(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163315
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】電動ラッチ錠
(51)【国際特許分類】
E05B 47/00 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
E05B47/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074145
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】390037028
【氏名又は名称】美和ロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】塙 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】田村 理志
(57)【要約】
【課題】特許文献1の問題点に鑑み、反転ラッチ式電気錠にカムギアを含むカム機構及び水平方向に移動するスライダーを用いることにより、閉扉時、反転ラッチの施錠状態を解除状態にすること。
【解決手段】錠箱のフロントから先端部が突出する反転ラッチと、この反転ラッチの反転を阻止するロッキングピースを含む反転阻止部材と、制御部によって起動、回転方向及び停止が制御される電動モータと、この電動モータの駆動力を伝達する歯車を含む動力伝達手段と、この動力伝達手段に連動するカムギアと、このカムギアに形成された偏心カム溝及び該偏心カム溝に係合する係合ピンからなる動力変換機構と、前記カムギアの回転運動が直線運動となるスライダーとを備え、解錠時、電動モータが起動すると、動力伝達手段及び動力変換機構を介してスライダーが反転ラッチ側に前進して反転ラッチに対するロッキングピースの阻止状態を解く電動ラッチ錠。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠箱のフロントから先端部が突出する反転ラッチと、この反転ラッチの反転を阻止するロッキングピースを含む反転阻止部材と、制御部によって起動、回転方向及び停止が制御される電動モータと、この電動モータの駆動力を伝達する歯車を含む動力伝達手段と、この動力伝達手段に連動するカムギアと、このカムギアに形成された偏心カム溝及び該偏心カム溝に係合する係合ピンからなる動力変換機構と、前記カムギアの回転運動が直線運動となるスライダーとを備え、解錠時、前記電動モータが起動すると、前記動力伝達手段及び動力変換機構を介して前記スライダーが前記反転ラッチ側に前進して前記反転ラッチに対するロッキングピースの阻止状態を解く電動ラッチ錠。
【請求項2】
請求項1の電動ラッチ錠に於いて、カムギアの偏心カム溝は、該カムギアの中心軸筒部の外周面の一部からアンモナイトの外観形状のように周方向に次第に膨らんだ弧状突起部分に沿って形成されており、解錠時、カムギアが中心軸を基準にして一方向に回転すると、前記係合ピンは前記弧状突起部分に沿って前記中心軸筒部から次第に離れて行くことを特徴とする電動ラッチ錠。
【請求項3】
請求項1の電動ラッチ錠に於いて、前記錠箱内に、錠本体の施錠状態及び/又は解錠状態を検出する単数又は複数のスイッチを配設し、前記制御部は、前記スイッチが検知した施錠信号又は解錠信号を取得した後、前記電動モータに供給する電源をOFFにすることを特徴とする電動ラッチ錠。
【請求項4】
請求項3の電動ラッチ錠に於いて、前記電動モータを制動するためのスイッチを配設し、前記制御部は、前記スイッチが検知した制動用信号を取得した後、前記電動モータの回転力を弱めて該電動モータにブレーキをかけることを特徴とする電動ラッチ錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動ラッチ錠に関し、特に、水平方向に回転する開扉の自由端部に取り付けられる電動ラッチ錠に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の反転ラッチ式電気錠Aの解決手段は、反転と後退が可能なようにラッチケース11内に設けられた反転ラッチ10と、この反転ラッチ10の反転及び後退を阻止するロック部20と、ロック部20による反転ラッチ10のロックを解除して保持するロック解除・保持部30と、カム素子41aによる回転をロック部20の移動に変換するカム機構を含む電気駆動部40を備えている。そして、上記ラッチケース11内にラッチの後退による移動を伝達する伝達ロッド15を設け、入力信号により電気駆動部40を駆動してカム素子41aの回転で反転ラッチ10の設定状態をロック解除状態とし、扉の開閉動作による反転ラッチ10の後退動を、上記伝達ロッド15を介してロック解除・保持部30に伝達してロック部20をロック状態に設定するように形成している。
