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特開2023-163116遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム
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  • 特開-遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム 図1A
  • 特開-遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム 図1B
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  • 特開-遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム 図3A
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  • 特開-遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム 図6A
  • 特開-遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム 図6B
  • 特開-遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム 図7
  • 特開-遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163116
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231101BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174659
(22)【出願日】2022-10-31
(62)【分割の表示】P 2022073698の分割
【原出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】522171154
【氏名又は名称】株式会社FINDs
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】高島 彬
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のコンピュータシステムは、ドロッパーの遺失物に関する情報を受信する手段であって、ドロッパーの遺失物に関する情報は、ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含む、手段と、ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報に基づいて、ドロッパーの移動経路を特定する手段と、ドロッパーの移動経路に基づいて、ドロッパーの遺失物を拾得する可能性がある少なくとも1人のピッカー候補を特定する手段と、ドロッパーの遺失物に関する情報を特定された少なくとも1人のピッカー候補に通知する手段とを備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遺失物を検索することができるウェブサイトが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】警察庁、“都道府県警察における遺失物の公表ページ”、[online]、[令和4年4月18日検索]、インターネット<URL:https://www.npa.go.jp/bureau/soumu/ishitsubutsu/ishitsubutsulink.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
所有物を遺失した場合、いつまで所有物を保持していたかを覚えていたとしても、どこで所有物を遺失したかについては覚えていないことが多い。また、所有物を遺失したと思われる施設に電話などで確認するのは、どこに電話をかけたら良いか分からない場合および電話番号がそもそも分からない場合があるため、大変面倒である。さらに、施設に電話などで確認したとしても、施設の従業員から「ない」と言われることが多い。
【0005】
本発明は、どこで所有物を遺失したかを覚えていなくても遺失物が手元に戻ってくることを可能にする、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、ドロッパーの遺失物に関する情報を受信する手段であって、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含む、手段と、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報に基づいて、前記ドロッパーの移動経路を特定する手段と、前記ドロッパーの移動経路に基づいて、前記ドロッパーの遺失物を拾得する可能性がある少なくとも1人のピッカー候補を特定する手段と、前記ドロッパーの遺失物に関する情報を前記特定された少なくとも1人のピッカー候補に通知する手段とを備える。
【0007】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報に基づいて、前記ドロッパー以外の少なくとも1人のユーザの移動経路を特定する手段をさらに備え、前記ドロッパーの遺失物を拾得する可能性がある少なくとも1人のピッカー候補を特定する手段は、前記少なくとも1人のユーザの移動経路が前記ドロッパーの移動経路の少なくとも一部と重複する場合に、前記少なくとも1人のユーザを前記少なくとも1人のピッカー候補として特定する手段を含んでいてもよい。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記ドロッパー以外の少なくとも1人のユーザの位置情報をモニタニングする手段をさらに備え、前記ドロッパーの遺失物を拾得する可能性がある少なくとも1人のピッカー候補を特定する手段は、前記少なくとも1人のユーザが前記ドロッパーの移動経路の所定の範囲内に位置していた場合に、前記少なくとも1人のユーザを前記少なくとも1人のピッカー候補として特定する手段を含んでいてもよい。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記ドロッパーの位置情報をモニタリングする手段をさらに備え、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報に基づいて、前記ドロッパーの移動経路を特定する手段は、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期における前記ドロッパーの位置情報に基づいて、前記ドロッパーの移動経路を特定する手段を含んでいてもよい。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報を受信する手段と、前記ドロッパーの遺失物に関する情報と、前記ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報とに基づいて、前記ピッカーによって拾得された拾得物が前記ドロッパーの遺失物と同一のものである可能性があるか否かを判定する手段と、前記ピッカーによって拾得された拾得物が前記ドロッパーの遺失物と同一のものである可能性があると判定された場合に、前記ドロッパーと前記ピッカーとをマッチングする手段とをさらに備えていてもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物を表す第1の画像をさらに含み、前記ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報は、前記ピッカーによって拾得された拾得物を表す第2の画像を含み、前記ピッカーによって拾得された拾得物が前記ドロッパーの遺失物と同一のものである可能性があるか否かを判定する手段は、前記第1の画像と前記第2の画像とを画像解析することによって得られる結果に基づいて、前記ピッカーによって拾得された拾得物が前記ドロッパーの遺失物と同一のものである可能性があるか否かを判定する手段を含んでいてもよい。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明をさらに含み、前記ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報は、前記ピッカーによって拾得された拾得物の特徴に関する第2の説明を含み、前記ピッカーによって拾得された拾得物が前記ドロッパーの遺失物と同一のものである可能性があるか否かを判定する手段は、前記第1の説明と前記第2の説明とを自然言語処理することによって得られる結果に基づいて、前記ピッカーによって拾得された拾得物が前記ドロッパーの遺失物と同一のものである可能性があるか否かを判定する手段を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、ドロッパーの遺失物に関する情報を受信することであって、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含む、ことと、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報に基づいて、前記ドロッパーの移動経路を特定することと、前記ドロッパーの移動経路に基づいて、前記ドロッパーの遺失物を拾得する可能性がある少なくとも1人のピッカー候補を特定することと、前記ドロッパーの遺失物に関する情報を前記特定された少なくとも1人のピッカー候補に通知することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【0014】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、ドロッパーの遺失物に関する情報を受信する手段と、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、前記ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を特定する手段と、前記少なくとも1つの遺失場所候補に基づいて、前記ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設を特定する手段と、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、前記少なくとも1つの施設の管理システムに拾得物について問い合わせる手段と、前記少なくとも1つの施設の管理システムへの問い合わせ結果を前記ドロッパーに通知する手段とを備える。