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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163503
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
B60P1/44 J
B60P1/44 E
B60P1/44 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074453
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】石井 一成
(57)【要約】
【課題】走行中のランプの点灯を回避する。
【解決手段】車両の荷台に対する荷物の積み降ろしを支援する荷受台昇降装置において、前記荷台の床面の高さと接地する高さとの間を昇降する荷受台と、前記荷受台の荷受面から突出する起立姿勢、及び前記荷受面の一部を構成する倒伏姿勢に姿勢変化可能に構成されたキャスタストッパと、前記荷受台が荷役姿勢であるか否かを検知するゲートセンサと、前記キャスタストッパが起立姿勢であるかを検知するストッパセンサと、前記キャスタストッパが起立姿勢であることを報知するランプと、前記ランプを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記ストッパセンサの出力を基に前記キャスタストッパが起立姿勢であると判定され、かつ前記ゲートセンサの出力を基に前記荷受台が荷役姿勢でないと判定される場合、前記ランプを消灯させるか報知信号を出力する荷受台昇降装置を提供する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台に対する荷物の積み降ろしを支援する荷受台昇降装置において、
前記荷台の床面の高さと接地する高さとの間を昇降する荷受台と、
前記荷受台の荷受面から突出する起立姿勢、及び前記荷受面の一部を構成する倒伏姿勢に姿勢変化可能に構成されたキャスタストッパと、
前記荷受台が荷役姿勢であるか否かを検知するゲートセンサと、
前記キャスタストッパが起立姿勢であるかを検知するストッパセンサと、
前記キャスタストッパが起立姿勢であることを報知するランプと、
前記ランプを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記ストッパセンサの出力を基に前記キャスタストッパが起立姿勢であると判定され、かつ前記ゲートセンサの出力を基に前記荷受台が荷役姿勢でないと判定される場合、前記ランプを消灯させるか報知信号を出力する
ことを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
請求項1の荷受台昇降装置において、
前記ランプは、キャスタストッパの収容部又はキャスタストッパに設けられていることを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項3】
請求項1の荷受台昇降装置において、
前記ランプは、起立姿勢のキャスタストッパを照明するように設けられていることを特徴とする荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷受台昇降装置の荷受台には、台車の乗降に配慮し、起立して荷受面から突出するキャスタストッパ(車止め)が備えられる場合がある。特許文献1には、キャスタストッパが起立した状態か倒伏した状態かをセンサで検知し、キャスタストッパが起立した状態のときにLEDランプが自動点灯する荷受台昇降装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5545649号公報、段落0032
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷受台昇降装置は、使用後は電源スイッチにより電源が切られるが、電源スイッチがオンのままであると、一般に使用後も通電状態が維持され得る。特許文献1の荷受台昇降装置では、荷受台昇降装置の使用を終える際にキャスタストッパを倒し忘れると、電源スイッチがオンのままだとその後の車両の走行中も荷受台昇降装置のランプが点灯し続ける場合がある。また、キャスタストッパの変形等により、キャスタストッパを倒してもキャスタストッパが倒伏姿勢であることがセンサで検知されない場合にも、同様のことが起こり得る。
【0005】
