(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163498
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】車両用フック
(51)【国際特許分類】
B60R 5/04 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
B60R5/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074447
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】土本 芳裕
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠記
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022BA20
3D022BC07
(57)【要約】
【課題】車両の使用目的、使用シーンなどに応じた荷室の種々の利用形態に合わせて物品を吊り下げたり、仕切り部材を係止したりすることができる車両用フックを提供する。
【解決手段】車両用フックは、位置決め軸23を受け入れることができる貫通孔11を有する貫通して位置決め軸23の周りを回転可能なフック本体10を備える。フック本体10は、貫通孔11の位置から第1の方向に沿って延びて、位置決め軸23に垂直な面内で第1の方向の一方の側に鉤状に形成されて物品を吊り下げ可能なフック部12と、他方の側に形成された係止部14とを有する。係止部14は、フック本体10の向かい合う一対の表面を貫通するようにフック本体10の外周から延びる溝15と、溝15の側壁において10フック本体の外周に近接して設けられた突起部16とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷室に用いられる車両用フックであって、
位置決め軸を受け入れることができる貫通孔を有して前記位置決め軸の周りを回転可能なフック本体を備え、
前記フック本体は、前記貫通孔の位置から第1の方向に沿って延びて、前記位置決め軸に垂直な面内で前記第1の方向の一方の側に鉤状に形成されて物品を吊り下げ可能なフック部と他方の側に形成された係止部とを有し、
前記係止部は、前記フック本体の向かい合う一対の表面を貫通するように前記フック本体の外周から延びる溝と前記溝の側壁において前記フック本体の外周に近接して設けられた突起部とを有する、車両用フック。
【請求項2】
前記荷室の表面に取り付け可能なベゼルと、
前記ベゼルに取り付けられた前記位置決め軸と、
をさらに備え、
前記位置決め軸が前記貫通孔に挿し込まれて前記位置決め軸の周りで前記フック本体が回転可能である、請求項1に記載の車両用フック。
【請求項3】
前記貫通孔の周りでの前記フック本体の回転により前記荷室の表面に対して前記フック部よりも前記係止部を近付ける回転方向を第1の回転方向として、
前記フック本体において前記貫通孔の近傍に、前記ベゼルと当接することにより前記第1の回転方向への回転を規制する回り止め部が形成されている、請求項2に記載の車両用フック。
【請求項4】
前記第1の回転方向とは反対方向に前記フック本体を付勢するばねをさらに備える、請求項2に記載の車両用フック。
【請求項5】
前記位置決め軸が前記車両の左右方向と平行になり、かつ前記フック部が前記係止部よりも車両の後方側に位置するように前記荷室に取り付けられる、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両用フック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷室に設けて種々のために目的に使用可能な車両用フックに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両の荷室(トランクルーム、ラゲッジルーム)には、手提げ袋などを吊り下げるためのコンビニフックとも呼ばれるフックが設けられる。また荷室では、形状の異なる物品を収納するために、取り外し可能な各種の仕切り部材が設けられることがある。仕切り部材を荷室に取り付け固定するためには荷室側に何らかの部材が必要であるが、仕切り部材を取り付けるための部材として、荷室に既に設けられている吊り下げ用のフックを用いることが提案されている。例えば特許文献1は、車両のラゲッジルームの側面に形成されるラゲッジサイドトリムにコンビニフックなどである係合具が設けられているときに、荷室を仕切るためのボード部材の端部をその係合具に係合させることにより、ボード部材が荷室の仕切る形態を変化させることを開示している。また特許文献2は、荷室の床面と天井とに弾性変形可能なフックを配置し、これらのフックに対して布製または樹脂製のシートを張り渡すことにより荷室を区画することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6473678号公報
【特許文献2】実開昭53-158021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の使用目的、使用シーンなどに応じて車両の使用者による荷室の利用形態は大きく変化する。しかしながら、現在、コンビニフックなどとして荷室に設けられるフックでは、そのような種々の利用形態に対応することが難しい。
