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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163353
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】日焼け止め化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20231102BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20231102BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20231102BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q17/04
A61K8/9794
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074206
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】若月 明子
(72)【発明者】
【氏名】森田 三佳
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB032
4C083AB212
4C083AB242
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC342
4C083AC372
4C083AC422
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083CC19
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】 本発明は、使用感が良好で、塗布時に白うきがなく、製剤安定性に優れる日焼け止め化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、植物種子からの抽出物であって、JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法によって測定した体積基準のメジアン径が1~10μmである脂質粒子と、透過型電子顕微鏡により測定される個数平均一次粒子径が5~100nmである無機酸化物粒子とを含む日焼け止め化粧料であり、無機酸化物粒子の重量に対する脂質粒子の重量の割合が0.8~8125重量%であり、日焼け止め化粧料の重量に対する無機酸化物粒子の重量の割合が0.2~40重量%である日焼け止め化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物種子からの抽出物であって、JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法によって測定した体積基準のメジアン径が1~10μmである脂質粒子と、透過型電子顕微鏡により測定される個数平均一次粒子径が5~100nmである無機酸化物粒子とを含む日焼け止め化粧料であって、脂質粒子が、トリアシルグリセロールを含む脂質をリン脂質及びタンパク質を含んでなる膜が被覆した構造を有する脂質粒子であり、無機酸化物粒子の重量に対する脂質粒子の重量の割合が0.8~8125重量%であり、日焼け止め化粧料の重量に対する無機酸化物粒子の重量の割合が0.2~40重量%である日焼け止め化粧料。
【請求項2】
無機酸化物粒子が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の日焼け止め化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日焼け止め化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
日焼け止め化粧料として、酸化チタン及び酸化亜鉛等のUV-A領域において紫外線防御効果の高い無機酸化物粒子と、ベンゾフェノン系化合物、パラアミノ安息香酸化合物及びケイ皮酸系化合物のUV-B領域において紫外線防御効果の高い紫外線吸収剤とを配合することが提案されている。(特許文献1)
【0003】
しかしながら、酸化チタン及び酸化亜鉛等の無機酸化物粒子は、化粧料中に分散しにくいため、通常、分散安定剤としてカルボキシビニルポリマー等とともに添加されるが、これらの分散安定剤を添加しても、無機酸化物粒子が凝集し、日焼け止め化粧料の紫外線散乱効果及び製剤安定性の低下、並びに日焼け止め化粧料塗布時の白うきが問題となっている。
また、特許文献1に記載の日焼け止め化粧料は分散安定剤として、増粘剤であるポリアクリル酸アミドを使用することを提案しているが、ポリアクリル酸アミドを用いた日焼け止め化粧料では、さっぱりとした感触を得ることが困難であり、使用感において課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-326906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、無機酸化物粒子の分散安定性に優れるため、紫外線散乱効果及び製剤安定性に優れ、皮膚に塗布した際に白浮きがなく、さらに、肌への使用時においてもさっぱりとした使用感を与えることができる日焼け止め化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、植物種子からの抽出物であって、JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法によって測定した体積基準のメジアン径が1~10μmである脂質粒子と、透過型電子顕微鏡により測定される個数平均一次粒子径が5~100nmである無機酸化物粒子とを含む日焼け止め化粧料であり、脂質粒子が、トリアシルグリセロールを含む脂質をリン脂質及びタンパク質を含んでなる膜が被覆した脂質粒子であり、無機酸化物粒子の重量に対する脂質粒子の重量の割合が0.8~8125重量%であり、日焼け止め化粧料の重量に対する無機酸化物粒子の重量の割合が0.2~40重量%である日焼け止め化粧料である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、使用感が良好で、塗布時に白うきがなく、製剤安定性に優れる日焼け止め化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳述する。
本明細書において、化合物の名称を日本化粧品工業連合会が作成する「化粧品表示名称リスト」に収載されている表示名称又は表示別名称で記載する場合がある。
【0009】
