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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163387
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】表示装置及び表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20231102BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20231102BHJP
   B61B 1/02 20060101ALI20231102BHJP
   B61L 25/02 20060101ALI20231102BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
G09G5/00 510A
B61B1/02
B61L25/02 A
H04N5/66 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074272
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 良視
【テーマコード(参考)】
3D101
5C058
5C182
5H161
【Fターム(参考)】
3D101AD10
3D101AD11
5C058AA06
5C058BA05
5C058BA26
5C058BA35
5C182AA03
5C182BA14
5C182BA23
5C182BA25
5C182CA01
5C182CB47
5C182DA66
5H161AA01
5H161BB01
5H161CC20
5H161DD01
5H161FF07
5H161GG03
5H161GG11
5H161GG23
(57)【要約】
【課題】表示部の輝度を適切に制御することが可能な表示装置及び表示方法を提供する。
【解決手段】表示装置は、駅のプラットホームに配置され、表示部を有し、モニターケースに収容される表示装置本体と、モニターケースの内部に配置される照度センサと、電車の入線を検出する入線センサにより電車の入線が検出されない場合には、表示部を待機状態とし、入線センサにより電車の入線が検出された場合には、表示部を出画状態とすると共に照度センサの測定結果に基づいて出画状態における表示部の輝度を制御する制御部とを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅のプラットホームに配置され、表示部を有し、モニターケースに収容される表示装置本体と、
前記モニターケースの内部に配置される照度センサと、
電車の入線を検出する入線センサにより前記電車の入線が検出されない場合には、前記表示部を待機状態とし、前記入線センサにより前記電車の入線が検出された場合には、前記表示部を出画状態とすると共に前記照度センサの測定結果に基づいて前記出画状態における前記表示部の輝度を制御する制御部と
を備える表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記電車の入線が検出された場合に、前記入線が検出された入線検出時点よりも前の第1時点における前記照度センサの検出結果と、前記入線検出時点よりも後の第2時点における前記照度センサの検出結果との差分を算出し、算出した前記差分に基づいて前記出画状態における前記表示部の輝度を制御する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記差分が所定値以上である場合には、前記第1時点における前記照度センサの検出結果に基づいて前記出画状態における前記表示部の輝度を制御し、
前記差分が前記所定値未満である場合には、前記第2時点における前記照度センサの検出結果に基づいて前記出画状態における前記表示部の輝度を制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記待機状態として、前記表示装置本体の電源をオンにしたまま前記表示部の輝度を所定の輝度よりも低くする
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
駅のプラットホームに配置され、表示部を有し、モニターケースに収容される表示装置による表示方法であって、
前記モニターケースの内部における照度を検出することと、
電車の入線を検出する入線センサにより前記電車の入線が検出されない場合には前記表示部を待機状態とすることと、
前記入線センサにより前記電車の入線が検出された場合には、前記表示部を出画状態とすることと、
前記表示部を前記出画状態とする際に、前記モニターケースの内部における照度の測定結果に基づいて前記出画状態における前記表示部の輝度を制御することと
を含む表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道、路面電車などの駅及びターミナルでは、顧客の乗降の安全性を確認するために、カメラと表示装置とがプラットホームに設置されている(例えば、特許文献1参照)。カメラで撮影した映像を表示装置で表示し、車掌等の乗務員が表示装置を見ることでドアの開閉を安全に行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-97336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなプラットホームに設置される表示装置では、表示部の輝度が適切に制御されることが求められる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、表示部の輝度を適切に制御することが可能な表示装置及び表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る表示装置は、駅のプラットホームに配置され、表示部を有し、モニターケースに収容される表示装置本体と、前記モニターケースの内部に配置される照度センサと、電車の入線を検出する入線センサにより前記電車の入線が検出されない場合には、前記表示部を待機状態とし、前記入線センサにより前記電車の入線が検出された場合には、前記表示部を出画状態とすると共に前記照度センサの測定結果に基づいて前記出画状態における前記表示部の輝度を制御する制御部とを備える。
