(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163190
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20231102BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231102BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20231102BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H05K7/20 H
G09F9/00 304B
G09F9/00 346A
H05K1/02 F
H04N5/64 571Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073919
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】中川 浩二
(72)【発明者】
【氏名】浦 康一
(72)【発明者】
【氏名】中川 剛
(72)【発明者】
【氏名】世古 秀明
(72)【発明者】
【氏名】荒井 孝二
【テーマコード(参考)】
5E322
5E338
5G435
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB09
5E322EA11
5E322FA04
5E338AA01
5E338AA03
5E338BB75
5E338CC08
5E338EE02
5E338EE60
5G435AA07
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE32
5G435GG44
5G435LL04
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】放熱板が部品に圧力を加えることを抑制することができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、基板と、前記基板に接続される放熱板と、前記基板と前記放熱板との間に配置され、前記基板及び/又は前記放熱板からスペースを挟んで離れたスペーサ部材と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に接続される放熱板と、
前記基板と前記放熱板との間に配置され、前記基板及び/又は前記放熱板からスペースを挟んで離れたスペーサ部材と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記基板上に配置される部品
をさらに備え、
前記スペーサ部材は、前記部品の最大高さ以上の高さを有する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記基板上に配置される発熱部品と、
前記発熱部品上に配置される放熱媒体と、
を備え、
前記放熱板は、
第1の部分と、
前記第1の部分よりも前記基板に向かって突出する第2の部分と、
を備え、
前記スペーサ部材は、前記第1の部分と前記基板との間に配置され、前記発熱部品の厚さ、前記放熱媒体の厚さ及び前記第2の部分の前記基板に向かって突出する高さの合計より小さい高さを有する
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記放熱媒体は、放熱シートである
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記放熱板を前記基板に接続する接続部材
をさらに備える請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記接続部材は、支柱状の部材である
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記放熱板に孔が形成され、
前記接続部材は、
前記孔を貫通し第1の端部及び第2の端部を備える棒状部と、
前記第1の端部に接続され、前記基板に係止される係止部と、
前記第2の端部に接続され、前記棒状部の長さ方向から見て前記孔の形状より大きい形状を有する頭部と、
前記放熱板と前記頭部との間に圧縮された状態で配置されるバネと、
を備える
請求項5に記載の電子機器。
【請求項8】
前記スペーサ部材は、前記接続部材が配置される位置と同じ位置に配置される
請求項5に記載の電子機器。
【請求項9】
前記基板上に配置される部品
をさらに備え、
前記スペーサ部材は、前記接続部材が配置される位置と前記部品が配置される位置との間の位置に配置される
