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特開2023-163123プログラム、方法、システム、および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163123
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】プログラム、方法、システム、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20231101BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008190
(22)【出願日】2023-01-23
(62)【分割の表示】P 2022072889の分割
【原出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】契約更新の際の負担を軽減可能な契約管理システムを提供する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップと、取得したテキスト情報から、契約に関する関連情報を取得するステップと、更新の確認が必要な契約について、当該契約を締結した第2者を特定し、特定した第2者の連絡先を取得するステップと、特定した第2者に対し、契約を更新する意思があるか否かを確認するステップと、を実行させる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータのプロセッサに実行させるプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップと、
取得した前記テキスト情報から、前記契約に関する関連情報を取得するステップと、
更新の確認が必要な前記契約について、当該契約を締結した前記第2者を特定し、特定した前記第2者の連絡先を取得するステップと、
特定した前記第2者に対し、前記契約を更新する意思があるか否かを確認するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記関連情報を取得するステップでは、
取得した前記テキスト情報を解析し、前記契約に係る前記第2者および契約満了日に関する情報を取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プロセッサに、
前記更新の確認が必要な前記契約として、
取得された前記契約満了日までの期間が、予め設定された所定期間以内の前記契約を抽出するステップを実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記プロセッサに、
抽出された前記契約について、更新する旨の意思の有無について、前記第1者からの入力を受け付けるステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プロセッサに、
前記第2者に対する当該契約を更新する旨の意思についての確認状況を表示するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プロセッサに、
前記契約の更新に関する連絡情報を作成するステップと、
前記連絡情報を、取得した前記第2者の連絡先に送るステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記連絡情報を作成するステップでは、
前記第1者から、前記契約を更新する旨の入力を受け付けたことに応答して、前記連絡情報に、前記第1者における前記契約を更新する旨の意思に関する情報を含ませる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記連絡情報を作成するステップでは、
前記第1者から、前記契約を更新しない旨の入力を受け付けたことに応答して、前記連絡情報に、前記第1者における前記契約を更新しない旨の意思に関する情報を含ませる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
前記連絡情報を作成するステップでは、
取得した前記テキスト情報に含まれる、前記第2者および契約満了日に関する情報を用いて、前記連絡情報を作成する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項10】
前記テキスト情報を取得するステップでは、
前記第1者が締結している全ての契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第2者の連絡先を取得するステップでは、
前記第2者の連絡先として、当該第2者が使用するメッセージツールのアカウント情報、およびメールアドレスの少なくともいずれかを取得し、
前記連絡情報を送るステップでは、
取得した前記第2者のメッセージツールのアカウント情報、および電子メールのメールアドレスの少なくともいずれかを用いて、前記第2者に前記連絡情報を送る、請求項6に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第2者の連絡先を取得するステップでは、
前記第2者の連絡先として、当該第2者が使用する電話番号を取得し、
前記連絡情報を送るステップでは、
取得した前記第2者の電話番号を用いて、前記第2者に前記連絡情報を送る、請求項6に記載のプログラム。
【請求項13】
前記プロセッサに、
連絡した前記連絡情報に対する前記第2者からの回答を受け付けるステップと、
受け付けた前記回答に含まれる前記第2者の意思に関する情報を、前記第1者に提示するステップと、を実行させる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項14】
前記プロセッサに、
前記第2者から前記契約を更新する旨の意思表示を受け付けることに応答して、当該契約の更新の手続きに要する書類を作成するステップを実行させる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータのプロセッサが実行する方法であって、
前記プロセッサが、
前記契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップと、
取得した前記テキスト情報から、前記契約に関する関連情報を取得するステップと、
更新の確認が必要な前記契約について、当該契約を締結した前記第2者を特定し、特定した前記第2者の連絡先を取得するステップと、
特定した前記第2者に対し、前記契約を更新する意思があるか否かを確認するステップと、を実行する、方法。
【請求項16】
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータを備えるシステムであって、
前記コンピュータのプロセッサが、
前記契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得する手段と、
取得した前記テキスト情報から、前記契約に関する関連情報を取得する手段と、