【0005】
本発明の目的は、荷室の種々の利用形態に合わせて物品を吊り下げたり、仕切り部材などを係止したりすることができる車両用フックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用フックは、車両の荷室に用いられる車両用フックであって、位置決め軸を受け入れることができる貫通孔を有して位置決め軸の周りを回転可能なフック本体を備え、フック本体は、貫通孔の位置から第1の方向に沿って延びて、位置決め軸に垂直な面内で第1の方向の一方の側に鉤状に形成されて物品を吊り下げ可能なフック部と他方の側に形成された係止部とを有し、係止部は、フック本体の向かい合う一対の表面を貫通するようにフック本体の外周から延びる溝と溝の側壁においてフック本体の外周に近接して設けられた突起部とを有する。
【0007】
本発明に基づく車両用フックにおいて係止部は、例えばU字形状の部材であってU字としての1対の先端部にそれぞれ相互に向かい合う突起を有するような係合部材を、係合部材の先端側から係止部の溝に沿って受け入れることができる。係止部側の突起と係合部材側の突起とが係合することにより、係止部に受け入れた係合部材を係止部から取り外すためには一定以上の力が必要となる。したがって本発明に基づく車両用フックを車両の荷室に取り付けたときは、荷室の仕切りのための部材を固定するために係止部を使用することが可能になる。フック部は、荷室に取り付けたときにコンビニフックなどとして例えば手提げ袋などの物品を吊り下げに用いることができるとともに、係止部と同様に荷室の仕切りや物品の固定などのための部材を固定するために用いることができる。さらに、本発明に基づく車両用フックを荷室に2つ取り付けたときは、それぞれの車両用フックのフック部の間に紐など架け渡せば、その紐に対して物品を吊り下げたりすることも可能になる。このように本発明に基づく車両用フックによれば、荷室の種々の利用形態に合わせて物品を吊り下げたり、仕切り部材などを係止したりすることができるようになり、車両の使用シーンに応じて荷室を最適に活用することが可能になる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、荷室の種々の利用形態に合わせて物品を吊り下げたり、仕切り部材などを係止したりすることができる車両用フックが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は本発明の実施の一形態の車両用フックの組立斜視図であり、(b)はフック本体の平面図であり、(c)は完成状態の車両用フックを示す斜視図である。
【
図2】車両の荷室における車両用フックの使用形態を説明する図である。
【
図3】車両用フックに対する間仕切り用のファブリックの係合を説明する図である。
【
図4】車両用フックの使用形態の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は本発明の実施の一形態の車両用フックの組立斜視図であり、
図1(b)はフック本体の平面図であり、
図1(c)は完成状態の車両用フックを示す斜視図である。本実施形態の車両用フック1は、車両の荷室30(
図2参照)において荷室30の例えば天板31に荷室30内を向くように取り付けられて、荷室30の種々の利用形態に合わせて物品を吊り下げたり、各種の仕切り部材や固定用の部材を係止したりするために用いられるものである。図において上、下、左、右、前、後の表示があるが、これらは車両における向きを示すものであり、車両用フック1に関していえば、車両に対してどのような向きで取り付けられるかを示している。
【0011】
車両用フック1は、フックとして機能するフック本体10と、フック本体10を保持して天板31などの部材に取り付けるためのベゼル20とから構成されている。フック本体10は、例えば金属製である位置決め軸23に回転可能に保持されることによって、ベゼル20に取り付けられている。フック本体10は、例えば厚板状の部材を所定の輪郭を有するように加工した形状を有し、例えば、高い強度を有する樹脂による射出成型などによって製造される。ここで示す例では、
図1(b)において紙面に垂直な方向に沿ってフック本体10は一様な厚さを有するので、
図1(b)において紙面に垂直な方向をフック本体10の厚さ方向と呼ぶ。フック本体10は、位置決め軸23を受け入れることができる貫通孔11を備えており、貫通孔11に位置決め軸23を通したときに位置決め軸23の周りで回転可能である。そしてフック本体10は、貫通孔11の位置から図示X方向に沿って延びている。そして位置決め軸23に垂直な面内、すなわちフック本体10の厚さ方向に垂直な面内で考えて、図示X方向に向かって一方の側に鉤状に形成された湾曲部13を有して物品を吊り下げ可能なフック部12を備え、図示X方向に向かって他方の側に係止部14を備えている。係止部14は、フック本体10の厚さ方向においてフック本体10の向かい合う一対の表面を貫通するようにフック本体10の外周から延びる溝15と、溝15の側壁においてフック本体10の外周に近接して設けられた突起部16とからなっている。
【0012】
