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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163284
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074059
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三上 慎一
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】法人設立時に作成する定款の記載内容を会計システムに連携することで、適切な帳簿を作成することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】会計システム1のサーバ20は、その機能として、定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップと、生成した登録データを、会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップと、ユーザに対して、登録データの登録が完了した旨を通知するステップと、を実行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記メモリは、ユーザが法人登記を申請した時の定款データを記憶し、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記定款データに基づき、前記ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップと、
前記生成した前記登録データを、前記会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップと、
前記ユーザに対して、前記登録データの登録が完了した旨を通知するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記メモリは、ユーザが法人登記を申請した時の設立費用のデータを記憶し、
前記プログラムは、さらに、
前記設立費用のデータに基づき、前記設立費用を、前記法人登記に係る法人の前記会計サービスの会計データに登録するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記設立費用を前記法人の前記会計データに登録するステップにおいて、前記設立費用を、前記法人の繰延資産として登録する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記会計サービスに登録するステップにおいて、固定資産台帳の登録を行う、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記記憶部は、ユーザが法人登記を申請した時の定款データを記憶し、
前記制御部は、
前記定款データに基づき、前記ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップと、
前記生成した前記登録データを、前記会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップと、
前記ユーザに対して、前記登録データの登録が完了した旨を通知するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、
前記メモリは、ユーザが法人登記を申請した時の定款データを記憶し、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記定款データに基づき、前記ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップと、
前記生成した前記登録データを、前記会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップと、
前記ユーザに対して、前記登録データの登録が完了した旨を通知するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
法人を設立した後、決算や会計情報に連携する場合、法人設立時の定款データを経理担当または(顧問)税理士等が目視で必要情報を確認し、手入力で会計システムに必要な情報を入力している。そのため、煩わしい作業となっている。
【0003】
特許文献1には、電子記録債権による一括ファクタリング取引において、発注企業とファクタリング会社との間で電子記録債権の売買の仕組みを提供することにより、発注企業の債務圧縮と財務内容改善を実現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-010299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、法人設立時の会計処理では、税理士や会計士等の専門家によるチェックを受けずに作成していることもある。そのため、結果的に誤った申告をしていることもあり、誤った状態の申告に気付かない状態で決算してしまうこともある。
【0006】
そこで、本開示では、法人設立時に作成する定款の記載内容を会計システムに連携することで、適切な帳簿を作成することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。メモリは、ユーザが法人登記を申請した時の定款データを記憶する。プログラムは、プロセッサに、定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップと、生成した登録データを、会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップと、ユーザに対して、登録データの登録が完了した旨を通知するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、法人設立時に作成する定款の記載内容を会計システムに連携することで、適切な帳簿を作成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の会計システム1の全体の構成を示す図である。
図2】実施の形態1の会計システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1の会計システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4】実施の形態1の会計システム1を構成するサーバ20が記憶する定款データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図5】実施の形態1の会計システム1を構成するサーバ20が記憶する会計データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図6】実施の形態1の会計システム1による会計サービス登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<概要>
以下、本開示に係る会計システムについて説明する。本開示に係る会計システムは、法人(株式会社、合同会社等)、個人事業主等の事業者に対して会計処理を行う会計サービスを提供するためのシステムである。本開示に係る会計システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムであり、この会計システムのサービスを利用するユーザが、所定の認証によりアクセス可能に構成されている。
