(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163147
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】制御ユニットが一体化された自動車用のアクティブショックアブソーバ装置
(51)【国際特許分類】
B60G 13/18 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
B60G13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023067610
(22)【出願日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】102022000008252
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マウロ ジョルダーニ
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA59
3D301CA09
3D301DA08
3D301DA31
3D301DA45
3D301DA51
3D301DA53
3D301DA89
3D301DB10
3D301DB20
3D301DB50
3D301DB60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単純且つ確実な方法で、寸法に焦点を合わせて、電気接続部または構成要素の安全性および/または構成を改善する。
【解決手段】自動車(1)用のショックアブソーバ装置(6)は、ばね支持体(7)と、ばね(8)と、減衰力を及ぼすように構成された減衰装置(9)と、制御ユニットと、制御ユニットに電気的に接続され、電気モータが電源信号に対応するトルクまたは力を提供するように、出力されたトルクまたは力に対応し、減衰装置によって及ぼされるさらなる力に変換する減衰装置を制御するように構成された変換手段と、を含み、制御ユニットは、さらなる力の目標値を示す第1の制御信号を受信し、電源信号がさらなる力の目標値に対応するように、第1の制御信号の関数として電源信号を提供するように構成され、制御ユニットは、ばね支持体に対して固定位置においてばね支持体に結合されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)用のショックアブソーバ装置(6)であって、前記ショックアブソーバ装置(6)が、前記自動車(1)の一部を構成するとともに前記自動車(1)の少なくとも1つの車輪(3)に結合されるサスペンション要素(5)に対して前記自動車(1)の本体(2)を懸架するように構成され、前記ショックアブソーバ装置(6)が、
-ばね支持体(7)と、
-軸(K)を有し、前記ばね支持体(7)に固定された第1の軸方向端部(8a)と、前記本体(2)に固定された第2の軸方向端部(8b)との間に軸方向に延在するばね(8)と、
-前記車輪(3)の動きに応答して減衰力を及ぼして前記本体(2)に対する前記車輪(3)の動きを減衰させるために、前記車輪(3)および前記本体(2)に結合することができる減衰装置(9)と、
-制御ユニット(20)と、
-前記制御ユニット(20)に電気的に接続され、前記制御ユニット(20)によって発せられる電源信号を介して前記制御ユニット(20)によって制御可能であり、それにより、電源信号に対応するトルクまたは力を出力する、電気モータ(16)と、
-出力された前記トルクまたは力を、減衰装置(9)によって本体(2)に及ぼされる前記トルクまたは力に対応するさらなる力に変換する減衰装置(9)を制御するように構成された変換手段(18)と、を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記さらなる力の目標値を示す第1の制御信号を受信し、前記電源信号が前記さらなる力の前記目標値に対応するように、前記第1の制御信号の関数として前記電源信号を出力するように構成され、
前記制御ユニット(20)が、前記ばね支持体(7)に対して固定位置において前記ばね支持体(7)に結合されている、ショックアブソーバ装置。
【請求項2】
前記ばね支持体(7)が、前記軸(K)に沿って前記ばね(8)と前記制御ユニット(20)との間に軸方向に配置されている、請求項1に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項3】
前記制御ユニット(20)が、前記ばね支持体(7)に直接固定されている、請求項1または2に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項4】
前記制御ユニット(20)が、前記第1の制御信号を処理し、それによって前記第1の制御信号の関数として第2の制御信号を出力するように構成されたロジックを備え、前記制御ユニット(20)が、前記第2の制御信号を前記電源信号に変換するように構成された静止電力変換器をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項5】
前記制御ユニット(20)が、プリント回路基板(31)を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項6】
前記プリント回路基板(31)が、第1の部分(34)であって、その両端部(34a、34b)間で直線方向(A)に沿って延在する第1の部分(34)と、2つの可撓性部分(35)と、前記可撓性部分(35)を介して前記第1の部分(34)の前記両端部(34a、34b)にそれぞれ結合された2つの第2の部分(32、33)と、を備え、前記第2の部分(32、33)が、前記直線方向(A)に沿って前記第2の部分(32、33)間に空き容積を形成するように前記第1の部分(34)に対して横方向に配置されている、請求項5に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項7】