本発明の日焼け止め化粧料は、植物種子からの抽出物であって、JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法によって測定した体積基準のメジアン径が1~10μmである脂質粒子と、透過型電子顕微鏡により測定される個数平均一次粒子径が5~100nmである無機酸化物粒子とを含む日焼け止め化粧料であり、脂質粒子が、トリアシルグリセロールを含む脂質をリン脂質及びタンパク質を含んでなる膜が被覆した脂質粒子であり、無機酸化物粒子の重量に対する脂質粒子の重量の割合が0.8~8125重量%であり、日焼け止め化粧料の重量に対する無機酸化物粒子の重量の割合が0.2~40重量%である。
なお、本願発明において、日焼け止め化粧料としては、太陽光線中の紫外線から皮膚を防御して炎症を予防する目的を持つ化粧料、および紫外線による皮膚の炎症を予防する効果を有する化粧料を指す。
化粧料が日焼け止め効果を有することは、紫外線防御指数[Sun Protection Factor(SPF値)]を測定することで確認することができる。
【0010】
<脂質粒子>
本発明の日焼け止め化粧料に含まれる脂質粒子は、植物種子からの抽出物であって、JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法によって測定した体積基準のメジアン径が1~10μmであり、トリアシルグリセロールを含む脂質をリン脂質及びタンパク質を含んでなる膜が被覆した脂質粒子である。
【0011】
植物の種子は、栄養源であるトリアシルグリセロールを含む脂質を貯蔵するために、脂質をリン脂質とタンパク質とを含んでなる膜が被覆した脂質粒子を含む。この脂質粒子は、オイルボディ、オレオソーム、リピドボディ及びスフェロソームと呼ばれることもある。
本発明における脂質粒子は、植物の種子がその細胞内に含み、オイルボディ、オレオソーム、リピドボディ及びスフェロソームと呼ばれる脂質粒子を用いる。
【0012】
本発明における脂質粒子は、植物種子から抽出することによって得られる脂質粒子であり、国際公開2009/126301号公報等に記載の公知の抽出方法によって得ることができる。
【0013】
本発明の日焼け止め化粧料に含まれる脂質粒子を抽出する種子としては、ダイズ(Glycine max)、ナタネ(Brassica spp.)、トウモロコシ(Zea mays)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ココナッツ(Coccus nucifera)、ゴマ及びベニバナ(Carthamus tinctorius)等の種子が好ましく、ベニバナの種子であることが特に好ましい。
【0014】
脂質粒子の体積基準のメジアン径は、日焼け止め化粧料の使用感の観点から、1~10μmであり、2~6μmであることが好ましい。
前記の好ましい種子から抽出された脂質粒子を用いることで、脂質粒子の体積基準のメジアン径をこの範囲とすることが出来る。
【0015】
脂質粒子の体積基準のメジアン径は、JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法による粒度分布計[商品名:LA-960{(株)堀場製作所製}]によって測定することができる。
【0016】
脂質粒子としては、市場から入手できるものを用いても良い。
脂質粒子は、水等の溶媒と必要に応じて用いられるキレート剤(グルコノラクトン等)及び保存料(安息香酸ナトリウム等)等との混合物(以下、脂質粒子含有組成物と記載する)として市場から入手することができる。
市場から入手できる脂質粒子含有組成物としては、Hydresia SF2(Botaneco製)、Hydresia G2(Botaneco製)、Hydresia Dulce(Botaneco製)及びCapsol(Botaneco製)等が挙げられ、Capsol(Botaneco製)を好ましく用いることができる。
【0017】
<無機酸化物粒子>
本発明の日焼け止め化粧料に含まれる無機酸化物粒子としては、公知の金属酸化物粒子があげられる。なかでも、紫外線散乱効果の観点から、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムから選択される1種以上であることが好ましく、酸化亜鉛及び酸化チタンから選択される1種以上であることがさらに好ましい。
【0018】
無機酸化物粒子は、日焼け止め化粧料に含まれる分散媒への分散性を付与するために、必要に応じて表面処理したものを用いてもよい。表面処理の方法としては、メチルハイドロゲンポリシロキサン及びメチルポリシロキサン等のシリコーン処理、パーフルオロアルキルリン酸エステル及びパーフルオロアルコール等によるフッ素処理、N-アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、レシチン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理並びにアルキルリン酸エステル処理等があげられ、シリコーン処理であることが好ましい。
【0019】
無機酸化物粒子の透過型電子顕微鏡により測定される個数平均一次粒子径は、紫外線散乱効果及び使用感の観点から、5nm~100nmであり、10~80nmであることが好ましい。
なお、一次粒子とは、透過型電子顕微鏡で観察される凝集のない独立した粒子のことをいう。
無機酸化物粒子の一次粒子径が5nm未満であると使用感が悪化し、100nmを超えると紫外線散乱効果が低下する。
【0020】
無機酸化物粒子の個数平均一次粒子径の測定方法としては、無機酸化物粒子に対し、必要によりスパッタリング処理を実施した後、透過型電子顕微鏡[商品名:JEM-2100,日本電子(株)製]で、加速電圧80kV、観察倍率を5万倍にして観察する。画像中の100個の無機酸化物粒子の一次粒子を無作為に抽出し、それらの粒子径(長径と短径の平均値)を測定する。100個の無機酸化物粒子の個数平均を算出し個数平均一次粒子径とすることができる。
【0021】
無機酸化物粒子としては、化粧料用の無機酸化物粒子を好ましく用いることができ、化粧料用の無機酸化物粒子は市場から入手して用いることができる。
【0022】
酸化チタン粒子としては、アルミナ及びイソステアリン酸処理した酸化チタン粒子(平均一次粒子径:15nm)[商品名:MT-100TV、テイカ(株)製]、およびアルミ、シリコン及びシリコーン処理した酸化チタン粒子(平均一次粒子径:10nm)[商品名:MTY-110M3S、テイカ(株)製]等が挙げられる。
【0023】
