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特開2023-16338泡取り装置(異物取込み、及び/又は、排出する装置)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016338
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】泡取り装置(異物取込み、及び/又は、排出する装置)
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/40 20230101AFI20230126BHJP
   B08B 5/04 20060101ALI20230126BHJP
   A01G 33/02 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
C02F1/40 B
B08B5/04 Z
A01G33/02 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120593
(22)【出願日】2021-07-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年6月1日から6月4日まで開催した、「一般社団法人 日本食品機械工業会」主催の「FOOMA JAPAN 2021」に出展した。
(71)【出願人】
【識別番号】391008294
【氏名又は名称】フルタ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】古田 成広
(72)【発明者】
【氏名】田中 悟
(72)【発明者】
【氏名】鰐部 幸政
【テーマコード(参考)】
3B116
4D051
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB53
3B116BB72
3B116BB75
3B116BB77
4D051AA04
4D051AB01
4D051DD22
4D051DD25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワカメを含む海産物又は漬物を水で洗浄した際に発生する泡、含有する塵、又は水面に浮上か浮遊する異物を、収集、及び/又は取込み、かつ排出する泡取り装置を提供する。
【解決手段】泡取り装置Aは、取付け部3、取付け部に支持されるダクト差込口を備えた泡取りケース(1)、泡取りケース(1)に抜き差し可能にセットされる泡取りケース(2)、ダクト差込口に接続されるダクトB、及び吸込み機Cで構成し、泡取りケース(2)の面と、泡取りケース(1)に備えた面の間に、水槽に存在する泡E、塵の異物を取込み可能とし、ダクト差込口より吸込み機に吸込む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄排水槽、又は水槽の壁面に設置される泡取り部を備えた泡取り装置は、
取付け部と、
前記洗浄排水槽、又は前記水槽に前記取付け部を介して取付けられる、ダクト差込口を備えた泡取りケース(1)と、
この泡取りケース(1)に抜き差し可能にセットされる泡取りケース(2)と、
前記ダクト差込口に差し込まれるダクトで構成し、
前記泡取りケース(2)の面と、前記泡取りケース(1)に備えた面の間に、前記洗浄排水槽、又は前記水槽に存在する泡、塵の異物を取込み可能とし、
かつ、この取込んだ異物を、前記ダクト差込口より、前記ダクトを介して、前記泡取り装置に繋ぐ吸込み機に吸込み可能とした泡取り装置。
【請求項2】
前記取付け部は、前記壁に係止するフックと、このフックに垂設したポールと、このポールに設けられるチャックと、このチャックの緊締、及び緊締解除を図る冶具でなり、
前記チャックは、前記泡取りケース(1)の側板に、着脱自在に設けられるとともに、前記チャックの上下動で、前記泡取りケース(1)は、前記洗浄排水槽、又は前記水槽の液面に対応し、上下動可能とする構成とした請求項1に記載の泡取り装置。
【請求項3】
前記泡取りケース(1)は、対峙する対の側板と、この側板間に設けた泡封じこみ部材で構成し、
