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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163261
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/03 20060101AFI20231102BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20231102BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231102BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20231102BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231102BHJP
【FI】
F21V21/03 450
F21S8/04 110
F21V23/00 120
F21V23/04 500
F21V23/00 113
F21V23/00 140
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074026
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100194515
【弁理士】
【氏名又は名称】南野 研人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 南実
(72)【発明者】
【氏名】小川 静菜
(72)【発明者】
【氏名】沼田 真央
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】 主となる照明器具に、一般に市販されている照明器具を簡単に取り付けることができる機能を付加することにより、ユーザのニーズに応じて、明かりの多様化、多機能化を図ることができる照明器具を提供する。
【解決手段】 上面部に配線器具5と接続する接続部33と、底面部に前記接続部33と導通する被接続部35が配置された筐体30と、前記筐体30と複数の連結部材14によって一定の間隔をもって連結されたサークル状の照明ユニット10を備え、前記照明ユニット10は、複数の発光素子25が表面実装された基板22を備えた本体20と、前記基板22を覆うカバー50を有し、電源ユニット60は、前記筐体30内に配置され、前記接続部33と導通してAC電力を受電して前記照明ユニット10にDC電力を送電する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部に配線器具と接続する接続部と、底面部に前記接続部と導通する被接続部が配置された筐体と、
前記筐体の外周に配置された照明ユニットと、を備え、
前記被接続部は、補助照明器具の接続部が電気的及び機械的に接続されたとき、前記補助照明器具にAC電力を供給することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記筐体と前記照明ユニットは、複数の連結部材によって一定の間隔をもって連結されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記筐体は筒形であって前記照明ユニットの中心部に配置され、側面の一部に切欠部を有し、前記切欠部内に前記配線器具との連結を解除するロック解除ボタンが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記照明ユニットは、複数の発光素子が表面実装された基板を備えた本体と、前記基板を覆う光拡散カバーを有し、
前記筐体内には、前記配線器具と接続する前記接続部と導通してAC電力を受電して前記照明ユニットにDC電力を供給する電源ユニットが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項5】
赤外線受信部とリレーを有し、
前記赤外線受信部はリモートコントローラから送信された指示信号を受信して前記リレーに送信し、
前記リレーは前記指示信号に基づいて、前記照明器具に接続した前記補助照明器具への電力供給をON/OFFすることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項6】
前記赤外線受信部は、前記筐体または前記照明ユニットのどちらか一方に配置され、
前記リレーは、前記筐体内に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記赤外線受信部は、前記照明ユニットに配置され、
前記リレーは、前記筐体内に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の照明器具。
【請求項8】
上面部に配線器具と接続する接続部と、底面部に前記接続部と導通する被接続部と、