酸化亜鉛としては、酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:60nm)[商品名:FINEX-25、堺化学工業(株)製]、酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:80nm)[商品名:MZ-150、テイカ(株)製]、酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:50nm)[商品名:MZ-200、テイカ(株)製]、酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:35nm)[商品名:MZ-300、テイカ(株)製]、ジメチコン処理した酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:60nm)[商品名:FINEX-25LP、堺化学工業(株)製]、ジメチコン処理した酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:20nm)[商品名:FINEX-50-LPTM、堺化学工業(株)製]、ハイドロゲンジメチコン処理した酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:80nm)[商品名:MZ-504R3M、商品名:MZY-153S、テイカ(株)製]、ハイドロゲンジメチコン処理した酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:50nm)[商品名:MZY-203S、テイカ(株)製]、ハイドロゲンジメチコン処理した酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:35nm)[商品名:MZY-303S、テイカ(株)製]及びトリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン処理した酸化亜鉛粒子(平均一次粒子径:35nm)[商品名:MZ-306X、テイカ(株)製]等が挙げられる。
【0024】
<日焼け止め化粧料>
日焼け止め化粧料は、前記脂質粒子と無機酸化物粒子とを含む日焼け止め化粧料である。
【0025】
日焼け止め化粧料に含まれる無機酸化物粒子に対する脂質粒子の重量の割合は、紫外線散乱効果、製剤安定性及び肌への使用時においてもさっぱりとした使用感の観点から、0.8~8125重量%であり、3.2~325重量%であることが好ましい。
日焼け止め化粧料に含まれる無機酸化物粒子に対する脂質粒子の重量の割合が0.8重量%未満であると製剤安定性及び使用感が悪化し、8125重量%を超えると紫外線散乱効果が低下する。
【0026】
日焼け止め化粧料の重量に対する無機酸化物粒子の重量の割合は紫外線散乱効果及び製剤安定性の観点から0.2~40重量%であり、4~16重量%であることが好ましい。
日焼け止め化粧料の重量に対する無機酸化物粒子の重量の割合が0.2重量%未満であると紫外線散乱効果が低下し、40重量%を超えると製剤安定性が悪化する。
【0027】
日焼け止め化粧料中において、無機酸化物粒子は凝集体を形成していることが好ましく、凝集体の体積基準のメジアン径は、200~500nmであることが好ましく、200~450nmであることがさらに好ましい。
日焼け止め化粧料中における無機酸化物粒子の体積基準のメジアン径は、JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法に準拠した粒度分布計[商品名:LA-960{(株)堀場製作所製}]によって測定される。
日焼け止め化粧料中の無機酸化物粒子の体積基準のメジアン径が200~500nmであると、皮膚への塗布時に白うきが生じ難く好ましい。
【0028】
本発明の日焼け止め化粧料は、前述の脂質粒子及び無機酸化物粒子の他に、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤溶剤、油性成分、水、溶剤、保湿剤、キレート剤、コンディショニング剤、増粘剤、美白剤、pH調整剤、清涼剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤及び酸化防止剤等の公知の化粧料成分が挙げられる。
【0029】
両性界面活性剤としては、アルキルジメチル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン型両性界面活性剤及びアミノ酸系界面活性剤等が挙げられる。
【0030】
アルキルジメチル酢酸ベタインとしては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ラウリルベタイン]、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ミリスチルベタイン]及びステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ステアリルベタイン]等が挙げられる。
【0031】
脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン[別名:ラウラミドプロピルベタイン]、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン[別名:ミリスタミドプロピルベタイン]、イソステアリン酸アミドプロピルベタイン及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン[別名:コカミドプロピルベタイン]等が挙げられる。
【0032】
アルキルイミダゾリニウムベタインとしてはN-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム[別名:ラウロアンホ酢酸Na]及びN-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム[別名:ココアンホ酢酸Na]等が挙げられる。
【0033】
スルホベタイン型両性界面活性剤としては、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン及びコカミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。
【0034】
アミノ酸系界面活性剤としては、ラウリルアスパラギン酸ナトリウム、ミリスチルアスパラギン酸ナトリウム、ラウリル-β-アミノプロピオン酸ナトリウム及びラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム[別名:ラウロイルメチルアラニンNa]等が挙げられる。
【0035】
アニオン性界面活性剤としては、エーテルカルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸塩及びアシル化アミノ酸塩等が挙げられる。
【0036】
エーテルカルボン酸塩又はその塩としては、ポリオキシエチレン(平均重合度4)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:ラウレス-4カルボン酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度6)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:ラウレス-6カルボン酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度4)トリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:トリデセス-4カルボン酸Na]及びポリオキシエチレン(平均重合度7)トリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム[別名:トリデセス-7カルボン酸Na]等が挙げられる。
