(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163430
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 11/42 20060101AFI20231102BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B41J11/42
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074348
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】辻村 祐樹
【テーマコード(参考)】
2C058
【Fターム(参考)】
2C058AB15
2C058AC07
2C058AE02
2C058AE04
2C058AF20
2C058AF51
2C058GB12
2C058GB14
2C058GB47
2C058GB53
2C058GC02
2C058LA02
2C058LA07
2C058LA23
2C058LA24
2C058LB10
2C058LB17
2C058LB19
2C058LB36
2C058LC02
2C058LC03
2C058LC10
(57)【要約】
【課題】記録部の上流側にカッターを配置する構成において、シート状媒体の斜行を補正できるようにする。
【解決手段】長尺の用紙Pがロール状に巻回されたロール体Rを支持するロール体支持部25と、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pに画像を記録する記録部6と、ロール体支持部25と記録部6との間に配置された中間ローラ対41であって、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pをロール体支持部25から記録部6に向かう搬送方向に搬送する中間ローラ対41と、ロール体支持部25と記録部6との間に配置されており、搬送部4によって搬送される用紙Pを切断するカッター5と、制御部9と、を備える。制御部9は、用紙Pにおける搬送方向の下流側端が中間ローラ対41に突き当たるように、中間ローラ対41の回転を制御する斜行補正処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状媒体がロール状に巻回されたロール体を支持する第1支持部と、
前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体に画像を記録する記録部と、
前記第1支持部と前記記録部との間に配置されたローラ対であって、前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体を前記第1支持部から前記記録部に向かう搬送方向に搬送するローラ対と、
前記第1支持部と前記記録部との間に配置されており、前記搬送部によって搬送されるシート状媒体を切断するカッターと、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、シート状媒体における前記搬送方向の下流側端が前記ローラ対に突き当たるように、前記搬送ローラの回転を制御する斜行補正処理を実行することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記ローラ対は、前記搬送方向に関して前記カッターの下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記斜行補正処理の実行の要否を判断する実行判断処理をさらに実行し、
前記実行判断処理において前記斜行補正処理の実行が必要であると判断した場合に前記斜行補正処理を実行し、前記実行判断処理において前記斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合は前記斜行補正処理を実行しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記第1支持部に前記ロール体が支持されてシート状媒体がセットされたことを検知する検知部をさらに備えており、
前記制御部は、前記実行判断処理において、前記検知部によりシート状媒体がセットされたことが検知された後に前記記録部での画像の記録が実行されたか否かを判断し、未だ画像の記録が実行されていないと判断した場合に、前記斜行補正処理の実行が不要であると判断することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
情報を報知する報知部と、
操作部と、をさらに備えており、
前記制御部は、
前記検知部によりシート状媒体がセットされたことが検知されたとき、シート状媒体の下流側端部の切断の要否を選択する旨を報知するように前記報知部を制御する報知処理と、
前記操作部を介して前記切断が必要である旨の選択を受け付けた場合は、前記記録部によるシート状媒体への画像の記録を実行することなく前記カッターによりシート状媒体を切断する切断処理を実行し、
前記操作部を介して前記切断が不要である旨の選択を受け付けた場合は、前記カッターによるシート状媒体の切断を実行することなく前記記録部によりシート状媒体に画像の記録を行う記録処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記実行判断処理において前記斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合に、前記記録部によるシート状媒体への画像の記録を実行することなく、前記ローラ対によってシート状媒体を前記搬送方向に所定量搬送した後搬送を停止する搬送処理と、前記搬送処理後に前記カッターによりシート状媒体を切断する切断処理と、を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項7】
第1ローラ対と、前記搬送方向に関して前記第1ローラ対の下流側に配置された第2ローラ対と、の2つの前記ローラ対を有しており、
前記制御部は、前記切断処理において切断されるシート状媒体の前記搬送方向に沿う長さが、前記第1ローラ対と前記第2ローラ対との間のシート状媒体の搬送経路に沿う長さ未満となるように、前記搬送処理でのシート状媒体の搬送量を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
情報を報知する報知部をさらに備えており、
前記制御部は、前記切断処理を実行した後に、切断したシート状媒体を取り除く旨を前記報知部に報知させることを特徴とする請求項7に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記搬送方向に関して前記記録部の下流側に配置されており、シート状媒体を排出する排出ローラ対をさらに備えており、
前記制御部は、前記切断処理において、切断されるシート状媒体の前記搬送方向に沿う長さが、前記ローラ対と前記排出ローラ対との間のシート状媒体の搬送経路に沿う長さを超えるように、前記搬送処理でのシート状媒体の搬送量を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項10】
情報を報知する報知部と、
操作部と、をさらに備えており、
前記制御部は、
前記切断処理においてシート状媒体を定型サイズとなるように切断するか否かを選択する旨を報知するように前記報知部を制御する報知処理をさらに実行し、
前記操作部を介して定形サイズとなるように切断する旨の選択を受け付けた場合は、前記切断処理において、切断されるシート状媒体の前記搬送方向に沿う長さが、定形サイズの前記搬送方向に沿う長さとなるように、前記搬送処理でのシート状媒体の搬送量を制御することを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