【0007】
本開示に係る表示方法は、駅のプラットホームに配置され、表示部を有し、モニターケースに収容される表示装置による表示方法であって、前記モニターケースの内部における照度を検出することと、電車の入線を検出する入線センサにより前記電車の入線が検出されない場合には前記表示部を待機状態とすることと、前記入線センサにより前記電車の入線が検出された場合には、前記表示部を出画状態とすることと、前記表示部を前記出画状態とする際に、前記モニターケースの内部における照度の測定結果に基づいて前記出画状態における前記表示部の輝度を制御することとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、示部の輝度を適切に制御することが可能な表示装置及び表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係るモニターケースの一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るモニターケースの一例を示す図である。
図3図3は、フロントカバー及び表示部の一例を模式的に示す図である。
図4A図4Aは、本実施形態に係る複数の突起部の配列方向と偏光板のスリットの延びる方向との関係を模式的に示す図である。
図4B図4Bは、比較例に係る複数の突起部の配列方向と偏光板のスリットの延びる方向との関係を模式的に示す図である。
図5図5は、第2実施形態に係る表示装置の一例を模式的に示す図である。
図6図6は、第2実施形態に係る表示装置の一例を示すブロック図である。
図7図7は、第2実施形態に係る表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第3実施形態に係るモニターケースの一例を模式的に示す図(背面図)である。
図9図9は、第3実施形態に係るモニターケースの一例を模式的に示す図(上面図)である。
図10図10は、第3実施形態に係るモニターケースの一例を模式的に示す図(側面図)である。
図11図11は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図12図12は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図13図13は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図14図14は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図15図15は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図16図16は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図17図17は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図18図18は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
図19図19は、第3実施形態に係るモニターケースの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係るモニターケース、表示装置及び表示方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下、本実施形態において方向を記載する場合には、表示装置の表示部が向けられる方向を正面方向(正面側)とし、正面方向の反対側を背面方向(背面側)とする。また、表示装置が設置される状態における上側を上方(上面側)とし、下側を下方(下面側)とする。また、正面背面方向及び上下方向に直交する方向を側方(側面側)とする。
【0011】
[第1実施形態]
図1及び図2は、第1実施形態に係るモニターケース100の一例を示す図である。図1は正面側から見た図、図2図1におけるA-A断面に沿った構成を示している。図1及び図2に示すモニターケース100は、表示装置30を収容する。表示装置30は、液晶パネルで構成される表示部31を有する。表示部31は、表示面31aを有する。
【0012】
モニターケース100及び表示装置30は、例えば鉄道、路面電車などの駅及びターミナルのプラットホームに配置される。表示装置30は、電車等の車両のドア及びその付近の様子をカメラで撮影した映像を表示する。
【0013】
図1及び図2に示すように、モニターケース100は、ケース本体10と、フロントカバー20とを有する。なお、図2では、モニターケース100の正面側が下方に傾いた状態で配置された状態を示しているが、この構成に限定されない。
【0014】
ケース本体10は、モニター収容部11と、フロント枠部12と、フード部13とを有する。モニター収容部11は、表示装置30を収容する。フロント枠部12は、モニター収容部11の正面側に配置され、後述するフロントカバー20を支持する。フード部13は、フロント枠部12の上部及び両側部に亘って配置される。フード部13は、例えば太陽光等の外光が表示装置30に入射しないように遮光する。
【0015】
フロントカバー20は、表示部31の正面側に配置され、フロント枠部12に支持される。図3は、フロントカバー20及び表示部31の一例を模式的に示す図である。
【0016】
