(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163313
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】画像記録装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20231102BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20231102BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20231102BHJP
B65H 3/44 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J11/70
B41J11/42
B65H3/44 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074135
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】出浦 祐視
(72)【発明者】
【氏名】奥苑 大成
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】中野 靖大
(72)【発明者】
【氏名】金澤 学郎
(72)【発明者】
【氏名】辻村 祐樹
【テーマコード(参考)】
2C058
2C061
3F343
【Fターム(参考)】
2C058AB12
2C058AC07
2C058AE02
2C058AE04
2C058AF06
2C058AF15
2C058AF51
2C058GC01
2C058LA02
2C058LA23
2C058LB10
2C058LB19
2C058LB36
2C058LC02
2C058LC10
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AS02
2C061AS06
2C061HJ03
2C061HJ07
2C061HK07
2C061HN17
3F343FA01
3F343FA08
3F343FA09
3F343FB01
3F343GA01
3F343GB01
3F343LC19
3F343MB03
3F343MC21
(57)【要約】
【課題】2つの収容部から選択的にシート状媒体を搬送可能な構成において、収容部情報と媒体情報とが対応しない記録指令を受信した場合にも、ユーザ所望の記録を実現可能とする。
【解決手段】プリンタの搬送機構は、互いに異なる給紙トレイに収容されたカット紙及びロール紙を選択的に搬送可能である。プリンタのCPUは、PC 等の外部装置から記録指令を受信し、当該記録指令に含まれるトレイ情報がカット紙を収容する給紙トレイを示し、かつ、記録指令に含まれる用紙情報がロール紙を示す場合(サイズ情報「210mm≦L≦1200mm」の範囲で)、搬送機構にロール紙を収容するトレイからロール紙を搬送させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、
制御部と、を備え、
前記搬送機構は、第1収容部に収容された第1シート状媒体、及び、第2収容部に収容された第2シート状媒体であって前記搬送方向において前記第1シート状媒体よりも長い長尺の第2シート状媒体を、選択的に搬送可能であり、
前記制御部は、
記録指令に基づいて、前記搬送機構に前記第1収容部及び前記第2収容部の一方からシート状媒体を搬送させ、前記記録部に当該シート状媒体に画像を記録させ、
前記記録指令に含まれる収容部に関する収容部情報が前記第1収容部を示し、かつ、前記記録指令に含まれるシート状媒体に関する媒体情報が前記第2シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記収容部情報が前記第2収容部を示し、かつ、前記媒体情報が前記第1シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第1収容部から前記第1シート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記収容部情報が前記第2収容部を示し、かつ、前記媒体情報が前記第1シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記媒体情報が前記第1シート状媒体及び前記第2シート状媒体のいずれでもよいことを示す場合、前記搬送機構に、前記第1収容部及び前記第2収容部のうち前記収容部情報が示す収容部からシート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記記録指令に前記媒体情報が含まれない場合、前記搬送機構に、前記第1収容部及び前記第2収容部のうち前記収容部情報が示す収容部からシート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記第1収容部及び前記第2収容部のいずれを優先するかを示す優先情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記媒体情報が前記第1シート状媒体及び前記第2シート状媒体のいずれでもよいことを示し、かつ、前記収容部情報が前記第1収容部及び前記第2収容部のいずれでもよいことを示す場合、前記搬送機構に、前記第1収容部及び前記第2収容部のうち前記優先情報に対応する収容部からシート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記第1収容部及び前記第2収容部のいずれを優先するかを示す優先情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記録指令に前記媒体情報及び前記収容部情報が含まれない場合、前記搬送機構に、前記第1収容部及び前記第2収容部のうち前記優先情報に対応する収容部からシート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記第1シート状媒体は、第1サイズを有し、
前記第2シート状媒体は、前記搬送方向の長さが前記第1サイズよりも長い第2サイズを有し、
前記記録指令は、シート状媒体のサイズに関するサイズ情報をさらに含み、
前記制御部は、前記サイズ情報が、前記搬送方向の長さが前記第1サイズよりも長いサイズを示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記サイズ情報が、前記搬送方向の長さが前記第1サイズよりも短い第3サイズを示す場合、前記搬送機構に前記第1収容部から前記第1シート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項8に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記搬送機構は、前記搬送方向に互いに離隔した第1ローラ対及び第2ローラ対を含み、前記第1ローラ対及び前記第2ローラ対がシート状媒体を挟持しつつ回転することでシート状媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記第1サイズは、前記搬送方向の長さが、前記第1ローラ対と前記第2ローラ対との前記搬送方向の間隔以上であり、
前記第3サイズは、前記搬送方向の長さが、前記第1ローラ対と前記第2ローラ対との前記搬送方向の間隔よりも短いことを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
前記搬送機構は、前記搬送方向に互いに離隔した第1ローラ対及び第2ローラ対を含み、前記第1ローラ対及び前記第2ローラ対がシート状媒体を挟持しつつ回転することでシート状媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記搬送機構によって搬送されるシート状媒体を、前記搬送方向と交差する方向に切断するカッターをさらに備え、
前記制御部は、前記サイズ情報が、前記搬送方向の長さが前記第1サイズよりも短くかつ前記第1ローラ対と前記第2ローラ対との前記搬送方向の間隔以上である第4サイズを示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させ、前記カッターに前記第2シート状媒体を切断させることで、前記搬送方向の長さが前記第4サイズに対応するシート状媒体を生成させることを特徴とする請求項8に記載の画像記録装置。
【請求項12】
シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置において、前記搬送機構は、第1収容部に収容された第1シート状媒体、及び、第2収容部に収容された第2シート状媒体であって前記搬送方向において前記第1シート状媒体よりも長い長尺の第2シート状媒体を、選択的に搬送可能な画像記録装置を制御する制御方法であって、
記録指令に基づいて、前記搬送機構に前記第1収容部及び前記第2収容部の一方からシート状媒体を搬送させ、前記記録部に当該シート状媒体に画像を記録させ、
前記記録指令に含まれる収容部に関する収容部情報が前記第1収容部を示し、かつ、前記記録指令に含まれるシート状媒体に関する媒体情報が前記第2シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とする制御方法。
【請求項13】
シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置において、前記搬送機構は、第1収容部に収容された第1シート状媒体、及び、第2収容部に収容された第2シート状媒体であって前記搬送方向において前記第1シート状媒体よりも長い長尺の第2シート状媒体を、選択的に搬送可能な画像記録装置を、
記録指令に基づいて、前記搬送機構に前記第1収容部及び前記第2収容部の一方からシート状媒体を搬送させ、前記記録部に当該シート状媒体に画像を記録させる手段として機能させ、
前記記録指令に含まれる収容部に関する収容部情報が前記第1収容部を示し、かつ、前記記録指令に含まれるシート状媒体に関する媒体情報が前記第2シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状媒体に画像を記録する画像記録装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1給紙トレイ(第1収容部)に収容された単票用紙(第1シート状媒体)、及び、第2給紙トレイ(第2収容部)に収容されたロール紙(第2シート状媒体)を、選択的に搬送可能なプリンタ(画像記録装置)が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-054614号公報(
