(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163127
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20231101BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20231101BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20231101BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20231101BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
B60R11/02 C
B60W50/14
B60W60/00
A01B69/00 303A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012873
(22)【出願日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2022073470
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野本 創志
(72)【発明者】
【氏名】那須 寛之
(72)【発明者】
【氏名】中川 陽平
【テーマコード(参考)】
2B043
3D020
3D241
3D344
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB11
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB01
2B043DA04
2B043ED12
2B043EE01
3D020BA04
3D020BB06
3D020BC03
3D020BD05
3D241BA57
3D241CA18
3D344AA14
3D344AA16
3D344AA21
3D344AA28
3D344AB04
3D344AB07
3D344AC30
3D344AD02
3D344AD06
3D344AD13
(57)【要約】
【課題】自動走行に関わる情報を表示する装置の視認性と操作性とを向上することができる技術を提供する。
【解決手段】例示的な作業車両は、自動走行可能に設けられる作業車両であって、運転座席と、前記運転座席の前方に配置される操舵操作部と、前記自動走行に関わる情報を表示する表示装置と、を備える。前記表示装置は、前記操舵操作部の左右方向一方側に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行可能に設けられる作業車両であって、
運転座席と、
前記運転座席の前方に配置される操舵操作部と、
前記自動走行に関わる情報を表示する表示装置と、
を備え、
前記表示装置は、前記操舵操作部の左右方向一方側に配置される、作業車両。
【請求項2】
前記表示装置の少なくとも一部は、前記操舵操作部と同じ高さに配置される、請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記表示装置は、前記操舵操作部の後端よりも前方に配置される、請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記表示装置は、前記運転座席の側方に配置されるアームレストの前方に配置される、請求項1に記載の作業車両。
【請求項5】
前記表示装置は、前記自動走行に関わる操作を行う操作部材を有する操作部を備え、
前記操作部材には、
前記自動走行のオンとオフとの切り替えを可能とする第1操作部材と、
前記第1操作部材と異なる操作を可能とする第2操作部材と、
が含まれ、
前記第1操作部材は、前記第2操作部材よりも前記操舵操作部側に配置される、請求項1に記載の作業車両。
【請求項6】
前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、前記表示装置を支持する支持部材が配置され、
前記支持部材は、
前記運転部を構成するフレームに固定される支持ステーと、
前記支持ステーに支持され、前記表示装置を支持するアーム部材と、
を有し、
前記アーム部材は、前記支持ステーに対して上下に延びる軸線回りに回動可能に設けられる、請求項1に記載の作業車両。
【請求項7】
前記支持部材は、前記アーム部材の左右方向外方への回動を規制する規制部を有する、請求項6に記載の作業車両。
【請求項8】
前記表示装置は、前記アーム部材に対して上下方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられる、請求項6に記載の作業車両。
【請求項9】
前記表示装置は、前記アーム部材に対して水平方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられる、請求項6に記載の作業車両。
【請求項10】
前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、キャビンが設けられ、
前記キャビンのフレームに、前記表示装置を支持する支持部材が取り付けられる、請求項1に記載の作業車両。
【請求項11】
前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、マッドガードが設けられ、
前記マッドガードのフレームに、前記表示装置を支持する支持部材が取り付けられる、請求項1に記載の作業車両。
【請求項12】
前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、
前記運転部の左右に配置されるマッドガードを支持する一対のマッドガードフレームと、
前記一対のマッドガードフレームを接続する接続部材と、
が設けられ、
前記接続部材に、前記表示装置を支持する支持部材が取り付けられる、請求項1に記載の作業車両。
【請求項13】
前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、前記表示装置を支持する支持部材が配置され、
前記支持部材は、
前記運転部を構成するフレームに固定される支持ステーと、
前記支持ステーに支持されるアーム部材と、
を有し、
前記アーム部材は、前記支持ステーに対して回動可能に設けられる、請求項1に記載の作業車両。
【請求項14】
前記表示装置は、
表示画面を有する表示部と、
前記自動走行に関わる操作を行う操作部材を有する操作部と、
を有し、
前記表示部は、前記支持ステーに取り付けられ、
前記操作部は、前記アーム部材に取り付けられる、請求項13に記載の作業車両。
【請求項15】
前記表示部は、前記支持ステーに対して回動可能に設けられる、請求項14に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ステアリングハンドルと、ステアリングハンドルを回転可能に支持するステアリングシャフトと、を備え、ステアリングハンドルを自動操舵させて走行可能な作業車両が開示される。当該作業車両は、ステアリングシャフトの前方に配置される表示装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステアリングハンドルの前方に表示装置を設けると、例えば、ステアリングハンドルの角度、運転者の姿勢、又は、運転者の体格等によって、表示装置の表示画面が見え難くなる可能性がある。すなわち、表示画面を見ながらの操作が行い難くなることが懸念される。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、自動走行に関わる情報を表示する装置の視認性と操作性とを向上することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な作業車両は、自動走行可能に設けられる作業車両であって、運転座席と、前記運転座席の前方に配置される操舵操作部と、前記自動走行に関わる情報を表示する表示装置と、を備える。前記表示装置は、前記操舵操作部の左右方向一方側に配置される。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、自動走行に関わる情報を表示する装置の視認性と操作性とを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4B】基準線の設定方法の第1変形例を説明するための図
【
図4C】基準線の設定方法の第2変形例を説明するための図
【
図7】表示部カバーが取り外された表示装置の概略の構成を示す斜視図
【
図8】モニタ操作部の構成について説明するための模式図
【
図9】トラクタの運転部の周辺を拡大して示す概略平面図
【
図10】トラクタの運転部の周辺を拡大して示す概略側面図
【
図11】表示装置のトラクタへの取付構造を示す概略斜視図
【
図12A】表示装置と支持部材の一部との関係を示す概略斜視図
【
図12B】表示装置と支持部材の一部との関係を示す概略斜視図
【
図13】キャビン仕様のトラクタの概略の構成を示す斜視図
【
図14】別実施形態に係るトラクタの概略の構成を示す斜視図
【
図15】別実施形態に係る表示装置の取付構造を示す概略図
【
図16A】別実施形態のトラクタが備える表示装置と支持部材との関係を示す概略斜視図
【
図16B】別実施形態のトラクタが備える表示装置と支持部材との関係を示す概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、作業車両としてトラクタを例に挙げて説明する。ただし、作業車両は、各種の収穫機、田植機、コンバイン、土木・建築作業装置、除雪車等のトラクタ以外の作業車両であってもよい。
【0010】
また、本明細書では、方向を以下のように定義する。まず、作業車両としてのトラクタが作業時に進行する方向を「前」とし、その逆方向を「後」とする。また、トラクタの進行方向に向かって右側を右とし、左側を左とする。そして、トラクタの前後方向および左右方向に垂直な方向を上下方向とする。このとき、重力方向を下とし、その反対側を上とする。また、上下方向と垂直な面を水平面とし、水平面に沿う方向を水平方向とする。
【0011】
また、作業車両が有する表示装置は、後述するように作業車両上で向きを変更することができる。表示装置単体の説明に際しては、
図5および
図6に示すXYZ座標軸にしたがって方向を定義する。X軸に沿う方向をX方向、Y軸に沿う方向をY方向、Z軸に沿う方向をZ方向とする。なお、Z方向は、上述の上下方向と一致する。X方向およびY方向は、水平面に沿う方向であり、互いに直交する。X方向は表示装置の横幅方向ということができ、Y方向は表示装置の奥行方向と言うことができる。場合によっては、X方向は左右方向であり、Y方向は前後方向であってよい。
