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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163451
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/32 20060101AFI20231102BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20231102BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20231102BHJP
   H10B 41/40 20230101ALI20231102BHJP
   H10B 43/40 20230101ALI20231102BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G11C16/32
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L27/11526
H01L27/11573
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074383
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光司
(72)【発明者】
【氏名】清水 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】桶田 修平
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225CA14
5B225CA21
5B225EA05
5B225EF25
5B225FA01
5B225FA02
5B225FA07
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA04
5F083JA14
5F083JA15
5F083JA19
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083ZA01
5F101BA02
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1範囲及び第2範囲を備える導電層と、第1範囲において導電層と対向する第1半導体層と、第2範囲において導電層と対向する第2半導体層と、第1半導体層の一端に電気的に接続された第1ビット線と、第2半導体層の一端に電気的に接続された第2ビット線と、を備える。第1電荷蓄積部を含む第1メモリセルに対して所定の動作を実行する場合の、第1ビット線のセンス時間を第1動作パラメータとし、第2電荷蓄積部を含む第2メモリセルに対して所定の動作を実行する場合の、第2ビット線のセンス時間を第2動作パラメータとすると、第2動作パラメータは、第1動作パラメータと異なる。
【選択図】図28A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面と交差する第1方向において前記基板から離間し、前記第1方向と交差する第2方向に延伸し、前記第2方向に並ぶ第1範囲及び第2範囲を備える導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記第1範囲において前記導電層と対向する第1半導体層と、
前記第1方向に延伸し、前記第2範囲において前記導電層と対向する第2半導体層と、
前記導電層及び前記第1半導体層の間に設けられた第1電荷蓄積部と、
前記導電層及び前記第2半導体層の間に設けられた第2電荷蓄積部と、
前記第1半導体層の一端に電気的に接続された第1ビット線と、
前記第2半導体層の一端に電気的に接続された第2ビット線と、
前記導電層に供給される電圧を制御するドライバ回路と
を備え、
前記第1電荷蓄積部を含む第1メモリセルに対して所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、前記第1ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、前記第1ビット線のセンス時間を第1動作パラメータとし、
前記第2電荷蓄積部を含む第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、前記第2ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、前記第2ビット線のセンス時間を第2動作パラメータとすると、
前記第2動作パラメータの少なくとも一部は、前記第1動作パラメータの少なくとも一部と異なる
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1範囲と第1回路との間を接続する第1配線と、前記第2範囲と第2回路との間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1範囲と第1回路との間を接続する第1配線と、前記第2範囲と第2回路との間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線のセンス開始までの安定待ち時間は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線のセンス開始までの安定待ち時間よりも長い
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1範囲と第1回路との間を接続する第1配線と、前記第2範囲と第2回路との間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線のセンス時間は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線のセンス時間よりも短い
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1半導体層の他端に電気的に接続された第1ソース線と、
前記第2半導体層の他端に電気的に接続された第2ソース線と、
前記第1範囲と第1回路との間を接続する第1配線と、
前記第2範囲と第2回路との間を接続する第2配線と、
を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ソース線に供給される電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ソース線に供給される電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記導電層に接続するコンタクトと、
前記第1範囲と前記コンタクトとの間に設けられた第3範囲と、
前記第2範囲と前記コンタクトとの間に設けられた第4範囲と
を備え、
前記第3範囲は、前記第4範囲よりも長い又は幅が短い
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
第1方向に複数並び、前記第1方向と交差する第2方向に延伸し、前記第1方向から見てセンスアンプ領域と重なる第1導電層及び前記第1方向から見て前記センスアンプ領域と重ならない第2導電層を備える導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記第1導電層と対向する第1半導体層と、
前記第1方向に延伸し、前記第2導電層と対向する第2半導体層と、
前記第1導電層及び前記第1半導体層の間に設けられた第1電荷蓄積部と、
前記第2導電層及び前記第2半導体層の間に設けられた第2電荷蓄積部と、
前記第1半導体層の一端に電気的に接続された第1ビット線と、
前記第2半導体層の一端に電気的に接続された第2ビット線と、
前記第1導電層に供給される電圧を制御する第1ドライバ回路と、
前記第2導電層に供給される電圧を制御する第2ドライバ回路と
を備え、
前記第1電荷蓄積部を含む第1メモリセルに対して所定の動作を実行する場合の、前記第1導電層に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間を第1動作パラメータとし、
前記第2電荷蓄積部を含む第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2導電層に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間を第2動作パラメータとすると、
前記第2動作パラメータの少なくとも一部は、前記第1動作パラメータの少なくとも一部と異なる
半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1導電層と第1回路との間を接続する第1配線と、前記第2導電層と第2回路との間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1導電層に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2導電層に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方よりも大きい
請求項7記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1動作パラメータは、前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、前記第1ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、前記第1ビット線のセンス時間を含み、
前記第2動作パラメータは、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、前記第2ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、前記第2ビット線のセンス時間を含む
請求項7記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1導電層と第1回路との間を接続する第1配線と、前記第2導電層と第2回路との間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方よりも大きい
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1導電層と第1回路との間を接続する第1配線と、前記第2導電層と第2回路との間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線のセンス開始までの安定待ち時間は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線のセンス開始までの安定待ち時間よりも長い
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第1導電層と第1回路との間を接続する第1配線と、前記第2導電層と第2回路との間を接続する第2配線と、を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線のセンス時間は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線のセンス時間よりも短い
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記第1半導体層の他端に電気的に接続された第1ソース線と、
前記第2半導体層の他端に電気的に接続された第2ソース線と
前記第1導電層と第1回路との間を接続する第1配線と、
前記第2導電層と第2回路との間を接続する第2配線と、
を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ソース線に供給される電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ソース線に供給される電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方よりも大きい
請求項7記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1配線は、前記第2配線よりも、銅で形成された配線層における配線長さが短い
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
第1方向に複数並び、前記第1方向と交差する第2方向に延伸し、前記第1方向から見てセンスアンプ領域と重なる第1導電層及び前記第1方向から見て前記センスアンプ領域(RSA)と重ならない第2導電層を備える導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記第1導電層と対向する第1半導体層と、
前記第1方向に延伸し、前記第2導電層と対向する第2半導体層と、
前記第1導電層及び前記第1半導体層の間に設けられた第1電荷蓄積部と、
前記第2導電層及び前記第2半導体層の間に設けられた第2電荷蓄積部と、
前記第1半導体層の一端に電気的に接続された第1ビット線と、
前記第2半導体層の一端に電気的に接続され
た第2ビット線と、
前記第1導電層に供給される電圧を制御する第1ドライバ回路と、
前記第2導電層に供給される電圧を制御する第2ドライバ回路と、
前記第1導電層と第1回路との間を接続する第1配線と、
前記第2導電層と第2回路との間を接続する第2配線と、
を備え、
前記第1配線の抵抗が前記第2配線の抵抗よりも大きく、
前記第1電荷蓄積部を含む第1メモリセルに対して所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、前記第1ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、前記第1ビット線のセンス時間を前記第1動作パラメータとし、
前記第2電荷蓄積部を含む第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、前記第2ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、前記第2ビット線のセンス時間を前記第2動作パラメータとすると、
前記第2動作パラメータの少なくとも一部は、前記第1動作パラメータの少なくとも一部と異なる
半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方よりも大きい
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線のセンス開始までの安定待ち時間は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線のセンス開始までの安定待ち時間よりも長い
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ビット線のセンス時間は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ビット線のセンス時間よりも短い
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記第1半導体層の他端に電気的に接続された第1ソース線と、
前記第2半導体層の他端に電気的に接続された第2ソース線と
を備え、
前記第1メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第1ソース線に供給される電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方は、前記第2メモリセルに対して前記所定の動作を実行する場合の、前記第2ソース線に供給される電圧の大きさ及び供給時間の少なくとも一方よりも大きい
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項20】
前記第1配線及び前記第2配線は、材料、幅、高さ、及び長さの少なくとも一つが異なる
請求項2、8及び15のいずれか1項記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、この基板の表面と交差する方向に積層された複数の導電層と、これら複数の導電層に対向する半導体層と、導電層及び半導体層の間に設けられたゲート絶縁層と、を備える半導体記憶装置が知られている。ゲート絶縁層は、例えば、窒化シリコン(Si)等の絶縁性の電荷蓄積層やフローティングゲート等の導電性の電荷蓄積層等の、データを記憶可能なメモリ部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-157260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、基板の表面と交差する第1方向において前記基板から離間し、第1方向と交差する第2方向に延伸し、第2方向に並ぶ第1範囲及び第2範囲を備える導電層と、第1方向に延伸し、第1範囲において導電層と対向する第1半導体層と、第1方向に延伸し、第2範囲において導電層と対向する第2半導体層と、導電層及び第1半導体層の間に設けられた第1電荷蓄積部と、導電層及び第2半導体層の間に設けられた第2電荷蓄積部と、第1半導体層の一端に電気的に接続された第1ビット線と、第2半導体層の一端に電気的に接続された第2ビット線と、を備える。第1電荷蓄積部を含む第1メモリセルに対して所定の動作を実行する場合の、第1ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、第1ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、第1ビット線のセンス時間を第1動作パラメータとし、第2電荷蓄積部を含む第2メモリセルに対して所定の動作を実行する場合の、第2ビット線に供給される一又は複数の電圧の大きさ及び供給時間、第2ビット線のセンス開始までの安定待ち時間、並びに、第2ビット線のセンス時間を第2動作パラメータとすると、第2動作パラメータの少なくとも一部は、第1動作パラメータの少なくとも一部と異なる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
図2】第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図3】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図4図3のストリングユニットSUの構成を示す模式的な回路図である。
図5】電圧生成回路VG、CGドライバ回路DRV及びロウデコーダRDの構成を示す模式的な回路図である。
図6】電圧生成回路VG中のチャージポンプ回路32の構成を示す模式的な回路図である。
図7】電圧出力回路32aの構成を示す模式的な回路図である。
図8】可変抵抗素子32b4の構成を示す模式的な回路図である。
図9】ロウ制御回路RowC及びブロックデコーダBLKDの構成を示す模式的なブロック図である。
図10】センスアンプモジュールSAMの構成を示す模式的なブロック図である。
図11】センスアンプユニットSAUの構成を示す模式的な回路図である。
図12】メモリダイMDの模式的な平面図である。
図13】メモリダイMDの模式的な断面図である。
図14図12のAで示した部分の模式的な拡大図である。
図15図14に示す構造の一部を省略して示す模式的な平面図である。
図16図14に示す構造の一部を省略して示す模式的な平面図である。
図17図14に示す構造の一部を省略して示す模式的な平面図である。
図18図14に示す構造の一部を省略して示す模式的な平面図である。
図19図12のBで示した部分の模式的な拡大図である。
図20図19のCで示した部分の模式的な拡大図である。
図21図13のDで示した部分の模式的な拡大図である。
図22図14の模式的な拡大図である。
図23図22に示す構造をE-E´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図24】メモリセルMCのしきい値電圧について説明するための模式的な図である。
図25】読み出し動作について説明するための模式的な断面図である。
図26】読み出し動作について説明するためのタイミングチャートである。
図27】第1実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。
図28A】第1実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。
図28B】シーケンサSQCとセンスアンプモジュールSAM(1),SAM(2)との間の制御信号SGL1,SGL2の信号線を示す図である。
図29】第2実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作について説明するためのタイミングチャートである。
図30】第3実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み動作について説明するためのフローチャートである。
図31】書き込み動作に含まれるプログラム動作について説明するための模式的な断面図である。
図32】書き込み動作に含まれるベリファイ動作について説明するための模式的な断面図である。
図33】書き込み動作について説明するためのタイミングチャートである。
図34】書き込み動作について説明するためのタイミングチャートである。
図35】第4実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み動作について説明するためのタイミングチャートである。
図36】第5実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。
図37】チップCの構成例を示す模式的な底面図である。
図38】第5実施形態に係るメモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図39】第5実施形態に係るメモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図40】チップCの構成例を示す模式的な平面図である。
図41図40に示す構造をF-F´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図42図40に示す構造をG-G´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図43】第5実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。
図44】第5実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。
図45】第6実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。
図46】第6実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。
図47】三次元型のNORフラッシュメモリの構成例を示す模式的な回路図である。
図48】第7実施形態に係る半導体記憶装置900の構成例を示す模式的なブロック図である。
図49】三次元型のNORフラッシュメモリの他の構成例を示す模式的な回路図である。
図50】三次元型のDRAMの構成例を示す模式的な回路図である。
図51】三次元型のDRAMの他の構成例を示す模式的な回路図である。
図52】第9実施形態に係る半導体記憶装置1000の構成例を示す模式的なブロック図である。
図53】センスアンプ回路sacを含むセンスアンプsaの構成例を示す回路図である。
図54】DRAMの構成を示す模式的なXY断面図である。
図55図54に示す構造をC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において「制御回路」と言った場合には、メモリダイに設けられたシーケンサ等の周辺回路を意味する事もあるし、メモリダイに接続されたコントローラダイ又はコントローラチップ等を意味する事もあるし、これらの双方を含む構成を意味する事もある。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0011】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0012】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0013】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0014】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0015】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0016】
[第1実施形態]
[メモリシステム10]
図1は、第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【0017】
メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、ユーザデータの読み出し、書き込み、消去等を行う。メモリシステム10は、例えば、メモリチップ、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、複数のメモリダイMDと、コントローラダイCDと、を備える。
【0018】
メモリダイMDは、ユーザデータを記憶する。メモリダイMDは、複数のメモリブロックBLKを備える。メモリブロックBLKは、複数のページPGを備える。メモリブロックBLKは、消去動作の実行単位であっても良い。ページPGは、読み出し動作及び書き込み動作の実行単位であっても良い。
【0019】
コントローラダイCDは、図1に示す様に、複数のメモリダイMD及びホストコンピュータ20に接続される。コントローラダイCDは、例えば、論物変換テーブル21、FAT(File Allocation Table)22、消去回数保持部23、ECC回路24、及び、MPU(Micro Processor Unit)25を備える。
【0020】
論物変換テーブル21は、ホストコンピュータ20から受信した論理アドレスと、メモリダイMD中のページPGに割り当てられた物理アドレスと、を対応付けて保持する。論物変換テーブル21は、例えば、図示しないRAM(Random Access Memory)等によって実現される。
【0021】
FAT22は、各ページPGの状態を示すFAT情報を保持する。この様なFAT情報としては、例えば、「有効」、「無効」、「消去済」を示す情報がある。例えば、「有効」であるページPGは、ホストコンピュータ20からの命令に応じて読み出される有効なデータを記憶している。また、「無効」であるページPGは、ホストコンピュータ20からの命令に応じて読み出されない無効なデータを記憶している。また、「消去済」であるページPGには、消去処理が実行されてからデータが記憶されていない。FAT22は、例えば、図示しないRAM等によって実現される。
【0022】
消去回数保持部23は、メモリブロックBLKに対応する物理アドレスと、メモリブロックBLKに対して実行された消去動作の回数と、を対応付けて保持する。消去回数保持部23は、例えば、図示しないRAM等によって実現される。
【0023】
ECC回路24は、メモリダイMDから読み出されたデータの誤りを検出し、可能な場合にはデータの訂正を行う。
【0024】
MPU25は、論物変換テーブル21、FAT22、消去回数保持部23及びECC回路24を参照して、論理アドレスと物理アドレスの変換、ビット誤り検出/訂正、ガベージコレクション(コンパクション)、ウェアレベリング等の処理を行う。
【0025】
[メモリダイMDの回路構成]