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように2つの収容部から選択的にシート状媒体を搬送可能な画像記録装置が記録指令に基づいて記録処理を実行する際に、記録指令に含まれる収容部に関する収容部情報とシート状媒体に関する媒体情報とが対応しない場合、ユーザ所望の記録を実現できないという問題が生じ得る。当該問題は、例えば、外部装置(PC等)に当該画像記録装置専用のドライバがインストールされておらず、外部装置が有する汎用的なプリント機能に基づいて画像記録装置に記録指令が送信される場合に生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、2つの収容部から選択的にシート状媒体を搬送可能な構成において、収容部情報と媒体情報とが対応しない記録指令を受信した場合にも、ユーザ所望の記録を実現可能な画像記録装置、その制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点によれば、シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、制御部と、を備え、前記搬送機構は、第1収容部に収容された第1シート状媒体、及び、第2収容部に収容された第2シート状媒体であって前記搬送方向において前記第1シート状媒体よりも長い長尺の第2シート状媒体を、選択的に搬送可能であり、前記制御部は、記録指令に基づいて、前記搬送機構に前記第1収容部及び前記第2収容部の一方からシート状媒体を搬送させ、前記記録部に当該シート状媒体に画像を記録させ、前記記録指令に含まれる収容部に関する収容部情報が前記第1収容部を示し、かつ、前記記録指令に含まれるシート状媒体に関する媒体情報が前記第2シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とする画像記録装置が提供される。
【0007】
本発明の第2観点によれば、シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置において、前記搬送機構は、第1収容部に収容された第1シート状媒体、及び、第2収容部に収容された第2シート状媒体であって前記搬送方向において前記第1シート状媒体よりも長い長尺の第2シート状媒体を、選択的に搬送可能な画像記録装置を制御する制御方法であって、記録指令に基づいて、前記搬送機構に前記第1収容部及び前記第2収容部の一方からシート状媒体を搬送させ、前記記録部に当該シート状媒体に画像を記録させ、前記記録指令に含まれる収容部に関する収容部情報が前記第1収容部を示し、かつ、前記記録指令に含まれるシート状媒体に関する媒体情報が前記第2シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とする制御方法が提供される。
【0008】
本発明の第3観点によれば、シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置において、前記搬送機構は、第1収容部に収容された第1シート状媒体、及び、第2収容部に収容された第2シート状媒体であって前記搬送方向において前記第1シート状媒体よりも長い長尺の第2シート状媒体を、選択的に搬送可能な画像記録装置を、記録指令に基づいて、前記搬送機構に前記第1収容部及び前記第2収容部の一方からシート状媒体を搬送させ、前記記録部に当該シート状媒体に画像を記録させる手段として機能させ、前記記録指令に含まれる収容部に関する収容部情報が前記第1収容部を示し、かつ、前記記録指令に含まれるシート状媒体に関する媒体情報が前記第2シート状媒体を示す場合、前記搬送機構に前記第2収容部から前記第2シート状媒体を搬送させることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、収容部情報と媒体情報とが対応しない記録指令を受信した場合、媒体情報を優先することにより、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るプリンタの内部構造を示す概略側面図であり、カット紙が収容された状態を示す概略側面図である。
【
図2】
図1のプリンタにロール体が収容された状態を示す概略側面図である。
【
図3】
図1のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1のプリンタのROMに記憶されたテーブルを示す図である。
【
図5】
図1のプリンタのCPUが実行する処理を示すフロー図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るプリンタのROMに記憶されたテーブルを示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るプリンタのCPUが実行する処理を示すフロー図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係るプリンタのROMに記憶されたテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るプリンタ1(画像記録装置)は、
