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特開2023-163339情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163339
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231102BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074182
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰希
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】施設の体制の変化に応じて加算の要件を満たしているかどうかを容易に把握可能にする、情報処理システムを提供する。
【解決手段】施設の情報と、前記施設で既に取得している加算の情報とを取得する取得部と、施設の情報と、加算の情報とに基づいて、加算の要件を満たさない加算を抽出する加算抽出部と、抽出された加算を出力する出力部と、を含む情報処理システム。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の情報と、前記施設で既に取得している加算の情報とを取得する取得部と、
取得された、前記施設の情報と、前記加算の情報とに基づいて、前記加算の要件を満たさない前記加算を抽出する加算抽出部と、
抽出された前記加算を出力する出力部と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記施設の情報に基づいて、対象となる減算を判定する判定部を有し、
前記出力部は、判定された前記減算を出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
抽出された前記加算、または判定された前記減算が前記施設に与える影響度を算出する算出部を有し、
前記出力部は、前記加算または前記減算と対応付けて前記影響度を出力する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記影響度は、前記加算または前記減算の金額である、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記出力部は、前記影響度の大きい順に前記加算または前記減算を出力する、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記取得部は、前記施設の情報を、行政のデータベースから受信することにより、または前記施設の情報の入力を受け付けることにより、前記施設の情報を取得する請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記施設の情報が含まれるファイルを受け付けることで、前記施設の情報を取得する、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
施設の情報と、前記施設で既に取得している加算の情報とを取得するステップ(a)と、
取得された、前記施設の情報と、前記加算の情報とに基づいて、前記加算の要件を満たさない前記加算を抽出するステップ(b)と、
抽出された前記加算を出力するステップ(c)と、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
前記施設の情報に基づいて、対象となる減算を判定するステップ(d)を有し、
前記ステップ(c)においては、判定された前記減算を出力する、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
抽出された前記加算、または判定された前記減算が前記施設に与える影響度を算出するステップ(e)を有し、
前記ステップ(c)においては、前記加算または前記減算と対応付けて前記影響度を出力する、請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記影響度は、前記加算または前記減算の金額である、請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記ステップ(c)においては、前記影響度の大きい順に前記加算または前記減算を出力する、請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ステップ(a)においては、前記施設の情報を、行政のデータベースから受信することにより、または前記施設の情報の入力を受け付けることにより、前記施設の情報を取得する請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記ステップ(a)においては、前記施設の情報が含まれるファイルを受け付けることで、前記施設の情報を取得する、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項15】