この泡封じこみ部材の天板に設けた前記ダクト差込口と、前記対の側板の下側部位にそれぞれ形成した折曲げ部位と、
前記対の側板の上側部位には、前記チャックの前記冶具差込み用の孔を備える構成とした請求項2に記載の泡取り装置。
【請求項4】
前記泡封じこみ部材は、第1壁板と、この第1壁板の内側に設けた折曲げ壁板、及び前記第1壁板に繋ぐ前記天板と、この天板より垂下した第2壁板で形成する構成とした請求項3に記載の泡取り装置。
【請求項5】
前記泡取りケース(2)は、天板と、この天板に繋がる第5壁板~第8壁板とで構成し、
前記第5壁板と、この第5壁板と対峙する前記第6壁板の下側には、それぞれ外側折曲げ部位と、下端庇部が形成され、この両側の外側折曲げ部位と、前記第7壁板と前記第8壁板の長手方向の両端部位の間に、撓み代部を形成する構成とした請求項4に記載の泡取り装置。
【請求項6】
前記泡取りケース(1)の前記第1壁板の下端面と、前記対の側板で形成された前記泡取りケース(1)のスペースに、前記泡取りケース(2)を差入れ、この差入れ時に、前記第1壁板の下端面と、前記泡取りケース(2)の前記天板との間に、泡取り空間が形成される構成とした請求項5に記載の泡取り装置。
【請求項7】
前記スペースに、前記泡取りケース(2)を差込み時に、前記第5壁板、及び前記第6壁板の縮み、及び/又は、前記対の側板の前記各折曲げ部位を拡開し、前記縮み、及び/又は、前記拡開の復帰で、前記各折曲げ部位と、前記第5壁板、及び前記第6壁板との圧接状態を確保可能とする構成とした請求項6に記載の泡取り装置。
【請求項8】
前記対の側板の上端部位は、前記泡取りケース(1)の前記天板の上面より延設形成されている構成とした請求項3に記載の泡取り装置。
【請求項9】
前記洗浄排水槽、又は前記水槽の水とは、ワカメを含む海産物、又は漬物を、水で洗浄した際、或いは生海苔処理過程において、洗浄した塩分、塵、又は泡の異物を含んだ水とする構成とした請求項1に記載の泡取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、洗浄排水槽、又は水槽を流れるか、又はこの洗浄排水槽等に貯留する、例えば、ワカメを含む海産物、又は漬物を、水(液体)で洗浄した際に、発生する泡、含有する塵、又は水面に浮上か浮遊する物で、これらを総称する異物に関しての収集、及び/又は取込み、かつ排出する泡取り装置(換言すると、異物の取込み、及び/又は、排出する装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体中(水、液体、又は汚染水等)の気泡、又は異物除去としては、ホース内を流れる気泡除去装置が知られている。例えば、実開昭56-159102号公報(特許文献1)、実開平5-22003号公報(特許文献2)が挙げられる。この先行文献は、ホース、管路を流れる流体中から気泡を取込み、かつ除去することにある。
【0003】
そして、また、タンク(水槽)に貯留する水より泡を取込み、廃棄しつつ、タンクの水量の低下を、新鮮な水道水で補充する泡取り部材の発明がある。特開2001-205778号公報(特許文献3)である。この発明は、タンク内に、湿し水を補填するパイプの近傍に設けられる泡取り部材であり、フロートを利用し、水面に浮上させて、このパイプから流出する小泡を消泡することを意図する。
【0004】
しかしながら、本願発明が目的とする、「洗浄排水槽、又は水槽を流れるか、又はこの洗浄排水槽に貯留する、例えば、漬物を、水で洗浄した際に、発生する泡、含有する塵、又は水面に浮上か浮遊する物であって、これらを総称する異物に関しての収集、及び/又は取込み、かつ排出する泡取り装置に関する。」文献と、関連する発明は、原則として、見当たらないのが現況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭56-159102号公報
【特許文献2】実開平5-22003号公報
【特許文献3】特開2001-205778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明では、前述した、従来の課題解決と、併せて、将来の産業界の発展に、寄与することを目的とする。