ベゼル20は、台座21と1対の保持部22と当接部25とを高強度の樹脂の例えば射出成型によって一体的に設けたものである。台座21は略平板状の形状を有し、荷室30の天板31などの部材に対してボルトによりベゼル20を取り付けるときに用いられる取付穴26が設けられている。1対の保持部22は、その相互の間隔がフック本体10の厚さよりもわずかに長くなるように、台座21の図示下側の表面から下方に突出している。各保持部22には、位置決め軸23を通すことができる貫通孔24が形成されている。一方の保持部22の貫通孔24、フック本体部10の貫通孔11及び他方の保持部22の貫通孔24の順でこれらの貫通孔を挿通するように位置決め軸23を配置することによって、位置決め軸23の周りでフック本体10が回転可能なように、ベゼル20に対してフック本体10が取り付けられることになる。
【0013】
当接部25は、フック本体10が
図1(b)において矢印Yの方向に回転するときに過度に回転することを規制するために設けられている。フック本体10では、貫通孔11から見て図示X方向よりは係合部14側であってかつ貫通孔11に近い位置の外周の一部が、回り止め部17としてほぼ直線状に形成されている。フック本体10が位置決め軸23の回りに図示Y方向に回転すると、フック本体10の回り止め部17がベゼル20の当接部25に当接し、それ以上、フック本体10がY方向に回転することが阻止される。図示Y方向の回転とは、車両用フック1が荷室30の天板31に取り付けられているとして、フック部12よりも係合部14が前方側となって天板31に近づこうとする方向での回転のことをいう。
【0014】
車両用フック1では、フック本体10が矢印Yとは逆方向に回転してフック部12が荷室30の天板31に近接する状態を収納状態と呼ぶ。収納状態であれば、フック本体10が折り畳まれ、フック本体10が荷室30において下向きに突出する量を最小とできるので、荷室30への物品の出し入れに際して車両用フック1が干渉することを最小限とすることができる。そこで本実施形態の車両用フック1では、矢印Yで示される回転方向とは逆方向にフック本体10を付勢するばね27を設けることが好ましい。ばね27は、その両端がフック本体10とベゼル20の保持部22とにそれぞれ係合するように取り付けられる。ばね27を設けることによってフック本体10がその収納状態に付勢されるので、車両用フック1を荷室30に設けたとしても荷室30への物品の出し入れに支障をきたすことがなくなる。
【0015】
以上説明した本実施形態の車両用フック1は、例えば、車両においてトランクルームあるいはバゲッジルームにおいて、位置決め軸23がその車両の左右方向と平行になり、かつフック部12が係止部14よりも車両の後方側に位置するように、荷室30の例えば天板31に取り付けられる。通常は、車両の左右方向に沿って、2個あるいはそれ以上の車両用フック1が荷室21に配置される。
【0016】
次に、本実施形態の車両用フック1の使用形態について説明する。この車両用フック1は、従来のコンビニフックと同様に手提げ袋などの物品の吊り下げに使用できるほか、荷室30内を仕切る仕切り部材の固定や、荷室30内での物品の移動を防止するネットなどの部材の固定にも使用できる。
図2は、車両用フック1の使用形態の例を示す図であり、車両の前後方向に沿った断面として車両の荷室30を示している。説明のため、荷室30の開閉部分(トランクリッド)は
図2には示していない。ここで示す例では、荷室30の間仕切りのために、変形しにくい部材からなる取り外し可能なファブリック43を用いることができるものとし、また、物品の固定などのために、ゴムなどの伸縮性材料からなるネット44を用いることができるものとする。荷室30の奥側の位置において天板31には、ファブリック43あるいはネット44の一端を取り付けるためのブラケット41が設けられている。ブラケット41は、車両の左右方向に沿って2つ設けられている。ブラケット41は、ファブリック43の一端に形成される回転軸42を取り外し可能に受け入れることができる。
【0017】
荷室30においてファブリック43は、間仕切りモードと跳ね上げモードとの2通りの形態で使用できる。間仕切りモードでは、
図2においてAで示すように、ファブリック43の一端に設けられる回転軸42をブラケット41に係合させた状態で、ファブリック43の他端を荷室30の床面に固定する。この状態では、荷室30の奥に置いた物品をファブリック43によって目隠しすることができ、プライバシー性が向上する。一方、跳ね上げモードでは、
図2においてBで示すように、ファブリック43の一端に設けられる回転軸42をブラケット41に係合させた状態で、ファブリック43の他端側を車両用フック1のフック本体10の係止部14に係合させる。その結果、ファブリック43は荷室30内において跳ね上げられた状態でほぼ水平となる。跳ね上げモードでは荷室30の床面積の全体を使用できるので、大型の物品も荷室30に収納することが可能になる。
【0018】
図3は、跳ね上げモードとするためにファブリック43の他端をフック本体10の係止部14に係止させる動作を説明する図である。ファブリック43の他端には、フック本体10の係止部14と係合可能な係合部材51が設けられている。係合部材51は、例えば、先端がU字形状の部材であってU字としての1対の先端部にそれぞれ相互に向かい合う突起を有するよう部材である。あるいは、先端が2つに分岐して各分岐が折り返しており、折り返し部分の中央部において各分岐が膨らむように湾曲している部材である。フック本体10の係止部14は、ファブリック43に設けられたこのような係合部材51を、係合部材51の先端側から係止部14の溝15に沿って受け入れることができるように構成されている。
