(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163108
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
B65D77/20 H
B65D77/20 J
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123643
(22)【出願日】2022-08-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】P 2022073913
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(72)【発明者】
【氏名】林 裕義
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB26
3E067BA07A
3E067BB25A
3E067BC07A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA29
3E067EA32
3E067EA35
3E067EA37
3E067EB17
3E067EB29
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】氷等の固形物や飲料を容器に追加することが可能で、追加後に飲料を摂取する際、固形物の誤飲を抑制可能な蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組合せを提供する。
【解決手段】蓋体が、上端に形成された開口部と開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成され、容器の縁部に沿って容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と容器の開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、小開口部を開閉する小蓋部と、ベース部と小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、小蓋部は、ヒンジ部を軸としてベース部に対して回動可能に構成され、下記の条件を満たす部分として定められるマージン部を有する。条件1:平面視上、マージン部は、ベース部の接合領域対応部の内縁から内側で小開口部の開口縁から外側に形成された部分であり、マージン部とヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合、線分が小開口部の前記開口縁を通過する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有する、
蓋体。
【請求項2】
前記庇部は、下記の条件1及び条件2を満たす部分として定められるマージン部である、
請求項1に記載の蓋体。
条件1: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の前記開口縁から外側に形成された部分である。
条件2: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
【請求項3】
前記ベース部の平面視上、前記マージン部の面積は、前記小開口部の面積よりも小さい、
請求項2に記載の蓋体。
【請求項4】
前記マージン部は、該マージン部の内縁と前記マージン部の外縁とが非同心状となるように形成されている、
請求項2に記載の蓋体。
【請求項5】
前記マージン部は、前記マージン部の外縁から前記マージン部の内縁に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
請求項2に記載の蓋体。
【請求項6】
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項7】
前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
請求項6に記載の蓋体。
【請求項8】
前記小蓋部が前記小開口部を閉鎖した場合に、前記タブ部材の一部が、前記ベース部の平面視上、前記小開口部の前記開口縁に交差する、
請求項7に記載の蓋体。
【請求項9】
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記ベース部には、前記爪部に接触する位置に受け部が設けられており、
前記爪部と前記受け部が前記保持構造形成部を形成する、
請求項6に記載の蓋体。
【請求項10】
前記ベース部の外周縁に延出部を形成している、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項11】
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられており、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記延出部と前記爪部が前記保持構造形成部を形成する、
請求項10に記載の蓋体。
【請求項12】
前記延出部と前記小蓋部の先端との間に前記ヒンジ部が形成されている、
請求項10又は11に記載の蓋体。
【請求項13】
前記接合領域対応部の内側の部分に陥没部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項14】
前記小蓋部の外周縁に張出部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記張出部に対応する凹形状部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項15】
前記小蓋部の外周縁に没入部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記没入部に対応する凸形状部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項16】
前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁とを繋げる接続構造が形成されており、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記小蓋部が前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、前記脆弱部が破壊される、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項17】
前記脆弱部は、連結部と切れ目の組み合わせ構造、及び/又は、ハーフカット構造を有する、
請求項16に記載の蓋体。
【請求項18】
紙系素材で形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項19】
請求項1に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
【請求項20】
請求項1に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
上端に開口部を形成した容器に飲食料品等(以下においては「内容物」とも言う。)を収容して蓋体を取り付けることで容器内を閉じた状態で提供することが広く行われている。
【0003】
小売店舗(例えばコンビニエンスストア等)や飲食店(例えばファストフード等)等の店舗において店員から顧客に対して内容物を提供する形態として、個々の店舗において容器に内容物を収容して蓋体を取り付ける工程を実施する提供形態が出現している。例えば、提供形態として、コーヒーや炭酸飲料等の飲料を内容物とした場合に、飲料の摂取者が自ら容器に飲料を注ぎ入れて蓋体を取り付ける工程を実施する形態がある。また、摂取者の注文に応じて店員が飲料を注ぎ入れて蓋体を取り付ける工程を実施する形態がある。
【0004】
容器に蓋体を取り付ける方法としては、熱プレス等の方法を用いて蓋体を容器の上端の開口部の外周を形成する縁部に接合する方法が知られている。飲料が内容物となる場合、蓋体には、例えば、飲み口となる小開口部が形成されており、未使用時には小開口部が蓋部で覆われている。このような蓋体を取り付けた蓋体付き容器では、摂取者が容器内の飲料を飲み口から飲んだ後、その容器に飲料を追加する(注ぎ足す)場合に、飲み口に正確に飲料を注ぎ入れることが困難である。特に、容器に飲料の他に氷等の固形物と追加する場合に、氷を正確に容器に収容することが困難である。これについては、特許文献1に示すように、容器の縁部から蓋体を剥がし取る(取り除く)構造が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術のように、容器の縁部から蓋体を取り除くと、容器に氷等の固形物と飲料が収容された状態で、容器の上端の縁部に口をつけて容器の縁部から飲料を摂取する可能性があり、氷等の固形物を誤飲する虞がある。このような虞は、特に幼児等の子供が飲料を容器の縁部から摂取する場合には特に重大な問題となりうる。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、氷等の固形物や飲料を容器に追加することができるとともに、飲料と固形物の追加を行った後に飲料を摂取する場合において固形物の誤飲を抑制することが可能な蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の(1)から(20)にかかる発明を要旨としている。
【0009】
(1)上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有する、
蓋体。
(2)前記庇部は、下記の条件1及び条件2を満たす部分として定められるマージン部である、
