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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001635
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】ドアハンドル
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
E05B1/00 311N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102473
(22)【出願日】2021-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000147442
【氏名又は名称】株式会社WEST inx
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】西 康雄
(72)【発明者】
【氏名】大鞭 康史
(57)【要約】
【課題】本発明は、使用者の指に付着したウイルス又は菌がハンドル本体部に付着し、ウイルス又は菌が繁殖することを抑制し、従来に比べて衛生的に優れたドアハンドルを提供する。
【解決手段】ドア本体に固定され、ドア本体の内部に設けられた錠前を操作するドアハンドルであり、ハンドル本体部と、取付部材と、取付用衛生シートを有し、取付用衛生シートは、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有しており、取付部材は、取付用衛生シートを保持する保持部と、ハンドル本体部に対して固定される固定部を有し、取付用衛生シートは、保持部の外周面を覆い、周方向の端部が保持部とハンドル本体部の間に位置しており、取付用衛生シートの一部は、ハンドル本体部とは反対側で露出している構成とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア本体に固定され、前記ドア本体の内部に設けられた錠前を操作するドアハンドルであって、
ハンドル本体部と、取付部材と、取付用衛生シートを有し、
前記取付用衛生シートは、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有しており、
前記取付部材は、前記取付用衛生シートを保持する保持部と、前記ハンドル本体部に対して固定される固定部を有し、
前記取付用衛生シートは、前記保持部の外周面を覆い、周方向の端部が前記保持部と前記ハンドル本体部の間に位置しており、
前記取付用衛生シートの一部は、前記ハンドル本体部とは反対側で露出していることを特徴とするドアハンドル。
【請求項2】
前記取付用衛生シートは、前記周方向の端部が前記保持部と前記ハンドル本体部によって挟持されていることを特徴とする請求項1に記載のドアハンドル。
【請求項3】
前記取付部材は、前記ハンドル本体部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアハンドル。
【請求項4】
前記固定部は、一時締結要素によって固定されており、
前記ハンドル本体部は、前記一時締結要素と締結する被締結部を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のドアハンドル。
【請求項5】
本体用衛生シートを有し、
前記本体用衛生シートは、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有するものであって、かつ前記ハンドル本体部の外周面の一部を覆っており、
前記保持部は、前記ハンドル本体部とともに前記本体用衛生シートの一部を挟持することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のドアハンドル。
【請求項6】
抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有する操作用衛生シートを備えており、
前記ハンドル本体部は、本体部材と、操作部材を有し、
前記操作部材は、前記錠前を操作するものであって、かつ前記本体部材を着脱可能に固定可能な取付部を有し、
前記操作用衛生シートは、前記取付部の外周面の少なくとも一部を覆い、前記取付部と前記本体部材によって挟持されており、
前記操作用衛生シートの一部は、前記本体部材とは反対側で露出していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のドアハンドル。
【請求項7】
ドア本体に固定され、前記ドア本体の内部に設けられた錠前を操作するドアハンドルであって、
ハンドル本体部と、取付部材と、本体用衛生シートを有し、