図3に示すように、表示部31は、液晶パネル32と、偏光板33とを有する。液晶パネル32は、例えば画素ごとにそれぞれのタイミングで液晶分子の配列を操作することで、バックライトからの光を正面側に通過させる。液晶パネル32の正面側には、例えば偏光板33、位相板(不図示)等の光学素子が配置される。偏光板33には、一方向に延びるスリット34が複数配置される。液晶分子の層を透過した光は、偏光板33等の光学素子により調光され、調光された光によって画像が形成される。
【0017】
フロントカバー20は、基板21及び反射抑制層22を有する。基板21は、例えば矩形状である。基板21は、例えば表示部31からの表示光等、光を透過する。基板21は、正面側の第1面21a及び背面側の第2面21bを有する。基板21は、第1面21a及び第2面21bにおける凹凸の高さ方向の寸法の差T1、T2が、偏光板33のスリット34の短手方向の寸法Wよりも小さくなるように形成される。
【0018】
反射抑制層22は、基板21の第1面21a及び第2面21bの両面に形成される。反射抑制層22は、光の反射を抑制する。反射抑制層22は、フィルム23に複数の突起部24が規則的な高低配列で配置された構成である。複数の突起部24は、光の反射角を制御して透過させることで、反射を抑制する構成である。
【0019】
図4Aは、本実施形態に係る複数の突起部24の配列方向と偏光板33のスリット34の延びる方向との関係を模式的に示す図である。図4Bは、比較例に係る複数の突起部24Aの配列方向と偏光板33Aのスリット34Aの延びる方向との関係を模式的に示す図である。図4Aに示すように、複数の突起部24の規則的な高低配列は、偏光板33のスリット34の長手方向D1に対して傾いた方向D2に配列される。複数の突起部24の配列方向D2と、スリット34の長手方向D1との間の角度は、例えば45°とすることができる。
【0020】
反射抑制層22を有するフロントカバー20を表示部31の正面側に配置した場合、表示部31に配置される偏光板33のスリット34と、反射抑制層22の複数の突起部24とが同様の寸法で配置される。基板21の第1面21a及び第2面21bにおける凹凸の高さ方向の寸法の差が大きい場合、複数の突起部24と偏光板33のスリット34との間で干渉が発生し、スリット34の配列方向に干渉縞が生じる。また、図4Bに示すように、反射抑制層22Aにおいて、複数の突起部24Aの配列方向がスリット34Aの長手方向に沿っている場合、干渉縞が見えやすくなる。
【0021】
これに対して、本実施形態において、基板21は、第1面21a及び第2面21bにおける凹凸の高さ方向の寸法の差T1、T2が、偏光板33のスリット34の短手方向の寸法Wよりも小さくなるように形成される。また、複数の突起部24の規則的な高低配列がスリット34の長手方向に対して傾いた方向に配列される。このため、干渉縞の発生を抑制することができ、干渉縞が発生した場合でも干渉縞を見えにくくすることができる。
【0022】
以上のように、本実施形態に係るモニターケース100は、液晶パネル32を有する表示部31が設けられた表示装置30を収容するケース本体10と、ケース本体10に支持され、表示部31の正面側に配置されるフロントカバー20と、を備え、フロントカバー20は、光を透過する基板21と、基板21の正面側の第1面21a及び背面側の第2面21bの両面に形成され、光の反射を抑制する反射抑制層22とを有し、基板21は、第1面21a及び第2面21bにおける凹凸の高さ方向の寸法の差が、液晶パネル32に設けられる正面側の偏光板33のスリット34の短手方向の寸法よりも小さくなるように形成され、反射抑制層22は、偏光板33のスリット34の長手方向に対して傾いた方向に配列された複数の突起部24を有する。
【0023】
この構成によれば、フロントカバー20において、反射を抑制しつつ、干渉縞の発生を抑制することができ、干渉縞が発生した場合でも干渉縞を見えにくくすることができる。これにより、表示装置30の表示部31の正面側にフロントカバー20を配置する場合において、フロントカバー20の前方から表示部31に映る画像を安定して見ることができる。
【0024】
本実施形態に係るモニターケース100において、フロントカバー20は、表示部31の表示面31aに沿った方向に配置される。この構成によれば、フロントカバー20が表示面31aに沿った方向に配置されることで、モニターケース100の正面背面方向の寸法を抑制することができる。
【0025】
本実施形態に係るモニターケース100において、複数の突起部24の規則的な高低配列は、スリット34の長手方向に対して45°傾いた方向に配列される。この構成によれば、フロントカバー20において干渉縞の発生をより確実に抑制することができる。
【0026】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る表示装置130の一例を模式的に示す図である。図6は、第2実施形態に係る表示装置130の一例を示すブロック図である。図5及び図6に示す表示装置130は、例えば第1実施形態の表示装置30と同様に、鉄道、路面電車などの駅及びターミナルのプラットホームに配置される。本実施形態において、表示装置130が配置される駅及びターミナルには、電車の入線を検出する入線センサ140が設けられる。入線センサ140は、検出結果を後述する制御部134に出力する。表示装置130は、表示装置本体131と、表示部132と、照度センサ133と、制御部134と、記憶部135とを有する。表示装置本体131は、モニターケース200に収容される。
【0027】
モニターケース200は、ケース本体110及びフロントカバー120を有する。ケース本体110は、表示装置130を収容する。フロントカバー120は、表示部132の正面側に配置される。フロントカバー120は、反射抑制層122を表面に有する。フロントカバー120は、例えば第1実施形態に記載のフロントカバー20と同様の構成であってもよい。
【0028】