【0037】
硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム[別名:ラウリル硫酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム[別名:ラウレス-3硫酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度3)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン[別名:ラウレス-3硫酸TEA]、ポリオキシエチレン(平均重合度3)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム[別名:PEG-3ヤシ脂肪酸アミドMEA硫酸Na]及びポリオキシエチレン(平均重合度3)アルキル(炭素数12-13)エーテル硫酸ナトリウム[別名:(C12,C13)パレス-3硫酸Na]等が挙げられる。
【0038】
スルホン酸塩としてはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム[別名:ドデシルベンゼンスルホン酸Na]、ポリオキシエチレン(平均重合度2)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム塩[別名:スルホコハク酸ラウレス2Na]、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム[別名:スルホコハク酸ラウリル2Na]及びポリオキシエチレン(平均重合度5)スルホコハク酸ラウロイルエタノールアミド二ナトリウム等が挙げられる。
【0039】
リン酸エステル塩としては、ラウリルリン酸ナトリウム[別名:ラウリルリン酸Na]及びポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム[別名:トリラウレス-4リン酸]等が挙げられる。
【0040】
脂肪酸塩としては、ミリスチン酸ナトリウム[別名:ミリスチン酸Na]、ミリスチン酸カリウム[別名:ミリスチン酸K]、ミリスチン酸トリエタノールアミン[別名:ミリスチン酸TEA]、ラウリン酸ナトリウム[別名:ラウリン酸Na]、ラウリン酸カリウム[別名:ラウリン酸K]、ラウリン酸トリエタノールアミン[別名:ラウリン酸TEA]、ステアリン酸ナトリウム[別名:ステアリン酸Na]、ステアリン酸トリエタノールアミン[別名:ステアリン酸TEA]、パルミチン酸ナトリウム[別名:パルミチン酸Na]及びパルミチン酸トリエタノールアミン[別名:パルミチン酸TEA]等が挙げられる。
【0041】
アシル化アミノ酸塩としては、N-ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム[別名:ココイルメチルタウリンNa]、N-ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム[別名:ココイルサルコシンNa]、N-ラウロイルサルコシンナトリウム[別名:ラウロイルサルコシンNa]、N-ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン[別名:アシルグルタミン酸TEA]、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン[別名:ココイルグルタミン酸TEA]、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム[別名:ココイルグルタミン酸Na]及びラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン[別名:ラウロイルグルタミン酸TEA]等が挙げられる。
【0042】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0043】
第4級アンモニウム塩としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム[別名:ステアルトリモニウムクロリド]、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム[別名:ベヘントリモニウムクロリド]、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム[別名:ジステアリルジモニウムクロリド]及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム[別名:クオタニウム―33]等が挙げられる。
【0044】
アミン塩としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド[別名:ステアラミドエチルジエチルアミン]及びベヘン酸ジメチルアミノエチルアミド[別名:ベヘナミドプロピルジメチルアミン]等が挙げられる。
【0045】
ノニオン性界面活性剤としては、炭素数4~24のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2~8)付加物、炭素数8~24の脂肪酸とアルキレンオキシド(炭素数2~8)重合物とのエステル、多価(2価~10価)アルコールの高級脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
【0046】
炭素数4~24のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2~8)付加物としては、ポリオキシエチレン(平均重合度10)ポリオキシプロピレン(平均重合度7)ブチルエーテル[別名:PPG-7ブテス-10]、ポリオキシエチレン(平均重合度20)ラウリルエーテル[別名:ラウレス-20]、ポリオキシエチレン(平均重合度20)オレイルエーテル[別名:オレス-20]、ポリオキシエチレン(平均重合度12)ポリオキシプロピレン(平均重合度2)セチルエーテル[別名:PPG-2セテス-12]及びポリオキシエチレンセテアリルエーテルとポリオキシエチレンオレイルエーテルの混合物[別名:セレトス-5]等が挙げられる。
【0047】
