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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163204
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】空気除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073942
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅基
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH19
(57)【要約】
【課題】 除菌効率を高めることが可能な空気除菌装置を提供する。
【解決手段】 空気が吸い込まれる吸気口23、吸気口23から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室25、及び除菌室25で除菌された空気が排出される排気口24が設けられた筐体20と、除菌室25の中に紫外線を照射する紫外線照射部Uとを備え、紫外線照射部Uは、紫外線を照射する光源50と、光源50が配設される光源基板40とで構成され、除菌室25の中に紫外線を反射可能な反射部材28が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が吸い込まれる吸気口、前記吸気口から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室、及び前記除菌室で除菌された空気が排出される排気口が設けられた筐体と、
前記除菌室の中に紫外線を照射する紫外線照射部とを備え、
前記紫外線照射部は、前記紫外線を照射する光源と、前記光源が配設される基板とで構成され、
前記除菌室の中に前記紫外線を反射可能な反射部材が設けられていることを特徴とする空気除菌装置。
【請求項2】
前記反射部材は、前記空気が通過可能な空間部を有する第1の反射部と、前記第1の反射部を覆うように設けられる第2の反射部とを備え、
前記空間部側となる前記第1、第2の反射部の内壁部には前記紫外線の反射効率を高めるための高反射部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の空気除菌装置。
【請求項3】
前記第1の反射部は、第1の方向に延在する第1基部と、前記第1基部の両端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた一対の折曲部とを有し、
前記一対の折曲部のうち少なくとも一方に前記基板が載置されていることを特徴とする請求項2記載の空気除菌装置。
【請求項4】
前記第1の反射部は、第1の方向に延在する第1基部と、前記第1基部の一端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた第1の折曲部とを有し、
前記第2の反射部は、前記第1基部と対向するように前記第1の方向に延在する第2基部と、前記第1の折曲部と対向するように前記第2基部の一端側から折り曲げられた第2の折曲部とを有し、
前記第1、第2の折曲部のうち少なくとも一方に前記基板が載置されていることを特徴とする請求項2記載の空気除菌装置。
【請求項5】
前記第1の反射部及び/または前記第2の反射部は、前記紫外線の照射時に前記光源から発せられる熱を放熱する機能を有していることを特徴とする請求項3または請求項4記載の空気除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の空気除菌装置にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の空気除菌装置は、空気が吸い込まれる吸気口、吸気口から吸い込まれた空気を除菌するためのダクト(除菌室)、及びダクトで除菌された空気が排出される排気口が設けられた金属筐体と、紫外線を照射する紫外線ランプとを備える。この場合、紫外線ランプはダクトの内部中心に立った状態で配置され、ダクトの内部に導風板、及び仕切板を設けて、空気を紫外線ランプの周りで移動させて、空気の除菌を行っているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-62320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の空気除菌装置ように、紫外線ランプの周りに設けられた上記導風板及び仕切板による空気の案内では、空気を円滑に移動させることができないことが考えられる。また、紫外線ランプの長さ方向に、当該紫外線ランプの周囲を回りながら空気を移動させる構成では、紫外線の照射により除菌できる空気の量は比較的少量であり、除菌効率の低下を招くという問題がある。