請求項8~14のいずれか一項に記載の情報処理方法をコンピューターに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設においては、利用者や介護保険から基本報酬が得られるが、施設の体制等を整えることによって、さらに加算の報酬を得ることができる。このような加算の報酬を得ることは、介護施設にとって非常に重要である。また、加算の報酬を得る際に施設の体制を整えることで利用者へ提供するサービスの質も向上する。
【0003】
一方、急な病気やケガ等により施設の人員が減り、施設の体制を大きく変えることになることで、取得していた加算の要件を満たさなくなる可能性がある。加算の取得要件を満たさないまま加算の申請を取り下げずに運営を行うと、業務停止等の行政処分を受けることで施設の経営に大きな影響を与える可能性がある。さらに、施設としての基本的な体制が不十分になることで、報酬の一部を返上する減算の対象となる可能性もある。
【0004】
下記特許文献1には、次の先行技術が開示されている。介護施設の改修により基本報酬額を増大させるための検討に資する情報として、予め設定される介護度別利用者配賦テーブルと、算出した平均介護度とに基づいて、施設改修前後における基本報酬額の差額を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-186293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、施設の人員が急な病気やケガ等で長期間職場から離れることで人員が変動した場合、新たな人員体制が、現在取得している加算の要件を満たしているかどうかの確認に手間がかかる。上記先行技術は、このような問題に対応できない。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、施設の体制の変化に応じて加算の要件を満たしているかどうかを容易に把握可能にする、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)施設の情報と、前記施設で既に取得している加算の情報とを取得する取得部と、取得された、前記施設の情報と、前記加算の情報とに基づいて、前記加算の要件を満たさない前記加算を抽出する加算抽出部と、抽出された前記加算を出力する出力部と、
を有する情報処理システム。
【0010】
(2)前記施設の情報に基づいて、対象となる減算を判定する判定部を有し、前記出力部は、判定された前記減算を出力する、上記(1)に記載の情報処理システム。
【0011】
(3)抽出された前記加算、または判定された前記減算が前記施設に与える影響度を算出する算出部を有し、前記出力部は、前記加算または前記減算と対応付けて前記影響度を出力する、上記(2)に記載の情報処理システム。
【0012】
(4)前記影響度は、前記加算または前記減算の金額である、上記(3)に記載の情報処理システム。
【0013】
(5)前記出力部は、前記影響度の大きい順に前記加算または前記減算を出力する、上記(3)に記載の情報処理システム。
【0014】
(6)前記取得部は、前記施設の情報を、行政のデータベースから受信することにより、または前記施設の情報の入力を受け付けることにより、前記施設の情報を取得する上記(1)~(5)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0015】
(7)前記取得部は、前記施設の情報が含まれるファイルを受け付けることで、前記施設の情報を取得する、上記(1)~(5)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0016】
(8)施設の情報と、前記施設で既に取得している加算の情報とを取得するステップ(a)と、取得された、前記施設の情報と、前記加算の情報とに基づいて、前記加算の要件を満たさない前記加算を抽出するステップ(b)と、抽出された前記加算を出力するステップ(c)と、を有する情報処理方法。
【0017】
(9)前記施設の情報に基づいて、対象となる減算を判定するステップ(d)を有し、前記ステップ(c)においては、判定された前記減算を出力する、上記(8)に記載の情報処理方法。
【0018】
(10)抽出された前記加算、または判定された前記減算が前記施設に与える影響度を算出するステップ(e)を有し、前記ステップ(c)においては、前記加算または前記減算と対応付けて前記影響度を出力する、上記(9)に記載の情報処理方法。
【0019】
(11)前記影響度は、前記加算または前記減算の金額である、上記(10)に記載の情報処理方法。
【0020】
(12)前記ステップ(c)においては、前記影響度の大きい順に前記加算または前記減算を出力する、上記(10)に記載の情報処理方法。
【0021】
(13)前記ステップ(a)においては、前記施設の情報を、行政のデータベースから受信することにより、または前記施設の情報の入力を受け付けることにより、前記施設の情報を取得する上記(8)~(12)のいずれかに記載の情報処理方法。