前記本体用衛生シートは、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有するものであって、かつ前記ハンドル本体部の外周面の少なくとも一部を覆っており、
前記取付部材は、前記ハンドル本体部とともに前記本体用衛生シートの一部を挟持する保持部と、前記ハンドル本体部に対して固定される固定部を備えることを特徴とするドアハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアに固定された錠前を操作するドアハンドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からハンドル本体部を押し引きすることでラッチ錠のラッチを操作してドアを開閉するプッシュプル式のドアハンドルが知られている(例えば、特許文献1)。
例えば、特許文献1のドアハンドルは、ハンドル本体を持って押す操作をするか、ハンドル本体を持って引く操作をすることで、ラッチ錠内にラッチボルトを没入させて開錠することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-154089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プッシュプル式のドアハンドルは、通常、上記したように、使用者がハンドル本体を持って開閉操作する。そのため、ウイルスや菌(以下、ウイルス等ともいう)が付着した指でハンドル本体を持つと、指に付着したウイルス等がハンドル本体の表面に付着する場合がある。そして、別の使用者が表面にウイルス等が付着したハンドル本体部を持ったときに、ハンドル本体部に付着したウイルス等が別の使用者の指に付着してしまう問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、使用者の指に付着したウイルス又は菌がハンドル本体部に付着し、ウイルス又は菌が繁殖することを抑制し、従来に比べて衛生的に優れたドアハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解消するための請求項1に記載の発明は、ドア本体に固定され、前記ドア本体の内部に設けられた錠前を操作するドアハンドルであって、ハンドル本体部と、取付部材と、取付用衛生シートを有し、前記取付用衛生シートは、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有しており、前記取付部材は、前記取付用衛生シートを保持する保持部と、前記ハンドル本体部に対して固定される固定部を有し、前記取付用衛生シートは、前記保持部の外周面を覆い、周方向の端部が前記保持部と前記ハンドル本体部の間に位置しており、前記取付用衛生シートの一部は、前記ハンドル本体部とは反対側で露出していることを特徴とするドアハンドルである。
【0007】
ここでいう「抗ウイルス機能」とは、特定のウイルスの数を減少させる機能をいう。
「除ウイルス機能」とは、特定のウイルスを取り除く機能をいい、特定のウイルスを殺す殺ウイルス機能も含む。
「抗菌機能」とは、特定の菌の数を減少させる機能をいう。
「除菌機能」とは、特定の菌を取り除く機能をいい、特定の菌を殺す殺菌機能も含む。
【0008】
本発明の構成によれば、取付用衛生シートが保持部の外周面を覆っているので、仮に使用者の指先にウイルス等が付着していても、指先を取付用衛生シートの外部に露出した部分に触れさせてハンドル本体部を持つことで、ウイルス等がハンドル本体部に付着することを防止でき、仮に取付用衛生シートにウイルス等が付着しても取付用衛生シート上でウイルス等が繁殖することを抑制できる。そのため、従来に比べて衛生的に優れている。
本発明の構成によれば、取付用衛生シートの周方向の端部が保持部とハンドル本体部の間に位置しているため、使用者が指先で触っても取付用衛生シートの捲れ等により剥がれにくい。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記取付用衛生シートは、前記周方向の端部が前記保持部と前記ハンドル本体部によって挟持されていることを特徴とする請求項1に記載のドアハンドルである。
【0010】
本発明の構成によれば、取付用衛生シートの周方向の端部が挟持されて固定されているため、取付用衛生シートが取付部材から剥がれにくい。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記取付部材は、前記ハンドル本体部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアハンドルである。
【0012】