上記(1)に記載の蓋体。
条件1: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の前記開口縁から外側に形成された部分である。
条件2: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
(3)前記ベース部の平面視上、前記マージン部の面積は、前記小開口部の面積よりも小さい、
上記(2)に記載の蓋体。
(4)前記マージン部は、該マージン部の内縁と前記マージン部の外縁とが非同心状となるように形成されている、
上記(2)に記載の蓋体。
(5)前記マージン部は、前記マージン部の外縁から前記マージン部の内縁に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
上記(2)に記載の蓋体。
(6)前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記(1)に記載の蓋体。
(7)前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
上記(6)に記載の蓋体。
(8)前記小蓋部が前記小開口部を閉鎖した場合に、前記タブ部材の一部が、前記ベース部の平面視上、前記小開口部の前記開口縁に交差する、
上記(7)に記載の蓋体。
(9)前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記ベース部には、前記爪部に接触する位置に受け部が設けられており、
前記爪部と前記受け部が前記保持構造形成部を形成する、
上記(6)に記載の蓋体。
(10)前記ベース部の外周縁に延出部を形成している、
上記(1)に記載の蓋体。
(11)前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられており、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記延出部と前記爪部が前記保持構造形成部を形成する、
上記(10)に記載の蓋体。
(12)前記延出部と前記小蓋部の先端との間に前記ヒンジ部が形成されている、
上記(10)又は(11)に記載の蓋体。
(13)前記接合領域対応部の内側の部分に陥没部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(14)前記小蓋部の外周縁に張出部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記張出部に対応する凹形状部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(15)前記小蓋部の外周縁に没入部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記没入部に対応する凸形状部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(16)前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁とを繋げる接続構造が形成されており、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記小蓋部が前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、前記脆弱部が破壊される、
上記(1)に記載の蓋体。
(17)前記脆弱部は、連結部と切れ目の組み合わせ構造、及び/又は、ハーフカット構造を有する、
上記(16)に記載の蓋体。
(18)紙系素材で形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(19)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
(20)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、氷等の固形物や飲料を容器に追加することができるとともに、飲料と固形物の追加を行った後に飲料を摂取する場合において固形物の誤飲を抑制することが可能な蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図1Bは、
図1AのA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図3】
図3Aは、蓋体付き容器の一実施例を示す斜視図である。
図3Bは、
図3AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の変型例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図6】
図6は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図8】
図8Aは、
図7のC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図8Bは、蓋体に保持構造が形成された場合の一実施例を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図9Bは、第1の実施形態の変型例6にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の変型例3にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態の変型例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図15】
図15Aは、第1の実施形態の変型例4にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図15Bは、
図15AのD-D線縦断面の状態を模式的に説明するための断面図である。
【
図17】
図17は、
図1の一点鎖線で囲まれた領域XSの部分を拡大した状態を模式的に示す平面図である。
【
図18】
図18は、第1の実施形態にかかる蓋体において小蓋部の外周縁と小開口部の開口縁の境界の例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る蓋体について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明に係る蓋体は、コーヒーカップのような各種の飲料物を入れる容器(カップ)に対して用いられる蓋体を例として挙げて説明するが、飲料物を入れる容器の蓋体に限定されるものではなく、飲料物以外の食料品を収容する容器の蓋体としても適用することが可能である。また、本発明に係る蓋体は、飲食物以外の各種物品、例えばボルトやナット等といった部品や、上記した以外の物品を収容することのできる容器にも適用することができる。さらに、本発明に係る蓋体は、平面視したときの形状が円形状であるものの例を用いて以下においては説明するが、蓋体の形状は平面視したときに円形状であるものに限定されることはなく、楕円形状、矩形状、三角形状などの多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等、円形状以外の各種の形状にも適用することができる。
【0013】
以下、本発明に関係した第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及び適用例について、順次、図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。
図1から
図19の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(後側が+X方向、前側が-X方向)であるものとし、Z軸方向を法線とする平面上に定められた互いに直交するX軸及びY軸に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、さらにX軸とY軸で貼られた平面であるXY平面が水平面であるものとし、これらに基づき説明を行う。
図1から
図19の各図に示す大きさ等の相対的な大小比率は便宜上の記載であり、特に限定しない限り、実際の大小比率を限定するものではない。
【0015】
[1 第1の実施形態]
[1-1 構成]
第1の実施形態にかかる蓋体1は、
図3A、
図3B等を用いて後述するように、上端に形成された開口部102と開口部102の外周を形成する上端縁部となる縁部103とを有する容器に接合可能に形成されている。
図3A、
図3Bは、
図1A、
図1B及び
図2に示す蓋体1を容器101に接合した蓋体付き容器150の例を示す斜視図、断面図である。蓋体1は、縁部103に沿って接合されて用いることができるものである。蓋体1において、蓋体1の平面視上、縁部103に接合される領域を接合領域Rと呼ぶ。
図1Aは、蓋体1の一実施例を示す平面図である。
図1Bは、
図1AのA-A線縦断面を模式的に示す断面図である。
図2は、後述するマージン部10の領域及び小開口部6の領域の例を示す図である。なお、容器101としては、開口部102の縁部103に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器101が、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。
【0016】
接合領域Rは、
図1A、
図1Bの例では、容器101の開口部102に応じた形状で開口部102に沿っておおむね環状に形成される領域に対応している。蓋体1と容器101との接合領域Rが、連続的に接合されていない場合には、隣り合う接合領域Rで挟まれた部分且つ縁部103に向かい合う部分についても接合領域対応部5に含まれるものとする。
【0017】