前記第2の部分(32、33)が、前記直線方向(A)に沿って、互いに平行にまたは対向して配置されている、請求項6に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項8】
前記直線方向(A)が、前記軸(K)と直交している、請求項6または7に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項9】
前記制御ユニット(20)が、ケーシング(40)を備え、前記ケーシング(40)において、前記プリント回路基板(31)は、内側に配置され、前記ケーシング(40)内に収容された樹脂に埋設されている、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項10】
前記制御ユニット(20)が、前記自動車(1)の電源から電源電流を受け取るための電気接続部(24、25、27)を備え、前記制御ユニット(20)が、前記制御ユニット(20)が前記電源電流も前記第1の制御信号も受け取らない場合に、前記電気モータ(16)から到来する入力電流の電圧を制限するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項11】
前記減衰装置(9)が、前記ばね(8)と同軸のケーシング(10)を備え、前記ばね支持体(7)が、前記ケーシング(10)に対して固定されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項12】
前記ばね支持体(7)が、前記軸(K)に沿って前記ケーシング(10)と完全に交差する貫通孔を有する、請求項11に記載のショックアブソーバ装置。
【請求項13】
本体(2)と、車輪(3)と、前記車輪(3)に結合されたサスペンション要素(5)と、前記サスペンション要素(5)に対して前記本体(2)を懸架する請求項1から12のいずれか一項に記載のショックアブソーバ装置(6)と、を備える自動車であって、前記ばね(8)の第2の軸方向端部(8a)が前記本体(2)に固定され、前記減衰装置(9)が前記車輪(3)および前記本体(2)に結合されている、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2022年4月27日に出願されたイタリア特許出願第102022000008252号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動車、特にスポーツカー用のアクティブショックアブソーバ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
公知のように、自動車の本体は、通常、サスペンション装置を介して車輪に対して懸架される。
【0004】
サスペンション装置のそれぞれは、通常、ばねおよびダンパ、例えば螺旋ばねと、ダンパまたはショックアブソーバ、例えばガスのもの、より正確には二重シリンダ(バイチューブ)タイプまたは単シリンダ(シングルチューブ)タイプ、または遠隔油圧弁およびガスタンクとを含むショックアブソーバ装置を含む。
【0005】
油圧ダンパは、外部ケーシングと、外部ケーシングに対して軸方向に移動可能なピストンを有するシャフトとを有する。シャフトの軸方向端部および外部ケーシングは、それぞれ、サスペンション装置の本体および要素、例えばサスペンションアームに固定される。このようにして、外部ケーシングに対するシャフトの動きは、サスペンションアームに対する本体の動きに対応する。
【0006】
サスペンションアームは、必ずしも堅固ではないが、それが結合されている車輪の動きにしたがう。したがって、路面との接触による車輪の動きは、サスペンションアームに固定された外部ケーシングに対するシャフトの相対的な動きによってサスペンションアームに伝達される。
【0007】
シャフトの相対運動中、ピストンは、流体と協働し、ピストンは、外部ケーシングの内部に浸漬され、したがってシャフト自体の運動を減衰させる。
【0008】
同様に、螺旋ばねは、本体およびサスペンションアームにそれぞれ固定された2つの軸方向端部を有する。このようにして、サスペンションアームに対する本体の動きは、ばねの伸長または弾性圧縮に対応する。
【0009】
例えば、ばねは、シャフトと同軸であってもよい。
【0010】
場合によっては、ショックアブソーバ装置は、アクティブなものであってもよく、すなわち、制御装置、より正確には、サスペンションアームに対する本体の動きをアクティブに制御するように構成された力を発生させるための装置、特に、路面によって車輪に加えられ、サスペンション装置を介して本体に伝達される動きとは無関係に、本体に加えられる力を発生させて制御するための装置を備えてもよい。
【0011】
制御装置は、様々なタイプのものであってもよい。例えば、ショックアブソーバ装置に関連するいくつかの制御装置、いわゆる適応的なものは、ショックアブソーバ装置によって提供される減衰を制御し、ピストンと外部ケーシング内の流体との流体力学的協働を調整する。ショックアブソーバ装置に関連する他の純粋にアクティブな制御装置は、サーボアクチュエータ、例えば電気式、油圧式、空気圧式、または電気油圧式のものを介してサスペンションアームに対して制御された動きを車体に直接課す。
【0012】