本発明の構成によれば、適切なタイミングで取付部材をハンドル本体部から取り外し、使用済みの取付用衛生シートの新品への交換、又は取付部材及び取付用衛生シートの新品への交換を行うことで、より衛生的に保つことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記固定部は、一時締結要素によって固定されており、前記ハンドル本体部は、前記一時締結要素と締結する被締結部を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のドアハンドルである。
【0014】
ここでいう「一時締結要素」とは、締結要素の中で締結及びその解除が可能であるものをいう。また、「締結要素」とは、ねじ、釘、鋲、ボルトナットの組み合わせ等の上位概念である。以下、同様とする。
【0015】
本発明の構成によれば、ハンドル本体部に被締結部が設けられ、ハンドル本体部に対して一時締結要素によって取付部材の固定部が固定されるため、取付用衛生シートの新品への交換、又は取付部材及び取付用衛生シートの新品への交換が容易である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、本体用衛生シートを有し、前記本体用衛生シートは、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有するものであって、かつ前記ハンドル本体部の外周面の一部を覆っており、前記保持部は、前記ハンドル本体部とともに前記本体用衛生シートの一部を挟持することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のドアハンドルである。
【0017】
本発明の構成によれば、使用者が本体用衛生シートが覆われた部分及び/又は取付用衛生シートが外部に露出した部分を持つことで、使用者の手に付着したウイルス等がハンドル本体部に付着することを防止でき、従来に比べてより衛生的で優れている。
本発明の構成によれば、ハンドル本体部とは別体の取付部材を設けており、本体用衛生シートが取付部材の保持部とハンドル本体部に挟まれた状態に固定されている。そのため、本体用衛生シートをしっかりとハンドル本体部に対して固定でき、本体用衛生シートを安定して保持できる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有する操作用衛生シートを備えており、前記ハンドル本体部は、本体部材と、操作部材を有し、前記操作部材は、前記錠前を操作するものであって、かつ前記本体部材を着脱可能に固定可能な取付部を有し、前記操作用衛生シートは、前記取付部の外周面の少なくとも一部を覆い、前記取付部と前記本体部材によって挟持されており、前記操作用衛生シートの一部は、前記本体部材とは反対側で露出していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のドアハンドルである。
【0019】
本発明の構成によれば、取付部の外周面を操作用衛生シートが覆っているため、より衛生シートを持つことがより容易となり、衛生的で優れている。
【0020】
請求項7に記載の発明は、ドア本体に固定され、前記ドア本体の内部に設けられた錠前を操作するドアハンドルであって、ハンドル本体部と、取付部材と、本体用衛生シートを有し、前記本体用衛生シートは、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有するものであって、かつ前記ハンドル本体部の外周面の少なくとも一部を覆っており、前記取付部材は、前記ハンドル本体部とともに前記本体用衛生シートの一部を挟持する保持部と、前記ハンドル本体部に対して固定される固定部を備えることを特徴とするドアハンドルである。
【0021】
本発明の構成によれば、ハンドル本体部の本体用衛生シートで覆われた部分を使用者が持つことで、使用者の指に付着したウイルス等がハンドル本体部に付着し、ウイルス又は菌が繁殖することを抑制し、従来に比べて衛生的に優れている。
本様相によれば、ハンドル本体部とは別体の取付部材を設けており、本体用衛生シートが取付部材の保持部とハンドル本体部に挟まれた状態に固定されている。そのため、本体用衛生シートをしっかりとハンドル本体部に対して固定でき、本体用衛生シートを安定して保持できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のドアハンドルによれば、使用者の指先に付着したウイルス又は菌がハンドル本体部に付着し、ウイルス又は菌が繁殖することを抑制し、従来に比べて衛生的に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態におけるドア構造の分解斜視図である。
図2図1のハンドルユニットの分解斜視図である。
図3図2のハンドルユニットを図2とは別の方向からみた分解斜視図である。
図4図1のハンドルユニットのA-A断面図である。
図5図1のハンドルユニットの説明図であり(a)はB-B断面図であり、(b)はC-C断面図である。