炭素数8~24の脂肪酸とアルコール又はアルキレンオキシド(炭素数2~8)重合物とのエステルとしては、モノステアリン酸グリセリル[別名:ステアリン酸グリセリル]、モノカプリル酸グリセリル[別名:カプリル酸グリセリル]、モノミリスチン酸グリセリル[別名:ミリスチン酸グリセリル]、モノオレイン酸グリセリル[別名:オレイン酸グリセリル]、モノステアリン酸エチレングリコール[別名:ステアリン酸グリコール]、モノラウリン酸ソルビタン[別名:ラウリン酸ソルビタン]、モノパルミチン酸ソルビタン[別名:パルミチン酸ソルビタン]、モノステアリン酸ソルビタン[別名:ステアリン酸ソルビタン]、モノオレイン酸ソルビタン[別名:オレイン酸ソルビタン]、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度6)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-6ソルビタン]、ポリオキシエチレン(平均重合度20)ステアリルエーテル[別名:ステアレスー20]、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度23)[別名:ステアリン酸PEG-23]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度3)[別名:ジステアリン酸PEG-3]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度150)[別名:ジステアリン酸PEG-150]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(平均重合度190)[別名:ジステアリン酸PEG-190]及びポリオキシエチレン(平均重合度60)硬化ヒマシ油[別名:PEG-60水添ヒマシ油]等が挙げられる。
【0048】
多価(2価~10価)アルコールの高級脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、カプリル酸及びカプリン酸のグリセリンエステルにポリエチレンオキシド(平均重合度6)を付加重合したもの[別名:(カプリル酸/カプリン酸)PEG-6グリセリズ]、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度10)ソルビタン[別名:ラウリン酸PEG-10ソルビタン]、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度80)ソルビタン[別名:ラウリン酸PEG-80ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度6)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-6ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度3)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-3ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(平均重合度40)ソルビタン[別名:オレイン酸PEG-40ソルビタン]、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度6)ソルビタン[別名:ステアリン酸PEG-6ソルビタン]、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度40)ソルビタン[別名:ステアリン酸PEG-40ソルビタン]、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度160)ソルビタン[別名:トリイソステアリン酸PEG-160ソルビタン]並びにポリオキシエチレン(重合度120)ジオレイン酸メチルグルコシド[別名:ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース]等が挙げられる。
【0049】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸デカグリセリル[別名:オレイン酸ポリグリセリル-10]、モノラウリン酸デカグリセリル[別名:ラウリン酸ポリグリセリル-10]、イソステアリン酸デカグリセリル[別名:イソステアリン酸ポリグリセリル-10]、ジステアリン酸ポリグリセリル[別名:ジステアリン酸ポリグリセリル-10]、ステアリン酸ポリグリセリル[別名:ステアリン酸ポリグリセリル-10]、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル[別名:ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6]及びモノイソステアリン酸ジグリセリル[別名:イソステアリン酸ポリグリセリル-2]等が挙げられる。
【0050】
脂肪酸アルカノールアミドとしては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド[別名:コカミドMEA]、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[別名:コカミドメチルMEA]及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド[別名:コカミドDEA]等が挙げられる。
【0051】
水としては、常水、精製水の他、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、温泉水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン交換水及びクラスター水等が挙げられる。
【0052】
油性成分としては、液体油脂、固体油脂、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油及び精油等が挙げられる。
【0053】
液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミア種子油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、コムギ胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、シロバナワタ種子油、ダイズ油、ピーナッツ油、チャ実油、コウスイガヤ油、コメヌカ油、ホホバ油、コメ胚芽油、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル[別名:トリエチルヘキサノイン]及びトリイソパルミチン酸グリセリル[別名:トリイソパルミチン]等が挙げられる。
【0054】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、キャンデリラロウ、ミツロウ、シア脂、馬油、水添ヤシ油、パーム油、牛脂、ラノリン、水添牛脂、パーム核油、水添パーム油、豚脂、モクロウ及び水添ヒマシ油等が挙げられる。
【0055】