本発明の目的は、走行中のランプの点灯を回避することができる荷受台昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車両の荷台に対する荷物の積み降ろしを支援する荷受台昇降装置において、前記荷台の床面の高さと接地する高さとの間を昇降する荷受台と、前記荷受台の荷受面から突出する起立姿勢、及び前記荷受面の一部を構成する倒伏姿勢に姿勢変化可能に構成されたキャスタストッパと、前記荷受台が荷役姿勢であるか否かを検知するゲートセンサと、前記キャスタストッパが起立姿勢であるかを検知するストッパセンサと、前記キャスタストッパが起立姿勢であることを報知するランプと、前記ランプを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記ストッパセンサの出力を基に前記キャスタストッパが起立姿勢であると判定され、かつ前記ゲートセンサの出力を基に前記荷受台が荷役姿勢でないと判定される場合、前記ランプを消灯させるか報知信号を出力する荷受台昇降装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、走行中の荷受台昇降装置のランプの点灯を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置の車両への架装状態を表した斜視図
図2】本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置の側面図
図3図2中のA-A線による断面図
図4図2中のA-A線による断面図
図5】本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置に備わった制御装置のブロック図
図6】本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置に備わった制御装置によるランプの制御手順を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
-荷受台昇降装置-
図1は本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置の車両への架装状態を表した斜視図、図2は本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置の側面図、図3及び図4図2中のA-A線による断面図である。図3は後述するランプの一例、図4は他の例を表している。本願明細書で言う前後とは荷受台昇降装置の前後をいい、本実施形態では車両の前後に一致する。
【0011】
図1に示した荷受台昇降装置1は、車両の荷台101に対する荷物の積み降ろしを支援する装置である。この荷受台昇降装置1は、車両の車枠100の下部に取り付けた基部フレーム2、基部フレーム2に連結した左右のアーム3、これら左右のアーム3の先端に連結した荷受台4、及び荷受台4を昇降等させる油圧シリンダ5を備えている。
【0012】
基部フレーム2は、フレーム本体11、及びバンパ14を備えている。フレーム本体11は、アーム3、油圧シリンダ5及び荷受台4を支持すると共に、ブラケット16を介して車枠100の下部に連結される。バンパ14は、フレーム本体11の後部に支持されており、左右のバンパ14A及び中央のバンパ14Bを含んで構成されている。バンパ14A,14Bは左右に延びる直線に沿って横一列に並んでおり、左右のバンパ14Aと中央のバンパ14Bとの間には、上下に回動する左右のアーム3や油圧シリンダ5を通過させるための間隙が確保されている。
【0013】
アーム3は、複数のリンクを組み合わせて構成されていて、平行リンク機構及びチルトリンク機構を有しており、ピン6,7を介して基部フレーム2に連結されている。
【0014】
荷受台4は、格納時には図1に示したように車両の荷台101の後面に沿って起立した姿勢をとり、操作装置27(図5)を操作して油圧シリンダ5を収縮させると、荷台101の床面の高さで荷受面を上向きにした(水平な)荷役姿勢に展開する。更に油圧シリンダ5を収縮させると、荷受台4は、図2に示したように接地する高さまで荷役姿勢のまま下降する。荷受台4が接地した状態で更に油圧シリンダ5を収縮させると、荷受台4は後方に下り傾斜となる姿勢にチルトして荷受台4の先端が接地する。油圧シリンダ5を伸長させると以上と逆に動作する。このように荷受台4は、油圧シリンダ5により荷台101の床面の高さと接地する高さとの間を昇降し、また荷台101の床面の高さで格納姿勢に移行したり荷役姿勢に移行したりする。
【0015】
荷受台昇降装置1には、荷受台4が荷役姿勢であるか否かを検知するゲートセンサ20(図5)が備わっている。このゲートセンサ20は、例えば荷受台4が荷役姿勢のときにオンになる(逆でも良い)。ゲートセンサ20としては、例えば近接センサ等の非接触型のセンサを用いることができるが、リミットスイッチ等の接触式のセンサを用いることもできる。また、アーム3に対するゲートセンサ20の角度を検出する角度計、又は重力方向を基準に荷受台4の角度を検出するIMU等のセンサをゲートセンサ20として用いることもできる。
【0016】
