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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163267
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231102BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G09F9/00 351
H04N5/64 581C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074034
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】槙尾 慎司
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA00
5G435EE07
5G435EE13
5G435LL04
(57)【要約】
【課題】スタンド部を設置状態および格納状態のいずれにも簡単な操作で切り替えることができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示パネルと、背面シャーシと、足部と、スタンド部と、留め部とを備え、留め部は、第1係止部と第2係止部とを有し、回転軸部は、回転軸部の外周面に被係止部を有し、スタンド部は、足部を回転軸部まわりに回転させることにより、被係止部が第1係止部に係止されている設置状態と、被係止部が第2係止部に係止されている格納状態との間で変化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの背面を覆う背面シャーシと、
設置面に設置され得る足部と、前記足部から上方に突出する回転軸部と、を含むスタンド部と、
前記スタンド部を前記背面シャーシに対して前記回転軸部まわりに回転可能に取り付ける留め部と、を備え、
前記留め部は、前記留め部の内周面の前記回転軸部の回転方向に沿った位置に第1係止部と第2係止部とを有し、
前記回転軸部は、前記回転軸部の外周面に前記第1係止部および前記第2係止部のいずれかに係止される被係止部を有し、
前記スタンド部は、前記足部を前記回転軸部まわりに回転させることにより、前記被係止部が前記第1係止部に係止されている設置状態と、前記被係止部が前記第2係止部に係止されている格納状態との間で変化し、
平面視において、前記足部の長さ方向は、前記設置状態では、前記表示パネルの横方向に交差する方向に沿って延び、前記格納状態では、前記表示パネルの横方向に沿って延びる、表示装置。
【請求項2】
前記回転軸部は、円筒形状をなし、前記円筒形状の一部にスリットが形成されており、前記スリットの内側が片持ち梁を構成しており、前記片持ち梁の先端側に前記被係止部が設けられた、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1係止部および前記第2係止部は、それぞれ、前記留め部の内周面と前記留め部の外周面とを貫通させるように形成された第1孔および第2孔であり、
前記被係止部は前記回転軸部の側面に形成された凸部であり、
前記設置状態では、前記凸部が前記第1孔に嵌合することにより、前記被係止部が前記第1係止部に係止され、
前記格納状態では、前記凸部が前記第2孔に嵌合することにより、前記被係止部が前記第2係止部に係止される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記回転軸部は、前記回転軸部の外周面から外側へ延びる突出部を有し、
前記回転軸部が回転すると、前記突出部が前記背面シャーシに当接し、前記足部の回転を制限する、請求項1~3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記突出部は、第1突出部と第2突出部とを含み、
前記設置状態では、前記第1突出部が前記背面シャーシの背面に当接し、
前記格納状態では、前記第2突出部が前記背面シャーシの背面に当接する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記留め部は、前記留め部から上方に突出する凸部を有し、
前記設置状態では、前記第2突出部が前記凸部の一方の側面に当接し、