炭化水素油としては、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン[別名:イソドデカン]、2,2,4,4,6,8,8-ヘプタメチルノナン[別名:イソヘキサデカン]、ヘキサメチルテトラコサン[別名:スクワラン]、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサ-2,6,10,14,18,22-ヘキサエン[別名:スクワレン]、ワセリン、パラフィン、水添ポリイソブテン、オゾケライト、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン、セレシン及びマイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0056】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジエチルヘキサン酸グリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、カプリル酸とカプリン酸とグリセリンとのトリエステル[別名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル]、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸及びロジン酸とジペンタエリスリトールとのヘキサエステル[別名:ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル]、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、パルミチン酸エチルヘキシル、トリミリスチン酸グリセリル[別名:トリミリスチン]、リシノレイン酸メチル、オレイン酸オレイル、アジピン酸ジイソブチル、ラウロイルグルタミン酸とフィトステロールとオクチルドデカノールとのエステル[別名:ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)]、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、ラウリン酸エチル、セバシン酸ジエチルヘキシル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル、クエン酸トリエチル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(平均重合度3)トリメチロールプロパン[別名:トリイソステアリン酸PEG-3トリメチロールプロパン]、トリイソステアリン酸ジグリセリル[別名:トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2]並びにテトライソステアリン酸スクロース等が挙げられる。
【0057】
シリコーン油としては、鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン及び変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、アルキル変性ポリシロキサン及びフッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0058】
鎖状シロキサンとしては、メチルフェニルポリシロキサン[別名:ジフェニルジメチコン]、カプリリルメチコン、ジメチコン、ジビニルジメチルポリシロキサンで架橋したジメチルポリシロキサン[別名:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー]及びフェニルビニルジメチルポリシロキサンで架橋したジメチルポリシロキサン共重合体[別名:(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー]等が挙げられる、
【0059】
環状シロキサンとしては、デカメチルシクロペンタシロキサン[別名:シクロペンタシロキサン]及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン[別名:シクロヘキサシロキサン]等が挙げられる。
【0060】
変性ポリシロキサンとしてはアミノプロピルジメチコン、アルキル(C26-28)ジメチコン、アルキル(C30-45)ジメチコン、ポリオキシエチレン(平均重合度10)・メチルポリシロキサン共重合体[別名:PEG-10ジメチコン]、ポリオキシエチレン(平均重合度12)・メチルポリシロキサン共重合体[別名:PEG-12ジメチコン]及びポリオキシエチレン(平均重合度9)ジメチルシロキシエチルジメチコン[別名:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン]等が挙げられる。
【0061】
溶剤としては、エタノール、イソプレンジオール[別名:イソペンチルジオール]、変性アルコール、ジプロピレングリコール[別名:DPG]、1,2-ヘキサンジオール[別名:1,2-ヘキサンジオール]、イソドデカン、イソプロパノール、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル[別名:エトキシジグリコール]及びプロピレングリコール[別名:PG]等が挙げられる。
【0062】
保湿剤としては、グリセリン、1,3-ブチレングリコール[別名:BG]、硬化ナタネ油アルコール[別名:水添ナタネ油アルコール]、ソルビトール、酢酸ナトリウム[別名:乳酸Na]、ピロリドンカルボン酸ナトリウム[別名:PCN-Na]、ヒアルロン酸ナトリウム[別名:ヒアルロン酸Na]及びコンドロイチン硫酸ナトリウム[別名:コンドロイチン硫酸Na]等が挙げられる。
【0063】
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸[別名:EDTA]、エチレンジアミン四酢酸の2ナトリウム塩[別名:EDTA-2Na]、ポリリン酸ナトリウム[別名:ポリリン酸Na]、ピロリン酸ジナトリウム塩[別名:ピロリン酸2Na]、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム[別名:グルコン酸Na]及びアスコルビン酸等が挙げられる。
【0064】
コンディショニング剤としては、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体[別名:ポリクオタニウム-10]、アクリル酸アミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドから得られる4級アンモニウム塩の重合体[別名:ポリクオタニウム-7]、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体[別名:ポリクオタニウム-22]、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体[別名:(VP/VA)コポリマー]、グアーガムに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加した4級アンモニウム塩[別名:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド]、ポリエチレングリコール20000[別名:PEG-400]、ポリアクリル酸ナトリウム[別名:ポリアクリル酸Na]並びにヒドロキシエチルセルロース及びD-パントテニルアルコール[別名:パンテノール]等が挙げられる。