図2は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。図3は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。図4は、図3のストリングユニットSUの構成を示す模式的な回路図である。図5は、電圧生成回路VG、CGドライバ回路DRV及びロウデコーダRDの構成を示す模式的な回路図である。図6は、電圧生成回路VG中のチャージポンプ回路32の構成を示す模式的な回路図である。図7は、電圧出力回路32aの構成を示す模式的な回路図である。図8は、可変抵抗素子32b4の構成を示す模式的な回路図である。図9は、ロウ制御回路RowC及びブロックデコーダBLKDの構成を示す模式的なブロック図である。図10は、センスアンプモジュールSAMの構成を示す模式的なブロック図である。図11は、センスアンプユニットSAUの構成を示す模式的な回路図である。
【0026】
尚、図2には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合がある。図2において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含む。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含む。尚、図2の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0027】
図2に示す様に、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCAと、周辺回路PCと、を備える。周辺回路PCは、電圧生成回路VGと、ロウデコーダRDと、センスアンプモジュールSAMと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、キャッシュメモリCMと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、を備える。また、周辺回路PCは、ソース線ドライバ回路SDRV(図28A)を備える。
【0028】
[メモリセルアレイMCAの回路構成]
メモリセルアレイMCAは、図3に示す様に、上述した複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SL(後述する分割範囲DU1における共通のソース線SL1、及び、後述する分割範囲DU2における共通のソース線SL2;図4参照)を介して周辺回路PCに接続される。
【0029】
メモリストリングMSは、ドレイン側選択トランジスタSTDと、複数のメモリセルMC(メモリトランジスタ)と、ソース側選択トランジスタSTSと、ソース側選択トランジスタSTSbと、を備える。ドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続される。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを、単に選択トランジスタ(STD、STS、STSb)と呼ぶ事がある。
【0030】
メモリセルMCは、電界効果型のトランジスタである。メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0031】
選択トランジスタ(STD、STS、STSb)は、電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタ(STD、STS、STSb)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層はチャネル領域として機能する。選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)が接続される。1つのドレイン側選択ゲート線SGDは、1つのストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSbは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0032】
[ワード線WLの分割範囲DU1,DU2]
図4に示す様に、複数のワード線WLは、それぞれ、後述するフックアップ領域RHU1,RHU2図12等)によって2つの分割範囲DU1,DU2に物理的又は仮想的に分割されている。そして、例えば、複数のワード線WLの分割範囲DU1,DU2には、それぞれ、1本のワード線WL(例えばワード線WL0)に接続された複数のメモリセルMCのうちの半数のメモリセルMCが接続される。
【0033】
図4の例では、ストリングユニットSUは、n本のワード線WL0~WLn-1を備え、2m本のビット線BL0~BL2m-1を備えている。また、2m本のビット線BL0~BL2m-1には、2m個のメモリストリングMS0~MS2m-1が接続されている。n及びmは1以上の整数である。この場合、n本のワード線WL0~WLn-1の分割範囲DU1には、それぞれ、m個のメモリセルMCが接続される。また、n本のワード線WL0~WLn-1の分割範囲DU2にも、それぞれ、m個のメモリセルMCが接続される。尚、n本のワード線WL0~WLn-1に接続された2m個のメモリセルMCを、それぞれ、メモリセルMC0~MCn-1と呼ぶ場合がある。
【0034】
図4に示す様に、2m本のメモリストリングMS0~MS2m-1のうち、分割範囲DU1におけるm本のメモリストリングMS0~MSm-1の一端は、それぞれ、分割範囲DU1におけるm本のビット線BL0~BLm-1を介して周辺回路PCに接続される。また、2m本のメモリストリングMS0~MS2m-1のうち、分割範囲DU2におけるm本のメモリストリングMSm~MS2m-1の一端は、それぞれ、分割範囲DU2におけるm本のビット線BLm~BL2m-1を介して周辺回路PCに接続される。
【0035】
ソース線SL1,SL2は、図4に示す様に、分割範囲DU1,DU2に対応して設けられている。2m本のメモリストリングMS0~MS2m-1のうち、分割範囲DU1におけるm本のメモリストリングMS0~MSm-1の他端は、それぞれ、分割範囲DU1における共通のソース線SL1を介して周辺回路PCに接続される。また、2m本のメモリストリングMS0~MS2m-1のうち、分割範囲DU2におけるm本のメモリストリングMSm~MS2m-1の他端は、それぞれ、分割範囲DU2における共通のソース線SL2を介して周辺回路PCに接続される。
【0036】
尚、上述した様に、複数のワード線WL0~WLn-1は、2つの分割範囲DU1,DU2に物理的又は仮想的に分割されているが、後述する様に、1つのワード線WL(分割範囲DU1,DU2)は、そのワード線WLに対応する配線及びコンタクトCCを介してワード線スイッチWLSWに接続される。従って、1つのワード線WL(分割範囲DU1,DU2)は、同じタイミングで同じ電圧が供給される。
【0037】
一方、分割範囲DU1に含まれる複数のビット線BLと、分割範囲DU2に含まれる複数のビット線BLは、異なるタイミングで異なる電圧が供給可能である。また、分割範囲DU1に対応するソース線SL1と、分割範囲DU2に対応するソース線SL2も、異なるタイミングで異なる電圧が供給可能である。
【0038】
尚、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)は、ワード線WLと同様に、2つの分割範囲DU1,DU2に物理的又は仮想的に分割されている。選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)は、配線及びコンタクトCCを介してワード線スイッチWLSWに接続される。従って、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)は、それぞれ、同じタイミングで同じ電圧が供給される。
【0039】
[電圧生成回路VGの回路構成]
電圧生成回路VG(図2)は、例えば図5に示す様に、複数の電圧生成ユニットvg1~vg3を備える。電圧生成ユニットvg1~vg3は、読み出し動作、書き込み動作及び消去動作において、所定の大きさの電圧を生成し、電圧供給線LVGを介して出力する。例えば、電圧生成ユニットvg1は、書き込み動作において、後述するプログラム電圧VPGMを出力する。また、電圧生成ユニットvg2は、読み出し動作において、後述する読み出しパス電圧VREADを出力する。また、電圧生成ユニットvg2は、書き込み動作において、後述する書き込みパス電圧VPASSを出力する。また、電圧生成ユニットvg3は、読み出し動作において、後述する読み出し電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg3は、書き込み動作において、後述するベリファイ電圧を出力する。電圧生成ユニットvg1~vg3は、例えば、チャージポンプ回路等の昇圧回路でも良いし、レギュレータ等の降圧回路でも良い。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電圧供給線Lに接続される。電圧供給線Lには、電源電圧VCC又は接地電圧VSS図2)が供給される。これらの電圧供給線Lは、例えば、パッド電極Pに接続される。電圧生成回路VGから出力される動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0040】
電圧生成回路VG中のチャージポンプ回路32は、例えば図6に示す様に、電圧出力回路32aと、分圧回路32bと、コンパレータ32cと、を備える。電圧出力回路32aは、電圧供給線LVGに電圧VOUTを出力する。分圧回路32bは、電圧供給線LVGに接続される。コンパレータ32cは、分圧回路32bから出力される電圧VOUT´と参照電圧VREFとの大小関係に応じて、電圧出力回路32aにフィードバック信号FBを出力する。
【0041】
電圧出力回路32aは、図7に示す様に、複数のトランジスタ32a2a,32a2bを備える。複数のトランジスタ32a2a,32a2bは、電圧供給線LVG及び電圧供給線Lの間に交互に接続される。図示の電圧供給線Lには、電源電圧VCCが供給される。直列に接続された複数のトランジスタ32a2a,32a2bのゲート電極は、それぞれのドレイン電極及びキャパシタ32a3に接続される。また、電圧出力回路32aは、AND回路32a4と、レベルシフタ32a5aと、レベルシフタ32a5bと、を備える。AND回路32a4は、クロック信号CLK及びフィードバック信号FBの論理和を出力する。レベルシフタ32a5aは、AND回路32a4の出力信号を昇圧して出力する。レベルシフタ32a5aの出力端子は、キャパシタ32a3を介してトランジスタ32a2aのゲート電極に接続される。レベルシフタ32a5bは、AND回路32a4の出力信号の反転信号を昇圧して出力する。レベルシフタ32a5bの出力端子は、キャパシタ32a3を介してトランジスタ32a2bのゲート電極に接続される。
【0042】
フィードバック信号FBが“H”状態である場合、AND回路32a4からは、クロック信号CLKが出力される。これに伴い、電圧供給線LVGから電圧供給線Lに電子が移送され、電圧供給線LVGの電圧が増大する。一方、フィードバック信号FBが“L”状態である場合、AND回路32a4からは、クロック信号CLKが出力されない。従って、電圧供給線LVGの電圧は増大しない。
【0043】
分圧回路32bは、図6に示す様に、抵抗素子32b2と、可変抵抗素子32b4と、を備える。抵抗素子32b2は、電圧供給線LVG及び分圧端子32b1の間に接続される。可変抵抗素子32b4は、分圧端子32b1及び電圧供給線Lの間に直列に接続される。この電圧供給線Lには、接地電圧VSSが供給される。可変抵抗素子32b4の抵抗値は、動作電圧制御信号VCTRLに応じて調整可能である。従って、分圧端子32b1の電圧VOUT´の大きさは、動作電圧制御信号VCTRLに応じて調整可能である。
【0044】
可変抵抗素子32b4は、図8に示す様に、複数の電流経路32b5を備える。複数の電流経路32b5は、分圧端子32b1及び電圧供給線Lの間に並列に接続される。複数の電流経路32b5は、それぞれ、直列に接続された抵抗素子32b6及びトランジスタ32b7を備える。各電流経路32b5に設けられた抵抗素子32b6の抵抗値は、お互いに異なっても良い。トランジスタ32b7のゲート電極には、それぞれ、動作電圧制御信号VCTRLの異なるビットが入力される。また、可変抵抗素子32b4は、トランジスタ32b7を含まない電流経路32b8を有しても良い。
【0045】
コンパレータ32cは、図6に示す様に、フィードバック信号FBを出力する。フィードバック信号FBは、例えば、分圧端子32b1の電圧VOUT´が参照電圧VREFより大きい場合に“L”状態となる。また、フィードバック信号FBは、例えば、電圧VOUT´が参照電圧VREFより小さい場合に“H”状態となる。
【0046】
尚、上記図5図8を参照して説明した電圧生成回路VG(図2)は、ワード線WL(配線CG)に印加される、プログラム電圧VPGM、読み出しパス電圧VREAD、書き込みパス電圧VPASS、読み出し電圧、及びベリファイ電圧を生成する構成であった。しかしながら、電圧生成回路VGは、ワード線WLに印加される動作電圧だけでなく、メモリセルアレイMCAに対する読み出し動作、書き込み動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線に出力することが可能である。これらの動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0047】
[ロウデコーダRDの回路構成]
ロウデコーダRDは、例えば図5に示す様に、ロウ制御回路RowCと、ワード線デコーダWLDと、CGドライバ回路DRVと、図示しないアドレスデコーダと、を備える。ロウ制御回路RowCは、例えば図9に示す様に、複数のブロックデコーダユニットblkdと、ブロックデコーダBLKDと、を備える。
【0048】
複数のブロックデコーダユニットblkdは、メモリセルアレイMCA中の複数のメモリブロックBLKに対応する。ブロックデコーダユニットblkdは、複数のワード線スイッチWLSWを備える。複数のワード線スイッチWLSWは、メモリブロックBLK中の複数のワード線WLに対応する。ワード線スイッチWLSWは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。ワード線スイッチWLSWのドレイン電極は、ワード線WLに接続される。ワード線スイッチWLSWのソース電極は、配線CGに接続される。配線CGは、ロウ制御回路RowC中の全てのブロックデコーダユニットblkdに接続される。ワード線スイッチWLSWのゲート電極は、信号供給線BLKSELに接続される。信号供給線BLKSELは、全てのブロックデコーダユニットblkdに対応して複数設けられる。また、信号供給線BLKSELは、ブロックデコーダユニットblkd中の全てのワード線スイッチWLSWに接続される。
【0049】
ブロックデコーダBLKDは、読み出し動作、書き込み動作等に際して、ブロックアドレスをデコードする。読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、アドレスレジスタADR(図2)中のブロックアドレスに対応する一つの信号線BLKSELが“H”状態となり、その他の信号線BLKSELが“L”状態となる。例えば、一つの信号線BLKSELに正の大きさを有する所定の駆動電圧が供給され、その他の信号線BLKSELに接地電圧VSS等が供給される。これにより、このブロックアドレスに対応する一つのメモリブロックBLK中の全てのワード線WLが全ての配線CGと導通する。また、その他のメモリブロックBLK中の全てのワード線WLがフローティング状態となる。
【0050】
ワード線デコーダWLDは、複数のワード線デコードユニットwldを備える。複数のワード線デコードユニットwldは、メモリストリングMS中の複数のメモリセルMCに対応する。図示の例において、ワード線デコードユニットwldは、2つのトランジスタTWLS,TWLUを備える。トランジスタTWLS,TWLUは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタTWLS,TWLUのドレイン電極は、配線CGに接続される。トランジスタTWLSのソース電極は、配線CGに接続される。トランジスタTWLUのソース電極は、配線CGに接続される。トランジスタTWLSのゲート電極は、信号線WLSELに接続される。トランジスタTWLUのゲート電極は、信号線WLSELに接続される。信号線WLSELは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる一方のトランジスタTWLSに対応して複数設けられる。信号線WLSELは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる他方のトランジスタTWLUに対応して複数設けられる。
【0051】
読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、アドレスレジスタADR(図2)中のページアドレスに対応する一つのワード線デコードユニットwldに対応する信号線WLSELが“H”状態となり、これに対応するWLSELが“L”状態となる。また、それ以外のワード線デコードユニットwldに対応する信号線WLSELが“L”状態となり、これに対応するWLSELが“H”状態となる。また、配線CGには、選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。また、配線CGには、非選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。これにより、上記ページアドレスに対応する一つのワード線WLに、選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。また、その他のワード線WLに、非選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。
【0052】
CGドライバ回路DRVは、例えば、6つのトランジスタTDRV1~TDRV6を備える。トランジスタTDRV1~TDRV6は、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタTDRV1~TDRV4のドレイン電極は、配線CGに接続される。トランジスタTDRV5,TDRV6のドレイン電極は、配線CGに接続される。トランジスタTDRV1のソース電極は、電圧供給線LVG1を介して、電圧生成ユニットvg1の出力端子に接続される。トランジスタTDRV2,TDRV5のソース電極は、電圧供給線LVG2を介して、電圧生成ユニットvg2の出力端子に接続される。トランジスタTDRV3のソース電極は、電圧供給線LVG3を介して、電圧生成ユニットvg3の出力端子に接続される。トランジスタTDRV4,TDRV6のソース電極は、電圧供給線Lを介して、パッド電極Pに接続される。トランジスタTDRV1~TDRV6のゲート電極には、それぞれ、信号線VSEL1~VSEL6が接続される。
【0053】
読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、配線CGに対応する複数の信号線VSEL1~VSEL4のうちの一つが“H”状態となり、その他が“L”状態となる。また、配線CGに対応する2つの信号線VSEL5,VSEL6の一方が“H”状態となり、他方が“L”状態となる。
【0054】
図示しないアドレスデコーダは、例えば、シーケンサSQC(図2)からの制御信号に従って順次アドレスレジスタADR(図2)のロウアドレスRAを参照する。ロウアドレスRAは、上述したブロックアドレス及びページアドレスを含む。アドレスデコーダは、上記信号線BLKSEL,WLSEL,WLSELの電圧を“H”状態又は“L”状態に制御する。
【0055】
尚、図5の例において、ロウデコーダRDには、1つのメモリブロックBLKについて1つずつブロックデコーダユニットblkdが設けられる。しかしながら、この構成は適宜変更可能である。例えば、2以上のメモリブロックBLKについて1つずつブロックデコーダユニットblkdが設けられても良い。
【0056】
[センスアンプモジュールSAMの回路構成]
センスアンプモジュールSAM(図2)は、例えば図10に示す様に、複数のセンスアンプユニットSAUを備える。複数のセンスアンプユニットSAUは、複数のビット線BLに対応する。センスアンプユニットSAUは、それぞれ、センスアンプSAと、配線LBUSと、ラッチ回路SDL,DL0~DLn(nは自然数)と、を備える。センスアンプモジュールSAM(図2)には、プリチャージ用の充電トランジスタ55(図11)が設けられている。充電トランジスタ55のゲートは、信号線LBPに接続され、充電トランジスタ55の一端は、配線LBUSに接続されている。充電トランジスタ55の他端には、電圧VHLBが供給される。信号線LBPは、シーケンサSQCに接続される。配線LBUSは、スイッチトランジスタDSWを介して配線DBUSに接続される。
【0057】
センスアンプSAは、図11に示す様に、センストランジスタ41を備える。センストランジスタ41は、ビット線BLに流れる電流に応じて配線LBUSの電荷を放電する。センストランジスタ41のソース電極は接地電圧VSSが供給される電圧供給線に接続される。ドレイン電極は、スイッチトランジスタ42を介して配線LBUSに接続される。ゲート電極は、センスノードSEN、放電トランジスタ43、ノードCOM、クランプトランジスタ44及び耐圧トランジスタ45を介してビット線BLに接続される。尚、センスノードSENは、キャパシタ48を介して内部制御信号線CLKSAに接続される。
【0058】
また、センスアンプSAは、電圧転送回路を備える。電圧転送回路は、ラッチ回路SDLにラッチされたデータに応じて、ノードCOM及びセンスノードSENを、電圧VDDが供給される電圧供給線又は電圧VSRCが供給される電圧供給線と選択的に導通させる。電圧転送回路は、ノードN1と、充電トランジスタ46と、充電トランジスタ49と、充電トランジスタ47と、放電トランジスタ50と、を備える。充電トランジスタ46は、ノードN1及びセンスノードSENの間に接続される。充電トランジスタ49は、ノードN1及びノードCOMの間に接続される。充電トランジスタ47は、ノードN1及び電圧VDDが供給される電圧供給線の間に接続される。放電トランジスタ50は、ノードN1及び電圧VSRCが供給される電圧供給線の間に接続される。尚、充電トランジスタ47及び放電トランジスタ50のゲート電極は、ラッチ回路SDLのノードINV_Sに共通に接続される。
【0059】
尚、センストランジスタ41、スイッチトランジスタ42、放電トランジスタ43、クランプトランジスタ44、充電トランジスタ46、充電トランジスタ49及び放電トランジスタ50は、例えば、エンハンスメント型のNMOSトランジスタである。耐圧トランジスタ45は、例えば、デプレッション型のNMOSトランジスタである。充電トランジスタ47は、例えば、PMOSトランジスタである。
【0060】
また、スイッチトランジスタ42のゲート電極は、信号線STBに接続される。放電トランジスタ43のゲート電極は、信号線XXLに接続される。クランプトランジスタ44のゲート電極は、信号線BLCに接続される。耐圧トランジスタ45のゲート電極は、信号線BLSに接続される。充電トランジスタ46のゲート電極は、信号線HLLに接続される。充電トランジスタ49のゲート電極は、信号線BLXに接続される。これらの信号線STB,XXL,BLC,BLS,HLL,BLXは、シーケンサSQCに接続される。
【0061】
ラッチ回路SDLは、ノードLAT_S,INV_Sと、インバータ51と、インバータ52と、スイッチトランジスタ53と、スイッチトランジスタ54と、を備える。インバータ51は、ノードLAT_Sに接続された出力端子及びノードINV_Sに接続された入力端子を備える。インバータ52は、ノードLAT_Sに接続された入力端子及びノードINV_Sに接続された出力端子を備える。スイッチトランジスタ53は、ノードLAT_S及び配線LBUSの間の電流経路に設けられる。スイッチトランジスタ54は、ノードINV_S及び配線LBUSの間の電流経路に設けられる。スイッチトランジスタ53,54は、例えば、NMOSトランジスタである。スイッチトランジスタ53のゲート電極は、信号線STLを介してシーケンサSQCに接続される。スイッチトランジスタ54のゲート電極は、信号線STIを介してシーケンサSQCに接続される。
【0062】
ラッチ回路DL0~DLnは、ラッチ回路SDLとほぼ同様に構成される。ただし、上述の通り、ラッチ回路SDLのノードINV_SはセンスアンプSA中の充電トランジスタ47及び放電トランジスタ50のゲート電極と導通している。ラッチ回路DL0~DLnは、この点においてラッチ回路SDLと異なる。
【0063】
スイッチトランジスタDSWは、例えば、NMOSトランジスタである。スイッチトランジスタDSWは、配線LBUS及び配線DBUSの間に接続される。スイッチトランジスタDSWのゲート電極は、信号線DBSを介してシーケンサSQCに接続される。
【0064】
尚、図10に例示する様に、上述の信号線STB,HLL,XXL,BLX,BLC,BLSは、それぞれ、センスアンプモジュールSAMに含まれる全てのセンスアンプユニットSAUの間で共通に接続される。また、上述の内部制御信号線CLKSAは、センスアンプモジュールSAMに含まれる全てのセンスアンプユニットSAUの間で共通に接続される。また、上述の電圧VDDが供給される電圧供給線及び電圧VSRCが供給される電圧供給線は、それぞれ、センスアンプモジュールSAMに含まれる全てのセンスアンプユニットSAUの間で共通に接続される。また、ラッチ回路SDLの信号線STI及び信号線STLは、それぞれ、センスアンプモジュールSAMに含まれる全てのセンスアンプユニットSAUの間で共通に接続される。同様に、ラッチ回路DL0~DLn中の信号線STI及び信号線STLに対応する信号線TI0~TIn,TL0~TLnは、それぞれ、センスアンプモジュールSAMに含まれる全てのセンスアンプユニットSAUの間で共通に接続される。一方、上述の信号線DBSは、それぞれ、センスアンプモジュールSAMに含まれる全てのセンスアンプユニットSAUに対応して複数設けられる。
【0065】
尚、センスアンプモジュールSAMは、ワード線WLの分割範囲DU1,DU2に対応する2つのセンスアンプモジュールSAM(1),SAM(2)が設けられている(後述する図30)。2つのセンスアンプモジュールSAM(1),SAM(2)の構成は、図10及び図11を参照して説明したセンスアンプモジュールSAMと同様である。
【0066】
[ソース線ドライバ回路SDRVの構成]
ソース線ドライバ回路SDRV(後述する図28A)は、電圧生成回路VGからの電圧をソース線SL1,SL2に供給する回路である。ソース線ドライバ回路SDRVは、電圧生成回路VGと電圧供給線を介して接続されると共に、ソース線SL1,SL2と接続される。
【0067】
[キャッシュメモリCMの回路構成]
キャッシュメモリCM(図2)は、複数のラッチ回路を備える。複数のラッチ回路は、配線DBUSを介してセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。これら複数のラッチ回路に含まれるデータDATは、順次センスアンプモジュールSAM又は入出力制御回路I/Oに転送される。
【0068】
また、キャッシュメモリCMには、図示しないデコード回路及びスイッチ回路が接続される。デコード回路は、アドレスレジスタADRに保持されたカラムアドレスCAをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路をバスDB(図2)と導通させる。
【0069】
[シーケンサSQCの回路構成]
シーケンサSQC(図2)は、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータDCMDに従い、ロウデコーダRD、センスアンプモジュールSAM、及び、電圧生成回路VGに内部制御信号を出力する。また、シーケンサSQCは、適宜自身の状態を示すステータスデータDSTをステータスレジスタSTRに出力する。
