(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163369
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231102BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231102BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231102BHJP
H04L 67/141 20220101ALI20231102BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 E
H04N1/00 838
B41J29/38
B41J29/42 F
H04L67/141
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074237
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊津見 光樹
(72)【発明者】
【氏名】森 康輔
(72)【発明者】
【氏名】谷本 智史
(72)【発明者】
【氏名】桜木 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061CQ10
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC41
5C062AC42
5C062AE07
5C062AE15
5C062AE16
5C062AF12
5C062AF13
5C062BB02
(57)【要約】
【課題】操作パネルを備える画像形成装置であって、操作の混乱を抑えつつ、操作パネルに触れずに画像形成装置を操作できる技術を提供すること。
【解決手段】MFP1は、モバイル入力P22によるモバイル入力機能とリモート入力P23によるリモート入力機能とのいずれの提供も開始されていない状態において、モバイル入力機能の提供の開始に必要なアクセスがあった場合にモバイル入力機能の提供を開始し、リモート入力機能の提供の開始に必要なアクセスがあった場合にリモート入力機能の提供を開始する。いずれか一方の機能の提供を開始した場合、MFP1は、操作端末に表示データを送信し、操作端末から受信した操作データに基づく処理を実行する。さらに、MFP1は、リモート入力機能の提供が開始されている状態において、モバイル入力機能の提供の開始に必要なアクセスがあった場合にモバイル入力機能の提供を開始しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークインタフェースと、
タッチパネルを含む操作パネルと、
コントローラと、
を備える画像形成装置であって、
前記画像形成装置は、
前記ネットワークインタフェースを介して、操作端末からの入力操作を受け付ける入力機能として、モバイル入力機能と、前記モバイル入力機能とは異なる入力機能であるリモート入力機能と、を有し、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能と前記リモート入力機能とのいずれの提供も開始されていない状態において、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な第1のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を開始し、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な第2のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記リモート入力機能の提供を開始し、
さらに前記コントローラは、
前記モバイル入力機能と前記リモート入力機能とのいずれか一方の提供を開始した場合に、
前記画像形成装置に対する操作画面を前記操作端末に表示させるための表示データを、前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末に送信する送信処理を実行し、
さらに前記コントローラは、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末から前記操作画面の操作内容を示す操作データを受信した場合に、
受信した前記操作データが画像形成に用いるパラメータの設定に関する操作であれば、受信した前記操作データに示される前記パラメータを設定する設定処理を実行し、
受信した前記操作データが画像形成の実行に関する操作であれば、受信した前記操作データに示される画像形成を行う画像形成処理を実行し、
さらに前記コントローラは、
前記リモート入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な前記第1のアクセスが他の操作端末からあった場合に、前記他の操作端末に対して、前記モバイル入力機能の提供を開始しない、
ように構成される画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記リモート入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な前記第1のアクセスが前記他の操作端末である第1操作端末からあった場合に、前記第1操作端末に対して、前記モバイル入力機能の提供を開始せず、
前記モバイル入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な前記第2のアクセスが他の操作端末である第2操作端末からあった場合に、前記第2操作端末に対して、前記リモート入力機能の提供を開始しない、
ように構成される画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記リモート入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な前記第1のアクセスが前記他の操作端末である第1操作端末からあった場合に、前記第1操作端末に対して、前記モバイル入力機能の提供を開始せず、
前記モバイル入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な前記第2のアクセスが他の操作端末である第2操作端末からあった場合に、前記第2操作端末に対して、前記リモート入力機能の提供を開始する、
ように構成される画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記リモート入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な前記第1のアクセスが前記第1操作端末からあった場合に、前記第1操作端末に対して、前記モバイル入力機能の提供を開始せず、
前記モバイル入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な前記第2のアクセスが前記第2操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を終了し、前記第2操作端末に対して、前記リモート入力機能の提供を開始する、
ように構成される画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能の提供が開始されていない状態において、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な第1のアクセス情報を、前記タッチパネルに表示する表示処理を実行するように構成され、前記ネットワークインタフェースを介して、前記第1のアクセス情報を用いた前記第1のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を開始し、前記モバイル入力機能の提供中、前記タッチパネルに前記第1のアクセス情報を表示せず、前記タッチパネルに前記モバイル入力機能が提供中であることを示す提供中画面を表示し、前記モバイル入力機能の提供を終了した後、前記操作パネルへの操作を必要とせずに、前記表示処理を実行し、
さらに前記コントローラは、
前記モバイル入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な前記第2のアクセスが前記第2操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を終了し、前記第2操作端末に対して、前記リモート入力機能の提供を開始し、前記第1のアクセス情報を前記タッチパネルに表示せず、本体操作画面を前記タッチパネルに表示させる、
ように構成される画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な前記第2のアクセスが前記第2操作端末からあった場合に、前記第2操作端末に前記リモート入力機能の提供を開始するか否かの選択を受け付けさせ、前記第2操作端末から前記リモート入力機能の提供を開始する前記選択があったことを示すコマンドが入力された場合に、前記モバイル入力機能の提供を終了し、前記第2操作端末に対して、前記リモート入力機能の提供を開始し、前記第2操作端末から前記リモート入力機能の提供を開始しない前記選択があったことを示すコマンドが入力された場合に、前記モバイル入力機能の提供を終了せず、前記第2操作端末に対して、前記リモート入力機能の提供を開始しない、
ように構成される画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載する画像形成装置において、
前記送信処理では、
前記画像形成装置に対する前記操作画面であって前記操作パネルを仮想的に示す前記操作画面を前記操作端末に表示させるための前記表示データを、前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末に送信し、
さらに前記コントローラは、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末から前記操作データを受信した場合に、
受信した前記操作データに示される操作に基づいて更新される前記操作パネルを仮想的に示す前記操作画面を、前記操作端末に表示させるための新たな前記表示データを、前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末に送信する、
ように構成される画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能の提供中、
本体操作画面を前記タッチパネルに表示させないように構成され、
前記リモート入力機能の提供中、
前記本体操作画面を前記タッチパネルに表示させるように構成され、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末から前記操作画面の操作内容を示す前記操作データを受信した場合に、受信した前記操作データに示される操作に基づいて、前記本体操作画面の表示内容を更新する更新処理を実行する、
ように構成される画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記ネットワークインタフェースを介して、認証情報の入力を受け付け、受け付けた前記認証情報に基づく認証を行うように構成されており、
さらに前記コントローラは、
前記モバイル入力機能と前記リモート入力機能とのいずれの提供も開始されていない状態において、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な前記第2のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記リモート入力機能の提供を、前記認証情報が入力され、前記認証に成功していることを条件として開始し、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な前記第1のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を、前記認証情報の入力を条件とせずに開始する、
ように構成される画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能と前記リモート入力機能とのいずれの提供も開始されていない状態において、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な前記第2のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記リモート入力機能の提供を開始するか否かの選択を前記操作パネルを介して受け付け、前記リモート入力機能の提供を開始する前記選択を受け付けた場合、前記リモート入力機能の提供を開始し、前記リモート入力機能の提供を開始しない前記選択を受け付けた場合、前記リモート入力機能の提供を開始せず、
前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な前記第1のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を開始するか否かの選択を前記操作パネルを介して受け付けることなく、前記モバイル入力機能の提供を開始する、
ように構成される画像形成装置。
【請求項11】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能の提供が開始されていない状態において、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な第1のアクセス情報を、前記タッチパネルに表示する表示処理を実行するように構成され、前記ネットワークインタフェースを介して、前記第1のアクセス情報を用いた前記第1のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を開始し、