前記接続部と導通して、前記被接続部と照明ユニットにAC電力を供給するAC電源出力部と、を有する筐体と、
中央に前記筐体を着脱可能な円環部を有し、前記AC電源出力部と接続するAC電源入力部を有する前記照明ユニットと、を備え、
前記被接続部は、補助照明器具の接続部が電気的及び機械的に接続されたとき、前記補助照明器具にAC電力を供給することを特徴とする照明器具。
【請求項9】
前記筐体と前記照明ユニットは、複数の連結部材によって一定の間隔をもって連結されていることを特徴とする請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記照明ユニットは、中央に円環部を有し、
前記筐体は前記円環部から着脱可能であって、前記筐体の側面には、前記円環部を下から支持するための外側に向かって付勢された一対の保持部材と、
前記筐体の側面の切欠部にはロック解除ボタンが配設され、
前記ロック解除ボタンの操作により、前記筐体は前記円環部から取り外し可能となることを特徴とする請求項8または9に記載の照明器具。
【請求項11】
前記照明ユニットは、複数の発光素子が表面実装された基板を備えた本体と、前記基板を覆う光拡散カバーと、電源ユニットを有し、
前記AC電源入力部は、前記筐体に配置された前記AC電源出力部と接続してAC電力を前記電源ユニットに供給し、
前記電源ユニットはDC電力を前記発光素子に供給し、前記照明ユニットのON/OFF及び調光を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の照明器具。
【請求項12】
赤外線受信部と、リレーを有する照明器具であって、
前記赤外線受信部は、前記筐体または前記照明ユニットに配置され、リモートコントローラから送信された指示信号を受信して前記リレーに送信し、
前記リレーは前記筐体に配置され、前記指示信号に基づいて、前記照明器具に接続した前記補助照明器具への電力供給をON/OFFすることを特徴とする請求項8または9に記載の照明器具。
【請求項13】
前記赤外線受信部は、前記筐体及び前記照明ユニットに配置され、
前記筐体に配置された赤外線受信部は、前記リモートコントローラから送信された指示信号を受けて前記リレーに制御信号を送信して、前記補助照明器具への電力供給をON/OFFし、
前記照明ユニットに配置された赤外線受信部は、前記リモートコントローラから送信された指示信号を前記電源ユニットに送信し、
前記電源ユニットはDC電力を前記発光素子に供給し、前記照明ユニットのON/OFF及び調光を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の照明器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅等において使用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般住宅では、シーリングライト等の照明器具が広く用いられている。これらの照明器具は天井(取付部)に設置された引掛シーリングローゼット等の配線器具に、照明器具に設けられた引掛金具等の配線金具を差し込むことによって固定される。一つの配線器具には、一つの照明器具が取り付けられるのが通例である。
【0003】
そこで、照明器具を多機能化するために、天井(取付部)に配置された配線器具に取り付けられる照明器具に、さらに他の照明器具を配置することで、天井側への間接照明を増設することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-54122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、受電部を備えた照明装置において、間接光照明機能を追加するために、照明装置と照明器具用アダプタとの間に、間接照明機構を備えた照明装置を追加したものである。しかしながら、この照明装置は、主となる照明器具の天井側に天井側を照らす間接光照明機能を追加するのみであるため、照明装置の多様化、多機能化を図ることができないという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、主となる照明器具に、一般に市販されている照明器具を簡単に取り付けることができる機能を付加することにより、ユーザのニーズに応じて、明かりの多様化、多機能化を図ることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の照明器具は、
上面部に配線器具と接続する接続部と、底面部に前記接続部と導通する被接続部が配置された筐体と、
前記筐体の外周に配置された照明ユニットと、を備え、
前記被接続部は、補助照明器具の接続部が電気的及び機械的に接続されたとき、前記補助照明器具にAC電力を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、照明器具にペンダントライトなどの他の照明器具を取り付けることによって、簡単に照明器具の多様化、多機能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(A)は、本発明の実施例1に係る照明器具の平面図及び側面図、(B)は、同照明器具の平面図のI-I方向に見た断面図である。