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーによって入力された前記ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を示す情報を含み、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、前記ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を特定する手段は、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に含まれている前記ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を示す情報から、前記ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を特定してもよい。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含み、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、前記ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を特定する手段は、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報に基づいて、前記ドロッパーの移動経路を前記少なくとも1つの遺失場所候補として特定してもよい。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含み、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、前記少なくとも1つの施設の管理システムに拾得物について問い合わせる手段は、前記少なくとも1つの施設の管理システムに、前記ドロッパーの遺失物の遺失時期から所定の範囲内の期間において拾得された拾得物について問い合わせてもよい。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、道路上で拾得された拾得物に関する情報を受信する手段であって、前記道路上で拾得された拾得物に関する情報は、前記道路上で拾得された拾得物の拾得場所を示す情報を含む、手段と、前記道路上で拾得された拾得物の拾得場所が前記少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかに近接しているか否かを判定する手段と、前記道路上で拾得された拾得物の拾得場所が前記少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかに近接していると判定された場合に、前記道路上で拾得された拾得物に関する情報を前記ドロッパーに通知する手段とをさらに備えていてもよい。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設を前記ドロッパーに通知する手段と、前記通知された少なくとも1つの施設のうち、前記ドロッパーによって選択された1つ以上の施設を示す情報を受信する手段とをさらに備え、前記少なくとも1つの施設の管理システムに拾得物について問い合わせる手段は、前記ドロッパーによって選択された1つ以上の施設に拾得物について問い合わせる手段を含んでいてもよい。
【0020】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの施設の管理システムへの問い合わせ結果は、前記少なくとも1つの施設の管理システムに届けられている1つ以上の拾得物に関する情報を含み、前記コンピュータシステムは、前記1つ以上の拾得物のうち、前記ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物を特定する手段をさらに備え、前記少なくとも1つの施設の管理システムへの問い合わせ結果を前記ドロッパーに通知する手段は、前記ドロッパーの遺失物と同一である可能性があると特定された前記1つ以上の拾得物を前記ドロッパーに通知してもよい。
【0021】
本発明の1つの実施形態では、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物を表す第1の画像を含み、前記1つ以上の拾得物に関する情報は、前記1つ以上の拾得物を表す1つ以上の第2の画像を含み、前記1つ以上の拾得物のうち、前記ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物を特定する手段は、前記第1の画像と前記1つ以上の第2の画像のそれぞれとを画像解析することによって、前記1つ以上の拾得物のうち、前記ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物を特定する手段を含んでいてもよい。
【0022】
本発明の1つの実施形態では、前記ドロッパーの遺失物に関する情報は、前記ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明をさらに含み、前記1つ以上の拾得物に関する情報は、前記1つ以上の拾得物の特徴に関する1つ以上の第2の説明を含み、前記1つ以上の拾得物のうち、前記ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある拾得物を特定する手段は、前記第1の説明と前記1つ以上の第2の説明のそれぞれとを自然言語処理することによって得られる結果に基づいて、前記1つ以上の拾得物のうち、前記ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物を特定する手段を含んでいてもよい。
【0023】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、ドロッパーの遺失物に関する情報を受信することと、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、前記ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を特定することと、前記少なくとも1つの遺失場所候補に基づいて、前記ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設を特定することと、前記ドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、前記少なくとも1つの施設の管理システムに拾得物について問い合わせることと、前記少なくとも1つの施設の管理システムへの問い合わせ結果を前記ドロッパーに通知することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】ドロッパーによって操作されるユーザ装置に表示される画面100を示す図
図1B】ピッカー候補によって操作されるユーザ装置に表示される画面110を示す図
図2】ドロッパーの遺失物に関する情報がピッカー候補に通知される新しいCtoCサービスを実現するためのシステム200の構成の一例を示す図
図3A】ユーザデータベース部241に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3B】遺失物データベース部242に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3C】拾得物データベース部243に格納されている情報の構成の一例を示す図
図4】コンピュータシステム210において実行される処理の一例を示す図
図5】コンピュータシステム210において実行される処理の他の一例を示す図
図6A】ドロッパーによって操作されるユーザ装置に表示される画面600を示す図
図6B】ドロッパーによって操作されるユーザ装置に表示される画面610を示す図
図7】施設に届けられている拾得物に関する情報を閲覧可能にする新しいBtoCサービスを実現するためのシステム700の構成の一例を示す図
図8】施設データベース部754に格納される情報の構成の一例を示す図
図9】コンピュータシステム710において実行される処理の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本明細書において用いられる用語を定義する。
【0027】
本明細書において「ドロッパー」とは、所有物を遺失した人物をいう。
【0028】
本明細書において「ピッカー」とは、ドロッパーが遺失した物(すなわち、ドロッパーの遺失物)を拾得した人物をいう。
【0029】
本明細書において「ピッカー候補」とは、ドロッパーの遺失物を拾得する可能性がある人物の候補をいう。
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
1.ドロッパーの遺失物に関する情報がピッカー候補に通知される新しいCtoCサービス
出願人は、ドロッパーの遺失物に関する情報がピッカー候補に通知される新しいCtoCサービスを提案する。この新しいCtoCサービスは、ドロッパーの遺失物に関する情報をピッカー候補に拡散することによって、ドロッパーの遺失物がピッカーによって発見される可能性を高め、ドロッパーの遺失物がドロッパーの元に戻ってくる可能性を高めることを企図したものである。この新しいCtoCサービスでは、ドロッパーが遺失物に関する情報を登録すると、ドロッパーの遺失物に関する情報が、ドロッパーの遺失物を拾得する可能性があるピッカー候補に通知され、ピッカーが拾得物に関する情報を登録すると、ピッカーの拾得物に関する情報が、ピッカーの拾得物と同一である可能性がある遺失物を遺失したドロッパーに通知される。これにより、ピッカーは、ドロッパーの遺失物を見かけたときにより簡単に通報することが可能であり、ドロッパーは、遺失物が発見されて手元に戻ってくる可能性を高めることが可能である。