図6図1のハンドルユニットの要部の一部破断斜視図であり、キャップ部材を外した状態を示している。
図7】本発明の第2実施形態のドアハンドルの斜視図である。
図8図7のハンドルユニットの分解斜視図である。
図9図7のハンドルユニットを図7とは別の方向からみた分解斜視図である。
図10図7のハンドルユニットの一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下の位置関係は、通常の設置位置を基準に説明する。
【0025】
本発明の第1実施形態のドア構造1は、部屋の境界部分に設けられ、部屋の内外を区切るドアである。
ドア構造1は、図1のように、主要構成部材として、ドア本体2と、ドアハンドル3と、錠前5を備えている。
【0026】
(ドア本体2)
ドア本体2は、図1のように、図示しないドア枠に対して縦姿勢で固定される板状体であり、一方方向にのみ回動可能となっている。
ドア本体2は、ドアハンドル3の一部を収納可能なハンドル側収納穴10と、錠前5を収納可能な錠前側収納穴11を備えている。
ハンドル側収納穴10は、ドア本体2の一方の主面から他方の主面まで厚み方向に貫通した貫通孔であり、幅をもって上下方向に延びている。
錠前側収納穴11は、ドア本体2の小端面からハンドル側収納穴10に向かって深さをもった孔であり、厚み方向に幅をもち上下方向に延びている。
【0027】
(ドアハンドル3)
ドアハンドル3は、プッシュプルハンドルであり、図1のように、主に、一対のハンドルユニット20(20a,20b)で構成されている。
ハンドルユニット20は、図2図3のように、ハンドル本体部40と、取付部材41a,41bと、キャップ部材42a,42bと、衛生シート43~46と、第1締結部材47a,47bと、第2締結部材48a~48dによって構成されており、衛生シート43~46が着脱可能となっている。
【0028】
ハンドル本体部40は、図2のように、本体部材50と、操作部材51によって構成されている。
本体部材50は、主に使用者が把手する持手部であり、上下方向に延びた筒状の部位である。
本体部材50は、図3のように、開口部55a,55bと、第1締結穴56a,56bと、第2締結穴57a~57d(被締結部)を備えている。
開口部55a,55bは、本体部材50の延び方向の両端部に設けられた開口部である。
第1締結穴56a,56bは、第1締結部材47a,47bの軸部と係合可能な軸穴であり、本体部材50の外周面から中心側に向かって深さを持つ有底穴又は貫通孔である。
第2締結穴57a~57dは、第2締結部材48a~48dの軸部と係合可能な軸穴であり、本体部材50の外周面から中心側に向かって深さを持つ有底穴又は貫通孔である。
【0029】
操作部材51は、図3のように、土台部60と、取付部61と、脚部62a,62bと、錠前操作部63a,63bを備えている。
【0030】
土台部60は、ドア本体2に対して取り付けられる部位であり、内部に脚部62a,62bと錠前操作部63a,63bを連動させる連動機構が内蔵されている。
取付部61は、第1締結部材47a,47bによって本体部材50を取り付け可能な部位である。
取付部61は、脚部62a,62bをつなぐように上下方向に延びた板状部位であり、厚み方向に貫通した貫通孔64a,64bを備えている。
貫通孔64a,64bは、第1締結部材47a,47bの軸部を挿通可能な挿通孔である。
【0031】
脚部62a,62bは、図3のように、土台部60に対して段差を持って取付部61を支持する支持部である。
錠前操作部63a,63bは、錠前5の一部を押圧し、錠前5を操作する部位であり、土台部60から厚み方向に突出した突出片である。
錠前操作部63a,63bは、土台部60の内部の連動機構によって、脚部62a,62bに連動して土台部60に対して相対的に移動し、錠前5を押圧操作可能となっている。
【0032】
取付部材41a,41bは、図3のように、保持部65と、固定部66a,66bを有している。
保持部65は、ハンドル本体部40とともに本体用衛生シート43の一部及び取付用衛生シート44,45の一部を挟持して保持する部位である。
固定部66a,66bは、ハンドル本体部40に対して第2締結部材48a,48b(48c,48d)を介して固定される部位である。
固定部66a,66bは、厚み方向に貫通した貫通孔67a,67bを備えている。
貫通孔67a,67bは、第2締結部材48a,48b(48c,48d)の軸部を挿通可能な挿通孔である。
【0033】
固定部66a,66bは、図2のように、外側(ドア本体2側)に凹部68が形成されている。
凹部68は、後述するキャップ部材42a,42bの張出部71を避けるように設けられ、張出部71を収納可能な窪みである。
取付部材41a,41bは、保持部65と固定部66a,66bとの間で段差が形成されており、保持部65が固定部66a,66bに比べて薄くなっている。