図2】(A)は、本発明の実施例1に係る照明器具を下方向から見た斜視図、(B)は、同照明器具の平面図である。
図3】(A)は本発明の実施例1に係る照明器具の概略断面図、(B)は同照明器具の変形例1を示す概略断面図、(C)は同照明器具の変形例2を示す概略断面図である。
図4】(A)は本発明の実施例2に係る照明器具の概略断面図、(B)は同照明器具の変形例を示す概略断面図である。
図5】本発明の実施例1または2に係る照明器具の概略全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一般住宅では、天井に、シーリングライト等を取り付けるための引掛シーリングローゼットなどと呼称される配線器具(JIS C 8310、工業会規格JWDS0015)が取り付けられている。本発明は、上記配線器具等を用いた照明器具に係るものである。
【0011】
ここで、本発明の実施例に係る照明器具を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の一具体例を示すものであるから、実施例に記載されている構成部品の配置、機能、数値などは、あくまで一例であって、これらによって本発明の範囲が限定解釈されるものではない。
【実施例0012】
以下、本発明の実施例1に係る照明器具を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1(A)は、本発明の実施例1に係る照明器具の平面図及び側面図である。同図に示すように、実施例1の照明器具1は、本体20とカバー50とからなる断面矩形の環状体からなる照明ユニット10と、照明ユニット10の中央付近に配置された断面略円形をなす筒形の筐体30と、筐体30を囲むように、筐体30と照明ユニット10とを同一水平面上で一定の間隔で連結する連結部材14とから構成されている。照明ユニット10は断面矩形の環状体のほか、断面矩形の3つの直方体が互いに結合した三角形状や、断面円形の環状体などのサークル状の形態のほか任意の形態を有するものであってもよい。また、筐体30は、断面略円形をなす円筒形に限らず、四角柱、三角柱など筒形のものであってもよい。
【0014】
筐体30は、断面形状が略円形の筒形であり、内部に電源ユニット60を備え、上面部には配線器具5と機械的及び電気的に接続するための接続部である一対の引掛金具33が設けられている。引掛金具33は、逆L字形のカギ状の部材であり、天井(取付部)3に配置された配線器具5から供給されるAC電源を、引掛金具33を通して筐体30内に配置された電源ユニット60に供給する。
【0015】
電源ユニット60には、AC/DCコンバータ、DC/DCコンバータ等が内蔵されており、一対の引掛金具33から供給される交流電流は、直流電流への変換と電圧調整等がされて照明ユニット10に送電される。
【0016】
図1(A)に示すように、筒形の筐体30には、円の一部に扇形の切欠部36が設けられている。切欠部36は、垂直方向に沿って、筐体30の水平断面形状が一様になるように同形の扇型状に切欠きが形成されている。この切欠部36である扇形の凹部には、ロック解除ボタン38が設けられており、このロック解除ボタン38を押しながら照明器具1を回転させることによって、照明器具1を配線器具5から取り外すことができる。切欠部36は扇型状に限らず、円形、略長方形の切欠きなど任意の形状であってもよい。
【0017】
図1(B)は、実施例1の照明器具1の平面図をI-I方向に見た断面図である。照明ユニット10は、本体20の前面側に配置された基板22とカバー50とから構成されている。本体20、基板22とカバー50は、いずれも、円環状である。基板22の前面には、LED等の発光素子25が一定間隔を置いて表面実装されている。図1(B)には、発光素子25が互いに一定間隔をおいて、3列平行してサークル状に並んでいるが、これに限らず、ランダムに配列されていてもよい。
【0018】
ここで、本発明において、前面側とは、照明ユニット10から出射される光の照射方向である床面側のことをいい、背面側とは天井(取付部)3側のことをいう。
【0019】
基板22は、発光素子25から出射される光を前面側に向けて効率よく反射するようにするため、表面に白色塗装が施されている。発光素子25はLEDを用いているが、これに限らず有機EL等、照明器具1のための光源として利用できるものであれば用いてもよい。また、基板22の表面は、白色塗装に限らず、効率よく可視光を反射する部材であればよい。
【0020】
照明ユニット10は、基板22に表面実装されたLED等の発光素子の種類により、昼光色のほか昼白色、電球色等の照射光を用いてもよい。その他、赤色[R]LED、緑色[G]LED、青色[B]LED等の発光素子25を適宜組み合わせて実装配置することにより、赤色、緑色、青色や、それら複数色の組み合わせなどを用いることにより、さまざまな発色を呈するように構成してもよい。また、発光素子として、LED(発光ダイオード)のほか、有機EL等を用いてもよい。