適応的ショックアブソーバ装置の一例は、ピストンが、シャフトの移動中にピストンを通る流体の流れを調整するための連続的に調整可能なスプール弁を備えることであってもよい。スプール弁は、電気的に、すなわち電気モータ、例えば電気ステッピングモータによって駆動される。明らかに、スプール弁を介した流れの妨害を調整することは、シャフトの動きの減衰に直接影響を及ぼすが、それ自体ではシャフトの動きを生成しない。
【0013】
純粋にアクティブなショックアブソーバ装置の一例は、サスペンションアームに対してシャフトまたは本体を移動させるための油圧アクチュエータを含むものであってもよく、内部圧力は、電気モータによって駆動される油圧機械、例えばポンプを介して調整される。
【0014】
純粋にアクティブなショックアブソーバ装置の1つの好ましい例は、特に一連のギア、チェーンまたはベルトを備える変速機を介して電気モータがシャフトを直接駆動すること、または電気モータがサスペンションアームに対して本体を動かすことであってもよい。
【0015】
もちろん、ショックアブソーバ装置はまた、上述した技術を任意に組み合わせて含んでもよく、例えば、ピストンに油圧アクチュエータおよびスプール弁を含み、またはピストンにスプール弁を含み、変速機を介してシャフトを駆動する電動モータを含んでもよい。
【0016】
いずれの場合でも、アクティブなショックアブソーバ装置は、適応的であろうと純粋にアクティブであろうと、モータのタイプに基づいてトルクまたは力を送達するための少なくとも1つのモータと、モータによって送達されたトルクまたは力を使用して、シャフトに加えられる力、またはより一般的にはショックアブソーバ装置によって加えられる力を調整する、すなわち、より正確にはシャフトの動きを調整するか、または少なくともシャフトの動きに影響を及ぼすように構成された調整装置とを備える。
【0017】
加えられる、または及ぼされる力は、減衰力、すなわちシャフトの動きに対抗する力、または作動力、すなわちシャフトの動きと同期する力であってもよい。
【0018】
減衰力または加えられる作動力が依存する、モータによって送達されるトルクまたは力は、例えば、トランスデューサによって検出され、自動車のペースを示す量の関数として、自動車の制御ユニットから到来する電気信号を介して制御される。
【0019】
場合によっては、モータは、電気的であってもよく、より詳細には、高電圧電気信号、すなわち36ボルト以上、より好ましくは48ボルト以上の電圧を有する電気信号を介して制御または供給されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
これらの場合、特に寸法に焦点を合わせて、電気接続部または構成要素の安全性および/または構成を改善する必要がある。
【0021】
本発明の1つの目的は、好ましくは単純且つ確実な方法で、上述した必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目的は、請求項1に記載のショックアブソーバ装置によって達成される。
【0023】
従属請求項は、本発明の特定の実施形態を定義する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、非限定的な実施例として、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をよりよく理解するための説明を行う。
【
図1】本発明にかかるショックアブソーバ装置を備える自動車の一部の概略斜視図である。
【
図2】
図1のショックアブソーバ装置の拡大斜視図である。
【
図3】その配線を有するショックアブソーバ装置の追加の斜視図である。
【
図4】ショックアブソーバ装置の制御ユニットのさらに拡大した分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1において、参照符号1は、全体として自動車を示すために使用される。
【0026】
全ての自動車と同様に、自動車1は、本体2、すなわち、フレームおよび車体を含む構造アセンブリと、本体2に結合された少なくとも1つの車輪3とを有する。
【0027】
本体2は、自動車1の車室を画定するか取り囲む。
【0028】
自動車1はまた、サスペンション4も備え、サスペンションを介して車輪3が本体2に結合される。
【0029】
公知のように、サスペンション4は、
図1に示すサスペンションアーム5を含む、車輪3に結合された複数のサスペンション要素を備える。
【0030】
車輪3は、自動車1の懸架されていない質量、すなわち、道路と直接接触して配置された本体を画定する。したがって、自動車1の走行中、車輪3は、それが接触している道路の特徴の関数として移動する。
【0031】
サスペンション要素が車輪3に結合されているため、車輪3の動きは、サスペンション要素に伝達される。換言すれば、サスペンション要素は、車輪3の動きの関数として移動する。
【0032】
詳細には、アーム5は、軸Hを中心として回転し、その結果、車輪3の動きは、アーム5の対応する回転を引き起こし得る。したがって、一般に、サスペンション要素は、車輪3に対して動きを有し得るが、これは一般に必要ではない。
【0033】
自動車1はまた、サスペンション4の一部であるショックアブソーバ装置またはショックアブソーバアセンブリ6を備える。ショックアブソーバ装置6は、サスペンション要素の1つに対して、特にアーム5に対して本体2を懸架するように構成されている。
【0034】
したがって、本体2は、懸架されていない質量に対してショックアブソーバ装置6によって懸架された質量を画定する。
【0035】
ショックアブソーバ装置6のおかげで、本体2は、同じショックアブソーバ装置6およびアーム5を介して車輪3に結合されている間に、車輪に対する動きを有し得る。
【0036】