本発明は、前述の課題に対して対処するため、除菌効率を高めることが可能な空気除菌装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、空気が吸い込まれる吸気口、前記吸気口から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室、及び前記除菌室で除菌された空気が排出される排気口が設けられた筐体と、前記除菌室の中に紫外線を照射する紫外線照射部とを備え、前記紫外線照射部は、前記紫外線を照射する光源と、前記光源が配設される基板とで構成され、前記除菌室の中に前記紫外線を反射可能な反射部材が設けられていることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、前記反射部材は、前記空気が通過可能な空間部を有する第1の反射部と、前記第1の反射部を覆うように設けられる第2の反射部とを備え、前記空間部側となる前記第1、第2の反射部の内壁部には前記紫外線の反射効率を高めるための高反射部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記第1の反射部は、第1の方向に延在する第1基部と、前記第1基部の両端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた一対の折曲部とを有し、前記一対の折曲部のうち少なくとも一方に前記基板が載置されていることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記第1の反射部は、第1の方向に延在する第1基部と、前記第1基部の一端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた第1の折曲部とを有し、前記第2の反射部は、前記第1基部と対向するように前記第1の方向に延在する第2基部と、前記第1の折曲部と対向するように前記第2基部の一端側から折り曲げられた第2の折曲部とを有し、前記第1、第2の折曲部のうち少なくとも一方に前記基板が載置されていることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記第1の反射部及び/または前記第2の反射部は、前記紫外線の照射時に前記光源から発せられる熱を放熱する機能を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所期の目的を達成でき、除菌効率を高めることが可能な空気除菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による空気除菌装置の正面図。
図2】同実施形態による空気除菌装置の分解斜視図。
図3図1のA-A断面図。
図4】同実施形態による基板と反射部材とを示す要部拡大断面図。
図5】同実施形態の第1変形例による基板と反射部材とを示す要部拡大断面図。
図6】同実施形態の第2変形例による基板と反射部材とを示す要部拡大断面図。
図7】同実施形態の第3変形例による基板と反射部材とを示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
空気除菌装置Sは、図1図2に示すように、外装カバー10と、筐体20と、ファン30と、基板としての光源基板40と、光源50と、第1紫外線漏れ抑制部60と、第2紫外線漏れ抑制部70と、空気誘導部80とを備える。
【0014】
外装カバー10は、筐体20を覆う外装ケースであり、略直方体形状に形成されている。具体的には、外装カバー10は、図1の上下方向に沿う高さが幅よりも長く、且つ、奥行きが幅よりも短い直方体形状に形成されている。図1及び図2に、高さ方向をDh、幅方向をDw、奥行き方向をDdで示した。以下で用いる「高さ方向」、「幅方向」、「奥行き方向」という用語は、図1及び図2に示す各方向に対応するものとする。また、空気除菌装置Sを構成する各部の位置を説明する際に用いる「上」、「下」という用語は、図1における上下に対応する。つまり、前述の高さ方向は、空気除菌装置Sの上下方向に相当する。
【0015】
外装カバー10は、奥行き方向において対をなす裏側外装カバー11及び表側外装カバー12を備える。表側外装カバー12の下部には筐体20に備えられる後述する吸気口に対応してカバー側吸気口12aが設けられ、表側外装カバー12の上部には筐体20に備えられる後述する排気口に対応してカバー側排気口12bが設けられる(図3参照)。
【0016】
カバー側吸気口12aには、指等がファン30に挿入されることを防止するための網目状のガード部材F1と、粉塵の侵入を防止するためのフィルターF2とが設けられている。フィルターF2はガード部材F1とファン30との間に設けられる。カバー側排気口12bには、排出される空気を整流するためのルーバーF3が設けられている。なお、図3に示す断面図においては、ガード部材F1、フィルターF2及びルーバーF3の図示は省略してある。以下では、空気除菌装置Sにおける表側外装カバー12の側を表側と言い、その反対であって、空気除菌装置Sにおける裏側外装カバー11の側を裏側と言う。前述の奥行き方向は、空気除菌装置Sの表裏方向に相当する。つまり、ここでの表側外装カバー12は、裏側外装カバー11を表側から覆う。