更新の確認が必要な前記契約について、当該契約を締結した前記第2者を特定し、特定した前記第2者の連絡先を取得する手段と、
特定した前記第2者に対し、前記契約を更新する意思があるか否かを確認する手段と、を備えるシステム。
【請求項17】
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータを備える情報処理装置であって、
前記コンピュータのプロセッサが、
前記契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップと、
取得した前記テキスト情報から、前記契約に関する関連情報を取得するステップと、
更新の確認が必要な前記契約について、当該契約を締結した前記第2者を特定し、特定した前記第2者の連絡先を取得するステップと、
特定した前記第2者に対し、前記契約を更新する意思があるか否かを確認するステップと、を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、システム、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタル技術の浸透に伴い、例えば企業間で締結される各種の契約の管理の自動化が進んでいる。
例えば、特許文献1には、契約を結んでいる契約者に対して、契約更新に関する連絡を自動で行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-042698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行文献1に記載のシステムは、予め設定された特定の契約の管理に特化したシステムである。
近年、契約書を管理するシステムが存在している。この種のシステムを利用するユーザは、締結している契約を更新する際、自身で契約相手に再契約の確認を取る必要があり、手間がかかっていた。
【0005】
本開示の目的は、契約更新の際の負担を軽減可能な契約管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップと、取得したテキスト情報から、契約に関する関連情報を取得するステップと、更新の確認が必要な契約について、当該契約を締結した第2者を特定し、特定した第2者の連絡先を取得するステップと、特定した第2者に対し、契約を更新する意思があるか否かを確認するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、契約更新の際の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図2図1に示す端末装置の構成例を表すブロック図である。
図3】サーバの機能的な構成の例を示す図である。
図4】契約者データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図5】契約案件データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図6】契約を管理するシステム1の動作の例における前半のフローチャートである。
図7】契約を管理するシステム1の動作の例における後半のフローチャートである。
図8】システム1における第1画面例を示す図である。
図9】システム1における第2画面例を示す図である。
図10】コンピュータの基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態に係るシステム1は、ユーザ(第1者)が他人(契約者、第2者)と締結した契約の管理に用いられる情報処理装置である。具体的には、システム1は、契約の満了時期が近付いた際に、システム1を使用するユーザ、および当該ユーザと契約を行った契約者(第2者)に対して契約更新の意思確認を行い、契約更新の要否をユーザに提示する。システム1が管理する契約には、個人間の契約、個人と法人との契約、法人間との契約等、各種の形態の契約が含まれる。また、契約の内容についても特に制限を受けない。
【0011】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すシステム1は、例えば、端末装置10およびサーバ20を含む。端末装置10およびサーバ20は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。システム1に含まれる端末装置10は、2台以上であってもよい。以下の説明では、端末装置10A、10B、10C、10D…をまとめて端末装置10と呼ぶ。
【0012】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力および/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。また、サーバ20は、有する機能に応じ、複数のサーバから構成されていてもよい。
【0013】
図1に示す端末装置10は、各種の契約を締結したユーザが使用する情報処理装置である。端末装置10はユーザから操作指示、情報の入力を受け付け、サーバ20へ所定の情報を送信する。所定の情報は、例えば、ユーザが締結した契約に関する情報、又は、契約書の情報等を含む。
【0014】
端末装置10は、サーバ20から送信される情報を受信し、ユーザに提示する。サーバ20から送信される情報は、例えば、ユーザが締結した契約に関する情報、又は、契約書の情報等を含む。
【0015】
端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現される。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。端末装置10は、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
【0016】
図1に示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0017】
サーバ20は、例えば、ユーザから入力される情報に基づき、契約の管理を行う情報処理装置である。
サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される。図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対して情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0018】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。端末装置10およびサーバ20それぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0019】
<1.1 端末装置の構成>