ショックアブソーバ装置6は、本体2と車輪3との間の相対運動に反応して、車輪3と道路との接触によって車輪3に作用する力に対抗する力を及ぼし、その結果、前述した他の2つの力が重なり合い、好都合には、車輪3に作用する力と比較して弾性率が低下した力が、実際に本体2に伝達される。ショックアブソーバ装置6によって加えられる力は、好ましくは、車輪3と比較した本体2の相対運動を制動するようなものであり、例えば、車輪3と道路との間の衝撃の結果、または、例えば、自動車1がカーブを曲がるとき、または、自動車1の加速もしくは制動中に生じる自動車1の負荷の伝達の結果としてエネルギを散逸させる。このようにして、車輪3の動きは、中周波または高周波によって本体2に伝達されない。
【0037】
換言すれば、車輪3の動きは、部分的にのみ、または減衰して本体2に伝達される。
【0038】
ショックアブソーバ装置6は、ばね支持体7と、ばね8と、ショックアブソーバまたは減衰装置9とを備える。
【0039】
ばね8は、サスペンション要素の1つに対して、特にアーム5に対して本体2を懸架する。ダンパ9は、エネルギを散逸させる機能を果たす。
【0040】
ばね8は、例えば、金属ばね、特に螺旋ばね、または一般性を失うことなく流体ばねであってもよい。
【0041】
ばね8は、軸Kを有し、すなわち、軸Kに沿って軸方向に延在する。ばね8は、ばね支持体7および本体2にそれぞれ固定された2つの端部8a、8bの間で軸方向に延在する。特に、端部8aは、ばね支持体7に直接固定されている。端部8bは、
図1に示され、以下に詳述されるように、本体2に間接的に固定されてもよい。
【0042】
減衰装置9は、車輪3の動き、より正確には本体2に対する動きを少なくとも減衰させるように構成され、車輪3の動きに応答して減衰力を及ぼす。
【0043】
明らかに、減衰力は、特に古典的な力学、より具体的にはオイラー力学にしたがって、本体2または車輪3に及ぼされる相対力に対応する。
【0044】
以下からより明らかになるように、減衰装置9はまた、作動力を加えるために、すなわち、例えば本体2を車輪3から離すことによって、本体2に対する車輪3の動きを増幅または増加させるために、または本体2に対する車輪3の動きを生成または強制するために使用されてもよい。
【0045】
換言すれば、減衰装置9は、純粋にアクティブなショックアブソーバ装置の一部であってもよい。
【0046】
もちろん、作動力さえも、特に古典的な力学、より具体的にはオイラー力学にしたがって、本体2または車輪3に及ぼされる相対力に対応する。
【0047】
減衰装置9は、2つの端部11、12の間に軸方向に延在する外部ケーシング10を備え、その端部12は、サスペンション要素のうちの一方、具体的にはアーム5に、特に直接固定される。
【0048】
ケーシング10は、より具体的には、円筒状である。
【0049】
さらに、詳細には、ケーシング10は、軸Kの周りに、すなわち軸Kに沿って延在する。
【0050】
したがって、ばね8は、ケーシング10または減衰装置9と同軸である。より正確には、ばね8は、ケーシング10または減衰装置9の周りに配置される。
【0051】
ケーシング10の内部に、減衰装置9は、詳細には、図示されておらず、流体、特に液体、より具体的には油によって完全に満たされた内部シリンダを備える。
【0052】
さらに、減衰装置9は、シャフト13と、シャフト13の一方の中間部分においてシャフト13に固定された図示しないピストンとを備える。シャフト13は、軸Kに沿って配置され、軸Kの内側のケーシング10に対して軸に沿って摺動することができる。
【0053】
ピストンは、内部シリンダ内の流体と協働するように構成されている。したがって、シャフト13の軸方向移動は、ピストンと流体との間の相互作用に対応する。相互作用は、シャフト13の軸方向移動に対抗する減衰力を生成する。
【0054】
減衰装置9はまた、シャフト13の一端に固定された取付要素14を備える。取付要素14は、シャフト13と本体2との間に配置された部分を有し、特に図示しないねじ付き要素を使用して本体2に固定される。
【0055】
取付要素14は、シャフト13に固定されているため、シャフト13の軸方向移動は、取付要素14の軸方向移動、したがって本体2の軸方向移動に対応する。シャフト13は、ケーシング10に対して、したがってサスペンション要素またはアーム5に対して軸方向に移動する。したがって、本体2は、シャフト13の軸方向移動に応答してサスペンション要素またはアーム5に対して軸方向に移動する。
【0056】
ばね8の端部8bは、特に直接、取付要素14に固定される。ばね8は、ばね支持体7と取付要素14との間で軸Kに沿って延在する。したがって、端部8bは、取付要素14を介して本体2に間接的に固定される。
【0057】
シャフト13の軸方向移動に対応する取付要素14の軸方向移動は、結果として弾性的に反応するばね8の伸長または圧縮を伴う。
【0058】
ばね支持体7は、ケーシング10に対して固定される。より正確には、ばね支持体7は、端部11、12の間のケーシング10の一方の中間部分においてケーシング10に固定される。
【0059】
詳細には、ばね支持体7は、軸Kに沿って貫通孔を有する。ケーシング10は、軸Kに沿って貫通孔を介してばね支持体7を完全に横断する。換言すれば、ケーシング10は、貫通孔を通って軸Kに沿って延在する。
【0060】
自動車1が移動すると、車輪3の動きがアーム5に伝達される。アーム5の移動は、シャフト13とケーシング10との間の相対的な軸方向移動を引き起こす。後者の相対運動は、上述したように減衰力の生成を引き起こす。本体2は、特に本体2をシャフト13に間接的に固定する取付要素14を介して、シャフト13とともにしっかりと移動する。したがって、減衰力は、ショックアブソーバ装置6を介して結合されたアーム5と本体2との間の相対運動に対応する。