【0012】
なお、以上の方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定する意図はない。
【0013】
<1.作業車両の概要>
図1は、本実施形態に係るトラクタ1の概略の構成を示す側面図である。
図2は、本実施形態に係るトラクタ1の概略の構成を示す平面図である。
図1に示すように、トラクタ1は、車体2と、エンジン3と、ミッションケース4と、を備える。
【0014】
図1および
図2に示すように、車体2の前部には、左右一対の前輪5が配置される。車体2の後部には、左右一対の後輪6が配置される。車体2は、前輪5および後輪6によって走行可能である。すなわち、本実施形態のトラクタ1は、ホイルトラクタである。ただし、トラクタ1は、クローラトラクタであってもよい。
【0015】
エンジン3は、車体2の前部に、ボンネット7に覆われて配置される。エンジン3は、トラクタ1の駆動源である。本実施形態では、エンジン3は、ディーゼルエンジンである。ただし、エンジン3はガソリンエンジンであってもよい。また、トラクタ1の駆動源は、エンジンに代えて電動モータなどの他の駆動源とされてもよい。
【0016】
ミッションケース4は、エンジン3の後方、且つ、運転部8の下方に配置される。ミッションケース4の内部には、動力伝達装置(不図示)が配置される。エンジン3の回転動力は、ミッションケース4内の動力伝達装置を介して、前輪5および後輪6の少なくとも一方に伝達される。
【0017】
運転部8は、車体2におけるエンジン3の後方に設けられる。運転部8は、運転者(オペレータ)が搭乗する部分である。運転部8は、運転座席9および操舵操作部10を含む。すなわち、トラクタ1は、運転座席9と、操舵操作部10とを備える。運転座席9は、運転者が座る場所である。操舵操作部10は、運転座席9の前方に配置される。操舵操作部10は、詳細には、運転座席9に座る運転者が操作するステアリングホイールである。操舵操作部10は、ステアリングコラム11内に配置されるステアリングシャフト(不図示)により、旋回可能に支持される。操舵操作部10の回転操作により、前輪5の向きを変更することができる。
【0018】
運転部8には、その他、例えば、運転者によって操作される操作レバー12およびペダル13、並びに、トラクタ1の速度を示すメータ等が配置されるフロントパネル14が設けられる。操作レバー12には、複数種類のレバーが含まれてよく、例えば主変速レバー、副変速レバー、または、作業レバー等が含まれてよい。また、ペダル13には、複数種類のペダルが含まれてよく、例えばアクセルペダルやブレーキペダルが含まれてよい。
【0019】
本実施形態では、運転座席9の後部に、ロプスフレーム15が設けられる。ロプスフレーム15により、トラクタ1の転倒時に運転者を保護することができる。なお、トラクタ1は、ロプスフレーム15が設けられるロプス仕様ではなく、運転座席9がキャビンで覆われるキャビン仕様であってもよい。
【0020】
車体2の後部には、3点リンク機構等で構成される作業機連結部16が設けられる。作業機連結部16には、作業機を装着することが可能である。作業機は、例えば、耕耘装置、プラウ、施肥装置、農薬散布装置、収穫装置、又は、刈取装置であってよい。また、車体2の後部には、昇降シリンダ等の油圧装置を有する昇降装置(不図示)が設けられる。昇降装置が作業機連結部16を昇降させることにより、上記作業機を昇降させることができる。また、エンジン3が発生させた動力は、ミッションケース4と、車体2の後部に配置されたパワーテイクオフ軸(PTO軸;不図示)を介して、牽引する作業機に伝達することができる。
【0021】
図3は、本実施形態に係るトラクタ1の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、トラクタ1は制御部50を備える。制御部50は、例えば、演算装置、入出力部、および、記憶部51を含んで構成されるコンピュータである。演算装置は、例えばプロセッサ又はマイクロプロセッサである。記憶部51は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置である。記憶部51は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)のような補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部51には、各種のプログラム及びデータ等が記憶されている。演算装置は、各種のプログラムを記憶部51から読み出して実行する。
【0022】
上記のハードウェアとソフトウェアとの協働により、制御部50を、自動走行管理部52、走行制御部53、および、作業機制御部54として動作させることができる。制御部50は、1つのハードウェアであってもよいし、互いに通信可能な複数のハードウェアで構成されてもよい。すなわち、自動走行管理部52、走行制御部53、および、作業機制御部54は、1つの制御装置により構成されてもよいし、複数の制御装置により構成されてもよい。例えば、自動走行管理部52は第1制御装置によって構成され、走行制御部53は第2制御装置によって構成され、作業機制御部54は第3制御装置により構成されてよい。
【0023】
なお、自動走行管理部52が備えられることから分かるように、トラクタ1は、自動走行可能に設けられる。ここで、自動走行とは、トラクタ1が備える制御部50により走行に関する装置が制御されることで、予め定められた経路に沿うように少なくとも操舵が自律的に行われることを意味する。自動走行は、操舵に加え、例えば、車速と、作業機による作業とのうちの少なくとも一方が自律的に行われる構成であってもよい。本実施形態では、自動走行によって、予め定められた経路に沿うように操舵が自律的に行われる。すなわち、トラクタ1は、自動操舵走行可能に設けられる。
【0024】
制御部50には、位置取得部18、慣性計測装置20、表示部61、および、操作部62が接続される。
【0025】
位置取得部18は、測位アンテナ19が測位衛星から受信した測位信号を用いて、トラクタ1の位置を例えば緯度および経度の情報として取得する。位置取得部18は、トラクタ1の位置情報を制御部50へ出力する。位置取得部18は、例えば、図示しない基準局からの測位信号を適宜の方法で受信した上で、公知のRTK-GNSS(Real Time Kinematic GNSS)法を利用して測位を行ってよい。また、例えば、位置取得部18は、DGNSS(Differential GNSS)法を利用して測位を行ってもよい。なお、本実施形態では、測位アンテナ19はロプスフレーム15に取り付けられる。測位アンテナ19の取付位置は、適宜変更されてよい。
【0026】
慣性計測装置20は、3軸の角速度センサと3方向の加速度センサとを含む。慣性計測装置20は、計測した情報を制御部50へ出力する。慣性計測装置20が設けられることにより、車体2のヨー角、ピッチ角、ロール角等の慣性情報の計測が可能になっている。
【0027】
表示部61は、制御部50からの指令に応じて適宜情報の表示を行う。本実施形態では、表示部61は、トラクタ1の自動走行に関わる情報を表示する。表示部61の詳細については後述する。
【0028】
操作部62は、運転座席9に座る運転者が操作する。本実施形態では、操作部62は、運転者がトラクタ1の自動走行に関わる操作を行うことができるように設けられる。操作部62を用いた運転者の指令は、制御部50に入力される。操作部62の詳細については後述する。
【0029】
自動走行管理部52は、自動走行に関わる管理を行う。自動走行管理部52は、例えば、操作部62を用いた運転者の指令に応じて自動走行の開始処理や終了処理を行う。また、自動走行管理部52は、例えば、位置取得部18および慣性計測装置20から得られる情報に基づいて、トラクタ1の車体2の位置や向きを求める。また、自動走行管理部52は、例えば、求めた車体位置と、予め定められた自動走行用の経路との関係に応じて、自動走行に関わる制御指令を出力する。
【0030】
走行制御部53は、トラクタ1の走行系の制御を行う。走行制御部53は、例えば、自動走行管理部52からの制御指令に応じて、トラクタ1の車体2が予め定められた経路に沿って走行するように自動操舵機構(不図示)を制御する。なお、自動操舵機構は、上述の、ステアリングコラム11内に配置されるステアリングシャフトを自動的に回転させ、前輪5の向きを自動的に変更する。自動操舵機構には、例えば、ステアリングモータと、ギア機構等で構成される動力伝達部とが含まれる。車体位置に応じてステアリングモータの動作が制御される。ステアリングモータの動作は、動力伝達部を介してステアリングシャフトに伝達されるために、ステアリングモータの制御により、前輪5の操作方向の制御を行うことができる。
【0031】
作業機制御部54は、トラクタ1の作業系の制御を行う。作業機制御部54は、例えば、運転部8に設けられた操作レバー12の操作や、自動走行管理部52からの指令等に応じて、作業機連結部16の昇降の制御を行う。
【0032】
ここで、本実施形態のトラクタ1が実行する自動走行(自動操舵走行)の概要について説明しておく。自動走行を行うに際して、まず、基準線Lの設定が行われる。
図4Aは、基準線Lの設定方法を説明するための図である。
【0033】
基準線Lの設定に際して、まず、トラクタ1が圃場内の適所(図中のA点)に移動され、A点登録が行われる。A点登録は、運転者からの登録指令によって行われる。A点登録の指令が出された時点における、位置取得部18によって得られる車体位置がA点の位置として登録される。
【0034】
A点登録が行われると、運転者が手動操作にてトラクタ1を直進走行させ、所定位置(図中のB点)に移動させる。そして、トラクタ1が所定位置に到達すると、B点登録が行われる。B点登録は、運転者からの登録指令によって行われる。B点登録の指令が出された時点における、位置取得部18によって得られる車体位置がB点の位置として登録される。A点とB点との登録が行われると、A点とB点とを通る直線が基準線Lとして設定される。
【0035】
基準線Lが設定されると、当該基準線Lに平行な線が所定の間隔で自動走行線として生成される。自動走行(自動操舵走行)時においては、当該自動走行線と、位置取得部18によって取得された車体位置とが一致するように、トラクタ1の進行方向の操舵制御が行われる。
【0036】
なお、基準線Lの設定手法は、
図4Aに示す方法以外の方法でもよく、例えば、
