(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163519
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】カード搬送ユニット
(51)【国際特許分類】
G06K 13/14 20060101AFI20231102BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20231102BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G06K13/14 E
G06K7/10 428
G06K7/14 013
G06K7/14 017
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074477
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】横山 智
(72)【発明者】
【氏名】内山 龍
【テーマコード(参考)】
5B023
【Fターム(参考)】
5B023KA01
(57)【要約】
【課題】コードリーダを備える場合でも、カードカセットの配列方向と直交する方向で大型化することを防止或いは抑制できるカード搬送ユニットを提供すること。
【解決手段】カード発行装置1(カード搬送ユニット)は、Y方向に配列されたカードカセット6と、カードカセット6からカード2をX方向に繰り出すカード繰出し機構7と、キャリッジ10と、Y方向に延びるキャリッジ搬送路11と、キャリッジ10をキャリッジ搬送路11に沿って移動させるキャリッジ移動機構12と、キャリッジ10に設けられた搬送機構13と、コードリーダ14と、を備える。搬送機構13は、カードカセット6から繰り出されたカード2をキャリッジ10に取り込むとともにX方向に送り出す。コードリーダ14は、キャリッジ10に取り込まれたカード2とZ方向から対向する位置に配置され、カード2の表面に記録されたコードを読み取る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する3方向をX方向、Y方向、およびZ方向としたときに、
前記Y方向に配列された複数のカードカセットと、
キャリッジと、
複数の前記カードカセットの前記X方向の一方側を前記Y方向に延びるキャリッジ搬送路と、
前記キャリッジを前記キャリッジ搬送路に沿って移動させるキャリッジ移動機構と、
各カードカセットに積層されて収容されたカードを前記キャリッジ搬送路に向かって前記X方向の一方側に1枚ずつ繰り出すカード繰出し機構と、
前記キャリッジに設けられ、前記カードカセットから繰り出された前記カードを取り込んで当該キャリッジ上に保持するとともに、前記カードを前記キャリッジから前記X方向に送り出す搬送機構と、
前記カードの表面に表示されたコードを読み取るコードリーダと、
前記カード繰出し機構、前記キャリッジ移動機構、前記搬送機構および前記コードリーダを駆動制御する制御部と、を有し、
前記キャリッジ搬送路には、各カードカセットの前記X方向の一方側で各カードカセットから繰り出される前記カードを前記キャリッジに取り込む複数の取込位置、前記キャリッジに保持された前記カードの前記コードを読み取る読取位置、および前記キャリッジから前記カードを前記X方向の一方側に送り出す送り出し位置、が設定され、
前記コードリーダは、前記読取位置において、前記キャリッジに保持された前記カードに前記Z方向から対向し、
前記制御部は、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを複数の前記取込位置のうちの一の取込位置に配置した後に前記カード繰出し機構および前記搬送機構を駆動制御して前記キャリッジの前記X方向の他方側に位置する前記カードカセットから前記カードをキャリッジに取り込み、次に、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを前記読取位置に移動させるとともに前記コードリーダを駆動制御して前記コードを読み取る読取動作を行い、その後、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを前記送り出し位置に配置し、しかる後に前記搬送機構を駆動制御して前記カードを前記X方向の一方側に送り出すことを特徴とするカード搬送ユニット。
【請求項2】
前記制御部は、前記読取動作により前記コードの読取が正常に行われたか否かを取得し、前記コードが読み取れていない場合には、前記搬送機構を駆動制御して前記カードを前記キャリッジ上で前記X方向に移動させて前記読取動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のカード搬送ユニット。
【請求項3】
前記読取位置と前記送り出し位置とは、同一であることを特徴とする請求項1に記載のカード搬送ユニット。
【請求項4】
複数の前記取込位置のうちの一つの取込位置と、前記読取位置と、前記送り出し位置とは、同一であることを特徴とする請求項3に記載のカード搬送ユニット。
【請求項5】
前記コードは、1次元コードまたは2次元コードであることを特徴とする請求項1に記載のカード搬送ユニット。
【請求項6】
前記キャリッジ搬送路には、前記キャリッジから前記カードを回収する回収位置が設定され、
前記制御部は、前記読取動作において前記コードリーダが前記コードを読み取れたか否かを取得し、前記コードが読み取れていない場合には、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを前記回収位置に配置し、前記搬送機構を駆動制御して前記カード