前記格納状態では、前記第1突出部が前記凸部の他方の側面に当接する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記突出部は、前記回転軸部が留め部から抜けることを防止するストッパでもある、請求項4に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に開示されているように、様々な表示装置の開発が行われている。特許文献1の表示装置は、表示装置本体を起立状態で支持するスタンドを有している。また、スタンドは、表示装置本体の下側部分の筐体の内部に回動可能に取り付けられている。
【0003】
この表示装置によれば、表示装置の運搬のときの格納状態においては、スタンドは、表示パネルの面内方向に沿った方向に延びるように取り付けられている。一方、設置時には、例えば、使用者は、スタンドを引き出しやすくするために、表示装置を、その表示面が設置面に向くように倒す。その後、使用者は、スタンドを表示装置本体から水平方向に引っ張る。それにより、表示装置の筐体の内部で、スタンド部に固定されているつるまきバネが伸びる。その結果、スタンドは、表示装置から水平方向に引き出される。この状態で、使用者は、つるまきバネが伸びる方向を回転軸として、スタンドを表示装置本体に対して回転させる。それにより、スタンドは、設置面上に設置されるために適した設置状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-271639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1に開示された表示装置では、表示装置を設置状態にするために、使用者は、表示装置の底面方向にスタンド部を引き出すスペースを確保した状態にした後、スタンド部を引き出し、かつ、その状態でスタンド部を回転させるという複雑な作業をする必要がある。
【0006】
本開示は、上述の問題に鑑みなされたものであり、スタンド部を設置状態および格納状態のいずれにも簡単な操作で切り替えることができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態の表示装置は、画像を表示する表示パネルと、表示パネルの背面を覆う背面シャーシと、設置面に設置され得る足部と、足部から上方に突出する回転軸部とを含むスタンド部と、スタンド部を背面シャーシに対して回転軸部まわりに回転可能に取り付ける留め部とを備え、留め部は、留め部の内周面の回転軸部の回転方向に沿った位置に第1係止部と第2係止部とを有し、回転軸部は、回転軸部の外周面に第1係止部および第2係止部のいずれかに係止される被係止部を有し、スタンド部は、足部を回転軸部まわりに回転させることにより、被係止部が第1係止部に係止されている設置状態と、被係止部が第2係止部に係止されている格納状態との間で変化し、平面視において、足部の長さ方向は、設置状態では、表示パネルの横方向に交差する方向に沿って延び、格納状態では、表示パネルの横方向に沿って延びる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の表示装置の分解斜視図である。
図2】第1の実施形態の表示装置のスタンド部の背面図である。
図3】第1の実施形態の表示装置の留め部の斜視図である。
図4】第1の実施形態の表示装置の留め部の背面図である。
図5】第1の実施形態の表示装置の留め部の平面図である。
図6】第1の実施形態の表示装置の正面図である。
図7】第1の実施形態の表示装置の部分斜視図である。
図8】第1の実施形態の表示装置の部分平面図である。
図9】第1の実施形態の表示装置の部分左側面図である。
図10】第1の実施形態の表示装置の部分背面図である。
図11図10のXI-XI線に沿って切った場合のスタンド部の部分断面図である。
図12図11の状態から、スタンド部を留め部に対して相対的に回転させた場合のスタンド部の部分断面図である。
図13】第1の実施形態の表示装置の設置状態を説明するための正面図である。
図14】第1の実施形態の表示装置の設置状態を説明するための部分斜視図である。
図15】第1の実施形態の表示装置の設置状態を説明するための部分平面図である。
図16】第1の実施形態の表示装置の設置状態を説明するための部分背面図である。
図17】第1の実施形態の表示装置の設置状態を説明するための部分左側面図である。
図18】第1の実施形態の表示装置が梱包部材によって梱包された状態を説明するための斜視図である。
図19】第2の実施形態の表示装置の分解斜視図である。
図20】第3の実施形態の表示装置の格納状態を表す正面図である。