【0022】
(14)前記ステップ(a)においては、前記施設の情報が含まれるファイルを受け付けることで、前記施設の情報を取得する、上記(8)~(12)のいずれかに記載の情報処理方法。
【0023】
(15)上記(8)~(14)のいずれかに記載の情報処理方法をコンピューターに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の効果】
【0024】
施設の情報と、施設で既に取得している加算の情報とに基づいて、加算の要件を満たさない加算を抽出して出力する。これにより、施設の体制の変化に応じて加算の要件を満たしているかどうかを容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】システム全体の概略構成を示す図である。
図2】ユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】施設テーブルの例を示す図である。
図5】加算減算テーブルの例を示す図である。
図6】CPUの機能を示すブロック図である。
図7】不足情報入力画面の例を示す図である。
図8】出力部による出力結果の例を示す図である。
図9】外部サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図10】施設情報および加算取得情報を取得して内部データベースに格納する処理の手順を示すフローチャートである。
図11】内部データベースから自施設情報および加算取得情報を取得して、自施設情報と加算取得情報に基づいて、加算の条件を満たさない加算等を抽出して出力する処理の手順を示すフローチャートである。
図12】内部データベースから自施設情報および加算取得情報を取得して、自施設情報と加算取得情報に基づいて、加算の条件を満たさない加算等を抽出して出力する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムについて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
<システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係るシステム10全体の概略構成を示す図である。
【0028】
図1に示すように、システム10は、ユーザー端末100、情報処理装置200、および外部サーバー300によって構成される。ユーザー端末100、情報処理装置200、および外部サーバー300は、ネットワークを介して相互に接続可能に構成されている。情報処理装置200は情報処理システムを構成する。情報処理装置200およびユーザー端末100により情報処理システムが構成されてもよい。
【0029】
<ユーザー端末100>
ユーザー端末100は、例えば、介護施設の経営者または管理者等のユーザーによって使用される端末であり、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、またはスマートフォン等の情報処理端末である。
【0030】
図2は、ユーザー端末100の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、ユーザー端末100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150、および操作表示部160を有する。各構成は、バス170を介して相互に通信可能に接続されている。
【0032】
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。
【0033】
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
【0034】
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0035】
ストレージ140は、HDD(Hard Disc Drive)、SDD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。例えば、ストレージ140には、ユーザーからの入力(指示等)を受け付けて情報処理装置200等の他の装置との間で各種情報を送受信したり、情報を操作表示部160に出力(表示)したりするためのアプリケーションがインストールされている。
【0036】
通信インターフェース150は、他の装置と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース150としては、有線または無線の各種規格による通信インターフェースが用いられる。
【0037】
操作表示部160は、例えば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種情報を表示すると共に、ユーザーからの各種入力を受け付ける。
【0038】
<情報処理装置200>
