(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163266
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】キャンドルの製造方法、及びキャンドル
(51)【国際特許分類】
C11C 5/00 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
C11C5/00 K
C11C5/00 N
C11C5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074033
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】511108574
【氏名又は名称】アントビー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150142
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 礼路
(74)【代理人】
【識別番号】100174849
【弁理士】
【氏名又は名称】森脇 理生
(72)【発明者】
【氏名】長門 康之
【テーマコード(参考)】
4H059
【Fターム(参考)】
4H059DA17
4H059DA18
4H059DA19
4H059DA28
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、カードを蝋芯としたキャンドルを容易に製造できるキャンドルの製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明のキャンドルの製造方法を提供する。本発明のキャンドルの製造方法は、蝋5に埋め込まれたカード3を備えたキャンドル10の製造方法であって、カード3の下部に磁石4を配置する工程と、蝋を流し込むための容器1を、容器1の底部となり、かつ磁性体22を有するガイドプレート2の上に載せる工程と、磁石4を配置したカード3を容器1内に入れ、磁力によって磁石4と磁性体22とを固定する工程と、磁石4が固定された状態で、容器1内に溶融した蝋を流し込む工程と、溶融した蝋を固化させる工程とを含む、キャンドル10の製造方法である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝋に埋め込まれたカードを備えたキャンドルの製造方法であって、
前記カードの下部に磁石を配置する工程と、
前記蝋を流し込むための容器を、前記容器の底部となり、かつ磁性体を有するガイドプレートの上に載せる工程と、
前記磁石を配置した前記カードを前記容器内に入れ、磁力によって前記磁石と前記磁性体とを固定する工程と、
前記磁石が固定された状態で、前記容器内に溶融した蝋を流し込む工程と、
前記溶融した蝋を固化させる工程と
を含む、キャンドルの製造方法。
【請求項2】
前記磁石として一対以上の磁石を用い、前記一対以上の磁石で前記カードの前記下部を挟み込む、請求項1に記載のキャンドルの製造方法。
【請求項3】
前記溶融した蝋を固化させた後、前記容器の底部から前記ガイドプレートから外し、前記ガイドプレートで前記容器に蓋をする工程を含む、請求項1または2に記載のキャンドルの製造方法。
【請求項4】
容器と
前記容器内に収容された蝋と、
前記蝋に埋め込まれた蝋芯としてのカードと、
前記カードの下部に配置され、かつ前記蝋内で固定されている磁石と、
を備えるキャンドル。
【請求項5】
前記磁石は、一対以上の磁石を含み、前記一対以上の磁石は、前記カードの前記下部を挟み込んでいる、請求項4に記載のキャンドル。
【請求項6】
前記容器は、ガイドプレートで蓋がされている、請求項4または5に記載のキャンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンドルの製造方法、及びキャンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
古来より灯りとして用いられていたキャンドル(ロウソク)は、今日アロマキャンドルなどのインテリア雑貨としても使用されている。
【0003】