【0070】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYが“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、端子RY//BYが“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。
【0071】
[入出力制御回路I/Oの回路構成]
入出力制御回路I/Oは、データ信号入出力端子DQ0~DQ7と、トグル信号入出力端子DQS,/DQSと、複数の入力回路と、複数の出力回路と、シフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。複数の入力回路、複数の出力回路、シフトレジスタ及びバッファ回路は、それぞれ、電源電圧VCCQ及び接地電圧VSSが供給される端子に接続される。
【0072】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR又はコマンドレジスタCMRに出力される。また、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM又はステータスレジスタSTRからバッファ回路に入力される。
【0073】
複数の入力回路は、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7のいずれか、又は、トグル信号入出力端子DQS,/DQSの双方に接続されたコンパレータを含む。複数の出力回路は、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7のいずれか、又は、トグル信号入出力端子DQS,/DQSのいずれかに接続されたOCD(Off Chip Driver)回路を含む。
【0074】
[論理回路CTRの回路構成]
論理回路CTR(図2)は、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,RE,/REを介してコントローラダイCDから外部制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0075】
[メモリダイMDの構造]
図12は、メモリダイMDの模式的な平面図である。図13は、メモリダイMDの模式的な断面図である。尚、図13はメモリダイMDの模式的な構成について説明するための図であり、具体的な構成の数、形状、配置等を示すものでは無い。図14は、図12のAで示した部分の模式的な拡大図である。ただし、図14では、図12の一部の構成(後述する第1フックアップ領域RHU1)が省略されている。図15図18は、図14に示す構造の一部を省略して示す模式的な平面図である。図19は、図12のBで示した部分の模式的な拡大図である。図20は、図19のCで示した部分の模式的な拡大図である。図21は、図13のDで示した部分の模式的な拡大図である。図22は、図14の模式的な拡大図である。図23は、図22に示す構造をE-E´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【0076】
尚、図15図18は、図14に記載された複数の導電層110のうち、所定の高さ位置に設けられたもの(導電層200、導電層210、導電層220又は導電層230)を図示している。また、図15図18では、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKのうち、Y方向負側から数えて2番目及び4番目のメモリブロックBLKに含まれる構成が省略されている。
【0077】
メモリダイMDは、例えば図12に示す様に、半導体基板100を備える。図示の例において、半導体基板100にはX方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域RMCAが設けられる。また、メモリセルアレイ領域RMCAは、X方向に並ぶ2つのメモリホール領域RMHと、これらの間においてX方向に並ぶ2つの第1フックアップ領域RHU1と、これらの間に設けられた第2フックアップ領域RHU2と、を備える。
【0078】
尚、上記のワード線WLの分割範囲DU1は、例えば、X方向に並ぶ2つのメモリホール領域RMHのうち、X方向負側のメモリホール領域RMHに対応するワード線WLの範囲である。また、上記のワード線WLの分割範囲DU2は、例えば、X方向に並ぶ2つのメモリホール領域RMHのうち、X方向正側のメモリホール領域RMHに対応するワード線WLの範囲である。
【0079】
メモリダイMDは、例えば図13に示す様に、半導体基板100と、半導体基板100上に設けられたトランジスタ層LTRと、トランジスタ層LTRの上方に設けられた配線層D0と、配線層D0の上方に設けられた配線層D1と、配線層D1の上方に設けられた配線層D2と、配線層D2の上方に設けられたメモリセルアレイ層LMCA1と、メモリセルアレイ層LMCA1の上方に設けられたメモリセルアレイ層LMCA2と、メモリセルアレイ層LMCA2の上方に設けられた配線層M0と、配線層M0の上方に設けられた図示しない配線層と、を備える。
【0080】
[半導体基板100の構造]
半導体基板100は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。半導体基板100の表面には、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域と、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域と、N型ウェル領域及びP型ウェル領域が設けられていない半導体基板領域と、絶縁領域100Iと、が設けられている。
【0081】
[トランジスタ層LTRの構造]
例えば図13に示す様に、半導体基板100の上面には、図示しない絶縁層を介して、配線層GCが設けられている。配線層GCは、半導体基板100の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板100の各領域及び配線層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、コンタクトCSに接続されている。
【0082】
半導体基板100のN型ウェル領域、P型ウェル領域及び半導体基板領域は、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0083】
配線層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタの他方の電極等として機能する。
【0084】
コンタクトCSは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板100又は電極gcの上面に接続されている。コンタクトCSと半導体基板100との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。コンタクトCSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0085】
[配線層D0,D1,D2の構造]
例えば図13に示す様に、配線層D0,D1,D2に含まれる複数の配線は、メモリセルアレイMCA中の構成及び周辺回路PC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0086】
配線層D0,D1,D2は、それぞれ、複数の配線d0,d1,d2を含む。これら複数の配線d0,d1,d2は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0087】
[メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2のメモリホール領域RMHにおける構造]
例えば図14に示す様に、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2には、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。メモリブロックBLKは、例えば図19に示す様に、Y方向に並ぶ複数のストリングユニットSUを備える。Y方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO)等のブロック間絶縁層STが設けられる。Y方向において隣り合う2つのストリングユニットSUの間には、例えば図20に示す様に、酸化シリコン(SiO)等のストリングユニット間絶縁層SHEが設けられる。
【0088】
メモリブロックBLKは、例えば図13に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体層120と、を備える。また、メモリブロックBLKは、例えば図21に示す様に、複数の導電層110及び複数の半導体層120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130と、を備える。
【0089】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101(図21)が設けられている。
【0090】
導電層110の下方には、例えば図13に示す様に、導電層111が設けられている。導電層111は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、導電層111及び導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層が設けられている。
【0091】
導電層111の下方には、導電層112が設けられている。導電層112は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、導電層112は、例えば、タングステン(W)等の金属、タングステンシリサイド等の導電層又はその他の導電層を含んでいても良い。また、導電層112及び導電層111の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層が設けられている。
【0092】
導電層112は、ソース線SL(図3)として機能する。導電層112は、メモリセルアレイ層LMCA1に設けられる。導電層112は、例えば、メモリセルアレイ領域RMCAに含まれる2つのメモリホール領域RMHのうち、分割範囲DU1に対応するメモリホール領域RMHについて共通に設けられ、分割範囲DU2に対応するメモリホール領域RMHについて共通に設けられている(図12)。
【0093】
導電層111は、ソース側選択ゲート線SGSb(図3)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSbのゲート電極として機能する。導電層111は、メモリセルアレイ層LMCA1に設けられ、X方向において並ぶ2つのメモリホール領域RMH、これらの間に設けられた2つの第1フックアップ領域RHU1、及び、これらの間に設けられた第2フックアップ領域RHU2にわたってX方向に延伸する。導電層111は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0094】
また、複数の導電層110のうち、最下層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS(図3)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。これらの導電層110は、メモリセルアレイ層LMCA1に設けられ、X方向において並ぶ2つのメモリホール領域RMH、これらの間に設けられた2つの第1フックアップ領域RHU1、及び、これらの間に設けられた第2フックアップ領域RHU2にわたってX方向に延伸する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0095】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、ワード線WL(図3)の一部及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図3)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、例えば図15に例示する様に、メモリセルアレイ層LMCA1に設けられ、X方向において並ぶ2つのメモリホール領域RMH、これらの間に設けられた2つの第1フックアップ領域RHU1図15では省略。図12参照)、及び、これらの間に設けられた第2フックアップ領域RHU2にわたってX方向に延伸する。これら複数の導電層110は、2つのメモリホール領域RMHに設けられた2つの部分201と、これら2つの部分201の双方に接続された部分202と、を備える。2つの部分201は、部分202を介して電気的に接続されている。また、これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。尚、以下の説明では、この様な導電層110を、導電層200と呼ぶ場合がある。
【0096】
また、これよりも上方には、X方向に並ぶ一対の導電層110の組が、Z方向に積層されている。これら複数の導電層110の組は、ワード線WL(図3)の一部及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図3)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110の組は、メモリセルアレイ層LMCA1に設けられる。これら2つの導電層110は、例えば図16に例示する様に、それぞれ、一方又は他方のメモリホール領域RMH、一方又は他方の第1フックアップ領域RHU1図16では省略。図12参照)、及び、第2フックアップ領域RHU2の一部にわたってX方向に延伸する。これら2つの導電層110は、コンタクトCC及び配線を介して電気的に接続されている。また、これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。尚、以下の説明では、この様な導電層110を、導電層210と呼ぶ場合がある。
【0097】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、ワード線WL(図3)の一部及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図3)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、例えば図17に例示する様に、メモリセルアレイ層LMCA2に設けられ、X方向において並ぶ2つのメモリホール領域RMH、これらの間に設けられた2つの第1フックアップ領域RHU1図17では省略。図12参照)、及び、これらの間に設けられた第2フックアップ領域RHU2にわたってX方向に延伸する。これら複数の導電層110は、2つのメモリホール領域RMHに設けられた2つの部分221と、これら2つの部分221の双方に接続された部分222と、を備える。2つの部分221は、部分222を介して電気的に接続されている。また、これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。尚、以下の説明では、この様な導電層110を、導電層220と呼ぶ場合がある。
【0098】
また、これよりも上方には、X方向に並ぶ一対の導電層110の組が、Z方向に積層されている。これら複数の導電層110の組は、ワード線WL(図3)の一部及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図3)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110の組は、メモリセルアレイ層LMCA2に設けられる。これら2つの導電層110は、例えば図18に例示する様に、それぞれ、一方又は他方のメモリホール領域RMH、一方又は他方の第1フックアップ領域RHU1図18では省略。図12参照)、及び、第2フックアップ領域RHU2の一部にわたってX方向に延伸する。これら2つの導電層110は、コンタクトCC及び配線を介して電気的に接続されている。また、これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。尚、以下の説明では、この様な導電層110を、導電層230と呼ぶ場合がある。
【0099】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、メモリセルアレイ層LMCA2に設けられ、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(図3)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、例えば図19に例示する様に、その他の導電層110よりもY方向の幅が小さい。また、Y方向において隣り合う2つの導電層110の間には、例えば図20に例示する様に、ストリングユニット間絶縁層SHEが設けられている。これら複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。
【0100】
半導体層120は、例えば図20に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体層120は、1つのメモリストリングMS(図3)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のチャネル領域として機能する。半導体層120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体層120は、例えば、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125(図21)が設けられている。
【0101】
半導体層120は、例えば図13に示す様に、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる半導体領域120と、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる半導体領域120と、を備える。半導体層120の下端は、導電層112に接続されている。半導体層120の上端は、コンタクトCh,Vyを介して、ビット線BLに接続されている。
【0102】
半導体領域120は、Z方向に延伸する略円筒状の領域である。半導体領域120の外周面は、それぞれメモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110及び導電層111によって囲まれており、これら複数の導電層110及び導電層111と対向している。尚、半導体領域120の下端部(例えば、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110及び導電層111よりも下方に位置する部分)の直径は、半導体領域120の上端部(例えば、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110よりも上方に位置する部分)の直径よりも小さい。
【0103】
半導体領域120は、Z方向に延伸する略円筒状の領域である。半導体領域120の外周面は、それぞれメモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110によって囲まれており、これら複数の導電層110と対向している。尚、半導体領域120の下端部(例えば、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110よりも下方に位置する部分)の直径は、半導体領域120の上端部(例えば、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110よりも上方に位置する部分)の直径及び上記半導体領域120の上端部の直径よりも小さい。
【0104】
ゲート絶縁膜130(図21)は、半導体層120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、半導体層120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒酸化シリコン(SiON)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(Si)等の電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体層120と導電層112との接触部を除く半導体層120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0105】
尚、図21には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示した。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0106】
[メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2の第1フックアップ領域RHU1における構造]
図19に示す様に、第1フックアップ領域RHU1には、それぞれ、メモリブロックBLKに対応して設けられたコンタクト接続小領域rCC1が設けられている。また、一部のメモリブロックBLKに対応する領域には、コンタクト接続領域RC4Tが設けられている。
【0107】
コンタクト接続小領域rCC1には、ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する複数の導電層110のX方向における端部が設けられている。また、コンタクト接続小領域rCC1には、Z方向から見てマトリクス状に並ぶ複数のコンタクトCCが設けられている。これら複数のコンタクトCCはZ方向に延伸し、下端において導電層110と接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0108】
X方向に並ぶ複数のコンタクトCCのうち、メモリホール領域RMHに最も近いものは、上方から数えて1番目の導電層110に接続されている。また、メモリホール領域RMHに2番目に近いものは、上方から数えて2番目の導電層110に接続されている。以下同様に、メモリホール領域RMHにa(aは自然数)番目に近いものは、上方から数えてa番目の導電層110に接続されている。これら複数のコンタクトCCは、配線層M0等の配線m0等、コンタクトC4、配線層D0,D1,D2中の配線d0,d1,d2及びコンタクトCSを介して、トランジスタTrのドレイン電極に接続されている。
【0109】
また、第1フックアップ領域RHU1には、コンタクトCCの近傍に設けられた支持構造HRが設けられている。支持構造HRは、例えば、Z方向に延伸し、下端において導電層112に接続されている。支持構造HRは、例えば酸化シリコン(SiO)を含む。
【0110】
コンタクト接続領域RC4Tには、Y方向に並ぶ2つのブロック間絶縁層STの間においてY方向に並ぶ2つの絶縁層STが設けられている。また、これら2つの絶縁層STの間には、コンタクト接続小領域rC4Tが設けられている。また、ブロック間絶縁層STと絶縁層STとの間には、導電層接続小領域r110が設けられている。これらの領域は、ブロック間絶縁層STに沿ってX方向に延伸する。
【0111】
絶縁層STは、Z方向に延伸し、下端において導電層112(図13)に接続されている。絶縁層STは、例えば酸化シリコン(SiO)を含む。
【0112】
コンタクト接続小領域rC4Tは、例えば図13に示す様に、Z方向に並ぶ複数の絶縁層110Aと、Z方向に延伸する複数のコンタクトC4と、を備える。
【0113】
絶縁層110Aは、X方向に延伸する略板状の絶縁層である。絶縁層110Aは、窒化シリコン(SiN)等の絶縁層を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の絶縁層110Aの間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層が設けられている。
【0114】
コンタクトC4は、X方向に複数並んでいる。コンタクトC4は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。例えば図13に示す様に、コンタクトC4の外周面は、それぞれ絶縁層110A及び絶縁層101によって囲まれており、これらの絶縁層110A及び絶縁層101に接続されている。コンタクトC4はZ方向に延伸し、上端において配線層M0中の配線m0と接続され、下端において配線層D2中の配線d2と接続されている。
【0115】
導電層接続小領域r110は、例えば図19に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110の幅狭部110C4Tを備える。
【0116】
[メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2の第2フックアップ領域RHU2における構造]
図14に示す様に、第2フックアップ領域RHU2には、複数のメモリブロックBLKに対応して、複数のコンタクト接続小領域rCC2と、複数の上記コンタクト接続領域RC4Tと、が設けられている。
【0117】
コンタクト接続小領域rCC2には、ワード線WL又はソース側選択ゲート線SGSとして機能する複数の導電層110の一部が設けられている。また、コンタクト接続小領域rCC2には、Z方向から見てX方向に並ぶ複数のコンタクトCCが設けられている。図23に示す様に、これら複数のコンタクトCCはそれぞれ導電層110に接続されている。また、図22に示す様に、これら複数のコンタクトCCは、配線層M0等の配線m0等、コンタクトC4、配線層D0,D1,D2中の配線d0,d1,d2及びコンタクトCSを介して、トランジスタTrのドレイン電極に接続されている。
【0118】
尚、図15に示す様に、導電層200の部分202は、コンタクト接続小領域rCC2に設けられた幅狭部110CC2を備える。また、この幅狭部110CC2とY方向において隣り合う領域には、開口102CC2が設けられている。幅狭部110CC2は、コンタクト接続領域RC4T中の幅狭部110C4Tと共に、X方向において隣り合う2つの部分201を導通させる。また、導電層200には、1つのコンタクトCCのみが接続されている。開口102CC2には、より下方に設けられた導電層110に接続されたコンタクトCCが設けられる。
【0119】
また、図16に示す様に、X方向に並ぶ2つの導電層210の間には、図15に例示した様な幅狭部110CC2が設けられていない。また、これら2つの導電層210には、それぞれコンタクトCCが接続されている。また、これら2つの導電層210の間には、開口102CC2が設けられている。開口102CC2には、より下方に設けられた導電層110に接続されたコンタクトCCが設けられる。
【0120】
また、図17に示す様に、導電層220の部分222は、コンタクト接続小領域rCC2に設けられた幅狭部110CC2を備える。また、この幅狭部110CC2とY方向において隣り合う領域には、開口102CC2が設けられている。幅狭部110CC2は、コンタクト接続領域RC4T中の幅狭部110C4Tと共に、X方向において隣り合う2つの部分221を導通させる。また、導電層220には、1つのコンタクトCCのみが接続されている。開口102CC2には、より下方に設けられた導電層110に接続されたコンタクトCCが設けられる。
【0121】
また、図18に示す様に、X方向に並ぶ2つの導電層230の間には、図17に例示した様な幅狭部110CC2が設けられていない。また、これら2つの導電層230には、それぞれコンタクトCCが接続されている。また、これら2つの導電層230の間には、開口102CC2が設けられている。開口102CC2には、より下方に設けられた導電層110に接続されたコンタクトCCが設けられる。
【0122】
[配線層M0等の構造]