【0012】
この会計システムでは、法人設立時に法人登記を申請した時の定款データを取得し、定款データに基づき、当該法人が会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成して登録する。会計サービスの利用を開始するためには、事業者の各種データを登録する必要があるが、手入力で会計システムに必要な情報を入力すると入力ミスが発生しやすく、煩わしい作業ともなっている。そのため、定款データからデータ連携することにより、煩わしい作業及びミスを低減させ、誤った状態の申告を防止している。
【0013】
なお、この会計システムでは、定款データの作成等、法人設立(法人登記)に係るサービスを提供してもよい。
【0014】
<第1の実施の形態>
以下、会計システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0015】
<1 会計システム1の全体構成>
図1は、実施の形態1の会計システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、会計システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0016】
端末装置10は、各ユーザ(分析者)が操作する装置である。ここで、ユーザとは、法人設立を行い、当該法人の取引等に係る会計処理について、会計サービスに登録を行う者である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0017】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0018】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0019】
サーバ20は、会計サービスを提供する装置である。なお、サーバ20は、定款データの作成等、法人設立(法人登記)に係るサービスも提供していてもよい。サーバ20は、法人登記を申請した時の定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成する。サーバ20は、生成した登録データを会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成して、ユーザに登録が完了した旨を通知する。
【0020】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0021】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0022】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の会計システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。図2に示す端末装置10は、移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末として説明するが、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。
【0023】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0024】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0025】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0026】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0027】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0028】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0029】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0030】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0031】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0032】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して、会計システム1の機能である法人設立を行い、当該法人の取引等に係る会計処理について、会計サービスに登録を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名等が含まれる。
【0033】
制御部170は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10の記憶部160に格納され、インストールされているアプリケーションである図示しないプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、通知制御部174としての機能を発揮する。
【0034】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0035】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0036】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0037】
通知制御部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部174は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0038】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の会計システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0039】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0040】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、定款データベース2021と、会計データベース2022等を記憶する。
【0041】
定款データベース2021は、会計システム1で使用する、設立された法人について会計サービスに登録する際に参照される定款データに関する各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0042】
会計データベース2022は、会計システム1により会計処理を行うために使用される帳簿等の各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0043】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、定款データ取得モジュール2033、会計サービス登録モジュール2034、仕訳登録モジュール2035、及び登録通知モジュール2036に示す機能を発揮する。
【0044】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0045】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0046】