【0017】
筐体20は、外装カバー10と同様に略直方体形状に形成されている。具体的には、筐体20は、図2の上下方向に沿う高さが幅よりも長く、且つ、奥行きが幅よりも短い直方体形状に形成されている。
【0018】
筐体20は、奥行き方向において互いに対向する第1板部21及び第2板部22を備える。筐体20は、図2に示す裏側筐体20a及び表側筐体20bの組み合わせにより構成される。第1板部21は裏側に位置する裏側筐体20aの一部であり、第2板部22は表側に位置する表側筐体20bの一部である。つまり、ここでの表側筐体20bは、裏側筐体20aを表側から覆うように構成される。
【0019】
裏側筐体20aは、図2に示すように、その表側が開口した箱状をなす。裏側筐体20aは、矩形状の第1板部21と、第1板部21の外縁から表側に向かう部分として、第1側板21a、第2側板21b、上板21c及び下板21dと、を備える。第1側板21a及び第2側板21bは幅方向において互いに対向し、上板21c及び下板21dは上下方向において互いに対向する。
【0020】
表側筐体20bは、矩形状の第2板部22と、第2板部22の外縁から裏側に向かう部分として、第1側板22a、第2側板22b及び天板22cと、を備える。第1側板22a及び第2側板22bは幅方向において互いに対向し、裏側筐体20aに表側筐体20bが取り付けられた状態では、裏側筐体20aの第1側板21a及び第2側板21bを覆う。天板22cは、裏側筐体20aに表側筐体20bが取り付けられた状態では、裏側筐体20aの上板21cを覆う。
【0021】
図3に示すように、筐体20には、吸気口23、排気口24、除菌室25、第1収容室26、第2収容室27及び反射部材28が設けられる。具体的に、吸気口23及び排気口24は、第2板部22に形成されている。また、除菌室25、第1収容室26及び第2収容室27は、第1板部21と第2板部22との間に形成され、反射部材28は除菌室25内に設けられる。
【0022】
吸気口23は、ファン30の動作によって外気(筐体20の外部の空気)が吸い込まれる部分である。吸気口23は、カバー側吸気口12aに対応するように筐体20の下部に設けられ、本実施形態では2つ設けられるファン30に対応して2つ設けられている。具体的に、吸気口23は、筐体20の第2板部22に形成された円状の孔である。
【0023】
排気口24は、吸気口23から吸い込まれ、除菌室25で除菌された空気が排出される部分である。排気口24は、カバー側排気口12bに対応するように筐体20の上部に設けられている。具体的に、排気口24は、筐体20の第2板部22に形成された矩形状の孔である。
【0024】
除菌室25は、図3に示すように筐体20の内部に設けられ、吸気口23から吸い込まれた空気が通過し、通過する空気を除菌するため部分である。除菌室25の中に光源50が実装(配設)された光源基板40が設けられる。なお、ここでは光源基板40と光源50とで、除菌室25の中に紫外線を照射する紫外線照射部Uが構成される。除菌室25の中に紫外線が照射されることにより除菌室25を通過する空気が除菌される。
【0025】
除菌室25は、反射部材28によって囲まれる部位である。この場合、反射部材28は、分割形成された第1の反射部28a及び第2の反射部28bと、各反射部28a、28bに形成された高反射部28cとによって構成される。より具体的に言うと、ここでの除菌室25は、筐体20の内部であって、組み合わされて四角筒状になる第1の反射部28a及び第2の反射部28bによって囲まれた部分(高反射部28cの内部に存在する内部空間部分)である。
【0026】
第1収容室26は、図3に示すように筐体20の内部に設けられ、ファン30、第1紫外線漏れ抑制部60及び空気誘導部80を収容する。第1収容室26は、吸気口23から除菌室25に向かう空気の流路において、吸気口23と除菌室25の間に設けられる。
【0027】
第2収容室27は、図3に示すように筐体20の内部に設けられ、第2紫外線漏れ抑制部70を収容する。第2収容室27は、除菌室25から排気口24に向かう空気の流路において、除菌室25と排気口24の間に設けられる。
【0028】
反射部材28は、上述したように、第1の反射部28aと、第2の反射部28bと、高反射部28cとを備え、除菌室25の中に設けられる。例えば第1の反射部28a及び第2の反射部28bは、それぞれ、ステンレス等の金属材料から形成される。
【0029】
第1の反射部28aは、裏側筐体20aに取り付けられた略コの字状の金属板であり、吸気口23から吸い込まれた空気が通過可能な空間部Fを有する(図4参照)。また、第1の反射部28aは、幅方向(第1の方向)に延在する矩形平板状の第1基部91と、第1基部91の幅方向における両端側から表側(第1の方向とは異なる第2の方向)に向かって突出した(折り曲げられた)一対の折曲部92、93とを有する。この場合、一対の折曲部92、93と第1基部91との間の角度はともに略直角となっており、一対の折曲部92、93に光源基板40(後述する第1、第2基板)が各々載置されている。なお、この場合、折曲部92は、折曲部93と向かい合うように設けられている。