請求項5に記載の電子機器。
【請求項10】
前記放熱板は、第1の放熱板であり、
前記基板を挟んで前記第1の放熱板と対向する第2の放熱板と、
前記第1の放熱板及び前記第2の放熱板を前記基板に接続し、前記第1の放熱板から前記第2の放熱板まで連続する支柱状の部材である接続部材と、
をさらに備える
請求項1又は2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、放熱装置を開示する。当該放熱装置においては、基板上に部品及び放熱板が設けられる。部品と放熱板との間には、放熱ブロックが配置される。基板と放熱板との間には、インサートナットが配置される。インサートナットは、基板及び放熱板に接触する(段落0030-0032,0034及び0039並びに
図4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された放熱装置においては、部品、放熱ブロック等の部材の大きさの製造時のばらつき、当該大きさの経時変化、当該大きさの熱膨張又は熱収縮による変化等により、放熱板が部品に接近して部品に圧力を加える可能性がある。
【0005】
本開示は、この問題に鑑みてなされた。本開示の一態様は、例えば、放熱板が部品に圧力を加えることを抑制することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の電子機器は、基板と、前記基板に接続される放熱板と、前記基板と前記放熱板との間に配置され、前記基板及び/又は前記放熱板からスペースを挟んで離れたスペーサ部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の表示装置を模式的に図示する斜視図である。
【
図2】第1実施形態の表示装置に備えられえる信号処理基板を模式的に図示する背面図である。
【
図3】第1実施形態の表示装置に備えられる信号処理基板を模式的に図示する断面図である。
【
図4】第1実施形態の表示装置に備えられる信号処理基板を模式的に図示する拡大断面図である。
【
図5】第2実施形態の表示装置に備えられる信号処理基板を模式的に図示する断面図である。
【
図6】第3実施形態の表示装置に備えられる信号処理基板を模式的に図示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
1 第1実施形態
1.1 表示装置
図1は、第1実施形態の表示装置を模式的に図示する斜視図である。
【0010】
図1に図示される表示装置1は、テレビ受像機である。このため、表示装置1は、放送波を受信し、受信した放送波に応じた映像を表示する。また、表示装置1は、レコーダ、チューナ、ゲーム機等の外部機器から入力された映像信号に応じた映像を表示する。
【0011】
図1に図示されるように、表示装置1は、筐体11、表示パネル12及び信号処理基板13を備える。
【0012】
筐体11は、開口11Aを有する。
【0013】
表示パネル12は、表示面12Aを有する。表示パネル12は、入力された映像信号に応じた映像を表示面12Aに表示する。表示パネル12は、筐体11に内蔵される。表示面12Aは、開口11Aに露出する。表示パネル12は、液晶表示パネル、有機発光ダイオード(OLED)表示パネル、量子ドット発光ダイオード(QLED)表示パネル等である。
【0014】
信号処理基板13は、映像信号を処理し、処理した映像信号を表示パネル12に入力する。信号処理基板13は、筐体11に内蔵され、表示パネル12の背面側に配置される。表示装置1が、信号処理基板13以外の電子回路基板を備えてもよい。例えば、表示装置1が、タイミングコントローラ基板、電源基板、インバータ基板等を備えてもよい。
【0015】
タイミングコントローラ基板は、例えば、映像信号を表示装置1に表示する際の表示タイミングを制御する基板である。電源基板は、例えば、電源部のON/OFFを制御したり、交流電源を直流電源に変換したり、電圧レベルを制御したりする基板である。インバータ基板は、直流電源から、表示装置1を制御するための交流信号や当該交流信号の電圧、周波数等を制御する基板である。
【0016】
電子回路基板は、熱を発し、発した熱により正常に動作しなくなる可能性がある。特に、高速信号処理を扱う信号処理基板、タイミングコントローラ基板等の電子回路基板は、大きな熱を発し、発した大きな熱により正常に動作しなくなる可能性が高い。このため、電子回路基板においては、熱を発する部品に放熱部材が設置される。
【0017】
1.2 信号処理基板
図2は、第1実施形態の表示装置に備えられえる信号処理基板を模式的に図示する背面図である。
図3は、第1実施形態の表示装置に備えられる信号処理基板を模式的に図示する断面図である。