照度センサ133は、モニターケース200の内部に配置される。照度センサ133は、モニターケース200の内部における照度を検出する。照度センサ133は、例えば常時あるいは予め決められたタイミングでの照度を検出し、検出結果を制御部134に出力する。
【0029】
制御部134は、表示装置130の動作を統括的に制御する。制御部134は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有する。
【0030】
制御部134は、照度処理部136と、表示制御部137とを有する。照度処理部136は、入線センサ140による検出結果を取得する。また、照度処理部136は、照度センサ133による検出結果を取得する。照度処理部136は、電車の入線が検出された旨の検出結果を取得した場合、当該入線が検出された入線検出時点よりも前の第1時点における照度センサ133の検出結果と、入線検出時点よりも後の第2時点における照度センサ133の検出結果との差分を算出する。
【0031】
表示制御部137は、表示部132の表示動作を制御する。表示制御部137は、入線センサ140による検出結果を取得する。表示制御部137は、電車の入線が検出された旨の検出結果を取得しない場合、表示部132を待機状態とする。待機状態は、表示装置130の電源をオンにしたまま表示部132の輝度を所定の輝度よりも低くする状態を含む。待機状態は、表示装置130の電源をオンにしたまま表示部132の輝度を0にする状態を含む。また、待機状態は、表示部132の輝度が抑制された輝度抑制状態を含む。
【0032】
表示制御部137は、電車の入線が検出された旨の検出結果を取得した場合には、表示部132を出画状態とする。出画状態は、所定の映像を表示部132に適切に視認できるように設定された表示状態である。また、出画状態は、上記した表示部132の輝度抑制状態が解除された輝度抑制解除状態を含む。所定の映像としては、例えば駅のプラットホームに設置されたカメラにより撮影された映像等が挙げられる。
【0033】
表示制御部137は、照度センサ133の測定結果に基づいて、出画状態における表示部132の輝度を制御する。表示制御部137は、例えば、照度処理部136により算出された差分に基づいて、出画状態における表示部132の輝度を制御することができる。この場合、表示制御部137は、差分が所定値以上である場合には、第1時点における照度センサ133の検出結果に基づいて出画状態における表示部132の輝度を制御する。また、差分が所定値未満である場合には、第2時点における照度センサ133の検出結果に基づいて出画状態における表示部132の輝度を制御する。
【0034】
記憶部135は、各種情報を記憶する。記憶部135は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部135として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部135は、例えば表示部132の輝度として予め設定される値を記憶する。記憶部135は、表示部132の輝度は、例えば照度センサ133が設けられる位置における照度の値と対応付けて記憶する。
【0035】
次に、上記の表示装置130の動作の一例を説明する。駅のプラットホームに設置される表示装置130では、プラットホームに電車が到着していない場合、必ずしも表示装置130に映像を表示させる必要がない。従って、表示制御部137は、入線センサ140により電車の入線が検出されない場合、表示部132を待機状態とする。なお、照度センサ133は、常時あるいは予め決められたタイミングでの照度を検出し、検出結果を記憶部135に記憶させる。
【0036】
一方、プラットホームに電車が到着した場合、表示装置130に映像を表示させることで、例えば車掌又は駅員が表示装置130を見ながら乗客の乗降の安全を確認することができ、ドアの開閉等を安全に行うことができる。従って、表示制御部137は、入線センサ140により電車の入線が検出された場合、表示部132を待機状態から出画状態に切り替える。この制御により、プラットホームで撮影された映像が表示部132に表示される。
【0037】
また、入線センサ140により電車の入線が検出された場合、照度処理部136は、当該入線が検出された入線検出時点よりも前の第1時点における照度センサ133の検出結果と、入線検出時点よりも後の第2時点における照度センサ133の検出結果との差分を算出する。
【0038】
第1時点において駅のプラットホームの照度が低い場合、表示部132の表示光が照度センサ133の検出結果に与える影響が大きくなる。このため、第1時点における照度センサ133の検出結果と、第2時点における照度センサ133の検出結果との差分が大きくなる。したがって、この場合、表示制御部137は、第1時点における照度センサ133の検出結果に基づいて、出画状態における表示部132の輝度を制御する。
【0039】
一方、第1時点において駅のプラットホームの照度が高い場合、表示部132の表示光が照度センサ133の検出結果に与える影響が小さくなる。このため、第1時点における照度センサ133の検出結果と、第2時点における照度センサ133の検出結果との差分が小さくなる。したがって、この場合、表示制御部137は、第2時点における照度センサ133の検出結果に基づいて、出画状態における表示部132の輝度を制御する。
【0040】
例えば、表示制御部137は、記憶部135に記憶される照度と輝度との対応関係に基づいて、検出結果に相当する照度の値に対応する輝度を出画状態における表示部132の輝度として設定することができる。
【0041】
この制御により、非入線時及び入線時のそれぞれにおいて、プラットホームの照度に応じて表示部132の輝度が設定されるため、いずれの場合においても表示部132が見やすい状態となる。また、非入線時に表示部132を待機状態にすることにより、表示装置130の消費電力が抑制される。
【0042】