図2は、図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0020】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0021】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。端末装置10がPC等である場合には、入力装置13は、リーダー、キーボード、マウス等により実現されてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0022】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0023】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0024】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0025】
記憶部180は、例えば、メモリ15、およびストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、およびプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、契約書データ181を記憶する。
【0026】
契約書データ181は、過去にユーザが締結した契約に関する契約書のデータである。ユーザが複数の契約を締結している場合には、それぞれの契約書のデータが契約書データ181に含まれる。
【0027】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、表示制御部193と、としての機能を発揮する。
【0028】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等から入力される指示、又は情報を受け付ける。
【0029】
また、操作受付部191は、カメラ160から入力される画像を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、カメラ160により撮影された画像信号を受信する。
【0030】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声情報を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。
【0031】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された、契約の更新に関する意思表示の情報等をサーバ20へ送信する。
【0032】
表示制御部193は、所定の情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、表示制御部193は、契約の更新に関する意思表示に関する情報をユーザに入力させるための確認画面を出力装置14に表示する。
【0033】
<1.2 サーバの機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0034】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0035】
記憶部202は、例えば、契約者データベース(DB)2021と、契約案件データベース(DB)2022と、契約書データ2023と、連絡文データ2024と、契約書案文データ2025を、を格納している。
【0036】
契約者DB2021は、契約者に関する情報を記憶するデータベースである。詳細は後述する。
【0037】
契約案件DB2022は、契約の主体、客体、および時期などの契約に関する重要な事項である摘要としての関連情報を記憶するデータベースである。詳細は後述する。
【0038】
契約書データ2023は、過去にユーザが締結した契約に関する契約書のデータである。ユーザが複数の契約を締結している場合には、それぞれの契約書のデータが契約書データ2023に含まれる。契約書データ2023として、端末装置10に記憶されたユーザが締結している契約書データを全て記憶している。
【0039】
連絡文データ2024は、後述する制御部203における文章作成モジュール2035が作成した連絡文に関する情報である。詳細は後述する。
【0040】
契約書案文データ2025は、後述する制御部203における文章作成モジュール2035が作成した契約更新の手続きにおいて用いられる新たな契約書の情報である。契約書案文データ2025には、主に未締結の契約書が含まれる。詳細は後述する。
【0041】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、解析モジュール2033、連絡先取得モジュール2034、文章作成モジュール2035、提示制御モジュール2036として示す機能を発揮する。
【0042】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。受信制御モジュール2031は、端末装置10から送信された全ての契約書データ181を取得する。記憶部202は、取得された契約書データ181を、契約書データ2023の新たなレコードとして記憶する。
【0043】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0044】
解析モジュール2033は、契約書に含まれるテキスト情報を解析する。解析モジュール2033は、テキスト情報に対して例えばテキストマイニング処理を行い、契約の摘要である関連情報を抽出する。
解析モジュール2033は、テキストマイニング処理において、テキストデータを単語や文節で区切り、それらの出現の頻度や共出現の相関、出現傾向、時系列などを解析することで、契約に関する主体、客体、契約に関する時期的情報などの関連情報を取得する。例えば、解析モジュール2033は、取得したテキスト情報を解析し、契約に係る契約者および契約満了日に関する情報を取得する。
解析モジュール2033は、取得した関連情報を、契約案件の識別情報と紐づけて、契約案件DB2022の新たなレコードとして記録する。
【0045】
解析モジュール2033は、取得した関連情報に基づき、締結中の契約のうち、更新の確認が必要な契約を抽出する。具体的には、解析モジュール2033は、契約満了日までの期間が、予め設定された所定期間以内の契約を抽出する。予め設定された期間としては、3か月前や半年前など、任意に設定することができる。
【0046】
連絡先取得モジュール2034は、抽出した契約の契約者を特定し、特定した契約者の連絡先を取得する。連絡先取得モジュール2034は、契約者DB2021を参照して、契約者の連絡先として、当該契約者が使用するメッセージツールのアカウント情報、メールアドレス、および電話番号の少なくともいずれかを取得する。なお、その他の連絡手段の連絡先が契約者DB2021において管理されている場合は、連絡先取得モジュール2034は、その他の連絡手段の連絡先を取得してもよい。
【0047】
文章作成モジュール2035は、特定した契約者に対する契約の更新に関する連絡情報としての連絡文を作成する。具体的には、文章作成モジュール2035は、以下の情報を含む連絡文を作成する。