図4B又は
図4Cに示す手法であってもよい。
図4Bは、基準線Lの設定方法の第1変形例を説明するための図である。
図4Cは、基準線Lの設定方法の第2変形例を説明するための図である。
【0037】
図4Bに示す手法でも、
図4Aに示す手法と同様に、トラクタ1が圃場内の適所(図中のA点)に移動され、A点登録が行われる。A点登録が行われると、その時点での車体2の向き(
図4Bにおいては、破線の矢印で示す向きが該当)によって基準線Lが自動的に登録される。車体2の向きは、慣性計測装置20からの情報によって得ることができる。
【0038】
図4Cに示す手法でも、
図4Aに示す手法と同様に、トラクタ1が圃場内の適所(図中のA点)に移動され、A点登録が行われる。A点登録が行われると、設定された方位角θにしたがって基準線Lが自動的に設定される。
図4Cに示す例で、二点鎖線DLは車体2から見て北方向を示す。また、
図4Cに示す破線の矢印は、設定された方位角の向きを示す。方位角は、例えば、北方向を0°として時計回り方向を正として定義される。方位角θは、例えば運転者が設定する。
【0039】
<2.表示装置>
[2-1.表示装置の構成]
図1~3に示すように、トラクタ1は表示装置60を備える。
図3に示すように、表示装置60は、表示部61と操作部62とを備える。
図5は、本実施形態に係る表示装置60の概略の構成を示す正面図である。
図6は、本実施形態に係る表示装置60の概略の構成を示す側面図である。
【0040】
表示部61は、トラクタ1の自動走行に関わる情報を表示する表示画面611を有する。すなわち、表示装置60は、自動走行に関わる情報を表示する。表示画面611は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネルを用いて構成することができる。本実施形態では、表示部61は、概ね直方体形状であり、表示画面611は矩形状である。ただし、表示部61および表示画面611の形状は他の形状であってもよい。
【0041】
操作部62は、表示部61に連結される。操作部62は、トラクタ1の自動走行に関わる操作を可能とする操作部材621を有する。すなわち、本実施形態の表示装置60は、自動走行に関わる情報を表示する表示部61と、自動走行に関わる操作を行う操作部62とが1つに集約された一体ユニット構造になっている。表示装置60は、操作表示装置と表現することもできる。
【0042】
自動走行の操作に関わるパーツを集約した表示装置60は、他の操作パーツから独立して配置することができるために、自動走行に関わる操作を直感的に分かり易くすることができる。すなわち、本実施形態によれば、自動走行に関わる操作の操作性を向上することができる。表示部61と操作部62とが連結されて近くに配置されるために、自動走行の際に、運転者は、自動走行に関わる情報を表示する表示画面611を見ながら操作部62を容易に操作することができる。なお、操作部62と表示部61とは、別体であってもよい。また、操作部62に設けられた操作部材と同じ機能を有する操作部材を他の場所に更に設けてもよい。他の場所は、例えば、操舵操作部10、ステアリングコラム11、或いは、運転座席9の横に配置される操作レバー12等であってよい。また、操作部62を設けないで、各操作部材を上述の他の場所等に設けてもよい。当該構成の場合、表示部61の位置は、操舵操作部10の左右方向の一方側であってもよいが、ステアリングコラム11の前側とされてもよい。ステアリングコラム11の前側は、例えばフロントパネル14の上部であってよい。
【0043】
本実施形態では、
図5および
図6に示すように、操作部62は、表示部61に対して-Z側に配置される。換言すると、操作部62は、表示部61の下方に配置される。操作部62が表示部61に対して下方に配置されることにより、操作時に手等の身体部位が邪魔になって表示画面611が見難くなる可能性を低減することができ、操作性を良くすることができる。
【0044】
図6に示すように、表示装置60は、表示部カバー63を更に備える。表示部カバー63は、例えば樹脂カバーである。表示部カバー63は、-Y側が開口する箱形状である。表示部カバー63は、表示部61の表示画面611が配置される-Y側の面とは反対側である+Y側の面を覆う。別の言い方をすると、表示部カバー63は、表示部61の背面を覆う。表示部カバー63は、着脱可能に設けられる。表示部カバー63は、表示部61の最外周部からはみ出さないように設けられており、表示装置60をコンパクトな形状としている。
【0045】
図7は、表示部カバー63が取り外された表示装置60の概略の構成を示す斜視図である。
図7は、表示装置60を背面側から見た図である。
図7に示すように、表示部61の+Y側の面(背面)には、連結フレーム64が取り付けられている。本実施形態では、連結フレーム64は、ボルト65を用いて表示部61に固定されている。また、連結フレーム64は、-Z側(下側)の端部が、操作部62の内部まで延びて操作部62に取り付けられている。本実施形態では、連結フレーム64は、当該フレームに設けられる貫通孔(不図示)と、操作部62(詳細には後述の第2筐体623)の内側に設けられるボス(不図示)とを重ね合わせて、タッピングねじを用いて固定される。なお、連結フレーム64は、当該フレームに設けられる貫通孔(不図示)と、操作部62の内部に設けられるピン(不図示)との組み合わせを用いて操作部62に固定されてもよい。すなわち、表示部61と操作部62とは、連結フレーム64により連結される。詳細には、表示部61と操作部62とは、連結フレーム64により互いに相対移動不能に連結される。ただし、表示部61と操作部62とは、互いに相対移動可能に連結されてもよい。
【0046】
図7に示すように、表示部61の+Y側の面(背面)には、電気配線(不図示)を接続するコネクタ部613が設けられる。また、連結フレーム64の+Y側の面(背面)には、表示部61用のヒューズ67が取り付けられる。表示部カバー63は、連結フレーム64、コネクタ部613、ヒューズ67、および、コネクタ部613とヒューズ67とに接続される電気配線(不図示)を覆う。
【0047】
本実施形態では、表示部カバー63は、プッシュリベット68(
図6参照)を用いて連結フレーム64に着脱可能に設けられる。このために、表示部カバー63を簡単に取り外して、ヒューズ67の点検や交換を行うことができる。なお、表示部カバー63は、例えば螺子等のプッシュリベット以外の固定手段を用いて連結フレーム64に固定されてよい。また、表示部カバー63は、連結フレーム64ではなく、表示部61に対して着脱可能に設けられてもよい。
【0048】
本実施形態では、操作部62は、X方向に延びる箱形状である。
図6に示すように、操作部62の操作部材621が設けられる面62aは、表示画面611に対して傾斜している。以下、面62aのことを操作部材配置面62aと称する。詳細には、表示画面611は、Z方向に対して、+Z側が+Y側、-Z側が-Y側となる向きに若干傾いている。操作部材配置面62aも、Z方向に対して表示画面611と同方向に傾いているが、表示画面611よりも大きく傾いている。この結果、操作部材配置面62aは、表示画面611に対して傾斜している。操作部材配置面62aは、表示画面611側に向けて傾斜している。
【0049】
このような構成とすることで、トラクタ1において、表示画面611を上下方向に対して若干傾けて、運転者が表示画面611を見易い姿勢とすることができる。そして、表示画面611をこのような姿勢で配置した場合に、操作部62を操作部材配置面62aが上側を向く姿勢とすることができる。このために、操作部62の操作性を向上することができる。
【0050】
操作部62が有する操作部材621には、自動走行のオンとオフとの切り替えを可能とする第1操作部材と、第1操作部材とは異なる操作を可能とする第2操作部材とのうち、少なくとも第1操作部材が含まれることが好ましい。表示部61と一体化された操作部62に、自動走行のオンオフ用のスイッチが設けられる構成とすることで、運転者が自動走行の開始と停止との操作を行い易くすることができる。ただし、操作部材621には、第1操作部材が含まれない構成としてもよい。
【0051】
本実施形態では、より好ましい形態として、
図5および
図6に示すように、操作部材621には、第1操作部材621aと第2操作部材621bとが含まれる。なお、操作部材621には、第1操作部材621aおよび第2操作部材621bに加えて、少なくとも1つの他の操作部材が配置されてもよい。
【0052】
本実施形態では、第1操作部材621aと第2操作部材621bとは、X方向に並んで配置される。また、第1操作部材621aが-X側に配置され、第2操作部材621bが+X側に配置される。ただし、第1操作部材621aと第2操作部材621bの配置は、これに限らず、適宜変更されてよい。例えば、第1操作部材621aと第2操作部材621bとは、操作部材配置面62aに沿う方向、且つ、X方向と直交する方向に配置されてもよい。また、例えば、第1操作部材621aが+X側に配置され、第2操作部材621bが-X側に配置されてもよい。
【0053】
本実施形態では、第1操作部材621aは、プッシュ式の操作ボタンである。操作ボタン621aを押圧することによって、自動走行のオンとオフとを切り替えることができる。例えば、自動走行がオフ状態である場合に操作ボタン621aが押圧されることにより、自動走行がオン状態となる。自動走行がオン状態である場合に操作ボタン621aが押圧されることにより、自動走行がオフ状態となる。
【0054】
なお、操作ボタン621aの表面には、当該操作ボタンの機能を示す表示が印刷されてよい。ボタンの表面に機能を印刷して表示することで、運転者が操作ボタン621aの機能を即座に判断することができる。また、ボタンの表面に機能を印刷する構成とすることで、例えば銘板の貼り付け作業を削減して、作業工数を低減することができる。また、第1操作部材621aは、プッシュ式の操作ボタンに限らず、例えば、操作レバーや、回転式の操作ダイヤル等であってもよい。
【0055】
本実施形態では、第2操作部材621bは、自動走行の経路の補正を可能とする経路補正操作部材である。経路補正操作部材は、例えば、自動走行を開始した後に、自動走行の経路が想定した経路と異なると運転者が判断した場合に利用される。また、経路補正操作部材は、例えば、自動走行中に位置取得部18で取得された車体位置が本来の位置からずれる位置ずれが生じた場合に利用される。経路補正操作部材を操作することで上述した自動走行線の位置をずらして、トラクタ1が自動走行する経路を本来走らせたい経路に補正することができる。
【0056】
