、ベルト本体20の第1の側面26がガイド縁部58に沿って摺動できるように、ベルト本体20の上側の第1の側面26を張った状態で案内するように構成されている。各ガイドレッグ57は、ベルト本体20の2つの長手方向の縁部28の一方を張った状態で案内するように構成されている。ベルト本体20の視認できる部分は、ベルト本体20を案内するガイド部分52によって、その位置および向きを維持することができる。
【0072】
ベルト本体20が張った状態では、ベルトアセンブリー2の第2の装着端部24は、その端部の縁部を用いて、プレート様部分51の平坦な装着面54上に着座することができる。第2の装着端部24のうちの、第2の受容部材5を向く平坦な側面は、装着面54と内角を形成してよい。ねじボルト7を動作させることによって、ベルト本体20の張力を調節するために内角を変更できる。例えば、ベルトアセンブリー2の性能がその使用中に低下し、それゆえ、たるんだ場合は、受容孔55にねじボルト7を適切にねじ込むことができ、そうすることで、ベルト本体20を所定の張力の程度に維持できる。そこでは、それに対応して内角が小さくなる。ねじボルト7は戻り止め可能でよい。代替的または付加的に、ねじボルト7は緩み防止手段を備えてよい。
【0073】
第2の受容部材5は、プレート様部分51からその第2の側面に向かって曲げられた装着部分53を有してよく、装着部分53は、ステアリングホイール6の中央で、第2の受容部材5をハブ62に装着するように構成されている。そのために、装着部分53は、複数の装着孔を有してよく、複数の締結具によってハブ62としっかりと固定されてよい。
【0074】
図7は、第1の装着端部22aの領域における、本発明の第2の実施形態によるベルトアセンブリー2aの長手方向断面図である。第1のアタッチメント21aは、第1の装着端部22aを形成しながら、ベルト本体20aの第1の端部に取り付けられている。第1のアタッチメント21aは、第1のアタッチメント部分71および第2のアタッチメント部分72を含む。第1のアタッチメント部分71は、ベルト本体20aの第1の端部で、ベルト本体20aの第1の側面26a上に設けられ、第1の側面26aに対する第1の段221aを形成する。第2のアタッチメント部分72は、ベルト本体20aの第1の端部で、第1の側面26aの反対側のベルト本体20aの第2の側面27a上に設けられ、第2の側面27aに対する第2の段222aを形成する。第1のアタッチメント部品71、ベルト本体20aの第1の端部、および第2のアタッチメント部品72は、サンドイッチ構造を形成し、互いに固定して連結されている。そのために、第1のアタッチメント部品71と第2のアタッチメント部品72とは、締結具75によって互いに固定されてよい。第2のアタッチメント部品72はねじ状スリーブ73を有してよく、第1のアタッチメント部品71はねじ状スリーブ73を受容するための凹所74を有してよい。ねじ状スリーブ73は、ベルト本体20aの開口部76を貫通し、凹所74に挿入されている。図7に示す実施形態では、締結具75は、第1のアタッチメント部分71からねじ状スリーブ73中にねじ込まれる、ねじボルトである。付加的に、ベルトアセンブリー2aの生産プロセスで、ベルト本体20aの第1の端部が第2のアタッチメント部品72に着座する前に、ベルト本体20aの第1の端部に接着剤が塗布されてよく、硬化した接着剤は、ベルト本体20aと第2のアタッチメント部品72とを接合するために接着層70を形成してよい。第1のアタッチメント21aとベルト本体20aの第1の端部との間の固定された連結は、1つの締結具75または複数の締結具75によって実現されてよい。例えば、ベルト本体20aの幅方向では、第1の装着端部22aの中央に1つの締結具75を配設してもよく、2つの締結具75を横に並べて配設してもよい。
【0075】
ベルトアセンブリー2aは、第1の装着端部22aの反対側に第2の装着端部(図示せず)を有してよい。第2の装着端部は、第1の装着端部22aと同様の連結構造を有してよく、第1の実施形態によるベルトアセンブリー2の第2の装着端部24と同じかまたは同様の外形および装着孔25を有してよい。
【0076】