図21】第3の実施形態の表示装置の設置状態を表す正面図である。
図22】第3の実施形態の表示装置のスタンド部を設置状態にするためにスタンド部の土台部を回転させることを説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1図5を用いて、本実施形態の表示装置100の構造を説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態における表示装置100は、表示パネル10、背面シャーシ11、スタンド部20、および留め部30を備えている。表示パネル10は、画像を表示する。背面シャーシ11は、表示パネル10の背面を覆う。
【0012】
スタンド部20は、表示パネル10を支持する。留め部30は、背面シャーシ11に対して、スタンド部20を回転可能に取り付けている。
【0013】
図1および図2に示すように、スタンド部20は、足部22および回転軸部21を備えている。足部22は、表示装置100を設置する設置面に設置され得るように構成されている。回転軸部21は、足部22の中央部分から上方に突出している。
【0014】
図2に示すように、足部22は、第1傾斜部22a、水平部22b、および第2傾斜部22cを含む。第1傾斜部22aは、水平部22bの一端部から左斜め下方に延びる。第2傾斜部22cは、水平部22bの他端部から右斜め下方に延びる。第1傾斜部22aおよび第2傾斜部22cのそれぞれは、設置面に接触し得る下端面を有している。水平部22bは、第1傾斜部22aの上端部と第2傾斜部22cの上端部とを接続する。水平部22bは、第1傾斜部22aおよび第2傾斜部22cのそれぞれの下端面が設置面上に設置されている場合、水平方向に延びる形状を有している。水平部22bは、その上面から上方へ延びる回転軸部21を有している。
【0015】
回転軸部21は、円筒形状をなしている。回転軸部21は、例えば、樹脂などにより形成されている。回転軸部21の外周面(側面)には、スリット21aが形成されている。具体的には、本実施形態では、図2に示すように、水平部22bから上方に延びるスリット21aが設けられている。スリット21aは、U字を上下逆にした形状を有している。スリット21aの内側には、矩形状の片持ち梁25が形成されている。片持ち梁25の下端が固定端であり、かつ、片持ち梁25の上端が自由端である。片持ち梁25は、応力が付加されることにより、回転軸部21の内側へ撓む。
【0016】
片持ち梁25の先端側には、被係止部26が設けられている。被係止部26は、回転軸部21の外周面から外側へ突出する凸部である。凸部の横断面形状および縦断面形状のいずれも、矩形状をなし、被係止部26は、後述する係止部に係止される(図11参照)。片持ち梁および被係止部26の機能は、後述される。
【0017】
回転軸部21の上端には、第1突出部24と第2突出部23が設けられている。第1突出部24と第2突出部23とは、それぞれ、回転軸部21の上端から外側へ延びる棒状部材である。第1突出部24と第2突出部23とは、円筒形状をなす回転軸部21の仮想の回転中心軸に垂直な断面(図示せず)において、回転軸部21の外周面から互いに逆方向に延びるように設けられている。第1突出部24および第2突出部23のそれぞれは、スタンド部20の回転を規制する規制部材として機能する。第1突出部24および第2突出部23のそれぞれの規制部材としての機能は後述される。
【0018】
スタンド部20は、留め部30によって、背面シャーシ11に取り付けられる。具体的には、スタンド部20は、回転軸部21まわりに回転可能に、背面シャーシ11に取り付けられる。本実施形態では、背面シャーシ11および留め部30は、いずれも、金属により構成されている。尚、本実施形態では、スタンド部20は、表示パネル10を構成する長方形の底辺に沿って、一定の間隔をおいて2つ設けられている(図6参照)。本実施の形態においては、スタンド部20は、樹脂で形成されている。
【0019】
図1および図3図5に示すように、留め部30は、第1固定部31、第2固定部32、およびカバー部33を備えている。第1固定部31および第2固定部32のそれぞれは、背面シャーシ11に接触するように、背面シャーシ11に固定される。カバー部33は、回転軸部21の少なくとも一部を覆う。
【0020】