図7は、第2実施形態に係る表示装置130の動作の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、表示制御部137は、表示装置130の表示部132を待機状態とする(ステップS101)。照度センサ133は、モニターケースの内部における照度を検出する(ステップS102)。制御部134において、表示制御部137は、入線センサ140の検出結果に基づいて電車の入線が検出されたか否かを判定する(ステップS103)。
【0043】
電車の入線が検出されないと判定した場合(ステップS103のNo)、表示制御部137は、ステップS102の処理を繰り返し行う。
【0044】
電車の入線が検出されたと判定した場合(ステップS103のYes)、表示制御部137は、表示装置130の表示部132を出画状態とする(ステップS104)。この場合、照度処理部136は、入線検出時点よりも前の第1時点における照度センサ133の検出結果と、入線検出時点よりも後の第2時点における照度センサ133の検出結果との差分を算出する(ステップS105)。
【0045】
表示制御部137は、算出された差分が所定値以上である場合には(ステップS106のYes)、第1時点における照度センサ133の検出結果に基づいて、出画状態における表示部132の輝度を制御する(ステップS107)。一方、算出された差分が所定値未満である場合には(ステップS106のNo)、第2時点における照度センサ133の検出結果に基づいて、出画状態における表示部132の輝度を制御する(ステップS108)。
【0046】
表示制御部137は、プラットホームから電車が発車したか否かを判定し(ステップS109)、プラットホームから電車が発車していないと判定した場合(ステップS109のNo)、ステップS105以降の処理を繰り返し行う。一方、表示制御部137は、プラットホームから電車が発車したと判定した場合(ステップS109のYes)、表示部132を出画状態から待機状態に切り替える(ステップS110)。その後、表示制御部137は、表示装置130の動作を終了するか否かを判定し(ステップS111)、終了しないと判定した場合(ステップS111のNo)、ステップS102以降の処理を繰り返し行う。表示制御部137は、表示装置130の動作を終了すると判定した場合(ステップS111のYes)、処理を終了する。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る表示装置130は、駅のプラットホームに配置され、表示部132を有し、モニターケース200に収容される表示装置本体131と、モニターケース200の内部に配置される照度センサ133と、電車の入線を検出する入線センサ140により電車の入線が検出されない場合には、表示部132を待機状態とし、入線センサ140により電車の入線が検出された場合には、表示部132を出画状態とすると共に照度センサ133の測定結果に基づいて出画状態における表示部132の輝度を制御する制御部134とを備える。
【0048】
本実施形態に係る表示方法は、駅のプラットホームに配置され、表示部132を有し、モニターケース200に収容される表示装置130による表示方法であって、モニターケース200の内部における照度を検出することと、電車の入線を検出する入線センサ140により電車の入線が検出されない場合には表示部132を待機状態とすることと、入線センサ140により電車の入線が検出された場合には、表示部132を出画状態とすることと、表示部132を出画状態とする際に、モニターケース200の内部における照度の測定結果に基づいて出画状態における表示部132の輝度を制御することとを含む。
【0049】
この構成によれば、電車の入線時及び非入線時のそれぞれにおいて、照度センサ133の測定結果に応じて表示部132の輝度が設定されるため、いずれの場合においても表示部132が見やすい状態となる。また、非入線時に表示部132を待機状態にすることにより、表示装置130の消費電力が抑制される。
【0050】
本実施形態に係る表示装置130において、制御部134は、電車の入線が検出された場合に、入線が検出された入線検出時点よりも前の第1時点における照度センサ133の検出結果と、入線検出時点よりも後の第2時点における照度センサ133の検出結果との差分を算出し、算出した差分に基づいて出画状態における表示部132の輝度を制御する。この構成によれば、第1時点における照度センサ133の検出結果と第2時点における照度センサ133の検出結果との差分に基づいて、出画状態における表示部132の輝度が設定される。これにより、表示部132をより確実に見やすい状態とすることができる。
【0051】
本実施形態に係る表示装置130において、制御部134は、差分が所定値以上である場合には、第1時点における照度センサ133の検出結果に基づいて出画状態における表示部132の輝度を制御し、差分が所定値未満である場合には、第2時点における照度センサ133の検出結果に基づいて出画状態における表示部132の輝度を制御する。この構成によれば、プラットホームの照度と、モニターに表示された映像によるわずかな反射の状態に応じて表示部132の輝度を精度よく設定することができる。
【0052】
本実施形態に係る表示装置130において、制御部134は、待機状態として、表示装置本体131の電源をオンにしたまま表示部132の輝度を所定の輝度よりも低くする。この構成によれば、非入線時における表示装置130の消費電力をより確実に抑制することができる。
【0053】
[第3実施形態]
図8から図10は、第3実施形態に係るモニターケース300の一例を模式的に示す図である。図8は背面側から見た図、図9は上面側から見た図、図10は側面側から見た図を示している。
【0054】
図8から図10に示すように、モニターケース300は、ケース本体210と、フロントカバー220と、スライド機構230とを備える。
【0055】