【0061】
ショックアブソーバ装置6はまた、電気モータ16、特にAC電気モータ、例えば非同期モータを備える。より正確には、電気モータ16に供給する交流電流は、三相電流であり、特に公称供給電圧は、36ボルトから52ボルトであり、より具体的には48ボルトに等しい。
【0062】
公知のように、電気モータ16は、発電機としても機能し得る。
【0063】
電気モータ16は、例えばモータとしての動作において、すなわち電流が供給されたときにトルクまたは力を出力するように構成されている。
【0064】
電気モータ16は、ケーシング10に対して固定された少なくとも1つのステータ部17を有する。
【0065】
ショックアブソーバ装置6は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力を使用して、減衰装置9によってまたはそれを介して加えられる力に変換するように、すなわち換言すれば、減衰装置9がモータによって提供されるトルクまたは力に関連するまたはそれに対応する力を生成するように減衰装置を駆動するように構成された変換または調整または駆動アセンブリ18を備える。
【0066】
減衰装置9を介して加えられる力は、特に軸力、すなわち軸Kに沿って向けられる力である。
【0067】
減衰装置9を介して加えられる力は、減衰力または作動力であってもよい。
【0068】
減衰力または作動力は、減衰装置9を介して本体2または車輪3に加えられる力に対応する。
【0069】
変換アセンブリ18は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力の関数として、またはそれに応答して、減衰力または駆動力を生成する。実際には、変換アセンブリ18は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力を使用して減衰装置9を制御し、その結果、減衰または作動力は、提供されるトルクまたは力に対応して発揮される。
【0070】
換言すれば、変換アセンブリ18は、供給されるトルクまたは力と減衰装置9によって加えられる力との間に、この場合には固有の関係を確立する。
【0071】
特に、変換アセンブリ18は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力を、シャフト13に加えられ、より具体的には、軸Kに沿って向けられた力に変換する。シャフト13上の後者の力は、減衰力、すなわちシャフト13の動きとは対照的に向けられた力、または作動力、すなわちシャフト13の動きと一致して向けられた力であり得る。
【0072】
実際には、変換アセンブリ18は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力をシャフト13に印加または伝達する。
【0073】
変換アセンブリ18は、いくつかは既に知られているが、実際には多くの方法で製造され得る。
【0074】
第1の例によれば、変換アセンブリ18は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力をシャフト13に機械的に伝達するように構成された変速機を備え、その結果、シャフト13は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力に応答して軸方向に移動する。例えば、変速機は、ねじナット機構またはウォームねじと螺旋輪との間の結合を有する機構など、電気モータ16によって出力された回転運動を並進運動に変換するための少なくとも1つの機構を含む。変速機は、シャフト13に並進運動を与え、その結果、シャフト13は、軸Kに沿って並進する。
【0075】
別の例によれば、変換アセンブリ18は、場合によっては適切な変速機によって、電気モータ16を使用して駆動される、1つまたは複数のサーボ弁および油圧機械、例えばポンプを備える。ポンプは、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力の少なくとも一部を使用してサーボ弁に液体を供給するように構成されている。サーボ弁は、電気モータ16を介して制御され、ポンプによって供給された液体をケーシング10内のピストンの上流および/または下流に分配するように構成されている。したがって、サーボ弁およびポンプは、ピストンの上流および/または下流においてケーシング10内の流体の圧力を変化させるように構成されたシステムを画定し、その結果、ピストンに作用する軸Kに沿った力が結果として変化する。このようにして、ピストンの上流および/または下流の圧力を調整することによって、変換アセンブリ18は、ピストンに作用し、その結果シャフト13に作用する力と一致する減衰力または作動力を加える。
【0076】
第3の例によれば、変換アセンブリ18は、ピストンに結合され、ケーシング10内の液体がサーボ弁を介して調整可能な流れにしたがってピストンを横断することを可能にするように構成された、1つまたは複数のサーボ弁を備える。サーボ弁は、電気モータ16を使用して調整することができる。特に、サーボ弁は、複数の開口部と、開口部の遮断を調整するための可動シャッタとを有する。電気モータ16は、電気モータ16によって提供され、適切な機械的伝達装置を介して可動シャッタに伝達されるトルクまたは力を介して可動シャッタを移動させるように構成され、したがって開口部が遮断される程度を調整する。開口部の遮断は、ピストンを通る液体の流れを決定する。液体の流れは、結果としてピストンに、したがってシャフト13に作用する減衰力を決定する。
【0077】