定型サイズのシート状媒体を支持する第2支持部をさらに備えており、
前記制御部は、前記第2支持部から前記定型サイズのシート状媒体を搬送する場合には、前記実行判断処理を実行することなく前記斜行補正処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール体から巻き解かれたシート状媒体に画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、収容部(ロール体支持部)に収容されたロール紙本体(ロール体)から巻き解かれて搬送方向に搬送される記録媒体(シート状媒体)に対して、記録ヘッド(記録部)により画像を記録するプリンター(画像記録装置)が開示されている。かかるプリンターには、記録媒体の搬送方向に関して記録ヘッドの下流側にカッター装置(カッター)が配置されている。カッター装置により、画像が記録された記録媒体が切断されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明者らは、シート状媒体の搬送方向に関して記録部の上流側にカッターを配置することを考えている。しかしながら、記録部の上流側にカッターを配置する場合には、記録部の下流側にカッターを配置する場合に比べて、記録部までのシート状媒体の搬送距離が長くなりやすい。記録部までのシート状媒体の搬送距離が長くなると、シート状媒体の斜行が生じやすい。
【0005】
本発明の目的は、記録部の上流側にカッターを配置する構成において、シート状媒体の斜行を補正することができる画像記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像記録装置は、シート状媒体がロール状に巻回されたロール体を支持する第1支持部と、前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体に画像を記録する記録部と、前記第1支持部と前記記録部との間に配置されたローラ対であって、前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体を前記第1支持部から前記記録部に向かう搬送方向に搬送するローラ対と、前記第1支持部と前記記録部との間に配置されており、前記搬送部によって搬送されるシート状媒体を切断するカッターと、制御部と、を備えており、前記制御部は、シート状媒体における前記搬送方向の下流側端が前記ローラ対に突き当たるように、前記ローラ対の回転を制御する斜行補正処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像記録装置によると、シート状媒体における搬送方向の下流側端をローラ対に突き当てることで、シート状媒体の斜行を補正することができる。したがって、搬送方向に関して記録部の上流側にカッターを配置した構成において、シート状媒体の斜行を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるプリンタの内部構造を示す概略側面図である。
【
図2】
図1に示すプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】ディスプレイに表示される画面を示す図であり、(a)は先端切断要否選択画面、(b)は排出方法選択画面である。
【
図4】ディスプレイに表示される画面を示す図であり、(a)は再利用選択画面、(b)は用紙除去報知画面である。
【
図5】切断処理に関する制御フローの前半部分を示すフローチャートである。
【
図6】切断処理に関する制御フローの前半部分を示すフローチャートである。
【
図7】印刷処理に関する制御フローを示すフローチャートである。
【
図8】実施形態の一変形例にかかる給送トレイを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好適な一実施形態にかかるプリンタ100(本発明の「画像記録装置」に相当する)について、図面を参照しつつ以下に説明する。なお、
図1に示す上下方向、前後方向及び左右方向を、プリンタ100の上下方向、前後方向及び左右方向とする。
【0010】
(プリンタ100の全体構成)
プリンタ100は、
図1に示すように、筐体1、給送トレイ2、搬送部4、カッター5、記録部6、排紙トレイ7、カバー8及び制御部9を主に備えている。
【0011】
筐体1の前壁11には、開口11a及び開口11bが形成されている。開口11a及び開口11bは上下に並んでいる。開口11aは、開口11bよりも下方に位置している。開口11aは、給送トレイ2を筐体1に挿抜するための出入口となっている。開口11bは、排紙トレイ7を筐体1に挿抜するために出入口となっている。さらに、筐体1には開口11cが形成されている。開口11cは、後壁12及び上壁13に跨って形成されている。開口11cには、カバー8が取り付けられている。
【0012】
給送トレイ2は、筐体1の下部に着脱可能に支持される。給送トレイ2は、筐体1に形成された開口11aを介して筐体1に対して前後方向に沿って挿抜可能である。給送トレイ2は、筐体1に装着されたとき記録部6の下方に位置する。なお、給送トレイ2の筐体1に対する挿抜は、トレイセンサ51(
図2参照)によって検知可能である。
【0013】
給送トレイ2は、ロール体Rを支持可能なロール体支持部25(本発明の「第1支持部」に相当する)を有している。ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に、長尺の用紙P(本発明の「シート状媒体」に相当する)がロール状に巻回されたものである。ロール体支持部25は、ロール体Rを、その軸方向が左右方向に一致する姿勢で支持する。
【0014】
ロール体支持部25は、支持台26と、2つのローラ27a、27bと、を有している。支持台26は、左右方向に沿って延びている。ローラ27a、27bは、いずれも左右方向に延びており、前後方向に互いに離隔して配置されている。ローラ27a、27bは、いずれも左右方向に沿って延びる回転軸周りに回転可能に支持台26の上端部に支持されている。ローラ27a、27bは、ロール体Rの下側部分の外周面と接触した状態で当該ロール体Rを下方から支持する。
【0015】
ロール体支持部25に支持されたロール体Rから巻き解かれた用紙Pは、支持台26の下面と給送トレイ2の底面21aとの間のすき間を通って支持台26の前方側から後方側まで引き出される。
【0016】
搬送部4は、給送トレイ2に収容されたロール体Rから巻き解かれた用紙Pを搬送方向に搬送する。なお、「搬送方向」とは、ロール体Rから用紙Pを巻き解く方向であり、ロール体支持部25から記録部6に向かう方向である。搬送部4は、給送ローラ3、中間ローラ対41、搬送ローラ対42、排出ローラ対43及びガイド部材44を主に有している。
【0017】
給送ローラ3は、ロール体支持部25に支持されたロール体Rから巻き解かれた用紙Pを給送トレイ2から送り出す。給送ローラ3は、給送トレイ2内において用紙Pを前方から後方に向かう方向に搬送する。
【0018】
給送ローラ3は、給送モータ3a(
図2参照)の駆動により左右方向に沿った回転軸を中心に回転する。給送ローラ3は、アーム31の先端に軸支されている。アーム31は、支軸32に回動自在に支持されている。支軸32は、筐体1に支持されている。アーム31は、図示しない付勢部材により給送ローラ3が給送トレイ2の底面21aに近づくように付勢されている。アーム31は、給送トレイ2が筐体1の内側から筐体1の外側に移動するのに連動して、移動する給送トレイ2と干渉しない位置に退避可能に構成されている。
【0019】
制御部9の制御により給送モータ3aが駆動されると、給送ローラ3が回転して、給送ローラ3と接触する用紙Pに対して前方から後方に向かう方向の搬送力が付与される。これにより、用紙Pが給送トレイ2から送り出される。なお、筐体1に装着された状態の給送トレイ2において、後方側の端部に位置する後壁22は、上端が下端よりも後方に位置するように傾斜している。したがって、給送トレイ2から送り出された用紙Pは、給送トレイ2の後壁22によって斜め上方に案内される。
