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特開2023-163144太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163144
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/068 20120101AFI20231101BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H01L31/06 300
H01L31/04 440
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065734
(22)【出願日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202210457639.7
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519095533
【氏名又は名称】ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】張彼克
(72)【発明者】
【氏名】金井昇
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン シン ウ
(72)【発明者】
【氏名】楊楠楠
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA02
5F251AA03
5F251AA04
5F251AA05
5F251CB18
5F251DA03
5F251DA10
5F251FA06
5F251FA14
5F251FA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光電変換効率の向上に有利な太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュールを開示する。
【解決手段】太陽電池は、ベース100と、ベースの表面に位置するトンネル誘電体層120と、トンネル誘電体層のベースから離れた表面に位置するドープ導電層121であって、ドープ導電層が第1方向かつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130を有し、複数の高濃度ドーピングエリアアレイの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリア141と、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリア142とを含み、各電極151が第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、各電極が対応する複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触する電極を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にN型またはP型であるドーピング元素を有するベースと、
前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、
前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面に位置し、ドーピング元素を有するドープ導電層であって、前記ドープ導電層内のドーピング元素の種類が前記ベースのドーピング元素の導電型と同じであり、前記ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが前記間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲むドープ導電層と、
前記第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が前記第2方向に沿って延び、前記各電極が前記第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、前記各電極が対応する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触する電極と、を備える、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第1方向において、前記各高濃度ドーピングエリアアレイの幅Mの範囲は、N≦M≦2Nを含み、ここで、Nは前記各高濃度ドーピングエリアアレイに対応する前記電極の幅である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記各高濃度ドーピングエリアアレイは、前記第1方向に沿って配列された複数のサブドーピングエリアアレイを有し、前記複数のサブドーピングエリアアレイのうちの各サブドーピングエリアアレイは、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアと前記第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記各サブドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリアの幅Wの範囲は、0.1N≦W≦1.2Nを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第1方向において、隣接する前記複数のサブドーピングエリアアレイのうちの2つのサブドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリアのピッチUの範囲は、2μm≦U≦10μmを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第1方向において、前記複数のサブドーピングエリアアレイの少なくとも2つのサブドーピングエリアアレイは前記第1方向に沿ってずれて配列されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第2方向において、隣接する前記第1高濃度ドーピングエリア間のピッチPの範囲は、0.2O≧P≧0.05Oを含み、ここで、Oは前記第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記第2方向において、隣接する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイの2つの高濃度ドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリア間のピッチPの範囲は、0.00006L≧P≧0.00001Lを含み、ここで、Lは前記2つの高濃度ドーピングエリアアレイに対応する前記電極の長さである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記ベースに垂直な方向において、前記各高濃度ドーピングエリアアレイのドーピング深さは、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイを除いた前記ドープ導電層の厚さ以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記各高濃度ドーピングエリアアレイは、前記ベースに垂直な方向に沿って配列された第1エリアと第2エリアとを有し、
前記第2エリアのドーピング濃度は、前記第1エリアのドーピング濃度よりも小さく、
前記電極は、前記ドープ導電層の第1エリアと接触しており、ここで、前記第1エリアは、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記第1方向に沿って、前記第2エリアの断面形状は、円弧形状または半円形状である、
ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記第2エリアのドーピング濃度は、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイを除いた前記ドープ導電層のドーピング濃度以上であり、
前記第1エリアから前記第2エリアに向かう方向において、前記第2エリアのドーピング濃度は、勾配漸減を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなる少なくとも1つのセルストリングと、
前記セルストリングの表面を覆うための封止用接着フィルムと、
前記封止用接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を備える、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項13】
内部にドーピング元素を有するベースを提供することと、
前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層を形成することと、
ドープ導電層を形成することであって、前記ドープ導電層が前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面に位置し、前記ドープ導電層がドーピング元素を有し、前記ドープ導電層内のドーピング元素の種類が前記ベースのドーピング元素導電型と同じであり、前記ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが前記間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲むことと、
前記第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極を形成することであって、各前記電極が前記第2方向に沿って延び、各前記電極が前記第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、各前記電極が対応する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触することと、を含む、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項14】
ドープ導電層を形成する工程には、
前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面にドープ導電膜を形成することと、
前記ドープ導電膜に対して第1ドーピング処理及び第2ドーピング処理を行い、前記ドープ導電層を形成することと、が含まれ、
そのうち、前記第1ドーピング処理は、前記ドープ導電膜の全面に対しドーピング処理を行うためのものであり、前記第2ドーピング処理は、前記高濃度ドーピングエリアアレイを形成するためのものである、
ことを特徴とする請求項13に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記第2ドーピング処理は、レーザードーピングであり、
第2ドーピング処理を行う前に、前記ドープ導電膜の表面にドーピング源層を形成し、
前記ドープ導電層を形成した後、前記ドーピング源層を除去する、
ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記ドーピング源層は、複数のサブドーピング源層を含み、前記複数のサブドーピング源層のうちの各サブドーピング源層の位置は、各前記高濃度ドーピングエリアアレイの各前記第1サブ高濃度ドーピングエリアの位置に対応している、
ことを特徴とする請求項15に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記レーザードーピングの工程パラメーターは、レーザー周波数が220kHz~380kHz、レーザーエネルギ密度が0.1J/cm~0.2J/cm、レーザーラインスキャン速度が20m/s~35m/sであることを含む、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光起電力の分野に関し、特に太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュールに関するものである。
【0002】
太陽電池の性能(例えば、光電変換効率)に影響を与える原因としては、光学的損失と電気的損失があり、光学的損失には、電池前面での反射損失、コンタクトグリッド線のシャドウロス、長波長帯域の非吸収損失などが含まれ、電気的損失には、半導体表面および内部での光生成キャリアの再結合、及び半導体と金属グリッド線との接触抵抗などの損失が含まれる。
【0003】