【0030】
第2の反射部28bは、第1の反射部28aの開放部分を覆うような略矩形平板状に形成され、表側筐体20bに取り付けられる。第1の反射部28aのを覆うように設けられる第2の反射部28bは、その外形形状が概ね第1基部91の外形形状と略一致している。
【0031】
高反射部28cは、紫外線の反射効率を高めるための高反射層からなり、除菌室25内での除菌効率をより高めるべく、例えばアルミニウムによって除菌室25側を向く面に層状に形成される。具体的には、高反射部28cは、空間部F側となる第1、第2の反射部28a、28bの内壁部に設けられている。なお、ここでの高反射部28cが形成される第1、第2の反射部28a、28bの内壁部は、筐体20(第1板部21、第2板部22)と直接、対向していない反射部28a、28bの非対向部とも言える。このように、高反射部28cを設けることで、除菌室25の中で紫外線を高い効率で反射させ、除菌室25を通過する空気を良好に除菌することができる。
【0032】
ファン30は、空気を吸気口23から吸い込んで、除菌室25を経て排気口24から排出するための構成である。ファン30は、吸気口23の裏側に設けられる。ファン30は、例えば遠心ファンを適用することができ、羽根車と、羽根車を筐体20の奥行き方向に沿う軸周りに回転させるモータとを備える。
【0033】
図3に示すように、ファン30は、吸気口23から吸い込んだ空気を、羽根車が回転する遠心力によって側面から放射状に吐き出す。つまり、遠心ファンとして構成されるファン30は、筐体20の奥行き方向に沿って吸い込んだ空気を、上下方向に沿って吐き出す。これにより、ファン30から送り出された空気は、第1収容室26、除菌室25、第2収容室27の順に通過し、排気口24を経てカバー側排気口12bから空気除菌装置Sの外部に排出される。なお、図3では、見易さを考慮してファン30の断面を示すハッチングを省略し、ファン30を破線で表した。
【0034】
ファン30は、図2に示すように、2つの吸気口23に対応して2つ設けられる。各吸気口23には、空気を効率よく取り込むためのインレットノズル(図示省略)が取り付けられる。2つのファン30は、筐体20の幅方向に並設されている。2つのファン30の作用は同様であり、それぞれに対応する空気誘導部80の形状も同様である。従って、後述の空気誘導部80の説明では、一方のファン30に対応する構成についてのみ説明する。
【0035】
光源基板40は、導電性材料(例えばアルミニウム等の金属材料)によって形成されたアルミ基板を適用することができ、紫外線によって劣化しにくい材料で形成されていればよい。また、ここでの光源基板40は、幅方向において互いに対向する一対の基板から構成される。そして、これら光源基板40である一対の基板は、一対の折曲部92、93にそれぞれ載置される。
【0036】
光源50は、図2に示すように紫外線を放射(照射)する紫外線LED(Light Emitting Diode)を適用することができ、この実施形態では計6個設けられている。光源50は、筐体20の幅方向において互いに対向する前記一対の基板に3個ずつ実装され、除菌室25の中に紫外線を照射する。
【0037】
なお、前記一対の基板は、折曲部92、93の除菌室25に向く面に、サーマルシート(図示省略)を介してそれぞれ載置される。これにより、光源50が作動している際に光源50から発せられる熱をサーマルシートを介して第1の反射部28aに放熱することができる。つまり、第1の反射部28aは、紫外線の照射時に光源50から発せられる熱を放熱するヒートシンクとしての機能を有している。
【0038】
第1紫外線漏れ抑制部60は、図3に示すように、第1収容室26の中であってファン30と除菌室25との間に設けられ、除菌室25の中に照射された紫外線が吸気口23から漏れ出ることを抑制する。
【0039】
第1紫外線漏れ抑制部60は、金属により形成された複数の壁61を備える。複数の壁61の各々は、筐体20の幅方向に延び、且つ、筐体20の高さ方向に間隔を空けて配列されている。例えば、複数の壁61の各々は、筐体20の奥行き方向と平行に配置されている。この実施形態では、複数の壁61は、4つの壁から構成される。
【0040】
複数の壁61のうち隣り合う2つの壁の一方は、第1板部21から第2板部22に向かって設けられ、その先端が第2板部22と間隔を空けて位置する。この一方の壁には、第1板部21に固定される部分と、第1側板21a及び第2側板21bの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この一方の壁は、その先端と第2板部22との間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第1収容室26の内周部)に固定される。
【0041】