【0032】
図1Aは、ドロッパーによって操作されるユーザ装置に表示される画面100を示す。画面100の表示は、例えば、ユーザ装置のメモリ部に格納されているプログラムが、ユーザ装置のプロセッサ部によって実行されることによって達成される。画面100は、その全体がユーザ装置に表示されていなくてもよい。例えば、ユーザ装置には画面100の一部が表示されており、スクロール操作を行うことによって画面100の他の一部が表示されるようにしてもよい。
【0033】
図1Aは、ドロッパーが遺失物に関する情報を入力するための画面の一例である。図1Aに示される実施形態では、画面100は、遺失物の名称を入力するための名称入力エリア101と、遺失物を遺失した時期を入力するための時期入力エリア102と、遺失物の画像をアップロードするためのアップロードボタン103と、画面100に入力された情報をドロッパーの遺失物に関する情報として登録するための登録ボタン104とを含む。画面100は、ドロッパーの遺失物の詳細な情報を自由に入力することが可能な自由入力エリア(図示せず)をさらに含んでいてもよい。
【0034】
名称入力エリア101は、テキストなどを入力可能なように構成されており、ユーザによって選択(例えば、タップ)されると遺失物の名称を入力することが可能な状態になる。遺失物の名称は、遺失物を一意に特定できる程度に詳細なものである必要はない。遺失物の名称は、例えば、遺失物の商品名であってもよいし、遺失物のブランド名であってもよいし、遺失物の見た目を単に説明したものであってもよい。
【0035】
また、時期入力エリア102は、テキストなどを入力可能なように構成されており、ユーザによって選択(例えば、タップ)されると遺失物の遺失時期を入力することが可能な状態になる。入力される遺失時期は、日付および時刻で表され得る。例えば、「2022年4月20日午前10時~2022年4月20日午後5時」のように遺失時期を範囲指定して入力することが可能であってもよいし、「2022年4月20日午後2時ごろ」のように遺失時期を曖昧に指定して入力することが可能であってもよい。
【0036】
さらに、アップロードボタン103は、選択可能なように構成されている。アップロードボタン103がユーザによって選択(例えば、タップ)されると、アップロードすべき画像(例えば、静止画)を撮影または選択するための画面が表示され、画像が撮影または選択されると、撮影または選択された画像が、遺失物の画像としてアップロードされることが可能である。
【0037】
さらに、登録ボタン104は、選択可能なように構成されている。ドロッパーは、画面100上に遺失物に関する情報を入力した後に登録ボタン104を選択することによって、ドロッパーの遺失物に関する情報を登録することが可能である。
【0038】
図1Bは、ピッカー候補によって操作されるユーザ装置に表示される画面110を示す。画面110の表示は、例えば、ユーザ装置のメモリ部に格納されているプログラムが、ユーザ装置のプロセッサ部によって実行されることによって達成される。画面110は、その全体がユーザ装置に表示されていなくてもよい。例えば、ユーザ装置には画面110の一部が表示されており、スクロール操作を行うことによって画面110の他の一部が表示されるようにしてもよい。
【0039】
図1Bは、ドロッパーの遺失物に関する情報がピッカー候補に通知されている画面の一例である。図1Bに示される実施形態では、画面110には、遺失物の名称「xxx」および遺失物を遺失した時期「yyy」が表示されている。ドロッパーが遺失物の画像を登録した場合には、図1Bに示されるように、画面110は、ドロッパーの遺失物の画像をさらに含む。図1Bに示される実施形態では、画面110は、ドロッパーの遺失物である可能性がある物をピッカーが発見した場合にピッカーによって選択される発見ボタン111をさらに含む。
【0040】
ピッカーが発見ボタン111を選択すると、ピッカーの拾得物に関する情報を入力するための画面(図示せず)が、ピッカーによって操作されるユーザ装置に表示される。この画面は、例えば、図1Aの画面100と同様の構成を有し得る。従って、ピッカーの拾得物に関する情報を入力するための画面では、ピッカーは、ピッカーの拾得物の特徴(例えば、拾得物の名称、形状、色、模様、大きさ、アクセサリーの有無など)、拾得時期、拾得場所などを入力することが可能であり、ピッカーの拾得物の画像をアップロードすることが可能である。これにより、ピッカーの拾得物に関する情報を登録することが可能である。
【0041】
2.新しいCtoCサービスを実現するためのシステムの構成
図2は、ドロッパーの遺失物に関する情報がピッカー候補に通知される新しいCtoCサービスを実現するためのシステム200の構成の一例を示す。
【0042】
図2に示される実施形態では、システム200は、遺失物および拾得物に関する情報を管理するためのコンピュータシステム210と、ユーザ装置220~220とを備える。コンピュータシステム210は、インターネット230を介して、ユーザ装置220~220のそれぞれと通信することが可能なように構成されている。ここで、Nは、1以上の整数である。
【0043】
コンピュータシステム210は、ドロッパーの遺失物の発見を支援する会社のための処理を実行する情報処理システムである。図2に示される実施形態では、コンピュータシステム210は、インターフェース部211と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部212と、メモリ部213とを含む。コンピュータシステム210のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0044】
インターフェース部211は、ユーザ装置220~220のそれぞれとの通信を制御する。
【0045】
メモリ部213には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部213に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部213にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット230などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部213にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部213にインストールされるようにしてもよい。
【0046】
プロセッサ部212は、コンピュータシステム210全体の動作を制御する。プロセッサ部212は、メモリ部213に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム210は、所望のステップを実行する装置として機能することが可能であり、コンピュータシステム210のプロセッサ部212は、所望の機能を達成する手段として動作することが可能である。
【0047】
図2に示される実施形態では、コンピュータシステム210は、データベース部240に接続されている。データベース部240は、ユーザデータベース部241と、遺失物データベース部242と、拾得物データベース部243とを含む。
【0048】
ユーザ装置220~220のそれぞれは、インターネット230を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。ユーザ装置220~220のそれぞれは、インターフェース部、プロセッサ部、メモリ部、表示部、および入力部を備え得る。例えば、ユーザ装置220~220のそれぞれは、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯無線端末であってもよいし、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0049】
なお、図2に示される実施形態では、ユーザ装置220~220のそれぞれがインターネット230を介してコンピュータシステム210と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット230の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
【0050】
また、図2に示される実施形態では、データベース部240は、コンピュータシステム210の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部240をコンピュータシステム210の内部に設けることも可能である。データベース部240の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部240は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部240は、コンピュータシステム210の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0051】
図3Aは、ユーザデータベース部241に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0052】
ユーザデータベース部241には、ユーザに関する情報が格納されている。ユーザに関する情報は、ユーザを識別するための情報(ユーザID)によって識別されることが可能である。ユーザに関する情報は、ユーザの氏名、性別、生年月日、電話番号、Eメールアドレス、位置情報などを含む。ユーザに関する情報は、ユーザの口座情報をさらに含んでいてもよい。
【0053】
図3Bは、遺失物データベース部242に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0054】