さらに前記コントローラは、
前記リモート入力機能の提供の開始に必要な第2のアクセス情報を、前記タッチパネルに表示しないように構成され、前記ネットワークインタフェースを介して、前記第2のアクセス情報を用いた前記第2のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記リモート入力機能の提供を開始する、
ように構成される画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能の提供が開始されていない状態であり、かつ前記リモート入力機能の提供が開始されていない状態において、前記第1のアクセス情報を前記タッチパネルに表示する前記表示処理を実行するように構成され、前記ネットワークインタフェースを介して、前記第1のアクセス情報を用いた前記第1のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を開始し、前記モバイル入力機能の提供が開始されていない状態であっても、前記リモート入力機能の提供が開始されている状態では、前記表示処理を実行しないように構成される、
ように構成される画像形成装置。
【請求項13】
請求項11に記載する画像形成装置において、
前記コントローラは、
前記モバイル入力機能の提供中、前記タッチパネルに前記第1のアクセス情報を表示せず、前記タッチパネルに前記モバイル入力機能が提供中であることを示す提供中画面を表示し、
前記モバイル入力機能の提供を終了した後、前記操作パネルへの操作を必要とせずに、前記表示処理を実行する、
ように構成される画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、操作パネルを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷やスキャン等の画像形成を行うことが可能な画像形成装置であって、操作パネルを介して各種の入力操作を受け付ける技術が知られている。例えば特許文献1には、印刷部と、画像読み取り部と、操作パネルと、を備える機能実行装置であって、操作パネルは、ハードウェアキーとタッチパネルとを含み、ハードウェアキーへの入力操作やタッチパネルに表示されるアイコンないしボタンへの入力操作を受け付ける構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、不特定多数の人が触れる操作パネルへの入力操作を嫌がるユーザが増える傾向にある。また、管理者等が画像形成装置の遠隔操作を望む場合もある。これらのように、様々な用途で操作パネルに触れなくても画像形成装置に対する入力操作を可能にする要望が高まっている。そこで、画像形成装置に遠隔操作を受け付ける機能を設けることが考えられるが、無暗に複数のユーザからの遠隔操作を可能にすると、操作が混乱するおそれがある。特許文献1には、操作パネルに触れずに操作する技術は開示されておらず、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される画像形成装置は、ネットワークインタフェースと、タッチパネルを含む操作パネルと、コントローラと、を備える画像形成装置であって、前記画像形成装置は、前記ネットワークインタフェースを介して、操作端末からの入力操作を受け付ける入力機能として、モバイル入力機能と、前記モバイル入力機能とは異なる入力機能であるリモート入力機能と、を有し、前記コントローラは、前記モバイル入力機能と前記リモート入力機能とのいずれの提供も開始されていない状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な第1のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記モバイル入力機能の提供を開始し、前記ネットワークインタフェースを介して、前記リモート入力機能の提供の開始に必要な第2のアクセスが前記操作端末からあった場合に、前記リモート入力機能の提供を開始し、さらに前記コントローラは、前記モバイル入力機能と前記リモート入力機能とのいずれか一方の提供を開始した場合に、前記画像形成装置に対する操作画面を前記操作端末に表示させるための表示データを、前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末に送信する送信処理を実行し、さらに前記コントローラは、前記ネットワークインタフェースを介して、前記操作端末から前記操作画面の操作内容を示す操作データを受信した場合に、受信した前記操作データが画像形成に用いるパラメータの設定に関する操作であれば、受信した前記操作データに示される前記パラメータを設定する設定処理を実行し、受信した前記操作データが画像形成の実行に関する操作であれば、受信した前記操作データに示される画像形成を行う画像形成処理を実行し、さらに前記コントローラは、前記リモート入力機能の提供が開始されている状態において、前記ネットワークインタフェースを介して、前記モバイル入力機能の提供の開始に必要な前記第1のアクセスが他の操作端末からあった場合に、前記他の操作端末に対して、前記モバイル入力機能の提供を開始しない、ように構成されている。
【0006】
本明細書に開示される画像形成装置は、操作パネルに触れずに入力操作が可能になる入力機能として、モバイル入力機能と、リモート入力機能と、の2つの異なる入力機能をサポートし、リモート入力機能の提供中、モバイル入力機能の提供の開始に必要な第1のアクセスがあった場合に、モバイル入力機能の提供を開始しない。これにより、複数の操作端末からの操作データを受け付ける状態を回避し、操作の混乱を抑えることができる。
【0007】
上記装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示される技術によれば、操作パネルを備える画像形成装置であって、操作の混乱を抑えつつ、操作パネルに触れずに画像形成装置を操作できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本形態のMFPの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】機能提供処理の手順を示すフローチャートである。
【
図3】待機処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】リモート入力処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】操作対応処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】モバイル入力処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】モバイル入力提供処理の手順を示すフローチャートである。
【
図14】操作受付処理の手順を示すフローチャートである。
【
図15】第2の形態のリモート入力処理の手順を示すフローチャートである。
【
図16】モバイル入力終了処理の手順を示すフローチャートである。
【
図19】モバイル入力提供処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態にかかる複合機(以下、「MFP」とする)について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、画像処理機能と通信機能とを備えるMFPを開示するものである。
【0011】
本形態のMFP1は、
図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。また、MFP1は、操作パネル13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、印刷エンジン15と、スキャナ16と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。MFP1は、画像形成装置の一例である。コントローラ10またはCPU11は、コントローラの一例である。
【0012】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。なお、
図1中のコントローラ10は、MFP1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にMFP1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0013】
本形態のMFP1のメモリ12には、オペレーティングシステム(以下「OS」とする)21と、モバイル入力機能プログラム(以下、「モバイル入力P」とする)22と、リモート入力機能プログラム(以下、「リモート入力P」とする)23と、を含む各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。
【0014】
モバイル入力P22は、MFP1の埋め込みウェブサーバ機能を利用して遠隔操作を受け付けるモバイル入力機能を提供するためのプログラムである。リモート入力P23は、MFP1の埋め込みウェブサーバ機能を利用して遠隔操作を受け付ける機能であって、モバイル入力機能とは異なる機能であるリモート入力機能を提供するためのプログラムである。モバイル入力P22およびリモート入力P23は、MFP1をウェブサーバとして機能させるためのプログラムやデータを含む。なお、モバイル入力P22とリモート入力P23とは、同じ埋め込みウェブサーバ機能を共用して提供されても良いし、それぞれ別に埋め込みウェブサーバ機能を備えていても良い。
【0015】
メモリ12は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。CPU11が備えるバッファもメモリの一例である。メモリの一例は、MFP1に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU11が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。例えば、MFP1に接続されているUSBメモリ、HDD等の外部メモリや、ネットワークIF14を介してMFP1に接続されている装置に備えられるメモリやHDDも、メモリの一例である。
【0016】
なお、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記憶媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0017】
操作パネル13は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。本形態のMFP1の操作パネル13は、画面の表示機能と操作の受け付け機能とを有するタッチパネル131と、操作の受付機能のみを有する1以上のハードウェアキー132と、を含む。
【0018】
通信IF14は、MFP1をネットワークに接続するためのネットワークインタフェース(以下、「ネットワークIF」とする)141と、USBインタフェース(以下、「USB-IF」とする)142と、を含む。なお、MFP1は、さらに他の通信規格に対応する通信IFを備えていてもよい。
【0019】
印刷エンジン15は、シート等の印刷媒体に画像を印刷するための構成を含む。印刷エンジン15の画像形成方式は、例えば、電子写真方式、インクジェット方式、である。スキャナ16は、原稿の画像を読み取るための構成を含む。スキャナ16は、自動原稿搬送装置を備えていても良い。
【0020】
続いて、MFP1の動作について説明する。なお、以下の処理は、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPU11による処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU11が行う」のように記載することがある。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を、「プログラムAが行う」のようにCPUを省略した文言で記載することがある。
【0021】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU11が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPUがデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0022】
また、CPU11による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPU11による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0023】
本形態のMFP1にて、ユーザの操作に応じて各種の機能を提供する機能提供処理の手順について、
図2のフローチャートを参照して説明する。この機能提供処理は、MFP1が起動されたことを契機に、MFP1のCPU11によって実行される。
【0024】
CPU11は、メモリ12等の各部の初期化を行い(S101)、ユーザの操作を受け付け可能な状態である待機状態となる。CPU11は、操作パネル13のタッチパネル131に待機状態のための画面を表示させ、待機状態となる待機処理を実行する(S102)。待機処理の手順について、
図3のフローチャートを参照して説明する。
【0025】