【0003】
上記構成に関して、明細書の段落0027~段落0031には、一部省略すると、概ね次のような説明がある。「段落0027… 電気駆動部40は、カム部材41と、このカム部材41の回転をロック部20の移動に変換するカム機構と、このカム機構を駆動する電動モータ42mの駆動部42とから成る。………上記電動モータ42mとマイクロスイッチ44には、
図4に示すように、別途に設けられている電源制御部50の電池51から電源が供給され、接続コードにより送信信号が送受信される旨。」また、「段落0028…マイクロスイッチ44にはスイッチのオン、オフの信号を入力するための作動片45が取り付けられており、この作動片45に対してカム機構のカム素子41aの1回転ごとの当りにより作動信号を発生するように設定されている。…
図4に示すように、上記電気駆動部40に対してその動作を制御する制御回路52と電池51を含む電源制御部50が接続されている。…電源制御部50は、信号送信部53からの制御信号の入力によって制御される。信号送信部53の送信形式は、…テンキー等の有線方式、又は遠隔位置からの操作可能な無線方式(非接触)のいずれのものを用いてもよい旨。」また、「段落0030…反転ラッチ式電気錠Aは、ホテルの客室の出入り口の扉に設置されたオートロック錠のように、開閉ドアーに取り付けられて利用される。この反転ラッチ式電気錠は、通常はロック状態に保持されているが、入室時に室外から解錠信号を送信してロックを解除し、開閉ドアーを開いて入室した後は施錠されても良いような用途に使用される旨。」さらに、「段落0031… ロック状態を解除するには、信号送信部53からロックを解除するための入力信号を送信し、その信号で電源制御部50から駆動信号を送信して電源を電池51から電気駆動部40の電動モータ42mに供給する。そして、電気駆動部40の電動モータ42mの回転により、ロック部20に設けた係合端子24を反転ラッチ10に係合したロック状態からカム機構によるカム素子41aの1回転で離反させ(押し下げ)て、反転ラッチ10の設定状態をロック解除状態に駆動する。(符号は特許文献1のもの)」。
【0004】
本願発明の構成要件との関係で、上記構成について付言する。上記反転ラッチ式電気錠Aは、ソレノイドではなく、駆動モータ42の駆動力により出力軸が回転すると、前記出力軸に一体的に取付けられ、かつ筒状ボス部41から半径外方向におにぎり形状に突出するカム素子41aが回転する。前記カム素子41aが回転すると、略アングル状に形成されたロック部材21が錠箱の底壁内面と該ロック部材21の水平状バネ端支持部(ばね受け)25の間に配設したばね26のバネ力に抗して下降し、反転ラッチ10に対する拘束(係合)を解く。
【0005】
すなわち、例えばリモコンの遠隔操作により、解錠用の識別情報が電源制御部50の制御回路52に入り、その識別情報が正しければ、電源制御部50の制御信号により、電気駆動部40としての電動モータが起動し、これにより出力軸と一体のカム素子41aの回転し、これと連係して略アングル状のロック部材21が下降して反転ラッチ10の設定状態をロック解除状態とする。
【0006】
したがって、特許文献1に記載の反転ラッチ式電気錠Aは、簡素な構成でもって反転ラッチ10の設定状態をロック解除状態とすることができる。しかしながら、(a)電動モータの駆動力を伝達する手段が、筒状ボス部41から半径外方向におにぎり形状に突出するカム素子41aを採用しているために、これと連係して略アングル状のロック部材21の下方方向への変位量を稼ぐためには、前記カム素子41aを大きく形成する必要がある点、(b)前記変位量を大きく稼いだ場合、それに伴い復帰バネ26のバネ力を大きくする必要があり、そのために、ロック部材21を前記復帰バネ26のバネ力に抗して大きく下降させた場合に於いて、反転ラッチ10のロック解除状態を保持するために、ロック部材21の係合爪23と係合可能なロック解除・保持部材(係合凹所35を有する係合片、その保持ばね33等)を設ける必要がある点、(c)前記ロック解除・保持部材をロック部材21の係合爪23から解放するために、反転ラッチ10の後端部に設けられたヘッド部(反転ラッチ用バネ受け)18に水平方向の伝達ロッドを設ける必要がある点、(d)さらに、カム素子41aと連係する略アングル状のロック部材21を用いているために、各部材の配設位置を考慮すると、例えば鋏み揺動可能な上下一対のロッキングバーを容易に採用することができない点等、色々と工夫をする必要があった。(e)さらに、特許文献1には、マイクロスイッチ44をON・OFFする作用片45が取付けられているが、電動モータに対して回転力を弱めための検出器、ブレーキレバー等が記載され・示唆されていない。