【0018】
図2及び
図3に図示されるように、信号処理基板13は、基板21、発熱部品22、複数の部品23、放熱媒体24、放熱板25、複数の接続部材26及び複数のスペーサ部材27を備える。
【0019】
基板21は、発熱部品22及び部品23を支持し、発熱部品22及び部品23を電気的に接続して映像信号を処理する信号処理回路を構成する。基板21は、プリント回路基板(PCB)である。基板21は、絶縁体基板及び配線パターンを備える。配線パターンは、絶縁体基板の主面上又は絶縁体基板の内部に配置される。配線パターンは、発熱部品22及び部品23に備えられる端子に接続され、発熱部品22及び部品23を電気的に接続する。
【0020】
発熱部品22は、大きな熱を発する電子部品である。発熱部品22は、基板21上に配置される。発熱部品22は、矩形板状の形状を有する。発熱部品22は、基板21の広がり方向について、放熱板25の中心が配置される位置と同じ位置に配置される。発熱部品22は、平坦な上面22Aを有する。発熱部品22は、映像信号を処理する集積回路(IC)チップ等である。
【0021】
部品23は、IC、トランジスタ、ダイオード、抵抗、キャパシタ、インダクタ、水晶発振子等の電子部品である。部品23は、基板21上に配置される。
【0022】
放熱媒体24は、発熱部品22により発せられた熱を放熱板25まで伝える。放熱媒体24は、発熱部品22上に配置され、発熱部品22に直接的に接触する。放熱媒体24は、シート状の形状を有する放熱シートである。放熱媒体24が、放熱シート以外の放熱媒体であってもよい。例えば、放熱媒体24が、放熱グリス層、放熱ブロック等であってもよい。
【0023】
放熱板25は、放熱媒体24により伝えられてきた熱を周辺の空気へ放つ。放熱板25は、放熱媒体24上に配置され、放熱媒体24に直接的に接触し、放熱媒体24に向かって押し付けられる。発熱部品22及び放熱板25は、放熱媒体24を挟む。
【0024】
放熱板25は、基板21に接続される。放熱板25は、矩形状の平面形状を有する。放熱板25の基板21への接続は、放熱板25の四隅を基板21に接続することにより行われる。
【0025】
放熱板25は、放熱板25の全体が基板21に近づく方向D1及び放熱板25の全体が基板21から遠ざかる方向D2に可動である。これにより、発熱部品22及び放熱媒体24の厚さの製造時のばらつき、当該厚さの経時変化、当該厚さの熱膨張又は熱収縮による変化等が存在しても、放熱板25を放熱媒体24に直接的に接触させることができる。これにより、発熱部品22により発せられる大きな熱を確実に周辺の空気に放つことができる。この利点は、発熱部品22が映像信号を処理するICチップ等の大きな熱を発する電子部品である場合に特に顕著になる。また、この利点は、放熱媒体24が放熱シート、放熱グリス層等の小さな厚さしか有しない放熱媒体である場合に特に顕著になる。
【0026】
放熱板25は、放熱板25の中心が配置される位置と異なる位置に発熱部品22が配置された場合に、放熱板25の一方の側が基板21に近づき放熱板25の他方の側が基板21から遠ざかる方向D3又はD4に傾く可能性がある。
【0027】
接続部材26は、放熱板25を基板21に接続する。接続部材26は、支柱状の部材である。接続部材26は、放熱板25を基板21に固定する固定用リベット等である。当該固定用リベットは、プッシュピン、マウンタ等とも呼ばれる。
【0028】
複数の部品23は、放熱板25が方向D3又はD4に大きく傾いた場合等に接触する可能性がある部品31を含む。複数の接続部材26は、当該部品31の付近に配置される複数の第1の接続部材41及び当該部品31の付近に配置されない複数の第2の接続部材42を含む。
【0029】
スペーサ部材27は、上述した信号処理回路を構成しない。スペーサ部材27は、基板21と放熱板25との間に配置される。スペーサ部材27は、基板21と放熱板25との間の空間距離がスペーサ部材27の高さより小さくなることを規制し、当該空間距離をスペーサ部材27の高さ以上にする。スペーサ部材27は、複数の部品23の最大高さ以上の高さを有する。これにより、放熱板25が、複数の部品23に含まれる、最大高さDを有する部品32に接触して当該部品32に圧力を加えることを抑制することができる。
【0030】
スペーサ部材27は、第1の接続部材41の付近に配置される。これにより、放熱板25が部品31に接触することを抑制することができる。しかし、第2の接続部材42の付近には、スペーサ部材が配置されない。これにより、放熱板25が部品23に接触することを抑制することに役立たないスペーサ部材を設けることを回避することができる。これにより、信号処理基板13のコストを抑制することができる。