【0007】
その概念は、ワカメを含む海産物、又は漬物を、水で洗浄した際、或いは生海苔処理過程等の際とか、この水槽に水等を供給した際に、自然に生ずるか、又は否応なく生ずる泡、或いは、これらの水に含有する塵、又は水面に浮上か浮遊する物、即ち、これらを総称する異物に関しての収集、及び/又は取込み、かつ排出する泡取り装置(異物取り装置)の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、請求項1-9の発明を提案する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1は、
洗浄排水槽、又は水槽の壁面に設置される泡取り部を備えた泡取り装置は、
取付け部と、
洗浄排水槽、又は水槽に取付け部を介して取付けられる、ダクト差込口を備えた泡取りケース(1)と、
泡取りケース(1)に抜き差し可能にセットされる泡取りケース(2)と、
ダクト差込口に差し込まれるダクトで構成し、
泡取りケース(2)の面と、泡取りケース(1)に備えた面の間に、洗浄排水槽、又は水槽に存在する泡、塵の異物を取込み可能とし、
かつ、取込んだ異物を、ダクト差込口より、ダクトを介して、泡取り装置に繋ぐ吸込み機に吸込み可能とした泡取り装置である。
【0010】
従って、請求項1においては、ワカメ等の海産物、又は漬物を、水で洗浄した際、或いは生海苔処理過程等において、この水槽に水等を供給した際に、自然に生ずるか、又は否応なく生ずる泡、或いは、これらの水に含有する塵、又は水面に浮上か浮遊する物、即ち、これらを総称する異物に関して、収集、及び/又は取込み、かつ排出する泡取り装置の提供が可能となる利点がある。
【0011】
請求項2は、
取付け部は、壁に係止するフックと、フックに垂設したポールと、ポールに設けられるチャックと、チャックの緊締、及び緊締解除を図る冶具でなり、
チャックは、泡取りケース(1)の側板に、着脱自在に設けられるとともに、チャックの上下動で、泡取りケース(1)は、洗浄排水槽、又は水槽の液面に対応し、上下動可能とする泡取り装置である。
【0012】
従って、請求項2においては、請求項1の目的達成に有効である。また、有効な取付け部の構造を提供できる。
【0013】
請求項3は、
泡取りケース(1)は、対峙する対の側板と、側板間に設けた泡封じこみ部材で構成し、
泡封じこみ部材の天板に設けたダクト差込口と、対の側板の下側部位にそれぞれ形成した折曲げ部位と、
対の側板の上側部位には、チャックの冶具差込み用の孔を備える泡取り装置である。
【0014】
従って、請求項3においては、請求項1の目的達成に有効である。また、有効な泡取りケース(1)の構造を提供できる。
【0015】
請求項4は、
泡封じこみ部材は、第1壁板と、第1壁板の内側に設けた折曲げ壁板、及び第1壁板に繋ぐ天板と、天板より垂下した第2壁板で形成する泡取り装置である。
【0016】
従って、請求項4においては、請求項1、又は請求項3の目的達成に有効である。
【0017】
請求項5は、
泡取りケース(2)は、天板と、天板に繋がる第5壁板~第8壁板とで構成し、
第5壁板と、第5壁板と対峙する第6壁板の下側には、それぞれ外側折曲げ部位と、下端庇部が形成され、両側の外側折曲げ部位と、第7壁板と第8壁板の長手方向の両端部位の間に、撓み代部を形成する泡取り装置である。
【0018】
従って、請求項5においては、請求項1の目的達成に有効である。また、有効な撓み代部の構造を提供できる。
【0019】
請求項6は、
泡取りケース(1)の第1壁板の下端面と、対の側板で形成された泡取りケース(1)のスペースに、泡取りケース(2)を差入れ、差入れ時に、第1壁板の下端面と、泡取りケース(2)の天板との間に、泡取り空間が形成される泡取り装置である。
【0020】
従って、請求項6においては、請求項1の目的達成に有効である。また、有効な泡取り空間の構造を提供できる。
【0021】
請求項7は、
スペースに、泡取りケース(2)を差込み時に、第5壁板、及び第6壁板の(押圧)縮み、及び/又は、対の側板の各折曲げ部位を拡開し、縮み、及び/又は、拡開の復帰で、各折曲げ部位と、第5壁板、及び第6壁板との圧接状態を確保可能とする泡取り装置である。