カバー部33の側面には、第1孔33cと、第2孔33bとが設けられている。第1孔33cおよび第2孔33bは、それぞれ、カバー部33の内周面と外周面とを貫通させるように形成された貫通孔である。第1孔33cと第2孔33bとのそれぞれは、矩形状をなしている。第1孔33cおよび第2孔33bは、それぞれ、後述するように、第1係止部および第2係止部として機能する。カバー部33は、平面視(図5参照)において、U字状をなしている。
【0021】
第1固定部31および第2固定部32は、それぞれ、平面視において、U字状をなすカバー部33の一方端および他方端から外側に延びるように設けられている。第1固定部31および第2固定部32のそれぞれは、背面視(図4参照)において矩形状の部材である。第1固定部31および第2固定部材32は、それぞれ、第1ネジ孔31aおよび第2ネジ孔32aを有している。図1に示すように、表示パネル10の背面シャーシ11の背面には、留め部30を固定するための第1ネジ穴11aおよび第2ネジ穴11bが設けられている。第1ネジ孔31aおよび第2ネジ孔32aにそれぞれ第1ネジB1および第2ネジB2を通し、第1ネジ穴11aおよび第2ネジ穴11bにそれぞれネジB1およびネジB2を螺合させる。それにより、留め部30によって背面シャーシ11の背面に対してスタンド部20を回転可能に取り付けることができる。
【0022】
図3図5に示すように、留め部30のカバー部33の上端辺には、留め部30の上端辺から上方に突出する凸部33aが設けられている。凸部33aの機能については後述する。
【0023】
本開示における表示装置100では、スタンド部20が、格納状態と設置状態との間で変化する。以下、格納状態と設置状態について具体的に説明する。
【0024】
本実施の形態においては、表示パネル10は、表示装置100の正面視(図6参照)において、横長のほぼ長方形をなしている。そのため、表示パネル10の横方向は、前述の長方形の長辺方向を意味するものとする。また、本実施の形態においては、一対のスタンド部20のそれぞれは、スタンド部20の平面視(図示せず)において、所定方向に沿って延びる形状をなしている。したがって、スタンド部20の長さ方向は、スタンド部20の平面視における長さ方向を意味するものとする。
(格納状態)
【0025】
図6図11を用いて、格納状態について説明する。
【0026】
図6図11に示すように、格納状態では、スタンド部20と留め部30とは、次のような状態になっている。
【0027】
足部22の長さ方向は、表示パネル10の横方向に沿って延びる(図6参照)。換言すれば、平面視において、足部22の長さ方向と、表示パネル10の横方向とは、略平行である(図8を参照。)。
【0028】
格納状態では、回転軸部21の被係止部26(凸部)は、留め部30の第2孔33b(第2係止部)に嵌合する(図7図8図10、および図11を参照。)。これにより、被係止部26が第2孔33bに係止される。被係止部26が第2孔33bに係止されることにより、スタンド部20の回転軸部21まわりの回転が抑制される。
【0029】
また、格納状態では、回転軸部21に設けられた第2突出部23が、背面シャーシ11の背面に当接する(図8参照)。よって、足部22の回転軸部21まわりの回転を制限する。従って、回転軸部21の被係止部26と留め部30の第2孔33bとの係止が解除されるような不具合が生じた場合においても、スタンド部20の足部22が表示パネル10に対して回転しすぎることを抑制することができる。
【0030】
さらに、格納状態では、回転軸部21に設けられた第1突出部24が、留め部30に設けられた凸部33aの一方の側面に当接する(図8参照)。留め部30に設けられた凸部33aの一方の側面に当接することにより、足部22が表示パネル10に対して回転しすぎることを抑制することができる。なお、格納状態では、第1孔33cは、被係止部26を係止していない(図9参照)。(設置状態)
【0031】
次に、図12図17を用いて、表示装置100におけるスタンド部20の設置状態について説明する。
【0032】
図12図17に示されるように、設置状態にするために、まず、被係止部26と第2孔33bとの係止を解除する。具体的には、使用者の指などで被係止部26を回転軸部21の内部へ押し込む。被係止部26が内側へ押し込まれることにより、片持ち梁25が内側へ撓む。使用者は、被係止部26を回転軸部21の内側へ押し込んだ後に、スタンド部20の足部22を回転させる。具体的には、平面視において、足部22の長さ方向が、表示パネル10の横方向に交差する方向に延びるようになるまで、足部22を回転させる(図13参照)。本実施形態では、足部22を、平面視において反時計回りに略90度回転させる。この足部22を回転させることにより、スタンド部20が回転している過程においては、回転軸部21の内部へ押し込まれた被係止部26は、留め部30の内周面を摺動する(図12を参照)。