遺失物データベース部242には、ドロッパーが遺失した遺失物に関する情報が格納されている。遺失物に関する情報は、遺失物を識別するための情報(遺失物ID)によって識別されることが可能である。遺失物に関する情報は、その遺失物を遺失したドロッパーを識別するための情報(ドロッパーID)に関連付けられている。ドロッパーIDは、ユーザデータベース部241に格納されているユーザIDのうちの1つである。遺失物に関する情報は、遺失物の特徴(例えば、遺失物の名称、形状、色、模様、大きさ、アクセサリーの有無など)、遺失時期、画像などを含む。
【0055】
図3Cは、拾得物データベース部243に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0056】
拾得物データベース部243には、ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報が格納されている。拾得物に関する情報は、拾得物を識別するための情報(拾得物ID)によって識別されることが可能である。拾得物に関する情報は、その拾得物を拾得したピッカーを識別するための情報(ピッカーID)に関連付けられている。ピッカーIDは、ユーザデータベース部241に格納されているユーザIDのうちの1つである。拾得物に関する情報は、拾得物の特徴(例えば、拾得物の名称、形状、色、模様、大きさ、アクセサリーの有無など)、拾得時期、拾得場所、画像、保管場所などを含む。
【0057】
3.コンピュータシステムにおいて実行される処理
図4は、コンピュータシステム210において実行される処理の一例を示す。図4に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部211によって実行される。図4では、ドロッパーの遺失物に関する情報がピッカー候補に通知されるまでの処理の流れが説明される。なお、ドロッパーおよびピッカー候補およびピッカーは、会員登録手続きの一環として、ユーザデータベース部241に格納されるべきユーザに関する情報を事前に登録しているものとする。以下、図4に示される各ステップを説明する。
【0058】
ステップS401:ドロッパーの遺失物に関する情報が受信される。ドロッパーの遺失物に関する情報は、例えば、ドロッパーによって操作されるユーザ装置220に入力されたものであり、ユーザ装置220から受信される。この処理は、図1Aを参照して説明された画面100上のユーザ操作に対応する。ドロッパーの遺失物に関する情報は、例えば、ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含む。ドロッパーの遺失物に関する情報は、ドロッパーの遺失物の名称および画像をさらに含んでいてもよい。受信されたドロッパーの遺失物に関する情報は、ドロッパーIDに関連付けられた状態で、遺失物データベース部242に格納され得る。
【0059】
ステップS402:ドロッパーの移動経路が特定される。この処理は、ドロッパーの遺失物の遺失時期に基づいて、実行される。
【0060】
例えば、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの位置情報(すなわち、ドロッパーによって操作されるユーザ装置220の位置情報)をモニタリングするように構成される。ドロッパーの位置情報のモニタリングは、例えば、GPSを介してユーザ装置220からドロッパーの位置情報を少なくとも断続的に(例えば、断続的に、連続的に、常時)取得することによって達成され得る。ドロッパーの位置情報は、その位置情報に示される位置にドロッパーが居た時刻を示す時刻情報を含み得る。この場合、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの遺失物の遺失時期に基づいて、ドロッパーの遺失物の遺失時期の間のドロッパーの位置情報から、ドロッパーの遺失物の遺失時期の間にドロッパーが辿った移動経路を特定し得る。
【0061】
あるいは、ドロッパーは、ユーザに関する情報の事前登録のときに、例えば、いつどこを辿ることが多いかを示す情報を、頻繁に利用する経路として登録しておいてもよい。このとき、頻繁に利用する経路を示す情報が、その経路上の時刻情報とともに、ドロッパーIDに関連付けられた状態で、ユーザデータベース部241に格納され得る。この場合、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの遺失物の遺失時期に基づいて、ドロッパーの遺失物の遺失時期に対応するドロッパーの頻繁に利用する経路の少なくとも一部をドロッパーの移動経路として特定してもよい。
【0062】
ステップS403:少なくとも1人のピッカー候補が特定される。この処理は、ステップS402において特定されたドロッパーの移動経路に基づいて、実行される。
【0063】
例えば、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、(例えば、ステップS402を参照して説明された方法と同一の方法によって)ドロッパー以外の少なくとも1人のユーザの移動経路を特定するように構成される。コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、その少なくとも1人のユーザの移動経路が(例えば、2次元マップ上で、または、3次元マップ上で)ドロッパーの移動経路の少なくとも一部と重複するか否かを判定し、その少なくとも1人のユーザの移動経路がドロッパーの移動経路の少なくとも一部と重複する場合に、その少なくとも1人のユーザを少なくとも1人のピッカー候補として特定し得る。これにより、遺失物が落ちている可能性があるドロッパーの移動経路付近を頻繁に利用するユーザが、ピッカー候補として特定されることが可能である。
【0064】
あるいは、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパー以外の少なくとも1人のユーザの位置情報(すなわち、ドロッパー以外の少なくとも1人のユーザによって操作されるユーザ装置220の位置情報)をモニタリングするように構成される。ドロッパー以外の少なくとも1人のユーザの位置情報のモニタリングは、例えば、GPSを介してユーザ装置220からドロッパー以外の少なくとも1人のユーザの位置情報を少なくとも断続的に(例えば、断続的に、連続的に、常時)取得することによって達成され得る。この場合、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、その少なくとも1人のユーザの位置情報に基づいて、その少なくとも1人のユーザが、ステップS402において特定されたドロッパーの移動経路から所定の範囲内に位置しているか否かを判定し、その少なくとも1人のユーザがドロッパーの移動経路から所定の範囲内に位置している場合に、その少なくとも1人のユーザを少なくとも1人のピッカー候補として特定し得る。これにより、遺失物が落ちている可能性があるドロッパーの移動経路付近に居るユーザが、(例えば、リアルタイムに)ピッカー候補として特定されることが可能である。ドロッパーの移動経路から所定の範囲は、例えば、ドロッパーの移動経路から50m以内であってもよいし、ドロッパーの移動経路から100m以内であってもよいし、ドロッパーの移動経路から300m以内であってもよいし、ドロッパーの移動経路から500m以内であってもよいが、これらに限定されない。
【0065】
ステップS404:ステップS401において受信されたドロッパーの遺失物に関する情報が、ステップS403において特定された少なくとも1人のピッカー候補に通知される。この処理は、例えば、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)が、少なくとも1人のピッカー候補によって操作されるユーザ装置220にドロッパーの遺失物に関する情報を送信することによって達成される。この処理は、図1Bを参照して説明された画面110上に表示されるものに対応する。
【0066】
このように、ドロッパーの移動経路に基づいてピッカー候補を特定することによって、ドロッパーの遺失物を拾得する可能性が比較的高いユーザをピッカー候補とすることが可能である。また、そのようなピッカー候補にドロッパーの遺失物に関する情報を通知することによって、ピッカー候補がピッカーとなった(すなわち、ピッカー候補がドロッパーの遺失物を拾得した)場合に、後述されるように、ドロッパーの遺失物をドロッパーの手元に戻すための処理をスムーズに進めることが可能である。
【0067】
図5は、コンピュータシステム210において実行される処理の他の一例を示す。図5に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部211によって実行される。図5では、ドロッパーの遺失物を拾得したピッカーとドロッパーとをマッチングするまでの処理の流れが説明される。以下、図5に示される各ステップを説明する。
【0068】
ステップS501:ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報が受信される。ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報は、例えば、ピッカーによって操作されるユーザ装置220から受信される。受信されたピッカーの拾得物に関する情報は、ピッカーIDに関連付けられた状態で、拾得物データベース部243に格納される。ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報は、例えば、拾得物の特徴(例えば、拾得物の名称、形状、色、模様、大きさ、アクセサリーの有無など)、拾得時期、拾得場所、画像などを含む。ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報は、拾得物の保管場所を示す情報をさらに含んでいてもよい。
【0069】
ステップS502:ピッカーによって拾得された拾得物が、ドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS503に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS504に進む。
【0070】
ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かの判定処理は、例えば、画像解析によって実現されてもよい。すなわち、ドロッパーの遺失物に関する情報が、ドロッパーの遺失物を表す第1の画像を含み、かつ、ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報が、拾得物を表す第2の画像を含む場合に、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの遺失物を表す第1の画像と、ピッカーによって拾得された拾得物を表す第2の画像とを画像解析し、その画像解析の結果に基づいて、ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かを判定してもよい。コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、第1の画像と第2の画像とが同一のものを表しているという解析結果を得た場合には、ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものであると判定する。コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、第1の画像と第2の画像とが同一のものを表していないという解析結果を得た場合には、ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものではないと判定する。
【0071】
あるいは、ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かの判定処理は、例えば、自然言語処理によって実現されてもよい。すなわち、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明と、ピッカーによって拾得された拾得物の特徴に関する第2の説明とを自然言語処理し、その自然言語処理の結果に基づいて、ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かを判定してもよい。コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明とピッカーによって拾得された拾得物の特徴に関する第2の説明とが同一のものを表しているという自然言語処理結果を得た場合には、ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものであると判定する。コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明とピッカーによって拾得された拾得物の特徴に関する第2の説明とが同一のものを表していないという自然言語処理結果を得た場合には、ピッカーによって拾得された拾得物がドロッパーの遺失物と同一のものではないと判定する。
【0072】
ステップS503:ドロッパーとピッカーとをマッチングする処理が実行される。これにより、ドロッパーは、ピッカーと直接連絡を取ることが可能になる。ドロッパーとピッカーとをマッチングする処理は、例えば、ドロッパーとピッカーとが相互にトークすることが可能なトークルームを生成する処理、ピッカーに関する情報をドロッパーに通知する処理、ドロッパーに関する情報をピッカーに通知する処理などを含むが、これらに限定されない。
【0073】
ドロッパーとピッカーとが直接連絡を取った結果として、ピッカーの拾得物が確かにドロッパーの遺失物と同一のものであるということが明らかになった場合には、ドロッパーは、ピッカーの拾得物の受け取り手続きをコンピュータシステム210および/またはピッカーに対して開始し、ピッカーの拾得物の保管場所においてドロッパーの遺失物を受け取ることが可能である。また、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ステップS503の後、(例えば、ドロッパーによって操作されるユーザ装置220から)ドロッパーからの謝礼に関する入力を受信し、ドロッパーからの謝礼に関する入力を受信したことに応答して、ドロッパーからピッカーに謝礼を提供するための処理をさらに実行してもよい。謝礼に関する入力は、例えば、謝礼金の額を示す入力、謝礼ポイントの額を示す入力などであり得るが、これらに限定されない。ドロッパーからピッカーに謝礼を提供するための処理は、例えば、ユーザデータベース部241を参照して、ドロッパーの口座からピッカーの口座に謝礼金の額を振り込むための処理を含むが、これに限定されない。
【0074】
ステップS504:ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報が、拾得物データベース部243に格納される。これにより、ピッカーによって拾得された拾得物に関する情報は、この後のタイミングで入力される別のドロッパーの遺失物のために使用され得る。これは、ドロッパーが遺失物に関する情報をコンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210の遺失物データベース部242)に登録する前にピッカーが拾得物を拾得して拾得物に関する情報をコンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210の拾得物データベース部243)に登録してしまった場合にも対応することができる。
【0075】
なお、コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、ドロッパーの遺失物に関する情報を受信したことに応答して、拾得物データベース部243を参照して、ドロッパーの遺失物が、拾得物データベース部243内に格納されている拾得物に関する情報に示される拾得物のいずれかと同一のものである可能性があるか否かを判定してもよい。ドロッパーの遺失物が、拾得物データベース部243内に格納されている拾得物に関する情報に示される拾得物のいずれかと同一のものである可能性があるか否かを判定するための実現手段は、例えば、図5のステップS502を参照して説明された方法と同一の方法であり得る。例えば、ドロッパーの遺失物が、拾得物データベース部243内に格納されている拾得物に関する情報に示される拾得物Xと同一である可能性がある場合、拾得物Xのピッカーとドロッパーとをマッチングするようにしてもよい。これにより、ドロッパーは、拾得物Xのピッカーと直接連絡を取ることが可能である。ドロッパーの遺失物が、拾得物データベース部243内に格納されている拾得物に関する情報に示される任意の拾得物と同一である可能性が無い場合には、ドロッパーの遺失物に関する情報は、遺失物データベース部242内に格納される。
【0076】
4.施設に届けられている拾得物に関する情報を閲覧可能にする新しいBtoCサービス
出願人は、施設に届けられている拾得物に関する情報を閲覧可能にする新しいBtoCサービスを提案する。この新しいBtoCサービスは、ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある施設に届けられている拾得物に関する情報を閲覧することによって、ドロッパーの遺失物がドロッパーの元に戻ってくる可能性を高めることを企図したものである。この新しいBtoCサービスでは、ドロッパーが経路情報を入力すると、拾得物についての問合せが、入力された経路付近の少なくとも1つの施設に送信され、少なくとも1つの施設への問合せ結果が、ドロッパーに通知される。これにより、ドロッパーは、少なくとも1つの施設への問合せ結果に含まれる遺失物情報を閲覧することが可能であり、問合せが送信された少なくとも1つの施設のうちの1つにドロッパーの遺失物が届けられている場合にはその1つの施設までドロッパーの遺失物を受け取りに行くことが可能である。
【0077】
図6Aは、ドロッパーによって操作されるユーザ装置に表示される画面600を示す。画面600の表示は、例えば、ユーザ装置のメモリ部に格納されているプログラムが、ユーザ装置のプロセッサ部によって実行されることによって達成される。画面600は、その全体がユーザ装置に表示されていなくてもよい。例えば、ユーザ装置には画面600の一部が表示されており、スクロール操作を行うことによって画面600の他の一部が表示されるようにしてもよい。
【0078】
図6Aは、ドロッパーが遺失物に関する情報を入力するための画面の一例である。図6Aに示される実施形態では、画面600は、ドロッパーの移動経路を入力するための経路入力エリア601と、遺失物の画像をアップロードするためのアップロードボタン602とを含む。画面600は、図1Aに示されるように、遺失物の名称を入力するための名称入力エリア(図示せず)と、遺失物を遺失した時期を入力するための時期入力エリア(図示せず)と、画面600に入力された情報をドロッパーの遺失物に関する情報として登録するための登録ボタン(図示せず)と、ドロッパーの遺失物の詳細な情報を自由に入力することが可能な自由入力エリア(図示せず)とをさらに含んでいてもよい。
【0079】
図6Aに示される実施形態では、経路入力エリア601には、マップが表示されている。便宜上、画面600では、マップ上にA地点、B地点、C地点、およびD地点がプロットされている。経路入力エリア601は、ドロッパーの移動経路を入力することが可能なように構成されている。例えば、ドロッパーは、図6Aに示されるように、画面600上で円を描くようにして、ドロッパーによって想定されるドロッパーの移動エリア603を入力することが可能である。この場合、例えば、B地点とC地点との間が、ドロッパーが遺失物を遺失した場所の候補(すなわち、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補)として特定されることが可能である。
【0080】
あるいは、ドロッパーは、画面600上でB地点とC地点とを結ぶように線を引くことによって、ドロッパーによって想定されるドロッパーの移動経路を入力することが可能である。この場合、例えば、B地点とC地点との間が、ドロッパーが遺失物を遺失した場所の候補(すなわち、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補)として特定されることが可能である。