【0021】
連結部材14は、板材からなる略直方体形状のアームであり、幅方向(長手方向に直交する方向)の両端に長手方向に延びる壁部を有し、全体として上方に開口を有する溝部が形成されている。連結部材14の溝部の上面は、略長方形状の板材からなる蓋体15で閉鎖されている。
【0022】
本体20は、略サークル状の板体であり、前面側に略サークル状の基板22が同心円状に配置されている。本体20は、基板22を配置するとともに、基板22等から発生する熱を効率よく外部に放熱するヒートシンクの役割も担う。
【0023】
カバー50は、発光素子25から出射された光を拡散し防眩性を付与する部材であり、基板22を含む本体20全体を包むように前面側から覆っている。カバー50は、照明器具1の本体20の縁部に設けられた係止部材によって本体20に取り付けられている。また、カバー50は、LED等の発光素子25から出射される光を拡散し防眩性等を付与するために、通常は、乳白色のアクリル樹脂などの合成樹脂部材を用いるが、さらに、表面にレンズ効果を有するフレネルレンズ等のレンズを用いて光の拡散・防眩効果等を向上させてもよい。
【0024】
カバー50は、断面形状が略四角形をなす薄型の部材である。照明器具1にさらに他の照明器具(補助照明器具)2を付け足しても、ユーザに圧迫感や不安感等を感じさせることがない。
【0025】
天井(取付部)3に設置された配線器具5には、照明器具1と対向する面に、被接続端子である二条の円弧状をなす引掛金具差込口(図示省略)が穿設されている。照明器具1の中央付近に位置する筐体30の上面部には一対の逆L字形の引掛金具33が固定されており、照明器具1の引掛金具33の逆L字形のカギ状部が配線器具5の引掛金具差込口に収まる形で固定されることにより、配線器具5に固定される。そこで、配線器具5と引掛金具33は電気的及び機械的に接続されて、照明器具1に商用電源が供給される。
【0026】
図1に示すように、実施例1では、円環状の照明ユニット10の中心付近に筐体30が配置され、3つの連結部材14が放射状に略等間隔で並び、筐体30と照明ユニット10とが連結部材14によって一定の間隔をもって連結されている。連結部材14は、3つに限らず、図2に示すように6つなど、少なくとも複数配置されていればよく、その数は限定されない。
【0027】
実施例1では、3つの連結部材14のうちの少なくとも一つの連結部材14の内部には、筐体30内に配置された電源ユニット60と照明ユニット10とを電気的に接続する配線(図示省略)が設置されている。連結部材14の溝部は、蓋体15で閉鎖されており、配線は外部に露出しない構造である。
また、引掛金具33と被接続部である引掛金具差込口35は導線により電気的に接続され、引掛金具(接続部)33から入力したAC電源は、引掛金具差込口(被接続部)35から出力される。
【0028】
図2(A)は、本発明の実施例1に係る照明器具1を下方向から見た斜視図、同図(B)は、同照明器具1の平面図である。図1(B)及び図2(A)(B)には、筐体30の底部に穿設された被接続端子である一対の引掛金具差込口35が示されている。この一対の引掛金具差込口35に、補助照明器具2の上部に設けられた引掛金具33Bの逆L字形のカギ状部を嵌入して回転することによって補助照明器具2が照明器具1の底部に固定される。引掛金具差込口35には、配線器具5から供給される商用電源が導通しており、引掛金具差込口35と引掛金具40とが機械的及び電気的に接続し、補助照明器具2に商用電源が供給される。
【0029】
補助照明器具2は、市販の照明器具で上部に引掛金具33Bを備えたものであれば、照明器具1に取り付けて使用することができる。天井3からコードで吊り下げるタイプのいわゆるペンダントと称される照明器具が代表的なものであるが、これに限らず、引掛金具33Bが付属する照明器具であればよい。
【0030】
補助照明器具2として、照明器具1と異なる機能を有する照明器具、例えば、図5に示す吊り下げタイプのペンダントライトなど、引掛金具を有する照明器具であれば、接続することができる。図5に示すように、天井(取付部)3には、配線器具5が配置され、配線器具5に引掛金具33が係合することにより、照明器具1が天井3に固定される。照明器具1の下面には、引掛金具33Bを備えた補助照明器具2が接続可能である。補助照明器具2として、例えば、電球色の発光素子を備えた吊り下げタイプのペンダントライトを選択して、照明器具1と接続し、照明器具1と切り替えて点灯させることにより、ユーザはリラックス感や安心感を得ることができる。その他、補助照明器具2として、引掛金具33Bを備えた照明器具であれば、照明器具1に接続できるため、ユーザの嗜好に応じた好みの照明器具1と補助照明器具2の組み合わせが可能である。
【0031】