図1及び
図2に示すように、筐体1aと、筐体1aに対して着脱可能な給紙トレイ10,20と、排紙トレイ6とを備えている。給紙トレイ10が本発明の「第1収容部」に該当し、給紙トレイ20が本発明の「第2収容部」に該当する。
【0012】
給紙トレイ10,20は、上方に開口した箱形状を有し、筐体1aに対して前後方向に移動可能である。給紙トレイ10,20は、筐体1aに対して前方に移動されることで筐体1aから引き出され、筐体1aに対して後方に移動されることで筐体1aに装着される。給紙トレイ10,20は、筐体1aに装着される装着位置(
図1及び
図2参照)と、装着位置よりも前方の引出位置(図示略)とを取り得る。給紙トレイ10,20が装着位置にあるとき、給紙トレイ10は、給紙トレイ20と上下方向に重なり、給紙トレイ20の上方に配置されている。
【0013】
排紙トレイ6は、筐体1aの上部前方の側壁で構成されている。排紙トレイ6は、左右方向に沿った軸6aを中心として回動することで、筐体1aの開口1xを開く開位置(図示略)と、開口1xを閉じる閉位置(
図1及び
図2参照)とを取り得る。
【0014】
プリンタ1は、さらに、搬送機構3と、切断機構4と、ヘッド5と、制御装置100とを備えている。搬送機構3のうち後述のローラ14a,14bを除く要素と、切断機構4と、ヘッド5と、制御装置100とは、筐体1aに支持されている。
【0015】
搬送機構3は、給紙トレイ10,20から選択的に用紙Pを搬送するように構成されており、ローラ14a,14bと、ローラ32,35及びアーム33,36と、ローラ対37a,37b,38,39と、上記各ローラを駆動するための搬送モータ30(
図3参照)とを含む。
【0016】
用紙Pは、カット紙Pc(
図1参照)及びロール紙Pr(
図2参照)を総称したものであり、本発明の「シート状媒体」に該当する。カット紙Pcが本発明の「第1シート状媒体」に該当し、ロール紙Prが本発明の「第2シート状媒体」に該当する。カット紙Pcは、ロール紙Prよりも搬送方向(搬送機構3により用紙Pが搬送される方向)の長さが短い。換言すると、ロール紙Prのサイズ(第2サイズ)における搬送方向の長さは、カット紙Pcのサイズ(第1サイズ)における搬送方向の長さよりも長い。例えば、カット紙Pcは、A4サイズの場合、長手方向が左右方向に沿うように給紙トレイ10に配置(横置きに)すると、搬送方向の長さが210mmである。また、カット紙Pcは、A3サイズの場合、長手方向が左右方向に沿うように給紙トレイ10に配置(横置きに)すると、搬送方向の長さが420mmである。新品のロール体Rにおけるロール紙Prの搬送方向の長さは、例えば、900mm、1200mm、2700mm等である。本発明の「第2シート状媒体」は、搬送方向において本発明の「第1シート状媒体(例えばA判やB判)」よりも長い。
【0017】
搬送機構3において、ローラ32及びアーム33と、ローラ対37a,38,39とは、給紙トレイ10からヘッド5の下方を通って排紙トレイ6へとカット紙Pcが搬送される搬送経路T1を構成する(
図1参照)。搬送機構3において、ローラ14a,14bと、ローラ35及びアーム36と、ローラ対37a,37b,38,39とは、給紙トレイ20からヘッド5の下方を通って排紙トレイ6へとロール紙Prが搬送される搬送経路T2を構成する(
図2参照)。搬送経路T1,T2においてローラ対37aから排紙トレイ6までの部分は共通している。
【0018】
ローラ対37a,37b,38,39は、搬送方向に互いに離隔し、用紙Pを挟持しつつ回転することで用紙Pを搬送方向に搬送する。
図2に示すように、ローラ対37aとローラ対37bとの搬送方向の間隔D、ローラ対37aとローラ対38との搬送方向の間隔D、及び、ローラ対38とローラ対39との搬送方向の間隔Dは、互いに同じである。カット紙Pcの搬送方向の長さ(例えばA4サイズで横置きの場合210mm)は、間隔D(例えば180mm)以上である。
【0019】
給紙トレイ10は、
図1に示すように、複数のカット紙Pcを上下方向に積層した状態で収容可能である。カット紙Pcは、給紙トレイ10の底壁11の上面に支持される。
【0020】
給紙トレイ10が筐体1aに装着された状態において、給紙トレイ10にカット紙Pcが収容されていないとき、ローラ32は、底壁11に接触する(
図2参照)。給紙トレイ10が筐体1aに装着された状態において、給紙トレイ10にカット紙Pcが収容されているとき、ローラ32は、最上層のカット紙Pcと接触する(
図1参照)。この状態で、制御装置100の制御により搬送モータ30(
図3参照)が駆動されると、ローラ32が回転し、カット紙Pcが後方に給送される。
【0021】
ローラ32は、アーム33の一端に支持されている。アーム33の他端は、左右方向に沿った軸33aを介して筐体1aに支持されている。アーム33は、軸33aを中心として回動可能である(
図1及び
図2参照)。アーム33は、付勢部材(図示略)によりローラ32が底壁11に近づくように付勢されている。
【0022】
給紙トレイ20は、