【0007】
なお、特許文献2には、錠箱内に鋏み揺動可能な上下一対のロッキングバーを設けたラッチ錠が記載されているが、前記ロッキングバーの反転ラッチの阻止(係止)解除は「電動モータ」の駆動力を用いるものではなく、プッシュ・プル式の操作ハンドルの操作力によるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008-179997号公報
【特許文献2】特許第5150134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主たる目的は、特許文献1の問題点に鑑み、反転ラッチ式電気錠にカムギアを含むカム機構及び水平方向に移動するスライダーを用いることにより、閉扉時、反転ラッチの施錠状態を解除状態にすること。第2の目的は、支軸に揺動可能に設けられたロッキングピース(望ましくは上下一組のロッキングピース)を容易に採用することができること。第3の目的は、特許文献1と同様に、建物の玄関扉、ホテルの客室の出入り口の扉等に設置されたオートロック錠のように、扉を自動的に開閉する場合に適合する電気錠であること。その他の目的(省電力化のために錠前の施錠状態を検知すること、電動モータの完全停止前にブレーキをかけること等)は、従属項によって特定される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電動ラッチ錠は、錠箱のフロントから先端部が突出する反転ラッチと、この反転ラッチの反転を阻止するロッキングピースを含む反転阻止部材と、制御部によって起動、回転方向及び停止が制御される電動モータと、この電動モータの駆動力を伝達する歯車を含む動力伝達手段と、この動力伝達手段に連動するカムギアと、このカムギアに形成された偏心カム溝及び該偏心カム溝に係合する係合ピンからなる動力変換機構と、前記カムギアの回転運動が直線運動となるスライダーとを備え、解錠時、前記電動モータが起動すると、前記動力伝達手段及び動力変換機構を介して前記スライダーが前記反転ラッチ側に前進して前記反転ラッチに対するロッキングピースの阻止状態を解くことを特徴とする。
【0011】
上記構成に於いて、カムギアの偏心カム溝は、該カムギアの中心軸筒部の外周面の一部からアンモナイトの外観形状のように周方向に次第に膨らんだ弧状突起部分に沿って形成されており、解錠時、カムギアが中心軸を基準にして一方向に回転すると、前記係合ピンは前記弧状突起部分に沿って前記中心軸筒部から次第に離れて行くことを特徴とする。また反転阻止部材は、少なくとも一つのロッキングピースと、このロッキングピースを回転自在に軸支する固定軸と、この固定軸に設けられ、一端部が錠箱に内壁面に圧接し、一方、他端部が前記ロッキングピースのバネ支持部に支持された戻しバネとから成ることを特徴とする。またスライダーは、少なくとも幅広い板状部分と、この幅広い板状部分の先端部の略中央部に形成された押圧部と、前記幅広い板状部分に形成された係合部とを有し、解錠時、前記押圧部が前記ロッキングピースの軸支部分から略垂直方向に延びるアーム部を直接又は間接的に押し付け、これにより、前記ロッキングピースの軸支部分から水平方向に延びる先端係合部が、前記反転ラッチの係合受け部から離れることを特徴とする。さらに、前記錠箱内に、錠本体の施錠状態及び/又は解錠状態を検出する単数又は複数のスイッチを配設し、前記制御部は、前記スイッチが検知した施錠信号又は解錠信号を取得した後、前記電動モータに供給する電源をOFFにすることを特徴とする。
【0012】
好ましい実施形態では、前記錠箱内に、錠本体の施錠状態を検出する第1スイッチ21と、錠本体の解錠状態を検出する第2スイッチ22と、電動モータ28を制動するためのスイッチ23を配設し、前記制御部は、前記第1スイッチが検知した施錠信号を取得した後、電源をOFFにすることを特徴とする。加えて、前記カムギアに形成した溝の傾斜面或いは段差面を利用して前記第1スイッチ21及び第2スイッチ22を選択的にON・OFFする施・解錠検知レバーを揺動自在に軸支すると共に、さらに前記施・解錠検知レバーに連系し、前記スイッチ23を選択的にON・OFFするブレーキ検知レバーを揺動自在に軸支し、前記制御部は、前記スイッチが検知した制動用信号を取得した後、前記電動モータにブレーキをかけて該電動モータの回転力を弱めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