図3(A)は本発明の実施例1に係る照明器具1の概略断面図である。なお、図3図4において、引掛金具33、電源ユニット60、赤外線受信部85などの構成要素は、概略断面図として描き、断面を表すハッチングおよび内部構造は省略した。
【0032】
照明器具1は、赤外線受信部85を備え、赤外線受信部85とリンクするリモートコントローラ(リモコン)90によって遠隔操作される。リモートコントローラ90は、ユーザによって行われた操作によって指示される内容(照明器具1をどのように制御するかの制御内容)を示す赤外線信号を出力する。赤外線信号は、制御内容を示すIR(Infrared)コードを示す信号などであればよい。リモートコントローラ90は、操作内容に応じたIRコードを示す赤外線信号を出力することで、電源ユニット60の制御内容を示す赤外線信号を出力する。
【0033】
図3(A)に示すように、赤外線受信部85は、照明器具1の筐体30内に設けられた電源ユニット60の底面(床面側)に配置されている。赤外線受信部85は、リモートコントローラ90からの赤外線信号を受光する。赤外線受信部85は、赤外線信号を受光可能な受光素子(例えば、赤外線センサなど)によって構成され、受信した赤外線信号を電気信号に変換し、電源ユニット60内の駆動回路に供給する。駆動回路は、赤外線受信部85から供給された電気信号(例えば、赤外線信号が示す制御内容)を受け、DCケーブル66と導通する照明ユニット10に駆動電力を供給して、照明ユニット10の点灯/消灯、調光、調色等の制御を行う。
【0034】
また、赤外線受信部85は、リモートコントローラ90からの赤外線信号を受光し、制御ケーブル64と導通するリレー63に制御信号を送信し、電源ケーブル62を通して引掛金具差込口35に供給される商用電源のON/OFFの切り替えをする。この切り替えの動作によって、引掛金具差込口35に接続して固定される補助照明器具2への電源供給のON/OFFが制御される。
【0035】
これら赤外線受信部85および駆動回路等の動作によって、リモートコントローラ90による照明器具1及び補助照明器具2の遠隔操作が実現する。例えば、ユーザがリモートコントローラ90に対して照明器具1を点灯させる操作を行うと、点灯を示す赤外線信号を照明器具1に供給し、電源ユニット60は、赤外線受信部85によって赤外線信号を受信し、赤外線信号に基づいて、照明ユニット10が点灯する。また、照明器具1を点灯させた状態で、さらに補助照明器具2を点灯させることや、照明器具1を消灯して補助照明器具2を点灯する、照明器具1を点灯させた状態で補助照明器具2を消灯する、照明器具1、補助照明器具2をともに消灯させるなどの操作を行うことができる。照明器具1、補助照明器具2の点灯/消灯等の切り替えは、照明器具1、補助照明器具2にそれぞれに付属する別々のリモートコントローラによってもよいし、同一のリモートコントローラ90の操作によってもよい。
【0036】
さらに、これらの点灯/消灯の操作は、リモートコントローラ90によらず、一般住宅等に設置されている壁スイッチのON/OFF操作により、順次、照明器具1の点灯、補助照明器具2の点灯(全照明器具の点灯)、照明器具1の消灯、補助照明器具2の消灯(全照明器具の消灯)のサイクルを繰り返すようにしてもよい。
【0037】
また、リモートコントローラ90は、照明器具1および補助照明器具2の点灯/消灯の切り替え操作だけでなく、照明器具1の調光/調色操作を行うようにしてもよい。
【0038】
なお、補助照明器具2の点灯/消灯、調光/調色等の操作は、補助照明器具2のスペックに依存し、リモートコントローラ90は、補助照明器具2に対しては、点灯/消灯を掌る電源供給のON/OFFの切り替え操作をするのみである。
【0039】
[変形例1]
図3(B)は本発明の実施例1に係る照明器具1の変形例1を示す概略断面図である。変形例1は、赤外線受信部85を連結部材14内に配置し、電源ユニット60と通信ケーブル65により導通したものである。他の形態は実施例1に係る照明器具1と同様である。
【0040】
[変形例2]
図3(C)は本発明の実施例1に係る照明器具1の変形例2を示す概略断面図である。変形例2は、赤外線受信部85を照明ユニット10内に配置し、電源ユニット60と通信ケーブル65により導通したものである。他の形態は実施例1に係る照明器具1と同様である。
【実施例0041】
図4(A)は本発明の実施例2に係る照明器具1Aの概略断面図である。同図に示すように、実施例2における筐体70は、実施例1における筐体30が照明器具1から着脱可能とされたものである。
【0042】
実施例2では、照明ユニット10の内部に電源ユニット60と赤外線受信部85、85Aが配置されている。筐体70は筐体30と同様、略円筒形等の筒形であり、上部に天板72、下部に底板73、側面に側板74を有している。筐体70は、一般に照明取付アダプタとも称されるものである。天板72の上面には一対の略逆L字形のカギ状部を有する引掛金具(接続部)33Aが固定されている。引掛金具33Aは、実施例1の引掛金具(接続部)33と同様、天井(取付部)3に設置された配線器具(取付部)5に穿設された二条の円弧状の引掛金具差込口35に、引掛金具33Aのカギ状部が収まる形で固定される。それにより、筐体70が配線器具5に固定されるとともに、引掛金具33Aのカギ状部と配線器具5内の出力端子とが電気的及び機械的に接続し、商用電源が供給される。