を前記キャリッジから前記X方向の他方側に送り出すことを特徴とする請求項1に記載のカード搬送ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードなどのコードが印刷されたカードを搬送するカード搬送ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気情報が記録されたカードカードを発行するカード発行装置は特許文献1に記載されている。同文献のカード発行装置は、カードを収容する複数のカードカセットを備えるカード収容部と、カードに対して磁気情報の読み書き処理を行うカード処理部と、各カードカセットから繰り出されたカードをカード処理部に搬送するカード搬送部と、を備える。カード収容部、カード搬送部、およびカード処理部は、複数のカードカセットが配列された配列方向と直交する直交方向において、この順に配列される。
【0003】
カード収容部は、各カードカセットからカード搬送部に向かってカードを一枚ずつ送り出すカード送出機構を備える。カード搬送部は、キャリッジと、キャリッジを配列方向に移動させるカード搬送機構と、を備える。キャリッジには、カードカセットから送り出されたカードを取り込んでキャリッジに保持するとともに、カードをキャリッジからカード処理部に送り込む搬送部が設けられている。
【0004】
カードを発行する際に、カード発行装置は、まず、カード搬送機構を駆動して、キャリッジを所定のカードカセットに対向する位置に配置する。また、カード発行装置は、カード送出機構を駆動して、所定のカードカセットからカードを直交方向に送り出すとともに、搬送部を駆動してカードカセットから送り出されたカードをキャリッジに取り込む。その後、カード発行装置は、カード搬送機構を駆動して、キャリッジをカード処理部と対向する位置に移動させる。しかる後に、カード発行装置は、駆動部を駆動して、カードをキャリッジからカード処理部に送り込む。カード処理部は、カードに記録された磁気情報をカードリーダによって読み取るとともに、必要な情報をカードに記録する。そして、カード発行装置は、カード処理部からカードを排出(発行)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表面にバーコードが印刷されているカードを会員カードなどとして発行する際には、カードの発行時にバーコードを読み取り、読み取ったバーコードの情報と、このカードの所有者となる会員の情報とを紐づける場合がある。
【0007】
ここで、特許文献1のカード発行装置にバーコード読み取り機能を付加する場合には、バーコードリーダを備えるバーコード読取部をカード搬送部とカード処理部との間に設置することが考えられる。また、この場合には、カード発行装置は、カードカセットからキャリッジに取り込まれたカードを、キャリッジからバーコード読取部に送り込み、バーコード読取部においてバーコードの読取動作を行い、しかる後に、バーコード読取部からカード処理部にカードを送り込むことが考えられる。しかしながら、このような構成を採用した場合には、バーコード読取部を設ける分だけ、直交方向でカード発行装置が大型化してしまう。また、バーコード読取部とカード処理部との間に、カードを送り出す新たな送り出し機構が必要となる。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、カードに表示されたコードを読み取るためのコードリーダを備える場合でも、カードカセットの配列方向と直交する方向で大型化することを防止或いは抑制できるカード搬送ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のカード搬送ユニットは、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、およびZ方向としたときに、前記Y方向に配列された複数のカードカセットと、キャリッジと、複数の前記カードカセットの前記X方向の一方側を前記Y方向に延びるキャリッジ搬送路と、前記キャリッジを前記キャリッジ搬送路に沿って移動させるキャリッジ移動機構と、各カードカセットに積層されて収容されたカードを前記キャリッジ搬送路に向かって前記X方向の一方側に1枚ずつ繰り出すカード繰出し機構と、前記キャリッジに設けられ、前記カードカセットから繰り出された前記カードを取り込んで当該キャリッジ上に保持するとともに、前記カードを前記キャリッジから前記X方向に送り出す搬送機構と、前記カードの表面に表示されたコードを読み取るコードリーダと、前記カード繰出し機構、前記キャリッジ移動機構、前記搬送機構および前記コードリーダを駆動制御する制御部と、を有し、前記キャリッジ搬送路には、各カードカセットの前記X方向の一方側で各カードカセットから繰り出される前記カードを前記キャリッジに取り込む複数の取込位置、前記キャリッジに保持された前記カードの前記コードを読み取る読取位置、および前記キャリッジから前記カードを前記X方向の一方側に送り出す送り出し位置、が設定され、前記コードリーダは、前記読取位置において、前記キャリッジに保持された前記カードに前記Z方向から対向し、前記制御部は、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを複数の前記取込位置のうちの一の取込位置に配置した後に前記カード繰出し機構および前記搬送機構を駆動制御して前記キャリッジの前記X方向の他方側に位置する前記カードカセットから前記カードをキャリッジに取り込み、次に、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを前記読取位置に移動させるとともに前記コードリーダを駆動制御して前記コードを読み取る読取動作を行い、その後、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを前記送り出し位置に配置し、しかる後に前記搬送機構を駆動制御して前記カードを前記X方向の一方側に送り出すことを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、コードリーダは、キャリッジ搬送路に設定された読取位置においてキャリッジに保持されたカードにZ方向から対向して、コードを読み取る。