【0033】
足部22が90度回転すると、回転軸部21の被係止部26が、留め部30のカバー部33の第1孔33c(第1係止部)に位置したとき、被係止部26が第1孔33cに嵌合する。被係止部26が第1孔33cに嵌合することにより、被係止部26が第1孔33cに係止される(図12図14図15、および図17を参照)。これにより、スタンド部20が回転することが抑制され、スタンド部20は設置状態で固定される。
【0034】
上記の構成によれば、第2孔33bの外側から被係止部26を内側に押し込むことにより、係止を容易に解除させ、足部22を回転させることができる。
【0035】
設置状態では、回転軸部21に設けられた第1突出部24が、背面シャーシ11の背面に当接する(図14図15、および図16参照)。よって、足部22の回転が制限される。従って、回転軸部21の被係止部26と留め部30の第1孔33cとの係止が解除されるという不具合が生じた場合においても、スタンド部20の足部22が表示パネル10に対して回転しすぎることを抑制することができる。
【0036】
さらに、設置状態では、回転軸部21に設けられた第2突出部23が、留め部30に設けられた凸部33aの他方の側面に当接する(図14図15、および図16参照)。ここで、他方とは、設置状態において第1突出部24が当接する留め部30の凸部33aの一方の側面と反対側の側面のことを示す。留め部30に設けられた凸部33aの他方の側面に第2突出部23が当接することにより、足部22が表示パネル10に対して回転しすぎることを抑制することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置100は、留め部30が、留め部30の内周面の回転軸部21の回転方向に沿った位置に第1孔33c(第1係止部)と第2孔33b(第2係止部)とを有している。また、回転軸部21が、回転軸部21の外周面に、第1孔33cおよび第2孔33bのいずれかに係止される被係止部26(凸部)を有する。これらの構成によれば、スタンド部20の足部22を回転軸部21まわりに回転させることができる。それにより、被係止部26が第1孔33c(第1係止部)に係止されている設置状態と、被係止部26が第2孔33b(第2係止部)に係止されている格納状態との間で、表示装置100の状態を変化させることができる。
【0038】
以上のことから分かるように、本実施形態の表示装置100では、スタンド部20を設置状態および格納状態のいずれかに簡単な操作で切り替えることができる。よって、使用者が、スタンド部20を設置状態または格納状態に切り替える際に、表示パネル10が設置面に向くように表示装置100を倒して、スタンド部20を表示パネル10の表示面の底面方向に沿って引き出すなどの複雑な操作が不要になる。
【0039】
また、本実施形態では、回転軸部21に片持ち梁25が形成されている。この片持ち梁25が撓むことにより、第1孔33c(第1係止部)または第2孔33b(第2係止部)と被係止部26との係止と、第1孔33c(第1係止部)または第2孔33b(第2係止部)と被係止部26との係止の解除を容易に行うことができる。
【0040】
本実施形態では、第1突出部24と第2突出部23とは、回転軸部21の回転に伴って、留め部30の上辺を摺動するように設けられている。換言すれば、第1突出部24と第2突出部23とは、留め部30のカバー部33上辺の上に設けられている。このため、回転軸部21が、留め部30のカバー部33から下方へ脱落することを抑制できる。すなわち、第1突出部24と第2突出部23とは、回転軸部21が留め部30から抜けることを防止するストッパの役割も兼ねている。したがって、ストッパを別に設ける必要がないため、スタンド部20の構造が複雑になることを抑制することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、片持ち梁25の先端に凸部により構成された被係止部26が設けられている例について説明したが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、回転軸部21に切り欠き21aおよび片持ち梁25が設けられていなくてもよい。例えば、被係止部26は、回転軸部21の回転中心軸に垂直な断面形状が半円形状を有する弾性部材で形成されていてもよい。この場合、使用者が足部22を回転させると、弾性部材の弾性力によって被係止部26が変形し、第1孔33c(第1係止部)または第2孔33b(第2係止部)との係止が解除される。その後、被係止部としての弾性部材が、留め部30の内側面と回転軸部21の外周面との間で押し潰されるように変形した状態で、回転軸部21の内周面を摺動し、その後、第1孔33c(第1係止部)または第2孔33b(第2係止部)に嵌合する。