・特定の契約の満了日が近づいている旨の情報
・ユーザが契約の更新を希望している場合において、その旨、および契約者が契約を更新する意思があるかどうかを確認する質問に関する情報
・ユーザが契約の更新を希望していない場合において、その旨、および契約満了に伴う契約の終了の案内に関する情報
【0048】
文章作成モジュール2035は、連絡文を作成する際に、ユーザから、既に契約を更新する旨の回答を受け付けている場合には、連絡文に、ユーザが契約を更新する旨の意思を有していることを記載する。
一方、文章作成モジュール2035は、連絡文を作成する際に、ユーザから、契約を更新しない旨の回答を受け付けている場合には、連絡文に、ユーザが契約を更新する旨の意思を有していないことを記載する。
また、ユーザから、契約を更新するかどうかの回答がされていない場合には、文章作成モジュール2035は、ユーザの契約の更新に関する意思については連絡文に記載してくてもよい。
【0049】
文章作成モジュール2035は、取得したテキスト情報に含まれる、契約者および契約満了日に関する情報を用いて、連絡文を作成する。文章作成モジュール2035は、契約案件DBで管理される関連情報のいずれかを用いて、連絡文を作成する。作成された連絡文は、記憶部202の新たなレコードとして記録される。
【0050】
文章作成モジュール2035は、契約者から契約を更新する旨の意思表示を受け付けることに応答して、当該契約更新の手続きに要する書類である契約書案文を作成する。作成された契約書案文は、記憶部202の新たなレコードとして記録される。
【0051】
提示制御モジュール2036は、連絡先取得モジュール2034が取得した連絡先へ、文章作成モジュール2035が作成した連絡文を送付する。提示制御モジュール2036は、メッセージツール、および電子メール、の少なくともいずれかを用いて契約者に連絡情報としての連絡文を送付する。
【0052】
提示制御モジュール2036は、ユーザに対して、解析モジュール2033が抽出した更新の確認が必要な契約について、契約を更新する旨の意思の有無を確認する更新意思の確認画面をユーザに対して提示する。
更新意思の確認画面の詳細については、後述する。
【0053】
<2 データ構造>
図4および図5は、サーバ20が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、図4および図5は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同一のデータベースに記載されるデータであっても、記憶部202において離れた記憶領域に記憶されていることもあり得る。
【0054】
<2.1 契約者DB2021>
図4は、契約者DB2021のデータ構造を示す図である。図4に示す契約者DB2021は、契約者IDをキーとして、名称、所在地、連絡先、窓口担当者等のカラムを有するデータベースである。
【0055】
項目「契約者ID」は、契約者を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。
【0056】
項目「名称」は、契約者の名前を記憶する項目である。項目「名称」に記憶される名称は、個人の氏名であってもよいし、法人の名称であってもよい。
【0057】
項目「所在地」は、契約者が個人の場合には契約者の住所、契約者が法人の場合には、契約者の所在地を記憶する項目である。
【0058】
項目「連絡先」は、契約者の連絡先を記憶する項目である。連絡先には、契約者が使用するメッセージツールのアカウント情報、メールアドレス、および電話番号、並びにその他の連絡手段における連絡先が含まれる。
【0059】
項目「窓口担当者」は、主に契約者が法人の場合において、当該契約についての対応を行う担当者に関する情報(氏名および所属部署などを含む)を記憶する項目である。
【0060】
<2.2 契約案件DB2022>
図5は、契約案件DB2022のデータ構造を示す図である。図5に示す契約案件DB2022は、契約者が締結した契約に関する関連情報を含む、契約の管理に用いられる各種の情報を管理するためのデータベースである。
【0061】
契約案件DB2022は、契約IDをキーとして、契約者ID、案件名称、契約書番号、締結日時、契約満了日、契約内容、ユーザの更新意思、契約者の更新意思、確認ステータス、連絡文アドレス、更新の要否、更新契約書アドレス等のカラムを含む。
【0062】
項目「契約ID」は、契約者を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。
【0063】
項目「契約者ID」は、契約IDに該当する契約について、ユーザと締結を行った契約者の識別情報を記憶する項目である。
【0064】
項目「案件名称」は、契約IDに該当する契約の案件名称を記憶する項目である。
【0065】
項目「契約書番号」は、契約IDに該当する契約に係る契約書の番号を記憶する項目である。
【0066】
項目「締結日時」は、契約IDに該当する契約が締結された日時を記憶する項目である。
【0067】
項目「契約満了日」は、契約IDに該当する契約が満了する日を記憶する項目である。
【0068】
項目「契約内容」は、契約IDに該当する契約の内容の概略を記憶する項目である。なお、契約内容として当該契約に係る契約書のテキストデータの全文を記憶してもよい。
【0069】
項目「ユーザの更新意思」は、契約IDに該当する契約について、ユーザにおける契約更新の意思に関する情報を記憶する項目である。
【0070】
項目「契約者の更新意思」は、契約IDに該当する契約について、契約者における契約更新の意思に関する情報を記憶する項目である。
【0071】
項目「確認ステータス」は、契約IDに該当する契約について、第2者に対する当該契約を更新する旨の意思についての確認状況を記憶する項目である。
確認ステータスとしては、例えば、「確認前」、「回答待ち」、「確認済み」などがある。
【0072】
項目「連絡文アドレス」は、契約IDに該当する契約について、契約者に送付する連絡文が格納される記憶領域のアドレス情報を記憶する項目である。
【0073】
項目「更新の要否」は、契約IDに該当する契約について、ユーザおよび契約者への更新の意思の確認により判定される更新の要否に関する情報を記憶する項目である。更新の要否の判定においては、ユーザおよび契約者の双方が更新を希望した場合にのみ更新が必要と判断され、一方が更新を希望しなかった場合には、更新は不要と判断される。
【0074】
項目「更新契約書アドレス」は、契約IDに該当する契約について、更新契約書が格納される記憶領域のアドレス情報を記憶する項目である。更新契約書とは、更新が必要と判断されたことにより作成された契約更新の手続きに用いられる、契約の更新に関する内容が記載された新たな契約書を指す。
【0075】
契約案件DB2022におけるレコードのうち、契約ID、契約者ID、案件名称、契約書番号、締結日時、契約満了日、契約内容は、例えば、ユーザと契約者が契約を締結して、契約書データ2023が記憶部202に記録された際に、新たなレコードとして記録される。一方、契約案件DB2022におけるレコードのうち、それ以外のデータ項目は、解析モジュール2033が、更新の確認が必要な契約として抽出した後に、後述する処理に応じて、対応する各項目のデータが新たなレコードとして記録される。