従って、複数のカードカセットの配列方向と直交するX方向において、カードカセット、キャリッジ搬送路、およびコードリーダがこの順に配列されることを回避できる。よって、カード搬送ユニットがX方向で大型化することを防止或いは抑制できる。また、X方向において、カードカセット、キャリッジ搬送路、およびコードリーダがこの順に配列される構成では、コードリーダによる読取動作が行われたカードを、更にX方向の一方側に送り出す送り出し機構が必要となるが、コードリーダによる読取位置がキャリッジ搬送路上に設けられていれば、コードリーダによる読取動作が終了したカードを、キャリッジが備える搬送機構により、X方向の一方側に送り出すことができる。
【0011】
本態様において、前記制御部は、前記読取動作により前記コードの読取が正常に行われたか否かを取得し、前記コードが読み取れていない場合には、前記搬送機構を駆動制御して前記カードを前記キャリッジ上で前記X方向に移動させて前記読取動作を行うものとすることができる。すなわち、読取動作においてコードリーダがコードを読み取れない場合には、キャリッジに取り込んだカードがキャリッジ上で適切な位置に保持されていない状態となっている可能性がある。ここで、搬送機構は、キャリッジ上においてカードをX方向に移動させることができる。従って、コードリーダがコードを読み取れないときに搬送機構を駆動制御してカードをキャリッジ上で移動させれば、コードリーダによりコードが
読み取れる場合がある。
【0012】
本態様において、前記読取位置と、前記送り出し位置とは、同一であるものとすることができる。このようにすれば、読取動作が終了した後に、カードは送り出し位置に配置されている。従って、読取動作が終了した後に、キャリッジを移動させることなく、カードをX方向の一方側に送り出すことができる。
【0013】
本態様において、複数の前記取込位置のうちの一つの取込位置と、前記読取位置と、前記送り出し位置とは、同一であるものとすることができる。このようにすれば、読取位置および送り出し位置と同一に設定された取込位置のX方向の他方側に位置するカードストッカ部からカードが繰り出される際に、キャリッジを取込位置から移動させずに、コードの読み取りと、カードのX方向の一方側への送り出しとを行うことができる。
【0014】
本態様において、前記コードは、1次元コードまたは2次元コードであるものとすることができる。すなわち、コードは、バーコードや、QRコード(登録商標)とすることができる。
【0015】
本態様において、前記キャリッジ搬送路には、前記キャリッジから前記カードを回収する回収位置が設定され、前記制御部は、前記読取動作において前記コードリーダが前記コードを読み取れたか否かを取得し、前記コードが読み取れていない場合には、前記キャリッジ移動機構を駆動制御して前記キャリッジを前記回収位置に配置し、前記搬送機構を駆動制御して前記カードを前記キャリッジから前記X方向の他方側に送り出すものとすることができる。このようにすれば、例えば、コードリーダによりコードを読み取ることができなかったカードを、キャリッジからX方向の他方側に排出して、回収できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コードリーダは、キャリッジ搬送路に設定された読取位置においてキャリッジに保持されたカードにZ方向から対向して、コードを読み取る。従って、X方向において、カードカセット、キャリッジ搬送路、およびコードリーダがこの順に配列されることを回避できる。よって、カード搬送ユニットがX方向で大型化することを防止或いは抑制できる。また、コードリーダによる読取位置がキャリッジ搬送路上に設けられているので、コードリーダによる読取動作が終了したカードを、キャリッジが備える搬送機構により、X方向の一方側に送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】コードリーダおよびフレームを取り外したカード発行装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明のカード搬送ユニットの実施の形態であるカード発行装置を説明する。以下の説明において、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向とする。また、X方向の一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。Y方向の一方側を
Y1方向、他方側をY2方向とする。Z方向の一方側をZ1方向とし、他方側をZ2方向とする。X方向は、カード発行装置の前後方向である。X1方向は、前方であり、X2方向は後方である。Y方向はカード発行装置の幅方向である。Y1方向は、幅方向に一方側である。Y2方向は、幅方向の他方側である。Z方向は、カード発行装置の上下方向である。Z1方向は下方であり、Z2方向は上方である。
【0019】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したカード発行装置の外観斜視図である。
図2は、
図1のA-A位置で切断したカード発行装置の断面図である。
図3は、カード発行装置をZ2方向の側から見た場合の平面図である。
図3では、カード発行装置からコードリーダおよびコードリーダを支持するフレームを取り外している。また、