図2に示すように、ロール体Rを収容可能である。ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に長尺のロール紙Prがロール状に巻回されたものである。ロール体Rは、その回転軸Rx(芯部材Rcの中心軸)が左右方向に沿った状態で、給紙トレイ20に収容される。
【0023】
給紙トレイ20の底部に、ローラ24a,24bが配置されている。ローラ24a,24bは、左右方向に沿った軸を中心として回転可能である。ロール体Rは、給紙トレイ20に収容されたとき、その下側部分の外周面がローラ24a,24bに支持される。
【0024】
ロール体Rをセットする際には、ロール体Rを手動で
図2の反時計回り方向に回転させ、ロール体Rからロール紙Prを巻き解く。そしてロール紙Prの先端をローラ35と給紙トレイ20の底壁21との間に挟持させる。この状態で、制御装置100の制御により搬送モータ30(
図3参照)が駆動されると、ローラ24a,24b,35が回転し、ロール紙Prが後方に給送される。給紙トレイ20からローラ35により給送されたロール紙Prは、給紙トレイ20の後方の側壁22と接触し、側壁22に沿って移動して、切断機構4へと案内される。
【0025】
ローラ35は、アーム36の一端に支持されている。アーム36の他端は、左右方向に沿った軸36aを介して筐体1aに支持されている。アーム36は、軸36aを中心として回動可能である。アーム36は、付勢部材(図示略)によりローラ35が底壁21に近づくように付勢されている。
【0026】
切断機構4は、カッター4aと、切断モータ40(
図3参照)とを含む。カッター4aは、給紙トレイ20の後方の側壁22の上方かつローラ対37bの下方に配置されている。カッター4aは、例えば円板状の回転刃と従動刃とからなる。或いは、カッター4aは、回転刃と固定刃とからなってもよい。制御装置100の制御により切断モータ40が駆動されると、回転刃は、回転しながら、左右方向に往復移動する。ロール紙Prは、カッター4aにより左右方向(搬送方向と交差する方向)に切断されることで、搬送方向の長さを調整可能である。
【0027】
ヘッド5(本発明の「記録部」に該当する。)は、インクジェット方式であり、下面に形成された複数のノズル(図示略)を有する。搬送機構3によって搬送された用紙Pがヘッド5の下面と対向する位置を通過するときに、制御装置100の制御によりドライバIC50(
図3参照)が駆動されることで、ノズルからインクが吐出され、用紙Pにインクが着弾し、用紙Pに画像が記録される。なお、ヘッド5は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0028】
制御装置100は、
図3に示すように、内部バス(図示略)を介して、入力部150、報知部160、搬送モータ30、ドライバIC50及び切断モータ40と接続されている。入力部150は、プリンタ1のユーザが入力を行うための要素であり、例えば、スイッチ、ボタン、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成される。報知部160は、ユーザへの報知を行うための要素であり、例えば、画像出力を行うディスプレイや音声出力を行うスピーカで構成される。
【0029】
制御装置100は、さらに、PC(Personal Computer)200と通信可能に接続されている。PC200は、プリンタ1専用のドライバがインストールされておらず、汎用的なプリント機能を有する。
【0030】
制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102及びRAM(Random Access Memory)103を有する。CPU101が本発明の「制御部」に該当し、RAM103が本発明の「記憶部」に該当する。
【0031】
ROM102には、CPU101が各種動作を制御するためのプログラムやデータが格納されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。CPU101は、PC200から受信した記録指令及び入力部150から入力されたデータに基づいて、ROM102やRAM103に記憶されているプログラムやデータにしたがい、搬送モータ30及びドライバIC50(さらに、ロール紙Prに記録を行う場合は切断モータ40)を制御し、用紙Pに画像を記録する記録処理を実行する。
【0032】
記録指令は、画像データの他、用紙Pのサイズに関する「サイズ情報」、用紙Pに関する「用紙情報」(本発明の「媒体情報」に該当する。)、及び、給紙トレイ10,20に関する「トレイ情報」(本発明の「収容部情報」に該当する。)を含む。「サイズ情報」は、記録処理の対象となる用紙Pのサイズ(搬送方向の長さを含む。)を示す情報である。「用紙情報」は、記録処理の対象となる用紙Pが、ロール紙Prであるか、カット紙Pcであるか、任意(any:ロール紙Pr及びカット紙Pcのいずれでもよい)かを示す情報である。「トレイ情報」は、記録処理において給紙トレイ20からロール紙Prを搬送するか、給紙トレイ10からカット紙Pcを搬送するか、任意(any:給紙トレイ10,20のいずれから用紙Pを搬送してもよい)かを示す情報である。
【0033】