<3 動作>
システム1により契約管理を行う際の端末装置10A、10Bと、サーバ20との動作について説明する。なお、システム1により契約を管理するユーザが使用する端末を端末装置10Aとし、ユーザと契約を行っている契約者が使用する端末を端末装置10Bとする。
【0076】
<3.1 システム1の前半の処理>
図6は、契約を管理するシステム1の動作の例における前半のフローチャートである。
本説明において、例えば、いくつかの契約者の情報が契約者DB2021に予め記憶されているものとする。
【0077】
まず、サーバ20は、契約書データを取得する(ステップS201)。
具体的には、サーバ20の受信制御モジュール2031が、ユーザと契約者との契約の締結に伴い、端末装置10Aの送受信部192からサーバ20に送信された契約書データ181を受信することで取得する。受信制御モジュール2031は、受信した契約書データ181を記憶部202に、契約書データ2023の新たなレコードとして記録する。
【0078】
この際、サーバ20は、契約者DB2021に契約者に関する情報を記録する。具体的には、サーバ20の受信制御モジュール2031は、ユーザから端末装置10Aに入力された契約者の名称、所在地、連絡先、および窓口担当者の情報を新たに発行した契約者IDと紐づけて、記憶部202における契約者DB2021の新たなレコードとして記録させる。
【0079】
ステップS201の後に、サーバ20は関連情報を取得する(ステップS202)。
具体的には、サーバ20の解析モジュール2033が、テキストデータに対するテキストマイニングにより、契約書に含まれる関連情報として、契約者の名称、案件名称、契約書番号、締結日時、契約満了日、契約内容を取得する。
解析モジュール2033は、取得した関連情報を契約案件DB2022の新たなレコードとして記録する。解析モジュール2033は、契約者IDについては、取得した契約者の名称に基づいて、契約者DB2021を参照することで特定する。
この際、契約案件DB2022における項目「ユーザの更新意思」から項目「更新契約書アドレス」までは空欄となる。
【0080】
ステップS202の後に、サーバ20は更新の確認が必要な契約を抽出する(ステップS203)。
具体的には、サーバ20の解析モジュール2033は、抽出処理の時点において、契約案件DB2022に記録された契約満了日までの期間が予め設定された所定期間以内になる契約を抽出する。解析モジュール2033による更新の確認が必要な契約を抽出処理は、例えば一日毎など、定期的に実行してもよいし、ユーザの入力操作に応答して実行してもよい。解析モジュール2033は、更新の確認が必要な契約について、契約案件DB2022における項目「ユーザの更新意思」を、「ユーザに確認中」に変更する。
【0081】
ステップS203の後に、サーバ20はユーザへの契約更新に関する意思確認を行う(ステップS204)。
具体的には、サーバ20の提示制御モジュール2036は、更新意思の確認画面(以下、単に確認画面という)を作成してユーザに対して出力する。
【0082】
ステップS204の後に、端末装置10Aは、ユーザから意思確認の入力を受け付ける(ステップS101)。
具体的には、端末装置10Aの制御部190は、送受信部192により、サーバ20から送信された情報を受信する。制御部190は、表示制御部193により、確認画面をディスプレイ141に表示することにより、ユーザに提示し、入力を受け付ける。システム1は、抽出された契約を更新する旨の意思の有無について、ユーザからの確認画面への入力を受け付ける。この際にディスプレイ141に表示される第1画面例D1については後述する。
【0083】
ステップS101の後に、端末装置10Aはユーザからの入力情報を送信する(ステップS102)。
具体的には、端末装置10Aの送受信部192は、入力装置13から入力された情報をサーバ20に対して送信する。なお、この説明では、ユーザが更新を希望する旨の入力を行ったものとする。
【0084】
ステップS102の後に、サーバ20は入力情報を受け付ける(ステップS205)。
具体的には、サーバ20の受信制御モジュール2031は、端末装置10Aの送受信部192から送信されたユーザからの更新の意思に関する入力情報を受信する。受信制御モジュール2031は、受信した入力情報を用いて、契約案件DB2022の項目「ユーザの更新意思」を更新する。
【0085】
ステップS205の後に、サーバ20は契約者の連絡先を取得する(ステップS206)。
具体的には、サーバ20の連絡先取得モジュール2034は、契約者DB2021を参照して、更新が必要な契約における契約者を特定し、その連絡先に関する情報を取得する。
以上により、契約を管理するシステム1の動作の例における前半の処理が終了する。
【0086】
<3.2 システム1の後半の処理>
図7は、契約を管理するシステム1の動作の例における後半のフローチャートである。
図7に示すように、ステップS206の後に、サーバ20は連絡文を作成する(ステップS207)。
具体的には、サーバ20の文章作成モジュール2035は、契約者DB2021および契約案件DB2022に格納された契約者および契約満了日に関する情報を用いて、連絡文を作成する。
【0087】
連絡文には、以下の情報が含まれる
・特定の契約の満了日が近づいている旨の情報
・ユーザが契約の更新を希望している旨の情報
・契約者が契約を更新する意思があるかどうかを確認する質問に関する情報
なお、仮に、ユーザが更新を希望しない場合には、連絡文には以下の情報が含まれる。
・特定の契約の満了日が近づいている旨の情報
・ユーザが契約の更新を希望していない旨の情報
・契約満了に伴う契約の終了の案内に関する情報
【0088】
作成された連絡文は、連絡文データ2024の新たなレコードとして記憶部202に記録される。この際、作成された連絡文のアドレス情報が、契約案件DB2022の項目「連絡文アドレス」に格納される。
【0089】
ステップS207の後に、サーバ20は連絡文を契約者に対して送信する(ステップS208)。
具体的には、サーバ20の送信制御モジュール2032は、契約者の連絡先に関する情報と対応する通信規格に即して、連絡先取得モジュール2034が取得した連絡先に、連絡文を送信する。この際、契約案件DB2022における項目「確認ステータス」は、「確認前」から「回答待ち」に変更される。すなわちこの処理により、サーバ20は、特定した契約者に対して、契約を更新する意思があるか否かを確認する。
【0090】
ステップS208の後に、契約者が使用する端末装置10Bは連絡文を受領する(ステップS301)。
具体的には、端末装置10Bの送受信部192は、サーバ20の送信制御モジュール2032から送信された連絡文を受信する。この連絡文を契約者が確認し、契約更新の意思のお伺いに対する回答を入力する。
【0091】