図3では、カード発行装置は、カードを収容していない。
【0020】
図1に示すカード発行装置1(カード搬送ユニット)は、不図示の上位機器と通信可能に接続されて使用される。カード発行装置1は、上位機器からのカード発行指令に基づいて、表面にバーコード2a(1次元コード)および2次元コード2bが表示(印刷)されたカード2を会員カードとして発行する。2次元コード2bは、例えば、QRコード(登録商標)である。
【0021】
図1、
図2に示すように、カード発行装置1は、発行前のカード2を収容するカード収容部3を備える。また、カード発行装置1は、カード収容部3のX1方向に、カード搬送機構4を備える。カード収容部3およびカード搬送機構4は、矩形板状のベース20上に設置されている。
【0022】
図1に示すように、カード収容部3は、カセットホルダ5と、カセットホルダ5に着脱可能に取り付けられた複数のカードカセット6を有する。複数のカードカセット6は、Y方向に配列されている。本例では、カード収容部3は、6つのカードカセット6(1)~6(6)を備える。6つのカードカセット6(1)~6(6)は、X方向に2個並ぶ列が、Y方向に3つ配列されている。カード2は、バーコード2aおよび2次元コード2bが印刷された面をZ2方向に向けた姿勢で積層されて各カードカセット6に収容される。
【0023】
また、
図2に示すように、カード収容部3は、各カードカセット6(1)~6(6)からカード2をX1方向に一枚ずつ繰り出すカード繰出し機構7を備える。さらに、カード収容部3は、X方向に2個並ぶカードカセット6のうち、X1方向に位置するカードカセット6(1)、6(3)、6(5)のZ1方向に、それぞれカード回収部8を備える。
【0024】
図3に示すように、カード搬送機構4は、キャリッジ10と、カード収容部3のX1方向をY方向(複数のカードカセット6の配列方向)に延びるキャリッジ搬送路11と、キャリッジ10をキャリッジ搬送路11に沿って移動させるキャリッジ移動機構12と、を備える。キャリッジ10には、カード2をX方向に搬送可能な搬送機構13が設けられている。搬送機構13は、カードカセット6から繰り出されたカード2を取り込んでキャリッジ10に保持するとともに、カード2をキャリッジ10からX1方向またはX2方向に送り出す。
【0025】
キャリッジ搬送路11には、各カードカセット6のX方向の一方側で各カードカセット6から繰り出されるカード2をキャリッジ10に取り込む複数の取込位置Eが設定されている。また、キャリッジ搬送路11には、キャリッジ10に保持されたカード2のバーコード2aを読み取る読取位置R、キャリッジ10からカード2をX方向の一方側に送り出す送り出し位置P、および、キャリッジ10からカード2を回収するための回収位置Qが設定されている。本例では、取込位置Eは、2つのカードカセット6からなる各列のX1
方向にそれぞれ設定されている。従って、取込位置Eは、キャリッジ搬送路11上の3か所に設けられている。読取位置Rおよび送り出し位置Pは、同一の位置に設定されている。本例では、読取位置Rおよび送り出し位置Pは、キャリッジ搬送路11のY2方向の端部分に設定されている。また、回収位置Qは取込位置Eと同一に設定されている。従って、回収位置Qは、読取位置Rと同様にキャリッジ搬送路11上の3か所に設定されている。
【0026】
ここで、
図1に示すように、読取位置RのZ2方向には、コードリーダ14が設置されている。コードリーダ14は、キャリッジ移動機構12のY2方向の端部分に取り付けられたフレーム21に固定されている。フレーム21は、キャリッジ移動機構12からZ2方向に延びる第1延設部21aと、第1延設部21aのZ2方向の端からY1方向に屈曲してY1方向に延びる屈曲部21bと、屈曲部21bのY1方向の端からZ1方向に延びる第2延設部21cとを備える。コードリーダ14は、Z1方向を向く姿勢で、屈曲部21bに取り付けられている。
【0027】
コードリーダ14は、読取位置Rにおいて、キャリッジ10上のカード2にZ方向から対向する。コードリーダ14は、例えば、イメージセンサを備えるものであり、カード2に向けて照明光を照射してバーコード2aおよび2次元コード2bの画像を取得し、画像解析により、これらのコードの情報を取得する。コードリーダ14は、カード2から情報を読み取ると、読み取った情報を、上位機器に送信する。
【0028】
また、ベース20において、キャリッジ搬送路11のY1方向の端部分と重なる位置には、制御部15が取り付けられている。
図2に示すように、制御部15は、CPU、ROM、RAMなどを備える回路が実装された基板16を備える。
【0029】
制御部15は、カード繰出し機構7、キャリッジ移動機構12、搬送機構13、およびコードリーダ14を駆動制御する。
【0030】
また、制御部15は、コードリーダ14を駆動した後にコードリーダ14が読み取った情報を上位機器に送信したか否かを取得する。より具体的には、制御部15は、コードリーダ14を駆動して所定時間が経過するまでの間にコードリーダ14が読み取った情報を上位機器に送信した場合に、バーコード2aおよび2次元コード2bの読み取りが正常に行われたものと判断する。また、制御部15は、コードリーダ14を駆動して所定時間が経過するまでの間にコードリーダ14が読み取った情報を上位機器に送信しない場合に、バーコード2aおよび2次元コード2bの読み取りが正常に行われなかったものと判断する。すなわち、制御部15は、コードリーダ14からの情報の送信の有無を監視することにより、コードリーダ14による読取動作が正常に行われたか、否か、を取得する。
【0031】
(カード発行動作)