入力部150から入力されるデータは、給紙トレイ10,20のいずれを優先するかを示す「優先情報」を含む。
【0034】
ROM103には、
図4に示すような、「サイズ情報」「用紙情報」「トレイ情報」に応じて記録処理の対象として選択される用紙Pの種類(
図4のハッチング部参照:カット紙Pc及びロール紙Prのいずれか)を示すテーブルが記憶されている。基本的な優先順位は「サイズ情報>トレイ情報>用紙情報」と設定されている。
【0035】
RAM103は、PC200から受信した記録指令及び入力部150から入力されたデータを一時的に記憶する。
【0036】
CPU101は、PC200から記録指令を受信すると、ROM102に記憶された上記テーブルとRAM103から読みだしたデータとに基づいて、記録処理の対象としてカット紙Pc及びロール紙Prのいずれかを選択し、当該選択した用紙Pに対して記録処理を実行する。なお、記録指令に「用紙情報」や「トレイ情報」が含まれない場合がある。この場合、CPU101は、当該情報が任意であるとして処理を行う。
【0037】
或いは、CPU101は、
図5に示すプログラムを実行してよい。
【0038】
図5において、CPU101は、先ず、PC200から記録指令を受信したか否かを判断する(S1)。
【0039】
PC200から記録指令を受信していないと判断した場合(S1:NO)、CPU101は、S1の処理を繰り返す。
【0040】
PC200から記録指令を受信したと判断した場合(S1:YES)、CPU101は、記録指令に含まれるサイズ情報が示す搬送方向の長さLが2700mmを超える(L>2700mm)か否かを判断する(S2)。
【0041】
L>2700mmと判断した場合(S2:YES)、CPU101は、報知部160(
図3参照)を介して記録不可を示すエラー報知を行う(S3)。これは、上述のように新品のロール体Rにおけるロール紙Prの搬送方向の長さが2700mmであり、カット紙Pcはロール紙Prよりも搬送方向の長さ短く、カット紙Pc及びロール紙Prのいずれを選択してもL>2700mmに対応する記録を実現できないためである。S3の後、CPU101は当該プログラムを終了する。
【0042】
L>2700mmでないと判断した場合(S2:NO)、CPU101は、L>1200mmか否かを判断する(S4)。
【0043】
L>1200mmと判断した場合(S4:YES)、CPU101は、ロール紙Prに対して記録処理を行う(S5)。S5において、CPU101は、搬送機構3にロール紙Prを給紙トレイ20から搬送経路T2に沿って搬送させ(
図2参照)、ヘッド5にロール紙Prに対してインクを吐出させ、かつ、切断機構4にロール紙Prを所定長さに切断させる。S5の後、CPU101は当該プログラムを終了する。
【0044】
L>1200mmでないと判断した場合(S4:NO)、CPU101は、L≧210mmか否かを判断する(S6)。
【0045】
L≧210mmでない(即ち、L<210mm)と判断した場合(S6:NO)、CPU101は、カット紙Pcに対して記録処理を行う(S7)。S7において、CPU101は、搬送機構3にカット紙Pcを給紙トレイ10から搬送経路T1に沿って搬送させ(
図1参照)、ヘッド5にカット紙Pcに対してインクを吐出させる。S7の後、CPU101は当該プログラムを終了する。
【0046】
L≧210mmと判断した場合(S6:YES)、CPU101は、記録指令に含まれる用紙情報がロール紙Prを示すか否かを判断する(S8)。
【0047】
用紙情報がロール紙Prを示すと判断した場合(S8:YES)、CPU101は、ロール紙Prに対して記録処理を行う(S5)。
【0048】
用紙情報がロール紙Prを示さないと判断した場合(S8:NO)、CPU101は、用紙情報がカット紙Pcを示すか否かを判断する(S9)。
【0049】
用紙情報がカット紙Pcを示すと判断した場合(S9:YES)、CPU101は、カット紙Pcに対して記録処理を行う(S7)。
【0050】
用紙情報がカット紙Pcを示さない(即ち、ロール紙Pr及びカット紙Pcのいずれでもよいことを示す)と判断した場合(S9:NO)、CPU101は、記録指令に含まれるトレイ情報がロール紙Prを示す(記録処理において給紙トレイ20からロール紙Prを搬送することを示す)か否かを判断する(S10)。
【0051】
トレイ情報がロール紙Prを示すと判断した場合(S10:YES)、CPU101は、ロール紙Prに対して記録処理を行う(S5)。
【0052】
トレイ情報がロール紙Prを示さないと判断した場合(S10:NO)、CPU101は、トレイ情報がカット紙Pcを示すか否かを判断する(S11)。
【0053】
トレイ情報がカット紙Pcを示すと判断した場合(S11:YES)、CPU101は、カット紙Pcに対して記録処理を行う(S7)。
【0054】
トレイ情報がカット紙Pcを示さない(即ち、給紙トレイ10,20のいずれから用紙Pを搬送してもよいことを示す)と判断した場合(S11:NO)、CPU101は、入力部150から入力された「優先情報」に対応する用紙Pに対して記録処理を行う(S12)。S12の後、CPU101は当該プログラムを終了する。
【0055】