なお、荷受台4の荷役姿勢は、荷受面が荷台101の床面と平行(又は床面との角度差が設定角度以下)の状態をいうが、実体的にはゲートセンサ20がオンになる荷受台4の角度範囲である。荷受台4が荷役姿勢の場合にゲートセンサ20がオフになる構成の場合、ゲートセンサ20がオフになる荷受台4の角度範囲が荷役姿勢となる。従って、荷役姿勢の角度範囲は、ゲートセンサ20がオン(又はオフ)になる荷受台4の角度の設定により調整される。特に、荷役作業時にアーム3に対する荷受台4の角度を調整できる機種の場合、荷役姿勢は必ずしも一定の角度ではないため、このような機種ではゲートセンサ20により検知される荷役姿勢の角度に幅を持たせることが望ましい。
【0017】
-キャスタストッパ-
荷受台4には、台車等の乗降に配慮して、車止めの役割を果たすキャスタストッパ30が設けられている。キャスタストッパ30は、荷受台4の後部に位置し左右方向に延在して設けられており、荷受台4に積載された台車の後側で起立させて使用される。
【0018】
キャスタストッパ30は、後部がピン31を介して荷受台4に連結され、前部が上下に回動して起立姿勢及び倒伏姿勢に姿勢変化可能に構成されている。具体的には、本実施形態では荷受台4の収容部4a(荷受台4に存在する複数の空洞部のうち最も後の空洞部)が左右の全長に亘って荷受面に開口しており、キャスタストッパ30は、左右のサイドモール28(図2)の間において収容部4aの上部開口を開閉する。この構成により、キャスタストッパ30は、倒伏姿勢(図4の二点鎖線)では荷受台4における収容部4aの上部開口を閉じて荷受台4の荷受面の一部を構成し、起立姿勢(図2図4)では荷受台4の荷受面から上方に突出して後部の車止めとして機能する。
【0019】
なお、キャスタストッパ30は、バネ等の付勢手段(不図示)で起立する方向に押し上げられるように構成されている。そのため、荷受台昇降装置1には、キャスタストッパ30を倒伏姿勢で拘束するロック装置(不図示)が設けられている。
【0020】
また、荷受台昇降装置1には、キャスタストッパ30の姿勢、つまり倒伏姿勢であるか起立姿勢であるかを検知するストッパセンサ40(図5)が備わっている。このストッパセンサ40は、例えばキャスタストッパ30が倒伏姿勢のときにオン、起立姿勢のときにオフになる(逆でも良い)。ストッパセンサ40としては、例えば近接センサ等の非接触型のセンサを用いることができるが、リミットスイッチ等の接触式センサを用いることもできる。
【0021】
-ランプ-
荷受台昇降装置1には、キャスタストッパ30が起立姿勢であることを報知するランプ45が備わっている。このランプ45には、代表的にはLEDを用いることができるが、通電すると発光する各種の発光装置で代替することもできる。ランプ45は、例えば左右方向に間隔を空けて複数設置されている。ランプ45は、荷受台4におけるキャスタストッパ30の収容部4a又はキャスタストッパ30(例えば裏面)に設けることができる。収容部4aにランプ45を設ける場合の他、キャスタストッパ30の裏面にランプ45を設置する場合も、キャスタストッパ30が倒伏姿勢のときキャスタストッパ30により上部開口を塞がれてほぼ閉空間化した収容部4aにランプ45が仕舞い込まれる。
【0022】
一具体例を示すと、ランプ45は、図3の例のように、起立姿勢のキャスタストッパ30の前面に前方から光を当て、キャスタストッパ30を照明するように荷受台4の収容部4aに設置することができる。図3の例では、キャスタストッパ30に窓32を設け、ランプ45が発する光の一部が、起立姿勢のキャスタストッパ30の窓32を介して後方に透過する構成とすることもできる。窓32はランプ45に対応して左右方向に複数設けられる。この場合、キャスタストッパ30で反射する反射光により、キャスタストッパ30の前方にキャスタストッパ30が起立している旨が報知される。同時に、窓32を透過する透過光(直接光)により、キャスタストッパ30の後方にキャスタストッパ30が起立している旨が報知される。
【0023】
また、ランプ45の設置形態は適宜変更可能であり、例えば、図4の例のように、荷受台4の収容部4aの底面にランプ45を上向きに設置し、キャスタストッパ30の起立時に開放される収容部4aの上部開口を光が直接透過するように構成しても良い。図4の例では、主にランプ45からの直接光でキャスタストッパ30が起立している旨が報知される。但し、ランプ45が発する光の一部はキャスタストッパ30を照明するため、図3の例のように反射光によってもキャスタストッパ30が起立している旨が報知され得る。
【0024】
-制御装置-
図5は本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置に備わった制御装置のブロック図である。
【0025】