図13に示す様に、配線層M0に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2中の構成及びトランジスタ層LTR中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0123】
配線層M0は、複数の配線m0を含む。これら複数の配線m0は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0124】
複数の配線m0のうちの一部は、ビット線BL(図3)として機能する。ビット線BLは、例えば図20に示す様に、X方向に並びY方向に延伸する。また、これら複数のビット線BLは、それぞれ、各ストリングユニットSUに含まれる1の半導体層120に接続されている。
【0125】
また、複数の配線m0のうちの一部は、図15図18に例示する配線m0aとして機能する。配線m0aは、上述したコンタクトCCとコンタクトC4との間の電流経路に設けられた配線であり、Y方向に延伸する。
【0126】
また、上述の通り、配線層M0の上方には、更に配線層が設けられている。これらの配線層は、それぞれ、複数の配線を含む。これら複数の配線は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0127】
これら複数の配線のうちの一部は、図16及び図18に例示する配線m1aとして機能する。配線m1aは、上述したコンタクトCCとコンタクトC4との間の電流経路に設けられた配線であり、X方向に延伸する。
【0128】
[メモリセルMCのしきい値電圧]
次に、図24を参照して、メモリセルMCのしきい値電圧について説明する。
【0129】
図24(a)は、3ビットのデータが記録されるメモリセルMCのしきい値電圧について説明するための模式的なヒストグラムである。横軸はワード線WLの電圧を示しており、縦軸はメモリセルMCの数を示している。図24(b)は、3ビットのデータが記録されるメモリセルMCのしきい値電圧及び記録されるデータの関係の一例を示す表である。図24(c)は、3ビットのデータが記録されるメモリセルMCのしきい値電圧及び記録されるデータの関係の他の例を示す表である。
【0130】
図24(a)の例では、メモリセルMCのしきい値電圧が、8通りのステートに制御されている。Erステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、消去ベリファイ電圧VVFYErより小さい。また、例えば、Aステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、ベリファイ電圧VVFYAより大きく、ベリファイ電圧VVFYBより小さい。また、例えば、Bステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、ベリファイ電圧VVFYBより大きく、ベリファイ電圧VVFYCより小さい。以下同様に、Cステート~Fステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、それぞれ、ベリファイ電圧VVFYC~ベリファイ電圧VVFYFより大きく、ベリファイ電圧VVFYD~ベリファイ電圧VVFYGより小さい。また、例えば、Gステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、ベリファイ電圧VVFYGより大きく、読み出しパス電圧VREADより小さい。
【0131】
また、図24(a)の例では、Erステートに対応するしきい値分布とAステートに対応するしきい値分布との間に、読み出し電圧VCGARが設定されている。また、Aステートに対応するしきい値分布とBステートに対応するしきい値分布との間に、読み出し電圧VCGBRが設定されている。以下同様に、Bステートに対応するしきい値分布とCステートに対応するしきい値分布との間~Fステートに対応するしきい値分布とGステートに対応するしきい値分布との間に、それぞれ、読み出し電圧VCGBR~読み出し電圧VCGGRが設定されている。
【0132】
例えば、Erステートは、最も低いしきい値電圧に対応している。ErステートのメモリセルMCは、例えば、消去状態のメモリセルMCである。ErステートのメモリセルMCには、例えば、データ“111”が割り当てられる。
【0133】
また、Aステートは、上記Erステートに対応するしきい値電圧よりも高いしきい値電圧に対応している。AステートのメモリセルMCには、例えば、データ“101”が割り当てられる。
【0134】
また、Bステートは、上記Aステートに対応するしきい値電圧よりも高いしきい値電圧に対応している。BステートのメモリセルMCには、例えば、データ“001”が割り当てられる。
【0135】
以下同様に、図中のCステート~Gステートは、Bステート~Fステートに対応するしきい値電圧よりも高いしきい値電圧に対応している。これらのステートのメモリセルMCには、例えば、データ“011”,“010”,“110”,“100”,“000”が割り当てられる。
【0136】
尚、図24(b)に例示した様な割り当ての場合、下位ビットのデータは1つの読み出し電圧VCGDRによって判別可能であり、中位ビットのデータは3つの読み出し電圧VCGAR,VCGCR,VCGFRによって判別可能であり、上位ビットのデータは3つの読み出し電圧VCGBR,VCGER,VCGGRによって判別可能である。
【0137】
尚、メモリセルMCに記録するデータのビット数、ステートの数、各ステートに対するデータの割り当て等は、適宜変更可能である。
【0138】
例えば、図24(c)に例示した様な割り当ての場合、下位ビットのデータは1つの読み出し電圧VCGDRによって判別可能であり、中位ビットのデータは2つの読み出し電圧VCGBR,VCGFRによって判別可能であり、上位ビットのデータは4つの読み出し電圧VCGAR,VCGCR,VCGER,VCGGRによって判別可能である。
【0139】
[読み出し動作]
次に、本実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作について説明する。
【0140】
図25は、読み出し動作について説明するための模式的な断面図である。図26は、読み出し動作について説明するためのタイミングチャートである。
【0141】
尚、以下の説明では、動作の対象となっているワード線WLを選択ワード線WLと呼び、それ以外のワード線WLを非選択ワード線WLと呼ぶ場合がある。また、以下の説明では、動作の対象となっているストリングユニットSUに含まれる複数のメモリセルMCのうち、選択ワード線WLに接続されたもの(以下、「選択メモリセルMC」と呼ぶ場合がある。)に対して読み出し動作を実行する例について説明する。また、以下の説明では、この様な複数の選択メモリセルMCを含む構成を、選択ページPGと呼ぶ場合がある。
【0142】
また、図25において、ワード線WLは、分割範囲DU1,DU2に分割されている。図25の例では、分割範囲DU1は、ワード線WLのX方向負側の範囲であり、分割範囲DU2は、ワード線WLのX方向正側の範囲である。ソース線SLも、分割範囲DU1,DU2に対応してソース線SL1,SL2に分割されている。
【0143】
読み出し動作のタイミングt101においては、例えば図25及び図26に示す様に、非選択ワード線WLに読み出しパス電圧VREADを供給して、非選択メモリセルMCをON状態とする。また、選択ワード線WLに、読み出しに使用する読み出し電圧(図24を参照して説明した読み出し電圧VCGAR~VCGGRのいずれか)又はそれよりも大きい電圧を供給する。また、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電圧VSGを供給する。電圧VSGは、選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のチャネル領域に電子のチャネルが形成され、これによって選択トランジスタ(STD、STS、STSb)がON状態となる程度の大きさを有する。
【0144】
読み出し動作のタイミングt101~タイミングt102の間には、待ち時間Taが設けられている。待ち時間Taは、例えば、選択ワード線WLを充電するための待ち時間である。
【0145】
読み出し動作のタイミングt102においては、選択ワード線WLに、読み出しに使用する読み出し電圧(図24を参照して説明した読み出し電圧VCGAR~VCGGRのいずれか)を供給する。これにより、例えば図25に示す様に、一部の選択メモリセルMCはON状態となり、残りの選択メモリセルMCはOFF状態となる。
【0146】
読み出し動作のタイミングt103において、例えば、ソース線SL1,SL2に電圧Vを供給して、ソース線SL1,SL2の充電を開始する。
【0147】
読み出し動作のタイミングt104においては、例えば、ビット線BLの充電等を行う。例えば、図11のラッチ回路SDLに“H”をラッチさせ、信号線STB,XXL,BLC,BLS,HLL,BLXの状態を“L,L,H,H,H,H”とする。これにより、ビット線BL及びセンスノードSENに電圧VDDが供給され、これらの充電が開始される。
【0148】
読み出し動作のタイミングt103~タイミングt105の間には、待ち時間Tsが設けられている。待ち時間Tsは、例えば、ソース線SLの電流を収束させるための待ち時間である。
【0149】
読み出し動作のタイミングt104~タイミングt105の間には、待ち時間Tbが設けられている。待ち時間Tbは、例えば、ビット線BLの電流を収束させるための待ち時間である。
【0150】
読み出し動作のタイミングt105においては、例えば、信号線BLCの電圧を減少させ、ビット線BLに電圧VDDを供給する。この際、信号線BLCの電圧は、信号線BLCに接続されたクランプトランジスタ44(図11)がON状態のまま維持される程度の電圧に調整される。
【0151】
また、読み出し動作のタイミングt105において、例えば、ソース線SL1,SL2の電圧を減少させ、ソース線SL1,SL2に電圧VSRCを供給する。電圧VSRCは、例えば、接地電圧VSSと同程度の大きさを有する。電圧VSRCは、例えば、接地電圧VSSよりわずかに大きく、且つ、電圧VDDより十分小さい電圧でも良い。
【0152】
読み出し動作のタイミングt105~タイミングt106の間には、待ち時間Tcが設けられている。待ち時間Tcは、例えば、ビット線BLの電流を安定させるための待ち時間である。以下、待ち時間Tcを、「安定待ち時間」と呼ぶ場合がある。
【0153】
読み出し動作のタイミングt106においては、センスアンプモジュールSAM(図2)によって、メモリセルMCのON状態/OFF状態を検出し、このメモリセルMCの状態を示すデータを取得する。以下、この様な動作を、センス動作と呼ぶ場合がある。センス動作においては、例えば、信号線STB,XXL,BLC,BLS,HLL,BLX(図11)の状態を“L,H,H,H,L,L”とする。これにより、ON状態の選択メモリセルMCに接続されたセンスノードSENの電荷はビット線BLを介して放出され、このセンスノードの電圧は低下する。一方、OFF状態の選択メモリセルMCに接続されたセンスノードSENの電荷は維持され、このセンスノードの電圧は維持される。
【0154】
読み出し動作のタイミングt106~タイミングt107(図26)の間には、待ち時間Tdが設けられている。待ち時間Tdは、例えば、メモリセルMCの状態を検出するための待ち時間である。以下、待ち時間Tdを、「センス時間」と呼ぶ場合がある。
【0155】
読み出し動作のタイミングt107においては、センス動作を終了する。例えば、信号線STB,XXL,BLC,BLS,HLL,BLX(図11)の状態を“L,L,L,L,L,L”とする。これにより、センスノードSENがビット線BLから電気的に切り離される。また、ビット線BLへの電流の供給が終了する。
【0156】
尚、図示は省略するものの、読み出し動作のタイミングt106以降の所定のタイミングにおいては、充電トランジスタ55(図11)によって配線LBUSが充電され、その後、信号線STBが一時的に“H”状態とされる。ここで、センストランジスタ41は、センスノードSENの電荷に応じてON状態又はOFF状態となっている。従って、配線LBUSの電圧は、センスノードSENの電荷に応じて“H”状態又は“L”状態となる。その後、ラッチ回路SDL又はラッチ回路DL0~DLnのいずれかによって、配線LBUSのデータがラッチされる。
【0157】
読み出し動作のタイミングt108においては、選択ワード線WL、非選択ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接地電圧VSSを供給する。
【0158】
尚、図26においては、読み出し動作において、選択ワード線WLに一つの読み出し電圧VCGDRのみが供給され、この状態でセンス動作が1回実行される例を説明した。この様な動作は、例えば、図24(b)に示す様な態様でデータが割り当てられており、且つ、下位ビットのデータを判別する場合に実行される。
【0159】
例えば、中位ビットのデータを判別する場合には、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGARが供給され、この状態でセンス動作が1回実行される。また、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGCRが供給され、この状態でセンス動作が1回実行される。また、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGFRが供給され、この状態でセンス動作が1回実行される。
【0160】
例えば、上位ビットのデータを判別する場合には、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGBRが供給され、この状態でセンス動作が1回実行される。また、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGERが供給され、この状態でセンス動作が1回実行される。また、選択ワード線WLに読み出し電圧VCGGRが供給され、この状態でセンス動作が1回実行される。
【0161】
[読み出し動作における配線抵抗のバラつき]
図15及び図17を参照して説明した様に、導電層200,220は、2つのメモリホール領域RMHに設けられた2つの部分201,221と、これら2つの部分201,221の双方に接続された部分202,222と、を備える。また、2つの部分201,221は、部分202,222を介して電気的に接続されている。
【0162】
また、図16及び図18を参照して説明した様に、X方向に並ぶ2つの導電層210又はX方向に並ぶ2つの導電層230は、X方向において離間しており、コンタクトCC及び配線m0a,m1aを介して電気的に接続されている。
【0163】
ここで、複数の導電層110は、製造工程の都合上、タングステン(W)やモリブデン(Mo)等、耐熱性の高い材料を含んでいる。一方、配線m0a,m1aは、銅(Cu)等、導電性の高い材料を含んでいる。この様な構成においては、例えば、導電層200の2つの部分201の間の配線抵抗、及び、導電層220の2つの部分221の間の配線抵抗は、X方向において並ぶ2つの導電層210の間の配線抵抗、及び、X方向において並ぶ2つの導電層230の間の配線抵抗よりも大きい。
【0164】
また、上記の様な接続構造や配線の材料等の違いに起因して、ワード線WLの分割範囲DU1とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗と、ワード線WLの分割範囲DU2とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗とで、特異な差が生じる場合がある。
【0165】
例えば、図15に示すY方向負側から数えて3番目の導電層200は、フックアップ領域RHU2のX方向正側の位置においてコンタクトCCと接続されている。また、その導電層200の幅狭部110C4Tは、フックアップ領域RHU2のX方向負側に設けられている。また、その導電層200の幅狭部110CC2は、フックアップ領域RHU2のX方向正側に設けられている。この場合、導電層200(ワード線WL)のX方向負側の分割範囲(例えば分割範囲DU1)とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗を配線抵抗R(1)とし、導電層200(ワード線WL)のX方向正側の分割範囲(例えば分割範囲DU2)とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗を配線抵抗R(2)とすると、配線抵抗R(1)及び配線抵抗R(2)の抵抗値は、略同じ大きさとなる。例えば、配線抵抗R(1),R(2)は、それぞれ、後述する図27及び図28Aのワード線WL135の配線抵抗RW135(1),RW135(2)に対応する。
【0166】
また、例えば、図17に示すY方向負側から数えて1番目の導電層220は、フックアップ領域RHU2のX方向の中央位置においてコンタクトCCと接続されている。また、その導電層220の幅狭部110CC2は、フックアップ領域RHU2のX方向負側に設けられている。また、その導電層220の幅狭部110C4Tは、フックアップ領域RHU2のX方向正側に設けられている。そして、導電層220の幅は、幅狭部110C4Tよりも幅狭部110CC2の方が狭い。また、幅狭部110C4Tよりも幅狭部110CC2の方が長い。この場合、導電層220(ワード線WL)のX方向負側の分割範囲(例えば分割範囲DU1)とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗を配線抵抗R(11)とし、導電層220(ワード線WL)のX方向正側の分割範囲(例えば分割範囲DU2)とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗を配線抵抗R(12)とすると、配線抵抗R(11)の抵抗値は、配線抵抗R(12)の抵抗値よりも大きい。尚、配線抵抗R(11),R(12)の抵抗値の差は、大きい。例えば、配線抵抗R(11),R(12)は、それぞれ、後述する図27及び図28Aのワード線WL156の配線抵抗RW156(1),RW156(2)に対応する。
【0167】
尚、図17の幅狭部110CC2を第3範囲といい、図17の幅狭部110C4Tを第4範囲という場合がある。
【0168】
また、例えば、図18に示すY方向正側から数えて4番目の導電層230は、フックアップ領域RHU2のX方向負側の位置及び中央位置において2つのコンタクトCCと接続されている。また、2つのコンタクトCCは、配線層M0の配線m0aを介してコンタクトC4と接続されている。この場合、導電層230(ワード線WL)のX方向負側の分割範囲(例えば分割範囲DU1)とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗を配線抵抗R(21)とし、導電層230(ワード線WL)のX方向正側の分割範囲(例えば分割範囲DU2)とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗を配線抵抗R(22)とすると、配線抵抗R(21)の抵抗値は、配線抵抗R(22)の抵抗値よりも小さい。尚、配線抵抗R(21),R(22)の抵抗値の差は、大きい。例えば、配線抵抗R(21),R(22)は、それぞれ、後述する図27及び図28Aのワード線WL157の配線抵抗RW157(1),RW157(2)に対応する。
【0169】
この様に、分割範囲DU1,DU2とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗Rの差が生じる場合、読み出し動作において、OFF状態と判定されるべき選択メモリセルMCがON状態と判定されてしまう場合等が生じ得る。
【0170】
[動作パラメータの調整]
[選択ワード線WLの動作パラメータの調整]
読み出し動作における選択ワード線WLの動作パラメータは、図26の待ち時間Ta、及び、図26のタイミングt101~t102の間に選択ワード線WLに供給される電圧Vaが含まれる。電圧Vaは、読み出し電圧(図26の例では、読み出し電圧VCGDR)以上の大きさを有する。
【0171】
図27は、第1実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。図27のワード線WL135,WL156,WL157は、図4のnが136,157,158の場合におけるワード線WLn-1に相当する。また、図27の“8k”は、各ワード線WL135,WL156,WL157の分割範囲DU1,DU2の記憶容量がそれぞれ8kバイトであることを示している。従って、各ワード線WL135,WL156,WL157の分割範囲DU1,DU2には、読み出し対象8kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCが接続されている。このことから、各ワード線WL135,WL156,WL157には、それぞれ、読み出し対象16kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCが接続されている。尚、図27の数値は一例であって、この様な数値に限定されるわけではない。
【0172】
図27に示す様に、各ワード線WL135,WL156,WL157は、それぞれ、ワード線スイッチWLSWを介してCGドライバ回路DRVと配線CGで接続されている。尚、ワード線スイッチWLSWとCGドライバ回路DRVとの間には、ワード線デコーダWLD等が設けられているが(図5)、図27においては省略している。CGドライバ回路DRVは、シーケンサSQCからの制御信号SGL0に従って、ワード線WL(配線CG)に対する電圧供給動作を実行する。制御信号SGL0は、図5の信号線VSEL1~VSEL6の信号を含む。
【0173】
配線抵抗RW135(1),RW156(1),RW157(1)は、それぞれ、ワード線WL135,WL156,WL157の分割範囲DU1とワード線スイッチWLSWとの間の各種配線及びコンタクトCCの抵抗である。また、配線抵抗RW135(2),RW156(2),RW157(2)は、それぞれ、ワード線WL135,WL156,WL157の分割範囲DU2とワード線スイッチWLSWとの間の各種配線及びコンタクトCCの抵抗である。例えば、配線抵抗RW135(1),RW135(2),RW156(2),RW157(2)は、中(図中、“Medium”と記す。)の抵抗値である。配線抵抗RW156(1)は、大(図中、“Large”と記す。)の抵抗値である。配線抵抗RW157(1)は、小(図中、“Small”と記す。)の抵抗値である。
【0174】
上述した様に、1つのワード線WL(分割範囲DU1,DU2)は、同じタイミングで同じ電圧が供給される。この場合、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va)は、ワード線WL単位で調整される。
【0175】
例えば、選択ワード線WLが配線抵抗Rの小さいワード線WL(例えば図27のワード線WL157)の場合、選択ワード線WLが配線抵抗Rの中程度のワード線WL(例えば図27のワード線WL135)の場合よりも、待ち時間Taを短くし、電圧Vaを小さくする。また、選択ワード線WLが配線抵抗Rの大きいワード線WL(例えば図27のワード線WL156)の場合、選択ワード線WLが配線抵抗Rの中程度のワード線WL(例えば図27のワード線WL135)の場合よりも、待ち時間Taを長くし、電圧Vaを大きくする。尚、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va)のいずれか一方だけを調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、読み出し動作において、選択ワード線WLの配線抵抗Rに応じて、選択ワード線WLの適切な充電を行うことが可能である。即ち、選択ワード線WLに対して、配線抵抗Rに適した電圧を供給することができ、過剰な充電又は不十分な充電が行われることを防止することができる。その結果、読み出し動作の信頼性が向上する。
【0176】
尚、図27において、ワード線WLの2つの分割範囲DU1,DU2のいずれか一方が読み出し対象ではなく、他方だけが読み出し対象となる場合、選択ワード線WLにおける読み出し対象の分割範囲の配線抵抗Rに応じて、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va)を調整しても良い。
【0177】
[ビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整]
読み出し動作におけるビット線BLの動作パラメータは、図26の待ち時間Tb、図26のタイミングt104~t105の間にビット線BLに供給される電圧Vb、図26の待ち時間Tc、及び、図26の待ち時間Tdが含まれる。
【0178】
また、読み出し動作におけるソース線SL1,SL2の動作パラメータは、図26の待ち時間Ts、及び、図26のタイミングt103~t105の間にソース線SL1,SL2に供給される電圧Vが含まれる。
【0179】
図28Aは、第1実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。尚、図28Aのワード線WL135,WL156,WL157及び図28Aの“8k”の意味は、図27で説明したものと同様である。また、図28Aのワード線WL135,WL156,WL157の配線抵抗Rの大きさも、図27で説明したものと同様である。
【0180】
図28Aに示す様に、分割範囲DU1のビット線BLは、センスアンプモジュールSAM(1)に接続されている。分割範囲DU2のビット線BLは、センスアンプモジュールSAM(2)に接続されている。センスアンプモジュールSAM(1)は、シーケンサSQCからの制御信号SGL1に従って、ビット線BLに対する電圧供給動作及びセンス動作を実行する。センスアンプモジュールSAM(2)は、シーケンサSQCからの制御信号SGL2に従って、ビット線BLに対する電圧供給動作及びセンス動作を実行する。制御信号SGL1,SGL2は、いずれも、信号線STB,XXL,BLC,BLS,HLL,BLX,CLKSA,LBPの信号を含む。
【0181】
センス時間(図26の待ち時間Td)は、信号線XXLの信号によって制御される。分離制御の方法として、典型的には次の方法が考えられる。シーケンサSQCとセンスアンプモジュールSAM(1)とを接続する、XXL信号が通過する配線(図28Bの信号線XXL1)と、シーケンサSQCとセンスアンプモジュールSAM(2)とを接続する、XXL信号が通過する配線(図28Bの信号線XXL2)と、を有する。シーケンサSQCは、制御信号SGL1に含まれる信号線XXL1の信号と、制御信号SGL2に含まれる信号線XXL2の信号とを分離して制御する。
【0182】
また、図28Aに示す様に、分割範囲DU1に対応するソース線SL1は、ソース線ドライバ回路SDRV(1)に接続されている。分割範囲DU2に対応するソース線SL2は、ソース線ドライバ回路SDRV(2)に接続されている。ソース線ドライバ回路SDRV(1)は、シーケンサSQCからの制御信号SGL11に従って、ソース線SL1に対する電圧供給動作を実行する。ソース線ドライバ回路SDRV(2)は、シーケンサSQCからの制御信号SGL12に従って、ソース線SL2に対する電圧供給動作を実行する。
【0183】
待ち時間Ts及び電圧V図26)は、ソース線ドライバ回路SDRVによって制御される。シーケンサSQCは、制御信号SGL11に含まれる信号と、制御信号SGL12に含まれる信号とを分離して制御することにより、分割範囲DU1のソース線SLの待ち時間Ts及び電圧Vsと、分割範囲DU2のソース線SLの待ち時間Ts及び電圧Vsとを分離して制御する。尚、ビット線BLの動作パラメータを制御することに合わせて、ソース線SLの動作パラメータを制御しても良い。又は、ソース線SLの動作パラメータを制御することに合わせて、ビット線BLの動作パラメータを制御しても良い。この場合、上記の信号線BLC,BLX等の信号を制御することによって、ビット線BLの動作パラメータが制御される。