【0043】
筐体70は、側板74に穿設された図示しない略矩形の切欠孔から突出する一対の保持部材75を有する。保持部材75は、上が水平面で、側面が直角三角形をなす全体として楔形の形状の部材であって、筐体70の側板74の外側方向に付勢されている。また、照明器具1Aの中心部には、実施例1の筐体30に代えて、略円形の円環部80が配置され、円環部80には、筐体70が嵌入する開口部82が設けられている。円環部80と照明ユニット10との間には、実施例1における照明器具1と同様、複数の連結部材14が水平に固定されている。
【0044】
照明器具1Aを配線器具5に取り付けるには、最初に、実施例1と同様に、配線器具5に筐体70を取り付ける。次に、照明器具1Aを持ち上げて、照明器具1Aの中心付近にある円環部80の開口部82を、筐体70に挿通する。次に、保持部材75を押すように照明器具1Aを持ち上げていくと、保持部材75が側板74内に押し込まれ、保持部材75は円環部80の下に位置するようになる。保持部材75は側板74の外側方向に付勢されているので、再び側板74の外側方向に突出し、結果として円環部80の下側に突出することで、円環部80を含む照明器具1Aを下側から支えることになる。
【0045】
照明器具1Aを配線器具5から取り外すには、筐体70の側板74に設けられたロック解除ボタン(図示省略)を使用する。ロック解除ボタンの形状及び設置位置は、図1の筐体30におけるロック解除ボタン38と同様である。ロック解除ボタンに手をかけて回転させることで、筐体70とともに照明器具1Aを配線器具5から取り外すことができる。照明器具1Aは、保持部材75の上に載置されているのみなので、筐体70を配線器具5から取り外すことにより、照明器具1Aと筐体70は分離される。
【0046】
筐体70には、引掛金具33Aを通して入力されるAC電力を、引掛金具差込口35に配置されたコネクタと接続して、AC電力を補助照明器具2に送る2本の電源ケーブル76と、赤外線受信部85からの指令を受けて補助照明器具2への電源供給をON/OFFするリレー63が配置されている。
【0047】
また、筐体70の側板74であって保持部材75の上部には、AC電源出力部(コネクタ)77が配置されている。天井(取付部)3に設置された配線器具5に取り付けられた筐体70に、照明器具1Aを取り付ける場合、筐体70を照明器具1Aの円環部80に嵌入する。このとき、筐体70の側板74に配置されたAC電源出力部77は、AC電源入力部(コネクタ)68と接続しAC電源を電源ユニット60に供給する。赤外線受信部85は、リモートコントローラ90からのON/OFF制御信号を受けて、制御出力ケーブル67から制御ケーブル64を介して、リレー63に制御信号を伝達する。
【0048】
[変形例]
図4(B)は本発明の実施例2に係る照明器具1Aの変形例を示す概略断面図である。本変形例では、赤外線受信部85は照明ユニット10の内部と筐体70の内部の2カ所に取り付けられている。照明ユニット10の内部に配置された赤外線受信部85Aは、リモートコントローラ90から送信される指令信号に基づいて、照明ユニット10の点灯/消灯等の制御を行う。また、筐体70の内部に設けられた赤外線受信部85Bは、リモートコントローラ90から送信される指令信号を筐体70の内部に設けられたリレー63を通して、補助照明器具2への電源供給のON/OFFを行う制御をすることになる。
その他、変形例を含む実施例2の基本的な態様は、実施例1と同様である。
【0049】
なお、この発明は、上記実施例に限定されず、上記実施例に対して種々の変形および応用が可能である。
【0050】
以上説明したように、本発明によれば、照明器具にペンダントライトなどの他の照明器具を取り付けることによって、簡単に照明器具の多様化、多機能化を図ることができる。
【0051】
1、1A… 照明器具
2… 補助照明器具
3… 天井(取付部)
5… 配線器具
10… 照明ユニット
14… 連結部材
15… 蓋体
20… 本体
22… 基板
25… 発光素子
30、70… 筐体
33、33A、33B… 引掛金具(接続部)
35… 引掛金具差込口(被接続部)
36… 切欠部
38… ロック解除ボタン
50… カバー
60… 電源ユニット
62、76… 電源ケーブル
63… リレー
64… 制御ケーブル
65… 通信ケーブル
66… DCケーブル
67… 制御出力ケーブル
68… AC電源入力部(コネクタ)
72… 天板
73… 底板
74… 側板
75… 保持部材
77… AC電源出力部(コネクタ)
80… 円環部
82… 開口部
85、85A、85B… 赤外線受信部
90… リモートコントローラ(リモコン)
図1
図2
図3
図4
図5