【0081】
なお、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補の特定の手法は、これらに限定されない。例えば、ドロッパーが、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補を特定するための音声入力(例えば、「B地点とC地点との間」という発話を記録した音声入力)を行うことによって、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補が特定されてもよい。
【0082】
なお、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補は、ドロッパーに確認するために、ドロッパーに提示されてもよい(すなわち、ドロッパーによって操作されるユーザ装置220に表示されてもよい)。
【0083】
図6Bは、ドロッパーによって操作されるユーザ装置に表示される画面610を示す。画面610の表示は、例えば、ユーザ装置のメモリ部に格納されているプログラムが、ユーザ装置のプロセッサ部によって実行されることによって達成される。画面610は、その全体がユーザ装置に表示されていなくてもよい。例えば、ユーザ装置には画面610の一部が表示されており、スクロール操作を行うことによって画面610の他の一部が表示されるようにしてもよい。
【0084】
図6Bは、ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある施設を提示するための画面の一例である。画面610は、例えば、図6Aの画面600上でドロッパーの移動エリア603が入力されたことに応答して、または、図6Aの画面600上で登録ボタンが選択されたことに応答して、図6Aの画面600から遷移した画像である。図6Bに示される実施形態では、画面610は、B地点とC地点との間の遺失場所候補に隣接する施設aを示すアイコン611および施設bを示すアイコン612を含む。このように、ドロッパーは、ドロッパーの移動エリアまたは移動経路を入力することによって、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補付近の複数の施設のうち、ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設を視認することが可能である。施設は、届けられた遺失物を管理・保管することが可能な任意の建物を含む。例えば、施設は、商業施設、レジャー施設、警察署、忘れ物センターなどを含むが、これらに限定されない。
【0085】
施設aを示すアイコン611および施設bを示すアイコン612は、それぞれ、選択可能なように構成されている。例えば、ドロッパーによってアイコン611が選択されると、施設aに関する情報がドロッパーのユーザ装置に表示される。また、施設aに届けられている拾得物に関する情報が、施設aに関する情報の一部としてドロッパーに提示されてもよいし、拾得物について施設aに問い合わせるためのボタン(図示せず)がドロッパーによって選択されたことに応答してドロッパーに提示されてもよい。アイコン612についても同様である。
【0086】
図6Bに示される実施形態では、画面610は、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補付近の道路上で拾得物が拾得されていることを示すアイコン613をさらに含む。アイコン613は、選択可能なように構成されている。ドロッパーによってアイコン613が選択されると、拾得物に関する情報が、ドロッパーのユーザ装置に表示される。拾得物に関する情報とともに、その拾得物を拾得したピッカーに関する情報が、ドロッパーのユーザ装置にさらに表示されてもよい。
【0087】
なお、図6Bに示される実施形態では、アイコン611およびアイコン612は同一のアイコンであるが、本発明はこれに限定されない。アイコン611およびアイコン612は、相互に異なるアイコンであってもよい。また、図6Bに示される実施形態では、アイコン613は、アイコン611およびアイコン612と異なるアイコンであるが、本発明はこれに限定されない。アイコン613は、アイコン611およびアイコン612と同一であってもよい。
【0088】
また、図6Bに示される実施形態では、ドロッパーによって入力された移動エリアまたは移動経路は1箇所であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、ドロッパーは、複数箇所の移動エリアまたは移動経路を入力するようにしてもよい。
【0089】
また、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補付近のすべての施設がアイコンを用いてドロッパーに提示され、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補付近のすべての施設のうち、1つ以上の遺失物が届けられている少なくとも1つの施設、または、ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設を、その他の施設と区別することが可能な態様で(例えば、異なるアイコンの形状、異なるアイコンの色、および/または、異なるアイコンのエフェクトを用いて)ドロッパーに提示されてもよい。あるいは、ドロッパーの遺失物の遺失場所候補付近にある、1つ以上の遺失物が届けられている少なくとも1つの施設のみ、または、ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設のみが、アイコンを用いてドロッパーに提示されてもよい。
【0090】
5.新しいBtoCサービスを実現するためのシステムの構成
図7は、施設に届けられている拾得物に関する情報を閲覧可能にする新しいBtoCサービスを実現するためのシステム700の構成の一例を示す。
【0091】
図7に示される実施形態では、システム700は、遺失物および拾得物に関する情報を管理するためのコンピュータシステム710と、ユーザ装置720~720と、施設の管理システム730~730とを備える。コンピュータシステム710は、インターネット740を介して、ユーザ装置720~720のそれぞれ、および、施設の管理システム730~730のそれぞれと通信することが可能なように構成されている。ここで、N、Mは、1以上の整数である。
【0092】
コンピュータシステム710は、ドロッパーの遺失物の発見を支援する会社のための処理を実行する情報処理システムである。図7に示される実施形態では、コンピュータシステム710は、インターフェース部711と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部712と、メモリ部713とを含む。コンピュータシステム710のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。コンピュータシステム710の構成は、図2のコンピュータシステム210の構成と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0093】
図7に示される実施形態では、コンピュータシステム710は、データベース部750に接続されている。データベース部750は、ユーザデータベース部751と、遺失物データベース部752と、拾得物データベース部753と、施設データベース部754とを含む。
【0094】
ユーザ装置720~720のそれぞれの構成は、図2のユーザ装置220の構成と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0095】
施設の管理システム730は、コンピュータシステム710と通信可能なように構成されている。施設の管理システム730は、施設のための処理を実行するサーバ装置と、施設に届けられている拾得物に関する情報を格納するデータベース部とを備える。サーバ装置は、例えば、インターフェース部、プロセッサ部、およびメモリ部を備え得る。施設に届けられている拾得物に関する情報を格納するデータベース部は、サーバ装置の外部に設けられかつサーバ装置に接続されている構成を有していてもよいし、サーバ装置の内部に設けられている構成を有していてもよい。施設に届けられている拾得物に関する情報を格納するデータベース部は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、施設に届けられている拾得物に関する情報を格納するデータベース部は、サーバ装置の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。施設の管理システム730~730についても同様である。
【0096】
ユーザデータベース部751の構成は、図3Aのユーザデータベース部241の構成と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。遺失物データベース部752の構成は、図3Bの遺失物データベース部242の構成と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。拾得物データベース部753の構成は、図3Cの拾得物データベース部243の構成と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0097】
図8は、施設データベース部754に格納される情報の構成の一例を示す。
【0098】
施設データベース部754には、施設に関する情報が格納されている。施設に関する情報は、施設を識別するための情報(施設ID)によって識別されることが可能である。施設に関する情報は、施設の名称、所在地、業種、外観の画像などを含む。
【0099】
6.コンピュータシステムにおいて実行される処理
図9は、コンピュータシステム710において実行される処理の一例を示す。図9に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム710のプロセッサ部711によって実行される。以下、図9に示される各ステップを説明する。
【0100】