(蓋体の材質)
蓋体1の材質は、特に限定されないが、紙系素材であることが好ましい。紙系素材としては、繊維原料のスラリーを網上に抄き取り、乾燥ないし押圧乾燥、抄紙してシート状にして得られる、いわゆる紙や、パルプ系繊維等からなる原料シートを粉砕機で粉砕して得られる粉砕パルプ等の開繊繊維原料を空気流によって積繊し、積繊体の繊維相互をバインダーで固定して得られるいわゆるエアレイドシート等、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される所謂紙類の他、化学繊維紙、合成紙、耐水紙、コート紙、代替紙、羊皮紙、羊毛紙、ガラス繊維紙、ストーンペーパー、陶紙等や、これらを複数枚積層したもの等が挙げられる。また、紙系素材としては、パルプだけからなるもののほか、非パルプ系の天然繊維や合成繊維、再生繊維等の繊維を含むものであっても良いが、パルプを50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、更に80質量%以上含むものが好ましいが、特にパルプ100質量%からなるものが好ましい。紙系素材は、合成樹脂や天然樹脂のフィルムや不織布、木箔等の木質系素材等、さらにはアルミ箔等の素材との複合材料も用いることができるが、複合材料とする場合、複合材料全体としてパルプを50質量%以上含有することが好ましく、特に80質量%以上のパルプを含むものが好ましい。パルプ含有分の高いほど、紙系素材が生分解されやすくなるため好ましい。
【0018】
なお、蓋体1は、全体を上記した紙系素材で形成されていることが好適である。ただし、このことは一部もしくは全部が紙系素材とは異なる材質で形成されていることを禁止するものではない。例えば、蓋体1は、後述のベース部2のみを紙系素材と樹脂製のフィルム材の積層体などで形成されてよい。この場合、蓋体1のうちフィルム材の配置された面を容器101側に向けた状態で押圧法、ヒートシール法や超音波溶着法などのシール方法を適宜用いることで、蓋体1を容器101に接合することが容易となる。これらの点を考慮し、蓋体1は、紙系素材を含む積層体でも好ましく用いられる。なお、小蓋部3についても紙系素材を含む積層体を用いられてよい。
【0019】
蓋体1は、
図1A、
図1B等に示すように、ベース部2と小蓋部3とヒンジ部4を有する。
【0020】
(ベース部)
ベース部2は、接合領域対応部5を有し且つ小開口部6を形成する部分として定められる。ベース部2は、後述する小蓋部3の変位の基準を定める部分とすることができる。なお、
図1Aの例では、蓋体1の平面視上、ベース部2と小蓋部3が蓋体1の露出面72を形成している。
【0021】
(接合領域対応部)
接合領域対応部5は、接合領域R(容器101の縁部103に向かい合う領域且つ容器101に接合される領域)に対応した蓋体1の部分である。接合領域対応部5は、蓋体付き容器150においては、蓋体1のうち蓋体1と容器101との接合部151を形成する部分である。具体的には、蓋体1の平面視上(
図1Aの例ではZ軸方向(上下方向)を視線方向とした場合)、ベース部2のうち接合領域Rを形成する部分が接合領域対応部5として定められる。接合領域対応部5は、通常、
図1Aに示すように環状に形成されている。特に、
図3A、
図3Bに示すように、容器101の縁部103がおおむね円環状に形成されている場合には、接合領域Rが円環状となり、接合領域対応部5についても蓋体1の平面視上、おおむね円環状となる。接合領域対応部5の外縁は、接合領域Rの外縁の位置に応じて定められる。接合領域対応部5の外縁は、ベース部2の外周縁2Aに位置していてもよいし、
図1Aの例に示すようにベース部2の外周縁2Aよりも内側に位置してもよい。
【0022】
(小開口部)
小開口部6は、容器101に対する蓋体1の対向面73と容器101に対する蓋体1の非対向面(蓋体1の露出面72)を貫通形成するように形成される。小開口部6は、蓋体1の平面視上、接合領域対応部5に対応する部分の内側に容器101の開口部102よりも開口面積の小さな状態となるように形成されている。小開口部6は、蓋体1を容器101に接合させた状態において、容器101の空間部105にある内容物(例えば飲料物や食物など)の出入口を開口形成するためのものである。小開口部6は、後述する小蓋部3との組み合わせで開口形成部20を形成している。
【0023】
(開口形成部)
図1A等に示すように、開口形成部20は、小開口部6及び小蓋部3を有している部分として定められる。開口形成部20では、小蓋部3の変位に伴い小開口部6が開閉する。開口形成部20は、
図1Aに示すように小蓋部3が小開口部6を閉じている状態と、小蓋部3が変位して小開口部6が開口している状態となるように形成されている。ベース部2を基準とした小蓋部3を引き上げるように小蓋部3を回動させた場合に、小開口部6が露出し、露出口となる。すなわち開口形成部20は、容器101に蓋体1を取り付けた状態で小蓋部3を引き上げると、小開口部6から容器101の空間部105を視認できるように小開口部6と小蓋部3を組み合わせている。
【0024】
なお、小開口部6が露出口となった状態においては、後述するように追加の飲料等の液体や氷等の固形物の供給口とされることができる。また、容器101の内部(空間部105)に飲料等の液体が存在している場合においては、小開口部6は、飲料等の飲み口や注出口として使用されてもよい。
【0025】
(小蓋部)
蓋体1には、小蓋部3が設けられている。小蓋部3は、小開口部6を開閉可能に被覆可能に形成される。
図1Aの例では、小蓋部3は、
図3Bにも示すように、ベース部2に対して引き上げた状態に変位できるように形成されており、小蓋部3を引き上げる際に小開口部6が形成される(開かれる)。
図1Aに示す例では、小蓋部3で小開口部6を閉じた状態で、小蓋部3の外周輪郭形状が小開口部6の開口縁6Aの形状に沿うように小蓋部3の形状を定めることができる。この場合、小蓋部3で小開口部6を閉じた状態で、小蓋部3の外周縁3Aの端面を小開口部6の開口縁6Aの端面に接触させることが容易となる。
【0026】
図1Aの例に示す蓋体1においては、小蓋部3は、蓋体1の平面視上、接合領域対応部5よりも内側(中心CT側)に設けられている。小蓋部3が持ち上げられた状態となるように小蓋部3が変位(回動)する。小蓋部3はヒンジ部4でベース部2に繋がっている。ヒンジ部4を支軸として小蓋部3が持ち上げられるにつれ、小開口部6が露出する。
【0027】
小蓋部3の形状や構造は、後述するマージン部10を形成するような形状や構造となっていれば、特に限定されない。
図1Aの例の場合、小蓋部3の外周縁3Aのうち前端縁部75の形状が、接合領域Rの内側に位置しており、前端縁部75から基端部74に向かって小蓋部3の幅Wが広がるように形成されている。小蓋部の幅Wは、次のように特定される。すなわち、小蓋部の外周縁の所定位置SB1として、位置SB1を通りヒンジ部4の延びる方向に沿った直線DLを想定した場合に、直線DLと小蓋部の外周縁の交差位置(ただし位置SB1とは異なる位置)(対応位置SB2)が定められる。そして、位置SB1と位置SB2の距離が定められ、この距離が幅Wとして規定される。
【0028】
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図1等に示すように小蓋部3に蓋体1の中心CTが位置している場合に限定されず、
図9Aに示すように小蓋部3が蓋体1の中心CTを含まないように構成されてもよい。
【0029】
蓋体1においては、小蓋部3が立ち上げられた状態では、上記したように、小開口部6が露出した状態となる。この状態を開蓋状態と呼ぶ。小蓋部3で小開口部6が覆われた状態を閉蓋状態と呼ぶ。
【0030】
蓋体1においては、開蓋状態となった後(小蓋部3が立ち上げられることで小開口部6が露出した後)でも、再度、閉蓋状態とされることが可能であり、閉蓋状態とされた場合に小蓋部3の外周縁3Aの端面(外周端面)にベース部2の小開口部6の開口縁6Aの端面が向かい合うことができる。
【0031】
(ヒンジ部)
上述したように、蓋体1は、ヒンジ部4を有する。ヒンジ部4は、小蓋部3の外周縁3Aに沿った2つの基端部74を結ぶ線分に対応した部分でおおむね構成されており、ベース部2と小蓋部3との境界部分に対応する。ヒンジ部4は、小蓋部3が回動する際の回動軸となる部分である。ただし、小蓋部3が回動する場合には、ヒンジ部4の位置で小蓋部3が一定の角度でベース部2から立ち上がる場合のみならず、
図3B等に示すようにヒンジ部4から小蓋部3の前端縁部75にむかって小蓋部3が徐々に湾曲しながら立ち上がる場合が含まれるものとする。
【0032】
ベース部2は、少なくともヒンジ部4で小蓋部3に繋がっている。ヒンジ部4は、ベース部2と小蓋部3との境界として定められた部分であれば特に構造を限定されない。ヒンジ部4は、後述する接続構造17と同様に、ミシン目構造やハーフカット部であってもよい。
【0033】
(ベース部と小蓋部との接続構造)
蓋体1においては、ベース部2の小開口部6の開口縁6Aと小蓋部3の外周縁3Aで接続された構造(接続構造17)が形成されてもよい。接続構造17は、小蓋部3より脆弱な部分である脆弱化部として構成されていることが好適である。接続構造17が脆弱化部であることで、小蓋部がヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、脆弱部が破壊されることができる。すなわち、小蓋部3は、ベース部2に対しておおむね接続構造17に沿って分離されながら、ベース部2に対して立ち上げられる。
【0034】
図1の例では、接続構造17の構造は、
図17に示すように、連続部18Aと切断部18Bの組み合わせ構造となっている。
図17は、