【0020】
中間ローラ対41は、中間モータ61(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。中間ローラ対41を構成するローラは、いずれも左右方向に沿って延びる回転軸を中心に回転可能である。制御部9の制御により中間モータ61が駆動されると、中間ローラ対41が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送方向に搬送する。
【0021】
中間ローラ対41は、ロール体支持部25と記録部6との間において、給送トレイ2の後壁22の上方に位置している。中間ローラ対41は、搬送方向に関してカッター5の下流側に配置されている。すなわち、中間ローラ対41は、本発明の「ローラ対、第1ローラ対」に相当する。中間ローラ対41は、給送トレイ2から斜め上方に送り出される用紙Pを挟持しつつ上方に搬送する。
【0022】
なお、中間ローラ対41の近傍には第1用紙検知センサ52が設けられている。第1用紙検知センサ52は、搬送方向に関して中間ローラ対41の上流側に位置している。第1用紙検知センサ52は、搬送方向に関してカッター5の下流側に位置している。第1用紙検知センサ52は、用紙Pを検知可能である。
【0023】
ガイド部材44は、中間ローラ対41の上方に位置している。ガイド部材44は、中間ローラ対41によって上方に搬送される用紙Pを前方に案内する。
【0024】
搬送ローラ対42は、中間ローラ対41同様に、ロール体支持部25と記録部6との間であって、搬送方向に関してカッター5の下流側に配置されている。搬送ローラ対42は、搬送方向に関して中間ローラ対41の下流側に配置されている。すなわち、搬送ローラ対42は本発明の「第2ローラ対」に相当する。搬送ローラ対42は、搬送モータ62(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。
【0025】
排出ローラ対43は、搬送方向に関して搬送ローラ対42の下流側に配置される。排出ローラ対43は、排出モータ63(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。
【0026】
搬送ローラ対42及び排出ローラ対43をそれぞれ構成するローラは、いずれも左右方向に沿って延びる回転軸を中心に回転可能である。制御部9の制御により搬送モータ62及び排出モータ63が駆動されると、搬送ローラ対42及び排出ローラ対43が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送方向に搬送する。
【0027】
搬送ローラ対42は記録部6の後方に位置しており、排出ローラ対43は記録部6の前方に位置している。搬送ローラ対42は、ガイド部材44によって前方に案内された用紙Pを挟持しつつ前方に搬送する。排出ローラ対43は、搬送ローラ対42によって前方に搬送される用紙Pを挟持しつつ前方に搬送する。
【0028】
なお、搬送ローラ対42の近傍には第2用紙検知センサ53が設けられている。第2用紙検知センサ53は、搬送方向に関して搬送ローラ対42の上流側に位置している。第2用紙検知センサ53は、搬送方向に関してガイド部材44の下流側に位置している。第2用紙検知センサ53は、用紙Pを検知可能である。
【0029】
カッター5は、ロール体支持部25と記録部6との間に配置されている。より詳細には、カッター5は、給送トレイ2の後壁22と中間ローラ対41との間に位置している。カッター5は、例えば回転刃及び固定刃からなる。また、カッター5は、円板状の回転刃及び従動刃からなるものであってもよい。カッター5は、切断モータ5a(
図2参照)の駆動により回転刃が回転し、且つ、左右方向に沿って往復移動する。ロール体Rから巻き解かれて搬送された用紙Pは、制御部9の制御により切断モータ5aが駆動されることで、カッター5により用紙Pの幅方向(搬送部4による搬送方向と直交する方向)に沿って切断される。
【0030】
記録部6は、下面に複数のノズルが形成されたヘッド(不図示)と、ドライバIC(不図示)とを含む。記録部6は、搬送部4によって搬送される用紙Pに画像を記録する。制御部9の制御によりドライバICが駆動されると、ヘッドのノズルからインクが吐出され、搬送部4によって搬送される用紙Pがヘッドの下面と対向する画像記録位置を通過するときに、用紙Pに対して画像が形成される。なお、記録部6は、位置が固定された状態のヘッドのノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向に移動するヘッドのノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0031】
排紙トレイ7は、筐体1内において記録部6の前方であって、給送トレイ2の上方に配置されている。排紙トレイ7は、筐体1に形成された開口11bを介して筐体1に対して前後方向に沿って挿抜可能である。排紙トレイ7は、記録部6により画像が形成され、排出ローラ対43により前方に搬送された用紙Pを受容する。
【0032】
カバー8は、筐体1の後壁12及び上壁13に跨って形成された開口11cに取り付けられている。カバー8は、左右方向に沿って延びる軸8aを中心に回動可能である。軸8aは、カバー8の下端部に位置している。カバー8は、軸8aを中心に回動することで、筐体1に対して開閉可能である。
【0033】
カバー8は、閉状態であるときは、搬送部4による用紙Pの搬送経路における中間ローラ対41と搬送ローラ対42との間の部分を被覆する。また、カバー8は、開状態であるときは、搬送部4による用紙Pの搬送経路における中間ローラ対41と搬送ローラ対42との間の部分を露出する。なお、カバー8の開閉は、開閉センサ54(
図2参照)によって検知可能である。
【0034】
制御部9は、プリンタ100全体の制御を行うものである。制御部9には、
図2に示すように、給送モータ3a、中間モータ61、搬送モータ62、排出モータ63、切断モータ5a、記録部6、ディスプレイ10等が電気的に接続されている。また、制御部9には、トレイセンサ51、第1用紙検知センサ52、第2用紙検知センサ53、開閉センサ54及びタイマ55が接続されている。タイマ55は、第1用紙検知センサ52、第2用紙検知センサ53により用紙Pの前端が検知されてからの経過時間をカウント可能である。
【0035】
ディスプレイ10は、筐体1の外面に設けられている。ディスプレイ10は、タッチパネル式である。ディスプレイ10は、プリンタ100に関する各種の情報を表示してユーザに報知するものであり、本発明の「報知部」に相当する。また、ディスプレイ10は、ユーザにより入力操作が行われるものであり、本発明の「操作部」に相当する。
【0036】
制御部9は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)94等を備えている。ROM92には、CPU91及びASIC94が実行するプログラム、各種固定データなどが格納されている。RAM93は、プログラム実行時に必要なデータを一時的に記憶するものである。そして、これらが協働して、給送モータ3a、中間モータ61、搬送モータ62、排出モータ63、切断モータ5a、記録部6、ディスプレイ10等の動作を制御する。
【0037】
(制御部9による制御の概要)
次に、
図3及び
図4をさらに参照しつつ、制御部9による制御の概要について説明する。制御部9は、給送モータ3aを駆動することで給送ローラ3を回転させて給送トレイ2から送り出された用紙Pに対して、中間ローラ対41及び搬送ローラ対42で斜行補正処理を行う。なお、後述するように、制御部9は、実行判断処理において斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合は、中間ローラ対41での斜行補正処理は実行しない。