図8は、第1の装着端部22bの領域における、本発明の第3の実施形態によるベルトアセンブリー2bの長手方向断面図である。第1のアタッチメント21bは、第1の装着端部22bを形成しながら、ベルト本体20bの第1の端部に取り付けられている。第1のアタッチメント21bは、第1のアタッチメント部分81および第2のアタッチメント部分82を含む。第1のアタッチメント部品81は、ベルト本体20bの第1の端部で、ベルト本体20bの第1の側面26b上に設けられ、第1の側面26bに対する第1の段221bを形成する。第2のアタッチメント部品82は、ベルト本体20bの第1の端部で、第1の側面26bの反対側のベルト本体20bの第2の側面27b上に設けられ、第2の側面27bに対する第2の段222bを形成する。第1のアタッチメント部品81、ベルト本体20bの第1の端部、および第2のアタッチメント部品82は、サンドイッチ構造を形成し、互いに固定して連結されている。そのために、第1のアタッチメント部品81と第2のアタッチメント部品82とは互いに係合してよい。第1のアタッチメント部品81は係合溝84を有してよく、第2のアタッチメント部品は係合突出部83を有してよく、係合突出部83は、プレス嵌めされて、ベルト本体20bの開口部85を通して係合溝84に挿入される。付加的に、ベルトアセンブリー2bの生産プロセスで、ベルト本体20bの第1の端部が第2のアタッチメント部品82に着座する前に、ベルト本体20bの第1の端部に接着剤が塗布されてよく、硬化した接着剤は、ベルト本体20bを第2のアタッチメント部品82と接合するために接着層80を形成してよい。第1のアタッチメント21bとベルト本体20bの第1の端部との間の固定された連結は、単一の係合構造によって実現することができる。例えば、ベルト本体20bの幅方向では、第1の装着端部22bの中央に1つの係合構造を配置してもよく、2つの係合構造を横に並べて配置してもよい。
【0077】
ベルトアセンブリー2bは、第1の装着端部22bの反対側に第2の装着端部(図示せず)を有してよい。第2の装着端部は、第1の装着端部22bと同様の連結構造を有してよく、第1の実施形態によるベルトアセンブリー2の第2の装着端部24と同じかまたは同様の外形および装着孔25を有してよい。
【0078】
図9は、本発明の第4の実施形態によるベルトアセンブリー2cの平面図である。ベルトアセンブリー2cは、直線的に延びるベルト本体20cと、2つの第1の装着端部22cとを含む。2つの第1の装着端部22cは、同一または同様に構成されてよい。例えば、それらは、上述の第1の装着端部22、22a、22bのうちのいずれか1つとそれぞれ同一または同様に構成されてよい。例えば、2つの第1の装着端部22cは、第1の装着端部22と同一にそれぞれ構成されてよい。代替的に、第1の装着端部22cの一方は、第1の装着端部22と同一に構成されてよく、他方の第1の装着端部22cは、第1の装着端部22aと同一に構成されてよい。図示しない代替の実施形態では、2つの第1の装着端部22cは異なる外形を有してよい。
【0079】
ベルトアセンブリー2cの例示的な利用のときに、2つの第1の装着端部22cのそれぞれは、ブロッキング部材によって、車両本体の受容部材に分離可能なように装着されてよく、受容部材およびブロッキング部材は、図3および図4に示す実施形態の受容部材3およびブロッキング部材4と同じかまたは同様でよい。
【0080】
図10は、本発明の第5の実施形態によるベルトアセンブリー2dの平面図である。ベルトアセンブリー2dは、3本のアーム91、92、93を有するベルト本体20dを含み、アームはそれぞれ装着端部94、95、96を有する。それら装着端部のうち、装着端部94、95は、2つの第1の装着端部として、上述の第1の装着端部22、22a、22bのうちのいずれか1つと同じかまたは同様でよく、装着端部96は、第2の装着端部として、上述の第2の装着端部24または第2もしくは第3の実施形態のベルトアセンブリー2a、2bの記載で言及した第2の装着端部と同じかまたは同様でよい。ベルトアセンブリー2dは、車両のステアリングホイール用の装飾部材として利用されてよく、2つの装着端部94および95は、ステアリングホイールのリムと関連付けられてよく、装着端部96は、ステアリングホイールの中央のハブと関連付けられてよい。
【0081】