情報処理装置200は、例えば、サーバーやPC等のコンピューターである。情報処理装置200は、単一の装置から構成されてもよく、多数のコンピューターによってクラウドサーバーとして仮想的に構成されてもよい。
【0039】
図3は、情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
図3に示すように、情報処理装置200は、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、および操作表示部260を有する。各構成は、バス270を介して相互に通信可能に接続されている。
【0041】
CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、および操作表示部260の各構成は、ユーザー端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。CPU210の具体的な機能については後述する。
【0042】
ストレージ240には、CPU210が各処理を実行するためのプログラムがインストールされている。また、ストレージ240には、各施設の情報(以下、単に「施設情報」とも称する)、および現在取得している(取得済みの)加算の情報(以下、単に「加算取得情報」とも称する)が格納される施設テーブルが、内部データベースとして記憶されている。施設テーブルには、施設情報として、例えば、施設の名称、施設番号、居室形態、入所者数、常勤介護職員数、非常勤介護職員数、常勤看護職員数、非常勤看護職員数、および常勤栄養士等が格納され得る。施設テーブルには、さらに、加算取得情報として、施設ごとの各加算の取得状況が格納され得る。
【0043】
ストレージ240には、さらに加算減算テーブルが、内部データベースとして予め記憶されている。加算減算テーブルには、加算項目ごとの、報酬単位、加算要件(取得要件)、計算単位(計算情報)、および加算金額(報酬金額)の計算式が格納され得る。加算減算テーブルには、さらに、減算項目ごとの、減算率、減算要件、計算単位(計算情報)、および減算金額の計算式が格納され得る。加算減算テーブルに格納される各情報は、操作表示部260からユーザーにより入力され得る。加算減算テーブルに格納される各情報は、通信インターフェース250を介して外部サーバー300から受信されてもよい。
【0044】
図4は、施設テーブルの例を示す図である。図4の例においては、施設テーブルには、基本施設情報(施設情報)として、施設の名称、施設番号、居室形態、入居者数、常勤介護職員数、非常勤介護職員数、常勤看護職員数、非常勤看護職員数、および常勤栄養士等の情報が格納されている。図4の例においては、施設テーブルには、施設の名称として、「施設A」等が格納されている。施設テーブルには、施設ごとに付与されるユニークな施設番号として、「101010101」等が格納されている。施設テーブルには、居室形態として、ユニット型、従来型等が格納されている。さらに、施設テーブルには、加算取得情報として、加算(加算項目)ごとの「取得」または「無取得」の情報が格納されている。
【0045】
図5は、加算減算テーブルの例を示す図である。図5の例においては、加算減算テーブルには、加算項目ごとの、報酬単位、加算要件(取得要件)、計算単位(計算情報)、および加算金額(報酬金額)の計算式が格納されている。加算減算テーブルには、さらに、減算項目ごとの、減算率、減算要件、計算単位(計算情報)、および減算金額の計算式が格納されている。
【0046】
図5の例においては、加算減算テーブルには、加算項目として「加算1」等が格納されている。加算減算テーブルには、報酬単位として「100単位/日」、「500単位/月」等が格納されている。加算減算テーブルには、加算の取得要件として「介護職員のうち介護福祉士が入所者6名に対して1人以上」等が格納されている。加算減算テーブルには、計算単位として、「1日につき、1人あたり」等が格納されている。加算減算テーブルには、加算金額の計算式として、「[報酬単位]×[入所者数]×30日×10円」が格納されている。
【0047】
さらに、加算減算テーブルには、減算項目として「減算1」等が含まれている。加算減算テーブルには、減算率として「30%」等が含まれている。加算減算テーブルには、減算要件として「医師が1名以上、介護職員または看護職員が7名以上、栄養士が1名以上、機能訓練指導員が1名以上、および介護支援専門員が1名以上、のいずれかを満たさないこと」等が含まれている。加算減算テーブルには、計算単位として、「基本報酬単位につき、1人あたり」等が含まれている。加算減算テーブルには、減算金額の計算式として、「[基本報酬単位数]×[減算率]×[入居者数]×10円」等が含まれている。
【0048】
CPU210の機能について説明する。
【0049】
図6は、CPU210の機能を示すブロック図である。CPU210は、取得部211、加算抽出部212、判定部213、算出部214、および出力部215として機能する。
【0050】