【0038】
中間ローラ対41で斜行補正処理を実行する場合、制御部9は、給送トレイ2から用紙Pの前端(用紙Pにおける搬送方向の下流側端)を送り出す際には、中間モータ61を駆動させない。すなわち、中間ローラ対41は、無回転状態である。そして、第1用紙検知センサ52により用紙Pの前端が検知されてから、さらに給送ローラ3により所定量だけ用紙Pを送る。これにより、用紙Pの前端が無回転状態の中間ローラ対41に突き当たった状態が維持されつつ給送ローラ3によって用紙Pが送られるため、用紙Pの傾きが補正される。
【0039】
なお、中間ローラ対41で斜行補正処理を行う際、制御部9は、中間ローラ対41が用紙Pを搬送方向とは反対の方向(用紙Pをロール体Rに巻き戻す方向)に搬送する向きに回転するように中間モータ61を制御してもよい。また、制御部9は、用紙Pの前端を中間ローラ対41に突き当てることができるのであれば、中間ローラ対41が用紙Pを搬送方向に搬送する向きにわずかに回転するように中間モータ61を制御してもよい。
【0040】
搬送ローラ対42で斜行補正処理を実行する場合、制御部9は、中間ローラ対41によって用紙Pの前端を搬送ローラ対42に向けて送る際には、搬送モータ62を駆動させない。すなわち、搬送ローラ対42は、無回転状態である。そして、第2用紙検知センサ53により用紙Pの前端が検知されてから、さらに中間ローラ対41により所定量だけ用紙Pを送る。これにより、用紙Pの前端が無回転状態の搬送ローラ対42に突き当たった状態が維持されつつ中間ローラ対41によって用紙Pが送られるため、用紙Pの傾きが補正される。
【0041】
なお、搬送ローラ対42で斜行補正処理を行う際、制御部9は、搬送ローラ対42が用紙Pを搬送方向とは反対の方向(用紙Pをロール体Rに巻き戻す方向)に搬送する向きに回転するように搬送モータ62を制御してもよい。また、制御部9は、用紙Pの前端を搬送ローラ対42に突き当てることができるのであれば、搬送ローラ対42が用紙Pを搬送方向に搬送する向きわずかに回転するように搬送モータ62を制御してもよい。
【0042】
ここで、ジャムが発生した場合について説明する。制御部9は、ジャムが発生したと判断した場合には、カッター5により用紙Pの切断を実行し、ディスプレイ10により切断した用紙Pを取り除く旨をユーザに報知する。しかしながら、用紙Pが変形している場合等には、カッター5により用紙Pを正常に切断できない場合がある。すなわち例えば、制御部9は、カッター5による切断を実行した後に、用紙Pを搬送しても第1用紙検知センサ52で用紙Pの後端が検知されない場合に、カッター5での切断が正常に行われていないと判断する。そのような場合には、制御部9は、ユーザに用紙Pを手動で切断する必要がある旨を報知する。
【0043】
用紙Pを手動で切断する場合、まず、ユーザはカバー8を開け、はさみ等で用紙Pを切断して取り除く。その後、ユーザは用紙Pをセットし直す必要がある。すなわち、給送トレイ2を筐体1から取り外し、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pを一旦ロール体Rに巻き戻す。そして、改めてロール体Rをロール体支持部25に支持した状態でロール体Rを回転させて、ロール体支持部25から用紙Pを送り出す。用紙Pの前端が給送トレイ2の後端部近傍まで送り出された状態で、給送トレイ2を筐体1に装着する。これにより、給送ローラ3が用紙Pと接触し、給送ローラ3により用紙Pを給送可能な状態となる。
【0044】
なお、手動で用紙Pが切断された場合には、用紙Pの前端が用紙Pの搬送方向と直交する方向(幅方向)に沿っておらず、斜めになっているおそれがある。また、未使用のロール体Rにおける用紙Pの前端が搬送方向と直交する方向に対して斜めに切断されていることもある。すなわち、用紙Pがセットされた後、最初に給送トレイ2から送り出される用紙Pの前端は、斜めになっている可能性がある。
【0045】
制御部9は、トレイセンサ51により給送トレイ2が筐体1に装着されたことが検知されることで、ロール体支持部25にロール体Rが支持されて用紙Pがセットされたことを検知することができる。すなわち、トレイセンサ51は、本発明の「検知部」に相当する。
【0046】
制御部9は、中間ローラ対41での斜行補正処理の実行の要否を判断する実行判断処理を実行する。そして、制御部9は、実行判断処理において斜行補正処理の実行が必要であると判断した場合に中間ローラ対41での斜行補正処理を実行し、実行判断処理において斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合は中間ローラ対41での斜行補正処理を実行しない。
【0047】
制御部9は、実行判断処理において、上述のようにトレイセンサ51からの出力信号に基づいて用紙Pがセットされたことが検知された後に記録部6での画像の記録が実行されたか否かを判断する。そして、制御部9は、未だ画像の記録が実行されていないと判断した場合に、中間ローラ対41での斜行補正処理の実行が不要であると判断する。
【0048】
制御部9は、実行判断処理において斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合に、記録部6による用紙Pへの画像の記録を実行することなく、中間ローラ対41によって用紙Pを搬送方向に所定量搬送した後搬送を停止する搬送処理と、搬送処理後にカッター5により用紙Pを切断する切断処理とを実行する。
【0049】
制御部9は、トレイセンサ51からの出力信号に基づいて用紙Pがセットされたことが検知されたとき、先端切断要否選択画面71(
図3(a)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する(報知処理)。先端切断要否選択画面71には、用紙Pにおける搬送方向の下流側端部の切断の要否を選択する旨のメッセージが表示される。また、先端切断要否選択画面71には、切断が必要である旨の選択を入力する切断必要ボタン71aと、切断が不要である旨の選択を入力する切断不要ボタン71bと、が表示される。
【0050】
制御部9は、ユーザにより切断必要ボタン71aが操作され、切断が必要である旨の選択を受け付けた場合に、記録部6による用紙Pへの画像の記録を実行することなく、カッター5により用紙Pを切断する切断処理を実行する。制御部9は、ユーザにより切断不要ボタン71bが操作され、切断が不要である旨の選択を受け付けた場合に、カッター5による用紙Pの切断を実行することなく、記録部6により用紙Pに画像の記録を行う記録処理を実行する。
【0051】
制御部9は、先端切断要否選択画面71で切断が必要である旨の選択を受け付けた場合に、切断処理で切断した用紙Pの排出方法を選択する排出方法選択画面72(
図3(b)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する。排出方法選択画面72には、切断した用紙Pを自動で排出する方法の選択を入力する自動排出ボタン72aと、切断した用紙Pを手動で排出する方法の選択を入力する手動排出ボタン72bと、が表示される。
【0052】
制御部9は、排出方法選択画面72で切断した用紙Pを自動で排出する方法の選択を受け付けた場合に、切断処理において用紙Pを定型サイズとなるように切断し、切断した用紙Pを再利用するか否かを選択する再利用選択画面73(
図4(a)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する(報知処理)。再利用選択画面73には、切断した用紙Pを再利用する選択を入力する再利用ボタン73aと、切断した用紙Pを再利用しない選択を入力する再利用不要ボタン73bと、が表示される。
【0053】