特許文献1の問題点に鑑み、反転ラッチ式電気錠にカムギアを含むカム機構及び水平方向に移動するスライダーを用いることにより、閉扉時、反転ラッチの施錠状態を解除状態にすることができる。また支軸に揺動可能に設けられたロッキングピース(望ましくは上下一組のロッキングピース)を容易に採用することができる。さらに、特許文献1と同様に、建物の玄関扉、ホテルの客室の出入り口の扉等に設置されたオートロック錠のように、扉を自動的に開閉する場合に適合する。なお、実施形態如何によっては、省電力化のために錠前の施錠状態を検知すること、カムギアがオーバーランしないように、例えば電動モータの完全停止前にブレーキをかけることができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1乃至
図12は本発明の第1実施形態を示す各説明図。
【
図1】錠箱に設けられた主な構成部材を示した概略説明図(施錠状態)。
【
図2】
図1に於いて、中心線Oを基準にして錠箱をひっくり返した場合の概略説明図(施錠状態)。
【
図3】要部(複数個のスイッチを含む信号入力部、制御部、電動モータ、動力伝達手段、カムギア)の説明図。
【
図4】要部(動力伝達手段の最終歯車、カムギア、コロを有する係合ピン)の説明図。
【
図6】要部(電動モータ、取付けベース板、カムギア、カムギアの中心軸)を錠箱の後端部側から見た概略断面説明図。
【
図7】カムギアの偏心カム溝と係合する係合ピンとスライダーとの係合構造を示す概略断面説明図。
【
図8】反転阻止部材(軸、ロッキングビース、ロッキングバネ)の分解説明図(ロッキングビースは一方のみを示す)。
【
図9】スライダーの前進により、反転ラッチに対するロッキングピースの阻止状態が解かれた説明図。
【
図10】信号入力部としての、施・解錠検知レバー及びブレーキ検知レバーの説明図。
【
図11】カムギアが回転した解錠が完了したときの施・解錠検知レバー及びブレーキ検知レバーの姿勢を示す説明図。
【
図12】
図11に於いて、施・解錠検知レバーがカムギアの偏心カム溝よりも外側に形成された弧状溝に形成した傾斜面或いは段差部に誘導された説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至
図12は、本発明の第1実施形態の建具用の反転ラッチ式電気錠(以下、ここでは単に「電動ラッチ錠」という。)である。
図1は錠箱3に設けられた主な構成部材を示した概略説明図(施錠状態)、一方、
図2は、
図1に於いて、中心線Oを基準にして錠箱3をひっくり返した場合の概略説明図(施錠状態)である。
【0016】
(1)電動ラッチ錠Xの主な構成部材
電動ラッチ錠Xは、錠箱3と、該錠箱に設けられた反転ラッチ6と、該反転ラッチを付勢する付勢手段13と、該反転ラッチと係脱する少なくとも一個の反転阻止部材12を構成するロッキングピース8A、8Bと、望ましくは前記錠箱に設けた電源を利用する電動モータ28と、この電気錠を制御する制御部26と、前記電動モータの回転軸(ウオーム)に連動する伝動歯車32を有する動力伝達手段31と、前記伝動歯車32に連動するカムギア35と、このカムギア35に形成されたカムミゾ42及び該カムミゾに係合する係合ピン45を含み、前記伝動歯車やカムギアの回転運動を直線運動に変換する動力変換手段41と、前記動力変換手段によって水平方向に位置変位し、前記反転ラッチ6の係止している前記反転阻止部材12のロッキングピース8A、8Bを回転させることにより、反転ラッチの阻止(係止状態)を解くスライダー50とを備えている。
【0017】
そして、好ましくは、上記構成に於いて、錠箱3内に、錠本体の施錠状態を検出する第1スイッチ21と、錠本体の解錠状態を検出する第2スイッチ22と、電動モータ28を制動するためのスイッチ23を配設し、前記制御部26は、前記第1スイッチが検知した施錠信号を取得した後、電源をOFFにする。また、前記構成に於いて、カムギア35に形成した溝の傾斜面或いは段差面を利用して前記第1スイッチ21及び第2スイッチ22を選択的にON・OFFする施・解錠検知レバーを揺動自在に軸支すると共に、さらに前記施・解錠検知レバーに連系し、前記スイッチ23を選択的にON・OFFするブレーキ検知レバーを揺動自在に軸支し、前記制御部26は、前記スイッチが検知した制動用信号を取得した後、前記電動モータ28にブレーキをかけて該電動モータ28の回転力を弱めるように構成する。
【0018】
そこで、まず、
図1及び
図2を参照にして、電動ラッチ錠Xの主な構成部材と環境説明をする。1は戸枠、2は水平方向に回転する扉、3は扉2の自由端部に固定された錠箱、4はフロント、5は受座、6は反転ラッチである。
【0019】