複数の壁61のうち隣り合う2つの壁の他方は、第2板部22から第1板部21に向かって設けられ、その先端が第1板部21と間隔を空けて位置する。この他方の壁には、第2板部22に固定される部分と、第1側板22a及び第2側板22bの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この他方の壁は、その先端と第1板部21との間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第1収容室26の内周部)に固定される。ファン30から送り出される空気は、複数の壁61の各々と、第1板部21または第2板部22との間を通ってから除菌室25に至る。
【0042】
第1紫外線漏れ抑制部60は、上記のように第1板部21側と第2板部22側に交互に隙間が生じるように配置された複数の壁61によって、除菌室25の中に照射された紫外線が吸気口23から漏れ出ることを抑制しつつも、ファン30から除菌室25へ流れる空気の流路を形成する。
【0043】
複数の壁61のうち、最もファン30の近くに位置する壁61aは、図3に示すように、第1板部21から第2板部22に向かって設けられ、その先端が第2板部22と間隔を空けて位置する。そして、壁61aの先端と第2板部22の間には、ファン30から第1紫外線漏れ抑制部60へ送り出された空気が流入する流入口62が形成される。
【0044】
第2紫外線漏れ抑制部70は、図3に示すように、第2収容室27の中であって除菌室25と排気口24との間に設けられ、除菌室25の中に照射された紫外線が排気口24から漏れ出ることを抑制する。
【0045】
第2紫外線漏れ抑制部70は、金属により形成された複数の壁71を備える。複数の壁71の各々は、筐体20の幅方向に延び、且つ、筐体20の高さ方向に間隔を空けて配列されている。例えば、複数の壁71の各々は、筐体20の奥行き方向と平行に配置されている。この実施形態では、複数の壁71は、4つの壁から構成される。
【0046】
複数の壁71のうち隣り合う2つの壁の一方は、第1板部21から第2板部22に向かって設けられ、その先端が第2板部22と間隔を空けて位置する。この一方の壁には、第1板部21に固定される部分と、第1側板21a及び第2側板21bの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この一方の壁は、その先端と第2板部22との間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第2収容室27の内周部)に固定される。
【0047】
複数の壁71のうち隣り合う2つの壁の他方は、第2板部22から第1板部21に向かって設けられ、その先端が第1板部21と間隔を空けて位置する。この他方の壁には、第2板部22に固定される部分と、第1側板22a及び第2側板22bの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この他方の壁は、その先端と第1板部21との間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第2収容室27の内周部)に固定される。除菌室25で除菌された空気は、複数の壁71の各々と、第1板部21または第2板部22との間を通ってから排気口24に至る。つまり、ファン30によってカバー側吸気口12a、吸気口23から吸い込まれ、送り出された空気は、第1収容室26、除菌室25、第2収容室27の順に通過し、排気口24を経てカバー側排気口12bから空気除菌装置Sの外部に排出される。
【0048】
第2紫外線漏れ抑制部70は、上記のように第1板部21側と第2板部22側に交互に隙間が生じるように配置された複数の壁71によって、除菌室25の中に照射された紫外線が排気口24から漏れ出ることを抑制しつつも、除菌室25から排気口24へ流れる空気の流路を形成する。
【0049】
空気誘導部80は、第1紫外線漏れ抑制部60よりもファン30の近くに設けられ、ファン30から送り出される空気を第1紫外線漏れ抑制部60に誘導する機能を有する。空気誘導部80は、図2図3に示すように、ファン保持部81と、ガイドリブ82と、誘導面83とを備える。空気誘導部80は、例えば、筐体20の第1板部21に固定される。
【0050】
ファン保持部81は、第1板部21に沿った板状の部分であり、その表側にファン30が位置するようにファン30を保持する。
【0051】
ガイドリブ82は、図2に示すようにファン保持部81から表側に突出する略U字状の部位である。ガイドリブ82によって、ファン30が放射状に吐き出す空気を上方側に向かわせることができる。
【0052】
誘導面83は、図3に示すように第1紫外線漏れ抑制部60の壁61と、ファン保持部81との間に位置する。誘導面83は、その一端が流入口62に向き、その他端が流入口62よりも第1板部21の近くに位置する。この実施形態では、誘導面83の一端は流入口62の端に到っており、誘導面83の他端はファン保持部81の表側の面と繋がっている。誘導面83は、第1板部21に対して傾くとともに前記他端から前記一端に向かって滑らかに曲がる凹曲面である。なお、誘導面83は凹曲面ではなく所定の傾斜角度を有する傾斜面としてもよい。