図4は、カード2を発行するカード発行動作のフローチャートである。カード2の発行に際しては、上位機器からカード発行装置1にカード発行指令が送信される。カード発行指令は、制御部15に入力される。カード発行指令には、発行前のカード2を供給する一のカードカセット6を指定する指定情報が含まれる。
【0032】
図4に示すように、カード発行指令が入力されると、制御部15は、キャリッジ移動機構12を駆動して、指定されたカードカセット6のX1方向に位置する取込位置Eにキャリッジ10を配置する(ステップST1)。次に、制御部15は、カード繰出し機構7を駆動制御して指定されたカードカセット6からカード2を取込位置Eに繰り出す。これと並行して、制御部15は、キャリッジ10の搬送機構13を駆動制御して、繰り出されるカード2をキャリッジ10に取り込む(ステップST2)。
【0033】
その後、制御部15は、キャリッジ移動機構12を駆動制御してキャリッジ10を読取位置Rに移動させるとともにコードリーダ14を駆動制御してキャリッジ10上のカード2からコード(バーコード2aおよび2次元コード2b)を読み取る読取動作を行う(ステップST3)。
【0034】
ここで、コードリーダ14が読み取った情報を上位機器に送信した場合には、制御部15は、カード2からの情報の読み取りが正常に行われたものと判断する(ステップST4:Yes)。これにより、制御部15は、キャリッジ移動機構12を駆動制御してキャリッジ10を送り出し位置Pに配置し、しかる後に搬送機構13を駆動制御してキャリッジ10からカード2をX1方向に送り出す(ステップST5)。これにより、カード2の発行が完了する。本例では、読取位置Rと送り出し位置Pが同一である。従って、読取動作を行った時点で、キャリッジ10は送り出し位置Pに配置されている。よって、本例では、制御部15は、読取動作の後にキャリッジ移動機構12を駆動せず、搬送機構13を駆動して、キャリッジ10からカード2をX1方向に送り出す。
【0035】
一方、コードリーダ14が読み取った情報を上位機器に送信せず、制御部15が、カード2からの情報の読み取りが正常に行われなかったものと判断した場合には(ステップST4:No)、制御部15は、搬送機構13を駆動制御してカード2をキャリッジ10上でX方向に移動させる。制御部15がキャリッジ10上でカード2の移動させる移動方向および移動量は予め設定されている。その後、制御部15は、再度、コードリーダ14を駆動制御して再読取動作を行う(ステップST6)。
【0036】
再読取動作によってカード2からの情報の読み取りが正常に行われた場合には(ステップST7:Yes)、制御部15は、キャリッジ移動機構12を駆動制御してキャリッジ10を送り出し位置Pに配置し、しかる後に搬送機構13を駆動制御してキャリッジ10からカード2をX1方向に送り出す。本例では、読取位置Rと送り出し位置Pが同一である。従って、読取動作を行った時点で、キャリッジ10は送り出し位置Pに配置されている。よって、制御部15は、読取動作の後にキャリッジ移動機構12を駆動せず、搬送機構13を駆動して、キャリッジ10からカード2をX1方向に送り出す(ステップST8)。これにより、カード2の発行が完了する。
【0037】
ここで、再読取動作によっても、コードリーダ14が読み取った情報を上位機器に送信せず、制御部15が、カード2からの情報の読み取りが正常に行われなかったものと判断した場合には(ステップST7:No)、制御部15は、キャリッジ移動機構12を駆動制御してキャリッジ10を回収位置Qに配置し、しかる後に搬送機構13を駆動制御してキャリッジ10からカード2をX2方向に送り出す(ステップST9)。これにより、カード2は、キャリッジ10からX2方向に向かって送り出され、案内部材9に案内されてカード回収部8に回収される。ここで、カード2をカードカセット6(5)のZ1方向に位置するカード回収部8に回収する場合には、読取位置Rと回収位置Qが同一である。従って、読取動作を行った時点で、キャリッジ10は回収位置Qに配置されている。よって、本例では、制御部15は、読取動作の後にキャリッジ移動機構12を駆動せず、搬送機構13を駆動して、キャリッジ10からカード2をX2方向に送り出す。
【0038】
本例のカード発行装置1によれば、カード2を会員カードなどとして発行する際に、カード2の表面に表示(印刷)されたコード(バーコード2aおよび2次元コード2b)を読み取り、読み取った情報を上位機器に送信する。従って、上位機器において、発行されるカード2に印刷されたコードの情報と、このカード2の所有者となる会員の情報とを紐づけることができる。
【0039】
(カード収容部の詳細)
次に、
図1から
図3を参照してカード収容部3の詳細を説明する。
図1から
図3に示すように、カードカセット6は、有底の角筒であり、全体として直方体形状をしている。
図2に示すように、各カードカセット6のZ1方向の端部分には、カセットホルダ5に装着されたときにX1方向を向く開口部6aが設けられている。開口部6aは、1枚のカード2がX方向に通過可能な形状を備える。
【0040】
カード繰出し機構7は、X方向に並ぶ2個のカードカセット6のうち、X1方向に位置するカードカセット6(1)、6(3)、6(5)に収容されたカード2をX1方向へ送り出す第1カード繰出し機構7Aを備える。また、カード繰出し機構7は、カード収容部3において、X方向に並ぶ2個のカードカセット6のうち、X2方向に位置するカードカセット6(2)、6(4)、6(6)に収容されたカード2をX1方向へ送り出す第2カード繰出し機構7Bを備える。
【0041】
第1カード繰出し機構7Aは、カードカセット6(1)、6(3)、6(5)のZ1方向の端部分にそれぞれ設けられている。第1カード繰出し機構7Aは、カードカセット6の底面に設けられたX方向に延びるスリット22(
図3参照)と、スリット22内に出現可能なカード送出爪23(