本実施形態では、経路補正操作部材として構成される第2操作部材621bは、シーソースイッチである。シーソースイッチ621bの+X側を押圧することで、表示画面611に表示される自動走行線(不図示)の位置を+X側にずらすことができる。また、シーソースイッチ621bの-X側を押圧することで、表示画面611に表示される自動走行線の位置を-X側にずらすことができる。
【0057】
なお、本実施形態では、第2操作部材621bの機能を表示するマーク69(詳細には矢印)が、操作部62の操作部材配置面62aに設けられる。これにより、第2操作部材621bの操作を、運転者に直感的に理解し易くすることができる。マーク69は、例えば、操作部材配置面62aにホットスタンプを行うことによって形成されてよい。また、第2操作部材621bは、シーソースイッチ以外の構成であってよく、例えば、操作レバーや操作ダイヤル等であってよい。
【0058】
本実施形態では、操作部62は、第1筐体622と第2筐体623とを備える。第1筐体622は、第2筐体623よりも-Z側(下側)に配置される。第1筐体622は、+Z側に開口を有する箱形状である。第2筐体623は、-Z側に開口を有する箱形状である。第2筐体623は、上述の操作部材配置面62aを+Z側に有する。本実施形態において、第1筐体622と第2筐体623とは、一例として樹脂製である。
【0059】
操作部62は、第2筐体623に第1操作部材621aおよび第2操作部材621bを配置し、第1筐体622を-Z側から第2筐体622に嵌め合わせることによって形成される。第1操作部材621aおよび第2操作部材621bは、第2筐体623が有する操作部材配置面62aに設けられる不図示の開口に+Z側から差し込まれる。第1操作部材621aおよび第2操作部材621bは、一部が操作部材配置面62aから外方に突出し、残りの一部が操作部62の内部に配置される。また、
図7に示すように、第1筐体622の+Y側の面(背面)には、配線開口部62dが設けられている。配線開口部62dを介して、不図示の電気配線が第1操作部材621aおよび第2操作部材621bの電気回路部と電気的に接続される。
【0060】
なお、本実施形態では、第1筐体622と第2筐体623とは、+X側の端部と-X側の端部とにそれぞれ設けられるスナップフィット機構624を用いて締結される。スナップフィット機構624に代えて、例えば螺子止め等が利用されてもよいが、スナップフィット機構624を用いることによって組立て工数を低減することができる。
【0061】
また、本実施形態では、操作部62は、-Z側に向かうにつれて細くなる形状を有する。換言すると、操作部62は、下方に向かうにつれて細くなる形状を有する。詳細には、第2筐体623は、-Z側に向かうにつれて、X方向およびY方向の幅が狭くなる形状を有する。
図5に示すように、第2筐体623の-Z側の部分は、正面視において、-Z側の辺が+Z側の辺に比べて短くなる台形状である。また、
図6に示すように、第2筐体623の-Z側の部分は、側面視において、-Z側の辺が+Z側の辺に比べて短くなる台形状である。
【0062】
このように操作部62の-Z側(下側)が絞れた形状とすることにより、操作部62の出っ張りを少なくして操作部62を握り易くすることができる。すなわち、操作部62の操作性を向上することができる。本実施形態のように操作部材としてシーソースイッチを採用する場合に、当該効果を顕著とできる。
【0063】
また、本実施形態では、
図5に示すように、表示部61はモニタ操作部612を有する。表示画面611には、モニタ操作部612で操作可能な内容が表示される。換言すると、モニタ操作部612は、表示画面611の表示に応じた操作を可能とする。モニタ操作部612を用いて、表示画面611に表示されるガイダンスに沿った操作を行うことができる。
【0064】
本実施形態では、モニタ操作部612は、例えば、上述のA点およびB点(
図4A、
図4B、
図4C参照)の登録や削除等を可能とする。また、モニタ操作部612は、自動走行に関する設定条件の変更等を可能とする。また、モニタ操作部612は、A点およびB点の登録方式の選択を可能とする。例えば、上述した
図4Aで示す登録方式、
図4Bで示す登録方式、および、
図4Cで示す登録方式のうちから、いずれか1つを選択することを可能とする。
【0065】
本実施形態では、
図5に示すように、モニタ操作部612は表示画面611の-Z側(下側)に配置される。モニタ操作部612は、複数の操作ボタン612a~612fを含む。操作ボタン612a~612fは、押圧によって操作可能な物理ボタンである。複数の操作ボタン612a~612fは、X方向に一列に並ぶ。なお、モニタ操作部612の配置、形状、種類は、適宜変更されてよい。
【0066】
図8は、本実施形態のモニタ操作部612の構成について説明するための模式図である。
図8は、
図5のモニタ操作部612の周辺を抜き出した図である。また、
図8は、上述したA点およびB点の登録が完了して、自動走行の準備が完了していることを想定した図である。表示画面611には、自動操舵走行(直進アシストモード)の開始を促す画像6111が表示されている。画像6111の-Z側の端部には、モニタ操作部612で操作可能な複数の操作内容を示す操作内容画像6111a~6111fが、X方向に一列に並んで表示されている。
【0067】
第1操作内容画像6111aは、第1操作ボタン612aで操作可能な操作内容を示す。第2操作内容画像6111bは、第2操作ボタン612bで操作可能な操作内容を示す。第3操作内容画像6111cは、第3操作ボタン612cで操作可能な操作内容を示す。第4操作内容画像6111dは、第4操作ボタン612dで操作可能な操作内容を示す。第5操作内容画像6111eは、第5操作ボタン612eで操作可能な操作内容を示す。第6操作内容画像6111fは、第6操作ボタン612fで操作可能な操作内容を示す。
【0068】
すなわち、本実施形態では、モニタ操作部612を構成する各操作ボタン612a~612fのX方向の並び順は、各操作ボタン612a~612fが操作可能な操作内容を示す各操作内容画像6111a~6111fのX方向の並び順と同じである。そして、各操作ボタン612a~612fと、当該操作ボタンで操作可能な内容を示す操作内容画像6111a~6111fとは、Z方向に(上下に)並んで配置されている。このように配置することで、操作ボタン612a~612fの操作内容を簡単に把握して、適切な操作を行い易くすることができる。
【0069】
なお、本実施形態では、モニタ操作部612を物理ボタンで構成したが、これは例示である。例えば、表示画面611がタッチパネルを備える構成として、タッチパネルを利用してモニタ操作部を構成してもよい。この場合、モニタ操作部は、表示画面611中に表示されるソフトキー(ソフトウェアキー)として実現されてよい。そして、操作内容を示す操作内容画像そのものが、ソフトキーとされてよい。
【0070】
[2-2.表示装置の構成の変形例]
以上では、第2操作部材621bが経路補正操作部材である構成としたが、これは例示である。
【0071】
(2-2-1.第1変形例)
第2操作部材621bは、自動走行に関わる操作を有効とする自動走行モードへの移行を可能とするモード切替操作部材であってよい。本変形例では、モード切替操作部材によって、自動走行モードへと移行されないと、第1操作部材621aの操作や、モニタ操作部612による自動走行に関わる設定(例えばA点やB点の登録等)を行うことができない。このようなモード切替操作部材は必須ではなく、モード切替操作部材を設ける場合に、第2操作部材621bをモード切替操作部材としてよい。
【0072】
モード切替操作部材として構成される第2操作部材621bは、シーソースイッチでもよいが、他の構成であってもよく、例えば、プッシュ式の操作ボタン、操作レバー、或いは、操作ダイヤル等であってよい。
【0073】
本変形例においては、モード切替操作部材によって自動走行モードとなった場合に、上述の基準線L(
図4A~
図4C参照)の設定を行うことができる構成としてよい。また、基準線Lが設定されて所定条件が満たされた場合に、第1操作部材621aを利用した自動走行の開始が可能となる構成としてよい。また、モード切替操作部材の操作に応じて、当該操作が行われたことや、当該操作によって実現された状態を知らせる報知処理が行われてよい。当該報知処理による報知の手段は、例えば画面表示や音声案内等であってよい。操作部材621を操作した場合の、このような報知処理については、本変形例に限らず、上述の実施形態でも適宜行われてよい。
【0074】
また、本変形例において、自動走行中にモード切替操作部材が操作された場合に、当該操作を受け付けない構成としてもよいし、当該操作を受け付ける構成としてもよい。自動走行中におけるモード切替操作部材の操作を受け付ける構成の場合には、例えば、モード切替操作部材の操作が有った際に、緊急停車する構成や、自動走行から手動走行に切り替わる構成としてよい。
【0075】
(2-2-2.第2変形例)
第2操作部材621bは、自動走行の経路の生成に用いられる基準線Lの設定を可能とする基準線設定操作部材であってよい。上述の実施形態では、基準線Lの設定は、モニタ操作部612を用いて行う構成としたが、本変形例では、基準線設定操作部材として構成される第2操作部材621bを用いて、基準線Lの設定が行われる。
【0076】
基準線設定操作部材として構成される第2操作部材621bは、シーソースイッチでもよいが、他の構成であってもよく、例えば、プッシュ式の操作ボタン、操作レバー、或いは、操作ダイヤル等であってよい。例えば、基準線設定操作部材が操作ボタンとして構成される場合、基準線設定操作部材は、A点用の操作ボタンと、B点用の操作ボタンとを含む構成であってもよい。
【0077】
また、基準線設定操作部材として構成される第2操作部材621bは、プッシュ式の操作ボタンとしての機能と、操作ダイヤルとしての機能との両方を備える構成であってもよい。この場合、
図4Aに示す方式で基準線Lが設定される場合には、基準線設定操作部材が1回押されるとA点が登録され、A点が登録された後に基準線設定操作部材が再度押されるとB点が登録される構成としてよい。また、
図4Bに示す方式で基準線Lが設定される場合には、基準線設定操作部材が1回押されると、当該押下時の車体2の向きに合わせて基準線Lが自動的に設定される構成としてよい。また、
図4Cに示す方式で基準線Lが設定される場合には、基準線操作部材を回転させて方位角を設定した後に基準線操作部材が押されると基準線Lが自動的に設定される構成としてよい。なお、方位角は、
図4Cに示す方式が選択される前に設定されても、
図4Cに示す方式が選択された後に設定されてもよい。