ステップS301の後に、端末装置10Bは、ユーザに対して回答を返信する(ステップS302)。
具体的には、端末装置10Bの送受信部192は、連絡文に記載された契約更新の意思のお伺いへの回答情報をサーバ20に送信する。なお、この説明では、契約者が更新を希望する旨の回答を行ったものとする。
【0092】
ステップS302の後に、サーバ20は回答を受領する(ステップS209)。
具体的には、サーバ20の受信制御モジュール2031は、端末装置10Bの送受信部192から送信された契約更新の意思のお伺いへの回答情報を受け付ける。受信制御モジュール2031は、契約者の更新意思に関する情報を、契約案件DB2022における項目「契約者の更新意思」に格納する。この際、契約案件DB2022における項目「確認ステータス」は、「確認済み」に変更される。
【0093】
ステップS209の後に、サーバ20は契約者の意思をユーザに対して出力する(ステップS210)。
具体的には、サーバ20の提示制御モジュール2036は、契約者から回答された契約更新の意思に関する情報を、端末装置10Aに対して出力する。
【0094】
ステップS210の後に、端末装置10Aは、契約者の意思を表示する(ステップS103)。
具体的には、端末装置10Aの表示制御部193は、提示制御モジュール2036から出力された契約者における契約更新の意思に関する情報をディスプレイ141に表示することで、ユーザに対して提示する。ユーザは、表示された内容を確認し、契約者の更新に関する考えを確認する。この際にディスプレイ141に表示される第2画面例D2については後述する。
【0095】
ステップS210の後に、サーバ20は更新の要否を判定する(ステップS211)。
具体的には、サーバ20の解析モジュール2033は、契約案件DB2022における項目「ユーザの更新意思」と、項目「契約者の更新意思」と、を確認し、双方が更新希望である場合に、更新が必要と判定する。一方、解析モジュール2033は、項目「ユーザの更新意思」と、「契約者の更新意思」と、を確認し、一方が更新を希望していない場合には、更新は不要と判定する。解析モジュール2033は、判定結果を、契約案件DB2022における項目「更新の要否」に記録する。なお、この説明では、双方が更新を希望しているため、「更新の要否」には、「更新必要」と記録される。
【0096】
ステップS211において、サーバ20は、更新の必要があると判定した場合(ステップS212のYes)、更新に係る契約書案文を作成する(ステップS213)。
具体的には、サーバ20の文章作成モジュール2035は、契約の更新に用いられる新たな契約書(更新契約書)の案文を作成する。作成した契約書案文は記憶部202における契約書案文データ2025の新たなレコードとして記録される。この際、契約書案文が格納されたアドレス情報が、契約案件DB2022における項目「更新契約書アドレス」に記録される。
一方、ステップS211において、サーバ20は、更新は必要ないと判定した場合(ステップS212のNo)、更新に係る契約書案文は作成せずに処理を終了する。
以上により、契約を管理するシステム1の動作の例における後半の処理が終了する。
【0097】
<4.画面例>
次に、図6のステップS101において端末装置10Aのディスプレイ141に表示される第1画面例D1について説明する。図8は、システム1における第1画面例D1であり、契約案件の更新を管理する画面である。特にユーザが更新の意思を入力する場面について説明する。
【0098】
図8に示すように、第1画面例D1には、契約案件ごとに、関連情報として契約案件DB2022に管理されている情報が表示されている。
ユーザは、更新を希望する入力ボタンB2又は更新を希望しない入力ボタンB3のどちらかをクリックすることで、更新の意思の有無を入力する。
【0099】
第1画面例D1において、既にユーザからの入力がされた案件については、入力ボタンB2、B3が非表示となっている。このため、当該ボタンの有無を確認することで、ユーザは自身が既に入力を行った契約案件と、これから入力をすべき契約案件とを判別することができる。
【0100】
また、第1画面例D1では、第2者に対する当該契約を更新する旨の意思についての確認状況が、「ステータス」として表示される。この項目を確認することで、ユーザは、当該契約案件について、契約者が回答を行ったかどうかを容易に把握することができる。
【0101】
また、第1画面例D1では、契約内容の表示をクリックすることで、契約書のテキスト情報が表示される。また、回答内容の表示をクリックすることで、契約者からの回答の情報(例えば回答メールのテキスト情報)が表示される。
【0102】
次に、図7のステップS103において端末装置10Aのディスプレイ141に表示される第2画面例D2について説明する。図9は、システム1における第2画面例D2であり、契約案件の更新を管理する画面である。特にユーザが契約者の回答内容を確認する場面について説明する。
【0103】
図9に示すように、第2画面例D2における最上段の契約案件は、契約者からの回答を受け付けたことで項目「ステータス」が、「確認済み」に更新されている。そして、項目「回答内容」には、契約者が更新を希望している旨が記載されている。このため、当該契約案件には、更新が予定されている案件としての表示P1が示されている。ユーザは、更新管理画面における表示P1を確認することで、契約案件のうち、更新が予定されている案件を的確に把握することができる。
【0104】
<5.小括>
以上説明したように、上記実施形態に係るシステム1では、更新の確認が必要な契約を自動で抽出し、契約者に対して契約更新の意思の確認を含む連絡文を送付する。このため、契約先が契約更新の意思を有しているかどうかの確認をユーザ自身で行う必要がなく、契約更新の際の負担を軽減することができる。
【0105】
また、システム1では、関連情報を取得する際に、サーバ20の解析モジュール2033が、取得したテキスト情報を解析し、契約に係る契約者および契約満了日に関する情報を取得する。このため、契約の摘要である関連情報を自動かつ簡便に把握することができる。
【0106】
また、システム1では、更新の確認が必要な契約を抽出する際に、解析モジュール2033が、取得された契約満了日までの期間が、予め設定された所定期間以内の契約を抽出する。このため、更新の確認が必要な契約を適切な時期に漏らすことなく抽出することができる。
【0107】
また、システム1では、更新の確認が必要な契約について、契約を更新する旨の意思の有無についての入力を、ユーザから受け付ける。これにより、契約IDと紐づけて、ユーザの更新意思を管理することができる。
【0108】
また、システム1では、文章作成モジュール2035が、ユーザから、契約を更新する旨の入力を受け付けたことに応答して、連絡文に、ユーザにおける契約を更新する旨の意思に関する情報を含ませる。このため、契約者に対してユーザが更新の意思を有していることを明示することで、契約者の判断を円滑に促すことができる。
【0109】