太陽電池の電気的損失を低減するために、電池の表面にトンネル酸化層不動態化金属接触構造を形成することができる。トンネル酸化層不動態化金属接触構造は、1層の極薄いトンネル誘電体層とドープ導電層からなり、良好な表面不動態化を提供することができ、金属接触再結合電流が低減され、電池の開放電圧および短絡電流を向上させる。トンネル酸化層不動態化金属接触構造は、太陽電池の性能を良化することができるが、このタイプの太陽電池の性能に影響する要因はまだ多く、高効率的なパッシベーションコンタクト太陽電池を開発することは重要な意義を持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、少なくともパッシベーションコンタクト太陽電池の光電変換効率の向上に有利な太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願のいくつかの実施例によれば、本願の一態様には太陽電池が提供され、内部にN型またはP型であるドーピング元素を有するベースと、前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、トンネル誘電体層のベースから離れた表面に位置し、ドーピング元素を有するドープ導電層であって、ドープ導電層内のドーピング元素の種類がベースのドーピング元素の導電型と同じであり、前記ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲むドープ導電層と、第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極が第2方向に沿って延び、各電極が第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、各電極が対応する複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触する電極と、を備える。
【0006】
本願のいくつかの実施例によれば、本願の別の態様には、光起電力モジュールが提供され、上記実施例のいずれかにおける太陽電池を複数接続してなる少なくとも1つのセルストリングと、セルストリングの表面を覆うための封止用接着フィルムと、封止用接着フィルムのセルストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を備える。
【0007】
本願のいくつかの実施例によれば、本願のさらに別の態様には、太陽電池の製造方法が提供され、内部にドーピング元素を有するベースを提供することと、ベースの表面に位置するトンネル誘電体層を形成することと、ドープ導電層を形成することであって、ドープ導電層がトンネル誘電体層のベースから離れた表面に位置し、ドープ導電層がドーピング元素を有し、ドープ導電層内のドーピング元素の種類がベースのドーピング元素導電型と同じであり、ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲むことと、第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極を形成することであって、複数の電極のうちの各電極が第2方向に沿って延び、各電極が第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、各電極が対応する複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触することと、を含む。
【0008】
本願の実施例によって提供される技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0009】
本願実施例によって提供される太陽電池では、高濃度ドーピングエリアアレイを形成するようにドープ導電層に対し局所的な高濃度ドーピングを行い、高濃度ドーピングエリアアレイはベースの表面に比較的顕著なエネルギーバンドベンディングを形成し、少数キャリアのフィールドパッシベーション、多数キャリアの選択的輸送を実現しつつ、金属電極との間に良好なオーミックコンタクトを形成し、多数キャリアの効率的な輸送を確保する。そして、複数の高濃度ドーピングエリアアレイが第1方向かつ第2方向に沿って配列され、かつ電極が第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、高濃度ドーピングエリアアレイが形成される領域に対して局所ドーピング処理を行い、表面全体のドーピング処理に比べて、ドープ導電層のダメージコンタクト面積を小さくすることにより、トンネル誘電体層とドープ導電層に良好なフィールドパッシベーションを形成させ、表面キャリア再結合レートを下げ、電池の光電変換効率の向上に有利である。同時に、高濃度ドーピングエリアアレイ全体の領域を第1サブ高濃度ドーピングエリアに分割し、すなわち隣接する高濃度ドーピングエリアアレイの重なり領域を減少し、ドーピング処理領域の総面積をさらに減少させ、ドーピング生産性を向上させることができる。レーザードーピングにより高濃度ドーピングエリアアレイ領域全体を形成することに比べて、高濃度ドーピング領域全体を複数の第1サブ高濃度ドーピングエリアに分割することで、隣接する2つの高濃度ドーピングエリアアレイ内に重なり領域が現れたり、重なり領域が大きくなったりすることを回避し、ドーピングの均一度の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。本願の実施例や従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例で用いるべき図面を簡単に紹介するが、自明なように、以下の説明における図面は、本願の一部の実施例のみであり、当業者であれば、創造的な労働を伴わずに、これらの図面から他の図面を得ることも可能である。
図1図1は、本願の一実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図2図2は、本願の一実施例に係る太陽電池の上面視局所構成を示す図である。
図3図3は、本願の一実施例に係る太陽電池の別の上面視局所構成を示す図である。
図4図4は、本願の一実施例に係る太陽電池のさらに別の平面局所構成を示す図である。
図5図5は、本願の別の実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図6図6は、本願のさらに別の実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図7図7は、本願のさらに別の実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。
図8図8は、本願の実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
図9図9は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図10図10は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図11図11は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図12図12は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図13図13は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図14図14は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図15図15は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図16図16は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図17図17は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図18図18は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図19図19は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図20図20は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図21図21は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法におけるステップに対応する構成を示す図である。
図22図22は、本願の一実施例に係る太陽電池の第1の上面視構成を示す図である。
図23図23は、図22におけるB1-B2断面に沿った構成を示す図である。
図24図24は、図22におけるC1-C2断面に沿った構成を示す図である。
図25図25は、図22におけるD1-D2断面に沿った構成を示す図である。
図26図26は、図22に係る太陽電池の高濃度ドーピングエリアアレイの構成を示す図である。
図27図27は、図22におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図である。
図28図28は、図22におけるB1-B2断面に沿った別の構成を示す図である。
図29図29は、本願の一実施例に係る太陽電池の第2の上面視構成を示す図である。
図30図30は、図29におけるB1-B2断面に沿った構成を示す図である。
図31図31は、本願の一実施例に係る太陽電池の第3の上面視構成を示す図である。
図32図32は、図31におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図である。
図33図33は、本願の一実施例に係る太陽電池の第4の上面視構成を示す図である。
図34図34は、図33におけるE部分の拡大図である。
図35図33におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
背景技術から分かるように、従来のパッシベーションコンタクト太陽電池は、光電変換効率が低いという問題がある。
【0012】
分析したところ、パッシベーションコンタクト太陽電池の光電変換効率が低い原因の一つは、太陽電池の光電変換効率を向上させるために、ドープ導電層の一部に対して高濃度ドーピング処理を行い、形成された高濃度ドーピング領域が電極の位置に対応することを見出した。しかしながら、高濃度ドーピング領域全体の形成、例えばレーザードーピングを行う場合、連続した高濃度ドーピング領域を形成するためには、連続したレーザースポットを形成し、すなわちレーザースポットとレーザースポットとの間に隙間がなく、拡散の原因で高濃度ドーピングエリアの内部に複数の重なり領域が形成されて、高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度が不均一(重なり領域のドーピング濃度が大きい)となり、その結果、太陽電池の光電変換効率に影響を及ぼす。
【0013】
本願実施例によって提供される太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュールでは、太陽電池は、ドープ導電層内の各高濃度ドーピングエリアアレイを第1サブ高濃度ドーピングエリアと第2サブ高濃度ドーピングエリアとに区画し、第2サブ高濃度ドーピングエリアが第1サブ高濃度ドーピングエリアの周囲に位置し、第2サブ高濃度ドーピングエリアは第1サブ高濃度ドーピングエリアが拡散されることで形成される。このように、第1サブ高濃度ドーピングエリアのみにドーピング処理を行う必要があり、隣接する第2サブ高濃度ドーピングエリア間に重なり領域が無くまたは重なり領域が小さいため、ドーピング濃度が比較的均一となり、ドーピング均一度の向上及び太陽電池の光電変換効率の向上に有利である。また、ドーピング処理の領域が小さく、例えば同一の太陽電池において、レーザードーピングにおけるレーザースポットの数を少なくすることで、ドーピングによる生産性を向上させるとともに、ドープ導電層のダメージ面積を小さくすることができる。ドープ導電層内に高濃度ドーピングエリアアレイを有し、高濃度ドーピングエリアアレイが電極と接触して良好なオーミックコンタクトを確立し、多数キャリアの効率的な輸送を確保し、太陽電池の光電変換効率の向上に有利である。
【0014】
以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0015】
図1は本願の一実施例に係る太陽電池の構成を示す図であり、図2は本願の一実施例に係る太陽電池の上面視局所構成を示す図であり、図3は本願の一実施例に係る太陽電池の別の上面視局所構成を示す図であり、図4は本願の一実施例に係る太陽電池のさらに別の上面視局所構成を示す図である。ここで、図2図4における電極及びパッシベーション層は透視状態であり、すなわち、電極とパッシベーション層を通してドープ導電層の表面が見える。
【0016】