【0078】
(2-2-3.第3変形例)
第2操作部材621bは、自動走行の経路の生成に用いられる基準線Lを設定する際に利用する基準線設定モードの選択を可能とする基準線設定モード選択操作部材であってよい。基準線設定モードとしては、例えば、上述の
図4Aに示す方式で基準線Lを設定する第1基準線設定モードと、上述の
図4Bに示す方式で基準線Lを設定する第2基準線設定モードと、上述の
図4Cに示す方式で基準線Lを設定する第3基準線設定モードと、が挙げられる。基準線設定モード選択操作部材は、例えば、第1基準線設定モード、第2基準線設定モード、および、第3基準線設定モードのうちから、1つの基準線設定モードの選択を行うために使用される。
【0079】
基準線設定モード選択操作部材として構成される第2操作部材621bは、シーソースイッチ等であってもよいが、例えば、プッシュ式の操作ボタンとしての機能と、操作ダイヤルとしての機能との両方を備える構成であってよい。当該構成の基準線設定モード選択操作部材が利用される場合には、例えば次に示す第1ステップと第2ステップを経て、基準線設定モードが選択されてよい。第1ステップは、基準線設定モード選択操作部材を回転させることにより、表示画面611において選択可能な基準線設定モードを変更するステップである。第2ステップは、選択したい基準線設定モードが表示された状態で基準線設定モード選択操作部材を押圧することにより、選択する基準線設定モードを決定するステップである。
【0080】
なお、基準線設定モード選択操作部材は、第2変形例で示した基準線設定操作部材としての機能を備えてもよい。この場合には、当該操作部材を利用して、まず、基準線設定モードの選択を行い、その後、選択された基準線設定モードの方式に従って基準線Lの設定が行われる構成であってよい。
【0081】
(2-2-4.第4変形例)
第2操作部材621bは、自動走行の経路の生成に用いられる基準線Lとして予め登録されている基準線Lの中から利用する基準線Lの選択を可能とする登録基準線選択操作部材であってよい。登録基準線選択操作部材として構成される第2操作部材621bは、特に限定されるものではないが、プッシュ式の操作ボタンとしての機能と、操作ダイヤルとしての機能との両方を備える構成であってよい。登録基準線選択操作部材が、当該構成である場合の使用例について、以下説明する。
【0082】
例えば、登録した基準線Lを選択する選択画面を表示画面611に表示させた状態とする。当該状態は、登録基準線選択操作部材の操作により実現されてもよいが、モニタ操作部612等の他の操作手段の操作により実現されてもよい。登録した基準線Lの表示画面611上の表示は、単に登録した名称が表示される構成でもよいが、例えば、作業の設定条件や基準線L等が示される作業画面と共に登録した基準線Lの名称を示すアイコンを表示する構成であってもよい。
【0083】
登録した基準線L(以下、登録基準線と表現することがある)を表示画面611に表示させた状態で、例えば次に示す第1ステップと第2ステップが行われて、選択したい登録基準線の選択が行われてよい。第1ステップは、登録基準線選択操作部材を回転させることにより、表示画面611において選択可能な登録基準線を変更するステップである。第2ステップは、選択したい登録基準線が表示された状態で登録基準線選択操作部材を押圧することにより、選択する登録基準線を決定するステップである。
【0084】
なお、登録基準線選択操作部材は、作業の各種の設定(例えば、作業種類や作業幅等)を行うことができる構成であってもよい。また、設定の切り替えに応じて、音声通知等の報知処理が行われてよい。
【0085】
[2-3.トラクタにおける表示装置の配置および取付構造]
次に、以上のように構成される表示装置60の、トラクタ1における配置および取付構造の詳細について説明する。
【0086】
(2-3-1.表示装置の配置)
図9は、本実施形態に係るトラクタ1の運転部8の周辺を拡大して示す概略平面図である。
図10は、本実施形態に係るトラクタ1の運転部8の周辺を拡大して示す概略側面図である。
【0087】
図9に示すように、表示装置60は、操舵操作部10の左右方向一方側に配置される。このように構成することにより、操舵操作部10によって視界が遮られたり、操作の邪魔をされたりすることを抑制することができ、表示装置60の視認性および操作性を向上することができる。また、運転座席9の前方の視界を確保し易くすることができる。本実施形態では、表示装置60は、操舵操作部10の右方に配置される。ただし、これは例示であり、表示装置60は、操舵操作部10の左方に配置されてもよい。
【0088】
また、表示装置60は、操舵操作部10の左右方向の一方側に並べて配置される。詳細には、
図10に示すように、表示装置60の少なくとも一部は、操舵操作部10と同じ高さに配置される。操舵操作部10と表示装置60とが、このような高さ関係とされると、操舵操作部10の操作を行う運転者は、表示装置60の操作を容易に行うことができる。また、運転座席9に座る運転者に対して、表示装置60の表示画面611を見易くすることができる。
【0089】
また、
図9および
図10に示すように、表示装置60は、操舵操作部10の後端10aよりも前方に配置される。このように構成すると、表示装置60がトラクタ1の運転操作等の邪魔になる可能性を低減することができる。
【0090】
また、
図9および
図10に示すように、表示装置60は、運転座席9の側方に配置されるアームレスト21の前方に配置される。詳細には、アームレスト21は、運転座席9の右側に配置される。また、表示装置60の少なくとも一部は、アームレスト21と同じ高さ位置に配置される。このような構成とすることで、運転者の手(本実施形態では右手)が配置される可能性が高い位置の近くに表示装置60を配置することができ、運転者が表示装置60を容易に操作することができる。
【0091】
本実施形態では、より詳細には、アームレスト21の前方に操作レバー12が配置される。なお、操作レバー12は、詳細には、トラクタ1の速度を調整する主変速レバーである。表示装置60は、操作レバー12の前方に配置される。そして、表示装置60の少なくとも一部は、操作レバー12と同じ高さ位置である。このために、運転者は、操作レバー12を握った状態から表示装置60に容易にアクセスすることができる。この結果、表示装置60の操作性を向上することができる。
【0092】
本実施形態では、好ましい形態として、表示装置60の第1操作部材621aは、第2操作部材621bよりも操舵操作部10側に配置される。ただし、第1操作部材621aは、第2操作部材621bよりも操舵操作部10から遠い側に配置される構成としてもよい。
【0093】
詳細には、表示装置60が操舵操作部10の右側に配置されるために、好ましい形態として、第1操作部材621aは、第2操作部材621bよりも左側に配置される。表示装置60が操舵操作部10の左側に配置される場合には、好ましい形態は、第1操作部材621aが、第2操作部材621bよりも右側に配置される構成である。
【0094】
自動走行のオンとオフとを切り替える第1操作部材621aが運転者の近くに配置されるために、運転者は、自動走行のオンとオフとの切り替えを行い易い。そして、当該切替操作を他の操作と間違える可能性を低くすることができる。また、第1操作部材621aの右側に配置される第2操作部材621bは、操作部62の右側面を握るようにして操作することができる。本実施形態では、第2操作部材621bはシーソースイッチであり、このように操作部62の右側面を握るようにして操作できることで、操作性を向上することができる。なお、本実施形態では、上述のように、シーソースイッチとして構成される第2操作部材621bを利用して、自動走行の経路のオフセット操作を行うことができる。
【0095】
(2-3-2.表示装置の取付構造)
図10に示すように、運転部8には、マッドガード22が設けられる。詳細には、マッドガード22は、運転部8の前端部に設けられる。なお、マッドガード22は、泥除けであり、本実施形態は前方の視界を遮らないように透明部材で構成される。マッドガード22は、例えばアクリル板であってよい。また、マッドガード22は、運転部8の左右の前端部に設けられる。
【0096】
トラクタ1は、マッドガード22を支持するフレーム23(以下、マッドガードフレーム23と表現することがある)をさらに備える。本実施形態では、表示装置60は、マッドガードフレーム23を利用してトラクタ1に取り付けられる。詳細には、左右のマッドガード22のうち、右側のマッドガード22を支持するマッドガードフレーム23を利用して、表示装置60はトラクタ1に取り付けられる。
【0097】
運転部8には、表示装置60を支持する支持部材70が配置される。
図11は、表示装置60のトラクタ1への取付構造を示す概略斜視図である。マッドガード22のフレーム23に、表示装置60を支持する支持部材70が取り付けられる。すなわち、表示装置60は、トラクタ1が備える支持部材70を用いてマッドガードフレーム23に取り付けられる。
【0098】
本実施形態では、支持部材70は、支持ステー71と、アーム部材72とを有する。アーム部材72は、支持ステー71に支持され、表示装置60を支持する。また、支持部材70は、第1連結部73と第2連結部74とをさらに有する。
【0099】
支持ステー71は、運転部8を構成するフレームに固定される。詳細には、支持ステー71は、マッドガードフレーム23に固定される。支持ステー71は、1つの部材で構成されてもよいが、本実施形態では、複数の部材で構成されている。支持ステー71は、パイプ部711と、パイプ部取付フレーム712と、位置調整孔付フレーム713とを含む。
【0100】
パイプ部711は、例えば、丸パイプを曲げたり、溶接したりして構成される。パイプ部711は、第1パイプ部711aと、第2パイプ部711bと、第3パイプ部711cとを有する。
【0101】
第1パイプ部711aは、上下に延びる。第1パイプ部711aは、溶接等によりパイプ部取付フレーム712に固定される。
【0102】
第2パイプ部711bは、一端が第1パイプ部711aの上端と繋がり、他端がマッドガードフレーム23に取り付けられる。第2パイプ部711bは、詳細には、前後に延びる2つの前後パイプ部711b1、711b2と、2つの前後パイプ部711b1、711b2の後端同士を連結する連結パイプ部711b3とを有する。第2パイプ部711bの他端は、マッドガードフレーム23に溶接等により取り付けられた高ナット(不図示)を利用して、マッドガードフレーム23に固定される。第2パイプ部711bの他端は、詳細には、マッドガードフレーム23の、水平方向に延びる横フレーム部23aに取り付けられる。なお、横フレーム部23aは、概ね左右方向に延びるが、本実施形態では、例えば