ケース本体210は、表示装置240を収容する。ケース本体210の背面には、表示装置240を固定するためのねじ穴210aが設けられる。ケース本体210は、フレーム211を有する。フレーム211は、フロントカバー220の正面側に配置される。
【0056】
ケース本体210は、フレーム211のうちフロントカバー220に対向する部分に防水パッキン212を有する。フレーム211及び防水パッキン212は、表示装置240の表示部241に位置する部分が開口している。
【0057】
フロントカバー220は、ケース本体210とスライド機構230とで支持される。フロントカバー220は、表示装置240の表示部241の正面側を覆う。フロントカバー220は、後述するスライド棒231により防水パッキン212に押し付けられた状態で保持される。
【0058】
スライド機構230は、例えばケース本体210に対して上下方向にスライド可能である。スライド棒231と、ガイド部232とを有する。
【0059】
スライド棒231は、フロントカバー220の側方の両側の縁部である側縁部221に対応する位置に一対配置される。一対のスライド棒231は、上部連結部233及び下部連結部234により連結される。下部連結部234は、フロントカバー220の下部を支持する。一対のスライド棒231は、一体でスライド可能である。スライド棒231は、スライド方向に平行な回転軸を中心として回転可能である。スライド棒231は、横断面形状が楕円状又は長円状である(図9参照)。
【0060】
スライド棒231は、正面背面方向について、後述するガイド部232の背面部232cとフロントカバーの側縁部221との間に配置される。スライド棒231は、回転位置を調整することにより、長軸側でフロントカバー220をケース本体210のフレーム211に押し付けて固定する固定状態と、長軸側をフロントカバー220から離して固定状態を開放する開放状態と、フロントカバー220のメンテナンスを行うためのメンテナンス状態とを切り替え可能である。固定状態において、スライド棒231は、長軸側の後端部が背面部232cを押圧し、長軸側の前端部がフロントカバー220をフレーム211側に押圧する。
【0061】
スライド棒231は、スライド方向の上端部にL状に折り曲げられたレバー231aを有する。また、スライド棒231は、スライド方向の下端部にL状のフック231bを有する。上方から見た場合、レバー231aとフック231bとは、90°ずれた位置に設けられる。
【0062】
スライド棒231が開放状態となる場合、レバー231aは、後方に突出するように配置される。また、スライド棒231が開放状態となる場合、フック231bは、側方向の外側に突出するように配置される。本実施形態において、フック231bが側方向の外側に突出する位置は、保持位置から退避した退避位置である。
【0063】
スライド棒231が固定状態となる場合、レバー231aは、側方向の内側に突出するように配置される。また、スライド棒231が固定状態となる場合、フック231bは、後方に突出するように配置される。本実施形態において、フック231bが後方に突出する位置は、保持位置から退避した退避位置である。
【0064】
スライド棒231がメンテナンス状態となる場合、レバー231aは、側方向の外側に突出するように配置される。また、スライド棒231がメンテナンス状態となる場合、フック231bは、前方に突出するように配置される。本実施形態において、前方に突出する位置は、フロントカバー220を保持可能な保持位置である。
【0065】
ガイド部232は、スライド棒231のスライド移動を案内する。ガイド部232は、内側部232aと、外側部232bと、背面部232cとを有する。内側部232aは、スライド棒231に対して側方向の内側に配置される。外側部232bは、スライド棒231に対して側方向の外側に配置される。背面部232cは、スライド棒231に対して背面側に配置される。ガイド部232は、内側部232aと、外側部232bと、背面部232cとが横断面形状でコ字状となるように設けられる。
【0066】
ガイド部232は、第1スリット236a、第2スリット236b及び第3スリット236cを有する。第1スリット236aは、背面部232cにスライド方向に沿って設けられる。第1スリット236aの幅方向(側方向)の寸法は、スライド棒231のレバー231aを格納可能に形成される。スライド棒231が開放状態となる場合、後方に突出するレバー231aが第1スリット236aに挿入される。このため、スライド棒231が円滑にスライド可能となる。
【0067】
第2スリット236bは、第1スリット236aのスライド方向の一端(本実施形態では、上端)に設けられる。第2スリット236bは、背面部232cから内側部232aにかけて、第1スリット236aから側方の少なくとも一方側(本実施形態では、内側)に延びている。なお、第2スリット236bは、背面部232cから内側部232a及び外側部232bにかけて、第1スリット236aから側方向の両側に延びた形状となっていてもよい。第2スリット236bは、スライド棒231のレバー231aが通過可能に設けられる。第2スリット236bは、スライド棒231のレバー231aを格納する。スライド棒231が固定状態となる場合、第2スリット236bは、側方の内側に突出するレバー231aを格納する。レバー231aが第2スリット236bに格納されることで、レバー231aとガイド部232との間が上下方向に係止される。このため、スライド棒231の降下が防止される。
【0068】
第3スリット236cは、第1スリット236aのスライド方向の他端(本実施形態では、下端)に設けられる。第3スリット236cは、背面部232cから外側部232bにかけて、第1スリット236aから側方の一方側(本実施形態では、外側)に延びている。第3スリット236cは、スライド棒231のレバー231aが通過可能に設けられる。第3スリット236cは、スライド棒231のレバー231aを格納する。スライド棒231がメンテナンス状態となる場合、第3スリット236cは、側方の外側に突出するレバー231aを格納する。レバー231aが第3スリット236cに格納されることで、レバー231aとガイド部232との間が上下方向に係止される。このため、スライド棒231の落下が防止される。