制御部9は、排出方法選択画面72で切断した用紙Pを手動で排出する方法の選択を受け付けた場合に、用紙除去報知画面74(
図4(b)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する。用紙除去報知画面74には、切断した用紙Pを取り除く旨のメッセージが表示される。
【0054】
制御部9は、排出方法選択画面72で切断した用紙Pを自動で排出する方法の選択を受け付けた場合に、切断処理において、切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、中間ローラ対41と排出ローラ対43との間の用紙Pの搬送経路に沿う長さL2を超えるように、搬送処理での用紙Pの搬送量を制御する。
【0055】
制御部9は、再利用選択画面73で切断した用紙Pを再利用する選択を受け付けた場合に、切断処理において、切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、定形サイズの搬送方向に沿う長さL3となるように、搬送処理での用紙Pの搬送量を制御する。例えば、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pの幅が210mmである場合には、切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さを297mmとすることで、切断された用紙Pを210mm×297mmのA4サイズとすることができる。本実施形態においては、L3>L2とする。
【0056】
なお、切断処理は、用紙Pがセットされた後に、最初に用紙Pを給送トレイ2から送り出す際に実行される。すなわち、切断処理により切断された用紙Pの前端は、斜めになっている可能性がある。一方、切断処理により切断された用紙Pの後端は、カッター5により切断されているので、用紙Pの幅方向に沿ってまっすぐとなっている。したがって、切断処理により切断された用紙Pを再利用する場合には、まっすぐに切断されている側が先端となる姿勢で給紙することが好ましい旨をディスプレイ10に表示し、ユーザに報知するようにしてもよい。再利用する際に、まっすぐに切断されている側が先端となるように給紙することで、斜行補正を行った際に確実に用紙Pの斜行を補正することができる。
【0057】
制御部9は、排出方法選択画面72で切断した用紙Pを手動で排出する方法の選択を受け付けた場合に、切断処理において、切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、中間ローラ対41と搬送ローラ対42との間の用紙Pの搬送経路に沿う長さL1未満となるように、搬送処理での用紙Pの搬送量を制御する。
【0058】
(制御部9による制御フロー)
続いて、
図5及び
図6に示すフローチャートを参照しつつ、切断処理を行う際に制御部9で行われる制御フローの一例について説明する。
【0059】
まず、制御部9は、トレイセンサ51からの出力信号に基づいて、給送トレイ2の筐体1への装着が行われたか否かを判断する(S1)。S1の処理は、筐体1への装着が行われたと判断するまで繰り返し行われる。そして、筐体1への装着が行われたと判断した場合には(S1:YES)、制御部9は、筐体1への装着が行われたと判断した後に記録部6での画像の記録が実行されたか否かを判断する(S2:実行判断処理)。
【0060】
すでに画像の記録が実行されたと判断した場合には(S2:YES)、制御部9は、中間ローラ対41での斜行補正処理の実行が必要であると判断し、処理を終了する。一方、未だ画像の記録が実行されていないと判断した場合には(S2:NO)、制御部9は、中間ローラ対41での斜行補正処理の実行が不要であると判断する。さらに、制御部9は、先端切断要否選択画面71(
図3(a)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する(S3)。このときユーザは、
図3(a)に示すように、先端切断要否選択画面71に表示された切断必要ボタン71a及び切断不要ボタン71bのいずれかを操作する。
【0061】
続いて、制御部9は、ユーザにより切断必要ボタン71aが操作され、切断が必要である旨の選択を受け付けたか否かを判断する(S4)。切断が必要である旨の選択を受け付けていないと判断した場合には(S4:NO)、制御部9は、ユーザにより切断不要ボタン71bが操作され、切断が不要である旨の選択を受け付けたか否かを判断する(S5)。切断が不要である旨の選択を受け付けたと判断した場合には(S5:YES)、制御部9は、斜行補正処理非実行フラグを「1」とし(S6)、処理を終了する。一方、切断が不要である旨の選択を受け付けていないと判断した場合には(S5:NO)、S4に戻る。
【0062】
S4において、切断が必要である旨の選択を受け付けたと判断した場合には(S4:YES)、制御部9は、切断した用紙Pの排出方法を選択する排出方法選択画面72(
図3(b)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する(S7)。このときユーザは、
図3(b)に示すように、排出方法選択画面72に表示された自動排出ボタン72a及び手動排出ボタン72bのいずれかを操作する。
【0063】
続いて、制御部9は、ユーザにより自動排出ボタン72aが操作され、自動排出の選択を受け付けたか否かを判断する(S8)。自動排出の選択を受け付けていないと判断した場合には(S8:NO)、制御部9は、ユーザにより手動排出ボタン72bが操作され、手動排出の選択を受け付けたか否かを判断する(S9)。手動排出の選択を受け付けたと判断した場合には(S9:YES)、制御部9は節約切断フラグを「1」とし(S10)、S15に進む。一方、手動排出の選択を受け付けていないと判断した場合には(S9:NO)、S8に戻る。
【0064】
S8において、自動排出の選択を受け付けたと判断した場合には(S8:YES)、制御部9は、切断した用紙Pを再利用するか否かを選択する再利用選択画面73(
図4(a)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する(S11)。このときユーザは、
図4(a)に示すように、再利用選択画面73に表示された再利用ボタン73a及び再利用不要ボタン73bのいずれかを操作する。
【0065】
続いて、制御部9は、ユーザにより再利用ボタン73aが操作され、再利用の選択を受け付けたか否かを判断する(S12)。再利用の選択を受け付けていないと判断した場合には(S12:NO)、制御部9は、ユーザにより再利用不要ボタン73bが操作され、再利用しない選択を受け付けたか否かを判断する(S13)。再利用しない選択を受け付けたと判断した場合には(S13:YES)、後述するS15に進む。一方、再利用しない選択を受け付けていない判断した場合には(S13:NO)、S12に戻る。また、S12において、再利用の選択を受け付けたと判断した場合には(S12:YES)、制御部9は、再利用フラグを「1」とする(S14)。
【0066】
次に、制御部9は、給送トレイ2から用紙Pの前端が送り出されるように給送モータ3aを制御して給送ローラ3を回転させ、用紙Pの給送を開始する(S15)。また、制御部9は、中間モータ61を制御して中間ローラ対41も回転させる。なお、用紙Pは、その前端が中間ローラ対41による挟持位置に到達するまでは給送ローラ3によって送られる。そして、用紙Pは、その前端が中間ローラ対41による挟持位置に到達した後は、給送ローラ3及び既に回転している中間ローラ対41によって送られる。すなわち、中間ローラ対41では、斜行補正処理は行われない。搬送ローラ対42は、後述するS25までは無回転状態である。すなわち、制御部9は、後述するS25までは搬送モータ62を駆動しない。
【0067】