図22は、本願の一実施例に係る太陽電池の第1の上面視構成を示す図である。図23は、図22におけるB1-B2断面に沿った構成を示す図である。図24は、図22におけるC1-C2断面に沿った構成を示す図である。図25は、図22におけるD1-D2断面に沿った構成を示す図である。図26は、図22に係る太陽電池の高濃度ドーピングエリアアレイの構成を示す図である。図27は、図22におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図である。図28は、図22におけるB1-B2断面に沿った別の構成を示す図である。ここで、図1は、図22におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図であり、
図2は、図22における電極の位置する領域の局所上面視図である。図22における太陽電池におけるパッシベーション層は透視状態であり、すなわち、パッシベーション層を通してドープ導電層及び電極の表面が見える。
【0017】
理解できるように、図22及び図26から、図2~4において、大きな点線枠で囲まれた領域は即ち電極が実際に被覆する領域であり、中間の点線枠で囲まれた領域が即ち高濃度ドーピングエリアアレイであり、小さな点線枠で囲まれた領域が即ちサブドーピングエリアアレイであり、即ち、1つの電極が第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、かつ、複数の高濃度ドーピングエリアアレイが第1方向に沿って配列され、複数の高濃度ドーピングエリアアレイが第2方向Yに沿って順次配列され、1つの高濃度ドーピングエリアアレイは、第1方向に沿って配列された複数のサブドーピングエリアアレイを含むことが分かる。
【0018】
図29は、本願の一実施例に係る太陽電池の第2の上面視構成を示す図である。図30は、図29におけるB1-B2断面に沿った構成を示す図である。図31は、本願の一実施例に係る太陽電池の第3の上面視構成を示す図である。図32は、図31におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図である。図33は、本願の一実施例に係る太陽電池の第4の上面視構成を示す図である。図34は、図33におけるE部分の拡大図である。図34は、図33におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図である。
【0019】
ここで、図29におけるA1-A2断面に沿った構成を示す図は図1または図27と同じであり、図29におけるC1-C2断面に沿った構成を示す図は図24と同じであり、図29におけるD1-D2断面に沿った構成を示す図は図25と同じであり、図31におけるB1-B2断面に沿った構成を示す図及び図33におけるB1-B2断面に沿った構成を示す図は図23と同じであり、図31におけるC1-C2断面に沿った構成を示す図、図31におけるD1-D2断面に沿った構成を示す図、図33におけるC1-C2断面に沿った構成を示す図、及び図33におけるD1-D2断面に沿った構成を示す図は図24、25と同じであり、重複を避けるために、図示を省略する。図29図31及び図33における太陽電池のパッシベーション層は透視状態であり、すなわち、パッシベーション層を通してドープ導電層及び電極の表面が見える。図31及び図32では、2つのサブ高濃度ドーピングエリアが互いと接触するため、2つのサブ高濃度ドーピングエリア間の界面を規定できず、2つのサブドーピング領域間の界面は太くなった破線で示される。図33図35では、小さな点線枠で囲まれた領域は隣接する2つの高濃度ドーピングエリアアレイの第2サブ高濃度ドーピングエリアが重なることで構成された重なり領域であり、重なり領域のドーピング濃度が重なり領域を除いた第2サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度よりも大きく、または、重なり領域のドーピング濃度が重なり領域を除いた第2サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度と等しい。実際の太陽電池製品では、重なり領域がなく、重なり領域は例示的な説明に過ぎない。
【0020】
本願実施例の一態様には、太陽電池が提供される。太陽電池は、図1図4に示すように、内部にN型またはP型であるドーピング元素を有するベース100と、ベース100の表面に位置するトンネル誘電体層120と、トンネル誘電体層120のベース100から離れた表面に位置し、ドーピング元素を有するドープ導電層121であって、ドープ導電層121内のドーピング元素の種類がベースのドーピング元素導電型と同じであり、ドープ導電層121が第1方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130を有し、各高濃度ドーピングエリアアレイ130が、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリア141と、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリア142とを含むドープ導電層121と、間隔をあけて設けられた複数の電極151であって、電極151が第2方向に沿って延び、電極151が高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応し、電極151が高濃度ドーピングエリアアレイ130のドープ導電層121の少なくとも一部と接触する電極151と、を備える。
【0021】
いくつかの実施例では、図22図25を参照すると、複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130は、第2方向Yに沿って配列されている。太陽電池は、第1方向Xにおいて間隔をあけて設置された複数の電極151を含み、複数の電極のうちの各電極151は、第2方向に沿って延びており、各電極151は、第2方向Yに配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応し、各電極151は、対応する複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130のうちの各高濃度ドーピングエリアアレイ130の少なくとも一部と接触する。
【0022】
いくつかの実施例では、太陽電池は、トンネル酸化層パッシベーシヨンコンタクト(Tunnel Oxide Passivated Contact、TOPCon)セルであり、両面トンネル酸化層パッシベーシヨンコンタクトセルまたは片面トンネル酸化層パッシベーシヨンコンタクトセルを含んでいてもよい。図1に示すように、太陽電池は、片面トンネル酸化層パッシベーションコンタクトセルである。
【0023】
ベース100は、入射光子を吸収して光生成キャリアを生成する領域である。いくつかの実施例では、ベース100は、シリコンベース100であり、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、または微結晶シリコンのうちの一種または複数種を含み得る。他のいくつかの実施例では、ベース100の材料は、炭化ケイ素、有機材料、または多価化合物であってもよい。多価化合物は、ペロブスカイト、ガリウムヒ素、テルル化カドミウム、セレン化銅インジウム等を含むことができるが、これらに限定されない。例示的に、本願におけるベース100は、単結晶シリコンベースである。
【0024】
いくつかの実施例では、ベース100は、対向して設置された第1面101と第2面102を有し、ベース100の第1面101を前面と称し、ベース100の第2面102を裏面と称する。さらに、片面セルの場合、ベース100の第1面101が受光面であり、ベース100の第2面102がバックライト面であり、両面セルの場合、第1面101と第2面102とが入射光を吸収するための受光面とすることができる。図1に示すように、太陽電池の第1面101はエミッタ110を有し、かつ、第1面101はテクスチャ構造を有し、太陽電池の第2面102はトンネル誘電体層120及びドープ導電層121を有し、すなわち、太陽電池は正接合電池(Positive junction battery)である。
【0025】
いくつかの実施例では、ベース100内にはドーピング元素を有し、ドーピング元素の種類はN型またはP型であり、N型元素はリン(P)元素、ビスマス(Bi)元素、アンチモン(Sb)元素または砒素(As)元素などのV族元素であり、P型元素はホウ素(B)元素、アルミニウム(Al)元素、ガリウム(Ga)元素またはインジウム(In)元素などのIII族元素であってもよい。例えば、ベース100がP型ベースである場合、その内部のドーピング元素の種類はP型であるが、ベース100がN型ベースである場合、その内部のドーピング元素の種類はN型である。
【0026】
いくつかの実施例では、ベース100内のドーピング元素の導電型と、ドープ導電層121内のドーピング元素の種類とが同じであってもよく、例えば、ベース100内のドーピング元素の種類がN型であり、ドープ導電層121のドーピング元素の種類がN型である。
【0027】
いくつかの実施例では、太陽電池は、ベース100の第1面101側に位置するエミッタ110を備える。ベース100とエミッタ110とは、PN接合を形成し、例えば、ベース100内にはN型ドーピング元素を有し、エミッタ110内にはP型ドーピング元素を有する。他のいくつかの実施例では、エミッタ110は、ベース100の一部とみなされてもよく、または言い換えれば、ベース100の延伸とみなされてもよい。また、エミッタ110の表面は、エミッタ110表面での光線の反射を低減し、光線の吸収利用率を増加させ、太陽電池の変換効率を高めるように、ピラミッドテクスチャ面としてもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、トンネル誘電体層120及びドープ導電層121は、ベース100の第2面102側に位置する。トンネル誘電体層120は、化学的なパッシベーションにより、ベース100とドープ導電層121との界面準位密度を低減し、少数キャリアと正孔の再結合を低減し、Jo負荷電流の低減に有利である。トンネル誘電体層120は、ドープ導電層121に多数キャリアをトンネリングさせることができ、さらに、多数キャリアがドープ導電層121で横方向に輸送されて、電極151によって収集されるので、電極151とドープ導電層121との接触再結合電流が極めて低減され、太陽電池の開放電圧および短絡電流を向上させる。
【0029】
いくつかの実施例では、トンネル誘電体層120の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、真性アモルファスシリコン、および真性ポリシリコンなどのトンネル作用を有する誘電体材料を含み得るが、これらに限定されない。トンネル誘電体層120の厚さは、0.5nm~3nmであってもよく、任意選択で、トンネル誘電体層120の厚さは、0.5nm~2nmであり、さらに、トンネル誘電体層120の厚さは、0.5nm~1.5nmである。
【0030】
ドープ導電層121の材料は、多結晶半導体、非晶質半導体、微結晶半導体、または単結晶半導体の少なくとも一種であってもよく、好ましくは、ドープ導電層の材料は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、または微結晶シリコンの少なくとも一種を含む。ドープ導電層121の厚さは、20nm~150nmの範囲にあり、任意選択で、ドープ導電層121の厚さは、60nm~90nmの範囲にあり、ドープ導電層121の厚さ範囲は、ドープ導電層121の光学損失が小さく、トンネル誘電体層120の界面パッシベーション効果が良いことを確保でき、電池の効率を向上させる。例示的に、本願におけるドープ導電層121の材料はポリシリコンであり、ドープ導電層121の厚さは80nmである。
【0031】
いくつかの実施例では、高濃度ドーピングエリアアレイ130は、ドープ導電層121内において局所的な高濃度ドーピングが形成された領域と見なすことができ、高濃度ドーピングエリアアレイ130は、第2方向Yに沿って延伸し、且つ、複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130が第2方向Yに沿って間隔をあけて配列される。複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130で囲まれた領域は、電極151のドープ導電層121における正射影の位置に対応しており、電極151がドープ導電層121の高濃度ドーピングエリアアレイ130の少なくとも一部と接触して電気的接続を形成する。形成された高濃度ドーピングエリアアレイ130は、多数キャリアの数を増やし、電極151とドープ導電層121との接触再結合電流を低減し、太陽電池の光電変換効率を向上させるためのものである。同一の電極151の下方に位置する各高濃度ドーピングエリアアレイ130は、各高濃度ドーピングエリアアレイ130の電流収集がより均一になるように、等間隔で設けられている。