待機処理では、CPU11は、モバイル入力機能の有効を示す情報である有効情報25がメモリ12に記憶されているか否かを判断する(S201)。MFP1は、有効情報25を記憶させる設定指示、すなわち、モバイル入力機能を有効にする指示を、例えば、USB-IF142を介して受け付ける。MFP1は、有効情報25の入力を受け付けると、
図1に示したように、有効情報25をメモリ12の不揮発性の記憶領域に記憶する。また、MFP1は、モバイル入力機能を有効にするか無効にするかの情報を予めメモリ12に記憶しており、受け付けた設定指示に基づいて、その情報を切り替えるとしても良い。有効情報25によってモバイル入力機能の有効または無効が設定できるので、モバイル入力機能を利用しない設定とすることもでき、ユーザの使い勝手が向上する。
【0026】
MFP1は、ネットワークIF141を介しての有効情報25の設定指示を受け付けないとしても良い。あるいは、MFP1は、管理者権限を有するユーザによる指示であれば、ネットワークIF141を介して設定指示を受け付け可能であっても良い。有効情報25は、モバイル入力機能を有効にするか否かの重要な情報であり、有効情報25の入力をUSBメモリからの読み出し、管理者権限を有するユーザからの指示等に限定することで、第三者による無暗な変更を制限できる。
【0027】
有効情報25がメモリ12に記憶されていない、すなわち、モバイル入力機能が有効ではないと判断した場合(S201:NO)、CPU11は、例えば、
図4に示すようなホーム画面53をタッチパネル131に表示させる(S202)。ホーム画面53は、本体操作画面の一例である。ホーム画面53は、例えば、MFP1に実行させる機能の選択や各種のパラメータの設定指示等の入力操作を受け付ける各種のオブジェクトを含む画面である。モバイル入力機能が有効でない場合、MFP1は、ホーム画面53を表示して、操作パネル13への操作を受け付け可能となる。
【0028】
一方、有効情報25がメモリ12に記憶されている、すなわち、モバイル入力機能が有効であると判断した場合(S201:YES)、CPU11は、モバイル入力機能の提供の開始に必要なアクセス情報を生成する。具体的には、CPU11は、キーを生成して(S211)、生成したキーをメモリ12に記憶する(S212)。キーは、例えば、複数の文字や数字を含む文字列であり、CPU11は、S211を実行する度に異なるキーを生成する。S212により、
図1に示したように、メモリ12に最新のキー26が記憶される。なお、MFP1は、S212にて、キーを上書きして、最新のキーのみを記憶しても良いし、複数のキーを記憶して、最新のキーには最新であることを示す情報または生成日時を示す情報を付加して記憶しても良い。
【0029】
CPU11は、S211で生成して記憶した最新のキー26をクエリとして含む、最新のアクセス情報を生成する(S213)。S213にて生成されるアクセス情報は、モバイル入力機能の提供の開始に必要なURLに、S211にて生成したキー26の情報がクエリとして付加された情報である。S213にて生成されるアクセス情報は、モバイル入力機能の提供の開始に必要な第1のアクセスを行うためのアクセス情報である。以下では、モバイル入力機能の提供の開始に必要なURLを含むアクセス情報を、「モバイルアクセス情報」とする。モバイルアクセス情報は、第1のアクセス情報の一例である。
【0030】
さらに、CPU11は、S213にて生成した、最新のキーを含むモバイルアクセス情報をエンコードして、最新の二次元コード、例えば、QRコード(登録商標)、を生成し(S215)、生成したコードを含む待機画面を操作パネル13のタッチパネル131に表示させる(S216)。S116は、表示処理の一例である。これにより、タッチパネル131には、例えば、
図5に示すように、最新の待機画面51が表示される。
【0031】
待機画面51は、S215にて生成された二次元コードの画像、すなわち、最新のキーを含むモバイルアクセス情報がエンコードされた画像である二次元コード画像511と、「Exit」ボタン512と、を含む画面である。MFP1は、最新のキー26を含む二次元コード画像511のみを表示し、他の二次元コード画像、例えば、最新ではないキーを含む二次元コード画像を表示しないので、待機画面51の表示の煩雑化を回避できる。
【0032】
なお、本形態のMFP1は、モバイル入力機能とリモート入力機能とをともに備えることから、モバイルアクセス情報とは別に、リモート入力機能の提供の開始に必要なアクセス情報を有している。リモート入力機能の提供の開始に必要なアクセス情報は、第2のアクセスを行うためのアクセス情報であり、第2のアクセス情報の一例である。以下では、リモート入力機能の提供の開始に必要なアクセス情報を、「リモートアクセス情報」とする。リモートアクセス情報は、モバイルアクセス情報とは異なり、固定の情報である。
【0033】
本形態のMFP1は、モバイル入力機能が有効であることを条件として、待機画面51にモバイルアクセス情報を含む情報を表示する一方、リモートアクセス情報をタッチパネル131に表示しない。モバイル入力機能は、例えば、一般のユーザがMFP1の前で待機画面51を利用してアクセスすることを想定した機能であり、リモート入力機能は、例えば、MFP1の管理者が遠隔操作することを想定した機能である。リモートアクセス情報を表示しないことで、リモートアクセス情報を用いたアクセスを行うユーザは、操作パネル13に表示される情報を必要としないユーザ、すなわち、リモートアクセス情報を知っているユーザに限られ、無暗な遠隔操作を回避できる。
【0034】
S202またはS216の後、CPU11は、待機処理を終了して、機能提供処理に戻る。
図2の機能提供処理の説明に戻る。
【0035】
S102の待機処理によって、MFP1の操作パネル13のタッチパネル131には、
図4に示したホーム画面53、または、
図5に示した待機画面51、のいずれかが表示されている。そして、MFP1は、待機状態となる。この待機状態では、MFP1は、リモートアクセス情報を用いたアクセスと、モバイルアクセス情報を用いたアクセスと、タッチパネル131への操作と、のいずれかを受け付け可能である。
【0036】
なお、本形態のMFP1にてモバイル入力機能やリモート入力機能を利用するユーザは、MFP1とは別の装置を利用する。具体的には、モバイル入力機能は、スマートフォン、タブレットコンピュータなどのモバイル端末2から利用されることを想定した機能であり、リモート入力機能は、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」とする)3等から利用されることを想定した機能である。モバイル端末2とPC3とは、いずれも、操作端末の一例である。
【0037】
モバイルアクセス情報を用いたアクセスは、モバイル端末2等によって、MFP1と同一のネットワークを介して送信されることを想定している。同一のネットワークとは、例えば、同じアクセスポイントが提供するネットワークである。モバイル端末2とMFP1とが同じアクセスポイントに接続されていればよい。あるいは、複数のアクセスポイントが1つのネットワークを形成していても良く、その場合、モバイル端末2とMFP1とは、そのネットワークを形成する複数のアクセスポイントのいずれかに接続していればよい。なお、PC3を用いたアクセスも、MFP1と同一のネットワークを介して送信される。ただし、PC3は、MFP1と同じアクセスポイントに接続されるものに限らず、インターネット等を介して、遠隔地からMFP1にアクセスする構成であっても良い。
【0038】
モバイル端末2は、
図1に示したように、タッチパネル211と、カメラ212と、を備えている。モバイル端末2のメモリには、ブラウザ213を含む各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。PC3は、ブラウザが組み込まれている装置である。
【0039】
モバイル端末2のブラウザ213やPC3のブラウザは、アクセス情報に基づいて、httpプロトコルに従ったHTTPリクエスト、またはhttpsプロトコルに従ったHTTPSリクエストを送信する機能を有している。なお、以下では、HTTPリクエスト、または、HTTPSリクエストを、単に「リクエスト」とする。モバイル端末2やPC3のユーザは、例えば、ブラウザを起動してアクセス情報を指定することで、MFP1に対してリクエストを送信させることができる。
【0040】
MFP1は、ネットワークIF141を介して、外部装置からのリクエストを受け付けた場合、受け付けたリクエストに用いられたアクセス情報が、リモートアクセス情報であればリモート入力機能の提供開始の要求を受け付けたと判断し、モバイルアクセス情報であればモバイル入力機能の提供開始の要求を受け付けたと判断する。なお、MFP1のネットワークIF141とアクセスポイントとの通信は、Wi-Fi(登録商標)等による無線通信でも良いし、有線LAN等による有線通信でも良い。
【0041】
まず、リモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合のMFP1の処理について説明する。なお、モバイルアクセス情報を用いたアクセスは、前述した待機画面51を表示している状態で受け付けることを想定しているが、リモートアクセス情報を用いたアクセスは、ホーム画面53を表示中でも、待機画面51を表示中でも、操作パネル13への操作を受け付けてこれらとは異なる画面を表示中でも受け付け可能である。以下では、PC3からのアクセスを受け付けた場合を例に説明する。この場合のPC3は、第2操作端末の一例である。
【0042】
リモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けたと判断した場合(S111:YES)、CPU11は、リモート入力処理を実行する(S112)。リモート入力処理の手順について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
リモート入力処理では、CPU11は、今回のアクセスを行ったPC3以外の装置に対して、リモート入力機能の提供を開始しているか否かを判断する(S301)。CPU11は、後述するように、リモート入力機能の提供を開始する際に、リモート入力機能の提供中を示す情報をメモリ12に記憶する。S301では、CPU11は、リモート入力機能の提供中を示す情報がメモリ12に記憶されているか否かを判断する。そして、リモート入力機能の提供を開始していると判断した場合(S301:YES)、CPU11は、リモート入力機能を利用できないことを示す利用不可画面データを、PC3に送信して(S302)、PC3に対してリモート入力機能の提供を開始せずに、リモート入力処理を終了する。
【0044】
なお、MFP1は、前述したモバイル入力機能の有効を示す情報である有効情報25と同様に、リモート入力機能についても、有効または無効の設定を受け付け可能であっても良い。その場合、CPU11は、例えば、S301の判断の前に、リモート入力機能の有効を示す情報がメモリ12に記憶されているか否かを判断する。そして、リモート入力機能の有効を示す情報が記憶されていないと判断した場合、CPU11は、S302に進んで、利用不可画面データをPC3に送信し、リモート入力処理を終了しても良い。
【0045】
リモート入力機能の提供を開始していないと判断した場合(S301:NO)、CPU11は、ログインのための認証情報を受け付ける画面であるログイン画面データを送信し(S311)、PC3からの認証情報を含むリクエストを受け付ける。認証情報を受信したら、CPU11は、ユーザ認証を行い、リモート入力機能の利用が許可されているユーザであるか否かを判断する(S312)。
【0046】
リモート入力機能の利用が許可されているユーザではないと判断した場合(S312:NO)、CPU11は、S302に進んで、利用不可画面データをPC3に送信し、PC3に対してリモート入力機能の提供を開始せずに、リモート入力処理を終了する。リモート入力機能のリクエストはMFP1の近くにいないユーザによる操作の可能性が高いことから、認証の成功を条件として開始することで、MFP1の安全性が高まる。なお、ユーザ認証は、MFP1にて実行しても良いし、認証サーバ等に実行させても良い。
【0047】
リモート入力機能の利用が許可されているユーザであると判断した場合(S312:YES)、CPU11は、モバイル入力機能の提供を開始しているか否かを判断する(S313)。後述するように、モバイル入力機能の提供を開始する際にも、CPU11は、モバイル入力機能の提供中を示す情報をメモリ12に記憶する。S313では、CPU11は、モバイル入力機能の提供中を示す情報がメモリ12に記憶されているか否かを判断する。そして、モバイル入力機能の提供を開始していると判断した場合(S313:YES)、CPU11は、S302に進んで、利用不可画面データをPC3に送信し、PC3に対してリモート入力機能の提供を開始せずに、リモート入力処理を終了する。なお、S313の判断は、S311より前、あるいは、S301より前に行っても良い。
【0048】
リモート入力機能もモバイル入力機能も外部の端末からMFP1を利用する機能である。そのため、同時に複数の端末に対して各機能を提供すると、他のユーザによる操作が反映され、ユーザの希望する動作とならない可能性がある。本形態のMFP1は、リモート入力機能の提供を開始している場合にも、モバイル入力機能の提供を開始している場合にも、他の装置へリモート入力機能の提供を行わない。これにより、複数のユーザから同時に入力操作を受け付ける可能性を回避でき、操作の混乱を抑えることができる。
【0049】
モバイル入力機能の提供を開始していないと判断した場合(S313:NO)、CPU11は、リモート入力機能を提供中であることを示す情報をメモリ12に記憶する(S315)。これにより、この後に他の装置からリモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合、CPU11は、S301にてYESと判断し、他の装置にリモート入力機能を提供しない。