【0019】
図3(a)は、ばね27によって付勢されて収納状態にあるフック本体10を示している。一端側の回転軸42がブラケット41に保持されているファブリック43をその他端側で持ち上げると、ファブリック43の係合部材51が、回り止め部17と係止部14の間の位置でフック本体10の外周に当接する。その状態でフック本体10を車両の前方側に向けて回転させると、
図3(b)に示すように係合部材51は、フック本体10の外周に沿って係止部14に向かって滑り、
図3(c)に示すように、係合部材51の先端が係止部14の溝15の入口に到達する。さらにフック本体10を回転させると、
図3(d)に示すように係合部材51が溝15に入り込み、係止部14と係合部材51とが係合する。係止部14に形成されている突起部16と、係合部材51側の突起あるいは湾曲部とが係合することにより、フック本体10の係止部14に受け入れた係合部材51を係止部14から取り外すためには一定以上の力が必要となる。したがってファブリック43の他端が車両用フック1に固定されたことになる。またこのような係合方法では、フック本体10の回転に伴って、ファブリック43の他端に設けられている係合部材51が係止部14との係合位置に自然と導かれるので、係止部材51の位置を調整したりすることなく簡単にファブリック43を車両用フック1に固定することができる。なお、跳ね上げモードでファブリック43を使用する場合、ファブリック43と荷室30の天井との間には若干の空間が生じるので、この空間を利用してファブリック43の上に衣類などを載せることも可能である。
【0020】
荷室30において使用されるネット44は、外形がほぼ長方形であって、長方形としての各頂点に固定用の固縛フック52(
図4(c)参照)を備えている。荷室30においてネット44を使用する場合は、例えば上方モードと固定モードの複数の使用形態がある。上方モードでは、
図2においてCで示すように、2つのブラケット41と2つの車両用フック1に対してそれぞれ固縛フック52を引掛けて、ネット44が荷室30の天板31のほぼ平行になるようにする。この場合は、ネット44上に小物類を載せることができ、通常はデッドスペースとなる荷室30の上側部分を有効利用することができる。これに対し固定モードでは、
図2においてDで示すように、2つの車両用フック1と荷室30の床面に設けられている2つの固定用リング(不図示)に対してそれぞれ固縛フック52を引掛け、荷室30内の物品がネット44で押さえられて移動しないようにする。いずれの場合もネット44の固縛フック52は、車両用フック1においてフック部12に引掛けられる。したがって、ファブリック43を跳ね上げモードで使用しつつ、ネット44を固定モードで使用することも可能である。
【0021】
図4は、本実施形態の車両用フック1の使用例を示す図であって、荷室30の開閉部材(トランクリッドなど)が開けられているとして車両後方から荷室30を見たとき状態を示している。ここでは、荷室30において、車両の左右方向に沿って荷室30の天板31に2個の車両用フック1が取り付けられているものとしている。
図4(a)は、2つの車両用フック1の間に、車両用フック1のフック部12を使用してロープ62を架け渡した状態を示している。ロープ62には、手提げ部を持たない物品、例えばタオル63を掛けることができる。また図示左側の車両用フック1は、それ単独でコンビニフックとしても用いられており、そのフック部12にトートバック61が吊り下げられている。
図4(b)は、跳ね上げモードでファブリック43を使用した状態を示している。ファブリック43上には衣類64が置かれている。またここでも図示左側の車両用フック1にはトートバック61が吊り下げられている。
図4(c)は、ネット44を固定モードで使用した状態を示している。ネット44の固縛フック61が車両用フック1のフック部12に引掛けられていることが分かる。
【0022】
以上説明した本実施形態の車両用フック1は、多目的に使用できるという利点を有する。具体的にはこの車両用フック1は、(1)一般的なコンビニフックとして使用できる、(2)ファブリック43を跳ね上げモードで使用したりネット44を上方モードで使用したりすることを可能にして荷室30内に大型の物品を収納することを可能にするとともに従来はデッドスペースとなっていた荷室30内の上方の空間を有効利用することを可能にする、(3)ファブリック43を使用するときには係合部材51をスムーズに係止部12に係合させることを可能にして跳ね上げモードでのファブリック43の使用を容易にする、(4)複数の車両用フック1にロープ62を架け渡すことにより、ロープ62に掛けた状態でタオルのような物品を保持できる、などの特徴を有する。これは、荷室30内での固定の起点となるすべてのタイプの構造が荷室用フック1に含まれているためである。荷室30内でファブリック43を用いるかネット44を用いるかによらずに同一の車室用フック1を使用することが可能である。また、上述した使い方のうちの複数を組み合わせて同時に実行することも可能である。
【符号の説明】
【0023】
10 フック本体
11,24 貫通孔
12 フック部
14 係止部
15 溝
16 突起部
17 回り止め部
20 ベゼル
22 保持部
23 位置決め軸
25 当接部
27 ばね
30 荷室