取得部211は、外部サーバー300から各施設の施設情報と、各施設の加算取得情報とを取得する。行政等が提供する外部サーバー300には、後述するように、全国の施設の施設情報と、各施設が既に取得している加算とが記憶されている。
【0051】
取得部211は、操作表示部260においてユーザーによって入力される施設情報および加算取得情報を受け付けることにより、施設情報を取得してもよい。この場合、取得部211は、例えば、ユーザーに施設情報および加算取得情報を入力させるための入力画面を操作表示部260に表示することにより、施設情報および加算取得情報を取得し得る。取得部211は、操作表示部260において施設情報および加算取得情報が含まれるファイルを受け付けることにより、施設情報および加算取得情報を取得してもよい。この場合、例えば、上述の入力画面において、ファイルの記憶場所(ディレクトリ)を入力するための入力ボックスを設け、入力ボックスに入力されたファイルに含まれる情報に基づいて、入力画面における施設情報および加算取得情報の入力欄に施設情報および加算取得情報を自動入力するようにし得る。
【0052】
取得部211は、ユーザー端末100において操作表示部160に、ユーザーによって入力される施設情報および加算取得情報を受信することにより、施設情報を取得してもよい。
【0053】
取得部211は、取得した施設情報と加算取得情報を、ストレージ140に記憶されている施設テーブルに格納する。具体的には、取得部111は、取得した全国の施設情報と当該施設の加算取得情報を施設テーブルに格納することにより、ストレージ140に記憶させる。
【0054】
取得部211は、施設テーブルから、ユーザーにより指定された施設の施設情報および加算取得情報を取得する。以下、説明を簡単にするために、ユーザーにより指定された施設は、ユーザーである管理者等が管理する自施設であるものとして説明する。指定された施設は、自施設以外の施設であってもよい。
【0055】
取得部211は、取得した自施設の施設情報(以下、単に「自施設情報」と称する)と、自施設の加算取得情報(以下、単に「加算取得情報」と称する)とに基づいて、加算減算テーブルを用いて、不足する情報があるかどうか判断する。不足する情報とは、加算抽出部212による、加算の要件を満たしているかどうかの判断に不足する情報である。不足する情報がある場合は、不足する情報をユーザーに入力させるための不足情報入力画面を作成し、操作表示部260に表示し得る。不足する情報には、判定部213による、対象となる減算の判定に不足する情報も含まれる。取得部211は、取得した自施設情報に基づいて、加算減算テーブルを用いて、不足する情報があると判断する場合は、不足情報入力画面を表示させる(例えば、ユーザー端末100へ送信することでユーザー端末に表示させる)ことにより、不足する情報の入力をユーザーに促し得る。取得部211は、ユーザーにより入力された、不足する情報を自施設情報に追加する。
【0056】
なお、取得部211は、不足情報入力画面において、ファイルの記憶場所(ディレクトリ)を入力するための入力ボックスを設け、入力ボックスに入力されたファイルに含まれる情報に基づいて、入力画面における施設情報の入力欄に不足する情報を自動入力するようにしてもよい。
【0057】
図7は、不足情報入力画面の例を示す図である。
【0058】
不足情報入力画面においては、ユーザーに、不足する情報の入力を促す設問と、不足する情報を入力するための入力欄とが含まれ得る。図7においては、例えば、図5に示す加算減算テーブルにおいて、「加算2」の要件を満たすかどうかの判断に不足する情報の入力を促すために、「夜間に介護職員、看護職員を何名配置していますか?」という設問が不足情報入力画面に含まれている。不足する情報と設問との関係を予め設定することで、不足する情報に応じて不足情報入力画面に表示する設問を決定し得る。
【0059】
加算抽出部212は、取得された、自施設情報と加算取得情報とに基づいて、加算減算テーブルを用いて、加算の要件を満たさない加算を抽出する。具体的には、加算抽出部112は、取得した自施設の施設情報と、加算減算テーブルに格納されている情報とに基づいて、加算の要件を満たしているか判定し、加算の要件を満たさない加算を抽出する。すなわち、自施設情報に含まれる施設の体制や施設の入居者の状況等が、加算減算テーブルに記憶された加算要件を満たさない加算を抽出(特定)する。
【0060】
判定部213は、施設情報に基づいて、対象となる減算を判定する。具体的には、判定部113は、自施設情報に含まれる施設の体制や施設の入居者の状況等が、加算減算テーブルに記憶された減算要件を満たしているため減算対象となっている減算を判定する。
【0061】
算出部214は、抽出された加算、または判定された減算が自施設に与える影響度を算出する。影響度には、金額、時間、その他施設の運営に影響する様々な度合が含まれ得る。以下、説明を簡単にするために、影響度は金額(加算金額、減算金額)であるものとして説明する。具体的には、算出部114は、加算減算テーブルに記憶された、加算金額または減算金額の計算式を用いて、抽出された加算の加算金額、または判定された減算の減算金額を影響度として算出する。