【0042】
本実施形態では、回転軸部21に、第1突出部24と第2突出部23とが設けられている例について説明したが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、回転軸部に、1つのみ突出部が設けられていてもよい。
【0043】
本実施形態では、表示装置100がスタンド部20を2つ備えている例について説明したが、本開示はこの構成に限定されない。表示装置100は、スタンド部20を3つ以上備えていてもよい。
(梱包状態)
【0044】
図18は、スタンド部20を格納状態にした後、表示装置100を梱包部材400に収納した状態を表す図である。
【0045】
表示装置100の背面シャーシ11の下部には、背面カバー40が設けられている。背面カバー40によって、回転軸部21および留め部30は覆われている。
【0046】
梱包部材400は、直方体の箱形状をなす。梱包部材400の中には、上部挿入部材200と、下部挿入部材300が入れられている。梱包部材400の内部では、上部挿入部材200には、表示装置100の上部が挿入されることにより、表示装置100の上部の位置が固定される。下部挿入部材300には、表示装置100の下部が挿入されることにより、表示装置100の下部の位置が固定される。
【0047】
表示装置100を梱包部材400に収納する場合は、表示装置100のスタンド部20は、格納状態になっている。このため、平面視において、スタンド部20が表示パネル10から大きく突出することがない。つまり、スタンド部20は、表示パネル10の表示面に垂直な方向に大きく突出することがない。従って、梱包部材400の外形を小さくすることができる。
(第2の実施形態)
【0048】
次に、第2の実施形態について説明する。なお、下記において第1の実施形態と同様である点については説明を省略する。
【0049】
第1の実施形態では、回転軸部21に、被係止部25が一つのみ設けられており、留め部30に、第1孔33c(第1係止部)と第2孔33b(第2係止部)とが設けられている例について説明した。しかし、本開示は上記構成に限定されない。
【0050】
図19は、第2の実施形態における表示装置の分解斜視図である。本実施形態では、回転軸部21に、第1片持ち梁25と第2片持ち梁27が設けられている。第1片持ち梁25の先端には、第1被係止部26が設けられている、第2片持ち梁27の先端には、第2被係止部28が設けられている。尚、本実施形態では、回転軸部21の上部には、蓋21bが設けられている。蓋21bの外周の一部の直径は、回転軸部21の直径より大きくなるように構成されている。換言すれば、蓋部21bは、半円形をなすつば部を有している。この半円形をなすつば部によって、回転軸部21が留め部30から抜け出すことが防止されている。
【0051】
本実施形態では、留め部30に、第1孔33c(第1係止部)と第2孔33b(第2係止部)と、第3孔33d(第3係止部)とが設けられている。尚、本実施形態では、留め部30に、凸部33aは設けられていない。
【0052】
スタンド部20の格納状態では、第1孔33c(第1係止部)に第1被係止部26が係止されるとともに、第2孔33b(第2係止部)に第2被係止部28が係止される。このとき、つば部の一方の側端面は、表示装置100の背面シャーシ11に当接している。そのため、スタンド部20が回転し過ぎることが防止されている。
【0053】
スタンド部20を格納状態から設置状態へ変化させるときは、第1被係止部26と第2被係止部28との両方を同時に回転軸部21内へ押し込み、足部22を時計回りに90度回転させる。このとき、足部22の回転に伴って回転軸部21が回転することにより、つば部の他方の側端面が、表示装置100の背面シャーシ11に当接する。それにより、スタンド部20が回転し過ぎることが防止される。
【0054】