【0034】
キャップ部材42a,42bは、図3のように、キャップ本体70と、張出部71を備えている。
キャップ本体70は、本体部材50の開口部55a,55bを閉塞する部位であり、複数の係合片72を備えている。
係合片72は、キャップ本体70から立ち上がった小片であり、本体部材50の内部に開口部55a,55bから挿入し、本体部材50の内壁と係合可能な部位である。
張出部71は、キャップ本体70の周縁部から立ち上がった張出片であり、貫通孔73を備えている。
貫通孔73は、張出部71を厚み方向に貫通し、第2締結部材48a(48d)の軸部を挿通可能な挿通孔である。
【0035】
衛生シート43~46は、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有するシートである。本実施形態の衛生シート43~46は、抗ウイルス機能を有した抗ウイルスシートである。すなわち、衛生シート43~46は、表面に付着した特定のウイルスの数を減少させることが可能となっている。
本体用衛生シート43は、図2図3のように、ハンドル本体部40の本体部材50の外周面を覆い、本体部材50への使用者の直接の接触を防ぐものである。
取付用衛生シート44,45は、取付部材41a,41bの保持部65,65の外周面を覆い、保持部65,65への使用者の直接の接触を防ぐものである。
操作用衛生シート46は、操作部材51の取付部61の外周面を覆い、取付部61への使用者の直接の接触を防ぐものである。
【0036】
第1締結部材47a,47bは、本体部材50の第1締結穴56a,56bと締結し、操作部材51を本体部材50に対して固定する締結要素である。
第1締結部材47a,47bは、第1締結穴56a,56bとの締結及びその解除が可能である一時締結要素であり、具体的には、頭部と軸部を有するねじである。
【0037】
第2締結部材48a~48dは、本体部材50の第2締結穴57a~57dと締結し、取付部材41a,41bを本体部材50に対して固定する締結要素である。
第2締結部材48a~48dは、第2締結穴57a~57dとの締結及びその解除が可能である一時締結要素であり、具体的には、頭部と軸部を有するねじである。
【0038】
(錠前5)
錠前5は、図1のように、ラッチ錠であり、錠ケース90からラッチボルト91が前後方向に出没するものである。すなわち、錠前5は、前方側に移動し錠ケース90から突出した突出状態と、後方側に移動し錠ケース90内に退避した退避状態との間で変更が可能となっている。
錠前5は、錠ケース90の内部に錠前操作部63a,63bと係合し、錠前操作部63a,63bから受ける力をラッチボルト91の前後方向への動力に変換する変換機構が設けられている。すなわち、錠前5は、錠前操作部63a,63bの移動によって突出状態と退避状態との間で変更される。
【0039】
続いて、本実施形態のドア構造1の各部材の位置関係について説明する。
【0040】
ドア構造1は、図1から読み取れるように、錠前5がドア本体2の錠前側収納穴11に挿入されて収納されており、ドアハンドル3の錠前操作部63a,63bがハンドル側収納穴10から挿入されて錠前5の変換機構と係合している。
【0041】
本体用衛生シート43は、ハンドル本体部40の本体部材50の外周面の大部分を覆っている。
ここでいう「大部分」とは、全体の50パーセント超過の部分をいう。
本体用衛生シート43は、本体部材50の外周面の80パーセント以上を覆っていることが好ましく、90パーセント以上を覆っていることがより好ましい。
本実施形態の本体用衛生シート43は、図1のように、本体部材50の外周面全体を覆っている。
本体用衛生シート43は、本体部材50の周方向において、端部が厚み方向に重なっている。
本体用衛生シート43の重なり部分は、図4図5(b)のように、本体部材50の周方向において、本体部材50の延び方向の端部側が取付部材41a,41bの外側面(本体部材50側の面)と本体部材50の内側面(ドア本体2側の面)の間に位置し、取付部材41a,41bの外側面と本体部材50の内側面によって挟持されている。
本体用衛生シート43の重なり部分は、図4図5(a)のように本体部材50の延び方向の中間部が操作部材51の取付部61によって挟持されている。
ここでいう「中間部」とは、所定の方向において両端部以外の部分であって、両端部の間の部分をいう。以下、同様とする。
本体用衛生シート43は、図4図6のように、本体部材50の延び方向において、端部が開口部55a,55b内に巻き込まれており、端部近傍が本体部材50の端面とキャップ部材42a,42bによって挟持されている。
本体用衛生シート43は、大部分が外部に露出しており、使用者が接触可能となっている。
【0042】