【0184】
上述した様に、分割範囲DU1に含まれる複数のビット線BLと、分割範囲DU1に含まれる複数のビット線BLは、異なるタイミングで異なる電圧が供給可能である。この場合、ビット線BLの動作パラメータ(待ち時間Tb、電圧Vb、待ち時間Tc、待ち時間Td)は、ワード線WLの分割範囲DU1,DU2単位で調整する。
【0185】
例えば、選択ワード線WLがワード線WL157である場合、そのワード線WL157の分割範囲DU1(“小”の配線抵抗RW157(1)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータ(待ち時間Tb、電圧Vb、待ち時間Tc、待ち時間Td)を、ワード線WL157の分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW157(2)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータよりも、待ち時間Tbを短くし、電圧Vbを小さくし、待ち時間Tcを長くし、待ち時間Td(センス時間)を長くする。
【0186】
また、選択ワード線WLがワード線WL156である場合、そのワード線WL156の分割範囲DU1(“大”の配線抵抗RW156(1)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータを、ワード線WL156の分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW156(2)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータよりも、待ち時間Tbを長くし、電圧Vbを大きくし、待ち時間Tcを長くし、待ち時間Td(センス時間)を短くする。
【0187】
尚、ビット線BLの動作パラメータ(待ち時間Tb、電圧Vb、待ち時間Tc、待ち時間Td)のいずれか1つ又は複数を調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、読み出し動作において、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2の配線抵抗Rに応じて、分割範囲DU1,DU2に属するビット線BLの適切な充電及びセンス動作を行うことが可能である。その結果、読み出し動作の信頼性が向上する。
【0188】
また、上述した様に、分割範囲DU1に対応するソース線SL1と、分割範囲DU1に対応するソース線SL2は、異なるタイミングで異なる電圧が供給可能である。この場合、ソース線SL1,SL2の動作パラメータ(待ち時間Ts、電圧Vs)は、ワード線WLの分割範囲DU1,DU2単位で調整する。
【0189】
例えば、選択ワード線WLがワード線WL157である場合、そのワード線WL157の分割範囲DU1(“小”の配線抵抗RW157(1)の分割範囲)のソース線SL1の動作パラメータ(待ち時間Ts、電圧Vs)を、ワード線WL157の分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW157(2)の分割範囲)のソース線SL2の動作パラメータよりも、待ち時間Tsを短くし、電圧Vsを小さくする。
【0190】
また、選択ワード線WLがワード線WL156である場合、そのワード線WL156の分割範囲DU1(“大”の配線抵抗RW156(1)の分割範囲)のソース線SL1の動作パラメータを、ワード線WL156の分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW156(2)の分割範囲)のソース線SL2の動作パラメータよりも、待ち時間Tsを長くし、電圧Vsを大きくする。
【0191】
尚、ソース線SL1,SL2の動作パラメータ(待ち時間Ts、電圧Vs)の一方だけを調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、読み出し動作において、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2の配線抵抗Rに応じて、分割範囲DU1,DU2に属するソース線SL1,SL2の適切な充電を行うことが可能である。その結果、読み出し動作の信頼性が向上する。
【0192】
[第2実施形態]
次に、図29を参照して、第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。図29は、同半導体記憶装置の読み出し動作について説明するためのタイミングチャートである。
【0193】
第1実施形態では、図26図28を参照して、読み出し動作の実行方法を例示した。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示に過ぎず、読み出し動作の実行方法は適宜調整可能である。
【0194】
例えば、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。また、第2実施形態に係る読み出し動作は、基本的には第1実施形態に係る読み出し動作と同様に実行される。
【0195】
ただし、第2実施形態に係る読み出し動作においては、タイミングt101において、選択ワード線WLに読み出しパス電圧VREADが供給される。
【0196】
また、第2実施形態に係る読み出し動作においては、タイミングt102において、選択ワード線WLに読み出し電圧(図29の例では、読み出し電圧VCGDR)以下の電圧Veが供給される。
【0197】
また、第2実施形態に係る読み出し動作においては、タイミングt102~タイミングt103の間に、待ち時間Teが設けられている。待ち時間Teは、例えば、選択ワード線WLの電荷を放電するための待ち時間である。
【0198】
また、第2実施形態に係る読み出し動作においては、タイミングt103において、選択ワード線WLに読み出し電圧が供給される。
【0199】
第2実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータには、例えば、待ち時間Teが含まれる。また、第2実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータには、例えば、タイミングt102~t103の間に選択ワード線WLに供給される電圧Veが含まれる。待ち時間Te及び電圧Veは、ワード線WL単位で調整される。
【0200】
例えば、選択ワード線WLが配線抵抗Rの小さいワード線WL(例えば図27のワード線WL157)の場合、選択ワード線WLが配線抵抗Rの中程度のワード線WL(例えば図27のワード線WL135)の場合よりも、待ち時間Teを短くし、電圧Veを大きくする。また、選択ワード線WLが配線抵抗Rの大きいワード線WL(例えば図27のワード線WL156)の場合、選択ワード線WLが配線抵抗Rの中程度のワード線WL(例えば図27のワード線WL135)の場合よりも、待ち時間Teを長くし、電圧Veを小さくする。尚、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Te、電圧Ve)のいずれか一方だけを調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、読み出し動作において、選択ワード線WLの配線抵抗Rに応じて、選択ワード線WLの適切な電荷の放電を行うことが可能である。その結果、読み出し動作の信頼性が向上する。
【0201】
尚、図27において、ワード線WLの2つの分割範囲DU1,DU2のいずれか一方が読み出し対象ではなく、他方だけが読み出し対象となる場合、選択ワード線WLにおける読み出し対象の分割範囲の配線抵抗Rに応じて、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Te、電圧Ve)を調整しても良い。
【0202】
[第3実施形態]
次に、図30図34を参照して、第3実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
【0203】
第1実施形態及び第2実施形態では、読み出し動作に使用される動作パラメータを調整する例について説明した。これに対し、第3実施形態では、書き込み動作に使用される動作パラメータを調整する例について説明する。
【0204】
第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には第1実施形態又は第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。尚、第3実施形態に係る半導体記憶装置の読み出し動作に際しては、第1実施形態又は第2実施形態と同様の態様で動作パラメータを調整しても良いし、動作パラメータを調整しなくても良い。
【0205】
[書き込み動作]
次に、本実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み動作について説明する。
【0206】
図30は、書き込み動作について説明するためのフローチャートである。図31は、書き込み動作に含まれるプログラム動作について説明するための模式的な断面図である。図32は、書き込み動作に含まれるベリファイ動作について説明するための模式的な断面図である。図33及び図34は、書き込み動作について説明するためのタイミングチャートである。
【0207】
ステップS101においては、例えば図30に示す様に、ループ回数nが1に設定される。ループ回数nは、書き込みループの回数を示す変数である。また、例えば、センスアンプユニットSAU(図11)のラッチ回路DL0~DLnに、メモリセルMCに書き込まれるユーザデータがラッチされる。
【0208】
ステップS102においては、プログラム動作が実行される。プログラム動作は、選択ワード線WLにプログラム電圧を供給してメモリセルMCのしきい値電圧を増大させる動作である。この動作は、例えば、図33のタイミングt121からタイミングt125にかけて実行される。
【0209】
プログラム動作のタイミングt121においては、例えば、複数の選択メモリセルMCのうちしきい値電圧の調整を行うものに接続されたビット線BLに電圧VSRCを供給し、複数の選択メモリセルMCのうちしきい値電圧の調整を行わないものに接続されたビット線BLに電圧VDDを供給する。例えば、ビット線BLに対応するラッチ回路SDL(図11)に“L”をラッチさせ、ビット線BLに対応するラッチ回路SDL(図11)に“H”をラッチさせる。また、信号線STB,XXL,BLC,BLS,HLL,BLXの状態を“L,L,H,H,L,H”とする。以下、複数の選択メモリセルMCのうちしきい値電圧の調整を行うものを「書き込みメモリセルMC」と呼び、しきい値電圧の調整を行わないものを「禁止メモリセルMC」と呼ぶ場合がある。
【0210】
プログラム動作のタイミングt122においては、選択ワード線WL及び非選択ワード線WLに書き込みパス電圧VPASSが供給される。また、ドレイン側選択ゲート線SGDに、電圧VSGDが供給される。書き込みパス電圧VPASSは、例えば、図24を参照して説明した読み出しパス電圧VREAD以上の大きさを有する。電圧VSGDは、図25図26を参照して説明した電圧VSGよりも小さく、ビット線BLの電圧に応じてドレイン側選択トランジスタSTDがON状態又はOFF状態となる程度の大きさを有する。
【0211】
プログラム動作のタイミングt123においては、選択ワード線WLにプログラム電圧VPGMを供給する。プログラム電圧VPGMは、書き込みパス電圧VPASSよりも大きい。
【0212】
ここで、例えば図31に示す様に、ビット線BLに接続された半導体層120のチャネルには、電圧VSRCが供給されている。この様な半導体層120と選択ワード線WLとの間には、比較的大きい電界が発生する。これにより、半導体層120のチャネル中の電子がトンネル絶縁膜131(図21)を介して電荷蓄積膜132(図21)中にトンネルする。これにより、書き込みメモリセルMCのしきい値電圧が増大する。
【0213】
また、ビット線BLに接続された半導体層120のチャネルは、電気的にフローティング状態となっており、このチャネルの電位は非選択ワード線WLとの容量結合によって書き込みパス電圧VPASS程度まで上昇している。この様な半導体層120と選択ワード線WLとの間には、上記したいずれの電界よりも小さい電界しか発生しない。従って、半導体層120のチャネル中の電子は電荷蓄積膜132(図21)中にトンネルしない。従って、禁止メモリセルMCのしきい値電圧は増大しない。
【0214】
プログラム動作のタイミングt123~タイミングt124の間には、待ち時間Tfが設けられている。待ち時間Tfは、例えば、書き込みメモリセルMCのしきい値電圧を増大させるための待ち時間である。
【0215】
プログラム動作のタイミングt124においては、選択ワード線WL及び非選択ワード線WLに書き込みパス電圧VPASSを供給する。
【0216】
プログラム動作のタイミングt125においては、選択ワード線WL、非選択ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接地電圧VSSを供給する。
【0217】
ステップS103(図30)では、ベリファイ動作を行う。
【0218】
ベリファイ動作のタイミングt131においては、例えば図33に示す様に、選択ワード線WL及び非選択ワード線WLに読み出しパス電圧VREADを供給して、全てのメモリセルMCをON状態とする。また、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電圧VSGを供給して、選択トランジスタ(STD、STS、STSb)をON状態とする。
【0219】
ベリファイ動作のタイミングt132においては、選択ワード線WLに、所定のベリファイ電圧(図24を参照して説明したベリファイ電圧VVFYA~VVFYGのいずれか)を供給する。これにより、例えば図32に示す様に、一部の選択メモリセルMCはON状態となり、残りの選択メモリセルMCはOFF状態となる。
【0220】
また、タイミングt132においては、例えば、ビット線BLの充電等を行う。この際、例えば、ラッチ回路DL0~DLn内のデータに基づき、特定のステート(図33の例では、Aステート)に対応するメモリセルMCに接続されたビット線BL(図33の例では、ビット線BL)に電圧VDDを供給し、その他のビット線BLには電圧VSRCを供給する。
【0221】
ベリファイ動作のタイミングt133~タイミングt134においては、例えば図33に示す様に、センス動作を実行する。この際、ラッチ回路DL0~DLnに、メモリセルMCのON状態/OFF状態を示すデータ等をラッチさせても良い。
【0222】
ベリファイ動作のタイミングt135~タイミングt137においては、他のステートのメモリセルMC(図33の例では、Bステート)について、タイミングt132~タイミングt134と同様の処理を行う。尚、図33においては、Bステートに対応するメモリセルMCに接続されたビット線BLを、ビット線BLと記載している。
【0223】
ベリファイ動作のタイミングt138~タイミングt140においては、他のステートのメモリセルMC(図33の例では、Cステート)について、タイミングt132~タイミングt134と同様の処理を行う。尚、図33においては、Cステートに対応するメモリセルMCに接続されたビット線BLを、ビット線BLと記載している。
【0224】
タイミングt141においては、選択ワード線WL及び非選択ワード線WLに読み出しパス電圧VREADを供給して、全てのメモリセルMCをON状態とする。また、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電圧VSGを供給して、選択トランジスタ(STD、STS、STSb)をON状態とする。
【0225】
ベリファイ動作のタイミングt142においては、選択ワード線WL、非選択ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接地電圧VSSを供給する。
【0226】
その後、ラッチ回路SDLにラッチされたデータを図示しないカウンタ回路に転送する。カウンタ回路は、しきい値電圧が目標値に到達したメモリセルMCの数、又は、しきい値電圧が目標値に到達していないメモリセルMCの数を計数する。
【0227】
尚、図33の例では、ベリファイ動作において選択ワード線WLに3通りのベリファイ電圧VVFYA,VVFYB,VVFYCが供給される例を示した。しかしながら、ベリファイ動作において選択ワード線WLに供給されるベリファイ電圧の数は、2通り以下でも良いし、4通り以上でも良いし、例えば図34に例示する様に、ループ回数nに応じて変化しても良い。
【0228】
ステップS104(図30)では、ベリファイ動作の結果を判定する。例えば、上記カウンタ回路を参照して、しきい値電圧が目標値に到達していないメモリセルMCの数が一定数以上であった場合等にはベリファイFAILと判定し、ステップS105に進む。一方、しきい値電圧が目標値に到達していないメモリセルMCの数が一定数以下であった場合等にはベリファイPASSと判定し、ステップS107に進む。
【0229】
ステップS105では、ループ回数nが所定の回数Nに達したか否かを判定する。達していなかった場合にはステップS106に進む。達していた場合にはステップS108に進む。
【0230】
ステップS106では、ループ回数nに1を加算して、ステップS102に進む。また、ステップS106では、例えば、プログラム電圧VPGMに所定の電圧dVを加算する。従って、例えば図34に示す様に、プログラム電圧VPGMは、ループ回数nの増大と共に増大する。
【0231】
ステップS107では、ステータスレジスタSTR(図2)に、書き込み動作が正常に終了した旨のステータスデータDSTを格納し、書き込み動作を終了する。尚、ステータスデータDSTは、ステータスリード動作に応じてコントローラダイCD(図1)に出力される。
【0232】
ステップS108では、ステータスレジスタSTR(図2)に、書き込み動作が正常に終了しなかった旨のステータスデータDSTを格納し、書き込み動作を終了する。
【0233】
[書き込み動作における配線抵抗のバラつき]
上述の通り、導電層200の2つの部分201(図15)の間の配線抵抗、及び、導電層220の2つの部分221(図17)の間の配線抵抗は、X方向において並ぶ2つの導電層210(図16)の間の配線抵抗、及び、X方向において並ぶ2つの導電層230(図18)の間の配線抵抗よりも大きい。
【0234】
また、上記の様な接続構造や配線の材料等の違いに起因して、ワード線WLの分割範囲DU1とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗と、ワード線WLの分割範囲DU2とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗とで、特異な差が生じる場合がある。
【0235】
この場合、書き込み動作において、選択メモリセルMCのしきい値電圧が、必要以上に増大してしまう場合がある。
【0236】
[選択ワード線WLの動作パラメータの調整]
書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータは、図33の待ち時間Tf、及び、図34のプログラム電圧VPGMの初期電圧Vf(ループ回数nが1である場合のプログラム電圧VPGM)が含まれる。
【0237】
例えば、選択ワード線WLが配線抵抗Rの小さいワード線WL(例えば図27のワード線WL157)の場合、選択ワード線WLが配線抵抗Rの中程度のワード線WL(例えば図27のワード線WL135)の場合よりも、待ち時間Tfを短くし、電圧Vfを小さくする。また、選択ワード線WLが配線抵抗Rの大きいワード線WL(例えば図27のワード線WL156)の場合、選択ワード線WLが配線抵抗Rの中程度のワード線WL(例えば図27のワード線WL135)の場合よりも、待ち時間Tfを長くし、電圧Vfを大きくする。尚、書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Tf、電圧Vf)のいずれか一方だけを調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、書き込み動作において、選択ワード線WLの配線抵抗Rに応じて、選択メモリセルMCのしきい値電圧の増大量を抑えることが可能である。その結果、書き込み動作の信頼性が向上する。
【0238】
尚、図27において、ワード線WLの2つの分割範囲DU1,DU2のいずれか一方が書き込み対象ではなく、他方だけが書き込み対象となる場合、選択ワード線WLSにおける読み出し対象の分割範囲の配線抵抗Rに応じて、選択ワード線WLSの動作パラメータ(待ち時間Tf、電圧Vf)を調整しても良い。
【0239】
[第4実施形態]
次に、図35を参照して、第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。図35は、同半導体記憶装置の書き込み動作について説明するためのタイミングチャートである。
【0240】
第3実施形態では、図30図34を参照して、書き込み動作の実行方法を例示した。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示に過ぎず、書き込み動作の実行方法は適宜調整可能である。
【0241】
例えば、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第4実施形態に係る書き込み動作は、第3実施形態に係る書き込み動作と異なる。第4実施形態に係る書き込み動作は、基本的には第3実施形態に係る書き込み動作と同様に実行される。
【0242】
ただし、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt132において、選択ワード線WLに、ベリファイ動作において最初に使用されるベリファイ電圧(図35の例では、ベリファイ電圧VVFYA)又はそれよりも小さい電圧が供給される。
【0243】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt132~タイミングt231の間に、待ち時間Te´が設けられている。待ち時間Te´は、例えば、選択ワード線WLの電荷を放電するための待ち時間である。
【0244】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt231,t233,t235において、選択ワード線WLに、ベリファイ電圧(図35の例では、ベリファイ電圧VVFYA,VVFYB,VVFYC)が供給される。
【0245】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt132~タイミングt232の間、タイミングt135~タイミングt234の間、及び、タイミングt138~タイミングt236の間に、待ち時間Tb´が設けられている。待ち時間Tb´は、例えば、ビット線BLの電流を収束させるための待ち時間である。
【0246】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt232,t234,t236において、信号線BLCの電圧(ビット線BLの電圧)を減少させる。この際、信号線BLCの電圧は、信号線BLCに接続されたクランプトランジスタ44(図11)がON状態のまま維持される程度の電圧に調整される。
【0247】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt232~タイミングt133の間、タイミングt234~タイミングt136の間、及び、タイミングt236~タイミングt139の間に、待ち時間Tc´が設けられている。待ち時間Tc´は、例えば、ビット線BLの電流を安定させるための待ち時間である。以下、待ち時間Tc´を、「安定待ち時間」と呼ぶ場合がある。
【0248】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt133~タイミングt134の間、タイミングt136~タイミングt137の間、及び、タイミングt139~タイミングt140の間に、待ち時間Td´が設けられている。待ち時間Td´は、例えば、メモリセルMCの状態を検出するための待ち時間である。以下、待ち時間Td´を、「センス時間」と呼ぶ場合がある。
【0249】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt135,t138において、選択ワード線WLに、ベリファイ動作において次に使用されるベリファイ電圧(図35の例では、ベリファイ電圧VVFYB,VVFYC)又はそれよりも大きい電圧が供給される。
【0250】
また、第4実施形態に係る書き込み動作においては、タイミングt135~タイミングt233の間、及び、タイミングt138~タイミングt235の間に、待ち時間Ta´が設けられている。待ち時間Ta´は、例えば、選択ワード線WLを充電するための待ち時間である。
【0251】
尚、第4実施形態に係る書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータは、ワード線WL単位で調整される。また、第4実施形態に係る書き込み動作におけるビット線BLの動作パラメータは、ワード線WLの分割範囲DU1,DU2単位で調整される。
【0252】
第4実施形態に係る書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータには、例えば、待ち時間Ta´及び待ち時間Te´が含まれる。また、第4実施形態に係る書き込み動作におけるビット線BLの動作パラメータには、待ち時間Tb´、待ち時間Tc´及び待ち時間Td´が含まれる。
【0253】
動作パラメータにおける待ち時間Ta´を調整することにより、選択ワード線WLの過剰な充電を抑えることが可能である。また、動作パラメータにおける待ち時間Tb´を調整することにより、選択ワード線WLの過剰な充電の影響が打ち消される程度までビット線BLの電流を抑えることが可能である。また、動作パラメータにおける待ち時間Tc´を調整することにより、選択ワード線WLの過剰な充電の影響が打ち消される程度までセル電流を安定させることが可能である。また、動作パラメータにおける待ち時間Td´(センス時間)を調整することにより、センスノードSENにおける電荷の減少量を、選択ワード線WLの過剰な充電の影響が打ち消される程度まで抑えることが可能である。また、動作パラメータにおける待ち時間Te´を調整することにより、選択ワード線WLの過剰な放電を抑えることが可能である。
【0254】
また、書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータには、例えば、タイミングt132~t231の間に選択ワード線WLに供給される電圧が含まれる。この動作パラメータを調整することにより、選択ワード線WLの過剰な放電を抑えることが可能である。
【0255】
また、書き込み動作におけるビット線BLの動作パラメータには、例えば、タイミングt132~タイミングt232の間に信号線BLCに供給される電圧(ビット線BLの電圧)が含まれる。この動作パラメータを調整することにより、選択ワード線WLの過剰な放電の影響が打ち消される程度までビット線BLの電流を増やすことが可能である。
【0256】
また、書き込み動作におけるビット線BLの動作パラメータには、例えば、タイミングt135~タイミングt234の間、及び、タイミングt138~タイミングt236の間に信号線BLCに供給される電圧(ビット線BLの電圧)が含まれる。この動作パラメータを調整することにより、選択ワード線WLの過剰な充電の影響が打ち消される程度までビット線BLの電流を抑えることが可能である。
【0257】
また、書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータには、例えば、タイミングt135~タイミングt233の間、及び、タイミングt138~タイミングt235の間に選択ワード線WLに供給される電圧が含まれる。この動作パラメータを調整することにより、選択ワード線WLの過剰な充電を抑えることが可能である。