制御部9は、節約切断フラグが「0」であるか否かを判断する(S16)。そして、節約切断フラグが「0」でない、すなわち「1」であると判断した場合には(S16:NO)、制御部9は、給送モータ3a及び中間モータ61の駆動を制御して用紙Pを所定量F1搬送した後、給送モータ3a及び中間モータ61の駆動を停止する(S17:搬送処理)。
【0068】
その後、制御部9は、切断モータ5aを制御して、カッター5により用紙Pを切断する(S18:切断処理)。なお、S17の搬送処理において用紙Pを搬送する所定量F1は、切断処理において切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、中間ローラ対41と搬送ローラ対42との間の用紙Pの搬送経路に沿う長さL1未満となる長さである。S17の搬送処理においては、制御部9は、第1用紙検知センサ52により用紙Pの先端が検知された後、給送ローラ3及び中間ローラ対41の回転量に基づいて、用紙Pが所定量F1搬送されるように制御する。ここで、カッター5の切断位置と第1用紙検知センサ52による用紙Pの検知位置との間の長さをL4としたとき、切断処理において切断される用紙Pの長さはF1+L4となる。すなわち、F1+L4<L1である。
【0069】
さらに、制御部9は、用紙除去報知画面74(
図4(b)参照)が表示されるようにディスプレイ10を制御する(S19)。このときユーザは、カバー8を開けて切断された用紙Pを除去した後、カバー8を閉じる。そこで、制御部9は、開閉センサ54からの出力信号に基づいて、カバー8の開閉が行われたか否かを判断する(S20)。S20の判断は、カバー8の開閉が行われたと判断するまで繰り返し行われる。そして、カバー8の開閉が行われたと判断した場合には(S20:YES)、制御部9は、節約切断フラグをリセットして「0」とし(S21)、処理を終了する。
【0070】
また、節約切断フラグが「0」であると判断した場合には(S16:YES)、制御部9は、第2用紙検知センサ53により用紙Pの前端が検知されたか否かを判断する(S22)。S22の判断は、用紙Pの前端が検知されたと判断するまで繰り返し行われる。そして、用紙Pの前端が検知されたと判断した場合には(S22:YES)、制御部9は、用紙Pの前端が検知されてからの経過時間のカウントを開始するようにタイマ55を制御する(S23)。
【0071】
続いて、制御部9は、タイマ55のカウント値がT1を超えたか否かを判断する(S24)。T1は、給送ローラ3及び中間ローラ対41によって送られる用紙Pの前端を無回転状態の搬送ローラ対42に突き当て、用紙Pの斜行を補正するのに必要な時間である。S24の判断は、タイマ55のカウント値がT1を超えたと判断するまで繰り返し行われる。そして、タイマ55のカウント値がT1を超えたと判断した場合(S24:YES)、搬送モータ62を制御して搬送ローラ対42の駆動を開始する(S25)。
【0072】
さらに、制御部9は、再利用フラグが「0」であるか否かを判断する(S26)。再利用フラグが「0」であると判断した場合には(S26:YES)、制御部9は、給送モータ3a、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の駆動を制御して用紙Pを所定量F2搬送した後、給送モータ3a、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の駆動を停止する(S27:搬送処理)。そして、後述するS30に進む。
【0073】
一方、再利用フラグが「0」でない、すなわち「1」であると判断した場合には(S26:NO)、制御部9は、給送モータ3a、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の駆動を制御して用紙Pを所定量F3搬送した後、給送モータ3a、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の駆動を停止する(S28:搬送処理)。そして、制御部9は、再利用フラグをリセットして「0」とする(S29)。
【0074】
その後、制御部9は、切断モータ5aを制御してカッター5により用紙Pを切断する(S30:切断処理)。なお、S27の搬送処理において用紙Pを搬送する所定量F2は、切断処理において切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、中間ローラ対41と排出ローラ対43との間の搬送経路に沿う長さL2を超える長さである。S27の搬送処理においては、制御部9は、S25で搬送ローラ対42の駆動を開始した後、給送ローラ3、中間ローラ対41、搬送ローラ対42及び排出ローラ対43の回転量に基づいて、用紙Pが所定量F2搬送されるように制御する。ここで、カッター5の切断位置と搬送ローラ対42による用紙Pの挟持位置との間の長さをL5としたとき、切断処理において切断される用紙Pの長さはF2+L5となる。すなわち、F2+L5>L2である。
【0075】
また、S28の搬送処理において用紙Pを搬送する所定量F3は、切断処理において切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、定形サイズの搬送方向に沿う長さL3となるような長さである。S28の搬送処理においては、制御部9は、S25で搬送ローラ対42の駆動を開始した後、給送ローラ3、中間ローラ対41、搬送ローラ対42及び排出ローラ対43の回転量に基づいて、用紙Pが所定量F3搬送されるように制御する。すなわち、F3+L5=L3である。最後に、制御部9は、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63を制御して、中間ローラ対41、搬送ローラ対42及び排出ローラ対43によって切断した用紙Pを排紙トレイ7に排出し、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の制御を終了する(S31)。
【0076】
続いて、
図7に示すフローチャートを参照しつつ、画像記録処理を行う際に制御部9で行われる制御フローの一例について説明する。かかる処理は、プリンタ100が、PCやスマートフォン等の外部機器から、画像を記録するための画像データを含む画像記録指令を取得した際に実行される。
【0077】
まず、制御部9は、給送モータ3aを制御して給送ローラ3を回転させ、用紙Pの給送を開始する(S41)。このとき、中間ローラ対41及び搬送ローラ対42は、無回転状態である。すなわち、制御部9は、給送モータ3aの駆動を開始した時点では中間モータ61及び搬送モータ62を駆動しない。次に、制御部9は、斜行補正処理非実行フラグが「0」であるか否かを判断する(S42)。
【0078】
斜行補正処理非実行フラグが「0」であると判断した場合には(S42:YES)、制御部9は、第1用紙検知センサ52により用紙Pの前端が検知されたか否かを判断する(S43)。S43の判断は、用紙Pの前端が検知されたと判断するまで繰り返し行われる。そして、用紙Pの前端が検知されたと判断した場合には(S43:YES)、制御部9は、用紙Pの前端が検知されてからの経過時間のカウントを開始するようにタイマ55を制御する(S44)。
【0079】
続いて、制御部9は、タイマ55のカウント値がT2を超えたか否かを判断する(S45)。T2は、給送ローラ3によって送られる用紙Pの前端を無回転状態の中間ローラ対41に突き当て、用紙Pの斜行を補正するのに必要な時間である。S45の判断は、タイマ55のカウント値がT2を超えたと判断するまで繰り返し行われる。そして、タイマ55のカウント値がT2を超えたと判断した場合(S45:YES)、中間モータ61を制御して中間ローラ対41の駆動を開始する(S46)。
【0080】