図1の一点鎖線で囲まれた領域XSの拡大平円図であり、接続構造17の一実施例を模式的に示す図である。組み合わせ構造は、例えば、小開口部6の開口縁6Aの端面と小蓋部3の外周縁3Aの端面とが向き合う部分長手方向に沿って連続部18Aと切断部18Bの組み合わせ構造が交互に並ぶ構造(いわゆるミシン目構造)である。また、接続構造17は、ミシン目構造に限定されず、例えば、
図18に示すようにハーフカット部16であってもよい。ハーフカット部16とは、
図18に示すように、蓋体1の厚み方向に途中まで切り込まれた部分として特定される。ハーフカット部16とは、蓋体1の厚み方向に蓋体1の厚みの半分まで切れ込まれた部分に限定されない。ハーフカット部16は、蓋体1を貫通させることを避けつつ蓋体1の厚みの半分以上切れ込まれた構造や、蓋体1の厚みの半分に満たない程度に蓋体1の厚み方向に切れ込まれた構造を含む。
【0035】
なお、接続構造17が連続部18Aと切断部18Bを有する場合においては、連続部18Aがハーフカット部16に対応する構造を有してもよい。
【0036】
(庇部)
蓋体1は、庇部を有する。庇部は、ベース部2の一部として形成される。庇部は、ベース部2の平面視上、ベース部2のうち接合領域対応部5の内縁から内側且つ小開口部6の開口縁6Aから外側に形成された部分として構成される。蓋体1に庇部が形成されていることで、小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、小開口部6を飲み口として飲料等を摂取する際に固形物が庇部にぶつかり、固形物の誤飲が抑制される。蓋体1における庇部として、
図1等の例ではマージン部10が形成されている。以下の説明では、庇部がマージン部10である場合を例として説明を続ける。
【0037】
(マージン部)
蓋体1は、
図1A、
図1B、
図2等に示すように、マージン部10を有している。マージン部10は、下記条件1及び条件2を満たす部分として定められる。
【0038】
条件1 ベース部2の平面視上、マージン部10は、ベース部2のうち接合領域対応部5の内縁から内側に形成された部分である。
【0039】
条件2 ベース部2の平面視上、マージン部10とヒンジ部4とを結ぶ線分を想定した場合に、線分が小開口部6の開口縁6Aを通過する。
【0040】
ベース部2の平面視上とは、
図1A、
図1BにおいてはZ軸方向に沿って+Z側から-Z側に向かう方向を視線方向としてベース部2を見た場合を示すものとする。
【0041】
条件1に関しては、マージン部10は、ベース部2に形成される部分であるため、小蓋部3から外れた部分となる。また、条件2については、例えば、
図1Aに示すように、マージン部10の位置P1とヒンジ部4の位置P2とを結ぶ線分Mを想定した場合に、線分Mが小開口部6の開口縁6Aを通過する。マージン部10は、ヒンジ部4の位置から見た場合に、開口縁6Aの位置から外側の部分となる。したがって、
図2の例では、マージン部10は、接合領域対応部5、小蓋部3とは異なる部分として、
図2のハッチングを附した部分S1として特定される。なお、ハッチングを附した部分S2は、小開口部6に対応する部分である。
図1の例では、部分S2は、小蓋部3にも対応している。
図2は、
図1の蓋体1についてマージン部10となる部分を示すための平面図である。
【0042】
(マージン部の面積と小開口部の面積)
マージン部10の大きさは、特に限定されるものではないが、ベース部2の平面視上、マージン部10の面積が、小開口部6の面積よりも小さいことが好適である。すなわち、
図2の例では、マージン部10に対応する部分S1の面積が、小開口部6に対応する部分S2の面積よりも小さい。この場合、小開口部6の大きさがマージン部10の大きさよりも大きくなっているため、蓋体付き容器150が、小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、容器101の空間部105に、飲料等の液体や氷等の個体を追加することが容易となる。なお、マージン部10の面積、及び小開口部6の面積を特定する基準については、マージン部10の面積及び小開口部6の面積のいずれについても、蓋体1の平面視上(
図2において+Z方向から-Z方向に向かう方向を視線方向とした場合)における面積を示すものとする。ここに示す面積を特定する基準は、後述する第1の部分の面積についても同様である。
【0043】
(マージン部の面積と第1の部分の面積)
マージン部10の面積は、接合領域対応部5の第1の部分15Aの面積よりも大きいことが好ましい。ここに第1の部分15Aは、次のように特定される部分である。
【0044】
ヒンジ部4に沿って外方向に延長した延長線MEでベース部2を2つの部分に区分けした状態を想定した場合に、小開口部6を含む部分に形成される接合領域対応部5の部分が第1の部分15Aとして定められ、接合領域対応部5のうち第1の部分15Aを除く部分が第2の部分15Bとして定められる。
【0045】
マージン部10の面積が接合領域対応部5の第1の部分15Aの面積よりも大きい場合、第1の部分15Aに対してマージン部10を上下方向にやや撓ませることが容易となる。小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、小開口部6を飲み口として飲料等を摂取する際に固形物がマージン部にぶつかった際に、マージン部が撓みやすくなり、固形物からマージン部に負荷される力を緩衝しやすくなる。
【0046】
(マージン部の形状)
マージン部10の形状は、小開口部6と接合領域対応部5の形状に応じて定められるが、マージン部10の内縁11Aとマージン部10の外縁11Bとが非同心状となるように形成されていることが好ましい。ここに非同心状とは、マージン部10の内縁11Aの輪郭形状と、マージン部10の外縁11Bの輪郭形状の少なくともいずれか一方が、蓋体1の中心CTを中心とした円弧状から外れていることを示す。
図1の例では、マージン部10の内縁11Aの輪郭形状が非円弧状に形成されており、蓋体1の中心CTを中心とした円弧状から外れている。ただし、このことは、
図9A、
図9Bの例に示すように、マージン部10の内縁11Aの輪郭形状と、マージン部10の外縁11Bの輪郭形状が、蓋体1の中心CTを中心とした円弧状となっていることを禁止するものではない。
図9A、
図9Bの例は、第1の実施形態の蓋体1の他の一実施例を示す平面図である。
【0047】
(延出部)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、ベース部2の外周縁2Aに延出部7が形成されてもよい。
図1A、
図1Bの例では、延出部7の位置は、閉蓋状態において小蓋部3の先端を形成する前端縁部75と延出部7との間にヒンジ部4が位置しているように、ベース部2の外周縁2Aに定められている。延出部7の形状は特に限定されないが、
図1Aの例では、延出部7の外周縁7Aが、凸状になだらかに湾曲した山形形状になるように延出部7の形状が定められている。
【0048】
延出部7が形成されていると、延出部7に蓋体1に対応する容器101を示す印や文字等を配置させることができる。例えば、延出部7にS、M、L等の文字を印刷等によって配置する。そして、容器101のサイズがスモールサイズである場合には、Sの文字が印刷された蓋体1を使用し、容器101のサイズがミディアムサイズである場合には、Mの文字が印刷された蓋体1を使用し、容器101のサイズがラージサイズである場合には、Lの文字が印刷された蓋体1を使用するように、容器101と蓋体1の種類が対応づける。これにより、容器101に蓋体1を接合する場合に、誤ったサイズの異なる組み合わせで容器101と蓋体1の接合を行ってしまう虞を抑制することができる。
【0049】
また、蓋体1に延出部7が形成されている場合、延出部7を摘みとして使用することができる。そして、
図1に示す例のように、小蓋部3の先端を形成する前端縁部75と延出部7との間にヒンジ部4が位置しているように、ベース部2の外周縁2Aに延出部7が定められていることで、小蓋部3の前端縁部75の位置と延出部7の位置ができるだけ離れた状態とすることができる。このように小蓋部3の前端縁部75の位置と延出部7の位置ができるだけ離れていることで、人が延出部7を手で摘んで蓋体1を持ち運んでも、蓋体1を摘まんだ者が、蓋体1の小蓋部3に触れてしまう虞を抑制することができ、人の手の接触による小蓋部3の汚染を抑制することができる。
【0050】
[1-2 作用及び効果]
従来における容器の縁部に蓋体を接合させたタイプの蓋体付き容器では、容器の縁部から蓋体を取り除かれると、容器に氷等の固形物と飲料が収容された状態で、容器の上端の縁部に口をつけて容器の縁部から飲料を摂取する可能性があった。このため、飲料を摂取する際に、容器の縁から氷等の固形物が一緒に流れ出て摂取者が固形物を誤飲する虞があった。
【0051】
第1の実施形態にかかる蓋体1では、マージン部10が設けられている。したがって、蓋体付き容器150に口をつけて飲料を摂取する場合に、容器101の空間部105から氷等の固形物が一緒に流れ出ようとしても、液体は小開口部から流れ出るものの、氷等の固形物はマージン部10で流れ出ることが制約されやすくなり、摂取者が固形物を誤飲する虞を抑制することができるようになる。
【0052】
また、第1の実施形態にかかる蓋体1では、小開口部6は、マージン部10よりも大きい面積を有するため、小開口部6から飲料等を追加で注ぎ入れることができる。
【0053】
第1の実施形態の変型例について、さらに説明を続ける。
【0054】
[1-3 変形例]
(変形例1)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図4に示すように、小蓋部3の外周縁3Aに張出部が形成されていてもよい。この場合、小開口部6の開口縁6Aには、張出部13に対応する凹形状部が形成されている。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例1と称呼する。