【0069】
次に、上記のように構成されたモニターケース300の使用方法の一例を説明する。図11から図19は、第3実施形態に係るモニターケース300の使用状態を示す図である。表示装置240を収容する場合、ケース本体210の内部に表示装置240を配置した状態で、ケース本体210の背面のねじ穴210aを介して、不図示のねじ部材により表示装置240を締結する。
【0070】
表示装置240を締結した後、フロントカバー220を装着する。フロントカバー220を装着する際、図8及び図10に示すように、レバー231aが第1スリット236aの下端に位置するように一対のスライド棒231を配置する。この状態で、図11及び図12に示すように、レバー231aが第3スリット236cに格納されるように各スライド棒231の回転位置を調整する。この調整により、各スライド棒231がメンテナンス状態となる。各スライド棒231がメンテナンス状態となることにより、フック231bが前方に突出した保持位置に配置される。この状態で、下部連結部234にフロントカバー220を載置することで、フック231bがフロントカバー220の前方側を保持可能となる。したがって、フロントカバー220に必要な作業を行う際に、フロントカバー220の脱落を抑制できる。なお、スライド棒231をメンテナンス状態とはせずに、開放状態としてフロントカバー220を下部連結部234に載置してもよい。
【0071】
フロントカバー220を下部連結部234に載置し、又は必要な作業を行った後、再び図8及び図10に示すように、レバー231aが第1スリット236aに格納されるように各スライド棒231の回転位置を調整する。レバー231aが第1スリット236aに格納されることで、各スライド棒231が開放状態となる。各スライド棒231が開放状態となることで、フック231bが側方の外側に突出した退避位置に配置される。
【0072】
レバー231aを第1スリット236aに格納して各スライド棒231を開放状態とした後、図13及び図14に示すように、各スライド棒231を押し上げる。この動作により、各スライド棒231は、レバー231aが第1スリット236aに沿うように上昇する。レバー231aが第1スリット236aの上端まで上昇することにより、図15及び図16に示すように、フロントカバー220が表示装置240の表示部241の前方に配置される。
【0073】
レバー231aが第1スリット236aの上端に到達した後、図17及び図18に示すように、当該レバー231aが第2スリット236bに格納されるように各スライド棒231の回転位置を調整する。レバー231aが第2スリット236bに格納されることにより、各スライド棒231が固定状態となる。このように、第2スリット236bを設けることにより、ガイド部232に干渉することなくスライド棒231を回転することができる。また、レバー231aが第2スリット236bに格納されることで、ガイド部232の背面部232cに係止されるため、スライド棒231の降下を防止できる。
【0074】
各スライド棒231が固定状態となることで、図19に示すように、スライド棒231の長軸側の一方がフロントカバー220をフレーム211の防水パッキン212に押し付けた状態となる。これにより、フロントカバー220がフレーム211に固定される。この場合、スライド棒231の長軸側の他方は、ガイド部232の背面部232cにより背面側から支持された状態となる。また、スライド棒231の長軸側の他方は、第1スリット236aに嵌った状態となる。このため、スライド棒231の回転位置がずれることを抑制できる。なお、スライド棒231が固定状態となることで、フック231bが後方に突出する位置に移動する。このようにスライド棒231を固定状態とすることで、表示装置240及びフロントカバー220の取り付けが完了する。
【0075】
モニターケース300及び表示装置240は、長期に亘って使用するため、適宜メンテナンスを行う必要がある。メンテナンスは、フロントカバー220を交換することを含む。フロントカバー220の交換は、フロントカバー220の取り外しと、フロントカバー220の取り付けとを含む。フロントカバー220の取り付けについては、上記説明を適用可能である。以下、固定された状態のフロントカバー220を取り外す手順について説明する。
【0076】
この場合、図17及び図18に示す状態から、図15及び図16に示すように、第2スリット236bに格納されるレバー231aが第1スリット236aに格納されるように各スライド棒231の回転位置を調整する。レバー231aが第1スリット236aに格納されることにより、各スライド棒231が開放状態となる。各スライド棒231が開放状態となることで、フロントカバー220の固定が解除される。固定が解除されたフロントカバー220は、下部連結部234に支持される。また、各スライド棒231が開放状態となることで、後方に突出した位置に配置されていたフック231bが、側方に突出した位置に移動する。
【0077】
この状態から、各スライド棒231を下方に引き寄せる。各スライド棒231は、レバー231aが第1スリット236aに沿うようにガイド部232に案内されて下降する。レバー231aが第1スリット236aの下端に到達した場合、フロントカバー220を取り外して、新たなフロントカバー220を取り付ける。これにより、フロントカバー220の交換が完了する。なお、図11及び図12に示すように、当該スライド棒231をメンテナンス状態として、フロントカバー220に必要な作業を行ってもよい。その後、上記同様に、レバー231aを第1スリット236aに格納させ、レバー231aが第1スリット236aの上端に位置するように各スライド棒231を上昇させて、各スライド棒231を固定状態とする。これにより、フロントカバー220の取り付けが完了する。