一方、S42において、斜行補正処理非実行フラグが「0」でない、すなわち「1」であると判断した場合には(S42:NO)、制御部9は、斜行補正処理非実行フラグをリセットして「0」とする(S47)。そして、上述のS43~S45の処理を省略して、S46に進む。すなわち、斜行補正処理非実行フラグが「1」である場合は、中間ローラ対41での斜行補正処理は行われない。
【0081】
次に、制御部9は、第2用紙検知センサ53により用紙Pの前端が検知されたか否かを判断する(S47)。S47の判断は、用紙Pの前端が検知されたと判断するまで繰り返し行われる。そして、用紙Pの前端が検知されたと判断した場合には(S47:YES)、制御部9は、用紙Pの前端が検知されてからの経過時間のカウントを開始するようにタイマ55を制御する(S48)。
【0082】
続いて、制御部9は、タイマ55のカウント値がT3を超えたか否かを判断する(S49)。T3は、給送ローラ3及び中間ローラ対41によって送られる用紙Pの前端を無回転状態の搬送ローラ対42に突き当て、用紙Pの斜行を補正するのに必要な時間である。S49の判断は、タイマ55のカウント値がT3を超えたと判断するまで繰り返し行われる。そして、タイマ55のカウント値がT3を超えたと判断した場合(S49:YES)、搬送モータ62を制御して搬送ローラ対42の駆動を開始する(S50)。
【0083】
そして、用紙Pが記録部6の画像記録位置に到達すると、制御部9は、記録部6を制御して用紙Pへの画像の記録を開始する(S51)。その後、用紙Pの切断予定箇所がカッター5による切断位置に到達すると、制御部9は、給送モータ3a、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の制御を中断して用紙Pの搬送を中断するとともに、記録部6による画像の記録を中断し、切断モータ5aを制御してカッター5によって用紙Pを切断する(S52)。用紙Pを切断した後、制御部9は、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の制御と記録部6の制御を再開して用紙Pの搬送及び画像の記録を再開し、記録部6による画像の記録が終了するとともに画像が記録された用紙Pが排紙トレイ7に排出されると、中間モータ61、搬送モータ62及び排出モータ63の制御を終了する(S53)。
【0084】
(実施形態の特徴)
以上のように、本実施形態のプリンタ100は、長尺の用紙Pがロール状に巻回されたロール体Rを支持するロール体支持部25と、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pに画像を記録する記録部6と、ロール体支持部25と記録部6との間に配置された中間ローラ対41であり、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pをロール体支持部25から記録部6に向かう搬送方向に搬送する中間ローラ対41と、ロール体支持部25と記録部6との間に配置されており、搬送部4によって搬送される用紙Pを切断するカッター5と、制御部9と、を備えている。制御部9は、用紙Pにおける搬送方向の下流側端(前端)が中間ローラ対41に突き当たるように、中間ローラ対41の回転を制御する斜行補正処理を実行する。
【0085】
上述の構成により、用紙Pの前端を中間ローラ対41に突き当てることで、用紙Pの斜行を補正することができる。したがって、搬送方向に関して記録部6の上流側にカッター5を配置した構成において、用紙Pの斜行を補正することができる。
【0086】
また、上述の実施形態のプリンタ100では、制御部9は、斜行補正処理の実行の要否を判断する実行判断処理を実行し、実行判断処理において斜行補正処理の実行が必要であると判断した場合に斜行補正処理を実行し、実行判断処理において斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合は斜行補正処理を実行しない。例えば、用紙Pの前端が搬送方向と直交する方向に対して斜めに切断されている場合等、斜行補正処理を実行しても用紙Pの斜行を補正できない、又は、斜行補正処理を実行することによって用紙Pが余計に斜行してしまうような場合に、斜行補正処理を実行しないようにすることができる。
【0087】
さらに、上述の実施形態のプリンタ100では、制御部9は、実行判断処理において、トレイセンサ51により用紙Pがセットされたことが検知された後に記録部6での画像の記録が実行されたか否かを判断し、未だ画像の記録が実行されていないと判断した場合に、斜行補正処理の実行が不要であると判断する。ジャム処理時にユーザが手作業で用紙Pの切断を行った場合は、用紙Pの前端が搬送方向と直交する方向に対して斜めに切断されていることがある。また、未使用のロール体Rにおける用紙Pの前端が搬送方向と直交する方向に対して斜めに切断されていることもある。したがって、用紙Pがセットされた後、最初に用紙Pを搬送する際には、斜行補正処理を実行しないことが好ましい。
【0088】
加えて、上述の実施形態のプリンタ100では、制御部9は、トレイセンサ51により用紙Pがセットされたことが検知されたとき、先端切断要否選択画面71が表示されるようにディスプレイ10を制御する。そして、制御部9は、先端切断要否選択画面71の切断必要ボタン71aが操作され、切断が必要である旨の選択を受け付けた場合に、記録部6による用紙Pへの画像の記録を実行することなく、カッター5により用紙Pを切断する切断処理を実行する。また、制御部9は、先端切断要否選択画面71の切断不要ボタン71bが操作され、切断が不要である旨の選択を受け付けた場合に、カッター5による用紙Pの切断を実行することなく、記録部6により用紙Pに画像の記録を行う記録処理を実行する。よって、切断処理を実行して切断後に画像が記録された印刷物の見栄えをよくするか、切断処理を実行することなく用紙Pを節約するか、をユーザが選択することができる。
【0089】
さらに、上述の実施形態のプリンタ100では、制御部9は、実行判断処理において斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合に、記録部6による用紙Pへの画像の記録を実行することなく、中間ローラ対41によって用紙Pを搬送方向に所定量搬送した後搬送を停止する搬送処理と、カッター5により用紙Pを切断する切断処理と、を実行する。したがって、斜行補正処理を実行することなく切断処理を実行して用紙Pを切断することで、用紙Pの前端を搬送方向と直交する方向に沿って切断することができる。よって、切断処理後に画像が記録された印刷物の見栄えをよくすることができる。
【0090】
また、上述の実施形態のプリンタ100では、ユーザにより切断された用紙Pを手動で排出する方法が選択された場合に、制御部9は、切断処理において切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、中間ローラ対41と搬送ローラ対42との間の用紙Pの搬送経路に沿う長さL1未満となるように、搬送処理での用紙Pの搬送量を制御する。したがって、用紙Pを節約することができる。
【0091】
さらに、上述の実施形態のプリンタ100では、制御部9は、切断処理を実行した後に、切断した用紙Pを取り除く旨のメッセージが表示された用紙除去報知画面74が表示されるようにディスプレイ10を制御する。したがって、切断処理で切断した用紙Pが搬送経路に残ったままとなるのを避けることができる。
【0092】
加えて、上述の実施形態のプリンタ100では、ユーザにより切断された用紙Pを自動で排出する方法が選択された場合に、制御部9は、切断処理において切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、中間ローラ対41と排出ローラ対43との間の用紙Pの搬送経路に沿う長さL2を超えるように、搬送処理での用紙Pの搬送量を制御する。したがって、切断処理で切断した用紙Pを排出ローラ対43により排出することができるので、用紙Pを搬送経路から取り除く手間が省ける。
【0093】