図4は、第1の実施形態の変型例1にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0055】
(張出部)
図4の例では、張出部13が、前端縁部75で小蓋部3の外側に向かう方向に凸状に延出した部分となっている。張出部13とは、小蓋部3の平面視上における小蓋部3の外周縁3Aの形状について、張出部13に対応した部分の周囲の外周縁3Aに比べて外方向に突出した輪郭形状を有する部分として特定することができる。そして、小開口部6の開口縁6Aには、張出部13に対応する凹形状部23が形成されている。
図4の例では、凹形状部23は、張出部13と嵌り合う形状に形成されている。これにより、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖する際に張出部13の基端が小開口部6の開口縁6Aで係止されやすくなり、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態を安定させやすくすることができる。
【0056】
(変形例2)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図13に示すように、小蓋部3の外周縁3Aに没入部14が形成されていてもよい。この場合、小開口部6の開口縁6Aには、没入部14に対応する凸形状部24が形成されている。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例2と称呼する。
図13は、第1の実施形態の変型例2にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0057】
(没入部)
没入部14は、前端縁部75からやや小蓋部3の基端部74に向かった所定の位置で小蓋部3の内側に向かう方向に小蓋部3を抉った形状とされた部分となっている。
図13の例では、没入部14は、前端縁部75から2つの側端縁部76それぞれにやや小蓋部3の基端部74に向かった所定の位置でそれぞれ小蓋部3の内側に向かう方向に小蓋部3をU字状に抉った形状とされた部分となっている。
【0058】
(凸形状部)
小開口部6の開口縁6Aには、没入部14に対応する凸形状部24が形成されている。凸形状部24は、没入部14と嵌り合う形状に形成されており、
図13の例では舌片状に形成されている。これにより、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖する際に没入部14が小開口部6の開口縁6Aの凸形状部24又はその近傍で係止されやすくなり、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態を安定させやすくすることができる。
【0059】
(変形例3)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図10に示すように、ベース部2において切り込み部8が設けられてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例3と称呼する。
図10は、第1の実施形態の変型例3にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0060】
(切り込み部)
第1の実施形態の変形例3では、切り込み部8が十字型に形成されている。切り込み部8は、蓋体のベース2部を構成する部材を上下方向に貫通させることで形成することができる。第1の実施形態の変形例3では、切り込み部8が形成されていることで、切り込み部8をストロー等の差し込み口として用いることができる。また、後述するように、小蓋部3で小開口部6を開けた状態で保持するための爪部32が設けられている場合においては、切り込み部8は、爪部32の差し入れ用の通孔として用いることができる。この場合、切り込み部8は、後述する保持構造形成部30の一部を兼ねており、すなわち爪部32と切り込み部8が保持構造形成部30を構成する。なお、切り込み部8の形状は、ストロー等の差し込み口として使用可能な形状であれば、十字形状に限定されず、C字状や舌片状等の各種の形状が用いられてよい。
【0061】
(変形例4)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図15A、
図15Bに示すように、接合領域対応部5の内側の部分に陥没部12が形成されていてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例4と称呼する。
図15Aは、第1の実施形態の変型例4にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図15Bは、
図15AのD-D線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【0062】
(陥没部)
陥没部12は、蓋体1を形成するための部材(ブランク材と称呼することがある)にエンボス加工を施すことで形成することができる。陥没部12の形成される範囲は、接合領域対応部5の内側の部分であれば特に限定されないが、小蓋部3を含む部分であることが好ましい。小蓋部3を含む部分が陥没部12となっていることで蓋体1の露出面72側に飲料等の液体がこぼれ出た場合においても、陥没部12に液体を誘導することが容易となり、蓋体1の外側に液体がこぼれ落ちる虞を抑制することができる。
【0063】
(変形例5)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図16Aに示すように、マージン部10は、そのマージン部10の外縁11Bからマージン部10の内縁11Aに向かって斜め下方向または斜め上方向に傾斜する傾斜部19を有していてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例5と称呼する。
図16Aは、第1の実施形態の変型例5にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す断面図である。
図16Aは、
図15Bに対応する断面と同様の位置での断面を示す図に対応している。これは、
図16Bについても同様である。
【0064】
(傾斜部)
傾斜部19は、マージン部10の全体に形成されてもよいし一部に形成されてもよい。傾斜部19の傾斜状態については、蓋体1の閉蓋状態から小蓋部3を持ち上げて開蓋状態を形成する際に小蓋部3とマージン部10の内縁11A(小開口部6の開口縁6A)との接触部分で傾斜部19の傾斜状態が変動できることが好ましい。例えば、小蓋部3が持ち上げられることに伴って、マージン部10もやや上方向(+Z方向)に持ち上がり、傾斜部19の傾斜状態が、斜め下方向に傾斜した状態から、斜め上方向に傾斜した状態又は水平状態となるようにマージン部10に傾斜部19が形成されてよい。これは、閉蓋状態で小蓋部3の外周縁3Aとマージン部10の内縁11A(小開口部6の開口縁6A)との間に摩擦力が存在するように小蓋部3と小開口部6とが接触することで実現することができる。
【0065】
第1の実施形態の変形例5では、傾斜部19が形成されていることで、マージン部10の外縁11Bを軸としてマージン部10の内縁11Aが上下方向(Z軸方向)に撓みやすくなる。したがって、第1の実施形態の変形例4によれば、蓋体付き容器150において容器の空間部に飲料等や固形物が収容され且つ小開口部を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、小開口部を飲み口として飲料等を摂取する際に固形物がマージン部にぶつかった際に、マージン部が上下方向に撓みやすくなり、固形物からマージン部に負荷される力を緩衝しやすくなる。
【0066】
(傾斜部の他例)
傾斜部19は、マージン部10のみならず
図16Bに示すように接合領域対応部5の内側全体に形成されていてもよい。
図16Bは、第1の実施形態の変型例5にかかる蓋体1の他の一実施例を模式的に示す断面図である。この場合、傾斜部19は、接合領域対応部5の内縁から蓋体1の内側に向かって傾斜する傾斜面を形成する部分となる。
【0067】
(変形例6)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図1等に示すように小蓋部3が前端縁部75からヒンジ部4に向かって幅Wが徐々に大きくなる場合に限定されず、
図9Bに示すように小蓋部3が前端縁部75からヒンジ部4に向かった所定の位置まで幅Wが徐々に大きくなり、さらにその所定の位置からヒンジ部4に向かって幅Wが徐々に小さくなっていてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例6と称呼する。
図9Bは、第1の実施形態の変型例6にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図9Bの例では、マージン部10の内縁11Aとマージン部10の外縁11Bが同心状となるように形成されている。
【0068】
(変形例7)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図19A、
図19Bに示すように小蓋部3の基端部74に応力調整部26が形成されてよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例7と称呼する。
図19A、
図19Bは、第1の実施形態の変型例7にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図19Aの例では、応力調整部26は、小蓋部3の基端部74で外方向にU字状に湾曲した部分となっている。