図11は、本発明の第6の実施形態によるベルトアセンブリー2eの平面図である。ベルトアセンブリー2eは、4本のアーム101、102、103、104を有するベルト本体20eを含み、アームはそれぞれ、装着端部105、106、107、108を有する。それら装着端部のうち、装着端部105、106は、2つの第1の装着端部として、上述の第1の装着端部22、22a、22bのうちのいずれか1つと同じかまたは同様でよく、装着端部107、108は、2つの第2の装着端部として、上述の第2の装着端部24または第2もしくは第3の実施形態のベルトアセンブリー2a、2bの説明で言及したものと同じかまたは同様でよい。ベルトアセンブリー2eは、車両のステアリングホイール用の装飾部材として利用されてもよく、装着端部105および106は、ステアリングホイールのリムと関連付けられてよく、装着端部107および108は、ステアリングホイールの中央のハブまたはステアリングホイールのスポークと関連付けられてよい。
【0082】
本明細書で用いられる専門用語は、特定の態様を単に説明する目的のものであり、本開示を限定するものではないことが理解されよう。本明細書で用いられるように、単数形「a」、「an」、および「the」は文脈上別段の明確な指示がない限り複数形も含むものである。「備える(comprise)」および「含む(include)」という用語(ならびにその変形)は、本明細書で用いられるときは、記述された動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されよう。本明細書で用いられるように、「および/または(and/or)」という用語は、関連付けられた列挙項目のうちの1つまたは複数のあらゆる組み合わせを含む。同様の参照番号は、図の説明全体を通して同様の要素を表す。
【0083】
図面中の要素の厚さは分かりやすくするために誇張している場合がある。さらに、ある要素が別の要素「の上にある(on)」、「に接続される(coupled to)」または「に連結される(connected to)」といわれる場合は、そのある要素が、その別の要素の上に直接的に形成されるか、接続されるかもしくは連結されてよいか、または、それらの間に介在する要素が1つもしくは複数あってよいことが理解されよう。対照的に、「直接的に上にある(directly on)」「直接的に接続される(directly coupled to)」および「直接的に連結される(directly connected to)」などの用語は、本明細書で用いられるときは、介在する要素が存在しないことを示す。要素間の関係を説明するために用いられる他の単語は、同様にして解釈すべきである(すなわち、「間(between)」対「間に直接的に(directly between)」、「取り付けられる(attached)」対「直接的に取り付けられる(directly attached)」、「隣接する(adjacent)」対「直接的に隣接する(directly adjacent)」など)。
【0084】
「上(top)」、「下(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「下方(below)」などの用語は、本明細書では、ある要素、層または領域の、別の要素、層または領域に対する関係を図で例示するように説明するために用いられる。それら用語は、図に示す向きに加えて、デバイスの様々な向きを包含するものであることが理解されよう。
【0085】
「第1(first)」、「第2(second)」などの用語が本明細書で様々な要素を説明するために用いられることがあるが、それら用語によってそれら要素を限定すべきではないことが理解されよう。それら用語は、単にある要素を別の要素と区別するために用いられるだけである。それゆえ、本発明の概念の教示から逸脱することなしに、第1の要素を第2の要素と呼ぶこともできる。
【0086】
本明細書に開示する例示的な実施形態はいずれもあらゆる手法で組み合わせできることも理解されよう。
【0087】
最後に、上記の実施形態は単に本発明を理解するためのものであるが、本発明の保護範囲に対する限定にはならないことに留意されたい。当業者のために、上記の実施形態に基づいて修正を行うことができ、それら修正は本発明の保護範囲から逸脱しない。
【符号の説明】
【0088】
2 ベルトアセンブリー
20 ベルト本体
21、23 アタッチメント
22 第1の装着端部
24 第2の装着端部
25 装着孔
26 第1の側面
28 長手方向の縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】