また、蝋が溶けた際に、蝋の中に予め仕込んでおいたプレゼントが現れたり、メッセージや図柄が視認できたりするキャンドルも開発されている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、所定形状の蝋と、点火部分を露出して、蝋に設けられる蝋芯と、蝋の内部に保持される小物とから成る蝋燭が開示されている。
【0005】
また、特許文献2および3には、芯材に点火すると、蝋の入った容器の底面に描かれた文字や絵柄等からなるメッセージが表示されるろうそくが開示されている。
【0006】
そして、特許文献4および5には、溶解すると透明度が高くなるというパラフィンの性質を利用して、点灯時、パラフィンを入れる容器底面又はパラフィン内に埋設した部材に描かれた文字又は図柄を可視できるようにしたキャンドルが開示されている。
【0007】
さらには、特許文献6には、ロウソクの燃焼部分を点から線状、もしくは面状にできる面芯ロウソクが記載されている。より具体的には、特許文献6には、紙等の材料で作られた面芯板をロウソクに埋め込み形成した面芯ロウソクが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平06-059452号公報
【特許文献2】特開2004-027089公報
【特許文献3】特開2017-155164号公報
【特許文献4】実開昭60-117843号公報
【特許文献5】実開昭60-117844号公報
【特許文献6】登録実用新案第3128746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、紙等の材料で作られた面芯板を蝋芯としたキャンドルは知られていた。しかし、面芯板をカード状のものとした場合、その製造の過程で、溶融した蝋内にカードを入れ込むことが必要である。具体的には、容器内にカード状の面芯板を配置した上で、溶融した蝋を容器内に流し混んでいた。しかし、このようなキャンドルは、溶融した蝋を流し込んでこれが固化するまでの間にカードを所定の位置に留めておくことが困難であり、製造が困難であった。
【0010】
本発明は、カードを蝋芯としたキャンドルを容易に製造できるキャンドルの製造方法、およびカードを蝋芯とした、製造が容易なキャンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、蝋芯としてのカードの下部に磁石を配置し、カードを磁性体を含んだガイドプレートの上に置いた容器内に入れ、磁力によって磁石と磁性体とを固定することで、カードを所望の位置に固定しながら蝋を容器に流し込むことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
したがって、本発明は、
蝋に埋め込まれたカードを備えたキャンドルの製造方法であって、
前記カードの下部に磁石を配置する工程と、
前記蝋を流し込むための容器を、前記容器の底部となり、かつ磁性体を有するガイドプレートの上に載せる工程と、
前記磁石を配置した前記カードを前記容器内に入れ、磁力によって前記磁石と前記磁性体とを固定する工程と、
前記磁石が固定された状態で、前記容器内に溶融した蝋を流し込む工程と、
前記溶融した蝋を固化させる工程と
を含む、キャンドルの製造方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、前記磁石として一対以上の磁石を用い、前記一対以上の磁石で前記カードの前記下部を挟み込む、キャンドルの製造方法を提供する。
【0014】
また、前記溶融した蝋を固化させた後、前記容器の底部から前記ガイドプレートから外し、前記ガイドプレートで前記容器に蓋をする工程を含む、キャンドルの製造方法。
【0015】
また、本発明は、容器と
前記容器内に収容された蝋と、
前記蝋に埋め込まれた蝋芯としてのカードと、
前記カードの下部に配置され、かつ前記蝋内で固定されている磁石と、
を備える、キャンドルを提供する。
【0016】
また、本発明は、前記磁石は、一対以上の磁石を含み、前記一対以上の磁石は、前記カードの前記下部を挟み込んでいる、キャンドルを提供する。
【0017】
また、本発明は、前記容器は、ガイドプレートで蓋がされている、キャンドルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係るキャンドルの製造方法の一例における一工程の概略斜視図。
【
図2】実施形態に係るキャンドルの製造方法の一例で用いるガイドプレートの斜視図、平面図および側面図。
【