【0258】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
【0259】
[メモリダイMDの構造]
図36は、本実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。図36に示す通り、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCA側のチップCと、周辺回路PC側のチップCと、を備える。
【0260】
チップCの上面には、図示しないボンディングワイヤに接続可能な複数の外部パッド電極Pが設けられている。また、チップCの下面には、複数の貼合電極PI1が設けられている。また、チップCの上面には、複数の貼合電極PI2が設けられている。以下、チップCについては、複数の貼合電極PI1が設けられる面を表面と呼び、複数の外部パッド電極Pが設けられる面を裏面と呼ぶ。また、チップCについては、複数の貼合電極PI2が設けられる面を表面と呼び、表面の反対側の面を裏面と呼ぶ。図示の例において、チップCの表面はチップCの裏面よりも上方に設けられ、チップCの裏面はチップCの表面よりも上方に設けられる。
【0261】
チップC及びチップCは、チップCの表面とチップCの表面とが対向するよう配置される。複数の貼合電極PI1は、複数の貼合電極PI2にそれぞれ対応して設けられ、複数の貼合電極PI2に貼合可能な位置に配置される。貼合電極PI1と貼合電極PI2とは、チップCとチップCとを貼合し、かつ電気的に導通させるための、貼合電極として機能する。
【0262】
尚、図36の例において、チップCの角部a1、a2、a3、a4は、それぞれ、チップCの角部b1、b2、b3、b4と対応する。
【0263】
図37は、チップCの構成例を示す模式的な底面図である。図37では、貼合電極PI1等の一部の構成を省略している。図38及び図39は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。図40は、チップCの構成例を示す模式的な平面図である。図40では、貼合電極PI2等の一部の構成を省略している。
【0264】
[チップCの構造]
図37の例において、チップCは、X方向に並ぶ4つのメモリプレーンMPを備える。また、これら4つのメモリプレーンMPは、それぞれ、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKを備える。また、図37の例において、複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、X方向の両端部に設けられたフックアップ領域RHU3と、これらの間に設けられたメモリホール領域RMH3と、を備える。また、図37の例では、メモリホール領域RMH3がX方向に2つの領域RMH3Uに分割されている。これら2つの領域RMH3UのX方向における幅は、全て同じでも良いし、同じでなくても良い。尚、2つの領域RMH3Uの一方が分割範囲DU1に対応し、他方が分割範囲DU2に対応する。また、チップCは、4つのメモリプレーンMPよりもY方向の一端側に設けられた周辺領域Rを備える。
【0265】
尚、図示の例では、フックアップ領域RHU3がメモリプレーンMPのX方向の両端部に設けられている。しかしながら、この様な構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、フックアップ領域RHU3は、メモリプレーンMPのX方向の両端部でなく、X方向の一端部に設けられていても良い。また、フックアップ領域RHU3は、メモリプレーンMPのX方向の中央位置又は中央近傍の位置に設けられていても良い。
【0266】
チップCは、例えば図38に示す様に、基体層LSBと、基体層LSBの下方に設けられたメモリセルアレイ層LMCAと、メモリセルアレイ層LMCAの下方に設けられたコンタクト層CHと、コンタクト層CHの下方に設けられた複数の配線層M10,M11と、配線層M10,M11の上方に設けられたチップ貼合電極層MBと、を備える。
【0267】
[チップCの基体層LSBの構造]
例えば図38に示す様に、基体層LSBは、メモリセルアレイ層LMCAの上面に設けられた導電層500と、導電層500の上面に設けられた絶縁層501と、絶縁層501の上面に設けられた裏面配線層MAと、裏面配線層MAの上面に設けられた絶縁層502と、を備える。
【0268】
導電層500は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入されたシリコン(Si)等の半導体層を含んでいても良いし、タングステン(W)等の金属を含んでいても良いし、タングステンシリサイド(WSi)等のシリサイドを含んでいても良い。
【0269】
導電層500は、ソース線SL1,SL2(図4)の一部として機能する。導電層500は、4つのメモリプレーンMP(図37)に対応して4つ設けられている。メモリプレーンMPのX方向及びY方向の端部には、導電層500を含まない領域VZが設けられている。
【0270】
絶縁層501は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。
【0271】
裏面配線層MAは、複数の配線maを含む。これら複数の配線maは、例えば、アルミニウム(Al)等を含んでいても良い。
【0272】
複数の配線maのうちの一部は、ソース線SL1,SL2(図4)の一部として機能する。この配線maは、4つのメモリプレーンMP(図37)に対応して4つ設けられている。この配線maは、それぞれ、導電層500に電気的に接続されている。
【0273】
また、複数の配線maのうちの一部は、外部パッド電極Pとして機能する。この配線maは、周辺領域Rに設けられている。この配線maは、導電層500を含まない領域VZにおいてメモリセルアレイ層LMCA中のコンタクトCCに接続されている。また、配線maの一部は、絶縁層502に設けられた開口TVを介してメモリダイMDの外部に露出する。
【0274】
絶縁層502は、例えば、ポリイミド等の絶縁材料からなるパッシベーション層である。
【0275】
[チップCのメモリセルアレイ層LMCAのメモリホール領域RMH3における構造]
第5実施形態のメモリホール領域RMH3における構造は、図13図20及び図21等を参照して説明した第1実施形態のメモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2のメモリホール領域RMHにおける構造と同様であるため、重複する説明を省略する。この場合、図13等の導電層110を図38等の導電層510に置き換え、図13等の絶縁層101を図38等の絶縁層501に置き換え、図13等の半導体層120を図38等の半導体層520に置き換える。尚、第1実施形態では、ビット線BLはZ方向正側に設けられ、ソース線SL1,SL2はZ方向負側に設けられているのに対し、第5実施形態では、ビット線BLはZ方向負側に設けられ、ソース線SL1,SL2はZ方向正側に設けられている。
【0276】
[チップCのメモリセルアレイ層LMCAのフックアップ領域RHU3における構造]
図39に示す様に、フックアップ領域RHU3には、複数のコンタクトCCが設けられている。これら複数のコンタクトCCは、それぞれ、Z方向に延伸し、上端において導電層510に接続されている。
【0277】
[チップCのメモリセルアレイ層LMCAの周辺領域Rにおける構造]
周辺領域Rには、例えば図38に示す様に、外部パッド電極Pに対応して、複数のコンタクトCCが設けられている。これら複数のコンタクトCCは、上端において外部パッド電極Pに接続されている。
【0278】
[コンタクト層CHの構造]
コンタクト層CHに含まれる複数のコンタクトchは、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0279】
コンタクト層CHは、複数の配線として、複数のコンタクトchを含む。これら複数のコンタクトchは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。コンタクトchは、複数の半導体層520に対応して設けられ、複数の半導体層520の下端に接続されている。
【0280】
[チップCの配線層M10,M11の構造]
配線層M10,M11に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0281】
配線層M10は、複数の配線m10を含む。これら複数の配線m10は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、複数の配線m10のうちの一部は、ビット線BLとして機能する。ビット線BLは、X方向に並びY方向に延伸する。
【0282】
配線層M11は、例えば図38に示す様に、複数の配線m11を含む。これら複数の配線m11は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、複数の配線m11は、例えば、銅(Cu)等の金属膜であっても良い。尚、配線層M11中の配線パターンについては、後述する。
【0283】
[チップ貼合電極層MBの構造]
チップ貼合電極層MBに含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0284】
チップ貼合電極層MBは、複数の貼合電極PI1を含む。これら複数の貼合電極PI1は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜pI1B及び銅(Cu)等の金属膜pI1Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0285】
[チップCの構造]
チップCは、例えば図40に示す様に、メモリプレーンMPに対応してX方向に並ぶ4つの周辺回路領域RPCを備える。これら4つの周辺回路領域RPCの、X方向における両端部には、それぞれ、ロウ制御回路領域RRCが設けられている。また、これら2つのロウ制御回路領域RRCの間には、X方向に並ぶ2つのブロックデコーダ領域RBDが設けられている。また、これら2つのブロックデコーダ領域RBDの間には、X方向及びY方向に並ぶ4つのセンスアンプ領域RSAが設けられている。また、図示は省略するものの、周辺回路領域RPC中のその他の領域にも、回路が配置されている。また、チップCの、周辺領域Rに対向する領域には、回路領域Rが設けられている。
【0286】
ロウ制御回路領域RRCには、図9を参照して説明した複数のブロックデコーダユニットblkd(ブロックデコーダユニットblkdを構成するワード線スイッチWLSW)が設けられている。ブロックデコーダ領域RBDには、図9を参照して説明したブロックデコーダBLKDが設けられている。センスアンプ領域RSAには、図11を参照して説明したビット線BLに対応するセンスアンプSA等が設けられている。回路領域Rには、図示しない入出力回路が設けられている。この入出力回路は、図38を参照して説明したコンタクトCC等を介して、外部パッド電極Pに接続されている。
【0287】
また、図40には、Z方向から見てフックアップ領域RHU3図37)と重なる領域を、点線で示している。また、上述した様に、メモリホール領域RMH3がX方向に2つの領域RMH3Uに分割されている(図37)。
【0288】
図40の例では、ロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てフックアップ領域RHU3図37)と重なる領域に設けられている。また、ロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てメモリホール領域RMH3図37)と重なる領域に設けられている。また、図40の例では、ロウ制御回路領域RRCのX方向における幅が、フックアップ領域RHU3図37)のX方向における幅よりも大きい。
【0289】
また、チップCは、例えば図38に示す様に、半導体基板600と、半導体基板600の上方に設けられた電極層GC0と、電極層GC0の上方に設けられた配線層D10,D11,D12,D13,D14と、配線層D10,D11,D12,D13,D14の上方に設けられたチップ貼合電極層DBと、を備える。
【0290】
図40に示す様に、X方向に延伸する複数の一般信号スルー配線ISLが、4つのメモリプレーンMPに対応してX方向に並ぶ4つの周辺回路領域RPCに亘って設けられている。これら複数の一般信号スルー配線ISLは、例えばチップCの配線層D10~D14に形成される。
【0291】
[チップCの半導体基板600の構造]
半導体基板600は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)を含む。半導体基板600の表面には、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域600Nと、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域600Pと、N型ウェル領域600N及びP型ウェル領域600Pが設けられていない半導体基板領域600Sと、絶縁領域600Iと、が設けられている。P型ウェル領域600Pの一部は半導体基板領域600Sに設けられており、P型ウェル領域600Pの一部はN型ウェル領域600Nに設けられている。N型ウェル領域600N、N型ウェル領域600N及び半導体基板領域600Sに設けられたP型ウェル領域600P、並びに、半導体基板領域600Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTr、及び、複数のキャパシタ等の一部として機能する。
【0292】
[チップCの電極層GC0の構造]
半導体基板600の上面には、絶縁層600Gを介して、電極層GC0が設けられている。電極層GC0は、半導体基板600の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板600の各領域及び電極層GC0に含まれる複数の電極gcは、それぞれ、コンタクトCSに接続されている。
【0293】
半導体基板600のN型ウェル領域600N、N型ウェル領域600N及び半導体基板領域600Sに設けられたP型ウェル領域600P、並びに、半導体基板領域600Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0294】
電極層GC0に含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタの他方の電極等として機能する。
【0295】
コンタクトCSは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板600又は電極gcの上面に接続されている。コンタクトCSと半導体基板600との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。コンタクトCSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0296】
[チップCの配線層D10,D11,D12,D13,D14の構造]
例えば図38に示す様に、D10,D11,D12,D13,D14に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0297】
配線層D10,D11,D12は、それぞれ、複数の配線d10,d11,d12を含む。これら複数の配線d10,d11,d12は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0298】
配線層D13,D14は、それぞれ、複数の配線d13,d14を含む。これら複数の配線d13,d14は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0299】
[チップ貼合電極層DBの構造]
チップ貼合電極層DBに含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0300】
チップ貼合電極層DBは、複数の貼合電極PI2を含む。これら複数の貼合電極PI2は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜pI2B及び銅(Cu)等の金属膜pI2Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0301】
[配線層M11中の配線パターン]
図9等を参照して説明した様に、ワード線WLには、それぞれ、ワード線スイッチWLSWが接続される。ここで、ワード線WLには、比較的大きい電圧が供給される場合があるため、ワード線スイッチWLSWとしては、高耐圧のトランジスタが使用される。ここで、高耐圧のトランジスタは比較的大きくなってしまう場合がある。この関係から、図40を参照して説明したロウ制御回路領域RRCの面積は、比較的大きくなってしまう場合がある。
【0302】
ここで、ロウ制御回路領域RRCの面積がフックアップ領域RHU3の面積よりも大きい場合、ロウ制御回路領域RRCの一部を、Z方向から見てフックアップ領域RHU3と重なる領域に設け、残りの一部を、Z方向から見てメモリプレーンMPと重ならない領域に設けることも考えられる。しかしながら、この場合、周辺回路領域RPC全体の面積がメモリプレーンMPの面積よりも大きくなってしまい、メモリダイMDの回路面積が増大してしまう場合がある。
【0303】
そこで、第5実施形態においては、図40を参照して説明した様に、ロウ制御回路領域RRCの一部を、Z方向から見てフックアップ領域RHU3と重なる領域に設け、残りの一部を、Z方向から見てメモリホール領域RMH3と重なる領域に設けている。
【0304】
この様な構造を採用する場合、一部のビット線BLが、Z方向から見て、センスアンプ領域RSAではなく、ロウ制御回路領域RRCやブロックデコーダ領域RBDと重なる位置に設けられることとなる。
【0305】
そこで、第5実施形態においては、配線層M11に、X方向に延伸する配線m11aを設け、この配線m11aを介して、一部のビット線BLとセンスアンプ領域RSA中の構成とを電気的に接続している。この様な構成によれば、ロウ制御回路領域RRCの面積の増大に伴うメモリダイMDの回路面積の増大を抑制して、高集積化が可能な半導体記憶装置を提供することが可能となる。
【0306】
[読み出し動作における配線抵抗のバラつき]
図41は、図40に示す構造をF-F´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。図42は、図40に示す構造をG-G´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。図41及び図42は、簡略化した断面図である。尚、図41及び図42において、図37図40の構成と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0307】
図40を参照して説明した様に、一部のビット線BLは、配線層M11中の配線m11aを介して、センスアンプ領域RSA中のセンスアンプSAと電気的に接続される。この場合、図41に示す様に、センスアンプ領域RSAとX方向に近接するロウ制御回路領域RRCのワード線スイッチWLSWと、ワード線WL(以下、特定ワード線WLtという。)と、を電気的に接続する配線として、配線層M11中の配線m11aを使用することができず、配線層D10,D11,D12中の配線d10,d11,d12を使用する必要がある。一方、図42に示す様に、特定ワード線WLt以外のワード線WLとワード線スイッチWLSWとを電気的に接続する配線として、配線層M11中の配線m11aが使用される。
【0308】
ここで、ワード線WLの2つの分割範囲DU1,DU2のいずれか一方(分割範囲DU1のみ、又は、分割範囲DU2のみ)が不良である場合、異なるワード線WLの不良でない分割範囲を組み合わせて、読み出し対象16kバイトの記憶容量が確保されることがある。この場合、特定ワード線WLtの分割範囲と、特定ワード線WLt以外のワード線WLの分割範囲とが組み合わされることもある。従って、特定ワード線WLtの分割範囲とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗と、特定ワード線WLt以外のワード線WLの分割範囲とワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗とで、特異な差が生じる場合がある。
【0309】
尚、特定ワード線WLtの分割範囲と、特定ワード線WLt以外のワード線WLの分割範囲とが組み合わされる場合、特定ワード線WLt又はその分割範囲を第1導電層といい、特定ワード線WLt以外のワード線WL又はその分割範囲を第2導電層という場合がある。第1導電層は、Z方向から見てセンスアンプ領域RSAと重なる導電層であり、第2導電層は、Z方向から見てセンスアンプ領域RSAと重ならない導電層である。
【0310】
[動作パラメータの調整]
[読み出し動作における選択ワード線WLの動作パラメータの調整]
第5実施形態に係る読み出し動作における選択ワード線WLの動作パラメータは、第1実施形態(図26)及び第2実施形態(図29)で説明したものと同様である。即ち、読み出し動作における選択ワード線WLの動作パラメータには、図26の待ち時間Ta、及び、図26のタイミングt101~t102の間に選択ワード線WLに供給される電圧Vaが含まれる。また、読み出し動作における選択ワード線WLの動作パラメータには、図29の待ち時間Te、及び、図29のタイミングt102~t103の間に選択ワード線WLに供給される電圧Veが含まれる。
【0311】
図43は、第5実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。尚、図43の“8k”の意味は、図27で説明したものと同様である。
【0312】
図43のワード線WL135i及びワード線WL135oは、異なるワード線であって、これらのワード線WL135i,WL135oの分割範囲を組み合わせて、読み出し対象16kバイトを構成している。同様に、ワード線WL156i,WL156oの分割範囲を組み合わせて、読み出し対象16kバイトを構成し、ワード線WL157i,WL157oの分割範囲を組み合わせて、読み出し対象16kバイトを構成している。尚、図43のワード線WL135i,135o,WL156i,WL156o,WL157i,WL157oの配線抵抗Rの大きさは、図27で説明したものと同様である。
【0313】
図43に示す様に、各ワード線WL135i,WL156i,WL157iの分割範囲DU1は、それぞれ、ワード線スイッチWLSWを介してCGドライバ回路DRV(1)と配線CGで接続されている。また、各ワード線WL135o,WL156o,WL157oの分割範囲DU2は、それぞれ、ワード線スイッチWLSWを介してCGドライバ回路DRV(2)と配線CGで接続されている。この様に、分割範囲DU1,DU2毎にワード線スイッチWLSWが接続されている。尚、ワード線スイッチWLSWとCGドライバ回路DRV(1),DRV(2)との間には、ワード線デコーダWLD等が設けられているが(図5)、図43においては省略している。
【0314】
CGドライバ回路DRV(1),DRV(2)は、それぞれ、シーケンサSQCからの制御信号SGL31,SGL32に従って、ワード線WL(配線CG)の分割範囲DU1,DU2に対する電圧供給動作を実行する。制御信号SGL31,SGL32は、それぞれ、図5の信号線VSEL1~VSEL6の信号を含む。
【0315】
第1実施形態(図27)及び第2実施形態(図29)では、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va、待ち時間Te、電圧Ve)は、ワード線WL単位で調整されていた。これに対し、第5実施形態(図43)では、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va、待ち時間Te、電圧Ve)は、ワード線WLの分割範囲DU1,DU2単位で調整される。
【0316】
例えば、選択ワード線WLがワード線WL157i,WL157oである場合、そのワード線WL157iの分割範囲DU1(“小”の配線抵抗RW157(1)の分割範囲)の動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va、待ち時間Te、電圧Ve)を、ワード線WL157oの分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW157(2)の分割範囲)の動作パラメータよりも、待ち時間Taを短くし、電圧Vaを小さくし、待ち時間Teを短くし、電圧Veを大きくする。また、選択ワード線WLがワード線WL156i,WL156oである場合、そのワード線WL156iの分割範囲DU1(“大”の配線抵抗RW156(1)の分割範囲)の動作パラメータを、ワード線WL156oの分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW156(2)の分割範囲)の動作パラメータよりも、待ち時間Taを長くし、電圧Vaを大きくし、待ち時間Teを長くし、電圧Veを小さくする。尚、分割範囲DU1,DU2の動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va、待ち時間Te、電圧Ve)のいずれか1つ又は複数を調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、読み出し動作において、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2の配線抵抗Rに応じて、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2毎に適切な充電を行うことが可能である。
【0317】
[書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータの調整]
第5実施形態に係る書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータは、第3実施形態(図33図34)及び第4実施形態(図35)で説明したものと同様である。即ち、書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータには、図33の待ち時間Tf、及び、図34の電圧Vfが含まれる。また、書き込み動作における選択ワード線WLの動作パラメータには、図35の待ち時間Ta´及び待ち時間Te´が含まれる。
【0318】
例えば、選択ワード線WLがワード線WL157i,WL157oである場合、そのワード線WL157iの分割範囲DU1(“小”の配線抵抗RW157(1)の分割範囲)の動作パラメータ(待ち時間Tf、電圧Vf、待ち時間Ta´、待ち時間Te´)を、ワード線WL157oの分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW157(2)の分割範囲)の動作パラメータよりも、待ち時間Tfを短くし、電圧Vfを小さくし、待ち時間Ta´を短くし、待ち時間Te´を短くする。また、選択ワード線WLがワード線WL156i,WL156oである場合、そのワード線WL156iの分割範囲DU1(“大”の配線抵抗RW156(1)の分割範囲)の動作パラメータを、ワード線WL156oの分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW156(2)の分割範囲)の動作パラメータよりも、待ち時間Tfを長くし、電圧Vfを大きくし、待ち時間Ta´を長くし、待ち時間Te´を長くする。尚、分割範囲DU1,DU2の動作パラメータ(待ち時間Tf、電圧Vf、待ち時間Ta´、待ち時間Te´)のいずれか1つ又は複数を調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、書き込み動作において、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2の配線抵抗Rに応じて、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2毎に適切な充電を行うことが可能である。