【0022】
従って、請求項7においては、請求項1の目的達成に有効である。また、有効な第5壁板、及び第6壁板、及び対の側板の各折曲げ部位の構造を提供できる。
【0023】
請求項8は、
対の側板の上端部位は、泡取りケース(1)の天板の上面より延設形成されている泡取り装置である。
【0024】
従って、請求項8においては、請求項1の目的達成に有効である。また、有効な対の側板の上端部位の構造を提供できる。
【0025】
請求項9は、
洗浄排水槽、又は水槽の水とは、ワカメを含む海産物、又は漬物を、水で洗浄した際、或いは生海苔処理過程において、洗浄した塩分、塵、又は泡の異物を含んだ水とする構成とした泡取り装置である。
【0026】
従って、請求項9においては、請求項1の目的達成に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】泡取り装置の全体を示した側面図、水槽を断面視して示している
図2図1の俯瞰図、水槽を一部欠截して示している
図3】泡取りケース(1)と、取付け部の平面図
図4】泡取りケース(1)と、泡取りケース(2)の、簡易的に示した正面図
図5】泡取りケース(1)が備える泡封じこみ部材を示し、かつ泡取りケース(2)との関係を示した側面図
図6】取付け部の拡大側面図
図7-1】取付け部付き泡取りケース(1)に、泡取りケース(2)を差し入れた状態の一部欠截の正面図
図7-2】泡取りケース(1)に、泡取りケース(2)を差し入れた状態の一部欠截の正面図
図7-3】図7-2の俯瞰図
図8-1】泡取りケース(2)の平面図
図8-2】泡取りケース(2)の正面図
図8-3】泡取りケース(2)の俯瞰図
図8-4】泡取りケース(2)の撓み代部の拡大正面図
図9】泡取りケース(1)と泡取りケース(2)、及び泡の取込状態の一例を簡易的に示した模式図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の各実施例を説明する。この発明を実施するための形態の説明においては、好ましい各実施例の一例であり、各実施例の説明、及び/又は、図面に限定されない。従って、この発明の実施の形態で、説明しない、例えば、構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【0029】
図1と、図2は、泡取り装置Aの全体を示した各図であり、基本的な、泡取り装置Aに関して共通する機具を説明する。この泡取り装置Aは、ダクトB(ホース)を介して、吸込み機C(例えば、ブロワ)に繋がっている。そして、泡取り装置Aは、洗浄排水槽、又は水槽Dの壁面D1に設置された取付け部3を利用し、水面D2に設置される。尚、後述する泡Eは、水槽Dにある泡、塵、又は水面に浮上か浮遊する物であり、総称して異物である。以下、代表して泡Eで説明する。そして、この泡取り装置Aの主体は、泡取り部A1であり、この泡取り部A1は、泡取りケース(1)1と泡取りケース(2)2の組合せでなり、後述するように、泡取りケース(1)1に泡取りケース(2)2を差込み、かつ抜出し自在に設けられている。以下、泡取りケース(1)1と泡取りケース(2)2を、順に、説明する。
【0030】
この泡取り装置Aは、泡取りケース(1)1と泡取りケース(2)2の組合せでなる(泡取り部A1とする)。この泡取り部A1の構成は、泡取りケース(1)1には泡取りケース(2)2を、差込み、かつ抜出し自在に設ける。その特徴は、泡取り部A1、即ち、泡取りケース(1)1に、泡取りケース(2)2を、後述の如く、第5壁板201と第6壁板202を内側に縮めて差込み、かつ抜出し自在にし、泡取り部A1の清掃・洗浄効率化と、美感確保、又は部品の簡略化等に有効である。また、泡取り装置Aは、例えば、主に、食品関係で使用される。使用態様が、この図1図2であって、図9が泡Eの取込みを説明している。そして、泡取り装置Aは、例えば、ステンレスであって、前述と同様に、清掃・洗浄の効率化、錆発生回避とか、止め具等の混入防止を図る。
【0031】