【0032】
いくつかの実施例では、図22を参照すると、第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141間は、2つの高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応する2つの第2サブ高濃度ドーピングエリア142を含み、2つの第2サブ高濃度ドーピングエリア142間は接触しなく、即ち2つの第2サブ高濃度ドーピングエリア142には間隔エリアがあり、間隔エリアは即ち高濃度ドーピングエリアアレイ130を除いたドープ導電層121の領域である。
【0033】
いくつかの実施例では、図31図35を参照すると、第2方向Yにおいて、各第2サブ高濃度ドーピングエリア142は隣接する高濃度ドーピングエリアアレイ130の第1サブ高濃度ドーピングエリア141の間に位置し、各第2サブ高濃度ドーピングエリア142は隣接する高濃度ドーピングエリアアレイ130間で共用されている。
【0034】
いくつかの実施例では、図31及び図32を参照すると、第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141間は、2つの高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応する第2サブ高濃度ドーピングエリア142を含み、2つの高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応する第2サブ高濃度ドーピングエリア142間は互いに接触して1つの全体的な第2サブ高濃度ドーピングエリア142を形成するか、または、一部の第2サブ高濃度ドーピングエリア142が2つの高濃度ドーピングエリアアレイ130のうちの一方に属し、かつ一部の第2サブ高濃度ドーピングエリア142が2つの高濃度ドーピングエリアアレイ130のうちの他方に属する。
【0035】
いくつかの実施例では、図33図35を参照すると、第2方向Yにおいて、2つの隣接する高濃度ドーピングエリアアレイ130の第2サブ高濃度ドーピングエリア142間が拡散することで、2つの第2サブ高濃度ドーピングエリアの重なる領域は重なり領域144を構成し、重なり領域144のドーピング濃度が重なり領域144を除いた第2サブ高濃度ドーピングエリア142のドーピング濃度よりも大きく、または、重なり領域144のドーピング濃度が重なり領域144を除いた第2サブ高濃度ドーピングエリア142のドーピング濃度と等しい。
【0036】
いくつかの実施例では、図2に示すように、第1方向において、各高濃度ドーピングエリアアレイ130の幅Mの範囲は、N≦M≦2Nを含み、ここで、Nは電極151の幅である。高濃度ドーピングエリアアレイ130の幅は、電極151の幅よりも広く、これによって、電極151が接触する領域がいずれも高濃度ドーピングエリアアレイ130であることを確保し、電極151とドープ導電層121との接触抵抗を低減する。高濃度ドーピングエリアアレイ130の幅は、電極151の幅の2倍未満であり、これによって、高濃度ドーピングエリアアレイ130の占める領域が大きくなり過ぎてベース100表面の多数キャリアの再結合を避けながら、電極151以外のドープ導電層121のフィールドパッシベーション効果を確保している。好ましくは、高濃度ドーピングエリアアレイ130の幅Mの範囲は、N≦M≦1.2Nを含む。ここで、Nは各高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応する電極151の幅、即ち電極151と高濃度ドーピングエリアアレイ130との間に第2面102に垂直な方向における対応関係を有する。
【0037】
理解できるように、電極151は、ベース100の表面に垂直な方向において、上部が狭くかつ下部が広い台形の形態を有しており、電極151の上端の幅は電極の幅とすることが一般的に本分野で定義されているため、電極151とドープ導電層121との接触面の実際の幅は、電極の幅よりも大きいことが理解され得る。本願実施例における電極151の幅は、電極151とドープ導電層121との接触面の実際の幅である。具体的には、電極151とドープ導電層121との接触面の幅の範囲が60μm~80μm、すなわち電極151の幅Nが60μm~80μmであれば、高濃度ドーピングエリアアレイ130の幅Mの範囲は60μm~110μmであり、具体的には、幅Mは60μm、80μm、90μm、または103μmとすることができる。
【0038】
いくつかの実施例では、図1を引き続き参照すると、第1サブ高濃度ドーピングエリア141は、ドーピング処理が正対する領域であってもよく、第2サブ高濃度ドーピングエリア142は、第1サブ高濃度ドーピングエリア141が拡散して形成された領域であり、第1サブ高濃度ドーピングエリア141のドーピング濃度は、第2サブ高濃度ドーピングエリア142のドーピング濃度以上であり、かつ図2に示すように、第2サブ高濃度ドーピングエリア142は第1サブ高濃度ドーピングエリア141を取り囲む。
いくつかの実施例では、図29及び図30を参照すると、各第2サブ高濃度ドーピングエリア142は第1サブ高濃度ドーピングエリア141の第2方向Yにおける側面に位置する。
【0039】
理解できるように、図1に示す隣接する第2サブ高濃度ドーピングエリア142間は、空白の高濃度ドーピングエリアアレイ領域(非高濃度ドーピングエリア)を有しており、図面に示されているのは、第2サブ高濃度ドーピングエリア142が間隔を有することを示すだけであり、太陽電池を作製する実際の工程において、ドーピング処理の工程パラメーターを制御することにより、隣接する第2サブ高濃度ドーピングエリア142のピッチを小さくしたり、形成される重なり領域の幅を狭くしたりすることで、電極151と高濃度ドーピングエリアアレイ130との接触面積を大きくしつつ、ドーピング処理によるドープ導電層121の表面へのダメージを小さくすることができる。例えば、ドーピング処理がレーザードーピング処理である場合、単位面積あたりのレーザードーピング処理によるスポットの数が減るため、単位時間当たりにより多くの数の太陽電池に対するレーザードーピング処理が可能となり、太陽電池の生産性の向上に有利である。
【0040】
なお、空白の高濃度ドーピングエリアアレイ領域(非高濃度ドーピングエリア)とは、図25に示されるように、高濃度ドーピングエリアアレイ130を除いたドープ導電層121の領域を指し、図1に示される太陽電池において隣接する高濃度ドーピングエリアアレイ130の第2サブ高濃度ドーピングエリア142間に間隔があることは、例示的なものに過ぎない。太陽電池を製造する実際の過程では、ドーピング処理の工程パラメーターを制御することで、隣接する第2サブ高濃度ドーピングエリア142のピッチを小さくし(図22に示される太陽電池のように)、隣接する第2サブ高濃度ドーピングエリア142間に間隔がなく(図26に示される太陽電池のように)、または、形成された重なり領域144の幅を小さくする(図33に示される太陽電池のように)ことができる。
【0041】
いくつかの実施例では、図2を引き続き参照すると、第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141の間のピッチPの範囲は、0.2O≧P≧0.05Oを含み、ここで、Oは、第1サブ高濃度ドーピングエリア141の長さである。第1サブ高濃度ドーピングエリア141のピッチPは、第2サブ高濃度ドーピングエリア142を形成する大きさを確保するためのものであり、隣接する高濃度ドーピングエリアアレイ130に位置する第2サブ高濃度ドーピングエリア142の間のピッチを小さくしたり、重なる領域を小さくしたりしながら、第1サブ高濃度ドーピングエリア141の長さを長く保つことで、電極が高濃度ドーピングエリアアレイ130と接触する面積が大きく、太陽電池の光電変換効率の向上に有利である。第1サブ高濃度ドーピングエリア141の長さOの範囲は、1μm~20μmであってもよく、具体的には、第1サブ高濃度ドーピングエリア141の長さOは、1μm、6μm、13μmまたは18μmであってもよい。隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141の間のピッチPの範囲は、2μm~10μmであり、具体的には、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141の間のピッチPは、3μm、5μm、8μmまたは9.3μmであってもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141の間のピッチPの範囲は、0.00006L≧P≧0.00001Lを含み、ここで、Lは複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応する電極151の長さである。
【0043】
いくつかの実施例では、図3に示すように、各高濃度ドーピングエリアアレイ130は、第1方向Xに沿って配列された複数のサブドーピングエリアアレイ133を有し、複数のサブドーピングエリアアレイ133のうちの各サブドーピングエリアアレイ133は、第1サブ高濃度ドーピングエリア141と、第2サブ高濃度ドーピングエリア142とを有する。拡散が等方性であるため、1つの高濃度ドーピングエリアアレイ130は、複数のサブドーピングエリアアレイ133に分けられ、ドーピング処理の面積をより小さくし、生産性の向上に寄与するとともに、ドープ導電層121表面のダメージ面積を小さくし、電極がドープ導電層121表面のダメージ層と接触するときの接触抵抗が大きくることを回避し、太陽電池の光電変換効率の向上に有利である。
【0044】
理解できるように、第1方向において、隣接するサブドーピングエリアアレイの2つの第2サブ高濃度ドーピングエリア142間は、図3に示されるように接触しなくてもよく、これによって、サブドーピングエリアアレイを除いたドープ導電層121を含む。いくつかの実施例では、隣接するサブドーピングエリアアレイの2つの第2サブ高濃度ドーピングエリア142間は互いに接触する。いくつかの実施例では、隣接するサブドーピングエリアアレイの2つの第2サブ高濃度ドーピングエリア142の一部の領域が互いに重なり、かつ小さい重なり領域を有する。
【0045】
いくつかの実施例では、サブドーピングエリアアレイ133の幅Wは、第1サブ高濃度ドーピングエリア141の幅とすることができ、第1方向Xにおいて、各サブドーピングエリアアレイ133の第1サブ高濃度ドーピングエリア141の幅Wの範囲は、0.1N≦W≦1.2Nを含み、これによって、第1方向Xにおいて、隣接する第2サブ高濃度ドーピングエリア142間の距離が小さく、または隣接する第2サブ高濃度ドーピングエリア142が重なる領域が小さいことを確保し、高濃度ドーピングエリアアレイ130のドーピング均一度およびドーピングの生産性を高める。各サブドーピングエリアアレイ133の第1サブ高濃度ドーピングエリア141の幅Wの範囲は、10μm≦W≦110μmを含み、幅Wは、具体的には、10μm、39μm、63μm、または101μmとすることができる。各サブドーピングエリアアレイ133の第1サブ高濃度ドーピングエリア141の幅Wの範囲は、15μm~40μmであることが好ましく、幅Wは、具体的には、15μm、25μm、31μm、または40μmとすることができる。隣接する複数のサブドーピングエリアアレイのうちの2つのサブドーピングエリアアレイ133のピッチUの範囲は、2μm≦U≦10μmを含み、具体的には、隣接する複数のサブドーピングエリアアレイのうちの2つのサブドーピングエリアアレイ133のピッチUは、2.5μm、4.8μm、7.3μm、または9.7μmであってもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、図4に示すように、第1方向Xにおいて、複数のサブドーピングエリアアレイの少なくとも2つのサブドーピングエリアアレイ133が第1方向Xに沿ってずれて配列されている。第1方向Xにおいて、異なるサブドーピングエリアアレイ133に対応する第1サブ高濃度ドーピングエリア141は、ずれて配列されており、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141のに位置する間隔は、4つの方向に拡散することによって形成された第2サブ高濃度ドーピングエリア142で取り囲まれることができ、空白領域(非高濃度ドーピングエリア)の面積を少なくし、電極とドープ導電層とが接触する表面をできるだけ高濃度ドーピングエリアとし、接触抵抗を低減させ、太陽電池の光電変換効率の向上に有利である。
【0047】