図9に示すように、左右方向に対して若干傾いている。
【0103】
第3パイプ部711cは、一端が第2パイプ部711bを構成する連結パイプ部711b3に溶接等により取り付けられる。第3パイプ部711cは、第2パイプ部711bに取り付けられた一端から下方且つ前方に延びる。第3パイプ部711cの他端は、パイプ部取付フレーム712に溶接等により固定される。
【0104】
パイプ部取付フレーム712は、マッドガードフレーム23に螺子止め等により固定される。詳細には、パイプ部取付フレーム712は、マッドガードフレーム23の、上下に延びる縦フレーム部23bに固定される。なお、縦フレーム部23bは、その上端部が横フレーム部23aの右端部と繋がる。
【0105】
位置調整孔付フレーム713は、板金を折り曲げ加工して構成される、位置調整孔付フレーム713は、パイプ部711に溶接等により取り付けられる。位置調整孔付フレーム713は、詳細には、第1パイプ部711aおよび第2パイプ部711bの各一部に取り付けられる。位置調整孔付フレーム713は、上下方向に広がる側壁部713aを有する。側壁部713aの上部は、パイプ部711よりも上方に突出し、当該上部に、水平方向に貫通する6つの貫通孔713bが設けられる。6つの貫通孔713bの配置は、上下に並ぶ2つの貫通孔713bで構成される貫通孔組713bGが前後方向に3つ並ぶ構成である。位置調整孔付フレーム713には、第1連結部73が位置調整可能に取り付けられる。
【0106】
以上のように構成される支持ステー71は、マッドガードフレーム23の横フレーム部23aおよび縦フレーム部23bによって支持される構成であるために、表示装置60を強固に支持することができる。このために、トラクタ1の走行時における振動によって表示装置60が揺れることを抑制することができる。また、支持ステー71の主たる部分がパイプによって形成される構成のために、その強度や剛性をコンパクトな形状で確保することができる。また、支持ステー71のパイプ部711は、トラクタ1への乗降時の手がかりとして使用することができる。
【0107】
【0108】
第1連結部73は、第1軸部731と、第1軸部支持フレーム732とを有する。第1軸部731は、上下に延びる。第1軸部731には、アーム部材72の前側の端部が連結される。第1軸部支持フレーム732は、第1軸部731を固定状態で支持する。第1軸部支持フレーム732は、板金を折り曲げ加工して構成される。第1軸部支持フレーム732は、上下方向に広がる側壁部732aを有する。側壁部732aには、水平方向に貫通する4つの貫通孔732bが設けられる。4つの貫通孔732bの配置は、上下に並ぶ2つの貫通孔732bで構成される貫通孔組732bGが前後に2つ並ぶ構成である。
【0109】
第1連結部73は、第1軸部支持フレーム732の4つの貫通孔732bを、位置調整孔付フレーム713の6つの貫通孔713bのうちの4つと位置合わせして螺子止めすることにより、支持ステー71に固定される。当該固定に際して、位置調整孔付フレーム713の前後方向に並ぶ3つの貫通孔組713bGのうち、前と真ん中との2つの貫通孔組713bGを利用する第1の構成と、真ん中と後との2つの貫通孔組713bGを利用する第2の構成とを選択できる。第1の構成を選択すると、第2の構成を選択する場合に比べて、表示装置60を前方に配置することができる。逆に、第2の構成を選択すると、第1の構成を選択する場合に比べて、表示装置60を後方に配置することができる。
【0110】
アーム部材72は、棒状部721と、棒状部721の前側の端部に配置される第1筒状部722と、棒状部721の後側の端部に配置される第2筒状部723とを有する。棒状部721は、板金を折り曲げ加工して構成される。第1筒状部722および第2筒状部723は、上下に延びる。第1筒状部722および第2筒状部723は、溶接等により棒状部721に取り付けられる。
【0111】
アーム部材72は、第1筒状部722に第1連結部73の第1軸部731が入れられた状態とされることで、第1連結部73に連結される。第1筒状部722と第1軸部731との間にはフリクション構造が設けられており、アーム部材72は、第1連結部73に対して回転させて任意の位置で止めることができる。フリクション構造は、例えばトルクヒンジが利用される構成であってよい。なお、第2筒状部723は、第2連結部74との連結に利用される。
【0112】
第2連結部74は、第2軸部741と、第2軸部支持フレーム742と、第3軸部743と、第3軸部支持フレーム744と、装置側取付片745と、を有する。第2軸部741は、上下に延びる。第2軸部支持フレーム742は、第2軸部741を固定状態で支持する。第2軸部支持フレーム742は、板金を折り曲げ加工して構成される。第2連結部74は、アーム部材72の第2筒状部723に第2軸部741が入れられた状態とされることで、アーム部材72に連結される。第2筒状部723と第2軸部741との間にはフリクション構造が設けられており、第2連結部74は、アーム部材72に対して回転させて任意の位置で止めることができる。フリクション構造は、例えばトルクヒンジが利用される構成であってよい。
【0113】
第3軸部743は、水平方向に延びる。第3軸部支持フレーム744は、第3軸部743を支持する。第3軸部支持フレーム744は、板金を折り曲げ加工して構成される。第3軸部支持フレーム744は、詳細には、上下に広がり互いに対向する一対の側壁部744a、744bによって第3軸部743を支持する。第3軸部支持フレーム744は、一対の側壁部744a、744bを連結する背壁部744cにて、第2軸部支持フレーム742と溶接等により連結される。一対の側壁部744a、744bの一方744aには、水平方向に貫通する螺子用孔744dが設けられる。
【0114】
装置側取付片745は、板金を折り曲げ加工して構成される。装置側取付片745は、表示装置60の表示部61と操作部62とを連結する連結フレーム64(
図7参照)に、螺子止め等により固定される。装置側取付片745は、上下方向に広がり互いに対向する一対の側壁部745a、745bを有する。装置側取付片745の一対の側壁部745a、745bは、第3軸部支持フレーム744の一対の側壁部744a、744bに外方から重ねられて、第3軸部743を支持する。第3軸部743は、螺子部分を有し、ナット743aと組み合わせられて、第3軸部支持フレーム744および装置側取付片745に固定される。
【0115】
また、装置側取付片745の一対の側壁部745a、745bのうちの一方745aには、水平方向に貫通する長孔745cが設けられる。長孔745cは、第3軸部支持フレーム744の側壁部744aに設けられる螺子用孔744dと重ねられる。螺子用孔744dと長孔745cとには、不図示の螺子が嵌められ、第3軸部支持フレーム744と装置側取付片745とが互いに固定される。
【0116】
なお、螺子用孔744dから螺子が外され、第3軸部743の螺子止めが緩められることにより、表示装置60は、第3軸部743を中心として回動可能である。すなわち、表示装置60は、アーム部材72に対して水平方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられる。これにより、表示装置60の表示画面611の水平面に対する角度を調整できる。ただし、本実施形態では、表示装置60は、螺子用孔744dと長孔745cとが互いに重なる範囲で、第3軸部743を中心とした回動が可能である。
【0117】
表示装置60の水平面に対する角度調整は、トルクヒンジを用いることによって、螺子を緩めた場合だけでなく、常時行うことができる構成としてもよい。ただし、本実施形態では、操作部62の操作によって表示装置60に加わる力で表示装置60の角度が簡単に変わらないように、螺子を緩めた場合にのみ、表示装置60の水平面に対する角度調整が行える構成となっている。
【0118】
以上からわかるように、アーム部材72は、支持ステー71に対して上下に延びる軸線回りに回動可能に設けられる。詳細には、アーム部材72は、第1軸部731を中心として、支持ステー71に対して回動可能に設けられる。また、表示装置60は、アーム部材72に対して上下方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられる。詳細には、表示装置60は、第2軸部741を中心として、アーム部材72に対して回動可能に設けられる。これらの構成が採用されることで、運転者は、自身が操作し易く、且つ、視認性の良い場所に、表示装置60の位置および向きを簡単に調整することができる。
【0119】
なお、本実施形態では、第1軸部731を中心としてアーム部材72を回動させる場合に、アーム部材72と第1軸部支持フレーム732とが当接して、一定以上回動できない構成となっている。詳細には、アーム部材72と、第1軸部支持フレーム732の側壁部732aとが当接して、一定以上回動できないない構成となっている。第1軸部支持フレーム732において、側壁部732aは左右方向外方に設けられる。つまり、本実施形態では、支持部材70は、アーム部材72の左右方向外方への回動を規制する規制部732aを有する。
【0120】
規制部732aが設けられることにより、アーム部材72が必要以上に回動することを阻止でき、運転部8を構成する部材に衝突することを抑制できる。例えば、トラクタがキャビン仕様である場合に、表示装置60がキャビンを構成するガラスと衝突することを抑制できる。なお、第1軸部支持フレーム732が、左右方向内方にも側壁部を有する構成として、アーム部材72の左右方向内方への回動が規制される構成としてもよい。
【0121】
なお、以上においては、アーム部材72に筒状部722、723が設けられ、第1連結部73および第2連結部74に軸部731、741が設けられる構成とした。このような構成は例示であり、例えば、アーム部材の両端に軸部が設けられ、第1連結部および第2連結部に筒状部が設けられる構成としてもよい。
【0122】
また、支持ステー71に対するアーム部材72の回動、および、アーム部材72に対する表示装置60の回動は、フリクション構造を用いて任意の角度で調整できる構成としたが、これも例示である。支持ステー71に対するアーム部材72の回動、および、アーム部材72に対する表示装置60の回動は、所定角度おきに調整できる構成としてもよい。
【0123】
また、第2軸部741および第3軸部743を用いて表示装置60の角度調整を行える構成に代えて、ボールジョイントを用いて表示装置60の角度調整を行える構成としてしてもよい。また、アーム部材72は、必須ではなく、表示装置60が、アーム部材72を介することなく支持ステー71に角度調整可能に連結されてもよい。