【0031】
スペーサ部材27は、基板21の広がり方向について、第1の接続部材41が配置される位置と同じ位置に配置される。
【0032】
スペーサ部材27は、基板21及び/又は放熱板25からスペース61を挟んで離れている。このため、スペーサ部材27の下端と基板21の間及び/又はスペーサ部材27の上端と放熱板25との間には、スペース61が形成される。これにより、発熱部品22及び放熱媒体24の厚さの製造時のばらつき、当該厚さの経時変化、当該厚さの熱膨張又は熱収縮による変化等が形成されたスペース61により吸収される。これにより、放熱板25を放熱媒体24に直接的に接触させるために放熱板25を放熱媒体24に近づけることがスペーサ部材27により阻害されることを抑制することができる。
【0033】
スペーサ部材27は、管状の形状を有する。このため、スペーサ部材27には、管内空間27Eが形成される。スペーサ部材27の長さ方向は、基板21の厚さ方向と平行をなす。
【0034】
接触する可能性がある部品31、最大高さを有する部品32等の部品23に放熱板25が接触することを抑制することができる効果は、筐体11を薄くした場合に顕著に現れる。なぜならば、筐体11を薄くした場合は、筐体11と信号処理基板13との空間距離が小さくなることにより、放熱板25と部品23との距離が小さくなり、放熱板25が部品23に接触して部品23に圧力を加えたり、放熱板25が部品23に接触して部品23を破壊したりする可能性が、筐体11を薄くしなかった場合と比較して高くなるからである。そして、本実施形態においては、スペーサ部材27及びスペース61により、発熱部品22及び放熱媒体24の厚さの製造時のばらつき、当該厚さの経時変化、当該厚さの熱膨張又は熱収縮による変化等が存在しても、放熱板25が部品23に接触して部品23に圧力を加えたり、放熱板25が部品23に接触して部品23を破壊したりする可能性を低くすることができる。この点は、タイミングコントローラ基板、電源基板、インバータ基板等の信号処理基板13以外の電子回路基板が上述した基板21、発熱部品22、部品23、放熱媒体24、放熱板25、接続部材26及びスペーサ部材27を備える構造と同様の構造を備え、筐体11と当該電子回路基板との空間距離が小さくなった場合も同様である。
【0035】
1.3 放熱板
図2及び
図3に図示されるように、放熱板25は、ベース71及びフィン72を備える。
【0036】
ベース71は、板状の形状を有する。このため、ベース71は、第1の主面71A及び第2の主面71Bを有する。第2の主面71Bは、第1の主面71Aがある側と反対の側にある。第1の主面71Aは、放熱媒体24に接触する。第2の主面71Bには、フィン72が接続される。
【0037】
ベース71は、放熱媒体24により伝えられてきた熱を受け、受けた熱をベース71の広がり方向に広げながらベース71の厚さ方向に伝える。ベース71は、受けた熱を第1の主面71Aから第2の主面71Bまで伝える。フィン72は、第2の主面71Bまで伝えられてきた熱を受け、受けた熱を周辺の空気に放つ。
【0038】
図2及び
図3に図示されるように、ベース71は、第1の部分81及び第2の部分82を備える。
【0039】
第1の部分81は、接続部材26により基板21に接続される。第1の部分81は、ベース71の周辺部にある。
【0040】
第2の部分82は、放熱媒体24に接触させられ、放熱媒体24により伝えられてきた熱を受ける。第2の部分82は、ベース71の中心部にあり、第1の部分81に囲まれる。第2の部分82は、第1の部分81よりも基板21に向かって突出する。これにより、第2の部分82を放熱媒体24に接触させることが第1の部分81により阻害されることを抑制することができる。
【0041】
スペーサ部材27は、第1の部分81と基板21との間に配置される。
【0042】
スペーサ部材27は、発熱部品22の厚さA、放熱媒体24の厚さB及び第2の部分82の基板21に向かって突出する高さCの合計より小さい高さを有する。これにより、各スペーサ部材27と基板21及び/又は放熱板25との間にスペース61を形成することができる。
【0043】
1.4 接続部材
基板21には、第1の孔21Aが形成される。放熱板25には、第2の孔25Aが形成される。
【0044】
図3に図示されるように、各接続部材26は、棒状部91、係止部92、頭部93及びバネ94を備える。棒状部91、係止部92及び頭部93は、一体の樹脂部材を構成する。
【0045】