換言すると、Xは電動ラッチ錠で、この電動ラッチ錠Xは、錠箱3に主な構成部材が設けられた錠本体を有し、この錠本体の反転ラッチ6は、その先端部は前記フロント4から突出し、前記受座5の係合孔に係入している。周知のように、前記扉2は、その基端部が戸枠1の縦枠に蝶番を介して軸支され、水平方向に回転する。また概略的に示した錠箱3は、普通一般に、ケース身と、ケース蓋から構成されている。実施形態の錠箱3は横長状の箱体である。ここでは錠箱3の細部的事項の説明や符号は割愛し、電動ラッチ錠Xの主な構成部材について説明する。
【0020】
(2)ラッチ枠7
符号7は、錠箱3内の前方の中央部に固設された縦断面コ字状のラッチ枠で、このラッチ枠7の上下に位置する水平対向壁には、上下一組のロッキングピース8A、8Bの係合先端部8a、8aを受け入れる切欠状の開口が形成されている。また、水平対向壁に直交する垂直壁の内面にはバネ端支持部が突出形成され、該バネ端支持部と前記反転ラッチ6の後端部の間には、該反転ラッチ6をフロント4から突出する方向に常時付勢するラッチバネ13が設けられている。
【0021】
(3)反転ラッチ6
反転ラッチ6は、その後端部がラッチ枠7内に収まるようにフロント板4のラッチ用開口に配設されている。扉の閉扉時、反転ラッチ6の先端部は、フロント4から突出して受座5の係合孔に係入している。当業者は、この状態を仮施錠と称しているが、ここでは便宜上、「施錠或いは施錠状態」という。
【0022】
ところで、反転ラッチ6の構造に関しては、例えば特開平8-100559号公報、特開平9-325248号公報、特開平10-311173号公報、特開平11-141207号公報、特開2003-74245号公報等に記載されているように、当業者にとって周知事項である。
【0023】
したがって、ここでは、周知事項に関しては簡単に説明する。反転ラッチ6は、平面形状がほぼ菱形に形成され、ラッチングの係止面、受け具を構成する受座5の係合孔に対する傾斜面、ストッパー用突起、上下の係合受け部6a、6a等を有している。普通一般に、反転ラッチ6は、扉2の開閉時、受け具の係合部に摺接すると、反転ラッチ6の後端部(内端部)に嵌め込まれた平面門形形状のラッチ受け11及びラッチバネ(圧縮コイルばね)13を介して反転かつ進退動する。なお、ラッチ受け11は、反転ラッチ6を水平方向に安定的に案内するガイド機能を有している(例えば特開平11-141207号公報の
図3に示されているラッチ受け32)。
【0024】
(4)反転阻止部材12
反転阻止部材12は、施錠時、反転ラッチ6の反転を阻止する機構を構成する部材で、少なくとも一つのロッキングピース(8A、8Bのいずれか一方)と、このロッキングピースを回転自在に軸支する固定軸9と、この固定軸に中央部が設けられ、一端部が錠箱に内壁面に圧接し、一方、他端部が前記ロッキングピース(8A、8Bのいずれか一方)のバネ支持部に支持された戻しバネ10とから成る。
【0025】
実施形態の反転阻止部材12は、上下一組のロッキングピース8A、8Bを有し、該上下一組のロッキングピース8A、8Bは、例えば特許第5150134号に記載に記載されているように、上下方向のアーム部の先端部の長孔に係合する一つの可動連結軸15を介して鋏揺動自在に連結されている。上下一組のロッキングピース8A、8Bの構成は公知事項なので、ここでは簡単に説明する。符号8aは略中央部の軸支部分から反転ラッチ6の係合受け部6a側へ略水平方向へと延びる係合先端部、符号8bは軸支部分から前記係合先端部とは逆方向に延びる係合後端部、符号8cは軸支部分から略垂直方向に延びアーム部である。実施形態では、錠本体の解錠時、スライダー50の先端部に形成した突起状の押圧部52が、前記ロッキングピース8A、8Bのアーム部8cの先端部の後面を押し付ける。そうすると、前記可動連結軸15は前方(反転ラッチ側、図面左側)へ所要量進むことから、上下一組のロッキングピース8A、8Bは、固定軸9、9を支点に、上下の係合先端部8a、8aが反転ラッチ6の上下の係合受け部6a、6aから離れる方向へと回転する(鋏み揺動)。
【0026】
なお、施錠時、電動モータ28の回転軸31が解錠時とは反対方向に回転すると、カムギア35に連動するスライダー50は反転ラッチから離れる方向に移動する。そうすると、スライダー50の押圧部52がアーム部8cの先端部の後面から後退するので、ロキングピース8A、8Bは、戻しバネ10のバネ力により施錠方向へと回転し、その結果、上下の係合先端部8a、8aが反転ラッチ6の上下の係合受け部6a、6aに係合する。
【0027】
(5)取付けベース部材、主な部材