図3】実施形態に係るキャンドルの製造方法の一例における一工程の概略斜視図。
【
図4】実施形態に係るキャンドルの製造方法の一例における一工程の概略斜視図。
【
図5】実施形態に係るキャンドルの一例の概略斜視図。
【
図6】実施形態に係るキャンドルの一例の概略正面図。
【
図7】実施形態に係るキャンドルの一例の概略分解斜視図。
【
図8】
図7に示すキャンドルの概略平面図、正面図および断面図。
【
図9】実施形態に係るキャンドルの使用例を示す概略斜視図。
【
図10】実施形態に係るキャンドルの使用例を示す概略斜視図。
【
図11】実施形態に係るキャンドルの使用例を示す概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、実施形態に係るキャンドルの製造方法およびキャンドルの例を図面を参照しながら説明する。ただし、本発明のキャンドルの製造方法、およびキャンドルは、以下に説明する例に限定されるものではない。
【0020】
[キャンドルの製造方法]
ここで説明するキャンドルの製造方法では、まず、
図1に示す容器1を準備する。
【0021】
容器1は、底部11と底部11に対向する開口部13とを有する有底筒型容器である。容器1は、底部11と開口部13との間にある4つの側面12をさらに有する。角型の容器1を例示しているが、容器1の形状は角型に限定されず、たとえば円筒型であってもよい。
【0022】
容器1は、任意の材料からなることができるが、たとえば可視光線に対して透明なものであり、かつ耐熱性の材料からなる。容器1は、たとえば透明耐熱性ガラスまたは透明耐熱性プラスチックからなる場合、容器内の蝋やを見ることができる。あるいは、容器1は、容器1の内部が視認できる程度であれば、半透明の耐熱性材料であってもよよい。
【0023】
このような容器1を、
図2に斜視図(A)、平面図(B)および側面図(C)を示すガイドプレート2上に載せる。ガイドプレート2は、容器1にとっての底部となる。
【0024】
ガイドプレート2は、容器1の底部11に対応したベースプレート21を有する。ベースプレート21の材質は、非磁性体であればよく、たとえばチーク材などの木製であってもよいが、これに限定されない。
【0025】
ベースプレート21の一部には、磁性体22を配置する。ここで「磁性体」とは、磁力によって磁石に引きつけられるものであればよい。磁性体の例としては、鉄、コバルト、ニッケルおよびこれらの合金などが挙げられる。磁力の妨げにならない程度であれば、磁性体22の表面は塗装されていてもよい。
図2に示す例では、磁性体22は、磁石がつくスチールプレートである。
【0026】
ガイドプレート2の磁性体22は、容器1の底部11において所望の位置に配置することができる。具体的には、以下に説明するキャンドルにおいて、カードを配置しようとする場所に対応する位置に磁性体22を配置する。
【0027】
次に、
図3に示す、蝋芯としてのカード3を準備する。カード3の材質は、蝋(キャンドル)の芯材として用いることができるものであれば、特に限定されない。たとえば、カード3は、紙製であり、洋紙であっても良いし、和紙であってもよい。紙製のカードは、紙により構成された薄い板状の物体であり、紙片ということもできる。カードの形状は、特に限定されず、四角形、長方形、ひし形、台形、円形、楕円形および星形などの任意の形状であることができる。カードは、特に限定されないが、手に持てる程度の大きさおよび薄さであることができ、たとえば名刺大であることができる。また、カードの厚さは、所望の厚さであることができるが、たとえば0.01mm~3mm、0.1mm~2mmおよび0.2mm~0.5mmであることができる。ここで、「紙」とは、「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの(日本工業規格)」のみならず、同様に形成されたものも含む。たとえば、植物繊維に動物繊維および人工繊維等を混入したものも紙に含まれる。カードが紙製であることにより、蝋を吸収しやすく、また気化させやすい。
【0028】
次に、
図3に示すように、磁石4をカード3の下部に配置する。配置する場所は、カード4の下部であれば特に限定されない。
【0029】
図3に示す例では、磁石4は、一対のボールマグネットである。一対のボールマグネット4は、カード3の下部を間に挟んでいる。ボールマグネットの径は、特に限定されない。
【0030】