【0062】
出力部215は、抽出された加算(すなわち、加算項目)を出力する。出力部215は、減算対象であると判定された減算(すなわち、減算項目)を出力する。出力には、操作表示部260への表示や、通信インターフェースを介して他の装置(例えば、ユーザー端末100)への送信等が含まれる。出力部215は、影響度の大きい順に加算および/または減算を出力し得る。
【0063】
出力部215は、抽出された加算、および減算対象であると判定された減算を、加算/減算要件、不足要件(加算取得に不足する要件、減算対象にならないために不足する要件)、および加算金額/減算金額と対応付けて出力し得る。出力部215は、取得済みの加算については、抽出されなかった加算(加算要件を満たしている加算)についても、加算要件、および加算金額と対応付けて出力してもよい。
【0064】
図8は、出力部215による出力結果の例を示す図である。図8においては、出力結果が出力結果表示画面として出力される場合が例示されている。出力結果は、出力結果表示画面以外の形式で出力されてもよい。
【0065】
図8の例においては、減算対象として「減算1」が判定されている。そして、減算対象であると判定された「減算1」に、「医師が1名以上、介護職員または看護職員が7名以上、栄養士が1名以上、機能訓練指導員が1名以上、および介護支援専門員が1名以上、のいずれかを満たさないこと」という減算要件、「介護職員または看護職員:1名」が不足するという不足要件、および減算金額が対応付けられて出力されている。また、「加算1」が、要件を満たさない加算として抽出されている。そして、要件を満たさない「加算1」に、「介護職員のうち介護福祉士が入所者6名に対して1名以上」という加算要件、「介護福祉士:1名」が不足するという不足要件、および加算金額が対応付けられて出力されている。また、加算の要件を満たしている「加算3」についても、加算要件等が関連付けされて出力されている。
【0066】
図8に示す出力結果表示画面においては、影響度が最も大きい「減算1」が最も上段に表示され、影響度が大きい順に加算および減算が表示されている。これにより、ユーザーは、影響度が最も大きい「減算1」の要件を満たすために、介護職員または看護職員を1名、積極的に募集することで、大きな損失を回避し得る。
【0067】
<外部サーバー300>
外部サーバー300は、例えば政府や自治体等の行政によって運営され、提供されるサーバーであり、管轄する各介護施設の施設情報を閲覧可能なウェブサイトを提供するためのサーバーである。外部サーバー300は、各介護施設の施設情報および加算取得情報が記憶された、外部データベースとして機能する。外部サーバー300は、各介護施設の施設情報および加算取得情報を提供する。
【0068】
図9は、外部サーバー300の概略構成を示すブロック図である。
【0069】
図9に示すように、外部サーバー300は、CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350、および操作表示部360を有する。各構成は、バス370を介して相互に通信可能に接続されている。
【0070】
CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350、および操作表示部360の各構成は、ユーザー端末100の対応する各構成と同様の機能を有するため、重複する説明は省略する。
【0071】
ストレージ340には、上記のようなウェブサイトを提供するためのプログラムがインストールされている。また、ストレージ340には、各施設の施設情報および各施設の加算取得情報が外部データベースとして記憶されている。ストレージ340に記憶されている施設情報および加算取得情報は、例えば外部サーバー300を管理する自治体等が定める所定のタイミングで、各施設からの情報に基づいて更新され得る。ストレージ340には、情報処理装置200のストレージ240に記憶される加算減算テーブルに格納される、施設情報以外の各情報がさらに記憶されてもよい。
【0072】
システム10は上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。また、各構成要素の個数も一つに限定されず、各構成要素は複数設けられてもよい。
【0073】
<システム10において実行される処理の概要>
システム10において実行される処理の手順について説明する。
【0074】
<施設情報の取得処理>
情報処理装置200が外部サーバー300の外部データベースから施設情報および加算取得情報を取得して内部データベースに格納する処理について説明する。
【0075】
図10は、情報処理装置200において実行される、施設情報および加算取得情報を取得して内部データベースに格納する処理の手順を示すフローチャートである。本フローチャートに示される情報処理装置200の処理は、情報処理装置200のストレージ240に記憶されたプログラムに従って、CPU210が各部を制御することにより実行される。