図19Bの例では、応力調整部26は、小蓋部3の基端部74に形成されたおおむね円形の通孔の部分となっている。応力調整部26が設けられていることで、ヒンジ部4を軸として小蓋部3を回動させる際に、小蓋部3の基端部74にかかる応力の一点集中化を抑えることができ、基端部74からベース部2に向かって蓋体1が裂けてヒンジ部4を軸とした小蓋部3の回動が不十分になる虞を減じることができる。なお、応力調整部26が形成されている場合、小蓋部3の基端部74には、応力調整部26が含まれるものとする。したがって、
図19A、
図19Bに示すように、ヒンジ部4は、おおむね応力調整部26の端を結ぶ直線に対応した位置に形成される。したがって、小蓋部3とマージン部10は、それぞれ
図19A、
図19Bでハッチングを付した部分として定めることができる。
【0069】
[2 第2の実施形態]
[2-1 構成]
第2の実施形態にかかる蓋体1は、第1の実施形態において、
図5等に示すように、小蓋部3に摘み部21が設けられている。このような構成を有する蓋体1を、第2の実施形態と称呼する。
図5は、第2の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0070】
第2の実施形態にかかる蓋体1は、小蓋部3に摘み部21を設けた構成を除いて第1の実施形態と同様でよいため、小蓋部3に摘み部21を設けた構成を除く他の構成(ベース部2、ヒンジ部4やマージン部10等)についての説明を省略する。
【0071】
(摘み部)
図5に示す第2の実施形態の例では、小蓋部3で小開口部6を閉鎖した状態において、小蓋部3の露出面(蓋体1の露出面72)側である上面側に摘み部21が設けられている。摘み部21の構造は、ヒンジ部4を軸として小蓋部3を回動させることができるものであれば特に限定されないが、
図5の例では、摘み部21としてタブ部材31が設けられている。
【0072】
(タブ部材)
図5の例では、小蓋部3で小開口部6を閉鎖した状態において、タブ部材31は、タブ部材31の一端部31Aを小蓋部3に接合されており、タブ部材31の他端部31Bを自由端としている。タブ部材31のうち小蓋部3に接合された部分をタブ接合部34と呼ぶ。タブ部材31のうちタブ接合部34を除き、タブ部材31の自由端側の部分(他端部31B側の部分)は、人の手でタブ部材31を摘むことができる程度の大きさと形状に形成されていれば、特にその形状や構造を限定されるものではない。タブ部材31の材質は、第1の実施形態において説明した蓋体1の材質と同様でよく、紙系素材で構成されてよい。
【0073】
蓋体1において、小蓋部3におけるタブ部材31の取り付け位置や取り付け方向は特に限定されるものはないが、
図5の例では、タブ部材31は、小蓋部3の先端寄りの位置(すなわち前端縁部75の近傍)において小蓋部3に接合している。
【0074】
タブ部材31を小蓋部3に接合するための方法(すなわちタブ接合部34の形成方法)は、超音波接合やヒートシール、接着剤による接合などといった各種の方法を例示することができる。タブ接合部34の形成方法としては、上記したもののうち接合のしやすさや接合の強度等といった観点から、超音波接合が好ましい。小蓋部3におけるタブ接合部34の形成位置は、タブ部材31を持ち上げることで小蓋部3を立ち上げる(小蓋部3を回動させる)ことを容易とする観点からは、小蓋部3の中央部からずれた位置であることが好ましい。
【0075】
(タブ部材の向き(取り付け方向))
蓋体1においては、
図5の例では、タブ部材31の一端部31Aよりも、タブ部材31の他端部31B側(自由端側)が、ヒンジ部4側に近位となるように配置されている。ただしこれは一例であり、タブ部材31の向きは
図5の例に示す方向以外の向きとなっていてもよい。例えば、タブ部材31の一端部31Aよりも、タブ部材31の他端部31B側がヒンジ部4から離れた位置となるようにタブ部材31が配置されていてもよい。
【0076】
[2-2 作用及び効果]
第2の実施形態にかかる蓋体1によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態にかかる蓋体1では、摘み部21が設けられていることで、小蓋部3を容易に引き上げることができるようになる。
【0077】
第2の実施形態の変型例について、さらに説明を続ける。
【0078】
[2-3 変形例]
(変形例1)
第2の実施形態にかかる蓋体1において摘み部21としてタブ部材31が設けられている場合には、
図11に示すように、小蓋部3が小開口部6を閉鎖した状態において、タブ部材31の一部が、ベース部2の平面視上、小開口部6の開口縁6Aに交差してもよい。このような構成を有する蓋体1を、第2の実施形態の変型例1と称呼する。
図11は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0079】
図11では、タブ部材31の一方端(一端部31A)側の端縁が小開口部6の開口縁6Aに交差し、タブ部材31のうちベース部2の上面に重なる部分を重なり部35と称呼する。重なり部35が形成されている場合、小蓋部3で小開口部6を開いた後に、再び小蓋部3で小開口部6を閉鎖する際に、重なり部35を小開口部6に下方向(-Z方向)に押し込むことで、小開口部6よりも下方側で重なり部35が小開口部6の開口縁6Aに掛け止めされた状態が形成される。これにより、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態をより安定化させることができる。
【0080】
なお、重なり部35が上記したような小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態をより安定化させる機能を発揮しやすくなる観点からは、第1の実施形態の変形例1でも説明したように小蓋部3が張出部13を形成されていることが好ましい。この場合、
図12に示すように、小蓋部3が張出部13を形成されている場合、張出部13からタブ部材31の一方端(一端部31A)側の一部分が外方向に延び出ており、その延び出た部分が重なり部35となっていることが好ましい。
図12は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図12の例に示す蓋体1の場合、タブ部材31の重なり部35を小開口部6の開口縁6Aの下側(対向面73側)でより確実に掛け止めされた状態を形成することができ、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態をより安定化させることができる。
【0081】
(変形例2)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、
図6の例に示すように、ヒンジ部4を軸としてベース部2に対して小蓋部3を回動して小開口部6を開放した状態で小蓋部3を保持する保持構造を形成する部分である保持構造形成部30を有していてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第2の実施形態の変型例1と称呼する。
図6は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0082】
(保持構造形成部)
保持構造形成部30の構成は特に限定されるものではない。例えば、
図6に示す蓋体1の例では、爪部32と受け部33が保持構造形成部30を形成している。
【0083】
(爪部)
爪部32は、
図6の例に示すように、後述する受け部33に対して掛け止めや差し込み等によって係止することが可能な構造を有する部分であればよい。
図6の例では、爪部32は、摘み部21の例としてのタブ部材31に設けられている。また、この例では、爪部32は、タブ部材31の所定位置におおむね山型形状等の輪郭形状に形成された切り込み部分で形成される。
【0084】
(受け部)
受け部33は、爪部32を係り止め又は差し込みができるような形状に形成されている。
図6の例では、受け部33は、ベース部2の所定位置での切り込みによって形成されたスリット部となっている。受け部33は、小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させた際に爪部32に向い合うことができる位置に形成される。
【0085】
(保持構造の形成)
蓋体1において小蓋部3を立ち上げる場合等では摘み部が引き上げられる。このとき、タブ部材31を引き上げるとともにタブ部材31の自由端側(他端部31B側)の所定部分を折り曲げることで爪部32が下方向又は上方向に突出した形状となる。そして、小蓋部3の爪部32が受け部33に向い合う位置又はその位置の近傍位置に到達するまで小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させる。そしてタブ部材31の爪部32を受け部33に掛け止め又は差し込みする。これにより小開口部6を露出させた状態で小蓋部3を保持する保持構造が形成される。
【0086】
上記の説明では、保持構造形成部30が、受け部33としてスリット部が形成されている場合について説明したが、受け部33に対応する構造はスリット部に限定されない。
【0087】
(保持構造形成部の他例)
蓋体1のベース部2に延出部が設けられている場合、
図7に示すように、延出部が受け部の機能を兼ねた部分とされてもよい。
図7は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体1の一実施例(保持構造形成部の他例)を模式的に示す平面図である。
【0088】
図7に示す蓋体1は、
図6の例と同様に爪部32が摘み部21(
図7ではタブ部材31)に形成されており、爪部32と延出部7とが保持構造形成部30を形成している。
図7の例では、延出部7は、小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させた際に延出部7の外周縁7Aが爪部32に向い合うことができるように、形成される。
【0089】
(保持構造の形成)
図7の例に示す蓋体1においても、