図2参照)を備える。カード送出爪23は、カードカセット6に積層されたカード2のうちで一番下に位置するカード2の縁にX2方向の側から係合する。また、第1カード繰出し機構7Aは、
図2に示すように、カード送出爪23をX方向に移動させるチェーン駆動機構24と、チェーン駆動機構24を駆動するモータ25と、を備える。第1カード繰出し機構7Aのカード送出爪23は、チェーン駆動機構24のチェーンに固定される。
【0042】
カードカセット6(1)、6(3)、6(5)からカード2をX1に繰り出す際には、制御部15は、第1カード繰出し機構7Aを駆動する。すなわち、制御部15は、モータ25を駆動してチェーン駆動機構24を動作させて、カード送出爪23をスリット22内に出現させてX1方向に移動させる。これにより、カード送出爪23は、カードカセット6に積層されたカード2のうちで一番下に位置するカード2に係合し、このカード2をキャリッジ搬送路11の取込位置Eに繰り出す。
【0043】
第2カード繰出し機構7Bは、第1カード繰出し機構7Aと同様に、カードカセット6の底面に設けられたX方向に延びるスリット22と、スリット22に配置されるカード送出爪23を備える。また、第2カード繰出し機構7Bは、カードカセット6(2)、6(4)、6(6)のZ1方向の端部分にそれぞれ設けられたベルト機構26と、カードカセット6(1)、6(3)、6(5)のZ1方向に設けられた複数の送出ローラ27と、ベルト機構26および複数の送出ローラ27を駆動するモータ28と、を備える。複数の送出ローラ27は、第1カード繰出し機構7Aのチェーン駆動機構24のY方向に配置されている。
【0044】
カードカセット6(2)、6(4)、6(6)からカード2をX1に繰り出す際には、制御部15は、第2カード繰出し機構7Bを駆動する。すなわち、制御部15は、モータ28を駆動してベルト機構26を動作させて、カード送出爪23をスリット22内に出現させてX1方向に移動させる。また、制御部15は、送出ローラ27を回転させる。これにより、カード送出爪23は、カードカセット6に積層されたカード2のうちで一番下に位置するカード2に係合し、このカード2をX1方向に移動させて、送出ローラ27に受け渡す。送出ローラ27は、受け渡されたカード2を更にX1方向に搬送して、キャリッジ搬送路11の取込位置Eに繰り出す。なお、カードカセット6(2)、6(4)、6(6)からカード2をX1に繰り出す際には、第1カード繰出し機構7Aのカード送出爪23は、チェーン駆動機構24のZ1方向の側に移動している。
【0045】
ここで、カード収容部3において、X1方に位置するカードカセット6(1)、6(3)、6(5)のZ2方向には、カード回収部8が設けられている。カード回収部8とカードカセット6との間には、案内部材9が配置されている。案内部材9は、X1方向に向かってZ2方向に傾斜する板バネである。カード繰出し機構7により各カードカセット6からX1方向に繰り出されるカード2は、案内部材9により、取込位置Eに配置されたキャリッジ10に案内される。一方、回収位置Qにあるキャリッジ10からX2方向に戻されるカード2は、案内部材9によってZ1方向に案内され、カード回収部8に収容される。
【0046】
(キャリッジ移動機構の詳細)
図2、
図3に示すように、キャリッジ移動機構12は、キャリッジ搬送路11に沿ってY方向に平行に延びる2本のガイド軸35と、キャリッジ10をガイド軸35に沿って移動させるベルト機構37を備える。ベルト機構37は、駆動源としてキャリッジモータ36を備える。2本のガイド軸35は、キャリッジ搬送路11のY方向の両端でベース20からZ2方向に延びる一対の支持フレーム39に支持される。キャリッジ10は、ベルト機構37のキャリッジベルト38に固定されている。キャリッジ10をキャリッジ搬送路11に沿って移動させる際には、制御部15は、キャリッジモータ36を駆動制御する。ここで、コードリーダ14が取り付けられたフレーム21は、Y2方向に位置する支持フレーム39に固定されている。
【0047】
(キャリッジの詳細)
図5は、キャリッジ10およびガイド軸35の斜視図である。
図6は、キャリッジ10をZ2方向の側から見た場合の平面図である。
図7は、キャリッジ10をX1方向の側から見た場合の正面図である。
図8は、
図6のB-B線断面図である。
図9は、
図6のC-C線断面図である。
図10は、キャリッジ10の分解斜視図である。
【0048】
図5に示すように、キャリッジ10は、樹脂製のキャリッジフレーム50を備える。
図6に示すように、キャリッジ10に設けられる搬送機構13は、キャリッジフレーム50に固定されるモータ60(
図9参照)と、駆動ローラ61および従動ローラ62を有する第1ローラ対71および第2ローラ対72(
図5参照)と、モータ60の回転を各ローラ対71、72の駆動ローラ61に伝達する輪列73(
図8参照)と、を備える。
【0049】
第1ローラ対71および第2ローラ対72は、キャリッジ10のY方向の中央に位置する。また、第1ローラ対71は、キャリッジフレーム50のX2方向の端部に配置され、第2ローラ対72は、キャリッジフレーム50のX1方向の側の端部に配置されている。各ローラ対71、72において、駆動ローラ61は、従動ローラ62のX2方向に位置する。駆動ローラ61は、その中心からY方向に延びる第1回転軸61aを備える。従動ローラ62は、その中心からY方向に延びる第2回転軸62aを備える。駆動ローラ61および従動ローラ62は、キャリッジフレーム50に回転可能に支持されている。
【0050】
キャリッジフレーム50は、第1ローラ対71および第2ローラ対72のY1方向に位置する第1フレーム51と、第1ローラ対71および第2ローラ対72のY2方向に配置される第2フレーム52を備える。
図6、