【0065】
増粘剤としては、グアーガム、キサンタンガム、デンプン、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、セタノール、ミリスチルアルコール、カルボキシビニルポリマー[別名:カルボマー]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム[別名:ポリアクリル酸Na]、デンプンにアクリル酸をグラフト重合したもののナトリウム塩[別名:アクリル酸Naグラフトデンプン]、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト[別名:ジステアルジモニウムヘクトライト]、タルク、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[別名:コカミドメチルMEA]並びにジステアリン酸グリコール及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル(炭素数10~30)共重合体[別名:(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー]等が挙げられる。
【0066】
美白剤としては、トラネキサム酸、アルブチン及びハイドロキノン等が挙げられる。
【0067】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0068】
着色料としては、青色1号、青色2号、緑色3号及び赤色1号等が挙げられる。
【0069】
清涼剤としては、メントール、ハッカ油、チモール、サリチル酸メチル及びカンフル等が挙げられる。
【0070】
紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジメチルパラアミノ安息香酸と2-エチルヘキシルアルコールとのエステル[別名:ジメチルPABAエチルヘキシル]及びt-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0071】
防腐剤としては、フェノキシエタノール、o-シメン-5-オール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン及びイソブチルパラベン等が挙げられる。
【0072】
酸化防止剤としては、ビタミンE[別名:トコフェロール]、ジブチルヒドロキシトルエン[別名:BHT]、ブチルヒドロキシアニソール[別名:BHA]、グリチルリチン酸ジカリウム[別名:グリチルリチン酸2K]及びパルミチン酸アスコルビル、ローズマリー葉エキス等が挙げられる。
【0073】
本発明の日焼け止め化粧料に必要に応じて用いることができる公知の化粧料成分の種類とその含有量は、それぞれ以下の通りである。
両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、水、油性成分、溶剤及び保湿剤は、日焼け止め化粧料の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ50重量%以下、さらに好ましいのは10重量%以下である。
キレート剤、コンディショニング剤、増粘剤及び美白剤及は、日焼け止め化粧料の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ30重量%以下、さらに好ましいのは10重量%以下である。
pH調整剤、清涼剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤及び酸化防止剤は、日焼け止め化粧料の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ10重量%以下、さらに好ましいのは5重量%以下である。
【0074】
日焼け止め化粧料の製造方法としては、無機酸化物粒子を日焼け止め化粧料に用いる油性成分等に分散することができる方法であれば制限なく用いることができる。無機酸化物粒子を日焼け止め化粧料に用いる油性成分等に分散する分散方法としては、攪拌機、ビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、超音波分散機、混練機、三本ロールミル及び自転・公転ミキサー等の公知の分散機器を用いた分散方法を用いることができ、三本ロールミルを用いた分散方法であることが好ましい。
例えば、無機酸化物粒子と油性成分をディスパーミキサーで3000rpm、5分間攪拌し、得られたペーストを三本ロールミルでJIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法で測定する粒径が400nm以下になるまで実施することで、無機酸化物粒子を分散させることができる。
【0075】
本発明の日焼け止め化粧料は、25℃で固状、液状またはペースト状であることが好ましく、取り扱い易さの観点からさらに好ましいのは液状である。
【実施例0076】
以下、実施例及び比較例から本願発明をさらに説明するが、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
<脂質粒子の体積基準のメジアン径>
JIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法に準拠した粒度分布計[商品名:LA-960{(株)堀場製作所製}]を用いて脂質粒子含有組成物[商品名:Capsol(Botaneco製)]の体積基準のメジアン径を測定した。脂質粒子組成物中に存在する脂質粒子の体積基準のメジアン径は3μmであった。
【0078】
<実施例1~14及び比較例1~3:日焼け止め化粧料>
表1及び2のA欄に記載の化粧料成分をディスパーミキサーで3000rpm、5分間攪拌して第一の混合物を作製し、無機酸化物粒子の体積基準のメジアン径が400nm以下となるまで第一の混合物をさらに3本ロールに3回通して、無機酸化物粒子分散ペースト(以下、A相)を得た。A相中の無機酸化物粒子の体積基準のメジアン径はJIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法に準拠した粒度分布計[商品名:LA-960{(株)堀場製作所製}]を用いて測定した。
表1及び2のB欄に記載の化粧料成分を80℃で加温し、さらに、A相を徐々に添加し、ディスパーミキサーで3000rpm、5分間攪拌して、第二の混合物(以下、A+B相)を得た。
A+B相に表1及び2のC欄に記載の増粘剤成分を徐々に添加し、ディスパーミキサーで2000rpm、5分間攪拌して、第三の混合物(以下、A+B+C相)を得た。