【0053】
以上のように本実施形態では、空気が吸い込まれる吸気口23、吸気口23から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室25、及び除菌室25で除菌された空気が排出される排気口24が設けられた筐体20と、除菌室25の中に紫外線を照射する紫外線照射部Uとを備え、紫外線照射部Uは、紫外線を照射する光源50と、光源50が配設される光源基板40とで構成され、除菌室25の中に紫外線を反射可能な反射部材28が設けられているものである。
【0054】
従って、光源50から照射される紫外線が反射部材28によって除菌室25内で繰り返し反射することになり、結果的に除菌室25の中で紫外線を高い効率で反射させ、除菌室25を通過する空気を良好に除菌することができる。つまり、紫外線の照射により除菌できる空気の量を効率的に多くすることができ、除菌効率を高めることが可能な空気除菌装置を提供することができる。
【0055】
また本実施形態では、反射部材28は、空気が通過可能な空間部Fを有する第1の反射部28aと、第1の反射部28aを覆うように設けられる第2の反射部28bとを備え、空間部F側となる第1、第2の反射部28a、28bの内壁部には紫外線の反射効率を高めるための高反射部28cが設けられている。従って、除菌室25の中で繰り返し照射される紫外線の減衰を極力抑制することが可能となり、除菌効率をより高めることができるという利点がある。
【0056】
なお、本発明は、上述の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0057】
例えば上述した実施形態では、一対の折曲部92、93が第1の反射部28aに設けられ、これら折曲部92、93の双方に光源基板40が載置されていたが、光源基板40は一対の折曲部92、93のうちどちらか一方(例えば折曲部92)のみに載置する構成としてもよい。
【0058】
また上述した実施形態では、一対の折曲部92、93が第1の反射部28aに設けられ、第2の反射部28bには折曲部が設けられていなかったが、例えば本実施形態の第1変形例として図5に示すように一対の折曲部92、93のうち一方の折曲部(例えば(後述する第1の折曲部に相当する)折曲部92)を第1の反射部28aに設け、他方の折曲部(例えば(後述する第2の折曲部に相当する)折曲部93)を第2の反射部28bに設けるような構成としてもよい。
【0059】
すなわち、この変形例の場合、第1の反射部28aは、第1の方向(幅方向)に延在する第1基部91と、第1基部91の一端側から第1の方向とは異なる第2の方向(奥行き方向)に折り曲げられた第1の折曲部92とを有し、第2の反射部28bは、第1基部91と対向するように第1の方向(幅方向)に延在する第2基部94と、第1の折曲部92と対向するように第2基部94の一端側から折り曲げられた第2の折曲部93とを有する。そして、光源基板40は第1、第2の折曲部92、93に各々載置してもよいし、あるいは第1、第2の折曲部92、93のうちどちらか一方に光源基板40を載置してもよい。このとき、第1の反射部28a、及び/または第2の反射部28bは、紫外線の照射時に光源50から発せられる熱を放熱するヒートシンクとしての機能を有する。
【0060】
さらに上述した実施形態(あるいは変形例)では、第1基部91及び第2の反射部28b(第2基部94)が平板状に形成されたものであったが、第1基部91及び第2の反射部28b(第2基部94)の形状は除菌室25を通過する空気を良好に除菌可能な構成であればあらゆる形状を採用することができる。例えば本実施形態の第2変形例として図6に示すように第1基部91及び第2の反射部28b(第2基部94)を内側(空間部F側)が凸となる湾曲した曲面部95としてもよいし、もしくは本実施形態の第3変形例として図7に示すように第1基部91及び第2の反射部28b(第2基部94)を鋸歯部分96としてもよい。このように曲面部95や鋸歯部分96を設けることで、除菌室25内での空気の拡散機能を高めることができるという利点がある。
【0061】
なお、以上の説明では、本開示の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0062】
10 外装カバー
20 筐体
23 吸気口
24 排気口
25 除菌室
26 第1収容室
27 第2収容室
28 反射部材
28a 第1の反射部
28b 第2の反射部
28c 高反射部
30 ファン
40 光源基板(基板)
50 光源
60 第1紫外線漏れ抑制部
70 第2紫外線漏れ抑制部
80 空気誘導部
91 第1基部
92、93 一対の折曲部
94 第2基部
F 空間部
U 紫外線照射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7