第4の例によれば、変換アセンブリ18は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力を本体2に直接伝達するように構成された機械的伝達装置を備える。換言すれば、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力が供給される機械的変速機は、サスペンション要素またはアーム5に対して本体2を移動させ、サスペンション要素またはアーム5に対する本体2の相対運動を引き起こす。この場合、変換アセンブリ18は、減衰装置9を間接的に制御するが、これは、減衰装置が、サスペンション要素またはアーム5に対する本体2の相対運動に、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力の関数としての減衰力によって応答するためである。
【0078】
同様に、第4の例と同様の第5の例によれば、第4の例の機械的伝達装置は、ばね支持体7、結果としてケーシング10を本体2に対して移動させるように構成されてもよい。ばね支持体7を移動させると、アーム5もまた、本体2に向かって移動する。
【0079】
明らかに、当業者は、例えば上述した例の全てまたは一部を組み合わせることによって、変換アセンブリ18の追加の例を導出することができる。組み合わせはまた、上述した各例の特徴を単に重ね合わせることによって行われてもよい。
【0080】
一般に、上記の説明から理解できるように、減衰力または作動力は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力の直接的な結果であり、したがって、提供されるトルクまたは力に依存する。
【0081】
作動力または減衰力は、この場合、軸Kにしたがって向けられる。
【0082】
電気モータ16を制御するために、ショックアブソーバ装置6は、特に複数のワイヤ21、22、23、26を介して電気モータ16に電気的に接続された制御ユニット20を備える。
【0083】
制御ユニット20は、ショックアブソーバ装置6と一体的に構成されている。
【0084】
ワイヤ21、22、23は、詳細には、電気モータ16に供給するのに適した電流の三相を表す。
【0085】
ワイヤ26は、他のワイヤ21、22、23とは独立して、フィードバック信号を伝達して、電気モータ16に供給する電流に応答して電気モータ16からの出力速度を閉ループで制御するためのワイヤを表し得る。
【0086】
特に、フィードバック信号は、検出され、電気モータ16からの出力速度を示す量に対応する。
【0087】
電気モータ16は、制御ユニット20によって発せられる電源信号を介して制御ユニット20によって制御され得る。
【0088】
詳細には、電源信号は、電気モータ16に供給する電流、すなわち、制御ユニット20によってワイヤ21、22、23を介して電気モータ16に向けられる電流である。
【0089】
電気モータ16によって提供されるトルクまたは力は、電気モータ16によって受信された電力供給信号の直接の結果である。換言すれば、送達されるトルクまたは力は、電源信号に対応するか、または電源信号の関数である。
【0090】
制御ユニット20は、例えば自動車1の一部である別の制御ユニットから到来して減衰力または作動力の目標値を示す制御信号の関数として電源信号を発するように構成されている。
【0091】
目標値は、例えば現在の瞬間に関連付けられた個々の値、または経時的に変化する、すなわち目標値の時間的な連続であってもよい。
【0092】
制御ユニット20は、例えば、詳細にはCAN 12Vネットワークの一部であるワイヤ27を介して制御信号を受信するように構成されている。
【0093】
詳細には、ワイヤ27は、自動車1の一方の制御ユニット20を他方の制御ユニットに接続する。
【0094】
さらに、制御ユニット20は、供給ワイヤ24、25を介して自動車1に電気的に接続される。供給ワイヤ24は、特に電源から到来するか、または電源、例えばバッテリまたはボルト発電機48に取り付けられる。ワイヤ25は、接地されたワイヤである。
【0095】
換言すれば、制御ユニット20は、電源電流を受け取るための電気接続部を備える。電源電流、特に直流は、特に、36ボルトから52ボルト、好ましくは48ボルトの電圧を有し得る。
【0096】
減衰力または作動力の目標値は、好ましくは、トランスデューサを介して取得され、使用中の自動車1の動きを特徴付けるパラメータを示す信号の関数として他の制御ユニットによって決定される。目標値が決定される実際の方法は、本発明の目的には無関係であり、それに加えて、公知であると見なされ得る。したがって、これらの方法は、詳細には記載されない。
【0097】
制御ユニット20は、内部ロジックを使用して制御信号を処理して、制御信号が記述されている目標値に対応する電源信号を決定し、その結果、放出する。
【0098】
したがって、換言すれば、制御ユニット20は、制御信号の関数として電源信号を提供するように構成され、その結果、提供される電源信号は、必要な減衰力または作動力の目標値に対応する。
【0099】
したがって、上述したものは、制御チェーン、特に開ループを画定し、その結果、目標値を示す制御信号は、電気モータ16が変換アセンブリ18によって目標値に対応する減衰力または作動力に変換されたトルクまたは力を提供するように、電源信号を決定および放出するために制御ユニット20によって使用される。
【0100】
換言すれば、制御ユニット20は、電気モータ16によって提供されるトルクまたは力が変換アセンブリ18を介して目標値に等しい減衰力または作動力を引き起こすように較正された電源信号を発するため、制御チェーンを介して、ショックアブソーバ装置6によって実際に及ぼされる減衰力または作動力は目標値に向かう傾向がある。理想的な状態では、減衰力または作動力は、実際には目標値に等しい。一方、電気モータ16および変換アセンブリ18の非理想的な挙動を考慮すると、減衰力または作動力は、必ずしもそうとは限らないが、目標値からの偏差を有し、好ましくは無視できる。