【0050】
そして、CPU11は、操作パネル13のタッチパネル131に、例えば、
図7に示すようなパネル利用許諾画面56を表示させて(S316)、ユーザの入力を受け付ける(S317)。パネル利用許諾画面56は、MFP1の近くにいるユーザに対して、MFP1へのリモート入力機能による遠隔操作が要求されていることを報知して、遠隔操作を開始するか否かのユーザの選択を受け付ける画面であり、「Yes」ボタン561と「No」ボタン562とを含む。パネル利用許諾画面56にはさらに、例えば、リモート入力機能による遠隔操作が開始されると遠隔操作された結果がタッチパネル131に反映されることなどを通知するメッセージを含んでも良い。
【0051】
パネル利用許諾画面56にて「Yes」ボタン561が操作されることで、リモート入力機能の開始が選択されたと判断した場合(S317:YES)、CPU11は、その時点でメモリ12に記憶されている画面IDを取得して(S321)、操作対応処理を実行する(S322)。なお、CPU11は、タッチパネル131に画面を表示させる際に、表示中の画面を識別する画面IDをメモリ12に記憶させる。ここでは、CPU11は、パネル利用許諾画面56を表示させる直前の画面を示す画面IDを取得する。また、CPU11は、パネル利用許諾画面56をクローズし、取得した画面IDの画面がタッチパネル131に表示されている状態とする。
【0052】
操作対応処理の手順について、
図8のフローチャートを参照して説明する。操作対応処理では、CPU11は、まず、取得した画面IDに基づく画面を示すウェブページデータである画面データを生成する(S401)。さらに、CPU11は、生成した画面データをPC3に送信する(S402)。S402は、送信処理の一例である。
【0053】
リクエストを送信した装置のブラウザは、送信したリクエストに対してMFP1からウェブページデータを受信した場合、受信したデータに基づく画面であるウェブページをディスプレイ等に表示させるように構成されている。例えば、S402にて画面データを受信した場合、PC3のブラウザは、パネル利用許諾画面56を表示させる直前にMFP1のタッチパネル131に表示されていた画面を仮想的に示す画面を表示する。例えば、タッチパネル131にホーム画面53(
図4参照)が表示されていた場合、PC3のディスプレイには、そのホーム画面53と同様の画面あるいは、ホーム画面53とハードウェアキー132(
図4参照)を模した画面とを含む画面と同様の画面、が表示される。
【0054】
さらに、PC3等のブラウザは、MFP1から送信されるウェブページデータに基づく画面を表示している状態で、その画面へのユーザによる操作を受け付けた場合、受け付けた操作の操作内容を示す操作データを含むリクエストをMFP1に送信するように構成されている。つまり、PC3のブラウザは、PC3のディスプレイに表示されている画面に含まれるオブジェクトへのユーザの操作を受け付けた場合、その操作を示す操作データを含むリクエストをMFP1に送信する。なお、操作データは、操作を受け付けたオブジェクトを示すオブジェクト情報であっても良いし、表示画面中の操作位置を示す位置情報であっても良い。
【0055】
なお、リモート入力機能の提供が開始されたことによってPC3のディスプレイに表示される画面は、タッチパネル131を模した画面のみでなく、各種の操作を受け付けるボタン等を含んでいても良い。この画面には、例えば、リモート入力機能の提供を終了させる指示を受け付けるボタンや、リモート入力機能以外の機能をMFP1に実行させる指示を受け付けるボタンが含まれていても良い。
【0056】
S402にて画面データを送信した後、CPU11は、操作データを受信したか否かを判断する(S405)。操作データを受信していないと判断した場合(S405:NO)、CPU11は、操作データを受信するまで待機する。本形態のMFP1は、リモート入力機能のウェブページを介して、例えば、各種の設定の変更指示、画像形成動作の実行指示、リモート入力機能の利用の終了指示、を示す操作データを受け付け可能である。
【0057】
操作データを受信したと判断した場合(S405:YES)、CPU11は、受信した操作データが、リモート入力機能の利用の終了を示す操作データであるか否かを判断する(S411)。リモート入力機能の利用の終了を示す操作データではないと判断した場合(S411:NO)、CPU11は、受信した操作データが、表示画面を変更させる操作であるか否かを判断する(S421)。
【0058】
表示画面を変更させる操作であると判断した場合(S421:YES)、CPU11は、変更後の画面をタッチパネル131に表示させる(S422)。これにより、操作に基づいて、タッチパネル131に表示される画面である本体操作画面の表示内容が更新される。S422は、更新処理の一例である。さらに、CPU11は、変更後の画面IDをメモリ12に記憶し(S451)、S401に戻って、S451にて記憶した画面IDに基づく画面データを生成し、生成した画面データをS402にてPC3に送信する。これにより、タッチパネル131にもPC3のディスプレイにも変更後の画面が表示され、PC3を操作するユーザとMFP1の前にいるユーザとが、画面の情報を共有できる。
【0059】
例えば、PC3に表示中のホーム画面にて、「コピー」ボタンへの操作を受け付けたことを示す操作データを受信した場合、CPU11は、S422にてタッチパネル131にコピー画面を表示し、S402にてコピー画面の画面データをPC3に送信する。なお、コピー画面は、例えば、コピーに関する各種のパラメータの設定や、コピーの実行指示を受け付ける画面であり、タッチパネル131に表示中のホーム画面53にてコピーボタンへの操作を受け付けた際にタッチパネル131に表示される画面と、同様の画面である。PC3のディスプレイに表示されるコピー画面は、操作画面の一例であり、タッチパネル131に表示されるコピー画面は、本体操作画面の一例である。
【0060】
受信した操作データが、表示画面を変更させる操作ではないと判断した場合(S421:NO)、CPU11は、パラメータの設定指示であるか否かを判断する(S431)。パラメータの設定指示であると判断した場合(S431:YES)、CPU11は、操作データに基づいて、パラメータの設定を行う(S432)。S432は、設定処理の一例である。
【0061】
さらに、CPU11は、パラメータの設定後の画面をタッチパネル131に表示させる(S433)。そして、CPU11は、パラメータの設定後の画面の画面IDをメモリ12に記憶し(S451)、S401に戻って、S451にて記憶した画面IDに基づく画面データを生成してPC3に送信する。これにより、タッチパネル131にもPC3のディスプレイにも、パラメータの設定後の画面が表示される。
【0062】
例えば、前述したコピー画面にて部数の指定を受け付けたことを示す操作データを受信した場合、CPU11は、受け付けた部数をコピーのパラメータに設定し、部数の表示を変更したコピー画面をタッチパネル131に表示し、部数の表示を変更したコピー画面の画面データをPC3に送信する。
【0063】
パラメータの設定指示ではないと判断した場合(S431:NO)、CPU11は、画像形成の実行指示であるか否かを判断する(S441)。実行指示であると判断した場合(S441:YES)、CPU11は、操作データに基づいて、画像形成の実行を開始する(S442)。S442は、画像形成処理の一例である。
【0064】
さらに、CPU11は、画像形成の実行中であることを示す画面をタッチパネル131に表示させる(S443)。そして、CPU11は、画像形成の実行中であることを示す画面の画面IDをメモリ12に記憶し(S451)、S401に戻って、S451にて記憶した画面IDに基づく画面データを生成してPC3に送信する。これにより、タッチパネル131にもPC3のディスプレイにも、画像形成の実行中であることを示す画面が表示される。
【0065】
例えば、PC3のコピー画面にてコピーの実行指示ボタンが操作されたことを示す操作データを受信した場合、CPU11は、スキャナ16に原稿の読み取りを開始させ、読み取った原稿の画像に基づく印刷を印刷エンジン15に行わせる指示を行うことで、コピーの実行を開始する。スキャナ16による画像データの生成や印刷エンジン15による印刷は、画像形成の一例である。実行中であることを示す画面は、例えば、画像形成を実行中であることを示すメッセージを含み、操作を受け付けるオブジェクトを含まない画面であっても良い。CPU11は、例えば、「コピー実行中」のメッセージを含む画面をタッチパネル131に表示し、同様の画面の画面データをPC3に送信する。
【0066】
このように、リモート入力機能を利用することで、ユーザは、PC3からの遠隔操作によってMFP1に設定指示や実行指示を送信することができる。そして、PC3からの遠隔操作に基づいて、タッチパネル131に表示中の画面およびPC3のディスプレイに表示中の画面が更新される。従って、リモート入力機能を利用することで、例えば、遠隔地の管理者が、MFP1の前にいて操作パネル13を操作するユーザとの連携をとって、操作を教えることができる。なお、リモート入力機能の提供中、MFP1は、操作パネル13への操作を受け付け可能であっても良いし、受け付け可能とするか否かの選択を受け付け可能であっても良い。
【0067】
なお、本形態のMFP1は、リモート入力機能の提供中には、タッチパネル131に本体操作画面を表示することから、前述した待機画面51等のモバイル入力機能の提供に必要な情報を含む画面を表示しない。MFP1は、リモート入力機能の提供中にはモバイル入力機能の提供を開始しないので、待機画面51を表示しないことで、ユーザがモバイル入力機能の提供の開始に必要なアクセスを行う可能性を低減できる。
【0068】
受信した操作データが、リモート入力機能の利用の終了を示す操作データであると判断した場合(S411:YES)、CPU11は、操作対応処理を終了して、リモート入力処理に戻る。
【0069】
図6のリモート入力処理の説明に戻る。S322の操作対応処理の終了後、CPU11は、S315にて記憶したリモート入力機能を提供中であることを示す情報をメモリ12から削除し(S325)、リモート入力処理を終了する。CPU11は、提供中であることを示す情報を提供中ではないことを示す情報に変更して記憶しても良い。
【0070】
また、S316にて表示させたパネル利用許諾画面56にて「No」ボタン562が操作されたと判断した場合(S317:NO)、CPU11は、S315にて記憶したリモート入力機能を提供中であることを示す情報をメモリ12から削除する(S318)。そして、CPU11は、S302に進んで、利用不可画面データをPC3に送信し、リモート入力処理を終了する。
【0071】
なお、S317にて「No」ボタン562が操作されたと判断した場合、MFP1は、例えば、1分間等の一定時間、パネル利用許諾画面56を表示しない。MFP1は、この間に再度、リモート入力機能のリクエストを受け付けた場合、S317にて「No」ボタン562が操作された場合と同様に、遠隔操作ができないことを報知する画面を示すウェブページデータをリクエストを送信した装置に送信する。
【0072】
リモート入力機能は、MFP1の前にいるユーザに遠隔地の管理者が操作方法を教える等、ユーザと遠隔地との連携を取るケースを想定した機能である。パネル利用許諾画面56への入力操作を待つことで、連携を取るユーザがいない状態で遠隔操作されることを抑制できる。一方、リモート入力機能による遠隔操作が開始されると、遠隔操作によってタッチパネル131の表示が自動的に変更されるので、例えば、リモート入力機能とは関係なくこれからMFP1を使用しようとしているユーザがいた場合、リモート入力機能が終了されるまでMFP1を使用できない。MFP1を使用しようとしているユーザは、表示されたパネル利用許諾画面56にて「No」ボタン562を操作することで、遠隔操作の開始を延期してもらうことができる。
【0073】
図2の機能提供処理の説明に戻る。S112のリモート入力処理の終了後、CPU11は、S102に戻って待機処理を実行する。この結果、前述したように、MFP1は、タッチパネル131に、
図4に示したホーム画面53、または、
図5に示した待機画面51、のいずれかが表示されている待機状態となる。
【0074】
次に、モバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合のMFP1の処理について説明する。以下では、有効情報25がメモリ12に記憶されており、モバイル入力機能が有効となっている場合について説明する。有効情報25がメモリ12に記憶されていない場合には、MFP1は、モバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けてもモバイル入力機能を提供せず、アクセスを無視する。
【0075】
MFP1は、リモートアクセス情報とは異なり、モバイルアクセス情報を適宜変更し、最新のモバイルアクセス情報を、待機画面51中の二次元コード画像511としてタッチパネル131に表示する。ユーザは、例えば、モバイル端末2のカメラ212を起動して、タッチパネル131に表示されている二次元コード画像511を撮影する。モバイル端末2は、撮影された二次元コード画像511を解析することで、エンコードされているモバイルアクセス情報を取得できる。モバイル端末2は、取得したモバイルアクセス情報を用いたアクセスを実行するか否かを、例えば、タッチパネル211にポップアップ表示することで、ユーザに問い合わせる。ユーザによるアクセス実行の指示を受け付けると、モバイル端末2は、ブラウザ213を起動し、取得したモバイルアクセス情報を用いたアクセスを実行する。
【0076】