【0124】
(2-3-3.表示装置の配置等の変形例)
図13は、キャビン仕様のトラクタ1Aの概略の構成を示す斜視図である。トラクタ1Aは、上述のトラクタ1と同様に、運転座席9および操舵操作部10(
図1等参照)を含む運転部8Aを備える。そして、運転部8Aにはキャビン24が設けられる。キャビン24は、運転座席9および操舵操作部10を覆う。なお、
図13は、キャビン50の右側のドアが外された状態を示す。
【0125】
キャビン24内には、表示装置60が配置される。表示装置60は、キャビン24に配置される支持部材70Aによって支持される。キャビン24のフレーム25(以下、キャビンフレーム25と表現する))に、表示装置60を支持する支持部材70Aが取り付けられる。
【0126】
支持部材70Aは、上述の実施形態に係るトラクタ1に備えられる支持部材70と比較して、支持ステー71Aの構成が若干異なるが、その他は同じ構成である。支持ステー71Aは、キャビンフレーム25の水平方向に延びる横フレーム部25aと、キャビンフレーム25の上下方向に延びる縦フレーム部25bに取り付けられる。すなわち、本変形例でも、支持ステー71Aは、上述の実施形態と同様に、横フレーム部25aおよび縦フレーム部25bによって支持される構成であるために、表示装置60を強固に支持することができる。このために、トラクタ1Aの走行時における振動によって表示装置60が揺れることを抑制することができる。
【0127】
<3.別実施形態>
次に、別実施形態について説明する。別実施形態の説明に際して、上述した実施形態と同様の内容については、適宜説明を省略する。別実施形態の構成は、特に限定する趣旨ではないが、小型な作業車両に好適な構成である。
【0128】
図14は、本発明の別実施形態に係るトラクタ1Bの概略の構成を示す斜視図である。なお、
図14は、トラクタ1Bを構成する構成要素の一部を抽出して示す図である。別実施形態に係るトラクタ1Bは、ロプス仕様のトラクタである。運転座席(
図14にて不図示)および操舵操作部10Bを含む運転部8Bには、マッドガード22Bが設けられる。詳細には、運転部8Bの前端部の左右にマッドガード22Bが配置される。マッドガード22Bは、上下方向(鉛直方向)に広がる板状である。運転部8Bには、運転部8Bの左右に配置されるマッドガード22Bを支持する一対のマッドガードフレーム23Bが設けられる。一対のマッドガードフレームは、フロントパネル14Bを基準として対称に配置される。各マッドガードフレーム23Bは、上下方向に延び、上部側に左右方向に向けて湾曲する湾曲構造を有する。各マッドガードフレーム23Bは、下端部がフロア26Bに固定され、上端部がフロントパネル14Bに固定される。
【0129】
図14に示すように、別実施形態に係るトラクタ1Bも、上述した実施形態と同様に、操舵操作部10Bの左右方向一方側に配置される表示装置60Bを備える。詳細には、表示装置60Bは、操舵操作部10Bの右側に配置される。上述した実施形態と同様に、表示装置60Bの少なくとも一部は、操舵操作部10Bと同じ高さに配置される。また、表示装置60Bは、操舵操作部10Bの後端よりも前方に配置される。
【0130】
表示装置60Bは、表示部61Bと操作部62Bとを備える。表示部61Bは、表示画面611Bを有する。表示画面611Bには、トラクタ1Bの自動走行に関わる情報が表示される。表示部61Bは、表示画面611Bの表示に応じた操作を可能とするモニタ操作部612Bを有する。操作部62Bは、自動操舵に関わる操作を行う操作部材621Bを有する。操作部材621Bは、第1操作部材621Baと第2操作部材621Bbとを含む。第1操作部材621Baは、プッシュ式の操作ボタンで、自動走行のオンとオフとを切り替え可能とする。第2操作部材621Bbは、シーソースイッチで、自動走行の経路の補正を可能とする。これらの構成は、上述の実施形態と同様である。
【0131】
ただし、別実施形態の表示装置60Bは、表示部61Bと操作部62Bとが別体であり、両者を連結して1つに集約した一体構造とはなっていない。表示部61Bと操作部62Bとは、分離して配置される。この点、上述した実施形態と異なる。表示装置60Bのトラクタ1Bにおける取付構造は、上述した実施形態の構成とは異なる。以下、表示装置60Bの取付構造について説明する。なお、表示部61Bと操作部62Bとは、電気的に接続されており、表示装置60Bの機能は、上述した実施形態の表示装置60の機能と同様である。
【0132】
図15は、別実施形態に係る表示装置60Bの取付構造を示す概略図である。
図15に示すように、運転部8Bには、一対のマッドガードフレーム23Bを接続する接続部材27Bが設けられる。接続部材27Bは、左右方向に延び、左右の各端部側に下方に向けて湾曲する湾曲構造を有する。接続部材27Bの左端部は、左側のマッドガードフレーム23Bに、例えば、ボルト締結や溶接等により固定される。接続部材27Bの右端部は、右側のマッドガードフレーム23Bに例えば、ボルト締結や溶接等により固定される。ボルト締結とすると、仕様変更に対する対応が行い易い。なお、接続部材27Bは、運転部8を構成するフレームに含まれる。
【0133】
運転部8Bには、表示装置60Bを支持する支持部材70Bが配置される。別実施形態においては、接続部材27Bに、支持部材70Bが取り付けられる。支持部材70Bは、接続部材27Bではなく、マッドガードフレーム23Bに取り付けられてもよい。ただし、支持部材70Bは、左右のマッドガードフレーム23Bを橋渡しする接続部材27Bに取り付けられることが好ましい。これにより、マッドガードフレーム23Bに支持部材70を取り付ける場合に比べて、車体の振動に伴う表示装置60Bの揺れを小さく抑えることができる。なお、上述した実施形態についても、同様の接続部材を設け、表示装置60を支持する支持部材が接続部材に取り付けられる構成としてよい。
【0134】
接続部材27Bの右端部には、台座28Bが溶接等により固着されている。すなわち、台座28Bは、接続部材27Bと一体化している。支持部材70Bは、台座28Bに固定される。当該固定は、固定具を用いて行われる。固定具は、例えばボルトとナットである。表示装置60Bの表示部61Bと操作部62Bとは、支持部材70Bの別箇所に取り付けられる。
【0135】
図16Aおよび
図16Bは、別実施形態のトラクタ1Bが備える表示装置60Bと支持部材70Bとの関係を示す概略斜視図である。
図16Aと
図16Bとは、対象を見る方向が異なる。
図16Aは斜め後方から対象を見た図であり、
図16Bは斜め前方から対象を見た図である。
【0136】
図16Aおよび
図16Bに示すように、支持部材70Bは、支持ステー71Bとアーム部材72Bとを有する。支持ステー71Bは、上述の台座28Bに固定される。別の言い方をすると、支持ステー71Bは、運転部8Bを構成するフレーム(詳細には接続部材27B)に固定される。アーム部材72Bは、支持ステー71に支持される。
【0137】
支持ステー71Bは、例えば金属を用いて構成される。支持ステー71Bは、1つの部材で構成されてもよいが、本実施形態では、複数の部材で構成される。支持ステー71Bは、ステー本体部711Bと、表示部取付部712Bと、軸取付部713Bと、ストッパー受け部714Bとを有する。ステー本体部711B、表示部取付部712B、および、軸取付部713Bは、同一部材である。ストッパー受け部714Bは、ステー本体部711B、表示部取付部712B、および、軸取付部713Bを構成する部材とは別部材である。
【0138】
ステー本体部711Bは、前後方向に延びる。ステー本体部711Bは、台座28B(
図15参照)に固定具を用いて固定される。ステー本体部711Bの前端部が、台座28Bに取り付けられる。表示部取付部712Bは、ステー本体部711Bの左側面から左方に突出する。表示部取付部712Bは、水平方向に広がる取付面712Baを有する。表示部61Bは、取付面712Ba上に配置される。軸取付部713Bは、ステー本体部711Bの後端部に配置される。軸取付部713Bは、上下方向に延びる筒状である。軸取付部713Bの内側には、後述する軸部723Bが入れられる。ストッパー受け部714Bは、水平方向に広がる板状の水平部714Baと、水平部714Baの右端部から下方に延びる板状の鉛直部714Bbとを有する。水平部714Baは、ステー本体部711Bの上面部に固定具を用いて固定される。鉛直部714Bbは、ステー本体部711Bの右側面部に固定具を用いて固定される。
【0139】
アーム部材72Bは、支持ステー71Bに対して上下に延びる軸線回りに回動可能に設けられる。このような構成とすると、アーム部材72Bに配置する部材を、水平面内で回動させることができる。本例では、表示装置60Bを構成する部材の一部が、アーム部材72Bを用いて水平面内で回動可能に設けられる。なお、アーム部材72Bは、支持ステー71Bに対して上下に延びる軸線回りとは異なる方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられてよい。例えば、アーム部材72Bは、支持ステー71Bに対して水平方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられてよい。このようにすると、アーム部材72Bを垂直面内で回動することができる。支持ステー71Bに対してアーム部材72Bが回動可能に設けられることで、アーム部材72Bに取り付けられる操作部62Bの収納を行い易くすることができる。
【0140】
アーム部材72Bは、アーム本体部721Bと、アーム連結部722Bと、軸部723Bとを有する。アーム本体部721Bとアーム連結部722Bとは、同一部材であり、例えば金属で構成される。軸部723Bは、アーム本体部721Bおよびアーム連結部722Bとは別部材であり、例えば金属で構成される。
【0141】
アーム本体部721Bは、水平方向に延びる。アーム連結部722Bは、アーム本体部721Bの前側の端部に配置される。アーム連結部722Bは、連結部上部722Baと、連結部下部722Bbと、連結部中間部722Bcとを有する。連結部上部722Baと連結部下部722Bbとは、いずれも水平方向に広がる板状であり、上下方向に間隔を空けて配置される。連結部中間部722Bcは、連結部上部722Baの後側の端部と、連結部下部722Bbの後側の端部とを接続する。連結部中間部722Bcがアーム本体部721Bと繋がる。軸部723Bは、上下方向に延びる柱状である。軸部723Bは、上端部に、他に比べて大径のヘッド部723Baを有する。