磁石4の具体的態様は、ボールマグネットに限定されず、任意の形状であることができる。磁石4は、たとえば一対の矩形磁石であってもよい。限定されない他の例としては、磁石41は、溝が形成された磁石であってもよく、該溝にカード3の下部が嵌め込まれてもよい。他の例としては、磁石4は、1つの磁石であり、接着剤等によりカード3の下部に接合されたものであってもよい。
【0031】
このように磁石4を配置したカード3を、ガイドプレート2上に載せた容器1内に入れ、
図3の下部に示すように、容器1の底部11上に置く。この時、カード3の下部の磁石とガイドプレート2の磁性体22とが、底部11を挟んで磁力によって固定される。これにより、カード3を容器1内の所望の位置に固定することができる。
【0032】
以上とは別に、溶融した蝋を準備する。蝋には、通常ロウソクおよびキャンドルの製造に用いられる公知の材料を用いることができ、たとえば蝋材としてパラフィンワックス、ステアリン酸ワックス、大豆ワックス、ココナッツワックス、みつろうおよびパームワックスなどを用いることができる。また、蝋は、溶融して芳香等を醸し出す蝋であってもよい。すなわち、実施形態で製造するキャンドルは、アロマキャンドルであってもよい。
【0033】
次に、ガイドプレート2上に載せ、かつカード3を収容した容器1内に、溶融した蝋を流し込む。流し込む際にも、磁石4と磁性体22との磁力による固定により、カード3が所望の位置に配置された状態を維持することができる。
【0034】
仮に、カード3の形状として底部の面積が小さい場合であっても、かかる部位を磁石4と磁性体22との磁力による固定することができるため、カード3が所望の位置に配置された状態を維持することができる。
【0035】
次に、必要な時間静置または冷却して、蝋を固化する。これにより、
図4に示すように、容器1内に収容され、中に蝋芯としてのカード3を埋め込んだ蝋5が得られる。磁石4は蝋5内で固定されている。
【0036】
これにより、
図4に示す、容器1と、容器1内に収容された蝋5と、蝋5に埋め込まれた蝋芯としてのカード3と、カード3の下部に配置され、かつ蝋5内で固定されている磁石4と、を備えるキャンドル10が得られる。このキャンドル10は、実施形態に係るキャンドルの例である。
【0037】
任意の工程であるが、蝋5が固化したのち、
図4に示すように、ガイドプレート2を容器1の底部11から外してもよい。カード3および磁石4は、蝋5が固化したことによりこの中で固定されているので、ガイドプレート2を外しても、所望の位置を維持できる。
【0038】
容器1から外したガイドプレート2は、容器1の開口部13を閉じる蓋として用いてもよい。容器1の蓋は、ガイドプレート2でなくても良いし、蓋をしなくてもよい。
【0039】
以上に説明した本発明のキャンドルの製造方法であれば、従来カードの配置を維持することが困難であった、カードを蝋芯としたキャンドルを容易に製造することができる。たとえカードの底部の容器の底部に対する設置面積が小さい場合であっても、カードを所望の位置に維持しながら、容易に製造をすることができる。
【0040】
[キャンドル]
次に、実施形態に係るキャンドルをより詳細に説明する。
【0041】
図5~
図7に、実施形態に係るキャンドルの一例の概略斜視図、概略正面図および概略分解斜視図をそれぞれ示す。また、
図8に、
図7に示すキャンドル10の蓋2を取った上面図(A)、正面図(B)、断面図(CおよびD)を示す。
【0042】
図5~
図7に示すキャンドル10は、先に説明した、容器1と、容器1内に収容された蝋5と、蝋5に埋め込まれた蝋芯としてのカード3と、カード3の下部に配置され、かつ蝋5内で固定されている磁石4とを備える。
【0043】
キャンドル10は、カード3の下部に磁石4が配置されていることにより、先に説明したように磁力を利用して、カード3を所望の位置に容易に維持しながら製造することができる。
【0044】
キャンドル10は、
図5~
図7に示すように、蓋2を有していてもよい。蓋2は、先に説明したガイドプレート2であっても良いし、ガイドプレート2とは別のものであってもよい。
【0045】
次に、キャンドル10の使用例について説明する。
【0046】
一つの例では、キャンドル10の蓋(ガイドプレート)2を開け、容器1の底部11の下に蓋2を配置する。容器1内には、カード3の下部に配置された磁石4があり、ガイドプレート2の磁性体22が磁石4の磁力により、容器1の底部11に容易に固定することができる。これにより、キャンドル10を安定に固定した状態で、点火を行うことができる。