図7に示すように、第1フレーム51は、駆動ローラ61および従動ローラ62にY1方向の側から対向する側板部53と、側板部53からY1方向に突出して輪列73の周りを囲う突出壁54を備える。また、キャリッジフレーム50は、突出壁54のY1方向の端に当接して第1フレーム51に固定される樹脂製の第1カバー55を備える。輪列73は、第1カバー55と第1フレーム51との間に収容される。
図7に示すように、第1フレーム51の側板部53は、Y1方向に凹む第1案内溝53aを備える。
【0051】
第2フレーム52は、第1フレーム51の側板部53とY方向で対向する側板部56を備える。
図6に示すように、側板部56は、X方向の中央部分にY2方向に窪む凹部56aを備える。また、
図7に示すように、側板部56は、第1案内溝53aと対向する位置に、Y2方向に凹む第2案内溝56bを備える。さらに、第2フレーム52は、
図6、
図10に示すように、第2案内溝56bのZ1方向において側板部56からY1方向へ突出するモータ保持部58を備える。モータ60は、モータ保持部58に保持されて、第1案内溝55aおよび第2案内溝56bのZ1方向に位置する。
【0052】
図7に示すように、第1フレーム51と第2フレーム52の間には、各従動ローラ62を駆動ローラ61の側へ押圧する押圧機構67が配置される。押圧機構67は、第2回転軸62aのZ1方向でY方向に延びる押圧ばね支持部材68と、従動ローラ62のY方向の両側で第2回転軸62aと押圧ばね支持部材68の間に圧縮状態で配置される押圧ばね69を備える。押圧ばね支持部材68のY1側の端部は第2フレーム52に固定され、押圧ばね支持部材68のY1方向の端部は第1フレーム51に固定される。
【0053】
図8に示すように、輪列73は、モータ60の出力軸に設けられたピニオン60aに噛み合う第1ギア64と、第1ギア64のX2方向に配置される複数のギアからなる第1輪列65と、第1ギア64のX2側に配置される複数のギアからなる第2輪列66と、を備える。第1輪列65と第2輪列66は、第1ギア64の回転中心を基準としてX方向に対称に構成される。第1輪列65は、第1フレーム51のX2方向の側の端部に回転可能に支持される第1ローラ対71の駆動ローラ61の第1回転軸61aにモータ60の回転を伝達する。第2輪列66は、第1フレーム51のX1方向の側の端部に回転可能に支持される第2ローラ対72の駆動ローラ61の第1回転軸61aにモータ60の回転を伝達する。従って、各ローラ対71、72の駆動ローラ61および従動ローラ62は、同期して回転する。
【0054】
ここで、
図5、
図9、
図10に示すように、キャリッジ10は、カード検出部80を備える。カード検出部80は、第2フレーム52にY1側から固定されるセンサ基板81と、センサ基板81に配置されるフォトセンサ82と、を備える。キャリッジフレーム50は、センサ基板81をY2方向の側から覆う樹脂製の第2カバー59を備える。第2カバー59は、センサ基板81と共に第2フレーム52に固定される。
【0055】
フォトセンサ82は、センサ基板81のX方向の両端に1つずつ配置される。カード検出部80は、X2方向の端に位置するフォトセンサ82の信号に基づき、キャリッジ10にカード2が取り込まれるときにカード2を検出する。また、カード検出部80は、X1方向の端に側のフォトセンサ82の信号に基づき、キャリッジ10からカード2を送り出すときにカード2を検出する。センサ基板81には、フォトセンサ82からの信号に基づいてカード2の通過を判定するセンサ回路が設けられている。カード検出部80(センサ回路)からの出力は、制御部15に入力される。
【0056】
(搬送機構の動作)
カード繰出し機構7からキャリッジ搬送路11の取込位置Eに向かって繰り出されるカード2をキャリッジ10に取り込む際には、カード2は、第1案内溝53aと第2案内溝56bによってY方向の両端をガイドされる。これにより、カード2は、Y方向の中央部分を第1ローラ対71の駆動ローラ61および従動ローラ62によりニップ可能な状態となる。ここで、制御部15は、搬送機構13のモータ60を駆動することにより、各ローラ対71、72の駆動ローラ61を駆動する。これにより、カード2は、第1ローラ対71の駆動ローラ61および従動ローラ62によってZ方向から挟まれた状態で、キャリッジ10上に取り込まれる。その後、カード2は、第1ローラ対71によりX1方向に搬送され、第1ローラ対71および第2ローラ対72によってX方向の両端部分が挟まれた状
態で停止する。これにより、カード2は、キャリッジ10に保持される。
【0057】
次に、制御部15は、コードリーダ14による読取動作が正常に行われたと判断した場合に、モータ60を駆動して各ローラ対71、72の駆動ローラ61を正方向に回転させて、カード2をキャリッジ10からX1方向に送り出す。
【0058】
一方、制御部15は、コードリーダ14による読取動作が正常に行われなかったと判断した場合には、モータ60を駆動して、各ローラ対71、72の駆動ローラ61を正方向または逆方向に回転させて、カード2をキャリッジ10上でX方向の所定の方向に所定量だけ移動させる。しかる後に、制御部15は、コードリーダ14を駆動して、再読取動作を行う。
【0059】
ここで、制御部15は、再読取動作が正常に行われなかった場合には、モータ60を逆方向に駆動して、各ローラ対71、72の駆動ローラ61を逆方向に回転させて、カード2をキャリッジ10からX2方向に送り出す。
【0060】
(作用効果)