図1を引き続き参照すると、いくつかの実施例では、ベース100に垂直な方向において、高濃度ドーピングエリアアレイ130のドーピング深さは、ドープ導電層121の厚さ以下であり、これによって、高濃度ドーピングエリアアレイ130が形成されるときにトンネル誘電体層120の表面にダメージを生じさせ、トンネル誘電体層120の膜層均一性、ひいてはフィールドパッシベーション効果に影響することを回避することに有利である。
【0048】
いくつかの実施例では、高濃度ドーピングエリアアレイ130は、ベース100に垂直な方向に沿って配列された第1エリア131と第2エリア132を含み、第2エリア132のドーピング濃度が第1エリア131のドーピング濃度よりも小さく、電極151がドープ導電層121の第1エリア131と接触している。第1エリア131は、第1サブ高濃度ドーピングエリア141と第2サブ高濃度ドーピングエリア142を含んでもよい。他のいくつかの実施例では、第1エリアは、第1サブ高濃度ドーピングエリアを含んでもよい。
【0049】
いくつかの実施例では、拡散原理により、第1方向Xに沿って、第2エリア132の断面形状は、円弧形状、半円形状、近似円弧形状、または近似半円形状である。同様に、第2方向Yに沿って、第2エリア132の断面形状は、円弧形状、半円形状、近似円弧形状または近似半円形状である。第2エリア132のドーピング濃度は、ドープ導電層121のドーピング濃度以上であり、第1エリア131から第2エリア132に向かう方向において、第2エリア132のドーピング濃度は、勾配漸減を含み、すなわち第2エリア132のドーピング濃度が、第1エリア131から第2エリア132に向かう方向に沿って、トンネル誘電体層120に近づくほど小さくなる階段状に分布または勾配のように分布していてもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、図1及び図23~25を引き続き参照すると、太陽電池は、ドープ導電層121の表面に位置するパッシベーション層123をさらに有し、電極151は、パッシベーション層123を貫通してドープ導電層121の表面と接触している。パッシベーション層123は、電極151がドープ導電層121と接触することによる金属領域の再結合を低減し、電池の効率を向上させることができる。パッシベーション層123は、単層構造または積層構造であってもよく、パッシベーション層123の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸窒化炭化シリコン、酸化チタン、酸化ハフニウムまたは酸化アルミニウムなどの材料のうちの一種または複数種であってもよい。当業者にとって、前記パッシベーション層123は、光利用率を増加させるために反射防止層の機能も有する。
【0051】
電極151は、太陽電池のグリッド線であり、太陽電池の電流を収集しかつまとめるためのものである。電極151は、バーンスルー型スラリーが焼結されてなるものであってもよい。電極151とドープ導電層121との接触は、局所的な接触または完全な接触であってもよい。電極151の材料は、アルミニウム、銀、金、ニッケル、モリブデン、または銅のうちの一種または複数種であってもよい。幾つかの実施例において、図1に示すように、ドープ導電層121がベース100の裏面に位置する場合、電極151は下部電極または裏面電極である。場合によっては、電極151は、メイングリッド線またはバスバーと区別するために、細いグリッド線またはフィンガーグリッド線を指す。
【0052】
いくつかの実施例では、太陽電池は、エミッタ110のベース100から離れた表面に位置し、フロントパッシベーション層とみなされる第1パッシベーション層111と、間隔をあけて設けられた複数の第1電極152であって第1電極152が、第2方向Yに沿って延伸し、かつ第1パッシベーション層111を貫通してエミッタ110と接触する第1電極152と、をさらに備える。
【0053】
いくつかの実施例では、第1パッシベーション層111は、単層構造または積層構造であってもよく、第1パッシベーション層111の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸窒化炭化シリコン、酸化チタン、酸化ハフニウム又は酸化アルミニウムなどの材料のうちの一種または複数種であってもよい。第1電極152は、バーンスルー型スラリーが焼結されてなるものであってもよい。第1電極152とエミッタ110との接触は、局所的な接触または完全な接触であってもよい。第1電極152の材料は、アルミニウム、銀、ニッケル、金、モリブデンまたは銅の一種または複数種であってもよい。電極152は、上部電極または正面電極である。場合によっては、第1電極152は、メイングリッド線またはバスバーと区別するために、細いグリッド線またはフィンガーグリッド線を指す。
【0054】
図1及び図4及び図22~32に示す太陽電池において、ドープ導電層121は、第1方向Xに沿って配列されかつ第2方向Yに沿って配列される複数の局所高濃度ドーピングエリアアレイ130を有しており、ドープ導電層121は、ベース100表面に比較的顕著なエネルギーバンドベンディングを形成し、少数キャリアのフィールドパッシベーションを実現し、多数キャリアの選択的輸送を実現しつつ、電極151との間で良好なオーミックコンタクトを形成し、多数キャリアの効率的な輸送を確保することができる。各電極151は、第2方向Yに沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応する、すなわち高濃度ドーピングエリアアレイ130が形成される領域に対して局所ドーピング処理を行い、全部ドーピング処理と比べて、ドープ導電層121のダメージコンタクト面積を小さくでき、トンネル誘電体層120とドープ導電層121に良好なフィールドパッシベーションを形成し、表面キャリア再結合レートを下げ、電池の光電変換効率の向上に有利である。同時に、高濃度ドーピングエリアアレイ130全体の領域を第1サブ高濃度ドーピングエリア141に分割し、すなわち高濃度ドーピング処理の領域を減少し、ドーピング生産性を向上させることができる。高濃度ドーピング領域全体を第1サブ高濃度ドーピングエリア141に分割することで、隣接する2つの高濃度ドーピングエリアアレイ130内に重なり領域が現れたり、重なり領域が大きくなったりすることを避け、ドーピングの均一度を高めるのに有利であり、さらに太陽電池の光電変換効率の向上に有利である。
【0055】
図5は、本願の別の実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。図5に示す太陽電池は、図1図4に示す太陽電池の一部の構成と同じであり、主な相違点は、トンネル誘電体層とドープ導電層がベースの第1面(前面ともいう)に位置していることにある。図1図4に示す実施例と同一または類似の内容、または要素の詳細な説明は繰り返さして説明せず、上記の説明と異なる説明だけを詳細に説明する。以下、本願の別の実施例に係る太陽電池について、図5を用いて詳細に説明する。
理解できるように、図5に示される太陽電池は、図22図35に示される太陽電池の一部の構成と同じであり、主な相違点は、トンネル誘電体層とドープ導電層がベースの第1面(前面ともいう)に位置することにある。
【0056】
図5を参照して、太陽電池は、対向する第1面201(前面201ともいう)および第2面202(裏面202ともいう)を有するベース200と、ベース200の第1面201側に位置するトンネル誘電体層220およびドープ導電層221と、ドープ導電層221のベース200から離れた表面に位置するパッシベーション層222と、間隔をあけて設けられた複数の電極251(第1電極251とも称する)と、ベース200の第2面202側に位置する第2パッシベーション層及び電極252(第2電極252とも称する)と、を備え、トンネル誘電体層220がドープ導電層221とベース200との間に位置し、パッシベーション層222がフロントパッシベーション層とみなされ、電極251が第2方向Yに沿って延伸し、各電極251がパッシベーション層222を貫通してドープ導電層221の高濃度ドーピングエリアアレイ230の表面構造の少なくとも一部と接触し、第2パッシベーション層がバックパッシベーション層とみなされ、電極252がバックパッシベーション層を貫通してベース200と接触する。
【0057】
図5に示す太陽電池は、バック接合太陽電池(Back junction solar cell)であってもよく、すなわち、前記電池のPN接合は電池の裏面を形成することが理解され得る。前記ドープ導電層221におけるドーピング元素の種類は、前記ベース200のドーピング元素の種類と同じであり、例えば、ベース200がN型ベースであり、ドープ導電層221にはN型元素がドーピングされている。また、例えば、ベース200がP型ベースであり、ドープ導電層221にはP型元素がドーピングされている。第2面202に近いベース200の内部には、ベース200のドーピング元素の種類と逆であるエミッタ領域が形成されている。
【0058】
前記ドープ導電層221は、上述したドープ導電層121(図1図4を参照)と同一または類似の素子であり、すなわち、本願の他のいくつかの実施例では、ドープ導電層221は、第1方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイ230を有してもよく、高濃度ドーピングエリアアレイ230が第1サブ高濃度ドーピングエリア241および第2サブ高濃度ドーピングエリア242を含むと理解され得る。同様に、高濃度ドーピングエリアアレイ230は、第1方向に沿って配列された複数のサブドーピングエリアアレイを含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、第2パッシベーション層は単層構造または積層構造であってもよく、第2パッシベーション層の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸窒化炭化シリコン、酸化チタン、酸化ハフニウムまたは酸化アルミニウムなどの材料のうちの一種または複数種であってもよい。電極252は、バーンスルー型スラリーが焼結されてなるものであってもよい。電極252とベース200との接触は、局所的な接触または完全な接触であってもよい。電極252の材料は、アルミニウム、銀、ニッケル、金、モリブデンまたは銅の一種または複数種であってもよい。電極251は、上部電極または正面電極であり、電極252は、下部電極または裏面電極である。
【0060】
上記(図1または図5に示す太陽電池)は、ベースの片面(第1面または第2面)に、トンネル誘電体層と、高濃度ドーピングエリアを有するドープ導電層とを設けた例であるが、本願の別の実施例は、ベースの両面(第1面および第2面)のいずれにもトンネル誘電体層とドープ導電層を設けたもの、すなわち、太陽電池が両面トンネル酸化層パッシベーシヨンコンタクトセルであることをさらに提供する。図1図5の実施例の説明と同一または類似の内容や素子の詳細な説明は繰り返して説明せず、上記と異なる説明だけを詳細に説明する。以下、図6及び図7を参照して具体的に説明する。
【0061】
図6は、本願のさらに別の実施例によって提供される太陽電池の構成を示す図である。図6を参照して、太陽電池は、対向する第1面301および第2面302を有するベース300と、ベース300の第1面301側に位置して順次積層された第1トンネル誘電体層323、第1ドープ導電層324、第3パッシベーション層325、および、電極352と、ベース300の第2面302側に位置するトンネル誘電体層320(第2トンネル層320ともいう)及びドープ導電層321(第2導電層321ともいう)と、パッシベーシヨン層と、間隔をあけて設けられた複数の電極351とを備え、第3パッシベーション層325がフロントパッシベーション層とみなされ、電極352が第3パッシベーション層325を貫通し、第1ドープ導電層324と接触し、電極352は上部電極または表面電極であり、トンネル誘電体層320がドープ導電層321とベース300との間に位置し、パッシベーシヨン層がドープ導電層321のベース300から離れた表面に位置し、パッシベーシヨン層がバックパッシベーシヨン層とみなされ電極351が第2方向Yに沿って延伸し、各電極351がパッシベーション層を貫通しドープ導電層321と接触し、電極351は下部電極または裏面電極である。
【0062】
いくつかの実施例では、第1ドープ導電層324のドーピング元素の種類は、ベース300内のドーピング元素の種類とは逆であり、ドープ導電層321のドーピング元素の種類は、ベース300内のドーピング元素の種類と同一である。一例では、ベース300内にN型のドーピング元素を有し、ドープ導電層321がN型のドーピング元素を有し、第1ドープ導電層324内にP型のドーピング元素を有する。他の例では、ベース300内にP型のドーピング元素を有し、ドープ導電層321がP型のドーピング元素を有し、第1ドープ導電層324内にN型のドーピング元素を有する。図6に示す太陽電池は、正接合太陽電池であってもよい。
【0063】