前述したように、二次元コード画像511には、モバイルアクセス情報、すなわち、モバイル入力機能の提供の開始に必要なURLと最新のキーとが含まれる。モバイル端末2のブラウザ213は、モバイルアクセス情報に含まれるURLによって示される送信先装置のネットワークアドレスを特定し、その送信先装置に、URLが示すパス、キーを含むクエリ、等を含むリクエストを送信する。
【0077】
タッチパネル131にモバイルアクセス情報を含む待機画面51が表示されるので、ユーザは、アクセス情報を覚えておく必要が無く、MFP1の前でモバイル端末2を利用することで、MFP1に容易にアクセスできる。特に、本形態のMFP1は、モバイル端末2によって読み取り可能な二次元コード画像511を表示するので、ユーザは、モバイル端末2のカメラ212を利用して、簡単にアクセスできる。なお、MFP1は、モバイルアクセス情報をテキストで表示しても良い。その場合でも、ユーザは、モバイルアクセス情報を覚えておく必要は無いので、MFP1へのアクセスは容易である。
【0078】
モバイル端末2等からモバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合、MFP1は、モバイル入力機能へのアクセスを受け付けたと判断する。以下では、モバイル端末2からのアクセスを受け付けた場合を例に説明する。この場合のモバイル端末2は、第1操作端末の一例である。
【0079】
モバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けたと判断した場合(S121:YES)、CPU11は、受け付けたアクセス情報が最新の情報であるか否かを判断する(S122)。具体的には、CPU11は、モバイルアクセス情報にクエリとして含まれているキーを取得し、取得したキーを、メモリ12に記憶されている最新のキー26と一致するか否かを確認する。
【0080】
モバイルアクセス情報に含まれているキーが、メモリ12に記憶している最新のキー26と一致していると判断した場合(S122:YES)、CPU11は、スタート画面を示すウェブページデータであるスタート画面データを、リクエストを送信した装置であるモバイル端末2に送信する(S123)。
【0081】
S123にて送信されるスタート画面データを受信した場合、モバイル端末2のブラウザ213はタッチパネル211に、例えば、
図9に示すように、スタート画面61を表示する。スタート画面61は、スタートボタン611を含む画面である。モバイル入力機能を利用したいユーザは、スタートボタン611への操作を行う必要がある。
【0082】
MFP1は、スタートボタン611への操作という、モバイル入力機能を利用するユーザの明確な意思を受けて機能の提供を開始する。すなわち、ユーザの誤操作等によって不用意にモバイル入力機能の提供が開始されることは回避される。なお、スタート画面61には、さらに、モバイル入力機能の提供をキャンセルする指示を受け付けるキャンセルボタンが含まれていても良い。
【0083】
モバイル端末2のブラウザ213は、PC3のブラウザと同様に、送信したリクエストに対してMFP1から受信したウェブページデータに基づいて、ウェブページをタッチパネル211に表示させるように構成されている。ブラウザ213は、また、ウェブページを表示している状態でユーザによるタッチパネル211への操作を受け付けた場合、受け付けた操作を示す操作データを含むリクエストをMFP1に送信するように構成されている。つまり、モバイル端末2のユーザがタッチパネル211中のスタートボタン611への操作を行った場合、モバイル端末2は、その操作を示す操作データを含むリクエストをMFP1に送信する。以下では、スタートボタン611への操作を示す操作データを、「スタート情報」とする。
【0084】
なお、MFP1は、スタート画面データを送信した後も、タッチパネル131には待機画面51を表示している。そのため、MFP1は、モバイル端末2からのスタート情報の受信と、待機画面51中の「Exit」ボタン512への操作と、のいずれも受け付け可能である。CPU11は、スタート情報を受信したか、または、「Exit」ボタン512への操作を受け付けたか、を判断する(S124)。
【0085】
まず、スタート情報を受け付けた場合について説明する。スタートボタン611への操作を示す操作データを受け付けたと判断した場合(S124:スタート)、CPU11は、モバイル入力処理を実行する(S125)。モバイル入力処理の手順について、
図10のフローチャートを参照して説明する。モバイル入力処理は、モバイル入力P22に基づいて、MFP1のCPU11によって実行される。
【0086】
モバイル入力処理では、CPU11は、まず、モバイル入力機能またはリモート入力機能を既に提供中であるか否かを判断する(S501)。なお、前述したように、リモート入力機能を提供中には、リモート入力機能を提供中であることを示す情報がメモリ12に記憶されている。また、後述するように、モバイル入力機能を提供中には、モバイル入力機能を提供中であることを示す情報がメモリ12に記憶されている。
【0087】
モバイル入力機能とリモート入力機能とのいずれかを提供中であると判断した場合(S501:YES)、CPU11は、例えば、他の装置による遠隔操作機能を提供中であって、現在、モバイル入力機能を利用できない旨のメッセージを含む利用不可画面を示す利用不可画面データをモバイル端末2に送信して(S502)、モバイル端末2へのモバイル入力機能の提供を開始せずに、モバイル入力処理を終了する。S502は、リモート入力処理のS302と同様の処理である。
【0088】
複数の端末に並行してモバイル入力機能やリモート入力機能を提供すると、ユーザの希望する動作とならない可能性がある。MFP1は、他の端末に対してモバイル入力機能やリモート入力機能を提供中であれば、モバイル端末2にモバイル入力機能の提供を開始しないので、混乱を回避できる。
【0089】
一方、モバイル入力機能とリモート入力機能とのいずれも提供中ではないと判断した場合(S501:NO)、CPU11は、モバイル入力機能を提供中であることを示す情報をメモリ12に記憶する(S511)。さらに、CPU11は、待機画面51の表示を中止し、例えば、
図11に示すような、提供中画面52をタッチパネル131の全体に表示させる(S512)。
【0090】
提供中画面52は、他の装置と接続中であることを示すメッセージを含み、操作を受け付けるオブジェクトを含まない画面である。MFP1は、モバイル入力機能の提供を開始する場合、タッチパネル131に、
図5に示した待機画面51等のモバイルアクセス情報を含む画面も、各種の操作を受け付けるオブジェクトを含む画面も、いずれも表示しない。MFP1は、モバイル端末2にモバイル入力機能を提供している間、タッチパネル131に本体操作画面を表示せず、タッチパネル131への入力操作を受け付けない。
【0091】
モバイル入力機能の提供中に、タッチパネル131への入力操作を受け付けると、モバイル端末2を操作するユーザの意図しない操作が行われてユーザが困惑する可能性がある。また、モバイル入力機能の提供中に、他のモバイル端末からのアクセスを受け付け可能にすると、モバイル端末2を操作するユーザの意図しない操作が行われる可能性がある。本形態のMFP1は、モバイル入力機能の提供中、タッチパネル131への入力操作を受け付けないとともに、タッチパネル131に待機画面51を表示しないので、他のユーザによるアクセスを受け付ける可能性を低減できる。また、本形態のMFP1は、モバイル入力機能の提供中、タッチパネル131に提供中画面52を表示するので、タッチパネル131への入力操作を受け付けないことが分かり易い。
【0092】
そして、CPU11は、ホーム画面を示すウェブページデータであるホーム画面データを、モバイル端末2に送信する(S513)。S513は、送信処理の一例である。ホーム画面データは、表示データの一例である。また、CPU11は、送信した画面を示す画面IDをメモリ12に記憶する(S514)。この場合の画面IDは、モバイル端末2へ最後に送信した画面データ、すなわち、ホーム画面を示す情報である。そして、MFP1は、モバイル入力提供処理を実行する(S515)。
【0093】
ホーム画面データを受信したモバイル端末2のブラウザ213は、例えば、
図12に示すように、タッチパネル211にホーム画面62を表示する。ホーム画面62は、例えば、操作パネル13に、
図4に示したホーム画面53が表示されている状態を、仮想的に示す操作画面である。ホーム画面62は、ホーム画面53を模したパネル画面621と、操作パネル13のハードウェアキー132を模したキー画面622と、クローズボタン623と、を含む。ホーム画面62は、MFP1を操作するための操作画面の一例である。
【0094】
ホーム画面62には、ホーム画面53を模したパネル画面621が含まれているので、ユーザは、モバイル端末2に表示される画面を、タッチパネル131を操作するときと同様に、直感的に操作できる。なお、モバイル入力機能においてモバイル端末2に表示される画面は、リモート入力機能においてPC3に表示される画面と、同様の画面であるが、完全に一致する画面でなくても良い。
【0095】
S515にて実行されるモバイル入力提供処理について、
図13のフローチャートを参照して説明する。モバイル入力提供処理は、モバイル入力P22に基づいて、MFP1のCPU11にて実行される。このモバイル入力提供処理の実行開始時には、モバイル端末2のタッチパネル211には、
図12に示したホーム画面62が表示されており、MFP1のタッチパネル131には、
図11に示した提供中画面52が表示されている。
【0096】
CPU11は、モバイル端末2に画面データを送信してから、モバイル端末2からのリクエストを受け付けていない状態での経過時間の計測を開始する(S601)。モバイル入力提供処理の開始時には、CPU11は、モバイル入力処理のS513にてホーム画面データを送信してからの経過時間を計測する。
【0097】
そして、CPU11は、モバイル端末2からリクエストを受信したか否かを判断する(S602)。リクエストを受信したと判断した場合(S602:YES)、CPU11は、経過時間をリセットして、計測を再開する(S611)。そして、CPU11は、受信したリクエストに含まれる操作データが、クローズボタン623(
図12参照)への操作を示すデータであるか否かを判断する(S612)。クローズボタン623は、モバイル入力機能の利用を終了する場合に、モバイル端末2にてユーザが操作するボタンである。クローズボタン623への操作は、モバイル入力機能の利用を終了するユーザの意志を示す操作である。
【0098】
クローズボタン623への操作以外の操作を示す操作データを受信したと判断した場合(S612:NO)、CPU11は、受け付けた操作データが、表示画面を変更させる操作であるか否かを判断する(S621)。表示画面を変更させる操作であると判断した場合(S621:YES)、CPU11は、変更後の画面を示す画面データをモバイル端末2に送信する(S622)。S622は、送信処理の一例である。S622にてモバイル端末2に送信される画面データは、表示データの一例である。S622は、リモート入力機能の提供時の操作対応処理にて、S422の後に実行されるS402と同様の処理である。
【0099】
なお、モバイル入力提供処理では、CPU11は、S622および以後の画面データの送信時に、モバイル入力処理のS513の場合とは異なり、パネル画面621の部分のウェブページデータのみを送信する。つまり、モバイル入力提供処理の実行中、モバイル端末2のタッチパネル211に表示される画面は、パネル画面621の部分のみが変更される。従って、S622等によって画面が変更された場合にも、クローズボタン623は、モバイル端末2のタッチパネル211に表示されている。また、モバイル入力機能では、CPU11は、リモート入力機能の場合とは異なり、タッチパネル131の表示を変更せず、
図11に示した提供中画面52のままとする。
【0100】
受け付けた操作データが、表示画面を変更させる操作ではないと判断した場合(S621:NO)、CPU11は、画像形成に用いるパラメータの設定に関する操作であるか否かを判断する(S624)。パラメータの設定に関する操作であると判断した場合(S624:YES)、CPU11は、受け付けた操作データに基づいて、パラメータを設定し(S625)、設定後の画面を示す画面データをモバイル端末2に送信する(S626)。S625は、設定処理の一例である。S626は、送信処理の一例である。S626にてモバイル端末2に送信される画面データは、表示データの一例である。S626は、リモート入力機能の提供時の操作対応処理にて、S433の後に実行されるS402と同様の処理である。
【0101】
受け付けた操作データが、パラメータの設定に関する操作ではないと判断した場合(S624:NO)、CPU11は、画像形成の実行に関する操作であるか否かを判断する(S627)。画像形成の実行に関する操作であると判断した場合(S627:YES)、CPU11は、受け付けた操作データに基づいて、画像形成の実行を開始し(S628)、実行中であることを示す画面の画面データをモバイル端末2に送信する(S629)。S628は、画像形成処理の一例である。S629は、リモート入力機能の提供時の操作対応処理にて、S443の後に実行されるS402と同様の処理である。
【0102】
なお、CPU11は、画像形成の実行中、すなわち、実行中を示す画面を表示させている期間中は、操作を受け付けないことから、S601またはS611にて開始した経過時間の計測を一時停止しても良い。また、実行中を示す画面には、画像形成の実行を中止する操作を受け付けるオブジェクトなどの、操作を受け付けるオブジェクトが含まれていても良い。
【0103】