また、システム1では、文章作成モジュール2035が、ユーザから、契約を更新しない旨の入力を受け付けたことに応答して、連絡文に、ユーザにおける契約を更新しない旨の意思に関する情報を含ませる。このため、契約者に対してユーザが更新しない意思を有していることを明示することで、契約者の判断を円滑に促すことができる。
【0110】
また、システム1では、ユーザが締結している全ての契約書に含まれるテキスト情報を記憶するので、膨大な件数の契約を締結しているユーザに対して、契約更新の際の負担をより一層顕著に削減することができる。
【0111】
また、システム1では、連絡文を作成する際に、文章作成モジュール2035が、取得したテキスト情報に含まれる、契約者および契約満了日に関する情報を用いて、連絡文を作成する。これにより、契約書に記載された情報を用いることで、契約者および契約満了日といった重要な事項に関して、誤った情報を連絡文に記載することを防止することができる。
【0112】
また、システム1では、契約者の連絡先を取得する際に、連絡先取得モジュール2034が、契約者の連絡先として、当該契約者が使用するメッセージツールのアカウント情報、メールアドレス、および電話番号の少なくともいずれかを取得する。そして、連絡文を送付するステップでは、取得した連絡先を用いて、メッセージツール、電子メール、および電話の少なくともいずれかを用いて契約者に連絡をする。このため様々な連絡手段を用いることができ、確実に契約者に連絡文を送付することができる。
【0113】
また、システム1では、連絡した連絡文に対する契約者からの回答を受け付け、受け付けた回答に含まれる契約者の意思に関する情報を、ユーザに提示する。これにより、ユーザが契約者の更新の意思を正確に把握することができる。
【0114】
<6.変形例>
なお、図6におけるユーザに対する更新意思の確認(ステップS101およびステップS102)については、省略してもよい。この場合には、連絡情報には、以下の情報が含まれる。
・特定の契約の満了日が近づいている旨の情報
・契約者が契約を更新する意思があるかどうかを確認する質問に関する情報
そして、ユーザは、契約者からの更新の意思についての回答を確認したうえで、契約更新の要否について検討を行うこととなる。
【0115】
また、システム1は、連絡文にかえて、連絡情報としての連絡音声データを生成してもよい。例えば、制御部203が備える音声作成モジュールが、連絡内容を示す連絡音声データを音声合成処理により生成してもよい。そして、連絡先取得モジュール2034が契約者の連絡先として取得した電話番号に対して架電を行い、連絡情報としての連絡音声データを契約者に対して出力してもよい。
【0116】
提示制御モジュール2036は、契約者に対して連絡音声データを出力し、その場で契約者から発話による回答を受け付けてもよい。この場合には、契約者から発話された回答情報に対して、制御部203が備える言語処理モジュールが自然言語処理を行い、契約者からの回答結果として、契約案件DB2022における項目「契約者の更新意思」に格納してもよい。
また、提示制御モジュール2036は、契約者に対して出力する連絡音声データにおいて、別途、契約者に対して送付する確認メールに対する返信を促す案内をしてもよい。
また、システム1は、連絡文による連絡と、連絡音声データによる連絡と、を併用してもよい。
【0117】
このように、システム1が連絡音声データを用いて架電により契約者に契約意思の確認をする場合には、メールなどのテキスト情報で連絡を行う場合に比較して、確実に連絡内容を契約者に伝えることができ、契約者の更新意思の確認をより一層円滑に行うことができる。
【0118】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図10は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス94により相互に電気的に接続される。
【0119】
プロセッサ91とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ91は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0120】
主記憶装置92とは、プログラム、およびプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0121】
補助記憶装置93とは、データおよびプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0122】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0123】
なお、各ハードウェア構成の全部又は一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0124】
<コンピュータ90の基本機能構成>
図18に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0125】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部又は一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0126】
制御部は、プロセッサ91が補助記憶装置93に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0127】
記憶部は、主記憶装置92、補助記憶装置93により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92又は補助記憶装置93に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0128】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のデータベースと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をデータベース、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、データベース同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各データベースにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶された特定のデータベースにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0129】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0130】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
また、前述した処理の順番については、矛盾が生じない範囲において変更可能である。
【0131】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0132】