なお、CPU101は、S5(ロール紙Prに対する記録処理)とS7(カット紙Pcに対する記録処理)とにおいて、記録制御(色パラメータ、縁の有無等)を異ならせる。色パラメータとは、画像データ(画像の色に対応したRGB(レッド、グリーン、ブルー)のデータ)を吐出データ(インクの色に対応したCMYKのデータ)に変換するためのルックアップテーブのパラメータである。S7(カット紙Pcに対する記録処理)においても、記録対象となるカット紙Pcが普通紙であるか光沢紙であるか等に応じて、記録制御を異ならせる。
【0056】
以上に述べたように、本実施形態によれば、CPU101は、トレイ情報が給紙トレイ10(カット紙Pc)を示し、かつ、用紙情報がロール紙Prを示す場合、搬送機構3に給紙トレイ20からロール紙Prを搬送させる(
図4のサイズ情報「210mm≦L≦1200mm」における上から2行目、
図5のS8:YES→S5参照)。この場合、2つの給紙トレイ10,20から選択的に用紙Pを搬送可能な構成において、トレイ情報と媒体情報とが対応しない記録指令を受信した場合にも、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【0057】
CPU101は、トレイ情報が給紙トレイ20(ロール紙Pr)を示し、かつ、用紙情報がカット紙Pcを示す場合、搬送機構3に給紙トレイ10からカット紙Pcを搬送させる(
図4のサイズ情報「210mm≦L≦1200mm」における上から4行目、
図5のS9:YES→S7参照)。この場合、2つの給紙トレイ10,20から選択的に用紙Pを搬送可能な構成において、トレイ情報と媒体情報とが対応しない記録指令を受信した場合にも、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【0058】
CPU101は、用紙情報が任意(any:ロール紙Pr及びカット紙Pcのいずれでもよいこと)を示す場合、又は、記録指令に用紙情報が含まれない場合、搬送機構3に、トレイ情報が示す給紙トレイから用紙Pを搬送させる(
図4のサイズ情報「210mm≦L≦1200mm」における下から2行目及び3行目、
図5のS9:NO→S10,S11参照)。この場合、用紙情報が任意のときや記録指令に用紙情報が含まれないときはトレイ情報を採用することにより、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【0059】
CPU101は、用紙情報及びトレイ情報が共に任意(any:ロール紙Pr及びカット紙Pcのいずれでもよいこと)を示す場合、又は、記録指令に用紙情報及びトレイ情報が含まれない場合、優先情報に対応する給紙トレイから用紙Pを搬送させる(
図4のサイズ情報「210mm≦L≦1200mm」における下から1行目、
図5のS11:NO→S12参照)。この場合、優先情報を採用することにより、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【0060】
CPU101は、サイズ情報が、搬送方向の長さがカット紙Pcよりも長いサイズを示す場合、搬送機構3に給紙トレイ20からロール紙Prを搬送させる(
図4のサイズ情報「1200mm≦L≦2700mm」の行、
図5のS4:YES→S5参照)。仮に、サイズ情報が上記の場合にカット紙Pcを搬送させると、記録指令に含まれるサイズ情報よりもカット紙Pcの搬送方向の長さ(例えばA4サイズで横置きの場合210mm)が短いため、ユーザ所望の記録が実現できない。この点、本実施形態では、サイズ情報が上記の場合にロール紙Prを搬送させることで、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【0061】
CPU101は、サイズ情報が、搬送方向の長さがカット紙Pcよりも短いサイズを示す場合、搬送機構3に給紙トレイ10からカット紙Pcを搬送させる(
図4のサイズ情報「0mm<L<210mm」の行、
図5のS6:NO→S7参照)。この場合、ユーザ所望のサイズに近いサイズのカット紙Pcを搬送させることで、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【0062】
カット紙Pcの搬送方向の長さ(例えばA4サイズで横置きの場合210mm)は、ローラ対37a,37b,38,39の搬送方向の間隔D(例えば180mm)以上である。CPU101は、サイズ情報が、搬送方向の長さが間隔Dよりも短いサイズ(第3サイズ:例えばL=150mm)場合に、搬送機構3に給紙トレイ10からカット紙Pcを搬送させる(
図4のサイズ情報「0mm<L<210mm」の行、
図5のS6:NO→S7参照)。仮に、サイズ情報が第3サイズを示す場合にロール紙Prを搬送させ、カッター4aにロール紙Prを第3サイズに切断させると、切断により生成された用紙Pの搬送方向の長さが間隔Dよりも短くなるため、ローラ対37a,37b,38,39によって用紙Pを搬送できない。この点、本実施形態では、サイズ情報が第3サイズを示す場合にカット紙Pcを搬送させることで、ローラ対37a,37b,38,39によって用紙Pを搬送できないという問題を抑制できる。
【0063】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るプリンタ(画像記録装置)は、制御内容が第1実施形態と異なる。