一方、受け付けた操作データが、画像形成の実行に関する操作でもないと判断した場合(S627:NO)、CPU11は、S602に戻って、モバイル端末2からの操作データを受信したか否かを判断する。例えば、モバイル端末2のタッチパネル211のうち、オブジェクト以外の箇所への操作を示す操作データを受信した場合、CPU11は、S611にて経過時間のリセットのみを行うとしても良く、画面の変更、パラメータの設定、画像形成の実行、のいずれも行わない。
【0104】
S622、S626、S629のいずれかにて画面データを送信した後、CPU11は、送信した画面データを識別する画面IDをメモリ12に記憶し(S631)、S602に戻って、モバイル端末2からのリクエストを受信したか否かを判断する。CPU11は、所定の領域に画面IDを上書きして記憶しても良いし、複数の画面IDを記憶して、そのうち最後に送信したものを示す情報として記憶しても良い。
【0105】
一方、モバイル端末2からのリクエストを受信していないと判断した場合(S602:NO)、CPU11は、S601またはS611にて計測を開始した経過時間が、所定のタイムアウト時間を超えたか否かを判断する(S603)。タイムアウト時間は、例えば、1分である。タイムアウト時間は、固定時間であっても良いし、ユーザによる設定を受け付け可能な可変時間であっても良い。
【0106】
タイムアウト時間を超えていないと判断した場合(S603:NO)、CPU11は、戻るキー133(
図5参照)の長押しを受け付けたか否かを判断する(S604)。戻るキー133は、操作パネル13のハードウェアキー132に含まれる。
【0107】
モバイル端末2からクローズボタン623への操作を示す操作データを受信したと判断した場合(S612:YES)、または、経過時間がタイムアウト時間を超えたと判断した場合(S603:YES)、または、戻るキー133の長押しを受け付けたと判断した場合(S604:YES)、CPU11は、モバイル入力提供処理を終了して、モバイル入力処理に戻る。
【0108】
MFP1は、クローズボタン623への操作に基づいて、モバイル入力機能を終了させるので、モバイル端末2を使用するユーザの意図するタイミングでモバイル入力機能を終了させることができる。その結果として、別のユーザがMFP1を操作できるようになり、MFP1の稼働率を高めることができる。なお、クローズボタン623は、モバイル端末2のタッチパネル211に表示される画面には含まれるが、MFP1のタッチパネル131に表示される画面には含まれない。
【0109】
また、モバイル端末2からのリクエストが無いまま、経過時間がタイムアウト時間を超えた場合、モバイル端末2のユーザによるMFP1の利用は終了している可能性が高い。あるいは、MFP1とモバイル端末2との通信接続が切断されている可能性がある。所定のタイムアウト時間を超えてリクエストを受信しなかった場合に、モバイル入力機能を終了させることで、例えば、モバイル端末2のユーザが、MFP1の利用を終えた際にモバイル入力機能を終了させる操作をしなかった場合にも、MFP1は、自動的にモバイル入力機能の提供を終了することができる。その結果として、別のユーザがMFP1を利用できるようになるので、モバイル端末2によるMFP1の無駄な占有を回避し、MFP1の稼働率を高めることができる。
【0110】
また、戻るキー133の長押しは、提供中のモバイル入力機能を終了させて、操作パネル13への操作によってMFP1を利用したいユーザが行う操作である。例えば、モバイル端末2のユーザが、MFP1の利用を終えた際にモバイル入力機能を終了させる操作をせずにMFP1から離れた場合に、別のユーザが戻るキー133の長押しによって強制的にモバイル入力機能の提供を終了させることができる。その結果として、タイムアウト時間を超えていなくても、その別のユーザがMFP1を操作できるようになり、MFP1の稼働率を高めることができる。
【0111】
なお、MFP1は、モバイル入力機能の提供中、戻るキー133の長押しによるモバイル入力機能の終了指示以外、ハードウェアキー132への操作やタッチパネル131への操作を受け付けない。モバイル入力機能の提供を終了させる指示以外の操作パネル13への入力操作を無効にすることで、モバイル入力機能に対するモバイル端末2からの入力操作と操作パネル13からの入力操作とが混在することを回避できる。例えば、モバイル入力機能の提供が開始されていると知らずに別のユーザが操作パネル13を不用意に操作しただけで、モバイル端末2のユーザの意図しない操作を受け付ける可能性を回避できる。
【0112】
なお、モバイル入力P22は、MFP1とモバイル端末2との通信接続が切断されたと判断した場合に、経過時間がタイムアウト時間を超えるのを待つことなく、モバイル入力提供処理を終了するように構成されても良い。例えば、ネットワークIF141がインターネットに接続できなくなった場合、モバイル端末2がインターネットに接続されなくなったことを検知した場合にも、CPU11は、モバイル入力提供処理を終了して、モバイル入力処理に戻っても良い。
【0113】
一方、クローズボタン623への操作などのモバイル入力提供処理を終了する条件を満たしていないと判断した場合(S604:NO)、CPU11は、画像形成の実行を終了したか否かを判断する(S605)。画像形成の実行を終了したと判断した場合(S605:YES)、CPU11は、ホーム画面データをモバイル端末2に送信する(S615)。なお、画像形成の実行中は、前述したS629によって、実行中を示す画面がモバイル端末2に表示されている。S615によって、モバイル端末2の表示は、実行中であることを示す画面からホーム画面62に変更される。ホーム画面データを送信した後、CPU11は、送信した画面データを識別する画面IDをメモリ12に記憶し(S631)、S602に戻る。
【0114】
画像形成の実行を開始していない場合、または、画像形成を実行中である場合には、画像形成の実行を終了していないと判断し(S605:NO)、CPU11は、S602に戻ってS602~S605のいずれかを満たしたか否かを判断する。
【0115】
なお、MFP1は、画像形成の実行中であっても各種の指示を受け付け可能な構成であっても良い。その場合には、CPU11は、S629にて、実行中を示す画面データではなく、ホーム画面データを送信しても良い。あるいは、MFP1は、実行中を示す画面データをモバイル端末2に一旦送信し、その後、画像形成の終了前にホーム画面データを送信しても良い。また、その場合、S605の判断は無くても良い。
【0116】
図10のモバイル入力処理の説明に戻る。CPU11は、S515のモバイル入力提供処理の後、モバイル入力機能の提供を終了したことを示すウェブページデータである終了画面データを、モバイル端末2に送信する(S521)。これにより、モバイル端末2のブラウザ213は、タッチパネル211に終了画面を表示する。なお、モバイル端末2との通信が切断されている場合には、CPU11は、S521をスキップしても良い。
【0117】
そして、CPU11は、S511にて記憶した情報であるモバイル入力機能の提供中を示す情報を、削除する(S522)。あるいは、CPU11は、提供中を示す情報を、提供中ではないことを示す情報に変更して記憶しても良い。これで、CPU11は、モバイル入力機能の提供を終了する。
【0118】
その後、CPU11は、記憶している画面IDに対応する画面をタッチパネル131に表示させる(S523)。これにより、タッチパネル131には、モバイル入力機能の終了時にモバイル端末2に表示されていた画面と同様の画面が表示される。なお、S523にてタッチパネル131に表示される画面は、モバイル端末2に表示されていた画面と全く同一ではなく、同種の情報を含むある程度異なる画面でも良い。
【0119】
例えば、画像形成の実行中にクローズボタン623への操作や戻るキー133の長押しを受け付けてモバイル入力提供処理を終了した場合、CPU11は、モバイル入力提供処理のS629にてモバイル端末2に送信した画面データによって示される画面と同様の、実行中を示す画面を、タッチパネル131に表示させる。モバイル端末2からの指示に基づくジョブの実行中に、ユーザがクローズボタン623への操作を行ってモバイル入力機能を終了させた場合、その直後にタッチパネル131にホーム画面53等が表示されると、ユーザは、ジョブが実行されているのかどうか不安になる可能性がある。ジョブの実行中であれば実行中を示す画面を表示させることで、ユーザの不安を解消できる。
【0120】
また、画像形成の実行中ではない状態でモバイル入力提供処理を終了した場合、例えば、コピー画面を表示中にモバイル入力提供処理を終了した場合には、CPU11は、コピー画面をタッチパネル131に表示させる。なお、タイムアウトや戻るキー133の長押しによってモバイル入力提供処理を終了した場合には、CPU11は、例えば、モバイル端末2に表示されていた画面に代えて、ホーム画面53を表示させるとしても良い。
【0121】
そして、CPU11は、タッチパネル131へのユーザの操作を受け付け可能となって、操作受付処理を実行する(S524)。操作受付処理の手順について、
図14のフローチャートを参照して説明する。
【0122】
操作受付処理では、タッチパネル131へのユーザの操作を受け付けたと判断した場合(S701:YES)、CPU11は、受け付けた操作が、操作を終了する指示であるか(S711)、表示対象の画面を変更する指示であるか(S721)、パラメータの設定指示であるか(S731)、画像形成処理の実行指示であるか(S741)、を判断する。CPU11は、例えば、操作パネル13のホームボタンやリセットボタンなどへの操作を受け付けた場合、操作を終了する指示であると判断する。
【0123】
受け付けた操作が表示画面を変更する操作であれば(S721:YES)、CPU11は、変更後の画面をタッチパネル131に表示させる(S722)。S722は、操作対応処理(
図8)のS422と同様の処理である。S722の後、CPU11は、S701に戻り、さらにユーザの操作を受け付ける。
【0124】
受け付けた操作がパラメータの設定を指示する操作であれば(S731:YES)、CPU11は、受け付けた操作に基づいてパラメータを設定し(S732)、設定後の画面をタッチパネル131に表示させる(S733)。S723は、操作対応処理のS433と同様の処理である。S733の後、CPU11は、S701に戻り、さらにユーザの操作を受け付ける。
【0125】
受け付けた操作が画像形成の実行を指示する操作であれば(S741:YES)、CPU11は、受け付けた操作に基づいて画像形成の実行を開始し(S742)、画像形成の実行中であることを示す実行中画面をタッチパネル131に表示させる(S743)。S742およびS743は、操作対応処理のS442およびS443と同様の処理である。S743の後、CPU11は、S701に戻り、さらにユーザの操作を受け付ける。
【0126】
一方、受け付けた操作が操作を終了する指示である場合(S711:YES)、または、所定の無操作時間を超えて操作を受け付けなかった場合(S702:YES)、CPU11は、操作受付処理を終了して、モバイル入力処理に戻る。無操作時間は、例えば、1分である。
【0127】
モバイル端末2での操作を開始したものの、途中からタッチパネル131での操作を行いたいユーザにとって、クローズボタン623を操作することで、タッチパネル131での操作に切り替えることができるので都合が良い。また、誤ってクローズボタン623を操作してしまったユーザにとっても、タッチパネル131で継続して操作できるので都合が良い。
【0128】
図10のモバイル入力処理の説明に戻る。S524の操作受付処理の後、または、S502にて利用不可画面データを送信した後、CPU11は、モバイル入力処理を終了して、
図2の機能提供処理に戻る。
【0129】
図2の機能提供処理の説明に戻る。機能提供処理では、CPU11は、S125のモバイル入力処理の後、S102に戻って待機処理を実行する。つまり、CPU11は、新たなキーを含むモバイルアクセス情報を生成し、新たな待機画面51を自動的にタッチパネル131に表示させて、待機状態となる。
【0130】
MFP1は、モバイル入力機能の提供が終了する度に新たなキーを含むモバイルアクセス情報を生成し、前のモバイルアクセス情報を用いたアクセスがあってもモバイル入力機能の提供を開始しない。これにより、今、MFP1の前にいるユーザのモバイル端末2からのアクセスである可能性を高め、より安全性を担保できる。また、ユーザの操作を必要とせず、新たな待機画面51を自動的に表示することで、次のユーザがMFP1を利用し易い。
【0131】
一方、受け付けたモバイルアクセス情報に含まれるキーが、メモリ12に記憶されている最新のキーと異なると判断した場合(S122:NO)、CPU11は、タッチパネル131に表示されている待機画面51の、二次元コード画像511を再度読み取るように促すメッセージを含む再読取画面データを、モバイル端末2に送信して(S127)、S102に戻って待機処理を実行する。なお、再読取画面データを送信した直後の待機処理では、新しいキーの生成は行わなくても良い。
【0132】
MFP1は、受信したモバイルアクセス情報のキーが最新ではない場合には、モバイル入力機能を提供しない。その時点でMFP1のタッチパネル131に表示されているモバイルアクセス情報によるアクセスのみを許容することで、MFP1の近くにいるユーザによるアクセスである可能性を高めることができ、より安全性を担保できる。また、最新ではないモバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合に、モバイルアクセス情報の入力し直しを報知するので、ユーザの困惑を回避できる。報知は、音声ガイダンスを併用しても良い。
【0133】
次に、待機状態にて、外部装置からのアクセスではなく、タッチパネル131への操作を受け付けた場合の、MFP1の動作について説明する。待機状態では、前述したように、ホーム画面53(