【0076】
情報処理装置200は、ユーザーであるシステム管理者によるログインを受け付ける(S101)。例えば、情報処理装置200は、システム管理者が使用するユーザー端末100からのログイン要求に基づいて当該ユーザー端末100と通信を行い、システム管理者としてのユーザー認証等の処理を実行した上で、システム管理者のログインを受け付ける。
【0077】
情報処理装置200は、システム管理者から施設情報および加算取得情報の取得の指示を受け付ける(S102)。例えば、システム管理者が自ら使用するユーザー端末100に、施設情報および加算取得情報の取得の指示を入力し、ユーザー端末100が当該指示を情報処理装置200へ送信することで、情報処理装置200は当該指示を受け付け得る。
【0078】
情報処理装置200は、施設情報および加算取得情報の取得の指示を受け付けると、外部サーバー300にアクセスしてストレージ340に記憶された外部データベースから各施設の施設情報および加算取得情報を取得する(S103)。
【0079】
情報処理装置200は、取得した施設情報および加算取得情報を、ストレージ240の内部データベースの施設テーブルに格納(登録)する(S104)。
【0080】
<要件を満たさない加算等の出力処理>
情報処理装置200が内部データベースから自施設情報および加算取得情報を取得して、自施設情報と加算取得情報に基づいて、加算の条件を満たさない加算等を抽出して出力する処理について説明する。
【0081】
図11、12は、情報処理装置200において実行される、内部データベースから自施設情報および加算取得情報を取得して、自施設情報と加算取得情報に基づいて、加算の条件を満たさない加算等を抽出して出力する処理の手順を示すフローチャートである。本フローチャートに示される情報処理装置200の処理は、情報処理装置200のストレージ240に記憶されたプログラムに従って、CPU210が各部を制御することにより実行される。
【0082】
ステップS201は、図10のステップS101と同様の処理であるため説明を省略する。
【0083】
情報処理装置200は、システム管理者から、システム管理者が管理を担当する施設である自施設の番号を受け付ける(S202)。例えば、システム管理者が自ら使用するユーザー端末100に自施設の番号を入力し、ユーザー端末100が当該番号を情報処理装置200へ送信することで、情報処理装置200は当該番号を受け付け得る。
【0084】
情報処理装置200は、自施設の番号を受け付けると、ストレージ240の内部データベースに記憶されている施設テーブルから、受け付けた自施設の番号と一致する施設の施設情報を取得し、自施設情報として設定する(S203)。さらに、情報処理装置200は、施設テーブルから、加算取得情報を取得し自施設の加算取得情報として設定する。
【0085】
情報処理装置200は、取得した自施設情報および加算取得情報を変更可能な編集画面(図示せず)を、ユーザー端末100へ送信して操作表示部160に表示させることで、自施設情報および加算取得情報の変更を促す(S204)。
【0086】
情報処理装置200は、ユーザー端末100において自施設情報または加算取得情報がユーザーにより変更されたかどうか判断する(S205)。情報処理装置200は、自施設情報または加算取得情報が変更されていないと判断したときは(S205:NO)、ステップS207の処理を実行する。
【0087】
情報処理装置200は、自施設情報または加算取得情報が変更されたと判断したときは(S205:YES)、変更後の自施設情報および加算取得情報により、設定された自施設情報および加算取得情報を更新する(S206)。
【0088】
情報処理装置200は、更新後の自施設情報および加算取得情報に基づいて、加算減算テーブルを用いて、取得済みの加算の要件、および減算の要件、の判断に不足する情報があるかどうか判定する(S207)。
【0089】
情報処理装置200は、不足する情報がないと判定したときは(S208:NO)、ステップS211の処理を実行する。情報処理装置200は、不足する情報があると判定したときは(S208:YES)、ステップS209の処理を実行する。
【0090】
情報処理装置200は、不足する情報を入力するための不足情報入力画面(図7参照)を、ユーザー端末100へ送信し、操作表示部160に表示させる(S209)。
【0091】
情報処理装置200は、不足情報入力画面にユーザーにより入力された情報を自施設情報または加算取得情報に追加する(S210)。
【0092】
情報処理装置200は、自施設情報および加算取得情報に基づいて、加算減算テーブルを用いて、取得済みの加算、および減算に関し、要件を満たしているかどうか判定する(S211)。
【0093】
情報処理装置200は、要件を満たしていない加算、または減算要件を満たすため減算対象となる減算があると判断したときは(S212:YES)、ステップS213を実行する。情報処理装置200は、要件を満たしていない加算、および減算対象となる減算がないと判断したときは(S212:NO)、ステップS215を実行する。