荷受台昇降装置1には、ランプ45を制御する制御装置50が備わっている。この制御装置50は、例えば荷受台昇降装置1のパワーユニット26(図1)に設けられている。制御装置50は、荷受台昇降装置1又は車両のバッテリ(電源)57に電源スイッチ58を介して接続しており、電源スイッチ58によって制御装置50の電源のオンオフが切り換えられる。電源スイッチ58は、例えば車両の運転室又はパワーユニット26に設置される。
【0026】
制御装置50は例えばマイコン等のコンピュータであり、入力部51、記憶部(メモリ)52、演算部(CPU)53、及び出力部54を含んで構成されている。入力部51には、荷受台昇降装置1に搭載される各種センサ、例えばゲートセンサ20、ストッパセンサ40の出力(検出信号)、操作装置27からの操作信号が入力される。記憶部52には、荷受台昇降装置1の動作制御プログラムや制御閾値等の各種データが記憶されている。演算部53は、記憶部52に記憶されたプログラムに従った処理を実行し、センサ出力や操作信号に基づいて油圧シリンダ5(厳密には油圧シリンダ5を駆動する電磁弁)やランプ45を制御する制御信号を生成する。演算部53で生成された制御信号は、出力部54を介して電磁弁やランプ45に適宜出力される。
【0027】
特に本実施形態において、制御装置50は、ストッパセンサ40の出力を基にキャスタストッパ30が起立姿勢であると判定され、かつゲートセンサ20の出力を基に荷受台4が荷役姿勢でないと判定される場合、ランプ45を消灯させる(後述)。
【0028】
なお、操作装置27は、荷役作業時に荷受台4の上げ操作及び下げ操作をして油圧シリンダ5の動作を指示するための装置であり、上スイッチ27A、下スイッチ27Bを備えている。荷受台4を上昇させる上げ操作及び荷受台4を荷役姿勢から起立させる格納操作は、上スイッチ27Aにより指示される。荷受台4を下降させる下げ操作及び荷受台4を荷役姿勢に倒伏させる展開操作は、下スイッチ27Bにより指示される。
【0029】
-動作-
図6は本発明の一実施の形態に係る荷受台昇降装置に備わった制御装置によるランプの制御手順を表すフローチャートである。前に触れた通り、制御装置50は、ストッパセンサ40及びゲートセンサ20の出力に応じてランプ34を制御する。以下、図6を用いてその手順の一例を説明する。図6の手順は、制御装置50に通電されている間、具体的には電源スイッチ58がONの間(電源スイッチ58の接点が閉じている間)、短い周期(例えば0.1s)で繰り返し実行される。
【0030】
図6のフローを開始すると、制御装置50は、まずストッパセンサ40及びゲートセンサ20の信号を入力し(ステップS1)、ストッパセンサ40の出力を基にキャスタストッパ30が起立姿勢であるかを判定する(ステップS2)。キャスタストッパ30が倒伏姿勢であると判定される場合、制御装置50は、ランプ45への給電を停止してランプ45を消灯させ(ステップS4)、ステップS1に手順を戻す。
【0031】
キャスタストッパ30が起立姿勢であると判定される場合、制御装置50は、ゲートセンサ20の出力を基に荷受台4が非荷役姿勢であるかを判定する(ステップS3)。非荷役姿勢とは、ゲートセンサ20で荷役姿勢として検知されない荷受台4の角度をいい、荷台101の後面に沿って起立した格納姿勢の他、荷役姿勢から格納姿勢への遷移時の姿勢(角度)、及び格納姿勢から荷役姿勢への遷移時の姿勢(角度)が含まれる。これら非荷役姿勢はいずれの姿勢も、キャスタストッパ30が使用されない状態であるため、判定対象として有用である。
【0032】
荷受台4が荷役姿勢である場合、つまりキャスタストッパ30が起立姿勢でかつ荷受台4が荷役姿勢である場合、制御装置50は、ランプ45に制御信号を出力(給電)してランプ45を点灯させ(ステップS5)、ステップS1に手順を戻す。点灯の形態は連続点灯に限らず、間欠点灯(点滅)、点灯色の変更等、キャスタストッパ30が起立していることを周囲が認識し易い形態を適宜採用することができる。
【0033】
反対に荷受台4が非荷役姿勢である場合、つまりキャスタストッパ30が起立姿勢であるが荷受台4が荷役姿勢ではない場合、制御装置50は、ランプ45に制御信号を出力(給電停止)してランプ45を消灯させ(ステップS4)、ステップS1に手順を戻す。
【0034】
通電されている間、制御装置50は、以上の手順を繰り返し実行する。電源スイッチ58がオフ操作されると、制御装置50への通電が停止し、ランプ45への給電も不能となるためランプ45は消灯する。
【0035】
なお、制御装置50によるランプ45の制御は、キャスタストッパ30が起立状態であっても荷受台4が非荷役姿勢であればランプ45が消灯するアルゴリズムであれば良い。この点を逸脱しない限り、例えば、キャスタストッパ30の姿勢判定(ステップS2)と荷受台4の姿勢判定(ステップS3)の順番が逆になっても良い。また、荷受台4が荷役姿勢の場合、キャスタストッパ30が倒伏姿勢でもランプ45が点灯するようにしても良い。他にも、キャスタストッパ30が起立状態であることが検知(ステップS2)された場合に、ランプ45を点灯(ステップS5)させる構成であっても良い。ただし、この場合でもキャスタストッパ30の起立状態と荷受台4の非荷役姿勢とが検知されることでランプ45を消灯させる(ステップS4)ものとする。