図1を基準にすると、横長状の錠箱3の内部空間の後部側には、複数個の支軸、軸孔、貫通小孔、矩形開口等を有する扁平枠状或いは扁平箱状の取付けベース部材19が固定的に設けられている。しかして、前記取付けベース部材19の中央部寄りの部位には、水平支持板20が設けられ、該水平支持板20の上面には、錠本体の施錠状態を検出する第1スイッチ(検知器)21と、錠本体の解錠状態を検出する第2スイッチ(検知器)22と、電動モータ28に制動するためのスイッチ(検知器)23が併設的に配設されている。なお、前記スイッチ23は、施解錠完了検知後にカムギア35がオーバーランすることから、伝動モータ28の回転力を弱めるために設けたものであるから、必ずしも、本発明の本質的事項ではない。
【0028】
前記第1乃至第3のスイッチ21、22、23の上方には、図面左側に位置する施・解錠検知レバー24と、図面右側に位置し、前記施・解錠検知レバー24に連動するブレーキ検知レバー25が設けられている。実施形態では、前記第1乃至第3のスイッチ21、22、23は、取付けベース部材20に設けられた制御部26に対して信号線を介して錠本体の状態信号及び電動モータに対する制動信号をメカ的に入力する信号入力部を構成する。
【0029】
なお、特に図示しないが、前記メカ的な信号入力部の他に、リモコンを用い、無線の届く範囲の遠隔位置から前記制御部26に施錠開始信号、解錠開始信号等の入力信号を送信することができる。また、図示しないテンキー、ノンタッチキー、カードリーダ、RFIDタグ、顔認証手段、音声認識手段等の信号入力部を利用して前記制御部26に施錠開始信号、解錠開始信号等の入力を送信することができる。したがって、制御部26に対しては有線又は無線方式により、前記施・解錠用の信号を送信することができる。このような実施形態の場合には、制御部26は当然に信号送受信部、認証部、記憶部等を有している。
【0030】
また実施形態では、前記取付けベース部材20にバッテリーとしての二次電池(内臓電源)27が設けられている。さらに、前記二次電池27により駆動する電動モータ(電気的駆動部)28が横設されている。電動モータ28は、前記制御部26によって、その起動、回転方向及び停止が制御される。なお、電動モータ28に供給する電源は、外部電源(商用電源)であっても良い。電源が外部電源の場合には、交流電源を整流して電動モータ28に供給する。
【0031】
(6)動力伝達手段31
次に、
図1、
図2等を参照にして動力伝達手段31を説明する。動力伝達手段31は、電動モータ28のウオーム(出力軸)29と、このウオームに噛合する伝動歯車32とを含み、前記伝動歯車32は、前記ウオーム29に噛合する大径歯車32aと、この大径歯車の一側面に突出形成され、かつ大径のカムギア35の外周部に形成された係合歯に噛合する小径歯車(最終歯車)32bとを有している。実施形態の動力伝達手段31は、例えば扁平枠状の取付けベース部材19と、これに対向する扁平枠状支持板18に横設した歯車軸36に取り付けられている。
【0032】
(7)カムギア35
大径のカムギア35は、動力伝達手段31の伝動歯車32と共働する従動歯車である。すなわち、カムギア35は動力伝達手段31に連動して左右に回転することができる。例えば伝動歯車32が時計方向に回転すると、カムギア35は反時計方向に回転し、伝動歯車32が反時計方向に回転すると、カムギア35は時計方向に回転する。
【0033】
(8)動力変換機構41
次に、
図3、
図4等を参照にして動力変換機構41を説明する。動力変換機構41は、カムギア35の一側面に形成された環状或いは環状的な偏心カム溝42及び該偏心カム溝に係合すると共に、スライダー50の係合部(例えば係合小孔)53に連結された係合ピン45から構成されている。
【0034】
しかして、カムギア35の偏心カム溝42は、該カムギア35の中心軸筒部35aの外周面の一部からアンモナイトの外観形状のように周方向に次第に膨らんだ弧状突起部分43に沿って形成されており、解錠時、カムギア35が錠箱3内の略中心部に位置するように、例えば錠箱3内の取付けベース部材19及び扁平枠状支持板18に横設した中心軸37を基準にして一方向に回転すると、前記係合ピン45は前記弧状突起部分43の弧状面に沿って前記中心軸筒部35aから次第に離れて行く。
【0035】
実施形態では、前記係合ピン45の一端部には偏心カム溝42を滑動する短筒状のコロ46が設けられ、その他端部は、例えば
図2で示すようにスライダー50の後端部側に適宜に連結されている。したがって、電動ラッチ錠Xは、動力伝達手段31に連動するカムギア35と、このカムギアの回転運動によって錠箱3の長手方向へと直線運動する板状のスライダー50とを備えている。
【0036】
(9)スライダー50