棒状部91は、放熱板25の第2の孔25Aを貫通する。棒状部91は、棒状部91の長さ方向から見て、第2の孔25Aの形状に適合する形状を有し、第2の孔25Aの径に適合する径を有する。これにより、棒状部91は、放熱板25が棒状部91の長さ方向に動くことを規制せず、放熱板25が棒状部91の長さ方向と垂直をなす方向に移動することを規制する。これにより、棒状部91は、放熱板25が動く場合に、放熱板25を棒状部91の長さ方向に案内する。これにより、放熱板25を、上述した方向D1及びD2に可動にすることができる。棒状部91は、直棒状の形状を有する。
【0046】
棒状部91は、第1の端部101及び第2の端部102を備える。第1の端部101は、基板21の側にある。第2の端部102は、放熱板25の側にある。棒状部91は、第1の端部101から第2の端部102まで連続する。第2の孔25Aの内周面及び棒状部91の外周面には、ねじ溝は形成されない。このため、放熱板25は、棒状部91に対して摺動する。
【0047】
棒状部91は、スペーサ部材27の管内空間27Eに通される。これにより、スペーサ部材27は、接続部材26が配置される位置と同じ位置に配置され、棒状部91に対して摺動する。
【0048】
係止部92は、第1の端部101に接続される。係止部92は、基板21の第1の孔21Aを貫通して基板21に係止される。
【0049】
頭部93は、第2の端部102に接続される。頭部93は、棒状部91の長さ方向から見て、放熱板25の第2の孔25Aの形状より大きい形状を有し、第2の孔25Aの径より大きい径を有する。これにより、頭部93は、放熱板25が頭部93を越えて移動することを規制する。これにより、棒状部91が第2の孔25Aから抜けることを抑制することができる。
【0050】
バネ94は、放熱板25と頭部93との間に圧縮された状態で配置される。これにより、バネ94は、放熱板25を基板21に向かって押し、放熱板25を放熱媒体24に密着させる。これにより、発熱部品22及び放熱媒体24の厚さの製造時のばらつき、当該厚さの経時変化、当該厚さの熱膨張又は熱収縮による変化等が存在しても、放熱板25を放熱媒体24に押し付けることができる。バネ94は、圧縮コイルバネである。棒状部91は、バネ94の内側に通される。これにより、バネ94が放熱板25と頭部93との間から逸脱することを抑制することができる。バネ94は、棒状部91の長さ方向に圧縮されている。
【0051】
図4は、第1実施形態の表示装置に備えられる信号処理基板を模式的に図示する拡大断面図である。
【0052】
図4に図示される接続部材26は、放熱板25を基板21に固定する固定用リベットである。
【0053】
固定用リベットにおいては、係止部92が、複数の弾性片131を備える。複数の弾性片131は、棒状部91の長さ方向と垂直をなす方向に互いに分割される。このため、複数の弾性片131の間には、間隙が存在する。各弾性片131は、棒状部91の長さ方向と垂直をなす方向に弾性変形させることができる。これらにより、係止部92は、係止部92の径が小さくなるように弾性変形させることができる。第1の端部101は、棒状部91の長さ方向から見て、基板21の第1の孔21Aの形状より大きな形状を有し、第1の孔21Aの径より大きな径を有する。これらにより、接続部材26を基板21に接続する際に、係止部92の径が小さくなるように係止部92を弾性変形させて係止部92に第1の孔21Aを通過させ、第1の端部101を基板21に当てることができる。また、係止部92に第1の孔21Aを通過させた後に係止部92の径が元に戻り、係止部92が第1の孔21Aを逆方向に通過することを抑制することができる。これにより、係止部92を基板21に係止することができる。
【0054】
1.5 変形例
信号処理基板13以外の電子回路基板が、上述した基板21、発熱部品22、部品23、放熱媒体24、放熱板25、接続部材26及びスペーサ部材27を備える構造と同様の構造を備えてもよい。例えば、タイミングコントローラ基板、電源基板、インバータ基板等が、当該構造を備えてもよい。テレビ受像機以外の電子機器に備えられる電子回路基板が、当該構造を備えてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ用のディスプレイ、デジタルサイネージ用のディスプレイ等の表示装置に備えられる電子回路基板が、当該構造を備えてもよいし、表示装置以外の電子機器が、当該構造を備えてもよい。
【0055】
2 第2実施形態
以下では、第2実施形態が第1実施形態と相違する点が説明される。説明されない点については、第1実施形態において採用される構成と同様の構成が第2実施形態においても採用される。
【0056】
図5は、第2実施形態の表示装置に備えられる信号処理基板を模式的に図示する断面図である。
【0057】
第1実施形態においては、上述したように、スペーサ部材27が、第1の接続部材41が配置される位置と同じ位置に配置される。