図3図5と、図7-1~図7-3(図3等とする)を基に、泡取りケース(1)1の好ましい、一例を説明すると、泡取りケース(1)1は、対峙する側板100、101であって、それぞれ下側100a、101aに、内側に向かった(側板100、101の内方に向かった)折曲げ部100-1、101-1を有する形状とし、この内側折曲げ部100-1、101-1は、後述する泡取りケース(2)2を縮めて差込んだ際に、この泡取りケース(2)を抱持し、かつ自然落下(泡取りケース(2)2のズレ落ち)回避を図る。この対峙する側板100、101間には、側面視して略鍵形を形成する泡封じこみ部材102を設ける。従って、本発明の泡取りケース(1)1は、側板100、101と、泡封じこみ部材102で構成されている。
【0032】
続いて、この泡封じこみ部材102の詳細を説明すると、泡封じこみ部材102は、内側折曲げ壁板103を有する前側となる第1壁板104と、第1壁板104の上端に繋がる天板105(面となる)と、この天板105に繋がる、前記前側に対峙する後側の第2壁板106の組合せであり、この組み合わせ時に、側板100、101の上側部位100b、101bが、天板105の面より突出する。この上側部位100b、101bには、二つの孔100-3、100-3、及び101-3、101-3がそれぞれ開設されている。
【0033】
尚、側板100、101の前板面100c、101cは、泡封じこみ部材102の第1壁板104と同じ面となり、かつ折曲げ壁板103は、側板100、101の上側部位100b、101bより短尺位置となり、この短尺位置と、側板100、101の下側部位100e、101eで形成される空間は、スペースFとなり、このスペースFには、後述する泡取りケース(2)2が差込まれる。前記折曲げ壁板103の内側端部は、アーチ形状とし、泡Eを、隙間208の近傍に集めやすくすることもできる。
【0034】
一方、側板100、101の後板面100d、101dは、泡封じこみ部材102の第2壁板106と同じ面となり、かつ後板面100d、101dの下端は、泡封じこみ部材102の第2壁板106の下端と同じ水平位置となる。但し、前記内側折曲げ部100-1、101-1に合わせた長さとする。
【0035】
前述の如く、側板100、101間に、泡封じこみ部材102を組付けることで、泡取りケース(1)1が形成されるとともに、その天板105には、後述するダクト差込口5が立設される。このダクト差込口5は、泡封じこみ部材102の内部に連通する。即ち、この泡封じこみ部材102に取り込まれる泡Eを、吸い上げることができる。
【0036】
請求項に述べた、一例として、天板105の面とは、泡封じこみ部材102の天板105の面をさす(図1図9等を参照)。
【0037】
そして前述した如く、折曲げ部位100-1、101-1に、泡取りケース(2)2が差込まれるが、この際に、折曲げ部位100-1、101-1の役割は、泡取りケース(2)2を受け入れ(差込み)可能とし、かつ差込み後は、泡取りケース(2)2を、所定の抱持力で支持し、かつ簡易に外れないこと(差込み後に、自然に外れない)のために設けられている。以上の如く、止め具等の部品を使用せず、簡易、かつ容易に、泡取りケース(2)2を差込み、かつ抜き出しできる。尚、側板100、101の奥面側には、切欠き部100-2、101-2を形成し、この切欠き部100-2、101-2は、後述する泡取りケース(2)2の下端庇部206、206の差込み空間となり、切欠き部100-2、101-2には、後述する泡取りケース(2)2の下端庇部206、206が差込み係止される。また、泡取りケース(2)2の位置決めに有効である。
【0038】
この泡取りケース(1)1には、図1図5図8等に示すように、泡封じこみ部材102が設けられることで、例えば、隙間208より取り込んだ泡E(異物を含む)の流れだしを防止する。
【0039】