スライダー50は、少なくとも幅広い板状部分51と、この幅広い板状部分の先端部の略中央部に突出形成された押圧部52と、前記幅広い板状部分に形成された係合ピン用の係合小孔53とを有し、解錠時、前記押圧部52が前述したロッキングピース8A、8Bの軸支部分から略垂直方向に延びるアーム部8cの先端部の後面を押し付け、これにより、前記ロッキングピースの軸支部分から水平方向に延びる先端係合部8aが、反転ラッチ6の係合受け部6aから離れる。付言すると、電動ラッチ錠Xは、解錠時、電動モータ28が起動すると、動力伝達手段31及び動力変換機構41を介してスライダー50が反転ラッチ6側に所要量前進して前記反転ラッチ6に対するロッキングピース8A、8Bの阻止状態を解く。
【0037】
スライダー50の幅広い板状部分51の適宜箇所には、取付けベース板19の一端部を折り曲げて形成した案内突片と係合する係合受け部としての矩形状の窓部が形成されている。また図示しないが、錠箱3内の略中央部に、特許文献2に記載に記載されているように、復帰バネ力のバネ力に抗して上下方向に移動する一対の係合作用片を組み込むことができる。そして、前記矩形状の窓部には、図示しない操作部材(例えばフッシュ・プルハンドル)の操作によって上下方向に選択的に移動可能な一対の駆動片が入り込み、これらの駆動片のいずれか一方が移動すると、前記上下のキングピース8A、8Bは、前記係合作用片を介して解錠方向へと回転し、該ロッキングピース8A、8Bの反転ラッチ6に対する阻止状態を解くことができる。なお、該形状の窓部を形成する上面と該上面と対向する下面には、取付けベース部材19の案内突片の上端部と下端部が係合するので、スライダー50は水平移動する際、取付けベース部材19に安定的に案内される。
【0038】
ところで、実施形態では、解錠時、押圧部52がロッキングピース8A、8Bの軸支部分から略垂直方向に延びるアーム部を押し付け(可動連結軸15を直接押し込んだ場合も含む)、これにより、前記ロッキングピースの軸支部分から水平方向に延びる先端係合部が、前記反転ラッチの係合受け部から離れるが、例えばロッキングピース8A、8Bの長孔に係合する可動連結部15の一端部又は両端部に前記押圧部52に係合した連結部(係合孔、フック部等)を係合させることにより、ロッキングピース8A、8Bを鋏揺動自在に連動するように構成しても良い(設計変更例)。このような実施形態の場合には、必ずしも「ロッキングピース8A、8B用の戻しバネ10」を設ける必要はない。
【0039】
(10)複数個のスイッチ21、22、23
図1で示したように、取付けベース部材19の中央部寄りの部位には、水平支持板20が設けられ、該水平支持板20の上面には、錠本体の施錠状態を検出する第1スイッチ21と、錠本体の解錠状態を検出する第2スイッチ22と、電動モータ28に制動するためのスイッチ23が併設的に配設されている。実施形態では、前記第1スイッチ21、第2スイッチ22及びスイッチ23は、それぞれ同一構成の押し釦式のスイッチである。
【0040】
ところで、錠本体の電動モータ28の起動用の信号(施錠開始信号、解錠開始信号)は、戸枠1側と錠箱3側にそれぞれ設けた磁気感応型スイッチ、錠箱3に設けたトリガーやリミットスイッチ等の各種スイッチ手段により、「閉扉信号」や「開扉信号」を取得して電動モータ28を起動することができるが、好ましい実施形態では、リモコン操作、携帯端末、ノナタッチキー、タグ等により、制御部26は電動モータ28の施・解錠用の起動信号を取得する。
【0041】
しかして、電動モータ28の起動信号を利用して電動モータ28を正転又は逆転方向のいずれか一方に起動した場合に於いて、制御部26は、扉の開閉状態のみならず、錠本体が施錠状態なのか、それとも解錠状態なのかを検知するのが望ましい。また、電動モータ28の起動した場合に於いて、該電動モータ28の停止時にカムギア35がオーバーランしないように「ブレーキ」をかけることが好ましい。そこで、実施形態の電動ラッチ錠Xは、錠箱3内の適宜箇所に、錠本体の施錠状態を検出する第1スイッチ21と、錠本体の解錠状態を検出する第2スイッチ22のみならず、さらに電動モータ28に制動するためのスイッチ23を配設した。
【0042】
(11)施・解錠検知レバー24とブレーキ検知レバー25
好ましい実施形態は、
図1で示すように、錠本体の施錠状態を検出する第1スイッチ21と、錠本体の解錠状態を検出する第2スイッチ22と、電動モータ28に制動するためのスイッチ23を水平支持板20の一側上面に併設的に配設している。
【0043】
そして、前記第1スイッチ21と第2スイッチ22の略中間部上方に横軸を設け、該横軸に施・解錠検知レバー24を揺動自在に軸支する。前記施・解錠検知レバー24は、図面手前側に前記横軸に嵌合するボス部と、該ボス部から半径外方向に延びる左右一対の押圧用の指先状突起部分(便宜上、左側を第1係合部24a、右側を第2係合部24bとする)とを有し、一方の突起部分(左の第1係合部24a)は図面左側に位置する第1スイッチ21の丸みを帯びた押し釦の上に位置し、他方の突起部分(右の第2係合部24b)は中間に位置する第2スイッチ22の丸みを帯びた押し釦の上に位置する。