【0058】
これに対して、第2実施形態においては、スペーサ部材27が、接続部材26が配置される位置と異なる位置に配置される。例えば、スペーサ部材27が、放熱板25の中心が配置される位置の付近に配置され、複数の接続部材26から略等距離にある範囲内の位置に配置される。又は、接続部材26から最大高さを有する部品32までの距離が遠い場合は、
図5に図示されるように、スペーサ部材27が、接続部材26が配置される位置と当該部品32が配置される位置との間に配置される。これらにより、放熱板25がたわんで放熱板25の中心部が当該部品32に接触することを抑制することができる。
【0059】
3 第3実施形態
以下では、第3実施形態が第1実施形態と相違する点が説明される。説明されない点については、第1実施形態において採用される構成と同様の構成が第3実施形態においても採用される。
【0060】
第1実施形態においては、上述したように、信号処理基板13が、基板21、発熱部品22、複数の部品23、放熱媒体24、放熱板25、複数の接続部材26及び複数のスペーサ部材27を備える。
【0061】
これに対して、第2実施形態においては、信号処理基板13が、基板21、発熱部品22、複数の部品23、放熱媒体24、放熱板25、複数の接続部材26及び複数のスペーサ部材27を備え、放熱媒体151、放熱板152及び複数のスペーサ部材153をさらに備える。
【0062】
発熱部品22、複数の部品23、放熱媒体24、放熱板25及びスペーサ部材27は、基板21の第1の主面21B上に配置される。放熱媒体151、放熱板152及びスペーサ部材153は、基板21の第2の主面21C上に配置される。このため、第2の放熱板となる放熱板152は、基板21を挟んで第1の放熱板となる放熱板25と対向する。
【0063】
放熱媒体151は、発熱部品22により発せられ基板21により伝えられてきた熱を放熱板152まで伝える。放熱媒体151は、基板21を挟んで発熱部品22の下面22B上に配置され、基板21を介して下面22Bに接触する。放熱媒体24は、放熱シートである。放熱媒体24が、放熱シート以外の放熱媒体であってもよい。例えば、放熱媒体24が、放熱グリス層、放熱ブロック等であってもよい。
【0064】
放熱板152は、放熱媒体151により伝えられてきた熱を周辺の空気へ放つ。放熱板152は、放熱媒体151上に配置され、放熱媒体151に直接的に接触する。信号処理基板13が放熱媒体24及び放熱板25に加えて放熱媒体151及び放熱板152を備えることにより、発熱部品22により発せられた熱を効率的に周辺の空気に放つことができる。
【0065】
接続部材26は、放熱板25及び放熱板152を基板21に接続する。接続部材26は、放熱板25から放熱板152まで連続する支柱状の部材である。
【0066】
スペーサ部材153は、基板21と放熱板152との間の空間距離がスペーサ部材153の高さより小さくなることを規制し、当該空間距離をスペーサ部材153の高さ以上にする。ただし、スペーサ部材153は、基板21及び放熱板152から離れておらず、基板21及び放熱板152に接触する。スペーサ部材153が、基板21又は放熱板152からスペースを挟んで離れていてもよい。
【0067】
棒状部91は、基板21の第1の孔21A及び放熱板25の第2の孔25Aを貫通する。棒状部91は、スペーサ部材153の管内空間153Eに通される。これにより、スペーサ部材153は、接続部材26が配置される位置と同じ位置に配置される。
【0068】
係止部92は、放熱板152の第3の孔152Aを貫通して放熱板152に係止される。
【0069】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 表示装置、11 筐体、11A 開口、12 表示パネル、12A 表示面、13 信号処理基板、21 基板、21A 第1の孔、21B 第1の主面、21C 第2の主面、22 発熱部品、22A 上面、22B 下面、23 部品、24 放熱媒体、25 放熱板、25A 第2の孔、26 接続部材、27 スペーサ部材、27E 管内空間、D1 方向、D2 方向、D3 方向、D4 方向、31 接触する可能性がある部品、32 最大高さを有する部品、41 第1の接続部材、42 第2の接続部材、61 スペース、71 ベース、71A 第1の主面、71B 第2の主面、72 フィン、81 第1の部分、82 第2の部分、91 棒状部、92 係止部、93 頭部、94 バネ、101 第1の端部、102 第2の端部、131 弾性片、141 根元部、142 折り返し部、143 先端部、151 放熱媒体、152 放熱板、152A 第3の孔、153 スペーサ部材、153E 管内空間。