【0047】
図9に示すように、キャンドル10のカード3の露出した部分31に火をつけると、
図9に示すように、カード3の上部の輪郭に沿ってカード3が燃え出す。カード3の上部の輪郭を変更することで、様々な形状の火を演出できる。
【0048】
カード3の燃焼が進むと、火6の熱により、蝋5が上部から溶融し、溶融状態の蝋51となる。溶融した蝋51は蝋5より透明性が高いため、
図10に示すように、容器1の外側からカード3の上部が視認できる。蝋5の溶融がさらに進むと、
図11に示すように、カード3の磁石4を配置した下部まで視認できるようになる。カード3にメッセージが描かれていれば、蝋5の溶融にしたがって徐々にメッセージが現れるという演出を楽しむことができる。
【0049】
なお、容器1の底部11にガイドプレート2を配置していれば、カード3の下部が視認できるまで蝋5が溶融しても、磁石4がガイドプレート2の磁性体22に磁力により固定されているので、カード3が倒れたりするのを防ぐことができる。
【実施例0050】
(実施例)
実施例では、
図1、
図2、
図3および
図4を参照しながら先に説明した手順で、キャンドル10を作製した。具体的には、以下の手順でキャンドル10を作製した。
【0051】
まず、
図1に示す耐熱性ガラス製の容器1を準備した。また、
図2に示すような、チーク製のベースプレート21と、ベースプレート21の中央に配置されたスチールプレート22とを具備するガイドプレート2を準備した。ベースプレート21は、容器1の底部11に対応する面積を有していた。
【0052】
準備した容器1を、底部11を下にして、ガイドプレート2上に載せた。この際、ガイドプレート2のスチールプレート22を、容器1の底部11のうちカードを配置しようとする場所に対応する位置にくるように配置した。
【0053】
次に、
図3に示す、蝋芯としての矩形状のカード3を準備した。カード3は、洋紙からなるものとした。
【0054】
次に、
図3に示すように、一対のボールマグネット4で、カード3の下部を挟み込んだ。
【0055】
このように磁石4を配置したカード3を、ガイドプレート2上に載せた容器1内に入れ、容器1の底部11上に置いた。この時、カード3の磁石とガイドプレート2の磁性体22とを磁力によって固定した。これにより、カード3を容器1内の所望の位置に固定することができた。
【0056】
一方で、溶融したパラフィン蝋を準備した。溶融したパラフィン蝋を、ガイドプレート2上に載せかつカード3を収容した容器1内に流し込んだ。流し込む際にも、磁石4と磁性体22との磁力による固定により、カード3が倒れることはなく、カード3を所望の位置に配置された状態を維持することができた。
【0057】
次に、必要な時間静置または冷却して、蝋を固化した。これにより、
図6に示すように、容器1内に収容され、中に蝋芯としてのカード3を埋め込んだ蝋5が得られた。
【0058】
これにより、
図4に示す、容器1と、容器1内に収容された蝋5と、蝋5に埋め込まれた蝋芯としてのカード3と、カード3の下部に配置され、かつ蝋5内で固定されている磁石4と、を備えるキャンドル10が得られた。
【0059】
得られた実施例のキャンドル10のカード3に点火した。実施例のキャンドル10では、蝋5が溶けきるまで、カード3を倒れずに維持することができた。
【0060】
(比較例)
比較例では、一対のボールマグネット4を用いなかったこと以外は実施例と同様の方法で、比較例のキャンドルを作製した。
【0061】
比較例では、溶融した蝋を容器1に流し込む際に、手で押さえていないとカード3が倒れてしまい、キャンドル10を作製するのに実施例よりも手間がかかった。
【0062】
また、比較例のキャンドルは、蝋5がカード3の下部が見えた時点でカード3が倒れてしまった。
以上に説明した本発明のキャンドルの製造方法は、メッセージカードなどを仕込んだキャンドルを、手間をかけずに容易に製造できる。手間をかけずに容易に製造できることにより、プレゼントに最適なキャンドルの製造コストを抑えることができる。
また、以上に説明した本発明のキャンドルは、手間をかけずに容易に製造できる。このようなキャンドルは、メッセージカードを仕込むことができるため、製造コストの低い、プレゼントに最適なキャンドルとすることができる。