【0142】
連結部上部722Baと連結部下部722Bbとの上下方向間に、支持ステー71Bの軸取付部713Bが配置される。連結部上部722Baと連結部下部722Bbとのそれぞれには、上下方向に貫通する貫通孔(不図示)が設けられる。軸部723Bは、ヘッド部723Baを上側として、連結部上部722Baの貫通孔、軸取付部713Bの筒内、および、連結部下部722Bbの貫通孔を通される。そして、軸部723Bは、連結部下部722Bbから下方に突出した部分にナットが装着され、螺子止めにてアーム連結部722Bに固定される。これにより、アーム部材72Bは、支持ステー71Bに対して回動可能に連結される。
【0143】
軸取付部713Bと、軸取付部713B内に入れられる軸部723Bとの間には、フリクション構造が設けられる。アーム部材72Bは、支持ステー71Bに対して回転させ、任意の位置で止めることができる。フリクション構造は、例えばトルクヒンジが利用される構成であってよい。
【0144】
表示部61Bは、支持ステー71Bに取り付けられる。また、操作部62Bは、アーム部材72Bに取り付けられる。操作部62は、詳細には、アーム本体部721Bの後方側の端部に取り付けられる。すなわち、別実施形態では、表示部61Bと操作部62Bとは、支持部材70Bの異なる位置に取り付けられる。表示部61Bは、操作部62Bよりも前方に配置される。
【0145】
このような構成では、上下方向の高さが高くなり易い表示部61Bを運転部8Bの前端寄りに配置することができる。このために、運転部8Bに乗降する運転者の身体が表示部61Bに当たる可能性を低減することができる。当該効果は、トラクタ1Bが小型である場合に特に有効な効果として期待できる。一方で、操作部62Bは、表示部61Bと比較して、運転座席に座る運転者の近くに配置されるために、操作部62Bの操作性が低減することを抑制することができる。また、支持部材70Bの根元側に表示部61Bが配置されることにより、車体の振動に伴う表示部61Bの揺れを小さく抑えることができる。すなわち、運転者に表示画面611Bに表示される内容を見易くすることができる。
【0146】
なお、連結部中間部722Bcの右端部には、斜め前方に延びる突片722Bdが設けられる。そして、突片722Bdの前方側の端部には、ボルトBTが固定される。ボルトBTのヘッド部分には樹脂製のキャップCPが取り付けられる。キャップCPは、突片722Bdの左右方向内方に配置される。アーム部材72Bが軸部723Bを中心として左右方向外方に回動する場合に、或る位置に到達すると、キャップCPが支持ステー71Bのストッパー受け部714B(鉛直部714Bb)と当接する。これにより、アーム部材72Bは、左右方向外方への回動を規制される。すなわち、キャップCPとストッパー受け部714Bは、回動を規制する規制部として機能する。支持部材70Bは、アーム部材72Bの左右方向外方への回動を規制する規制部を有する。規制部が設けられることにより、アーム部材72Bが必要以上に回動することを阻止できる。この結果、例えば、アーム部材72Bが運転部8Bを構成する部材に衝突することを抑制できる。なお、本例では、キャップCPがボルトBTのヘッド部分に取り付けられる構成としたが、キャップCPが取り付けられない構成としてよい。キャップCPが取り付けられる構成とすることにより、ストッパー受け部714Bに傷が生じ難くすることができ、外観品質の低下を抑制することができる。
【0147】
また、別実施形態では、表示部61Bは、支持ステー71Bに対して、水平方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられる。これにより、表示部61Bの表示画面611Bの水平面に対する角度を調整することができる。詳細には、表示部61Bは、表示部取付部712Bの取付面712Ba上に固定状態で配置される中間部材715Bを介して、表示部取付部712B上に配置される。中間部材715には、水方向に延びるボルトで構成される表示部回動軸部716Bが取り付けられる。表示部61Bは、表示部回動軸部716Bを中心として回動可能である。
【0148】
水平方向に延びる軸線回りの回動構造については、上述した実施形態の表示装置60における回動構造と同様であるので、その詳細な説明は省略する。ボルト717Bが外され、表示部回動軸部716Bの螺子止めが緩められることにより、表示部61Bは、表示部回動軸部716Bを中心として回動することができる。なお、本例では、表示部61Bは、支持ステー71Bに対して上下方向に延びる軸線回りに回動不能に取り付けられる構成としたが、これは例示である。表示部61Bは、支持ステー71Bに対して上下方向に延びる軸線回りに回動可能に取り付けられてもよい。このような構成は、例えば、表示取付部712Bと中間部材715Bとの間に螺子構造を設けたり、トルクヒンジを設けたりすることで実現されてよい。
【0149】
なお、別実施形態の構成は、キャビン仕様のトラクタにも適用可能である。このような構成の場合、支持部材70Bは、例えば、キャビンフレーム25(
図13参照)の水平方向に延びる横フレーム部25a(
図13参照)に対して取り付けられる構成としてよい。詳細には、横フレーム部25aに台座が取り付けられる構成として、支持部材70Bが台座に取り付けられる構成としてよい。
【0150】
<4.留意事項等>
本明細書中に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0151】
<5.付記>
例示的な本発明の作業車両は、自動走行可能に設けられる作業車両であって、運転座席と、前記運転座席の前方に配置される操舵操作部と、前記自動走行に関わる情報を表示する表示装置と、を備え、前記表示装置は、前記操舵操作部の左右方向一方側に配置される構成(第1の構成)となっている。
【0152】
上記第1の構成において、前記表示装置の少なくとも一部は、前記操舵操作部と同じ高さに配置される構成(第2の構成)であってよい。
【0153】
上記第1又は第2の構成において、前記表示装置は、前記操舵操作部の後端よりも前方に配置される構成(第3の構成)であってよい。
【0154】
上記第1から第3のいずれかの構成において、前記表示装置は、前記運転座席の側方に配置されるアームレストの前方に配置される構成(第4の構成)であってよい。
【0155】
上記第1から第4のいずれかの構成において、前記表示装置は、前記自動走行に関わる操作を行う操作部材を有する操作部を備え、前記操作部材には、前記自動走行のオンとオフとの切り替えを可能とする第1操作部材と、前記第1操作部材と異なる操作を可能とする第2操作部材と、が含まれ、前記第1操作部材は、前記第2操作部材よりも前記操舵操作部側に配置される構成(第5の構成)であってよい。
【0156】
上記第1から第5のいずれかの構成において、前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、前記表示装置を支持する支持部材が配置され、前記支持部材は、前記運転部を構成するフレームに固定される支持ステーと、前記支持ステーに支持され、前記表示装置を支持するアーム部材と、を有し、前記アーム部材は、前記支持ステーに対して上下に延びる軸線回りに回動可能に設けられる構成(第6の構成)であってよい。
【0157】
上記第6の構成において、前記支持部材は、前記アーム部材の左右方向外方への回動を規制する規制部を有する構成(第7の構成)であってよい。
【0158】
上記第6又は第7の構成において、前記表示装置は、前記アーム部材に対して上下方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられる構成(第8の構成)であってよい。
【0159】
上記第6から第8のいずれかの構成において、前記表示装置は、前記アーム部材に対して水平方向に延びる軸線回りに回動可能に設けられる構成(第9の構成)であってよい。
【0160】
上記第1から第9のいずれかの構成において、前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、キャビンが設けられ、前記キャビンのフレームに、前記表示装置を支持する支持部材が取り付けられる構成(第10の構成)であってよい。
【0161】
上記第1から第9のいずれかの構成において、前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、マッドガードが設けられ、前記マッドガードのフレームに、前記表示装置を支持する支持部材が取り付けられる構成(第11の構成)であってよい。
【0162】
上記第1から第9のいずれかの構成において、前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、前記運転部の左右に配置されるマッドガードを支持する一対のマッドガードフレームと、前記一対のマッドガードフレームを接続する接続部材と、が設けられ、前記接続部材に、前記表示装置を支持する支持部材が取り付けられる構成(第12の構成)であってよい。
【0163】
上記第1から第5のいずれかの構成において、前記運転座席および前記操舵操作部を含む運転部には、前記表示装置を支持する支持部材が配置され、前記支持部材は、前記運転部を構成するフレームに固定される支持ステーと、前記支持ステーに支持されるアーム部材と、を有し、前記アーム部材は、前記支持ステーに対して回動可能に設けられる構成(第13の構成)であってよい。
【0164】
上記第13の構成において、前記表示装置は、表示画面を有する表示部と、前記自動走行に関わる操作を行う操作部材を有する操作部と、を有し、前記表示部は、前記支持ステーに取り付けられ、前記操作部は、前記アーム部材に取り付けられる構成(第14の構成)であってよい。
【0165】
上記第14の構成において、前記表示部は、前記支持ステーに対して回動可能に設けられる構成(第15の構成)であってよい。
【符号の説明】
【0166】
1、1A、1B・・・トラクタ(作業車両)
8、8A、8B・・・運転部
9・・・運転座席
21・・・アームレスト
10、10B・・・操舵操作部
60、60B・・・表示装置
61、61B・・・表示部
62、62B・・・操作部
621・・・操作部材
621a・・・第1操作部材
621b・・・第2操作部材
70、70A、70B・・・支持部材
71、71A、71B・・・支持ステー
72、72B・・・アーム部材
22、22B・・・マッドガード
23、23B・・・マッドガードフレーム(運転部を構成するフレーム)
24・・・キャビン
25・・・キャビンフレーム(運転部を構成するフレーム)
732a・・・規制部