図4)または待機画面51(
図5)のいずれかがタッチパネル131に表示されている。ホーム画面53を表示中、MFP1は、表示中の各オブジェクトへの操作を受け付ける。一方、待機画面51を表示中、MFP1は、「Exit」ボタン512への操作のみを受け付ける。つまり、モバイル入力機能が有効であって、タッチパネル131に待機画面51を表示している状態では、MFP1は、操作パネル13への操作として「Exit」ボタン512への操作のみを受け付け、例えば、ハードウェアキー132への操作を受け付けても対応しない。
【0134】
タッチパネル131への操作を受け付けたと判断した場合(S131:YES)、CPU11は、受け付けた操作が、待機画面51中の「Exit」ボタン512への操作であるか否かを判断する(S132)。「Exit」ボタン512への操作を受け付けたと判断した場合(S132:YES)、CPU11は、タッチパネル131の表示を、
図4に示したホーム画面53に変更する(S133)。
【0135】
なお、前述したように、モバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けて、S123にてスタート画面データを送信した後、CPU11は、スタート情報と「Exit」ボタン512への操作とのいずれも受け付け可能となる。そのため、スタート情報を受け付ける前に、「Exit」ボタン512への操作を受け付けたと判断した場合(S124:Exit)、CPU11は、S133に進み、タッチパネル131の表示をホーム画面53に変更する。この場合、その後にスタート情報を受信しても、CPU11は、モバイル入力処理を実行せず、モバイル端末2にモバイル入力機能を提供しない。
【0136】
なお、スタート画面データを送信した後、所定の待機時間内にスタート情報も「Exit」ボタン512への操作も受け付けなかった場合、CPU11は、モバイル入力機能の提供を開始しないとしても良い。CPU11は、例えば、モバイル入力機能の提供の終了を示す画面データをモバイル端末2に送信して、S102に戻って待機処理を実行しても良い。
【0137】
ホーム画面53を表示した後、または、「Exit」ボタン512への操作ではなく、待機状態でホーム画面53を表示中であり、表示中の各オブジェクトへの操作を受け付けたと判断した場合(S132:NO)、CPU11は、
図14に示した操作受付処理を実行する(S135)。S135の操作受付処理を終了したら、CPU11は、S102に戻って待機処理を実行する。
【0138】
本形態のMFP1は、待機画面51中の「Exit」ボタン512への操作を受け付けた場合、または、モバイル入力機能が無効の場合、タッチパネル131に表示中の各種のオブジェクトへの操作を受け付け、受け付けた操作に応じて動作する。モバイル入力機能が有効となっていても、必要に応じて操作パネル13からの入力操作を可能になるので、操作性の低下を抑えることができ、操作パネル13からの入力操作を望むユーザにとって利便性が高い。なお、モバイル入力機能の提供後に実行される操作受付処理と、パネルへの操作によって開始される操作受付処理では、例えば、S702の判断に利用される無操作時間が異なっていても良い。
【0139】
次に、外部装置からのアクセスと操作パネル13への操作とのいずれも受け付けていないと判断した場合(S131:NO)、CPU11は、所定のリフレッシュタイムが経過したか否かを判断する(S141)。リフレッシュタイムが経過したと判断した場合(S141:YES)、CPU11は、S102に戻り、新たな待機画面51を表示する。
【0140】
リフレッシュタイムは、ユーザのアクセスや操作を受け付けていない状態で、キーを再生成するまでの経過時間であり、例えば、5分である。所定のリフレッシュタイムで適宜、キーを再生成することで、MFP1は、リフレッシュタイムが経過した古いモバイルアクセス情報を利用したアクセスを受け付けない。
【0141】
リフレッシュタイムが経過していないと判断した場合(S141:NO)、CPU11は、例えば、シャットダウンの指示を受け付けて電源がオフされるまで(S151:NO)、S111、S121、S131、S141の判断を繰り返す。そして、電源がオフされると(S151:YES)、CPU11は、機能提供処理を終了する。
【0142】
なお、MFP1は、リモート入力機能またはモバイル入力機能を提供中であるか否かの判断を、例えば、トークンの発行によって行っても良い。具体的には、MFP1は、リモート入力処理のS315、および、モバイル入力処理のS511、に代えて、トークンを発行する。そして、MFP1は、各機能の提供中には、発行したトークンと共に送信される操作データのみに対応し、機能の提供が終了したら、発行したトークンを削除する。
【0143】
トークンを用いた手順を実行する場合、MFP1は、例えば、モバイルアクセス情報を用いてアクセスを行ったモバイル端末2に対して、スタート画面データとして、モバイル端末2のブラウザ213に実行させるプログラムが含まれているデータを送信する。このプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)で記載されたプログラムである。このプログラムが含まれるスタート画面データを受信した場合、モバイル端末2は、受信したプログラムに従って動作する。
【0144】
モバイル端末2は、スタート画面61(
図9)中のスタートボタン611への操作を受け付けると、このプログラムに基づいて、トークンの発行状態を示す状態情報をMFP1に要求する。MFP1は、トークンを発行済みであれば、「発行済み」を示す情報をモバイル端末2に送信する。
【0145】
モバイル端末2は、MFP1から受信した状態情報が「未発行」を示す情報である場合には、トークン発行要求をMFP1に送信して、操作を継続する。以後、モバイル端末2は、発行されたトークンと共に操作データを送信する。一方、MFP1から受信した状態情報が「発行済み」を示す情報である場合には、モバイル端末2は、例えば、タッチパネル211にエラー画面を表示し、要求した機能の提供を受けられないことを報知する。
【0146】
このようにしても、MFP1は、トークンの発行状態に基づいて、他の端末にモバイル入力機能を提供中であるか否かを判断できる。なお、モバイル端末2は、状態情報を取得する代わりに、トークンの発行要求を送信しても良い。その場合、MFP1は、トークンを発行済みであればエラー情報を送信し、未発行であればトークンを発行して、発行したトークンを送信するとしても良い。
【0147】
また、リモート入力機能の提供を要求するPC3には、トークンを用いた利用手順を記載したプログラムが、あらかじめ組み込まれていても良い。または、リモートアクセス情報を用いたアクセスを行ったPC3へも、MFP1は、プログラムを含むデータを送信しても良い。
【0148】
以上、詳細に説明したように、第1の形態のMFP1は、操作パネル13に触れずに入力操作が可能になる入力機能として、モバイル入力機能と、リモート入力機能と、の2つの異なる入力機能をサポートする。そして、MFP1は、リモート入力機能の提供中、モバイル入力機能の提供の開始に必要なモバイルアクセス情報を用いたアクセスがあっても、モバイル入力機能の提供を開始しない。また、MFP1は、モバイル入力機能の提供中、リモート入力機能の提供の開始に必要なリモートアクセス情報を用いたアクセスがあっても、リモート入力機能の提供を開始しない。これにより、複数の操作端末からの操作データを受け付け可能となる状態を回避し、操作の混乱を抑えることができる。
【0149】
続いて、第2の実施の形態にかかるMFPについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態のMFP1は、第1の形態と同様の構成であって、リモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合の処理が、第1の形態とは異なる。第1の形態と同じ構成や手順については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0150】
本形態のMFP1にて、リモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合に実行されるリモート入力処理の手順について、
図15のフローチャートを参照して説明する。本形態でも、アクセスを受け付けた際に、既に他の端末に対してリモート入力機能を提供中であれば(S301:YES)、CPU11は、利用不可画面データを送信して(S302)、リモート入力処理を終了する。リモート入力機能を提供中でなければ(S301:NO)、CPU11は、ログインを受け付けてユーザ認証を行い、許可ユーザでなければ(S312:NO)、利用不可画面データを送信して(S302)、リモート入力処理を終了する。
【0151】
リモート入力機能を提供中でなく、許可ユーザであると判断した場合(S312:YES)、CPU11は、モバイル入力機能の提供中であるか否かを判断する(S313)。モバイル入力機能の提供中ではないと判断した場合(S313:NO)、CPU11は、第1の形態と同様に、リモート入力機能の提供を開始する。
【0152】
一方、モバイル入力機能の提供中であると判断した場合(S313:YES)、CPU11は、第1の形態とは異なり、モバイル入力終了処理を実行する(S801)。モバイル入力終了処理の手順について、
図16のフローチャートを参照して説明する。以下では、リモートアクセス情報を用いたアクセスを行った装置がPC3であって、モバイル入力機能を利用している装置がモバイル端末2である場合を例に説明する。
【0153】
モバイル入力終了処理では、CPU11は、モバイル入力機能を提供中であることを示すメッセージと、モバイル入力機能の提供を終了させてリモート入力機能の提供を開始するか否かを選択する選択ボタンとを含む選択画面の画面データを、PC3に送信する(S901)。PC3のディスプレイには、例えば、
図17に示すように、開始する指示を受け付けるボタン711と、開始しない指示を受け付けるボタン712と、を含む選択画面71が表示される。
【0154】
PC3のブラウザは、ボタン711またはボタン712への操作を受け付けると、受け付けた操作を示す操作データをMFP1に送信する。例えば、ボタン711への操作によって、リモート入力機能の提供を開始する選択を受け付けた場合、PC3は、ボタン711への操作を示す操作データを送信する。MFP1は、受信した操作データによって、ユーザの選択を示すコマンドを受け付ける。
【0155】
選択画面71での選択を受け付けることで、リモートアクセス情報を用いたアクセスを行ったユーザが、モバイル入力機能の提供を終了させるか否かを選択できる。例えば、緊急の処理や、モバイル入力機能を利用中のユーザからの要請に基づく処理を行う場合には、モバイル入力機能の提供を終了させる選択をし、緊急ではない場合には終了させない選択をする、等の配慮を行うことで、モバイル入力機能の利用中のユーザへの不利益を抑制できる。
【0156】
受信した操作データが、リモート入力機能を開始する指示であると判断した場合(S902:YES)、CPU11は、提供中のモバイル入力機能を利用しているモバイル端末2に終了を予告するメッセージを含む画面データを送信する(S911)。CPU11は、モバイル端末2のタッチパネル211のうち、表示中のパネル画面621の範囲外の領域に表示される画面データとして、モバイル入力機能の終了を予告するメッセージを含む画面データを送信する。これにより、モバイル端末2のタッチパネル211には、
図18の例に示すような終了予告メッセージ72を含む画面が表示される。
【0157】
そして、CPU11は、モバイル端末2に対して提供中のモバイル入力機能を終了させる。本形態のモバイル入力提供処理は、
図19に示すように、処理を終了する条件として、クローズボタン623への操作(S612)、タイムアウトの経過(S603)、戻るキー133の長押し(S604)、だけでなく、リモート入力機能の提供を開始するか否かの判断(S921)を行う。そして、リモート入力機能の提供を開始すると判断した場合(S921:YES)、CPU11は、モバイル入力提供処理を終了して、モバイル入力処理(
図10)に戻る。
【0158】
そして、CPU11は、モバイル入力処理のS521~S522を実行する。つまり、CPU11は、モバイル端末2に終了画面データを送信し、モバイル入力提供中を示す情報を削除する。なお、この後、リモート入力機能の提供を開始して、リモート入力機能によってタッチパネル131への表示画面が決定されることから、CPU11は、S523とS524をスキップして、モバイル入力処理を終了しても良い。あるいは、例えば、リモート入力機能の提供の開始によって終了する場合には、それ以外の条件で終了する場合よりも短時間だけ、タッチパネル131への操作を受け付け可能としても良い。
【0159】
これにより、CPU11は、モバイル入力提供処理とモバイル入力処理とを終了する(S912)。さらに、CPU11は、リモート入力機能の提供を開始すると決定して(S913)、モバイル入力終了処理を終了する。
【0160】
一方、PC3からリモート入力機能の提供を開始しない選択を受け付けたことを示す操作データを受信した場合(S902:NO)、CPU11は、リモート入力機能の提供を開始しないと決定して(S915)、モバイル入力終了処理を終了する。なお、例えば、選択画面の画面データをPC3に送信した後、所定の待機時間内に操作データを受け付けなかった場合、CPU11は、リモート入力機能の提供を開始しないと決定しても良い。
【0161】
図15のリモート入力処理の説明に戻る。S801のモバイル入力終了処理の後、CPU11は、リモート入力機能の提供を開始すると決定したか否かを判断する(S802)。開始すると判断した場合(S802:YES)、CPU11は、S315に進み、リモート入力機能の提供中を示す情報を記憶し、パネル利用許諾画面56(