スタンド部20の設置状態では、第2孔33b(第2係止部)に第1被係止部26が係止され、第3孔33d(第3係止部)に第2被係止部28が係止される。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、回転軸部21に第1被係止部26と第2被係止部28の2つの被係止部が設けられている。また、留め部30に、第1孔33c(第1係止部)と第2孔33b(第2係止部)と、第3孔33d(第3係止部)との3つの孔が設けられている。したがって、格納状態および設置状態のいずれにおいても、2カ所において係止部と被係止部とが係止される。よって、スタンド部20と留め部30との固定をより強固にできる。
【0056】
また、本実施形態では、一部分につば部を有する蓋部21bが設けられており、格納状態では、つば部の一方の側端面が背面シャーシ11に当接する。また、収納状態では、つば部の他方の側端面が背面シャーシ11に当接する。本実施形態では、つば部をこの位置に設けることにより、つば部が背面シャーシ11に干渉しない。よって、回転軸部21を安定して回転させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、回転軸部21につば部を有する蓋部21bが設けられている例について説明した。しかし、本開示はこの構成に限定されない。例えば、第1実施形態のように、回転軸部21が蓋部21bを有しておらず、回転軸部21bに第1突出部24と第2突出部23が設けられていてもよい。
【0058】
さらに、本実施形態において説明した回転軸部21に設けられた蓋部21bが、第1実施形態の回転軸部21に適用されていてもよい。この際、第1実施形態において説明した回転軸部21の凸部33aは設ける必要がない。また、この場合、第1突出部24と第2突出部23も設ける必要はない。
(第3の実施形態)
【0059】
次に、第3の実施形態について説明する。なお、下記において第1の実施形態または第2の実施形態と同様である点については説明を省略する。
【0060】
第の実施形態および第2の実施形態では、スタンド部20が2つ設けられている例について説明したが、本開示はこの構成に限定されない。以下、図20図22を用いて、第3の実施形態における表示装置100について説明する。
【0061】
図20は、第3の実施形態の表示装置の格納状態を表す正面図である。図21は、本実施形態の表示装置100の設置状態を表す正面図である。図22は、本実施形態の表示装置100のスタンド部20を設置状態にするためにスタンド部20の土台部29を回転させることを説明するための斜視図である。図20および図22に示すように、本実施形態では、スタンド部20は一つのみ設けられている。
【0062】
本実施形態では、スタンド部20が、土台部29をさらに備える。土台部29は、スタンド部20の足部22のうち、足部22のそれぞれの下端に設けられている。換言すれば、土台部29は、スタンド部20の足部22のうち、表示装置100を設置する設置面に設置される部分に設けられている。土台部29は、水平方向に延びる矩形状の部材である。後述するように、土台部29のそれぞれは、回転軸部21の回転中心軸に平行な回転中心軸まわりに回転可能に構成されている。
【0063】
図20に示すように、格納状態においては、土台部29の長さ方向が、表示パネル10の横方向に沿って延びるように、土台部29を回転させる。すなわち、平面視において、土台部29の長さ方向と、表示パネル10の横方向とは、略平行である。
【0064】
格納状態から、設置状態へ変化させる場合は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、まず、スタンド部20を略90度回転させる。その後、2つの土台部29のそれぞれを、土台部29の長さ方向が、表示パネル10の横方向と垂直な方向に延びるように、略90度回転させる(図22参照)。それにより、表示装置100は、設置状態になる(図21参照)。
【0065】
以上説明したように、表示装置100がスタンド部20を一つのみ備えている場合でも、簡単な操作で、格納状態と設置状態との間で変化させることができる。
【0066】
尚、本開示において、本実施形態におけるスタンド部20は、表示装置100に複数設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 表示パネル
11 背面シャーシ
20 スタンド部
21 回転軸部
21a スリット
22 足部
23 第2突出部
24 第1突出部
25 片持ち梁
26 被係止部
30 留め部
33a 凸部
33b 第2孔
33c 第1孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22