図8-1~図8-4を基に、好ましい、泡取りケース(2)2の一例に関して、説明すると、この泡取りケース(2)2は、図8-1に示すように横長方形状を呈する天板200(天板200は、面200bを備えている)と、天板200の周面200a(四周辺)に設けられた、それぞれ、対峙関係となる第5壁板201、及び第6壁板202と、第7壁板203、及び第8壁板204とでなっており、少なくとも、第5壁板201、第6壁板202で、かつそれぞれの壁板(符号なし、以下同じ)の下側部位205、205には、それぞれ、外方側に向かって折り曲げ形成した、折曲げ部位207、207を備える。また、この折曲げ部位207、207の下端には、それぞれ、下端庇部206、206が形成される。図中209は、隙間であり、第7壁板203、及び第8壁板204のそれぞれの長手方向の端片(符号なし)と、折曲げ部位207、207の内側面との間に形成されており、折曲げ部位207、207の撓みを保証する。
【0040】
そして、両側の折曲げ部位207、207、及び第5壁板201、及び第6壁板202の長手方向の下側部位201a、202aで形成された、前記折曲げ部位207、207は、撓み代部207、207となる。この撓み代部207、207の役割は、撓み代部207、207が縮幅となることで、例えば、泡取りケース(1)1の折曲げ部100-1、101-1の空間に、泡取りケース(2)2の撓み代部207、207を、受け入れ可能とし(被差込まれる)、又は差込み後に、泡取りケース(1)1の折曲げ部100-1と折曲げ部101-1は、拡開した第5壁板201、及び第6壁板202を、所定の抱持力で支持し、かつ泡取りケース(2)2の外れを無くすこと(泡取りケース(2)2の差込み後に、自然に外れない)のために設けられている。即ち、止め具等の部品を使用せず、簡易、かつ容易に、泡取りケース(2)2を差込み、かつ抜き出しできることを意図する。尚、縮幅(縮み)を開放した時点で、泡取りケース2の下端庇部206、206は、前記切欠き部100-2、101-2に差込み係止される。
【0041】
また、図1図2と、図6図7-1等を基に、取付け部3、3(以下、3とする。対は同じ)の一例に関して、説明すると、この取付け部3を利用することで、例えば、泡取り部A1は、水槽Dの壁面D1に取付けられる。この取付け部3は、前記水槽Dの壁面D1に取付けられるフック300、300(以下、300とする)と、このフック300に垂設したポール301と、ポール301に上下動可能に支持したチャック302と、このチャック302を、泡取りケース(1)1の側板100、101の各孔100-3、101-3に、それぞれ取付ける、後述するボルト303(固定具)で構成されており、チャック302の緊締と、緊締解除で水槽Dの水面D2に沿って、泡取りケース(1)1の上下動を調整できる。このチャック302は、ポール301の差込みと、上下動等を許す、例えば、二股部形態であって、かつ二股部は、図示しない、孔(タップ等の形態か望ましい)に螺着等されるボルト303(止め具)でなる構成の固定部を利用し、締付け、かつ締付け解除ができる構造を利用し、泡取り装置Aの上下動と、泡取りケース(1)1、及び泡取りケース(2)2と水面D2との関係を確保できる。また、この泡取りケース(1)1、及び泡取りケース(2)2は、泡取りケース(1)1の上側部位100b、101bに設けた孔100-3、101-3と、この孔100-3、101-3(タップ等の形態か望ましい)に螺着等されるボルト304、304(止め具)でなる固定部を利用し、水槽Dの壁面D1に取付けられる。この取付け/取外しは、自由である。ボルト304の落下防止手段を利用することも有り得るが、原則として、ボルト304のみが望ましい。
【0042】
尚、前記の泡取りケース(1)1には、図3図5と、図7-1~図7-3に示すように、対峙する側板100、101と、この側板100、101間に設けた泡封じこみ部材102でスペースF(差込み空間)を形成する(筐空間)。具体的には、側板100、101の内側の板面と、この板面に設けた泡封じこみ部材102の下側端部102a(第1壁板104の下側端部(符号なし)と同じ)で形成される。そして、筐空間、即ち、スペースFには、泡取りケース(2)2が差込まれる。図1図2図7-1~図7-3、図8-4等の想定図を参照されたい。即ち、折曲げ部100-1、101-1を、僅かに拡開しながら、かつ泡取りケース(2)2の撓み代部207、207を自ら縮幅するようにして、スペースF内に収まるようにして、差し入れられる(泡取りケース(2)2が収容される)。