【0101】
あるいは、制御ユニット20は、電源信号を決定するために閉ループ内に制御ロジックを備えてもよい。換言すれば、制御ユニット20は、例えば特定のセンサを使用して測定されるか、またはセンサを使用して測定された1つまたは複数の量から開始して観察される、目標値と実際の減衰力または作動力との間の差の関数として電源信号を発する。例えば、電源信号は、差に比例するか、またはPID制御則にしたがって計算することができる。
【0102】
閉ループ制御ロジックの場合も、制御ユニット20は、電源信号が目標値に対応するか、または目標値と関係を有するように、制御信号の関数として電源信号を発する。この場合、目標値との関係は、差または誤差を形成するのに寄与する実際の減衰または作動力への依存性を含む。
【0103】
例えば、ショックアブソーバ装置6は、ケーシング10に対するシャフト13の位置を示す量を検出し、対応する電気信号を生成するように構成されたトランスデューサ、特に位置トランスデューサ、より具体的にはエンコーダを備える。
【0104】
位置トランスデューサは、例えばワイヤ26を介して制御ユニット20に電気的に接続される。したがって、検出された量は、具体的には、電気モータ16からの出力速度を示す。したがって、制御ユニット20は、検出された量に関連する電気信号を受信するように構成されている。
【0105】
例えば、減衰力または作動力は、例えば記憶された数学モデルを利用することによって、受信された電気信号から開始して制御ユニット20によって潜在的に観察され得る。数学的モデルは、減衰力をシャフト13の位置を変化させるダイナミクスに関連付ける。数学的モデルは、理論モデル、実験データ、またはその双方に基づくことができる。
【0106】
図3では、参照符号28によって識別されるワイヤは、追加の予防的接地ワイヤであり、これは、例えば、電気モータ16の絶縁の損失がある場合に有用である。
【0107】
制御ユニット20は、好ましくは、静止電力変換器、特に、直流または直流信号を交流または交流信号に変換して電気モータ16に供給するように構成されたインバータを備える。
【0108】
例えば、制御ユニット20は、目標値を示す制御信号の関数として追加の制御信号を決定するように構成された論理ブロックを備えることができる。追加の信号は、変換器を介して電源信号に変換されることを考慮して制御ユニット20によって決定される。
【0109】
したがって、追加の制御信号は、変換からの電力供給信号が、電気モータ16によって発せられた電力が変換装置18を介して目標値に等しい減衰力または作動力を引き起こすことを伴うように較正される。
【0110】
追加の制御信号は、一般性を失うことなく、目標値を示す制御信号と一致することさえできる。
【0111】
詳細には、制御ユニット20は、目標値を示す制御信号の関数として、変換器を介して電源信号の周波数を調整する。
【0112】
換言すれば、制御ユニット20は、目標値を電源信号の周波数にマッピングするマッピングを含む。したがって、このマッピングに基づいて制御ユニット20によって電源信号の周波数が調整される。
【0113】
マッピングは、例えば、ショックアブソーバ装置6またはダンパ9によって加えられる実際の減衰力または作動力を電源信号の周波数と関連付けることによって実験的に較正されてもよい。
【0114】
制御ユニット20は、ばね支持体7に対して固定位置においてばね支持体7に結合されている。
【0115】
特に、制御ユニット20とばね支持体7との間の結合は、締結要素、例えば複数のねじを使用して行われる。
【0116】
制御ユニット20は、好ましくは、ばね支持体7に直接固定される、すなわち、ばね支持体7と直接接触する。
【0117】
ばね支持体7は、具体的には、軸Kにしたがってばね8と制御ユニット20との間に配置される。
【0118】
さらに、
図4においてより良く分かるように、制御ユニット20は、特に制御ユニット20のロジックを規定するプリント回路基板31(頭字語PCBによって知られる)を備える。
【0119】
プリント回路基板31は、好ましくは、少なくとも3つの実質的に剛性部分32、33、34を備える。
【0120】
部分32、33、34のそれぞれは、軸Kに直交する対応する軸に対して横方向または直交して延在する。
【0121】
さらに、好都合には、プリント回路基板31は、部分32、33を部分34にそれぞれ接続する2つの可撓性部分35を備える。
【0122】
より具体的には、部分34は、直線方向A、特に横方向、より具体的には軸Kに直交する2つの対向する端部34a、34bを有する。部分34は、方向Aに直交し、軸Kに平行な追加の直線方向Bに応じて、別の2つの対向する端部34c、34dを有する。
【0123】
部分32、33は、それぞれ、可撓性部分35を介して端部34a、34bにおいて部分34に結合または接続される。
【0124】
部分32、33、34、35がそれらの異なる可撓性に応じて異なるにもかかわらず、プリント回路基板31は、好ましくは単一部品からなる。したがって、プリント回路基板31は、部分32、33、34、35の間で途切れることなく単一の本体である。
【0125】
部分32、33は、方向Aにしたがって部分34、33の間に空き容積を形成するように、部分32に対して横方向に配置されている。
【0126】