【0319】
[ビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整]
第5実施形態に係る読み出し動作におけるビット線BLの動作パラメータは、第1実施形態(図26)及び第2実施形態(図29)で説明したものと同様である。即ち、読み出し動作におけるビット線BLの動作パラメータは、図26及び図29の待ち時間Tb、図26及び図29のタイミングt104~t105の間にビット線BLに供給される電圧Vb、図26及び図29の待ち時間Tc、及び、図26及び図29の待ち時間Tdが含まれる。
【0320】
また、第5実施形態に係る読み出し動作におけるソース線SL1,SL2の動作パラメータは、第1実施形態(図26)及び第2実施形態(図29)で説明したものと同様である。即ち、読み出し動作におけるソース線SL1,SL2の動作パラメータには、図26及び図29の待ち時間Ts、及び、図26及び図29のタイミングt103~t105の間にソース線SL1,SL2に供給される電圧Vが含まれる。
【0321】
図44は、第5実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。尚、図44のワード線WL135i,WL135o,WL156i,WL156o,WL157i,WL157oの意味は、図43で説明したものと同様である。図44の“8k”の意味は、図27で説明したものと同様である。また、図44のワード線WL135i,WL135o,WL156i,WL156o,WL157i,WL157oの配線抵抗Rの大きさも、図27で説明したものと同様である。
【0322】
図44に示す構成は、基本的に図28に示す構成と同様である。ただし、図44に示す構成においては、分割範囲DU1,DU2毎にワード線スイッチWLSWが接続されている。また、第5実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整は、第1実施形態及び第4実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整と同様である。
【0323】
例えば、選択ワード線WLがワード線WL157i,WL157oである場合、そのワード線WL157iの分割範囲DU1(“小”の配線抵抗RW157(1)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータ(待ち時間Tb、電圧Vb、待ち時間Tc、待ち時間Td)を、ワード線WL157oの分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW157(2)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータよりも、待ち時間Tbを短くし、電圧Vbを小さくし、待ち時間Tcを長くし、待ち時間Td(センス時間)を長くする。
【0324】
また、選択ワード線WLがワード線WL156i,WL156oである場合、そのワード線WL156iの分割範囲DU1(“大”の配線抵抗RW156(1)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータを、ワード線WL156oの分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW156(2)の分割範囲)のビット線BLの動作パラメータよりも、待ち時間Tbを長くし、電圧Vbを大きくし、待ち時間Tcを長くし、待ち時間Td(センス時間)を短くする。
【0325】
尚、ビット線BLの動作パラメータ(待ち時間Tb、電圧Vb、待ち時間Tc、待ち時間Td)のいずれか1つ又は複数を調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、読み出し動作において、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2の配線抵抗Rに応じて、分割範囲DU1,DU2に属するビット線BLの適切な充電及びセンス動作を行うことが可能である。その結果、読み出し動作の信頼性が向上する。
【0326】
例えば、選択ワード線WLがワード線WL157i,WL157oである場合、そのワード線WL157iの分割範囲DU1(“小”の配線抵抗RW157(1)の分割範囲)のソース線SL1の動作パラメータ(待ち時間Ts、電圧Vs)を、ワード線WL157の分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW157(2)の分割範囲)のソース線SL2の動作パラメータよりも、待ち時間Tsを短くし、電圧Vsを小さくする。
【0327】
また、選択ワード線WLがワード線WL156i,WL156oである場合、そのワード線WL156iの分割範囲DU1(“大”の配線抵抗RW156(1)の分割範囲)のソース線SL1の動作パラメータを、ワード線WL156oの分割範囲DU2(“中”の配線抵抗RW156(2)の分割範囲)のソース線SL2の動作パラメータよりも、待ち時間Tsを長くし、電圧Vsを大きくする。
【0328】
尚、ソース線SL1,SL2の動作パラメータ(待ち時間Ts、電圧Vs)の一方だけを調整しても良い。この様な動作パラメータの調整により、読み出し動作において、選択ワード線WLの分割範囲DU1,DU2の配線抵抗Rに応じて、分割範囲DU1,DU2に属するソース線SL1,SL2の適切な充電を行うことが可能である。その結果、読み出し動作の信頼性が向上する。
【0329】
[第6実施形態]
上記第1実施形態~第5実施形態では、複数のワード線WLは、それぞれ、2つの分割範囲DU1,DU2に物理的又は仮想的に分割されていた。これに対し、第6実施形態では、複数のワード線WLは、それぞれ、4つの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24に物理的又は仮想的に分割されている。
【0330】
図45は、第6実施形態に係る選択ワード線WLの動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。図45のワード線WL156i,WL156o,WL156p,WL156qは、異なる4つのワード線の分割範囲を組み合わせている。同様に、WL157i,WL157o,WL156p,WL156qは、異なる4つのワード線の分割範囲を組み合わせている。
【0331】
また、図45の“4k”は、各ワード線WL156i,WL156o,WL156p,WL156q,WL157i,WL157o,WL157p,WL157qの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24の記憶容量がそれぞれ4kバイトであることを示している。従って、各ワード線WL156i,WL156o,WL156p,WL156qの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24の組み合わせには、読み出し対象4kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCが接続されている。また、各ワード線WL157i,WL157o,WL157p,WL157qの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24には、読み出し対象4kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCが接続されている。このことから、各ワード線WL156i,WL156o,WL156p,WL156qには、読み出し対象16kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCが接続されている。また、各ワード線WL157i.WL157o,WL157p,WL157qには、読み出し対象16kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCが接続されている。尚、図45の数値は一例であって、この様な数値に限定されるわけではない。
【0332】
図45に示す様に、各ワード線WL156i,WL156o,WL156p,WL156qの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24は、それぞれ、ワード線スイッチWLSWを介してCGドライバ回路DRV(1),DRV(2),DRV(3),DRV(4)と配線CGで接続されている。また、各ワード線WL157i,WL157o,WL157p,WL157qの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24は、それぞれ、ワード線スイッチWLSWを介してCGドライバ回路DRV(1),DRV(2),DRV(3),DRV(4)と配線CGで接続されている。
【0333】
CGドライバ回路DRV(1),DRV(2),DRV(3),DRV(4)は、それぞれ、シーケンサSQCからの制御信号SGL41,SGL42,SGL43,SGL44に従って、ワード線WL(配線CG)の分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24に対する電圧供給動作を実行する。制御信号SGL41,SGL42,SGL43,SGL44は、それぞれ、図5の信号線VSEL1~VSEL6の信号を含む。
【0334】
第6実施形態(図45)では、選択ワード線WLの動作パラメータ(待ち時間Ta、電圧Va、待ち時間Te、電圧Ve)は、ワード線WLの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24単位で調整される。尚、選択ワード線WLの動作パラメータの調整は、上述した通りであり、詳細な説明を省略する。
【0335】
図46は、第6実施形態に係るビット線BL及びソース線SL1,SL2の動作パラメータの調整を説明するための模式的な図である。図46に示す様に、分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24のビット線BLは、それぞれ、センスアンプモジュールSAM(1),SAM(2),SAM(3),SAM(4)に接続されている。センスアンプモジュールSAM(1),SAM(2),SAM(3),SAM(4)は、シーケンサSQCからの制御信号SGL51,SGL52,SGL53,SGL54に従って、分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24のビット線BLに対する電圧供給動作及びセンス動作を実行する。制御信号SGL51,SGL52,SGL53,SGL54は、いずれも、信号線STB,XXL,BLC,BLS,HLL,BLX,CLKSA,LBPの信号を含む。
【0336】
尚、図46においては、ソース線ドライバ回路SDRVを省略している。ただし、分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24に対応するソース線SL(例えばソース線SL1,SL2,SL3,SL4)は、それぞれ、ソース線ドライバ回路SDRV(1),SDRV(2),SDRV(3),SDRV(4)に接続されている。ソース線ドライバ回路SDRV(1),SDRV(2),SDRV(3),SDRV(4)は、シーケンサSQCからの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24毎の制御信号に従って、分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24に対応するソース線SLに対する電圧供給動作を実行する。
【0337】
第6実施形態(図46)では、ソース線SLの動作パラメータ(電圧Vs)は、ワード線WLの分割範囲DU21,DU22,DU23,DU24単位で調整される。尚、ソース線SLの動作パラメータの調整は、上述した通りであり、詳細な説明を省略する。
【0338】
[第7実施形態]
以上の実施形態では、NANDフラッシュメモリに適用する例について説明した。しかしながら、本明細書において説明した技術は、例えば三次元型のNORフラッシュメモリ等、NANDフラッシュメモリ以外の構成にも適用可能である。
【0339】
図47は、三次元型のNORフラッシュメモリの構成例を示す模式的な回路図である。図47に例示するNORフラッシュメモリは、複数のメモリ層MLNORを備える。これら複数のメモリ層MLNORは、基板と垂直な方向に並ぶ。また、これら複数のメモリ層MLNORは、それぞれ、ワード線WLNORと、ワード線WLNORに接続された複数のメモリセルMCNORと、を備える。
【0340】
メモリセルMCNORは、図3を参照して説明したメモリセルMCと同様、電界効果型のトランジスタである。また、メモリセルMCNORは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。また、半導体層は、チャネル領域として機能する。また、ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。
【0341】
メモリセルMCNORのゲート電極は、ワード線WLNORに接続されている。メモリセルMCNORのドレイン電極は、ビット線BLNORに接続されている。メモリセルMCNORのソース電極は、ソース線SLNORに接続されている。ビット線BLNOR及びソース線SLNORは、それぞれ、メモリ層MLNOR中に設けられた複数のメモリセルMCNORに対応して、複数設けられている。また、ビット線BLNOR及びソース線SLNORは、それぞれ、複数のメモリ層MLNOR中のメモリセルMCNORに接続されている。
【0342】
また、図47に示す様に、複数のメモリ層MLNORは、それぞれ、複数のワード線スイッチWLSWに接続されている。また、これら複数のワード線スイッチWLSWは、複数のワード線WLNORに対応して設けられている。複数のワード線WLNORと複数のワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗Rは、例えば、“大”、“中”、“小”とされている。
【0343】
複数のワード線WLNORは、2つの分割範囲DU1,DU2に物理的又は仮想的に分割されている。例えば、複数のワード線WLNORのうち、k-1番目のワード線WLNOR(1)には、読み出し対象Akバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCNORが接続され、ワード線WLNOR(2)には、読み出し対象Bkバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCNORが接続されている。尚、A及びBは任意の数である。従って、k-1番目のワード線WLNOR(1),WLNOR(2)には、読み出し対象(A+B)kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCNORが接続されている。同様に、k番目のワード線WLNOR(1),WLNOR(2)には、読み出し対象(A+B)kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCNORが接続され、k+1番目のワード線WLNOR(1),WLNOR(2)には、読み出し対象(A+B)kバイト分の記憶容量に対応する個数のメモリセルMCNORが接続されている。
【0344】
[三次元型のNORフラッシュメモリの動作]
図48は、第7実施形態に係る半導体記憶装置900の構成例を示す模式的なブロック図である。第7実施形態に係る半導体記憶装置900は、三次元型のNORフラッシュメモリである。
【0345】
図48に示す様に、半導体記憶装置900は、メモリセルアレイ901、ロウ制御回路902、カラム制御回路903、アドレスレジスタ904、データバッファ905、入出力シフトレジスタ906、電圧生成回路907、及びシーケンサ908を含む。
【0346】
メモリセルアレイ901は、複数のメモリセルMCNORを含む。半導体記憶装置900において、各メモリセルMCNORのゲートは、複数のワード線WLNORのうち対応する1つに接続される。各メモリセルMCNORの電流経路の一端は、複数のビット線BLNORのうち対応する1つに接続される。各メモリセルMCNORの電流経路の他端は、ソース線SLNORに接続され、例えば、接地される。複数のメモリセルMCNORは、2次元アレイ状又は3次元アレイ状に、配列される。
【0347】
メモリセルMCNORは、電荷蓄積層を有するスタックゲート構造の電界効果トランジスタである。電荷蓄積層は、フローティングゲート電極でも良く、電荷トラップ膜でも良い。
【0348】
ロウ制御回路902(1)は、図47に示す分割範囲DU1に属する複数のワード線WLNOR(1)と接続され、ロウ制御回路920(2)は、図47に示す分割範囲DU2に属する複数のワード線WLNOR(2)と接続されている。ロウ制御回路902(1),920(2)は、複数のワード線WLNORに対応する複数のワード線スイッチWLSWを備えている。ロウ制御回路902(1),920(2)は、複数のワード線WLNORのうち、アドレス情報に応じたワード線を選択する。ロウ制御回路902(1),902(2)は、書き込みシーケンス、読み出しシーケンス及び消去シーケンスなどに応じて、選択されたワード線(及び非選択のワード線)に、所定の電圧を印加する。
【0349】
カラム制御回路903(1)は、図47に示す分割範囲DU1に属する複数のビット線BLNORと接続され、カラム制御回路903(2)は、図47に示す分割範囲DU2に属する複数のビット線BLNORと接続されている。カラム制御回路903(1),903(2)は、複数のビット線BLNORのうち、アドレス情報に応じたビット線を選択する。カラム制御回路903(1),903(2)は、書き込みシーケンス、読み出しシーケンス及び消去シーケンスなどに応じて、選択されたビット線(及び非選択のビット線)に、所定の電圧を印加する。
【0350】
アドレスレジスタ904は、入出力シフトレジスタ906からのアドレス情報を一時的に記憶する。アドレスレジスタ904は、アドレス情報を、ロウ制御回路902(1),902(2)及びカラム制御回路903(1),903(2)に送る。
【0351】
データバッファ905は、メモリセルアレイ901からの読み出しデータ及び入出力シフトレジスタ906からの書き込みデータを一時的に記憶する。
【0352】
入出力シフトレジスタ906は、メモリセルアレイ901と半導体記憶装置900の外部との間で転送される信号DQを一時的に記憶する。信号DQは、読み出しデータ、書き込みデータ、及び(または)アドレス情報などを含み得る。入出力シフトレジスタ906は、アドレス情報を、アドレスレジスタ904に送信する。入出力シフトレジスタ906は、書き込みデータを、データバッファ905に送信する。入出力シフトレジスタ906は、メモリセルアレイ901から供給された読み出しデータを、ホストコンピュータ20に送信する。入出力シフトレジスタ906は、信号DQのパラレル-シリアル変換を行うことができる。
【0353】
電圧生成回路907は、書き込みシーケンス、読み出しシーケンス及び消去シーケンスのそれぞれに用いられる複数の電圧を生成する。電圧生成回路907は、生成された電圧を、ロウ制御回路902(1),902(2)及びカラム制御回路903(1),903(2)などに供給する。
【0354】
シーケンサ908は、リセット信号RESETn、ホールド信号HOLDn及びライトプロテクト信号Wnなどの各種の制御信号に基づいて、半導体記憶装置900全体の動作を制御する。シーケンサ908は、ロウ制御回路902(1),902(2)、カラム制御回路903(1),903(2)、及び電圧生成回路907に対して、制御信号を出力することにより、ワード線WLNOR及びビット線BLNORに供給する電圧、供給時間及び待ち時間を制御することが可能である。
【0355】
尚、半導体記憶装置900は、ステータスレジスタなどの他の構成要素を含み得る。ステータスレジスタは、半導体記憶装置900の内部の動作状況及び動作シーケンスの実行結果を示すステータス信号を、一時的に記憶する。
【0356】
この様な構成においても、ワード線WLNORとワード線スイッチWLSWとの間の配線抵抗Rに応じて、分割範囲DU1,DU2毎に読み出し動作及び書き込み動作における動作パラメータの調整を行う。これにより、適切な読み出し動作及び書き込み動作を実行することができる。
【0357】
[第8実施形態]
三次元型のNORフラッシュメモリの構成は、図47を参照して説明した構成に限定されない。図49は、三次元型のNORフラッシュメモリの他の構成例を示す模式的な回路図である。第8実施形態では、水平方向に延びるビット線BLk-2~BLk+2(kは2以上の整数)と、ソース線SLk-2~SLk+2との間に複数のメモリセルMCNORが並列に接続され、垂直方向に配置された複数のメモリセルMCNORが垂直に延びるワード線WL0~WL4によって共通に駆動されている。また、複数のワード線WL0~WL4は、2つの分割範囲DU1,DU2に物理的又は仮想的に分割されている。尚、図49においては、ワード線スイッチを省略している。尚、図49に示す三次元型のNORフラッシュメモリにおいても、図48に示した構成を適用することが可能である。
【0358】
この様な構成においても、ワード線WLとワード線スイッチとの間の配線抵抗Rに応じて、分割範囲DU1,DU2毎に読み出し動作及び書き込み動作における動作パラメータの調整を行う。これにより、適切な読み出し動作及び書き込み動作を実行することができる。
【0359】
[第9実施形態]
本明細書において説明した技術は、例えば三次元型のDRAM等、フラッシュメモリ以外の構成にも適用可能である。
【0360】
図50は、三次元型のDRAMの構成例を示す模式的な回路図である。図50に示す様に、メモリセルアレイ1201は、複数のメモリ層MLを備える。これら複数のメモリ層MLは、基板と垂直な方向に並ぶ。また、これら複数のメモリ層MLは、それぞれ、ビット線BLと、ビット線BLに接続された複数のトランジスタTrと、これら複数のトランジスタTrに接続された複数のキャパシタCapと、これら複数のキャパシタCapに共通に接続されたプレート線PLと、を備える。トランジスタTrのソース電極は、ビット線BLに接続されている。トランジスタTrのドレイン電極は、キャパシタCapに接続されている。トランジスタTrのゲート電極は、ワード線WLに接続されている。また、ワード線WL及びプレート線PLは、それぞれ、複数のメモリ層ML中のトランジスタTrに接続されている。
【0361】
ワード線WLにローレベル又はハイレベルの電圧が印加され、ビット線BLにローレベル又はハイレベルの電圧が印加されると、トランジスタTrはオン状態又はオフ状態となる。これにより、キャパシタCapに電荷が蓄積され、又は蓄積された電荷が放電される。
【0362】
DRAMにおいては、キャパシタCapに蓄積された電荷に対応付けて、データを保持する。また、DRAMにおいては、キャパシタCapに蓄積された電荷を維持するために、リフレッシュ回路によって定期的にキャパシタCapの電荷をリフレッシュする処理を行う。説明の便宜上、リフレッシュ回路等は省略している。
【0363】
上記のワード線WLは、複数の分割範囲に分割されている。尚、図50においては、ワード線スイッチを省略している。
【0364】
図51は、三次元型のDRAMの他の構成例を示す模式的な回路図である。図51に示す様に、メモリセルアレイ1201´は、複数のメモリ層ML´を備える。これら複数のメモリ層ML´は、基板と垂直な方向に並ぶ。また、これら複数のメモリ層ML´は、それぞれ、ワード線WL´と、ワード線WL´に接続された複数のトランジスタTr´と、これら複数のトランジスタTr´に接続された複数のキャパシタCapと、これら複数のキャパシタCapに共通に接続されたプレート線PLと、を備える。トランジスタTr´のソース電極は、ビット線BL´に接続されている。トランジスタTr´のドレイン電極は、キャパシタCapに接続されている。トランジスタTr´のゲート電極は、ワード線WLに接続されている。また、ビット線BL´及びプレート線PLは、それぞれ、複数のメモリ層ML´中のトランジスタTr´に接続されている。
【0365】
上記のワード線WL´も、複数の分割範囲に分割されている。尚、図51においては、ワード線スイッチを省略している。この様な構成においても、ワード線WL´とワード線スイッチとの間の配線抵抗Rに応じて、複数の分割範囲毎に読み出し動作及び書き込み動作における動作パラメータの調整を行う。これにより、適切な読み出し動作及び書き込み動作を実行することができる。
【0366】
[三次元型のDRAMの動作]
図52は、第9実施形態に係る半導体記憶装置1000の構成例を示す模式的なブロック図である。第9実施形態に係る半導体記憶装置1000は、三次元型のDRAMである。尚、以下の説明では、メモリセルアレイが図50に示したメモリセルアレイ1201であるものとする。
【0367】
図52に示す様に、第9実施形態の半導体記憶装置1000は、メモリセルアレイ1201、入出力回路1210、ワード線ドライバ1220(1),1220(2)(図52中、WLD(1),WLD(2)と表記する。)、ロウデコーダ1222、リードライトアンプ1233、コマンドデコーダ1241、センスユニット1250(1),1250(2)、カラムデコーダ1251、コマンドアドレス入力回路1260、クロック入力回路1271、内部クロック発生回路1272、及び電圧発生回路1280を備える。
【0368】
また、半導体記憶装置1000は、クロック端子CK,/CK、コマンド/アドレス端子CAT、データ端子DQT、データマスク端子DMT、及び電源端子VPP,VDD,VSS,VDDQ,VSSQ等の複数の外部端子を備える。
【0369】
尚、本実施形態において、半導体記憶装置1000におけるメモリセルアレイ1201以外の構成を周辺回路という場合がある。
【0370】
メモリセルアレイ1201は、図50を参照して説明した構成である。上述した様に、ワード線WLは、複数の分割範囲(例えば2つの分割範囲DU1,DU2)に物理的又は仮想的に分割されている。
【0371】
センスアンプsaは、図53に示す様に、メモリセルMCから読み出されたデータをセンスする。センスアンプsaは、対をなすビット線BL図53のBL-T,BL-C)に対応して配置される。センスユニット1250は、複数のセンスアンプsaを備える。
【0372】
メモリセルアレイ1201内の複数のメモリセルMCには、それぞれメモリアドレスが対応付けられている。複数の外部端子のうち、コマンド/アドレス端子CATは、例えばホストコンピュータ等の外部装置からメモリアドレスを受信する。コマンド/アドレス端子CATが受信したメモリアドレスは、コマンドアドレス入力回路1260に伝達される。コマンドアドレス入力回路1260は、メモリアドレスを受信すると、デコードされたロウアドレスXADDをロウデコーダ1222に送信し、デコードされたカラムアドレスYADDをカラムデコーダ1251に送信する。
【0373】
また、コマンド/アドレス端子CATは、例えばホストコンピュータ等の外部装置からコマンドを受信する。コマンド/アドレス端子CATが受信したコマンドは、コマンドアドレス入力回路1260に伝達される。コマンドアドレス入力回路1260は、コマンドを受信すると、受信したコマンドを内部コマンドICMDとしてコマンドデコーダ1241に送信する。
【0374】
コマンドデコーダ1241は、内部コマンドICMDをデコードして、内部コマンドを実行するための信号を生成する回路を含む。コマンドデコーダ1241は、例えば活性化されたコマンドACT及びリフレッシュコマンドAREFをロウデコーダ1222に送信する。ロウデコーダ1222は、コマンドデコーダ1241から受信したコマンドACT及びリフレッシュコマンドAREFに従ってワード線WLを選択する。ロウデコーダ1222は、選択したワード線WLを示す信号をワード線ドライバ1220に送信する。