取付用衛生シート44,45は、図4図5(b)のように、取付部材41a,41bの保持部65の内側面(本体部材50とは反対側の面)の大部分を覆っており、端部が外側面(本体部材50側の面)側に折り返されている。
取付用衛生シート44,45は、保持部65の外周面の80パーセント以上を覆っていることが好ましく、保持部65の外周面の90パーセント以上を覆っていることがより好ましい。
本実施形態の取付用衛生シート44,45は、取付部材41a,41bの保持部65の外周面全体を覆っている。
取付用衛生シート44,45は、図5(b)のように、取付部材41a,41bの周方向において、端部がそれぞれ厚み方向に重なっており、その重なり部分が保持部65の外側面(本体部材50側の面)側にそれぞれ位置している。
取付用衛生シート44,45のそれぞれの重なり部分は、取付部材41a,41bの外側面と本体部材50の外周面の間に位置し、取付部材41a,41bの外側面と本体部材50の外周面によって挟持されている。
取付用衛生シート44,45は、大部分が外部に露出しており、使用者が接触可能となっている。
【0043】
操作用衛生シート46は、図5(a)のように、操作部材51の取付部61の内側面(ドア本体2側の面)の大部分を覆っており、端部が外側面(本体部材50側の面)側に折り返されている。
操作用衛生シート46は、取付部61の外周面の80パーセント以上を覆っていることが好ましく、取付部61の外周面の90パーセント以上を覆っていることがより好ましい。
本実施形態の操作用衛生シート46は、取付部61の延び方向において脚部62a,62bの間の範囲全体を覆っている。
操作用衛生シート46は、取付部61の周方向において、端部が厚み方向に重なっており、その重なり部分が取付部61の外側面側(本体部材50側)に位置している。
操作用衛生シート46の重なり部分は、取付部61の外側面と本体部材50の外周面の間に位置しており、取付部61の外側面と本体部材50の外周面によって挟持されている。
操作用衛生シート46は、大部分が外部に露出しており、使用者が接触可能となっている。
【0044】
本体部材50は、上記したように、開口部55a,55bを塞ぐようにキャップ部材42a,42bが取り付けられている。
キャップ部材42a,42bの張出部71,71は、取付部材41a,41bの凹部68に挿入されている。
第1締結部材47a,47bは、本体部材50を操作部材51の取付部61に対して固定している。
具体的には、第1締結部材47a,47bは、図4のように、軸部が内側から取付部61の貫通孔64a,64bを通過し、さらに操作用衛生シート46を通過して本体部材50の第1締結穴56a,56bと締結している。
第2締結部材48a~48dは、取付部材41a,41bを本体部材50に対して固定している。
具体的には、第2締結部材48a~48dは、図4のように、軸部が内側から固定部66a,66bの貫通孔67a,67b,67a,67bを通過し、さらに本体用衛生シート43を通過して本体部材50の第2締結穴57a~57dと締結している。
【0045】
本実施形態のドアハンドル3によれば、取付用衛生シート44,45が保持部65の外周面を覆っているため、ハンドル本体部40の取付部材41a,41bが取り付けられ、取付用衛生シート44,45が外部に露出した部分を使用者が持つことで、使用者の指先からウイルス等がハンドル本体部40に付着することを抑制でき、従来に比べて衛生的に優れている。
【0046】
本実施形態のドアハンドル3によれば、取付用衛生シート44,45の周方向の端部が保持部65とハンドル本体部40の本体部材50の間に位置しているため、使用者が触っても取付用衛生シート44,45の捲れ等により剥がれにくい。
【0047】
本実施形態のドアハンドル3によれば、本体部材50の周囲を本体用衛生シート43が覆っているため、本体用衛生シート43の外部への露出部分を持つことによって、本体部材50にウイルス等を付着させることなく、ハンドル操作が可能となる。そのため、従来に比べて衛生的に優れている。
本実施形態のドアハンドル3によれば、本体部材50とは別体の取付部材41a,41bによって本体用衛生シート43が取付部材41a,41bの保持部65と本体部材50に挟まれた状態に固定されている。そのため、本体用衛生シート43を安定して保持できる。
【0048】
本実施形態のドアハンドル3によれば、取付部材41a,41bが本体部材50に対して着脱可能に固定されているため、例えば、取付部材41a,41bを本体部材50から取り外すことで本体用衛生シート43を交換可能になる。そのため、適切なタイミングで本体用衛生シート43を交換することでより衛生的に保つことができる。
【0049】
本実施形態のドアハンドル3によれば、第1締結部材47a,47bの軸部が本体用衛生シート43を挿通して第1締結穴56a,56bと係合しているため、第1締結部材47a,47bの軸部によって本体用衛生シート43がずれにくく、本体用衛生シート43をより安定して固定できる。