A+B+C相を2000rpmで攪拌下、表1及び2に記載の水、グリセリン及びフェノキシエタノールを徐々に添加し、3000rpmで10分間攪拌し、第四の混合物(以下、A+B+C+D相)を得た。
A+B+C+D相に、表1及び2に記載の脂質粒子含有組成物を徐々に添加し、2000rpmで2分間攪拌し、実施例1~14及び比較例1~3にかかる日焼け止め化粧料を得た。
【0079】
<実施例15:日焼け止め化粧料>
表2のA欄に記載の化粧料成分をディスパーミキサーで3000rpm、5分間攪拌して第一の混合物を作製し、無機酸化物粒子の体積基準のメジアン径が400nm以下となるまで第一の混合物を3本ロールにさらに3回通して、無機酸化物粒子分散ペースト(以下、A相)を得た。A相中の無機酸化物粒子の粒径はJIS Z8828粒子径解析-動的光散乱法に準拠した粒度分布計[商品名:LA-960{(株)堀場製作所製}]を用いて測定した。
表2のB欄に記載の化粧料成分を80℃で加温し、さらに、A相を徐々に添加し、ディスパーミキサーで3000rpm、5分間攪拌して、第二の混合物(以下、A+B相)を得た。
A+B相に表2のC欄に記載の増粘剤成分を徐々に添加し、ディスパーミキサーで2000rpm、5分間攪拌して、第三の混合物(以下、A+B+C相)を得た。
A+B+C相を2000rpmで攪拌下、表2に記載の水、グリセリン及びフェノキシエタノールを徐々に添加し、3000rpmで10分間攪拌し、第四の混合物(以下、A+B+C+D相)を得た。
A+B+C+D相に、表2に記載された量の10重量%水酸化カリウム水溶液を添加して、pHを6.2に調整した。
pH調整後の溶液に、表2に記載の脂質粒子含有組成物を徐々に添加し、2000rpmで2分間攪拌し、実施例15にかかる日焼け止め化粧料を得た。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
なお、表1及び2において括弧内に記載した数字は、各化粧料成分に含まれる成分のうち、水を除いた成分(有効成分とよばれることがある)の合計重量である。
【0083】
表1及び2に記載の成分としては、以下のものを用いた。
・アルミナ及びイソステアリン酸処理酸化チタン粒子(個数平均一次粒子径:15nm)[商品名:MT-100TV{テイカ(株)製}]
・酸化亜鉛粒子(個数平均一次粒子径:35nm)[商品名:MZ-300{テイカ(株)製}]
・リンゴ酸ジイソステアリル[商品名:コスモール222{日清オイリオ(株)製}]
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル[商品名:MIGLYOL 812N{IOI OLEOCHEMICAL GmbH製(MIGLYOLはクレーマー オレオ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトの登録商標である)}]
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル[商品名:Uvinul MC80{BASF製(Uvinulはビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標である)}]
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン[商品名:Escalol 517{Asuland製(Escalolはアイエスピー インベストメンツ インコーポレーテッドの登録商標である)}]
・ベヘニルアルコール[高級アルコール工業(株)製]
・ジステアリン酸ポリグリセリル-10[商品名:サラコス PGMSV{日清オイリオ(株)製(サラコスは日清オイリオの登録商標である)}]
・ステアリン酸ポリグリセリル-10[商品名:サラコス PGDSV{日清オイリオ(株)製}]
・ジメチコン[商品名:KF-96A-2CS{信越化学工業(株)製}]
・シクロペンタシロキサン[商品名:KF-995{信越化学工業(株)製}]
・PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン[商品名:KF-6028{信越化学工業(株)製}]
・PEG/PPG-19/19ジメチコン[商品名:DOWSIL BY 11-030{ダウ・ケミカル日本(株)製}]
・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー[商品名:ペミュレンTR-2{ルーブリゾール(株)製}]
・グリセリン[商品名:化粧品用濃グリセリン{花王(株)製}]
・フェノキシエタノール[商品名:ニューポールEFP{三洋化成工業(株)製(ニューポールは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・水酸化カリウム[富士フィルム和光純薬(株)製]
・脂質粒子含有組成物[商品名:Capsol(Botaneco製)]
【0084】
<肌のべたつきのなさ>
男性10人及び女性10人のパネラーが、実施例1~15にかかる日焼け止め化粧料1gを前腕部に塗布し、塗り広げた際の肌のべたつきのなさについて評価した。パネラーが実際に使用した際、20人中12人以上べたつきがないと評価した場合は〇、20人中4~11人べたつきがないと評価した場合は△、20人中0~3人べたつきがないと評価した場合は×とした。結果を表1及び2に示す。
【0085】
<白うきのなさ>
男性10人及び女性10人のパネラーが、実施例1~15及び比較例1~3にかかる日焼け止め化粧料1gを前腕部に塗布し、塗り広げた際の白うきのなさについて目視で評価した。パネラーが実際に使用した際、20人中12人以上白うきがないと評価した場合は〇、20人中4~11人白うきがないと評価した場合は△、20人中0~3人白うきがないと評価した場合は×とした。結果を表1及び2に示す。
【0086】
<Sun Protection Factor(SPF値)の測定>
ポリメタクリル酸メチル基板[表面積5cm×5cm、商品名:Helioplate HD6(Helioscreen製)]に実施例1~15及び比較例1~3にかかる日焼け止め化粧料を塗布量が40mgとなるように均一に塗布した。日焼け止め化粧料を塗布したポリメタクリル酸メチル基板を30分間風乾させた後、SPFアナライザー[商品名:UV-2000S(Labsphere製)]を用いてSPF値を測定した。結果を表1及び2に示す。
【0087】
<製剤安定性>
実施例1~15及び比較例1~3にかかる日焼け止め化粧料を、遮光された25℃のスクリュー管No.7(マルエム(株)製)内に各日焼け止め化粧料を30g作製した直後から保存し、保存開始から90日目の外観を目視で確認し、下記の基準で保存安定性を評価した。結果を表1及び2に示す。
(保存安定性の評価基準)
〇:90日目の外観に分離はみられない
×:90日目の外観に分離がみられる
【産業上の利用可能性】
【0088】
本願発明の日焼け止め化粧料は、使用感が良好で、塗布時に白うきがなく、製剤安定性に優れるため、日焼け止め化粧料として好適である。