ステップS901:ドロッパーの遺失物に関する情報が受信される。ドロッパーの遺失物に関する情報は、例えば、ドロッパーによって操作されるユーザ装置720への入力に基づくものであり、ユーザ装置720から受信される。この処理は、図6Aを参照して説明された画面600上のユーザ操作に対応し得る。ドロッパーの遺失物に関する情報は、例えば、ドロッパーが遺失物を遺失した場所の候補(すなわち、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補)を示す情報を含み得る。あるいは、ドロッパーの遺失物に関する情報は、例えば、ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含み得る。ドロッパーの遺失物に関する情報は、ドロッパーの遺失物の名称および画像をさらに含んでいてもよい。受信されたドロッパーの遺失物に関する情報は、ドロッパーIDに関連付けられた状態で、遺失物データベース部752に格納され得る。
【0101】
ステップS902:ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補が特定される。この処理は、ステップS901において受信されたドロッパーの遺失物に関する情報に基づいて、実行される。
【0102】
ステップS901において受信されたドロッパーの遺失物に関する情報が、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を示す情報を含む場合には、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの遺失物に関する情報に含まれているドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を示す情報から、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を特定することが可能である。
【0103】
また、ステップS901において受信されたドロッパーの遺失物に関する情報が、ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含み、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの位置情報(すなわち、ドロッパーによって操作されるユーザ装置720の位置情報)をモニタリングするように構成される場合には、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの遺失物の遺失時期に基づいて、ドロッパーの遺失物の遺失時期の間のドロッパーの位置情報から、ドロッパーの遺失物の遺失時期の間にドロッパーが辿った移動経路をドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補として特定することが可能である。ドロッパーの位置情報のモニタリングは、例えば、GPSを介してユーザ装置720からドロッパーの位置情報を少なくとも断続的に(例えば、断続的に、連続的に、常時)取得することによって達成され得る。ドロッパーの位置情報は、その位置情報に示される位置にドロッパーが居た時刻を示す時刻情報を含み得る。
【0104】
ステップS903:ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設が特定される。この処理は、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補に基づいて、実行される。
【0105】
コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、例えば、施設データベース部754を参照して、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補と施設データベース部754に格納されている施設の所在地とに基づいて、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補から所定の範囲内に位置する少なくとも1つの施設を、ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設として特定することが可能である。少なくとも1つの遺失場所候補から所定の範囲は、例えば、少なくとも1つの遺失場所候補から50m以内であってもよいし、少なくとも1つの遺失場所候補から100m以内であってもよいし、少なくとも1つの遺失場所候補から300m以内であってもよいし、少なくとも1つの遺失場所候補から500m以内であってもよいが、これらに限定されない。
【0106】
ステップS904:ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設に、拾得物についての問い合わせが送信される。これは、例えば、少なくとも1つの施設に届けられている拾得物に関する情報をコンピュータシステム710に送信するように少なくとも1つの施設の管理システム(すなわち、施設の管理システム730~730のうちの少なくとも1つ)に要求するものであり得る。
【0107】
上記の実施形態では、ステップS904において、ステップS903において特定されたドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設のすべてに対して、問い合わせが送信される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。ステップS903において特定された少なくとも1つの施設のうちの少なくとも一部に対して、問い合わせが送信されてもよい。
【0108】
例えば、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの遺失物が届けられている可能性がある少なくとも1つの施設を特定した後、特定された少なくとも1つの施設をドロッパーに通知する。その後、ドロッパーが、ユーザ装置720上で、通知された少なくとも1つの施設のうちの1つ以上の施設を選択する。これにより、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーのユーザ装置720から、通知された少なくとも1つの施設のうち、ドロッパーによって選択された1つ以上の施設を示す情報を受信することが可能である。この場合、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーによって選択された1つ以上の施設に、拾得物について問い合わせてもよい。
【0109】
なお、少なくとも1つの施設の通知の態様は、任意である。少なくとも1つの施設は、例えば、図6Bに示されるようにマップ上のアイコンを用いてドロッパーに通知されてもよいし、少なくとも1つの施設の示す情報のリスト表示によってドロッパーに通知されてもよい。
【0110】
また、ステップS901において受信されたドロッパーの遺失物に関する情報が、ドロッパーの遺失物の遺失時期を示す情報を含む場合には、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、特定された少なくとも1つの施設に、ドロッパーの遺失物の遺失時期から所定の範囲内の期間において拾得された拾得物について問い合わせてもよい。ドロッパーの遺失物の遺失時期から所定の範囲内の期間は、例えば、ドロッパーの遺失物の遺失時期から1時間以内の期間(すなわち、ドロッパーの遺失物の遺失時期が「2022年4月20日午前10時~2022年4月20日午後5時」である場合には「2022年4月20日午前9時~2022年4月20日午後6時」)であってもよいし、ドロッパーの遺失物の遺失時期から3時間以内の期間であってもよいし、または、ドロッパーの遺失物の遺失時期から6時間以内の期間であってもよいが、これらに限定されない。
【0111】
ステップS905:少なくとも1つの施設の管理システム(すなわち、施設の管理システム730~730のうちの少なくとも1つ)から、少なくとも1つの施設への問い合わせ結果が受信される。少なくとも1つの施設への問い合わせ結果は、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物に関する情報を含む。少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物に関する情報は、例えば、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物の特徴(例えば、拾得物の名称、形状、色、模様、大きさ、アクセサリーの有無など)、拾得時期、拾得場所、画像などを含む。少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物に関する情報は、拾得物の保管場所を示す情報をさらに含んでいてもよい。
【0112】
ステップS906:ステップS905において受信された少なくとも1つの施設への問い合わせ結果が、ドロッパーに通知される。これにより、ドロッパーは、少なくとも1つの施設に届けられている拾得物に関する情報を閲覧することが可能である。また、ドロッパーが、少なくとも1つの施設に届けられている拾得物に関する情報の中からドロッパーの遺失物に関する情報を発見した場合には、ドロッパーは、少なくとも1つの施設と連絡を取ったり、少なくとも1つの施設に向かったりして、ドロッパーの遺失物の受け取りを試みることが可能である。
【0113】
拾得物についての問い合わせの送信対象であったすべての施設からの問い合わせ結果が、ドロッパーに通知されてもよいし、拾得物についての問い合わせの送信対象であった少なくとも1つの施設のうちの少なくとも一部からの問い合わせ結果が、ドロッパーに通知されてもよい。
【0114】
例えば、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物に関する情報に基づいて、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうち、ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物を特定し、ドロッパーの遺失物と同一である可能性があると特定された1つ以上の拾得物をドロッパーに通知するようにしてもよい。