【0050】
本実施形態のドアハンドル3によれば、操作部材51の取付部61の周囲に操作用衛生シート46が覆っており、操作用衛生シート46で取付部61が保護されている。そのため、操作部材51の取付部61へのウイルス等の付着を防止できる。
【0051】
本実施形態のドアハンドル3によれば、上記のように使用者が操作するにあたって通常手が接触し得る場所に衛生シート43~46が設けられており、それぞれの衛生シート43~46が非破壊で交換可能となっているため、より衛生的に使用できる。
【0052】
続いて、本発明の第2実施形態のドア構造100について説明する。なお、第1実施形態のドア構造1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
本発明の第2実施形態のドア構造100は、第1実施形態のドア構造1と同様、部屋の境界部分に設けられ、部屋の内外を区切るドアである。
【0054】
ドア構造100は、図7のように、主要構成部材として、ドア本体2と、ドアハンドル103と、錠前5を備えている。
【0055】
(ドアハンドル103)
ドアハンドル103は、図7のように、一対のハンドルユニット120(120a,120b)で構成されている。
ハンドルユニット120は、図8のように、主要構成部材として、ハンドル本体部140と、取付部材141と、取付用衛生シート142と、締結部材143a,143bによって構成されている。
【0056】
ハンドル本体部140は、本体部材150と、操作部材151によって構成されている。
本体部材150は、図9のように、接続部160と、持手部161と、脚部162a,162bによって構成されている。
接続部160は、操作部材151に接続される部位である。
持手部161は、主に使用者が把手する持手部であり、幅を持って上下方向に延びた板状部位である。
持手部161は、内側面に締結穴165a,165bを備えている。
締結穴165a,165bは、締結部材143a,143bの軸部と係合可能な軸穴であり、本体部材150の外周面から中心側に向かって深さを持つ有底穴又は貫通孔である。
脚部162a,162bは、接続部160に対して段差を持って持手部161を支持する支持部である。
【0057】
操作部材151は、錠前5を操作する部材であり、土台部170と、錠前操作部171a,171bを備えている。
土台部170は、ドア本体2に対して取り付けられる部位であり、内部に持手部161の動作と錠前操作部171a,171bを連動させる連動機構が内蔵されている。
錠前操作部171a,171bは、錠前5の一部を押圧し、錠前5を操作する部位であり、土台部170から厚み方向に突出した突出片である。
錠前操作部171a,171bは、土台部170の内部の連動機構によって、本体部材150に連動して土台部170に対して相対的に移動し、錠前5を押圧操作可能となっている。
【0058】
取付部材141は、保持部65と、固定部66a,66bを有している。
取付用衛生シート142は、本体部材150の外周面を覆い、本体部材150への使用者の直接の接触を防ぐものである。
取付用衛生シート142は、第1実施形態の取付用衛生シート44,45と同様、抗ウイルス機能、除ウイルス機能、抗菌機能、及び除菌機能の少なくとも一つの機能を有するシートである。
【0059】
締結部材143a,143bは、本体部材150の締結穴165a,165bと締結し、取付部材141を持手部161に対して固定する締結要素である。
締結部材143a,143bは、締結穴165a,165bとの締結及びその解除が可能である一時締結要素であり、具体的には、頭部と軸部を有するねじである。
【0060】
続いて、本実施形態のドア構造100の各部材の位置関係について説明する。
【0061】
ドアハンドル103は、錠前操作部171a,171bがハンドル側収納穴10から挿入されて錠前5の変換機構と係合している。
取付部材141は、保持部65が持手部161の延び方向の大部分に亘って設けられており、保持部65が持手部161の延び方向の80パーセント以上の範囲に設けられていることが好ましく、90パーセント以上の範囲に設けられていることがより好ましい。
【0062】
取付用衛生シート142は、本体部材150の外周面の大部分を覆っている。
取付用衛生シート142は、本体部材150の外周面の80パーセント以上を覆っていることが好ましく、90パーセント以上を覆っていることがより好ましい。
取付用衛生シート142は、図10のように、本体部材150の周方向において、端部が厚み方向に重なっている。
取付用衛生シート142の重なり部分は、本体部材150の延び方向の端部において、取付部材141の外側面(本体部材150側の面)と本体部材150の持手部161の外周面によって挟持されている。