【0094】
情報処理装置200は、要件を満たしていない加算、および減算対象の減算に関し、加算金額および減算金額を、加算減算テーブルを用いて、それぞれ算出する(S213)。
【0095】
情報処理装置200は、要件を満たしていない加算、および減算対象ごとに、不足する要件と、加算金額および減算金額とを表示するための出力結果表示画面(図8参照)を作成する(S214)。なお、出力結果表示画面には、要件を満たしている、取得済みの加算についても、加算要件、要件の判定結果、および加算金額と対応付けられて表示されてもよい。
【0096】
情報処理装置200は、取得済みの加算、および減算対象の減算ごとに、要件、要件の判定結果、および加算金額/減算金額を表示するための出力結果表示画面を作成する(S215)。
【0097】
情報処理装置200は、出力結果表示画面を出力する(S216)。
【0098】
実施形態は以下の効果を奏する。
【0099】
施設の情報と、施設で既に取得している加算の情報とに基づいて、加算の要件を満たさない加算を抽出して出力する。これにより、施設の体制の変化に応じて加算の要件を満たしているかどうかを容易に把握できる。
【0100】
さらに、施設の情報に基づいて、対象となる減算を判定して出力する。これにより、施設の体制の変化に応じて減算が生じているかどうかを容易に把握できる。
【0101】
さらに、加算、または減算が施設に与える影響度を算出し、加算または減算と対応付けて影響度を出力する。これにより、複数の取得済みの加算が加算要件を満たしていないことが判った場合、体制の改善等に注力すべき加算または減算を容易に把握できる。
【0102】
さらに、影響度を、加算または減算の金額とする。これにより、複数の取得済みの加算が加算要件を満たしていないことが判った場合、より注目すべき加算または減算を容易に把握できる。
【0103】
さらに、影響度の大きい順に加算または減算を出力する。これにより、複数の取得済みの加算が加算要件を満たしていないことが判った場合、注目すべき加算または減算をより容易に把握できる。
【0104】
さらに、施設の情報を、行政のデータベースから受信することにより、または施設の情報の入力を受け付けることにより、施設の情報を取得する。これにより、より簡単なシステム構成により、複数の取得済みの加算が加算要件を満たしていない場合、より柔軟に注目すべき加算または減算を把握できる。
【0105】
さらに、施設の情報が含まれるファイルを受け付けることで、施設の情報を取得する。これにより、施設の情報が不足する場合等に、施設の情報を入力するユーザーの負担を軽減できる。
【0106】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0107】
例えば、ユーザー端末100、情報処理装置200、および外部サーバー300は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0108】
また、ユーザー端末100、情報処理装置200、および外部サーバー300は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0109】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。例えば、情報処理装置200において実行されるものとして説明した処理の少なくとも一部は、ユーザー端末100のアプリケーションや外部サーバー300等の他の装置によって実行されてもよい。また、ユーザー端末100の機能を情報処理装置200に含ませることで、ユーザー端末100を省略してもよい。
【0110】
また、上記の実施形態におけるフローチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分割の仕方によって、本願発明が制限されることはない。各処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0111】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0112】
100 ユーザー端末、
110 CPU、
120 ROM、
130 RAM、
140 ストレージ、
150 通信インターフェース、
160 操作表示部、
170 バス、
200 情報処理装置、
210 CPU、
211 取得部、
212 加算抽出部、
213 判定部、
214 算出部、
215 出力部、
220 ROM、
230 RAM、
240 ストレージ、
250 通信インターフェース、
260 操作表示部、
270 バス、
300 外部サーバー、
310 CPU、
320 ROM、
330 RAM、
340 ストレージ、
350 通信インターフェース、
360 操作表示部、
370 バス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12