(付記1)
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータのプロセッサに実行させるプログラムであって、
プロセッサに、
契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップ(ステップS201)と、
取得したテキスト情報から、契約に関する関連情報を取得するステップ(ステップS202)と、
更新の確認が必要な契約について、当該契約を締結した第2者を特定し、特定した第2者の連絡先を取得するステップ(ステップS206)と、
特定した第2者に対し、契約を更新する意思があるか否かを確認するステップ(ステップS208)と、を実行させる、プログラム。
【0133】
(付記2)
関連情報を取得するステップ(ステップS202)では、
取得したテキスト情報を解析し、契約に係る第2者および契約満了日に関する情報を取得する、付記1に記載のプログラム。
【0134】
(付記3)
プロセッサに、
更新の確認が必要な契約として、
取得された契約満了日までの期間が、予め設定された所定期間以内の契約を抽出するステップ(ステップS203)を実行させる、付記1又は付記2に記載のプログラム。
【0135】
(付記4)
プロセッサに、
抽出された契約について、更新する旨の意思の有無について、第1者からの入力を受け付けるステップ(ステップS205)を実行させる、付記1から付記3のいずれかに記載のプログラム。
【0136】
(付記5)
プロセッサに、
第2者に対する当該契約を更新する旨の意思についての確認状況を表示するステップを実行させる、付記1から付記4のいずれかに記載のプログラム。
【0137】
(付記6)
プロセッサに、
契約の更新に関する連絡情報を作成するステップ(ステップS207)と、
連絡情報を、取得した第2者の連絡先に送るステップ(ステップS208)と、を実行させる、付記1から付記4のいずれかに記載のプログラム。
【0138】
(付記7)
連絡情報を作成するステップ(ステップS207)では、
第1者から、契約を更新する旨の入力を受け付けたことに応答して、連絡情報に、第1者における契約を更新する旨の意思に関する情報を含ませる、付記6に記載のプログラム。
【0139】
(付記8)
連絡情報を作成するステップ(ステップS207)では、
第1者から、契約を更新しない旨の入力を受け付けたことに応答して、連絡情報に、第1者における契約を更新しない旨の意思に関する情報を含ませる、付記6又は付記7に記載のプログラム。
【0140】
(付記9)
連絡情報を作成するステップ(ステップS207)では、
取得したテキスト情報に含まれる、第2者および契約満了日に関する情報を用いて、連絡情報を作成する、付記6から付記7のいずれかに記載のプログラム。
【0141】
(付記10)
テキスト情報を取得するステップ(ステップS201)では、
第1者が締結している全ての契約書に含まれるテキスト情報を記憶する、付記1から付記9のいずれかに記載のプログラム。
【0142】
(付記11)
第2者の連絡先を取得するステップ(ステップS206)では、
第2者の連絡先として、当該第2者が使用するメッセージツールのアカウント情報、およびメールアドレスの少なくともいずれかを取得し、
連絡情報を送るステップ(ステップS208)では、
取得した第2者のメッセージツールのアカウント情報、および電子メールのメールアドレスの少なくともいずれかを用いて、第2者に前記連絡情報を送る、付記1から付記10のいずれかに記載のプログラム。
【0143】
(付記12)
第2者の連絡先を取得するステップ(ステップS206)では、
第2者の連絡先として、当該第2者が使用する電話番号を取得し、
連絡情報を送るステップ(ステップS208)では、
取得した第2者の電話番号を用いて、第2者に連絡情報を送る、付記1から付記11のいずれかに記載のプログラム。
【0144】
(付記13)
プロセッサに、
連絡した連絡情報に対する第2者からの回答を受け付けるステップ(ステップS209)と、
受け付けた回答に含まれる第2者の意思に関する情報を、第1者に提示するステップ(ステップS210)と、を実行させる、付記1から付記12のいずれかに記載のプログラム。
【0145】
(付記14)
プロセッサに、
第2者から契約を更新する旨の意思表示を受け付けることに応答して、当該契約更新の手続きに要する書類を作成するステップ(ステップS213)を実行させる、付記13に記載のプログラム。
【0146】
(付記15)
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータのプロセッサが実行する方法であって、
プロセッサが、
契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップ(ステップS201)と、
取得したテキスト情報から、契約に関する関連情報を取得するステップ(ステップS202)と、
更新の確認が必要な契約について、当該契約を締結した第2者を特定し、特定した第2者の連絡先を取得するステップ(ステップS206)と、
特定した第2者に対し、契約を更新する意思があるか否かを確認するステップ(ステップS208)と、を実行する、方法。
【0147】
(付記16)
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータを備えるシステムであって、
コンピュータのプロセッサが、
契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得する手段と、
取得したテキスト情報から、契約に関する関連情報を取得する手段と、
更新の確認が必要な契約について、当該契約を締結した第2者を特定し、特定した第2者の連絡先を取得する手段と、
特定した第2者に対し、契約を更新する意思があるか否かを確認する手段と、を備えるシステム。
【0148】
(付記17)
第1者が第2者と締結した契約の管理に用いられるコンピュータを備える情報処理装置であって、
コンピュータのプロセッサが、
契約に係る契約書に含まれるテキスト情報を取得するステップ(ステップS201)と、
取得したテキスト情報から、契約に関する関連情報を取得するステップ(ステップS202)と、
更新の確認が必要な契約について、当該契約を締結した第2者を特定し、特定した第2者の連絡先を取得するステップ(ステップS206)と、
特定した第2者に対し、契約を更新する意思があるか否かを確認するステップ(ステップS208)と、を実行する情報処理装置。
【符号の説明】
【0149】
1…システム
10…端末装置
12…通信IF
120…通信部
13…入力装置
131…タッチ・センシティブ・デバイス
14…出力装置
141…ディスプレイ
15…メモリ
16…ストレージ
160…カメラ
17…音声処理部
171…マイク
172…スピーカー
180…記憶部
19…プロセッサ
190…制御部
20…サーバ

図1
図2
図3
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図10