【0078】
以上のように、本実施形態に係るモニターケース300は、表示部241を有する表示装置240を収容するモニターケース300であって、正面側にフレーム211を有するケース本体210と、ケース本体210に対して所定のスライド方向にスライド可能なスライド機構230と、スライド機構230により側方向の両側の側縁部221がフレーム211に支持された状態でケース本体210に収容され、表示部240の正面側を覆うフロントカバー220とを備え、スライド機構230は、フロントカバー220の側縁部221に対応する位置に配置され、スライド方向に平行な回転軸を中心として回転可能な一対のスライド棒231と、ケース本体210に設けられ、一対のスライド棒231を案内するガイド部232とを有し、一対のスライド棒231は、フロントカバー220の側縁部221の背面側に配置され、横断面形状が楕円状又は長円状であり、回転位置を調整することにより長軸側でフロントカバー220をフレーム211に押し付けて固定する固定状態と、長軸側をフロントカバー220から離して固定状態を開放する開放状態とを切り替え可能である。
【0079】
この構成によれば、一対のスライド棒231の回転位置を調整して固定状態と開放状態とを切り替えることで、フロントカバー220の取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。また、一対のスライド棒231をケース本体210に対してスライド方向にスライドさせることにより、モニターケース300の設置位置に対して離れた位置でメンテナンスを行うことができる。これにより、フロントカバー220のメンテナンス作業の負担を低減することができる。
【0080】
本実施形態に係るモニターケース300において、ガイド部232は、スライド棒231の側方向の内側に配置される内側部232aと、スライド棒231の側方向の外側に配置される外側部232bと、スライド棒231の背面側に配置される背面部232cとを有し、横断面形状がコ字状であり、一対のスライド棒231は、正面背面方向についてガイド部232の背面部232cとフロントカバー220の側縁部221との間に配置される。この構成によれば、ガイド部232は、スライド棒231を案内する機能と、スライド棒231をフロントカバー220側に押し付ける際に背面側から支持する機能とを兼ね備えた構成とすることができる。
【0081】
本実施形態に係るモニターケース300において、ケース本体210は、フレーム211のうちフロントカバー220の側縁部221に対向する部分に防水パッキン212を有し、フロントカバー220は、一対のスライド棒231の回転により防水パッキン212に押し付けられる。この構成によれば、モニターケース300の内部に水分が侵入することを抑制できる。
【0082】
本実施形態に係るモニターケース300において、一対のスライド棒231は、スライド方向の上端に折り曲げられたレバー231aを有し、ガイド部232の背面部232cは、スライド方向に沿って設けられレバー231aが通過可能な第1スリット236aと、第1スリット236aのスライド方向の一端に設けられ第1スリット236aから側方の少なくとも一方側に延びてレバー231aが通過可能な第2スリット236bと、第1スリット236aのスライド方向の他端に設けられ第1スリット236aから側方の少なくとも他方側に延びてレバー231aが通過可能な第3スリット236cと、を有し、一対のスライド棒231は、回転位置を調整することによりレバー231aを第2スリット236b又は第3スリット236cに格納可能である。この構成によれば、レバー231aを第2スリット236b及び第3スリット236cに格納することで、レバー231aとガイド部232とがスライド方向に係止される。このため、スライド棒231とガイド部232との間のスライド方向への相対移動を規制できる。また、スライド棒231がガイド部232との間で干渉することなく移動可能となる。
【0083】
本実施形態に係るモニターケース300において、一対のスライド棒231は、下端部にL状のフック231bを有し、回転位置を調整することにより固定状態及び開放状態とは異なるメンテナンス状態に設定可能であり、メンテナンス状態においてフック231bがフロントカバー220の下端部を保持可能な保持位置に配置され、固定状態及び開放状態においてフック231bが保持位置から退避するように設けられる。この構成によれば、フロントカバー220をスライド棒231に支持した状態でメンテナンスを行うことができる。
【0084】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0085】
10,110,210…ケース本体、11…モニター収容部、12…フロント枠部、13…フード部、20,120,220…フロントカバー、21…基板、21a…第1面、21b…第2面、22…反射抑制層、23…フィルム、24…突起部、30,130,240…表示装置、31,132,241…表示部、31a…表示面、32…液晶パネル、33…偏光板、34…スリット、100,200,300…モニターケース、131…表示装置本体、133…照度センサ、134…制御部、135…記憶部、136…照度処理部、137…表示制御部、140…入線センサ、210a…ねじ穴、211…フレーム、212…防水パッキン、221…側縁部、230…スライド機構、231…スライド棒、231a…レバー、231b…フック、232…ガイド部、232a…内側部、232b…外側部、232c…背面部、233…上部連結部、234…下部連結部、236a…第1スリット、236b…第2スリット、236c…第3スリット
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19