【0064】
第1実施形態(
図4及び
図5参照)において、CPU101は、トレイ情報が給紙トレイ20(ロール紙Pr)を示し、かつ、用紙情報がカット紙Pcを示す場合、搬送機構3に給紙トレイ10からカット紙Pcを搬送させる(
図4のサイズ情報「210mm≦L≦1200mm」における上から4行目、
図5のS9:YES→S7参照)。
【0065】
これに対し、第2実施形態(
図6参照)において、CPU101は、トレイ情報が給紙トレイ20(ロール紙Pr)を示し、かつ、用紙情報がカット紙Pcを示す場合、搬送機構3に給紙トレイ20からロール紙Prを搬送させる(
図6のサイズ情報「210mm≦L≦1200mm」における上から4行目参照)。
【0066】
第2実施形態において、CPU101は、
図7に示すように、用紙情報がカット紙Pcを示すと判断した場合(S9:YES)、直ちにS7に処理を進めるのではなく、トレイ情報がロール紙Prを示すか否かを判断する(S20)。トレイ情報がロール紙Prを示すと判断した場合(S20:YES)、ロール紙Prに対して記録処理を行う(S5)。トレイ情報がロール紙Prを示さないと判断した場合(S20:NO)、カット紙Pcに対して記録処理を行う(S7)。
【0067】
本実施形態によれば、2つの給紙トレイ10,20から選択的に用紙Pを搬送可能な構成において、トレイ情報と媒体情報とが対応しない記録指令を受信した場合にも、ユーザ所望の記録を実現可能である。
【0068】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係るプリンタ(画像記録装置)は、制御内容が第1実施形態と異なる。
【0069】
第1実施形態(
図4参照)において、CPU101は、L<210mmの場合、カット紙Pcを搬送させる。
【0070】
これに対し、第3実施形態(
図8参照)において、CPU101は、L<210mmの場合、さらに「L<180mm」か「L≧180mm」かを判断し、「L<180mm」の場合はカット紙Pcを搬送させる一方、「L≧180mm」の場合はロール紙Prを搬送させ、カッター4aにロール紙Prを切断させてサイズ情報に対応するサイズ(180≦L<210mm)の用紙を生成させる。
【0071】
ここで、「180≦L<210mm」が、本発明に係る「第4サイズ」の搬送方向の長さであり、カット紙Pcのサイズ(第1サイズ)における搬送方向の長さ(例えばA4サイズで横置きの場合210mm)よりも短く、かつ、ローラ対37a,37b,38,39の搬送方向の間隔D(例えば180mm)以上である。
【0072】
本実施形態によれば、サイズ情報が、搬送方向の長さが間隔D以上でかつカット紙Pcよりも短いサイズ(180≦L<210mm)を示す場合、ロール紙Prを用い、ロール紙Prの搬送方向の長さを切断により調整することで、ユーザ所望の記録を実現可能である。この場合、切断により生成される用紙Pの搬送方向の長さLは間隔D以上であるため、ローラ対37a,37b,38,39によって用紙Pを搬送できないという問題は生じない。
【0073】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0074】
第2シート状媒体は、上述の実施形態ではロール紙Prであるが、これに限定されず、例えば蛇腹状に折り畳まれた用紙等であってもよい。
【0075】
収容部は、トレイに限定されない。例えば、蛇腹状に折り畳まれた用紙が床に配置されている場合、当該用紙が配置された空間が収容部に該当する。
【0076】
3以上のローラ対において、搬送方向に互いに隣接するローラ対間の搬送方向の間隔は、一定でなくてもよい。この場合、第1サイズの搬送方向の長さを最小間隔以上、第3サイズの搬送方向の長さを最小間隔よりも短く、第4サイズの搬送方向の長さを最小間隔以上とすればよい。
【0077】
シート状媒体は、紙に限定されず、布やプラスチックフィルムであってもよい。即ち、シート状媒体は、シート状である限り、任意の材料で構成されてよい。
【0078】
記録部は、液体吐出方式の場合に、インク以外の液体(例えば、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等)を吐出してもよい。また、記録部は、液体吐出方式に限定されず、レーザー方式、熱転写方式等であってもよい。
【0079】
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。
【0080】
本発明に係るプログラムは、フレキシブルディスク等のリムーバブル型記録媒体やハードディスク等の固定型記録媒体に記録して配布可能である他、通信回線を介して配布可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 プリンタ(画像記録装置)
3 搬送機構
4a カッター
5 ヘッド(記録部)
10 給紙トレイ(第1収容部)
20 給紙トレイ(第2収容部)
37a,37b,38,39 ローラ対(第1ローラ対,第2ローラ対)
100 制御装置
101 CPU(制御部)
103 RAM(記憶部)
150 入力部
200 PC(外部装置)
P 用紙(シート状媒体)
Pc カット紙(第1シート状媒体)
Pr ロール紙(第2シート状媒体)
R ロール体