前記ドープ導電層321とドープ導電層121(図1図4を参照)とは同一または類似の素子であり、すなわち、本願の他のいくつかの実施例では、ドープ導電層321は、第1方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイ330を有してもよく、高濃度ドーピングエリアアレイ330が第1サブ高濃度ドーピングエリア341および第2サブ高濃度ドーピングエリア342を含む。同様に、高濃度ドーピングエリアアレイ330は、第1方向に沿って配列された複数のサブドーピングエリアアレイを含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施例では、第1トンネル誘電体層323の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、真性非晶質シリコン、および真性多結晶シリコンのいずれであってもよい。第1トンネル誘電体層323の厚さは、0.5nm~3nmであってもよく、任意選択で、第1トンネル誘電体層323の厚さは、0.5nm~2nmであり、さらに、第1トンネル誘電体層323の厚さは、0.5nm~1.5nmである。第1ドープ導電層324の材料は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、または微結晶シリコンのうちの少なくとも一種を含む。第1ドープ導電層324の厚さの範囲は、20nm~150nmであり、任意選択で、第1ドープ導電層324の厚さの範囲は、60nm~90nmである。
【0065】
いくつかの実施例では、第3パッシベーション層325は、単層構造または積層構造であってもよく、第3パッシベーション層325の材料は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸窒化炭化シリコン、酸化チタン、酸化ハフニウム、または酸化アルミニウムなどの材料のうちの一種または複数種であってもよい。
【0066】
電極352は、バーンスルー型スラリーが焼結されてなるものであってもよい。電極352と第1ドープ導電層324との接触は、局所的な接触または完全な接触であってもよい。電極352の材料は、アルミニウム、銀、ニッケル、金、モリブデンまたは銅の1つまたは複数であってもよい。
【0067】
図7は、本願のさらに別の実施例に係る太陽電池の構成を示す図である。図7に係る太陽電池は、上記の実施例(図6)に係る太陽電池の一部の構成と同じであり、上記実施例の説明と同一または類似の内容や素子の詳細な説明は繰り返して説明せず、上記説明と異なる説明だけを詳細に説明する。
【0068】
図7を参照して、太陽電池は、対向する第1面401および第2面402を有するベース400と、ベース400の第1面401側に位置するトンネル誘電体層420及びドープ導電層421と、パッシベーション層422と、間隔をあけて設けられた複数の電極451と、ベース400の第2面402側に位置して順次積層された第1トンネル誘電体層423(第1トンネル層423ともいう)、第1ドープ導電層424(第2導電層424ともいう)、第3パッシベーション層及び電極452とを備え、トンネル誘電体層420がドープ導電層421とベース400との間に位置し、パッシベーション層422がドープ導電層421のベース400から離れた表面に位置し、パッシベーション層422がフロントパッシベーション層とみなされ、電極451が第2方向Yに沿って延伸し、各電極451がパッシベーション層を貫通しドープ導電層421と接触し、電極451が上部電極または表面電極であり、第3パッシベーション層がバックパッシベーション層とみなされ、電極452が第3パッシベーション層を貫通して第1ドープ導電層424と接触し、電極452が下部電極または裏面電極である。
【0069】
前記ドープ導電層421は、図1図4で説明したドープ導電層121と同一または類似の素子であり、ドープ導電層421は、第1方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイ430を有してもよく、高濃度ドーピングエリアアレイ430が第1サブ高濃度ドーピングエリア441および第2サブ高濃度ドーピングエリア442を含む。同様に、高濃度ドーピングエリアアレイ430は、第1方向に沿って配列された複数のサブドーピングエリアアレイを含んでもよい。
【0070】
いくつかの実施例では、ドープ導電層421のドーピング元素の種類は、ベース400内のドーピング元素の種類と同じであり、第1ドープ導電層424のドーピング元素の種類は、ベース400内のドーピング元素の種類とは逆である。一例において、ベース400内にN型のドーピング元素を有し、ドープ導電層421がN型のドーピング元素を有し、第1ドープ導電層424内にP型のドーピング元素を有する。他の例では、ベース400内にP型のドーピング元素を有し、ドープ導電層421がP型のドーピング元素を有し、第1ドープ導電層424内にN型のドーピング元素を有する。図7に示す太陽電池は、バック接合太陽電池であってもよい。
【0071】
これに応じて、本願実施例の他の態様では、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換するための光起電力モジュールが提供される。図8は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。図8を参照して、光起電力モジュールは、上記(図1図7)のいずれかの太陽電池を複数接続してなる少なくとも1つのセルストリング10と、セルストリング10の表面を覆う封止用接着フィルム21と、封止用接着フィルム21のセルストリング10から離れた表面を覆うカバープレート22と、を備える。
いくつかの実施例では、太陽電池は、図22~35のいずれかの実施例に提供された太陽電池であってもよい。
【0072】
封止用接着フィルム21は、EVAまたはPOEなどの有機封止用接着フィルムであってもよく、封止用接着フィルム21は、セルストリング10の表面を覆ってセルストリングを封止して保護する。いくつかの実施例では、封止用接着フィルム21は、セルストリング10の上下面をそれぞれ封止する上層封止用接着フィルム及び下層封止用接着フィルムを含んでもよい。カバープレート22は、ガラスカバープレートまたはプラスチックカバープレートなどの、セルストリング10を保護するためのカバープレートであってもよく、カバープレート22は、封止用接着フィルム21のセルストリング10から離れた表面を覆い、カバープレート22は、上層封止用接着フィルムの表面に位置する上部カバープレートと、下層封止用接着フィルムの表面に位置する下部カバープレートとを含んでいる。幾つかの実施例では、カバープレート22には、入射光の利用率を高めるための光トラップ構造が設けられている。光起電力モジュールは、高い電流収集能力と低いキャリア再結合率を有するため、高い光電変換効率を実現できる。
【0073】
これに応じて、本願実施例の他の態様では、上述の実施例(図1図4に示す)に係る太陽電池を製造するための太陽電池の製造方法をさらに提供する。上記実施例の説明と同一または類似の内容や素子の詳細な説明は繰り返して説明せず、上記説明と異なる説明だけを詳細に説明する。
【0074】
理解できるように、図22及び図35に示される太陽電池を取得するように、レーザー処理の仕様パラメーターを調整して第1サブ高濃度ドーピングエリアの第2方向における長さ及び2つの第1サブ高濃度ドーピングエリアの第2方向におけるピッチを変更することができる。例えば、レーザー処理のスポット長さを長くし、2つのスポット間のピッチを短くすることにより、図31~35に示される太陽電池を形成することができる。
【0075】
図9図21は、本願の一実施例に係る太陽電池の製造方法における各ステップに対応する構成を示す図である。そのうち、図13図14図15および図18は、太陽電池の上面視構成を示す図である。
【0076】
図9を参照して、内部にドーピング元素を有するベース100を提供する。
【0077】
ベース100は、対向して設けられた第1面101及び第2面102を有する。幾つかの実施例では、ベース100の第1面101が受光面であり、ベース100の第2面102がバックライト面である。ベース100の第1面101は、テクスチャ構造を有し、ベース100の第2面102は、研磨構造を有する。
【0078】
図10を参照して、ベース100の第1面101に位置するエミッタ110を形成する。
【0079】
図11を参照して、ベース100の表面に位置するトンネル誘電体層120を形成する。具体的には、トンネル誘電体層120は、ベース100の第2面102に位置する。
【0080】
図11図19を参照して、ドープ導電層121を形成し、ドープ導電層121は、トンネル誘電体層120のベース100から離れた表面に位置し、ドープ導電層121はドーピング元素を有し、ドープ導電層121内のドーピング元素の種類がベース100のドーピング元素の導電型と同一であり、ドープ導電層121は、第1方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130を有し、各高濃度ドーピングエリアアレイ130は、第2方向Yに間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリア141と、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリア142とを含む。
【0081】
いくつかの実施例では、複数の高濃度ドーピングエリアアレイ130も第2方向Yに沿って配列され、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリア142は、間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリア141を取り囲む。いくつかの実施例では、第2方向において、第2サブ高濃度ドーピングエリアは第1サブ高濃度ドーピングエリアの側面にのみ位置する。
【0082】
具体的には、図11を参照して、トンネル誘電体層120のベース100から離れた表面に位置するドープ導電膜103を形成する。
【0083】
幾つかの実施例において、LPCVDにより真性ドープ導電層を形成した後、拡散またはイオン注入ドーピングを行ってドープ導電膜103を形成してもよく、真性ドープ導電層は、真性ポリシリコン層であってもよい。他の幾つかの実施例において、PECVDによりドープ初期導電膜を堆積してから、ァニールによりドープ導電膜103を形成し、初期導電膜の材料は、アモルファスシリコン又は微結晶シリコンであってもよい。ドープ導電膜103の材料は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、または単結晶シリコンであってもよい。例示的に、本願実施例におけるドープ導電膜103の材料は、ポリシリコンである。
【0084】
ドープ導電膜103に対して第1ドーピング処理を行い、第1ドーピング処理は、ドープ導電膜103の表面全体に対してドーピング処理を実行して、高濃度ドーピングエリアアレイを除いたドープ導電層の領域を形成するために用いられる。
【0085】
図12図16を参照して、ドープ導電膜103の表面にドーピング源層104を形成し、ドープ導電膜103に対して第2ドーピング処理を行い、ドープ導電層121を形成する。
【0086】
幾つかの実施例において、第2ドーピング処理は、高濃度ドーピングエリアアレイ130を形成するために用いられ、ドープ導電層121を形成した後、残されたドーピング源層104を除去する。
【0087】
幾つかの実施例において、図12に示すように、ドーピング源層104は、ドープ導電膜103の表面全体にわたって位置する。ドーピング源層104の材料は、ホスホシリケートガラス(Phosphosilicate Glass、PSG)またはボロホスホシリケートガラス(Borophosphosilicate Glass、BPSG)を含み得るが、これらに限定されない。他の幾つかの実施例において、ドーピング源層の材料は、ホウ珪酸ガラス(Borosilicate Glass、BSG)であってもよい。
【0088】
図13を参照して、第2ドーピング処理は、レーザードーピングである。ドーピング源層104の表面には、レーザードーピングによる光スポットパターン105を形成し、光スポットパターン105の幅Aは、後に形成される高濃度ドーピングエリアアレイの幅よりも小さく、光スポットパターン105の長さBは、後に形成される第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さと等しく、隣接する光スポットパターン105の間隔Cは、第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さと等しい。光スポットパターン105が位置する領域は、後に形成される第1サブ高濃度ドーピングエリアの領域であるため、光スポットパターン105の仕様パラメーター(幅、長さおよびピッチなど)は、後に形成される第1サブ高濃度ドーピングエリアが奏する効果を確保するためのものであり、すなわちス光スポットパターン105の仕様パラメーター範囲の効果を第1サブ高濃度ドーピングエリアの仕様パラメーター範囲の効果と同一にすることが理解され得るので、ここではこれ以上贅言しない。