図7)をタッチパネル131に表示させる。以後の処理は、第1の形態のリモート入力処理と同様である。
【0162】
本形態のMFP1は、リモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けたことで、モバイル入力機能の提供を終了させた場合には、待機画面51(
図5)を表示せず、リモート入力機能の提供のための画面に遷移する。これにより、モバイル入力機能を利用していたユーザは、直ぐにはモバイル入力機能の提供を再開できないことを分かり易い。なお、モバイル入力機能を終了させてリモート入力機能の提供を開始する場合には、パネル利用許諾画面56の表示を省略して、S315の後、S321に進んでも良い。
【0163】
一方、リモート入力機能の提供を開始しないと判断した場合(S802:NO)、CPU11は、リモート入力機能の提供を開始せず、リモート入力処理を終了する。この場合、モバイル入力処理やモバイル入力提供処理を終了させていないので、CPU11は、提供中のモバイル入力機能を継続して提供する。
【0164】
なお、本形態のMFP1でも、モバイル入力機能の提供を開始するための手順は、第1の形態と同様である。すなわち、MFP1は、モバイル入力機能とリモート入力機能とのいずれか一方を提供中であれば、モバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けても、モバイル入力機能の提供を開始しない。
【0165】
本形態においても、MFP1は、各機能を提供中であるか否かの判断を、前述したトークンを用いた手順で行っても良い。ただし、本形態のMFP1は、リモート入力機能用のトークンとモバイル入力機能用のトークンとを、互いに区別できる情報として発行する。具体的には、MFP1は、リモート入力処理(
図15)のS315に代えて、リモート入力機能用のトークンを発行し、モバイル入力処理(
図10)のS511に代えて、モバイル入力機能用のトークンを発行する。
【0166】
そして、モバイルアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合、MFP1は、リモート入力機能用のトークンとモバイル入力機能用のトークンとの少なくとも一方が発行済みであれば、エラー情報を送信する。一方、リモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けた場合、MFP1は、リモート入力機能のトークンを発行済みであればエラー情報を送信し、モバイル入力機能のトークンを発行済みであればモバイル入力機能の提供を終了させる。
【0167】
以上、詳細に説明したように、第2の形態のMFP1であっても、モバイル入力機能とリモート入力機能との2つの異なる入力機能をサポートし、リモート入力機能の提供中、モバイル入力機能の提供の開始に必要なモバイルアクセス情報を用いたアクセスがあっても、モバイル入力機能の提供を開始しない。従って、複数の操作端末からの操作データを受け付け可能となる状態を回避し、操作の混乱を抑えることができる。
【0168】
さらに、本形態では、モバイル入力機能の提供中であってもリモート入力機能の提供を開始可能としたので、リモート入力機能のユーザにとって、MFP1を利用し易い。一方、第1の形態では、モバイル入力機能の提供中であれはリモート入力機能の提供を開始可能としないので、モバイル入力機能のユーザにとって、MFP1を利用し易い。なお、MFP1は、第1の形態と第2の形態との両方を備え、ユーザによる選択を受け付け可能であっても良い。
【0169】
なお、各実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本発明は、MFP1に代えて、プリンタ、スキャナ、コピー機、FAX装置、にも適用可能である。また、MFP1のネットワークIF141は複数有っても良く、リモート入力機能を提供するネットワークIFとモバイル入力機能を提供するネットワークIFとは、同じであっても異なっていても良い。
【0170】
また、各図に例示した画面はいずれも一例であり、表示の形態は図示の例に限らない。例えば、各画面に表示されるメッセージの文言やボタン等の形状や配置は、図示の例に限らない。例えば、二次元コード画像511は、
図5に示した待機画面51のようにタッチパネル131の全面に表示する代わりに、ホーム画面の一部に表示しても良い。また、待機画面51に含まれるモバイルアクセス情報の表示形態は、二次元コード画像511に限らず、テキスト情報でも良いし、バーコード画像による表示であっても良い。
【0171】
また、モバイル入力機能の提供を開始した場合にモバイル端末2等に表示される画面は、
図12に示したホーム画面62に限らず、例えば、ハードウェアキー132の一部が含まれていなくても良いし、クローズボタン623以外にも操作パネル13には含まれないボタンが含まれていても良い。また、パネル画面621やキー画面622の配置やサイズは、操作パネル13を完全に再現したものでなくても良い。また、モバイル入力機能によってモバイル端末2等に表示させる画面は、ユーザの操作を受け付ける画面であればよく、MFP1のタッチパネル131に表示される操作画面を模したものに限らず、オリジナルの画面であっても良い。
【0172】
また、モバイル端末2やPC3は、受信した画面データに基づく画面をブラウザに表示させるとしたが、表示するプログラムは、ブラウザに限らず、専用のアプリケーションプログラムであっても良い。ただし、ブラウザに表示させることで、専用のアプリケーションプログラムをインストールする必要がなく、より簡単にモバイル入力機能やリモート入力機能を利用できる。
【0173】
また、各実施の形態では、モバイル入力機能の提供の開始に必要なアクセスを行う端末は、モバイル端末2等のカメラを備えるスマートフォンやタブレットコンピュータであるとしたが、これに限らない。PC3等のカメラを備えない端末を用いてモバイル入力機能を利用することも可能である。カメラを備えない端末を利用する場合、ユーザは、例えば、別の装置のカメラで二次元コード画像511を撮影して、その撮影データ、または二次元コード画像511を解析して得られるアクセス情報、をPC3のブラウザに入力すればよい。また、リモート入力機能のアクセス情報を知っているユーザであれば、モバイル端末2等を用いてリモート入力機能の提供に必要なアクセスを行うこともできる。
【0174】
また、各実施の形態では、MFP1は、動的にキーを生成して、URLとキーとを含むモバイルアクセス情報を表示するとしたが、キーは含まなくても良い。ただし、動的なキーを含ませることで、古いモバイルアクセス情報を利用したアクセスを受け付けない構成とすることができ、モバイル入力機能の安全性を高めることができる。また、MFP1は、キーに代えて、例えば、動的なパスワードを生成してタッチパネル131に表示し、表示中のパスワードの入力を受け付けたことを条件にモバイル入力機能を提供するとしても良い。
【0175】
また、各実施の形態では、MFP1は、「Exit」ボタン512を含む待機画面51(
図5)を表示するとしたが、「Exit」ボタン512を含まない待機画面を表示しても良い。その場合、例えば、ハードウェアキー132のいずれかへの操作を受け付け可能として、「Exit」ボタン512への操作の代わりとしても良い。また、各実施の形態では、「Exit」ボタン512への操作を受け付けた場合、1分間等の無操作で自動的に待機画面51(
図5)を再度表示するとしたが、これに限らない。例えば、戻るキー133への操作等の新たな操作を受け付けるまで待機画面51を表示しないとしても良い。
【0176】
また、各実施の形態では、待機画面51(
図5)の表示中は、モバイル端末2等からのアクセスと「Exit」ボタン512への操作とのいずれかのみを受け付けるとしたが、その他の操作、例えば、戻るキー133の長押しを受け付け可能であっても良い。その場合、MFP1は、戻るキー133の長押しを受け付けた場合には、「Exit」ボタン512への操作とは違い、操作画面を表示して1分待機する代わりに、直ちに新たなキーを生成して待機画面51を表示するとしても良い。つまり、MFP1は、待機画面51を表示中に戻るキー133の長押しを受け付けた場合には、操作画面を表示しなくても良い。あるいは、MFP1は、待機画面51を表示中に戻るキー133の長押しを受け付けた場合には、「Exit」ボタン512への操作の場合よりも短い時間だけ操作画面を表示するとしても良い。
【0177】
また、各実施の形態の機能提供処理(
図2)では、MFP1は、モバイル端末2からスタート情報を受信した場合に(S124にてスタート)、モバイル入力機能の提供中を示す情報を記憶する(S511)としたが、モバイル入力機能の提供中を記憶するタイミングはこれに限らない。例えば、スタート画面データを送信したら(S123)、スタート画面データを送信したことを示す情報を記憶し、当該情報が記憶されている場合、モバイル入力機能へのアクセスがあってもスタート画面データを送信しない、としても良い。
【0178】
また、各実施の形態では、MFP1は、モバイル入力機能の提供中に、操作データを受け付けていない経過時間を計測して、タイムアウトの判断を行う(
図13のS203)としたが、タイムアウトの判断は、モバイル端末2が行っても良い。例えば、モバイル端末2は、画面データを受信した後、操作を受け付けていない時間がタイムアウト時間を超えた場合、モバイル入力機能の終了を示す操作データを送信するとしても良い。
【0179】
また、各実施の形態では、モバイル入力機能の提供中に戻るキー133の長押しを受け付けた場合(
図13のS204にてYES)、強制的にモバイル入力機能の提供を終了させるとしたが、モバイル入力機能の提供を終了させる操作は、戻るキー133の長押しに限らず、他のハードウェアキーの長押しであっても良い。また、モバイル入力機能の提供中でのハードウェアキーへの入力操作の態様を区別しても良い。例えば、入力操作の態様として、長押しの他、通常の入力操作、複数回の連続操作、複数のハードウェアキーの同時押し、を受け付け可能でも良く、MFP1は、入力操作の態様ごとに異なる処理を行っても良い。
【0180】
また、各実施の形態では、モバイル入力機能の提供を終了した後、記憶している画面IDに基づく画面を、操作パネル13のタッチパネル131に表示して操作を受け付ける(モバイル入力処理のS523~S524)としたが、表示しなくても良い。つまり、MFP1は、モバイル入力提供処理(
図13)が終了したら、直ちに新たな待機画面51を表示するとしても良い。また、MFP1は、モバイル入力提供処理の終了時に画像形成の実行中であっても、実行中画面を表示する代わりに、例えば、ホーム画面53(
図4)を表示しても良い。
【0181】
また、各実施の形態では、MFP1は、リモート入力機能の提供の要求があった場合にのみユーザ認証を行うとしたが、ユーザ認証は行わなくても良い。また、例えば、モバイル入力機能の利用時にもユーザのログインを受け付け可能であっても良い。例えば、ホーム画面62中にログインを受け付けるボタンが有っても良く、MFP1は、そのボタンへの操作を示す操作データを受け付けた場合、ログイン画面データを送信するとしても良い。モバイル入力機能の提供中におけるユーザ認証は、例えば、蓄積印刷での印刷対象のファイルの選択に利用可能である。
【0182】
また、各実施の形態では、MFP1は、リモート入力処理(
図6)のS316にてパネル利用許諾画面56を表示した後、所定時間が経過しても「Yes」ボタン561への操作も「No」ボタン562への操作も受け付けなかった場合、いずれかのボタンへの操作を受け付けたものとしても良いし、PC3からのキャンセル指示を受け付けるとしても良い。また、MFP1は、リモート入力機能の提供を開始した場合、受信した操作データに応じてタッチパネル131の表示を変更するとしたが、例えば、リモート入力機能の実行中を示す画面をタッチパネル131に表示しても良い。
【0183】
また、各実施の形態では、MFP1は、リモート入力処理(
図6)のS312にて許可ユーザであると判断した場合に、リモート入力機能の提供中を示す情報を記憶するとしたが、この情報を記憶するタイミングは、これに限らない。MFP1は、例えば、リモートアクセス情報を用いたアクセスを受け付けたらリモート入力機能の提供中を示す情報を記憶するとしても良いし、利用許諾画面にて許諾を受け付けた後にリモート入力機能の提供中を示す情報を記憶するとしても良い。
【0184】
また、リモートアクセス情報は、固定の情報であるとしたが、可変の情報であっても良い。例えば、所定の規則で自動的に変更される情報であっても良いし、管理者等の指示によって変更可能な情報であっても良い。
【0185】
また、第2の形態では、リモートアクセス情報を用いたアクセスがあった際にモバイル入力機能の提供中であれば、リモート入力機能の提供を開始するか否かの選択を受け付けるとしたが、受け付けなくても良い。つまり、モバイル入力終了処理のS901とS902を行わず、自動的にモバイル入力機能を終了させるとしても良い。また、モバイル入力機能を提供中のモバイル端末2に終了予告メッセージを送信するとしたが、しなくても良い。つまり、モバイル入力終了処理のS911は、無くても良い。
【0186】
また、各実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0187】
また、各実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0188】
1 MFP
2 モバイル端末
3 PC
10 コントローラ
11 CPU
12 メモリ
13 操作パネル
131 タッチパネル
141 ネットワークIF