定款データ取得モジュール2033は、ユーザが法人登記を申請した時の定款データを取得する処理を制御する。定款データ取得モジュール2033は、具体的には、例えば法人設立を支援するサービス等において法人の登記申請時に用いた、認証された定款データを取得する。定款データ取得モジュール2033は、サーバ20が提供する法人設立に係るサービスに登録されている定款データを取得してもよく、外部のサーバが提供する法人設立に係るサービスに登録されている定款データを取得してもよい。定款データ取得モジュール2033は、例えば、ユーザから設立した法人について、会計サービスへ登録するための操作を受け付けると、記憶部202に保持されている定款データベース2021を参照し、必要な情報を取得する。
【0047】
定款データ取得モジュール2033が取得する定款データには、設立した法人の事業目的、商号(法人名称)、(本店)所在地、出資額、出資最低額、または代表者等の氏名等が含まれる。
【0048】
定款データ取得モジュール2033は、例えば、外部から定款データを取得した場合、定款データを定款データベース2021に登録して記憶させる。
【0049】
会計サービス登録モジュール2034は、定款データ取得モジュール2033が取得した定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成する処理を制御する。会計サービスに登録する登録データは、例えば、法人名称、所在地、金融機関口座の情報(口座番号等)等である。
【0050】
会計サービス登録モジュール2034は、具体的には、以下のような情報を定款データから取得し、会計サービスに登録してもよい。
・法人格
・社名(カナ社名等)
・役名
・代表者氏名
・住所(郵便番号、都道府県、市区町村等)
・設立年月日
・決算月(会計期間)
・メールアドレス
・事業目的
・事業内容、取扱商品
・本社所在地
・代表取締役名
・従業員数
・資本金
・中期・長期の事業計画
・株主総会議事録
・取締会議事録
【0051】
また、会計サービス登録モジュール2034は、生成した登録データを会計サービスに登録し、帳簿データを作成する。さらに、会計サービス登録モジュール2034は、固定資産台帳の登録を行ってもよい。
【0052】
会計サービス登録モジュール2034は、例えば、登録データを、会計データベース2022に登録して記憶させる。
【0053】
仕訳登録モジュール2035は、法人設立にかかる費用(設立費用)について、法人登記に係る法人の会計サービスの会計データに登録する処理を制御する。仕訳登録モジュール2035は、法人設立にかかる費用を、会計サービス登録モジュール2034で作成した帳簿データに仕訳として登録する。この費用は経費に該当するため、必要経費として登録する。
【0054】
仕訳登録モジュール2035は、法人設立にかかる費用を、法人の繰延資産として会計サービスに登録してもよい。
【0055】
仕訳登録モジュール2035は、法人設立にかかる費用を、会計データベース2022に登録して記憶させる。
【0056】
登録通知モジュール2036は、ユーザに対して、会計サービス登録モジュール2034による会計サービスへの登録データの登録が完了した旨を通知する処理を制御する。登録通知モジュール2036は、登録が完了すると、ユーザが使用する端末装置10へ、通知を送信する。
【0057】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶する定款データベース2021のデータ構造の例を示す図である。また、図5は、サーバ20が記憶する会計データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0058】
図4に示すように、定款データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「定款ID」と、項目「ユーザ」と、項目「事業目的」と、項目「商号」と、項目「本店所在地」と、項目「出資額」と、項目「備考」等を含む。なお、本開示において、定款データベース2021に保持されているデータのそれぞれは、法人の設立申請時に使用された定款記載事項に対応するデータである。また、これらのデータは、認証済の電子定款データである。
【0059】
項目「定款ID」は、会計システム1で使用する、定款データ取得モジュール2033が取得した定款データそれぞれを識別する情報である。
【0060】
項目「ユーザ」は、各定款データと紐づけられるユーザを識別するための情報である。
【0061】
項目「事業目的」は、ユーザが設立した法人の事業目的に関する情報である。
【0062】
項目「商号」は、ユーザが設立した法人の商号に関する情報である。
【0063】
項目「本店所在地」は、ユーザが設立した法人の本店所在地に関する情報である。
【0064】
項目「出資額」は、ユーザが設立した法人の出資額に関する情報である。
【0065】
項目「備考」は、会計システム1にて管理する定款データの情報に関して、特記事項などがある場合に保持される情報である。
【0066】
定款データベース2021が保持する情報は、上記に限られない。他にも、出資最低額、代表者氏名、または住所等の情報が含まれてよいが、これらの項目が、電子定款データに含まれている場合には、定款データベース2021に含まれていることが好ましい。
【0067】
サーバ20の定款データ取得モジュール2033は、定款データを取得することに伴って、定款データベース2021のレコードを追加する。
【0068】
図5に示すように、会計データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「WebページID」と、項目「テスト条件情報」等を含む。
【0069】
図5に示すように、会計データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「事業者ID」と、項目「事業者名」と、項目「仕訳データ詳細情報」等を含む。
【0070】
項目「事業者ID」は、会計システム1にて会計サービスの提供を受ける、設立した法人等の事業者それぞれを識別する情報である。
【0071】
項目「事業者名」は、会計システム1にて会計サービスの提供を受ける、設立した法人等の事業者の名称を示す情報である。
【0072】
項目「仕訳データ詳細情報」は、会計システム1にて会計サービスの提供を受ける、設立した法人等の事業者における売上、売掛金、買掛金等の入出金の取引を記帳した仕訳データであり、具体的には、項目「日付」と、項目「借方/貸方」と、項目「摘要」と、項目「金額」等を含む。この項目「仕訳データ詳細情報」は、事業者等が日々の取引等について登録した情報に基づき、仕訳を行い、会計情報として登録した情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0073】
項目「日付」は、会計システム1にて管理する売上、売掛金、買掛金等の入出金の取引が発生した日付の情報である。
【0074】
項目「借方/貸方」は、入出金の取引について仕訳を行った仕訳データの借方または貸方の区別を示す情報であり、例えば、借方である場合は「借方」の情報が、貸方である場合は「貸方」の情報が格納されている。借方及び貸方は、現在帳簿への記帳で一般的に使用されている、複式簿記における記載項目である。
【0075】
項目「摘要」は、仕訳を行った仕訳データの勘定科目を示す情報である。勘定科目は、取引の入力で使用される費目の内容を示す情報であり、例えば図5に示すように、「クレジット売掛金」、「売上」、「現金」等の内容が格納されている。