【0063】
第2実施形態のドアハンドル103によれば、本体部材150の内側において延び方向の大部分が取付用衛生シート142で覆われている。すなわち、通常使用時に指が接触する部位に取付用衛生シート142が設けられているため、従来に比べて衛生的となる。
【0064】
第2実施形態のドアハンドル103によれば、通常使用時に使用者の指が接触する部位にのみ取付用衛生シート142で保護しているため、低コストで製造できる。
【0065】
第2実施形態のドアハンドル103によれば、持手部161の延び方向の大部分に亘って保持部65が設けられているため、取付用衛生シート142を挟持する範囲が広く、取付用衛生シート142が捲れにくい。
【0066】
上記した第1実施形態では、2つの取付部材41a,41bで1枚の本体用衛生シート43を取り付けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第2実施形態のように1つの取付部材によって本体用衛生シート43を取り付けてもよいし、3つ以上の取付部材によって本体用衛生シート43を取り付けてもよい。
【0067】
上記した第1実施形態では、本体部材50と本体用衛生シート43は、非破壊で分離可能であったが、本発明はこれに限定されるものではない。本体部材50と本体用衛生シート43は、接着剤等の接着手段によって接着され、不可分一体であってもよい。
【0068】
上記した第1実施形態では、操作部材51の取付部61と操作用衛生シート46は、非破壊で分離可能であったが、本発明はこれに限定されるものではない。操作部材51の取付部61と操作用衛生シート46は、接着剤等の接着手段によって接着され、不可分一体であってもよい。
【0069】
上記した実施形態では、取付部材41a,41b,141と取付用衛生シート44,45,142は、非破壊で分離可能であったが、本発明はこれに限定されるものではない。取付部材41a,41b,141と取付用衛生シート44,45,142は、接着剤等の接着手段によって接着され、不可分一体であってもよい。
【0070】
上記した実施形態では、第1締結部材47a,47bの軸部を本体用衛生シート43に刺し通して本体用衛生シート43に挿通し、第1締結穴56a,56bと係合していたが、本発明はこれに限定されるものではない。あらかじめ本体用衛生シート43に貫通孔を設け、第1締結部材47a,47bの軸部を貫通孔に挿通して第1締結穴56a,56bと係合してもよい。
【0071】
上記した実施形態では、取付部材41a,41b,141は、本体部材50,150に対して第2締結部材48a~48d,143a,143bによって取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。取付部材41a,41b,141と本体部材50,150は互いに係合することによって直接固定されてもよい。例えば、取付部材41a,41b,141と本体部材50,150のうち一方の部材に凸部を設け、他方の部材に凹部を設ける。そして、一方の部材の凸部と他方の部材の凹部を嵌合させることで取付部材41a,41b,141を本体部材50,150に固定してもよい。
【0072】
上記した実施形態では、取付部材41a,41b,141を本体部材50,150から取り外して使用済みの取付用衛生シート44,45,142のみを新品に交換する場合について例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。取付部材41a,41b,141を本体部材50,150から取り外して取付部材41a,41b,141と取付用衛生シート44,45,142の双方を新品に交換してもよい。
【0073】
上記した実施形態では、衛生シート43~46は、抗ウイルス機能を有した抗ウイルスシートであったが、本発明はこれに限定されるものではない。衛生シート43~46は、抗ウイルス機能を有した抗ウイルスシートや、除ウイルス機能を有した殺ウイルスシート、除菌機能を有した除菌シート、抗菌機能を有した抗菌シートであってもよい。
【0074】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0075】
1,100 ドア構造
2 ドア本体
3,103 ドアハンドル
5 錠前
40,140 ハンドル本体部
41a,41b,141 取付部材
43 本体用衛生シート
44,45,142 取付用衛生シート
46 操作用衛生シート
48a~48d 第2締結部材(一時締結要素)
50 本体部材
51 操作部材
57a~57d 第2締結穴(被締結部)
61 取付部
65 保持部
66a,66b 固定部
143a,143b 締結部材
165a,165b 締結穴(被締結部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10