より正確には、部分32、33は、部分34に直交している。したがって、プリント回路基板31は、C字形またはU字形の構成を有する。この特定の構成は、制御ユニット20がばね支持体7内に、より正確にはばね支持体7の直径内に内接したままであることを可能にし、有利にはサスペンションの空間に適合する寸法を有する。
【0127】
換言すれば、部分32、33は、方向Aに沿って、互いに平行にまたは対向して配置されている。
【0128】
ケーシング10は、好ましくは、部分32、33の間の空き容積を横断する。すなわち、プリント回路基板31は、ケーシング10を内包している。
【0129】
制御ユニット20はまた、プリント回路基板31を収容するケーシング40を備える。
【0130】
ケーシング40は、プリント回路基板31に対応する形状を有する。
【0131】
より具体的には、ケーシング40は、軸Kのみに沿った挿入によってプリント回路基板31を受け入れるような形状の座部を画定するコーティング部41を備える。換言すれば、プリント回路基板31は、軸Kを横断する方向に沿って座部の内側に挿入することができない。
【0132】
さらに、ケーシング40は、例えばねじなどの締結要素を使用してコーティング部41に固定されるように構成されたカバーなどのマスク42を備え、座部の内側でプリント回路基板31を閉じる。すなわち、マスク42をコーティング部41に固定する際に、プリント回路基板31は、座部から引き抜かれることができない。
【0133】
マスク42は、横方向であり、より正確には軸Kに直交するプレートを備える。
【0134】
コーティング部41は、軸Kに応じて、マスク42とバネ支持体7との間に配置される。
【0135】
マスク42は、特に軸Kに平行な対応する軸を有する複数の貫通孔43を有する。孔43は、それぞれワイヤ:21、22、23、24、25、26、27、28によって横断される。
【0136】
ワイヤ23、24、25、26、27、28は、特に、プリント回路基板31に接続される接続部によって終端している。
【0137】
より具体的には、少なくとも1つ、一部または全部の接続部は、プリント回路基板31に直接固定された端子である。
【0138】
ケーシング40の内部において、プリント回路基板31は、ケーシング40内に収容された樹脂に浸漬または埋設されていることが好ましい。例えば、樹脂は、ポリマー性である。より正確には、樹脂は、エポキシ樹脂である。
【0139】
樹脂は、プリント回路基板31を完全に包囲する。換言すれば、樹脂は、プリント回路基板31の軸Kと直交する方向の両側に存在する。
【0140】
制御ユニット20はまた、好ましくは、電気モータ16によって自動車1に向かって、より正確には自動車1の他の制御ユニットに向かって向けられる電流の電圧を制限するように構成された電圧制限要素を備える。
【0141】
制御ユニット20は、同じ制御ユニット20が特にワイヤ24を介して電源電流も、特にワイヤ27を介して減衰力の目標値を示す制御信号も受信しないとき、電圧制限要素が電圧を制限するその機能を実行するように電圧制限要素を作動させるように構成されている。
【0142】
換言すれば、制御ユニット20は、供給電流または減衰力もしくは作動力の目標値を示す制御信号のいずれも受信しない場合に、電気モータ16から到来する入力電流の電圧を制限するように構成されている。例えば、これは、サスペンション4の動きがケーシング10とシャフト13との間の相対運動を生成し、したがって電気モータ16の伝導回転を生成するときに起こり、この場合は発電機として機能する。
【0143】
以上のことから、本発明にかかるショックアブソーバ装置6の利点は明らかである。
【0144】
ショックアブソーバ装置6は、非常にコンパクトであり、その結果、安全である。ばね支持体7の近くの制御ユニット20の位置は、電気モータ16を自動車1の他の制御ユニットに接続するための対応するワイヤと比較してワイヤ21、22、23を非常に短くすることを可能にする。これは、ワイヤ21、22、23の電気的絶縁を可能にし、短絡または誤動作のリスクを低減する。
【0145】
ワイヤ21、22、23は、比較的高い電圧が供給される電気モータ16の電源信号を搬送するように設計されているため、この態様は特に重要である。
【0146】
プリント回路基板31は、最適な形状を有する。特に、3つの部分32、33、34および可撓性部分35を有する構成は、部品の数が比較的多いにもかかわらず、プリント回路基板31をコンパクトなままにすることを可能にする。
【0147】
さらに、プリント回路基板31のC字形またはU字形の構成は、特に対流によるケーシング40と周囲の空気との間の熱交換、および特に好ましくは双方ともアルミニウム製である伝導によるケーシング40と他のケーシング10との間の熱交換による熱の分散を容易にする。
【0148】
プリント回路基板31が埋め込まれた樹脂は、ショックアブソーバ装置6が受ける大きな振動からプリント回路基板31を保護する。さらに、樹脂は、ケーシング40の内部の水および塵埃の侵入に対する効果的な障壁を構成する。
【0149】
最後に、本発明にかかるショックアブソーバ装置6およびその変形製品に変更が加えられることができ、いずれの場合でも、特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱しないことは明らかである。
【0150】
特に、説明および図示された構成要素の数および形状は異なっていてもよく、特に、大きな自由度をもって変更することができる。
【0151】
さらに、記載された各範囲は、複数の個別の代替値として解釈されなければならない。範囲内の個々の数値は、明示的に言及されていなくても、具体的に記載されていると見なされなければならない。
【0152】
最後に、ショックアブソーバ装置6はまた、サスペンション4に、より一般的には自動車1に属すると考えられ得る。
【外国語明細書】