【0089】
同様に、図14及び図3を参照して、図14の光スポットパターン105の配列は、図3に示す高濃度ドーピングエリアアレイを形成することができ、光スポットパターン105の第1方向Xにおける幅Eが、第1サブ高濃度ドーピングエリア141の幅Wと等しく、隣接する光スポットパターン105のピッチFが、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141のピッチUと等しく、光スポットパターン105の第2方向Yにおける長さBが、第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さOと等しく、隣接する光スポットパターン105のピッチCが、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141のピッチPと等しい。図15に示す光スポットパターン105の配列は、図4に示す高濃度ドーピングエリアアレイを形成するために用いられ、少なくとも2列の光スポットパターン105が第1方向Xに沿ってずれて配列されている。
【0090】
図16を参照して、高濃度ドーピングエリアアレイ130を形成するように、拡散処理を行って、一部の領域のドーピング源層104(図12を参照)内のドーピングイオンをドープ導電膜103(図12を参照)内に拡散させる。ドーピング源層104を除去する。
【0091】
幾つかの実施例では、ドーピング源層104をウェットエッチングで完全に除去し、残留したリンシリコンガラスの存在により、シリコンウェハの表面が空気中で濡れることに起因する電流の低下及び電力の減衰を招くことを回避し、後にドープ導電層121に形成されるパッシベーション層が脱落することを回避することもでき、太陽電池の光電変換効率の向上に有利である。ウェットエッチングの溶液は、HNO3とHFの混合液である。他の幾つかの実施例において、熱拡散工程またはイオン注入工程を用いて拡散処理を行うことが可能である。
【0092】
なお、上述したもの(図12図16)は、ドーピング源層104がドープド導電膜103の表面全体にわたって位置していることを例とするが、本願実施例は、間隔をあけて配列される複数のサブドーピング源層を形成してもよい。具体的には、以下、図17図19を参照して詳細に説明する。
【0093】
図17を参照して、ドープ導電膜103の表面に、複数のサブドーピング源層106を含むドーピング源を形成し、サブドーピング源層106の位置は、高濃度ドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリアの位置に対応する。
【0094】
図18を参照して、サブドーピング源層106の幅Hは、後に形成される高濃度ドーピングエリアアレイの幅よりも小さく、サブドーピング源層106の長さIは、後に形成される第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さと等しく、隣接するサブドーピング源層106の間隔Gは、第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さと等しいことが理解され得る。サブドーピング源層106が位置する領域は、後に形成される第1サブ高濃度ドーピングエリアの領域であるので、サブドーピング源層106の仕様パラメーター(幅、長さおよびピッチなど)は、後に形成される第1サブ高濃度ドーピングエリアが奏する効果を確保するためのものであり、すなわちサブドーピング源層106の仕様パラメーター範囲の効果を第1サブ高濃度ドーピングエリアの仕様パラメーター範囲の効果と同一にするためのものであり、ここではこれ以上贅言しない。
【0095】
同様に、他の幾つかの実施例において、サブドーピング源層の配列は、図3に示す高濃度ドーピングエリアアレイを形成することができ、サブドーピング源層の第1方向における幅が、第1サブ高濃度ドーピングエリア141の幅Wと等しく、隣接するサブドーピング源層のピッチが、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141のピッチUと等しく、サブドーピング源層の第2方向Yにおける長さBが、第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さOと等しく、隣接するサブドーピング源層のピッチが、隣接する第1サブ高濃度ドーピングエリア141のピッチPと等しい。他の幾つかの実施例において、サブドーピング源層の配列は、図4に示す高濃度ドーピングエリアアレイを形成することができ、少なくとも2列のサブドーピング源層が第1方向Xに沿ってずれて配列されている。
【0096】
いくつかの実施例では、サブドーピング源層106の材料は、ホスホシリケートガラスまたはボロホスホシリケートガラスを含み得るが、これらに限定されない。
【0097】
図19を参照して、高濃度ドーピングエリアアレイ130を形成するように、拡散処理を行って、サブドーピング源層106(図17を参照)内のドーピング元素をドープ導電膜103内に拡散させる。サブドーピング源層106を除去する。
【0098】
図16及び図19の太陽電池は、レーザー波長が532nmのナノ秒レーザー、または他のドーピングを実現可能なレーザーによって形成でき、レーザーの工程パラメーターは、レーザー周波数が220kHz~380kHz、レーザーエネルギ密度が0.1J/cm~0.2J/cm、レーザーラインスキャン速度が20m/s~35m/sである。いくつかの実施例では、図16図19の太陽電池を形成する拡散処理の工程パラメーターが異なっていてもよい。具体的には、図16に示す太陽電池を形成する工程パラメーターは、レーザー周波数が220kHz~350kHz、レーザーエネルギ密度が0.15J/cm~0.2J/cm、レーザーラインスキャン速度が26m/s~35m/s、レーザースポットの幅が80μm~110μmであることを含み、図19に示す太陽電池を形成する工程パラメーターは、レーザー周波数が280kHz~380kHz、レーザーエネルギ密度が0.1J/cm~0.15J/cm、レーザーラインスキャン速度が20m/s~28m/s、レーザースポットの幅が20μm~60μmであることを含む。
【0099】
図20を参照して、パッシベーション層123と第1パッシベーション層111を形成し、パッシベーション層123は、ドープ導電層121のベース100から離れた表面に位置し、第1パッシベーション層111は、エミッタ110の表面に位置し、パッシベーション層123はバックパッシベーション層とみなされ、第1パッシベーション層111はフロントパッシベーション層とみなされる。当業者にとって、前記パッシベーション層123及び第1パッシベーション層111は、光利用率を高めるために反射防止層の機能も有する。
【0100】
図21を参照して、間隔をあけて設けられた複数の電極151を形成し、電極151が第2方向Yに沿って延伸し、電極151が高濃度ドーピングエリアアレイ130に対応し、電極151が高濃度ドーピングエリアアレイ130のドープ導電層121の表面構造の少なくとも一部と接触する。電極151は、下部電極または裏面電極とみなされる。
【0101】
いくつかの実施例では、複数の電極151は第1方向Xにおいて間隔をあけて設置されており、各電極151は第2方向に配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、各電極151は対応する複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイ131の少なくとも一部と接触する。
【0102】
図21を引き続き参照して、間隔をあけて配列された複数の第1電極152を形成し、第1電極152が第2方向Yに沿って延伸し、第1電極152が第1パッシベーション層111を貫通してエミッタ110と接触する。第1電極152は、上部電極または正面電極とみなされる。
【0103】
他の幾つかの実施例において、太陽電池の製造方法は、図5に示すような太陽電池を形成することができ、対向する第1面201および第2面202を有するベース200を提供することと、第1面101側に位置して積層されたトンネル誘電体層220、ドープ導電層221、パッシベーション層222、および間隔をあけて設けられた複数の電極251を順次に形成することであって、電極251がパッシベーション層222を貫通してドープ導電層221と接触することと、第2面202側に位置する第2パッシベーション層、および電極252を順次に形成することであって、電極252が第2パッシベーション層を貫通してベース200と接触することと、を含む。
【0104】
第2パッシベーション層を形成する工程は、上記実施例における第1パッシベーション層111(図20を参照)を形成する工程と同じまたは類似であるため、ここでは説明を省略する。同様に、電極252を形成する工程は、上記実施例における電極151(図21参照)を形成する工程と同一または類似である。
【0105】
他のいくつかの実施例では、太陽電池の製造方法は、図6に示すような太陽電池を形成することができ、対向する第1面301および第2面302を有するベース300を提供することと、第1面301側に位置して積層された第1トンネル誘電体層323、第1ドープ導電層324、第3パッシベーション層325、および電極352を順次に形成することであって、電極352が第3パッシベーション層325を貫通して第1ドープ導電層324と接触することと、第2面302側に位置して積層されたトンネル誘電体層320、ドープ導電層321、パッシベーション層、および間隔をあけて設けられた複数の電極351を順次に形成することであって、電極351がパッシベーション層を貫通してドープ導電層321と接触することと、を含む。
【0106】
第1トンネル誘電体層323を形成する工程は、上記実施例におけるトンネル誘電体層120(図11を参照)を形成する工程と同一または類似であるため、ここでは説明を省略する。同様に、第1ドープ導電層324を形成する工程は、上記実施例におけるドープ導電膜103(図11を参照)を形成する工程と同一または類似である。第3パッシベーション層325を形成する工程は、上記実施例におけるパッシベーション層(図20を参照)を形成する工程と同じまたは類似である。電極352を形成する工程は、上記実施例における電極151(図21を参照)を形成する工程と同一または類似である。
【0107】
さらに他のいくつかの実施例では、太陽電池の製造方法は、図7に示すような太陽電池を形成することができ、対向する第1面401および第2面402を有するベース400を提供することと、第1面401側に位置して積層されたトンネル誘電体層420、ドープ導電層421、パッシベーション層422、および間隔をあけて設けられた複数の電極451を順次に形成することであって、電極451がパッシベーション層422を貫通してドープ導電層421と接触することと、第2面402側に位置して積層された第1トンネル誘電体層423、第1ドープ導電層424、第3パッシベーション層、および電極452を順次に形成することであって、電極452が第3パッシベーション層を貫通して第1ドープ導電層424と接触することと、を含む。
【0108】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者は、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2023-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
内部にN型またはP型であるドーピング元素を有するベースと、
前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、
前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面に位置し、ドーピング元素を有するドープ導電層であって、前記ドープ導電層内のドーピング元素の種類が前記ベースのドーピング元素の導電型と同じであり、前記ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが前記間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲み、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度が、前記第2サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度より大きいドープ導電層と、