【0375】
ワード線ドライバ1220(1)は、分割範囲(例えばDU1)の複数のワード線WLに接続されている。ワード線ドライバ1220(1)は、分割範囲(例えばDU2)の複数のワード線WLに接続されている。尚、ワード線ドライバ1220(1),1220(2)を、単にワード線ドライバ1220と呼ぶ場合がある。ワード線ドライバ1220は、ロウデコーダ1222からの信号を受信し、その信号で指示されたワード線WLに対してローレベル又はハイレベルの電圧を印加する。尚、ワード線ドライバ1220には、ワード線WLに対応するワード線スイッチが設けられている。
【0376】
また、コマンドデコーダ1241は、例えばリード/ライトコマンドR/Wをカラムデコーダ1251に送信する。カラムデコーダ1251は、コマンドデコーダ1241から受信したリード/ライトコマンドR/Wに従ってビット線BLを選択する。カラムデコーダ1251は、選択したビット線BLを示す信号をセンスユニット1250に送信する。
【0377】
センスユニット1250(1)は、分割範囲(例えばDU1)の複数のビット線BLに接続されている。センスユニット1250(2)は、分割範囲(例えばDU2)の複数のビット線BLに接続されている。尚、センスユニット1250(1),1250(2)を、単にセンスユニット1250と呼ぶ場合がある。センスユニット1250は、カラムデコーダ1251からの信号を受信し、その信号で指示されたビット線BLに対してローレベル又はハイレベルの電圧を印加する。
【0378】
データを読み出す際には、コマンド/アドレス端子CATがリードコマンドとともにメモリアドレスを受信する。これにより、メモリアドレスによって指定されたメモリセルアレイ1201内のメモリセルMCからデータが読み出される。読み出しデータは、センスユニット1250、リードライトアンプ1233、及び入出力回路1210を介してデータ端子DQTから外部に出力される。
【0379】
データを書き込む際には、コマンド/アドレス端子CATが書き込みコマンドとともにメモリアドレスを受信し、データ端子DQTが書き込みデータを受信する。また必要に応じて、データマスク端子DMTがデータマスクを受信する。書き込みデータは、入出力回路1210、リードライトアンプ1233、及びセンスユニット1250を介してメモリセルアレイ1201に送信される。これにより、書き込みデータは、メモリアドレスによって指定されたメモリセルMCに書き込まれる。
【0380】
リードライトアンプ1233は、読み出しデータ及び書き込みデータを一時的に保持する各種ラッチ回路を備える。
【0381】
電圧発生回路1280は、電源端子VPP,VDD,VSSから電源電圧が供給される。電圧発生回路1280は、電源電圧に基づいて各種の内部電圧VOD,VARY,VPERIを生成する。内部電圧VOD,VARYは、主にセンスアンプsaで使用され、内部電圧VPERIは、その他の周辺回路で使用される。
【0382】
また、入出力回路1210は、電源端子VDDQ,VSSQから電源電圧が供給される。電源端子VDDQ,VSSQには、入出力回路1210で発生する電源ノイズが他の回路ブロックに伝搬しないように、専用の電源電圧が供給される。尚、電源端子VDDQ,VSSQに供給される電源電圧は、電源端子VDD,VSSに供給される電源電圧と同じ電圧であっても良い。
【0383】
クロック端子CK,/CKには相補的な外部クロック信号が入力される。外部クロック信号はクロック入力回路1271に供給される。クロック入力回路1271は、内部クロック信号ICLKを生成する。内部クロック信号ICLKは、内部クロック発生回路1272及びコマンドデコーダ1241に供給される。
【0384】
内部クロック発生回路1272は、コマンドアドレス入力回路1260からのクロックイネーブルによってイネーブルされると、様々な内部クロック信号LCLKを生成する。内部クロック信号LCLKは、様々な内部動作のタイミングを計測するために使用される。例えば、内部クロック信号LCLKは入出力回路1210に出力される。入出力回路1210は、入力された内部クロック信号LCLKに基づいて、データ端子DQTからデータを送受信する。
【0385】
[センスアンプの構成]
次に、図53を参照して、センスアンプsaの構成例について説明する。図53は、センスアンプ回路sacを含むセンスアンプsaの構成例を示す回路図である。
【0386】
図53に示す様に、メモリセルアレイ1201内のメモリセルMCに接続されるビット線BL-T、及びビット線BL-Tと対をなすビット線BL-Cは、それぞれ、センスアンプ回路sacと接続される。
【0387】
センスアンプ回路sacは、トランジスタTR51~TR54を含んでいる。トランジスタTR51,TR53は低耐圧PチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタTR52,TR54は低耐圧NチャネルMOSトランジスタである。
【0388】
トランジスタTR51の一方の端子はセンス信号SAPが供給される信号線に接続され、トランジスタTR51の他方の端子はトランジスタTR52の一方の端子に接続される。トランジスタTR52の他方の端子はセンス信号SANが供給される信号線に接続される。また、トランジスタTR51,TR52の間(トランジスタTR51の他方の端子とトランジスタTR52の一方の端子の接続点)には、ビット線BL-Tが接続される。
【0389】
トランジスタTR53の一方の端子はセンス信号SAPが供給される信号線に接続され、トランジスタTR53の他方の端子はトランジスタTR54の一方の端子に接続される。トランジスタTR54の他方の端子はセンス信号SANが供給される信号線に接続される。また、トランジスタTR53,TR54の間(トランジスタTR53の他方の端子とトランジスタTR54の一方の端子の接続点)には、ビット線BL-Cが接続される。
【0390】
また、トランジスタTR51,TR52のゲート端子(ゲート電極)はトランジスタTR53,TR54の間に接続され、トランジスタTR53,TR54のゲート端子(ゲート電極)はトランジスタTR51,TR52の間に接続される。
【0391】
センスアンプ回路sacよりも下流側のビット線BL-T,BL-Cには、カラムスイッチYSWが接続されている。カラムスイッチYSWは、トランジスタTR71,TR72を含んでいる。トランジスタTR71,TR72は、低耐圧NチャネルMOSトランジスタである。
【0392】
トランジスタTR71の一方の端子はビット線BL-Tに接続され、トランジスタTR71の他方の端子はローカル入出力線LIOTに接続される。トランジスタTR72の一方の端子はビット線BL-Cに接続され、トランジスタTR72の他方の端子はローカル入出力線LIOBに接続される。トランジスタTR71,TR72のゲート端子(ゲート電極)は、カラム選択信号YSが供給される信号線に接続される。
【0393】
この様に、センスアンプ回路sacは、カラムスイッチYSWを介してローカル入出力線LIOT,LIOBに接続される。転送ゲートTGは、ローカル入出力線LIOT,LIOBに接続されるとともに、メイン入出力線MIOT,MIOBに接続されている。転送ゲートTGはスイッチとして機能する。メイン入出力線MIOT,MIOBは、リードライトアンプ1233に接続されている。
【0394】
カラムスイッチYSWよりも下流側のビット線BL-T,BL-Cは、イコライズ回路EQと接続される。イコライズ回路EQは、トランジスタTR81~TR83を含んでいる。トランジスタTR81~TR83は、低耐圧NチャネルMOSトランジスタである。
【0395】
トランジスタTR81の一方の端子はビット線BL-Tに接続され、トランジスタTR81の他方の端子はトランジスタTR82の一方の端子に接続される。トランジスタTR82の他方の端子はビット線BL-Cに接続される。また、トランジスタTR81,TR82の間にはイコライズ電圧VBLEQが供給される電源線が接続される。イコライズ電圧VBLEQの大きさは、センスアンプsa用の電源電圧VDDSAの1/2である。
【0396】
トランジスタTR83の一方の端子はビット線BL-Tに接続され、トランジスタTR83の他方の端子はビット線BL-Cに接続される。トランジスタTR81~TR83のゲート端子(ゲート電極)は、イコライズ信号BLEQが供給される信号線に接続される。
【0397】
[センスアンプの動作]
次に、上記のセンスアンプ回路sacを含むセンスアンプsaの動作について説明する。
【0398】
通常、定常状態ではイコライズ信号BLEQがハイレベルに駆動されている。これにより、イコライズ回路EQのトランジスタTR81~TR83がオン状態になり、ビット線BL-T,BL-Cがプリチャージ電位にイコライズされる。
【0399】
アクティブコマンドACTが発行されると、イコライズが解除されるとともに、入力されたロウアドレスXADDに基づいて、対応するワード線WLがワード線ドライバ1220によってVPPレベルに駆動される。イコライズの解除、つまりイコライズ回路EQの非活性状態は、アクティブコマンドACTが発行されてからプリチャージコマンドが発行されるまで継続される。
【0400】
ワード線WLがVPPレベルに駆動され、対応するメモリセルMCのトランジスタTrがオン状態になる。このため、そのメモリセルMCのキャパシタCapがビット線BL-T及びビット線BL-Cに接続される。その結果、メモリセルMCのキャパシタCapの電荷に応じて、ビット線BL-T又はビット線BL-Cの電位がわずかに変化する。図53の例では、ビット線BL-Tの電位がわずかに上昇した様子を示している。
【0401】
その後、所定のタイミングでセンス信号SAN,SAPがそれぞれローレベル及びハイレベルに変化し、センスアンプ回路sacが活性化される。その結果、ビット線BL-T,BL-Cの電位差が増幅される。図53の例では、ビット線BL-Cがローレベルに駆動され、ビット線BL-Tがハイレベルに駆動された様子を示している。
【0402】
次に、リードコマンドが発行されると、リードコマンドに同期して入力されたカラムアドレスYADDに従って、対応するカラム選択信号YSがハイレベルに変化する。カラム選択信号YSが活性化する前の時点では、ローカル入出力線LIOT,LIOBは電源電圧VCCにプリチャージされている。
【0403】
カラム選択信号YSが活性化すると、カラムスイッチYSWのトランジスタTR71,TR72がオン状態になるため、ビット線BL-T,BL-Cが対応するローカル入出力線LIOT,LIOBに接続される。その結果、ローカル入出力線LIOTはプリチャージレベルに維持され、ローカル入出力線LIOBはプリチャージレベルからローレベルに低下する。
【0404】
転送ゲートTGがオン状態になると、ローカル入出力線LIOT,LIOBがメイン入出力線MIOT,MIOBに接続される。その結果、メイン入出力線MIOTはプリチャージレベルに維持され、メイン入出力線MIOBはプリチャージレベルからローレベルに低下する。
【0405】
以上の動作により、メモリセルMCからデータが読み出される。
【0406】
尚、図52及び図53において、図50に示すメモリセルアレイ1201に代えて、図51のメモリセルアレイ1201´を適用しても良い。
【0407】
[DRAMの読み出し動作における動作パラメータの調整]
ワード線WL(例えばワード線WLD(1))とワード線ドライバ1220(ワード線スイッチ)との間の配線抵抗が大きい場合、ワード線ドライバ1220によってワード線WLD(1)に印加される充電時の電圧の立ち上がりが遅くなるので(図53)、ビット線BLの安定待ち時間Tgを長くする。一方、ワード線WL(例えばワード線WLD(2))とワード線ドライバ1220(ワード線スイッチ)との間の配線抵抗が小さい場合、ワード線ドライバ1220によってワード線WLに印加される充電時の電圧の立ち上がりが速くなるので(図53)、ビット線BLの安定待ち時間Tgを短くする。
【0408】
[三次元型のDRAMの構造例]
次に、三次元型のDRAMの構造例について説明する。
【0409】
図54は、DRAMの構成を示す模式的なXY断面図である。図55は、図54に示す構造をC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【0410】
例えば図55に示す様に、メモリセルアレイ1201は、Z方向に交互に並ぶ複数のメモリ層ML及び酸化シリコン(SiO)等の絶縁層701を備える。また、これら複数のメモリ層ML及び絶縁層701の上方には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層705が設けられている。
【0411】
図54に示す様に、メモリ層MLは、メモリセル領域RMCに設けられ、Y方向に交互に並ぶ複数のキャパシタ構造710及び酸化シリコン(SiO)等の絶縁層702を備える。キャパシタ構造710は、電極711,712と、これらの間に設けられた絶縁層713と、を備える。
【0412】
電極711は、キャパシタCapの一方の電極として機能する。電極711は、X方向に延伸する。電極711のX方向における一端部は、プレート線PLに接続されている。電極711,712は、例えば、ポリシリコン(Poly-Si)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、珪化タングステン(WSi)、窒化珪化タングステン(WSiN)、モリブデン(Mo)、窒化モリブデン(MoN)、イリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IrO)、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、窒化珪化チタン(TiSiN)、窒化ルテニウムチタン(RuTiN)等を含んでいても良いし、その他の導電性の材料を含んでいても良いし、複数の導電性の材料の積層膜を含んでいても良い。
【0413】
尚、プレート線PLは、Y方向及びZ方向に延伸し、複数のメモリ層MLをX方向に分断する。プレート線PLのX方向における一方側及び他方側の側面は、それぞれ、複数のメモリ層ML及び複数のキャパシタ構造710に対応する複数の電極711に接続されている。プレート線PLは、例えば、電極711と同様の材料を含んでいても良い。
【0414】
電極712は、キャパシタCapの他方の電極として機能する。電極712は、電極711の外周面(上下面及びY方向の両側面)に対向し、電極711の外周面に沿ってX方向に延伸する。電極712のX方向における一端部は、後述する半導体層721に接続されている。電極712は、例えば、電極711と同様の材料を含んでいても良い。
【0415】
絶縁層713は、電極711,712の間に設けられている。絶縁層713は、電極711,712を絶縁する。絶縁層713は、例えば、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化タンタル(TaO)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)又はその他の絶縁性の金属酸化物を含んでいても良いし、その他の絶縁性の材料を含んでいても良いし、ZrHfO、ZrAlO、ZrNbO等これらの混合物であってもよい。また、絶縁層713は、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの積層膜(ZAZ)、ZrHfO、ZrAlO、ZrNbOの積層膜等、複数の絶縁性の材料の積層膜を含んでいても良い。また、絶縁層713は、強誘電体であっても良い。
【0416】
また、図54に示す様に、メモリ層MLは、ワード線接続領域RWLに設けられ、Y方向に並ぶ複数のトランジスタ構造720を備える。トランジスタ構造720は、半導体層721を備える。また、ワード線接続領域RWLには、導電層722と、この導電層722の外周面に設けられた絶縁層723と、が設けられる。
【0417】
半導体層721は、トランジスタTrのチャネル領域等として機能する。半導体層721は、X方向に延伸する。半導体層721は、例えば、シリコン(Si)、ゲルマ(Ge)、炭素(C)、酸化亜鉛錫(ZnSnO:一般に“ZTO”と呼ばれる)、酸化インジウム亜鉛(InZnO:一般に“IZO”と呼ばれる)、酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO:一般に“IGZO”と呼ばれる)、酸化インジウムガリウムシリコン(InGaSiO:一般に“IGSO”と呼ばれる)、酸化インジウムタングステン(InWO:一般に“IWO”と呼ばれる)、又はその他の半導体材料を含んでいても良いし、複数の半導体材料の積層膜を含んでいても良い。
【0418】
導電層722は、Z方向に並ぶ複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、ワード線WLとして機能する。導電層722は、Y方向に並ぶ複数のトランジスタ構造720に対応して、複数設けられている。導電層722は、例えば、ポリシリコン(Poly-Si)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、珪化タングステン(WSi)、窒化珪化タングステン(WSiN)、モリブデン(Mo)、窒化モリブデン(MoN)、イリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IrO)、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、窒化珪化チタン(TiSiN)、窒化ルテニウムチタン(RuTiN)等を含んでいても良いし、その他の導電性の材料を含んでいても良いし、複数の導電性の材料の積層膜を含んでいても良い。
【0419】
絶縁層723は、トランジスタTrのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層723は、導電層722の外周面を覆う部分と、半導体層721及び導電層722の間に設けられた部分と、を備える。絶縁層723は、半導体層721と導電層722とを絶縁する。絶縁層723は、例えば、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化タンタル(TaO)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)又はその他の絶縁性の金属酸化物を含んでいても良いし、その他の絶縁性の材料を含んでいても良いし、ZrHfO、ZrAlO、ZrNbO等これらの混合物であってもよい。絶縁層723は、複数の絶縁性の材料の積層膜を含んでいても良い。絶縁層723は、例えば、絶縁層713と同様の材料を含んでいても良い。
【0420】
また、図54に示す様に、メモリ層MLは、ワード線接続領域RWLに設けられ、X方向に並び、Y方向に延伸する2つの導電層730を備える。また、X方向に並ぶ2つの導電層730の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層703が設けられている。
【0421】
導電層730は、ビット線BLとして機能する。導電層730は、例えば、ポリシリコン(Poly-Si)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、珪化タングステン(WSi)、窒化珪化タングステン(WSiN)、モリブデン(Mo)、窒化モリブデン(MoN)、イリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IrO)、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、窒化珪化チタン(TiSiN)、窒化ルテニウムチタン(RuTiN)等を含んでいても良いし、その他の導電性の材料を含んでいても良いし、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層膜等、複数の導電性の材料の積層膜を含んでいても良い。
【0422】
また、図54に示す様に、メモリ層MLは、ビット線接続領域RBLに設けられ、X方向に延伸する導電層740を備える。また、導電層740のY方向の側面には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層704が設けられている。
【0423】
図54の例において、導電層740は、導電層730のY方向の端部に接続されている。導電層740は、例えば、導電層730と同様の材料を含んでいても良い。尚、図54の例において、X方向に並ぶ複数の導電層740は、メモリセル領域RMC毎に電気的に独立している。
【0424】
この様な構成においても、ワード線WLとワード線スイッチとの間の配線抵抗Rに応じて、複数の分割範囲毎に読み出し動作及び書き込み動作における動作パラメータの調整を行う。これにより、適切な読み出し動作及び書き込み動作を実行することができる。
【0425】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第9実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、以上において説明した様な構成及び動作はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成及び動作は適宜調整可能である。
【0426】
例えば、第1実施形態~第5実施形態及び第7実施形態~第9実施形態では、ワード線WLを2つの分割範囲DU1,DU2に分割し、第6実施形態では、ワード線WLを4つの分割範囲DU1~DU4に分割していた。しかしながら、ワード線WLを3つの分割範囲、5つ以上の分割範囲に分割しても良い。
【0427】
また、例えば、第1実施形態~第9実施形態では、複数の分割範囲は同じ大きさ(メモリセルMCの個数)の範囲としていたが、複数の分割範囲はそれぞれ異なる大きさの範囲としても良い。
【0428】
また、本実施形態において、ワード線WL(分割範囲DU1,DU2)とワード線スイッチWLSWとの間における配線(コンタクトCCを含む)の材料、配線の幅、配線の長さ、配線の高さ、ワード線WLの充電方向の差、プレーンの位置などの少なくとも一部が異なることによって、配線抵抗Rの抵抗値が異なる。
【0429】
また、一般的に、読み出し動作及び書き込み動作は、ページPGを実行単位として実行される。この場合、例えば、1つのワード線WLの複数の分割範囲でページPGが構成されても良く、また、複数のワード線(例えば、ワード線WLi,WLo)の分割範囲(例えば、ワード線WLiの分割範囲DU1、ワード線WLoの分割範囲DU2)でページPGが構成されても良い。また、異なるブロックのワード線(例えば、ブロック(1)のワード線WLi、ブロック(2)のワード線WLo)の分割範囲(例えばワード線WLiの分割範囲DU1、ワード線WLoの分割範囲DU2)でページPGが構成されても良い。また、異なるプレーンの所定ブロックのワード線(例えば、プレーン(1)のブロック(11)のワード線WLi、プレーン(2)のブロック(21)のワード線WLo)の分割範囲(例えばワード線WLiの分割範囲DU1、ワード線WLoの分割範囲DU2)でページPGが構成されても良い。この様な構成においても、分割範囲毎に動作パラメータの調整を行うことが可能である。
【0430】
例えば、第1実施形態~第4実施形態に係るメモリセルアレイMCAは、図13を参照して説明した様に、Z方向に並ぶ2つのメモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2を備えていた。また、メモリセルアレイ層LMCA1に含まれる複数の導電層110のうち、一部の導電層200(図15)はX方向に並ぶ2つの部分201及びこれらに接続された部分202を備え、これよりも上方にはX方向に並ぶ一対の導電層210の組(図16)が設けられていた。また、メモリセルアレイ層LMCA2に含まれる複数の導電層110のうち、一部の導電層220(図17)はX方向に並ぶ2つの部分221及びこれらに接続された部分222を備え、これよりも上方にはX方向に並ぶ一対の導電層230の組(図18)が設けられていた。
【0431】
しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。
【0432】
例えば、第1実施形態~第4実施形態に係るメモリセルアレイMCAにおいては、メモリセルアレイ層LMCA2を省略しても良い。この様な場合、メモリセルアレイ層LMCA1は、ドレイン側選択ゲート線SGD等として機能する複数の導電層110(図19)を備えていても良い。
【0433】
また、例えば、第1実施形態~第4実施形態に係るメモリセルアレイMCAにおいては、メモリセルアレイ層LMCA1とメモリセルアレイ層LMCA2との間に1以上のメモリセルアレイ層を設けても良い。この様なメモリセルアレイ層は、それぞれ、複数の導電層110を含んでいても良い。また、これら複数の導電層110の一部は、X方向に並ぶ2つの部分及びこれらに接続された部分を備えていても良い。また、これよりも上方には、X方向に並ぶ一対の導電層110が設けられていても良い。
【0434】
また、例えば、以上の例では、メモリトランジスタとして、ゲート絶縁膜に、絶縁性又は導電性の電荷蓄積部を含む構成を例示した。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、メモリトランジスタのゲート絶縁膜に含まれる構成は、適宜調整可能である。例えば、メモリトランジスタとして、ゲート絶縁膜に強誘電体を含む構成を採用しても良い。
【0435】
また、例えば、以上の例では、メモリセルアレイMCAの構成として、複数のメモリトランジスタを有する構成を例示した。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、メモリセルアレイMCAの構成として、メモリトランジスタ以外を有する構成を採用しても良い。
【0436】
また、例えば、メモリセルアレイMCAは、SRAM(Static Random Access Memory)でも良い。SRAMは、2つのCMOSインバータを備える。一方の入力端子は他方の出力端子に接続され、一方の出力端子は他方の入力端子に接続される。
【0437】
また、メモリセルアレイMCAは、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)又はSTT-MRAM(Spin Transfer Torque MRAM)等の磁気抵抗メモリでも良い。MRAM及びSTT-MRAMは、一対の強磁性膜と、トンネル絶縁膜と、を含む。一対の強磁性膜は、対向配置される。トンネル絶縁膜は、一対の強磁性膜の間に設けられる。強磁性膜は、書き込み動作に応じてその磁化方向が変化する。
【0438】
また、メモリセルアレイMCAは、ReRAM(Resistive Random Access Memory)等の抵抗変化メモリでも良い。ReRAMは、一対の電極と、金属酸化物等と、を含む。金属酸化物等は、一対の電極の間に設けられる。金属酸化物等には、書き込み動作に応じて酸素欠陥等のフィラメントが形成される。一対の電極は、この酸素欠陥等のフィラメントを介して導通し、又は、切り離される。
【0439】
また、メモリセルアレイMCAは、PCRAM(Phase Change Random Access Memory)又はPCM(Phase Change Memory)等の相変化メモリでも良い。相変化メモリは、GeSbTe等のカルコゲナイド膜を含んでいても良い。カルコゲナイド膜の結晶状態は、書き込み動作に応じて変化するものでも良い。
【0440】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0441】
110,200,210,220,230,510,722…導電層(ワード線)、120,520,721…半導体層、130…ゲート絶縁膜、WL…ワード線、BL…ビット線、DU1,DU2,DU3,DU4…分割範囲。
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
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