【0044】
そして、施・解錠検知レバー24には、
図1では現れていないが、前記他方の突起部分(右の突起)の背面側にピン状係合部(便宜上、第3係合部24c)が設けられ、該ピン状係合部(第3係合部24c)は、カムギア35の環状的外溝47に係合する。
【0045】
ここで、施・解錠検知レバー24とブレーキ検知レバー25の連係関係を説明する。後述するように、施・解錠検知レバー24のピン状第3係合部 (
図10で下方に延びるピン)24cは、ブレーキ検知レバー25の弧状係合部(
図10で左側に弧状或いは鉤状に延びるピン)25aに係合する。実施形態では、前記施・解錠検知レバー24のピン状第3係合部 24cは、さらに、カムギア35の環状的外溝47にも係合する。
【0046】
実施形態では、前記環状的外溝47を形成する外周面47aと該外周面に対向する内周面47bは、途中部分に前記施・解錠検知レバー24のピン状第3係合部24cを誘導するための外傾斜面48と該外傾斜面に対向する内傾斜面49を有し、この外傾斜面48と内傾斜面49を境にして、若干外側に位置する第1弧状溝と、該第1弧状溝よりも若干内側に位置する第2弧状溝を形成している。
【0047】
さらに、実施形態では、前記第1スイッチ21及び第2スイッチ22を選択的にON・OFFする施・解錠検知レバー24を揺動自在に軸支すると共に、前記施・解錠検知レバーに連動するブレーキ検知レバー25も隣に軸支されている。
【0048】
すなわち、実施形態では、施・解錠検知レバー24のピン状第3係合部24cにブレーキ検知レバー25の弧状係合部25aが連系(係合)するので、前記ピン状第3係合部24cとは反対側に突出する指先状係合部25bが前記スイッチ23を選択的にON・OFすることができる。
【0049】
さらに、本願発明の主たる発明課題との関係では、従属的ではあるが、ここで、
図11及び
図12を参照にして、ブレーキ検知レバー25の弧状係合部25aとガムギア35の係合構成について簡単に説明する。ガムギア35は、環状的外溝47の一部に沿って突壁状に形成された弧状突起部分60を有し、該弧状突起部分60の外周面及び該弧状突起部分60の端部に形成した傾斜状の係合面が前記ブレーキ検知レバー25の弧状係合部25aと係脱可能である。このような係合関係の構成を採用することにより、制御部は、最良のタイミングでもって、ブレーキ検知レバー25からブレーキ用の信号を貰い、ガムギア35が回り過ぎないようにすることができる。
【0050】
なお、施・解錠検知レバー24とブレーキ検知レバー25とをオス係合とメス係合部を介して一体的に連係しない場合には、ブレーキ検知レバー25の横軸に、前記ブレーキ検知レバーを元の位置へと復帰させるための復帰バネを適宜に設けるのが望ましい。
【0051】
〈付記〉
実施形態では、偏心カム溝42はカムギア35の一側面に形成された環状或いは環状的な凹所の溝であるが、もちろん、凹所の溝を切欠溝としても良い。また、施錠または解錠を検知するスイッチ21、22は、実施形態のようにそれぞれ独立して設けても良いが、例えば1個のスイッチで制御(ON=施錠、OFF=解錠とみなして制御し、接点スイッチを使用)することもできる。それ故に、スイッチを単数又は複数のスイッチか否かは任意である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、建具の開扉の自由端部に取り付け、例えば開扉乃至戸枠にドアクローザ、開扉自動オープン装置等を装着し、開扉を容易に、或いは自動的にオープンする場合に適用される。
【符号の説明】
【0053】
X…電動ラッチ錠、
1…戸枠、2…扉、
3…錠箱、4…フロント、
5…受け座、
6…反転ラッチ、
7…ラッチ枠、
8A、8B…ロッキングピース、
9…固定軸、
10…戻しバネ、
11…ラッチ受け、
12…反転阻止部材、
15…可動連結軸、
19…取付けベース板、
20…水平支持板、
21…第1スイッチ、22…第2スイッチ、23…スイッチ、
24…施・解錠レバー、25…ブレーキレバー、
26…制御部、
27…電源、28…電動モータ、
31…動力伝達手段、32…歯車、
35…カムギア、36…歯車軸、37…中心軸、
41…動力変換機構、
42…偏心カム溝、43…弧状突起部分、
45…係合ピン、46…コロ、
47…環状的外溝、48…外傾斜面、49…内傾斜面、
50…スライダー、51…幅広の板状部分、52…押圧部、
53…係合部。