前記第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が前記第2方向に沿って延び、前記各電極が前記第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、前記各電極が対応する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触する電極と、を備える、
ことを特徴とする太陽電池。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項13】
内部にドーピング元素を有するベースを提供することと、
前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層を形成することと、
ドープ導電層を形成することであって、前記ドープ導電層が前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面に位置し、前記ドープ導電層がドーピング元素を有し、前記ドープ導電層内のドーピング元素の種類が前記ベースのドーピング元素導電型と同じであり、前記ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが前記間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲み、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度が、前記第2サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度より大きいことと、
前記第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極を形成することであって、各前記電極が前記第2方向に沿って延び、各前記電極が前記第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、各前記電極が対応する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触することと、を含む、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にN型またはP型であるドーピング元素を有するベースと、
前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、
前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面に位置し、ドーピング元素を有するドープ導電層であって、前記ドープ導電層内のドーピング元素の種類が前記ベースのドーピング元素の導電型と同じであり、前記ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが前記間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲み、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度が、前記第2サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度より大きいドープ導電層と、
前記第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が前記第2方向に沿って延び、前記各電極が前記第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、前記各電極が対応する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触し、同一の電極の下方に位置する各前記高濃度ドーピングエリアアレイが等間隔で設けられている電極と、を備
前記第2方向において、隣接する前記第1高濃度ドーピングエリア間のピッチPの範囲は、0.2O≧P≧0.05Oを含み、ここで、Oは前記第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さであり、
前記第2方向において、隣接する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイの2つの高濃度ドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリア間のピッチPの範囲は、0.00006L≧P≧0.00001Lを含み、ここで、Lは前記2つの高濃度ドーピングエリアアレイに対応する前記電極の長さである、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第1方向において、前記各高濃度ドーピングエリアアレイの幅Mの範囲は、N≦M≦2Nを含み、ここで、Nは前記各高濃度ドーピングエリアアレイに対応する前記電極の幅である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記各高濃度ドーピングエリアアレイは、前記第1方向に沿って配列された複数のサブドーピングエリアアレイを有し、前記複数のサブドーピングエリアアレイのうちの各サブドーピングエリアアレイは、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアと前記第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記各サブドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリアの幅Wの範囲は、0.1N≦W≦1.2Nを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第1方向において、隣接する前記複数のサブドーピングエリアアレイのうちの2つのサブドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリアのピッチUの範囲は、2μm≦U≦10μmを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第1方向において、前記複数のサブドーピングエリアアレイの少なくとも2つのサブドーピングエリアアレイは前記第1方向に沿ってずれて配列されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記ベースに垂直な方向において、前記各高濃度ドーピングエリアアレイのドーピング深さは、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイを除いた前記ドープ導電層の厚さ以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記各高濃度ドーピングエリアアレイは、前記ベースに垂直な方向に沿って配列された第1エリアと第2エリアとを有し、
前記第2エリアのドーピング濃度は、前記第1エリアのドーピング濃度よりも小さく、
前記電極は、前記ドープ導電層の第1エリアと接触しており、ここで、前記第1エリアは、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第1方向に沿って、前記第2エリアの断面形状は、円弧形状または半円形状である、
ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記第2エリアのドーピング濃度は、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイを除いた前記ドープ導電層のドーピング濃度以上であり、
前記第1エリアから前記第2エリアに向かう方向において、前記第2エリアのドーピング濃度は、勾配漸減を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の太陽電池。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなる少なくとも1つのセルストリングと、
前記セルストリングの表面を覆うための封止用接着フィルムと、
前記封止用接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を覆うためのカバープレートと、を備える、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項11】
内部にドーピング元素を有するベースを提供することと、
前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層を形成することと、
ドープ導電層を形成することであって、前記ドープ導電層が前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面に位置し、前記ドープ導電層がドーピング元素を有し、前記ドープ導電層内のドーピング元素の種類が前記ベースのドーピング元素導電型と同じであり、前記ドープ導電層が第1方向に沿って配列されかつ第2方向に沿って配列される複数の高濃度ドーピングエリアアレイを有し、前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイが、第2方向に沿って間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアと、間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアとを含み、前記間隔をあけて設けられた第2サブ高濃度ドーピングエリアの各第2サブ高濃度ドーピングエリアが前記間隔をあけて設けられた第1サブ高濃度ドーピングエリアの各第1サブ高濃度ドーピングエリアを取り囲み、前記第1サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度が、前記第2サブ高濃度ドーピングエリアのドーピング濃度より大きいことと、
前記第1方向に沿って間隔をあけて設けられた複数の電極を形成することであって、各前記電極が前記第2方向に沿って延び、各前記電極が前記第2方向に沿って配列された複数の高濃度ドーピングエリアアレイに対応し、各前記電極が対応する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイのうちの各高濃度ドーピングエリアアレイの少なくとも一部と接触し、同一の電極の下方に位置する各前記高濃度ドーピングエリアアレイが等間隔で設けられていることと、を含
前記第2方向において、隣接する前記第1高濃度ドーピングエリア間のピッチPの範囲は、0.2O≧P≧0.05Oを含み、ここで、Oは前記第1サブ高濃度ドーピングエリアの長さであり、
前記第2方向において、隣接する前記複数の高濃度ドーピングエリアアレイの2つの高濃度ドーピングエリアアレイの第1サブ高濃度ドーピングエリア間のピッチPの範囲は、0.00006L≧P≧0.00001Lを含み、ここで、Lは前記2つの高濃度ドーピングエリアアレイに対応する前記電極の長さである、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項12】
ドープ導電層を形成する工程には、
前記トンネル誘電体層の前記ベースから離れた表面にドープ導電膜を形成することと、
前記ドープ導電膜に対して第1ドーピング処理及び第2ドーピング処理を行い、前記ドープ導電層を形成することと、が含まれ、
そのうち、前記第1ドーピング処理は、前記ドープ導電膜の全面に対しドーピング処理を行うためのものであり、前記第2ドーピング処理は、前記高濃度ドーピングエリアアレイを形成するためのものである、
ことを特徴とする請求項11に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記第2ドーピング処理は、レーザードーピングであり、
第2ドーピング処理を行う前に、前記ドープ導電膜の表面にドーピング源層を形成し、
前記ドープ導電層を形成した後、前記ドーピング源層を除去する、
ことを特徴とする請求項12に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記ドーピング源層は、複数のサブドーピング源層を含み、前記複数のサブドーピング源層のうちの各サブドーピング源層の位置は、各前記高濃度ドーピングエリアアレイの各前記第1サブ高濃度ドーピングエリアの位置に対応している、
ことを特徴とする請求項13に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記レーザードーピングの工程パラメーターは、レーザー周波数が220kHz~380kHz、レーザーエネルギ密度が0.1J/cm~0.2J/cm、レーザーラインスキャン速度が20m/s~35m/sであることを含む、
ことを特徴とする請求項13または14に記載の太陽電池の製造方法。