図6の例と同様に、小蓋部3を立ち上げる場合等ではタブ部材31が、
図8Aの矢印F方向に、引き上げられる。
図8Aは、
図7のC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図7の例では、
図6の例と同様に、タブ部材31を引き上げるとともにタブ部材31の自由端側(他端部31B側)の所定部分を折り曲げることで爪部が下方向又は上方向に突出した形状となる。そして、小蓋部3の爪部32が延出部7の外周縁7Aに向い合う位置又はその位置の近傍位置に到達するまで小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させる。そして、
図8Bに示すように、小蓋部3の爪部32を延出部7に掛け止め又は差し込みする。これにより小開口部6を空間部105の露出口とした状態で小蓋部3を保持する保持構造が形成される。
図8Bは、保持構造を一実施例を説明するための断面図である。
【0090】
[3 第3の実施形態]
第3の実施形態にかかる蓋体1は、
図14A、
図14Bに示すように、複数のマージン部が設けられていてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第3の実施形態と称呼する。
図14Aは、第3の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図14Bは、マージン部10を説明するための図である。第3の実施形態にかかる蓋体1においても、第1の実施形態と同様に小蓋部3、ベース部2及びヒンジ部4が設けられている。第3の実施形態にかかる蓋体1は、マージン部10が複数形成されている点、及び小蓋部3と小開口部6の形成部分(位置)が異なる点を除いて、第1の実施形態と同様でよいため、これらの他の点についての説明を省略する。
【0091】
(小蓋部3と小開口部の形成部分)
第3の実施形態においては、小蓋部3の前端縁部75が接合領域対応部5に重なる位置に形成されている。また、小開口部6の開口縁6Aは、小蓋部3の外周縁3Aに対応しているため、小蓋部と同様に、小開口部6の一部が接合領域対応部5に重なっている。このため、
図14Aに示す第3の実施形態の例においては、開蓋状態(ヒンジ部4を軸として小蓋部3を回動させて小開口部を露出させた状態)で、容器101の縁部103の一部と小開口部で容器の空間部105を露出させる開口部分(露出口となる部分)が形成される。
【0092】
(マージン部)
マージン部10は、第1の実施形態と同様に定義される。したがって
図14の例では、マージン部10として、第1マージン部10Aと第2マージン部10Bが形成される。
【0093】
(第1マージン部及び第2マージン部の面積と小開口部の面積)
第1マージン部10A、第2マージン部10Bの大きさは、それぞれ特に限定されるものではないが、ベース部2の平面視上、第1マージン部10Aの面積及び第2マージン部10Bの面積の合計が、小開口部6の面積(
図14Aの例では、小蓋部3の面積にも対応している)よりも小さいことが好適である。すなわち、
図14Bの例では、第1マージン部10Aに対応する部分S11と第2マージン部10Bに対応する部分S12の合計面積が、小開口部6に対応する部分S2の面積(小蓋部3の面積)よりも小さいことが好適である。この場合、小開口部6の大きさ(部分S1の面積)がマージン部10の大きさ(部分S11と部分S12の面積の合計)よりも大きくなっているため、蓋体付き容器150が、小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、容器101の空間部105に、飲料等の液体や氷等の個体を追加することが容易となる。
【0094】
[4 適用例]
第1の実施形態にかかる蓋体1は、
図3A、
図3Bに示すように蓋体付き容器150に用いることができる。
図3Aは、第1の実施形態にかかる蓋体1を、上端に形成された開口部102を有する容器101の開口部102の外周を形成する縁部103に接合させた実施例を示す斜視図である。
図3Bは、
図3AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図3A、
図3Bを用いて蓋体付き容器150について説明を続ける。
【0095】
(蓋体付き容器)
蓋体付き容器150は、容器101と蓋体1とが接合する接合部151を有しており、接合部151を形成する蓋体1の領域が接合領域Rとなる。蓋体1と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。以下では第1の実施形態にかかる蓋体1を蓋体付き容器150に使用した場合を例として説明する。
【0096】
図3A、
図3Bに示す例では、容器101は、上方向にむかって径が太くなるような(下方向に向かって先細りするような)筒状の側壁104と底部107を有し内部に空間部105を形成する容器本体110と、容器本体110の上端(側壁104の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器101は開口部102を矩形状に形成されてもよい。容器101は、蓋体1で開口部102を被覆できるものであればよい。また、容器101の内部(空間部105)に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0097】
図3に示す容器では、開口部102の縁部103は、フランジ部を有している。フランジ部は、
図3等に示すように容器本体110を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部108であってもよいし、外側方向に平面上に延びる部分(つば部)として形成されてもよい。
【0098】
また、第1実施形態にかかる蓋体1は、開口部102を有する容器101との組み合わせとされてもよい。
【0099】
上記した[4 適用例]で示したことは、第1実施形態にかかる蓋体1を用いる場合に限定されない。第2の実施形態及び第3の実施形態についても、第1の実施形態にかかる蓋体1と同様に容器101に接合した蓋体付き容器150に用いることができる(図示せず)。
【0100】
これまで説明したように、本発明に係る蓋体1は、このような多くの態様の蓋体1に対して適用することができる。また、上記した以外の態様の蓋体1に対しても適用することが可能である。以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明係る蓋体を例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してよい。また、上記した蓋体の構成は、それぞれの例の蓋体の構成を独立して用いてもよいし、それぞれの例の蓋体の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0101】
以上の本明細書の説明に基づき、本発明は、次に示す構成を採用されてよい。
[E1]
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ
前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有する、
蓋体。
[E2]
前記庇部は、下記の条件1及び条件2を満たす部分として定められるマージン部である、
上記[E1]に記載の蓋体。
条件1: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の前記開口縁から外側に形成された部分である。
条件2: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
[E3]
前記ベース部の平面視上、前記マージン部の面積は、前記小開口部の面積よりも小さい、
上記[E2]に記載の蓋体。
[E4]
前記マージン部は、該マージン部の内縁と前記マージン部の外縁とが非同心状となるように形成されている、
上記[E2]又は[E3]に記載の蓋体。
[E5]
前記マージン部は、前記マージン部の外縁から前記マージン部の内縁に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
上記[E2]から[E4]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E6]
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記[E1]から[E5]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E7]
前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
上記[E6]に記載の蓋体。
[E8]
前記小蓋部が前記小開口部を閉鎖した場合に、前記タブ部材の一部が、前記ベース部の平面視上、前記小開口部の前記開口縁に交差する、
上記[E7]に記載の蓋体。
[E9]
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記ベース部には、前記爪部に接触する位置に受け部が設けられており、
前記爪部と前記受け部が前記保持構造形成部を形成する、
上記[E6]から[E8]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E10]
前記ベース部の外周縁に延出部を形成している、
上記[E1]から[E9]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E11]
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられており、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記延出部と前記爪部が前記保持構造形成部を形成する、