【0043】
次に、前記泡取り装置Aの水槽Dへの取付けは、泡取りケース(1)1のスペースFに泡取りケース(2)2を差込み、この状態で、各フック300が、水槽Dの壁面D1の上面に係止片300aで係止され、かつ壁面D1には、フック300の吊下げ片300bで、添設支持される。そこで、フック300の支持片300cに、一体となった、泡取りケース(1)1及び泡取りケース(2)2(泡取り部A1)を架承する。
【0044】
この架承で、図1図7-3、図9等の如く、泡取りケース(2)2をスペースFに差入れた際(収容の際)に、泡取りケース(1)1の泡封じこみ部材102の折曲げ壁板103(下側端部102a)と、泡取りケース(2)2の天板200の面200bの間には、泡Eを取り入れる隙間208が形成される。この隙間208は、原則として、水面D2に開口する。
【0045】
図中5はダクト差込口であり、このダクト差込口5は泡取りケース(1)1の天板105(泡封じこみ部材102の天板105)に設けられており、この一例では、天板105のセンターに位置することと、天板105を貫通し、前記泡取込み用の隙間208に開口する。そして、隙間208に取り込まれた泡Eは、ダクトBを経由し吸込み機Cに送られる(吸込まれる)。その後、この吸込み機Cより排出(廃棄)される。図中6は吸込み機Cの排泡口である。
【0046】
次に、本願発明の使用状態を説明すると、図1図2図3並びに図7-1の如く、水槽Dに取付けた取付け部3を利用し、水槽D内に、本願発明の泡取り装置A(泡取り部A1)を吊下する。この吊下で、泡取りケース(1)1の部材と、この泡取りケース(1)1に差入れられた泡取りケース(2)2の部材で形成された泡取込み用の隙間208は、水槽Dの水面D2(液面)に存在する。
【0047】
水面D2に存在する泡Eは、吸込み機Cの吸込み力で、隙間208から吸込まれる(泡Eを取り込む)。この吸込まれた泡Eは、その後、泡取りケース(2)2の天板200の面200bと、泡取りケース(1)1の第1壁板104の下側端部102a(折曲げ壁板103)の間の隙間208に開口するダクト差込口5に吸込まれた後、ダクトBから吸込み機Cを経由し、処理される。
【0048】
尚、泡取りケース(1)1は、側板100、101と、泡封じこみ部材102の組合せであるが、図示しないが、側板100、101と、折曲げ壁板103、及び第1壁板104と、天板105、並びに第2壁板106を、それぞれ、組付け可能とする構造、或いは、幾つかの組み合わせ構造でも採用できる。
【0049】
上述した説明とそれぞれの図面は、本発明の好ましい一例であって、この説明と各図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0050】
1 泡取りケース(1)
100 側板
100a 下側
100-1 折曲げ部
100-2 切欠き部
100-3 孔
100b 上側部位
100c 前板面
100d 後板面
100e 下側部位
101 側板
101a 下側
101-1 折曲げ部
101-2 切欠き部
101-3 孔
101b 上側部位
101c前板面
101d 後板面
101e 下側部位
102 泡封じこみ部材
102a 下側端部
103 折曲げ壁板
104 第1壁板
105 天板
106 第2壁板
2 泡取りケース(2)
200 天板
200a 周面(四周辺)
200b 面
201 第5壁板
201a 下側部位
202 第6壁板
202a 下側部位
203 第7壁板
204 第8壁板
205 下側部位
206 下端庇部
207 折曲げ部位(撓み代部)
208 隙間
209 隙間
3 取付け部
300 フック
300a 係止片
300b 吊下げ片
300c 支持片
301 ポール
302 チャック
303 ボルト(固定部)
304 ボルト
5 ダクト差込口
6 排泡口
A 泡取り装置
A1 泡取り部
B ダクト
C 吸込み機
D 水槽
D1 壁面
D2 水面
D3 水中
E 泡
F スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図8-4】
図9