【0036】
-効果-
(1)本実施形態によれば、キャスタストッパ30が起立姿勢であり、かつ荷受台4が荷役姿勢でない場合、ランプ45は消灯する。従って、荷受台昇降装置の使用を終える際にキャスタストッパ30を倒し忘れた場合、荷受台昇降装置1の使用後も電源スイッチ58がオンのままであっても、荷受台4が非荷役姿勢であればランプ45は消灯する。従って、荷受台4が格納姿勢をとる車両の走行時には、キャスタストパ30の姿勢に関係なくランプ45が消灯し、走行中のランプの点灯を回避することができる。
【0037】
(2)ランプ45を荷受台4における収容部4a又はキャスタストッパ30の裏面に設けることにより、キャスタストッパ30を倒伏姿勢にすることで、キャスタストッパ30により上部開口に蓋をされた収容部4aにランプ45を仕舞うことができる。これによりランプ45を保護することができ、また電気系統の不調により意図しない状態でランプ45が点灯しても、ランプ45の発する光をキャスタストッパ30によって遮断することができる。
【0038】
(3)また、図3に示したように、起立姿勢のキャスタストッパ30を照明するようにランプ45を設置する場合、夜間や暗い場所でキャスタストッパ30を立体的に浮かび上がらせることができる。その場合、同図に示したように、キャスタストッパ30に窓32を設け、ランプ45の光の一部が起立姿勢のキャスタストッパ30の窓32を透過するように構成すれば、キャスタストッパ30が起立していることを前方及び後方の双方に表示することができる。
【0039】
(4)図4に示したように、キャスタストッパ30の起立時に開放される収容部4aの上部開口を透過するようにランプ45を設ける場合、ランプ45からの直接光が上方に照射され、特にキャスタストッパ30の付近に立つ作業者がキャスタストッパ30の起立姿勢を認識し易くなる。
【0040】
-変形例-
ランプ45を収容部4a又はキャスタストッパ30に設ける例を説明したが、ランプ45が収容部4a又はキャスタストッパ30に設けられている必要は必ずしもなく、ランプ45は荷受台昇降装置1に備わっていれば良い。例えば荷受台4の左右の端面等にランプ45が備わっていても良い。
【0041】
上述した実施形態や変形例においては、車両走行中のランプの点灯を回避するために消灯させる手段について説明したが、直接的にランプ45を消灯させる代わりに、消灯を促すようにアラーム装置に報知信号(報知のための信号)を出力しアラーム装置を駆動する手段を採用しても良い。たとえば荷受台4の非荷役姿勢、かつキャスタストッパ30の起立姿勢もしくは非倒伏姿勢を検知すると運転室内に設置されたアラーム装置(スピーカ、ブザー等)が音を介して通知する構成が例示できる。この報知は、音に限らず、運転室内に設置されたアラーム装置(モニタ、ランプ等)による表示等、他の方法に代えても良い。または、制御装置50内に設けられた記憶装置(メモリー装置)に、上述した車両走行中のキャスタストッパ30の点灯状態を検知したデータを記録可能とし、メンテナンス等の際にそのデータを確認可能な構成としても良い。さらには、記録されたデータが作業者などの有する端末装置に出力されるようにしても良い。こうした構成に関しては、自動的にキャスタストッパ30のランプ45が消灯する場合と比較して、キャスタストッパ30の倒伏作業を忘れた作業者などへの注意喚起の点で有用である。もちろん、こうした各手段と、ランプ45を直接的に消灯させる手段とを組み合わせても良い。
【0042】
また、格納時には荷受台が車両の荷台の壁面に沿って起立する姿勢をとる荷受台昇降装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、他の方式の荷受台昇降装置にも本発明は適用可能である。荷受台昇降装置には、例えば車枠の後部下側に荷受台を引き込んで格納するタイプのものもある。また、アームの回動運動により荷受台を昇降させる構成ではなく、上下に延びるポストに沿って荷受台が昇降するタイプの荷受台昇降装置も存在する。これらの荷受台昇降装置の荷受台にキャスタストッパとその起立姿勢を報知するランプを設ける場合にも、本発明は適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1…荷受台昇降装置、4…荷受台、4a…収容部、20…ゲートセンサ、30…キャスタストッパ、32…窓、40…ストッパセンサ、45…ランプ、50…制御装置、101…荷台
図1
図2
図3
図4
図5
図6