さらに、上述の実施形態のプリンタ100では、ユーザが定形サイズとなるように用紙Pを切断して切断した用紙Pを再利用することを選択した場合に、制御部9は、切断処理において切断される用紙Pの搬送方向に沿う長さが、定形サイズの搬送方向に沿う長さL3となるように、搬送処理での用紙Pの搬送量を制御する。したがって、切断処理で切断した用紙Pを定型サイズの用紙Pとして有効利用することができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0095】
上述の実施形態では、給送トレイ2にロール体支持部25が設けられている場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、
図8に示す本発明の一変形例にかかる給送トレイ2aには、ロール体支持部25に加えて、定形サイズのカット紙Kpを支持するカット紙支持部28(本発明の「第2支持部」に相当する)が設けられている。
図8においては、説明のためにロール体R及びカット紙Kpの両方が給送トレイ2aに収容されている状態を示しているが、給送トレイ2aは、ロール体R及びカット紙Kpを択一的に収納する。本変形例においては、制御部9は、カット紙支持部28からカット紙を搬送する場合には、実行判断処理を実行することなく中間ローラ対41での斜行補正処理を実行する。
【0096】
具体的には、上述の実施形態の
図5に示すフローチャートにおいて、S1で給送トレイ2の筐体1への装着が行われたと判断した後に(S1:YES)、センサ等により給送トレイ2aにロール体Rが収容されているか否かを判断する。そして、ロール体Rが収容されていると判断した場合はS2に進み、ロール体Rが収容されていないと判断した場合は処理を終了する。これにより、給送トレイ2aにカット紙Kpが収容されている場合は、斜行補正処理非実行フラグが「1」となることはない。したがって、その後、画像記録指令を取得した際に
図7に示すフローを実行するとき、中間ローラ対41での斜行補正処理が実行される。定型サイズのカット紙Kpは、搬送方向の下流側端が搬送方向と直交する方向に対して斜めになっていることがない。したがって、定型サイズのカット紙Kpを搬送する場合には、常に斜行補正処理を実行することで、常にカット紙Kpの斜行を補正することができる。
【0097】
また、上述の実施形態では、ロール体支持部25と記録部6との間であって、搬送方向に関してカッター5の下流側に、中間ローラ対41及び搬送ローラ対42の2つのローラ対が配置されており、これら2つのローラ対で斜行補正処理が行われる場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、ロール体支持部25と記録部6との間に配置されるローラ対の個数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、ローラ対は、搬送方向に関してカッター5の上流側に配置されていてもよい。ロール体支持部25と記録部6との間に配置されたローラ対のうち少なくとも1つのローラ対で斜行補正処理が行われればよい。
【0098】
さらに、上述の実施形態では、実行判断処理において斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合は、中間ローラ対41での斜行補正処理を実行しない場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合には、中間ローラ対41に加えて、搬送ローラ対42での斜行補正処理も実行しないようにしてもよい。また、実行判断処理を実行せず、常に斜行補正処理を実行するようにしてもよい。
【0099】
加えて、上述の実施形態では、トレイセンサ51からの出力信号によりロール体支持部25にロール体Rが支持されて用紙Pがセットされたことを検知する場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、ロール体支持部25にロール体Rが支持されており、且つ、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pの前端がカッター5よりも搬送方向の上流側に位置していることを検知した場合に、ロール体支持部25にロール体Rが支持されて用紙Pがセットされたと判断してもよい。
【0100】
また、上述の実施形態では、実行判断処理において、用紙Pがセットされたことが検知された後、未だ画像の記録が実行されていないと判断した場合に、斜行補正処理の実行が不要であると判断する場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、開閉センサ54からの出力信号によりカバー8の開閉が検知されることで、ジャム処理により用紙Pが手作業で切断されたと判断して、斜行補正処理の実行が不要であると判断してもよい。
【0101】
加えて、上述の実施形態では、切断が必要である旨の選択を受け付けた場合に、画像の記録を行うことなく用紙Pを切断する切断処理を実行し、切断が不要である旨の選択を受け付けた場合に、用紙Pの切断を行うことなく画像の記録を行う場合について説明したが、これには限定されない。ユーザの意思を問わず、用紙Pがセットされた後に最初に用紙Pを給送トレイ2から送り出す際は、必ず用紙Pを切断するようにしてもよい。
【0102】
また、上述の実施形態では、制御部9は、斜行補正処理の実行が不要であると判断した場合に、画像の記録を実行することなく、用紙Pを搬送する搬送処理と用紙Pを切断する切断処理とを実行する場合について説明したが、これには限定されない。切断処理は、行わなくてもよい。
【0103】
さらに、上述の実施形態では、ユーザが切断処理で切断した用紙Pを手動で排出する方法を選択した場合と、切断処理で切断した用紙Pを自動で排出する方法を選択した場合であって、切断した用紙Pを再利用しないことを選択した場合と、切断した用紙Pを再利用することを選択した場合とで、切断処理において切断される用紙Pの長さを変える場合について説明したが、これには限定されない。ユーザの意思を問わず、切断処理において切断される用紙Pの長さは一定であってもよい。
【0104】
さらに、上述の実施形態においては、節約切断フラグが「1」であるとき、切断処理を実行した後に用紙除去報知画面74をディスプレイ10に表示する場合について説明したが、用紙除去報知画面74は表示しなくてもよい。
【0105】
さらに、上述の実施形態では、給送トレイ2にロール体支持部25が設けられている場合について説明したが、ロール体支持部25は筐体1に設けられていてもよい。
【0106】
加えて、上述の実施形態においては、操作部及び受付部として機能するタッチパネル式のディスプレイ10を備えている場合について説明したが、これには限定されない。報知部として、音声により報知するスピーカ等を採用することもできる。また、操作部は、物理ボタンであってもよい。
【0107】
本発明は、ロール体から巻き解かれたシート状媒体に画像を記録する画像記録装置全般に適用され得る。すなわち例えば、本発明は、ノズルからインクを吐出するヘッドを記録部として備えるインクジェットプリンタだけでなく、レーザで感光体を露光することにより静電潜像が形成されるレーザ式や、LEDで感光体を露光することにより静電潜像が形成されるLED式の記録部を備える電子写真プリンタに適用することもできる。また、シート状媒体は紙に限定されず、布や、フィルム等の樹脂材料などであってもよい。
【符号の説明】
【0108】
5 カッター
6 記録部
9 制御部
10 ディスプレイ(操作部、報知部)
25 ロール体支持部(第1支持部)
28 カット紙支持部(第2支持部)
41 中間ローラ対(ローラ対、第1ローラ対)
42 搬送ローラ対(第2ローラ対)
43 排出ローラ対
51 トレイセンサ(検知部)
100 プリンタ(画像記録装置)
P 用紙(シート状媒体)
R ロール体