【0076】
項目「金額」は、仕訳を行った仕訳データの金額を示す情報である。項目「金額」には、項目「摘要」が示す勘定科目の例である、「クレジット売掛金」、「売上」、「現金」等の金額が格納されている。
【0077】
サーバ20の会計サービス登録モジュール2034は、当該法人を会計サービスに登録することに伴って、会計データベース2022のレコードを追加する。
【0078】
<3 動作>
以下、図6を参照しながら、第1の実施の形態における会計システム1によるテスト条件設定処理、テスト処理及び比較対象生成処理について説明する。
【0079】
図6は、実施の形態1の会計システム1によるテスト条件設定処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS121において、サーバ20の定款データ取得モジュール2033は、ユーザが法人登記を申請した時の定款データ、具体的には、例えば法人設立を支援するサービス等において法人の登記申請時に用いた、認証された定款データを取得する。
【0081】
ステップS122において、サーバ20の会計サービス登録モジュール2034は、ステップS121で取得した定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成する。会計サービス登録モジュール2034は、生成した登録データを会計サービスに登録し、帳簿データを作成する。また、会計サービス登録モジュール2034は、登録データを、会計データベース2022に登録する。
【0082】
ステップS123において、サーバ20の仕訳登録モジュール2035は、法人設立にかかる費用について、法人登記に係る法人の会計データに登録する。仕訳登録モジュール2035は、算出したサンプル数の情報を、会計データベース2022に登録する。
【0083】
ステップS124において、サーバ20の登録通知モジュール2036は、ユーザに対して会計サービスへの登録データの登録が完了した旨を通知するため、登録データの登録が完了した旨の情報を端末装置10へ、通信部201を介して送信する。
【0084】
以上のように、会計システム1では、法人登記を申請した時の定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成する。また、生成した登録データを会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成して、ユーザに登録が完了した旨を通知する。これにより、法人設立時に作成する定款の記載内容を会計システムに連携することで、適切な帳簿を作成することが可能になる。
【0085】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、法人登記を申請した時の定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成する。また、生成した登録データを会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成して、ユーザに登録が完了した旨を通知する。そのため、定款データからデータ連携することにより、煩わしい作業及びミスを低減させ、誤った状態の申告を防止している。これにより、法人設立時に作成する定款の記載内容を会計システムに連携することで、適切な帳簿を作成することが可能になる。
【0086】
また、本実施形態によると、法人設立にかかる費用について、法人登記に係る法人の会計データに登録する。これにより、法人設立にかかる費用について、適切な経費としての処理が可能になる。
【0087】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0088】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0089】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、メモリは、ユーザが法人登記を申請した時の定款データ(2021)を記憶し、プログラムは、プロセッサ29に、定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップ(S122)と、生成した登録データを、会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップ(S122)と、ユーザに対して、登録データの登録が完了した旨を通知するステップ(S124)と、を実行させる、プログラム。
【0090】
(付記2)メモリは、ユーザが法人登記を申請した時の設立費用のデータを記憶し、プログラムは、さらに、設立費用のデータに基づき、設立費用を、法人登記に係る法人の会計サービスの会計データに登録するステップ(S123)を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0091】
(付記3)設立費用を法人の会計データに登録するステップにおいて、設立費用を、法人の繰延資産として登録する、(付記2)に記載のプログラム。
【0092】
(付記4)会計サービスに登録するステップにおいて、固定資産台帳の登録を行う、(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
【0093】
(付記5)制御部203と、記憶部202とを備える情報処理装置であって、記憶部202は、ユーザが法人登記を申請した時の定款データ(2021)を記憶し、制御部203は、定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップ(S122)と、生成した登録データを、会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップ(S122)と、ユーザに対して、登録データの登録が完了した旨を通知するステップ(S124)と、を実行する、情報処理装置。
【0094】
(付記6)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、メモリは、ユーザが法人登記を申請した時の定款データ(2021)を記憶し、方法は、プロセッサ29が、定款データに基づき、ユーザが会計サービスの利用を開始するために登録する登録データを生成するステップ(S122)と、生成した登録データを、会計サービスに登録し、帳簿の情報を作成するステップ(S122)と、ユーザに対して、登録データの登録が完了した旨を通知するステップ(S124)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0095】
1 :会計システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
30 :外部サーバ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :データ処理部
174 :通知制御部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :定款データベース
2022 :会計データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :定款データ取得モジュール
2034 :会計サービス登録モジュール
2035 :仕訳登録モジュール
2036 :登録通知モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6