本例のカード2搬送ユニットでは、コードリーダ14は、キャリッジ搬送路11に設定された読取位置Rにおいてキャリッジ10に保持されたカード2にZ方向から対向して、コード(バーコード2aおよび2次元コード2b)を読み取る。従って、複数のカードカセット6の配列方向と直交するX方向において、カードカセット6、キャリッジ搬送路11、およびコードリーダ14がこの順に配列されることを回避できる。よって、カード2搬送ユニットがX方向で大型化することを防止或いは抑制できる。また、X方向において、カードカセット6、キャリッジ搬送路11、およびコードリーダ14がこの順に配列される構成では、コードリーダ14による読取動作が行われたカード2を、更にX1方向に送り出す送り出し機構が必要となるが、コードリーダ14による読取位置Rがキャリッジ搬送路11上に設けられていれコードリーダ14による読取動作が終了したカード2を、キャリッジ10が備える搬送機構13により、X1方向に送り出すことができる。
【0061】
本例において、制御部15は、読取動作においてコードリーダ14がコードを読み取れたか否かを取得し、コードが読み取れていない場合には、搬送機構13を駆動制御してカード2をキャリッジ10上でX方向に移動させて読取動作を行う。すなわち、読取動作においてコードリーダ14がコードを読み取れない場合には、キャリッジ10に取り込んだカード2がキャリッジ10上で適切な位置に配置されていない状態となっている可能性がある。ここで、搬送機構13は、キャリッジ10上においてカード2をX方向に移動させることができる。従って、コードリーダ14がコードを読み取れないときに搬送機構13を駆動制御してカード2をキャリッジ10上で移動させれば、コードリーダ14によりコードが読み取れる場合がある。
【0062】
本例において、読取位置Rと、送り出し位置Pとは、同一である。従って、読取動作が終了した後に、キャリッジ10を移動させることなく、カード2をX1方向に送り出すことができる。
【0063】
本例において、複数の取込位置Eのうちの一つの取込位置Eと、読取位置Rと、送り出し位置Pとは、同一である。従って、読取位置Rおよび送り出し位置Pと同一に設定された取込位置EのX方向の他方側に位置するカードカセット6(5)およびカードカセット6(6)からカード2が繰り出される際に、キャリッジ10を取込位置Eから移動させずに、コードの読み取りと、カード2のX1方向への送り出しとを行うことができる。
【0064】
本例において、キャリッジ搬送路11には、キャリッジ10からカード2を回収する回
収位置Qが設定されている。制御部15は、読取動作においてコードリーダ14がコードを読み取れたか否かを取得し、コードが読み取れていない場合には、キャリッジ移動機構12を駆動制御してキャリッジ10を回収位置Qに配置し、搬送機構13を駆動制御してカード2をキャリッジ10からX方向の他方側に送り出す。従って、コードリーダ14によりコードを読み取ることができなかったカード2を、キャリッジ10からX方向の他方側に排出して、回収できる。
【0065】
(その他の実施の形態)
読取位置Rおよび送り出し位置Pは、キャリッジ搬送路11上の任意位置に設定できる。また、読取位置Rおよび送り出し位置Pは、異なる位置としてもよい。
【0066】
また、上記の例では、カードカセット6(1)、6(3)、6(5)のZ1方向にカード回収部8を設けているが、カード回収部8は一つでもよい。この場合に回収位置Qは、このカード回収部8のX1方向に位置する一か所に設定される。
【0067】
なお、カード2の表面には、バーコード2aまたは2次元コード2bの一方のみが印刷されていてもよい。カード2にバーコード2aのみが印刷されている場合には、コードリーダ14として、カード2に向かって読取光を照射し、反射光に基づいて情報を読み取るバーコードリーダを採用してもよい。
【0068】
ここで、コードが記載されたカード2として、磁気ストライプなどの情報記録部を有する磁気カード、或いは、ICチップを有するICカードを発行する場合には、本例のカード発行装置1を、カード収容部3からX1方向にカード2を搬送するカード搬送ユニットとして用いる。そして、カード発行装置1の送り出し位置PのX1方向に磁気ストライプに対する磁気情報の読み書きおよびICチップに対する情報の読み書きを行うカード処理装置を設置して、カード発行装置とする。この場合、カード処理装置は、キャリッジ10からX1方向に送り出されたカード2を取り込み、カードに対する情報の読み書き処理を行って、カードを発行する。
【符号の説明】
【0069】
1…カード発行装置、2…カード、2a…バーコード(1次元コード)、2b…2次元コード、3…カード収容部、4…カード搬送機構、5…カセットホルダ、6…カードカセット、6a…開口部、7…カード繰出し機構、7A…第1カード繰出し機構、7B…第2カード繰出し機構、8…カード回収部、9…案内部材、10…キャリッジ、11…キャリッジ搬送路、12…キャリッジ移動機構、13…搬送機構、14…コードリーダ、15…制御部、16…基板、20…ベース、21…フレーム、21a…第1延設部、21b…屈曲部、21c…第2延設部、22…スリット、23…カード送出爪、24…チェーン駆動機構、25…モータ、26…ベルト機構、27…送出ローラ、28…モータ、35…ガイド軸、36…キャリッジモータ、37…ベルト機構、38…キャリッジベルト、39…支持フレーム、50…キャリッジフレーム、51…第1フレーム、52…第2フレーム、53…側板部、53a…第1案内溝、54…突出壁、55…第1カバー、55a…第1案内溝、56…側板部、56a…凹部、56b…第2案内溝、58…モータ保持部、59…第2カバー、60…モータ、60a…ピニオン、61…駆動ローラ、61a…第1回転軸、62…従動ローラ、62a…第2回転軸、64…第1ギア、65…第1輪列、66…第2輪列、67…押圧機構、68…押圧ばね支持部材、71…第1ローラ対、72…第2ローラ対、73…輪列、80…カード検出部、81…センサ基板、82…フォトセンサ、X方向…配列方向と直交する方向、Y方向…配列方向