【0115】
ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物は、例えば、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かを判定することによって、特定され得る。少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かの判定処理は、例えば、画像解析によって実現されてもよい。すなわち、ドロッパーの遺失物に関する情報が、ドロッパーの遺失物を表す第1の画像を含み、かつ、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物に関する情報が、1つ以上の拾得物を表す1つ以上の第2の画像を含む場合に、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの遺失物を表す第1の画像と、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物を表す1つ以上の第2の画像のそれぞれとを画像解析し、その画像解析の結果に基づいて、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かを判定してもよい。コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、第1の画像と1つ以上の第2の画像のうちの少なくとも一部とが同一のものを表しているという解析結果を得た場合には、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部がドロッパーの遺失物と同一のものであると判定し、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部を、ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物として特定することが可能である。コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、第1の画像と1つ以上の第2の画像のいずれもが同一のものを表していないという解析結果を得た場合には、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のいずれもがドロッパーの遺失物と同一のものではないと判定する。
【0116】
あるいは、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かの判定処理は、例えば、自然言語処理によって実現されてもよい。すなわち、コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明と、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物の特徴に関する1つ以上の第2の説明とを自然言語処理し、その自然言語処理の結果に基づいて、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部がドロッパーの遺失物と同一のものであるか否かを判定してもよい。コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明と、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物の特徴に関する1つ以上の第2の説明とが同一のものを表しているという自然言語処理結果を得た場合には、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部がドロッパーの遺失物と同一のものであると判定し、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のうちの少なくとも一部を、ドロッパーの遺失物と同一である可能性がある1つ以上の拾得物として特定することが可能である。コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ドロッパーの遺失物の特徴に関する第1の説明と、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物の特徴に関する1つ以上の第2の説明とが同一のものを表していないという自然言語処理結果を得た場合には、少なくとも1つの施設に届けられている1つ以上の拾得物のいずれもがドロッパーの遺失物と同一のものではないと判定する。
【0117】
コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ピッカーによって操作されるユーザ装置720から、道路上でピッカーによって拾得された拾得物に関する情報を受信することが可能なように構成されている。受信された道路上で拾得された拾得物に関する情報は、拾得物データベース部753に格納される。道路上で拾得された拾得物に関する情報は、例えば、道路上で拾得された拾得物の特徴(例えば、拾得物の名称、形状、色、模様、大きさ、アクセサリーの有無など)、拾得時期、拾得場所、画像などを含む。道路上で拾得された拾得物に関する情報は、拾得物の保管場所を示す情報をさらに含んでいてもよい。道路は、例えば、施設間の道路、施設に沿って延在する道路、施設から延在する道路などを含むが、これに限定されない。
【0118】
コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、ステップS902においてドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補を特定した後、拾得物データベース部753を参照して、道路上で拾得された拾得物の拾得場所がドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかに近接しているか否かを判定することが可能である。道路上で拾得された拾得物の拾得場所が、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかから所定の範囲内に位置している場合には、道路上で拾得された拾得物の拾得場所がドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかに近接していると判定され得る。ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかから所定の範囲は、例えば、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかから所定の範囲から50m以内であってもよいし、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかから100m以内であってもよいし、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかから300m以内であってもよいし、ドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかから500m以内であってもよいが、これらに限定されない。
【0119】
コンピュータシステム710(特に、コンピュータシステム710のプロセッサ部711)は、道路上で拾得された拾得物の拾得場所がドロッパーの遺失物の少なくとも1つの遺失場所候補のいずれかに近接していると判定された場合に、道路上で拾得された拾得物に関する情報をドロッパーに通知することが可能である。これにより、ドロッパーは、施設に届けられている拾得物に関する情報だけでなく、道路上で拾得された拾得物に関する情報も閲覧することが可能である。従って、ドロッパーは、拾得物データベース部753に格納されているすべての地上の拾得物に関する情報を閲覧することが可能である。ドロッパーは、その拾得物を道路上で拾得したピッカーに関する情報を閲覧することが可能であってもよい。これにより、ドロッパーは、ピッカーと直接連絡を取ってもよい。
【0120】
道路上で拾得された拾得物がドロッパーの遺失物である場合には、ドロッパーは、道路上で拾得された拾得物を示す情報を選択することによって、道路上で拾得された拾得物の受け取り手続きをコンピュータシステム710に対して開始し、道路上で拾得された拾得物に関する情報に含まれる拾得物の保管場所においてドロッパーの遺失物を受け取ることが可能である。
【0121】
なお、道路上で拾得された拾得物に関する情報の通知は、図6Bに示されるように(例えば、マップ上で)少なくとも1つの施設の通知とともに行われてもよいし、少なくとも1つの施設の通知とは別個に行われてもよい。また、道路上で拾得された拾得物に関する情報の通知の態様は、任意である。道路上で拾得された拾得物に関する情報は、例えば、図6Bに示されるようにマップ上の選択可能なアイコンを用いてドロッパーに通知されてもよいし、道路上で拾得された拾得物に関する情報のリスト表示によってドロッパーに通知されてもよい。
【0122】
なお、図4図5図9に示される実施形態では、メモリ部に格納されたプログラムをプロセッサ部が実行することによって、図4図5図9に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図4図5図9に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0123】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、遺失物の発見を支援するためのコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0125】
200 システム
210 コンピュータシステム
220~220 ユーザ装置
230 インターネット
240 データベース部
700 システム
710 コンピュータシステム
720~720 ユーザ装置
730~730 施設の管理システム
740 インターネット
750 データベース部
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9