上記[E10]に記載の蓋体。
[E12]
前記延出部と前記小蓋部の先端との間に前記ヒンジ部が形成されている、
上記[E10]又は[E11]に記載の蓋体。
[E13]
前記接合領域対応部の内側の部分に陥没部が形成されている、
上記[E1]から[E12]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E14]
前記小蓋部の外周縁に張出部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記張出部に対応する凹形状部が形成されている、
上記[E1]から[E13]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E15]
前記小蓋部の外周縁に没入部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記没入部に対応する凸形状部が形成されている、
上記[E1]から[E14]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E16]
前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁とを繋げる接続構造が形成されており、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記小蓋部が前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、前記脆弱部が破壊される、
上記[E1]から[E15]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E17]
前記脆弱部は、連結部と切れ目の組み合わせ構造、及び/又は、ハーフカット構造を有する、
上記[E16]に記載の蓋体。
[E18]
紙系素材で形成されている、
上記[E1]から[E17]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E19]
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有している、
上記[E1]から[E18]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E20]
上記[E1]から[E19]のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
[E21]
上記[E1]から[E19]のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【符号の説明】
【0102】
1 :蓋体
2 :ベース部
2A :外周縁
3 :小蓋部
3A :外周縁
4 :ヒンジ部
5 :接合領域対応部
6 :小開口部
6A :開口縁
7 :延出部
7A :外周縁
8 :切り込み部
10 :マージン部
10A :第1マージン部
10B :第2マージン部
11A :内縁
11B :外縁
12 :陥没部
13 :張出部
14 :没入部
15A :第1の部分
15B :第2の部分
16 :ハーフカット部
17 :接続構造
18A :連続部
18B :切断部
19 :傾斜部
20 :開口形成部
21 :摘み部
23 :凹形状部
24 :凸形状部
26 :応力調整部
30 :保持構造形成部
31 :タブ部材
31A :一端部
31B :他端部
32 :爪部
33 :受け部
34 :タブ接合部
35 :部
72 :露出面
73 :対向面
74 :基端部
75 :前端縁部
76 :側端縁部
101 :容器
102 :開口部
103 :縁部
104 :側壁
105 :空間部
107 :底部
108 :カール部
110 :容器本体
150 :蓋体付き容器
151 :接合部
CT :中心
F :矢印
M :線分
ME :延長線
R :接合領域
S1 :部分
S11 :部分
S12 :部分
S2 :部分
SB1 :所定位置
SB2 :対応位置
XS :領域
【手続補正書】
【提出日】2023-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前端縁部と基端部とを有し前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有し、
前記小蓋部の長さのうち前記ヒンジ部に沿った長さを前記小蓋部の幅とした場合に、前記小蓋部の幅は、前記前端縁部から前記基端部にむかった所定位置から前記基端部にむかって大きくなっており、
紙系素材で形成されている、
蓋体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項18
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項18】
前記小開口部の前記開口縁の形状は、少なくとも前記小蓋部の前記所定位置に対応する位置から前記基端部に対応する位置まで湾曲している、
請求項1に記載の蓋体。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(1)上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前端縁部と基端部とを有し前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有し、
前記小蓋部の長さのうち前記ヒンジ部に沿った長さを前記小蓋部の幅とした場合に、前記小蓋部の幅は、前記前端縁部から前記基端部にむかった所定位置から前記基端部にむかって大きくなっており、
紙系素材で形成されている、
蓋体。
(2)前記庇部は、下記の条件1及び条件2を満たす部分として定められるマージン部である、
上記(1)に記載の蓋体。
条件1: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の前記開口縁から外側に形成された部分である。
条件2: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
(3)前記ベース部の平面視上、前記マージン部の面積は、前記小開口部の面積よりも小さい、
上記(2)に記載の蓋体。
(4)前記マージン部は、該マージン部の内縁と前記マージン部の外縁とが非同心状となるように形成されている、上記(2)に記載の蓋体。
(5)前記マージン部は、前記マージン部の外縁から前記マージン部の内縁に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
上記(2)に記載の蓋体。
(6)前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記(1)に記載の蓋体。
(7)前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
上記(6)に記載の蓋体。
(8)前記小蓋部が前記小開口部を閉鎖した場合に、前記タブ部材の一部が、前記ベース部の平面視上、前記小開口部の前記開口縁に交差する、
上記(7)に記載の蓋体。
(9)前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記ベース部には、前記爪部に接触する位置に受け部が設けられており、
前記爪部と前記受け部が前記保持構造形成部を形成する、
上記(6)に記載の蓋体。
(10)前記ベース部の外周縁に延出部を形成している、
上記(1)に記載の蓋体。
(11)前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられており、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記延出部と前記爪部が前記保持構造形成部を形成する、
上記(10)に記載の蓋体。
(12)前記延出部と前記小蓋部の先端との間に前記ヒンジ部が形成されている、
上記(10)又は(11)に記載の蓋体。
(13)前記接合領域対応部の内側の部分に陥没部が形成されている、
上記(1)記載の蓋体。
(14)前記小蓋部の外周縁に張出部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記張出部に対応する凹形状部が形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(15)前記小蓋部の外周縁に没入部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記没入部に対応する凸形状部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(16)前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁とを繋げる接続構造が形成されており、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記小蓋部が前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、前記脆弱部が破壊される、
上記(1)に記載の蓋体。
(17)前記脆弱部は、連結部と切れ目の組み合わせ構造、及び/又は、ハーフカット構造を有する、
請求項16に記載の蓋体。
(18)前記小開口部の前記開口縁の形状は、少なくとも前記小蓋部の前記所定位置に対応する位置から前記基端部に対応する位置まで湾曲している、
上記(1)に記載の蓋体。
(19)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
(20)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。